(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036125
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】荷積み自動化支援装置、荷積み自動化支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B66C 13/22 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
B66C13/22 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021142956
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】593001945
【氏名又は名称】株式会社エムエムアイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】栗田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】木嶋 哲士
(72)【発明者】
【氏名】小野 翔平
(72)【発明者】
【氏名】北原 絵里奈
(72)【発明者】
【氏名】宇丹 友浩
(72)【発明者】
【氏名】吉田 晋司
【テーマコード(参考)】
3F204
【Fターム(参考)】
3F204AA02
3F204BA06
3F204CA01
3F204DA03
3F204DB04
3F204DC06
(57)【要約】
【課題】運搬システムによる荷積みの自動化を支援する。
【解決手段】荷積み自動化支援装置10は、移動体の側方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、側方データ取得部11と、取得された3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する、荷物検出部12と、取得され3次元点群データのうち、荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、特定した点群データを用いて、治具の移動体後方側の面を検出する、治具検出部13と、荷物の面と治具の面との間の距離を算出する、距離算出部14と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の側方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、側方データ取得部と、
前記側方データ取得部が取得した前記3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、前記移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する、荷物検出部と、
前記側方データ取得部が取得した前記3次元点群データのうち、検出された前記荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、前記荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、前記治具の移動体後方側の面を検出する、治具検出部と、
検出された前記荷物の面と検出された前記治具の面との間の距離を算出する、距離算出部と、
を備えている、
ことを特徴とする荷積み自動化支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の荷積み自動化支援装置であって、
前記移動体の後方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、後方データ取得部と、
前記後方データ取得部が取得した前記3次元点群データから、前記移動体に相当する3次元点群データを特定する、移動体特定部と、
前記移動体特定部が特定した点群データを用いて、前記移動体の荷台の高さを特定し、特定した前記荷台の高さ以上にある点群データを用いて、前記荷台上の前記荷物を搭載可能な領域を検出する、荷台検出部と、
を更に備えている、
ことを特徴とする荷積み自動化支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の荷積み自動化支援装置であって、
前記荷台検出部が検出した前記荷物を搭載可能な領域に基づいて、前記移動体の側方に配置された前記深度センサの位置が調整された後に、前記側方データ取得部が、前記3次元点群データを取得する、
ことを特徴とする荷積み自動化支援装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の荷積み自動化支援装置であって、
前記荷物が、円柱状を呈した物体であり、前記荷台上に、円柱を構成する一方の端面が移動体前方側を向き、他方の端面が移動体後方側を向くように配置され、
前記治具が、立方体形状又は直方体形状を呈した物体であり、前記荷台上に、立方体又は直方体の一面が移動体前方側を向き、それと対向する面が移動体後方側を向くように配置されている、
ことを特徴とする荷積み自動化支援装置。
【請求項5】
移動体の側方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、側方データ取得ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、前記移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する、荷物検出ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、検出された前記荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、前記荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、前記治具の移動体後方側の面を検出する、治具検出ステップと、
検出された前記荷物の面と検出された前記治具の面との間の距離を算出する、距離算出ステップと、
を有する、
ことを特徴とする荷積み自動化支援方法。
【請求項6】
請求項5に記載の荷積み自動化支援方法であって、
前記移動体の後方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、後方データ取得ステップと、
前記後方データ取得ステップによって取得された前記3次元点群データから、前記移動体に相当する3次元点群データを特定する、移動体特定ステップと、
前記移動体特定ステップによって特定された点群データを用いて、前記移動体の荷台の高さを特定し、特定した前記荷台の高さ以上にある点群データを用いて、前記荷台上の前記荷物を搭載可能な領域を検出する、荷台検出ステップと、
を更に有する、
ことを特徴とする荷積み自動化支援方法。
【請求項7】
請求項6に記載の荷積み自動化支援方法であって、
前記荷台検出ステップによって検出された前記荷物を搭載可能な領域に基づいて、前記移動体の側方に配置された前記深度センサの位置が調整された後に、前記側方データ取得ステップにおいて、前記3次元点群データを取得する、
ことを特徴とする荷積み自動化支援方法。
【請求項8】
請求項5~7のいずれかに記載の荷積み自動化支援方法であって、
前記荷物が、円柱状を呈した物体であり、前記荷台上に、円柱を構成する一方の端面が移動体前方側を向き、他方の端面が移動体後方側を向くように配置され、
前記治具が、立方体形状又は直方体形状を呈した物体であり、前記荷台上に、立方体又は直方体の一面が移動体前方側を向き、それと対向する面が移動体後方側を向くように配置されている、
ことを特徴とする荷積み自動化支援方法。
【請求項9】
コンピュータに、
移動体の側方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、側方データ取得ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、前記移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する、荷物検出ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、検出された前記荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、前記荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、前記治具の移動体後方側の面を検出する、治具検出ステップと、
