(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036019
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】燃料電池触媒、その製造方法、及びそれを含む燃料電池
(51)【国際特許分類】
H01M 4/90 20060101AFI20230306BHJP
B01J 37/02 20060101ALI20230306BHJP
B01J 37/18 20060101ALI20230306BHJP
B01J 37/34 20060101ALI20230306BHJP
B01J 23/89 20060101ALI20230306BHJP
B01J 37/08 20060101ALI20230306BHJP
H01M 4/92 20060101ALI20230306BHJP
H01M 4/86 20060101ALI20230306BHJP
H01M 4/88 20060101ALI20230306BHJP
B22F 1/17 20220101ALI20230306BHJP
B22F 1/00 20220101ALI20230306BHJP
B22F 9/24 20060101ALI20230306BHJP
B82Y 30/00 20110101ALI20230306BHJP
B82Y 40/00 20110101ALI20230306BHJP
C22C 5/04 20060101ALN20230306BHJP
【FI】
H01M4/90 B
B01J37/02 301N
B01J37/18 ZNM
B01J37/34
B01J23/89 M
B01J37/08
H01M4/92
H01M4/90 M
H01M4/86 B
H01M4/86 M
H01M4/88 K
B22F1/17
B22F1/00 K
B22F9/24 E
B82Y30/00
B82Y40/00
C22C5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022136968
(22)【出願日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】10-2021-0114866
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】507098483
【氏名又は名称】ヒュンダイ・モービス・カンパニー・リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】304039548
【氏名又は名称】コリア・インスティテュート・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユゥ オン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】カン ユン シク
(72)【発明者】
【氏名】ユゥ ダエ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リ スン チュル
(72)【発明者】
【氏名】ユー スン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リ セ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジュエ ヒュク
(72)【発明者】
【氏名】リ オン ジュン
【テーマコード(参考)】
4G169
4K017
4K018
5H018
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169AA11
4G169BA08A
4G169BA08B
4G169BA26C
4G169BA27C
4G169BA42C
4G169BB02A
4G169BB02B
4G169BB08C
4G169BB09C
4G169BB11C
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4G169BC31A
4G169BC32A
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4G169BC33A
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4G169BC67A
4G169BC67B
4G169BC68
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5H018AA01
