IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱マテリアル株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-温度センサ 図1
  • 特開-温度センサ 図2
  • 特開-温度センサ 図3
  • 特開-温度センサ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036177
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】温度センサ
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/08 20210101AFI20230307BHJP
【FI】
G01K1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143068
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000006264
【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】松本 文夫
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博樹
(57)【要約】
【課題】 絶縁性フィルムの反りの発生を抑制可能な温度センサを提供すること。
【解決手段】 絶縁性フィルム2と、絶縁性フィルムの表面に設けられた感熱素子3と、絶縁性フィルムの表面に形成され一端が感熱素子に接続されていると共に他端が一対の外部配線に接続される一対の配線4と、絶縁性フィルムの表面に積層され絶縁性材料で形成された表面側カバー層5と、絶縁性フィルムの裏面に積層され表面側カバー層と同じ材料で形成された裏面側カバー層6とを備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性フィルムと、
前記絶縁性フィルムの表面に設けられた感熱素子と、
前記絶縁性フィルムの表面に形成され一端が前記感熱素子に接続されていると共に他端が一対の外部配線に接続される一対の配線と、
前記絶縁性フィルムの表面に積層され絶縁性材料で形成された表面側カバー層と、
前記絶縁性フィルムの裏面に積層され前記表面側カバー層と同じ材料で形成された裏面側カバー層とを備えていることを特徴とする温度センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の温度センサにおいて、
前記表面側カバー層と前記裏面側カバー層とが、前記絶縁性フィルムと同じ材料で形成されていることを特徴とする温度センサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の温度センサにおいて、
前記絶縁性フィルムの裏面かつ前記感熱素子の直下に積層され前記絶縁性フィルムよりも熱伝導率の高い材料で形成された集熱層を備え、
前記裏面側カバー層が、前記集熱層を避けて形成されていると共に前記集熱層と面一に又は前記集熱層よりも薄く設定されていることを特徴とする温度センサ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の温度センサにおいて、
前記絶縁性フィルムが、帯状に形成され、
前記一対の配線が、前記絶縁性フィルムの延在方向に向けて互いに平行して延在した一対の主配線部と、
前記一対の主配線部の一端側に形成され前記感熱素子がはんだ付けされた一対の素子用ランド部とを有し、
前記感熱素子が、前記絶縁性フィルムの一端側かつ前記一対の主配線部の間に設置されたチップサーミスタであり、
前記一対の素子用ランド部が、前記一対の主配線部の途中から前記感熱素子に向けて突出して形成されていると共に前記感熱素子が接着される部分と前記主配線部との間に前記主配線部に向けて漸次幅が広く設定された素子側テーパ部を有していることを特徴とする温度センサ。
【請求項5】
請求項4に記載の温度センサにおいて、
前記一対の配線が、前記一対の主配線部の他端側に形成され前記外部配線が接続される一対の外部接続パッド部を有し、
前記主配線部が、前記外部接続パッド部に向けて漸次幅が広く形成され前記外部接続パッド部に接続された外部接続側テーパ部を有していることを特徴とする温度センサ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の温度センサにおいて、
