(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036415
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】サーボホーン及びサーボ装置
(51)【国際特許分類】
A63H 29/22 20060101AFI20230307BHJP
A63H 30/00 20060101ALI20230307BHJP
H02K 7/00 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
A63H29/22 E
A63H30/00 Z
H02K7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143456
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000201814
【氏名又は名称】双葉電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】新井 智博
【テーマコード(参考)】
2C150
5H607
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150DK08
2C150EB01
5H607BB02
5H607CC09
5H607DD03
5H607JJ02
(57)【要約】
【課題】 出力軸に対する高い固定強度を確保する。
【解決手段】 サーボモーターの軸側セレーションを有する出力軸に固定される第1の部材と、出力軸又は第1の部材に固定される第2の部材とを備え、第1の部材には出力軸側に開口され出力軸が挿入される挿入穴が形成されると共に内周面に軸側セレーションに係合されるホーン側セレーションが形成され、第1の部材は外周面が出力軸の挿入穴に対する挿入方向へ行くに従って中心側に近付く傾斜面として形成され、第2の部材には第1の部材の少なくとも一部が嵌合される嵌合穴が形成され、第2の部材は内周面が傾斜面に押し付けられホーン側セレーションを軸側セレーションに押し付けるテーパー面として形成された。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボモーターの軸側セレーションを有する出力軸に固定される第1の部材と、
前記出力軸又は前記第1の部材に固定される第2の部材とを備え、
前記第1の部材には前記出力軸側に開口され前記出力軸が挿入される挿入穴が形成されると共に内周面に前記軸側セレーションに係合されるホーン側セレーションが形成され、
前記第1の部材は外周面が前記出力軸の前記挿入穴に対する挿入方向へ行くに従って中心側に近付く傾斜面として形成され、
前記第2の部材には前記第1の部材の少なくとも一部が嵌合される嵌合穴が形成され、
前記第2の部材は内周面が前記傾斜面に押し付けられ前記ホーン側セレーションを前記軸側セレーションに押し付けるテーパー面として形成された
サーボホーン。
【請求項2】
前記第1の部材に前記第2の部材より外側に位置された孔形成部が設けられ、
前記孔形成部にリンケージ機構が取り付けられる取付孔が形成された
請求項1に記載のサーボホーン。
【請求項3】
前記第2の部材に前記第1の部材より外側に位置された孔形成部が設けられ、
前記孔形成部にリンケージ機構が取り付けられる取付孔が形成された
請求項1に記載のサーボホーン。
【請求項4】
前記第1の部材には前記挿入穴に連通するすり割りが形成された
請求項1、請求項2又は請求項3に記載のサーボホーン。
【請求項5】
前記すり割りが周方向において離隔して複数形成された
請求項4に記載のサーボホーン。
【請求項6】
前記第1の部材の外周面に螺溝部が形成され、
前記第2の部材の内周面に前記螺溝部に螺合する螺合部が形成された
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5に記載のサーボホーン。
【請求項7】
軸側セレーションが形成された出力軸を有するサーボモーターと、
前記出力軸に固定されるサーボホーンとを備え、
前記サーボホーンは、
前記出力軸に固定される第1の部材と、
前記出力軸又は前記第1の部材に固定される第2の部材とを備え、
前記第1の部材には前記出力軸側に開口され前記出力軸が挿入される挿入穴が形成されると共に内周面に前記軸側セレーションに係合されるホーン側セレーションが形成され、
前記第1の部材は外周面が前記出力軸の前記挿入穴に対する挿入方向へ行くに従って中心側に近付く傾斜面として形成され、
前記第2の部材には前記第1の部材の少なくとも一部が嵌合される嵌合穴が形成され、
前記第2の部材は内周面が前記傾斜面に押し付けられ前記ホーン側セレーションを前記軸側セレーションに押し付けるテーパー面として形成された
サーボ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーボモーターの出力軸に固定されるサーボホーン及びサーボモーターとサーボホーンを備えたサーボ装置についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
無線により遠隔操作を行うラジオコントロールシステムは、例えば、被操縦体である模型の自動車や飛行機等の他に工業用の被操縦体においても活用されている。
【0003】
このようなラジオコントロールシステムにおいては、被操縦体にサーボ装置が搭載されており、サーボ装置は出力軸が設けられたサーボモーターや出力軸に固定されるサーボホーン等を有している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
