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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003640
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】電力量計
(51)【国際特許分類】
   G01R 22/06 20060101AFI20230110BHJP
   G01R 11/00 20060101ALI20230110BHJP
   G01R 11/04 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
G01R22/06 130D
G01R22/06 130H
G01R11/00 H
G01R11/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104834
(22)【出願日】2021-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】309042071
【氏名又は名称】東光東芝メーターシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】良知 慎一
(57)【要約】
【課題】カバー取付時間を短縮する電力量計。
【解決手段】ケースにケース防水用リブ収納部を設け、ベースにリブ取付用凹部を設け、カバーに、前記リブ取付用凹部に篏合する取付用リブ、カバー側摺動部、固定凸部を有するカバー側摺動固定部を設け、スライド部に、防水用リブ、スライド側摺動部、スライド側上部摺動固定部、スライド側下部摺動固定部、凹部を設け、カバー側摺動部にスライド側摺動部を篏合させてスライド部を上下に摺動可能とし、固定凸部がスライド側上部摺動固定部に篏合させた状態で取付用リブをリブ取付用凹部に挿入後、凹部を指で押し上げて、固定凸部がスライド側上部摺動固定部から外れ、固定凸部がスライド側下部摺動固定部に篏合すると同時に、防水用リブがケース防水用リブ収納部に挿入しカバーを取付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースとベースを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆いスライド部を備えるカバーとを有し、
前記ケースになケース防水用リブ収納部を設け、前記ベースにリブ取付用凹部を設け、前記カバーに、前記リブ取付用凹部に篏合する取付用リブ、カバー側摺動部、固定凸部を有するスナップフィット構造のカバー側摺動固定部を設け、前記スライド部に、防水用リブ、スライド側摺動部、スライド側上部摺動固定部、スライド側下部摺動固定部、凹部を設け、
前記カバー側摺動部に前記スライド側摺動部を篏合させて前記スライド部を上下に摺動可能とし、前記固定凸部が前記スライド側上部摺動固定部に篏合させた状態で、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入した後、前記スライド部の前記凹部を指で上方に押し上げることで、前記固定凸部が前記スライド側上部摺動固定部から外れ、前記固定凸部が前記スライド側下部摺動固定部に篏合すると同時に、前記防水用リブが前記ケース防水用リブ収納部に挿入することで前記カバーを取り付けることを特徴とする電力量計。
【請求項2】
ケースとベースとスライド部を備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、
前記ケースに、ケース防水用リブ収納部、ケース側摺動部、ケース側上部摺動固定部、ケース側下部摺動固定部を設け、前記ベースに、リブ取付用凹部、変形用凹部を設け、前記スライド部に、防水用リブ、スライド側摺動部、固定凸部を有するスナップフィット構造のスライド側摺動固定部、凹部を設け、前記カバーに、取付用リブ、固定用凹部を設け、
前記ケース側摺動部に前記スライド側摺動部を篏合させて前記スライド部を上下に摺動可能とし、前記固定凸部が前記ケース側上部摺動固定部に篏合させた状態で、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入した後、前記スライド部の前記凹部を指で下方に押し下げることで、前記固定凸部が前記ケース側上部摺動固定部に押されて前記スライド側摺動固定部が前記変形用凹部側に撓み、前記固定凸部が前記ケース側上部摺動固定部から外れ、前記固定凸部が前記ケース側下部摺動固定部に篏合すると同時に、前記防水用リブが前記固定用凹部に篏合することで前記カバーを取り付けることを特徴とする電力量計。
【請求項3】
ケースとベースを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆いスライド部とばねを備えるカバーとを有し、
前記ケースにケース防水用リブ収納部を設け、前記ベースにリブ取付用凹部を設け、前記カバーに、前記リブ取付用凹部に篏合する取付用リブ、カバー側摺動部、前記ばねを挿入するためのばね用凹部を設け、前記スライド部に、防水用リブ、スライド側摺動部、前記ばねに当接するばね当接部、凹部を設け、
前記カバー側摺動部に前記スライド側摺動部を篏合させて前記スライド部を上下に摺動可能とし、前記スライド部の前記凹部を指で下方に押し下げることで、前記ばね当接部が前記ばねを撓ませ、前記防水用リブの上面が前記取付用リブの上面と同一面となって、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入した後、前記スライド部の前記凹部から指を放すことで、前記ばねの復元力により前記スライド部が押し上げられて、前記防水用リブが前記ケース防水用リブ収納部に挿入することで前記カバーを取り付けることを特徴とする電力量計。
【請求項4】
ケースとベースとスライド部とばねを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、
前記ケースに、ケース防水用リブ収納部、ケース側摺動部、前記ばねを挿入するためのばね用凹部を設け、前記ベースにリブ取付用凹部を設け、前記スライド部に、防水用リブ、スライド側摺動部、前記ばねに当接するばね当接部、開当接面を設け、前記カバーに、取付用リブ、固定用凹部を設け、
前記ケース側摺動部に前記スライド側摺動部を篏合させて前記スライド部を上下に摺動可能とし、前記開当接面を前記取付用リブの上面で上方に押し上げることで、前記ばね当接部が前記ばねを撓ませ、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入すると同時に、前記ばねの復元力により前記スライド部が押し下げられて、前記防水用リブが前記固定用凹部に篏合することで前記カバーを取り付けることを特徴とする電力量計。
【請求項5】
