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特開2023-36081フェノチアジン化合物、その合成方法および該フェノチアジン化合物を含有する樹脂組成物
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  • 特開-フェノチアジン化合物、その合成方法および該フェノチアジン化合物を含有する樹脂組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036081
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】フェノチアジン化合物、その合成方法および該フェノチアジン化合物を含有する樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 279/22 20060101AFI20230307BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20230307BHJP
   C08K 5/46 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
C07D279/22 CSP
C08L101/00
C08K5/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142860
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000180302
【氏名又は名称】四国化成ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】塩入 僚祐
(72)【発明者】
【氏名】柏原 隆志
(72)【発明者】
【氏名】青木 和徳
(72)【発明者】
【氏名】熊野 岳
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AA001
4J002AA012
4J002AA022
4J002BC041
4J002BG021
4J002CD061
4J002CD191
4J002EE020
4J002EK000
4J002EQ010
4J002EV316
4J002EW140
4J002FD010
4J002FD090
4J002FD130
4J002FD160
4J002FD310
4J002GH00
4J002GJ01
4J002GP01
4J002GQ00
(57)【要約】
【課題】新規なフェノチアジン化合物と、該フェノチアジン化合物の合成方法、該フェノチアジン化合物を含有する樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明の樹脂組成物は、コーティング材、インク、接着剤、粘着剤、ガスバリアフィルム、カラーフィルタ、光学フィルム、光学レンズおよびタッチパネルに適用することができる。
【解決手段】化学式(I)で示されるフェノチアジン化合物。
【化1】
(式中、Rは、同一または異なって、水素原子、-ORまたは-SRを表す。Rは、同一または異なって、炭素数1~10のアルキル基、フェニル基またはナフチル基を表す。Yは、炭素数1~10のアルキレン基または-Y-O-Y-を表す。Yは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。Yは、単結合または炭素数1~10のアルキレン基を表す。但し、Rが全て水素原子である場合を除く。)
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(I)で示されるフェノチアジン化合物。
【化1】
(式中、Rは、同一または異なって、水素原子、-ORまたは-SRを表す。Rは、同一または異なって、炭素数1~10のアルキル基、フェニル基またはナフチル基を表す。Yは、炭素数1~10のアルキレン基または-Y-O-Y-を表す。Yは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。Yは、単結合または炭素数1~10のアルキレン基を表す。但し、Rが全て水素原子である場合を除く。)
【請求項2】
化学式(II)で示されるフェノチアジン化合物と、化学式(III)で示されるスチレン化合物を反応させることを特徴とする請求項1記載のフェノチアジン化合物の合成方法。
【化2】
(式中、Rは、前記と同様である。)
【化3】
(式中、Yは、前記と同様である。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
【請求項3】
請求項1記載のフェノチアジン化合物を含有することを特徴とする樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なフェノチアジン化合物、該フェノチアジン化合物の合成方法および該フェノチアジン化合物を含有する樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
構造中に硫黄元素を含む縮環構造を有するフェノチアジン化合物は、その特徴的な構造から様々な用途での適用が検討されており、特に抗がん剤等医薬品のリード化合物としての研究が進んでいる(例えば特許文献1、2参照)。
【0003】
