(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036394
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】化粧料用増粘剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20230307BHJP
A61Q 5/02 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
A61K8/37
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143423
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】390010674
【氏名又は名称】理研ビタミン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神谷 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】大野 早由莉
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC391
4C083AC392
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC782
4C083CC38
4C083DD23
4C083EE03
(57)【要約】
【課題】化粧料の粘度を高めることができる新規な化粧料用増粘剤を提供する。
【解決手段】1,3-プロパンジオールモノカプリレート、1,3-プロパンジオールモノカプレート及び1,3-プロパンジオールモノラウレートからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする化粧料用増粘剤。これら有効成分は、1,3-プロパンジオールが有するヒドロキシル基のいずれか1つにカプリル酸、カプリン酸又はラウリン酸がエステル結合した、エステル結合数が1の化合物であり、通常、1,3-プロパンジオールとカプリル酸、カプリン酸又はラウリン酸との反応により得ることができる。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1,3-プロパンジオールモノカプリレート、1,3-プロパンジオールモノカプレート及び1,3-プロパンジオールモノラウレートからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする化粧料用増粘剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料用増粘剤に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料の技術分野においては、その粘度を高めるために種々の増粘剤が配合されている。例えば、有機増粘剤としては、多糖類、カゼイン、キサンタンガム等の天然高分子、アクリル酸ポリマー、カルボキシビニルポリマー等の合成高分子が、また、無機増粘剤としては、モンモリロナイトをはじめとする各種粘土鉱物やシリカ等が、その目的効果に応じて適宜選択され使用されている。
【0003】
中でも、優れた増粘効果を有する増粘剤として、水溶性エチレン性不飽和モノマーを分散相に溶解し分散相中にてラジカル重合して得られるミクロゲルからなる増粘剤(特許文献1)やR1-[(O-R2)k-OH)]mで表わされる1種又は2種以上のポリエーテルポリオールと、R3-(NCO)h+1で表わされる1種又は2種以上のポリイソシアネートと、HO-(R4-O)n-R5で表わされる1種又は2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得られる増粘剤(特許文献2)が開発され、洗髪料等の化粧料に利用されている。
【0004】
しかし、化粧料の分野においては、常に多くの新規素材が望まれていることから新規の増粘剤についても要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-43785号公報
【特許文献2】特開平9-71766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、化粧料の粘度を高めることができる新規な化粧料用増粘剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、二価アルコールである1,3-プロパンジオールと特定の脂肪酸とのエステル化物を用いることにより、上記課題が解決されることを見出し、この知見に基づいて本発明を成すに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、1,3-プロパンジオールモノカプリレート、1,3-プロパンジオールモノカプレート及び1,3-プロパンジオールモノラウレートからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする化粧料用増粘剤、からなっている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の化粧料用増粘剤を化粧料に添加することにより、その粘度を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の化粧料用増粘剤は、1,3-プロパンジオールモノカプリレート、1,3-プロパンジオールモノカプレート及び1,3-プロパンジオールモノラウレートからなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする。