前記カバーに封印取付部を設け、前記封印取付部に封印部を取付け、前記スライド部に封印摺動用凹部、封印用凹部を設け、前記スライド部を下端に摺動させて前記封印部を前記スライド側摺動部内に収納した状態で、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入した後、前記スライド部を押し上げることで、前記防水用リブが前記ケース防水用リブ収納部に挿入すると同時に、前記封印部が前記封印摺動用凹部を通って前記封印用凹部内に現れ、前記封印部に封印キャップを取付けて、前記封印キャップを前記封印用凹部に篏合させて前記スライド部を固定し封印することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の電力量計。
【請求項6】
前記カバーに封印取付部を設け、前記封印取付部に封印部を取付け、前記スライド部に封印用凹部を設け、前記スライド部を上端に摺動させた状態で、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入した後、前記スライド部を押し下げることで、前記防水用リブが前記固定用凹部に篏合すると同時に、前記封印取付部の上端と下端が前記封印用凹部の上端と下端それぞれに一致し、前記封印部に封印キャップを取付けることで、前記封印キャップを前記封印取付部および前記封印用凹部に篏合させて前記スライド部を固定し封印することを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の電力量計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力量計は、計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、端子ブロック、カバーを有している。図15(a)~図15(d)は、従来の電力量計において、計量装置、端子ブロック、通信装置、カバーを組立てる手順を示した工程図である。図15(a)は、計量装置を端子ブロックに取付ける方向を示し、図15(b)は、計量装置に端子ブロックを取り付けた状態を示し、図15(c)は、計量装置に通信装置を取り付けた状態を示し、図15(d)は、端子ブロックにカバーを取り付けて完成した電力量計を示す。図16(a)、(b)は、従来の電力量計の分解図を示す。図17(a)は、従来の電力量計用通信装置の外観を示し、図17(b)は、通信装置に設けられた計量装置取付部24aを示す。
【0003】
計量装置は、図16(a)~図16(b)に示すように、電力量を表示する表示部1aと通信装置接続部1bと開閉検出部1cと導体接続部1dとセンサ接続部1eとベース取付部1fを有する回路部1、回路部1のセンサ接続部1eに接続するセンサ側回路接続部2aを有し電流を測定するセンサ部2、回路部1の導体接続部1dに接続して電源供給する導体側回路接続部3aと端子ブロックの端子9の端子側導体接続部9bと接続する導体側端子接続部3bを備えている導体3、通信装置接続部通し穴4aと通信装置取付部4bとブロック取付部4cと開閉検出部通し穴4dとケース取付部4eと導体通し穴4fと回路取付部4gを備えるベース4、それらを収納し、表示窓5aとケース側ベース取付部5bとケース防水用リブ収納部5cとケース防水用リブ5dとケース側固定ねじ取付部5eを備えているケース5で構成されている。
【0004】
通信装置は、図17(a)~図17(b)に示すように、計量装置接続部21a、計量装置取付部24aを有している。端子ブロックは、図16(a)~図16(b)に示すように、ブロック取付ねじ6、導体接続ねじ7、電線取付ねじ8、電線収納部9aと端子側導体接続部9bを備える端子9、ブロック側ベース取付部10aとカバー取付用雌ねじ部10bと電線通し穴10cと端子取付部10dとブロック側固定ねじ取付部10eとブロック防水用リブ収納部10fを備えるブロック10で構成されている。カバーは、図16(a)~図16(b)に示すように、検出用凸部11aとカバー防水用リブ11bを備えるカバー11とカバー取付ねじ12で構成されている。
【0005】
このように構成された計量装置、通信装置、端子ブロック、カバーを電力量計に組立てる手順を以下に記す。まず、図15(a)に示すように、計量装置を端子ブロックの上方に配置して下方に移動させると、図15(b)に示すように、計量装置を端子ブロックに篏合させた後、計量装置の導体側端子接続部3bを、端子ブロックの導体接続ねじ7で端子9の端子側導体接続部9bに固定し、計量装置のブロック取付部4cを、ブロック取付ねじ6で端子ブロックのブロック側ベース取付部10aに固定することで、計量装置を端子ブロックに取り付けることができる。
【0006】
このとき、ケース5のケース防水用リブ5dは、ブロック10のブロック防水用リブ収納部10fに収納される。その後、図15(c)に示すように、通信装置の計量装置取付部24aを、計量装置のベース4の通信装置取付部4bに嵌合させ、通信装置の計量装置接続部21aを、計量装置のベース4の通信装置接続部通し穴4aを通して、回路部1の通信装置接続部1bに接続することで、通信装置を計量装置に取付ける。
【0007】
その後、図15(d)に示すように、カバー11のカバー防水用リブをケース5のケース防水用リブ収納部5cに挿入し、カバー11に備えてあるカバー取付ねじ12を、ブロック10のカバー取付用雌ねじ部10bに取り付けることで、電力量計が組み立てられることになる。設置された端子ブロックを流用して計量装置を交換する場合、まず、古い電力量計と新しい電力量計において、カバー取付ねじ12を緩めてカバー11を取外して近場に搬送して保管し、計量装置取付部24aを通信装置接続部1bから取外して通信装置を取外して近場に搬送して保管し、端子ブロックのブロック取付ねじ6と導体接続ねじ7を緩めて計量装置を取外して近場に搬送して保管する。次に、古い端子ブロックに新しい電力量計、新しい通信装置、新しいカバーを取り付けることで電力量計の交換が完了する。このように、電力量計交換時においては、カバーの取外し時のねじ緩め作業が2回、カバーの取付け時のねじ締め作業が1回発生する。
【0008】
参考として、端子台に接続されている電源側給電用導線および負荷側給電用導線を取り外す必要がなく、給電制御装置の着脱作業を容易かつ安全に行うことができる電力量計が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第4991340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
電力量計の交換時において、カバーのカバー取付ねじを緩める作業、カバー取付ねじを締め付ける作業が発生して作業時間が長くなり、作業費が高くなる要因となっていた。
【0011】
