(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023035979
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】車両のための芳香デバイス
(51)【国際特許分類】
A61L 9/01 20060101AFI20230306BHJP
B65D 85/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A61L9/01 Q
B65D85/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022135620
(22)【出願日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】21194251
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】513206898
【氏名又は名称】ズーパイル-テル・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ・ハインリヒ・グッゲンハイム
【テーマコード(参考)】
3E068
4C180
【Fターム(参考)】
3E068CC13
3E068CE03
3E068CE09
3E068DD08
3E068DD09
3E068DD11
3E068DD21
3E068DD30
3E068DE01
3E068DE19
3E068EE01
3E068EE15
3E068EE25
3E068EE34
4C180AA13
4C180CA08
4C180JJ01
4C180LL02
4C180MM07
(57)【要約】
【課題】芳香デバイス(1)が車両の内部を芳香するために使用される。
【解決手段】芳香デバイス(1)が、ハウジング(2)と、ハウジング(2)内に配置された芳香液容器(3)と、ハウジング(2)上に配置された少なくとも1つの結合デバイス(10)とを備える。少なくとも1つの保持デバイス(4)が結合デバイス(10)に結合され得る。保持デバイス(4)により、芳香デバイス(1)が、車両の内部の換気装置に取り付けられ得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のための芳香デバイス(1)において、
- ハウジング(2)と、
- 前記ハウジング(2)内に配置された芳香液容器(3)と、
- 前記ハウジング(2)上に配置された少なくとも1つの結合デバイス(10)と、
- 前記芳香デバイス(1)を前記車両の内部の換気装置に取り付けるための少なくとも1つの保持デバイス(4)と
を備える、芳香デバイス(1)であって、
前記保持デバイス(4)が前記結合デバイス(10)に結合され前記結合デバイス(10)から脱着され得る
ことを特徴とする、芳香デバイス(1)。
【請求項2】
少なくとも3つの結合デバイス(10)が前記ハウジング(2)上に配置され、前記少なくとも3つの結合デバイス(10)を用いて、前記少なくとも1つの保持デバイス(4)のうちの1つの保持デバイス(4)が各々の事例で結合され得、
前記3つの結合デバイス(10)が互いから離間され、および/または、
入口開口部(7)が前記少なくとも3つの結合デバイス(10)の間に設けられ、空気が前記入口開口部(7)を通って前記ハウジング(2)の中まで流れることができる、
請求項1に記載の芳香デバイス。
【請求項3】
前記結合デバイス(10)および前記保持デバイス(4)が、スナップ嵌合の形態で互いに結合されるように適合される、請求項1または2に記載の芳香デバイス。
【請求項4】
前記結合デバイス(10)がフレーム(101)を備え、前記保持デバイス(4)が平坦なプレート(44)を備え、前記保持デバイス(4)の前記プレート(44)を、結合するために前記結合デバイス(10)の前記フレーム(101)の下で摺動させるのを可能にするように構成される、
前記プレート(44)が、結合位置において前記フレームの隙間(103)内に係合される少なくとも1つの突出部(45)を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項5】
少なくとも2つの構造的に異なるかたちで設計された保持デバイス(4)を備え、両方の保持デバイス(4)が前記少なくとも1つの結合デバイス(10)のうちの1つの結合デバイス(10)に結合され得る、請求項1から4のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項6】