検出された前記荷物の面と検出された前記治具の面との間の距離を算出する、距離算出ステップと、
を実行させる、プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記移動体の後方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、後方データ取得ステップと、
前記後方データ取得ステップによって取得された前記3次元点群データから、前記移動体に相当する3次元点群データを特定する、移動体特定ステップと、
前記移動体特定ステップによって特定された点群データを用いて、前記移動体の荷台の高さを特定し、特定した前記荷台の高さ以上にある点群データを用いて、前記荷台上の前記荷物を搭載可能な領域を検出する、荷台検出ステップと、
を更に実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムであって、
前記荷台検出ステップによって検出された前記荷物を搭載可能な領域に基づいて、前記移動体の側方に配置された前記深度センサの位置が調整された後に、前記側方データ取得ステップにおいて、前記3次元点群データを取得する、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項9~11のいずれかに記載のプログラムであって、
前記荷物が、円柱状を呈した物体であり、前記荷台上に、円柱を構成する一方の端面が移動体前方側を向き、他方の端面が移動体後方側を向くように配置され、
前記治具が、立方体形状又は直方体形状を呈した物体であり、前記荷台上に、立方体又は直方体の一面が移動体前方側を向き、それと対向する面が移動体後方側を向くように配置されている、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物の運搬システムにおける荷積みを支援する、荷積み自動化支援装置及び荷積み自動化支援方法に関し、更には、これらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、工場内では、重量のある荷物を運搬するため、クレーンが用いられている。このような荷物としては、薄板のコイル、機械部品、原料等が挙げられる。クレーンの操作は、多くの場合、人手によって行われているが、生産効率の向上を図るため、クレーンの自動化が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、荷物を自動で運搬するクレーンシステムを提案している。具体的には、特許文献1に開示されたクレーンシステムは、荷物に設置されたセンサネット端末と、クレーンに設置された基地局端末と、制御装置とで構成されている。
【0004】
制御装置は、まず、オペレータから、荷物の移動元の位置情報と移動先の位置情報とが入力されると、これらの位置情報を受け付ける。次に、制御装置は、クレーンに、移動元の位置情報と移動先の位置情報とを入力して、荷物の運搬を指示する。
【0005】
そして、クレーンから運搬終了が通知されると、複数の基地局端末それぞれの位置情報に基づいて、各基地局(クレーン)の位置を特定する。更に、制御装置は、センサネット端末が送信する無線パケットの基地局端末毎の受信時刻と各基地局端末の位置情報とから、センサネット端末の位置、即ち、荷物の位置を特定する。その後、制御装置は、特定した荷物の位置が、入力された移動先の位置情報が示す位置に一致しているかどうかを判定し、一致している場合は、運搬終了と判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、上記特許文献1に開示されたクレーンシステムによれば、オペレータによるクレーンの操作を必要とすることなく、荷物を、指示された場所へと運搬することができる。しかしながら、上記特許文献1に開示されたクレーンシステムには、運搬先の状況に応じてクレーンの位置を調整することができないという問題がある。
【0008】
例えば、荷物が、工場内で製作された生産物であり、この生産物を、トラックの荷台の所定の位置に荷積みする場合を想定する。この場合、トラックの位置にはバラツキが生じ易く、トラックの荷台は車種によって異なることから、トラックの荷台に正確に生産物を荷積みするためには、荷台の位置に合わせてクレーンの位置を調整する必要がある。また、トラックの荷台には、通常、輸送時に荷物を固定するための治具が設置されているため、クレーンの位置の調整は治具の位置に応じて行う必要もある。更に、治具の位置は、トラックによって異なる場合がある。このため、上記特許文献1に開示されたクレーンシステムでは、トラックのような輸送用の移動体に荷物を荷積みすることは困難である。
【0009】
本発明の目的の一例は、運搬システムによる荷積みの自動化を支援し得る、荷積み自動化支援装置、荷積み自動化支援方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における荷積み自動化支援装置は、
移動体の側方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、側方データ取得部と、
前記側方データ取得部が取得した前記3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、前記移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する、荷物検出部と、
前記側方データ取得部が取得した前記3次元点群データのうち、検出された前記荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、前記荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、前記治具の移動体後方側の面を検出する、治具検出部と、
検出された前記荷物の面と検出された前記治具の面との間の距離を算出する、距離算出部と、
を備えている、ことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における荷積み自動化支援方法は、
移動体の側方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、側方データ取得ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、前記移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する、荷物検出ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、検出された前記荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、前記荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、前記治具の移動体後方側の面を検出する、治具検出ステップと、
検出された前記荷物の面と検出された前記治具の面との間の距離を算出する、距離算出ステップと、
を有する、ことを特徴とする。
【0012】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、
コンピュータに、
移動体の側方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、側方データ取得ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、前記移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する、荷物検出ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、検出された前記荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、前記荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、前記治具の移動体後方側の面を検出する、治具検出ステップと、
検出された前記荷物の面と検出された前記治具の面との間の距離を算出する、距離算出ステップと、
を実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように本発明によれば、運搬システムによる荷積みの自動化を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1における荷積み自動化支援装置の概略構成を示す構成図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1において荷積みされる荷物及び移動体の一例を示す図であり、