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5H018HH10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気化学反応の活性面積が増大し、高い質量当たり活性を有する燃料電池触媒、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】伝導性担体;及び前記担体に担持されたコア-シェルナノ粒子を含み、前記コアは白金及び遷移金属を含み、前記シェルは異種金属を含み、酸素飽和0.1MHClO
4電解質溶液において、電圧0.05~1.05V(vs.RHE)の電位範囲で、5mV/sのスキャン速度及び1600rpmの回転速度で測定された電気化学的単位面積当たり活性が0.3~0.6mA/cm
2であり、質量当たり活性が0.05~0.08mA/ugである燃料電池触媒、その製造方法、及びそれを含む燃料電池を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝導性担体と、
前記担体に担持されたコア-シェルナノ粒子と、を含み、
前記コアは、白金及び遷移金属を含み、
前記シェルは、異種金属を含み、
酸素飽和0.1MHClO4電解質溶液において、電圧0.05~1.05V(vs.RHE)の電位範囲で、5mV/sのスキャン速度及び1600rpmの回転速度で測定された電気化学的単位面積当たり活性が0.3~0.6mA/cm2であり、質量当たり活性が0.05~0.08mA/ugである燃料電池触媒。
【請求項2】
前記遷移金属は、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及び鉄(Fe)からなる群から選択された1種以上である、請求項1に記載の燃料電池触媒。
【請求項3】
前記異種金属は、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、及びイリジウム(Ir)からなる群から選択された1種以上である、請求項1に記載の燃料電池触媒。
【請求項4】
前記伝導性担体は、カーボンブラック、ケッチェンブラック、及び金属酸化物からなる群から選択された1種以上である、請求項1に記載の燃料電池触媒。
【請求項5】
前記コア-シェルナノ粒子は、直径が3nm~6nmであり、
シェルの厚さは、0.3nm~1.0nmである、請求項1に記載の燃料電池触媒。
【請求項6】
酸素飽和0.1MHClO4電解質溶液において、電圧0.05~1.05V(vs.RHE)の電位範囲で、5mV/sのスキャン速度及び1600rpmの回転速度で測定された電気化学的単位面積当たり活性が0.4~0.6mA/cm2であり、質量当たり活性が0.06~0.08mA/ugである、請求項1に記載の燃料電池触媒。
【請求項7】
伝導性担体に、白金及び遷移金属を含むコアが担持されたコア-担体粒子を有機溶媒に分散させ、還元ガス雰囲気下で撹拌してコア-担体粒子分散溶液を製造する段階(S1)と、
前記コア-担体粒子分散溶液と異種金属前駆体溶液とを混合してガルバニック置換反応を行う段階(S2)と、
洗浄及び乾燥後、還元ガス雰囲気下で熱処理する段階(S3)と、を含み、
前記(S2)段階のガルバニック置換反応は、
前記コア-担体粒子分散溶液をpH2~5の酸性分散溶液で製造した後、前記異種金属前駆体溶液と撹拌混合する段階(S2-1)で行うか;又は
前記コア-担体粒子分散溶液と前記異種金属前駆体溶液とを撹拌混合してコア-シェルナノ粒子含有分散溶液を製造し、前記コア-シェルナノ粒子含有分散溶液を洗浄及び乾燥後、熱処理して1次コア-シェルナノ粒子を製造した後、前記1次コア-シェルナノ粒子をpH2~5の酸性溶液に分散させる段階(S2-2)で行う、請求項1に記載の燃料電池触媒の製造方法。
【請求項8】
前記コア-担体粒子は、伝導性担体が溶解された有機溶液と白金前駆体、及び遷移金属前駆体が溶解された金属前駆体有機溶液を混合して反応させ、洗浄及び乾燥して製造される、請求項7に記載の燃料電池触媒の製造方法。
【請求項9】
前記(S1)段階において、分散は、超音波処理を介して行う、請求項7に記載の燃料電池触媒の製造方法。
【請求項10】
前記(S2-1)段階において、酸性分散溶液は、還元ガス雰囲気下で、コア-担体粒子分散溶液に酸を添加して製造する、請求項7に記載の燃料電池触媒の製造方法。
【請求項11】
前記(S2)段階において、前記異種金属前駆体溶液は、有機溶媒に異種金属前駆体を溶解させて製造されるものであり、
前記異種金属前駆体は、異種金属の窒化物(nitride)、塩化物(chloride)、硫化物(sulfide)、アセテート(acetate)、アセチルアセトネート(acetylacetonate)、シアン化物(cyanide)、及び水和物(hydrate)からなる群から選択された1種以上の化合物である、請求項7に記載の燃料電池触媒の製造方法。
【請求項12】
前記(S2-1)段階及び(S2-2)段階において、撹拌混合は、常温で12時間以上24時間以下撹拌して行う、請求項7に記載の燃料電池触媒の製造方法。
