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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036335
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】ポンプ装置用制御盤及び給水装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 53/00 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
F04B53/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143328
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(71)【出願人】
【識別番号】502002407
【氏名又は名称】川本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 哲則
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 章太
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 宏明
(72)【発明者】
【氏名】深尾 陽平
(72)【発明者】
【氏名】深川 豊明
【テーマコード(参考)】
3H071
【Fターム(参考)】
3H071AA01
3H071CC32
3H071CC34
3H071CC36
3H071CC37
3H071DD85
3H071DD86
(57)【要約】
【課題】 制御盤の具体的な構造の一例を開示する。
【解決手段】 制御盤10は、前面側の少なくとも一部に開口部17が設けられたケース部15と、ケース部15に着脱自在に固定され、開口部17を閉塞するカバーと、ケース部15の背面板19Aのうち開口部17と対向する領域に設けられ、商用電源に接続される電源ケーブルが接続可能な電源接続部13と、背面板19Aに固定され、電動モータの駆動電流を断続する駆動部であって、当該駆動電流を当該電動モータに供給するためのハーネスが当該背面板19Aを貫通して接続された駆動部とを備える。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動ポンプを備えるポンプ装置の制御盤において、
前面側の少なくとも一部に開口部が設けられたケースと、
前記ケースに着脱自在に固定され、前記開口部を閉塞するカバーと、
前記ケースの背面板のうち前記開口部と対向する領域に設けられ、商用電源に接続される電源ケーブルが接続可能な電源接続部と、
前記背面板に固定され、電動モータの駆動電流を断続する駆動部であって、当該駆動電流を当該電動モータに供給するためのハーネスが当該背面板を貫通して接続された駆動部と
を備えるポンプ装置用制御盤。
【請求項2】
受水槽、送水用の電動ポンプ及び制御盤を備える給水装置において、
送水量を検出する流量センサと、
前記電動ポンプの吐出し圧力を検出する圧力センサと、
前記受水槽内の水位を検出する水位検出装置と、
前記制御盤の一部を構成するケースであって、前面側の少なくとも一部に開口部が設けられたケースと、
前記ケースと共に前記制御盤の少なくとも一部を構成するカバーであって、当該ケースに着脱自在に固定されて前記開口部を閉塞するカバーと、
前記ケースの背面板のうち前記開口部と対向する領域に設けられ、商用電源に接続される電源ケーブルが接続可能な電源接続部と、
前記ケースに収容された基板であって、一部の領域が前記開口部と対向する基板と、
前記基板のうち前記開口部と対向する領域に設けられ、前記圧力センサの信号線、前記流量センサの信号線及び前記水位検出装置の信号線が接続可能なセンサ接続部と、
前記背面板に固定され、電動モータの駆動電流を断続する駆動部であって、当該駆動電流を当該電動モータに供給するためのハーネスが当該背面板を貫通して接続された駆動部と
を備える給水装置。
【請求項3】
前記基板のうち前記開口部と対向する領域には、外部機器との通信用ケーブルが接続可能な外部接続部が設けられている請求項2に記載の給水装置。
【請求項4】
前記基板のうち前記開口部と対向しない領域に設けられた電源入力部であって、前記電源接続部と同電位となる電力を当該基板に引き込むための電源入力部と、
