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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036357
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】オゾン発生器
(51)【国際特許分類】
   C01B 13/11 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
C01B13/11 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143362
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 美智子
(72)【発明者】
【氏名】高橋 良一
(72)【発明者】
【氏名】村田 隆昭
(72)【発明者】
【氏名】久保 貴恵
【テーマコード(参考)】
4G042
【Fターム(参考)】
4G042CA01
4G042CC03
4G042CC09
(57)【要約】
【課題】オゾン発生器に振動が伝わっても容器に収容された構成要素の位置ずれの発生を抑制する。
【解決手段】実施形態のオゾン発生器は、容器と、複数の放電管と、給電部材と、ヒューズと、連結体と、連結体支持部と、を備える。複数の放電管は、容器に収容されている。給電部材は、放電管の内側に配置されている。ヒューズは、給電部材と結合されるとともに電気的に接続され、少なくとも一部分が放電管の内側に配置されている。連結体は、各ヒューズが電気的に接続されるように各ヒューズを連結している。連結体は、導電性である。連結体支持部は、容器及び容器の外側と、連結体とを電気的に絶縁する。連結体支持部は、容器に対する連結体の移動を制限する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
前記容器に収容された複数の放電管と、
前記放電管の内側に配置された給電部材と、
前記給電部材と結合されるとともに電気的に接続され、少なくとも一部分が前記放電管の内側に配置されたヒューズと、
各前記ヒューズが電気的に接続されるように各前記ヒューズを連結した導電性の連結体と、
前記容器及び前記容器の外側と、前記連結体とを電気的に絶縁し、前記容器に対する前記連結体の移動を制限する連結体支持部と、
を備えたオゾン発生器。
【請求項2】
前記給電部材は、
前記放電管と接した接触部材と、
弾性力によって前記接触部材を前記放電管に押し付けることにより、前記接触部材と前記放電管との間に摩擦力を発生させて前記接触部材に対する前記放電管の移動を制限する弾性部材と、
を有した、
請求項1に記載のオゾン発生器。
【請求項3】
前記連結体は、
複数の前記ヒューズを支持するとともに各前記ヒューズと電気的に接続された複数のヒューズ支持部と、
複数の前記ヒューズ支持部と結合された枠部と、
を有し、
前記連結体支持部は、前記容器と前記枠部との間に介在した、
請求項1または2に記載のオゾン発生器。
【請求項4】
前記連結体を挟んだ一対の前記連結体支持部を備えた、
請求項1~3のうちいずれか一つに記載のオゾン発生器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、オゾン発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
オゾンを発生させるオゾン発生器が知られている。例えば、オゾン発生器は、容器と、容器に収容された筒状の第1の電極と、容器に収容され、第1の電極との間に放電ギャップを空けて第1の電極の内側に配置され、内周に第2の電極を有した放電管と、を備える。オゾン発生器は、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加して、放電ギャップに無声放電を発生させる。これにより、オゾン発生器は、放電ギャップ間に供給された酸素等を含む原料ガスからオゾンを発生させる。このようなオゾン発生器には、容器に収容され、電源からの電圧を第2の電極に印加する給電部材と、容器に収容され、給電部材と電源との間に設けられたヒューズと、を有するものがある。この種のオゾン発生器では、例えば、オゾン発生器に振動が伝わっても容器に収容された構成要素の位置ずれの発生を抑制することができれば有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/220735号