本発明は、電力量計のカバーを取り付ける作業時間を短縮し、設置作業費をコストダウンできる電力量計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1は、ケースとベースを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆いスライド部を備えるカバーとを有し、前記ケースにケース防水用リブ収納部を設け、前記ベースにリブ取付用凹部を設け、前記カバーに、前記リブ取付用凹部に篏合する取付用リブ、カバー側摺動部、固定凸部を有するスナップフィット構造のカバー側摺動固定部を設け、前記スライド部に、防水用リブ、スライド側摺動部、スライド側上部摺動固定部、スライド側下部摺動固定部、凹部を設け、前記カバー側摺動部に前記スライド側摺動部を篏合させて前記スライド部を上下に摺動可能とし、前記固定凸部が前記スライド側上部摺動固定部に篏合させた状態で、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入した後、前記スライド部の前記凹部を指で上方に押し上げることで、前記上部摺動固定部が前記固定凸部を押して前記カバー側摺動固定部が撓み、前記固定凸部が前記スライド側上部摺動固定部から外れ、前記固定凸部が前記スライド側下部摺動固定部に篏合すると同時に、前記防水用リブが前記ケース防水用リブ収納部に挿入することで前記カバーを取り付けることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、ケースとベースとスライド部を備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、前記ケースに、ケース防水用リブ収納部、ケース側摺動部、ケース側上部摺動固定部、ケース側下部摺動固定部を設け、前記ベースに、リブ取付用凹部、変形用凹部を設け、前記スライド部に、防水用リブ、スライド側摺動部、固定凸部を有するスナップフィット構造のスライド側摺動固定部、凹部を設け、前記カバーに、取付用リブ、固定用凹部を設け、前記ケース側摺動部に前記スライド側摺動部を篏合させて前記スライド部を上下に摺動可能とし、前記固定凸部が前記ケース側上部摺動固定部に篏合させた状態で、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入した後、前記スライド部の前記凹部を指で下方に押し下げることで、前記固定凸部が前記ケース側上部摺動固定部に押されて前記スライド側摺動固定部が前記変形用凹部側に撓み、前記固定凸部が前記ケース側上部摺動固定部から外れ、前記固定凸部が前記ケース側下部摺動固定部に篏合すると同時に、前記防水用リブが前記固定用凹部に篏合することで前記カバーを取り付けることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明は、ケースとベースを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆いスライド部とばねを備えるカバーとを有し、前記ケースにケース防水用リブ収納部を設け、前記ベースにリブ取付用凹部を設け、前記カバーに、前記リブ取付用凹部に篏合する取付用リブ、カバー側摺動部、前記ばねを挿入するためのばね用凹部を設け、前記スライド部に、防水用リブ、スライド側摺動部、前記ばねに当接するばね当接部、凹部を設け、前記カバー側摺動部に前記スライド側摺動部を篏合させて前記スライド部を上下に摺動可能とし、前記スライド部の前記凹部を指で下方に押し下げることで、前記ばね当接部が前記ばねを撓ませ、前記防水用リブの上面が前記取付用リブの上面と同一面となって、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入した後、前記スライド部の前記凹部から指を放すことで、前記ばねの復元力により前記スライド部が押し上げられて、前記防水用リブが前記ケース防水用リブ収納部に挿入することで前記カバーを取り付けることを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、ケースとベースとスライド部とばねを備える計量装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、前記計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、前記計量装置、前記通信装置及び前記端子ブロックを覆うカバーとを有し、前記ケースに、ケース防水用リブ収納部、ケース側摺動部、前記ばねを挿入するためのばね用凹部を設け、前記ベースにリブ取付用凹部を設け、前記スライド部に、防水用リブ、スライド側摺動部、前記ばねに当接するばね当接部、開当接面を設け、前記カバーに、取付用リブ、固定用凹部を設け、前記ケース側摺動部に前記スライド側摺動部を篏合させて前記スライド部を上下に摺動可能とし、前記開当接面を前記取付用リブの上面で上方に押し上げることで、前記ばね当接部が前記ばねを撓ませ、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入すると同時に、前記ばねの復元力により前記スライド部が押し下げられて、前記防水用リブが前記固定用凹部に篏合することで前記カバーを取り付けることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、前記カバーに封印取付部を設け、前記封印取付部に封印部を取付け、前記スライド部に封印摺動用凹部、封印用凹部を設け、前記スライド部を下端に摺動させて前記封印部を前記スライド側摺動部内に収納した状態で、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入した後、前記スライド部を押し上げることで、前記防水用リブが前記ケース防水用リブ収納部に挿入すると同時に、前記封印部が前記封印摺動用凹部を通って前記封印用凹部内に現れ、前記封印部に封印キャップを取付けて、前記封印キャップを前記封印用凹部に篏合させて前記スライド部を固定し封印することを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、前記カバーに封印取付部を設け、前記封印取付部に封印部を取付け、前記スライド部に封印用凹部を設け、前記スライド部を上端に摺動させた状態で、前記取付用リブを前記リブ取付用凹部に挿入した後、前記スライド部を押し下げることで、前記防水用リブが前記固定用凹部に篏合すると同時に、前記封印取付部の上端と下端が前記封印用凹部の上端と下端それぞれに一致し、前記封印部に前記封印キャップを取付けることで、前記封印キャップを前記封印取付部および前記封印用凹部に篏合させて前記スライド部を固定し封印することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1、2の発明によれば、現行品に比べ、スライド部の摺動によるカバーの取付け、取外しができるため、作業時間を短縮することができる。
【0019】
請求項3、4の発明によれば、請求項1、2のスライド部を指で摺動する場合に比べ、ばねにより必ず閉状態を維持するようになるため、閉め忘れ防止をすることができる。
【0020】