サーボモーターにおいては、駆動力が減速ギヤ群によって減速されて出力軸に伝達され、出力軸には可変抵抗器の回転軸が連結され、可変抵抗器の抵抗値に応じて生成される信号と送信機から送信された信号に基づいて出力軸の回転角度と回転速度と回転方向が制御される。
【0005】
出力軸の外周面には軸側セレーション(外側セレーション)が形成され、出力軸にはサーボホーンが固定される。サーボホーンは形状や大きさの異なる様々な種類が使用され、サーボホーンにはホーン側セレーション(内側セレーション)が形成されている。従って、サーボホーンはホーン側セレーションが軸側セレーションに係合されて出力軸に対する回り止めが行われ、ネジ止め等によって出力軸に固定される。
【0006】
サーボホーンには所定の各位置に取付孔が形成されており、取付孔にリンケージ機構のワイヤー等が取り付けられる。リンケージ機構は模型の自動車等の被操縦体における可動部分に連結されている。
【0007】
このようなラジオコントロールシステムにおいて、サーボモーターの駆動力がサーボホーンとリンケージ機構を介して被操縦体の可動部分に伝達されることにより、送信機から送信された信号に応じて可動部分が動作される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004-243026号公報
【特許文献2】特開2014-76120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、サーボホーンは、上記したように、サーボモーターの駆動力を可動部分に連結されたリンケージ機構に伝達する役割を有しているため、出力軸に対する固定状態が不安定であると適正な駆動力が可動部分に伝達されず、可動部分の正確な動作状態を確保することができなくなってしまう。
【0010】
特に、上記したように、ホーン側セレーションが軸側セレーションに係合されてサーボホーンの出力軸に対する回り止めが行われるが、サーボホーンの出力軸に対する着脱を容易に行うためにホーン側セレーションと軸側セレーションの間には僅かな隙間(遊び)が必要であり、この隙間分、サーボホーンの出力軸に対する回転方向における位置精度が低下してしまう。従って、サーボホーンの出力軸に対する着脱の容易化を確保した上でサーボホーンの出力軸に対する回転方向における位置精度を向上するためにサーボホーンの出力軸に対する高い固定状態を確保することが望まれる。
【0011】
そこで、本発明に係るサーボホーン及びサーボ装置は、出力軸に対する高い固定強度を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るサーボホーンは、サーボモーターの軸側セレーションを有する出力軸に固定される第1の部材と、前記出力軸又は前記第1の部材に固定される第2の部材とを備え、前記第1の部材には前記出力軸側に開口され前記出力軸が挿入される挿入穴が形成されると共に内周面に前記軸側セレーションに係合されるホーン側セレーションが形成され、前記第1の部材は外周面が前記出力軸の前記挿入穴に対する挿入方向へ行くに従って中心側に近付く傾斜面として形成され、前記第2の部材には前記第1の部材の少なくとも一部が嵌合される嵌合穴が形成され、前記第2の部材は内周面が前記傾斜面に押し付けられ前記ホーン側セレーションを前記軸側セレーションに押し付けるテーパー面として形成されたものである。
【0013】
これにより、第1の部材の少なくとも一部が第2の部材の嵌合穴に嵌合された状態において第2の部材のテーパー面が第1の部材の傾斜面に押し付けられホーン側セレーションが軸側セレーションに押し付けられる。
【0014】
本発明に係るサーボ装置は、軸側セレーションが形成された出力軸を有するサーボモーターと、前記出力軸に固定されるサーボホーンとを備え、前記サーボホーンは、前記出力軸に固定される第1の部材と、前記出力軸又は前記第1の部材に固定される第2の部材とを備え、前記第1の部材には前記出力軸側に開口され前記出力軸が挿入される挿入穴が形成されると共に内周面に前記軸側セレーションに係合されるホーン側セレーションが形成され、前記第1の部材は外周面が前記出力軸の前記挿入穴に対する挿入方向へ行くに従って中心側に近付く傾斜面として形成され、前記第2の部材には前記第1の部材の少なくとも一部が嵌合される嵌合穴が形成され、前記第2の部材は内周面が前記傾斜面に押し付けられ前記ホーン側セレーションを前記軸側セレーションに押し付けるテーパー面として形成されたものである。
【0015】
これにより、サーボホーンにおいて、第1の部材の少なくとも一部が第2の部材の嵌合穴に嵌合された状態において第2の部材のテーパー面が第1の部材の傾斜面に押し付けられホーン側セレーションが軸側セレーションに押し付けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1の部材の少なくとも一部が第2の部材の嵌合穴に嵌合された状態において第2の部材のテーパー面が第1の部材の傾斜面に押し付けられホーン側セレーションが軸側セレーションに押し付けられるため、出力軸に対する高い固定強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図2乃至
図13と共に本発明サーボホーン及びサーボ装置の実施の形態を示すものであり、本図は、サーボ装置をサーボモーターとサーボホーンを分離した状態で示す斜視図である。
