IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日新電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-電源装置、及び電源装置の制御方法 図1
  • 特開-電源装置、及び電源装置の制御方法 図2
  • 特開-電源装置、及び電源装置の制御方法 図3
  • 特開-電源装置、及び電源装置の制御方法 図4
  • 特開-電源装置、及び電源装置の制御方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036369
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】電源装置、及び電源装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20230307BHJP
   H02J 9/04 20060101ALI20230307BHJP
   H02H 7/122 20060101ALI20230307BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
H02M7/48 M
H02J9/04
H02H7/122
H02J7/34 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143377
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】柏原 弘典
【テーマコード(参考)】
5G015
5G053
5G503
5H770
【Fターム(参考)】
5G015GA01
5G015GA11
5G015GB01
5G015GB05
5G015JA47
5G053AA02
5G053BA01
5G053BA04
5G053CA01
5G053EB01
5G053FA01
5G503AA05
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA05
5G503DA07
5G503FA14
5G503GB06
5H770BA11
5H770BA15
5H770CA06
5H770EA01
5H770HA02Y
5H770HA03Y
5H770JA17Z
5H770LA01Y
5H770LA02Y
5H770LA03Y
5H770LA05Z
5H770LA10Z
5H770LB05
(57)【要約】
【課題】短絡事故等の発生時において、電流制御と電圧制御とが相互に干渉するのを抑制することができる電源装置、及び電源装置の制御方法を提供する。
【解決手段】電源装置は、エネルギー貯蔵装置と、エネルギー貯蔵装置のDC出力をAC出力に変換するDC-AC変換器と、DC-AC変換器を制御する制御部(60)を備える。制御部(60)は、AC出力の電圧の値の、電圧の通常値からの偏差を参照して、電圧の値が通常値となるようにDC-AC変換器を制御する電圧制御ブロック(81)と、AC出力の電流の値が第1リミット値を超えた場合に、電圧制御ブロック(81)に入力される偏差を実質的に0とする入力遮断部と、電流の値が第1リミット値を超えた場合に、電流の値と、第1リミット値よりも大きい所定値との差異を参照して、電流の値が所定値となるように、DC-AC変換器を制御する電流制御ブロック(61)とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー貯蔵装置と、
前記エネルギー貯蔵装置のDC出力をAC出力に変換する変換器と、
前記AC出力の電流を計測する電流計測器と、
前記AC出力の電圧を計測する電圧計測器と、
前記変換器を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記電圧の値の、前記電圧の通常値からの偏差を参照して、前記電圧の値が前記通常値となるように前記変換器を制御する電圧制御ブロックと、
前記電流の値が第1リミット値を超えた場合に、前記電圧制御ブロックに入力される前記偏差を実質的に0とする入力遮断部と、
前記電流の値が前記第1リミット値を超えた場合に、前記電流の値と、前記第1リミット値よりも大きい所定値との差異を参照して、前記電流の値が前記所定値となるように、前記変換器を制御する電流制御ブロックと、を有する、電源装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記電流の値が前記第1リミット値を超えた後に、前記電流の値が前記第1リミット値未満に低下した場合に、
