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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036114
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】クランプ装置
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/14 20060101AFI20230307BHJP
   F16B 2/12 20060101ALI20230307BHJP
   F16B 35/00 20060101ALI20230307BHJP
   F16B 17/00 20060101ALI20230307BHJP
   F16B 5/02 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
E21D11/14
F16B2/12 B
F16B35/00 Y
F16B35/00 Q
F16B17/00 A
F16B5/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142932
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】521389217
【氏名又は名称】有限会社佐藤工業
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 修
【テーマコード(参考)】
2D155
3J001
3J022
3J036
【Fターム(参考)】
2D155BA01
2D155CA01
2D155EB10
2D155GB01
2D155KB04
3J001FA02
3J001GA02
3J001GB01
3J001HA02
3J001HA07
3J001JA03
3J001JD02
3J001KA19
3J001KB04
3J022DA11
3J022EA41
3J022EB04
3J022EC02
3J022ED03
3J022FB03
3J022FB07
3J022FB12
3J022FB16
3J022GA06
3J022GA12
3J022GB32
3J036AA01
3J036CA01
(57)【要約】
【課題】様々なサイズの鋼製セグメント類を位置決めすることができるクランプ装置を提供する。
【解決手段】クランプ装置本体2と、
クランプ装置本体2の右側面2d側に設けられ、一方の主桁Wbをクランプする第1クランプ部3と、
クランプ装置本体2の左側面2e側に設けられ、他方の主桁Wcをクランプする第2クランプ部4と、を有し、
クランプ装置本体2は、長手方向に沿って、適当間隔置きにボルト挿通孔20が貫通して設けられ、
第1クランプ部3は、クランプ装置本体2の右側面2d側に、該クランプ装置本体2に一体的に設けられ、
第2クランプ部4は、ボルト挿通孔20を用いてボルトB固定することにより、クランプ装置本体2の左側面2e側の任意の位置に設けられている。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一対の主桁を備える鋼製セグメント類をクランプするクランプ装置であって、
クランプ装置本体と、
前記クランプ装置本体の一側部側に設けられ、前記一対の主桁の一方をクランプする第1クランプ部と、
前記クランプ装置本体の他側部側に設けられ、前記一対の主桁の他方をクランプする第2クランプ部と、を有し、
前記クランプ装置本体は、長手方向に沿って、適当間隔置きにボルト挿通孔が貫通して設けられ、
前記第1クランプ部は、前記クランプ装置本体の一側部側に、該クランプ装置本体に一体的に設けられ、
前記第2クランプ部は、前記ボルト挿通孔を用いてボルト固定することにより、前記クランプ装置本体の他側部側の任意の位置に設けられてなるクランプ装置。
【請求項2】
前記主桁の中央部分に設けられる位置決め部をさらに有し、
前記位置決め部は、前記主桁の中央部分にテーパピン、又は、テーパボルトにて固定されてなる請求項1に記載のクランプ装置。
【請求項3】
前記第2クランプ部は、前記クランプ装置本体の他側部側に設けられた任意の位置で回動可能である請求項1又は2に記載のクランプ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、シールド工法によるトンネル構築においては、シールド掘削機の後方側で掘削孔の内周面に沿って円弧版状のセグメントを周方向に連結してセグメントリングを組み立て、このセグメントリングをシールド掘削機の進行に合わせて順次トンネル軸方向に連設することによりトンネル内に覆工がなされている。
