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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036433
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】成形工法
(51)【国際特許分類】
   B29C 51/02 20060101AFI20230307BHJP
   B29C 51/42 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
B29C51/02
B29C51/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143486
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増川 功一
(72)【発明者】
【氏名】松本 武
(72)【発明者】
【氏名】植田 真矢
【テーマコード(参考)】
4F208
【Fターム(参考)】
4F208AC03
4F208AF10
4F208AK04
4F208MA01
4F208MA05
4F208MB01
4F208MB28
4F208MC03
4F208MH06
4F208MH10
4F208MK04
(57)【要約】
【課題】本開示は、樹脂シートの表面を容易に加工することができる成形工法を提供することを目的とする。
【解決手段】成形工法は、熱成形用シートに対する成形工法である。熱成形用シートは、熱可塑性の樹脂シートを備える。熱成形用シートは、樹脂シートの表面に、それぞれ色が異なる複数の領域を含んだ色分けシートである。成形工法は、加熱工程(ステップST1)と、成形工程(ステップST3~ST8)と、を有する。加熱工程は、色分けシートを光照射により加熱する工程である。成形工程は、色分けシートを金型に押し付け、金型に沿った形状に加工する工程である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱成形用シートに対する成形工法であって、
前記熱成形用シートは、熱可塑性の樹脂シートを備え、前記樹脂シートの表面に、それぞれ色が異なる複数の領域を含んだ色分けシートであって、
前記成形工法は、
前記色分けシートを光照射により加熱する加熱工程と、
前記色分けシートを金型に押し付け、前記金型に沿った形状に加工する成形工程と、を有する、
成形工法。
【請求項2】
前記樹脂シートから前記色分けシートを形成するための工程として、
前記樹脂シートの前記表面の前記複数の領域において領域ごとに色が異なるように、前記表面の少なくとも一部を着色する着色工程を更に有する、
請求項1に記載の成形工法。
【請求項3】
前記着色工程は、印刷法により前記表面の前記少なくとも一部を着色する工程を含む、
請求項2に記載の成形工法。
【請求項4】
前記加熱工程は、赤外線ヒーターから前記色分けシートへ赤外線を照射する工程を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の成形工法。
【請求項5】
前記複数の領域は、前記樹脂シート自体の色である白色系の領域を含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載の成形工法。
【請求項6】
前記複数の領域は、黒色系の領域を含む、
請求項1~5のいずれか一項に記載の成形工法。
【請求項7】
前記複数の領域のうち少なくとも1つの領域は、繰り返しパターンを形成する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の成形工法。
【請求項8】
前記複数の領域のうち前記少なくとも1つの領域は、格子状の模様を形成する、
請求項7に記載の成形工法。
【請求項9】
前記成形工程は、前記色分けシートをエアーブローにより前記金型に押し付ける工程を含む、
請求項1~8のいずれか一項に記載の成形工法。
【請求項10】
前記成形工程は、前記色分けシートを真空引きにより前記金型に吸引する工程を含む、