前記電流制御ブロックによる前記変換器の制御を停止するとともに、前記入力遮断部による前記電圧制御ブロックへの前記偏差の入力の遮断を解除する、請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記電流制御ブロックによる前記変換器の制御を停止してから、所定の遅延時間経過後に、前記入力遮断部による前記電圧制御ブロックへの前記偏差の入力の遮断を解除させる、請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記電圧制御ブロックの出力と、前記電流制御ブロックの出力と、前記通常値とを加算して前記変換器に入力する、請求項1から3のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項5】
エネルギー貯蔵装置と、
前記エネルギー貯蔵装置のDC出力をAC出力に変換する変換器と、
前記変換器を制御する制御部と、を備えた電源装置の制御方法であって、
前記AC出力の電圧の値の、前記電圧の通常値からの偏差を参照して、前記電圧の値が前記通常値となるように前記変換器を制御する第1制御を実行するとともに、
前記AC出力の電流の値が第1リミット値を超えた場合には、
前記第1制御における前記偏差を強制的に実質0とするとともに、
前記電流の値と、前記第1リミット値よりも大きい所定値との差異を参照して、前記電流の値が前記所定値となるように、前記変換器を制御する第2制御を合わせて実行する、電源装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源装置、及び電源装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発電システムによる電力系統等への電力供給のバックアップや平滑化を行うための、2次電池等のエネルギー貯蔵装置を備えた電源装置が知られている。このような電源装置は、エネルギー貯蔵装置の出力する直流電力を、所要の電圧及び周波数の交流電力に変換する変換器を備えている。発電システムからの電力供給が低下または停止した際に、このような電源装置は、必要な交流電力を電力系統または特定の電気使用設備に対して供給するように動作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/033299号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の電源装置では、例えば、電力系統での短絡事故や瞬低などの発生時において、変換器のAC出力の電圧の値が低下し、かつ、変換器のAC出力の電流の値が急速に増加するために、当該AC出力の電圧の値を用いた電圧制御と当該AC出力の電流の値を用いた電流制御とを併用して、当該変換器の制御を実行していた。
【0005】
ところが、上記のような従来の電源装置では、短絡事故等の発生時において、電流制御と電圧制御とが相互に干渉するという問題点を生じることがあった。
【0006】
本開示は上記の問題点を鑑みてなされたものであり、短絡事故等の発生時において、電流制御と電圧制御とが相互に干渉するのを抑制することができる電源装置、及び電源装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示の一側面に係る電源装置は、エネルギー貯蔵装置と、前記エネルギー貯蔵装置のDC出力をAC出力に変換する変換器と、前記AC出力の電流を計測する電流計測器と、前記AC出力の電圧を計測する電圧計測器と、前記変換器を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電圧の値の、前記電圧の通常値からの偏差を参照して、前記電圧の値が前記通常値となるように前記変換器を制御する電圧制御ブロックと、前記電流の値が第1リミット値を超えた場合に、前記電圧制御ブロックに入力される前記偏差を実質的に0とする入力遮断部と、前記電流の値が前記第1リミット値を超えた場合に、前記電流の値と、前記第1リミット値よりも大きい所定値との差異を参照して、前記電流の値が前記所定値となるように、前記変換器を制御する電流制御ブロックと、を有する。
【0008】
また、本開示の一側面に係る電源装置の制御方法は、エネルギー貯蔵装置と、前記エネルギー貯蔵装置のDC出力をAC出力に変換する変換器と、前記変換器を制御する制御部と、を備えた電源装置の制御方法であって、前記AC出力の電圧の値の、前記電圧の通常値からの偏差を参照して、前記電圧の値が前記通常値となるように前記変換器を制御する第1制御を実行するとともに、前記AC出力の電流の値が第1リミット値を超えた場合には、前記第1制御における前記偏差を強制的に実質0とするとともに、前記電流の値と、前記第1リミット値よりも大きい所定値との差異を参照して、前記電流の値が前記所定値となるように、前記変換器を制御する第2制御を合わせて実行する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、短絡事故等の発生時において、電流制御と電圧制御とが相互に干渉するのを抑制することができる電源装置、及び電源装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る電源装置及びそれを適用した電力系統を示す概略構成図である。