【特許文献2】特開昭57-205306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、振動が伝わっても容器に収容された構成要素の位置ずれの発生を抑制することができるオゾン発生器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のオゾン発生器は、容器と、複数の放電管と、給電部材と、ヒューズと、連結体と、連結体支持部と、を備える。複数の放電管は、容器に収容されている。給電部材は、放電管の内側に配置されている。ヒューズは、給電部材と結合されるとともに電気的に接続され、少なくとも一部分が放電管の内側に配置されている。連結体は、各ヒューズが電気的に接続されるように各ヒューズを連結している。連結体は、導電性である。連結体支持部は、容器及び容器の外側と、連結体とを電気的に絶縁する。連結体支持部は、容器に対する連結体の移動を制限する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態のオゾン発生器の全体構成を示す断面図である。
図2図2は、第1の実施形態の誘電体電極の近傍の拡大断面図である。
図3図3は、第1の実施形態の給電部材の側面図である。
図4図4は、図3のIV-IV線に沿った給電部材の断面図である。
図5図5は、第1の実施形態の給電部材の弾性部材の全体斜視図である。
図6図6は、第1の実施形態の弾性部材の側面図である。
図7図7は、第1の実施形態の給電部材の接触部材の側面図である。
図8図8は、図7のVIII部の拡大図である。
図9図9は、第1の実施形態のオゾン発生器の一部の正面図である。
図10図10は、第2の実施形態の給電部材の断面図である。
図11図11は、第3の実施形態の給電部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。それら同様の構成要素には共通の符号が付与されるとともに、重複する説明が省略される。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0008】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態のオゾン発生器10の全体構成を示す断面図である。図2は、第1の実施形態の放電管24の近傍の拡大断面図である。図1に矢印で示すX軸、Y軸、Z軸で示されるそれぞれの方向を、X方向、Y方向、Z方向とする。X方向、Y方向、及びZ方向は、互いに直交する。X方向及びY方向は水平方向に沿う。Z方向は、鉛直方向(上下方向)の上方と一致する。
【0009】
図1及び図2に示すように、オゾン発生器10は、装置本体12と、電源14と、冷却水供給部16と、を備える。
【0010】
装置本体12は、容器20と、一対の端板21a,21bと、複数の金属電極22(第1の電極の一例)と、内周に導電膜36(第2の電極の一例)を有した複数の放電管24と、複数の給電部材38と、複数のヒューズ40と、複数のスペーサ42と、連結体71と、第1の絶縁体74と、複数の連結体支持部75A~75E(図9)と、を備える。放電管24、給電部材38、ヒューズ40、及びスペーサ42は、金属電極22ごとに設けられている。なお、以後、複数の連結体支持部75A~75Eの総称として、連結体支持部75を用いる。
【0011】
容器20は、Y方向に沿った中心軸を有する中空の筒状(管状)に形成されている。すなわち、容器20の中心軸の軸方向は、Y方向に沿う。容器20は、筒部20aと、第1の扉20bと、第2の扉20cと、を有する。筒部20aは、Y方向に沿った中心軸を有する円筒状である。第1の扉20bは、筒部20aのY方向側の端部の開口を開閉可能にとりつけられている。第2の扉20cは、筒部20aのY方向の反対方向側の端部を開閉可能にとりつけられている。
【0012】
容器20は、一対の端板21a,21b、複数の金属電極22、複数の放電管24、複数の給電部材38、複数のヒューズ40、複数のスペーサ42、連結体71、及び複数の連結体支持部75を収容している。容器20は、一対の端板21a,21b、複数の金属電極22、複数の放電管24、複数の給電部材38、複数のヒューズ40、複数のスペーサ42、連結体71、及び複数の連結体支持部75を支持している。一対の端板21a,21b、複数の金属電極22、複数の放電管24、複数の給電部材38、複数のヒューズ40、複数のスペーサ42、連結体71、及び複数の連結体支持部75は、容器20に収容される構成要素である。
