(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036101
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】ソリューション管理システムおよびソリューション管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230307BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142908
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 悠介
(72)【発明者】
【氏名】小澤 洋司
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】手塚 伸
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ソリューションの需要を適切に把握し得るソリューション管理システムを提供する。
【解決手段】ソリューションに紐づくインセンティブをユーザが選択可能なユーザインターフェースを生成する生成部と、生成部により生成されたユーザインターフェースにおいてユーザにより選択されたソリューションに紐づくインセンティブを示す情報と、ソリューションを示す情報と、ユーザを示す情報とを対応付けて記憶する記憶部と、ソリューションに係るアプリケーションが利用可能になったかを監視し、利用可能になったアプリケーションのソリューションに紐づくインセンティブに係る処理を実行する実行部と、実行部によりインセンティブに係る処理が実行されたことを出力する出力部と、を設けるようにした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル技術を活用するための製品であるソリューションを管理するソリューション管理システムであって、
ソリューションに紐づくインセンティブをユーザが選択可能なユーザインターフェースを生成する生成部と、
前記生成部により生成されたユーザインターフェースにおいてユーザにより選択されたソリューションに紐づくインセンティブを示す情報と、前記ソリューションを示す情報と、前記ユーザを示す情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
ソリューションに係るアプリケーションが利用可能になったかを監視し、利用可能になったアプリケーションのソリューションに紐づくインセンティブに係る処理を実行する実行部と、
前記実行部によりインセンティブに係る処理が実行されたことを出力する出力部と、
を備えるソリューション管理システム。
【請求項2】
予め登録されている複数のインセンティブの中から、ソリューションに対応付けるインセンティブの情報を前記ソリューションのオーナより受け付ける受付部を備える、
請求項1に記載のソリューション管理システム。
【請求項3】
前記生成部は、ソリューションに紐づく1または複数のインセンティブが対応付けられているプランを選択可能なユーザインターフェースを生成する、
請求項1に記載のソリューション管理システム。
【請求項4】
前記生成部は、ソリューションに紐づく1つ以上のインセンティブが対応付けられている、選択可能な人数が制限されている第1のプランと、ソリューションに紐づくインセンティブが対応付けられてなく、選択可能な人数が制限されていない第2のプランと、を選択可能なユーザインターフェースを生成する、
請求項1に記載のソリューション管理システム。
【請求項5】
前記生成部は、ソリューションに紐づくインセンティブとして、前記ソリューションのテスト用のソリューションに対する利用権を選択可能なユーザインターフェースを生成し、
前記実行部は、前記テスト用のソリューションをもとに生成されるアプリケーションがデプロイされた場合、前記アプリケーションへのアクセス権を、前記利用権を選択したユーザに設定する、
請求項1に記載のソリューション管理システム。
【請求項6】
前記生成部は、ソリューションに紐づくインセンティブをユーザが選択可能なユーザインターフェースとして、前記ユーザがソリューションを選択可能な上限を示す上限数と、前記ユーザがソリューションを選択可能な残りの数を示す選択可能数とを表示する画面を生成する、
請求項1に記載のソリューション管理システム。
【請求項7】
前記記憶部は、ユーザごとに前記選択可能数を記憶し、所定の期間で前記選択可能数をリセットする、
請求項6に記載のソリューション管理システム。
【請求項8】
前記生成部は、ソリューションに紐づくインセンティブをユーザが選択可能なユーザインターフェースとして、前記ソリューションをユーザが選択可能な上限を示す上限数と、前記ソリューションを選択しているユーザの数を示す選択数とを表示する画面を生成する、
請求項1に記載のソリューション管理システム。
【請求項9】
デジタル技術を活用するための製品であるソリューションを管理するソリューション管理方法であって、
生成部が、ソリューションに紐づくインセンティブをユーザが選択可能なユーザインターフェースを生成することと、
記憶部が、前記生成部により生成されたユーザインターフェースにおいてユーザにより選択されたソリューションに紐づくインセンティブを示す情報と、前記ソリューションを示す情報と、前記ユーザを示す情報とを対応付けて記憶することと、
実行部が、ソリューションに係るアプリケーションが利用可能になったかを監視し、利用可能になったアプリケーションのソリューションに紐づくインセンティブに係る処理を実行することと、
出力部が、前記実行部によりインセンティブに係る処理が実行されたことを出力することと、
を含むソリューション管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、デジタル技術を活用するための製品であるソリューションを管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、AI(Artificial Intelligence)、IoT(Internet of Things)等のデジタル技術を活用したサービスを適切かつ迅速に実現するデジタルトランスフォーメーション(DX)が求められている。しかしながら、デジタルトランスフォーメーションの実現には、ソフトウェアおよびハードウェアを活用した環境構築、アプリケーションの開発、本番環境への移行、保守、運用等、多くの専門技術およびノウハウが必要であり、膨大なコストと時間とを要する。
【0003】
この点、専門技術およびノウハウを結集したソリューションを導入しやすい形にパッケージ化してカタログに登録し、クラウド基盤上で提供するマーケットプレイスが活用されつつある。マーケットプレイスにより、カタログの中から導入したいソリューションを選択するだけで、IaaS(Infrastructure as a Service)上に容易に環境を構築し、迅速に利用を開始することができる。
【0004】
従来型のSI(System Integration)では、顧客の要件を事前に入手することで、少なくとも顧客にとって需要のあるソリューションを開発できた。しかしながら、マーケットプレイス上にソリューションをサービス展開する場合、事前の需要把握ができない。そのため特に従来型のSIを行っていた企業にとって、参入のハードルが高い。
【0005】
近時、需要が見込める商材を事前の投資によって見極めるクラウドファンディングが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、クラウドファウンディングは、購入側が購入意思を投資額で表現しているため、需要を正確に把握できるシステムである。クラウドファンディングのような費用による制約がある場合、ソリューションの活用側の意思表示が正しく行われるので、ソリューションの開発側は、ソリューションの需要を正確に把握することができる。しかしながら、BtoB(Business to Business)のソリューションにおいて、扱う金額が大きい場合、ソリューションの活用側において事前投資が難しく、クラウドファンディングを利用できないケースがある。