【0003】
この種のセグメントには、鋼製セグメント、コンクリート中詰め鋼製セグメント、合成セグメント(以下、鋼製セグメント類という)が広く用いられている。このような鋼製セグメント類として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の鋼製セグメント類は、鋼製セグメント類の外周面を構成するスキンプレートと、スキンプレートの内周面に周方向に沿って設置される複数本の主桁と、スキンプレートの周方向両端部に軸方向に沿って設置される一対の継手板と、を組み立てて構成されるものである。
【0004】
ところで、上記のような鋼製セグメント類を製造するにあたっては、ロボットを用いて溶接する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の発明は、鋼製セグメント類を位置決めするポジショナと、溶接される鋼製セグメント類に略水平方向から溶接トーチを接近させることができる多関節ロボット装置からなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-46346号公報
【特許文献2】特開平10-277741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような発明では、ポジショナを用いて鋼製セグメント類を位置決めする際、ある特定のサイズの鋼製セグメント類しか位置決めすることができず、様々なサイズの鋼製セグメント類を位置決めすることができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、様々なサイズの鋼製セグメント類を位置決めすることができるクランプ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0009】
請求項1の発明に係るクランプ装置は、少なくとも一対の主桁(一方の主桁Wb,他方の主桁Wc)を備える鋼製セグメント類(W)をクランプするクランプ装置(1)であって、
クランプ装置本体(2)と、
前記クランプ装置本体(2)の一側部(右側面2d)側に設けられ、前記一対の主桁の一方(一方の主桁Wb)をクランプする第1クランプ部(3)と、
前記クランプ装置本体(2)の他側部(左側面2e)側に設けられ、前記一対の主桁の他方(他方の主桁Wc)をクランプする第2クランプ部(4)と、を有し、
前記クランプ装置本体(2)は、長手方向に沿って、適当間隔置きにボルト挿通孔(20)が貫通して設けられ、
前記第1クランプ部(3)は、前記クランプ装置本体(2)の一側部(右側面2d)側に、該クランプ装置本体(2)に一体的に設けられ、
前記第2クランプ部(4)は、前記ボルト挿通孔(20)を用いてボルト(B)固定することにより、前記クランプ装置本体(2)の他側部(左側面2e)側の任意の位置に設けられてなることを特徴としている。
【0010】
また、請求項2の発明に係るクランプ装置は、上記請求項1に記載のクランプ装置(1)において、前記主桁(一方の主桁Wb,他方の主桁Wc)の中央部分に設けられる位置決め部(第1位置決め部5,第2位置決め部6)をさらに有し、
前記位置決め部(第1位置決め部5,第2位置決め部6)は、前記主桁(一方の主桁Wb,他方の主桁Wc)の中央部分にテーパピン、又は、テーパボルト(B1)にて固定されてなることを特徴としている。
【0011】
さらに、請求項3の発明に係るクランプ装置は、上記請求項1又は2に記載のクランプ装置(1)において、前記第2クランプ部(4)は、前記クランプ装置本体(2)の他側部側(左側面2e)に設けられた任意の位置で回動可能であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
請求項1に係る発明によれば、第1クランプ部(3)は、クランプ装置本体(2)の一側部(右側面2d)側に、該クランプ装置本体(2)に一体的に設けられているから、動くことがない。それゆえ、これを基準として、一対の主桁の他方(他方の主桁Wc)を、第2クランプ部(4)でクランプできるように、第2クランプ部(4)を、ボルト挿通孔(20)を用いてボルト(B)固定し、クランプ装置本体(2)の他側部(左側面2e)側の任意の位置に設けるようにする。これにより、様々なサイズの鋼製セグメント類を位置決めすることができる。