図2(a)は側面図、
図2(b)は上面図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1における荷積み自動化支援装置の構成と支援対象となる運搬システムの一例とを示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1での側方から取得される3次元点群データの一例をトラックの側面側から示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1での荷物検出部における処理を説明するための図であり、
図5(a)はコイル材付近の3次元点群データをトラックの側面側から示し、
図5(b)はXY平面に投影されたコイル材付近の点群を示し、
図5(c)は検出されたコイル材の面を示す。
【
図6】
図6は、実施の形態1での治具検出部における処理を説明するための図であり、
図6(a)は治具検出用に抽出された3次元点群データをトラックの上面側から示し、
図6(b)は治具検出用に抽出された3次元点群データをトラックの側面側から示す。
【
図7】
図7は、実施の形態1における距離算出部における処理を説明するための図であり、
図7(a)は治具の面を表す3次元点群データをトラックの上面側から示し、
図7(b)は検出されたコイル材の面及び治具の面を示す。
【
図8】
図8は、実施の形態1における荷積み自動化支援装置の動作を示すフロー図である。
【
図9】
図9は、実施の形態2において荷積みされる荷物及び移動体の一例を示す図であり、
図9(a)は側面図、
図9(b)は上面図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2における荷積み自動化支援装置の構成と支援対象となる運搬システムの一例とを示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態2において後方から取得される3次元点群データの一例を示す図であり、
図11(a)は、後方深度センサから取得された3次元点群データ全体を深度センサの斜め後方から示し、
図11(b)は、トラックに相当する3次元点群データをトラックの上面側から示す。
【
図12】
図12は、実施の形態2での荷台検出部における処理を説明するための図であり、
図12(a)は、トラックの荷台付近の3次元点群データをトラックの後面側から示し、
図12(b)は、
図12(a)に示した3次元点群データから抽出された荷台上面のみの3次元点群データをトラックの上面側から示す。
【
図13】
図13は、実施の形態2において荷台上のスキッドの外側の位置の推定処理を説明するための図であり、
図13に示した3次元点群データをトラックの後面側から示している。
【
図14】
図14は、実施の形態2において荷台上の治具の推定処理を説明するための図であり、トラックの荷台をトラックの上面から示している。
【
図15】
図15は、実施の形態2において荷台上のスキッドの内側の位置の推定処理を説明するための図であり、トラックの荷台をトラックの上面から示している。
【
図16】
図16は、実施の形態2において荷台上のスキッドの高さの推定処理を説明するための図であり、トラックの荷台をトラックの上面から示している。
【
図17】
図17は、実施の形態2において荷台上の干渉物の探索処理を説明するための図であり、トラックの荷台をトラックの上面から示している。
【
図18】
図18は、実施の形態2における荷積み自動化支援装置の動作を示すフロー図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施の形態1及び2における荷積み自動化支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、実施の形態1における、荷積み自動化支援装置、荷積み自動化支援方法、及びプログラムについて、
図1~
図8を参照しながら説明する。
【0016】
[装置構成]
最初に、実施の形態1における荷積み自動化支援装置の概略構成について
図1を用いて説明する。
図1は、実施の形態1における荷積み自動化支援装置の概略構成を示す構成図である。
【0017】
図1に示す実施の形態1における荷積み自動化支援装置10は、荷物の運搬システムによる荷積みを支援するための装置である。
図1に示すように、荷積み自動化支援装置10は、側方データ取得部11と、荷物検出部12と、治具検出部13と、距離算出部14とを備えている。
【0018】
側方データ取得部11は、深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する。この深度センサは、移動体の側方に配置されており、以下「側方深度センサ」と表記する。
【0019】
荷物検出部12は、側方データ取得部11が取得した3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する。
【0020】
治具検出部13は、側方データ取得部11が取得した3次元点群データのうち、検出された荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、治具の移動体後方側の面を検出する。
【0021】
距離算出部14は、検出された荷物の面と検出された治具の面との間の距離を算出する。その後、荷積み自動化支援装置10は、算出された距離を、支援対象となる運搬システムに送信する。運搬システムは、送信されてきた距離を用いて、移動体の荷台に荷物を荷積みする際に必要な各種制御を実行する。
【0022】
以上のように、荷積み自動化支援装置10は、移動体の荷台上にある荷物と治具との距離を算出できる。そして、得られた距離は、深度センサから得られた3次元点群データを用いて算出されており、正確な値となっている。このため、荷積み自動化支援装置10は、運搬システムにおける荷積みの自動化を支援することができる。
【0023】
続いて、
図2を用いて実施の形態1において荷積みされる荷物及び移動体について説明する。
図2は、実施の形態1において荷積みされる荷物及び移動体の一例を示す図であり、
図2(a)は側面図、
図2(b)は上面図である。
【0024】
図2(a)及び(b)に示すように、実施の形態1においては、荷物20は、円柱状を呈した物体、具体的には、鋼板をロール状に丸めることによって得られたコイル材である。以下においては、「コイル材20」とも表記する。コイル材20を設置するための治具21としては、立方体状又は直方体情報を呈した物体が用いられている。
【0025】
また、実施の形態1においては、移動体40は、トラックである。以下においては「トラック40」とも表記する。トラック40は荷台41を備えている。実施の形態1においては、移動体前方側をトラック前方側、移動体後方側をトラック後方側とも表記する。
【0026】
コイル材20及び治具21は、トラック40の荷台41上に配置される。このとき、コイル材20は、円柱を構成する一方の端面がトラック前方側を向き、他方の端面がトラック後方側を向くように配置される。治具21は、一面がトラック前方側を向き、それと対向する面がトラック後方側を向くように配置されている。また、
図2(a)及び(b)の例では、荷台41には、コイル材を固定するためのスキッド22も配置されている。スキッドは2本のレール状の部材によって構成されている。
【0027】
更に、
図2(a)及び(b)に示すように、実施の形態1においては、側方深度センサ31は、トラック40の側方において、荷台41に配置されたコイル材20と治具21とをセンシングできるように配置されている。
【0028】
側方深度センサ31は、物体までの深度(距離)を示す信号を出力可能なセンサである。側方深度センサ31としては、TOF(Time Of Flight)カメラ、LiDAR(Light Detection and Ranging)等が挙げられる。
図2(a)及び(b)の例では、側方深度センサ31は、3次元のLiDARであり、被写体の3次元点群データを出力する。側方深度センサ31は、後述の
図3に示すように、荷積み自動化支援装置10に接続されており、3次元点群データを荷積み自動化支援装置10に送る。
【0029】
続いて、
図3を用いて、実施の形態1における荷積み自動化支援装置10の構成について具体的に説明する。
図3は、実施の形態1における荷積み自動化支援装置の構成と支援対象となる運搬システムの一例とを示す図である。
図3に示すように、運搬システム50は、工場内に設置されたクレーン51と、制御装置52とを備えている。
【0030】
クレーン51は、