請求項5、6の発明によれば、封印することができるため、イタズラを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る電力量計の組立断面図と部分断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る電力量計のベースとカバーとスライド部の斜視図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立断面図と部分断面図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る電力量計のケースとベースとカバーとスライド部の斜視図である。
図7】本発明の第3の実施形態に係る電力量計のカバーの斜視図と部分断面図である。
図8】本発明の第3の実施形態に係る電力量計のカバーとスライド部の斜視図である。
図9】本発明の第4の実施形態に係る電力量計の組立斜視図と部分断面図である。
図10】本発明の第4の実施形態に係る電力量計のケースとスライド部の斜視図である。
図11】本発明の第5の実施形態に係る電力量計の組立斜視図と部分断面図である。
図12】本発明の第5の実施形態に係る電力量計のカバーとスライド部の斜視図と部分断面図である。
図13】本発明の第6の実施形態に係る電力量計の組立斜視図と部分断面図である。
図14】本発明の第6の実施形態に係る電力量計のカバーとスライド部の斜視図と部分断面図である。
図15】従来の電力量計の斜視図である。
図16】従来の電力量計の分解図である。
図17】従来の電力量計用通信装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る電力量計について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。図1(a)は、計量装置にスライド部を下端に固定したカバーを取り付ける方向を示し、図1(b)は、計量装置にカバーを取り付けた状態を示し、図1(c)は、スライド部を上方向に摺動させて、組立てられた電力量計を示す。
【0024】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計の組立断面図と部分断面図である。図2(a)は、図1(b)に示す電力量計の垂直断面図である。図2(b)は、図1(c)に示す電力量計の垂直断面図である。図2(c)は、図2(a)に示す電力量計の右側面の水平断面図である。図2(e)は、図2(b)に示す電力量計の右側面の水平断面図である。図2(d)は、図2(c)から図2(e)へ至る途中を示し、カバー側摺動固定部が撓む様子を示す右側面の水平断面図である。
【0025】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る電力量計のベースとカバーとスライド部の斜視図である。図3(a)はベースの斜視図を示し、図3(b)(c)はカバーの斜視図を示し、図3(d)(e)はスライド部の斜視図を示す。
【0026】
電力量計は、ケース5とベース4Aを備える計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置(図1(a)に示す上ケース23と下ケース24)と、計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、計量装置、通信装置及び端子ブロックを覆いスライド部101を備えるカバー11Aとを有している。
【0027】
図16(a)に示すように、ケース5には、ケース防水用リブ収納部5cが下側開口部内側の正面側および左右両側面側に設けられている。
【0028】
図3(a)に示すように、ベース4Aには、リブ取付用凹部4A1が正面と左右両側面外側に設けられている。
【0029】
図3(b)~図3(c)に示すように、カバー11Aには、ベース4Aのリブ取付用凹部4A1に篏合するように上部の背面と左右両側面内側に取付用リブ11A1、正面と左右両側面外側に設けられたカバー側摺動部11A2、左右両側面において固定凸部11A3を有するスナップフィット構造のカバー側摺動固定部11A4が設けられている。
【0030】
図3(d)~図3(e)に示すように、スライド部101には、上部の正面と左右両側面側においてケース5のケース防水用リブ収納部5cに収納可能な防水用リブ101a、カバー11Aのカバー側摺動部11A2に篏合してスライド部101を上下に摺動するため背面と左右両側面内側に設けられたスライド側摺動部101b、カバー11Aのカバー側摺動固定部11A4の固定凸部11A3に篏合してスライド部101を固定するため左右両側面内側に設けられたスライド側上部摺動固定部101cとスライド側下部摺動固定部101d、スライド部101を指で上下に摺動するため左右両側面外側に設けられた凹部101eを有している。
【0031】
次に、このように構成された第1の実施形態のカバーとスライド部の組立手順を説明する。まず、図3(b)に示すカバー11Aのカバー側摺動部11A2に、図3(d)に示すスライド部101のスライド側摺動部101bを篏合させて、スライド部101をカバー11Aに組立てるとともに、スライド部101を上下に摺動可能とする。
【0032】
次に、図3(b)に示すカバー11Aの左右両側面に設けられたカバー側摺動固定部11A4の固定凸部11A3を、図3(e)に示すスライド部101の左右両側面内側に設けられたスライド側上部摺動固定部101cに篏合させて、スライド部101を下端に固定し、スライド部101の防水用リブ101aの上面とカバー11Aの取付用リブ11A1の上面が同一面になった状態にする。
【0033】
次に、計量装置と通信装置と端子ブロックを組立てた状態において、カバーを計量装置に取り付けて電力量計に組立てる手順を説明する。まず、図1(a)~図1(b)、図2(a)、図2(c)に示すように、カバー11Aの取付用リブ11A1を、ベース4Aのリブ取付用凹部4A1に挿入する。
【0034】
次に、図2(d)に示すように、スライド部101の凹部101eを指で上方に押し上げると、スライド側上部摺動固定部101cが固定凸部11A3を押してカバー側摺動固定部11A4が内側に撓み、カバー11Aのカバー側摺動固定部11A4の固定凸部11A3がスライド部101のスライド側上部摺動固定部101cから外れる。
【0035】
さらに、スライド部101の凹部101eを指で上方に押し上げると、図1(c)、図2(b)、図2(e)に示すように、カバー11Aのカバー側摺動固定部11A4の固定凸部11A3がスライド部101のスライド側下部摺動固定部101dに篏合すると同時に、スライド部101の防水用リブ101aがケース5のケース防水用リブ収納部5cに挿入することで、カバー11Aを取り付けて電力量計に組立てることができる。
【0036】
また、カバー11Aを取り外す場合、スライド部101の凹部101eを指で下方に押し下げると、スライド側下部摺動固定部101dが固定凸部11A3を押してカバー側摺動固定部11A4が内側に撓み、カバー11Aのカバー側摺動固定部11A4の固定凸部11A3がスライド部101のスライド側下部摺動固定部101dから外れ、カバー11Aのカバー側摺動固定部11A4の固定凸部11A3がスライド部101のスライド側上部摺動固定部101cに篏合させて、スライド部101を下端に固定し、カバー11Aの取付用リブ11A1の上面とスライド部101の防水用リブ101aの上面が同一面になった状態にして、カバー11Aを取り外すことができる。
