(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036090
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】送風機
(51)【国際特許分類】
F04D 25/10 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
F04D25/10 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142875
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】松村 優
(72)【発明者】
【氏名】島田 隆彦
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB02
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC25
3H130BA31J
3H130BA69A
3H130CA06
3H130DG03X
3H130EA03J
3H130EA07J
(57)【要約】
【課題】首振り動作をしなくとも風向きを自動で変動させることができる送風機を提供する。
【解決手段】送風機100は、
送風機の前方に向けて膨らんでいる湾曲面125を具備する本体部120、本体部120の外周面に設けられた第1・第2吹出口123・124、送風源130、送風機内の第1前壁221・第1後壁211、これら2つの壁の間の第1支流路153、送風機内の第2前壁222・第2後壁212、これら2つの壁の間の第2支流路154、本体部120の内部に設けられ、かつ気流を調整可能な風量調整部、および風量調整部を制御する制御部を具備し、第1吹出口123は、第1流路153の一端に設けられ、かつ送風機の前方に向かって開口しており、かつ第2吹出口124は、第2流路154の一端に設けられ、かつ送風機の前方に向かって開口している。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外方に向けて凸となる湾曲面および当該湾曲面の周囲に配置された第一吹出口および第二吹出口を有する本体部と、
前記本体部に収容された送風源と、
前記本体部内に設けられ、前記送風源からの気流を前記第一吹出口および前記第二吹出口まで案内する流路と、
前記流路内において、前記第一吹出口および前記第二吹出口に対する風量を調整するための風量調整部と、
前記送風源および前記風量調整部を制御する制御部と、を備え、
前記第一吹出口および前記第二吹出口は、互いに前記湾曲面を挟む位置に配置されており、
前記第一吹出口および前記第二吹出口のそれぞれは、前記本体部の前方に向けて開口するとともに、前記本体部の前後方向に沿って前方に向かう気流を吹き出す形状に形成されている
送風機。
【請求項2】
前記流路は、前記送風源からの気流を取り込む主流路と、前記主流路を流れる気流を分流して、前記第一吹出口および前記第二吹出口にそれぞれ案内する一対の支流路とを有し、
前記風量調整部は、揺動板と、前記揺動板を揺動させる駆動源とを備え、 前記一対の支流路の分流箇所に、前記揺動板が配置されている
請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記流路内に配置され、前記揺動板よりも前記送風源側に配置された熱源を有する
請求項2に記載の送風機。
【請求項4】
前記主流路は、前記本体部内において前記送風源から前記熱源までを結ぶ壁板から形成されており、
前記一対の支流路のそれぞれは、前記本体部内に配置された一対の曲壁板から形成されている
請求項4に記載の送風機。
【請求項5】
前記本体部は、円柱状に形成されており、
前記第一吹出口および前記第二吹出口は、前記本体部の軸方向に沿って延在している
請求項2~4のいずれか一項に記載の送風機。
【請求項6】
前記第一吹出口および前記第二吹出口の内方には、前記第一吹出口および前記第二吹出口の延在方向に沿って複数の整流板が配列されている
請求項5に記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、送風羽根および当該送風羽根を回転させる電動機が、首振り機構によって左右方向に首振り動作することで、風向きが自動で変動する扇風機(送風機)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、首振り動作は、送風羽根および電動機が左右方向に動作するために、人によっては目障りな印象を受ける。さらに、首振り動作の動作音が人に不快感を与えるおそれもある。
【0005】
このようなことから、本発明の目的は、首振り動作をしなくとも、風向きを自動で変動可能な送風機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る送風機は、外方に向けて凸となる湾曲面および当該湾曲面の周囲に配置された第一吹出口および第二吹出口を有する本体部と、前記本体部に収容された送風源と、前記本体部内に設けられ、前記送風源からの気流を前記第一吹出口および前記第二吹出口まで案内する流路と、前記流路内において、前記第一吹出口および前記第二吹出口に対する風量を調整するための風量調整部と、前記送風源および前記風量調整部を制御する制御部と、を備え、前記第一吹出口および前記第二吹出口は、互いに前記湾曲面を挟む位置に配置されており、前記第一吹出口および前記第二吹出口のそれぞれは、前記本体部の前方に向けて開口するとともに、前記本体部の前後方向に沿って前方に向かう気流を吹き出す形状に形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る送風機によれば、首振り動作をしなくとも風向きを自動で変動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る送風機の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る送風機の内部構成を示す断面図である。