図3の例では、工場の天井近くに設置されたランウェイに沿って移動する天井クレーンである。クレーン51の種類は、実施の形態1では特に限定されるものではない。制御装置52は、クレーン51自体の移動、ホイストの移動、フックの上下動を制御する。制御装置52は、例えば、荷物の位置と、荷物の運搬先の位置とが指定されると、クレーン51を制御して、指定された位置にある荷物を運搬先の位置へと運搬する。
【0031】
また、
図3に示すように、荷積み自動化支援装置10は、制御装置52に、データ通信可能に接続されており、算出したコイル材20の面と治具21の面との間の距離を示す情報を送信する。制御装置52は、送信されてきた情報を、クレーン51の制御に利用する。
【0032】
続いて、
図4~
図7を用いて、実施の形態1における荷積み自動化支援装置10の機能について具体的に説明する。
【0033】
図4は、実施の形態1において側方から取得される3次元点群データの一例をトラックの側面側から示す図である。側方データ取得部11は、実施の形態1では、トラック40の側方に配置された側方深度センサ31から、3次元点群データを取得する。取得される3次元点群データの一例は、
図4の上図に示す通りである。実施の形態1では、3次元点群データにおいて、トラック40(
図2参照)の前後方向を「横方向:Y方向」、トラック40の幅方向を「奥行き方向:X方向」、トラック40の高さ方向を「高さ方向:Z方向」とする。
【0034】
図5は、実施の形態1での荷物検出部における処理を説明するための図であり、
図5(a)はコイル材付近の3次元点群データをトラックの側面側から示し、
図5(b)はXY平面に投影されたコイル材付近の点群を示し、
図5(c)は検出されたコイル材の面を示す。
【0035】
荷物検出部12は、実施の形態1では、まず、側方データ取得部11が取得した3次元点群データのうち、近距離領域にある3次元点群データを抽出する。具体的には、
図4に示すように、荷物検出部12は、奥行き方向の値が設定値以下となる点のみで構成された3次元点群データを抽出する。これにより、トラック40の荷台以外に位置している物体の点群が除去される。
図4の上図において枠状の破線で囲まれた領域が抽出された領域である。
図4の下図は抽出された3次元点群データのみを示している。
【0036】
続いて、荷物検出部12は、
図4には示されていないが、抽出した3次元点群データをボクセル化する。ボクセル化は、例えば、各ボックスの一辺を1cmに設定し、点の数が4以下のボックスをノイズとして除去することによって行われる。ノイズとして除去されなかったボックスは有効ボックスとされる。
【0037】
更に、荷物検出部12は、
図5(a)に示すように、
図4で抽出された3次元点群データの有効ボックスの上半分の3次元点群データ(枠状の破線で囲まれた部分)を特定する。そして、荷物検出部12は、
図5(b)に示すように、特定した3次元点群データをXY平面に投影する。
【0038】
続いて、荷物検出部12は、
図5(b)に示すXY平面に投影された点群に対してハフ変換を実行し、XY平面上において、コイル材20(
図2参照)の面となり得る線分の候補を複数検出する。次に、荷物検出部12は、複数の候補の中から、設定条件に従って、コイル材20の面に対応する線分を決定する。そして、荷物検出部12は、決定した線分を含み、且つ、XY平面に垂直な面をコイル材20の面として検出する。設定条件としては、Y方向に沿った軸に対する角度が小さいこと、直線状の部分が長いこと等が挙げられる。また、このとき検出される面は、コイル材の移動体前方側の面である。
【0039】
図6は、実施の形態1での治具検出部における処理を説明するための図であり、
図6(a)は治具検出用に抽出された3次元点群データをトラックの上面側から示し、
図6(b)は治具検出用に抽出された3次元点群データをトラックの側面側から示す。
【0040】
治具検出部13は、実施の形態1では、まず、荷物検出部12が検出したコイル材20の面において、最も手前側(深度センサ側)の点(以下「コイル面手前端点」と表記する。)を特定し、特定したコイル面手前端点からコイル材20の半径分(既定値)奥側の位置をコイル材20の中心と推定する(
図5(c)参照)。
【0041】
続いて、治具検出部13は、
図6(a)及び(b)に示すように、荷物検出部12によって抽出及びボクセル化された3次元点群データ(
図4の下図参照)から、推定したコイル材20の中心を基準にした所定範囲内にある3次元点群データを抽出する。所定範囲は、治具21の大きさに応じて適宜設定される。
【0042】
更に、治具検出部13は、抽出した3次元点群データをY方向に沿って探索して、治具21(
図2参照)の上面を検出する。具体的には、
図6(b)に示すように、治具検出部13は、例えば、トラック前方側の高さとトラック後方側の高さとの差がαcm以上ある箇所、即ち段差のある箇所を特定する。次に、治具検出部13は、例えば、特定した箇所よりトラック前方側において高さが±βcm以内の領域がγcm以上続く場合は、この領域を治具21の上面として検出する。なお、α、β、γの値も、治具21の大きさに応じて適宜設定される。そして、治具検出部13は、治具21の上面を決定すると、段差のある箇所におけるXY平面に垂直な面を特定し、特定した面を治具の面として検出する。このとき検出される面は、治具21の移動体後方側の面である。
【0043】
図7は、実施の形態1での距離算出部における処理を説明するための図であり、
図7(a)は治具の面を表す3次元点群データをトラックの上面側から示し、
図7(b)は検出されたコイル材の面及び治具の面を示す。
【0044】
距離算出部14は、実施の形態1では、
図7(a)に示すように、治具の面を中心にした所定範囲にある3次元点群データをXY平面に投影する。続いて、距離算出部14は、投影された点群にオープニングがある場合は、オープニングの箇所に点群を追加する。そして、距離算出部14は、
図7(b)に示すように、投影された点群のY方向における2つの端点を特定し、各端点と、荷物検出部12によって検出されたコイル材の面との距離を算出する。その後、距離算出部14は、端点毎の距離のうち、短い方の距離を、コイル材の面と治具の面との距離に決定する。
【0045】
距離算出部14による距離算出が終了すると、上述したように、荷積み自動化支援装置10は、制御装置52に、算出した荷物の面と治具の面との間の距離を示す情報を送信する。これにより、制御装置52は、送信されてきた情報を、クレーン51の制御に利用する。
【0046】
[装置動作]
次に、実施の形態1における荷積み自動化支援装置10の動作について
図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態1における荷積み自動化支援装置10の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜
図1~
図7を参照する。また、実施の形態1では、荷積み自動化支援装置10を動作させることによって、荷積み自動化支援方法が実施される。よって、実施の形態1における荷積み自動化支援方法の説明は、以下の荷積み自動化支援方法の動作説明に代える。
【0047】
図8に示すように、最初に、側方データ取得部11が、トラック40の側方に配置された側方深度センサ31から、3次元点群データを取得する(ステップA1)。
【0048】
次に、荷物検出部12は、ステップA1で取得された3次元点群データのうち、設定高さ以上にある点群データを用いて、移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する(ステップA2)。
【0049】
具体的には、ステップA2では、荷物検出部12は、
図4に示したように、側方データ取得部11が取得した3次元点群データのうち、近距離領域にある3次元点群データを抽出し、更に、抽出した3次元点群データをボクセル化する。
【0050】
更に、荷物検出部12は、
図5(a)及び(b)に示したように、ステップA2で抽出及びボクセル化された3次元点群データの有効ボックスの上半分の3次元点群データを特定し、特定した3次元点群データをXY平面に投影する。
【0051】
そして、荷物検出部12は、XY平面に投影された点群に対してハフ変換を実行して、XY平面上で、コイル材20の面となり得る線分の候補を複数検出し、複数の候補の中から、設定条件に従って、コイル材の面に対応する線分を決定する。その後、荷物検出部12は、決定した線分を含み、且つ、XY平面に垂直な面をコイル材20の面として検出する。
【0052】
次に、治具検出部13は、ステップA1で取得された3次元点群データのうち、検出されたコイル材20の面のトラック前方側にある3次元点群データを用いて、荷台上に配置されている治具21の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、治具の移動体後方側の面を検出する(ステップA3)。