請求項1~9のいずれか一項に記載の成形工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に成形工法に関し、より詳細には、樹脂シートを加工する成形工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂シートを加熱して成形する方法が知られている。特許文献1に記載の容器状成形物の製造方法は、熱溶融性フッ素樹脂からなるシート材(樹脂シート)を、加熱した上で、所定の容器形状又は箱形状に真空成形又は真空圧空成形する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-214412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、樹脂シートの表面を容易に加工することができる成形工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る成形工法は、熱成形用シートに対する成形工法である。前記熱成形用シートは、熱可塑性の樹脂シートを備える。前記熱成形用シートは、前記樹脂シートの表面に、それぞれ色が異なる複数の領域を含んだ色分けシートである。前記成形工法は、加熱工程と、成形工程と、を有する。前記加熱工程は、前記色分けシートを光照射により加熱する工程である。前記成形工程は、前記色分けシートを金型に押し付け、前記金型に沿った形状に加工する工程である。
【発明の効果】
【0006】
本開示は、樹脂シートの表面を容易に加工することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係る成形工法を示すフローチャートである。
図2図2は、同上の成形工法において材料として用いられる樹脂シートの斜視図である。
図3図3は、同上の成形工法において上記樹脂シートから生成される色分けシートの斜視図である。
図4図4は、同上の成形工法における色分けシート及び2つの金型の断面図である。
図5図5は、同上の成形工法における色分けシート及び2つの金型の断面図である。
図6図6は、同上の成形工法により製造される小便器の本体の正面画像である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態に係る成形工法について、図面を用いて説明する。ただし、下記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の1つに過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、下記の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0009】
(1)概要
本実施形態の成形工法は、シートブロー成形によって樹脂シート2(図2参照)を所望の形に成形する工法である。また、本実施形態の成形工法では、樹脂シート2を所望の形に成形すると共に、樹脂シート2の表面21(図2参照)に凹凸を付ける。すると、凹凸により生じる影によって、模様又は文字等が人に視認されるようになる。
【0010】
より詳細には、図1図3に示すように、本実施形態の成形工法は、熱成形用シートに対する成形工法である。熱成形用シートは、熱可塑性の樹脂シート2を備える。熱成形用シートは、樹脂シート2の表面21に、それぞれ色が異なる複数の領域を含んだ色分けシート1である。成形工法は、加熱工程(ステップST1)と、成形工程(ステップST3~ST8)と、を有する。加熱工程は、色分けシート1を光照射により加熱する工程である。成形工程は、色分けシート1を金型5(図4図5参照)に押し付け、金型5に沿った形状に加工する工程である。
【0011】
色分けシート1に光照射をすると、複数の領域の光吸収率の違いにより、領域ごとに成形温度に差が生じる。その結果、樹脂シート2の厚さが領域ごとに相違し、表面21に凹凸が生じる。
【0012】
本実施形態の成形工法により、樹脂シート2の表面21を容易に加工し、これにより、表面21に凹凸による模様又は文字等を施すことができる。このように、上記成形工法により、表面21に容易にデザインを施すことができる。
【0013】
また、表面21に付す色を変更することで、成形温度を調整することができ、樹脂シート2の各領域の厚さを自在にコントロールできる。
【0014】
(2)詳細
以下、本実施形態の成形工法について、より詳細に説明する。
【0015】
本実施形態では、加熱される前の樹脂シート2の表面21に、着色により格子状の模様が施される場合を例に説明する(図3参照)。そして、樹脂シート2が加熱されて引き延ばされることにより、上記模様は、凹凸からなる模様であって、歪んだ格子のような模様に変化する(図6参照)。これにより、色によって模様が人に視認されるのみならず、凹凸により生じる影によって、模様が人に視認されるようになる。また、着色により付された色が落とされた場合であっても、人が模様を視認できる。