一方で、各種光学フィルム、光学レンズの材料として使用される光学材料用樹脂には、様々な材料が使用されている。一般的に、同材料はラジカル種により重合が進行する重合性モノマーが使用され、光の取出し効率向上を目的として、重合性官能基を有する含硫黄化合物やフルオレン化合物等の屈折率の高い材料が好適とされている(例えば特許文献3、4)。しかしながら、これまでに報告されている高屈折率材料は、高融点または高粘度のものが多く、成形プロセスが長時間化してしまい、作業効率が悪くなるという課題があった。そのため、作業効率向上の観点から、より低融点かつ低粘度の重合性官能基を有する高屈折率材料が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010-540606号公報
【特許文献2】特表2019-532967号公報
【特許文献3】特開2008-94987号公報
【特許文献4】特開2010-248358号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、新規なフェノチアジン化合物と、該フェノチアジン化合物の合成方法、該フェノチアジン化合物を含有する樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明の樹脂組成物は、コーティング材、インク、接着剤、粘着剤、ガスバリアフィルム、カラーフィルタ、光学フィルム、光学レンズおよびタッチパネルに適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、前記の課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ある種のフェノチアジン化合物と、ある種のスチレン化合物とを反応させることによって得られるフェノチアジン化合物により、所期の目的を達成し得ることを認め、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、第1の発明は、化学式(I)で示されるフェノチアジン化合物である。
【0007】
【化1】
(式中、Rは、同一または異なって、水素原子、-ORまたは-SRを表す。Rは、同一または異なって、炭素数1~10のアルキル基、フェニル基またはナフチル基を表す。Yは、炭素数1~10のアルキレン基または-Y-O-Y-を表す。Yは、炭素数1~10のアルキレン基を表す。Yは、単結合または炭素数1~10のアルキレン基を表す。但し、Rが全て水素原子である場合を除く。)
【0008】
第2の発明は、化学式(II)で示されるフェノチアジン化合物と、化学式(III)で示されるスチレン化合物を反応させることを特徴とする第1の発明のフェノチアジン化合物の合成方法である。
【0009】
【化2】
(式中、Rは、前記と同様である。)
【0010】
【化3】
(式中、Yは、前記と同様である。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
【0011】
第3の発明は、第1の発明のフェノチアジン化合物を含有する樹脂組成物である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のフェノチアジン化合物は、屈折率が高く、加熱時の粘度が低いことから、光学用途の材料として有用であることが期待される。
また、本発明の樹脂組成物は、従来の樹脂組成物に比べ、粘度が低く、形成時の作業性が向上することが期待される。さらに、屈折率の高い硬化物を与えることが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例1において得られた淡黄色液体のIRスペクトルチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、前記の化学式(I)で示されるフェノチアジン化合物(以下、「本発明のフェノチアジン化合物」と云う)に関する。
本発明のフェノチアジン化合物としては、例えば、化学式(I-1)~化学式(I-17)で示される化合物が挙げられる。
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
前記の化学式(I)中、Rで表される炭素数1~10のアルキル基としては、鎖状または分岐状の炭素数1~10のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
【0018】
、YおよびYで表される炭素数1~10のアルキレン基としては、鎖状又は分岐状の炭素数1~10のアルキレン基が挙げられ、具体的には、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、エチルメチレン基、ジメチルメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。
【0019】
本発明のフェノチアジン化合物において、好ましい置換基は以下の通りである。
は、同一または異なって、水素原子、-ORまたは-SRが好ましい。特に、フェノチアジン骨格の2位の位置のRが-ORまたは-SRであることがより好ましい。但し、Rが全て水素原子である場合を除く。
は、同一または異なって、炭素数1~3のアルキル基またはフェニル基が好ましい。
は、炭素数1~4のアルキレン基または-Y-O-Y-が好ましい。
は、炭素数1~4のアルキレン基が好ましい。
は、単結合または炭素数1~4のアルキレン基が好ましい。
【0020】
本発明のフェノチアジン化合物は、化学式(II)で示されるフェノチアジン化合物と、化学式(III)で示されるスチレン化合物とを反応させることにより合成することができる(反応スキーム(A)参照)。
【0021】
【化6】