【0008】
この点、ソリューションの需要を把握するために、ソリューションの必要性に関するアンケート、マーケットに掲載されたアイデアに対してソリューションの活用側が「いいね」することで、ソリューションの開発側が誰から需要があるのかを知る仕組み等を採用することが考えられる。
【0009】
このような需要の予測は、ソリューションの活用側が正しく意思表示することが前提であるが、クラウドファンディングのような費用による制約がない場合、つまり、購入側が購入意思と異なる行動を取ったとしてもデメリットがないため、正しく意思表示が行われる保証がない。
【0010】
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、ソリューションの需要を適切に把握し得るソリューション管理システム等を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
かかる課題を解決するため本発明においては、デジタル技術を活用するための製品であるソリューションを管理するソリューション管理システムであって、ソリューションに紐づくインセンティブをユーザが選択可能なユーザインターフェースを生成する生成部と、前記生成部により生成されたユーザインターフェースにおいてユーザにより選択されたソリューションに紐づくインセンティブを示す情報と、前記ソリューションを示す情報と、前記ユーザを示す情報とを対応付けて記憶する記憶部と、ソリューションに係るアプリケーションが利用可能になったかを監視し、利用可能になったアプリケーションのソリューションに紐づくインセンティブに係る処理を実行する実行部と、前記実行部によりインセンティブに係る処理が実行されたことを出力する出力部と、を設けるようにした。
【0012】
上記構成によれば、例えば、ユーザは、ソリューションに紐づくインセンティブが得られるので、自分の選好に従った意思表示をするようになり、意思表示の精度を向上させることができる。また、ユーザにより選択されたインセンティブが対応付けられているソリューションを示す情報が記憶されるので、例えば、当該ソリューションのオーナは、当該ソリューションの需要を正確に把握することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、利便性の高いソリューション管理システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1の実施の形態によるソリューション管理システムの一例を示す図である。
【
図2】第1の実施の形態によるプラットフォーム環境を構成するサーバ装置の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態によるインセンティブ定義情報の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施の形態による上限数定義情報の一例を示す図である。
【
図5】第1の実施の形態によるソリューション管理情報の一例を示す図である。
【
図6】第1の実施の形態によるユーザ管理情報の一例を示す図である。
【
図7】第1の実施の形態によるインセンティブ実行管理情報の一例を示す図である。
【
図8】第1の実施の形態によるユーザ画面生成処理の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施の形態によるインセンティブ実行処理の一例を示す図である。
【
図10】第1の実施の形態によるインセンティブ実行処理の一例を示す図である。
【
図11】第1の実施の形態によるユーザ画面の一例を示す図である。
【
図12】第1の実施の形態による開発者画面の一例を示す図である。
【
図13】第2の実施の形態によるソリューション管理情報の一例を示す図である。
【
図14】第2の実施の形態によるソリューション管理情報の一例を示す図である。
【
図15】第2の実施の形態によるユーザ画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(I)第1の実施の形態
以下、本発明の一実施の形態を詳述する。ただし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。
【0016】
本実施の形態のソリューション管理システムでは、例えば、コンテナ型の仮想化環境を提供する「Docker」、コンテナの設定および管理を行う「Kubernetes」等のOSS(Open Source Software)を適用することで、ソリューションをもとに生成されるアプリケーションを再利用可能な形にパッケージ化してカタログに蓄積する。これにより、ソリューションのユーザ(例えば、SI:System Integrator)は、導入したいソリューションを選択するだけで、利用用途に合わせたIaaS上で環境が構築され、ソリューションのアプリケーションを利用できるようになる。なお、本実施の形態では、ソリューションのアプリケーションとしては、適宜、コンテナを例に挙げて説明する。
【0017】
また、本ソリューション管理システムにおいて、ソリューションを管理する基盤(プラットフォーム)は、ユーザが選択したソリューションに紐づくインセンティブの情報に基づいて、ユーザが選択したインセンティブに係る処理を実行する。ソリューションに紐づくインセンティブは、ソリューションに固有のインセンティブであり、当該ソリューションをもとに生成されるコンテナをユーザが利用する際に得られる特典である。ソリューションに紐づくインセンティブとしては、利用権、課金免除権、打ち合わせ権等がある。利用権は、ソリューション(本番のソリューション、テスト用のソリューション等)をユーザが利用することができる権利である。課金免除権は、ソリューションを利用する際に一定の期間、課金が免除される権利である。打ち合わせ権は、ソリューションに対する個別の要望等を当該ソリューションのオーナ(開発者等を含む開発側)に伝えるための打合せ(例えば、プラットフォームを介したオンライン会議)をユーザが設けることができる権利である。
【0018】
また、本ソリューション管理システムでは、例えば、コンテナのデプロイ先を予め指定しておき、プラットフォームは、コンテナのデプロイを監視することで、コンテナのデプロイのタイミングに合わせてインセンティブに係る処理を速やかに行ってもよい。
【0019】
また、本ソリューション管理システムでは、ソリューションに紐づくインセンティブについては、開発側がプラットフォームから与えられた選択肢の中で自由に設定し、プラットフォームがその情報を管理してもよい。
【0020】
また、本ソリューション管理システムでは、ユーザの意思表示の強度が異なるインセンティブ、および/または、選択できる上限数が異なるインセンティブを複数用意することで、開発側による需要の予測精度を向上させてもよい。
【0021】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は、単数でも複数でも構わない。なお、以下の説明では、図面において同一要素については、同じ番号を付し、説明を適宜省略する。
【0022】
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数または順序を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は、文脈毎に用いられ、1つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