【0014】
また、請求項2に係る発明によれば、位置決め部(第1位置決め部5,第2位置決め部6)は、主桁(一方の主桁Wb,他方の主桁Wc)の中央部分にテーパピン、又は、テーパボルト(B1)にて固定されているから、主桁(一方の主桁Wb,他方の主桁Wc)が位置決め部(第1位置決め部5,第2位置決め部6)に対して前後方向に移動するような事態を低減させることができる。
【0015】
さらに、請求項3に係る発明によれば、第2クランプ部(4)は、クランプ装置本体(2)の他側部側(左側面2e)に設けられた任意の位置で回動可能であるから、第2クランプ部(4)を任意の位置で固定した状態のまま鋼製セグメント類(W)を第1クランプ部(3)に載置することが可能となる。これにより、作業効率が向上することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るクランプ装置をポジショナに取り付けた状態を示す斜視図である。
図2】同実施形態に係るクランプ装置の斜視図である。
図3】同実施形態に係るクランプ装置の第2クランプ部の位置を調整している状態を示し、(a)は幅の広い鋼製セグメント類をクランプする場合を示し、(b)は幅の狭い鋼製セグメント類をクランプする場合を示す側面図である。
図4】同実施形態に係る第2クランプ部の位置を調整した後のクランプ装置をポジショナに取り付けた状態を示す斜視図である。
図5図4に示す状態から、同実施形態に係る傾動部を傾動させ、鋼製セグメント類を第2クランプ部に載置させた状態を示す斜視図である。
図6】(a)は他方の主桁の中央部分に、第2位置決め部が固定配置されている部分の拡大斜視図、(b)は(a)の一部縦断面である。
図7】(a)は一方の主桁の中央部分に、第1位置決め部が固定配置されている部分の拡大斜視図、(b)は(a)の一部縦断面である。
図8】(a)は傾動部を傾動させ第2位置決め部上に載置させている部分の拡大斜視図、(b)は(a)に示す位置で傾動部を、ボルトを用いて固定した状態を示す拡大斜視図である。
図9】他の実施形態に係る第2位置決め部を示す部分の拡大斜視図である。
図10図9に示す第2位置決め部を用いて鋼製セグメント類をクランプした状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るクランプ装置の一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0018】
図1に示すようにクランプ装置1は、ポジショナPに取り付け固定されて使用されるものである。ポジショナPは、従来周知の構造のもので、図1に示すように、略コ字状からなる支持台P1と、支持台P1に立設固定されている矩形状の支持壁部P2と、支持壁部P2の上部側に回転可能に設けられている回転テーブルP3と、回転テーブルP3に回転可能(図1に示す矢印Y1方向参照)に取り付けられている略L字状の支持アームP4と、で構成されている。
【0019】
かくして、上記のように構成されるポジショナPには、支持アームP4の先端部P4aに、クランプ装置1が取り付け固定されている。以下、クランプ装置1について詳しく説明することとする。
【0020】
<クランプ装置の説明>
クランプ装置1は、図2に示すように、クランプ装置本体2と、第1クランプ部3と、第2クランプ部4と、第1位置決め部5と、第2位置決め部6と、で主として構成されている。以下、各構成について詳しく説明することとする。
【0021】
<クランプ装置本体の説明>
クランプ装置本体2は、図2に示すように、厚みのある長尺矩形状に形成され、前側面2a及び後側面2bに、長手方向(図示左右方向)に沿って、適当間隔置きに、ボルト挿通孔20が設けられている。そして、前側面2a及び後側面2b間には、長手方向(図示左右方向)に沿って、複数の補強リブ21(図1も参照)が設けられている。そしてさらに、図2に示すように、クランプ装置本体2の下面2c中央部には、取付板22が設けられており、この取付板22には、図1に示すように、支持アームP4の先端部P4aが取り付け固定されている。
【0022】
<第1クランプ部の説明>
第1クランプ部3は、図2に示すように、略T字状の支持台3aと、支持台3aの右側面3a1に設けられている台形状の一対の補強リブ3bと、で構成されている。