【請求項13】
前記(S2-2)段階において、酸性溶液は、アルコールに酢酸が1M~3Mに溶解された溶液である、請求項7に記載の燃料電池触媒の製造方法。
【請求項14】
前記(S3)段階の熱処理は、還元ガス雰囲気下で、300℃~900℃で行う、請求項7に記載の燃料電池触媒の製造方法。
【請求項15】
正極と、
前記正極と対向して位置する負極と、
前記正極と負極の間に位置する電解質膜と、を含み、
前記正極と負極のうち少なくとも一つは、請求項1に記載の燃料電池触媒を含む、燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学的活性表面積が増加した、高い質量当たり活性を有する燃料電池触媒、その製造方法、及びそれを含む燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代エネルギー源として脚光を浴びている燃料電池(Fuel cell)は、燃料の酸化/還元によって発生する化学エネルギーを電気エネルギーに変換させる電気化学装置であって、近年、電気自動車のような輸送用及び家庭での電源供給用未来型電気動力として期待されている。
【0003】
燃料電池での電極反応は、負極(「燃料極」又は「酸化電極」)での水素酸化反応と正極(「空気極」又は「還元電極」)での酸素還元反応で構成され、高分子電解質燃料電池(Polymer electrolyte membrane fuel cell)など、低温で駆動される燃料電池システムにおいて、これらの電気化学反応が実際に円滑に行われるためには、反応速度が効果的に増加しなければならない。
【0004】
このような理由により、燃料電池システムでは、貴金属触媒である白金(Pt)が必然的に使用されている。しかし、白金触媒は、優れたエネルギー変換効率にもかかわらず、価格が非常に高くて埋蔵量が制限されているので、燃料電池の商用化の障害因子になる可能性があることから、白金の高い価格と埋蔵量の限界を解決することが、燃料電気商用化の効率を最も極大化できる方案である。
【0005】
そのため、最近、白金の使用量を減らし、性能を高めるために、白金-遷移金属合金触媒が研究されたが、燃料電池駆動条件で遷移金属が容易に溶出されて性能が低下する問題があり、このような問題を解決するための一環として、合金ナノ粒子表面の遷移金属を燃料電池駆動条件に好適な異種金属に代替する技術が研究された。
【0006】
しかし、表面の遷移金属の置換は、原子レベルで行われるので、反応条件が非常に厳しく、効果的な代替も困難である。また、ガルバニック置換は、金属固有の標準還元電位を用いて、標準還元電位が相対的に低い金属と高い金属との置換反応を徐々に誘導するものであるため、原子レベルの置換を効果的に発現させるに有利であるが、標準還元電位の高い異種金属は、還元力が非常に優れているので、触媒の表面に独立したナノ粒子(結晶)として存在する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国公開特許 第10-2013-0123217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するために案出されたものであって、表面異種金属の除去段階を含むガルバニック置換反応、又は前処理段階を含むガルバニック置換反応による製造方法で製造され、電気化学反応の活性面積が増大し、高い質量当たり活性を有する燃料電池触媒の提供を目的とする。
【0009】
また、本発明は、前記燃料電池触媒の製造方法の提供を目的とする。
【0010】
さらに、本発明は、前記燃料電池触媒を含む燃料電池の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための本発明の一実施形態によれば、本発明は、伝導性担体;及び前記担体に担持されたコア-シェルナノ粒子を含み、前記コアは、白金及び遷移金属を含み、前記シェルは、異種金属を含み、酸素飽和0.1MHClO4電解質溶液において、電圧0.05~1.05V(vs.RHE)の電位範囲で、5mV/sのスキャン速度及び1600rpmの回転速度で測定された電気化学的単位面積当たり活性が0.3~0.6mA/cm2であり、質量当たり活性が0.05~0.08mA/ugである燃料電池触媒を提供する。
【0012】
また、本発明は、伝導性担体に白金及び遷移金属を含むコアが担持されたコア-担体粒子を有機溶媒に分散させ、還元ガス雰囲気下で撹拌してコア-担体粒子分散溶液を製造する段階(S1);前記コア-担体粒子分散溶液と異種金属前駆体溶液とを混合してガルバニック置換反応を行う段階(S2);及び洗浄及び乾燥後、還元ガス雰囲気下で熱処理する段階(S3)を含み、前記(S2)段階のガルバニック置換反応は、前記コア-担体粒子分散溶液をpH2~5の酸性分散溶液で製造した後、異種金属前駆体溶液と撹拌混合する段階(S2-1)で行うか;又は前記コア-担体粒子分散溶液と異種金属前駆体溶液とを撹拌混合してコア-シェルナノ粒子含有分散溶液を製造し、前記コア-シェルナノ粒子含有分散溶液を洗浄及び乾燥後、熱処理して1次コア-シェルナノ粒子を製造した後、前記1次コア-シェルナノ粒子をpH2~5の酸性溶液に分散させる段階(S2-2)で行う前記燃料電池触媒の製造方法を提供する。