【0037】
このように第1の実施形態に係る電力量計によれば、現行品に比べ、スライド部101の摺動によるカバー11Aの取付け、取外しができるため、作業時間を短縮することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立斜視図である。図4(a)は、スライド部を上端に固定した計量装置にカバーを取り付ける方向を示し、図4(b)は、計量装置にカバーを取り付けた状態を示し、図4(c)は、スライド部を下方向に摺動させて、組立てられた電力量計を示す。
【0039】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計の組立断面図と部分断面図である。図5(a)は、図4(b)に示す電力量計の垂直断面図である。図5(b)は、図4(c)に示す電力量計の垂直断面図である。図5(c)は、図5(a)に示す電力量計の右側面の水平断面図である。図5(e)は、図5(b)に示す電力量計の右側面の水平断面図である。図5(d)は、図5(c)から図5(e)へ至る途中を示し、スライド側摺動固定部が撓む様子を示す右側面の水平断面図である。
【0040】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る電力量計のケースとベースとカバーとスライド部の斜視図である。図6(a)はケースの斜視図を示し、図6(b)は、ベースの斜視図を示し、図6(c)はカバーの斜視図を示し、図6(d)はスライド部の斜視図を示す。
【0041】
電力量計は、ケース5Bとベース4Bとスライド部201を備える計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置(図4(a)に示す上ケース23と下ケース24)と、計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、計量装置、通信装置及び端子ブロックを覆うカバー11Bとを有している。
【0042】
図6(a)に示すように、ケース5Bには、下側開口部内側の正面側および左右両側面側にケース防水用リブ収納部5Bc、下側開口部内側の左右両側面側に、ケース側摺動部5B1、ケース側上部摺動固定部5B2、ケース側下部摺動固定部5B3が設けられている。
【0043】
図6(b)に示すように、ベース4Bには、正面と左右両側面外側にリブ取付用凹部4B1、左右両側面外側に変形用凹部4B2が設けられている。
【0044】
図6(c)に示すように、カバー11Bには、ベース4Bのリブ取付用凹部4B1に篏合するように上部の背面と左右両側面内側に取付用リブ11B1、固定用凹部11B5が設けられている。
【0045】
図6(d)に示すように、スライド部201には、上部の正面と左右両側面側においてケース5Bのケース防水用リブ収納部5Bcに収納可能でカバー11Bの固定用凹部11B5に篏合可能な防水用リブ201a、ケース5Bのケース側摺動部5B1に篏合してスライド部201を上下に摺動するため左右両側面外側に設けられたスライド側摺動部201b、ケース5Bのケース側上部摺動固定部5B2およびケース側下部摺動固定部5B3に篏合してスライド部201を固定するため左右両側面に設けられた固定凸部201fを有するスナップフィット構造のスライド側摺動固定部201g、スライド部201を指で上下に摺動するため左右両側面外側に設けられた凹部201eを有している。
【0046】
次に、このように構成された第2の実施形態のケースとスライド部の組立手順を説明する。まず、図6(a)に示すケース5Bのケース側摺動部5B1に、図6(d)に示すスライド部201のスライド側摺動部201bを篏合させて、スライド部201をケース5Bに組立てるとともに、スライド部201を上下に摺動可能とする。
【0047】
次に、図6(d)に示すように、スライド部201の左右両側面に設けられたスライド側摺動固定部201gの固定凸部201fを、図6(a)に示すケース5Bの下側開口部内側の左右両側面側に設けられたケース側上部摺動固定部5B2に篏合させて、スライド部201を上端に固定し、スライド部201の防水用リブ201aの上面とカバー11Bの取付用リブ11B1の上面が同一面になった状態にする。
【0048】
次に、計量装置と通信装置と端子ブロックを組立てた状態において、カバーを計量装置に取り付けて電力量計に組立てる手順を説明する。まず、図4(a)~図4(b)、図5(a)、図5(c)に示すように、カバー11Bの取付用リブ11B1を、ベース4Bのリブ取付用凹部4B1に挿入する。
【0049】
次に、図5(d)に示すように、スライド部201の凹部201eを指で下方に押し下げると、固定凸部201fがケース側上部摺動固定部5B2に押されてスライド側摺動固定部201gが内側に撓み、スライド部201のスライド側摺動固定部201gの固定凸部201fがケース5Bのケース側上部摺動固定部5B2から外れる。このとき、ベース4Bの変形用凹部4B2が、スライド側摺動固定部201gが内側に撓んだときに、ベース4Bに接触しないようにしている。
【0050】
さらに、スライド部201の凹部201eを指で下方に押し下げると、図4(c)、図5(b)、図5(e)に示すように、スライド部201のスライド側摺動固定部201gの固定凸部201fがケース5Bのケース側下部摺動固定部5B3に篏合すると同時に、スライド部201の防水用リブ201aがカバー11Bの固定用凹部11B5に篏合することで、カバー11Bを取り付けて電力量計に組立てることができる。
【0051】
なお、スライド部201を押し下げた状態においても、スライド部201の防水用リブ201aはケース5Bのケース防水用リブ収納部5Bcに収納されている。従って、ケース外壁の下端より上方にスライド部201の防水用リブ201aが存在することとなるため、防水性を保つことができる。
【0052】
また、カバー11Bを取り外す場合、スライド部201の凹部201eを指で上方に押し上げると、固定凸部201fがケース側下部摺動固定部5B3に押されてスライド側摺動固定部201gが内側に撓み、スライド部201のスライド側摺動固定部201gの固定凸部201fがケース5Bのケース側下部摺動固定部5B3から外れ、スライド部201のスライド側摺動固定部201gの固定凸部201fがケース5Bのケース側上部摺動固定部5B2に篏合させて、スライド部201を上端に固定し、カバー11Bの取付用リブ11B1の上面とスライド部201の防水用リブ201aの下面が同一面になった状態にして、カバー11Bを取り外すことができる。
【0053】
このように第2の実施形態に係る電力量計によれば、現行品に比べ、スライド部201の摺動によるカバー11Bの取付け、取外しができるため、作業時間を短縮することができる。