【
図3】実施の形態に係る送風機の内部構成を示す断面図である。
【
図4】実施の形態に係る送風機の内部構成を示す断面図である。
【
図5】実施の形態に係る第一吹出口とその周囲の具体的構造を示す断面図である。
【
図6】実施の形態に係る送風機の制御構成を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態に係る風向き変動が行われている際の本体部内の状態を示す説明図である。
【
図10】変形例3に係る第一吹出口を示す模式図である。
【
図11】変形例4に係る第一吹出口を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明に係る送風機の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0010】
なお、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0011】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0012】
以下の説明および図面中において、送風機の左右方向をX軸方向と定義し、前後方向をY軸方向と定義し、高さ方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向は、互いに交差(以下実施の形態では直交)する方向である。本実施の形態では、X軸方向およびY軸方向は水平面に沿う方向であり、Z軸方向は重力方向である鉛直方向に沿う方向である場合を例示するが、送風機の設置姿勢によってはX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向が前述した場合と異なることもある。以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対側を示す。Y軸方向およびZ軸方向についても同様である。Y軸プラス方向とは送風機の本体部の後方を示し、Y軸マイナス方向とは送風機の本体部の前方を示している。X軸プラス方向とは、送風機の本体部に向かった場合、つまり後方を向いた場合の右を示し、X軸マイナス方向とは、送風機の本体部に向かった場合の左を示している。Z軸プラス方向とは送風機の本体部の上方を示し、Z軸マイナス方向とは送風機の本体部の下方を示す。
【0013】
さらに、平行および直交等の、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行である、とは、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0014】
また、以下の実施の形態においては、略円柱状等の「略」を用いた表現を用いている。例えば、略円柱状とは、完全に円柱状であることを意味するだけでなく、実質的に円柱状である。すなわち、例えば表面に多少の凹凸等も含んだ円柱も含むことも意味する。他の「略」を用いた表現についても同様である。
【0015】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る送風機100の構成について説明する。送風機100は、涼風および温風を周囲に送ることができる機器である。
図1は、実施の形態に係る送風機100の外観を示す斜視図である。
図2~
図4は、実施の形態に係る送風機100の内部構成を示す断面図である。具体的には、
図2は、
図1のII-II線を含むXZ切断面を見た断面図である。
図3は、
図1のIII-III線を含むYZ切断面を見た断面図である。
図4は、
図1のIV-IV線を含むXY切断面を見た断面図である。
【0016】
図1~
図4に示すように、送風機100は、床面に設置される円盤状の台座部110と、台座部110上に設けられた、Z軸方向に沿って延びる略円柱状の本体部120とを備えている。本体部120は、Z軸方向を中心とした回転動作を行わないように、台座部110上で固定されている。本体部120の上面には、ユーザからの種々の指示を受け付ける操作部121が設けられている。操作部121には、複数のボタン122が設けられており、これらのボタン122が操作されることにより、電源のON/OFF、風量調整、タイマーON/OFF、タイマー時間調整、温風/涼風切り替え、風向き変動などが行われるようになっている。
【0017】
本体部120の外周面129は、当該本体部120の前方に配置された第一湾曲面125と、第一湾曲面125よりも後方に配置された第二湾曲面126とを有している。正面視において第一湾曲面125の両端部には、風が吹き出す一対の吹出口123、124が、X軸プラス方向の端部およびX軸マイナス方向の端部に形成されている。一対の吹出口123、124のそれぞれは、本体部120の上部から中央部よりも下方まで、本体部120の軸方向(Z軸方向)に沿って延設されている。吹出口123、124を互いに区別するために、吹出口123および吹出口124は、それぞれ、第一吹出口123および第二吹出口124と呼ばれ得る。
【0018】
図2~
図4に示すように、本体部120の内部には、送風源130と、熱源140と、流路150と、風量調整部160とが収容されている。
【0019】
送風源130は、回転軸をZ軸方向としたファンであり、本体部120の下部に設置されている。本体部120および台座部110の下端面には、送風機100の外部と内部とを連通させる連通口(図示省略)が形成されており、送風源130が駆動することで、連通口から空気が本体部120内に取り込まれる。つまり送風源130が駆動すると本体部120内に上昇気流が発生する。
【0020】