前記保持デバイス(4)のうちの少なくとも1つの保持デバイス(4)がゴムキャップ(41)を備え、
- 前記ゴムキャップ(41)が、前記換気装置の2つの羽根板の間にクランプされ得るように適合され、および/または、
- 前記ゴムキャップ(41)が前記保持デバイス(4)から取り外し可能である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項7】
前記芳香デバイス(1)が、前記ゴムキャップ(41)を備える少なくとも2つの保持デバイス(4)を備え、前記少なくとも2つの保持デバイス(4)が多様なサイズのゴムキャップ(41)を備える、請求項6に記載の芳香デバイス。
【請求項8】
前記ゴムキャップ(41)が、外側表面(411)、基部表面(410)、および、前記基部表面(410)の反対側にある上側表面(412)を有する、請求項6または7に記載の芳香デバイス。
【請求項9】
溝(413)が前記ゴムキャップ(41)の前記上側表面(412)上に配置され、および/または、平行に延びている2つの上側縁部(414)が前記ゴムキャップ(41)の前記上側表面(412)上に配置され、
前記2つの上側縁部(414)の各々が直線的なセクション(415)を有する、
請求項8に記載の芳香デバイス。
【請求項10】
前記基部表面(410)の縁部線が、少なくとも1つの、具体的には2つの、直線的なセクション(416)を有し、
前記縁部線が、前記2つの直線的なセクション(416)を接続する2つの半円形(417)または半楕円を含む、
請求項8または9に記載の芳香デバイス。
【請求項11】
前記保持デバイス(4)のうちの少なくとも1つの保持デバイス(4)がスプレッダ要素(42)を備え、
- 前記スプレッダ要素(42)が、前記換気装置の2つの羽根板の間にクランプ可能となるように構成され、および/または、
- 前記スプレッダ要素(42)が少なくとも2つのスプレッダ要素(43)を備える、
請求項1から10のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項12】
前記保持デバイス(4)が前記ゴムキャップ(41)に結合され得、前記保持デバイス(4)がすべての結合デバイス(4)上の前記スプレッダ要素(42)に結合され得る、請求項6から10のいずれか一項に記載のおよび請求項11に記載の芳香デバイス。
【請求項13】
正確に3つの結合デバイス(10)が前記ハウジング(2)上に配置され、前記3つの結合デバイス(10)のうちの1つの結合デバイス(10)が、残りの2つの外側の結合デバイス(10)間の中間に配置され、
- 前記中間に配置された前記結合デバイス(10)のみが、前記少なくとも1つの保持デバイス(4)のうちの1つの保持デバイス(4)に結合されるか、または、
- 前記2つの外側の結合デバイス(10)のみが、前記少なくとも1つの保持デバイス(4)のうちの1つの保持デバイス(4)に結合される、
請求項1から12のいずれか一項に記載の芳香デバイス。
【請求項14】
- 前記中間にある前記結合デバイス(10)が、前記スプレッダ要素(42)を備える前記保持デバイス(4)に結合され、いずれの保持デバイス(4)も前記2つの外側の結合デバイス(10)に結合されない、または、
- 前記2つの外側の結合デバイス(10)の各々が、前記ゴムキャップ(41)を備える前記保持デバイス(4)のうちの1つの保持デバイス(4)に結合され、いずれの保持デバイス(4)も前記中間の結合デバイス(10)に結合されない、
請求項12および13に記載の芳香デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングと、ハウジング内に配置された芳香液(scent)容器とを備える、車両のための芳香デバイスに関する。さらに、芳香デバイスが、ハウジング上に配置された少なくとも1つの結合デバイスと、芳香デバイスを車両の内部の換気装置(ventilation)に取り付けるための少なくとも1つの保持デバイスとを備える。
【背景技術】
【0002】
例えば芳香液に浸漬された材料を有する、車両の内部に垂設され得る芳香デバイスが知られている。このようなデバイスは低コストで製造され得るが、それらの芳香効果が非一様となり得、通常はインテリアリヤビューミラーから垂設される芳香ボディが視界の邪魔となり得る。
