(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036030
(43)【公開日】2023-03-13
(54)【発明の名称】車両のガラス面の昆虫打痕を洗浄して落とすための方法
(51)【国際特許分類】
B60S 1/46 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
B60S1/46 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022137285
(22)【出願日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】2109094
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100158964
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 和郎
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック、ジロー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、リュック、テラッス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル、フィユー
【テーマコード(参考)】
3D225
【Fターム(参考)】
3D225AA01
3D225AC01
3D225AC03
3D225AD01
3D225AE02
3D225AE05
3D225AE09
3D225AF02
3D225AF03
3D225AG28
3D225AG36
3D225AG55
3D225AG77
3D225AG78
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動的かつ自律的に実施され、もう人間の介入が必要ない車両のガラス面を洗浄するための方法を提供する。
【解決手段】車両のガラス面20を洗浄するための洗浄方法であって、車両は、液体Lqを噴霧するための少なくとも1つの噴霧装置を有するワイパーシステム210を備えた洗浄装置21を備え、洗浄方法は、現在の季節scが春または夏であるという第1条件C1を検証するステップE1と、ガラス面上に昆虫の打痕isが存在する可能性pbである第2条件C2を検証するステップE2と、車両が停止しているという第3条件C3を検証するステップE3と、すべての条件Cが満たされている場合、洗浄サイクルCyを開始するように洗浄装置をオンにするステップE4と、洗浄装置を使用して洗浄サイクルを実行するステップE5と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(2)のガラス面(20)を洗浄するための洗浄方法(1)であって、前記車両(2)は、液体(Lq)を噴霧するための少なくとも1つの噴霧装置(2100)を有するワイパーシステム(210)を備えた洗浄装置(21)を備え、
前記洗浄方法(1)は、
-現在の季節(sc)が春または夏であるという第1条件(C1)を検証するステップ(E1)と、
-前記ガラス面(20)上に昆虫打痕(is)が存在する可能性(pb)である第2条件(C2)を検証するステップ(E2)と、
-前記車両(2)が停止しているという第3条件(C3)を検証するステップ(E3)と、
-すべての前記条件(C)が満たされている場合、洗浄サイクル(Cy)を開始するように前記洗浄装置(21)をオンにするステップ(E4)と、
-前記洗浄装置(21)を使用して前記洗浄サイクル(Cy)を実行するステップ(E5)と、
を備えることを特徴とする洗浄方法(1)。
【請求項2】
現在の季節(sc)を検証する前記ステップは、現在の日付(dt)と前記車両(2)が位置する半球(hs)とを利用して実施される、
請求項1に記載の洗浄方法(1)。
【請求項3】
前記ガラス面(20)上に昆虫打痕(is)が存在する可能性(pb)を検証する前記ステップは、前記車両(2)の速度(vt)が一次閾値を超えていることに基づく、
請求項1または2に記載の洗浄方法(1)。
【請求項4】
前記一次閾値は、70km/hに等しい、
請求項3に記載の洗浄方法(1)。
【請求項5】
前記ガラス面(20)上に昆虫打痕(is)が存在する可能性(pb)を検証する前記ステップ(E2)は、前記車両(2)が市街地の外にあるという地理位置情報(gl)に基づく、
請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄方法(1)。
【請求項6】
前記洗浄方法(1)は、昆虫打痕(is)により前記車両(2)のドライバーの視界が損なわれるほど前記ガラス面(20)が汚れているという第4条件(C4)を検証する追加のステップ(E3’)をさらに備える、
請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄方法(1)。
【請求項7】
昆虫打痕(is)により前記ガラス面(20)が汚れていることを検証する前記ステップ(E3’)は、
-前記車両(2)の走行時間(tr)が二次閾値を超えていること、または
-昆虫打痕(is)の個数が三次閾値を超えていること、
に基づく、
請求項6に記載の洗浄方法(1)。
【請求項8】
前記二次閾値は、3時間に等しい、