【0054】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態に係る電力量計のカバーの斜視図と部分断面図である。図7(a)は、スライド部を押し下げた状態のカバーを示し、図7(b)は、ばねによりスライド部が押し上げられた状態のカバーを示し、図7(c)は、図7(a)に示すカバーの右側面におけるばね周囲の水平断面図を示し、図7(d)は、図7(b)に示すカバーの右側面におけるばね周囲の水平断面図を示す。
【0055】
図8は、本発明の第3の実施形態に係る電力量計のカバーとスライド部の斜視図である。図8(a)はカバーの斜視図を示し、図8(b)はスライド部の斜視図を示す。
【0056】
電力量計は、ケース5とベース4Aを備える計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ前記計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置(図1(a)に示す上ケース23と下ケース24)と、計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、計量装置、通信装置及び端子ブロックを覆い、スライド部301とばね302を備えるカバー11Cとを有している。
【0057】
第3の実施形態に係る電力量計は、第1の実施形態に係る電力量計に対して、ばね302が追加され、図8(a)に示すように、カバー11Cには、ベース4Aのリブ取付用凹部4A1に篏合するように上部の背面と左右両側面内側に取付用リブ11C1、正面と左右両側面外側に設けられたカバー側摺動部11C2、左右両側面においてばね302を挿入するためのばね用凹部11C6を設け、図8(b)に示すように、スライド部301には、上部の正面と左右両側面側においてケース5のケース防水用リブ収納部5cに収納可能な防水用リブ301a、カバー11Cのカバー側摺動部11C2に篏合してスライド部301を上下に摺動するため背面と左右両側面内側に設けられたスライド側摺動部301b、左右両側面側においてばね302の上部に当接するばね当接部301h、スライド部301を指で下に摺動するため左右両側面外側に設けられた凹部301eが設けられている。その他の構成は、第1の実施形態に係る電力量計と同じである。
【0058】
次に、このように構成された第3の実施形態のカバーとスライド部の組立手順を説明する。まず、図8(a)に示すカバー11Cの左右両側面にあるばね用凹部11C6にそれぞればね302を挿入し、カバー11Cのカバー側摺動部11C2に、図8(b)に示すスライド部301のスライド側摺動部301bを篏合させて、スライド部301とばね302をカバー11Cに組立てるとともに、スライド部301を上下に摺動可能とする。このとき、ばね302はスライド部301のばね当接部301hに当接し、図7(b)、図7(d)に示すように、スライド部301を常に上に押し上げた状態になる。
【0059】
次に、計量装置と通信装置と端子ブロックを組立てた状態において、カバーを計量装置に取り付けて電力量計に組立てる手順を説明する。まず、スライド部301の凹部301eを指で下方に押し下げて、スライド部301のばね当接部301hがばね302を撓ませて、図7(a)、図7(c)に示すように、スライド部301の防水用リブ301aの上面とカバー11Cの取付用リブ11C1の上面が同一面になった状態にする。
【0060】
次に、カバー11Cの取付用リブ11C1を、ベース4Aのリブ取付用凹部4A1に挿入した後、指をスライド部301の凹部301eから放すことで、図7(d)に示すように、ばね302の復元力によりスライド部301が押し上げられ、スライド部301の防水用リブ301aがケース5のケース防水用リブ収納部5cに挿入することで、カバー11Cを取り付けて電力量計に組立てることができる。
【0061】
また、カバー11Cを取り外す場合、スライド部301の凹部301eを指で下方に押し下げて、スライド部301の防水用リブ301aがケース5のケース防水用リブ収納部5cから外れ、スライド部301の防水用リブ301aの上面とカバー11Cの取付用リブ11C1の上面が同一面になった状態にして、カバー11Cを取り外すことができる。
【0062】
このように第3の実施形態に係る電力量計によれば、第1の実施形態、第2の実施形態のスライド部101,201を指で摺動する場合に比べ、ばね302により必ず閉状態を維持するようになるため、閉め忘れ防止をすることができる。
【0063】
(第4の実施形態)
図9は、本発明の第4の実施形態に係る電力量計のカバーの斜視図と部分断面図である。図9(a)は、スライド部を押し上げた計量装置にカバーを取り付けた状態を示し、図9(b)は、ばねによりスライド部が押し下げられて、組立てられた電力量計を示し、図9(c)は、図9(a)に示す電力量計の右側面におけるばね周囲の水平断面図を示し、図9(d)は、図9(b)に示す電力量計の右側面におけるばね周囲の水平断面図を示す。
【0064】
図10は、本発明の第4の実施形態に係る電力量計のケースとスライド部の斜視図である。図10(a)はケースの斜視図を示し、図10(b)はスライド部の斜視図を示す。
【0065】
電力量計は、ケース5Dとベース4Bとスライド部401とばね402を備える計量装置と、計量装置に取り付けられ且つ計量装置で計量された電力量を外部に送信する通信装置と、計量装置に取り付けられ且つ電線と接続する端子ブロックと、計量装置、通信装置及び端子ブロックを覆うカバー11Bとを有している。
【0066】
第4の実施形態に係る電力量計は、第2の実施形態に係る電力量計に対して、ばね402が追加され、図10(a)に示すように、ケース5Dには、下側開口部内側の正面側および左右両側面側にケース防水用リブ収納部5Dc、下側開口部内側の左右両側面側に、ケース側摺動部5D1、ばね402を挿入するためのばね用凹部5D4を設け、図10(b)に示すように、スライド部401には、上部の正面と左右両側面側においてケース5Dのケース防水用リブ収納部5Dcに収納可能でカバー11Bの固定用凹部11B5に篏合可能な防水用リブ401a、ケース5Dのケース側摺動部5D1に篏合してスライド部401を上下に摺動するため左右両側面外側に設けられたスライド側摺動部401b、左右両側面側においてばね402の下部に当接するばね当接部401h、スライド部401を指で上に摺動するため正面と左右両側面外側に設けられた開当接面401iが設けられている。その他の構成は、第2の実施形態に係る電力量計と同じである。
【0067】
次に、このように構成された第4の実施形態のケースとスライド部の組立手順を説明する。まず、図10(a)に示すケース5Dの左右両側面にあるばね用凹部5D4にそれぞればね402を挿入し、ケース5Dのケース側摺動部5D1に、図10(b)に示すスライド部401のスライド側摺動部401bを篏合させて、スライド部401とばね402をケース5Dに組立てるとともに、スライド部401を上下に摺動可能とする。このとき、ばね402はスライド部401のばね当接部401hに当接し、スライド部を常に下に押し下げた状態になる。
【0068】