前記絶縁性フィルムの表面に設けられ前記一対の配線に接続されて前記感熱素子と電気的に並列接続となるコンデンサを備えていることを特徴とする温度センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反りの発生を抑制可能な温度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温度センサとして、ポリイミドフィルム等の絶縁性フィルムを基板とし、その表面に薄膜サーミスタやチップサーミスタ等の感熱素子を設けたフレキシブル温度センサが用いられている。例えば特許文献1には、絶縁性フィルムと、絶縁性フィルム上にサーミスタ材料で形成された薄膜サーミスタ部と、薄膜サーミスタ部に接続され互いに対向して形成された一対の対向電極とを備えている温度センサが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-148427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、ポリイミドフィルム等の絶縁性フィルムに感熱素子を設けた温度センサでは、加熱や湿度の影響で反りが発生し易いという不都合があった。絶縁性フィルムが柔軟であるために、曲面等にフレキシブルに設置可能である反面、絶縁性フィルムの表面に感熱素子が設けられると共に配線パターン等が形成されることで、絶縁性フィルムの表裏で収縮係数が異なってしまい、製造上や使用時に自然に反ってしまう現象が発生する場合があった。特に、絶縁性フィルムの表面にポリイミド等のカバーレイを保護膜として積層する場合、反りが生じ易くなってしまう。
【0005】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、絶縁性フィルムの反りの発生を抑制可能な温度センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る温度センサは、絶縁性フィルムと、前記絶縁性フィルムの表面に設けられた感熱素子と、前記絶縁性フィルムの表面に形成され一端が前記感熱素子に接続されていると共に他端が一対の外部配線に接続される一対の配線と、前記絶縁性フィルムの表面に積層され絶縁性材料で形成された表面側カバー層と、前記絶縁性フィルムの裏面に積層され前記表面側カバー層と同じ材料で形成された裏面側カバー層とを備えていることを特徴とする。
【0007】
この温度センサでは、絶縁性フィルムの表面に積層され絶縁性材料で形成された表面側カバー層と、絶縁性フィルムの裏面に積層され表面側カバー層と同じ材料で形成された裏面側カバー層とを備えているので、同一材料の表面側カバー層と裏面側カバー層とで絶縁性フィルムを挟む構造とすることで、保護膜として積層された表面側カバー層だけの場合に比べて、表裏の収縮係数を同じに設定し易く、加熱や湿度の影響で反りが発生することを抑制可能となる。
【0008】
第2の発明に係る温度センサは、第1の発明において、前記表面側カバー層と前記裏面側カバー層とが、前記絶縁性フィルムと同じ材料で形成されていることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、表面側カバー層と裏面側カバー層とが、絶縁性フィルムと同じ材料で形成されているので、同一材料であることで良好な接着強度を得ることができる。
【0009】
第3の発明に係る温度センサは、第1又は2の発明において、前記絶縁性フィルムの裏面かつ前記感熱素子の直下に積層され前記絶縁性フィルムよりも熱伝導率の高い材料で形成された集熱層を備え、前記裏面側カバー層が、前記集熱層を避けて形成されていると共に前記集熱層と面一に又は前記集熱層よりも薄く設定されていることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、裏面側カバー層が、集熱層を避けて形成されていると共に集熱層と面一に又は集熱層よりも薄く設定されているので、絶縁性フィルムの裏面側を測定対象物に向けて設置した際に、集熱層が測定対象物に直接接触することを裏面側カバー層が妨げない。
【0010】
第4の発明に係る温度センサは、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記絶縁性フィルムが、帯状に形成され、前記一対の配線が、前記絶縁性フィルムの延在方向に向けて互いに平行して延在した一対の主配線部と、前記一対の主配線部の一端側に形成され前記感熱素子がはんだ付けされた一対の素子用ランド部とを有し、前記感熱素子が、前記絶縁性フィルムの一端側かつ前記一対の主配線部の間に設置されたチップサーミスタであり、前記一対の素子用ランド部が、前記一対の主配線部の途中から前記感熱素子に向けて突出して形成されていると共に前記感熱素子が接着される部分と前記主配線部との間に前記主配線部に向けて漸次幅が広く設定された素子側テーパ部を有していることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、一対の素子用ランド部が、一対の主配線部の途中から感熱素子に向けて突出して形成されていると共に感熱素子が接着される部分と主配線部との間に主配線部に向けて漸次幅が広く設定された素子側テーパ部を有しているので、絶縁性フィルムを曲げた際に、素子用ランド部が主配線部の先端からL字状に接続されている場合等に比べて、素子用ランド部と主配線部との接続部分に加わる曲げ応力が小さくなる。このように、素子用ランド部を、主配線部の途中から素子側テーパ部を介してT字状かつテーパ状に突出させていることで、表面側カバー層と裏面側カバー層とによる反り防止効果に加えて、耐曲げ性(耐断線性)に優れた配線を得ることができる。
【0011】