【0023】
図1は、本実施の形態によるソリューション管理システム100の一例を示す図である。
【0024】
ソリューション管理システム100では、オーナ環境110と、プラットフォーム環境120と、ユーザ環境130と、ユーザ端末140とがネットワーク150を介して通信可能に接続されている。
【0025】
オーナ環境110は、ソリューションアイデア111およびソリューション112のオーナが利用する環境である。オーナ環境110は、例えば、サーバ装置で構成される。オーナ環境110では、オーナによる指示(入力)に基づいて、ソリューションアイデア111とソリューション112とが開発(生成)される。
【0026】
ソリューションアイデア111は、ユーザに提示されるソリューション112のアイデアである。ソリューションアイデア111を確認したユーザにより、ソリューション112を利用するかどうかの選択(意思表示)が行われることで、ソリューション112の需要が予測される。ソリューションアイデア111には、ソリューション112のタイトル、ソリューション112の概念図、概要図といったイメージ、ソリューション112のアイデア内容等が含まれる。ソリューションアイデア111は、開発者により作成され、プラットフォーム環境120において保管(管理)される。
【0027】
ソリューション112は、ユーザが所定の業務を行うために利用可能なデジタル技術を活用するための専門技術、ノウハウ等が含まれる製品である。より具体的には、ソリューション112は、ホストOSにアクセスするためのコマンド、ライブラリといったファイルシステム用のファイルと、所定の業務を行うためのアプリケーションを生成するためのアプリケーション用のファイルと、メタ情報との集合体であり、例えば、コンテナを生成するためのイメージ(例えば、Dockerイメージ)である。ソリューション112は、ソリューション開発環境において、開発者により開発され、プラットフォーム環境120において保管(管理)される。
【0028】
プラットフォーム環境120は、ソリューション112を管理するためのプラットフォームの運用者が利用する環境である。プラットフォーム環境120は、例えば、1または複数のサーバ装置を含んで構成されるクラウドである。プラットフォーム環境120は、管理部121と、アクセス権制御部122と、課金制御部123と、ソリューションアイデアリポジトリ124と、ソリューションリポジトリ125とを備える。
【0029】
管理部121は、ソリューション112に対する需要等を管理する。アクセス権制御部122は、ソリューション112へのアクセスを管理する。より具体的には、アクセス権制御部122は、ソリューション112へのアクセス、ソリューション112のテスト用のソリューションをもとに生成されるコンテナ(図示は省略)へのアクセス等を制御する。課金制御部123は、ソリューション112の利用に対する課金を管理する。ソリューションアイデアリポジトリ124は、ソリューションアイデア111を保管する。ソリューションリポジトリ125は、ソリューション112を保管する。
【0030】
また、プラットフォーム環境120は、インセンティブ定義情報126Aと、上限数定義情報126Bと、ソリューション管理情報126Cと、ユーザ管理情報126Dと、インセンティブ実行管理情報126Eとを備える。
【0031】
インセンティブ定義情報126Aは、ソリューション112に対応付けられるインセンティブが定義されている情報である。上限数定義情報126Bは、ソリューション112に対応付けられているインセンティブをユーザが選択可能な上限数(ユーザによる意思表示の上限数)が定義されている情報である。ソリューション管理情報126Cは、ソリューション112を管理するための情報である。ソリューション管理情報126Cには、ソリューション112を示す情報と、当該ソリューション112に対応付けられたインセンティブを示す情報とが含まれる。ユーザ管理情報126Dは、ユーザが選択したインセンティブが対応付けられているソリューション(ユーザの意思表示)を管理するための情報である。ユーザ管理情報126Dには、ユーザを示す情報と、当該ユーザが選択したインセンティブが対応付けられているソリューション112を示す情報とが含まれる。インセンティブ実行管理情報126Eは、インセンティブの実行(付与)を管理するための情報である。
【0032】
ユーザ環境130は、ユーザがソリューション112を利用するための環境であり、例えば、クラウドベンダーが提供するクラウドサービスである。例えば、ユーザ環境130は、1または複数のサーバ装置を含んで構成されるクラウドである。ユーザ環境130は、ソリューション112をもとに生成される1または複数のコンテナ131と、アクセス権制御部132とを備える。
【0033】
コンテナ131は、ソリューション112をもとに生成されてソリューションデプロイ環境において動作するソフトウェアである。なお、コンテナ131に配置されているアプリケーション(プロセス)は、コンテナ131内のコマンドおよびライブラリを介して、ホストOSのカーネルを利用する。アクセス権制御部132は、ソリューションデプロイ環境にデプロイされたコンテナ131へのアクセスを管理する。
【0034】
ユーザ端末140は、ユーザが使用する端末であり、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン、パーソナルコンピュータ等である。
【0035】
図2は、プラットフォーム環境120を構成するサーバ装置200の一例を示す図である。
【0036】
サーバ装置200は、プロセッサ201と、主記憶装置202と、補助記憶装置203と、入力装置204と、出力装置205と、通信装置206と、を備える。
【0037】
プロセッサ201は、演算処理を行う装置である。プロセッサ201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、AI(Artificial Intelligence)チップ等である。
【0038】
主記憶装置202は、プログラム、データ等を記憶する装置である。主記憶装置202は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等である。ROMは、SRAM(Static Random Access Memory)、NVRAM(Non Volatile RAM)、マスクROM(Mask Read Only Memory)、PROM(Programmable ROM)等である。RAMは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等である。
【0039】
補助記憶装置203は、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、SSD(Solid State Drive)、光学式記憶装置等である。光学式記憶装置は、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等である。補助記憶装置203に格納されているプログラム、データ等は、主記憶装置202に随時読み込まれる。
【0040】
入力装置204は、ユーザから情報を受け付けるユーザインターフェースである。入力装置204は、例えば、キーボード、マウス、カードリーダ、タッチパネル等である。
【0041】
出力装置205は、各種の情報を出力(表示出力、音声出力、印字出力等)するユーザインターフェースである。出力装置205は、例えば、各種情報を可視化する表示装置、音声出力装置(スピーカ)、印字装置等である。表示装置は、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等である。