前記基板のうち前記開口部と対向しない領域に設けられた駆動信号出力部であって、前記電源接続部と同電位の駆動信号を前記駆動部に出力する駆動信号出力部とを備え、
前記電源入力部及び前記駆動信号出力部は、前記基板の水平方向一端側に配置されている請求項2又は3に記載の給水装置。
【請求項5】
前記基板のうち前記開口部と対向する部位は、当該基板の下端側であり、
前記基板のうち前記開口部と対向する部位より上方側には、情報を表示する表示部、及び作動設定を行うための操作部が設けられている請求項2ないし4のいずれか1項に記載の給水装置。
【請求項6】
前記ケースは、
矩形枠状の枠部、
前記開口部を構成するとともに、当該枠部の前面側を覆う前面カバー部、並びに
前記枠部の背面を覆う金属板製の架台であって、前記背面板を構成するとともに前記枠部の下面より下方まで延びる第1板状部、及び当該第1板状部の下端に設けられた固定用
の第2板状部を有する架台を備えており、
前記電源接続部、前記駆動部及び変圧器が前記背面板に固定されている請求項2ないし5のいずれか1項に記載の給水装置。
【請求項7】
前記枠部の下面には、前記センサ接続部に接続される信号線が貫通可能な貫通穴が設けられている請求項6に記載の給水装置。
【請求項8】
複数の前記電動ポンプを備えており、
前記基板のうち前記開口部と対向する領域には、複数の前記電動ポンプの運転方式を切り替えるための切替スイッチが設けられていること特徴とする請求項2ないし7のいずれか1項に記載の給水装置。
【請求項9】
前記基板のうち前記開口部と対向する領域には、前記電動ポンプの稼働を禁止する信号が入力される強制停止信号入力部が設けられていること特徴とする請求項2ないし8のいずれか1項に記載の給水装置。
【請求項10】
電動ポンプを備えるポンプ装置の制御盤において、
前面側の少なくとも一部に開口部が設けられたケースと、
前記ケースに着脱自在に固定され、前記開口部を閉塞するカバーと、
前記ケースの背面板のうち前記開口部と対向する領域に設けられ、商用電源に接続される電源ケーブルが接続可能な電源接続部とを具備し、
前記ケースは、
矩形枠状の枠部、
前記開口部を構成するとともに、当該枠部の前面側を覆う前面カバー部、並びに
前記枠部の背面を覆う金属板製の架台であって、前記背面板を構成するとともに前記枠部の下面より下方まで延びる第1板状部、及び当該第1板状部の下端に設けられた固定用の第2板状部を有する架台を備え、
前記電源接続部、電動モータの駆動電流を断続する駆動部及び変圧器が前記背面板に固定されているポンプ装置用制御盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポンプ装置用制御盤及び給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の発明では、ケーブルを接続する際に、基板上の電子部品等に水等が付着することを防止するために、当該電子部品がケースにて覆われたまま、当該ケーブルの接続作業が可能な開口部を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-87292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された実施形態は、主に、水に浸漬された状態で使用される水中ポンプに関する例である。本開示は、上記点に鑑み、他の形式の給水装置にも適用可能な制御盤一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電動ポンプ(3)を備えるポンプ装置の制御盤(10)は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。すなわち、当該構成要件は、前面側の少なくとも一部に開口部(17)が設けられたケース(15)と、ケース(15)に着脱自在に固定され、開口部(17)を閉塞するカバー(16)と、ケース(15)の背面板(19A)のうち開口部(17)と対向する領域に設けられ、商用電源に接続される電源ケーブル(13A)が接続可能な電源接続部(13)と、背面板(19A)に固定され、電動モータの駆動電流を断続する駆動部(12)であって、当該駆動電流を当該電動モータに供給するためのハーネスが当該背面板(19A)を貫通して接続された駆動部(12)とを備えることである。
【0006】
これにより、当該制御盤によれば、作業者は、商用電源に接続される電源ケーブル(13A)については、開口部(17)を介して接続作業ができる。電動モータに駆動電流を供給するためのハーネスは背面板(19A)を貫通して接続されているので、ハーネスの接続作業は不要となる。