請求項7に記載の洗浄方法(1)。
【請求項9】
前記洗浄方法(1)は、前記車両(2)が屋外にあるという第5条件(C5)を検証する追加のステップ(E3”)をさらに備える、
請求項1~8のいずれか一項に記載の洗浄方法(1)。
【請求項10】
車両(2)のガラス面(20)を洗浄するための洗浄システム(Sys)であって、前記洗浄システム(Sys)は、液体(Lq)を車両(2)のガラス面(20)に噴霧するための少なくとも1つの噴霧装置(2100)を有するワイパーシステム(210)を備えた洗浄装置(21)を備え、前記洗浄装置(21)は、少なくとも1つの前記噴霧装置(2100)を使用して前記液体(Lq)を前記ガラス面(20)に噴霧するステップを備える洗浄サイクル(Cy)を実行するように構成される洗浄システム(Sys)において、
前記洗浄システム(Sys)は、電子制御ユニット(ECU)をさらに備え、
前記電子制御ユニット(ECU)は、
-現在の季節(sc)が春または夏であるという第1条件(C1)を検証し、
-前記ガラス面(20)上に昆虫打痕(is)が存在する可能性(pb)である第2条件(C2)を検証し、
-前記車両(2)が停止しているという第3条件(C3)を検証し、
-すべての前記条件(C)が満たされている場合、洗浄サイクル(Cy)を開始するように前記洗浄装置(21)をオンにする、
ように構成される洗浄システム(Sys)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のガラス面を洗浄するための方法に関する。特に、本発明は自動車に適用されるが、これに限定されない。
【背景技術】
【0002】
車両のガラス面を洗浄するための方法であって、前記車両が洗浄装置を備える方法は、当業者に知られている。洗浄装置は、液体を噴霧するための少なくとも1つの装置を有するワイパーシステムを備えている。これにより、特に、車両のフロントガラスのガラス面の昆虫打痕を洗浄して落とすことができる。
【0003】
現状の先行技術の1つの欠点は、前記洗浄方法が人間の介入を伴うことである。なぜならば、必要に応じて洗浄方法を手動で(遠隔でまたは他の態様で)開始するのはユーザであるからである。
【0004】
本発明は、自動的かつ自律的に実施され、もう人間の介入が必要ない車両のガラス面を洗浄するための方法を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【0005】
この目的のために、本発明は、
車両のガラス面を洗浄するための洗浄方法であって、前記車両は、液体を噴霧するための少なくとも1つの噴霧装置を有するワイパーシステムを備えた洗浄装置を備え、
前記洗浄方法は、
-現在の季節が春または夏であるという第1条件を検証するステップと、
-前記ガラス面上に昆虫打痕が存在する可能性である第2条件を検証するステップと、
-前記車両が停止しているという第3条件を検証するステップと、
-すべての前記条件が満たされている場合、洗浄サイクルを開始するように前記洗浄装置をオンにするステップと、
-前記洗浄装置を使用して前記洗浄サイクルを実行するステップと、
を備えることを特徴とする洗浄方法を提案する。
【0006】
ガラス面上の昆虫打痕の存在を検出可能とする種々の条件をテストすることにより、本発明による車両のガラス面を洗浄するための方法は、必要な場合、すなわち昆虫打痕が前記ガラス面上に存在する場合、かつガラス面が汚れている場合に、車両のガラス面の洗浄が自動的に開始されることを可能にする。さらに、洗浄は自動的なものであるため、ガラス面は、昆虫打痕がドライバーの視界を損なう前に十分に早い段階で洗浄され得る。これにより、洗浄流体を必要以上に消費することなく最適に使用することが可能とされる。
【0007】
非限定的な実施形態によれば、車両のガラス面を洗浄するための前記方法は、以下のうち、単独または技術的に可能なすべての組み合わせに従って採用される単数または複数の追加の特性も備え得る。
【0008】
非限定的な一実施形態において、現在の季節を検証する前記ステップは、現在の日付と前記車両が位置する半球とを利用して実施される。
【0009】
非限定的な一実施形態において、前記ガラス面上に昆虫打痕が存在する可能性を検証する前記ステップは、前記車両の速度が一次閾値を超えていることに基づく。
【0010】
非限定的な一実施形態において、前記一次閾値は、70km/hに等しい。
【0011】
非限定的な一実施形態において、前記ガラス面上に昆虫打痕が存在する可能性を検証する前記ステップは、前記車両が市街地の外にあるという地理位置情報に基づく。
【0012】
非限定的な一実施形態において、前記洗浄方法は、昆虫打痕により前記車両のドライバーの視界が損なわれるほど前記ガラス面が汚れているという第4条件を検証する追加のステップをさらに備える。
【0013】
非限定的な一実施形態において、昆虫打痕により前記ガラス面が汚れていることを検証する前記ステップは、
-前記車両の走行時間が二次閾値を超えていること、または
-昆虫打痕の個数が三次閾値を超えていること、
に基づく。
【0014】
非限定的な一実施形態において、前記二次閾値は、3時間に等しい。
【0015】
非限定的な一実施形態において、前記洗浄方法は、前記車両が屋外にあるという第5条件を検証する追加のステップをさらに備える。
【0016】
非限定的な一実施形態において、前記三次閾値は、15に等しい。