【0011】
本発明に用いられる1,3-プロパンジオールモノカプリレート、1,3-プロパンジオールモノカプレート及び1,3-プロパンジオールモノラウレート(以下、「本発明のエステル」ともいう)は、1,3-プロパンジオールが有するヒドロキシル基のいずれか1つにカプリル酸、カプリン酸又はラウリン酸がエステル結合した、エステル結合数が1の化合物である。
【0012】
本発明のエステルは、通常1,3-プロパンジオールとカプリル酸、カプリン酸又はラウリン酸(以下、単に「脂肪酸」ともいう)との反応により得ることができる。例えば、1,3-プロパンジオールと脂肪酸とを加熱し、温度180~200℃で180~300分間脱水縮合反応する。1,3-プロパンジオールと脂肪酸との比率はモル比で約1:1が好ましい。また、反応効率を高めるために、触媒を利用しても良い。更に、反応中は生成物の着色を防止するために、反応器内を例えば窒素等の不活性ガスで置換する方が好ましい。得られた反応物は、本発明のエステルの他に、1,3-プロパンジオールジ脂肪酸エステルや未反応の1,3-プロパンジオール及び脂肪酸等を含む混合物である。該混合物を溶剤分別、蒸留、再結晶、クロマトグラフィー等の公知の方法により精製することにより本発明のエステルを得る。
【0013】
本発明の化粧料用増粘剤は、化粧料の増粘の用途に使用でき、化粧料の製造において、化粧料基剤に配合して使用される。その配合量は、目的とする化粧料に応じて適宜決定され特に制限はないが、使用性の点から、化粧料100質量%に対し0.5~30質量%が好ましく、1.0~20がより好ましく、3.0~15が更に好ましく、3.0~10が一層好ましい。
【0014】
本発明の化粧料用増粘剤が配合される化粧料には、その他の成分として、油剤、防腐剤、顔料、色素、キレート剤、界面活性剤、消炎剤、収斂剤、細胞賦活剤、痩身剤、美白剤、皮脂分泌抑制剤、除毛成分、抗酸化剤、香料等が使用目的に応じて適宜配合される。これら成分の中でも、界面活性剤は、本発明の化粧品用増粘剤と併用することにより特に優れた増粘性を示す。
【0015】
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤を用いることができる。
【0016】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩(例えば、ラウレス硫酸ナトリウム等)、アシルN-メチルアミノ酸塩、アシルアミノ酸塩(例えば、ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、コハク酸エステル塩、脂肪酸アルカノールアミドエーテルカルボン酸塩、アシル乳酸塩、ポリオキシエチレン脂肪アミン硫酸塩、脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩、脂肪酸グリセリド硫酸塩、アルキルベンゼンポリオキシエチレン硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム等のオレフィンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩、アシルイセチオン酸塩、アルキルグリシジルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、ラウリルリン酸カリウム等のアルキルリン酸エステル塩、カゼインナトリウム、アルキルアリールエーテルリン酸塩、脂肪酸アミドエーテルリン酸塩、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、環状リゾホスファチジン酸又はその塩等のリン脂質類、シリコーン系陰イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0017】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルトリメチルアンモニウムブロミド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、脂肪酸アミドアミン及びその塩、アルキルエーテルアミン及びその塩又は四級塩、脂肪酸アミド型四級アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン及びその塩又は四級塩、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドグアニジウム塩、アルキルエーテルアミンモニウム塩、アルキルトリアルキレングリコールアンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、シリコーン系陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0018】