次に、計量装置と通信装置と端子ブロックを組立てた状態において、カバーを計量装置に取り付けて電力量計に組立てる手順を説明する。まず、スライド部401の開当接面401iをカバー11Bの取付用リブ11B1の上面で押し上げて、スライド部401のばね当接部401hがばね402を撓ませて、スライド部401の開当接面401iと同一面となっているカバー11Bの取付用リブ11B1の上面がベース4Bのリブ取付用凹部4B1の上面と同一面になった状態にして、図9(a)、図9(c)に示すように、カバー11Bの取付用リブ11B1を、ベース4Bのリブ取付用凹部4B1に挿入する。
【0069】
その後、ばね402の復元力によりスライド部401が押し下げられ、図9(b)、図9(d)に示すように、スライド部401の防水用リブ401aがカバー11Bの固定用凹部11B5に篏合することで、カバー11Bを取り付けて電力量計に組立てることができる。
【0070】
また、カバー11Bを取り外す場合、スライド部401の開当接面401iを指で上方に押し上げて、スライド部401のばね当接部401hがばね402を撓ませて、スライド部401の防水用リブ401aがケース5Dのケース防水用リブ収納部5Dcに挿入され、スライド部401の開当接面401iがカバー11Bの取付用リブ11B1の上面と同一面となっているベース4Bのリブ取付用凹部4B1の上面とスライド部401の開当接面401iが同一面になった状態にして、カバー11Bを取り外すことができる。
【0071】
このように第4の実施形態に係る電力量計によれば、第1の実施形態、第2の実施形態のスライド部101,201を指で摺動する場合に比べ、ばね402により必ず閉状態を維持するようになるため、閉め忘れ防止をすることができる。
【0072】
(第5の実施形態)
図11は、本発明の第5の実施形態に係る電力量計の組立斜視図と部分断面図である。図11(a)は、計量装置にスライド部を下端に固定したカバーを取り付けた状態を示し、図11(b)は、スライド部を上方向に摺動させて、封印用凹部の位置に封印部が現れた状態を示し、図11(c)は、図11(b)に示す封印部に封印キャップを取り付けて、封印された電力量計示し、図11(d)は、図11(c)に示す電力量計の封印部周囲の垂直断面図を示す。
【0073】
図12は、本発明の第5の実施形態に係る電力量計のカバーとスライド部の斜視図と断面図である。図12(a)は、封印部を取付けたカバーの斜視図を示し、図12(b)は、図12(a)に示すカバーの封印部周囲の垂直断面図を示し、図12(c)は、スライド部の斜視図を示す。
【0074】
第5の実施形態に係る電力量計は、第1の実施形態に係る電力量計に対して、封印部503が追加され、図12(a)に示すように、カバー11Eには、ベース4Aのリブ取付用凹部4A1に篏合するように上部の背面と左右両側面内側に取付用リブ11E1、正面と左右両側面外側に設けられたカバー側摺動部11E2、左右両側面において固定凸部11E3を有するスナップフィット構造のカバー側摺動固定部11E4、正面に封印部503が取付けられる封印取付部11E7を設け、図12(c)に示すように、スライド部501には、上部の正面と左右両側面側においてケース5のケース防水用リブ収納部5cに収納可能な防水用リブ501a、カバー11Eのカバー側摺動部11E2に篏合してスライド部501を上下に摺動するため背面と左右両側面内側に設けられたスライド側摺動部501b、カバー11Eのカバー側摺動固定部11E4の固定凸部11E3に篏合してスライド部501を固定するため左右両側面内側に設けられたスライド側上部摺動固定部501cとスライド側下部摺動固定部501d、スライド部501を指で上下に摺動するため左右両側面外側に設けられた凹部501e、スライド部501が上下に摺動したときに封印部503を通す封印摺動用凹部501j、封印キャップ504を取り付ける凹部として封印用凹部501kが設けられている。なお、封印用凹部501kは封印取付部11E7内に篏合可能である。その他の構成は、第1の実施形態に係る電力量計と同じである。
【0075】
次に、このように構成された第5の実施形態のカバーとスライド部の組立手順を説明する。まず、図12(a)に示す封印部503が封印取付部11E7に取付けられたカバー11Eのカバー側摺動部11E2に、図12(c)に示すスライド部501のスライド側摺動部501bを篏合させて、スライド部501をカバー11Eに組立てるとともに、スライド部501を上下に摺動可能とする。
【0076】
次に、カバー11Eの左右両側面に設けられたカバー側摺動固定部11E4の固定凸部11E3を、スライド部501の左右両側面内側に設けられたスライド側下部摺動固定部501dに篏合させて、スライド部501を下端に固定し、スライド部501の防水用リブ501aの上面とカバー11Eの取付用リブ11E1の上面が同一面になった状態にする。このとき、封印部503はスライド部501のスライド側摺動部501b内に収納されている。
【0077】
次に、計量装置と通信装置と端子ブロックを組立てた状態において、カバーを計量装置に取り付けて電力量計に組立てる手順を説明する。まず、図11(a)に示すように、カバー11Eの取付用リブ11E1を、ベース4Aのリブ取付用凹部4A1に挿入する。
【0078】
次に、図11(b)に示すように、スライド部501の凹部501eを指で上方に押し上げると、スライド側上部摺動固定部501cが固定凸部11E3を押してカバー側摺動固定部11E4が内側に撓み、カバー11Eのカバー側摺動固定部11E4の固定凸部11E3がスライド部501のスライド側上部摺動固定部501cから外れ、カバー11Eのカバー側摺動固定部11E4の固定凸部11E3がスライド部501のスライド側下部摺動固定部501dに篏合し、スライド部501の防水用リブ501aがケース5のケース防水用リブ収納部5cに挿入すると同時に、封印用凹部501kは封印取付部11E7内に収納され、封印部503が封印摺動用凹部501jを通って、図11(b)に示すように、スライド部501の封印用凹部501kの位置に配置される。
【0079】
その後に、図11(c)に示すように、封印部503に封印キャップ504を取付けることで、スライド部501の封印用凹部501kに封印キャップ504が篏合してスライド部501を固定して封印することができ、イタズラを防止することができる。
【0080】
また、なお、第3の実施形態に係る電力量計においても、封印部を追加し、カバーに封印取付部を設け、スライド部に封印摺動用凹部、封印用凹部を設けることで、第5の実施形態に係る電力量計と同様に、封印してイタズラを防止することができる。
【0081】
(第6の実施形態)
図13は、本発明の第6の実施形態に係る電力量計の組立斜視図と部分断面図である。図13(a)は、計量装置にスライド部を下端に固定したカバーを取り付けた状態を示し、図13(b)は、スライド部を下方向に摺動させた状態を示し、図13(c)は、図13(b)に示す封印部に封印キャップを取り付けて、封印された電力量計を示し、図13(d)は、図13(c)に示す電力量計の封印部周囲の垂直断面図を示す。
【0082】