熱源140は、本体部120内を通過する気流を加熱するヒータであり、本体部120の上部において、上面視略中央部に配置されている。熱源140は、例えばセラミックヒータなどの、電圧をかけることで発熱する発熱体を有したヒータである。熱源140は、前部(Y軸マイナス方向の端部)から後部(Y軸プラス方向の端部)に向けて気流が通過する構成を有している。熱源140が駆動していない場合には、気流は加熱されずに熱源140を通過し、熱源140が駆動している場合には、気流は加熱された状態で熱源140を通過する。
【0021】
流路150は、送風源130からの気流を第一吹出口123および第二吹出口124に案内する部位である。具体的には、流路150は、送風源130からの気流(すなわち、上記上昇気流)を取り込む主流路151と、主流路151を流れる気流を分流して、第一吹出口123および第二吹出口124に案内する一対の支流路153、154とを有している。支流路153および支流路154を互いに区別するために、支流路153および支流路154は、それぞれ、第一支流路153および第二支流路154と呼ばれ得る。
【0022】
図3に示すように、主流路151は、送風源130の上部から上方(Z軸プラス方向)に延設されて、熱源140の前部(Y軸マイナス方向の端部)までを繋ぐ流路である。主流路151により案内された気流は、熱源140の前部から当該熱源140内に進入することになる。
【0023】
より詳細には、送風源130からの気流は、送風源130の上部に設けられた壁板201に案内されて、
図3の矢印Yに示されるように、上昇気流として主流路151を流れ、熱源140に到達する。壁板201は、本体部120の内部において第二湾曲面126をなす外壁部からY軸マイナス方向かつZ軸プラス方向に延び出し、熱源140まで結ぶように設けられている。このように主流路151は壁板201により形成されている。主流路151は、本体部120の内部の前方側で(すなわち、上面視において本体部120の中心からY軸マイナス方向にかけて)かつ鉛直方向に延在するように(すなわち、Z軸方向に平行に)設けられている。
【0024】
図4に示すように、第一支流路153および第二支流路154は、熱源140を介して主流路151に連通しており、熱源140の後部(Y軸プラス方向の端部)の直後方から分岐されている。第一支流路153は、第一吹出口123に向けてZ軸方向視で湾曲しており、徐々に幅を狭めるような形状となっている。同様に、第二支流路154は、第二吹出口124に向けてZ軸方向視で湾曲しており、徐々に幅を狭めるような形状となっている。これにより、第一吹出口123および第二吹出口124では風圧が高められることになる。
【0025】
より詳細には、第一支流路153は、本体部120の内部に設けられた内前曲壁221および内後曲壁211の間に設けられている。「内前曲壁221」および「内後曲壁211」の「内」は、送風機100の内部を意味する。「前」は、Y軸マイナス方向を意味する。「後」は、Y軸プラス方向を意味する。「内前曲壁221」および「内後曲壁211」は、いずれも、曲面を有する。
【0026】
XY平面を含む送風機100の断面図(すなわち、
図4)において、内後曲壁211は、送風機100の中心から第一吹出口123にかけて徐々に大きくなる曲率を有している。言い換えれば、
図4において、送風機100の中心の近くでの内後曲壁211の接線方向はほぼ+X軸に平行である一方で、第一吹出口123の近くでの内後曲壁211の接線方向はほぼ-Y軸に平行である。同様に、内前曲壁221もまた、第一吹出口123に向けて徐々に大きくなる曲率を有している。後に詳述される
図5に示されるように、第一吹出口123での内後曲壁211の曲率は、第一吹出口123での内前曲壁221の曲率より大きい。
【0027】
図4に示されるように、第二支流路154は、送風機100の内部に設けられた内前曲壁222および内後曲壁212の間に設けられている。第二支流路154は、送風機100の中心を含むYZ平面を対称面として、第一支流路153に対して面対称である。
【0028】
内前曲壁221および内前曲壁222を互いに区別するために、内前曲壁221および内前曲壁222は、それぞれ、第一内前曲壁221および第二内前曲壁222と呼ばれ得る。内後曲壁211および内後曲壁212を互いに区別するために、内後曲壁211および内後曲壁212は、それぞれ、第一内後曲壁211および第二内後曲壁212と呼ばれ得る。これら第一内前曲壁221、第二内前曲壁222、第一内後曲壁211および第二内後曲壁212は、曲壁板の一例である。第一内前曲壁221および第二内前曲壁222の間に熱源140が設けられている。
【0029】
本体部120の外周面において、第一吹出口123および第二吹出口124に挟まれた領域は、外方に向けて凸となる第一湾曲面125となっている。上述したように、本体部120は略円柱状に形成されているので、第一湾曲面125は円弧を基準とした曲面である。
【0030】
図2に示すように、第一吹出口123および第二吹出口124のそれぞれの内部には、当該第一吹出口123および第二吹出口124の延在方向(Z軸方向)に沿って複数の整流板127が配列されている。各整流板127は、XY平面に平行な平板であり、Z軸方向に均等な間隔で配置されている。第一吹出口123および第二吹出口124から噴出される気流は、各整流板127によって整流され、安定した流れで外部へと噴出されることになる。
【0031】
第一吹出口123と、その周囲の具体的構造について説明する。第一吹出口123と、第二吹出口124とは基本的に同じであるので、ここでは第一吹出口123とその周囲の具体的構造を例に説明し、第二吹出口124とその周囲の具体的構造の説明については省略する。
【0032】
図5は、実施の形態に係る第一吹出口123とその周囲の具体的構造を示す断面図である。
