(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036094
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】素材のプレカットデータを生成する方法とプレカット装置と製品の梱包方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20230307BHJP
B27M 3/00 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B27M3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142888
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】596008231
【氏名又は名称】株式会社トーアエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100102923
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雄二
(72)【発明者】
【氏名】野口 睦
【テーマコード(参考)】
2B250
3C100
【Fターム(参考)】
2B250AA02
2B250BA02
2B250CA01
2B250CA11
2B250DA01
2B250FA01
2B250HA01
2B250HA07
3C100AA22
3C100AA36
3C100AA65
3C100BB04
3C100BB05
3C100BB39
3C100EE18
(57)【要約】
【課題】開口部ごとにプレカットをしかつ歩留りを向上させる。
【解決手段】プレカットの対象にされている全ての開口部に一連の順位を付与し、各開口部を組み立てるための製品34のプレカットデータ40を開口部ごとにまとめて生成し、かつ、各開口部のプレカットデータの一部に別の開口部のプレカットデータを混在させることを許容する。プレカットデータを混在させる別の開口部の数には上限を定めておく。この一連の順位に従って順にプレカットをし、この順位に従って、一時保存場所32を有効利用して梱包作業をする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレカットの対象にされている全ての開口部に一連の順位を付与し、
各開口部を組み立てるための製品のプレカットデータを開口部ごとにまとめて生成し、かつ、各開口部のプレカットデータの一部に別の開口部のプレカットデータを混在させることを許容する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
プレカットデータを混在させる別の開口部の数に上限を定めておき、
上記の一連の順位に従って一つの指定された開口部について、同一断面寸法の製品を、該当する断面寸法の1本の素材に割り付けて、
割り付け後に生じた端材に対して、指定された開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、次の順位の別の開口部を指定して、
その端材に対して次の順位の別の開口部の製品のいずれかを、割り付け可能な数だけ割り付けるか、もしくは、その別の開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、さらに次の順位の別の開口部の製品のいずれかを割り付け可能な数だけ割り付けるという操作を、上記の上限を超えない開口部の数まで繰り返し、
この上限の範囲でいずれの開口部の製品もその端材に割り付けることができなくなったときはその端材を廃棄して、上記の一つの指定された開口部について、同一断面寸法の残りの製品を、新たな素材に割り付けるという操作を繰り返して、
上記の一つの指定された開口部について全ての製品の割り付けを終了したら、上記の一連の順位に従って次に指定された一つの開口部について、同一断面寸法の製品を該当する断面寸法の素材に割り付けるという処理を、上記の一連の順位を付与された全ての開口部について実行して、
これらの開口部を組み立てるための、同一断面寸法の全ての製品のプレカットデータを生成する方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
プレカットデータを混在させる別の開口部の数に上限を定めておき、
上記の一連の順位に従って一つの指定された開口部について、同一断面寸法の製品を、該当する断面寸法の1本の素材に割り付けて、
割り付け後に生じた端材に対して、指定された開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、次の順位の別の開口部を指定して、
その端材に対して次の順位の別の開口部の製品のいずれかを、割り付け可能な数だけ割り付けるか、もしくは、その別の開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、さらに次の順位の別の開口部の製品のいずれかを割り付け可能な数だけ割り付けるという操作を、上記の上限を超えない開口部の数まで繰り返し、
この上限の範囲でいずれの開口部の製品もその端材に割り付けることができなくなったときはその端材を廃棄して、
上記の一つの指定された開口部について、同一断面寸法の残りの製品を、新たな素材に割り付けるという操作を繰り返し、
この開口部について同一断面寸法の全ての製品の割り付けを終了したら、その開口部を組み立てるための別の断面寸法の製品があるときは、その別の断面寸法の製品を該当する断面寸法の素材に割付ける操作を、上記の手順で実行し、
この開口部について全ての断面寸法の製品の割り付けを終了したら、
上記の一連の順位に従って次に指定された一つの開口部について、全ての断面寸法の製品を該当する断面寸法の素材に割り付けるという処理を、上記の一連の順位を付与された全ての開口部について順に実行して、
これらの開口部を組み立てるための、製品のプレカットデータを生成する方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
プレカットデータを混在させる開口部群を定め、これらに一連の順位を定めておき、
上記の一連の順位に従って一つの指定された開口部について、同一断面寸法の製品を、該当する断面寸法の1本の素材に割り付けて、
割り付け後に生じた端材に対して、指定された開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、次の順位の別の開口部を指定して、
その端材に対して次の順位の別の開口部の製品のいずれかを、割り付け可能な数だけ割り付けるか、もしくは、その別の開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、さらに次の順位の別の開口部の製品のいずれかを割り付け可能な数だけ割り付けるという操作を、上記の開口部群について繰り返し、
この上限の範囲でいずれの開口部の製品もその端材に割り付けることができなくなったときはその端材を廃棄して、上記の一つの指定された開口部について、同一断面寸法の残りの製品を、新たな素材に割り付けるという操作を繰り返して、
上記の一つの指定された開口部について同一断面寸法の製品の割り付けを終了したら、
上記の一連の順位に従って次に指定された一つの開口部について、同一断面寸法の製品を該当する断面寸法の素材に割り付けるという処理を、上記の一連の順位を付与された上記の全ての開口部群について順に実行して、
これらの開口部群について同一断面寸法の全ての製品の割り付けを終了したら、その開口部群のいずれかを組み立てるための別の断面寸法の製品があるときは、その別の断面寸法の製品を該当する断面寸法の素材に割り付けるという処理を、上記の全ての開口部群について上記の手順で順に実行して、
これらの開口部群を組み立てるための、製品のプレカットデータを生成する方法。
【請求項5】
上記の順位は、全ての開口部について予め定めた梱包順にしたがって付与されることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載のプレカットデータを生成する方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の方法により生成されたプレカットデータを使用して加工装置を制御する演算処理装置と、
この演算処理装置により制御されて、投入された素材をプレカットする加工装置と、
プレカットされた各製品に開口部を識別する情報を印字する印字装置と、
加工装置によりプレカットされた順に製品を排出する排出装置を備えたことを特徴とするプレカット装置。
【請求項7】
加工装置に素材を送り込むためのローラコンベアに対して、この加工装置でプレカットされる素材を投入する投入コンベアと、
ローラコンベアの長手方向に並ぶように一列に設置され、それぞれ別々の断面寸法の素材をローラコンベアと平行に並べて蓄積する複数の素材置き場と、これらの素材置き場から受け取った素材を、ローラコンベアと平行に走行させて投入コンベアに渡す縦送りコンベアを備えたことを特徴とする請求項6に記載のプレカット装置。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれかに記載のプレカットデータを生成する手段を備えた演算処理装置としてコンピュータを機能させるコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
請求項6または7に記載のプレカット装置から排出された製品の梱包を、排出された順に実行するとともに、同一の開口部の製品の中に混在している別の開口部の製品を一時保存場所に移動し、かつ、その一時保存場所に保存されている他の開口部の製品に混在させていた同一の開口部の製品があるときはそれを取り込んで、同一の開口部に使用する全ての製品をまとめて梱包することを特徴とする製品の梱包方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の開口部を構成する製品の効率的かつ歩留りの良い、素材のプレカットデータを生成する方法とプレカット装置と製品の梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の窓等の開口部は「間柱」「窓台」「まぐさ」「垂木」「方立」その他、複数の製品で構成されている。従来は、例えば、一棟分の開口部の全ての「間柱」について、同一断面寸法のものを選択して、該当する断面寸法の素材に対して、
歩留りが最大になるように各製品の割り付けを行ってプレカットデータを生成していた。この歩留り最大化のための技術が各種開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許4909869号公報
【特許文献2】特許6704875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレカットされた製品は、建物の建設工事を効率化するために、工事部位ごとにまとめて梱包されて搬入される。開口部は建物の各階に分散して配置されているから、製品は可能な限り開口部ごとにまとめて梱包されることが望ましい(特許文献2)。同一の開口部に含まれる製品がプレカット装置から排出された製品中に散在すると、それらを集めて梱包する作業に多くの時間を費やす。しかし、開口部単位でプレカットをすると、各開口部に含まれる同一の断面寸法の製品は少数だから、破棄される端材が増えて歩留りが悪くなる。本発明は以上の点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
【0006】
<構成1>
プレカットの対象にされている全ての開口部に一連の順位を付与し、
各開口部を組み立てるための製品のプレカットデータを開口部ごとにまとめて生成し、かつ、各開口部のプレカットデータの一部に別の開口部のプレカットデータを混在させることを許容する方法。
【0007】
<構成2>
構成1に記載の方法であって、
プレカットデータを混在させる別の開口部の数に上限を定めておき、
上記の一連の順位に従って一つの指定された開口部について、同一断面寸法の製品を、該当する断面寸法の1本の素材に割り付けて、
割り付け後に生じた端材に対して、指定された開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、次の順位の別の開口部を指定して、
その端材に対して次の順位の別の開口部の製品のいずれかを、割り付け可能な数だけ割り付けるか、もしくは、その別の開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、さらに次の順位の別の開口部の製品のいずれかを割り付け可能な数だけ割り付けるという操作を、上記の上限を超えない開口部の数まで繰り返し、
この上限の範囲でいずれの開口部の製品もその端材に割り付けることができなくなったときはその端材を廃棄して、上記の一つの指定された開口部について、同一断面寸法の残りの製品を、新たな素材に割り付けるという操作を繰り返して、
上記の一つの指定された開口部について全ての製品の割り付けを終了したら、上記の一連の順位に従って次に指定された一つの開口部について、同一断面寸法の製品を該当する断面寸法の素材に割り付けるという処理を、上記の一連の順位を付与された全ての開口部について実行して、
これらの開口部を組み立てるための、同一断面寸法の全ての製品のプレカットデータを生成する方法。
【0008】
<構成3>
構成1に記載の方法であって、
プレカットデータを混在させる別の開口部の数に上限を定めておき、
上記の一連の順位に従って一つの指定された開口部について、同一断面寸法の製品を、該当する断面寸法の1本の素材に割り付けて、
割り付け後に生じた端材に対して、指定された開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、次の順位の別の開口部を指定して、
その端材に対して次の順位の別の開口部の製品のいずれかを、割り付け可能な数だけ割り付けるか、もしくは、その別の開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、さらに次の順位の別の開口部の製品のいずれかを割り付け可能な数だけ割り付けるという操作を、上記の上限を超えない開口部の数まで繰り返し、
この上限の範囲でいずれの開口部の製品もその端材に割り付けることができなくなったときはその端材を廃棄して、
上記の一つの指定された開口部について、同一断面寸法の残りの製品を、新たな素材に割り付けるという操作を繰り返し、
この開口部について同一断面寸法の全ての製品の割り付けを終了したら、その開口部を組み立てるための別の断面寸法の製品があるときは、その別の断面寸法の製品を該当する断面寸法の素材に割付ける操作を、上記の手順で実行し、
この開口部について全ての断面寸法の製品の割り付けを終了したら、
上記の一連の順位に従って次に指定された一つの開口部について、全ての断面寸法の製品を該当する断面寸法の素材に割り付けるという処理を、上記の一連の順位を付与された全ての開口部について順に実行して、
これらの開口部を組み立てるための、製品のプレカットデータを生成する方法。
【0009】
<構成4>
構成1に記載の方法であって、
プレカットデータを混在させる開口部群を定め、これらに一連の順位を定めておき、
上記の一連の順位に従って一つの指定された開口部について、同一断面寸法の製品を、該当する断面寸法の1本の素材に割り付けて、
割り付け後に生じた端材に対して、指定された開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、次の順位の別の開口部を指定して、
その端材に対して次の順位の別の開口部の製品のいずれかを、割り付け可能な数だけ割り付けるか、もしくは、その別の開口部に割り付け可能な長さの製品が存在しないときには、さらに次の順位の別の開口部の製品のいずれかを割り付け可能な数だけ割り付けるという操作を、上記の開口部群について繰り返し、
この上限の範囲でいずれの開口部の製品もその端材に割り付けることができなくなったときはその端材を廃棄して、上記の一つの指定された開口部について、同一断面寸法の残りの製品を、新たな素材に割り付けるという操作を繰り返して、
上記の一つの指定された開口部について同一断面寸法の製品の割り付けを終了したら、
上記の一連の順位に従って次に指定された一つの開口部について、同一断面寸法の製品を該当する断面寸法の素材に割り付けるという処理を、上記の一連の順位を付与された上記の全ての開口部群について順に実行して、
これらの開口部群について同一断面寸法の全ての製品の割り付けを終了したら、その開口部群のいずれかを組み立てるための別の断面寸法の製品があるときは、その別の断面寸法の製品を該当する断面寸法の素材に割り付けるという処理を、上記の全ての開口部群について上記の手順で順に実行して、
これらの開口部群を組み立てるための、製品のプレカットデータを生成する方法。
【0010】
<構成5>
上記の順位は、全ての開口部について予め定めた梱包順にしたがって付与されることを特徴とする、構成1乃至4のいずれかに記載のプレカットデータを生成する方法。
【0011】
<構成6>
構成1乃至5のいずれかに記載の方法により生成されたプレカットデータを使用して加工装置を制御する演算処理装置と、
この演算処理装置により制御されて、投入された素材をプレカットする加工装置と、
プレカットされた各製品に開口部を識別する情報を印字する印字装置と、
加工装置によりプレカットされた順に製品を排出する排出装置を備えたことを特徴とするプレカット装置。
【0012】
<構成7>
加工装置に素材を送り込むためのローラコンベアに対して、この加工装置でプレカットされる素材を投入する投入コンベアと、
ローラコンベアの長手方向に並ぶように一列に設置され、それぞれ別々の断面寸法の素材をローラコンベアと平行に並べて蓄積する複数の素材置き場と、これらの素材置き場から受け取った素材を、ローラコンベアと平行に走行させて投入コンベアに渡す縦送りコンベアを備えたことを特徴とする構成6に記載のプレカット装置。
【0013】
<構成8>
構成1乃至5のいずれかに記載のプレカットデータを生成する手段を備えた演算処理装置としてコンピュータを機能させるコンピュータプログラム。
<構成9>
構成8に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0014】
<構成10>
構成6または7に記載のプレカット装置から排出された製品の梱包を、排出された順に実行するとともに、同一の開口部の製品の中に混在している別の開口部の製品を一時保存場所に移動し、かつ、その一時保存場所に保存されている他の開口部の製品に混在させていた同一の開口部の製品があるときはそれを取り込んで、同一の開口部に使用する全ての製品をまとめて梱包することを特徴とする製品の梱包方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、各開口部を組み立てるための製品のプレカットデータを開口部ごとにまとめて生成しながら、各開口部のプレカットデータの一部に別の開口部のプレカットデータを混在させるので、全体として廃棄する端材を減少させて、歩留まりの向上を図ることができる。プレカットデータを混在させる別の開口部の数に上限を定めておくと、限定されたスペースの一時保管場所を使って、同一の開口部に使用する全ての製品を順次容易にまとめて梱包することができる。断面寸法が異なる製品も素材の供給を切り替えて連続的にプレカットすれば、プレカット済みの製品を梱包時まで保管しておく仮置き場も不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のプレカット装置の実施例ブロック図である。
【
図2】プレカット方法の実施例を示すフローチャートである。
【
図7】プレカット装置の素材投入機構の実施例説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例0018】
図1に示すラインには、既知の羽柄材を加工するためのプレカット装置12が据えつけられている。ローラコンベア24に投入されて搬送された素材36が、加工装置16てプレカットされ、加工済みの製品はローラコンベア24上を搬送されてから排出装置20により側方に押しだされる。
【0019】
このプレカット装置12を自動運転するための制御用コンピュータ14の記憶装置には、建物のCADデータ42から生成された、プレカットされる構造材等の製品34の、加工時の位置決めのための始終端情報や、加工と印字のための情報と、開口部を特定する情報とを含む情報が記憶される。これらの情報を含むものがプレカットデータ40である。ここでは、演算処理装置44が、素材からプレカットされる各製品の割り付け方法を定めるためのデータを生成する処理に着目して説明を進める。
【0020】
一般の住宅の一棟分のプレカットされるべき製品中には,開口部に使用されるものが十数組から数十組ほど含まれている。これらのプレカットの対象にされている全ての開口部に、例えば一連番号N1,N2,N3・・・を付与して、プレカットデータを生成する処理の順位を定めておく。
【0021】
そして、プレカット後に、直ちに梱包できるように、各開口部を組み立てるための製品のプレカットデータ40を開口部ごとにまとめて生成する。その結果、同一の開口部の製品は、梱包作業場30にまとめて排出される。ただし、以下の演算処理によって、一部に別の開口部の製品のプレカットデータを混在させることができる。これは、以下のようにして端材の有効利用を図って歩留まりを向上させるためである。
【0022】
なお、このとき、プレカットデータを混在させる別の開口部数の上限を定めておく。例えば、上限の数を4とすれば、続いてプレカットされる4組の開口部のうちのいずれかの製品だけが混在している可能性があるということになる。
【0023】
図1の下部には、梱包作業場30で梱包される製品群の拡大図を示した。断面寸法がXの素材や断面寸法がYの素材をプレカットして得られた開口部N1と開口部N2と開口部N3の製品群が図示されている。プレカットが開始されると、開口部N1の一点鎖線で囲まれた製品が連続して排出され、順次そのまま梱包作業が出来る。
【0024】
このとき、例えば、開口部N1の割り付けで生じた端材38(ハッチングを示し矢印を付けた部分)に開口部N3の製品が混在している。開口部N1の製品の梱包時には、これが一時保存場所32に一時保存されて、開口部N3の製品の梱包時に取り出される。
【0025】
以下の説明で、このようなプレカットを行うためのプレカットデータを生成する方法と、そのプレカットデータを使用してプレカットをし、得られた製品を梱包をするまでの具体的な手順を説明する。なお、
図1の実施例では、プレカット装置12に搭載された演算処理装置44が以下のプレカットデータを生成する例を示したが、プレカットデータはネットワークに接続されたサーバ等で生成されても構わない。
即ち、開口部N1のプレカット後に梱包作業場30に配列される製品群には、開口部N2~N5の製品が混在していても良く、それ以外の製品は混在させないという制限を設ける。続いて、処理対象を開口部N1に指定して処理を開始する(ステップS12)。
そして、ここで生じたその端材に開口部N1に使用されるどの製品も割り付けることができない場合はステップS15からステップS16に移行する。ステップS16は、製品を混在させる上限の範囲で、別の開口部の製品を端材に割り付ける処理を繰り返し実行させるための判定処理である。
ステップS17では、例えば、開口部N1の次の開口部N2を指定する。そして、ステップS18で、開口部N2に使用される製品を一つ取り出して、この端材に開口部N2に使用されるいずれかの製品を割り付けることができればステップS18と19の処理を繰り返す。
ステップS21では開口部N1の製品を全部割り付けたかどうかという判断をする。まだ製品が残っていればステップS13に戻り、新たな該当する断面寸法の素材を1本指定して、ステップS14~20の処理を繰り返す。
必要な素材が2種類だけであれば、素材置き場22から縦送りコンベア26に送り出す素材を、はじめは図の左側から供給する制御とし、その断面寸法の製品のプレカットデータの生成が終了したら図の左側から素材を供給する制御にする。
ステップS23では、全ての開口部についてプレカットデータを生成したかどうかを判断する。まだ終わっていないときはステップS12に戻って、一連の順位(N1,N2・・・)に従って順に一つの開口部を指定して、同一断面寸法の製品全てを該当する断面寸法の素材に割り付ける。