【0003】
さらに、車両の内部の換気グリルに取り付けられる、芳香液を有する容器が知られている。芳香液のための容器が入口開口部を備え、その結果、換気装置からの空気が容器の中へ流れて芳香液に接触して芳香液の分子(scent molecule)を豊富に含むようになって出口開口部を通って容器から離れる。このような容器は、クランプ部品により、換気グリルに取り付けられまたは換気グリルから取り外され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本目的は、さまざまな方法で使用され得る芳香デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は請求項1の特徴を有する車両のための芳香デバイスによって達成される。「車両」という用語には、乗用車およびトラックなどの陸上車およびさらには航空機が含まれる。
【0006】
本発明による芳香デバイスが、中に芳香液容器が配置されたハウジングを備える。少なくとも1つの結合デバイスがハウジング上に配置される。さらに、芳香デバイスが、芳香デバイスを車両の内部の換気装置に取り付けるための少なくとも1つの保持デバイスを備える。保持デバイスが結合デバイスに結合され結合デバイスから脱着され得る。したがって、保持デバイスがハウジングに結合されハウジングから脱着され得る。
【0007】
保持デバイスをハウジングから脱着することが可能であることには、多様な種類の保持デバイスがハウジング上に設置され得るという利点がある。したがって、芳香デバイスが多様な換気装置に固定され得、芳香デバイスが柔軟的に使用され得、ユーザーフレンドリとなる。加えて、芳香デバイスの全体を交換するのを必要とすることなく、使用される保持デバイスも単純な様式で新しい保持デバイスに交換され得る。
【0008】
有利には、少なくとも3つの結合デバイスがハウジング上に配置され得る。少なくとも1つの保持デバイスのうちの1つの保持デバイスが各結合デバイスに結合され得る。
【0009】
保持デバイスおよび換気装置によっては、1つの保持デバイスのみを用いて芳香デバイスを換気装置上に設置するには不十分である。例えば、2つの保持デバイスを同時に用いて、芳香デバイスが換気装置上に設置され得る。さらに、保持デバイスの種類によっては、保持デバイスをハウジング上の多様な位置に設置することが必要となる可能性がある。したがって、保持デバイスを多様な位置においてハウジングに結合するのを可能にするために、複数の結合デバイスが提供される。
【0010】
有利には、3つの結合デバイスが互いから離間され、および/または、入口開口部が少なくとも3つの結合デバイスの間に設けられ得、空気がこれらの入口開口部を通ってハウジングの中まで流れることができる。
【0011】
具体的には、結合デバイスおよび保持デバイスがスナップ嵌合の形態で一体に結合するように構成される。「スナップ嵌合」は、結合デバイスおよび保持デバイスがフォームフィットで接合されるような接続である。スナップ嵌合の形成中、具体的には結合デバイスである、構成要素のうちの1つの構成要素が弾性的に変形し、フォームフィット接続の形態で解除可能に掛着される。
【0012】
多様な保持デバイスを結合デバイスのハウジングに結合することが可能であるという考えにより、保持デバイスと結合デバイスとの間のスナップ嵌合が、使用者が保持デバイスを結合デバイスから容易に切り離したり保持デバイスを結合デバイスに結合したりするのを可能にするための適切な解決策であると示される。
【0013】
有利には、結合デバイスがフレームを備え、保持デバイスが平坦なプレートを備え、結合するために保持デバイスのプレートを結合デバイスのフレームの下で摺動させるのを可能にするように構成され、ここでは、具体的にはプレートが、結合位置においてフレーム内の隙間内に係合される少なくとも1つの突出部を有する。
【0014】
有利には、芳香デバイスが、少なくとも2つの構造的に異なるかたちで設計された保持デバイスを備え、すなわち、2つの異なる種類の保持デバイスを備える。少なくとも2つの構造的に異なる保持デバイスの各々が、少なくとも1つの結合デバイスのうちの少なくとも1つの結合デバイスに結合され得る。
【0015】