【
図2】
図3と共に第1の実施の形態に係るサーボホーンを示すものであり、本図は、サーボホーンの分解斜視図である。
【
図4】
図5と共に第2の実施の形態に係るサーボホーンを示すものであり、本図は、サーボホーンの分解斜視図である。
【
図6】
図7及び
図8と共に第3の実施の形態に係るサーボホーンを示すものであり、本図は、サーボホーンの分解斜視図である。
【
図9】
図10と共に第4の実施の形態に係るサーボホーンを示すものであり、本図は、サーボホーンの分解斜視図である。
【
図11】
図12及び
図13と共に第5の実施の形態に係るサーボホーンを示すものであり、本図は、サーボホーンの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明サーボホーン及びサーボ装置を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0019】
尚、サーボ装置のサーボモーターは出力軸を有しており、以下において方向を示すときは出力軸の軸方向を上下方向として方向を示す。但し、以下に示す方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0020】
<サーボ装置の全体構成>
先ず、サーボ装置100の全体構成について説明する(
図1参照)。
【0021】
サーボ装置100はサーボモーター50とサーボホーン1を備えている。サーボモーター50は金属材料等によって形成されたケース体51とケース体51の内部に配置された図示しない所要の各部とケース体51から上方に突出された出力軸52とを有している。
【0022】
ケース体51の内部には制御回路基板や減速ギヤ群や角度センサー等が配置されている。出力軸52はケース体51の内部において角度センサー等と連結されると共に減速ギヤ群によって減速された状態で回転される。出力軸52の外周面には鋸歯形状の軸側セレーション52aが形成されている。
【0023】
<第1の実施の形態に係るサーボホーン>
次に、第1の実施の形態に係るサーボホーン1について説明する(
図2及び
図3参照)。
【0024】
サーボホーン1は第1の部材2と第2の部材3によって構成されている。
【0025】
第1の部材2は長手方向を有する形状に形成され、出力軸52に固定される被固定部4と被固定部4から反対方向に突出された突状部5、5と突状部5、5から反対方向に突出された孔形成部6、6とから成る。
【0026】
被固定部4は上下方向を向く円板状の平面部7と平面部7の外周部から略下方に突出された略円筒状の筒状部8とを有している。従って、被固定部4には下方に開口された空間が形成され、この空間が挿入穴4aとして形成されている。
【0027】
筒状部8は外周面が下方へ行くに従って径が大きくなるように傾斜された傾斜面8aとして形成されている。従って、筒状部8の外径は上端が最も小さくされ下端が最も大きくされ、傾斜面8aが出力軸52の挿入穴4aに対する挿入方向へ行くに従って中心側に近付くように形成されている。筒状部8の外周面には螺溝部8bが形成されている。
【0028】
筒状部8には内周面にホーン側セレーション8cが形成されている。ホーン側セレーション8cは出力軸52の軸側セレーション52aに対応する鋸歯形状に形成されている。筒状部8には、例えば、180度反対側の位置にすり割り9、9が形成されている。すり割り9は筒状部8の内外を貫通されて挿入穴4aに連通され下方に開口されている。尚、すり割り9の筒状部8に対する形成位置及び形成数は任意である。
【0029】
突状部5、5はそれぞれ筒状部8の下端部から突出されている。
【0030】
孔形成部6には上下に貫通された取付孔6a、6aが長手方向に離隔して形成されている。尚、孔形成部6に形成される取付孔6aの数及び孔形成部6における取付孔6aの形成位置は任意に設定することが可能である。
【0031】
第2の部材3は、例えば、外形状が六角形状にされた環状に形成され、内部空間が嵌合穴3aとして形成されている。第2の部材3は内周面が下方へ行くに従って径が大きくなるように傾斜されたテーパー面3bとして形成されている。従って、第2の部材3の内径は上端が最も小さくされ下端が最も大きくされている。第2の部材3の内周面には螺合部3cが形成されている。
【0032】
第2の部材3におけるテーパー面3bの水平面に対する傾斜角度は第1の部材2における傾斜面8aの水平面に対する傾斜角度より僅かに大きくされている。尚、第2の部材3におけるテーパー面3bの水平面に対する傾斜角度は第1の部材2における傾斜面8aの水平面に対する傾斜角度と同じにされていてもよい。
【0033】
上記のように構成されたサーボホーン1は、先ず、被固定部4の挿入穴4aに出力軸52が挿入されることにより第1の部材2が出力軸52に装着される。このとき第1の部材2はホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに係合されることにより、出力軸52に対する周方向における位置決めがされた状態で出力軸52に装着される。
【0034】
次に、第2の部材3が第1の部材2に固定される。第2の部材3の第1の部材2への固定は第2の部材3が筒状部8に対して回転され螺合部3cが螺溝部8bに螺合されることにより行われる。第2の部材3が第1の部材2に固定されるときには、第2の部材3の嵌合穴3aに第1の部材2の筒状部8が嵌合され、第2の部材3のテーパー面3bが第1の部材2の傾斜面8aに押し付けられ筒状部8が出力軸52側に変形され筒状部8が出力軸52に押し付けられる。従って、第1の部材2は筒状部8が出力軸52側に変形されてホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに押し付けられることにより出力軸52に固定される。