【0017】
非限定的な一実施形態において、前記液体は、虫除け液である。
【0018】
非限定的な一実施形態において、前記液体は、ガラス清掃流体、または水である。
【0019】
非限定的な一実施形態において、前記液体は、加熱されたガラス清掃流体、または加熱された水である。
【0020】
非限定的な一実施形態において、前記車両が屋外にあるという検証は、
-燃料給油フラップが開放していることに関する情報と、
-運転席に誰もいないことに関する情報と、
に基づく。
【0021】
非限定的な一実施形態において、前記車両が屋外にあることを検証する前記ステップは、雨・輝度センサを使用して実施される。
【0022】
非限定的な一実施形態において、前記車両が屋外にあることを検証する前記ステップは、地理位置情報装置を使用して実施される。
【0023】
非限定的な一実施形態において、電子制御装置は、
-内部クロックと協働し、現在の日付に関する情報を受信する、および、
-地理位置情報装置と行動し、前記自動車が位置する半球に関する情報を受信する、
ように構成される。
【0024】
非限定的な一実施形態において、電子制御装置は、
-速度計と協働し、自動車の速度に関する情報を受信する、または、
-打痕測定装置と協働し、ガラス面上の昆虫打痕の個数に関する情報を受信する、または、
-地理位置情報装置と協働し、自動車が市街地の外にあるかどうかを示す情報を受信する、
ように構成される。
【0025】
非限定的な一実施形態において、電子制御装置は、
-走行時間計と協働し、前記自動車の走行時間に関する情報を受信する、または、
-打痕測定装置と協働し、ガラス面上の昆虫打痕の個数に関する情報を受信する、
ように構成される。
【0026】
非限定的な一実施形態において、電子制御装置は、
-燃料給油フラップセンサと協働し、前記燃料給油フラップが開放していることを示す情報を受信する、および、
-存在センサと協働し、運転席に誰もいないことに関する情報を受信する、
ように構成される。
【0027】
非限定的な一実施形態において、電子制御装置は、
-雨・輝度センサと協働し、自動車の外の輝度に関する情報を受信する、および、
-地理位置情報装置と協働し、地理位置情報が機能しているかどうかを示す情報を受信する、
ように構成される。
【0028】
また、提案されるものは、車両のガラス面を洗浄するための洗浄システムであって、前記洗浄システムは、液体を車両のガラス面に噴霧するための少なくとも1つの噴霧装置を有するワイパーシステムを備えた洗浄装置を備え、前記洗浄装置は、少なくとも1つの前記噴霧装置を使用して前記液体を前記ガラス面に噴霧するステップを備える洗浄サイクルを実行するように構成される洗浄システムにおいて、
前記洗浄システムは、電子制御ユニットをさらに備え、
前記電子制御ユニットは、
-現在の季節が春または夏であるという第1条件を検証し、
-前記ガラス面上に昆虫の打痕が存在する可能性である第2条件を検証し、
-前記車両が停止しているという第3条件を検証し、
-すべての前記条件が満たされている場合、洗浄サイクルを開始するように前記洗浄装置をオンにするように構成される洗浄システムである。
【0029】
本発明およびその種々の応用例は、以下の説明を読み、添付図面を精査することによって、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の非限定的な実施形態による、車両のガラス面を洗浄するための方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、非限定的な実施形態による
図1の洗浄方法のフローチャートであり、前記洗浄方法は追加のステップを備えている。
【
図3】
図3は、非限定的な実施形態による、
図1および
図2の前記洗浄方法を実施するように構成された洗浄システムの概略図である。
【
図4】
図4は、非限定的な実施形態による、
図3の洗浄システムの洗浄装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
構造または機能において同一であり複数の図面に現れる要素には、特に指定がない限り、同じ参照符号を使用する。
【0032】
本発明による車両2のガラス面20を洗浄するための洗浄方法1を、非限定的な実施形態による
図1および
図2を参照して説明する。非限定的な一実施形態において、車両2は、自動車である。自動車とは、任意のタイプの電動車両を意味する。本実施形態は、以下の明細書において非限定的な例としてみなされる。したがって、以下の本明細書において、車両2は、別途、自動車2と称される。非限定的な一実施形態において、ガラス面20は、車両2のフロントガラスのガラス面である。
【0033】
【0034】
図3に示すように、自動車2は、自動車2のガラス面20を洗浄するように構成された洗浄装置21を備えている。
【0035】
図3に示すような非限定的な実施形態において、自動車2は、以下の要素のうちの単数または複数をさらに備えている。
-内部クロック22。
-地理位置情報装置23。
-昆虫打痕測定装置24。
-走行時間計25。
-加速度センサ26。
-自動車2の運転席29に配置された少なくとも1つの存在センサ27。
-雨・輝度センサ28。このセンサは、一方が雨用、他方が輝度用として2つのセンサに分割されていてもよい。
-速度計30。
-燃料給油フラップセンサ31。