これは、各々の考えられる保持デバイスを各結合デバイスの上で固定するのを可能にするように、設計され得る。しかし、すべての結合デバイスではなく、1つまたは複数の特定の結合デバイスに対して1つの種類の保持デバイスのみを結合するのを可能にするようにすることも可能である。「構造的に異なる」は、少なくとも2つの保持デバイスが同一ではなく、異なるかたちで構成または成形されている、ことを意味する。具体的には、少なくとも2つの保持デバイスが、多様な技術原理により、車両の内部の換気装置に付着する。これにより、芳香デバイスを多様な種類または形状の換気装置に取り付けることが可能となる。芳香デバイスが使用者により柔軟的に使用され得る。
【0016】
特定の実施形態では、少なくとも1つの保持デバイスのうちの1つの保持デバイスがゴムキャップを備える。具体的には、ゴムキャップが換気装置の2つの羽根板の間にクランプ可能となるように構成され、および/または、ゴムキャップが保持デバイスから取り外し可能である。
【0017】
ゴムキャップが、材料として、シリコーン、ゴム、および/またはエラストマ、具体的には、熱可塑性エラストマを含むことができる。具体的には、ゴムキャップが、30ショアA~90ショアAの範囲の硬さを有する材料を含むことができる。
【0018】
ゴムキャップが、その弾性により、芳香デバイスを車両内の換気装置に容易に設置することを可能にする。ゴムキャップが弾性を有し、多様な寸法の換気装置に合うように適合され得る。加えて、この弾性により、ゴムキャップを換気装置の2つの羽根板の間にクランプされることが可能となる。
【0019】
有利には、芳香デバイスが、多様なサイズのゴムキャップを備える少なくとも2つの保持デバイスを備える。したがって、使用者が、換気装置のデザインに応じて、より大きいゴムキャップまたはより小さいゴムキャップを設置することを選択することができる。換気装置の羽根板がより大きく離間される場合、使用者が、より大きいゴムキャップを備える保持デバイスを芳香デバイスのハウジングに結合する。しかし、羽根板がより小さく離間される場合、使用者がより小さいゴムキャップを備える保持デバイスを選択する。したがって、多様なゴムキャップを備える多様な保持デバイスが芳香デバイスと共に供給され得、使用者がハウジング上に選択的に設置することができる。
【0020】
有利には、ゴムキャップが、外側表面、基部表面、および、基部表面の反対側にある上側表面を備える。ゴムキャップのデザインによっては、上側表面が外側表面の一部となり得る。基部表面は、組み立て状態において芳香デバイスのハウジングの方を向くゴムキャップの表面である。上側表面は、組み立て状態において芳香デバイスのハウジングから離れる方を向くゴムキャップの表面である。より良好に理解できるように、定義された表面が図で可視化されている。
【0021】
具体的には、溝がゴムキャップの上側に配置され、および/または、平行に延びている2つの上側縁部がゴムキャップの上側に配置され、具体的には、ここでは、2つの上側縁部の各々が直線的なセクションを有する。
【0022】
溝によりゴムキャップの弾性挙動が改善される。ゴム、具体的には上側縁部が、溝の自由空間の中へ移動することができ、したがってより良好な弾性挙動を呈する。
【0023】
有利には、基部表面の縁部線が、少なくとも1つの、具体的には2つの、直線的なセクションを有する。したがって、基部表面は円形または楕円の形状を有するというわけではなく、直線的なセクションも含む。直線セクションには、換気装置に対しての、具体的には換気装置の羽根板に対しての、接触面が大きくなり、したがって、芳香デバイスと換気装置との間でより良好なクランプ効果が達成され得る、という利点がある。
【0024】
具体的には、縁部線が、2つの直線的なセクションを接続する2つの半円または半楕円(half ellipse)を含む。
【0025】
別の実施形態では、保持デバイスのうちの少なくとも1つの保持デバイスがスプレッダ要素を備えることができる。スプレッダ要素を備える保持デバイスは、ゴムキャップを備える保持デバイスであり、さらには構造的に異なる種類の別の保持デバイスである。
【0026】
具体的には、芳香デバイスが、スプレッダ要素を備える保持デバイスおよびゴムキャップを備える保持デバイスの両方と共に供給され得る。これにより、多様な技術原理を用いる多様な保持デバイスが使用者に提供される。使用者が異なるかたちで設計された換気装置上に芳香デバイスを設置することがより容易になる。その理由は、使用者が利用可能である多様な保持デバイスを有するからである。
【0027】