【0035】
このとき第1の部材2には筒状部8にすり割り9、9が形成されているため、特に、筒状部8が出力軸52側に変形され易くなり筒状部8が大きな力で出力軸52に押し付けられる。
【0036】
上記のように第2の部材3が第1の部材2に固定されると共に第1の部材2が出力軸52に固定されることにより、サーボホーン1が出力軸52に高い固定強度で固定される。サーボホーン1が出力軸52に固定された状態において、第1の部材2の孔形成部6に形成された取付孔6aに図示しないリンケージ機構のワイヤー等が取り付けられる。リンケージ機構は模型の自動車等の被操縦体における可動部分に連結されている。従って、サーボモーター50の駆動力がサーボホーン1とリンケージ機構を介して被操縦体の可動部分に伝達されることにより、送信機から送信された信号に応じて可動部分が動作される。
【0037】
サーボホーン1においては、第1の部材2に第2の部材3より外側に位置された孔形成部6が設けられ、孔形成部6にリンケージ機構が取り付けられる取付孔6aが形成されている。
【0038】
従って、第1の部材2における第2の部材3より外側に位置された部分に取付孔6aが形成されているため、第1の部材2と第2の部材3の機能を損なうことなく第1の部材2の形状や大きさを自由に設計して取付孔6aを形成することが可能になり、取付孔6aのサーボホーン1における位置及び取付孔6aの形成数に関する設計の自由度の向上を図ることができる。
【0039】
また、第1の部材2にすり割り9が形成されているため、第2の部材3のテーパー面3bが傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2が出力軸52に押し付けられる状態にすり割り9の幅の範囲で変形可能であるため、第1の部材2から出力軸52に対する過度の負荷を付与することなく第1の部材2の出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0040】
さらに、すり割り9が周方向において等間隔に離隔して複数形成されているため、テーパー面3bが傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2におけるすり割り9、9間の各部分から出力軸52に均等に力が付与される。従って、第1の部材2を出力軸52に均等な力を付与した状態で固定することができると共に第1の部材2の出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。また、すり割り9が周方向において等間隔に離隔して複数形成されていることにより、出力軸52に対する第1の部材2から付与される負荷を均等に分散することができる。尚、すり割り9は周方向において不等の間隔で離隔して複数形成されていてもよく、この場合においても第1の部材2におけるすり割り9、9間の各部分から出力軸52にそれぞれ力が付与されるため、第1の部材2の出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0041】
さらにまた、第1の部材2の外周面に螺溝部8bが形成され、第2の部材3の内周面に螺溝部8bに螺合する螺合部3cが形成されている。
【0042】
従って、第2の部材3が第1の部材2に対して回転されて螺合されることにより固定されるため、別にネジ部材を用いることなく第2の部材3が第1の部材2に固定され、部品点数の削減及び第2の部材3の第1の部材2に対する固定作業の容易化を図ることができる。
【0043】
<第2の実施の形態に係るサーボホーン>
次に、第2の実施の形態に係るサーボホーン1Aについて説明する(
図4及び
図5参照)。
【0044】
尚、以下に示すサーボホーン1Aは、上記したサーボホーン1と比較して、第2の部材が第1の部材にネジ部材によって固定されていることのみが相違するため、サーボホーン1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分についてはサーボホーン1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0045】
サーボホーン1Aは第1の部材2Aと第2の部材3Aによって構成されている。
【0046】
第1の部材2Aは被固定部4と突状部5A、5Aと孔形成部6、6から成る。
【0047】
被固定部4の筒状部8に螺溝部8bは形成されていない。
【0048】
突状部5A、5Aはそれぞれ筒状部8の下端部から突出されている。突状部5Aには上下に貫通された螺孔5aが形成されている。
【0049】
第2の部材3Aは長手方向を有する形状に形成され、内部空間が嵌合穴3aとして形成されている。第2の部材3Aの内周面に螺合部3cは形成されていない。第2の部材3Aの長手方向における両端部にはそれぞれ上下に貫通されたネジ挿通孔3d、3dが形成されている。
【0050】
上記のように構成されたサーボホーン1Aは、先ず、被固定部4の挿入穴4aに出力軸52が挿入されることにより第1の部材2Aが出力軸52に装着される。このとき第1の部材2Aはホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに係合されることにより、出力軸52に対する周方向における位置決めがされた状態で出力軸52に装着される。