【0013】
容器20の外周部には、ガス入口27、ガス出口28、冷却水入口30、及び冷却水出口32が設けられている。ガス入口27は、外部から供給される酸素を含む原料ガスを容器20内に導入する。ガス出口28は、未反応の原料ガス及びオゾン(O)を外部へ排出する。冷却水入口30は、容器20の下部に設けられている。冷却水入口30は、外部から供給された冷却水供給部16を金属電極22の外周部へ導入する。冷却水出口32は、容器20の上部に設けられている。冷却水出口32は、金属電極22の外周部を流れた冷却水を外部へ排出する。
【0014】
一対の端板21a,21bは、ステンレス等の導電性の材料を含む。端板21a,21bは、円板状に形成されている。端板21a,21bの外周部は、容器20に固定されている。端板21a,21bは、Y方向に間隔を空けて配置されている。端板21bは、端板21aのY方向の反対方向側で端板21aと対向して、かつ、端板21aと平行になるように配置されている。端板21a,21bは、容器20を介して、接地電位と接続されている。端板21a,21bには、複数の円形状の穴26a、26bが形成されている。穴26a、26bは、金属電極22の端部とほぼ同じ形状である。複数の穴26a、26bは、ほぼ等間隔で配置されている。
【0015】
金属電極22は、端板21a,21bと同じ材料であって、ステンレス等の導電性の材料を含み、導電性を有する。複数の金属電極22は、容器20内に設けられている。複数の金属電極22は、それぞれの長手方向(即ち、中心軸の軸方向)がY方向に沿った平行な状態で、かつ、X方向及びZ方向にほぼ均等な間隔で配列されている。金属電極22は、容器20の中心軸と平行なY方向に沿った中心軸を有する筒状(管状)に形成されている。金属電極22の一端部は、一方の端板21aの円形状の穴26aと連結されている。金属電極22の他端部は、他方の端板21bの円形状の穴26bと連結されている。金属電極22の端部は、例えば、端板21a,21bと溶接によって連結されている。これにより、金属電極22の両端部は、塞がれることなく一対の端板21a,21bに保持され、端板21a,21bと電気的に接続される。金属電極22は、端板21a,21bを介して、接地電位と接続されている。複数の金属電極22のうち、最も外周に設けられた金属電極22は、容器20の内周面20dとの間に冷却水の水路46を形成する。水路46は、容器20の冷却水入口30及び冷却水出口32と繋がっている。水路46は、最も外周に設けられた金属電極22以外の中央部の金属電極22の外周部にも形成されている。
【0016】
複数の放電管24は、容器20に収容されている。各放電管24は、容器20内であって、いずれかの金属電極22の内側(中空側)に金属電極22と同軸になるように配置されている。各放電管24は、Y方向に伸びている。すなわち、放電管24の中心軸の軸方向は、Y方向に沿う。Y方向は、第1の方向の一例である。放電管24は、誘電体部34と、導電膜36と、を有する。
【0017】
誘電体部34は、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、高ケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、セラミックス等の誘電体材料を含み、電気的に絶縁性である。誘電体部34は、Y方向に延びる筒状(管状)に形成されている。誘電体部34の端板21a側の端部すなわちY方向側の端部は、開口している。誘電体部34の端板21b側の端部すなわちY方向の反対方向側の端部は、閉口している。誘電体部34は、いずれかの金属電極22の内部に設けられている。誘電体部34は、金属電極22との間に原料ガスが供給される放電ギャップ44を空けて配置されている。誘電体部34の中心軸が容器20及び金属電極22の中心軸とほぼ平行になるように、かつ、誘電体部34の外周面が金属電極22の内周面20dと対向するように設けられている。誘電体部34の開口側の端部は、端板21aよりも外側に突出している。誘電体部34は、いずれかの金属電極22の内部に設けられているが、金属電極22に完全に収容されている必要はなく、少なくとも一部が金属電極22の内側に配置されていればよい。
【0018】
導電膜36は、ステンレス、ニッケル、カーボンあるいはアルミニウム等の導電性の材料を含み、導電性を有する。導電膜36は、放電管24の内周に設けられている。具体的には、導電膜36は、導電性の材料をスパッタリング、溶射、蒸着、無電解メッキ、電解メッキ、塗料塗布等により誘電体部34の内面に設けられている。したがって、導電膜36は、誘電体部34の内面とほぼ同形の管状に形成される。