具体的には、スプレッダ要素が、換気装置の2つの羽根板の間にクランプされ得るように設計され、および/または、スプレッダ要素が少なくとも2つのスプレッダ部材を有することができる。
【0028】
有利には、ゴムキャップを備える保持デバイスおよびスプレッダ要素を備える保持デバイスがすべての結合デバイスに結合され得る。これにより、保持デバイスをハウジングに取り付けることにおける最大限の柔軟性が使用者に与えられる。
【0029】
特定の実施形態では、正確に3つの結合デバイスがハウジング上に配置される。3つの結合デバイスのうちの1つの結合デバイスが、残りの2つの外側の結合デバイス間の中間に配置される。
【0030】
第1の構成では、中間に配置された結合デバイスのみが、少なくとも1つの保持デバイスのうちの1つの保持デバイスに、具体的にはスプレッダ要素を備える保持デバイスに、結合される。第2の構成では、2つの外側の結合デバイスのみが、少なくとも1つの保持デバイスのうちの1つの保持デバイスに、具体的にはゴムキャップを各々有する2つの保持要素に、結合される。第2の構成では、より小さいゴムキャップまたはより大きいゴムキャップを備える保持要素が結合され得る。
【0031】
従属請求項、および、図面に基づく以下の説明から、本発明の別の実施形態、利点、および適用が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】芳香液容器が挿入されてない状態の芳香デバイスを示す正面図である。
【
図2】2つのゴムキャップが芳香デバイスに結合された状態の芳香デバイスを示す背面図である。
【
図3】スプレッダ要素が芳香デバイスに結合された状態の芳香デバイスを示す背面図である。
【
図4】芳香液容器のない状態の芳香デバイスを示す分解図である。
【
図5】
図5aはゴムキャップを示す図である。
図5bはゴムキャップを示す図である。
図5cはゴムキャップを示す図である。
図5dはゴムキャップを示す図である。
図5eはゴムキャップを示す図である。
図5fはゴムキャップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
概説
図1から4が、ハウジング2と、ハウジング2内に配置された芳香液容器3とを備える、車両のための本発明による芳香デバイス1を示す。芳香液容器3が交換可能である。芳香液容器3がハウジング2から取り外され得、新しい芳香液容器3がハウジング2の中に挿入され得る。芳香デバイス1が保持デバイス4を有し、保持デバイス4を用いて芳香デバイス1が車両の内部の換気装置上に設置され得る。
【0034】
図1が芳香デバイス1の前面側を示す。出口開口部5が芳香デバイス1の前方部分に配置される。したがって、前方側は出口側6とも称される。加えて、出口開口部が、ハウジング2の一方のまたは両方の側壁上に、ならびに/あるいは、その頂部側におよび/またはその底部側に、さらに設けられ得る。
【0035】
図2および3が、後方から見た場合の芳香デバイス1を示す。入口開口部7が芳香デバイス1の後方部分に配置される。したがって、後方側は入口側8とも称される。
【0036】
芳香デバイス1が車両のパッセンジャーコンパートメント内の換気装置上に設置される場合、入口側8が換気装置の方を向き、出口側6が換気装置から離れる方を向く。空気が、換気装置を出て入口開口部7を通ってハウジング2に入り、ハウジング2内に配置された芳香液容器3に入るように、流れる。空気が芳香液容器3内の芳香液に接触して芳香液の分子を豊富に含むようになって出口開口部5を通って芳香デバイス1のハウジング2から離れる。空気が車両の内部に到達して内部を芳香する。
【0037】
芳香液容器
芳香液容器3が、
図2に示されるように、交換可能な芳香液スティックとして提供され、ここでは、芳香液スティックが、材料として、具体的にはエラストマである少なくとも1つのポリマーの複合材料および芳香液を含むか、または、このような材料で構成される。この事例では、ポリマーが芳香液を豊富に含み、そのキャリアとして機能する。好適には、芳香液スティックが複数の通路開口部9を有し、換気スロットから出現する空気が通路開口部9を通って流れることができる。通路開口部9を提供することにより、換気スロットから外に出る空気が芳香液に接触するときの表面積が増大し、それにより、芳香デバイス1を通って流れる空気が芳香液の分子をより豊富に含むことになる。通路開口部9が、好適には、換気スロットからの空気の流れ方向に位置合わせされる。別法として、芳香液が、ケージ内に収容される顆粒の形態で提供され得る。