【0053】
具体的には、ステップA3では、治具検出部13は、
図5(c)に示すように、コイル材20の中心を推定し、
図6(a)及び(b)に示すように、ステップA2で抽出及びボクセル化された3次元点群データから、コイル材20の中心を基準にした所定範囲内にある3次元点群データを抽出する。
【0054】
更に、治具検出部13は、ステップA5で抽出した3次元点群データをY方向に沿って探索して、治具21の上面を検出し、検出した上面に基づいて、段差のある箇所におけるXY平面に垂直な面を特定し、特定した面を治具の面として検出する。
【0055】
次に、距離算出部14は、ステップA2で検出されたコイル材20の面とステップA3で検出された治具21の面との間の距離を算出する(ステップA4)。
【0056】
具体的には、ステップA4では、距離算出部14は、
図7(a)に示すように、治具21の面を中心にした所定範囲にある3次元点群データをXY平面に投影し、投影された点群のY方向における2つの端点を特定する。そして、距離算出部14は、各端点とコイル材20の面との距離を用いて、コイル材20の面と治具21の面との距離を算出する。
【0057】
次に、距離算出部14は、制御装置52に、ステップA4で算出したコイル材20の面と治具21の面との間の距離を示す情報を送信する(ステップA5)。これにより、制御装置52は、送信されてきた情報を、クレーン51の制御に利用する。
【0058】
以上のように、荷積み自動化支援装置10は、トラック40の荷台上にあるコイル材20と治具21との距離を算出し、これを制御装置52に送信する。また、距離の算出は、側方深度センサ31であるLiDARが出力した3次元点群データを用いて行われており、その値は正確である。このため、荷積み自動化支援装置10は、運搬システム50によるコイル材20のトラック40への荷積みの自動化を支援することができる。
【0059】
[プログラム]
実施の形態1におけるプログラムは、コンピュータに、
図8に示すステップA1~A5を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、実施の形態1における荷積み自動化支援装置10と荷積み自動化支援方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、側方データ取得部11、荷物検出部12、治具検出部13、及び距離算出部14として機能し、処理を行なう。コンピュータとしては、汎用のPCの他に、スマートフォン、タブレット型端末装置が挙げられる。
【0060】
実施の形態1におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されても良い。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、側方データ取得部11、荷物検出部12、治具検出部13、及び距離算出部14のいずれかとして機能しても良い。
【0061】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2における、荷積み自動化支援装置、荷積み自動化支援方法、及びプログラムについて、
図9~
図18を参照しながら説明する。
【0062】
[装置構成]
最初に、実施の形態2における荷積み自動化支援装置の構成について
図9及び
図10を用いて説明する。
図9は、実施の形態2において荷積みされる荷物及び移動体の一例を示す図であり、
図9(a)は側面図、
図9(b)は上面図である。
図10は、実施の形態2における荷積み自動化支援装置の構成と支援対象となる運搬システムの一例とを示す図である。
【0063】
図9(a)及び(b)に示すように、実施の形態2においても、荷物20は、実施の形態1と同様に、コイル材である。治具21としては、立方体状又は直方体情報を呈した物体が用いられている。治具21は、一面が移動体前方側を向き、それと対向する面が移動体後方側を向くように配置されている。更に、実施の形態2においても、移動体40は、実施の形態1と同様に、トラックである。
【0064】
加えて、
図9(a)及び(b)に示すように、実施の形態2においても、側方深度センサ31が、トラック40の側方において、荷台41に配置されたコイル材20と治具21とをセンシングできるように配置されている。
【0065】
但し、実施の形態2においては、実施の形態1と異なり、トラック40の後方にも、深度センサ32が設置されている。深度センサ(以下「後方深度センサ」と表記する)32としても、側方深度センサ31と同様に、3次元のLiDARが用いられている。後方深度センサ32は、トラック後方からのセンシングによる3次元点群データを出力する。また、後方深度センサ32は、後述の
図10に示すように、実施の形態2における荷積み自動化支援装置60に接続されており、トラック後方からの3次元点群データを荷積み自動化支援装置60に送る。
【0066】
図10に示すように、実施の形態2における荷積み自動化支援装置60は、実施の形態1と同様に、運搬システム50における荷積みを支援するための装置である。運搬システム50は、実施の形態2では、工場内に設置されたクレーン51と、制御装置52とに加えて、位置調整装置53も備えている。位置調整装置53は、トラック側方に配置された側方深度センサ31の位置を調整する装置である。
図10には示されていないが、位置調整装置53は、ボールネジ等の移動機構、駆動用の電動機等を備えている。
【0067】
クレーン51は、実施の形態1と同様に、工場の天井近くに設置されたランウェイに沿って移動する天井クレーンである。制御装置52は、実施の形態1と同様に、荷積み自動化支援装置60にデータ通信可能に接続されている。制御装置52は、荷積み自動化支援装置60から送信されてきた情報を、クレーン51の制御に利用する。また、制御装置52は、実施の形態2では、後述するように、荷積み自動化支援装置60から送信されてきた情報に基づいて、位置調整装置53を制御する。
【0068】
図10に示すように、荷積み自動化支援装置60は、側方データ取得部11と、荷物検出部12と、治具検出部13と、距離算出部14と、後方データ取得部15と、移動体特定部16と、荷台検出部17とを備えている。
【0069】
このうち、側方データ取得部11、荷物検出部12、治具検出部13、及び距離算出部14は、実施の形態1と同様に構成されており、更に同様の機能を備えている。このため、実施の形態2では、側方データ取得部11、荷物検出部12、治具検出部13、及び距離算出部14についての説明は省略する。
【0070】
後方データ取得部15は、移動体であるトラック40の後方に配置された後方深度センサ32からの3次元点群データを取得する。移動体特定部16は、後方データ取得部15が取得した3次元点群データから、トラック40に相当する点群データを特定する。
【0071】
荷台検出部17は、移動体特定部16が特定した点群データを用いて、トラック40の荷台の高さを特定し、特定した荷台の高さ以上にある点群データを用いて、荷台41の上のコイル材20を搭載可能な領域を検出する。
【0072】
ここで、
図11~
図18を用いて、実施の形態2における荷積み自動化支援装置60の機能について具体的に説明する。
【0073】
図11は、実施の形態2において後方から取得される3次元点群データの一例を示す図であり、
図11(a)は、後方深度センサから取得された3次元点群データ全体を深度センサの斜め後方から示し、
図11(b)は、トラックに相当する3次元点群データをトラックの上面側から示す。
【0074】
後方データ取得部15は、実施の形態2では、移動体40の後方に配置された後方深度センサ32から、3次元点群データを取得する。取得される3次元点群データの一例は、
図11(a)に示す通りである。実施の形態2では、3次元点群データにおいて、トラック40(
図9参照)の前後方向を「奥行き方向:Y方向」、トラック40の幅方向を「横方向:X方向」、トラック40の高さ方向を「高さ方向:Z方向」とする。
【0075】
移動体特定部16は、
図11(a)に示した3次元点群データから、
図11(b)に示すトラック40に相当する3次元点群データを特定する。具体的には、移動体特定部16は、予め設定された領域に存在する3次元点群データを抽出する。抽出対象となる領域は、トラック40のサイズ、駐車エリアの位置等に応じて適宜設定される。
【0076】
図12は、実施の形態2での荷台検出部における処理を説明するための図であり、
図12(a)は、トラックの荷台付近の3次元点群データをトラックの後面側から示し、
図12(b)は、
図12(a)に示した3次元点群データから抽出された荷台上面のみの3次元点群データをトラックの上面側から示す。
【0077】