【0051】
次に、第2の部材3Aが第1の部材2Aに固定される。第2の部材3Aの第1の部材2Aへの固定はネジ部材60、60がそれぞれ第2の部材3Aのネジ挿通孔3d、3dに挿通され螺孔5a、5aに螺合されることにより行われる。第2の部材3Aが第1の部材2Aに固定されるときには、第2の部材3Aの嵌合穴3aに第1の部材2Aの筒状部8が嵌合され、第2の部材3Aのテーパー面3bが第1の部材2Aの傾斜面8aに押し付けられ筒状部8が出力軸52側に変形され筒状部8が出力軸52に押し付けられる。従って、第1の部材2Aは筒状部8が出力軸52側に変形されてホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに押し付けられることにより出力軸52に固定される。
【0052】
このとき第1の部材2Aには筒状部8にすり割り9、9が形成されているため、特に、筒状部8が出力軸52側に変形され易くなり筒状部8が大きな力で出力軸52に押し付けられる。
【0053】
上記のように第2の部材3Aが第1の部材2Aに固定されると共に第1の部材2Aが出力軸52に固定されることにより、サーボホーン1Aが出力軸52に高い固定強度で固定される。
【0054】
サーボホーン1Aにおいては、第1の部材2Aに第2の部材3Aより外側に位置された孔形成部6が設けられ、孔形成部6にリンケージ機構が取り付けられる取付孔6aが形成されている。
【0055】
従って、第1の部材2Aにおける第2の部材3Aより外側に位置された部分に取付孔6aが形成されているため、第1の部材2Aと第2の部材3Aの機能を損なうことなく第1の部材2Aの形状や大きさを自由に設計して取付孔6aを形成することが可能になり、取付孔6aのサーボホーン1Aにおける位置及び取付孔6aの形成数に関する設計の自由度の向上を図ることができる。
【0056】
また、第1の部材2Aにすり割り9が形成されているため、第2の部材3Aのテーパー面3bが傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2Aが出力軸52に押し付けられる状態にすり割り9の幅の範囲で変形可能であるため、第1の部材2Aから出力軸52に対する過度の負荷を付与することなく第1の部材2Aの出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0057】
さらに、すり割り9が周方向において等間隔に離隔して複数形成されているため、テーパー面3bが傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2Aにおけるすり割り9、9間の各部分から出力軸52に均等に力が付与される。従って、第1の部材2Aを出力軸52に均等な力を付与した状態で固定することができると共に第1の部材2Aの出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0058】
<第3の実施の形態に係るサーボホーン>
次いで、第3の実施の形態に係るサーボホーン1Bについて説明する(
図6乃至
図8参照)。
【0059】
尚、以下に示すサーボホーン1Bは、上記したサーボホーン1と比較して、第1の部材と第2の部材がともにネジ部材によって出力軸に固定されることのみが相違するため、サーボホーン1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分についてはサーボホーン1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0060】
サーボホーン1Bは第1の部材2Bと第2の部材3Bによって構成されている。
【0061】
第1の部材2Bは被固定部4Bと突状部5、5と孔形成部6、6とから成る。
【0062】
被固定部4Bは上下方向を向く円板状の平面部7Bと平面部7Bの外周部から略下方に突出された筒状部8とを有している。
【0063】
被固定部4Bは平面部7Bの中央部に上下に貫通されたネジ挿通孔7aが形成されている。被固定部4Bの筒状部8に螺溝部8bは形成されていない。
【0064】
第2の部材3Bは、例えば、外形状が円形状に形成され、内部空間が嵌合穴3aとして形成されている。第2の部材3Bの内周面に螺合部3cは形成されていない。第2の部材3Bの中央部には上下に貫通されたネジ挿通孔3dが形成されている。
【0065】
上記のように構成されたサーボホーン1Bは、先ず、被固定部4Bの挿入穴4aに出力軸52が挿入されることにより第1の部材2Bが出力軸52に装着される。このとき第1の部材2Bはホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに係合されることにより、出力軸52に対する周方向における位置決めがされた状態で出力軸52に装着される。
【0066】
次に、第1の部材2Bと第2の部材3Bが共締めによって出力軸52に固定される。第1の部材2Bと第2の部材3Bの出力軸52への固定はネジ部材60がそれぞれ第2の部材3Bのネジ挿通孔3dと第1の部材2Bのネジ挿通孔7aとに順に挿通され出力軸52の中心部に形成された螺孔に螺合されることにより行われる。第1の部材2Bと第2の部材3Bが出力軸52に固定されるときには、第2の部材3Bの嵌合穴3aに第1の部材2Bの筒状部8が嵌合され、第2の部材3Bのテーパー面3bが第1の部材2Bの傾斜面8aに押し付けられ筒状部8が出力軸52側に変形され筒状部8が出力軸52に押し付けられる。従って、第1の部材2Bは筒状部8が出力軸52側に変形されてホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに押し付けられることにより出力軸52に固定される。