第5の発明に係る温度センサは、第4の発明において、前記一対の配線が、前記一対の主配線部の他端側に形成され前記外部配線が接続される一対の外部接続パッド部を有し、前記主配線部が、前記外部接続パッド部に向けて漸次幅が広く形成され前記外部接続パッド部に接続された外部接続側テーパ部を有していることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、主配線部が、外部接続パッド部に向けて漸次幅が広く形成され外部接続パッド部に接続された外部接続側テーパ部を有しているので、絶縁性フィルムを曲げた際に、同じ幅のまま外部接続パッド部に接続した場合に比べて、外部接続パッド部との接続部分に加わる曲げ応力が小さくなる。したがって、表面側カバー層と裏面側カバー層とによる反り防止効果に加えて、より耐曲げ性(耐断線性)に優れた配線を得ることができる。
【0012】
第6の発明に係る温度センサは、第1から第5の発明のいずれかにおいて、前記絶縁性フィルムの表面に設けられ前記一対の配線に接続されて前記感熱素子と電気的に並列接続となるコンデンサを備えていることを特徴とする。
すなわち、この温度センサでは、絶縁性フィルムの表面に設けられ一対の配線に接続されて感熱素子と電気的に並列接続となるコンデンサを備えているので、コンデンサのバイパス効果によりノイズ除去性を向上させることができる。また、表面側カバー層と裏面側カバー層とによる上記反り防止効果により、絶縁性フィルムの表面に実装したコンデンサに反りによる応力が加わり難くなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る温度センサによれば、絶縁性フィルムの表面に積層され絶縁性材料で形成された表面側カバー層と、絶縁性フィルムの裏面に積層され表面側カバー層と同じ材料で形成された裏面側カバー層とを備えているので、同一材料の表面側カバー層と裏面側カバー層とで絶縁性フィルムを挟む構造とすることで、表裏の収縮係数を同じに設定し易く、加熱や湿度の影響で反りが発生することを抑制可能となる。
したがって、本発明の温度センサは、製造上や使用中に自然に反ってしまう現象を抑制することができ、ハンドリング等が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る温度センサの第1実施形態を示す要部の拡大断面図である。
図2】第1実施形態において、温度センサを示す平面図(a)及び裏面図(b)である。
図3】第1実施形態において、素子用ランド部を示す拡大平面図(a)及び外部接続パッド部を示す拡大平面図(b)である。
図4】本発明に係る温度センサの第2実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る温度センサの第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0016】
本実施形態の温度センサ1は、図1から図3に示すように、絶縁性フィルム2と、絶縁性フィルム2の表面に設けられた感熱素子3と、絶縁性フィルム2の表面に形成され一端が感熱素子3に接続されていると共に他端が一対の外部配線に接続される一対の配線4と、絶縁性フィルム2の表面に積層され絶縁性材料で形成された表面側カバー層5と、絶縁性フィルム2の裏面に積層され表面側カバー層5と同じ材料で形成された裏面側カバー層6とを備えている。
【0017】
上記表面側カバー層5と裏面側カバー層6とは、絶縁性フィルム2と同じ材料で形成されている。
本実施形態では、絶縁性フィルム2がポリイミドフィルム(ポリイミド樹脂シート)であり、表面側カバー層5と裏面側カバー層6とがポリイミドのカバーレイフィルムで形成されており、絶縁性フィルム2に加圧接着又は接着剤で接合されている。
なお、表面側カバー層5と裏面側カバー層6との厚さは、絶縁性フィルム2表裏の収縮係数を同じにするように適宜設定される。
【0018】
また、本実施形態の温度センサ1は、上記絶縁性フィルム2の裏面かつ感熱素子3の直下に積層され絶縁性フィルム2よりも熱伝導率の高い材料で形成された集熱層7を備えている。
上記集熱層7は、例えば銅箔等の金属層で長方形状にパターン形成されている。
上記裏面側カバー層6は、集熱層7を避けて形成されていると共に集熱層7と面一に又は集熱層7よりも薄く設定されている。
本実施形態では、裏面側カバー層6が集熱層7と面一となるように設定されている。
【0019】
上記絶縁性フィルム2は、帯状に形成されている。
また、一対の配線4は、絶縁性フィルム2の延在方向に向けて互いに平行して延在した一対の主配線部4aと、一対の主配線部4aの一端側に形成され感熱素子3がはんだ付けされた一対の素子用ランド部4bとを有している。
上記感熱素子3は、絶縁性フィルム2の一端側かつ一対の主配線部4aの間に設置されたチップサーミスタである。
【0020】
上記一対の素子用ランド部4bは、一対の主配線部4aの途中から感熱素子3に向けて突出して形成されていると共に感熱素子3が接着される部分と主配線部4aとの間に主配線部4aに向けて漸次幅が広く設定された素子側テーパ部4cを有している。