両性界面活性剤としては、例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアミノ酸ベタイン(例えば、ラウリルベタイン等)、脂肪酸アミドアルキル-N,N-ジメチルアミノ酸ベタイン(例えば、コカミドプロピルベタイン等)、イミダゾリン型ベタイン、アルキルスルホベタイン、硫酸型ベタイン、リン酸型ベタイン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質、リゾレシチン、水素添加大豆リン脂質、部分水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、部分水素添加卵黄リン脂質、水酸化レシチン等のリン脂質類、シリコーン系両性界面活性剤等が挙げられる。
【0019】
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ヒマシ油及び硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンフィトステロール、ポリオキシエチレンコレステロール、ポリオキシエチレンコレスタノール、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレン還元ラノリン、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール、(ポリ)グリセリンポリオキシプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル、エチレングリコールモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール部分脂肪酸エステル、ソルビトール部分脂肪酸エステル、マルチトール部分脂肪酸エステル、マルチトールエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、糖誘導体部分エステル、アルキルグルコシド、アルキルポリグリコシド、糖脂質、ラノリンアルコール、還元ラノリン、ポリオキシエチレン脂肪酸モノ及びジエステル、ポリオキシエチレン・プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン動植物油脂類、アルキルグリセリルエーテル類、多価アルコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、テトラポリオキシエチレン・テトラポリオキシプロピレン-エチレンジアミン縮合物類、サポニン、ソホロリピッド等の天然系界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、脂肪酸アルカノールアミド類、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルメルカプタン、シリコーン系非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0020】
本発明の化粧料用増粘剤が配合される化粧料に界面活性剤を配合する場合、界面活性剤の配合量は、目的とする化粧料に応じて適宜決定され特に制限はないが、洗浄性、使用性及び配合コストの点から、化粧料100質量%に対し10~80質量%が好ましく、30~75質量%がより好ましい。
【0021】
本発明の化粧料用増粘剤が配合される化粧料としては、例えば、パック剤、マッサージ料、シェービング剤、脱毛剤、洗顔料、ヘアートリーメント、洗髪料等が挙げられ、洗髪料が特に好ましい。
【0022】
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例0023】
[製造例1]
[1,3-プロパンジオールモノカプリレート(実施例1)の製造]
水銀温度計、窒素導入管、還流管、攪拌棒を備えた1000mLガラス製4ツ口フラスコ中にカプリル酸(商品名:PALMAC 99-08;IOI ACIDCHEM社製)404.48g、1,3-プロパンジオール(富士フイルム和光純薬社製)395.52gを仕込み、触媒として酸化第一錫(富士フイルム和光純薬社製)0.28gを加えた。窒素を200mL/minで流し、攪拌しながら200℃まで昇温した。同温度で4時間反応し、反応終了後、110℃まで冷却し、85%燐酸水溶液(富士フィルム和光純薬社製)0.14gで中和した。還流管をクライゼン管、リービッヒ冷却器、留分受器に繋ぎ変え、得られた反応液を、減圧度3kPaにて減圧蒸留を行った。蒸留温度が150℃から156℃までの留分を1,3-プロパンジオールモノカプリレート(実施例1)とした。
【0024】
[製造例2]
[1,3-プロパンジオールモノカプレート(実施例2)の製造]
製造例1のカプリル酸404.48gをカプリン酸(商品名:NAA-102;日油社製)440.64gに替え、製造例1の1,3-プロパンジオールの仕込み量を359.36gに変えたこと以外は、製造例1と同様に反応及び減圧蒸留を行った。蒸留温度が115℃から166℃までの留分を1,3-プロパンジオールモノカプレート(実施例2)とした。