【0023】
かくして、上記のように構成される第1クランプ部3は、図2に示すように、クランプ装置本体2の右側面2d側上面に固定配置されている。より詳しく説明すると、第1クランプ部3の支持台3aの右側面3a1が、クランプ装置本体2の右側面2dに位置するように、クランプ装置本体2の右側面2d側上面に配置される。そして、支持台3aがボルトや溶接等によって、クランプ装置本体2の右側面2d側上面に固定配置されることとなる。これにより、第1クランプ部3は、クランプ装置本体2の右側面2d側上面に、クランプ装置本体2に一体的に設けられることとなる。
【0024】
<第2クランプ部の説明>
第2クランプ部4は、図2に示すように、矩形状の支持台40を備えている。この支持台40の右側面40a上面40bには、矩形状の垂直壁41が立設固定されている。そして、この垂直壁41の左側面41aには、図1に示すように、側面視矩形状(図3参照)の一対の係止片42が一定間隔を置いて設けられている。この一対の係止片42には、傾動部43が設けられており、この傾動部43は、図1及び図2に示すように、矩形状の傾動板43aと、図2に示す傾動板43aの左側面43a1に設けられている、図1に示す、台形状の一対の補強リブ43bと、で構成されている。この一対の補強リブ43b間には、図1に示すように、一対の係止片42間に設けられている傾動支点ピン44が設けられている。これにより、傾動支点ピン44を基点として、図2に示すように、傾動板43aが矢印Y2方向に傾動することとなる。なお、傾動板43aの傾動は、支持台40及び垂直壁41によって傾動が規制されるここととなる。それゆえ、傾動板43aの傾動は、略90°傾動することとなる。
【0025】
かくして、上記のように構成される第2クランプ部4は、図2に示すように、クランプ装置本体2の左側面2e側上面に固定配置される。より詳しく説明すると、第2クランプ部4の垂直壁41の右側面41bが、第1クランプ部3の支持台3aの左側面3a2と対向配置するように、クランプ装置本体2の左側面2e側上面に配置される。そして、図2に示すように、第2クランプ部4の支持台40を介して、クランプ装置本体2に設けられているボルト挿通孔20内にボルトBを挿入することにより、図2に示すように、クランプ装置本体2の左側面2e側上面に固定配置されることとなる。そのため、ボルト挿通孔20内からボルトBを取り外せば、クランプ装置本体2の左側面2e側上面の固定配置は解除されるため、第2クランプ部4を、図3(b)に示すように、第1クランプ部3側に接近させて、その場で、第2クランプ部4の支持台40を介して、クランプ装置本体2に設けられているボルト挿通孔20内にボルトBを挿入することにより固定配置することもできる。これにより、第2クランプ部4は、ボルト挿通孔20を用いてボルトBにて固定することにより、クランプ装置本体2の左側面2e側上面の任意の位置に固定配置することが可能となる。
【0026】
<第1位置決め部の説明>
第1位置決め部5は、図2に示すように、厚板矩形状に形成され、第1クランプ部3の支持台3aの左側面3a2上面3a3側に複数のボルトB(図示では、2個)によって固定配置されている。なお、図2に示すように、第1位置決め部5の両側面側には、それぞれ、ボルト挿通孔5aが設けられており、このボルト挿通孔5a内には、ネジ面5a1が刻設されている。
【0027】
<第2位置決め部の説明>
第2位置決め部6は、図2に示すように、厚板矩形状に形成され、第2クランプ部4の傾動板43aの右側面43a2上面43a3側に、複数のボルトB(図8(b)参照、図8(b)では2個)によって固定配置されている。なお、図2に示すように、第2位置決め部6の両側面側には、それぞれ、ボルト挿通孔6aが設けられており、このボルト挿通孔6a内には、ネジ面6a1が刻設されている。
【0028】
<クランプ装置の使用例の説明>
かくして、上記のように構成されるクランプ装置1は、例えば、以下のように使用される。
【0029】
まず、図3に示すように、第1クランプ部3及び第2クランプ部4を用いてクランプする鋼製セグメント類Wの幅に合わせて第2クランプ部4の位置を調整する。すなわち、図3に示すように、鋼製セグメント類Wは、従来と同様、スキンプレートWaの周方向に沿って設置される一対の主桁Wb,Wcにて構成されている。図3に示すように、この一対の主桁Wb,Wcの一方の主桁Wb(図示右側)は、図3に示すように、第1クランプ部3にてクランプされる。