(式中、RおよびYは、前記と同様である。Xは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
【0022】
化学式(II)で示されるフェノチアジン化合物としては、例えば、化学式(II-1)~化学式(II-7)で示されるフェノチアジン化合物が挙げられる。
【0023】
【化7】
【0024】
これらのフェノチアジン化合物は、市販の試薬を購入して使用できるほか、例えば、国際公開第2015/169241号パンフレットや、Journal of Heterocyclic Chemistry,49(2),438-441(2012)に記載の方法に準拠して合成することができる。
【0025】
化学式(III)で示されるスチレン化合物としては、例えば、化学式(III-1)~化学式(III-13)で示されるスチレン化合物が挙げられる。
【0026】
【化8】
【0027】
これらのスチレン化合物は、市販の試薬を購入して使用できるほか、例えば、後述する方法または、特開2007-45729号公報に記載の方法に準拠して合成することができる。これらのスチレン化合物は、単独または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、化学式(II-1)で示されるフェノチアジン化合物と、化学式(III-1)で示されるスチレン化合物および化学式(III-4)で示されるスチレン化合物の混合物を反応させた場合では、化学式(I-1)~化学式(I-2)で示されるフェノチアジン化合物の混合物を得ることができる。
【0028】
化学式(III)で示されるスチレン化合物の使用量(仕込み量)は、化学式(II)で示されるフェノチアジン化合物の使用量(仕込み量)に対して、0.8~1.2倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
【0029】
本反応の実施においては、反応の進行によって副生する酸を除去するための塩基(イ)を使用することが好ましい。また、必要により、反応溶媒(ロ)を適宜使用してもよい。
【0030】
塩基(イ)としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、イミダゾール、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三セシウム、リン酸水素二リチウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二セシウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素セシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、ナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド(例えば、t-ブトキシカリウム等)等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0031】
塩基(イ)の使用量(仕込み量)は、化学式(II)で示されるフェノチアジン化合物の使用量(仕込み量)に対して、0.8~2倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
【0032】
反応溶媒(ロ)としては、反応を阻害しない限りにおいては特に限定されず、例えば、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、水等の溶剤が挙げられ、必要によりこれらを組み合わせて、その適宜量を使用することができる。
【0033】
本反応において、反応温度は、0~100℃の範囲に設定されることが好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1~48時間の範囲に設定することが好ましい。
【0034】
本反応終了後、得られた反応液(反応混合物)から、例えば、反応溶媒の留去による反応液の濃縮や溶媒抽出法等の手段によって、目的物である本発明のフェノチアジン化合物を取り出すことができる。
更に、必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー、再結晶等の手段を利用して精製することができる。
【0035】
本発明の実施において使用する化学式(III)で示されるスチレン化合物の内、Yが-Y-O-Y-である場合、化学式(IV)で示されるスチレン化合物と化学式(V)で示される化合物を反応させることにより合成することができる(反応スキーム(B)参照)。
【0036】
【化9】
(式中、Xは、同一または異なって、前記と同様である。YおよびYは、前記と同様である。)
【0037】
化学式(IV)で示されるスチレン化合物としては、例えば、化学式(IV-1)~化学式(IV-6)で示されるスチレン化合物が挙げられる。
【0038】
【化10】
【0039】
化学式(V)で示される化合物としては、例えば、ジクロロメタン、ジブロモメタン、ジヨードメタン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジブロモエタン、1,2-ジヨードエタン、1,3-ジクロロプロパン、1,3-ジブロモプロパン、1,3-ジヨードプロパン、1,4-ジクロロブタン、1,4-ジブロモブタン、1,4-ジヨードブタン、1,5-ジクロロペンタン、1,6-ジクロロヘキサン等が挙げられる。
【0040】