【0067】
このとき第1の部材2Bには筒状部8にすり割り9、9が形成されているため、特に、筒状部8が出力軸52側に変形され易くなり筒状部8が大きな力で出力軸52に押し付けられる。
【0068】
上記のように第1の部材2Bと第2の部材3Bが出力軸52に固定されることにより、サーボホーン1Bが出力軸52に高い固定強度で固定される。
【0069】
サーボホーン1Bにおいては、第1の部材2Bに第2の部材3Bより外側に位置された孔形成部6が設けられ、孔形成部6にリンケージ機構が取り付けられる取付孔6aが形成されている。
【0070】
従って、第1の部材2Bにおける第2の部材3Bより外側に位置された部分に取付孔6aが形成されているため、第1の部材2Bと第2の部材3Bの機能を損なうことなく第1の部材2Bの形状や大きさを自由に設計して取付孔6aを形成することが可能になり、取付孔6aのサーボホーン1Bにおける位置及び取付孔6aの形成数に関する設計の自由度の向上を図ることができる。
【0071】
また、第1の部材2Bにすり割り9が形成されているため、第2の部材3Bの内周面が傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2Bが出力軸52に押し付けられる状態にすり割り9の幅の範囲で変形可能であるため、第1の部材2Bから出力軸52に対する過度の負荷を付与することなく第1の部材2Bの出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0072】
さらに、すり割り9が周方向において等間隔に離隔して複数形成されているため、第2の部材3Bのテーパー面3bが傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2Bにおけるすり割り9、9間の各部分から出力軸52に均等に力が付与される。従って、第1の部材2Bを出力軸52に均等な力を付与した状態で固定することができると共に第1の部材2Bの出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0073】
さらにまた、サーボホーン1Bにおいては、第1の部材2Bと第2の部材3Bが共締めによって出力軸52に固定されるため、第1の部材2Bと第2の部材3Bの固定作業が一度で行われ、固定作業における作業性の向上を図ることができる。
【0074】
<第4の実施の形態に係るサーボホーン>
次に、第4の実施の形態に係るサーボホーン1Cについて説明する(
図9及び
図10参照)。
【0075】
尚、以下に示すサーボホーン1Cは、上記したサーボホーン1と比較して、第1の部材と第2の部材の各一部の形状が異なること、第2の部材が第1の部材にネジ部材によって固定されていること及び第2の部材に取付孔が形成されていることが相違するため、サーボホーン1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分についてはサーボホーン1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0076】
サーボホーン1Cは第1の部材2Cと第2の部材3Cによって構成されている。
【0077】
第1の部材2Cは被固定部4と突状部5C、5Cから成る。
【0078】
被固定部4の筒状部8に螺溝部8bは形成されていない。
【0079】
突状部5C、5Cはそれぞれ筒状部8の下端部から突出されている。突状部5C、5Cにはそれぞれ上下に貫通された螺孔5a、5aが形成されている。
【0080】
第2の部材3Cは被固定部4を覆う覆い部10と覆い部10から反対方向に突出された突部11、11と突部11、11から反対方向に突出された孔形成部12、12とから成る。
【0081】
覆い部10には下方に開口された空間が形成され、この空間が嵌合穴10aとして形成されている。覆い部10は内周面が下方へ行くに従って径が大きくなるように傾斜されたテーパー面10bとして形成されている。
【0082】
突部11、11にはそれぞれ上下に貫通されたネジ挿通孔11a、11aが形成されている。
【0083】
孔形成部12には上下に貫通された取付孔12a、12aが長手方向に離隔して形成されている。尚、孔形成部12に形成される取付孔12aの数及び孔形成部12における取付孔12aの形成位置は任意に設定することが可能である。
【0084】
上記のように構成されたサーボホーン1Cは、先ず、被固定部4の挿入穴4aに出力軸52が挿入されることにより第1の部材2Cが出力軸52に装着される。このとき第1の部材2Cはホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに係合されることにより、出力軸52に対する周方向における位置決めがされた状態で出力軸52に装着される。
【0085】
