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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036386
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】ベッド装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 21/08 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
A47C21/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143407
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000010032
【氏名又は名称】フランスベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大山 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】緑川 明浩
(72)【発明者】
【氏名】石橋 俊一
(57)【要約】
【課題】 側柵を取り付け可能なベッド装置の利便性を高める。
【解決手段】 ベッド装置は、第1方向に長尺なベッドフレームと、脚部を有する側柵と、前記第1方向と交差する第2方向における前記ベッドフレームの側部に設けられた側柵ベースと、前記側柵ベースに着脱可能なカバーと、を備えている。前記側柵ベースは、前記脚部を挿入可能な第1支持孔および第2支持孔と、前記第1支持孔および前記第2支持孔が開口する上面と、前記上面の反対側の下面と、前記上面および前記下面を繋ぐ側面と、を有している。前記カバーは、前記第1支持孔および前記第2支持孔の一方を露出させるとともに他方を塞ぐ第1部分と、前記下面を覆う第2部分と、前記側面を覆う第3部分と、を有している。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に長尺なベッドフレームと、
脚部を有する側柵と、
前記第1方向と交差する第2方向における前記ベッドフレームの側部に設けられた側柵ベースと、
前記側柵ベースに着脱可能なカバーと、
を備え、
前記側柵ベースは、前記脚部を挿入可能な第1支持孔および第2支持孔と、前記第1支持孔および前記第2支持孔が開口する上面と、前記上面の反対側の下面と、前記上面および前記下面を繋ぐ側面と、を有し、
前記カバーは、前記第1支持孔および前記第2支持孔の一方を露出させるとともに他方を塞ぐ第1部分と、前記下面を覆う第2部分と、前記側面を覆う第3部分と、を有している、
ベッド装置。
【請求項2】
前記側柵ベースは、第1マークおよび第2マークを有し、
前記カバーは、前記第1マークおよび前記第2マークの一方を露出させるとともに他方を覆う、
請求項1に記載のベッド装置。
【請求項3】
第1方向における第1端部および第2端部と、前記第1方向と交差する第2方向における第1側部および第2側部とを有するベッドフレームと、
脚部を有する側柵と、
前記第1側部に設けられた第1側柵ベースと、
前記第2側部に設けられた第2側柵ベースと、
前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの双方に着脱可能な第1カバーおよび第2カバーと、
を備え、
前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースは、前記脚部を挿入可能な第1支持孔と、前記第1支持孔よりも前記第1端部の近くに位置し、前記脚部を挿入可能な第2支持孔と、をそれぞれ有し、
前記第1カバーを前記第1側柵ベースに取り付け、かつ前記第2カバーを前記第2側柵ベースに取り付けた場合に、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第1支持孔がそれぞれ前記第1カバーおよび前記第2カバーから露出するとともに、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第2支持孔がそれぞれ前記第1カバーおよび前記第2カバーにより塞がれ、
前記第2カバーを前記第1側柵ベースに取り付け、かつ前記第1カバーを前記第2側柵ベースに取り付けた場合に、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第2支持孔がそれぞれ前記第2カバーおよび前記第1カバーから露出するとともに、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第1支持孔がそれぞれ前記第2カバーおよび前記第1カバーにより塞がれる、
ベッド装置。
【請求項4】
前記第1端部に設けられるボードと、
前記第1端部と前記ボードの距離が調整可能となるように前記ボードを支持するボードベースと、
をさらに備える請求項3に記載のベッド装置。
【請求項5】
前記ボードベースは、第1位置と、前記第1位置よりも前記第1端部から離れた第2位置との間で前記ボードの位置を調整可能であり、
前記第1方向における前記第1位置と前記第2位置の間の距離は、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースのそれぞれにおける前記第1支持孔と前記第2支持孔の間の距離と等しい、
請求項4に記載のベッド装置。
【請求項6】
前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースは、第1マークおよび第2マークをそれぞれ有し、
前記第1カバーを前記第1側柵ベースに取り付け、かつ前記第2カバーを前記第2側柵ベースに取り付けた場合に、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第1マークがそれぞれ前記第1カバーおよび前記第2カバーから露出するとともに、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第2マークがそれぞれ前記第1カバーおよび前記第2カバーにより覆われ、