図5に示すように、第一吹出口123は、本体部120の前方を向くように開放している。第一吹出口123においてY軸マイナス方向の端縁1231には、本体部120の第一湾曲面125が連続している。一方、第一吹出口123においてY軸プラス方向の端縁1232には、本体部120における第一湾曲面125以外の第二湾曲面126が連続している。
【0033】
第二湾曲面126は、第一湾曲面125と同様に円弧を基準とした曲面であるが、第一湾曲面125よりも曲率半径が大きい円弧を基準としている。第一湾曲面125の基準となる円弧と、第二湾曲面126の基準となる円弧は、中心を同じとする円弧である。
図5では、第二湾曲面126の基準となる仮想的な円弧を二点鎖線L2で図示している。つまり、第一吹出口123の端縁1232は、第一吹出口123の端縁1231よりも外方に突出している。このため、第一吹出口123から噴出された気流は、端縁1232によって、第一湾曲面125に向かうように案内されることになる。これにより、気流の一部は、前後方向(Y軸方向)に沿って前方(Y軸マイナス方向)に向かう流れとなる。ここで、気流のそばに湾曲した壁があると、気流が壁の曲面に沿った方向を流れる現象(コアンダ効果)が生じる。本実施の形態では、第一吹出口123から噴出された気流においてもコアンダ効果が発揮されるので、当該気流は第一湾曲面125に沿って流れることになる(矢印Y1参照)。このため、第一湾曲面125はコアンダ面ということもできる。このように第一吹出口123は、本体部120の前方に向けて開口するとともに、本体部120の前後方向に沿って前方に向かう気流を吹き出す形状に形成されている。これは、第二吹出口124とその周囲についても同様である。
【0034】
第一吹出口123および第二吹出口124は、第一湾曲面125を周方向で挟む位置に配置されているために、第一吹出口123および第二吹出口124のそれぞれから吹き出された気流は、第一湾曲面125を沿って流れ、第一湾曲面125の所定の位置で合流することとなる。この所定の位置で合流した気流は、本体部120から外方へと放出されることになる。なお、前述したように、第一吹出口123および第二吹出口124では、各整流板127によって気流が整流されているので、第一吹出口123および第二吹出口124のZ軸方向の全長にわたって気流を安定して第一湾曲面125に沿わせることができる。
【0035】
風量調整部160は、
図3および
図4に示すように、第一支流路153および第二支流路154に対する風量を調整するための部位であり、揺動板161と、駆動源162とを有している。揺動板161は、Z軸方向に長尺な矩形状の板体であり、第一支流路153および第二支流路154の分流箇所Pに設けられている。揺動板161において、一端部(Y軸プラス方向の端部)は、本体部120内で揺動自在に軸支されている。揺動板161の他端部(Y軸マイナス方向の端部)は、熱源140の後部に近接する位置に配置されている。揺動板161が一端部を中心に回転すると、揺動板161の他端部が熱源140の後部近傍で揺動することになる。揺動板161の停止位置によって、第一吹出口123および第二吹出口124に対する風量を調整することが可能である。
【0036】
揺動板161の一端(厳密には、矩形状の揺動板161のZ軸方向に平行な一辺(揺動板161の後端辺))は、第一内後曲壁211および第二内後曲壁212の接合部に設けられている。一方、揺動板161の他端(厳密には、矩形状の揺動板161のZ軸方向に平行な他の一辺(揺動板161の前端辺))は、駆動源162により揺動される。後に詳細に説明されるが、駆動源162の駆動により、揺動板161の他端は第一内前曲壁221の一端の近傍に位置する状態(
図7(a)参照)、および第二内前曲壁222の一端の近傍に位置する状態(
図7(c)参照)の間で、揺動板161の他端は揺動する。
【0037】
駆動源162は、揺動板161に対して回転力を付与する、例えばステッピングモータなどのモータである。駆動源162は、揺動板161の上方に配置されており、その回転軸が揺動板161の上部に対して、回転力を付与自在に連結されている(
図3参照)。
【0038】
図6は、実施の形態に係る送風機100の制御構成を示すブロック図である。
図6に示すように、送風機100は、操作部121、送風源130、熱源140および駆動源162に電気的に接続された制御部170を有している。制御部170は、本体部120内に収容されている。制御部170は、例えばCPU、RAM、ROMなどを備えており、ROMに格納されたプログラムをCPUがRAMに展開して実行することで、各部を制御する。具体的には、制御部170は、操作部121で受け付けられた各種指示に基づいて、送風源130、熱源140および駆動源162を制御する。
【0039】
[風向き変動制御]
以下に、風向き変動指示が操作部121で受け付けられた場合の制御手順について説明する。風向き変動とは、本体部120を中心に風向きがX軸方向に変化する動作のことである。
【0040】
図7は、実施の形態に係る風向き変動が行われている際の本体部120内の状態を示す説明図である。
図7の(a)は、本体部120を中心に風向きがX軸マイナス方向に偏った場合の状態を示している。
図7の(b)は、風向きが偏っていない場合の状態を示している。
図7の(c)は、本体部120を中心に風向きがX軸プラス方向に偏った場合の状態を示している。
【0041】
風向き変動指示がない場合には、制御部170は駆動源162を制御して、例えば
図7の(b)に示すように、揺動板161をY軸方向に平行となる位置で停止させている。このとき、揺動板161は、熱源140を通過した気流を均等な風量となるように分割し、第一分流Y10と、第二分流Y20とを生成する。第一分流Y10は、第一支流路153を流れて第一吹出口123から噴出され、本体部120の第一湾曲面125を沿って流れる。他方、第二分流Y20は、第二支流路154を流れて第二吹出口124から噴出され、本体部120の第一湾曲面125を沿って流れる。第一分流Y10の風量と第二分流Y20の風量とは同等であるために、第一分流Y10と第二分流Y20とは第一湾曲面125の中間位置で合流し、Y軸方向に沿う流れで本体部120から放出されることになる。