図2】上記電源装置に含まれた制御部の制御ロジックを示す図である。
図3】上記電源装置の各部の信号波形を示すタイムチャートである。
図4】比較例の電源装置における動作波形の具体例を示す波形図である。
図5】上記電源装置における動作波形の具体例を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
<電源装置1が適用される電力系統100の構成>
図1は、実施形態に係る電源装置1を示す図である。図1には、電源装置1が適用された電力系統100の全体が示されている。電源装置1は、エネルギー貯蔵装置10を備えた、電力を貯蔵できる装置である。電源装置1の出力する交流電力(AC出力)は、複数のフィーダ90に供給される。
【0013】
それぞれのフィーダ90は、ブレーカ91と負荷92とから構成される。それぞれのフィーダ90において、ブレーカ91は、当該フィーダ90内で短絡事故が発生すると、過電流の所定時間の継続を検出してトリップし、当該フィーダ90を電力系統100から解列させる。
【0014】
なお、図1には示されないが、電力系統100には、太陽光発電システムや風力発電システム等の自然エネルギーによる発電システムが、電源装置1に並列配置されていてもよい。あるいは、ディーゼル発電機やコジェネレーションシステム等の、燃料を用いる発電システムが電源装置1に並列配置されていてもよい。電源装置1は、少なくともこれらいずれかの発電システムの出力のバックアップとして適用され得る。その意味で電源装置1は、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)でもある。
【0015】
電力系統100の具体例として、離島内や山間部の孤立した電力系統を挙げることができる。そのような電力系統で自然エネルギーによる発電システムが用いられていれば、エネルギー貯蔵装置10を備えた電源装置1が適用されることで、自然エネルギーを利用する電力供給の平滑化が図られる。あるいは、そのような電力系統100で燃料を用いる発電システムが用いられていれば、発電システムの故障に備えたバックアップ電源としても電源装置1が採用され得る。
【0016】
しかし、電力系統100の具体例としては、離島内や山間部の孤立した電力系統に限られるものではなく、自然エネルギーを用いた発電システムやその他の発電システムを利用する工場内の電力系統であってもよい。工場内の電力系統であっても、本発明の開示例の効果、作用は同様に奏される。
【0017】
実施形態に係る電源装置1は、電力系統100に対する電力の供給を行っている時に、フィーダ90において短絡事故が発生した際にも、なるべく運用を停止せず、電力系統100に対する電力の供給を継続するように動作する。以下の説明においては、理解を容易にするため、電力系統100に対して電源装置1のみが電力の供給を行っているかのように記載している。しかし、電源装置1が電力系統100に対する電力の供給を行っておれば、他の発電システムと並列運用していても、電源装置1の動作は同様である。
【0018】
<電源装置1の構成>
図1に示されるように、電源装置1は、エネルギー貯蔵装置10、DC-AC変換器20(変換器)、フィルタ30、電流計測器40、電圧計測器50、及び制御部60を備えている。
【0019】
エネルギー貯蔵装置10は、入力された電力を内部にエネルギーとして保持し、保持したエネルギーを必要に応じて直流電力(DC出力)として出力する装置である。エネルギー貯蔵装置10は、リチウムイオン電池、NaS(ナトリウム・硫黄)電池、レドックスフロー電池、鉛蓄電池等の、2次電池を備えた装置であり得る。
【0020】
しかしエネルギー貯蔵装置10は2次電池を備えた装置に限られるものではない。エネルギー貯蔵装置10として、キャパシタ、超伝導電力貯蔵ユニット、フライホイール式電力貯蔵ユニット、圧縮空気式電力貯蔵ユニットなど、電気エネルギーを貯蔵する機能を備えた任意のユニットを用いることができる。なお、エネルギー貯蔵装置10が直流電力として出力する装置であるとは、一旦内部で交流電力として出力した電力を、整流回路やコンバータ等で直流化して出力する場合も含む概念である。
【0021】
DC-AC変換器20は、エネルギー貯蔵装置10が出力する直流電力(DC出力)を、交流電力(AC出力)に変換する装置である。DC-AC変換器20は、制御部60からの出力指令に従ったPWM(Pulse Width Modulation)により、直流電力を、フィルタ30を介して、電力系統100が利用する所要の電圧、周波数の交流電力に変換する。フィルタ30は、DC-AC変換器20の出力に含まれる高調波を取り除くためのフィルタである。電流計測器40、電圧計測器50は、それぞれ電源装置1が出力する交流電力(AC出力)の電流、電圧を計測し、その情報を制御部60に伝達する。
【0022】
<制御部60の構成>