前記第2カバーを前記第1側柵ベースに取り付け、かつ前記第1カバーを前記第2側柵ベースに取り付けた場合に、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第2マークがそれぞれ前記第2カバーおよび前記第1カバーから露出するとともに、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第1マークがそれぞれ前記第2カバーおよび前記第1カバーにより覆われる、
請求項3乃至5のうちいずれか1項に記載のベッド装置。
【請求項7】
第1方向に長尺であり、前記第1方向と交差する第2方向における第1側部および第2側部を有するベッドフレームと、
脚部を有する側柵と、
前記第1側部に設けられた第1ブラケットと、
前記第2側部に設けられた第2ブラケットと、
前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットに連結可能であり、前記脚部を挿入可能な支持孔をそれぞれ有した第1側柵ベースおよび第2側柵ベースと、
を備え、
前記第1側柵ベースを前記第1ブラケットに連結するとともに前記第2側柵ベースを前記第2ブラケットに連結した場合の各前記支持孔の位置と、前記第1側柵ベースを前記第2ブラケットに連結するとともに前記第2側柵ベースを前記第1ブラケットに連結した場合の各前記支持孔の位置とが、前記第1方向において異なる、
ベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のベッド装置において、ベッドフレームに配置されたマットレスから利用者が落下したり、マットレスや布団がずれ落ちたりすることを防止するために、側柵が設けられることがある。
【0003】
一般的に、側柵は、ベッドフレームの側部に設けられた側柵ベースにより支持される。例えば特許文献1に開示されたように、側柵ベース(オプション受け)の側面を覆い、上下面を露出させるカバー(パネル)を備えたベッド装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-176959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
側柵ベースにカバーを設ける場合、ベッド装置の使用時にカバーが外れないように、カバーを側柵ベースに取り付けるための構造を工夫する必要がある。
【0006】
また、使用態様に応じて側柵の取り付け位置を調整可能としたベッド装置も要望されている。この場合には、側柵ベースおよびカバーの構造にさらなる工夫が必要となる。
【0007】
その他にも、側柵を取り付け可能なベッド装置に関しては、種々の改善の余地がある。そこで、本発明は、側柵を取り付け可能なベッド装置の利便性を高めることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一側面によると、ベッド装置は、第1方向に長尺なベッドフレームと、脚部を有する側柵と、前記第1方向と交差する第2方向における前記ベッドフレームの側部に設けられた側柵ベースと、前記側柵ベースに着脱可能なカバーと、を備えている。前記側柵ベースは、前記脚部を挿入可能な第1支持孔および第2支持孔と、前記第1支持孔および前記第2支持孔が開口する上面と、前記上面の反対側の下面と、前記上面および前記下面を繋ぐ側面と、を有している。前記カバーは、前記第1支持孔および前記第2支持孔の一方を露出させるとともに他方を塞ぐ第1部分と、前記下面を覆う第2部分と、前記側面を覆う第3部分と、を有している。
【0009】
実施形態の他の側面によると、ベッド装置は、第1方向における第1端部および第2端部と前記第1方向と交差する第2方向における第1側部および第2側部とを有するベッドフレームと、脚部を有する側柵と、前記第1側部に設けられた第1側柵ベースと、前記第2側部に設けられた第2側柵ベースと、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの双方に着脱可能な第1カバーおよび第2カバーと、を備えている。前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースは、前記脚部を挿入可能な第1支持孔と、前記第1支持孔よりも前記第1端部の近くに位置し、前記脚部を挿入可能な第2支持孔と、をそれぞれ有している。前記第1カバーを前記第1側柵ベースに取り付け、かつ前記第2カバーを前記第2側柵ベースに取り付けた場合に、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第1支持孔がそれぞれ前記第1カバーおよび前記第2カバーから露出するとともに、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第2支持孔がそれぞれ前記第1カバーおよび前記第2カバーにより塞がれる。前記第2カバーを前記第1側柵ベースに取り付け、かつ前記第1カバーを前記第2側柵ベースに取り付けた場合に、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第2支持孔がそれぞれ前記第2カバーおよび前記第1カバーから露出するとともに、前記第1側柵ベースおよび前記第2側柵ベースの前記第1支持孔がそれぞれ前記第2カバーおよび前記第1カバーにより塞がれる。
【0010】
実施形態のさらに他の側面によると、ベッド装置は、第1方向に長尺であり、前記第1方向と交差する第2方向における第1側部および第2側部を有するベッドフレームと、脚部を有する側柵と、前記第1側部に設けられた第1ブラケットと、前記第2側部に設けられた第2ブラケットと、前記第1ブラケットおよび前記第2ブラケットに連結可能であり、前記脚部を挿入可能な支持孔をそれぞれ有した第1側柵ベースおよび第2側柵ベースと、を備えている。前記第1側柵ベースを前記第1ブラケットに連結するとともに前記第2側柵ベースを前記第2ブラケットに連結した場合の各前記支持孔の位置と、前記第1側柵ベースを前記第2ブラケットに連結するとともに前記第2側柵ベースを前記第1ブラケットに連結した場合の各前記支持孔の位置とが、前記第1方向において異なる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、側柵を取り付け可能なベッド装置の利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1実施形態に係るベッド装置の概略的な斜視図である。