【0042】
通信装置206は、通信媒体を介して他の装置と通信する通信インターフェースである。通信装置206は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、シリアル通信モジュール等である。通信装置206は、通信可能に接続する他の装置から情報を受信する入力装置として機能することもできる。また、通信装置206は、通信可能に接続する他の装置に情報を送信する出力装置として機能することもできる。
【0043】
サーバ装置200の機能(管理部121、アクセス権制御部122、課金制御部123、ソリューションアイデアリポジトリ124、ソリューションリポジトリ125等)は、例えば、プロセッサ201が補助記憶装置203に格納されたプログラムを主記憶装置202に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。なお、サーバ装置200の1つの機能は、複数の機能に分けられていてもよいし、複数の機能は、1つの機能にまとめられていてもよい。例えば、管理部121は、生成部、記憶部、実行部、出力部、受付部等に分けられてもよい。また、サーバ装置200の機能の一部は、別の機能として設けられてもよいし、他の機能に含められていてもよい。また、サーバ装置200の機能の一部は、サーバ装置200と通信可能な他のサーバ装置200により実現されてもよい。また、サーバ装置200の機能は、コンピュータ上で動作するVM(Virtual Machine)であってもよいし、OS(Operating System)上で動作するアプリケーションであってもよい。また、サーバ装置200は、物理サーバであってもよいし、仮想サーバ(VM)であってもよい。
【0044】
図3は、インセンティブ定義情報126Aの一例(インセンティブ定義テーブル300)を示す図である。
【0045】
インセンティブ定義テーブル300は、インセンティブ定義情報126Aを示す複数の項目の値を含むレコード(エントリ)を記憶する。より具体的には、インセンティブ定義テーブル300は、レコード番号301と、インセンティブID302と、インセンティブ名303と、パラメータ304との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0046】
レコード番号301は、インセンティブ定義テーブル300に記憶されているレコードを識別するための番号である。インセンティブID302は、インセンティブ定義テーブル300において管理するインセンティブを識別するためのIDである。インセンティブ名303は、インセンティブIDにより識別されるインセンティブの名称である。パラメータ304は、当該インセンティブに係る処理が実行される際に用いられるパラメータである。
【0047】
図4は、上限数定義情報126Bの一例(上限数定義テーブル400)を示す図である。
【0048】
上限数定義テーブル400は、上限数定義情報126Bを示す複数の項目の値を含むレコードを記憶する。より具体的には、上限数定義テーブル400は、レコード番号401と、意思表示ID402と、意思表示強度403と、上限数404との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0049】
レコード番号401は、上限数定義テーブル400に記憶されているレコードを識別するための番号である。意思表示ID402は、上限数定義テーブル400において管理する意思表示の強度を識別するためのIDである。意思表示強度403は、意思表示IDにより識別される意思表示の強度である。上限数404は、当該意思表示の強度でソリューション112に対応付けられているインセンティブをユーザが選択可能な上限数である。
【0050】
本実施の形態では、上限数定義テーブル400に定義されている上限数のうちの1つが予め設定されているものとする。以下では、運用者またはオーナにより、上限数として「3」が設定されているケースを例に挙げて説明する。
【0051】
図5は、ソリューション管理情報126Cの一例(ソリューション管理テーブル500)を示す図である。
【0052】
ソリューション管理テーブル500は、ソリューション管理情報126Cを示す複数の項目の値を含むレコードを記憶する。より具体的には、ソリューション管理テーブル500は、レコード番号501と、ソリューションID502と、ソリューション名503と、他プロフィール504と、設定インセンティブID505との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0053】
レコード番号501は、ソリューション管理テーブル500に記憶されているレコードを識別するための番号である。ソリューションID502は、ソリューション管理テーブル500において管理されるソリューション112を識別するためのIDである。ソリューション名503は、ソリューションIDにより識別されるソリューション112の名称である。他プロフィール504は、当該ソリューション112のプロフィールである。設定インセンティブID505は、当該ソリューション112に対応付けられているインセンティブのインセンティブIDである。
【0054】
本実施の形態では、運用者により、ソリューションリポジトリ125に登録された各ソリューション112に対してインセンティブが対応付けられているケースを例に挙げて説明する。
【0055】
図6は、ユーザ管理情報126Dの一例(ユーザ管理テーブル600)を示す図である。
【0056】
ユーザ管理テーブル600は、ユーザ管理情報126Dを示す複数の項目の値を含むレコードを記憶する。より具体的には、ユーザ管理テーブル600は、レコード番号601と、ユーザID602と、ユーザ名603と、他プロフィール604と、選択可能数605と、選択ソリューションID606との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0057】
レコード番号601は、ユーザ管理テーブル600に記憶されているレコードを識別するための番号である。ユーザID602は、ユーザ管理テーブル600において管理されるユーザを識別するためのIDである。ユーザ名603は、ユーザIDにより識別されるユーザの名前である。他プロフィール604は、当該ユーザのプロフィールである。選択可能数605は、当該ユーザが利用したいソリューション112に対応付けられているインセンティブを選択することができる回数(選択可能数)である。選択ソリューションID606は、当該ユーザが選択したインセンティブが対応付けられているソリューション112のソリューションIDである。付言するならば、選択可能数605の値および選択ソリューションID606の値は、所定の期間(例えば、1年)が経過したときに、リセットされてもよい。
【0058】
なお、ユーザ管理テーブル600は、上述の内容に限らない。例えば、選択可能数605は、設けられなくてもよい。この場合、選択可能数は、予め設定されている上限数「3」から、ユーザによる意思表示の回数(選択ソリューションIDの数)を減算することにより算出される。また、例えば、ユーザ管理テーブル600において、意思表示IDの項目が設けられてもよい。この場合、意思表示の強度ごとに、選択可能数および選択ソリューションIDを管理することができる。
【0059】
図7は、インセンティブ実行管理情報126Eの一例(インセンティブ実行管理テーブル700)を示す図である。
【0060】
インセンティブ実行管理テーブル700は、インセンティブ実行管理情報126Eを示す複数の項目の値を含むレコードを記憶する。より具体的には、インセンティブ実行管理テーブル700は、レコード番号701と、日時702と、ユーザID703と、ソリューションID704と、インセンティブID705と、実行状態706と、インセンティブ開始日707と、インセンティブ終了日708との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0061】