-停止センサ32。
【0036】
見やすくするため、要素22、23、25、30および32を
図3においてひとつにまとめ、要素24、26、および28を
図3においてひとつにまとめた。
【0037】
図4に示すように、洗浄装置21は、
-ワイパーシステム210と、
-駆動モータ212と、
-ダクトシステム213と、
-洗浄液体Lqを貯蔵するためのタンク214と、
-少なくとも1つのポンプ215と、
を備えている。
【0038】
洗浄液体Lqは、別途、液体Lqと称される。
【0039】
図4に示すように、前記ワイパーシステム210は、
-少なくとも1つのオリフィス2100aを有する少なくとも1つの噴霧装置2100であって、オリフィス2100aを介して液体Lqがガラス面20に噴霧され得る、噴霧装置2100と、
-少なくとも1つのワイパーブレード2101(別途ワイパーと称される)と、
-少なくとも1つの前記ワイパーブレード2101に接続装置(図示せず)を介して接続した少なくとも1つの駆動アーム2102(別途アームと称される)と、
を備えている。
【0040】
図示の非限定的な一実施形態において、ワイパーシステム210は、少なくとも1つのワイパーブレード2101に接続された駆動アーム2102を備えている。駆動アーム2102は、低位置PBと高位置PHとの間で、ガラス面20を前後に角度的に通過移動する。駆動アーム2102は、特に、長手方向軸に沿って延びるロッドとして構成され、その一端部が接続装置(図示せず)によりワイパーブレード2101に接続し、他方の端部がワイパーブレード2101を駆動する手段、例えば駆動モータ212に接続している。
【0041】
非限定的な実施形態において、少なくとも1つの前記噴霧装置2100は、ワイパーブレード2101に、または駆動アーム2102に、またはアーム/ブレード接続装置に、あるいは自動車2のボンネットに配置されている。これら種々の実施形態を組み合わせることも可能である。非限定的な一実施形態において、噴霧装置2100は、複数のオリフィス2100aを備えている。したがって、非限定的な実施形態において、オリフィス2100aは、ワイパーブレード2101に、または駆動アーム2102に、またはアーム/ブレード接続装置に、あるいは自動車2のボンネットにある。オリフィス2100aは、液体Lqをワイパーブレード2101の最上部に向けて、すなわちガラス面20の最上部に向けて噴霧するように位置決めされ得る、または、液体Lqをワイパーブレード2101の最下部に向けて、すなわちガラス面20の最下部に向けて噴霧するように位置決めされ得る。
【0042】
非限定的な一実施形態において、各ワイパーブレード2101は、オリフィス2100aを有する少なくとも1つの液圧ラインセット(ラインセットとも称される)を備えている。オリフィス2100aを介して、液体Lqはガラス面20に噴霧/散布され得る。したがって、液圧ラインセットは、噴霧装置2100を形成している。非限定的な一実施形態の変形例において、各ワイパーブレード2101は、2つのラインセットを備えている。一方のラインセットは、液体Lqをガラス面20の最上部に向けて噴霧するように構成されたオリフィス2100aを有し、他方のラインセットは、液体Lqをガラス面20の最下部に向けて噴霧するように構成されたオリフィス2100aを備えている。これらのラインセットは、ワイパーブレード2101の進行方向に応じて、液体Lqを同時または交互に噴霧し得る。ワイパーブレード2101の各ラインセットには、液体Lqがダクトシステム213により供給される。
【0043】
駆動モータ212は、単数または複数のワイパーブレード2101を、駆動アーム2102を介して、それらそれぞれの低位置PBと高位置PHとの間で駆動するように構成されている。
【0044】
ダクトシステム213は、貯蔵タンク214を少なくとも1つの前記噴霧装置2100のオリフィス2100aに接続している。
【0045】
非限定的な第1実施形態において、タンク214は、ガラス清掃流体タンクである。非限定的な第2実施形態において、タンク214は、ガラス清掃流体タンクから独立したタンクであって、各タンクは異なるポンプに関連付けられている。非限定的な第3実施形態において、タンク214は仕切られ得るとともに、一方は液体Lq用であり他方はガラス清掃流体用である2つの各貯蔵区画を備え得る。各区画は、異なるポンプに関連付けられている。
【0046】
少なくとも1つの前記ポンプ215は、液体Lqを収容するタンク214に関連付けられるとともに、液体Lqが少なくとも1つの前記噴霧装置2100のオリフィス2100aによりガラス面20に、すなわち想定される非限定的な例においてフロントガラスのガラス面20に排出されるまで、液体Lqをダクトシステム213に通流させるように構成されている。
【0047】
液体Lqを車両2のガラス面20に塗布することについて、非限定的な一実施形態による
図1および
図2を参照しつつ洗浄方法1を以下に説明する。洗浄方法1は、上述の洗浄装置21および電子制御ユニットECUを備える洗浄システムSysにより実施される。
【0048】
電子制御ユニットECUは、以下の条件Cを検証するように構成されている。
-現在の季節scが春または夏であること。
-前記ガラス面20上に昆虫打痕が存在する可能性pb。
-前記車両2が停車しているかどうか。
【0049】