図2図2は、上記ベッド装置の概略的な上面図である。
図3図3は、上記ベッド装置の概略的な側面図である。
図4図4は、上記ベッド装置が備える上フレーム、第1側柵ベース、第2側柵ベース、第1カバー、第2カバーおよび第1ボードベースの構成を示す概略的な斜視図である。
図5図5は、図4に示した構造において各カバーを各側柵ベースから取り外した状態を示す概略的な斜視図である。
図6A図6Aは、第1カバーの概略的な正面図である。
図6B図6Bは、第1カバーの概略的な背面図である。
図6C図6Cは、第1カバーの概略的な上面図である。
図6D図6Dは、第1カバーの概略的な底面図である。
図7図7は、第1側柵ベース、第2側柵ベース、第1カバーおよび第2カバーの関係を示す概略的な平面図である。
図8図8は、第1側柵ベースおよび第2側柵ベースに対する第1カバーおよび第2カバーの第1取付態様を示す概略的な平面図である。
図9図9は、第1側柵ベースおよび第2側柵ベースに対する第1カバーおよび第2カバーの第2取付態様を示す概略的な平面図である。
図10図10は、第2実施形態に係るベッド装置の一部を示す概略的な平面図である。
図11図11は、第1サイドレールおよび第2サイドレールに対する第1側柵ベースおよび第2側柵ベースの第1取付態様を示す概略的な平面図である。
図12図12は、第1サイドレールおよび第2サイドレールに対する第1側柵ベースおよび第2側柵ベースの第2取付態様を示す概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のいくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
各実施形態においては、ベッド装置の一例として、床面(ベッドプラットフォーム)の形状を変形可能な電動ベッドを開示する。ただし、各実施形態において開示する構成、特に側柵の取り付けに関する構造は、例えば電気的な制御要素を備えないベッド装置など、他種のベッド装置にも適用し得る。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るベッド装置1の概略的な斜視図である。図2は、ベッド装置1の概略的な上面図である。以下の説明においては、各図に示すように互いに交差する第1方向X(長手方向)、第2方向Y(幅方向)および第3方向Z(高さ方向)を定義する。本実施系形態においては、これら方向X,Y,Zが互いに直交する。
【0015】
ベッド装置1は、第1方向Xに長尺なベッドフレーム2を備えている。ベッドフレーム2は、第1方向Xにおける第1端部E1および第2端部E2と、第2方向Yにおける第1側部S1および第2側部S2とを有している。例えば、第1端部E1はベッド装置1の上に仰臥する利用者の頭側に位置し、第2端部E2は当該利用者の足側に位置し、第1側部S1は当該利用者の左側に位置し、第2側部S2は当該利用者の右側に位置する。
【0016】
ベッド装置1は、ベッドフレーム2の上に配置された複数の床板31,32,33,34,35,36を有している。これら床板31,32,33,34,35,36は、この順で第1端部E1から第2端部E2に向けて並んでいる。隣り合う2つの床板は、第2方向Yと平行な軸を中心として回動可能に連結されている。ベッド装置1の使用時には、床板31,32,33,34,35,36の上にマットレスが置かれる。
【0017】
ベッド装置1は、後述の側柵9(図3参照)を支持するための第1側柵ベース4A、第2側柵ベース4B、第3側柵ベース4Cおよび第4側柵ベース4Dをさらに備えている。これら側柵ベース4A,4B,4C,4Dは、例えば金属材料により形成されている。
【0018】
第1側柵ベース4Aは、第1側部S1における第1端部E1寄りの位置に設けられ、第1カバー5Aにより覆われている。第2側柵ベース4Bは、第2側部S2における第1端部E1寄りの位置に設けられ、第2カバー5Bにより覆われている。第3側柵ベース4Cは、第1側部S1における第2端部E2寄りの位置に設けられ、第3カバー5Cにより覆われている。第4側柵ベース4Dは、第2側部S2における第2端部E2寄りの位置に設けられ、第4カバー5Dにより覆われている。これらカバー5A,5B,5C,5Dは、例えば樹脂材料で形成されている。
【0019】
図2に示すように、ベッド装置1は、第1ボードベース61と、第2ボードベース62と、ヘッドボード71と、フットボード72とをさらに備えている。第1ボードベース61は、第1端部E1に取り付けられている。第2ボードベース62は、第2端部E2に取り付けられている。
【0020】
ヘッドボード71は、一対の保持具73A,73Bを備え、これら保持具73A,73Bを介して第1ボードベース61に取り付けられている。フットボード72は、一対の保持具74A,74Bを備え、これら保持具74A,74Bを介して第2ボードベース62に取り付けられている。ヘッドボード71およびフットボード72は、第2方向Yおよび第3方向Zと平行な板状であり、いずれも床板31,32,33,34,35,36より上方に突出している。
【0021】
本実施形態において、第1ボードベース61は、ヘッドボード71を実線で示す第1位置Q11と破線で示す第2位置Q12との間で移動可能となるように支持している。第2位置Q12は、第1位置Q11よりも第1端部E1から離れている。
【0022】
また、本実施形態において、第2ボードベース62は、フットボード72を実線で示す第1位置Q21と破線で示す第2位置Q22の間で移動可能となるように支持している。第2位置Q22は、第1位置Q21よりも第2端部E2から離れている。
【0023】
このようにヘッドボード71とフットボード72の位置を調整可能であれば、床板31,32,33,34,35,36の上に置くマットレスのサイズを変えることができる。例えば、ヘッドボード71を第1位置Q11に位置決めするとともにフットボード72を第1位置Q21に位置決めした場合には、ショートサイズのマットレスを使用できる。また、ヘッドボード71を第2位置Q12に位置決めするとともにフットボード72を第2位置Q22に位置決めした場合には、ロングサイズのマットレスを使用できる。
【0024】