【0013】
さらに、本発明は、正極;前記正極と対向して位置する負極;及び前記正極と負極の間に位置する電解質膜を含み、前記正極と負極のうち少なくとも一つは、前記燃料電池触媒を含む燃料電池を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の燃料電池触媒は、燃料電池駆動時に触媒表面への遷移金属の溶出が抑制され、表面に残留する異種金属ナノ結晶が減少して電気化学反応の活性面積が増加することから、質量当たり活性が改善して、酸化還元反応活性に優れた効果がある。
【0015】
また、本発明の燃料電池触媒の製造方法は、表面異種金属ナノ結晶の除去段階を含むか、酸処理する前処理段階を含むガルバニック置換反応を含むことにより、活性に優れた燃料電池触媒を製造することができる。
【0016】
さらに、本発明の燃料電池は、質量当たり活性が改善して、酸化還元反応活性に優れた触媒を正極及び負極の何れか一つの触媒層として含むことにより、電気化学反応に優れることがある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に添付される以下の図面は、本発明の具体的な実施例を例示するものであって、前述した発明の内容とともに本発明の技術思想をより理解させる役割を果たすものであるため、本発明は、そのような図面に記載された事項にのみ限定して解釈されてはならない。
【
図1】実施例1の燃料電池触媒のTEM画像であって、(a)HAADF-STEM画像、(b)PtEDX元素マップ、(c)AgEDX元素マップ、そして(d)はPt-Co/AgEDX元素マップを示す。
【
図2】比較例1の燃料電池触媒のTEM画像であって、(a)HAADF-STEM画像、(b)PtEDX元素マップ、(c)AgEDX元素マップ、そして(d)はPt/AgEDX元素マップを示す。
【
図3】実施例2の燃料電池触媒のTEM画像であって、(a)HAADF-STEM画像、(b)PtEDX元素マップ、(c)AuEDX元素マップ、そして(d)はPt/AuEDX元素マップを示す。
【
図4】比較例2の燃料電池触媒のTEM画像であって、(a)HAADF-STEM画像、(b)PtEDX元素マップ、(c)AuEDX元素マップ、そして(d)はPt/AuEDX元素マップを示す。
【
図5】実施例1及び比較例1の燃料電池触媒の電流-電圧グラフである。
【
図6】実施例2及び比較例2の燃料電池触媒の電流-電圧グラフである。
【
図7】実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2の燃料電池触媒の質量当たり活性分析グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に対する理解を助けるために、本発明をさらに詳細に説明する。
【0019】
本発明の説明及び特許請求の範囲に用いられる用語や単語は、通常的かつ辞典的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるとの原則に即し、本発明の技術的思想に適合する意味と概念に解釈されなければならない。
【0020】
[用語の定義]
本明細書において、用語「ガルバニック置換反応(Galvanic replacement)」は、金属と金属イオンが互いに電子をやり取りする酸化・還元反応の一種であって、自発的な反応であり、互いにイオン化傾向の異なる金属、例えば、銅(Cu)を銀(Ag)イオンが含まれた溶液に浸すと、銅は酸化されて溶出され、銀イオンは還元されて銅表面に析出され、銀メッキが形成される過程をガルバニック置換反応という。
【0021】
本明細書において、用語「異種金属」は、遷移金属とイオン化傾向の異なる、ガルバニック置換反応が起こり得る金属を示す。
【0022】
本明細書において、用語「常温」は、加熱するか冷却しない自然状態のままの温度を意味するものであって、20±5℃の温度である。
【0023】
本明細書において、用語「含む」、「有する」という用語及びこれらの派生語は、これらが具体的に開示されているか否かに関わらず、任意の追加の成分、段階又は手続きの存在を排除するように意図されたものではない。如何なる不確実さも避けるために、「含む」という用語の使用を介して請求されたすべての物質及び方法は、反対に記述されない限り、任意の追加の添加剤、補助剤、又は化合物を含んでよい。これと対照的に、「で本質的に構成される」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、任意のその他成分、段階又は手続きを、任意の連続する説明の範囲から排除する。「で構成される」という用語は、具体的に記述されているか列挙されていない任意の成分、段階又は手続きを排除する。