レコード番号701は、インセンティブ実行管理テーブル700に記憶されているレコードを識別するための番号である。日時702は、レコード番号701のレコードがインセンティブ実行管理テーブル700に登録された日時である。例えば、ユーザが所望のソリューション112に対応付けられているインセンティブを選択したときにレコードが登録(追加)され、登録されたときの日時が日時702に設定される。ユーザID703は、当該ユーザを識別するためのIDである。ソリューションID704は、当該ユーザが選択したインセンティブが対応付けられているソリューション112のソリューションIDである。インセンティブID705は、当該インセンティブのインセンティブIDである。実行状態706は、当該インセンティブに係る処理の状態(未実行を示す「todo」、実行中を示す「doing」、実行済を示す「done」等)である。インセンティブ開始日707は、当該インセンティブに係る処理が開始した日である。インセンティブ終了日708は、当該インセンティブに係る処理が終了した日である。
【0062】
なお、インセンティブ実行管理テーブル700は、上述の内容に限らない。例えば、インセンティブ実行管理テーブル700には、インセンティブに係る打ち合わせの残り回数等の項目が設けられていてもよい。
【0063】
図8は、ユーザが利用したいソリューション112に対応付けられているインセンティブを選択するためのユーザ画面を生成する処理(ユーザ画面生成処理)の一例を示す図である。ユーザ画面生成処理は、ユーザ端末140からのユーザ画面の要求に基づいて実行される。なお、ユーザ画面生成処理において用いられるユーザID(またはユーザIDを特定可能な情報)については、ユーザ画面の要求に含められて管理部121に送信されてもよいし、ユーザ画面の要求とは異なるタイミングで管理部121に送信されてもよい。
【0064】
S801では、管理部121は、ユーザ管理テーブル600から、ユーザ画面の要求を行ったユーザのユーザIDに対応するレコードを取得する。
【0065】
S802では、管理部121は、ソリューション管理テーブル500で管理されている各ソリューション112について、ソリューションアイデアリポジトリ124に登録されているソリューションアイデア111を用いて、ユーザ画面を生成する。なお、ユーザ画面については、後述のソリューションアイデアページ1100(ユーザインターフェースの一例)を用いて後述する。
【0066】
S803では、管理部121は、S801で取得したレコードの選択可能数605の値が「1」以上であるか否か(選択回数が上限数未満であるか否か)を判定する。管理部121は、選択回数が上限数未満であると判定した場合、S804に処理を移し、選択回数が上限数未満でないと判定した場合、S805に処理を移す。
【0067】
S804では、管理部121は、S802において生成したユーザ画面においてソリューション112に対応付けられているインセンティブを選択するためのボタン(選択ボタン)をアクティブ(ユーザによる操作を受け付ける状態)にする。
【0068】
S805では、管理部121は、選択ボタンを非アクティブ(ユーザによる操作を受け付けない状態)にする。
【0069】
S806では、管理部121は、ユーザ画面をユーザ端末140に送信(出力)する。
【0070】
なお、ユーザ画面生成処理は、上述の内容に限らない。例えば、管理部121は、ソリューション管理テーブル500で管理されているソリューション112のうち、ユーザにより利用の意思表示がされていないソリューション112のユーザ画面を生成して出力してもよい。また、例えば、管理部121は、選択回数が上限数未満である場合に、ユーザ画面を生成して出力してもよい。
【0071】
図9は、インセンティブに係る処理を実行する処理(インセンティブ実行処理)の一例を示す図である。インセンティブ実行処理は、所定のタイミングで行われる。所定のタイミングは、定期的であってもよいし、予め設定された日時であってもよいし、ユーザ、オーナ、運用者等により指示されたタイミングであってもよいし、その他のタイミングであってもよい。
【0072】
S901では、管理部121は、インセンティブ実行管理テーブル700を取得する。管理部121は、インセンティブ実行管理テーブル700に記憶されている各レコードについて、S902の処理を実行する。
【0073】
S902では、管理部121は、インセンティブに係る処理(アクセス権を制御する、料金プランを変更する、打ち合わせを設定する等)を実行する。例えば、管理部121は、処理対象のレコードの実行状態706が「todo」(未実行)である場合、インセンティブの条件を満たしているかを判定し、インセンティブの条件を満たしている場合、インセンティブに係る処理を実行する。なお、インセンティブの条件とは、ユーザにより選択されたインセンティブが対応付けられているソリューション112のテスト用のソリューションをもとに生成されるコンテナがデプロイされた、ユーザにより選択されたインセンティブが対応付けられているソリューション112がソリューションリポジトリ125に登録された等である。
【0074】
図10は、インセンティブがソリューション112のテスト用のソリューションの利用権(デモ利用権)である場合のインセンティブ実行処理の一例を示す図である。
【0075】
S1001では、管理部121は、インセンティブ実行管理テーブル700を取得する。
【0076】
管理部121は、インセンティブ実行管理テーブル700に記憶されているレコードのうち、インセンティブがデモ利用権(インセンティブID705の値が「I1」)であり、インセンティブに係る処理が未実行(実行状態706の値が「todo」)である各レコードについて、S1002~S1005の処理を行う。
【0077】
S1002では、管理部121は、処理対象のレコードに基づいて、インセンティブの条件を満たすか否か(インセンティブに係る処理を開始するか否か)を判定する。
【0078】
より具体的には、管理部121は、処理対象のレコードのソリューションID704のソリューションIDにより識別されるソリューション112のテスト用のソリューションをもとに生成されるコンテナ(デモ版)が予め指定された場所にデプロイされているか否かを判定する。管理部121は、当該コンテナがデプロイされていると判定した場合、S1003に処理を移し、当該コンテナがデプロイされていないと判定した場合、処理対象を次のレコードに変更し、S1002に処理を移す。
【0079】
S1003では、アクセス権制御部122は、処理対象のレコードのユーザID703のユーザIDにより識別されるユーザに、デモ版(コンテナ)に対するアクセス権を付与する。
【0080】
S1004では、管理部121は、処理対象のレコードを更新する。例えば、管理部121は、処理対象のレコードの実行状態706を「doing」に設定し、処理対象のレコードのインセンティブ開始日707に現在日を設定する。
【0081】
S1005では、管理部121は、デモ版が利用可能になったことを、デモ版のアクセス権を付与したユーザのユーザ端末140に通知する。
【0082】
次に、管理部121は、インセンティブ管理テーブルに記憶されているレコードのうち、インセンティブがデモ利用権(インセンティブID705の値が「I1」)であり、インセンティブに係る処理が実行中(実行状態706の値が「doing」)である各レコードについて、S1006~S1009の処理を行う。
【0083】
S1006では、管理部121は、処理対象のレコードに基づいて、インセンティブに係る処理を終了するか否かを判定する。