【0042】
風向き変動指示がある場合には、制御部170は駆動源162を制御して、揺動板161を回転させ、揺動させる。例えば
図7の(b)に示す状態から揺動板161が回転し、当該揺動板161の他端部がX軸マイナス方向へ揺動すると、
図7の(a)に示す状態となる。このとき、揺動板161は第一支流路153を大きく開放するのに対し、第二支流路154をほとんど閉塞することになる。これにより、第一分流Y10は、第二分流Y20よりも大きな流量となった状態で、第一支流路153を流れて第一吹出口123から噴出され、本体部120の第一湾曲面125を沿って流れる。
【0043】
他方、第二分流Y20は、第一分流Y10よりも小さな流量となった状態で、第二支流路154を流れて第二吹出口124から噴出され、本体部120の第一湾曲面125を沿って流れる。第一分流Y10の流量が大きいために、第一分流Y10と第二分流Y20とは第一湾曲面125の中間位置よりもX軸マイナス方向へ偏った位置で合流し、Y軸方向に対して傾いた流れで本体部120から放出されることになる。具体的には、合流後の第一分流Y10と第二分流Y20とは、Y軸マイナス方向に進むにつれてX軸マイナス方向に進む傾きの流れで、本体部120から放出される。
【0044】
また、
図7の(b)に示す状態から揺動板161が回転し、当該揺動板161の他端部がX軸プラス方向へ揺動すると、
図7の(c)に示す状態となる。このとき、揺動板161は第二支流路154を大きく開放するのに対し、第一支流路153をほとんど閉塞することになる。これにより、第一分流Y10は、第二分流Y20よりも小さな流量となった状態で、第一支流路153を流れて第一吹出口123から噴出され、本体部120の第一湾曲面125を沿って流れる。他方、第二分流Y20は、第一分流Y10よりも大きな流量となった状態で、第二支流路154を流れて第二吹出口124から噴出され、本体部120の第一湾曲面125を沿って流れる。第二分流Y20の流量が大きいために、第一分流Y10と第二分流Y20とは第一湾曲面125の中間位置よりもX軸プラス方向へ偏った位置で合流し、Y軸方向に対して傾いた流れで本体部120から放出されることになる。具体的には、合流後の第一分流Y10と第二分流Y20とは、Y軸マイナス方向に進むにつれてX軸プラス方向に進む傾きの流れで、本体部120から放出される。
【0045】
風向き変動時においては、揺動板161は他端部がX軸マイナス方向からX軸プラス方向への移動と、X軸プラス方向からX軸マイナス方向への移動とを繰り返すように連続的に揺動するために、風向きも左右に連続的に揺動することになる。
【0046】
[効果等]
以上のように、実施の形態に係る送風機100は、外方に向けて凸となる第一湾曲面125および当該第一湾曲面125の周囲に配置された第一吹出口123および第二吹出口124を有する本体部120と、本体部120に収容された送風源130と、本体部120内に設けられ、送風源130からの気流を第一吹出口123および第二吹出口124まで案内する流路150と、流路150内において、第一吹出口123および第二吹出口124に対する風量を調整するための風量調整部160と、送風源130および風量調整部160を制御する制御部170と、を備えている。第一吹出口123および第二吹出口124は、互いに第一湾曲面125を挟む位置に配置されている。第一吹出口123および第二吹出口124のそれぞれは、本体部120の前方に向けて開口するとともに、本体部120の前後方向に沿って前方に向かう気流を吹き出す形状に形成されている。
【0047】
これによれば、第一吹出口123および第二吹出口124のそれぞれは、本体部120の前後方向に沿って前方に向かう気流を吹き出す形状に形成されている。このため、第一吹出口123から吹き出された第一分流Y10と、第二吹出口124から吹き出された第二分流Y20とが互いに第一湾曲面125をコアンダ面として沿うように流れ、第一湾曲面125上で合流し、そこから外方に向けて放出されることになる。ここで、風量調整部160が第一分流Y10と第二分流Y20との流量を調整するために、第一分流Y10と第二分流Y20との合流地点を、第一湾曲面125上で変更することができる。合流地点が変更できれば、合流後の気流の方向を変更できる。このように、首振り動作をしなくても風向きを自動で変動させることが可能である。
【0048】
流路150は、送風源130からの気流を取り込む主流路151と、主流路151を流れる気流を分流して、第一吹出口123および第二吹出口124にそれぞれ案内する第一支流路153および第二支流路154とを有し、風量調整部160は、揺動板161と、揺動板161を揺動させる駆動源162とを備え、第一支流路153および第二支流路154の分流箇所Pに揺動板161が配置されている。
【0049】
これによれば分流箇所Pに配置された揺動板161を揺動させることで、第一支流路153および第二支流路154に対する風量を調整することができる。これにより、第一支流路153および第二支流路154のそれぞれに風量調整用の部材を配置しなくてもよいので、送風機100の大型化を抑制することが可能である。
【0050】
送風機100は、流路150内に配置され、揺動板161よりも送風源130側に配置された熱源140を有する。
【0051】
これによれば、揺動板161よりも送風源130側に熱源140が配置されているので、分流する前の気流を熱源140で加熱することができる。つまり、分流後に生成された第一分流Y10と第二分流Y20とにおいても、すでに加熱されているので、少ない熱源140で効率的な加熱が可能である。
【0052】