次に、図2及び図3も参照して、制御部60の構成、及びその動作について具体的に説明する。図2は、上記電源装置1に含まれた制御部60の制御ロジックを示す図である。図3は、上記電源装置1の各部の信号波形を示すタイムチャートである。
【0023】
制御部60がDC-AC変換器20に出力する出力指令は、制御部60が指示する出力電圧の瞬時値である。瞬時値Vsin(ωt)は、位相成分sin(ωt)と振幅成分Vとの積である。位相成分sin(ωt)を表す位相指令は、周波数指令(ωに相当)に基づき位相算出902の機能ブロックにより算出される。
【0024】
振幅成分Vは振幅指令として算出される。なお振幅は非負であるので、振幅指令の算出には、0未満の信号を制限するリミッタ901が設けられている。出力指令は振幅指令と位相指令とが乗算器903で掛け合わされて生成される。
【0025】
本実施形態の制御部60では、いずれかのフィーダ90で短絡事故や瞬低(数百ms程度)などが発生していない通常時、例えば、図3の時点T1までの期間(「電圧制御」と示されている期間)、DC-AC変換器20に対する電圧制御ブロック81による、第1制御としての電圧制御モードが実行される。また、制御部60では、いずれかのフィーダ90で短絡事故等の発生時、例えば、図3の時点T1から時点T2で示す期間(「電流制御」と示されている期間)、DC-AC変換器20に対する電流制御ブロック61による、第2制御としての電流制御モードが実行される。
【0026】
電圧制御ブロック81は、DC-AC変換器の出力を制御する制御部が通常備えているような機能ブロックである。電圧制御ブロック81には、電圧制御器802が設けられており、電圧指令としての電圧基準振幅値の通常値(一般的に定格電圧)と電圧計測値の差異(電圧偏差)とが入力される。
【0027】
電圧制御器802は、例えば、一般的なPI制御を行う機能ブロックである。電圧制御器802は、上記電圧偏差と、当該電圧偏差の過去からの積分に基づき、当該電圧制御器802の出力を算出する。電圧偏差及び電圧偏差の積分が0であれば、電圧制御器802はその出力として一定値を算出し続ける。電圧偏差と電圧偏差の積分が0以外であれば、電圧制御器802は電圧偏差が0に向かうように当該電圧制御器802の出力を算出する。こうして制御部60は、通常時(図3の時点T1まで)には、電圧計測値が上記通常値となるように、DC-AC変換器20をフィードバック制御する。
【0028】
なお、上記の説明では、電圧制御器802に、一般的なPI制御を行う機能ブロックを用いた場合について説明した。しかしながら、本実施形態の電圧制御器802は、フィードバック制御を行えるものであれば何等限定されるものではなく、例えば、一般的なP制御、または微分制御などの他の制御を行う機能ブロックを電圧制御器802に用いることもできる。
【0029】
更には、電圧制御ブロック81は、電圧計測器50からの電圧計測値(AC出力の電圧の値)と通常値との電圧偏差に対して、反転回路703の出力を掛け合わす乗算器801とを備えている。反転回路703の動作については後述する。上記通常時において、電圧制御ブロック81の乗算器801には、例えば、図3の時点T1までの期間に示されるように、反転回路703から1(Highレベル)の信号が入力される。これにより、電圧制御ブロック81では、上記通常時では、上記電圧偏差が0とされずに、電圧制御器802に対して入力されて、DC-AC変換器20のフィードバック制御が実行される。
【0030】
また、制御部60は、図2に示すように、電圧制御ブロック81の出力として、上記通常値を加算してDC-AC変換器20に入力するように構成されている。しかし、上記通常値(定格電圧)は一定値であるので、結果として通常時には、DC-AC変換器20が上記電圧偏差によってフィードバック制御される。
【0031】
次に、制御部60の他の機能ブロックについて説明する。電流制御ブロック61には、電流制御器602が設けられており、電流指令としての電流出力上限設定値と電流計測値の差異(電流偏差)とが入力される。ここで、制御部60において、電流出力上限設定値は以下のように定められている値である。なお、図3の変換器電流のチャートにおいて電流出力上限設定値L1が点線で示されている。
【0032】
電流計測値が第1リミット値より小さい通常時には、第1リミット値が電流出力上限設定値とされる。ここで、第1リミット値は、継続的にそのような電流を出力してもDC-AC変換器20が破損しないような電流値に設定される。
【0033】
いずれかのフィーダ90で短絡事故が発生すると、事故電流が流れるためDC-AC変換器20が出力する電流が急増する。すると、電流計測値が第1リミット値を超える。そして、制御部60は、電流計測値が第1リミット値を超えた場合に、電流制御ブロック61で算出される電流出力上限設定値を第2リミット値まで増加させる。
【0034】