【0016】
また、本実施形態では、樹脂シート2を成形することによって男性用の小便器の本体8(図6参照)が製造される場合を例に説明する。
【0017】
成形工法は、上述の加熱工程及び成形工程に加えて、着色工程を更に有していてもよい。着色工程は、樹脂シート2から色分けシート1を形成するための工程である。着色工程は、樹脂シート2の表面21の複数の領域において領域ごとに色が異なるように、表面21の少なくとも一部を着色する工程である。
【0018】
図2に、着色工程の前の時点の樹脂シート2を図示する。樹脂シート2の材料は、例えば、ASA(acrylate styrene acrylonitrile)樹脂である。樹脂シート2の表面21は、平面状である。表面21の色は、例えば、白色系の色である。この表面21の一部を黒色系の色に着色することで、図3に示すように、表面21が白色系の色と黒色系の色とに色分けされる。つまり、表面21は、樹脂シート2自体の色と、樹脂シート2自体の色よりも暗い色と、に色分けされる。以下では、表面21のうち、着色工程で色が付された領域R1(あるいは、着色工程により後から色が付される領域)を“着色領域”と称し、その他の領域R2を“非着色領域”と称する。着色領域は、格子状の領域である。非着色領域は、マトリックス状に並んだ複数の矩形状の区画の集合である。
【0019】
本実施形態の着色工程は、樹脂シート2の表面21に印刷法により黒色系の塗料を格子状に塗布する工程を含む。つまり、少なくとも樹脂シート2と、樹脂シート2の表面21に塗布された塗料と、を含む部材が、色分けシート1である。このように、着色工程は、印刷法により樹脂シート2の表面21の少なくとも一部(着色領域)を着色する工程を含むことが好ましい。印刷法を利用することにより、樹脂シート2の表面21を様々な模様や文字の形状に容易に着色することができる。印刷法は、例えば、スクリーン印刷法であることが好ましい。
【0020】
また、樹脂シート2の表面21の、それぞれ色が異なる複数の領域は、上述の着色領域と非着色領域とを含む。つまり、複数の領域は、樹脂シート2自体の色である白色系の領域(非着色領域)を含む。さらに、複数の領域は、黒色系の領域(着色領域)を含む。
【0021】
また、複数の領域のうち少なくとも1つの領域(着色領域)は、繰り返しパターンを形成する。言い換えると、色分けによって、樹脂シート2の表面21に繰り返しパターンが形成される。より詳細には、複数の領域のうち少なくとも1つの領域(着色領域)は、格子状の模様を形成する。繰り返しパターンとは、所定の形状が、ある方向に規則的に繰り返し現れるようなパターン(図形)である。
【0022】
次に、加熱工程について説明する。加熱工程は、色分けシート1への光照射により色分けシート1の表面を加熱する工程である。加熱により、樹脂シート2が柔らかくなり、成形工程で形を整えやすくなる。加熱工程は、例えば、成形工程の前に実施される。また、加熱工程は、例えば、成形工程の実施中に実施されてもよい。
【0023】
加熱工程は、赤外線ヒーターから色分けシート1へ光(赤外線)を照射する工程を含む。赤外線ヒーターの一例は、ハロゲンヒーター及びカーボンヒーターである。加熱工程において赤外線ヒーターから色分けシート1へ照射する光は、遠赤外線であることが好ましい。この場合、樹脂シート2を構成する樹脂に光が吸収されやすい。
【0024】
色分けシート1に光照射をすると、複数の領域の光吸収率の違いにより、領域ごとに温度に差が生じる。具体的には、黒色系の着色領域は、白色系の非着色領域よりも光吸収率が高いため、温度が高くなる。
【0025】
領域ごとの温度差によって、樹脂シート2の表面21に凹凸が生じる。すなわち、光吸収率が比較的高い部位では、温度上昇が大きいため、樹脂シート2の当該部位が大きく変形して窪む。一方で、光吸収率が比較的低い部位では、温度上昇が小さいため、樹脂シート2の当該部位の変形量は小さい。その結果、光吸収率が比較的高い部位が、光吸収率が比較的低い部位よりも窪む。具体的には、黒色系の着色領域は、白色系の非着色領域よりも窪む。
【0026】
次に、成形工程について説明する。成形工程では、樹脂シート2のうち着色された表面21が、小便器の本体8(図6参照)の前面となるように、色分けシート1が加工される。成形工程は、ブロー工程と、真空引き工程と、を含む。
【0027】