非限定的な一実施形態において、電子制御ユニットECUは、以下の追加条件Cを検証するようにさらに構成されている。
-昆虫打痕により前記ガラス面20が汚れているかどうか。
【0050】
非限定的な一実施形態において、電子制御ユニットECUは、以下の追加条件Cを検証するようにさらに構成されている。
-自動車2が地下駐車場や車庫でなく屋外にあるかどうか。
【0051】
したがって、
図1または
図2のF1(ECU、C1(sc))に示すステップE1において、電子制御ユニットECUは、現在の季節scが春または夏であるという一次条件を検証する。
【0052】
非限定的な一実施形態において、電子制御ユニットECUは、現在の季節を、現在の日付dtと前記自動車2が位置する半球hsとによって検証する。非限定的な一実施形態において、現在の日付情報は、自動車2の内部クロック22により電子制御ユニットECUに提供される。非限定的な一実施形態において、半球(北または南)情報は、地理位置情報装置23により電子制御ユニットECUに提供される。これら2項目の情報を利用することで、現在の季節が春または夏であるかどうかを特定することができる。これら2つの季節には、非常に多くの昆虫が存在し、ガラス面20上に昆虫打痕がある可能性が高く、かつ当該面を汚しているため、ドライバーの視界を損ない得る可能性が高い。
【0053】
図1または
図2のF2(ECU、C2(pb、is))に示すステップE2において、電子制御ユニットECUは、ガラス面20上に昆虫打痕isが存在する可能性pbである二次条件を検証する。
【0054】
非限定的な第1実施形態において、前記可能性pbの検証は、前記自動車2の速度vtが一次閾値を超えていることに基づく。非限定的な一実施形態において、一次閾値は、70km/h(キロメートル/時)に等しい。自動車2が70km/h超で走行している場合、これは、自動車2が比較的高速のルートにあることを意味している。この速度vtを超えると、昆虫がフロントガラスにぶつかって押しつぶされやすい。速度情報は、自動車2の速度計30により電子制御ユニットECUに提供される。高速走行時には、昆虫がガラス面20にぶつかって押しつぶされる可能性が高いため、昆虫打痕isにより前記面が汚れてドライバーの視界が損なわれ得る可能性が高い。
【0055】
非限定的な第2実施形態において、前記可能性pbの検証は、前記自動車の地理位置情報glが市街地の外にあるということに基づく。地理位置情報glは、地理位置情報装置23により電子制御ユニットECUに提供される。市街地の外では、例えば地方では、都会よりも多くの昆虫がいるため、昆虫打痕isがガラス面20上に存在する可能性が高く、昆虫打痕により前記面が汚れてドライバーの視界が損なわれ得る可能性が高い。
【0056】
図1または
図2のF3(ECU、C3(2))に示すステップE3において、電子制御ユニットECUは、前記自動車2が停止しているという第3条件C3を検証する。
【0057】
したがって、洗浄サイクルCyを開始するためには、自動車2は停止している必要がある。なぜならば、そうでない場合にサイクルが自動車2の運転中に開始されたとすると、前記自動車2のドライバーを驚かせ不利であるためである。そして、自動車2に乗車している全員の安全性に対する危険が生じ得る。
【0058】
ステップE1~E3は、同時に、または順序を問わずに順次実施され得る、または一部が同時に実施され、他が順序を問わずに順次実施され得ることに留意されたい。
【0059】
図2に示す非限定的な一実施形態において、洗浄方法1は、F3’(ECU、C4(is、20))として示す、電子制御ユニットECUが、昆虫打痕isによりドライバーの視界に困難が生じるほどガラス面20が汚れているという第4条件C4を検証する追加ステップE3’をさらに備えている。
【0060】
非限定的な第1実施形態において、昆虫打痕isによるガラス面20の汚れについての検証は、前記自動車2の走行時間trが二次閾値を超えていることに基づく。非限定的な一実施形態において、二次閾値は、3時間に実質的に等しい。この3時間という時間は、ガラス面20が汚れてドライバーの視界に困難が生じるまでにかかる合計時間を示すと推定されている。走行時間情報trは、走行時間計25により電子制御ユニットECUに提供される。
【0061】
したがって、例えば、車両が70km/h超で3時間を超えて走行した場合、昆虫打痕isを原因として視界に困難を生じている。本第1実施形態を非限定的な一実施形態におけるステップE2(速度vtが70km/h超)において非限定的な第1実施形態と組み合わせる場合、3時間走行時間trは、連続した走行であっても不連続の走行であってもよい。したがって、走行時間trが不連続である場合、走行時間計25は、自動車2の速度vtが70km/hを最初に超えたときに作動するように構成され、速度がこれ以下に落ちてもリセットされない。走行時間計25は、速度vtが70km/h超に戻ると、インクリメントを継続する。
【0062】
非限定的な第2実施形態において、昆虫打痕isによるガラス面20の汚れについての検証は、ガラス面20上の昆虫打痕isの個数が三次閾値を超えていることに基づく。非限定的な第一実施形態において、三次閾値は15に等しい、したがって、昆虫打痕が15個を超えると、ガラス面上の汚れがドライバーの視界に困難を生じさせ始める。昆虫打痕isの個数nbに関する情報は、昆虫打痕測定装置24により電子制御ユニットECUに提供される。非限定的な一実施形態において、昆虫打痕測定装置24は、ガラス面20に接着された加速度計、またはワイパーブレード2101または駆動アーム2102に接着された加速度計である。