第2リミット値は、第1リミット値よりも大きな値であり、DC-AC変換器20の短時間過負荷レベル以下の値から選択される。また、第2リミット値は、短絡事故の発生したフィーダ90のブレーカ91において過電流が一定時間継続されることで、当該ブレーカ91にトリップを起こさせるような電流値から設定される。第2リミット値の具体的な値としては、第1リミット値の1.5~2倍程度が適当である。
【0035】
なお、制御部60は、電流出力上限設定値の第1リミット値から第2リミット値への変更を、値が徐々に変化するように行うことが好ましい。電流上限値の変化に伴う電源装置1の出力電圧の制御を安定して実行できるようにするためである。
【0036】
また、短絡事故が発生したフィーダ90のブレーカ91がトリップすると、当該フィーダ90が解列する。第2リミット値が、短絡事故の発生したフィーダ90のブレーカ91において過電流(事故電流)が一定時間継続されることで、トリップを発生させるような値に設定されているためである。
【0037】
短絡事故発生箇所が電力系統100から切り離されると、事故電流の流出が無くなり、DC-AC変換器20が出力する電流は急減して、第1リミット値より小さい値に戻る。制御部60は、電流計測値が第1リミット値未満に低下すると、第1リミット値を電流出力上限設定値とする。つまり、電流出力上限設定値の設定は通常時に戻る。
【0038】
電流制御ブロック61は、電流計測器40からの電流計測値(AC出力の電流の値)が入力される実効値算出601の機能ブロックと、電流出力上限設定値と電流計測値(電流計測値が瞬時値である場合には、実効値算出601の機能ブロックにより算出される電流波形の実効値に比例する値)との差分(電流偏差)が入力される電流制御器602と、電流制御器602に接続されたリミッタ603とを備える。
【0039】
電流制御器602は、例えば、一般的なPI制御を行う機能ブロックである。電流偏差及び電流偏差の積分が0であれば、電流制御器602は出力として0を算出し続ける。電流偏差と電流偏差の積分が0以外であれば、電流制御器602は当該電流偏差が0に向かうように出力を算出する。
【0040】
なお、上記の説明では、電流制御器602に、一般的なPI制御を行う機能ブロックを用いた場合について説明した。しかしながら、本実施形態の電流制御器602は、フィードバック制御を行えるものであれば何等限定されるものではなく、例えば、一般的なP制御、または微分制御などの他の制御を行う機能ブロックを電流制御器602に用いることもできる。
【0041】
電流制御器602の出力は、リミッタ603を通じて、負である場合にそのまま電流抑制指令(つまり、電流制御ブロック61の出力)として算出される。それ以外の場合、リミッタ603の作用により、電流抑制指令は0であり、電流制御器602の出力は反映されない。
【0042】
さらに、制御部60は、電流制御ブロック61の出力が入力される抑制検出器701と、抑制検出器701の出力が入力される遅れ回路702と、遅れ回路702の出力が入力される反転回路703とを備えており、反転回路703の出力は電圧制御ブロック81の乗算器801に入力されるように構成されている。
【0043】
抑制検出器701は、電流抑制指令が負値、すなわち、電流制御器602の出力が、リミッタ603でカットされずに出力されているときに、1(Highレベル)の信号を出力し、それ以外のときに0(Lowレベル)の信号を出力する機能ブロックである。遅れ回路702は、入力された信号が0から1に反転したときに、所定の遅延時間(例えば、10ms)を有して信号を0から1に反転させて出力する機能ブロックである。
【0044】
それ以外のときに遅れ回路702は、入力信号をそのままの状態で出力する。反転回路703は、入力された1(Highレベル)の信号と0(Lowレベル)の信号とを反転させて出力する機能ブロックである。また、これらの抑制検出器701、遅れ回路702、反転回路703、及び乗算器801は、上記入力遮断部を構成している。
【0045】
<電源装置1の動作>
続いて、電源装置1の動作について説明する。上述のように、図3の時点T1までの期間、DC-AC変換器20は、電圧制御ブロック81によりフィードバック制御される。このとき、電流出力上限設定値L1が第1リミット値であり、電流計測値は第1リミット値以下であるため、電流制御器602には正の電流偏差が入力される。
【0046】
すると、電流制御器602は、DC-AC変換器20の出力を増加させるための正の信号を出力するが、リミッタ603の作用により出力は0とされ、電流抑制指令は0となる。よって、電流制御ブロック61はDC-AC変換器20の制御に寄与しない。また、電流制御器602の出力を検出していない抑制検出器701は0(Lowレベル)の信号を出力し、反転回路703を経て乗算器801には1(Highレベル)の信号が、上述の通り出力される。
【0047】
短絡事故が発生し、時点T1でAC出力の電流の値が第1リミット値を超えると、電流偏差が急激に負に反転し、電流制御器602の出力が負となり、電流抑制指令が出力されるようになる。振幅指令には、電流抑制指令が加算されて、DC-AC変換器20の出力が急速に抑制される。こうして、AC出力の電流の値(電流計測値)が急速に抑制される。