【0007】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る給水装置の模式図である。
図2】第1実施形態に係る給水装置の電動ポンプ等の配置を示す図である。
図3】第1実施形態に係る制御盤の斜視図である。
図4】第1実施形態に係る制御盤の分解図である。
図5】第1実施形態に係る制御盤において、カバーが取り外された状態を示す正面図である。
図6】第1実施形態に係る制御盤において、ケース部が取り外された状態を示す正面図である。
図7】第1実施形態に係る基板の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0010】
少なくとも符号が付されて説明された機器や部材等の構成要素は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該構成要素は2以上設けられていてもよい。本開示に示された給水装置は、少なくとも符号が付されて説明された構成要素等を備える。
【0011】
(第1実施形態)
<1.給水装置の概要>
本実施形態は、例えば、マンションや商業ビル等の建物に適用される給水装置に本開示に係るポンプ装置及び制御盤の一例が適用されたものである。図1に示されるように、本実施形態に係る給水装置1は、電動ポンプ3、蓄圧装置5、受水槽7、水位検出装置9及び制御盤10等を少なくとも備える。
【0012】
なお、本実施形態に係る給水装置1は、複数の電動ポンプ3を有している。以下、第1の電動ポンプ3A(以下、第1電動ポンプ3Aという。)及び第2の電動ポンプ3B(以下、第2電動ポンプ3Bという。)を総称する場合、又はいずれか一方の電動ポンプを示す場合には、電動ポンプ3と記す。
【0013】
各電動ポンプ3は、図2に示されるように、ポンプ部3P及び電動モータ部3Mを有する電動式のポンプである。各電動ポンプ3の吐出し側は、建物の配水管側に接続されている。そして、各電動ポンプ3は、受水槽7に貯留された水を配水管に送水する。
【0014】
受水槽7は、図1に示されるように、給水用の水を貯留するタンクである。水位検出装置9は、当該受水槽7内の水位を検出する。本実施形態に係る水位検出装置9は、複数の電極9A~9Cとコモン電極9Dとの通電状態を利用して受水槽7内の水位を検出する。
【0015】
蓄圧装置5は、各電動ポンプ3の吐出し側に接続されて当該電動ポンプ3が停止しているときに給水圧を保持する。なお、蓄圧装置5は、不活性ガスが充填されたガス室の内圧により、電動ポンプ3が停止しているときの給水圧を保持する。
【0016】
なお、2台の電動ポンプ3、蓄圧装置5及び制御盤10は、略矩形のベース台2(図2参照)に固定されている。そして、受水槽7は、電動ポンプ3、蓄圧装置5及び制御盤10の上方側に配置されてベース台2に固定されている。
【0017】
<2.制御盤>
<2.1 制御盤の概要>
制御盤10内には、図1に示されるように、制御部11、駆動部12、電源接続部13及び変圧器14等が少なくとも収納されている。駆動部12は、電動モータ部3Mに供給する駆動電流を断続する。なお、本実施形態に係る駆動部12は、電磁接触器にて構成されている。
【0018】
なお、駆動部12Aは第1電動ポンプ3Aに供給する駆動電流を断続する。駆動部12Bは第2電動ポンプ3Bに供給する駆動電流を断続する。以下、2つの駆動部12A、12Bを総称する場合、又はいずれか一方の駆動部を示す場合には、駆動部12と記す。
【0019】
制御部11は、少なくとも駆動部12の作動を制御する。当該制御部11は、基板11Aに実装されたマイクロコンピュータ等にて構成されている。つまり、当該基板11Aは、制御盤10内に収納されている。
【0020】
制御部11には、流量センサFs1、Fs2、圧力センサPs、及び電極9A~9Dそれぞれの検出信号等が入力されている。流量センサFs1は、第1電動ポンプ3Aの吐出し流量、つまり送水量を検出する。流量センサFs2は、第2電動ポンプ3Bの送水量を検出する。圧力センサPsは、電動ポンプ3の吐出し側の圧力を検出する。
【0021】
電源接続部13は、商用電源に接続される電源ケーブル13Aが接続される接続端子である。変圧器14は、基板11A上に実装された電子機器等に供給する電力を生成する。つまり、変圧器14は、商用電源電圧を電子機器用の駆動電圧に変換する。
【0022】