【0024】
[測定方法及び条件]
本明細書において、「電気化学的単位面積当たり活性」及び「電気化学的質量当たり活性」は、触媒0.005gをNafion溶液(5wt%)及びIPA(イソプロピルアルコール)混合溶液に分散させて触媒インクを製造し、それを回転円板電極(19.6mm2)上に落とした後、乾燥させて電極(working electrode)を製造し、基準電極としてはSCE電極、対電極としては白金線を用いて、準備した3相電極を0.1MHClO4電解質溶液に入れて酸素で飽和させ、スキャン速度5mV/sec、電圧範囲0.05~1.05V(vs.RHE)、回転速度1600rpmで測定したものである。
【0025】
燃料電池触媒
本発明は、電気化学反応の活性面積が増加し、質量当たり活性が改善して、酸化還元反応活性に優れた燃料電池触媒を提供する。
【0026】
本発明の一実施形態による前記燃料電池触媒は、伝導性担体;及び前記担体に担持されたコア-シェルナノ粒子を含み、前記コアは、白金及び遷移金属を含み、前記シェルは、異種金属を含み、酸素飽和0.1MHClO4電解質溶液において、電圧0.05~1.05V(vs.RHE)の電位範囲で、5mV/sのスキャン速度及び1600rpmの回転速度で測定された電気化学的単位面積当たり活性が0.3~0.6mA/cm2であることを特徴とする。
【0027】
また、前記燃料電池触媒は、酸素飽和0.1MHClO4電解質溶液において、電圧0.05~1.05V(vs.RHE)の電位範囲で、5mV/sのスキャン速度及び1600rpmの回転速度で測定された電気化学的質量当たり活性が0.05~0.08mA/ugであってよい。
【0028】
具体的には、前記燃料電池触媒は、酸素飽和0.1MHClO4電解質溶液において、電圧0.05~1.05V(vs.RHE)の電位範囲で、5mV/sのスキャン速度及び1600rpmの回転速度で測定された電気化学的単位面積当たり活性が0.4~0.6mA/cm2であり、質量当たり活性が0.06~0.08mA/ugであってよい。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、前記燃料電池触媒は、後述する異種金属ナノ結晶の除去のための後処理段階を含むか、酸処理する前処理段階を含むガルバニック置換反応を含む製造方法で製造され、燃料電池駆動条件で触媒表面への遷移金属の溶出が抑制され、表面に残留する異種金属ナノ結晶が減少する可能性があることから、電気化学反応の活性面積が増加し、質量当たり活性が改善して、酸化還元反応活性に優れた効果がある。
【0030】
前記伝導性担体は、コア-シェルナノ粒子の支持体として通常知られた伝導性支持体であれば、特に制限せずに使用することができ、一例として、炭素支持体及び金属酸化物からなる群から選択された1種以上であってよく、具体的には、カーボンブラック、ケッチェンブラック、及び金属酸化物(ITO、Nb doped TiO2、Ti4O7、AZO)からなる群から選択された1種以上であってよい。
【0031】
前記コア-シェルナノ粒子は、白金-遷移金属を含むコア;及び前記コアを囲んで形成された異種金属を含むシェルを含むものであって、前記コア-シェルナノ粒子の直径は、3nm~6nmであり、シェルの厚さは、0.3nm~1.0nmであってよい。もし、前記シェルの厚さが前記範囲未満の場合は、コアに存在する遷移金属が溶出され、腐食現象が発生する可能性があり、逆に、前記範囲を超える場合は、触媒の性能低下を誘発する可能性がある。
【0032】
また、前記遷移金属は、当分野に通常知られたものであれば、特に制限せず、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、及び鉄(Fe)からなる群から選択された1種以上であってよい。好ましくは、前記遷移金属は、コバルト及び銅からなる群から選択された1種以上であってよい。
【0033】
また、前記異種金属は、前記遷移金属とガルバニック置換反応が円滑に行われるものであれば、特に制限せず、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、及びイリジウム(Ir)からなる群から選択された1種以上であってよい。好ましくは、前記異種金属は、金及び銀からなる群から選択された1種以上であってよい。
【0034】