【0038】
図1に示されるように、ハウジング2がその端部の一方の端部にあるハウジング開口部21を有し、ハウジング開口部21がハウジングカバー22を用いて閉じられ得る。芳香液容器3を交換するために、使用者が、回転ヒンジによりハウジングに取り付けられしたがって開位置においてもハウジング2に接続されたままハウジングカバー22を開ける。
【0039】
使用者が新しい芳香液容器3を挿入することを望む場合、使用者が新しい芳香液容器3を正しい方向でハウジング2の中に、および摺動容器11の中に挿入しなければならない。これは、芳香液容器3の前方端部に凹部31が設けられているからであり、ハウジング2の突出部または摺動容器11の突出部が挿入位置において凹部31内に係合される。凹部31および突出部が係合されない場合、芳香液容器3がハウジング2の中に完全には挿入され得ず、ハウジングカバー22が閉じられ得ない。使用者が芳香液容器3をハウジング2の中に正しく挿入すると、使用者がハウジングカバー22を閉じることができる。閉じられると、ハウジングカバー22がハウジング2上の定位置でロックし、その結果、ハウジングカバー22が意図されずに開かないようになる。
【0040】
図4では、ハウジングカバー22が湾曲形状を有することがはっきりと分かる。ハウジングカバー22のより長い方のセクション221がハウジング2の横方向端部を形成する。ハウジングカバー22のより短い方のセクション222が、ハウジング2の長手方向辺の1セクションに沿って延在する。ハウジングカバー22の湾曲形状には、ハウジング開口部21がこれに対応して大きく、芳香液容器3が好都合に挿入され得る、という利点がある。
【0041】
出口側のデザイン
図1に示されるように、ハウジング2およびひいては出口側6が、長辺61および短辺62を有する細長い形状を有する。複数の出口開口部5が出口側6に配置される。複数の出口開口部5の各々が細長いスロットの形状を有し、互いに平行にかつ互いに等距離に配置される。
【0042】
出口開口部5の各々が、長辺61に対して斜めにおよび短辺62に対して斜めに配置される。言い換えると、出口開口部5が長辺61に平行に配置されず、短辺62にも平行に配置されない。本実施形態では、斜めとは、スロットとして設計される出口開口部5が、長辺61に対して45°の角度でおよび短辺62に対して45°の角度で配置される、ことを意味する。出口開口部5の各々が、短辺62の長さのほぼ全体にわたって延在する。
【0043】
保持デバイス
3つの結合デバイス10が入口側8に配置される。保持デバイス4が3つの結合デバイス10の各々に結合され得る。3つの結合デバイス10が離間され、入口開口部7が3つの結合デバイス10の間に配置される。
【0044】
図2が、車両の換気装置上に空気清浄装置(air freshener)1を設置するための第1の変形形態を示す。ゴムキャップ41を備える保持デバイス4が外側の結合デバイス10の各々に結合される。中央の結合デバイス10が開放状態のままであり、いずれの保持デバイス4にも結合されていない。
【0045】
ゴムキャップ41が弾性材料で作られ、車両内の換気装置の2つの羽根板の間にクランプされるように構成される。したがって、ゴムキャップ41を備える保持デバイス4が、車両内部の換気スロットの中に保持されるかたちで挿入され得る。言い換えると、ゴムキャップ41を換気スロットの中に挿入することにより、空気清浄デバイス1が換気スロットに取り付けられ得るように、ここでは、ゴムキャップ41が換気スロットによりクランプ固定されて保持されるように、ゴムキャップ41の寸法が換気スロットの寸法(具体的には、幅)に基づいて決定される。ゴムキャップ41が保持デバイス4に取り付け可能である。これにより、単純な様式でゴムキャップ41を交換することが可能となる。
【0046】
ハウジング2が、好適には、細長である。ハウジング2が換気スロット上に設置される場合、ハウジング2が換気スロットに沿って延在する。両方の保持デバイス4が同じ換気スロット内に配置される。もちろん、ハウジング2を換気スロットに対して横方向に配置することも可能であり、この事例では、保持デバイス4が異なる換気スロット内に配置される。
【0047】