荷台検出部17は、まず、移動体特定部16によって特定された3次元点群データを用いて、トラック40(
図9参照)の高さ方向(Z方向)における射影ヒストグラムを生成する。続いて、荷台検出部17は、この射影ヒストグラムに基づいて、荷台高さ、荷台上の物体の下端、荷台上の物体の上端を算出する。
【0078】
具体的には、荷台検出部17は、例えば、射影ヒストグラムにおいて、全投票の中で最大投票数の箇所を特定し、特定した箇所の高さを荷台高さに設定する。また、荷台検出部17は、設定した荷台高さに、所定値を加算して、得られた値を、荷台上の物体の下端に設定し、設定した荷台上の物体の下端に、別の所定値を加算して、得られた値を荷台上の物体の上端に設定する。この場合に用いられる所定値は、治具21及びスキッド22の高さ、更には荷台41に配置されている部材の厚み等に応じて適宜設定される。
【0079】
続いて、荷台検出部17は、荷台上の物体の下端と、荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを抽出する。抽出された3次元点群データは、
図12(b)に示す通りである。また、荷台検出部17は、実施の形態1で述べた荷物検出部12と同様に、ノイズ除去のために、抽出した3次元点群データをボクセル化することができる。
【0080】
図13は、実施の形態2において荷台上のスキッドの外側の位置の推定処理を説明するための図であり、
図13に示した3次元点群データをトラックの後面側から示している。
【0081】
荷台検出部17は、荷台上の物体の下端と荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを用いて、トラックの幅方向(X方向)における射影ヒストグラムを生成する。続いて、荷台検出部17は、射影ヒストグラムを中心で分割し、図中左側の部分と図中右側の部分それぞれにおいて、平均の高さを算出する。
【0082】
また、荷台検出部17は、この射影ヒストグラムを図中左側から探索して、初めて平均の高さ以上になった箇所を図中左側のスキッド22の外側の位置に設定する。また、荷台検出部17は、この射影ヒストグラムを図中右側から探索して、初めて平均の高さ以上になった箇所を図中右側のスキッド22の外側の位置に設定する。
【0083】
図14は、実施の形態2において荷台上の治具の推定処理を説明するための図であり、トラックの荷台をトラックの上面から示している。
図14において、トラック40の荷台41上には、治具21及びスキッド22が配置されている。
【0084】
荷台検出部17は、
図14に示すように、荷台上の物体の下端と荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを用いて、右側及び左側のスキッド22で囲まれた部分に、例えば、領域n1~n5を設定し、各領域において、トラックの前後方向(Y方向)における射影ヒストグラムを生成する。そして、荷台検出部17は、例えば、射影ヒストグラムにおいて、トラック前方側が後方側よりも値が大きくなっている領域を、治具21の候補領域に設定する。なお、
図14の例では、領域の数は5つに設定されているが、領域の数は特に限定されることはない。
【0085】
続いて、荷台検出部17は、候補領域において、トラックの高さ方向(Z方向)における射影ヒストグラムを生成し、例えば、この射影ヒストグラムにおいて最大値から連続する部分を、治具21の上面に設定し、この部分の高さを治具21の高さに設定する。
【0086】
更に、荷台検出部17は、候補領域において、トラックの幅方向(X方向)における射影ヒストグラムを生成し、例えば、この射影ヒストグラムにおいて最大値から連続する部分の長さを、治具21の幅に設定する。
【0087】
加えて、荷台検出部17は、候補領域をトラックの前後方向に所定値だけ広げた領域において、トラックの前後方向(Y方向)における射影ヒストグラムを生成し、この射影ヒストグラムにおいて最大値となる位置を、治具21の端面の位置に設定する。
【0088】
図15は、実施の形態2において荷台上のスキッドの内側の位置の推定処理を説明するための図であり、トラックの荷台をトラックの上面から示している。
図15においても、トラック40の荷台41上には、治具21及びスキッド22が配置されている。
【0089】
荷台検出部17は、
図15に示すように、設定した治具21の端面の位置を最も奥の縁として、左右においてはスキッドの外側より広がるようにして、領域Aを設定する。更に、荷台検出部17は、荷台上の物体の下端と荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを用いて、トラックの幅方向(X方向)における射影ヒストグラムを求める。
【0090】
次に、荷台検出部17は、この射影ヒストグラムを中心から左側に探索して、初めて平均の高さ以上になった箇所を図中左側のスキッド22の内側の位置に設定する。また、荷台検出部17は、この平均の射影ヒストグラムを中心から右側に探索して、初めて平均の高さ以上になった箇所を図中右側のスキッド22の内側の位置に設定する。
【0091】
図16は、実施の形態2において荷台上のスキッドの高さの推定処理を説明するための図であり、トラックの荷台をトラックの上面から示している。
図16においても、トラック40の荷台41上には、治具21及びスキッド22が配置されている。
【0092】
荷台検出部17は、
図16に示すように、スキッド22上に複数の領域を設定する。
図16において、枠状の破線が、設定された領域を示している。次に、荷台検出部17は、荷台上の物体の下端と荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを用いて、領域毎に、最大高さを特定し、左右のスキッド22それぞれ毎に、最大高さの平均値を算出し、算出した各平均値を各スキッド22の高さに設定する。
【0093】
図17は、実施の形態2において荷台上の干渉物の探索処理を説明するための図であり、トラックの荷台をトラックの上面から示している。
図17においても、トラック40の荷台41上には、治具21及びスキッド22が配置されている。
【0094】
荷台検出部17は、
図17に示すように、荷台41において、5つの領域B1~B5を設定し、荷台上の物体の下端と荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを用いて、領域毎に、各領域の基準高さよりも高い物体を探索する。領域B1及びB2において基準高さは右側のスキッド22の高さである。領域B3において基準高さは荷台41の高さである。領域B4及びB5において基準高さは左側のスキッド22の高さである。領域B1~B5の長さは、コイル材の大きさに応じて適宜設定される。
【0095】
そして、荷台検出部17は、検出したコイル材を搭載可能な領域の情報を制御装置52に送信する。具体的には、情報には、左右スキッド22の外側の中心位置、治具21の端面(トラック後方側の面)の位置、荷台41の高さ、及び干渉物の有無が含まれる。
【0096】
運搬システム50において、制御装置52は、送信されてきた情報に基づいて、位置調整装置53を制御して、トラック40の側方にある側方深度センサ31の位置を調整する。これにより、側方深度センサ31は、トラック40の側方において、荷台41に配置されたコイル材20と治具21とをセンシングできるように配置される。そして、コイル材20が荷台41に仮置きされ、仮置きの終了が入力されると、制御装置52は、仮置きが完了したことを荷積み自動化支援装置60に通知する。この後、荷積み自動化支援装置60においても、実施の形態1で示した処理が実行される。この結果、実施の形態2においても、荷積み自動化支援装置60は、制御装置52に、算出した荷物20の面と治具21の面との間の距離を示す情報を送信する。
【0097】
[装置動作]
次に、実施の形態2における荷積み自動化支援装置60の動作について
図18を用いて説明する。
図18は、実施の形態2における荷積み自動化支援装置60の動作を示すフロー図である。以下の説明においては、適宜
図9~
図17を参照する。また、実施の形態21では、荷積み自動化支援装置60を動作させることによって、荷積み自動化支援方法が実施される。よって、実施の形態2における荷積み自動化支援方法の説明は、以下の荷積み自動化支援方法の動作説明に代える。
【0098】
図18に示すように、最初に、後方データ取得部15はトラック40の後方に配置された後方深度センサ32から、3次元点群データを取得する(ステップB1)。
【0099】
次に、移動体特定部16は、ステップB1で取得された3次元点群データから、トラック40に相当する点群データを特定する(ステップB2)。具体的には、ステップB2では、移動体特定部16は、予め設定された領域に存在する3次元点群データを抽出する。