次に、第2の部材3Cが第1の部材2Cに固定される。第2の部材3Cの第1の部材2Cへの固定はネジ部材60、60がそれぞれ第2の部材3Cのネジ挿通孔11a、11aに挿通され螺孔5a、5aに螺合されることにより行われる。第2の部材3Cが第1の部材2Cに固定されるときには、第2の部材3Cの嵌合穴10aに第1の部材2Cの筒状部8が嵌合され、第2の部材3Cのテーパー面10bが第1の部材2Cの傾斜面8aに押し付けられ筒状部8が出力軸52側に変形され筒状部8が出力軸52に押し付けられる。従って、第1の部材2Cは筒状部8が出力軸52側に変形されてホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに押し付けられることにより出力軸52に固定される。
【0086】
このとき第1の部材2Cには筒状部8にすり割り9、9が形成されているため、特に、筒状部8が出力軸52側に変形され易くなり筒状部8が大きな力で出力軸52に押し付けられる。
【0087】
上記のように第2の部材3Cが第1の部材2Cに固定されると共に第1の部材2Cが出力軸52に固定されることにより、サーボホーン1Cが出力軸52に高い固定強度で固定される。
【0088】
サーボホーン1Cにおいては、第2の部材3Cに第1の部材2Cより外側に位置された孔形成部12が設けられ、孔形成部12にリンケージ機構が取り付けられる取付孔12aが形成されている。
【0089】
従って、第2の部材3Cにおける第1の部材2Cより外側に位置された部分に取付孔12aが形成されているため、第1の部材2Cと第2の部材3Cの機能を損なうことなく第2の部材3Cの形状や大きさを自由に設計して取付孔12aを形成することが可能になり、取付孔12aのサーボホーン1Cにおける位置及び取付孔12aの形成数に関する設計の自由度の向上を図ることができる。
【0090】
また、第1の部材2Cにすり割り9が形成されているため、第2の部材3Cの内周面が傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2Cが出力軸52に押し付けられる状態にすり割り9の幅の範囲で変形可能であるため、第1の部材2Cから出力軸52に対する過度の負荷を付与することなく第1の部材2Cの出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0091】
さらに、すり割り9が周方向において等間隔に離隔して複数形成されているため、第2の部材3Cのテーパー面3bが傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2Cにおけるすり割り9、9間の各部分から出力軸52に均等に力が付与される。従って、第1の部材2Cを出力軸52に均等な力を付与した状態で固定することができると共に第1の部材2Cの出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0092】
<第5の実施の形態に係るサーボホーン>
次に、第5の実施の形態に係るサーボホーン1Dについて説明する(
図11乃至
図13参照)。
【0093】
尚、以下に示すサーボホーン1Dは、上記したサーボホーン1と比較して、第1の部材と第2の部材の各一部の形状が異なること、第1の部材と第2の部材がともにネジ部材によって出力軸に固定されること及び第2の部材に取付孔が形成されていることが相違するため、サーボホーン1と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分についてはサーボホーン1における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0094】
サーボホーン1Dは第1の部材2Dと第2の部材3Dによって構成されている。
【0095】
第1の部材2Dは被固定部4Dによって構成されている。
【0096】
被固定部4Dは上下方向を向く円板状の平面部7Dと平面部7Dの外周部から略下方に突出された筒状部8Dとを有している。被固定部4Dは平面部7Dに上下に貫通されたネジ挿通孔7aが形成されている。被固定部4Dの筒状部8Dに螺溝部8bは形成されていない。筒状部8Dには周方向において等間隔に離隔して、例えば、四つのすり割り9、9、・・・が形成されている。
【0097】
第2の部材3Dは被固定部4Dを覆う覆い部10Dと覆い部10Dから反対方向に突出された突部11D、11Dと突部11D、11Dから反対方向に突出された孔形成部12、12とから成る。
【0098】
覆い部10Dには下方に開口された空間が形成され、この空間が嵌合穴10aとして形成されている。覆い部10Dは内周面が下方へ行くに従って径が大きくなるように傾斜されたテーパー面10bとして形成されている。覆い部10Dの中央部には上下に貫通されたネジ挿通孔10cが形成されている。
【0099】
孔形成部12には上下に貫通された取付孔12a、12aが長手方向に離隔して形成されている。尚、孔形成部12に形成される取付孔12aの数及び孔形成部12における取付孔12aの形成位置は任意に設定することが可能である。
【0100】
上記のように構成されたサーボホーン1Dは、先ず、被固定部4Dの挿入穴4aに出力軸52が挿入されることにより第1の部材2Dが出力軸52に装着される。このとき第1の部材2Dはホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに係合されることにより、出力軸52に対する周方向における位置決めがされた状態で出力軸52に装着される。
【0101】