図3は、ベッド装置1の概略的な側面図である。この図においては、第2側柵ベース4Bに側柵9が取り付けられた状態を示している。側柵9は、他の側柵ベース4A,4C,4Dにも同様に取り付けることが可能である。
【0025】
図3の例において、側柵9は、第1方向Xまたは第3方向Zと平行に延びる複数の桟を有した格子状であり、床板31,32,33,34,35,36よりも上方に突出している。さらに、側柵9は、側柵ベース4A,4B,4C,4Dへの取り付けのための一対の脚部91を有している。
【0026】
ベッドフレーム2は、下フレーム21と、上フレーム22と、これらフレーム21,22を連結するリンク23とを備えている。下フレーム21には、ベッド装置1を床に置くための複数の支持脚211が設けられている。上フレーム22は、床板31,32,33,34,35,36を支持する。
【0027】
ベッド装置1は、床板31,32,33,34,35,36の下方に配置された駆動機構8をさらに備えている。例えば、駆動機構8は、複数のモータおよびこれらモータの動力を伝達するための複数のリンクを含み、上フレーム22を下フレーム21に対して上昇および下降させる。さらに、駆動機構8は、床板31,32,33,34,35,36を図3に示すように平坦な状態から所定の形状に変形させる。
【0028】
図4は、第1端部E1の近傍における上フレーム22、側柵ベース4A,4B、カバー5A,5Bおよび第1ボードベース61の構成を示す概略的な斜視図である。上フレーム22は、第1サイドレール23Aと、第2サイドレール23Bと、横杆24とを備えている。サイドレール23A,23Bは、中空の部材であり、第1方向Xと平行に延びている。横杆24は、第2方向Yと平行に延び、第1端部E1においてサイドレール23A,23Bを連結している。
【0029】
第1サイドレール23Aの側面は、上フレーム22の第1側部S1の一部に相当する。第1側柵ベース4Aは、第2方向Yと平行に延びる一対の連結部材25Aにより第1サイドレール23Aに連結されている。
【0030】
第2サイドレール23Bの側面は、上フレーム22の第2側部S2の一部に相当する。第2側柵ベース4Bは、第2方向Yと平行に延びる一対の連結部材25Bにより第2サイドレール23Bに連結されている。
【0031】
第1ボードベース61は、第1スライド部材63Aと、第2スライド部材63Bと、横杆64と、第1ブラケット65Aと、第2ブラケット65Bとを備えている。第1スライド部材63Aは、第1方向Xと平行に延び、第1サイドレール23Aに挿入されている。第2スライド部材63Bは、第1方向Xと平行に延び、第2サイドレール23Bに挿入されている。横杆64は、第2方向Yと平行に延び、スライド部材63A,63Bを連結している。
【0032】
第1ブラケット65Aは、第1スライド部材63Aの端部に設けられている。第2ブラケット65Bは、第2スライド部材63Bの端部に設けられている。これらブラケット65A,65Bは、ヘッドボード71の保持具73A,73Bに連結される。これにより、ヘッドボード71が第1ボードベース61により支持される。
【0033】
スライド部材63A,63Bは、それぞれサイドレール23A,23Bに対してスライド可能である。すなわち、第1ボードベース61は、第1端部E1とヘッドボード71の距離が調整可能となるようにヘッドボード71を支持する。
【0034】
図4において実線で示す第1ボードベース61は、スライド部材63A,63Bがそれぞれサイドレール23A,23Bに対して最大限に収納された状態を示す。このとき第1ボードベース61により支持されたヘッドボード71は、第1位置Q11に位置決めされる。
【0035】
また、図4において破線で示す第1ボードベース61は、スライド部材63A,63Bがそれぞれサイドレール23A,23Bから最大限に引き出された状態を示す。このとき第1ボードベース61により支持されたヘッドボード71は、第2位置Q12に位置決めされる。以下、位置Q11,Q12の間の第1方向Xにおける距離をL0と定義する。
【0036】
なお、第1ボードベース61の構造は、ヘッドボード71の位置を調整可能であれば図4に示した例に限られない。第1ボードベース61は、ヘッドボード71の位置を3段階以上に調整可能であってもよい。
【0037】
図5は、図4に示した構造においてカバー5A,5Bを側柵ベース4A,4Bから取り外した状態を示す概略的な斜視図である。本実施形態において、側柵ベース4A,4Bは、第1方向Xおよび第3方向Zと平行な平面に関して面対称の形状を有している。
【0038】
側柵ベース4A,4Bは、第1方向Xにおける第1端部41および第2端部42をそれぞれ有し、これら端部41,42の間で長尺に延びている。さらに、側柵ベース4A,4Bは、上面43と、上面43の反対側の下面44と、上面43および下面44を繋ぐ外側の側面45と、上面43および下面44を繋ぐ内側の側面46とをそれぞれ有している。第1側柵ベース4Aの側面46には一対の連結部材25Aが接続され、第2側柵ベース4Bの側面46には一対の連結部材25Bが接続されている。
【0039】
さらに、側柵ベース4A,4Bは、一対の第1支持孔H1と、一対の第2支持孔H2とをそれぞれ有している。支持孔H1,H2は、いずれも第3方向Zと平行に延び、側柵ベース4A,4Bの上面43に開口している。
【0040】
図5の例では、第1側柵ベース4Aの第1端部41の近傍、第1側柵ベース4Aの第2端部42の近傍、第2側柵ベース4Bの第1端部41の近傍、第2側柵ベース4Bの第2端部42の近傍のそれぞれにおいて、1つの第1支持孔H1と1つの第2支持孔H2のペアが配置されている。各ペアにおいて、支持孔H1,H2は、第1方向Xに並んでいる。また、各ペアにおいて、第2支持孔H2は、第1支持孔H1よりも第1端部E1の近くに位置している。好ましくは、各ペアにおける支持孔H1,H2の中心間の距離L1は、図4に示した距離L0と同等である。
【0041】
図5に示す第2側柵ベース4Bにおいては、各支持孔H1,H2に沿う4つの凸部47がそれぞれ側柵ベース4A,4Bの下面44から突出している。第1側柵ベース4Aも同様の凸部47を有している。
【0042】
側柵ベース4A,4Bの上面43には、第1方向Xに並ぶ第1マークM1および第2マークM2がそれぞれ設けられている。これらマークM1,M2は、例えば上面43に貼り付けられたシールである。