【0030】
ところで、この第1クランプ部3は、上記説明したように、クランプ装置本体2の右側面2d側上面に、クランプ装置本体2に一体的に設けられているから、動くことがない。それゆえ、これを基準として、図3に示す一対の主桁Wb,Wcの他方の主桁Wb(図示左側)を、第2クランプ部4でクランプできるように、図3に示すように、第2クランプ部4を、クランプ装置本体2の左側面2e側上面の任意の位置に固定配置する。
【0031】
次いで、このように第2クランプ部4の位置を調整した後、図3に示す取付板22に、図4に示すように、支持アームP4の先端部P4aが取り付け固定される。そして、この状態で、回転テーブルP3を回転させることにより、矢印Y1方向に支持アームP4が回転し、もって、クランプ装置1を図4に示すような位置に配置させることができる。
【0032】
次いで、図5に示すように、傾動板43aを矢印Y3方向に傾動させ、その後、鋼製セグメント類Wを矢印Y4方向から第2クランプ部4に載置させる。
【0033】
ところで、この際、図5に示すように、鋼製セグメント類Wの他方の主桁Wc(図示上側)の中央部分には、第2位置決め部6が固定配置されている。この点、より詳しく説明すると、他方の主桁Wcには、図5に示すように、一定間隔置きに、ボルト挿通孔Wc1が複数設けられている。そして、図6(b)に示すように、他方の主桁Wcの中央部分に位置するボルト挿通孔Wc1と、第2位置決め部6のボルト挿通孔6aが連通するように、他方の主桁Wc(図示上側)の中央部分に第2位置決め部6を配置する。この状態で、図6(b)に示すテーパボルトB1を、ボルト挿通孔Wc1及びボルト挿通孔6aに挿通し、ネジ面6a1に螺合するようにすれば、図5及び図6(a)に示すように、他方の主桁Wc(図示上側)の中央部分に、第2位置決め部6が固定配置されることとなる。
【0034】
ところで、他方の主桁Wc(図示上側)の中央部分に、第2位置決め部6を固定配置するにあたって、テーパボルトB1ではなく、ボルトBを用いても良いが、テーパボルトB1を用いた方が好ましい。それは、ボルトBを用いて固定配置した場合、ボルトBが他方の主桁Wcのボルト挿通孔Wc1に密着することができず、他方の主桁Wcが第2位置決め部6に対して前後方向に移動してしまう可能性があるためである。仮に、他方の主桁Wcが第2位置決め部6に対して前後方向に移動してしまった場合、図示しないロボットを用いて、溶接する場合、教示していた箇所と異なる箇所に溶接してしまう可能性があり、もって、溶接が上手くいかなくなる可能性があるためである。そのため、テーパボルトB1を用いた方が好ましい。テーパボルトB1を用いて固定配置するようにすれば、図6(b)に示すように、テーパボルトB1のテーパ部分に他方の主桁Wcのボルト挿通孔Wc1が密着することとなり、もって、他方の主桁Wcが第2位置決め部6に対して前後方向に移動するような事態を低減させることができるようになるためである。
【0035】
次いで、鋼製セグメント類Wを矢印Y4方向から第2クランプ部4に載置させた後、図5及び図7(a)に示すように、鋼製セグメント類Wの一方の主桁Wbの中央部分には、第1位置決め部5が固定配置されている。この点、より詳しく説明すると、一方の主桁Wbには、図5に示すように、一定間隔置きに、ボルト挿通孔Wb1が複数設けられている。そして、図7(b)に示すように、一方の主桁Wbの中央部分に位置するボルト挿通孔Wb1と、第1位置決め部5のボルト挿通孔5aが連通するように、一方の主桁Wbの中央部分に第1位置決め部5を配置する。この状態で、図7(b)に示すテーパボルトB1を、ボルト挿通孔Wb1及びボルト挿通孔5aに挿通し、ネジ面5a1に螺合するようにすれば、図7(a)に示すように、一方の主桁Wbの中央部分に、第1位置決め部5が固定配置されることとなる。しかして、上記説明したように、テーパボルトB1を用いて固定配置するようにすれば、図7(b)に示すように、テーパボルトB1のテーパ部分に一方の主桁Wbのボルト挿通孔Wb1が密着することとなり、もって、一方の主桁Wbが第1位置決め部5に対して前後方向に移動するような事態を低減させることができる。
【0036】