<2.2 制御盤の構造>
制御盤10は、図3に示されるように、ケース部15及びカバー16等を有して構成されている。ケース部15は、基板11A、駆動部12、電源接続部13及び変圧器14等を収納するとともに、前面側の少なくとも一部に開口部17(図4参照)が設けられた箱体である。
【0023】
カバー16は、図4に示されるように、ケース部15部に着脱自在に固定され、開口部17を閉塞する部材である。なお、カバー16は、下端側に設けられた係止突起(図示せず。)がケース部15に係止され、上端側がPネジ等の締結具(図示せず。)にてケース部15に固定される。
【0024】
ケース部15は、ケース本体18及び架台19等を有して構成されている。ケース本体18は、矩形枠状の枠部18A及び前面カバー部18B等を有する。前面カバー部18Bは、枠部18Aの前面側を覆うとともに、開口部17を構成する部材である。
【0025】
換言すれば、前面カバー部18Bは、枠部18Aの前面側開口のうち開口部17以外の部位、つまりケース部15の上部側を覆う。このため、当該前面カバー部18Bにより、ケース部15の前面側下部に開口部17が構成される。
【0026】
なお、本実施形態に係るケース本体18は、枠部18A及び前面カバー部18Bが樹脂にて一体成形された一体成形品である。そして、ケース部本体18は、Pネジ等の締結具(図示せず。)にて架台19に固定される。
【0027】
架台19は、ステンレス鋼板等の金属板が略L字状折り曲げられて構成された部材であって、枠部18Aの背面を覆うように閉塞する。すなわち、架台19は、第1板状部19A及び第2板状部19Bを有している。
【0028】
第1板状部19Aは、ケース部15の背面板を構成するとともに、枠部18Aの下面より下方まで延びる部位である。第2板状部19Bは、第1板状部19Aの下端に設けられた固定用の部位である。なお、第2板状部19Bは、ボルトにてベース台2に固定される。
【0029】
<2.3 制御盤内の構成>
図5は、カバー16が取り外された状態、つまり開口部17が開放された状態の制御盤10を示している。基板11Aは、前面カバー部18Bの裏面、つまり前面カバー部18Bの第1板状部19A(以下、背面板19Aともいう。)側に固定されている。
【0030】
そして、基板11Aの下方側領域は、開口部17と対向している。つまり、開口部17が開放された状態では、基板11Aの下方側領域が露出した状態となる。同様に、開口部17が開放された状態では、背面板19Aのうち基板11Aの下端より下方側の流域も露出した状態となる。
【0031】
背面板19Aには、図6に示されるように、駆動部12、電源接続部13及び変圧器14が固定されている。駆動部12は、背面板19Aのうち開口部17と対向しない領域(以下、非対向領域という。)に配置されている(図5参照)。
【0032】
背面板19Aの非対向領域には、貫通穴19C、19Dが設けられている。貫通穴19C、19Dは、電動モータ部3Mに駆動電流を供給するためのハーネス(図示せず。)が貫通挿入される貫通穴である。つまり、各駆動部12には、ハーネスが背面板19Aを貫通して接続されている。
【0033】
電源接続部13及び変圧器14は、図5に示されるように、背面板19Aのうち開口部17と対向する領域に配置されている。そして、枠部18Aの下面18Cには、少なくとも1つ(本実施形態では複数)の貫通穴18Dが設けられている。
【0034】
このため、電源ケーブル13Aは、いずれかの貫通穴18Dを貫通して電源接続部13に接続される。なお、各貫通穴18D及び貫通穴19C、19Dには、ゴム製のグロメット18Eが装着されている。
【0035】
基板11Aには、図7に示されるように、センサ接続部20、外部接続部21、強制停止信号入力部22、電源入力部23、駆動信号出力部24、電源ヒューズ25、変圧器接続部26、表示部27、操作部28及び切替スイッチ29等が少なくとも設けられている。
【0036】
センサ接続部20は、流量センサFs1、Fs2及び圧力センサPsの信号線(図示せず。)、並びに電極9A~9Dの信号線(図示せず。)等が接続される接続端子である。具体的には、センサ接続部20Aには、流量センサFs1の信号線が接続される。
【0037】
センサ接続部20Bには、流量センサFs2の信号線が接続される。センサ接続部20Cには、圧力センサPsの信号線が接続される。センサ接続部20Cには、電極9A~9Dの信号線が接続される。
【0038】