主流路151は、本体部120内において送風源130から熱源140までを結ぶ壁板201から形成されており、第一支流路153および第二支流路154のそれぞれは、本体部120内に配置された一対の曲壁板(第一内前曲壁221および第一内後曲壁211の対と、第二内前曲壁222および第二内後曲壁212の対)から形成されている。
【0053】
これによれば、主流路151、第一支流路153および第二支流路154が、本体部120内に設けられた壁板201、第一内前曲壁221、第一内後曲壁211、第二内前曲壁222および第二内後曲壁212から形成されている。このため、主流路151、第一支流路153および第二支流路154を本体部120内にコンパクトに収めることができる。
【0054】
本体部120は、円柱状に形成されており、第一吹出口123および第二吹出口124は、本体部120の軸方向に沿って延在している。
【0055】
これによれば、円柱状の本体部120に対し、第一吹出口123および第二吹出口124が軸方向に沿って延在しているので、本体部120の軸方向に沿って延在する気流を外部へと放出することが可能である。
【0056】
第一吹出口123および第二吹出口124の内方には、当該第一吹出口123および第二吹出口124の延在方向に沿って複数の整流板127が配列されている。
【0057】
これによれば、第一吹出口123および第二吹出口124では、各整流板127によって気流が整流されているので、第一吹出口123および第二吹出口124の延在方向の全長にわたって気流を安定して第一湾曲面125に沿わせることができる。
【0058】
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係る送風機について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。以降の説明において、上記実施の形態と同等の部分は同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0059】
例えば、上記実施の形態では、第一湾曲面125(コアンダ面)が円柱の外周面を基準とした形状である場合を例示した。しかしながら湾曲面は、コアンダ効果を発揮できる形状であれば如何様でもよい。例えば、その他の湾曲面の形状としては、楕円柱の外周面を基準とした形状、長円柱の外周面を基準とした形状、球面を基準とした形状などが挙げられる。
【0060】
また、上記実施の形態では、第一吹出口123および第二吹出口124が第一湾曲面125を挟む位置に配置された送風機100を例示した。しかしながら、複数の吹出口のそれぞれは、吹き出す気流が湾曲面に沿うように流れ、かつ他の吹出口から吹き出された気流に合流する位置に設けられているのであれば、吹出口の設置個数および配置位置は如何様でもよい。
【0061】
また、上記実施の形態では、一つの送風源130が発生した気流を流路150で分流して、第一吹出口123および第二吹出口124に案内する送風機100を例示した。しかしながら、各吹出口には、それぞれ独立した流路を設けるとともに、各流路に個別に送風源を設けてもよい。この場合、制御部が、各送風源の風量を調整すればよい。つまり、この場合においては、制御部が風量調整部として機能する。
【0062】
また、上記実施の形態では、本体部120の外周面129において第一湾曲面125以外の領域が第二湾曲面126である場合を例示した。しかしながら、第一湾曲面125以外の領域は如何なる形状であってもよく、その他の形状としては例えば平面などが挙げられる。
【0063】
また、上記実施の形態では、熱源140を有した送風機100を例示したが、送風機は熱源を有していなくてもよい。つまり、涼風のみを発生させる送風機であってもよい。
【0064】
図8は、変形例1に係る揺動板161aを示す模式図である。上記実施の形態では、揺動板161の一端部(Y軸プラス方向の端部)が、本体部120内で揺動自在に軸支されている場合を例示した。しかしながら、
図8に示すように、揺動板161aの揺動中心は、Y軸方向の中心としてもよい。この場合、揺動板161aのY軸方向の両端部が揺動することになる。
【0065】
図9は、変形例2に係る本体部120bを示す模式図である。上記実施の形態では、本体部120内では、主流路151を囲むように、第一支流路153および第二支流路154が配置されている場合を例示した。この変形例では、主流路151bから離れた位置に第一支流路153bおよび第二支流路154bが配置されている場合について説明する。
【0066】
図9に示すように、本体部120b内には、主流路151bから離れるように第一支流路153bおよび第二支流路154bが配置されている。具体的には、第一支流路153bおよび第二支流路154bは、上記実施の形態の第一支流路153および第二支流路154を
図8において上下反転した位置に配置されている。この場合、第一吹出口123bは、第一支流路153bの最下流に位置し、第二吹出口124bは第二支流路154bの最下流に位置する。つまり、第一支流路153bおよび第二吹出口124bから吹き出される気流は、Y軸方向に沿いながらY軸プラス方向に向けて流れることで、第二湾曲面126bをコアンダ面として沿うように流れる。つまり、本変形例においては、Y軸プラス方向が本体部120bの前方となる。
【0067】
第一吹出口123および第二吹出口124の形状は、コアンダ面に沿って流れる気流を発生させるのであれば如何様でもよい。第一吹出口123を例示して説明すると、上述したように、第一吹出口123から吹き出された気流が、第一吹出口123の近傍で前後方向に沿って前方に向かう流れとなれば、第一湾曲面125をコアンダ面として沿いながら流れることになる。
【0068】
図10は、変形例3に係る第一吹出口123cを示す模式図である。この第一吹出口123cは、前後方向に沿う吹出流路181cを有している。この吹出流路181cを介して吹き出された気流(矢印Y2参照)は、前後方向に沿って前方に向かって流れた後に、第一湾曲面125cをコアンダ面として沿いながら流れることになる。