【0100】
次に、荷台検出部17は、ステップB2で特定された点群データを用いて、トラック40の荷台41の高さを特定し、特定した荷台の高さ以上にある点群データを用いて、荷台41の上のコイル材20を搭載可能な領域を検出する(ステップB3)。
【0101】
具体的には、ステップB3では、荷台検出部17は、まず、ステップB2で特定された3次元点群データを用いて、
図12に示したように、トラック40の荷台高さ、荷台上の物体の下端、荷台上の物体の上端を算出する。更に、荷台検出部17は、荷台上の物体の下端と、荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを抽出する。
【0102】
ステップB3では、続いて、荷台検出部17は、
図13に示すように、荷台上の物体の下端と荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを用いて、トラック40の荷台41にある左右のスキッドの外側の位置を推定する。更に、荷台検出部17は、
図14に示すように、荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを用いて、治具21の高さ、治具21の幅、及び治具21の端面を特定する。
【0103】
ステップB3では、続いて、荷台検出部17は、
図15に示すように、台上の物体の下端と荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを用いて、トラック40の荷台41にある左右のスキッドの内側の位置を推定する。また、荷台検出部17は、
図16に示すように、台上の物体の下端と荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを用いて、スキッドの高さを特定する。更に、荷台検出部17は、
図17に示すように、台上の物体の下端と荷台上の物体の上端との間にある3次元点群データを用いて、荷台上の干渉物を探索する。
【0104】
次に、荷台検出部17は、ステップB3の終了後、検出したコイル材を搭載可能な領域の情報を制御装置52に送信する(ステップB4)。ステップB4で送信される情報には、左右スキッド22の外側の中心位置、治具21の端面(トラック後方側の面)の位置、荷台41の高さ、及び干渉物の有無が含まれる。
【0105】
ステップB4が実行されると、運搬システム50において、制御装置52は、送信されてきた情報に基づいて、位置調整装置53を制御して、トラック40の側方にある側方深度センサ31の位置を調整する。また、コイル材20が荷台41に仮置きされると、制御装置52は、仮置きの完了を荷積み自動化支援装置60に通知する。
【0106】
ステップB4の実行後、荷台検出部17は、制御装置52から仮置きの完了が通知されているかどうかを判定する(ステップB5)。ステップB5の判定の結果、未だ仮置きの完了が通知されていない場合は、荷台検出部17は、待機状態となり、設定時間毎に再度ステップB5を実行する。
【0107】
一方、ステップB5の判定の結果、仮置きの完了が通知されている場合は、側方データ取得部11が、トラック40の側方に配置された側方深度センサ31から、3次元点群データを取得する(ステップB6)。ステップB1は、
図8に示したステップA1と同様のステップである。
【0108】
次に、荷物検出部12は、ステップB6で取得された3次元点群データのうち、設定高さ以上にある点群データを用いて、移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する(ステップB7)。ステップB7は、
図8に示したステップA2と同様のステップである。
【0109】
次に、治具検出部13は、ステップB6で取得された3次元点群データのうち、検出されたコイル材20の面のトラック前方側にある3次元点群データを用いて、荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、治具21の移動体後方側の面を検出する(ステップB8)。ステップB8は、
図8に示したステップA3と同様のステップである。
【0110】
次に、距離算出部14は、ステップB7で検出されたコイル材20の面とステップB8で検出された治具21の面との間の距離を算出する(ステップB9)。ステップB9は、
図8に示したステップA4と同様のステップである。
【0111】
次に、距離算出部14は、制御装置52に、ステップB9で算出したコイル材20の面と治具21の面との間の距離を示す情報を送信する(ステップB10)。これにより、制御装置52は、送信されてきた情報を、クレーン51の制御に利用する。
【0112】
以上のように、荷積み自動化支援装置60によれば、側方に配置された側方深度センサ31の位置が自動的に調整され、トラック40の荷台上にあるコイル材20と治具21との距離が算出される。実施の形態2によれば、運搬システム50によるコイル材20のトラック40への荷積みの自動化をいっそう支援することができる。
【0113】
[プログラム]
実施の形態2におけるプログラムは、コンピュータに、
図18に示すステップB1~B10を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、実施の形態2における荷積み自動化支援装置60と荷積み自動化支援方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、側方データ取得部11、荷物検出部12、治具検出部13、距離算出部14、後方データ取得部15、移動体特定部16、及び荷台検出部17として機能し、処理を行なう。コンピュータとしては、汎用のPCの他に、スマートフォン、タブレット型端末装置が挙げられる。
【0114】
実施の形態2におけるプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されても良い。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、側方データ取得部11、荷物検出部12、治具検出部13、距離算出部14、後方データ取得部15、移動体特定部16、及び荷台検出部17のいずれかとして機能しても良い。
【0115】
(物理構成)
ここで、実施の形態1及び2におけるプログラムを実行することによって、荷積み自動化支援装置を実現するコンピュータについて
図19を用いて説明する。
図19は、本発明の実施の形態1及び2における荷積み自動化支援装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0116】
図19に示すように、コンピュータ110は、CPU(Central Processing Unit)111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0117】
また、コンピュータ110は、CPU111に加えて、又はCPU111に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていても良い。この態様では、GPU又はFPGAが、実施の形態におけるプログラムを実行することができる。
【0118】
CPU111は、記憶装置113に格納された、コード群で構成された実施の形態1または2におけるプログラムをメインメモリ112に展開し、各コードを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。
【0119】
また、実施の形態1または2におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0120】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。
【0121】
データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0122】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
【0123】
なお、実施の形態1及び2における荷積み自動化支援装置は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。更に、荷積み自動化支援装置は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【0124】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)~(付記12)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0125】