外部接続部21は、外部機器との通信用ケーブルが接続される接続端子である。外部機器とは、例えば、建物に設置された給水装置1の管理装置等をいう。当該管理装置には、通信用ケーブルを介して給水装置1の運転状況及び故障の有無を示す信号が入力される。
【0039】
強制停止信号入力部22は、電動ポンプ3の稼働を禁止する信号が入力される。当該信号は、上記管理装置(遠隔管理装置も含む。)や携帯型外部機器等から発信される。切替スイッチ29は、複数の電動ポンプ3の運転方式を切り替えるためスイッチである。
【0040】
具体的には、作業者は、切替スイッチ29を操作することにより、例えば、複数の電動ポンプ3を同時に稼働させることが可能な並列運転方式、又は複数の電動ポンプ3を交互に1台ずつ稼働させる交互運転方式を選択することができる。
【0041】
なお、本実施形態に係る給水装置1は、切替スイッチ29の設定のみで並列運転方式及び交互運転方式のいずれにも対応可能な給水装置である。つまり、当該給水装置1は、複数の運転方式に対応可能である。
【0042】
そして、センサ接続部20A~20D、外部接続部21、強制停止信号入力部22、電源ヒューズ25及び切替スイッチ29は、基板11Aのうち開口部17と対向する領域、つまり、カバー16が取り外されたときに露出する部位に配置されている(図5参照)。
【0043】
なお、センサ接続部20C、20D、外部接続部21及び強制停止信号入力部22等は、基板11Aの下端側に設けられている。そして、これらの信号線は、枠部18Aの下面18Cに設けられた貫通穴18Dを貫通してケース部15内に引き込まれる。
【0044】
電源入力部23は、変圧器14にて減圧される前の電力、つまり電源接続部13と同電位となる電力を該基板11Aに引き込むための入力部である。当該電源入力部23には、電源ヒューズ25を介して商用電源が入力される。
【0045】
駆動信号出力部24は、電源接続部13と同電位の駆動信号を駆動部12に出力する。具体的には、駆動信号出力部24Aは、駆動部12Aの電磁コイルを駆動する駆動電流を出力する。駆動信号出力部24Bは、駆動部12Bの電磁コイルを駆動する駆動電流を出力する。
【0046】
変圧器接続部26は、ハーネス(図示せず。)を介して変圧器14に接続される接続端子である。なお、変圧器接続部26Aは、電源ヒューズ25と変圧器14の入力側を中継する。変圧器接続部26Bは、変圧器14の出力側を中継する。表示部27は各種の情報を表示する。操作部28は、作業者が作動設定を行う際に操作されるスイッチ等である。
【0047】
そして、電源入力部23、駆動信号出力部24A、24B、及び変圧器接続部26A、26Bは、基板11Aのうち開口部17と対向しない領域、つまり、カバー16が取り外されたときであっても露出しない部位に配置されている(図5参照)。
【0048】
なお、表示部27及び操作部28は、基板11Aのうち開口部17と対向する部位より上方側に配置されている。そして、表示部27は、作業者が視認可能な状態で前面カバー部18Bにて覆われている。操作部28は、作業者が操作可能な状態で前面カバー部18Bにて覆われている。
【0049】
また、電源入力部23、駆動信号出力部24A、24B、変圧器接続部26Aは、基板11Aの水平方向一端側(図7では、右端側)に配置されている。なお、基板11Aの水平方向他端側には、変圧器接続部26B及び過負荷信号入力部30が配置されている。
【0050】
過負荷信号入力部30は、電動モータ部3Mへの駆動電流が所定値を越えたときに、駆動部12から出力される信号である。制御部11は、当該信号を受信すると、その旨を表示部27等に表示する。
【0051】
<3.本実施形態に係る給水装置(特に、制御盤)の特徴>
本実施形態に係る制御盤10によれば、センサ接続部20A~20D、外部接続部21、強制停止信号入力部22、電源ヒューズ25及び切替スイッチ29、並びに電源接続部13は、基板11Aのうち開口部17と対向する領域、つまり、カバー16が取り外されたときに露出する部位に配置されている。
【0052】
これにより、作業者は、例えば、商用電源に接続される電源ケーブル13Aについては、開口部17を介して接続作業ができる。なお、電動モータに駆動電流を供給するためのハーネスが背面板19Aを貫通して接続されているので、ハーネスの接続作業は不要である。
【0053】
同様に、作業者は、センサ接続部20A~20D、外部接続部21及び強制停止信号入力部22への信号線の接続作業、及び電源ヒューズ25の交換作業等も開口部17を介して実施できる。したがって、これらの作業時に、作業員が誤って他の電子部品等に触れてしまうことが未然に防止される。