【0063】
図2に示す非限定的な一実施形態において、洗浄方法1は、F3”(ECU、C5(2))として示す、電子制御ユニットECUが、前記自動車2が屋外にあるという第5条件C5を検証する追加ステップE3”をさらに備えている。
【0064】
この第5条件C5により、自動車2が車庫や地下駐車場にある場合に洗浄サイクルCyが開始されることが回避される。これにより、液体Lqが車庫や地下駐車場の床に広がって床を汚してしまうことが回避される。
【0065】
非限定的な第1実施形態において、自動車2が屋外にあるということに関する情報は、
-燃料給油フラップが開放していることに関する情報と、
-運転席29に誰oもいないことに関する情報と、
に基づく。
これら2つの条件が満たされている場合、これは、自動車2が停止しており、かつ戸外にあることを意味している。なぜならば、誰かが前記自動車2に燃料を補給している最中であるからである。
【0066】
燃料給油フラップが開放していることに関する情報tpは、燃料給油フラップセンサ31により電子制御ユニットECUに提供される。運転席29に誰oもいないことに関する情報は、存在センサ27により電子制御ユニットECUに提供される。後者のセンサにより、誰かoが運転席29に着席しているかどうか、したがって運転席29が使用されているかどうかを検出することができる。
【0067】
非限定的な第2実施形態において、自動車2が屋外にあるということに関する情報は、自動車2の地理位置情報glが機能しているかどうかを判定するための情報と組み合わせて、雨・輝度センサ28から輝度情報lxの形態において電子制御ユニットECUに提供される。輝度lxは、別途、照度または明暗としても知られている。
【0068】
この雨・輝度センサ28は、一般に自動車2に存在することに留意されたい。非限定的な例において、雨・輝度センサ28は、薄暗くなったとき、または自動車2がトンネルにはいったときにライトを自動的に起動する機能を実施する、および雨になったときにワイパーを自動的に起動する機能を実施するように使用される。
【0069】
輝度lxが輝度閾値以上である場合、これは、自動車2が戸外にあること、および夜間ではないこと、または照明のある地下駐車場または照明のある車庫にあることを意味している。輝度lxが輝度閾値未満である場合、これは、自動車2が戸外にあること、および夜間であること、または照明されていない地下駐車場または照明のない車庫にあることを意味している。非限定的な一例において、輝度閾値は、5ルクス~120,000ルクスの範囲に含まれる。非限定的な一例において、駐車場の明るさは、5ルクス~20ルクスの範囲に含まれる。非限定的な一例において、曇りや嵐の天気から完全に曇るまでの明るさは、5ルクス~40ルクスの範囲に含まれる。非限定的な一例において、曇天時の明るさは、200ルクス~20,000ルクスの範囲に含まれる。非限定的な一例において、日没時または日の出時の明るさは、実質的に400ルクスに等しい、非限定的な一例において、晴天時の明るさは、10,000~25,000ルクスの範囲に含まれる。非限定的な一例において、太陽が天頂にあるときの直射日光の明るさは、実質的に120,000ルクスに等しい。
【0070】
したがって、非限定的な第1実施形態の変形例において、自動車2が車庫または地下駐車場にあることを確実に検証するために、雨・輝度センサ28は、自動車2の地理位置情報を提供する地理位置情報装置23と組み合わせて使用される。
【0071】
輝度lxが輝度閾値以上であり、地理位置情報装置23からの自動車2の地理位置情報glが機能している場合、これは、自動車2が戸外にあるということを意味する。自動車2は、照明のある地下駐車場または車庫にはない。したがって、洗浄サイクルCyは開始され得る。
【0072】
輝度lxが輝度閾値以上であり、地理位置情報装置23からの自動車2の地理位置情報glが機能していない場合、これは、自動車2が戸外になく、照明のある地下駐車場または車庫にあるということを意味する。したがって、洗浄サイクルCyは開始されない。
【0073】
輝度lxが輝度閾値未満であり、地理位置情報装置23からの自動車2の地理位置情報glが機能している場合、これは、自動車2が戸外にあり、夜間であるということを意味する。自動車2は、照明のある地下駐車場または車庫にない。したがって、洗浄サイクルCyは開始され得る。
【0074】
輝度lxが輝度閾値未満であり、地理位置情報装置23からの自動車2の地理位置情報glが機能していない場合、これは、自動車2が戸外になく、照明のある地下駐車場または車庫にあるということを意味する。したがって、洗浄サイクルCyは開始されない。
【0075】
図1または
図2のF4(ECU、21、C、Cy)に示すステップE4において、すべての条件Cが満たされている場合、電子制御ユニットECUは、洗浄サイクルCyを開始するように前記洗浄装置21をオンにする。オンにするということの意味は、電子制御ユニットECUが洗浄装置21に指令を送ってポンプ215を作動させ、かつ駆動モータ212を作動させることである。
【0076】
したがって、洗浄サイクルCyを開始するためには、以下の事項が必要である。
-現在に季節scが春または夏であること、および、