【0019】
給電部材38は、ステンレス等の導電性の材料を含み、導電性及び耐オゾン性を有する。給電部材38は、放電管24の内側に配置されている。給電部材38は、誘電体部34の開口部の近傍の内側(中空側)に配置されていてもよい。給電部材38は、導電膜36及びヒューズ40と電気的に接続されている。これにより、給電部材38は、ヒューズ40を介して印加される電源14の交流電圧を導電膜36に印加する。
【0020】
ヒューズ40は、中心軸が誘電体部34の中心軸とほぼ一致するように配置されている。ヒューズ40のY方向側の端部である一端部は、連結体71と結合(固定)され連結体71と電気的に接続されている。ヒューズ40の一端部は、連結体71、接続部72、及びリード線73を介して、電源14と電気的に接続されている。ヒューズ40のY方向の反対方向側の端部である他端部は、給電部材38と結合(固定)され給電部材38と電気的に接続されている。ヒューズ40は、少なくとも一部分が放電管24の内側(中空側)に配置されている。ヒューズ40は、例えば、誘電体部34が絶縁破壊によって破損した場合に、導電膜36に対して流れる過電流を遮断し、破損した放電管24を他の放電管24から切り離すことによって、オゾン発生器10の運転を継続する。
【0021】
連結体71は、ヒューズ40が電気的に接続されるように各ヒューズ40を連結している。連結体71と接続部72とは、電気的に接続され、接続部72とリード線73とは、電気的に接続されている。リード線73は、電源14と電気的に接続されている。上記から分かるように、接続部72は、連結体71と電源14とをリード線73を介して電気的に接続している。なお、接続部72が電源14と直接接続されていてもよい。接続部72は、例えば、導電性の板部材等によって構成されている。接続部72とリード線73とは、第1の絶縁体74に支持されている。第1の絶縁体74は、容器20の上部に固定されている。第1の絶縁体74は、碍子によって構成されている。連結体71の詳細は、後述する。
【0022】
スペーサ42は、金属電極22と放電管24との間に介在している。スペーサ42は、金属電極22と放電管24との間の放電ギャップ44を所定間隔に維持する。スペーサ42は、放電管24を支持している。なお、スペーサ42は、金属電極22と一体化された突起であってもよい。
【0023】
電源14は、リード線73、連結体71、及びヒューズ40を介して、給電部材38と電気的に接続されている。電源14は、リード線73、連結体71、ヒューズ40、及び給電部材38を介して、高周波かつ高電圧の交流電圧を導電膜36に印加する。
【0024】
冷却水供給部16は、例えば、チラーユニットである。冷却水供給部16は、容器20の冷却水入口30と接続され、冷却水入口30から容器20の内部の水路46へ冷却水を供給する。
【0025】
次に、給電部材38について説明する。図3は、第1の実施形態の給電部材38の側面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿った給電部材38の断面図である。図5は、給電部材38の弾性部材50の全体斜視図である。図6は、弾性部材50の側面図である。図7は、給電部材38の接触部材52の側面図である。図8は、図7のVIII部の拡大図である。図3では、接触部材52の一部を省略している。
【0026】
図3及び図4に示すように、給電部材38は、弾性部材50と、接触部材52と、を有する。
【0027】
図3から図6に示すように、弾性部材50は、筒状(管状)に形成されている。弾性部材50は、誘電体部34と同軸になるように、誘電体部34の内側に配置されている。弾性部材50は、ステンレス等の導電性の材料を含み、導電性及び耐オゾン性を有する。例えば、弾性部材50は、ステンレス鋼(一例として、SUS304CSP)によって構成される。ステンレス鋼は、例えば、耐力が880[N/mm]以上のものである。なお、弾性部材50の材料及び材料の耐力は、上記に限定されない。弾性部材50のY方向の端部である一端部は、ヒューズ40の他端部と固定され、ヒューズ40の他端部と電気的に接続されている。弾性部材50の中央部には、弾性変形可能な弾性部54が形成されている。弾性部54は、中央部が両端部に比べて大径の筒状に形成されている。弾性部54は、誘電体部34の径方向に弾性変形可能に構成されている。弾性部54には、弾性部材50の軸方向に長い複数の開口部54aが形成されている。弾性部材50の軸方向は、弾性部材50の中心軸の軸方向である。これにより、弾性部54は、より容易に弾性変形して、外周部に設けられた接触部材52を導電膜36へと押圧する。