【0048】
また、以下のようにして上記入力遮断部は電圧制御ブロック81に入力される上記電圧偏差を強制的に実質0とする。すると、電圧制御ブロック81はDC-AC変換器20の制御に実質的に寄与しなくなる。
【0049】
電流制御器602からの電流抑制指令は、抑制検出器701にも出力される。すると、抑制検出器701が、電流制御ブロック61の出力(電流抑制指令)に応じて、1(Highレベル)の信号を遅れ回路702に出力する。遅れ回路702は、入力した抑制検出器701からの信号を反転回路703に出力する。反転回路703は、遅れ回路702を介して入力した抑制検出器701からの信号のレベルを反転して、電圧制御ブロック81の乗算器801に出力する。
【0050】
こうして図3に示されるように、時点T1で、抑制検出器701から遅れ回路702への出力は、LowレベルからHighレベルに切り替えられるとともに、反転回路703から乗算器801への出力は、HighレベルからLowレベルに切り替えられる。この結果、時点T1において、これらの抑制検出器701、遅れ回路702、反転回路703、及び乗算器801を含む入力遮断部は、電圧制御ブロック81に入力される電圧偏差を強制的に実質0とする。
【0051】
このように、時点T1以降では、DC-AC変換器20は、電流制御ブロック61によりフィードバック制御される。すなわち、制御部60が、DC-AC変換器20を、電流制御モード(第2制御モード)で制御するようになる。なお上述のように、制御部60は、上記電流出力上限設定値を第2リミット値まで徐々に増加させるため、AC出力の電流の値(電流計測値)は、徐々に第2リミット値にまで増加し、その後一定となる。
【0052】
図3の時点T2において、上述の通り、自己が発生したフィーダ90が解列すると、図3の変換器電流に示すように、DC-AC変換器20が出力する電流は急減して、第1リミット値より小さい値となる。すると、電流偏差が急激に正に反転し、電流制御器602の出力は0となり、リミッタ603の作用により、電流抑制指令もまた0となる。この結果、時点T2以降では、電流制御ブロック61はDC-AC変換器20の制御に寄与しなくなる。
【0053】
すると、図3に示されるように、時点T2で、抑制検出器701から遅れ回路702への出力は、1(Highレベル)の信号から0(Lowレベル)の信号に切り替えられる。また、遅れ回路702の機能により、図3の時点T2から上記遅延期間を経過した時点T3において、反転回路703から乗算器801への出力は、0(Lowレベル)の信号から1(Highレベル)の信号に切り替えられる。
【0054】
つまり、時点T2と時点T3との間の遅延期間では、抑制検出器701から反転回路703への信号は、遅れ回路702により、遅延される。このため、当該遅延期間では、電流制御ブロック61及び電圧制御ブロック81の双方がDC-AC変換器20の制御に寄与しない、電圧基準振幅値(電圧の定格値)に基づくオープンループ制御が実行される。
【0055】
その後、時点T3以降では、反転回路703から乗算器801の信号が1(Highレベル)の信号とされるので、電圧制御ブロック81によるDC-AC変換器20の制御が行われるようになる。
【0056】
すなわち、本実施形態では、制御部60は、上記AC出力の電流の値が第1リミット値を超えた後に、当該電流の値が第1リミット値未満に低下した場合に、電流制御ブロック61によるDC-AC変換器20の制御を停止してから、所定の遅延時間経過後に、上記入力遮断部による電圧制御ブロック81への電圧偏差の入力の遮断を解除させる。そして、制御部60は、電圧制御ブロック81によるフィードバック制御を行わせる。
【0057】
以上のように構成された本実施形態の電源装置1、及びその制御方法では、制御部60は上記AC出力の電圧の値の、電圧の通常値からの電圧偏差を参照して、電圧の値が通常値となるようにDC-AC変換器20を制御する電圧制御ブロック81を有する。制御部60は、上記AC出力の電流の値が第1リミット値を超えた場合に、電圧制御ブロック81に入力される電圧偏差を実質的に0とするとともに、上記電流の値と、第1リミット値よりも大きい所定値との差異を参照して、電流の値が所定値となるように、DC-AC変換器20を制御する。これにより、本実施形態では、短絡事故等の発生時において、電流制御と電圧制御とが相互に干渉することを回避することができる。
【0058】
また、本実施形態では、制御部60は、上記AC出力の電流の値が第1リミット値を超えた後に、当該電流の値が第1リミット値未満に低下した場合に、電流制御ブロック61によるDC-AC変換器20の制御を停止するとともに、上記入力遮断部による電圧制御ブロック81への電圧偏差の入力の遮断を解除する。これにより、本実施形態では、短絡事故等の復旧後において、DC-AC変換器20に対する電流制御ブロック61による電流制御モードからDC-AC変換器20に対する電圧制御ブロック81による電圧制御モードに切り替えることができ、当該DC-AC変換器20に対する制御モードの切り替えを適切に行うことができる。