上記一対の配線4は、一対の主配線部4aの他端側に形成され外部配線が接続される一対の外部接続パッド部4dを有している。
上記主配線部4aは、外部接続パッド部4dに向けて漸次幅が広く形成され外部接続パッド部4dに接続された外部接続側テーパ部4eを有している。
【0021】
上記一対の配線4は、例えば銅箔等でパターン形成されている。
上記外部接続パッド部4dは、外部配線を半田材等で接続させるためのパッド面4fが形成されている。
上記外部配線としては、リードフレームやリード線が用いられる。
表面側カバー層5は、少なくとも素子用ランド部4bの感熱素子3が接着される部分とパッド面4fとを除いて絶縁性フィルム2上で主配線部4aも覆って形成されている。
【0022】
このように本実施形態の温度センサ1では、絶縁性フィルム2の表面に積層され絶縁性材料で形成された表面側カバー層5と、絶縁性フィルム2の裏面に積層され表面側カバー層5と同じ材料で形成された裏面側カバー層6とを備えているので、同一材料の表面側カバー層5と裏面側カバー層6とで絶縁性フィルム2を挟む構造とすることで、保護膜として積層された表面側カバー層5だけの場合に比べて、表裏の収縮係数を同じに設定し易く、加熱や湿度の影響で反りが発生することを抑制可能となる。
【0023】
また、表面側カバー層5と裏面側カバー層6とが、絶縁性フィルム2と同じ材料で形成されているので、同一材料であることで良好な接着強度を得ることができる。
また、裏面側カバー層6が、集熱層7を避けて形成されていると共に集熱層7と面一に又は集熱層7よりも薄く設定されているので、絶縁性フィルム2の裏面側を測定対象物に向けて設置した際に、集熱層7が測定対象物に直接接触することを裏面側カバー層6が妨げない。
【0024】
また、一対の素子用ランド部4bが、一対の主配線部4aの途中から感熱素子3に向けて突出して形成されていると共に感熱素子3が接着される部分と主配線部4aとの間に主配線部4aに向けて漸次幅が広く設定された素子側テーパ部4cを有しているので、絶縁性フィルム2を曲げた際に、素子用ランド部4bが主配線部4aの先端からL字状に接続されている場合等に比べて、素子用ランド部4bと主配線部4aとの接続部分に加わる曲げ応力が小さくなる。このように、素子用ランド部4bを、主配線部4aの途中から素子側テーパ部4cを介してT字状かつテーパ状に突出させていることで、表面側カバー層5と裏面側カバー層6とによる反り防止効果に加えて、耐曲げ性(耐断線性)に優れた配線を得ることができる。
【0025】
さらに、主配線部4aが、外部接続パッド部4dに向けて漸次幅が広く形成され外部接続パッド部4dに接続された外部接続側テーパ部4eを有しているので、絶縁性フィルム2を曲げた際に、同じ幅のまま外部接続パッド部4dに接続した場合に比べて、外部接続パッド部4dとの接続部分に加わる曲げ応力が小さくなる。したがって、表面側カバー層5と裏面側カバー層6とによる反り防止効果に加えて、より耐曲げ性(耐断線性)に優れた配線を得ることができる。
【0026】
次に、本発明に係る温度センサの第2実施形態について、図4を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0027】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、絶縁性フィルム2の表面に感熱素子3だけが実装されているのに対し、第2実施形態の温度センサ21では、図4に示すように、絶縁性フィルム2の表面に設けられ一対の配線4に接続されて感熱素子3と電気的に並列接続となるコンデンサCを備えている点である。
第2実施形態では、コンデンサCとして表面実装型小型コンデンサが絶縁性フィルム2の表面に実装され、両端部が一対の主配線部4aの途中に接続されている。
【0028】
このように第2実施形態の温度センサ21では、絶縁性フィルム2の表面に設けられ一対の配線4に接続されて感熱素子3と電気的に並列接続となるコンデンサCを備えているので、コンデンサCのバイパス効果によりノイズ除去性を向上させることができる。なお、ノイズの周波数は、コンデンサCの容量と一対の配線4のリアクタンスLとの減衰共振で変わるため、ノイズの周波数に対応した位置にコンデンサCが設置される。
例えば、第2実施形態のコンデンサCは、感熱素子3の近傍であって絶縁性フィルム2裏面の集熱層7の直上に配置されている。
また、表面側カバー層5と裏面側カバー層6とによる上記反り防止効果により、絶縁性フィルム2の表面に実装したコンデンサCに反りによる応力が加わり難くなる。
【0029】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記感熱素子は、チップ状のサーミスタ素子を採用しているが、感熱素子として、フレーク状のサーミスタ素子や薄膜サーミスタ等を採用しても構わない。
【符号の説明】
【0030】
1,21…温度センサ、2…絶縁性フィルム、3…感熱素子、4…配線、4a…主配線部、4b…素子用ランド部、4c…素子側テーパ部、4d…外部接続パッド部、4e…外部接続側テーパ部、5…表面側カバー層、6…裏面側カバー層、7…集熱層、C…コンデンサ
図1
図2
図3
図4