【0084】
より具体的には、管理部121は、処理対象のレコードのインセンティブ開始日707のインセンティブ開始日から、処理対象のレコードのインセンティブID705のインセンティブIDに対応するインセンティブ定義テーブル300のレコードのパラメータ304の期間が経過したか否か(デモ版の利用権が付与される期間が経過したか否か)を判定する。管理部121は、デモ版の利用権が付与される期間が経過したと判定した場合、S1007に処理を移し、デモ版の利用権が付与される期間が経過していないと判定した場合、処理対象を次のレコードに変更し、S1006に処理を移す。
【0085】
S1007では、アクセス権制御部122は、処理対象のレコードのユーザID703のユーザIDにより識別されるユーザから、デモ版に対するアクセス権を削除する。
【0086】
S1008では、管理部121は、処理対象のレコードを更新する。例えば、管理部121は、処理対象のレコードの実行状態706を「done」に設定し、処理対象のレコードのインセンティブ終了日708に現在日を設定する。
【0087】
S1009では、管理部121は、デモ版の利用ができなくなったことを、デモ版のアクセス権を削除したユーザのユーザ端末140に通知する。
【0088】
次に、インセンティブがソリューション112の課金免除権である場合について説明する。基本的に、
図10に示す処理と同じ流れであるので、図示は省略し、同じステップについては、説明を省略する。
【0089】
まず、管理部121は、インセンティブ実行管理テーブル700に記憶されているレコードのうち、インセンティブが課金免除権(インセンティブID705の値が「I2」)であり、インセンティブに係る処理が未実行(実行状態706の値が「todo」)である各レコードについて、S1002~S1005の処理を行う。
【0090】
S1002では、管理部121は、処理対象のレコードのソリューションID704のソリューションIDにより識別されるソリューション112がソリューションリポジトリ125に登録されているか否かを判定する。管理部121は、当該ソリューション112が登録されていると判定した場合、S1003に処理を移し、当該ソリューション112が登録されていないと判定した場合、処理対象を次のレコードに変更し、S1002に処理を移す。
【0091】
S1003では、課金制御部123は、処理対象のレコードのユーザID703のユーザIDにより識別されるユーザに、当該ソリューション112の利用による課金を免除する設定を行う(料金プランを変更する)。
【0092】
S1005では、管理部121は、当該ソリューション112の利用による課金が免除されていることを、課金を免除する料金プランに変更したユーザのユーザ端末140に通知する。
【0093】
次に、管理部121は、インセンティブ管理テーブルに記憶されているレコードのうち、インセンティブが課金免除権(インセンティブID705の値が「I2」)であり、インセンティブに係る処理が実行中(実行状態706の値が「doing」)である各レコードについて、S1006~S1009の処理を行う。
【0094】
S1006では、管理部121は、処理対象のレコードのインセンティブ開始日707のインセンティブ開始日から、処理対象のレコードのインセンティブID705のインセンティブIDに対応するインセンティブ定義テーブル300のレコードのパラメータ304の期間が経過したか否か(課金が免除される期間が経過したか否か)を判定する。管理部121は、課金が免除される期間が経過したと判定した場合、S1007に処理を移し、課金が免除される期間が経過していないと判定した場合、処理対象を次のレコードに変更し、S1006に処理を移す。
【0095】
S1007では、課金制御部123は、処理対象のレコードのユーザID703のユーザIDにより識別されるユーザから、課金が行われる設定を行う(料金プランを変更する)。
【0096】
S1009では、管理部121は、課金が行われることを、課金が行われる料金プランに変更したユーザのユーザ端末140に通知する。
【0097】
次に、インセンティブが打ち合わせ権である場合について説明する。基本的に、
図10に示す処理と同じ流れであるので、図示は省略し、同じステップについては、説明を省略する。
【0098】
まず、管理部121は、インセンティブ実行管理テーブル700に記憶されているレコードのうち、インセンティブが打ち合わせ権(インセンティブID705の値が「I3」)であり、インセンティブに係る処理が未実行(実行状態706の値が「todo」)である各レコードについて、S1002~S1005の処理を行う。
【0099】
S1002では、デモ版が予め指定された場所にデプロイされているか否かを判定する。管理部121は、デモ版がデプロイされていると判定した場合、S1003に処理を移し、デモ版がデプロイされていないと判定した場合、処理対象を次のレコードに変更し、S1002に処理を移す。
【0100】
S1003では、管理部121は、処理対象のレコードのユーザID703のユーザIDにより識別されるユーザが参加可能な打ち合わせの設定(例えば、オンライン会議のURL等を含む電子メールの生成)を行う。
【0101】
S1005では、管理部121は、打ち合わせが設定されていることを当該ユーザのユーザ端末140に通知する。
【0102】
次に、管理部121は、インセンティブ管理テーブルに記憶されているレコードのうち、インセンティブが打ち合わせ権(インセンティブID705の値が「I3」)であり、インセンティブに係る処理が実行中(実行状態706の値が「doing」)である各レコードについて、S1006~S1009の処理を行う。
【0103】
S1006では、管理部121は、処理対象のレコードの打ち合わせの残り回数(図示は省略)がゼロであるか否かを判定する。管理部121は、打ち合わせの残り回数がゼロであると判定した場合、S1007に処理を移し、打ち合わせの残り回数がゼロでないと判定した場合、現在の日時が打ち合わせが終了した日時であるときは打ち合わせの残り回数を「1」減算し、処理対象を次のレコードに変更し、S1006に処理を移す。
【0104】
S1009では、管理部121は、全ての打ち合わせが行われたことを、処理対象のレコードのユーザID703のユーザIDにより識別されるユーザのユーザ端末140に通知する。
【0105】
図11は、ユーザ画面の一例(所定のソリューション112のソリューションアイデア111を表示するソリューションアイデアページ1100)を示す図である。
【0106】
ソリューションアイデアページ1100は、タイトル表示領域1110と、イメージ表示領域1120と、アイデア内容表示領域1130と、インセンティブ内容表示領域1140と、選択回数表示領域1150と、選択ボタン1160と、を含んで構成される。
【0107】
タイトル表示領域1110には、所定のソリューション112のタイトルが表示される。イメージ表示領域1120には、所定のソリューション112のイメージが表示される。アイデア内容表示領域1130には、所定のソリューション112のアイデア内容が表示される。インセンティブ内容表示領域1140には、所定のソリューション112に対応付けられているインセンティブの内容が表示される。選択回数表示領域1150には、選択可能数と上限数とが表示される。選択ボタン1160は、所定のソリューション112に対応付けられているインセンティブの選択(所定のソリューション112を利用する意思表示)を受け付けるボタンである。
【0108】
なお、所定のソリューション112に対応付けられているインセンティブの内容は、イメージ表示領域1120、アイデア内容表示領域1130、選択回数表示領域1150、または、その他の領域において表示されてもよい。
【0109】