【0069】
図11は、変形例4に係る第一吹出口123dを示す模式図である。変形例4の場合、本体部120dには、第一吹出口123dと第一湾曲面125dとの間に、前後方向に沿う平面部182dが形成されている。第一吹出口123dにおいてY軸プラス方向の内壁面183dは、平面部182dに向かうように湾曲している。このため、第一吹出口123dから吹き出される気流(矢印Y3参照)は、内壁面183dにより平面部182dに向かうことになる。気流は、平面部182d上で前後方向に沿って前方に向かって流れた後に、第一湾曲面125dをコアンダ面として沿いながら流れることになる。
【0070】
その他、実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、風向き制御が可能な送風機に広く利用可能である。
【0072】
以上の開示内容から導出される発明が以下、列挙される。
【0073】
(項目1)
送風機であって、
前記送風機の前方に向けて膨らんでいる湾曲面(125)を具備する本体部(120)、
前記本体部(120)の外周面に設けられた第1吹出口(123)、
前記本体部(120)の外周面に設けられた第2吹出口(124)、
送風源(130)、
前記送風機の内部に設けられた第1前壁(221)、
前記送風機の内部に設けられた第1後壁(211)、
前記第1前壁(221)および前記第1後壁(211)の間に形成されている第1支流路(153)、
前記送風機の内部に設けられた第2前壁(222)、
前記送風機の内部に設けられた第2後壁(212)、
前記第2前壁(222)および前記第2後壁(212)の間に形成されている第2支流路(154)、
前記本体部(120)の内部に設けられ、かつ前記送風源(130)から前記第1支流路(153)および前記第2支流路(154)に案内される気流を調整可能な風量調整部、および
前記風量調整部を制御する制御部
を具備し、ここで、
前記第1吹出口(123)は、前記第1流路(153)の一端に設けられ、かつ前記送風機の前記前方に向かって開口しており、かつ
前記第2吹出口(124)は、前記第2流路(154)の一端に設けられ、かつ前記送風機の前記前方に向かって開口している、
送風機。
【0074】
(気流流れ1)
(項目1)の送風機であって、
前記第1吹出口(123)から前記送風機の前記前方に向かって、前記気流が吹き出され、かつ
前記第2吹出口(124)から前記送風機の前記前方に向かって、前記気流が吹き出される。
【0075】
(風量調整部1)
(項目1)の送風機であって、
前記風量調整部は、揺動板(161)および前記揺動板(161)を揺動させる駆動源(162)を具備し、かつ
前記揺動板(161)は、前記第1支流路(153)および前記第2支流路(154)の間に挟まれているように設けられている。
【0076】
(風量調整部2)
項目(風量調整部1)の送風機であって、
前記揺動板(161)は、前記第1支流路(153)および前記第2支流路(154)の間で揺動可能に設けられている。
【0077】
(ヒータ1)
(項目1)の送風機であって、
熱源(140)をさらに具備し、
前記熱源(140)は、前記本体部(120)の内部に設けられている。
【0078】
(ヒータ2)
項目(ヒータ1)の送風機であって、
前記気流は、前記送風源(130)から前記熱源(140)を通って前記第1支流路(153)および前記第2支流路(154)に案内される。
【0079】
(効果1)
(気流流れ1)の送風機であって、
前記第1吹出口(123)から吹き出された気流はコアンダ効果により前記湾曲面(125)に沿って流れ、
前記第2吹出口(124)から吹き出された気流はコアンダ効果により前記湾曲面(125)に沿って流れ、かつ
前記第1吹出口(123)および前記第2吹出口(124)から吹き出され、かつ前記コアンダ効果により前記湾曲面(125)に沿って流れた気流は、前記湾曲面(125)上にて合流し、前記送風機から離れる方向に向けて流れる。
【0080】
(効果2)
(効果1)の送風機であって、
前記送風機から離れる方向が、前記第1支流路(153)および前記第2支流路(154)の間で揺動可能に設けられている前記揺動板(161)の位置に応じて調整される。
【0081】
(要素の具体的配置1)
(項目1)の送風機であって、
前記本体部(120)は柱状の形状を有しており、
前記第1吹出口(123)は、前記湾曲面(125)の第1端に設けられ、かつ
前記第2吹出口(124)は、前記湾曲面(125)の第2端に設けられている。
【0082】
(要素の具体的配置2)
(項目1)の送風機であって、
前記第1吹出口(123)は、前記本体部(120)の外周面に設けられた第1開口部からなり、かつ
前記第2吹出口(124)は、前記本体部(120)の外周面に設けられた第2開口部からなる。
【0083】
(要素の具体的配置3)
(要素の具体的配置2)の送風機であって、
前記本体部(120)は鉛直方向に立てられた柱状の形状を有しており、
前記第1吹出口(123)は、前記鉛直方向に沿って延びているスリットの形状を有し、かつ
前記第2吹出口(124)は、前記鉛直方向に沿って延びているスリットの形状を有する。
【0084】
(壁面の形状1)
(項目1)の送風機であって、
前記第1前壁(221)、前記第1後壁(211)、前記第2前壁(222)、および前記第2後壁(212)は、断面視においていずれも円弧の形状を有する。
【0085】
(送風源)
(項目1)の送風機であって、
前記送風源(130)が前記本体部(120)の内部に設けられている。
【符号の説明】
【0086】
100 送風機
110 台座部
120、120b 本体部
121 操作部
122 ボタン
123、123b、123c、123d 第一吹出口
124、124b 第二吹出口
125、125d 第一湾曲面(湾曲面)
126、126b 第二湾曲面
127 整流板
129 外周面
130 送風源