【0028】
図3図4図7、及び図8に示すように、接触部材52は、長手方向の両端部が開口した筒状に形成されている。接触部材52は、弾性部材50の外周面に設けられ、弾性部材50の外周面のほぼ全面を覆う。接触部材52は、ステンレス等の導電性の材料を含み、導電性及び耐オゾン性を有する。接触部材52は、複数の金属線材56を有する。複数の金属線材56は、ほぼ等間隔で配置された複数の経糸と複数の緯糸とを含み、メリヤス編み等によって編み込まれている。これにより、接触部材52は、弾性部材50の周方向及び長手方向に複数の金属線材56がほぼ均等に配置され、複数の開口がほぼ等間隔で二方向に配列された網目状となる。各金属線材56は、複数(例えば、2本)の金属細線58を有する。複数の金属細線58は、撚られている。金属細線58の線径は、80μm以上である。接触部材52は、弾性部材50の弾性力によって径方向の外側に押圧されることによって、導電膜36と接触して電気的に接続される。これにより、接触部材52は、導電膜36と弾性部材50とを電気的に接続する。
【0029】
また、弾性部材50は、弾性力によって接触部材52を導電膜36に押し付けることにより、接触部材52と導電膜36との間に放電管24の軸方向の摩擦力を発生させて導電膜36と接触部材52とのY方向の相対移動を制限する。上記摩擦力は、例えば、10[N]~20[N]である。上記摩擦力によって、放電管24の加速度を所定値にする軸方向の力が放電管24に作用しても、接触部材52と導電膜36とが放電管24の軸方向に相対移動せず、ひいては放電管24と給電部材38及びヒューズ40とが軸方向に相対移動しない。
【0030】
次に、連結体71及び連結体支持部75について説明する。図9は、第1の実施形態のオゾン発生器10の一部の正面図である。
【0031】
図1及び図9に示すように、連結体71は、容器20内において放電管24の内側(中空側)ではなく、放電管24の外側に配置されている。詳細には、連結体71は、放電管24のY方向側に配置されている。連結体71は、各ヒューズ40を連結するとともに各ヒューズ40と電気的に接続されている。連結体71は、導電性を有する。
【0032】
図9に示すように、連結体71は、複数のヒューズ支持部71aと、枠部71bと、補強部71cと、を有する。複数のヒューズ支持部71a、枠部71b、及び複数の補強部71cは、ステンレス等の導電性材料によって構成されている。なお、図9では、複数のヒューズ支持部71a、枠部71b、及び補強部71cは、模式的に示されている。また、図9では、複数の放電管24及び複数のヒューズ40は、一部だけが示されている。
【0033】
複数のヒューズ支持部71aは、それぞれ、Y方向に延びた帯板状に形成されている。複数のヒューズ支持部71aは、Z方向に間隔を空けて並べられている。ヒューズ支持部71aは、一つの部材(例えば板部材)によって構成されていてもよいし、複数の板部材(例えば板部材)によって構成されていてもよい。各ヒューズ支持部71aには、複数のヒューズ40の一端部がネジ等の結合具(不図示)によって固定されており、ヒューズ支持部71aは、複数のヒューズ40を支持している。ヒューズ支持部71aは、ヒューズ40と電気的に接続されている。なお、ヒューズ支持部71aの形状は、帯板状以外であってもよい。
【0034】
枠部71bは、例えば、多角形状に形成されている。枠部71bは、一つの部材(例えば板部材)によって構成されていてもいし、複数の板部材(例えば板部材)によって構成されていてもよい。枠部71bには、各ヒューズ支持部71aの両端部がネジ等の結合具(不図示)によって固定されており、枠部71bは、複数のヒューズ40を支持している。なお、枠部71bの形状は、円環状であってもよい。
【0035】
複数の補強部71cは、それぞれ、Z方向に伸びた帯板状に形成されている。複数の補強部71cは、X方向に間隔を空けて並べられている。補強部71cは、一つの部材(例えば板部材)によって構成されていてもいし、複数の板部材(例えば板部材)によって構成されていてもよい。各補強部71cの両端部は、枠部71bにネジ等の結合具(不図示)によって固定されている。なお、補強部71cの形状は、帯板状以外であってもよい。
【0036】