図12は、開発者画面の一例(ソリューション開発ページ1200)を示す図である。ソリューション開発ページ1200は、開発者端末(図示は省略)、オーナ環境110のサーバ装置等の操作端末からの要求に応じて管理部121により生成され、当該操作端末において表示される。
【0110】
ソリューション開発ページ1200は、ソリューション表示領域1210と、ソリューション需要表示領域1220と、詳細表示領域1230と、を含んで構成される。
【0111】
ソリューション表示領域1210には、開発者が開発したソリューション112に係る情報が表示される。ソリューション需要表示領域1220は、開発者が開発したソリューション112を利用したいユーザの人数(ソリューション112の需要を示す情報)が表示される。詳細表示領域1230には、開発者が開発したソリューション112を利用したいユーザの詳細の情報が表示される。例えば、詳細表示領域1230は、ソリューション需要表示領域1220が開発者により押下された場合に表示される。詳細表示領域1230によれば、例えば、開発者は、ユーザの属性を分析することで、ソリューション112に対する正しい需要を把握することができる。
【0112】
本実施の形態のソリューション管理システムは、ユーザの意思表示の精度を向上させるために、ソリューションに紐づくインセンティブの付与を適切なタイミングで自動実行し、その実行証跡を記録して実効性を担保する。また、本ソリューション管理システムは、ユーザが選択したインセンティブが対応付けられているソリューションのデプロイをトリガーにアクセス権の制御等を自動実行する。また、本ソリューション管理システムは、ユーザ1人あたりの意思表示の上限数をユーザに提示し、その上限数に反比例して選ばれたソリューションに紐づくインセンティブを与える。
【0113】
本実施の形態によれば、ユーザは、ソリューションに紐づくインセンティブにより意思表示を正確に行い、オーナは、ソリューションに対する正しい需要を把握できる。また、プラットフォームは、証跡を残すことで、インセンティブの実効性を担保することができる。
【0114】
(II)第2の実施の形態
本実施の形態は、ソリューション112に対応付けるインセンティブをオーナが設定できる点が第1の実施の形態と主に異なる。本実施の形態では、第1の実施の形態と同じ構成については同じ符号を用いて、その説明を適宜省略する。
【0115】
図13は、ソリューション管理情報126Cの一例(ソリューション管理テーブル1300)を示す図である。
【0116】
ソリューション管理テーブル1300は、レコード番号501と、ソリューションID502と、ソリューション名503と、インセンティブプラン1301との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0117】
インセンティブプラン1301は、オーナにより、ソリューション112に対応付けられるインセンティブ(インセンティブプラン)である。インセンティブプランには、複数のインセンティブが含まれたり、1つのインセンティブが含まれたり、インセンティブが含まれなかったりする。
【0118】
インセンティブプランの設定は、オーナのオーナ端末(図示は省略)、プラットフォーム環境120のサーバ装置等の操作端末において行われる。なお、インセンティブプランの設定の方法としては、設定画面からの入力、CSVファイルの読み込み等が挙げられるが、その方法は問わない。
【0119】
図14は、ソリューション管理情報126Cの一例(選択プラン管理テーブル1400)を示す図である。選択プラン管理テーブル1400は、ソリューション112(ソリューションID)ごとに設けられている。
図14では、ソリューション管理テーブル1300のソリューションID502が「sol1」である場合の例を示す。
【0120】
選択プラン管理テーブル1400は、インセンティブプラン1401と、設定インセンティブID1402と、選択数1403と、選択ユーザID1404との情報が対応付けられたレコードを記憶する。
【0121】
インセンティブプラン1401は、オーナにより、ソリューションID502が「sol1」であるソリューション112に対応付けられているインセンティブプランである。設定インセンティブID1402は、当該インセンティブプランに含められているインセンティブのインセンティブIDである。選択数1403は、当該インセンティブプランを選択しているユーザの数である。例えば、「15/20」は、当該インセンティブプランの上限数が「20」であり、「15」人のユーザが選択していることを示す。選択ユーザID1404は、当該インセンティブプランを選択したユーザのユーザIDである。
【0122】
図15は、ユーザ画面の一例(所定のソリューション112のソリューションアイデア111を表示するソリューションアイデアページ1500)を示す図である。
【0123】
ソリューションアイデアページ1500は、タイトル表示領域1110と、イメージ表示領域1120と、アイデア内容表示領域1130と、インセンティブプラン表示領域1510と、選択ボタン1520と、を含んで構成される。
【0124】
インセンティブプラン表示領域1510には、所定のソリューション112に対応付けられているインセンティブプランが表示される。選択ボタン1520は、所定のソリューション112に対応付けられているインセンティブプランの選択(所定のソリューション112を利用する意思表示)を受け付けるボタンである。
【0125】
なお、ソリューションアイデアページ1500は、上述の内容に限らない。例えば、ソリューションアイデアページ1500には、ユーザがインセンティブプランを選択可能な数、ユーザがインセンティブプランを選択した回数、ユーザがインセンティブプランを選択できる残りの回数等が表示されてもよい。また、ユーザがインセンティブプランを選択できる残りの回数がゼロである場合、当該インセンティブプランの選択ボタン1520を非アクティブにしてもよい。
【0126】
本実施の形態によれば、オーナは、意思表示の強度、上限数等が異なる予め定義された複数のインセンティブの中から、ソリューションに対してインセンティブを自由に設定できるので、ソリューションの需要の予測精度を向上させることができる。
【0127】
(III)付記
上述の実施の形態には、例えば、以下のような内容が含まれる。
【0128】
上述の実施の形態においては、本発明をソリューション管理システムに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法、プログラムに広く適用することができる。
【0129】
また、上述の実施の形態において、プログラムの一部またはすべては、プログラムソースから、サーバ装置を実現するコンピュータのような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、ネットワークで接続されたプログラム配布サーバまたはコンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。また、上述の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0130】
また、上述の実施の形態において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部または一部が1つのテーブルであってもよい。
【0131】
また、上述の実施の形態において、説明の便宜上、ソリューション管理システムに係る情報を、テーブルを用いて説明したが、データ構造はテーブルに限定されるものではない。ソリューション管理システムに係る情報は、XML(Extensible Markup Language)、YAML(YAML Ain’t a Markup Language)、ハッシュテーブル、木構造等、テーブル以外のデータ構造によって表現されてもよい。