本実施形態の成形工程では、プラグアシスト法により色分けシート1を成形する。図4図5に示すように、成形工程では、複数(2つ)の金型5が用いられる。複数の金型5は、下型6と、プラグ7と、を含む。下型6は、色分けシート1の少なくとも一部が挿入される凹部61を有する。プラグ7は、凹部61の底面との間に色分けシート1を挟むように、凹部61に挿入可能である。プラグ7は、下型6に対して上に配置される。
【0028】
成形工程に先立って、加熱工程が実施される(ステップST1)。加熱工程では、クランプにより保持された色分けシート1が加熱され、柔らかくされる。その後、色分けシート1は、クランプにより保持された状態のまま、下型6とプラグ7との間に配置される(ステップST2)(図4参照)。
【0029】
次に、ブロー工程が開始される(ステップST3)。ブロー工程では、色分けシート1に対してエアーブローがなされる。つまり、色分けシート1にエアーが吹き付けられ、色分けシート1が伸ばされる。エアーは、下方から吹き上げられる。色分けシート1は、プラグ7に被さるように変形する。
【0030】
さらに、プラグ7が色分けシート1を押しながら、下型6の凹部61に挿入される(ステップST4)(図5参照)。プラグ7は、色分けシート1を下型6に押し付け、色分けシート1の形を整える。また、このときもブロー工程が実施されるので、エアーにより、色分けシート1がプラグ7に押し付けられ、プラグ7に沿った形状に成形される。
【0031】
次に、下型6を上昇させる(ステップST5)。また、下型6を上昇させるのと並行して、真空引き工程を実施する(ステップST6)。真空引き工程では、下型6に設けられた複数の孔から、色分けシート1と下型6との間の空気を吸い出し、色分けシート1を下型6に密着させる。
【0032】
次に、色分けシート1を冷却し固める(ステップST7)。さらに、下型6から色分けシート1を離型する(ステップST8)。その後、バリ取り等の工程を経て、色分けシート1の加工が完了する。つまり、色分けシート1を材料として成形品(小便器の本体8)が製造される(図6参照)。
【0033】
このように、本実施形態の成形工法において、成形工程は、色分けシート1をエアーブローにより金型5に押し付ける工程を含む。また、成形工程は、色分けシート1を真空引きにより金型5に吸引する工程を含む。
【0034】
(実施形態の変形例)
以下、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
【0035】
本開示の成形工法により製造される物品は、小便器の本体8に限定されない。本開示の成形工法により、例えば、容器、パイプ、又は、かご等が製造されてもよい。
【0036】
着色工程では、印刷法として、スクリーン印刷に代えて、インクジェット印刷法により樹脂シート2の表面21の少なくとも一部(着色領域)を着色してもよい。また、着色工程では、印刷法に代えて、例えば、色の付いた部材(テープ又は布等)を樹脂シート2の表面21に固定することによって、あるいは、ペンによって、表面21が着色されてもよい。特に、樹脂シート2の成形後に剥がすことが可能なシール材が表面21に固定されることにより、表面21が着色されることが好ましく、この場合、シール材を取り除くことで、色の付加されていない成形品を製造することができる。また、洗浄等により除去可能なインク等により、表面21が着色されてもよい。
【0037】
樹脂シート2の表面21の格子状の模様は、実施形態に対して着色領域(黒色系の領域)の位置と非着色領域(白色系の領域)の位置とを入れ替えた模様であってもよい。
【0038】
樹脂シート2の表面21には、色分けによって、繰り返しパターンに代えて、不規則なパターンが形成されてもよい。
【0039】
繰り返しパターンは、格子状の模様に限定されない。繰り返しパターンは、例えば、ハニカム模様であってもよい。あるいは、繰り返しパターンは、例えば、三角形又は平行四辺形を隙間無く敷き詰めた(平面充填した)模様であってもよい。あるいは、繰り返しパターンは、ある一定の模様を繰り返し配置してできる模様であってもよい。
【0040】
樹脂シート2の表面21の色分けは、白色系の色と黒色系の色との色分けに限定されない。例えば、赤、青、又は緑等の系統の色を用いて色分けがされてもよい。また、2色よりも多くの色を用いて色分けがされてもよい。
【0041】
着色工程では、樹脂シート2の表面21の一部にのみ、模様等が付されてもよい。
【0042】
図1に示すフローチャートは、本開示に係る成形工法の一例に過ぎず、工程の順序が適宜変更されてもよいし、工程が適宜追加又は省略されてもよい。
【0043】
(まとめ)