【0043】
図6A図6B図6Cおよび図6Dは、それぞれ第1カバー5Aの概略的な正面図、背面図、上面図および底面図である。これらの図においては、第1カバー5Aが図5に示す姿勢である状態を想定し、第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Zの矢印を付している。
【0044】
図5および図6A~6Dに示すように、第1カバー5Aは、第1方向Xにおいて第1端部51および第2端部52を有し、これら端部51,52の間で長尺に延びている。さらに、第1カバー5Aは、第1側柵ベース4Aを嵌め込むことが可能な収容部Rを有している。収容部Rは、第1部分P1、第2部分P2、第3部分P3、第4部分P4および第5部分P5により囲われた空間である。
【0045】
第1部分P1は、第1側柵ベース4Aの上面43を覆う。第2部分P2は、第1側柵ベース4Aの下面44を覆う。第3部分P3は、第1側柵ベース4Aの側面45を覆う。第4部分P4は、第1側柵ベース4Aの第1端部41を覆う。第5部分P5は、第1側柵ベース4Aの第2端部42を覆う。本実施形態において、第1部分P1および第3部分P3は第1カバー5Aの外壁の一部であり、第2部分P2、第4部分P4および第5部分P5は当該外壁の内側に設けられたリブの一部であるが、この例に限られない。
【0046】
図5図6Bおよび図6Cに示すように、第1部分P1は、一対の開口部53と、表示窓54と、一対の爪55とを有している。本実施形態において、開口部53および表示窓54は、第1部分P1の一辺から第2方向Yに窪む切り欠きである。ただし、開口部53および表示窓54は、例えば円形等の孔であってもよい。各爪55は、第1部分P1の一辺から下方(第2部分P2に向かう方向)に突出している。
【0047】
図6Bに示すように、表示窓54は、収容部Rの第1方向Xにおける中心C0からずれた位置に設けられている。具体的には、表示窓54は、中心C0と第2端部52の間に位置している。
【0048】
図6Cに示すように、一方の開口部53は中心C0と第1端部51の間に位置し、他方の開口部53は中心C0と第2端部52の間に位置している。さらに、当該一方の開口部53と中心C0の間の距離はL2であり、当該他方の開口部53と中心C0の間の距離はL3である。図6Cの例においては、距離L2が距離L3よりも小さい(L2<L3)。好ましくは、距離L2と距離L3の差分は、図4に示した距離L0と同等である。
【0049】
図5図6Bおよび図6Dに示すように、第1カバー5Aは、収容部Rの下方に位置する4つの凹部56を有している。これら凹部56は、第2部分P2に設けられた切り欠きやリブにより形成され、図6Dに示すように第1カバー5Aの下方の外壁にも開口している。これら凹部56には、図5に示した凸部47がそれぞれ嵌め込まれる。
【0050】
図5および図6Bに示すように、第2部分P2は、一対の爪57を有している。これら爪57は、第2部分P2の一辺から上方(第1部分P1に向かう方向)に突出し、第1部分P1の各爪55と第3方向Zに並んでいる。
【0051】
収容部Rに第1側柵ベース4Aが嵌め込まれた状態においては、上面43と側面46により構成される角部に各爪55が係合し、下面44と側面46により構成される角部に各爪57が係合する。さらに、第1側柵ベース4Aの各凸部47が第1カバー5Aの凹部56に嵌る。
【0052】
図6Aおよび図6Cに示すように、第1部分P1と第3部分P3により構成される角部には、一対のスリット58が設けられている。さらに、図5図6Aおよび図6Cに示すように、第2部分P2と第3部分P3により構成される角部には、一対のスリット59が設けられている。
【0053】
各スリット58は、それぞれ第2方向Yにおいて爪55と並んでいる。また、各スリット59は、それぞれ第2方向Yにおいて爪57と並んでいる。このようなスリット58,59を設けることで、第1カバー5Aと第1側柵ベース4Aの着脱時に、第1部分P1のうち爪55の近傍の部分と、第2部分P2のうち爪57の近傍の部分とが変形しやすくなる。これにより、第1側柵ベース4Aに対する第1カバー5Aの着脱が容易となる。
【0054】
図4および図5に示す第2カバー5Bは、第1方向Xおよび第3方向Zと平行な平面に関して第1カバー5Aと面対称の形状を有している。上フレーム22のうち第2端部E2の近傍の部分、第2ボードベース62、側柵ベース4C,4Dおよびカバー5C,5Dの構造は、それぞれ上フレーム22のうち第1端部E1の近傍の部分、第1ボードベース61、側柵ベース4A,4Bおよびカバー5A,5Bの構造と同様である。例えば、側柵ベース4C,4Dおよびカバー5C,5Dは、第2方向Yおよび第3方向Zと平行な平面に関して側柵ベース4A,4Bおよびカバー5A,5Bと面対称の形状を有している。
【0055】
本実施形態においては、カバー5A,5Dが同じ形状を有し、カバー5B,5Cが同じ形状を有している。さらに、カバー5A,5B,5C,5Dは、それぞれ側柵ベース4A,4B,4C,4Dのいずれにも装着可能である。
【0056】
図7は、側柵ベース4A,4Bとカバー5A,5Bの関係を示す概略的な平面図である。第1側柵ベース4Aに第1カバー5Aを装着する場合には、これらの第1端部41,51を同じ側に位置させ、第2端部42,52を同じ側に位置させる。このように位置決めして第1カバー5Aを第1側柵ベース4Aに装着すると、第1側柵ベース4Aの2つの第1支持孔H1がそれぞれ第1カバー5Aの2つの開口部53を通じて露出するとともに、第1側柵ベース4Aの2つの第2支持孔H2が第1カバー5Aの第1部分P1により塞がれる。さらに、第1側柵ベース4Aの第1マークM1が第1カバー5Aの表示窓54を通じて露出するとともに、第1側柵ベース4Aの第2マークM2が第1カバー5Aの第1部分P1により覆われる。この状態においては、側柵9の各脚部91を第1支持孔H1に挿入することにより、側柵9を第1側柵ベース4Aに取り付けることが可能である。
【0057】