図14は、本発明の第6の実施形態に係る電力量計のカバーとスライド部の斜視図と断面図である。図14(a)は、封印部を取付けたカバーの斜視図を示し、図14(b)は、図14(a)に示すカバーの封印部周囲の垂直断面図を示し、図14(c)は、スライド部の斜視図を示す。
【0083】
第6の実施形態に係る電力量計は、第2の実施形態に係る電力量計に対して、封印部503が追加され、図14(a)に示すように、カバー11Fには、ベース4Bのリブ取付用凹部4B1に篏合するように上部の背面と左右両側面内側に取付用リブ11F1、固定用凹部11F5、封印部503を取り付けられ封印キャップ504に篏合する封印取付部11F7を設け、図14(c)に示すように、スライド部601には、上部の正面と左右両側面側においてケース5Bのケース防水用リブ収納部5Bcに収納可能でカバー11Bの固定用凹部11B5に篏合可能な防水用リブ601a、ケース5Bのケース側摺動部5B1に篏合してスライド部601を上下に摺動するため左右両側面外側に設けられたスライド側摺動部601b、ケース5Bのケース側上部摺動固定部5B2およびケース側下部摺動固定部5B3に篏合してスライド部601を固定するため左右両側面に設けられた固定凸部601fを有するスナップフィット構造のスライド側摺動固定部601g、スライド部601を指で上下に摺動するため左右両側面外側に設けられた凹部601e、封印キャップ504を取り付ける凹部として封印用凹部601kが設けられている。その他の構成は、第2の実施形態に係る電力量計と同じである。
【0084】
次に、このように構成された第6の実施形態のケースとスライド部の組立手順を説明する。まず、図6(a)に示すケース5Bのケース側摺動部5B1に、図14(c)に示すスライド部601のスライド側摺動部601bを篏合させて、スライド部601をケース5Bに組立てるとともに、スライド部601を上下に摺動可能とする。
【0085】
次に、スライド部601の左右両側面に設けられたスライド側摺動固定部601gの固定凸部601fを、ケース5Bの下側開口部内側の左右両側面側に設けられたケース側上部摺動固定部5B2に篏合させて、スライド部601を上端に固定し、スライド部601の防水用リブ601aの上面とカバー11Fの取付用リブ11F1の上面が同一面になった状態にする。
【0086】
次に、計量装置と通信装置と端子ブロックを組立てた状態において、カバーを計量装置に取り付けて電力量計に組立てる手順を説明する。まず、図13(a)に示すように、封印部503が封印取付部11F7に取付けられたカバー11Fの取付用リブ11F1を、ベース4Bのリブ取付用凹部4B1に挿入する。
【0087】
次に、図13(b)に示すように、スライド部601の凹部601eを指で下方に押し下げると、固定凸部601fがケース側上部摺動固定部5B2に押されてスライド側摺動固定部601gが内側に撓み、スライド部601のスライド側摺動固定部601gの固定凸部601fがケース5Bのケース側上部摺動固定部5B2から外れる。このとき、ベース4Bの変形用凹部4B2が、スライド側摺動固定部601gが内側に撓んだときに、ベース4Bに接触しないようにしている。
【0088】
さらに、スライド部601の凹部601eを指で下方に押し下げると、図13(b)、に示すように、スライド部601のスライド側摺動固定部601gの固定凸部601fがケース5Bのケース側下部摺動固定部5B3に篏合し、スライド部601の防水用リブ601aがカバー11Fの固定用凹部11F5に篏合すると同時に、カバー11Fの封印取付部11F7の上端と下端が、スライド部601の封印用凹部の封印用凹部601kの上端と下端それぞれに一致する。
【0089】
その後、図13(c)に示すように、封印部503に封印キャップ504を取付けることで、封印キャップ504をカバー11Fの封印取付部11F7およびスライド部601の封印用凹部601kに篏合させて、スライド部601を固定し封印することができ、イタズラを防止することができる。
【0090】
また、第4の実施形態に係る電力量計においても、封印部を追加し、カバーに封印取付部を設け、スライド部に封印用凹部を設けることで、第6の実施形態に係る電力量計と同様に、封印してイタズラを防止することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 回路部
1a 表示部
1b 通信装置接続部
1c 開閉検出部
1d 導体接続部
1e センサ接続部
1f ベース取付部
2 センサ部
2a センサ側回路接続部
3 導体
3a 導体側回路接続部
3b 導体側端子接続部
4,4A,4B ベース
4a,4Aa,4Ba 通信装置接続部通し穴
4b,4Ab,4Bb 通信装置取付部
4c,4Ac,4Bc ブロック取付部
4d,4Ad,4Bd 開閉検出部通し穴
4e,4Ae,4Be ケース取付部
4f,4Af,4Bf 導体通し穴
4g,4Ag,4Bg 回路取付部
4A1,4B1 リブ取付用凹部
4B2 変形用凹部
5,5B,5D ケース
5a,5Ba,5Da 表示窓
5b,5Bb,5Db ケース側ベース取付部
5c,5Bc,5Dc ケース防水用リブ収納部
5d,5Bd,5Dd ケース防水用リブ
5e,5Be,5De ケース側固定ねじ取付部
5B1,5D1 ケース側摺動部
5B2 ケース側上部摺動固定部
5B3 ケース側下部摺動固定部
5D4 ばね用凹部
6 ブロック取付ねじ
7 導体接続ねじ
8 電線取付ねじ
9 端子
9a 電線収納部
9b 端子側導体接続部
10 ブロック
10a ブロック側ベース取付部
10b カバー取付用雌ねじ部
10c 電線通し穴
10d 端子取付部
10e ブロック側固定ねじ取付部
10f ブロック防水用リブ収納部
11,11A,11B,11C,11E,11F カバー
11a,11Aa,11Ba,11Ca,11Ea,11Fa 検出用凸部
11b カバー防水用リブ
11A1,11B1,11C1,11E1,11F1 取付用リブ
11A2,11C2,11E2 カバー側摺動部
11A3,11E3 固定凸部
11A4,11E4 カバー側摺動固定部
11B5,11F5 固定用凹部
11C6 ばね用凹部
11E7,11F7 封印取付部
12 カバー取付ねじ
21 ケーブル
21a 計量装置接続部
22 LED導光部
23 上ケース
24 下ケース
24a 計量装置取付部
101,201,301,401,501,601 スライド部
101a,201a,301a,401a,501a,601a 防水用リブ
101b,201b,301b,401b,501b,601b スライド側摺動部
101c,501c スライド側上部摺動固定部
101d,501d スライド側下部摺動固定部
101e,201e,301e,501e,601e 凹部
201f,601f 固定凸部
201g,601g スライド側摺動固定部
301h,401h ばね当接部
401i 開当接面
501j 封印摺動用凹部
501k,601k 封印用凹部
302,402 ばね
503 封印部
504 封印キャップ
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