図3が、車両の換気装置上に空気清浄装置1を設置するための第2の変形形態を示す。外側の結合デバイス10が開放状態のままであり、いずれの保持デバイス4にも結合されていない。中央の結合デバイス10のみの上に保持デバイス4が配置され、保持デバイス4がスプレッダ要素42を有する。スプレッダ要素42が2つのスプレッダ部材43を備え、ゴムキャップ41と同様に車両の換気装置の2つの羽根板の間にクランプされ得る。
【0048】
ゴムキャップ41を備える保持デバイス4およびスプレッダ要素42を備える保持デバイス4は異なる種類の保持デバイス4を表しており、これらは構造的に異なる。
【0049】
3つのすべての結合デバイス10が同一に設計されている。すなわち、ゴムキャップ41を備える保持デバイス4およびスプレッダ要素42を備える保持デバイス4の両方が3つのすべての結合デバイスに結合され得、したがって互いに置換可能である。したがって、特許請求の範囲によると、保持デバイス4の各々が少なくとも1つの結合デバイス10のうちの1つの結合デバイス10に結合され得る。
【0050】
図2および3に示されるように、結合デバイス10がスナップ嵌合の形態で保持デバイス4に結合される。結合デバイス10が正方形フレーム101を備える。フレーム101は3つの側で閉じられており、その下側においてフレーム開口部102を有する。フレーム101が、左側および右側の各々に配置される2つの隙間103をさらに有する。
【0051】
保持デバイス4が平坦な正方形プレート44を備え、保持デバイス4の種類に応じて、ゴムキャップ41またはスプレッダ要素42のいずれかが平坦な正方形プレート44に接続される。突出部45がプレート44上に配置され、突出部45が、スナップイン位置で、結合デバイス10のフレーム101の隙間103内に係合され得る。
【0052】
使用者が、保持デバイス4のプレート44を、下側から、フレーム101の下方のフレーム開口部102を通して、押すことにより、保持デバイス4を結合デバイス10に結合することができる。これにより、突出部45がフレーム101を押圧することを理由として、フレーム101が弾性的に変形する。突出部45が隙間103の中に現れるまで、使用者がさらにプレート44を押す。フレーム101が変形して元に戻り、プレート44がフレーム101内にスナップ式に嵌め込まれる。保持デバイス4および結合デバイス10が一体に結合される。
【0053】
使用者が保持デバイス4を結合デバイス10から脱着することを望む場合、使用者が保持デバイス4を下方に移動させ、その結果、プレート44がフレーム開口部102を通ってフレーム101の外へ誘導される。この移動のために、すなわちスナップ嵌合の係合解除のために、突出部45によりフレーム101がやはり弾性的に変形するとき、使用者が一定の大きさの力を加えなければならない。
【0054】
上で説明したように、空気清浄装置1を車両内の換気装置に設置するための多様な変形形態が使用者にとって利用可能である。使用者が、設置するために、一方で、ゴムキャップ41を備える保持デバイス4を使用することができ、他方で、スプレッダ要素42を備える保持デバイス4を使用することができる。したがって、使用者は、一方で、芳香液容器3を備えるハウジング2を含む、また他方で、異なる種類の保持デバイス4を含む、キットを有することになる。加えて、このキットが多様なサイズのゴムキャップ41をさらに有することができる。すなわち、この事例では、使用者が、車両の内部の換気装置上に芳香デバイス1を設置するための合計3つの変形形態を自由裁量で有する。この設置は、小型のゴムキャップ41により、大型のゴムキャップ41により、またはスプレッダ要素42により、実行される。使用者が、3つの変形形態の中から、換気装置のデザインに応じて芳香デバイス1を設置するための最良に適する変形形態を選択する。
【0055】
摺動デバイス
図4が、芳香デバイス1の個別の部品の分解図を示す。芳香液容器3は見ることができない。ハウジング2が、後方ハウジングカバー23と、前方ハウジングカバー25の枠を形成する前方ハウジングフレーム24とを備える。ハウジングカバー25が、出口側6にある上で言及した出口開口部5を有する。さらに、上で言及したハウジングカバー22が示され、ハウジングカバー22がハウジング開口部21を閉じることができる。
【0056】
摺動容器11を備える摺動デバイスがハウジング2の内部に配置される。摺動容器が、底部110、傾斜する出口開口部111を備える前方壁、および、垂直方向の入口開口部112を備える後方壁を備える。摺動容器11の壁の間に空間が存在し、その結果、芳香液容器3が摺動容器11の内部に配置され得る。
【0057】