また、前記燃料電池触媒は、コア内の白金の原子比率含量100重量部に基づいて遷移金属の原子比率含量が10~30重量部、又は15~25重量部、好ましくは20重量部であってよい。もし、遷移金属の原子比率が前記範囲未満の場合は、白金の活性を増大させ得る遷移金属の含量が足りず、電気化学的活性の低下が発生する可能性があり、逆に、遷移金属の原子比率が前記範囲を超える場合は、白金の酸素種に対する吸着力を過度に減少させ、電気化学的活性の低下が発生するか、触媒表面に遷移金属が露出され、表面で溶出が発生して電気化学的活性の低下が発生する可能性がある。
【0035】
燃料電池触媒の製造方法
また、本発明は、前記燃料電池触媒の製造方法を提供する。
【0036】
本発明の一実施形態による前記燃料電池触媒の製造方法は、伝導性担体に白金及び遷移金属を含むコアが担持されたコア-担体粒子を有機溶媒に分散させ、還元ガス雰囲気下で撹拌してコア-担体粒子分散溶液を製造する段階(S1);前記コア-担体粒子分散溶液と異種金属前駆体溶液とを混合してガルバニック置換反応を行う段階(S2);及び洗浄及び乾燥後、還元ガス雰囲気下で熱処理する段階(S3)を含み、前記(S2)段階のガルバニック置換反応は、前記コア-担体粒子分散溶液をpH2~5の酸性分散溶液で製造した後、異種金属前駆体溶液と撹拌混合する段階(S2-1)で行うか;又は前記コア-担体粒子分散溶液と異種金属前駆体溶液とを撹拌混合してコア-シェルナノ粒子含有分散溶液を製造し、前記コア-シェルナノ粒子含有分散溶液を洗浄及び乾燥後、熱処理して1次コア-シェルナノ粒子を製造した後、前記1次コア-シェルナノ粒子をpH2~5の酸性溶液に分散させる段階(S2-2)で行うことを特徴とする。
【0037】
(S1)段階
前記(S1)段階は、表面に酸素種が除去されたコア-担体粒子分散溶液を製造する段階であって、伝導性担体に白金及び遷移金属を含むコアが担持されたコア-担体粒子を有機溶媒に分散させ、還元ガス雰囲気下で撹拌して行ってよい。
【0038】
前記有機溶媒は、当分野に通常知られたものであれば、特に制限せず、エタノール、無水エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、及びジメチルホルムアミドからなる群から選択された1種以上であってよい。
【0039】
また、前記(S1)段階において、分散は、超音波処理を介して行ってよく、具体的には、コア-担体粒子を有機溶媒に添加し、30分~1時間超音波処理して分散させ、その後、30分~1時間撹拌して行ってよい。
【0040】
また、前記還元ガス雰囲気は、分散溶液内の酸素種を除去できる環境を整えるものであって、例えば、水素、アルゴン、又はこれらの混合ガスを注入して形成してよい。
【0041】
また、前記コア-担体粒子は、伝導性担体が溶解された有機溶液と白金前駆体、及び遷移金属前駆体が溶解された金属前駆体有機溶液を混合して反応させ、洗浄及び乾燥して製造されるものであってよい。
【0042】
ここで、前記伝導性担体は、前述したので、その記載を省略する。
【0043】
前記白金前駆体は、当業界に通常知られたものであれば、特に制限せず、H2PtCl6、H2PtCl4、K2PtCl6、K2PtCl4及びPtCl2(NH3)4からなる群から選択された1種以上の化合物であってよい。
【0044】
また、前記遷移金属前駆体は、当業界に通常知られたものであれば、特に制限せず、遷移金属の窒化物(nitride)、塩化物(chloride)、硫化物(sulfide)、アセテート(acetate)、アセチルアセトネート(acetylacetonate)、シアン化物(cyanide)、及び水和物(hydrate)からなる群から選択された1種以上の化合物であってよい。
【0045】
前記伝導性担体が溶解された有機溶液と金属前駆体有機溶液は、それぞれ有機溶媒に前記伝導性担体及び金属前駆体を添加して溶解させて製造されたものであってよい。
【0046】
(S2)段階
前記(S2)段階は、白金及び遷移金属を含むコア上に異種金属を含むシェルを形成させる段階であって、前記(S1)段階において製造されたコア-担体粒子分散溶液に異種金属前駆体溶液を混合し、ガルバニック置換反応を実施して行ってよい。この際、ガルバニック置換反応は、常温で行ってよい。
【0047】
前記異種金属前駆体溶液は、有機溶媒に前記異種金属前駆体を添加して溶解させて製造されたものであってよく、前記異種金属前駆体は、異種金属の窒化物(nitride)、塩化物(chloride)、硫化物(sulfide)、アセテート(acetate)、アセチルアセトネート(acetylacetonate)、シアン化物(cyanide)、及び水和物(hydrate)からなる群から選択された1種以上の化合物であってよい。
【0048】
本発明において、前記(S2)段階のガルバニック置換反応は、下記2つの異なる段階により行ってよい。
【0049】
(S2-1)段階
前記コア-担体粒子分散溶液をpH2~5の酸性分散溶液で製造した後、異種金属前駆体溶液と撹拌混合して行ってよい。
【0050】