次に、第1の部材2Dと第2の部材3Dが共締めによって出力軸52に固定される。第1の部材2Dと第2の部材3Dの出力軸52への固定はネジ部材60がそれぞれ第2の部材3Dのネジ挿通孔10cと第1の部材2Dのネジ挿通孔7aとに順に挿通され出力軸52の中心部に形成された螺孔に螺合されることにより行われる。第2の部材3Dが出力軸52に固定されるときには、第2の部材3Dの嵌合穴10aに第1の部材2Dの筒状部8Dが嵌合され、第2の部材3Dのテーパー面10bが第1の部材2Dの傾斜面8aに押し付けられ筒状部8Dが出力軸52側に変形され筒状部8Dが出力軸52に押し付けられる。従って、第1の部材2Dは筒状部8Dが出力軸52側に変形されてホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに押し付けられることにより出力軸52に固定される。
【0102】
このとき第1の部材2Dには筒状部8Dにすり割り9、9、・・・が形成されているため、特に、筒状部8Dが出力軸52側に変形され易くなり筒状部8Dが大きな力で出力軸52に押し付けられる。
【0103】
上記のように第1の部材2Dと第2の部材3Dが出力軸52に固定されることにより、サーボホーン1Dが出力軸52に高い固定強度で固定される。
【0104】
サーボホーン1Dにおいては、第2の部材3Dに第1の部材2Dより外側に位置された孔形成部12が設けられ、孔形成部12にリンケージ機構が取り付けられる取付孔12aが形成されている。
【0105】
従って、第2の部材3Dにおける第1の部材2Dより外側に位置された部分に取付孔12aが形成されているため、第1の部材2Dと第2の部材3Dの機能を損なうことなく第2の部材3Dの形状や大きさを自由に設計して取付孔12aを形成することが可能になり、取付孔12aのサーボホーン1Dにおける位置及び取付孔12aの形成数に関する設計の自由度の向上を図ることができる。
【0106】
また、第1の部材2Dにすり割り9が形成されているため、第2の部材3Dの内周面が傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2Dが出力軸52に押し付けられる状態にすり割り9の幅の範囲で変形可能であるため、第1の部材2Dから出力軸52に対する過度の負荷を付与することなく第1の部材2Dから出力軸52に対する過度の負荷を付与することなく第1の部材2Dの出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0107】
さらに、すり割り9が周方向において等間隔に離隔して複数形成されているため、第2の部材3Dのテーパー面10bが傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2Dにおけるすり割り9、9、・・・間の各部分から出力軸52に均等に力が付与される。従って、第1の部材2Dを出力軸52に均等な力を付与した状態で固定することができると共に第1の部材2Dの出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0108】
さらにまた、サーボホーン1Dにおいては、第1の部材2Dと第2の部材3Dが共締めによって出力軸52に固定されるため、第1の部材2Dと第2の部材3Dの固定作業が一度で行われ、固定作業における作業性の向上を図ることができる。
【0109】
<まとめ>
以上に記載した通り、サーボホーン1、1A、1B、1C、1D及びサーボ装置100にあっては、第1の部材2、2A、2B、2C、2Dの外周面が出力軸52の挿入穴4aに対する挿入方向へ行くに従って中心側に近付く傾斜面8aとして形成され、第2の部材3、3A、3B、3C、3Dには第1の部材2、2A、2B、2C、2Dの少なくとも一部が嵌合される嵌合穴3a、10aが形成され、第2の部材3、3A、3B、3C、3Dは内周面が傾斜面8aに押し付けられ第1の部材2、2A、2B、2C、2Dを出力軸52側に押し付けるテーパー面3b、10bとして形成されている。
【0110】
従って、第1の部材2、2A、2B、2C、2Dの少なくとも一部が第2の部材3、3A、3B、3C、3Dの嵌合穴3a、10aに嵌合された状態においてテーパー面3b、10bが傾斜面8aに押し付けられホーン側セレーション8cが軸側セレーション52aに押し付けられるため、出力軸52に対する高い固定強度を確保することができる。
【0111】
また、第2の部材3、3A、3B、3C、3Dのテーパー面3b、10bが傾斜面8aに押し付けられた状態において第1の部材2、2A、2B、2C、2Dから出力軸52に周方向において均等に力が付与されるため、第1の部材2、2A、2B、2C、2Dを出力軸52に均等な力を付与した状態で固定することができる。
【0112】
<その他>
上記には、サーボ装置100がサーボモーター50とサーボホーン1を備えた例を示したが、サーボホーン1に代えてサーボホーン1A、サーボホーン1B、サーボホーン1C又はサーボホーン1Dが用いられる場合には、サーボ装置100がサーボモーター50とサーボホーン1A、サーボホーン1B、サーボホーン1C又はサーボホーン1Dとを備えた構成にされる。
【符号の説明】
【0113】
100 サーボ装置
50 サーボモーター
52 出力軸
52a 軸側セレーション
1 サーボホーン
2 第1の部材
3 第2の部材
3a 嵌合穴
3b テーパー面
3c 螺合部
4a 挿入穴
6 孔形成部
6a 取付孔
8a 傾斜面
8b 螺溝部
8c ホーン側セレーション
9 すり割り
1A サーボホーン
2A 第1の部材
3A 第2の部材
1B サーボホーン
2B 第1の部材
3B 第2の部材
1C サーボホーン
2C 第1の部材
3C 第2の部材
10a 嵌合穴
10b テーパー面
12 孔形成部
12a 取付孔
1D サーボホーン
2D 第1の部材
3D 第2の部材