ハウジング2の内部にウェブ26が存在し、底部において摺動容器11がウェブ26上に載置されるかまたは摺動容器11の側壁がウェブ26に触れている。これにより、ハウジング2と摺動容器11との間の接触面積が可能な限り小さくなるように維持される。摺動容器11がハウジング2内で容易に移動させられ得る。
【0058】
摺動容器11を移動させるために、プレート形状のハンドル113がその上側に配置され、プレート形状のハンドル113がハウジング2の上側を通ってハウジング2から突出する。したがって、ハンドル113は入口側8または出口側6を通って突出しない。ハンドル113は
図1でも見ることができる。ハンドル113を作動させることにより、使用者がハウジング2に対して摺動容器11を長手方向に移動させることができる。それにより、摺動容器11が、
図4に示される双方向矢印114の方向において前後に移動させられる。
【0059】
芳香液容器3が摺動容器11内に配置されてハウジング2に触れないことを理由として、芳香液容器3が、摺動容器11と同じ様式で、ハウジング2に対して移動する。その結果、芳香液容器3が移動中にハウジング2に対して擦れない。摺動容器11とハウジング2のウェブ26との間のみで摩擦が起こる。したがって、使用者により芳香液容器3が摺動容器11の中に正しく挿入されたかどうかに関係なく、わずかな摩擦のみで移動が制御下で行われる。
【0060】
摺動容器11の移動により、使用者が入口開口部7および出口開口部5を開けたり閉じたりすることができる。閉状態では、摺動容器11のストラットが入口開口部7および出口開口部5を塞ぐ。空気が芳香デバイス1を通って流れることができない。開状態では、摺動容器11の出口開口部111がハウジング2の出口開口部5に一致し、摺動容器11の入口開口部112がハウジング2の入口開口部7に一致する。空気が芳香デバイス1を通って流れることができ、芳香液容器3の芳香液の分子を豊富に含むことができる。
【0061】
ゴムキャップのデザイン
図5aから5fが、保持デバイス4上に配置されたゴムキャップ41を多様な視点からの詳細図で示す。ゴムキャップ41が、基部表面410と、外側表面411と、基部表面410の反対側にある上側表面412とを有する。
図6に示されるゴムキャップ41が円形の上側表面412を有することを理由として、上側表面412が外側表面411の一部を形成する。
【0062】
基部表面は、組み立て状態において芳香デバイスのハウジングの方を向くゴムキャップの表面である。上側表面は、組み立て状態において芳香デバイスのハウジングから離れる方を向くゴムキャップの表面である。
【0063】
細長い溝413がゴムキャップ41の上側表面412上に配置される。溝413が上側表面412を2つの平行な上側縁部414へと分離させ、これらの上側縁部414の各々が直線的なセクション415を有する。
【0064】
ゴムキャップ41の基部410が、2つの直線的なセクション416を有する外周部または縁部線を有する。これらの2つの直線的なセクション416が2つの半円417によって接合される。したがって、基部410は楕円形状に類似するが、周縁線が直線的なセクション416を有することを理由として、基部410は正確には楕円形状ではない。
【0065】
本出願では本発明の好適な実施形態が説明されるが、本発明がこれらの好適な実施形態のみに限定されず、以下の特許請求の範囲内にある他の方法でも実行され得ることに明確に留意されたい。
【符号の説明】
【0066】
1 芳香デバイス
2 ハウジング
3 芳香液容器
4 保持デバイス
5 出口開口部
6 出口側
7 入口開口部
8 入口側
9 通路開口部
10 結合デバイス
11 摺動容器
21 ハウジング開口部
22 ハウジングカバー
23 後方ハウジングカバー
24 前方ハウジングフレーム
25 前方ハウジングカバー
26 ウェブ
31 凹部
41 ゴムキャップ
42 スプレッダ要素
43 スプレッダ部材
44 プレート
45 突出部
61 長辺
62 短辺
101 正方形フレーム
102 フレーム開口部
103 隙間
110 底部
111 傾斜する出口開口部
112 垂直方向の入口開口部
113 ハンドル
114 双方向矢印
221 長い方のセクション
222 短い方のセクション
410 基部表面
411 外側表面
412 上側表面
413 細長い溝
414 上側縁部
415 直線的なセクション
416 直線的なセクション
417 半円
【外国語明細書】