【0132】
また、上述の実施の形態において、図示および説明した画面は、一例であり、受け付ける情報が同じであるならば、どのようなデザインであってもよい。
【0133】
また、上述の実施の形態において、図示および説明した画面は、一例であり、提示する情報が同じであるならば、どのようなデザインであってもよい。
【0134】
また、上述の実施の形態において、情報の出力は、ディスプレイへの表示に限るものではない。情報の出力は、スピーカによる音声出力であってもよいし、ファイルへの出力であってもよいし、印刷装置による紙媒体等への印刷であってもよいし、プロジェクタによるスクリーン等への投影であってもよいし、その他の態様であってもよい。
【0135】
また、上記の説明において、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0136】
上述した実施の形態は、例えば、以下の特徴的な構成を有する。
【0137】
(1)
デジタル技術を活用するための製品であるソリューション(例えば、コンテナを生成するためのイメージ)を管理するソリューション管理システム(例えば、ソリューション管理システム100)は、ソリューションに紐づくインセンティブ(例えば、ソリューションの利用権、課金免除権、打ち合わせ権等)をユーザが選択可能なユーザインターフェース(例えば、ユーザ画面、ソリューションアイデアページ1100)を生成する生成部(例えば、管理部121、生成部、サーバ装置、VM、回路等)と、上記生成部により生成されたユーザインターフェースにおいてユーザにより選択されたソリューションに紐づくインセンティブを示す情報(例えば、選択ソリューションID606のソリューションIDに対応付けられている設定インセンティブID)と、上記ソリューションを示す情報(例えば、選択ソリューションID606のソリューションID)と、上記ユーザを示す情報(例えば、ユーザID602のユーザID)とを対応付けて記憶する記憶部(例えば、管理部121、記憶部、サーバ装置、VM、回路等)と、ソリューションに係るアプリケーションが利用可能になったかを監視し、利用可能になったアプリケーションのソリューションに紐づくインセンティブに係る処理を実行する実行部(例えば、管理部121、アクセス権制御部122、課金制御部123、実行部、サーバ装置、VM、回路等)と、上記実行部によりインセンティブに係る処理が実行されたことを出力する出力部(例えば、管理部121、出力部、サーバ装置、VM、回路等)と、を備える。例えば、上記出力部は、例えば、上記実行部によりインセンティブに係る処理が実行されたことを、上記インセンティブを選択したユーザのユーザ端末に通知する。
【0138】
上記構成によれば、例えば、ユーザは、ソリューションに紐づくインセンティブが得られるので、自分の選好に従った意思表示をするようになり、意思表示の精度を向上させることができる。また、ユーザにより選択されたインセンティブが対応付けられているソリューションを示す情報が記憶されるので、例えば、当該ソリューションのオーナは、当該ソリューションの需要を正確に把握することができる。
【0139】
(2)
上記ソリューション管理システムは、予め登録されている複数のインセンティブの中から、ソリューションに対応付けるインセンティブの情報を上記ソリューションのオーナより受け付ける受付部(例えば、管理部121、受付部、サーバ装置、VM、回路等)を備える(例えば、
図13を参照)。
【0140】
上記構成によれば、例えば、ソリューションのオーナにより当該ソリューションに合ったインセンティブが設定されるので、ユーザは、より自分の選好に従った意思表示をするようになり、意思表示の精度をさらに向上させることができる。
【0141】
(3)
上記生成部は、ソリューションに紐づく1または複数のインセンティブが対応付けられているプランを選択可能なユーザインターフェース(例えば、ユーザ画面、ソリューションアイデアページ1500)を生成する。
【0142】
上記構成によれば、ユーザに提示されるインセンティブのバリエーションが増えるので、例えば、オーナは、ソリューションの需要をより精緻に把握することができる。
【0143】
(4)
上記生成部は、ソリューションに紐づく1つ以上のインセンティブが対応付けられている、選択可能な人数が制限されている第1のプラン(例えば、プランAおよびプランB)と、ソリューションに紐づくインセンティブが対応付けられてなく、選択可能な人数が制限されていない第2のプラン(例えば、プランC)と、を選択可能なユーザインターフェース(例えば、ユーザ画面、ソリューションアイデアページ1500)を生成する(例えば、
図14および
図15を参照)。
【0144】
上記構成によれば、ユーザに提示されるインセンティブのバリエーションが増えるので、例えば、オーナは、ソリューションの需要をより精緻に把握することができる。また、例えば、ソリューションにインセンティブが紐づいていないプランによれば、オーナは、ユーザの当該ソリューションに対する関心の度合いを把握することができる。
【0145】
(5)
上記生成部は、ソリューションに紐づくインセンティブとして、上記ソリューションのテスト用のソリューションに対する利用権を選択可能なユーザインターフェースを生成(例えば、
図3、
図5、
図6、
図8を参照)し、上記実行部は、上記テスト用のソリューションをもとに生成されるアプリケーションがデプロイされた場合、上記アプリケーションへのアクセス権を、上記利用権を選択したユーザに設定する(例えば、
図10を参照)。
【0146】
上記構成によれば、例えば、テスト用のソリューションが利用された後に、本番のソリューションに対応付けられているインセンティブの選択が行われたか否かによって、本番のソリューションの需要をより正確にオーナが把握することができる。
【0147】
(6)
上記生成部は、ソリューションに紐づくインセンティブをユーザが選択可能なユーザインターフェースとして、上記ユーザがソリューションを選択可能な上限を示す上限数と、上記ユーザがソリューションを選択可能な残りの数を示す選択可能数とを表示する画面を生成する(例えば、
図11を参照)。
【0148】
上記構成では、例えば、ユーザごとに上限数と選択可能数とが表示されることで、ユーザに限定感を与えることができ、ユーザは、より自分の選好に従った意思表示をするようになり、意思表示の精度をさらに向上させることができる。
【0149】
(7)
上記記憶部は、ユーザごとに上記選択可能数を記憶し、所定の期間で上記選択可能数をリセットする。
【0150】
上記構成によれば、所定の期間で選択可能数がリセットされるので、例えば、ユーザは、インセンティブを積極的に選択することができ、多くの意思表示をもとにソリューションの需要を把握することができる。また、例えば、選択可能数がゼロになった場合にユーザが永久に意思表示できなくなる事態を回避することができる。
【0151】
(8)
上記生成部は、ソリューションに紐づくインセンティブをユーザが選択可能なユーザインターフェースとして、上記ソリューションをユーザが選択可能な上限を示す上限数と、上記ソリューションを選択しているユーザの数を示す選択数とを表示する画面を生成する(例えば、
図15を参照)。
【0152】
上記構成によれば、例えば、ソリューションごとに上限数と選択数とが表示されることで、ユーザに限定感を与えることができるので、ユーザは、早期に意思表示するようになり、オーナは、ソリューションの需要を正確かつ早期に把握することができる。
【0153】
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
【符号の説明】
【0154】
100……ソリューション管理システム、110……オーナ環境、120……プラットフォーム環境、130……ユーザ環境。