また、第2側柵ベース4Bに第2カバー5Bを装着する場合には、これらの第1端部41,51を同じ側に位置させ、第2端部42,52を同じ側に位置させる。このように位置決めして第2カバー5Bを第2側柵ベース4Bに装着すると、第2側柵ベース4Bの2つの第1支持孔H1がそれぞれ第2カバー5Bの2つの開口部53を通じて露出するとともに、第2側柵ベース4Bの2つの第2支持孔H2が第2カバー5Bの第1部分P1により塞がれる。さらに、第2側柵ベース4Bの第1マークM1が第2カバー5Bの表示窓54を通じて露出するとともに、第2側柵ベース4Bの第2マークM2が第2カバー5Bの第1部分P1により覆われる。この状態においては、側柵9の各脚部91を第1支持孔H1に挿入することにより、側柵9を第2側柵ベース4Bに取り付けることが可能である。
【0058】
一方、第1側柵ベース4Aに第2カバー5Bを装着する場合には、第1端部41と第2端部52を同じ側に位置させ、第2端部42と第1端部51を同じ側に位置させる。このように位置決めして第2カバー5Bを第1側柵ベース4Aに装着すると、第1側柵ベース4Aの2つの第2支持孔H2がそれぞれ第2カバー5Bの2つの開口部53を通じて露出するとともに、第1側柵ベース4Aの2つの第1支持孔H1が第2カバー5Bの第1部分P1により塞がれる。さらに、第1側柵ベース4Aの第2マークM2が第2カバー5Bの表示窓54を通じて露出するとともに、第1側柵ベース4Aの第1マークM1が第2カバー5Bの第1部分P1により覆われる。この状態においては、側柵9の各脚部91を第2支持孔H2に挿入することにより、側柵9を第1側柵ベース4Aに取り付けることが可能である。
【0059】
また、第2側柵ベース4Bに第1カバー5Aを装着する場合には、第1端部41と第2端部52を同じ側に位置させ、第2端部42と第1端部51を同じ側に位置させる。このように位置決めして第1カバー5Aを第2側柵ベース4Bに装着すると、第2側柵ベース4Bの2つの第2支持孔H2がそれぞれ第1カバー5Aの2つの開口部53を通じて露出するとともに、第2側柵ベース4Bの2つの第1支持孔H1が第1カバー5Aの第1部分P1により塞がれる。さらに、第2側柵ベース4Bの第2マークM2が第1カバー5Aの表示窓54を通じて露出するとともに、第2側柵ベース4Bの第1マークM1が第1カバー5Aの第1部分P1により覆われる。この状態においては、側柵9の各脚部91を第2支持孔H2に挿入することにより、側柵9を第2側柵ベース4Bに取り付けることが可能である。
【0060】
例えば、第1側柵ベース4Aに第1カバー5Aを装着するとともに第2側柵ベース4Bに第2カバー5Bを装着した場合、および、第1側柵ベース4Aに第2カバー5Bを装着するとともに第2側柵ベース4Bに第1カバー5Aを装着した場合のいずれにおいても、カバー5A,5Bのそれぞれの中心C0の第1方向Xにおける位置が一致する。さらに、いずれの場合においても、中心C0は、マークM1,M2の間に位置する。
【0061】
図7の例においては、側柵ベース4A,4Bの第1マークM1にショート(Short)の頭文字である「S」の文字が付され、側柵ベース4A,4Bの第2マークM2にロング(Long)の頭文字である「L」の文字が付されている。ただし、マークM1,M2はこの例に限られない。
【0062】
図8は、側柵ベース4A,4Bに対するカバー5A,5Bの第1取付態様を示す概略的な平面図である。図9は、側柵ベース4A,4Bに対するカバー5A,5Bの第2取付態様を示す概略的な平面図である。
【0063】
図8の例においては、第1側柵ベース4Aに第1カバー5Aが装着されるとともに第2側柵ベース4Bに第2カバー5Bが装着されている。さらに、ヘッドボード71が第1位置Q11に位置決めされている。
【0064】
図9の例においては、第1側柵ベース4Aに第2カバー5Bが装着されるとともに第2側柵ベース4Bに第1カバー5Aが装着されている。さらに、ヘッドボード71が第2位置Q12に位置決めされている。
【0065】
図8の状態においては、側柵ベース4A,4Bのそれぞれの第1支持孔H1を用いて一対の側柵9が取り付けられる。また、図9の状態においては、側柵ベース4A,4Bのそれぞれの第2支持孔H2を用いて一対の側柵9が取り付けられる。
【0066】
図8および図9のいずれにおいても、ヘッドボード71と各側柵9の間に隙間Gが形成される。図5に示した支持孔H1,H2の中心間の距離L1が図4に示した位置Q11,Q12間の距離L0と同等であれば、図8に示す隙間Gと、図9に示す隙間Gとが実質的に同等である。
【0067】
図8の状態においては、カバー5A,5Bのそれぞれの表示窓54を通じて第1マークM1が現れる。また、図9の状態においては、カバー5A,5Bのそれぞれの表示窓54を通じて第2マークM2が現れる。
【0068】
なお、図7乃至図9では側柵ベース4A,4Bおよびカバー5A,5Bに着目したが、側柵ベース4C,4Dおよびカバー5C,5Dについても同様の着脱が可能である。すなわち、第3側柵ベース4Cに第3カバー5Cが装着されるとともに第4側柵ベース4Dに第4カバー5Dが装着されている場合、側柵ベース4C,4Dの第1支持孔H1がカバー5C,5Dの開口部53を通じて露出する。また、第3側柵ベース4Cに第4カバー5Dが装着されるとともに第4側柵ベース4Dに第3カバー5Cが装着されている場合、側柵ベース4C,4Dの第2支持孔H2がカバー5C,5Dの開口部53を通じて露出する。
【0069】
側柵ベース4C,4Dの第1支持孔H1を用いて側柵9が取り付けられ、かつフットボード72が第1位置Q21(図2参照)に位置決めされている場合、フットボード72と各側柵9の間に隙間Gが形成される。また、側柵ベース4C,4Dの第2支持孔H2を用いて側柵9が取り付けられ、かつフットボード72が第2位置Q22(図2参照)に位置決めされている場合にも、フットボード72と各側柵9の間に隙間Gが形成される。例えば、これら2通りの取り付け態様のそれぞれにおける隙間Gは実質的に同等である。
【0070】
以上の本実施形態によれば、利便性を高めたベッド装置1を提供することができる。
例えば、本実施形態にて開示したカバー5A,5B,5C,5Dは、側柵ベース4A,4B,4C,4Dの上面43、下面44および側面45をそれぞれ覆う第1部分P1、第2部分P2および第3部分P3を有している。このような構成であれば、金属製の側柵ベース4A,4B,4C,4Dの各面43,44,45がベッド装置1の周囲の物品や利用者等に直接当たることを抑制できる。
【0071】