140 熱源
150 流路
151、151b 主流路
153、153b 第一支流路(支流路)
154、154b 第二支流路(支流路)
160 風量調整部
161、161a 揺動板
162 駆動源
170 制御部
181c 吹出流路
182d 平面部
183d 内壁面
211 第一内後曲壁
212 第二内後曲壁
221 第一内前曲壁
222 第二内前曲壁
1231、1232 端縁
P 分流箇所
Y10 第一分流
Y20 第二分流
【手続補正書】
【提出日】2022-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機であって、
前記送風機の前方に向けて膨らんでいる湾曲面を具備する本体部、
前記本体部の外周面に設けられた第一吹出口、
前記本体部の外周面に設けられた第二吹出口、
送風源、
前記送風機の内部に設けられた第一前壁、
前記送風機の内部に設けられた第一後壁、
前記第一前壁および前記第一後壁の間に形成されている第一支流路、
前記送風機の内部に設けられた第二前壁、
前記送風機の内部に設けられた第二後壁、
前記第二前壁および前記第二後壁の間に形成されている第二支流路、
前記本体部の内部に設けられ、かつ前記送風源から前記第一支流路および前記第二支流路に案内される気流を調整可能な風量調整部、および
前記風量調整部を制御する制御部
を具備し、ここで、
前記第一吹出口は、前記第一支流路の一端に設けられ、かつ前記送風機の前記前方に向かって開口しており、かつ
前記第二吹出口は、前記第二支流路の一端に設けられ、かつ前記送風機の前記前方に向かって開口している、
送風機。
【請求項2】
請求項1の送風機であって、
前記第一吹出口から前記送風機の前記前方に向かって、前記気流が吹き出され、かつ
前記第二吹出口から前記送風機の前記前方に向かって、前記気流が吹き出される、
送風機。
【請求項3】
請求項1の送風機であって、
前記風量調整部は、揺動板および前記揺動板を揺動させる駆動源を具備し、かつ
前記揺動板は、前記第一支流路および前記第二支流路の間に挟まれているように設けられている、
送風機。
【請求項4】
請求項3の送風機であって、
前記揺動板は、前記第一支流路および前記第二支流路の間で揺動可能に設けられている
送風機。
【請求項5】
請求項1の送風機であって、
熱源をさらに具備し、
前記熱源は、前記本体部の内部に設けられている、
送風機。
【請求項6】
請求項5の送風機であって、
前記気流は、前記送風源から前記熱源を通って前記第一支流路および前記第二支流路に案内される、
送風機。
【請求項7】
請求項2の送風機であって、
前記第一吹出口から吹き出された気流はコアンダ効果により前記湾曲面に沿って流れ、
前記第二吹出口から吹き出された気流はコアンダ効果により前記湾曲面に沿って流れ、かつ
前記第一吹出口および前記第二吹出口から吹き出され、かつ前記コアンダ効果により前記湾曲面に沿って流れた気流は、前記湾曲面上にて合流し、前記送風機から離れる方向に向けて流れる、
送風機。
【請求項8】
請求項7の送風機であって、
前記送風機から離れる方向が、前記第一支流路および前記第二支流路の間で揺動可能に設けられている揺動板の位置に応じて調整される、
送風機。
【請求項9】
請求項1の送風機であって、
前記本体部は柱状の形状を有しており、
前記第一吹出口は、前記湾曲面の第一端に設けられ、かつ
前記第二吹出口は、前記湾曲面の第二端に設けられている、
送風機。
【請求項10】
請求項1の送風機であって、
前記第一吹出口は、前記本体部の外周面に設けられた第一開口部からなり、かつ
前記第二吹出口は、前記本体部の外周面に設けられた第二開口部からなる、
送風機。
【請求項11】
請求項10の送風機であって、
前記本体部は鉛直方向に立てられた柱状の形状を有しており、
前記第一吹出口は、前記鉛直方向に沿って延びているスリットの形状を有し、かつ
前記第二吹出口は、前記鉛直方向に沿って延びているスリットの形状を有する、
送風機。
【請求項12】
請求項1の送風機であって、
前記第一前壁、前記第一後壁、前記第二前壁、および前記第二後壁は、断面視においていずれも円弧の形状を有する、
送風機。
【請求項13】
請求項1の送風機であって、
前記送風源が前記本体部の内部に設けられている、
送風機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の一態様に係る送風機は、
前記送風機の前方に向けて膨らんでいる湾曲面を具備する本体部、
前記本体部の外周面に設けられた第一吹出口、
前記本体部の外周面に設けられた第二吹出口、
送風源、
前記送風機の内部に設けられた第一前壁、
前記送風機の内部に設けられた第一後壁、
前記第一前壁および前記第一後壁の間に形成されている第一支流路、
前記送風機の内部に設けられた第二前壁、
前記送風機の内部に設けられた第二後壁、
前記第二前壁および前記第二後壁の間に形成されている第二支流路、
前記本体部の内部に設けられ、かつ前記送風源から前記第一支流路および前記第二支流路に案内される気流を調整可能な風量調整部、および
前記風量調整部を制御する制御部
を具備し、ここで、
前記第一吹出口は、前記第一支流路の一端に設けられ、かつ前記送風機の前記前方に向かって開口しており、かつ
前記第二吹出口は、前記第二支流路の一端に設けられ、かつ前記送風機の前記前方に向かって開口している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0077
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0080
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0083
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0085
【補正方法】削除
【補正の内容】