複数のヒューズ支持部71a、枠部71b、及び補強部71cは、互いに電気的に接続されている。
【0037】
連結体71は、複数の連結体支持部75を介して容器20に固定されている。
【0038】
複数の連結体支持部75は、接続部72と離間して容器20と連結体71との間に介在し、容器20に対する連結体71の移動を制限する。複数の連結体支持部75は、Y方向、Y方向の反対方向、及びY方向と交差する方向の連結体71の移動を制限する。複数の連結体支持部75は、容器20の筒部20aの内周面20dに筒部20aの周方向に間隔を空けて並べられている。複数の連結体支持部75は、容器20及び容器20の外側(外部)と、連結体71とを電気的に絶縁する。複数の連結体支持部75は、碍子によって構成されてもよい。本実施形態では、連結体支持部75に用いる絶縁体を第2の絶縁体という。連結体支持部75は、容器20及び容器20の外側(外部)と、連結体71とを電気的に絶縁可能な構成であればよく、連結体支持部75の全体が第2の絶縁体であってもよいし、一部が第2の絶縁体であってもよい。第1の絶縁体74と連結体支持部75(第2の絶縁体)との違いの一つは、容器20の外側(外部)と連結体71とを電気的に絶縁するか否かである。第1の絶縁体74は、容器20と連結体71とを電気的に絶縁するが、容器20の外側にある電源14と連結体71とを電気的に絶縁しない。それに対し、連結体支持部75(第2の絶縁体)は、容器20と連結体71とを電気的に絶縁し、容器20の外側と連結体71とを電気的に絶縁する。
【0039】
各連結体支持部75は、接続部72と離間して容器20と連結体71との間に介在している。具体的には、連結体支持部75の一端部は、固定部材(不図示)によって容器20の内周面20dに固定されている。連結体支持部75の他端部には、連結体71の枠部71bが固定部材(不図示)によって固定されている。すなわち、各連結体支持部75は、連結体71を容器20に固定している。
【0040】
また、一対の連結体支持部75A,75Dは、Y方向と直交する方向に連結体71を挟んでいる。また一対の連結体支持部75B,75Eは、Y方向と直交する方向に連結体71を挟んでいる。
【0041】
また、図1に示すように。連結体支持部75Cと第1の絶縁体74とは、Y方向と直交する方向に連結体71を挟んでいる。
【0042】
次に、オゾン発生器10の動作について説明する。図1に示すオゾン発生器10では、冷却水入口30から供給された冷却水が金属電極22の外側の水路46を流れつつ、金属電極22を冷却している状態で、ガス入口27から原料ガスが供給される。この状態で、電源14が、ヒューズ40、給電部材38の弾性部材50及び接触部材52を介して、導電膜36と金属電極22との間に交流電圧を供給する。これにより、金属電極22と放電管24との間の放電ギャップ44に高電圧が印加され、放電ギャップ44に生じた無声放電によって原料ガス中の酸素からオゾンが生成される。生成されたオゾンは、ガス出口28から排出される。
【0043】
以上のように、第1の実施形態では、オゾン発生器10は、容器20と、複数の放電管24と、給電部材38と、ヒューズ40と、連結体71と、連結体支持部75と、を備える。複数の放電管24は、容器20に収容されている。給電部材38は、放電管24の内側に配置されている。ヒューズ40は、給電部材38と結合されるとともに電気的に接続され、少なくとも一部分が放電管24の内側に配置されている。連結体71は、各ヒューズ40が電気的に接続されるように各ヒューズ40を連結している。連結体71は、導電性である。連結体支持部75は、容器20及び容器20の外側と、連結体71とを電気的に絶縁する。連結体支持部75は、容器20に対する連結体71の移動を制限する。
【0044】
このような構成によれば、連結体支持部75が、容器20に対する連結体71の移動を制限するので、容器20に対する給電部材38及びヒューズ40の移動が連結体71を介して連結体支持部75によって制限される。よって、オゾン発生器10の輸送中や設置後に、オゾン発生器10に外部から振動が伝わっても、給電部材38及びヒューズ40の位置ずれの発生が抑制される。また、上記構成では、容器20に対する給電部材38及びヒューズ40の移動が連結体71を介して連結体支持部75によって制限されるので、給電部材38及びヒューズ40の振動が抑制される。
【0045】
また、給電部材38は、接触部材52と、弾性部材50と、を有する。接触部材52は、放電管24の導電膜36と接している。弾性部材50は、弾性力によって接触部材52を放電管24の導電膜36に押し付けることにより、接触部材52と放電管24の導電膜36との間に摩擦力を発生させて接触部材52に対する放電管24の移動を制限する。