【0059】
また、本実施形態では、制御部60は電圧制御ブロック81の出力として、電流制御ブロック61の出力と上記通常値(電圧振幅基準値)とを加算している。これにより、本実施形態では、制御部60において通常値を用いたフィードフォワード制御が行われることとなり、短絡事故等の復旧後において、AC出力の電圧を高速に復電することができる。
【0060】
尚、上記の説明以外に、制御部60において、電圧制御ブロック81の出力として、電流制御ブロック61の出力に通常値を加算することなく、当該通常値を用いたフィードフォワード制御の実行を省略することもできる。このようにフィードフォワード制御の実行を割愛した場合には、電源装置1では、制御部60は短絡事故等の復旧時に、出力電圧(電圧計測値)が徐々に復帰するように制御する。そのため、電源装置1のDC-AC変換器20を損傷させるような、例えば、出力電圧(電圧計測値)が急増した場合の電力系統100内の変圧器による過渡的な過電流(偏磁突入電流)が発生することが効果的に抑制される。
【0061】
<容量性負荷投入時の動作>
また、本実施形態では、上記AC出力の電流の値が第1リミット値を超えた場合に、電圧制御モードを停止させて、電流制御モードに切り替える。このため、本実施形態の制御部60は、いずれかのフィーダ90において、例えば、過電圧または電圧低下を伴う負荷92としてのコンデンサや変圧器の投入時においても、電流制御モードを実行することにより、過電流(インラッシュ電流)を抑制することができ、過電圧または電圧低下(瞬低)の発生を抑えることができる。
【0062】
比較例として、一般的なDC-AC変換器を制御する制御部の構成である、実施形態1の電圧制御ブロック81に相当する機能のみを有した制御部を備えた電源装置の、容量性負荷の投入動作時の動作を図4に示す。比較例では、時点T14で、コンデンサ等の容量性負荷が投入されると、図4の変換器電流のチャートに示されように、DC-AC変換器20のAC出力の電流の値は、定格電流の2倍程度に上昇する。また、この比較例では、負荷電圧実効値もまた、定格電圧の1.4倍程度に上昇する。
【0063】
これに対して、本実施形態の電源装置1では、図5に示されるように、時点T4で、コンデンサ等の容量性負荷が投入されると、変換器電流のチャートに示されるように、DC-AC変換器20のAC出力の電流の値は、定格電流の1.5倍程度の上昇に抑えることができる。また、本実施形態では、負荷電圧実効値もまた、定格電圧の1.08倍程度の上昇に抑えることができる。
【0064】
なお、上記実施形態の説明では、遅れ回路702を上記入力遮断部に設けて、電流制御ブロック61によるDC-AC変換器20の制御を停止した後に、当該入力遮断部による電圧制御ブロック81への電圧偏差の入力の遮断の解除を遅延させる構成について説明した。しかしながら、本実施形態はこれに限定されるものではなく、電圧制御ブロック81への電圧偏差の入力の遮断の解除を遅延させない構成でもよい。
【0065】
すなわち、上記実施形態の説明では、図3に示したように、電流制御モードの後に、オープンループ制御を実行し、さらにその後に電圧制御モードを実行する場合について説明した。しかしながら、遅れ回路702の設置を省略してオープンループ制御の実行を割愛する構成でもよい。但し、制御部60においてオープンループ制御を行う場合の方が、電流制御ブロック61の動作と電圧制御ブロック81の動作とがチャタリングを生じるのを確実に抑えることができ、短絡事故等の復旧後においてAC出力を容易に安定化することができる点で好ましい。
【0066】
具体的には、制御部60では、電圧計測値に負荷電圧の変動分が入力されて電圧制御器802が変動して過電流を再度出力しないように、オープンループ制御を行うことによって、負荷電圧と電圧計測値とが安定してから(つまり、振動が収まってから)、フィードバック制御を再開することでチャタリングを生じるのを確実に抑えることができるからである。
【0067】
また、上記実施形態の説明において、各相の制御は、特に相ごとに区別されず、一括の制御によって実行されるように記載された。その際に制御部は、電圧測定値や電流測定値として、電圧は各相の中で最小の値、電流は各相の中で最大の値を採用するようにして制御を実行すればよい。あるいは、電流測定値として3相瞬時実効値(各相の瞬時電圧値の二乗平均平方根)を採用してもよい。しかし各相の制御は、制御部が、相毎に別個に行うものであってもよい。この場合、電流上限値が一括に定められるものであっても、相毎に定められるものであってもよい。
【0068】