-ガラス面上に昆虫打痕isが存在する可能性があること、および、
-自動車2が停車していること。
【0077】
同様に第4条件C4も満たされる例において、以下の事項が必要である。
-昆虫打痕isによりドライバーの視界が損なわれるほどガラス面20が汚れていること、
【0078】
同様に第5条件C5も満たされる例において、以下の事項が必要である。
-現在に季節scが春または夏であること、および、
-ガラス面上に昆虫打痕isが存在する可能性があること、および、
-昆虫打痕isによりドライバーの視界が損なわれるほどガラス面20が汚れていること、および、
-自動車2が停車していること、および、
-自動車2が屋外にあること。
【0079】
洗浄装置21をオンにすることは、以下の事項を伴う。
-駆動モータ212をオンにすること。この駆動モータ212は、ワイパーアーム2101およびワイパーシステム210のうちの1つを駆動する。
-ポンプ215をオンにすること。このポンプ215は、液体Lqが単数または複数の噴霧装置2100の単数または複数のオリフィス2100aを介してガラス面20に排出されるまで、液体Lqをダクトシステム213に通流させる。
【0080】
したがって、
図1および
図2のF5(21(210)、Cy、Lq、20)に示すステップE5において、洗浄サイクルCyが実行される。洗浄サイクルCyは、洗浄装置21により実行される。洗浄サイクルCyは、少なくとも1つの前記噴霧装置2100を使用して前記液体Lqを前記ガラス面20に噴霧するステップを含んでいる。
【0081】
非限定的な一実施形態において、液体Lqは、虫除け液である。
【0082】
非限定的な一部の実施形態において、液体Lqは、ガラス清掃流体または水である。
【0083】
非限定的な一部の実施形態において、液体Lqは、加熱されたガラス清掃流体または加された水である。
【0084】
このように、条件C1~C3および場合により条件C4および/またはC5に基づくテストにより、自動車2のガラス面20の洗浄が開始され得る、すなわち実行され得る。これは、個人が介入する必要なく自動的かつ自律的に実施される。
【0085】
したがって、洗浄方法1は、車両2のガラス面20を洗浄するための洗浄システムSysにより実施される。洗浄システムSysを
図3に示す。
【0086】
洗浄システムSysは、
-少なくとも1つの噴霧装置2100を有するワイパーシステム210を備える前記洗浄装置21と、
-前記電子制御ユニットECUと、
を備え、
前記洗浄装置21は、洗浄サイクルCyを実行するように構成され、
前記洗浄サイクルCyは、少なくとも1つの前記噴霧装置2100を使用して前記液体Lqを前記ガラス面20に噴霧するステップ(この機能はf5(21(210)、Cy、Lq、20)として図示されている)を備える。
【0087】
【0088】
電子制御ユニットECUは、
-現在の季節scが春または夏であることを検証し(この機能はf1(ECU、C1(sc)として図示されている)、
-前記ガラス面上に昆虫打痕isが存在する可能性pbである第2条件C2を検証し、(この機能はf2(ECU、C2(pb、is)として図示されている)、
-前記車両2が停車しているという第3条件C3(この機能はf3(ECU、C3(2)として図示されている)を検証する、
ように構成されている。
【0089】
この目的のために、機能f1を実施すべく、電子制御ユニットECUは、
-内部クロック22と協働し、現在の日付dtに関する情報ilを受信する(この機能はf10(ECU、22、i1)として図示されている)、および、
-地理位置情報装置23と協働し、前記自動車が位置する半球hsに関する情報i2を受信する(この機能はf11(ECU、23、i2)として図示されている)、
ように構成されている。
【0090】
この目的のために、機能f2を実施すべく、電子制御ユニットECUは、
-速度計30と協働し、自動車2の速度vtに関する情報i3を受信する(この機能はf12(ECU、30、i3)として図示されている)、または、
-地理位置情報装置23と協働し、自動車2が市街地の外にあるかどうかを示す情報i4を受信する(この機能はf14(ECU、23、i4)として図示されている)、
ように構成されている。
【0091】
この目的のために、機能f3を実施すべく、電子制御ユニットECUは、
-少なくとも1つの停止センサ32と協働し、前記自動車2の停止に関する情報i5を受信する(この機能は、f15(ECU、32、i5)として図示されている)、
ように構成されている。
【0092】
非限定的な一実施形態において、電子制御ユニットECUは、衝突打痕isにより前記ガラス面20が汚れているという第4条件C4を検証するようにさらに構成されている(この機能は、f3’(ECU、C4(is、20))として図示されている)。この機能は任意であるため、
図3では点線で図示されている。
【0093】
この目的のために、機能f3’を実施すべく、電子制御ユニットECUは、
-走行時間計25と協働し、前記自動車2の走行時間trに関する情報i6を受信する(この機能はf16(ECU、25、i6)として図示されている)、または、
-打痕測定装置21と協働し、ガラス面20上の昆虫打痕isの個数nbに関する情報i7を受信する(この機能はf17(ECU、21、i7)として図示されている)、
ように構成されている。
【0094】
非限定的な一実施形態において、電子制御ユニットECUは、前記自動車2が屋外にあるという第5条件C5を検証するようにさらに構成されている(この機能は、f3”ECU、C5(2)として図示されている)。この機能は任意であるため、
図3では点線で図示されている。
【0095】
この目的のために、機能f3”を実施すべく、電子制御ユニットECUは、
-自動車2の燃料給油フラップセンサ31と協働し、前記燃料給油フラップtpが開放していることを示す情報i8を受信する(この機能はf18(ECU、31、i8)として図示されている)、および、
-存在センサ27と協働し、運転席29に誰oもいないことに関する情報i9を受信する(この機能はf19(ECU、27、i9)として図示されている)、
ように構成されている。
【0096】
この目的のために、機能f3”を実施すべく、非限定的な第2実施形態の変形例において、電子制御ユニットECUは、
-雨・輝度センサ28と協働し、自動車2の外の輝度lxに関する情報i10を受信する(この機能はf20(ECU、28、i10)として図示されている)、および
-地理位置情報装置23と協働し、地理位置情報glが機能しているかどうかを示す情報i11を受信する(この機能はf21(ECU、23、i11)として図示されている)、
ように構成されている。
【0097】
最後に、すべての条件C1~C3、および場合によりC4および/またはC5が満たされている場合、電子制御ユニットECUは、前記洗浄装置21をオンにして洗浄サイクルCyを開始するように構成されている(この機能はf4(ECU、21、C、Cy)として図示されている)。
【0098】
こうしてオンにされると、洗浄装置21は、洗浄サイクルCyを実行する(上述の機能f5)。
【0099】
情報i1~i11は、車両ネットワークを介して送信されることに留意されたい。非限定的な例において、車両ネットワークは、CANまたはLINである。
【0100】
洗浄システムSysは、前記電子制御ユニットECUにより実行可能な単数または複数の命令シーケンスを備える単数または複数のコンピュータプログラム製品Pgを備え得るとともに、前記命令シーケンスの実行により、上記の洗浄方法1のステップE1、E2、E3およびE4、および場合によりE3’およびE3”が実施され得ることに留意されたい。
【0101】
このようなコンピュータプログラムPgは、ROMタイプの書き込み可能な不揮発性メモリに書き込まれてもよいし、EEPROMまたはフラッシュタイプの書き換え可能な不揮発性メモリに書き込まれてもよい。前記コンピュータプログラムPgは、工場でメモリに書き込まれ得るかメモリにロードされ得る、または遠隔でメモリにダウンロードされ得る。命令シーケンスは、機械コードのシーケンスであり得る、または実行時に電子制御ユニットにより解読される制御言語のシーケンスであり得る。
図3の非限定的な例において、コンピュータプログラムPgは、洗浄システムSysのメモリ34に書き込まれている。
【0102】
したがって、洗浄システムSysは、前記電子制御ユニットECUに連結された少なくとも1つのメモリ34を備えている。メモリ34は、コンピュータにより実行されると、前記洗浄方法1のステップE1、E2、E3およびE4、ならびに場合によりE3’およびE3”をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータ可読永久記憶媒体である。
【0103】
当然ながら、本発明についての説明は、上述の実施形態および上述の分野に限定されない。したがって、別の非限定的な実施形態において、洗浄方法1は、車両2のサイドウィンドウの側部ガラス面20にも適用され得る。したがって、別の非限定的な実施形態において、洗浄方法1は、車両2のリアガラスのガラス面20に適用され得る。したがって、第5条件C5を検証する場合には、非限定的な第3実施形態の変形例において、輝度lxの検出は、昼と夜という2つの時間帯の判定(季節により異なる)と組み合わせられ得る。輝度lxが輝度閾値未満であり、現在時刻が昼間の時間帯に含まれる場合、これは、昼間であるが、自動車2が照明のない地下駐車場、または照明のない車庫にある可能性があることを意味する。したがって、洗浄サイクルCyは開始されない。輝度lxが輝度閾値未満であり、現在時刻が夜間の時間帯に含まれる場合、これは、夜間であるが、自動車2が照明のない地下駐車場、または照明のない車庫にある可能性があることを意味する。したがって、洗浄サイクルCyは開始されない。洗浄サイクルCyの開始を決定するために、この非限定的な第3実施形態の変形例では、地理位置情報glが機能していることに関するテストを組み合わせて利用することができる。
【0104】
したがって、上述の本発明は、特に以下の利点を有する。
-本発明により、個人が手動で介入することなく、洗浄装置21を自動的にオンにする条件を検証することが可能になる。
-ガラス面20の自動洗浄を開始することにより、洗浄に使用される液体Lqの消費量が最適化される。具体的には、洗浄は、昆虫打痕isの洗浄前に数日待つことなく、ちょうど良いタイミングで実施される。洗浄があまりに長く遅れると、液体Lqの消費量が非常に多くなり、大きなサイズの貯蔵タンク214を想定しなければならない。したがって、洗浄の自動化により、自動車2における貯蔵タンク214のサイズおよび重量が低減される。
-本発明は、実施が簡単である。
【外国語明細書】