また、カバー5A,5B,5C,5Dが第1部分P1および第2部分P2を備えるために、第3方向Zへの衝撃に強い装着構造を実現できる。これにより、例えばカバー5A,5B,5C,5Dが第3方向Zの外力を受けた場合でもカバー5A,5B,5C,5Dが意図せず外れることを抑制できる。
【0072】
しかも、第1部分P1には第1支持孔H1または第2支持孔H2を露出させる開口部53が設けられているために、側柵ベース4A,4B,4C,4Dへの側柵9の取り付けがカバー5A,5B,5C,5Dにより妨げられない。
【0073】
カバー5A,5B,5C,5Dの装着時には、側柵ベース4A,4B,4C,4Dの支持孔H1,H2の一方が開口部53と重なり、他方が第1部分P1により塞がれる。これにより、側柵9の取り付けに用いるべき支持孔が容易に判別できる。
【0074】
例えば、側柵ベース4A,4Bに対する側柵9の取り付けに用いる支持孔を変えたい場合には、側柵ベース4A,4Bに取り付けるカバーをカバー5A,5Bの間で入れ替えればよい。側柵ベース4C,4Dおよびカバー5C,5Dについても同様である。このような構成であれば、支持孔H1,H2に応じた2種類のカバーを側柵ベース4A,4B,4C,4Dのそれぞれに対して用意する必要がない。
【0075】
さらに、本実施形態においてはヘッドボード71およびフットボード72の位置を調整可能である。このような構成においては、カバーの入れ替えにより側柵9の取り付けに用いる支持孔を変更可能としたことで、ヘッドボード71およびフットボード72の位置に適した側柵9の取り付け態様を実現できる。また、表示窓54に現われる第1マークM1または第2マークM2を見ることで、側柵ベース4A,4Bに対するカバー5A,5Bの取り付け態様を容易に把握することができる。
【0076】
仮に図8の状態において、側柵9の位置をそのままにしてヘッドボード71を第2位置Q12に移動させると、隙間Gが拡大する。隙間Gが大きくなり過ぎれば、利用者の身体の一部やマットレスなどが当該隙間Gに挟まれやすくなり得る。これに対し、ヘッドボード71の移動に伴いカバー5A,5Bを付け替え、側柵9を取り付ける孔を支持孔H1,H2の間で変えると、隙間Gの拡がりを抑制することが可能である。
以上の他にも、本実施形態からは種々の好適な効果を得ることができる。
【0077】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。特に言及しない部分については第1実施形態と同様の構成を適用できる。
【0078】
図10は、第2実施形態に係るベッド装置1の一部を示す概略的な平面図である。この図においては、第1サイドレール23A、第2サイドレール23B、横杆24、第1側柵ベース4A、第2側柵ベース4B、第1カバー5Aおよび第2カバー5Bを示し、他の要素を省略している。
【0079】
第1サイドレール23A(第1側部S1)には、一対の第1ブラケット26a,26bが第1方向Xに間隔を空けて設けられている。第1ブラケット26aは、第1ブラケット26bよりも第1端部E1の近くに位置している。
【0080】
同様に、第2サイドレール23B(第2側部S2)には、一対の第2ブラケット26c,26dが第1方向Xに間隔を空けて設けられている。第2ブラケット26cは、第2ブラケット26dよりも第1端部E1の近くに位置している。第1ブラケット26aと第2ブラケット26cは第2方向Yに並んでいる。第1ブラケット26bと第2ブラケット26dは第2方向Yに並んでいる。
【0081】
本実施形態における第1側柵ベース4Aは、一対の保持具48a,48bと、これら保持具48a,48bを連結する連結部材49とを備えている。保持具48a,48bは、取付部101と、取付部101から延出する延出部102とを有している。
【0082】
保持具48a,48bの取付部101は、それぞれ第1ブラケット26a,26bに連結可能である。この連結方法は特に限定されないが、一例ではねじまたはボルトによる締結を利用できる。図10の例において、保持具48a,48bの延出部102は、それぞれ取付部101から第1方向Xと平行に図中下方(図2等に示した第2端部E2に向かう方向)に向けて延出している。さらに、これら延出部102は、上述の側柵9の脚部91を挿入可能な支持孔Hを1つずつ有している。
【0083】
第1カバー5Aは、保持具48a,48bを嵌め込むことが可能な形状を有している。さらに、第1カバー5Aは、一対の開口部53を有している。開口部53は、図10の例においては円形の孔であるが、第1実施形態と同様の切り欠きであってもよい。第1カバー5Aは、保持具48a,48bが嵌め込まれた状態において、保持具48a,48bの上面、下面および外側の側面を覆う。このとき、保持具48a,48bの各支持孔Hが各開口部53を通じて露出する。
【0084】
第2側柵ベース4Bは、第1方向Xおよび第3方向Zと平行な面に関して第1側柵ベース4Aと面対称の形状を有している。すなわち、第1側柵ベース4Aと同様に、第2側柵ベース4Bは、一対の保持具48c,48dと、これら保持具48c,48dを連結する連結部材49とを備えている。保持具48c,48dは、取付部101と、取付部101から延出する延出部102とを有している。
【0085】
保持具48c,48dの取付部101は、それぞれ第2ブラケット26c,26dに連結可能である。この連結方法は、保持具48a,48bと第1ブラケット26a,26bの連結方法と同様である。図10の例において、保持具48c,48dの延出部102は、それぞれ取付部101から第1方向Xと平行に図中下方(図2等に示した第2端部E2に向かう方向)に向けて延出している。さらに、これら延出部102は、それぞれ1つの支持孔Hを有している。
【0086】
第2カバー5Bは、保持具48c,48dを嵌め込むことが可能な形状を有している。さらに、第2カバー5Bは、第1カバー5Aと同様に一対の開口部53を有している。第2カバー5Bは、保持具48c,48dが嵌め込まれた状態において、保持具48c,48dの上面、下面および外側の側面を覆う。このとき、保持具48c,48dの各支持孔Hが各開口部53を通じて露出する。
【0087】