また、上記実施形態の説明において、電圧指令及び周波数指令は一定値、特に定格値であるように扱われており、変化する値としては取り扱われなかった。これは、電力系統100がいわゆる定電圧定周波(Constant Voltage Constant Frequency)運用される場合に相当する。しかし、電源装置1が、電圧や周波数が負荷状態に応じて変動する例えばディーゼル発電機等のような発電システムと連携して運用される場合には、そのような変動に対応して、電圧指令及び周波数指令が調整されるものであってもよい。
【0069】
〔ソフトウェアによる実現例〕
電源装置1の各機能ブロック(特に、制御部60)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0070】
後者の場合、電源装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。
【0071】
上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0072】
〔まとめ〕
上記の課題を解決するために、本開示の一側面に係る電源装置は、エネルギー貯蔵装置と、前記エネルギー貯蔵装置のDC出力をAC出力に変換する変換器と、前記AC出力の電流を計測する電流計測器と、前記AC出力の電圧を計測する電圧計測器と、前記変換器を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記電圧の値の、前記電圧の通常値からの偏差を参照して、前記電圧の値が前記通常値となるように前記変換器を制御する電圧制御ブロックと、前記電流の値が第1リミット値を超えた場合に、前記電圧制御ブロックに入力される前記偏差を実質的に0とする入力遮断部と、前記電流の値が前記第1リミット値を超えた場合に、前記電流の値と、前記第1リミット値よりも大きい所定値との差異を参照して、前記電流の値が前記所定値となるように、前記変換器を制御する電流制御ブロックと、を有する。
【0073】
上記構成によれば、短絡事故等の発生時において、電流制御と電圧制御とが相互に干渉するのを抑制することができる電源装置を提供することができる。
【0074】
上記一側面に係る電源装置において、前記制御部は、前記電流の値が前記第1リミット値を超えた後に、前記電流の値が前記第1リミット値未満に低下した場合に、前記電流制御ブロックによる前記変換器の制御を停止するとともに、前記入力遮断部による前記電圧制御ブロックへの前記偏差の入力の遮断を解除してもよい。
【0075】
上記構成によれば、短絡事故等の復旧後において、変換器に対する電流制御ブロックによる電流制御モードから変換器に対する電圧制御ブロックによる電圧制御モードに切り替えることができ、当該変換器に対する制御モードの切り替えを適切に行うことができる。
【0076】
上記一側面に係る電源装置において、前記制御部は、前記電流制御ブロックによる前記変換器の制御を停止してから、所定の遅延時間経過後に、前記入力遮断部による前記電圧制御ブロックへの前記偏差の入力の遮断を解除させてもよい。
【0077】
上記構成によれば、制御部においてオープンループ制御が行われることとなり、電流制御ブロックの動作と電圧制御ブロックの動作とがチャタリングを生じるのを確実に抑えることができ、短絡事故等の復旧後においてAC出力を容易に安定化することができる。
【0078】
上記一側面に係る電源装置において、前記制御部は、前記電圧制御ブロックの出力と、前記電流制御ブロックの出力と、前記通常値とを加算して前記変換器に入力してもよい。
【0079】
上記構成によれば、制御部において通常値を用いたフィードフォワード制御が行われることとなり、短絡事故等の復旧後において、AC出力の電圧を高速に復電することができる。
【0080】
また、本開示の一側面に係る電源装置の制御方法は、エネルギー貯蔵装置と、前記エネルギー貯蔵装置のDC出力をAC出力に変換する変換器と、前記変換器を制御する制御部と、を備えた電源装置の制御方法であって、前記AC出力の電圧の値の、前記電圧の通常値からの偏差を参照して、前記電圧の値が前記通常値となるように前記変換器を制御する第1制御を実行するとともに、前記AC出力の電流の値が第1リミット値を超えた場合には、前記第1制御における前記偏差を強制的に実質0とするとともに、前記電流の値と、前記第1リミット値よりも大きい所定値との差異を参照して、前記電流の値が前記所定値となるように、前記変換器を制御する第2制御を合わせて実行する。
【0081】
上記構成によれば、短絡事故等の発生時において、電流制御と電圧制御とが相互に干渉するのを抑制することができる電源装置の制御方法を提供することができる。
【0082】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1 電源装置
10 エネルギー貯蔵装置
20 DC-AC変換器(変換器)
40 電流計測器
50 電圧計測器
60 制御部
61 電流制御ブロック
81 電圧制御ブロック
701 抑制検出器(入力遮断部)
702 遅れ回路(入力遮断部)
703 反転回路(入力遮断部)
801 乗算器(入力遮断部)
図1
図2
図3
図4
図5