【0046】
このような構成によれば、弾性部材50が、放電管24と接触部材52との軸方向の相対移動を制限するので、給電部材38及びヒューズ40と放電管24との軸方向の相対移動が制限される。よって、オゾン発生器10の輸送中や設置後に、オゾン発生器10に外部から振動が伝わっても、放電管24の軸方向の位置ずれの発生が抑制され、放電管24が金属電極22から飛び出すのが抑制される。また、上記構成では、弾性部材50が、放電管24と接触部材52との軸方向の相対移動を制限するので、放電管24の振動が抑制される。
【0047】
また、連結体71は、複数のヒューズ40を支持するとともに各ヒューズ40と電気的に接続された複数のヒューズ支持部71aと、複数のヒューズ支持部71aと結合された枠部71bと、を有する。連結体支持部75は、容器20と枠部71bとの間に介在している。
【0048】
このような構成によれば、複数のヒューズ支持部71aが枠部71bによって結合されているので、枠部71bが設けられていない構成に比べて、連結体71の剛性を大きくすることができる。
【0049】
また、オゾン発生器10は、連結体71を挟んだ一対の連結体支持部75(連結体支持部75A、75D、連結体支持部75B、75E)を備える。
【0050】
このような構成によれば、連結体71の移動がより一層抑制されやすい。
【0051】
また、弾性部材50は、耐力が880[N/mm]以上の材料によって構成されている。
【0052】
このような構成によれば、弾性部材50の弾性変形量(ストローク量)を比較的大きくしやすい。よって、内径が比較的小さい放電管24であっても、内径が比較的大きい放電管24であっても、弾性部材50が弾性変形することができる。すなわち、一つの弾性部材50が、内径が異なる複数種類の放電管24に対応することができる。よって、弾性部材50の種類を少なくすることができる。
【0053】
<第2の実施形態>
図10は、第2の実施形態の給電部材38Aの断面図である。図10に示すように、給電部材38Aは、弾性部材50と、接触部材52Aとを有する。接触部材52Aは、一方(例えば、ヒューズ40側)が開口し、他方が閉口した管状に構成されている。接触部材52Aは、接触部60と、閉口部62とを有する。
【0054】
接触部60は、第1の実施形態の接触部材52とほぼ同様の構成を有する。したがって、接触部60は、両端が開口した管状に形成されている。接触部60は、弾性部材50の外周部に設けられる。接触部60は、弾性部材50に押圧されて導電膜36と電気的に接続される。
【0055】
閉口部62は、管状の接触部材52の他方(即ち、誘電体部34の閉口端側)の開口に連結されている。閉口部62は、接触部材52の他方の開口を覆って閉じる。閉口部62は、接触部材52及び接触部60と同様に、複数の金属細線58が撚られた金属線材56が編み込まれた網目状に構成されている。
【0056】
<第3の実施形態>
図11は、第3の実施形態の給電部材38Bの断面図である。図11に示すように、第3の実施形態の給電部材38Bは、弾性部材50と、複数の接触部材52Bとを備える。
【0057】
接触部材52Bは、第1の実施形態の接触部材52と同様の構成を有する。複数の接触部材52Bは、弾性部材50の外周部に積層されている。
【0058】
上述の実施形態の構成の形状、個数、配置、及び、数値等は適宜変更してよい。各実施形態は、適宜組み合わされてもよい。
【0059】
例えば、上述の実施形態では、2本の金属細線58を有する金属線材56を例に挙げたが、金属細線58の本数は適宜変更してよい。例えば、金属線材56は、1本または3本以上の金属細線58を有してもよい。
【0060】
上述の実施形態では、金属細線58の線径を80μm以上としたが、線径は80μm以上に限定されない。例えば、金属細線58は、70μm以上であってもよく、120μm以下であってもよい。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
10:オゾン発生器、20:容器、24:放電管、38,38A,38B:給電部材、50:弾性部材、52,52A,52B:接触部材、71:連結体、75,75A~75E:連結体支持部、71a:ヒューズ支持部、71b:枠部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11