次いで、図8(a)に示すように、傾動板43aを矢印Y5方向に傾動させ、傾動板43aを第2位置決め部6上に載置させる。そして、この状態で、傾動板43aに設けられている複数のボルト挿通孔43a4内に、図8(b)に示すボルトBを挿入するようにすれば、傾動板43aは、第2位置決め部6上に固定配置されると共に、垂直壁41上に固定配置されることとなる。これにより、鋼製セグメント類Wは、図5に示すような状態で、第1クランプ部3及び第2クランプ部4にてクランプされることとなる。しかるに、この状態で、図示しないロボットを用いて、鋼製セグメント類Wの内周面側に縦リブWdや吊手金具We等を溶接できることとなる。
【0037】
しかして、以上説明した本実施形態によれば、第1クランプ部3は、上記説明したように、クランプ装置本体2の右側面2d側上面に、クランプ装置本体2に一体的に設けられているから、動くことがない。それゆえ、これを基準として、図3に示す一対の主桁Wb,Wcの他方の主桁Wb(図示左側)を、第2クランプ部4でクランプできるように、図3に示すように、第2クランプ部4を、クランプ装置本体2の左側面2e側上面の任意の位置に固定配置することができる。これにより、様々なサイズの鋼製セグメント類を位置決めすることが可能となる。
【0038】
また、本実施形態によれば、第2クランプ部4の傾動部43は、傾動可能であるから、第1クランプ部3に鋼製セグメント類Wを載置し易いように傾動部43を傾動させることができる。そして、第1クランプ部3に鋼製セグメント類Wを載置した後は、傾動部43を元の位置に傾動させるようにすれば良いため、第2クランプ部4を任意の位置で固定した状態のまま鋼製セグメント類Wを第1クランプ部3に載置することが可能となる。これにより、作業効率が向上することとなる。
【0039】
なお、本実施形態において例示した内容は、あくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、他方の主桁Wcの中央部分に、第2位置決め部6を固定配置させる際、及び、一方の主桁Wbの中央部分に、第1位置決め部5を固定配置させる際、テーパボルトB1を用いて固定配置させる例を示したが、それに限らず、テーパピンを用いるようにしても良い。このようにしても、テーパピンのテーパ部分に他方の主桁Wcのボルト挿通孔Wc1、一方の主桁Wbのボルト挿通孔Wb1を密着させることができる。ただし、一方の主桁Wb及び/又は他方の主桁Wcが前後方向に移動してしまう事態を低減させるべく、しっかりと固定できるように、少なくとも一箇所は、テーパボルトB1を用いた方が好ましい。
【0040】
また、本実施形態においては、鋼製セグメント類Wの内周面側を溶接できるように、鋼製セグメント類Wを第1クランプ部3及び第2クランプ部4にてクランプする例を示したが、勿論、鋼製セグメント類Wの外周面側を溶接できるように、図10に示すような状態で、鋼製セグメント類Wを第1クランプ部3及び第2クランプ部4にてクランプするようにしても良い。
【0041】
ところで、この際、上記説明した第2位置決め部6に代え、図9に示すような第2位置決め部6Aにすることもできる。この第2位置決め部6Aは、図9に示すように、凹状に形成され、基端部6Aaが垂直壁41に一体的に取り付け固定され、先端部6Abには、一対の矩形状の突出部6Acが設けられている。そして、この突出部6Acには、それぞれ、ボルト挿通孔6Acaが設けられており、このボルト挿通孔6Aca内には、ネジ面6Aca1が刻設されている。
【0042】
この状態で、一対の突出部6Acに鋼製セグメント類Wの他方の主桁Wcを引っ掛け、テーパボルトB1(図6(b)参照)を、ボルト挿通孔Wc1(図6(b)参照)及びボルト挿通孔6Acaに挿通し、ネジ面6Aca1に螺合するようにすれば、他方の主桁Wcの中央部分に、第2位置決め部6Aが固定配置されることとなる。これにより、図10に示すような状態で、鋼製セグメント類Wを第1クランプ部3及び第2クランプ部4にてクランプすることができる。
【0043】
しかして、このようにすれば、一対の突出部6Acに鋼製セグメント類Wの他方の主桁Wcを引っ掛けることができるため、鋼製セグメント類Wの外周面側を溶接する際の位置決め作業が容易となる。
【符号の説明】
【0044】
1 クランプ装置
2 クランプ装置本体
2d 右側面(一側部)
2e 左側面(他側部)
20 ボルト挿通孔
3 第1クランプ部
4 第2クランプ部
5 第1位置決め部(位置決め部)
6 第2位置決め部(位置決め部)
W 鋼製セグメント類
Wb 一方の主桁
Wc 他方の主桁
B1 テーパボルト

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10