【0025】
[製造例3]
[1,3-プロパンジオールモノラウレート(実施例3)の製造]
製造例1のカプリル酸404.48gをラウリン酸(商品名:NAA-122;日油社製)469.52gに替え、製造例1の1,3-プロパンジオールの仕込み量を330.48gに変えたこと以外は、製造例1と同様に反応及び減圧蒸留を行った。蒸留温度83℃から181℃までの留分を1,3-プロパンジオールモノラウレート(実施例3)とした。
【0026】
[製造例4]
[1,3-プロパンジオールモノミリステート(比較例1)の製造]
製造例1のカプリル酸404.48gをミリスチン酸(商品名:EDENOR C14-99(c);EMERY OLEOCHEMICALS社製)494.8gに替え、1,3-プロパンジオールの仕込み量を305.2gに変えたこと以外は、製造例1と同様に反応及び減圧蒸留を行った。蒸留温度が143℃から205℃までの留分を1,3-プロパンジオールモノミリステート(比較例1)とした。
【0027】
[製造例5]
[1,3-プロパンジオールモノステアレート(比較例2)の製造]
製造例1のカプリル酸404.48gをステアリン酸(商品名:ルナックS-98;花王社製)534.8gに替え、1,3-プロパンジオールの仕込み量を265.2gに変えたこと以外は、製造例1と同様に反応及び減圧蒸留を行った。蒸留温度が150℃から230℃までの留分を1,3-プロパンジオールモノステアレート(比較例2)とした。
【0028】
製造例1~5で得た各エステル(実施例1~3並びに比較例1及び2)について、構成脂肪酸の炭素数を表1に示す。
【0029】
【0030】
[試験例1]
[ラウレス硫酸ナトリウムを用いた洗髪料の調製及び評価]
(1)洗髪料の原材料
1)ラウレス硫酸ナトリウム(商品名:タイポールNLES-327;泰光油脂化学工業社製)
2)1,3-プロパンジオールモノカプリレート(実施例1)
3)1,3-プロパンジオールモノカプレート(実施例2)
4)1,3-プロパンジオールモノラウレート(実施例3)
5)1,3-プロパンジオールモノミリステート(比較例1)
6)1,3-プロパンジオールモノステアレート(比較例2)
7)精製水
【0031】
上記原材料を用いて調製した洗髪料1~6の配合組成を表2に示す。
【0032】
【0033】
(2)洗髪料の調製
300mL容ガラス製ビーカーに表2に従ってラウレス硫酸ナトリウム、増粘剤として各エステル及び蒸留水をそれぞれ入れ、80℃湯浴中で30分間撹拌翼により撹拌した。撹拌を続けながら常温まで冷却し、洗髪料1~6(各100g)を調製した。
【0034】
(3)粘度の測定
洗髪料1~6についてブルックフィールド型粘度計(型式:TVB10;東機産業社製)を用いて20℃にて粘度(mPa・S)を測定した。測定では、スピンドル型ローターM4を粘度計に装着し、回転速度12rpmで1分間回転させた後の値を読み取った。結果を表3に示す。
【0035】
【0036】
表3の結果から明らかなように、本発明の実施例1~3のエステルを添加した洗髪料1~3は、増粘剤を添加しない洗髪料6に比べて顕著に粘度が高く、本発明のエステルは増粘剤として有用であることが確認された。しかし、本発明の比較例1及び2のエステルを添加した洗髪料4及び5では、十分な増粘効果が得られず、本発明のエステルを添加したものに比べて劣っていた。
【0037】
[試験例2]
[ラウレス硫酸ナトリウム以外の界面活性剤を用いた洗髪料の調製及び評価]
【0038】
(1)洗髪料の原材料
1)ラウリルベタイン(商品名:オバゾリンLB-SF;東邦化学工業社製)
2)コカミドプロピルベタイン(商品名:リカビオンB-200;新日本理化社製)
3)ココイルグルタミン酸トリエタノールアミン(商品名:アミノサーファクトACMT-L;旭化成ファインケム社製)
4)1,3-プロパンジオールモノラウレート(実施例3)
5)精製水
【0039】
上記原材料を用いて調製した洗髪料7~12の配合組成を表4に示す。
【0040】
【0041】
(2)洗髪料の調製
300mL容ガラス製ビーカーに表4に従って界面活性剤、増粘剤及び蒸留水をそれぞれ入れ、80℃湯浴中で30分間撹拌翼により撹拌した。撹拌を続けながら常温まで冷却し、洗髪料7~12(各100g)を調製した。
【0042】
(3)粘度の測定
洗髪料7~12についてブルックフィールド型粘度計(型式:TVB10;東機産業社製)を用いて20℃にて粘度(mPa・S)を測定した。測定では、スピンドル型ローターM4を粘度計に装着し、回転速度12rpmで1分間回転させた後の値を読み取った。結果を表5に示す。
【0043】
【0044】
表5の結果から明らかなように、界面活性剤として、ラウリルベタインを用いた洗髪料7及び8、コカミドプロピルベタインを用いた洗髪料9及び10並びにラウリルベタイン及びココイルグルタミン酸トリエタノールアミンを用いた洗髪料11及び12のいずれにおいても、増粘剤の添加量が4.0質量%から6.0質量%に増加すると洗髪料の粘度が増加した。従って、本発明のエステルは、ラウレス硫酸ナトリウム以外の界面活性剤を用いた洗髪料に対しても増粘剤として有用であることが確認された。