図10の例においては、保持具48aの支持孔Hが第1ブラケット26aと取付部101との連結位置Qaよりも図中下方(図2等に示した第2端部E2に向かう方向)に位置し、保持具48bの支持孔Hが取付部101と第1ブラケット26aの連結位置Qbよりも図中下方に位置し、保持具48cの支持孔Hが取付部101と第2ブラケット26cの連結位置Qcよりも図中下方に位置し、保持具48dの支持孔Hが取付部101と第2ブラケット26dの連結位置Qdよりも図中下方に位置している。例えば、連結位置Qa,Qb,Qc,Qdは、それぞれブラケット26a,26b,26c,26dの第1方向Xにおける中心に相当する。他の例として、連結位置Qa,Qb,Qc,Qdは、それぞれブラケット26a,26b,26c,26dに連結される取付部101の第1方向Xにおける中心に相当する。
【0088】
図10の例においては、連結位置Qaと保持具48aの支持孔Hの中心との距離、連結位置Qbと保持具48bの支持孔Hの中心との距離、連結位置Qcと保持具48cの支持孔Hの中心との距離、および、連結位置Qdと保持具48dの支持孔Hの中心との距離がいずれもL4である。
【0089】
なお、第1側柵ベース4Aは、第2ブラケット26c,26dを介して第2サイドレール23Bに取り付けることも可能である。また、第2側柵ベース4Bは、第1ブラケット26a,26bを介して第1サイドレール23Aに取り付けることも可能である。
【0090】
図11は、サイドレール23A,23Bに対する側柵ベース4A,4Bの第1取付態様を示す概略的な平面図である。図12は、サイドレール23A,23Bに対する側柵ベース4A,4Bの第2取付態様を示す概略的な平面図である。
【0091】
図11の例においては、図10の例と同様に、第1側柵ベース4Aが第1ブラケット26a,26bを介して第1サイドレール23Aに取り付けられるとともに、第2側柵ベース4Bが第2ブラケット26c,26dを介して第2サイドレール23Bに取り付けられている。
【0092】
一方、図12の例においては、第1側柵ベース4Aが第2ブラケット26c,26dを介して第2サイドレール23Bに取り付けられるとともに、第2側柵ベース4Bが第1ブラケット26a,26bを介して第1サイドレール23Aに取り付けられている。具体的には、保持具48aが第2ブラケット26dに連結され、保持具48bが第2ブラケット26cに連結され、保持具48cが第1ブラケット26bに連結され、保持具部48dが第1ブラケット26aに連結されている。
【0093】
図11および図12のいずれにおいても、第1側柵ベース4Aに第1カバー5Aが装着され、第2側柵ベース4Bに第2カバー5Bが装着されている。ただし、第1側柵ベース4Aに第2カバー5Bが装着され、第2側柵ベース4Bに第1カバー5Aが装着されてもよい。
【0094】
図11および図12においては、側柵ベース4A,4Bにそれぞれ取り付けられる側柵9を破線で示している。本実施形態においては、図10を用いて説明したように連結位置Qa,Qb,Qc,Qdと支持孔Hが第1方向Xにおいて距離L4だけ離れている。これにより、図11および図12のそれぞれで各支持孔Hの位置が第1方向Xにおいて異なる。結果として、図11および図12のそれぞれで各側柵9の第1方向Xにおける位置が異なる。
【0095】
具体的には、図11の例における各側柵9に比べ、図12の例における各側柵9は、距離L4の2倍に相当する距離だけ第1端部E1側に移動している。このように、本実施形態の構成であっても第1実施形態と同じく側柵9の位置を調整することが可能となる。
【0096】
例えば、ヘッドボード71が上述の位置Q11にある場合に図11に示した第1取付態様を用い、ヘッドボード71が上述の位置Q12にある場合に図12に示した第2取付態様を用いてもよい。これにより、第1実施形態と同じくヘッドボード71と側柵9の隙間Gの過度な拡大を抑制できる。さらに、距離L4が図4に示した距離L0の1/2であれば、ヘッドボード71が位置Q11にある場合と位置Q12にある場合とで隙間Gを一定に保つことができる。
【0097】
本実施形態においては、カバー5A,5Bが同じ形状を有してもよい。この場合には、カバー5A,5Bをそれぞれ製造するための金型等が不要となり、ベッド装置1の製造コストを低減できる。
【0098】
なお、図10乃至図12では側柵ベース4A,4Bおよびカバー5A,5Bに着目したが、側柵ベース4C,4Dおよびカバー5C,5Dについても同様の構造を適用できる。
【0099】
以上の各実施形態は、本発明の範囲を当該実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、各実施形態にて開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
【0100】
例えば、ベッド装置1は、側柵ベース4A,4B,4C,4Dおよびカバー5A,5B,5C,5Dの全てを備える必要はない。ベッド装置1は、側柵ベース4A,4Bおよびカバー5A,5Bを備え、側柵ベース4C,4Dおよびカバー5C,5Dを備えなくてもよい。他の例として、ベッド装置1は、側柵ベース4C,4Dおよびカバー5C,5Dを備え、側柵ベース4A,4Bおよびカバー5A,5Bを備えなくてもよい。
【0101】
第1実施形態における第1マークM1および第2マークM2は、側柵ベース4A,4B,4C,4Dの側面45にそれぞれ設けられてもよい。この場合において、表示窓54は、カバー5A,5B,5C,5Dの第3部分P3にそれぞれ設けられてもよい。
【0102】
側柵ベース4A,4B,4C,4Dおよびカバー5A,5B,5C,5Dの構造は、ヘッドボード71およびフットボード72の位置が調整できないベッド装置や、床板31,32,33,34,35,36の形状を変形できないベッド装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0103】
1…ベッド装置、2…ベッドフレーム、4A,4B,4C,4D…第1乃至第4側柵ベース、5A,5B,5C,5D…第1乃至第4カバー、9…側柵、53…開口部、54…表示窓、61…第1ボードベース、62…第2ボードベース、71…ヘッドボード、72…フットボード、H1…第1支持孔、H2…第2支持孔、M1…第1マーク、M2…第2マーク、P1…第1部分、P2…第2部分、P3…第3部分、P4…第4部分、P5…第5部分、Q11,Q21…第1位置、Q12,Q22…第2位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10
図11
図12