前記酸性分散溶液は、還元ガス雰囲気下で、コア-担体粒子分散溶液に酸を添加して製造するものであってよく、この際、酸は、前記酸性分散溶液のpHが2~5、具体的には、pH2~3になるようにする量で適宜使用してよい。
【0051】
ここで、前記酸は、前記pHを形成できるものであれば、特に制限せず、通常酸に分類される物質を使用してよく、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、過塩素酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸などの有機酸であってよく、好ましくは塩酸であってよい。
【0052】
この場合、ガルバニック置換反応前、酸性環境を整えることにより、触媒表面に異種金属が独立した結晶として形成されることを抑制することができる。
【0053】
前記撹拌は、常温で12時間以上24時間以下行うものであってよい。
【0054】
(S2-2)段階
前記コア-担体粒子分散溶液と異種金属前駆体溶液とを撹拌混合してコア-シェルナノ粒子含有分散溶液を製造し、前記コア-シェルナノ粒子含有分散溶液を洗浄及び乾燥後、熱処理して1次コア-シェルナノ粒子を製造した後、前記1次コア-シェルナノ粒子をpH2~5の酸性溶液に分散させる段階(S2-2)で行ってよい。
【0055】
ここで、前記酸性溶液は、酸に蒸留水あるいはアルコールなどを混合して前記pHに調節された溶液であってよく、前記酸は、塩酸、硝酸、硫酸、過塩素酸などの無機酸、又は酢酸、シュウ酸、酒石酸、安息香酸などの有機酸であってよく、好ましくは酢酸であってよい。
【0056】
より具体的には、前記酸性溶液は、アルコールに酢酸を1M~3Mに溶解させた溶液であってよい。
【0057】
前記撹拌は、常温で12時間以上24時間以下行うものであってよい。
【0058】
この場合、ガルバニック置換反応後、酸処理を行うことにより、触媒表面に独立して形成された異種金属結晶を除去することができる。
【0059】
(S3)段階
前記(S3)段階は、洗浄、乾燥、及び熱処理して燃料電池触媒を得る段階である。
【0060】
前記洗浄及び乾燥は、当業界に通常知られた方法で行ってよく、例えば、アルコール及び蒸留水を添加して洗浄し、20℃~100℃の温度で1時間~5時間乾燥させてよい。
【0061】
また、前記熱処理は、当業界に通常知られた方法で行ってよく、例えば、還元ガス雰囲気下で、300℃~900℃の温度で2時間~8時間行うものであってよい。
【0062】
燃料電池
また、本発明は、前記燃料電池触媒を含む燃料電池を提供する。
【0063】
本発明の一実施形態による前記燃料電池は、正極;前記正極と対向して位置する負極;及び前記正極と負極の間に位置する電解質膜を含み、前記正極と負極のうち少なくとも一つは、前記燃料電池触媒を含むことを特徴とする。
【0064】
本発明の燃料電池は、質量当たり活性度が改善して、酸化還元反応活性に優れた触媒を正極及び負極の何れか一つの触媒層として含むことにより、電気化学反応に優れることがある。
【0065】
実施例
以下、本発明を具体的に説明するために実施例を挙げて詳しく説明する。しかし、本発明に係る実施例は、様々な異なる形態に変形されてよく、本発明の範囲が以下の実施例により限定されるものと解釈されてはならない。本発明の実施例は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0066】
実施例1
炭素に担持された白金-コバルトナノ粒子コア(TEC36E52、TKK社)0.1gを、無水エタノール180mlに添加し、30分間超音波処理した後、30分間追加撹拌させた。その後、水素/アルゴン(5/95wt%)気体雰囲気下、1時間追加撹拌させた。
【0067】
ここに、銀前駆体溶液(20mlの無水エタノールに銀前駆体(酢酸銀)0.007g溶解)を添加し、12時間常温で撹拌した。その後、エタノール及び蒸留水で洗浄し、70℃のオーブンで3時間乾燥させ、水素/アルゴン(5/95wt%)ガス雰囲気下、400℃で2時間熱処理して1次コア-シェルナノ粒子を製造した。
【0068】
製造された1次コア-シェルナノ粒子を、1Mの酢酸/エタノール溶液に分散した後、12時間撹拌させ、エタノール及び蒸留水で洗浄し、常温で乾燥させ、再び水素/アルゴン(5/95wt%)ガス雰囲気下、400℃で2時間熱処理して燃料電池触媒を製造した。
【0069】
実施例2
炭素に担持された白金-コバルトナノ粒子コア(TEC36E52、TKK社)0.1gを、無水エタノール180mlに添加し、30分間超音波処理した後、30分間追加撹拌させた。その後、アルゴン気体雰囲気下で撹拌しながら塩酸を添加し、pH2の分散溶液を製造した。
【0070】