以上説明した実施形態等から、以下の態様が開示されている。
【0044】
第1の態様に係る成形工法は、熱成形用シートに対する成形工法である。熱成形用シートは、熱可塑性の樹脂シート(2)を備える。熱成形用シートは、樹脂シート(2)の表面(21)に、それぞれ色が異なる複数の領域を含んだ色分けシート(1)である。成形工法は、加熱工程(ステップST1)と、成形工程(ステップST3~ST8)と、を有する。加熱工程は、色分けシート(1)を光照射により加熱する工程である。成形工程は、色分けシート(1)を金型(5)に押し付け、金型(5)に沿った形状に加工する工程である。
【0045】
上記の構成によれば、複数の領域では、樹脂シート(2)の表面(21)の色(光吸収率)の違いに応じて、加熱工程における温度上昇の程度に相違が生じる。その結果、加熱工程を終えた後、樹脂シート(2)の表面(21)の性質が変化する。例えば、樹脂シート(2)の表面(21)のうち、複数の領域のうちある領域は、別の領域よりも窪んだ状態となる。このように、上記の成形工法によれば、樹脂シート(2)の表面(21)を容易に加工することができる。
【0046】
また、第2の態様に係る成形工法は、第1の態様において、樹脂シート(2)から色分けシート(1)を形成するための工程として、着色工程を更に有する。着色工程は、樹脂シート(2)の表面(21)の複数の領域において領域ごとに色が異なるように、表面(21)の少なくとも一部を着色する工程である。
【0047】
上記の構成によれば、色分けシート(1)を提供することができる。
【0048】
また、第3の態様に係る成形工法では、第2の態様において、着色工程は、印刷法により表面(21)の少なくとも一部を着色する工程を含む。
【0049】
上記の構成によれば、印刷法を利用することにより、樹脂シート(2)の表面(21)を様々な模様や文字の形状に容易に着色することができる。
【0050】
また、第4の態様に係る成形工法では、第1~3の態様のいずれか1つにおいて、加熱工程は、赤外線ヒーターから色分けシート(1)へ赤外線を照射する工程を含む。
【0051】
上記の構成によれば、色分けシート(1)を局所的に加熱できる。
【0052】
また、第5の態様に係る成形工法では、第1~4の態様のいずれか1つにおいて、複数の領域は、樹脂シート(2)自体の色である白色系の領域を含む。
【0053】
上記の構成によれば、白色系の領域として残す領域には、着色を施す必要が無いので、着色のために用いるインク等の量を削減できる。
【0054】
また、第6の態様に係る成形工法では、第1~5の態様のいずれか1つにおいて、複数の領域は、黒色系の領域を含む。
【0055】
上記の構成によれば、黒色系の領域では特に、加熱工程で温度を上昇させやすい。そのため、加熱工程によって、黒色系の領域を効率的に加熱できる。
【0056】
また、第7の態様に係る成形工法では、第1~6の態様のいずれか1つにおいて、複数の領域のうち少なくとも1つの領域は、繰り返しパターンを形成する。
【0057】
上記の構成によれば、上記少なくとも一部の領域の着色に要する手間を低減できる。
【0058】
また、第8の態様に係る成形工法では、第7の態様において、複数の領域のうち少なくとも1つの領域は、格子状の模様を形成する。
【0059】
上記の構成によれば、タイル調の樹脂成形品を容易に形成できる。
【0060】
また、第9の態様に係る成形工法では、第1~8の態様のいずれか1つにおいて、成形工程は、色分けシート(1)をエアーブローにより金型(5)に押し付ける工程を含む。
【0061】
上記の構成によれば、色分けシート(1)を金型(5)に密着させられる。よって、樹脂シート(2)の歪みを低減できる。また、樹脂シート(2)の表面(21)の模様等の歪みを低減できる。
【0062】
また、第10の態様に係る成形工法では、第1~9の態様のいずれか1つにおいて、成形工程は、色分けシート(1)を真空引きにより金型(5)に吸引する工程を含む。
【0063】
上記の構成によれば、色分けシート(1)を金型(5)に密着させられる。よって、樹脂シート(2)の歪みを低減できる。また、樹脂シート(2)の表面(21)の模様等の歪みを低減できる。
【0064】
第1の態様以外の構成については、成形工法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 色分けシート(熱成形用シート)
2 樹脂シート
5 金型
21 表面
ST1 ステップ(加熱工程)
ST3~ST8 ステップ(成形工程)
図1
図2
図3
図4
図5
図6