【0054】
なお、切替スイッチ29の操作は、通常、給水装置1のメーカにて実施される。したがって、給水装置1の組立時に組立作業者が誤って他の電子部品等に触れてしまうことも未然に防止される。
【0055】
電源入力部23、駆動信号出力部24A、24B、変圧器接続部26Aは、基板11Aの水平方向一端側に配置され、変圧器接続部26B及び過負荷信号入力部30は、基板11Aの水平方向他端側に配置されている。
【0056】
つまり、本実施形態に係る基板11Aでは、高電圧の接続部は水平方向一端側に配置され、低電圧の接続部は水平方向他端側に配置されている。したがって、基板11Aの配線パターンが合理的になる。
【0057】
電源接続部13及び変圧器14は、金属製の架台19に固定されている。そして、当該架台19は、第1板状部19A及び第2板状部19Bを有する単純なL字状である。したがって、金属板にて箱状に構成された制御盤に比べて制御盤10の製造原価が低減される。
【0058】
本実施形態に係る制御盤10のケース本体18は樹脂製である。したがって、全体が金属にて構成された制御盤に比べて本実施形態に係る制御盤10が軽量となるとともに、ケース部15に容易に開口部17を設けることも可能となる。
【0059】
本実施形態に係る制御盤10では、変圧器14等の比較的質量が大きい部品は、金属製の架台19に設けられ、かつ、ケース部15の下方側に配置されている。したがって、制御盤10が不安定になることが抑制され得る。
【0060】
ケース部15を構成する枠部18Aの下面18Cには、センサ接続部20や電源接続部13等に接続される信号線や電源ケーブル13Aが貫通可能な貫通穴18Dが設けられている。これにより、設置現場の配線作業が容易になり得る。
【0061】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係るケース部15は、下部に開口部17が設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、開口部17が上方側又は水平方向一端側に設けられた構成であってよい。
【0062】
上述の実施形態に係る架台19は、板材がL字状に曲げられた単純形状であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第1板状部19Aと第2板状部19Bとの折り線部分に補強用ビード部が設けられた形状であってもよい。
【0063】
上述の実施形態に係るケース本体18は、枠部18Aと前面カバー部18Bとが樹脂にて一体成形された一体品であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、枠部18Aと前面カバー部18Bとが別部材にて構成されていてもよい。
【0064】
上述の実施形態では、駆動電流用のハーネスが背面板19Aを貫通してケース部15内
に引き込まれていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、当該ハーネスが貫通穴18Dを通してケース部15内に引き込まれる構成であってもよい。
【0065】
上述の実施形態に係る駆動部12は、電磁接触器にて構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該駆動部12は、例えば、インバータにて構成されていてもよい。
【0066】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0067】
1… 給水装置 3…電動ポンプ 5… 蓄圧装置 7… 受水槽
7A~7C… 電極 7D…コモン電極 9… 水位検出装置
10… 制御盤 11…制御部 11A… 基板
12… 駆動部 13…電源接続部 13A… 電源ケーブル
14… 変圧器 15…ケース部 16… カバー
17… 開口部 18…ケース本体 18A… 枠部
18B… 前面カバー部 18D…貫通穴 19… 架台
19A… 第1板状部(背面板) 19B… 第2板状部
20… センサ接続部 21…外部接続部
22… 強制停止信号入力部 23…電源入力部
24… 駆動信号出力部 25…電源ヒューズ
26… 変圧器接続部 27…表示部 28… 操作部
29… 切替スイッチ 30…過負荷信号入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7