この反応において、化学式(V)で示される化合物の使用量(仕込み量)は、化学式(IV)で示されるスチレン化合物の使用量(仕込み量)に対して、1~2倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
【0041】
この反応の実施においては、反応の進行によって副生する酸を除去するための塩基(イ)を使用することが好ましい。また、必要により、反応溶媒(ロ)を適宜使用してもよい。塩基(イ)および反応溶媒(ロ)は、前述したものを使用できる(段落[0030]、[0032]参照)。
【0042】
この反応において、塩基(イ)の使用量(仕込み量)は、化学式(IV)で示されるスチレン化合物の使用量(仕込み量)に対して、1~3倍モルの範囲における適宜の割合とすることが好ましい。
【0043】
この反応において、反応温度は、0~100℃の範囲に設定されることが好ましい。また、反応時間は、設定した反応温度に応じて適宜設定されるが、1~48時間の範囲に設定することが好ましい。
【0044】
この反応終了後、得られた反応液(反応混合物)から、例えば、反応溶媒の留去による反応液の濃縮や溶媒抽出法等の手段によって、化学式(III-a)で示されるスチレン化合物を取り出すことができる。
更に、必要により、水等による洗浄や、活性炭処理、シリカゲルクロマトグラフィー等の手段を利用して精製することができる。
【0045】
本発明の樹脂組成物は、本発明のフェノチアジン化合物を必須成分として含有するが、本発明のフェニチアジン化合物を1種以上含有してもよい。
本発明の樹脂組成物中における本発明のフェノチアジン化合物の含有量は、0.001~100重量%の割合であることが好ましい。
【0046】
本発明のフェノチアジン化合物を重合させると硬化物が得られるが、この重合時に、本発明のフェノチアジン化合物とは別の硬化性化合物(以下、単に「硬化性化合物」と云うことがある)を共存させることにより、本発明のフェノチアジン化合物と、硬化性化合物が共重合した硬化物を得ることができる。
なお、当該硬化性化合物は、重合性モノマーと、重合性モノマーが一部重合した構造を有する重合性オリゴマー(半硬化物)の両者を包含する。
【0047】
前記の重合性モノマーとしては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、N-n-ブチル-O-(メタ)アクリロイルオキシエチルカーバメート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、トリブロモベンジル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の一官能(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシ)シラン等のケイ素含有(メタ)アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリイソボルニルメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;
エチレングリコールジグリシジルエーテル-エポキシ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテル-エポキシジ(メタ)アクリレート、フェノールグリシジルエーテル-エポキシ(メタ)アクリレート、レゾルシンジグリシジルエーテル-エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル-エポキシジ(メタ)アクリレート、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィドジグリシジルエーテル-エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート類;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂-(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂-(メタ)アクリレート、ビスフェノール(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFなど)型エポキシ樹脂-(メタ)アクリレート、ビフェノール(例えば、3,3′,5,5′-テトラメチルビフェノールなど)型エポキシ樹脂-(メタ)アクリレート、1,3,5-トリス(2,3-エポキシプロピル)イソシアヌレート-(メタ)アクリレート等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシ(メタ)アクリレート類;
スチレン、ジビニルベンゼン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム等のビニル化合物類;
エチレングリコールジアリルカーボネート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート等のアリル基含有化合物類や、
ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリウレタン(メタ)アクリレート類、チオウレタンアクリレート類、ポリチオウレタンアクリレート類、エステルアクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類、ポリエーテル(メタ)アクリレート類、含硫黄(メタ)アクリレート類、含硫黄多官能(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0048】
本発明の樹脂組成物は、本発明のフェノチアジン化合物を必須成分として含有し、必要により、前述の硬化性化合物を含有するが、この硬化性化合物としては、前述の重合性モノマーと重合性オリゴマーを組み合わせて使用してよく、重合性モノマーとしては、先に例示した重合性モノマーを組み合わせて使用してよく(種類の異なる重合性モノマーを組み合わせて使用してよく)、重合性オリゴマーについても、種類の異なる重合性オリゴマーを組み合わせて使用してよい。
本発明の樹脂組成物中における、本発明のフェノチアジン化合物と硬化性化合物の各々の含有量の割合については、硬化性化合物の含有量が、本発明のフェノチアジン化合物の含有量に対して、0~1000倍量(重量比)の範囲における適宜の割合とすることが好ましく、0.01~100倍量(重量比)の範囲における適宜の割合とすることがより好ましい。
【0049】
本発明の樹脂組成物を硬化(重合)させる方法としては、例えば、ラジカル重合させる方法や、アニオン重合させる方法等が挙げられる。
前記のラジカル重合させる方法としては、光(紫外線、可視光線)、放射線、電磁波や電子線等の活性エネルギー線を照射する方法、加熱する方法、ラジカル重合開始剤を使用する方法や、これらを組み合わせた方法が挙げられる。
ラジカル重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤を使用することができ、樹脂組成物中に含有させればよい。
【0050】
光ラジカル重合開始剤としては、一般に使用される光ラジカル重合開始剤であれば特に制限無く使用可能であるが、例えば、
2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル)]-2-モルホリノプロパン-1-オン等のアセトフェノン類;
ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン類;
ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;
2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド類;
イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類や、その他、メチルフェニルグリオキシレート等が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
なお、光ラジカル重合開始剤には、必要により、4-ジメチルアミノ安息香酸等の安息香酸類や3級アミン類等の公知の光重合促進剤を併用することができる。
本発明の樹脂組成物中における光ラジカル重合開始剤の含有量は、0.001~20重量%の割合であることが好ましく、0.01~10重量%の割合であることがより好ましい。
【0051】
熱ラジカル重合開始剤としては、一般に使用される熱ラジカル重合開始剤であれば特に制限無く使用可能であるが、例えば、
ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルオキシイソブチレート、あるいはその他の過酸化物、さらにはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等のアゾ系化合物が挙げられ、これらを組み合わせて使用してもよい。
本発明の樹脂組成物中における熱ラジカル重合開始剤の含有量は、0.001~20重量%の割合であることが好ましく、0.01~10重量%の割合であることがより好ましい。
また、必要により、光ラジカル重合開始剤と併用し、光ラジカル重合(光硬化)させた後、反応率を更に高める為に、熱ラジカル重合(熱硬化)させてもよい。
【0052】
本発明の樹脂組成物は、更に、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、
顔料(チタン白、シアニンブルー、ウォッチングレッド、ベンガラ、カーボンブラック、アニリンブラック、マンガンブルー、鉄黒、ウルトラマリンブルー、ハンザレッド、クロームイエロー、クロームグリーン等)、
無機充填剤(炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、マイカ、硫酸バリウム、リトポン、石コウ、ステアリン酸亜鉛、パーライト、石英、石英ガラス、溶融シリカ、球状シリカ等のシリカ粉等、球状アルミナ、破砕アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム等の酸化物類、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭化ケイ素等の炭化物類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や合金類、ダイヤモンド、カーボン等の炭素系材料等)、
熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂(高密度、中密度、低密度の各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等の単独重合体、エチレン-プロピレン共重合体、ナイロン-6、ナイロン-6,6等のポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、アクリル系樹脂(前述の重合性モノマーを除く硬化性化合物を包含する)、アクリルアミド系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール樹脂(フェノール化合物)、エポキシ樹脂(エポキシ化合物)、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリルゴム、ウレタンゴムなどの各種エラストマー樹脂、メタクリル酸メチル-ブタジエン-スチレン系グラフト共重合体やアクリロニトリル-ブタジエン-スチレン系グラフト共重合体などのグラフト共重合体等)、
補強剤(ガラス繊維、炭素繊維等)、
垂れ止め剤(水添ヒマシ油、微粒子無水硅酸等)、
艶消し剤(微粉シリカ、パラフィンワックス等)、
研削剤(ステアリン酸亜鉛等)、
内部離型剤(ステアリン酸等の脂肪酸、ステアリン酸カルシウムの脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス等)、
希釈剤(n-ブチルアルコール、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、トルエン等の有機溶剤、水、有機溶剤と水の混合液)、
カップリング剤(N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤等)、
連鎖移動剤(ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)等のチオール化合物等)
界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、香料、難燃化剤、染料等の添加剤(改質剤)を含有してもよい。
【0053】
前記の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂には、化学式(VI)に代表されるカルド構造(炭素原子に4つの芳香環が結合した骨格構造)を有する樹脂(化合物)が包含される。
【0054】
【化11】
(式中、nは重合度を表す。)
【0055】
カルド構造を有する化合物としては、9,9-ビス(4-グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン、9,9-ビス[4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス(シアノメチル)フルオレン、9,9-ビス(3-アミノプロピル)フルオレン等のモノマーが挙げられる。
【0056】
本発明の樹脂組成物の調製方法に特に制限はなく、例えば、本発明のフェノチアジン化合物と、硬化性化合物、ラジカル重合開始剤および添加剤を混合し、あるいは、希釈剤(有機溶剤)に本発明のフェノチアジン化合物を溶解または分散させた溶液と、硬化性化合物、ラジカル重合開始剤および添加剤を混合することにより調製することができる。
混合の手段としては、公知の方法を採用することができる。
【0057】
本発明の樹脂組成物は、低粘度であり、且つ、屈折率が高い硬化物を与えることができる。よって、本発明の樹脂組成物は、コーティング材、インク、接着剤、粘着剤、ガスバリアフィルム、カラーフィルタ、光学フィルム、光学レンズおよびタッチパネル等を製造する際に使用される材料として好適なものである。
【0058】
前記のコーティング材の用途としては、タッチパネル、プラスチック容器、プラスチックシート、プラスチックフィルム、フィルム型液晶素子、液晶表示装置に使用される偏光板、光学部品、建築内装材(床材、壁材、人工大理石等)などの保護(ハードコート)等が挙げられる。
【0059】
前記のインクとしては、着色インク、印刷インク、UVインク、インクジェット用インク等が挙げられる。これらのインクは、オフセット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等に使用される。
【0060】
前記の接着剤の用途としては、半導体用、光学用、光学部品用、光導波路結合用、光導波路周辺部材固定用、CD/DVD貼り合せ用等が挙げられる。
【0061】
前記の粘着剤の用途としては、粘(接)着テープ、粘(接)着シート、粘(接)着ラベル等が挙げられる。
【0062】
前記のガスバリアフィルムの用途としては、電子ペーパー、フレキシブルディスプレイ、有機EL素子、有機太陽電池等が挙げられる。
【0063】
前記のカラーフィルタの用途としては、カラー液晶表示装置(カラーフィルタオンアレイ(COA))、カラー撮像素子、有機EL表示装置等が挙げられる。
【0064】
前記の光学フィルムとしては、偏光板の保護フィルム、プリズムシート用支持フィルムや導光フィルム等の液晶表示装置用フィルム、ハードコートフィルム、加飾フィルムや透明導電性フィルム等の機能性フィルム、太陽電池用の耐候(光)性フィルム、LED照明・有機EL照明用フィルム、フレキシブルエレクトロニクス用透明耐熱フィルム等が挙げられる。
【0065】
前記の光学レンズとしては、顕微鏡、内視鏡、望遠鏡、カメラ、眼鏡等のレンズ、レーザービームプリンターのレンズ、センサー用レンズ、プリズムレンズ、光ディスクのピックアップレンズ等が挙げられる。
【0066】
前記のタッチパネルの用途としては、パソコン、カーナビゲーション、携帯電話、電子辞書、OA・FA機器等が挙げられる。
【0067】
本発明の樹脂組成物は、更に、透明材料、光学材料、ダイシングテープ、絶縁材料(電線被覆等)、ソルダーレジストインク、プリント配線板、銅張積層板、樹脂付銅箔、プリプレグ、高電圧絶縁材、層間絶縁材、TFT用パッシベーション膜、TFT用ゲート絶縁膜、TFT用層間絶縁膜、TFT用透明平坦化膜、絶縁用パッキング、絶縁被覆材、塗料、UV粉体塗料、成形材料(シート、フィルム、FRP等)、シーリング材、液晶シール材、表示デバイス用シール材、高耐熱シール材、ポッティング材、封止材(半導体封止材、電気材料用封止材、有機ELやLED素子用封止材、各種太陽電池の封止材)、レジスト材(液状レジスト材、着色レジスト材、ドライフィルムレジスト材、ソルダーレジスト材、カラーフィルタレジスト材)、液晶セル用フォトスペーサー材、光造形、太陽電池用材料、燃料電池用材料、表示材料、記録材料、複写機用感光ドラム、電池用固体電解質等の電気・電子分野における材料の他、防振材料、防水材料、防湿材料、熱収縮ゴムチューブ、オーリング、ガス分離膜、コンクリート保護材、ライニング、土壌注入剤、蓄冷熱材、滅菌処理装置用シール材、酸素透過膜等の原料や部材としての利用や、他の樹脂あるいは樹脂組成物(熱可塑性、熱硬化性、光硬化性)に配合される添加剤(改質剤)としての利用が期待される。
【実施例0068】
以下、実施例および比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において用いた主原料は、以下のとおりである。
【0069】
[主原料]
・2-エチルチオフェノチアジン(東京化成工業製、化学式(II-2)参照。)
・4-ビニルベンジルクロリド(東京化成工業製、化学式(III-1)参照。)
・t-ブトキシカリウム(東京化成工業製)
・テトラヒドロフラン(和光純薬工業製)
・10-(4-ビニルベンジル)-10H-フェノチアジン(RSC Advances,5(29),22947-22950(2015)記載の方法に準拠して合成した。化学式(VII)参照。)
【0070】
【化12】
【0071】
実施例および比較例において採用した評価試験(屈折率の測定、粘度の測定)の方法は、以下のとおりである。
【0072】
[屈折率の測定]
実施例および比較例の化合物について、JIS K 0062(「化学製品の屈折率測定方法」)に準拠し、アッベ屈折計(アタゴ製、「NAR-1T SOLID」)を用い、LED光(D線波長)における屈折率(25℃)を測定した。
【0073】
[粘度の測定]
化合物について、粘度計(ユービーエム製、「Rheosol-G5000」)を使用し、40℃および60℃での定常流粘度を測定した。
【0074】
〔実施例1〕
<10-(4-ビニルベンジル)-2-エチルチオ-10H-フェノチアジンの合成>
容量300mLの三口フラスコに、2-エチルチオフェノチアジン20.8g(80.0mmol)とテトラヒドロフラン150mLを仕込み、15℃にて撹拌しながら、t-ブトキシカリウム9.9g(88.0mmol)を添加した。続いて、氷冷下にて撹拌しながら、4-ビニルベンジルクロリド12.8g(84.0mmol)を滴下し、室温で12時間撹拌した。
その後、反応液を氷冷下にて冷却し、水80mLを添加し、下層の水層を分離した。上層の有機層を減圧濃縮した後、ジクロロメタン100mLで抽出し、水100mLにて水洗し、有機層を減圧濃縮した。得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘキサン=1/5(容量比))により精製し、粘性の淡黄色液体23.1gを得た(収率:77%)。
【0075】
得られた淡黄色液体のH-NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR (CDCl3) δ: 7.36 (d, 2H), 7.27 (d, 2H), 7.08 (dd, 1H), 6.97-6.99 (m, 2H), 6.83-6.89 (m, 2H), 6.65-6.72 (m, 2H), 6.60 (d, 1H), 5.70 (d, 1H), 5.22 (d, 1H), 5.05 (s, 2H), 2.65 (q, 2H), 1.08 (t, 3H).
また、この淡黄色液体のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた淡黄色液体は、化学式(I-4)で示される表題のフェノチアジン化合物であるものと同定した。
【0076】
〔実施例2〕
実施例1において合成したフェノチアジン化合物について、評価試験(屈折率の測定、粘度の測定)を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。
【0077】
〔比較例1〕
化学式(VII)で示されるフェノチアジン化合物について、評価試験(屈折率の測定、粘度の測定)を行ったところ、得られた試験結果は表1に示したとおりであった。なお、化学式(VII)で示されるフェノチアジン化合物は淡黄色固体であり、融点が60℃以上であることから、粘度の測定が行えなかった(「N.D.」と記載)。
【0078】
【表1】
【0079】
表1の結果より、本発明のフェノチアジン化合物(実施例1の化合物)は、従来のフェノチアジン化合物(化学式(VII)で示される化合物)に比べて、屈折率が高く、且つ、融点が低いことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明のフェノチアジン化合物は、室温以下に融点を有し、加熱時の粘度が低く、屈折率の高い硬化物を与えることができる。
よって、本発明の樹脂組成物は、コーティング材、インク、接着剤、粘着剤、ガスバリアフィルム、カラーフィルタ、光学フィルム、光学レンズおよびタッチパネル等を製造する際に使用される材料として好適なものである。
図1