ここに、金前駆体溶液(100mlの無水エタノールに金前駆体(HAuCl4・xH2O)0.017g溶解)を、シリンジポンプを用いて24ml/hrで徐々に添加し、12時間常温で撹拌した。その後、エタノール及び蒸留水で洗浄し、70℃のオーブンで3時間乾燥させ、水素/アルゴン(5/95wt%)ガス雰囲気下、400℃で2時間熱処理して燃料電池触媒を製造した。
【0071】
比較例1
炭素に担持された白金-コバルトナノ粒子コア(TEC36E52、TKK社)0.1gを、無水エタノール180mlに添加し、30分間超音波処理した後、30分間追加撹拌させた。その後、水素/アルゴン(5/95wt%)気体雰囲気で、1時間追加撹拌させた。
【0072】
ここに、銀前駆体溶液(20mlの無水エタノールに、銀前駆体(酢酸銀)0.007g溶解)を添加し、12時間常温で撹拌した。その後、エタノール及び蒸留水で洗浄し、70℃のオーブンで3時間乾燥させ、水素/アルゴン(5/95wt%)ガス雰囲気で、400℃で2時間熱処理して燃料電池触媒を製造した。
【0073】
比較例2
炭素に担持された白金-コバルトナノ粒子コア(TEC36E52、TKK社)0.1gを、無水エタノール180mlに添加し、30分間超音波処理した後、30分間追加撹拌させた。その後、水素/アルゴン(5/95wt%)気体雰囲気下、1時間追加撹拌させた。
【0074】
ここに、金前駆体溶液(20mlの無水エタノールに、金前駆体(HAuCl4・xH2O)0.017g溶解)を添加し、12時間常温で撹拌した。その後、エタノール及び蒸留水で洗浄し、70℃のオーブンで3時間乾燥させ、水素/アルゴン(5/95wt%)ガス雰囲気下、400℃で2時間熱処理して燃料電池触媒を製造した。
【0075】
実験例1
前記実施例及び比較例で製造された燃料電池触媒の透過型電子顕微鏡(TEM、Transmission Electron Microscope)で観察し、結果を
図1~
図4に示した。
【0076】
各燃料電池触媒を、それぞれエタノールに分散させて試料を製造した。この際、すべての試料は、同一量の触媒を同一量のエタノールに分散させて製造した。
【0077】
製造された前記試料をTEMグリッド(Holey carbon-Cu 200 mesh、50 micron)にドロップした後、常温乾燥して試片を製造し、Talos F200X装備を用いて、130万倍倍率でTEM画像を測定した。
【0078】
図1及び
図3により、実施例1及び実施例2の燃料電池触媒は、銀又は金粒子が白金-コバルトコア表面に均一に塗布されたことを確認することができる。
【0079】
それに対し、
図2及び
図4に示されたように、比較例1及び比較例2の燃料電池触媒は、白金-コバルトコア表面に金又は銀が独立して結晶(塊)を形成し、その分布も均一でないことを確認した。
【0080】
これにより、表面異種金属ナノ結晶の除去段階を含むか、酸処理する前処理段階を含むガルバニック置換反応を含む本発明で提示する製造方法の場合、ガルバニック置換反応が効果的に起こり、シェルが均一に形成され、表面に残留する独立した異種金属ナノ結晶が減少した燃料電池触媒を製造できることを確認することができる。
【0081】
実験例2
実施例及び比較例で製造された燃料電池触媒の酸素還元反応(ORR)の特性評価を実施した。
【0082】
製造された各触媒0.005gを、Nafion溶液(5wt%)及びIPA(イソプロピルアルコール)混合溶液に分散させて触媒インクを製造した。それを回転円板電極(19.6mm2)上に前記触媒インクを落とした後、乾燥させ、アルコールを蒸発させ、電極(working electrode)を製造した。
【0083】
基準電極としてはSCE電極を使用し、対電極としては白金線を使用し、すべての分析は常温で進行した。
【0084】
準備した3相電極を、0.1MHClO
4電解質溶液に入れ、酸素で飽和させ、分析する間に持続的に酸素ガスを供給した。スキャン速度5mV/sec、電圧範囲0.05-1.05V(vs.RHE)、回転速度1600rpmで触媒の単位面積当たり活性、質量当たり活性、及び半波電位(Half-wave potential)を測定した。結果を下記表1、
図5~
図7に示した。
【0085】
【表1】
前記表1及び
図7から確認できるように、実施例1及び実施例2は、質量当たり活性が0.05mA/ug以上であると同時に、単位面積当たり活性が0.3mA/cm
2で、比較例1及び比較例2に対して大幅増加した活性を示した。
【0086】
また、表1、
図5及び
図6から確認できるように、実施例1及び実施例2は、比較例1及び比較例2に対してより高い開始電位及び半波電位を有することを確認した。
【0087】
一方、開始電位及び半波電位は、触媒の酸化還元反応活性度が分かる重要な尺度であって、開始電位は、触媒の酸素還元反応が開始する部分の電圧であって、より高い開始電位を有するほど電気化学的触媒活性度に優れることを意味し、半波電位がより高い値を有する触媒であるほど電気化学的活性度に優れることを意味する。