(付記1)
移動体の側方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、側方データ取得部と、
前記側方データ取得部が取得した前記3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、前記移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する、荷物検出部と、
前記側方データ取得部が取得した前記3次元点群データのうち、検出された前記荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、前記荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、前記治具の移動体後方側の面を検出する、治具検出部と、
検出された前記荷物の面と検出された前記治具の面との間の距離を算出する、距離算出部と、
を備えている、
ことを特徴とする荷積み自動化支援装置。
【0126】
(付記2)
付記1に記載の荷積み自動化支援装置であって、
前記移動体の後方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、後方データ取得部と、
前記後方データ取得部が取得した前記3次元点群データから、前記移動体に相当する3次元点群データを特定する、移動体特定部と、
前記移動体特定部が特定した点群データを用いて、前記移動体の荷台の高さを特定し、特定した前記荷台の高さ以上にある点群データを用いて、前記荷台上の前記荷物を搭載可能な領域を検出する、荷台検出部と、
を更に備えている、
ことを特徴とする荷積み自動化支援装置。
【0127】
(付記3)
付記2に記載の荷積み自動化支援装置であって、
前記荷台検出部が検出した前記荷物を搭載可能な領域に基づいて、前記移動体の側方に配置された前記深度センサの位置が調整された後に、前記側方データ取得部が、前記3次元点群データを取得する、
ことを特徴とする荷積み自動化支援装置。
【0128】
(付記4)
付記1~3のいずれかに記載の荷積み自動化支援装置であって、
前記荷物が、円柱状を呈した物体であり、前記荷台上に、円柱を構成する一方の端面が移動体前方側を向き、他方の端面が移動体後方側を向くように配置され、
前記治具が、立方体形状又は直方体形状を呈した物体であり、前記荷台上に、立方体又は直方体の一面が移動体前方側を向き、それと対向する面が移動体後方側を向くように配置されている、
ことを特徴とする荷積み自動化支援装置。
【0129】
(付記5)
移動体の側方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、側方データ取得ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、前記移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する、荷物検出ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、検出された前記荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、前記荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、前記治具の移動体後方側の面を検出する、治具検出ステップと、
検出された前記荷物の面と検出された前記治具の面との間の距離を算出する、距離算出ステップと、
を有する、
ことを特徴とする荷積み自動化支援方法。
【0130】
(付記6)
付記5に記載の荷積み自動化支援方法であって、
前記移動体の後方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、後方データ取得ステップと、
前記後方データ取得ステップによって取得された前記3次元点群データから、前記移動体に相当する3次元点群データを特定する、移動体特定ステップと、
前記移動体特定ステップによって特定された点群データを用いて、前記移動体の荷台の高さを特定し、特定した前記荷台の高さ以上にある点群データを用いて、前記荷台上の前記荷物を搭載可能な領域を検出する、荷台検出ステップと、
を更に有する、
ことを特徴とする荷積み自動化支援方法。
【0131】
(付記7)
付記6に記載の荷積み自動化支援方法であって、
前記荷台検出ステップによって検出された前記荷物を搭載可能な領域に基づいて、前記移動体の側方に配置された前記深度センサの位置が調整された後に、前記側方データ取得ステップにおいて、前記3次元点群データを取得する、
ことを特徴とする荷積み自動化支援方法。
【0132】
(付記8)
付記5~7のいずれかに記載の荷積み自動化支援方法であって、
前記荷物が、円柱状を呈した物体であり、前記荷台上に、円柱を構成する一方の端面が移動体前方側を向き、他方の端面が移動体後方側を向くように配置され、
前記治具が、立方体形状又は直方体形状を呈した物体であり、前記荷台上に、立方体又は直方体の一面が移動体前方側を向き、それと対向する面が移動体後方側を向くように配置されている、
ことを特徴とする荷積み自動化支援方法。
【0133】
(付記9)
コンピュータに、
移動体の側方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、側方データ取得ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、設定高さ以上にある3次元点群データを用いて、前記移動体の荷台上に配置されている荷物の移動体前方側の面を検出する、荷物検出ステップと、
前記側方データ取得ステップが取得した前記3次元点群データのうち、検出された前記荷物の面の移動体前方側にある3次元点群データを用いて、前記荷台上に配置されている治具の最上面にある点群データを特定し、更に、特定した点群データを用いて、前記治具の移動体後方側の面を検出する、治具検出ステップと、
検出された前記荷物の面と検出された前記治具の面との間の距離を算出する、距離算出ステップと、
を実行させる、プログラム。
【0134】
(付記10)
付記9に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記移動体の後方に配置された深度センサの出力データから生成された3次元点群データを取得する、後方データ取得ステップと、
前記後方データ取得ステップによって取得された前記3次元点群データから、前記移動体に相当する3次元点群データを特定する、移動体特定ステップと、
前記移動体特定ステップによって特定された点群データを用いて、前記移動体の荷台の高さを特定し、特定した前記荷台の高さ以上にある点群データを用いて、前記荷台上の前記荷物を搭載可能な領域を検出する、荷台検出ステップと、
を更に実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【0135】
(付記11)
付記10に記載のプログラムであって、
前記荷台検出ステップによって検出された前記荷物を搭載可能な領域に基づいて、前記移動体の側方に配置された前記深度センサの位置が調整された後に、前記側方データ取得ステップにおいて、前記3次元点群データを取得する、
ことを特徴とするプログラム。
【0136】
(付記12)
付記9~11のいずれかに記載のプログラムであって、
前記荷物が、円柱状を呈した物体であり、前記荷台上に、円柱を構成する一方の端面が移動体前方側を向き、他方の端面が移動体後方側を向くように配置され、
前記治具が、立方体形状又は直方体形状を呈した物体であり、前記荷台上に、立方体又は直方体の一面が移動体前方側を向き、それと対向する面が移動体後方側を向くように配置されている、
ことを特徴とするプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0137】
以上のように本発明によれば、運搬システムによる荷積みの自動化を支援することができる。本発明は、荷物の運搬の自動化を促進するシステムにおいて有用である。
【符号の説明】
【0138】
10 荷積み自動化支援装置
11 側方データ取得部
12 荷物検出部
13 治具検出部
14 距離算出部
15 後方データ取得部
16 移動体特定部
17 荷台検出部
20 荷物(コイル材)
21 治具
22 スキッド
31 深度センサ
32 深度センサ
40 移動体(トラック)
41 荷台
50 運搬システム
51 クレーン
52 制御装置
53 位置調整装置
60 荷積み自動化支援装置(実施の形態2)
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス