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特開2023-36083自立型フレキシブルコンテナ用の荷受パレット
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  • 特開-自立型フレキシブルコンテナ用の荷受パレット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036083
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】自立型フレキシブルコンテナ用の荷受パレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/16 20060101AFI20230307BHJP
   B65D 88/22 20060101ALI20230307BHJP
   A01F 25/14 20060101ALI20230307BHJP
   B65D 19/44 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
B65D90/16
B65D88/22 A
A01F25/14 A
B65D19/44 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142863
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】佐々本 悟
(72)【発明者】
【氏名】山岡 翔太郎
【テーマコード(参考)】
2B100
3E063
3E170
【Fターム(参考)】
2B100AA02
2B100DA04
2B100HA02
3E063AA27
3E063BA05
3E063CA11
3E063CA16
3E063CA25
3E063CD08
3E063DA04
3E063EE01
3E063FF09
3E063GG10
3E170AA29
3E170AB13
3E170DA11
3E170GA09
3E170QA02
3E170QA07
3E170QA08
3E170QA10
3E170RA02
3E170RA03
3E170VA16
3E170WF09
(57)【要約】
【課題】より容易に自立及び搬送ができ、かつ、よりコンパクトで持ち運びが容易な自立型フレキシブルコンテナ用の荷受パレットを提供すること。
【解決手段】パレットの四隅にそれぞれ支柱を立設するとともに、前記各支柱の上端部に、フレキシブルコンテナの複数の環状吊り部とそれぞれ係脱自在なフックを設け、不使用時には前記各支柱を前記荷受パレットから離脱させるとともに、前記各支柱が可撓性を有すように前記各支柱の基部を支持する支持部を前記荷受パレットの四隅に設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物を収納及び搬送する筒状のフレキシブルコンテナを載置する荷受パレットであって、前記フレキシブルコンテナの上部に開口部を底部に排出部をそれぞれ設け、上記開口部の周縁に複数の環状吊り部を設けたフレキシブルコンテナ用の荷受パレットにおいて、前記荷受パレットの四隅にそれぞれ支柱を立設するとともに、前記各支柱の上端部に、前記複数の環状吊り部とそれぞれ係脱自在なフックを設け、不使用時には前記各支柱を前記荷受パレットから離脱させるとともに、前記各支柱が可撓性を有すように前記各支柱の基部を支持する支持部を前記荷受パレットの四隅に設けたことを特徴とする自立型フレキシブルコンテナ用の荷受パレット。
【請求項2】
前記荷受パレットは、フォーク爪を挿通可能な一対の平行な中空枠体によって形成してなる請求項1記載の自立型フレキシブルコンテナ用の荷受パレット。
【請求項3】
前記各支柱の基部を支持する支持部には、緩衝部材を備えてなる請求項1又は2記載の自立型フレキシブルコンテナ用の荷受パレット。
【請求項4】
前記支持部は、前記支柱の基部を支持するよう上下の複数の環状受部により構成されてなる請求項1から3のいずれかに記載の自立型フレキシブルコンテナ用の荷受パレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物等の粉粒体を収容して搬送するコンテナ用の荷役パレットに係り、特に、合成繊維等からなる円筒状や角筒状のコンテナであって、不使用時には分解して保管や持ち運びが容易であるとともに、内容物を投入する際は自立可能な自立型フレキシブルコンテナ用パレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、穀物を1トン程度収納できるスチール製コンテナ(特許文献1)が農業施設等で使用されている。しかし、特許文献1の場合、スチール製であるため非常に重く、かつ、持ち運びや格納に難点があった。それに対して、軽量な自立型フレキシブルコンテナが特許文献2で提案されている。
特許文献2のコンテナは、フレキシブルシートによって筒状に形成されたコンテナ本体の上部開口縁部に沿って中空環状部を設けるとともに、該コンテナの側壁に沿って垂直に延びる複数の中空支持部を前記中空環状部と一体に設けてエアビームを構成し、該エアビームにエアを充填することにより前記開口縁部を広げるとともに前記本体を自立させることができるスタンド型フレキシブルコンテナである。
【0003】
特許文献2のスタンド型フレキシブルコンテナは特許文献1のスチール製のコンテナに対して軽量ではあるが、使用に際して、開口縁部に設けた包み部やコンテナ本体に設けた挿通部に、前記エアビームを挿通する必要があり、準備が煩わしいといった問題があった。また、前記エアビームを膨らませるエア供給手段も必要になるため、より容易に自立可能な自立型フレキシブルコンテナが求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3204821号公報
【特許文献2】特開2000-238886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記問題点にかんがみ、より容易に自立及び搬送ができ、かつ、よりコンパクトで持ち運びが容易な自立型フレキシブルコンテナ用パレットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、粒状物を収納及び搬送する筒状のフレキシブルコンテナを載置する荷受パレットであって、前記フレキシブルコンテナの上部に開口部を底部に排出部をそれぞれ設け、上記開口部の周縁に複数の環状吊り部を設けたフレキシブルコンテナ用の荷受パレットにおいて、前記荷受パレットの四隅にそれぞれ支柱を立設するとともに、前記各支柱の上端部に、前記複数の環状吊り部とそれぞれ係脱自在なフックを設け、不使用時には前記各支柱を前記荷受パレットから離脱させるとともに、前記各支柱が可撓性を有すように前記各支柱の基部を支持する支持部を前記荷受パレットの四隅に設けたことを特徴とする。
【0007】
前記荷受パレットは、フォーク爪を挿通可能な一対の平行な中空枠体によって形成するとよい。
【0008】
前記各支柱の基部を支持する支持部には、緩衝部材を備えることが好ましい。
【0009】
前記支持部は、前記支柱の基部を支持するよう上下の複数の環状受部により構成されるとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、前記荷受パレットに載置した前記フレキシブルコンテナの環状吊り部と前記各支柱上端部のフックを係合させることにより該フレキシブルコンテナを容易に自立させることができ、該フレキシブルコンテナ内に粒状物を充填後はそのままフォークリフトによって運搬できる。一方、不使用時には前記支持部から各支柱を離脱させると、支柱とパレットとを分解して小スペースでの収納及び容易な持ち運びが可能となる。
【0011】
前記荷受パレットを、フォーク爪を挿通可能な一対の平行な中空枠体によって形成することによって、よりコンパクト化及び軽量化が図れる。
【0012】
前記各支柱の基部を支持部に緩衝部材を介在させることによって、運搬中等に前記フレキシブルコンテナが揺れた場合でも前記支柱の変形や破損を防止することができる。
【0013】
前記支持部は、前記支柱の基部を支持するよう上下の複数の環状受部により構成することによって、前記支柱を立設する前に前記フレキシブルコンテナの環状吊り部と前記フックとを係合したり、前記支柱を立設した後に前記フレキシブルコンテナの環状吊り部と前記フックとを係合したりすることが可能であり、前記環状吊り部と前記フックとの係合作業および前記支柱の立設作業のいずれにおいても、誰でも簡単に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の自立型フレキシブルコンテナ用パレットの第1の実施態様を示す斜視図である。
図2】前記第1の実施態様における支柱を立てたときの斜視図(a)、および前記第1の実施態様におけるパレットから支柱を取り外し分解したときの斜視図(b)である。
図3】支柱の基部を示す拡大断面図である。
図4】支柱の基部を示す分解組立図である。
図5】前記第1の実施態様の支柱における緩衝部材の一実施例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の自立型フレキシブルコンテナ用パレットの第1実施態様を示す斜視図である。
フレコンバッグと呼称されることもあるフレキシブルコンテナ1は、合成繊維からなり(「フレコン」は登録商標。)、四角筒状で上部に矩形の開口部2を、底部に排出部3を各々備える。前記排出部3は、前記底部中央の排出口3aから下方へ垂設した合成繊維の排出筒3bからなり、粒状物の投入時には巾着紐等(図示せず)により締結し閉口してある。そして、前記開口部2の四隅部には、それぞれ環状吊り部4が設けられる。
【0016】
次に、前記フレキシブルコンテナ1を載置する荷役パレット5について説明する。本実施形態における荷受パレット5は、端部にフォーク爪(図示せず)を挿通可能な挿通口6aをそれぞれ有する一対の平行な中空枠体6によって形成される。前記一対の中空枠体6は、各中空枠体6の各両端部をチェーンやパイプ等の連結具6bによって互いに連結することもできる。そして、図2に示すように、前記一対の平行な中空枠体6からなる荷受パレット5の四隅には支柱7がそれぞれ立設される。前記各支柱7の上端部には(図1参照)、前記フレキシブルコンテナ1の前記開口部2の四隅部等に設けられる環状吊り部4とそれぞれ係合するフック8を設ける。前記フック8は釣り針状の留め金でもよいが、本実施例では係合をより確実にするため、開閉部を備えた金属リングであるカラビナとしている。
【0017】
前記支柱7を立設するための前記支柱7の基部9について、図3及び図4に基づいて以下に説明する。
前記基部9の最下段には前記荷受パレット5の四隅に前記支柱7を立設するためのブラケット11を設ける。前記ブラケット11は鋼板を折り曲げて形成してあり、前記中空枠体6の外側側壁に設けた孔10aから前記ブラケット11の孔10bに対してボルト12を挿通し、ナット13によって前記各中空枠体6の外側四隅に固着される(図4)。これにより、前記一対の中空枠体6、すなわち、荷受パレット5の四隅から外方へ突設して前記ブラケット11がそれぞれ設けられることになる。
【0018】
前記ブラケット11には支柱7の下部を上下2点で支持する上部ホルダー18、下部ホルダー19が設けられる。これら上部ホルダー18、下部ホルダー19は、溶接やリベッド止めなどにより前記ブラケット11に固定することができる。ここで、上部ホルダー18及び下部ホルダー19には支柱7を挿通することのできる寸法の円環状受部18a,19aが形成されており、前記円環状受部18a,19aの内周には緩衝ゴム20,21が嵌挿可能となっている。これにより、前記フレキシブルコンテナ1が運搬中に揺れた場合でも、前記緩衝ゴム20,21が緩衝材となって前記支柱の損傷を防止することができる。
なお、前記緩衝材として、前記緩衝ゴム20,21に替えて、スポンジ材や、合成樹脂材などを採用することもできる。
【0019】
第1実施態様においては、前記支柱7が棒状部材を前提に説明したが、釣り竿のように入れ子状にスライド伸縮可能としたり、物干し竿のように継ぎ伸縮可能としたり、支柱7の中途部又は基部を折曲可能とすることもできる。
【0020】
以下、本発明の第1実施態様における作用について説明する。
【0021】
図2(b)で示すように、収納時、荷受パレット5は分解した状態にある。そこで、荷受パレット5を組み立てることとなるが、まず、荷受パレット5の一部となる一対の中空枠体6,6を互いに連結部6b,6bによって連結する。連結の際は、一対の中空枠体6,6の長手方向両端部どうしを連結部6b,6bによって連結するとよい。また、連結部6b,6bの長さとしてはフォークリフトのフォーク爪の間隔の長さに設定するのがよい。次に、荷受パレット5の四隅にあるブラケット11に前記支柱7を立設する(図2(a))。
【0022】
荷受パレット5が組み上がったので、次に、フレキシブルコンテナ1を荷受パレット5に載置する。四角筒状のフレキシブルコンテナ1を前記中空枠体6,6上に載置するのであるが、この際、フレキシブルコンテナ1の排出筒3bは、中空枠体6,6及び連結部6b,6bで形成される略四角形の間隙空間を通るように垂らしておく(図1,図2(a))と、荷受パレット5を持ち上げたときに円滑な排出が可能となる。
【0023】
最後に、フレキシブルコンテナ1の前記開口部2の四隅部等に設けられる環状吊り部4を、前記支柱7の上端部に設けたフック8に係合させれば(図1)、内容物を投入する際に自立可能なフレキシブルコンテナ1を提供することができる。
【0024】
前記支柱を支持するブラケット11は、上下に複数の円環状受部18a,19aを設けた構成であるから、前記荷受パレット5に前記支柱7を立設させたり、前記支柱7を前記荷受パレット5から離脱させたり、といった作業が極めて簡単に実施することができる。したがって、前記支柱7を立設する前に前記フレキシブルコンテナ1の環状吊り部4と前記フック8とを係合したり、前記支柱7を立設した後に前記フレキシブルコンテナ1の環状吊り部4と前記フック8とを係合したり、といったように、いずれの作業手順でも組み立てることができる。
【0025】
前記荷受パレット5を移動する際は、前記中空枠体6,6の挿通口6a,6aにフォークリフト(図示せず)の一対のフォーク爪を挿通し、前記フォーク爪5を上昇させると、フレキシブルコンテナ1ごと持ち上げて移動することができる。これにより、フレキシブルコンテナ1を自立させた状態で内容物を投入することができる。
【0026】
また、前記フレキシブルコンテナ1の内容物を排出するに際しては、前記フレキシブルコンテナ1底面の排出筒3bが前記略四角形の間隙空間に位置しているため、排出作業を円滑に行うことができる。
【0027】
なお、図5に示すように、荷受パレット5に立設した支柱7は、前記フレキシブルコンテナ1が運搬中に揺れた場合でも、前記円環状受部18a,19aの前記緩衝ゴム20,21が緩衝材となって前記支柱の損傷を防止することができる。
【0028】
前記いずれの実施態様においても、支柱7を立設するためのブラケット11を荷受パレット5の四隅から外方へ突設して設けてあり、前記ブラケット11及び支柱7によって前記荷受パレット5の載置面が狭くなることがない。また、前記荷受パレット5は、図2(b)に示すように分解可能であるので、該荷受パレット5の収納や持ち運びの際の選択肢が広がる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明の荷役パレットは、比較的コンパクトで廉価な荷役パレットにもかかわらず、より安全な荷役作業が可能となり、極めて利用価値が高い。
【符号の説明】
【0030】
1 フレキシブルコンテナ
2 開口部
3 排出部
4 環状吊り部
5 荷役パレット
6 中空枠体
7 支柱
8 フック
9 基部
10 孔
11 ブラケット
12 ボルト
13 ナット
18 上部ホルダー
18a 円環状受部
19 下部ホルダー
19a 円環状受部
20 緩衝ゴム
21 緩衝ゴム
図1
図2
図3
図4
図5