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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036438
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】振動感知装置
(51)【国際特許分類】
   H02H 5/00 20060101AFI20230307BHJP
   H02H 3/08 20060101ALI20230307BHJP
   H02H 3/347 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
H02H5/00
H02H3/08 A
H02H3/347 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143495
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000102636
【氏名又は名称】エナジーサポート株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神山 忍
(72)【発明者】
【氏名】大岩 岳人
【テーマコード(参考)】
5G004
5G058
【Fターム(参考)】
5G004AA02
5G004AB02
5G004BA03
5G004CA04
5G004DA01
5G004FA01
5G058BB02
5G058BC12
(57)【要約】
【課題】開閉器の誤動作を抑制することができる振動感知装置を提供する。
【解決手段】
振動感知装置は、電路における過電流事故を検出する過電流検出手段と電路における停電を検出する停電検出手段と制御装置を備えた開閉器に取り付けられる。振動感知装置は、停電検出手段の出力信号が入力される停電検出回路と、振動を検出する振動検出回路を備えている。また、振動感知装置は、振動検出回路が振動を検出するとともに停電検出回路が電路の停電を所定時間継続して検出したときに、制御装置内の過電流検出回路に信号を出力する。制御装置は、過電流検出手段が電路の過電流事故を検出したときに開閉器本体のトリップ動作を準備状態とし、過電流検出手段による過電流事故の検出とともに停電検出手段による電路の停電が検出されたとき、又は、振動感知装置から過電流検出回路に信号が出力されているとともに停電検出手段により電路の停電が検出されたときに開閉器本体をトリップ動作させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電路における過電流事故を検出する過電流検出手段と、電路における停電を検出する停電検出手段と、制御装置と、を備えた開閉器に取り付ける振動感知装置であって、
振動感知装置は、
停電検出手段の出力信号が入力される停電検出回路と、振動を検出する振動検出回路と、を備えており、
振動検出回路が振動を検出するとともに停電検出回路が電路の停電を所定時間継続して検出したときに、制御装置内の過電流検出回路に信号を出力し、
制御装置は、
過電流検出手段が電路の過電流事故を検出したときに開閉器本体のトリップ動作を準備状態とし、
過電流検出手段による過電流事故の検出とともに停電検出手段による電路の停電が検出されたとき、又は、振動感知装置から過電流検出回路に信号が出力されているとともに停電検出手段により電路の停電が検出されたときに開閉器本体をトリップ動作させる、振動感知装置。
【請求項2】
電路における過電流事故を検出する過電流検出手段と、電路における地絡事故を検出する地絡検出手段と、電路における停電を検出する停電検出手段と、制御装置と、を備えた開閉器に取り付ける振動感知装置であって、
振動感知装置は、
停電検出手段の出力信号が入力される停電検出回路と、振動を検出する振動検出回路と、を備えており、
振動検出回路が振動を検出するとともに停電検出回路が電路の停電を所定時間継続して検出したときに、制御装置内の過電流検出回路に信号を出力し、
制御装置は、
過電流検出手段が電路の過電流事故を検出したときに開閉器本体のトリップ動作を準備状態とし、
下記(1)~(3)のいずれかの場合に開閉器本体をトリップ動作させる、振動感知装置。
(1)過電流検出手段による過電流事故の検出とともに停電検出手段による電路の停電が検出されたとき
(2)地絡検出手段により地絡事故が検出されるとともに過電流検出手段により過電流事故が検出されていないとき
(3)振動感知装置から過電流検出回路に信号が出力されているとともに停電検出手段により電路の停電が検出されたとき
【請求項3】
電路における地絡事故を検出する地絡検出手段と、振動を検出する振動感知手段と、制御装置と、を備えた開閉器に取り付ける振動感知装置であって、
振動感知装置は、
電路において停電が発生したことを示す信号が入力される停電検出回路と、振動を検出する振動検出回路と、を備えており、
制御装置は、
地絡検出手段により地絡事故が検出されたとき、又は、振動感知装置により振動が検出されるとともに停電検出手段により電路の停電が所定時間継続して検出されたときに開閉器本体をトリップ動作させる、振動感知装置。
【請求項4】
停電検出回路及び振動検出回路の出力信号を受信する動作遅延手段を備えており、
動作遅延手段は、停電検出回路の出力信号と振動検出回路の出力信号の双方が所定時間入力された場合に、制御装置内の過電流検出回路に信号を出力する請求項1から3のいずれか一項に記載の振動感知装置。
【請求項5】
停電検出回路及び振動検出回路の出力信号を受信するアンド回路と、停電検出回路とアンド回路の間に接続されている停電継続確認手段と、を備えており、
停電継続確認手段は、停電検出回路の出力信号が所定時間継続して入力された場合にアンド回路に信号を出力し、
アンド回路は、停電継続確認手段及び振動検出回路からの信号を入力した場合に、制御装置内の過電流検出回路に信号を出力する請求項1から3のいずれか一項に記載の振動感知装置。
【請求項6】
停電検出回路及び振動検出回路の出力信号を受信するアンド回路と、アンド回路の出力信号を受信する信号出力手段と、を備えており、
信号出力手段は、アンド回路の出力信号を所定時間継続して受信した場合に、制御装置内の過電流検出回路に信号を出力する請求項1から3のいずれか一項に記載の振動感知装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、電路の開閉を行う開閉器に取り付ける振動感知装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、地震等の災害に伴って停電が生じた際、電力供給が再開された後に電力需要家の電気設備への通電に起因する火災等の二次災害の発生を防止することが可能な開閉器が開示されている。特許文献1の開閉器は、電路で過電流事故が生じた場合に開閉器をトリップ動作させず(開放せず)、トリップ状態を準備状態とする。そして、停電検出手段により停電が検出された場合、及び、振動感知手段により振動が検出されるとともに停電検出手段により停電が検出された場合に開閉器をトリップ動作させる(開放する)。すなわち、特許文献1の開閉器は、振動感知手段で振動が検出されただけではトリップ動作を行わず、振動の検出とともに停電が検出された場合にトリップ動作を行う。これにより、例えば開閉器の周囲を大型車両が通過して振動が発生した場合等、地震等の災害でない振動が検出された場合に、開閉器がトリップ動作を行う(誤動作を行う)ことを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-273389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の開閉器は、停電と振動の双方が検出された場合にトリップ動作を行う。それにより、開閉器の誤動作(誤開放)が抑制される。しかしながら、特許文献1の開閉器は、振動の検出と同時に偶然電路の電圧が一時的に電圧低下した場合、振動の検出とともに停電が検出されたと判断し、トリップ動作が実行されることが起こりえる。なお、電路の一時的な電圧低下とは、電圧が通常電圧のおよそ90%以下の状態がおよそ2秒以下発生することを意味し、「瞬低」と呼ばれることがある。すなわち、特許文献1の開閉器は、一般的には停電と呼ばれない極めて短時間の停電(瞬低)の発生と、地震等の災害でない振動の検出とが偶然発生するといった特殊な状態が生じた場合、トリップ動作が不要であるにも関わらず、トリップ動作を実行するといった誤動作を行うことが起こりえる。そのため、開閉器の誤動作を抑制し得る振動感知装置が要求されている。本明細書では、開閉器の誤動作を抑制し得る振動感知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示する振動感知装置の一形態は、電路における過電流事故を検出する過電流検出手段と、電路における停電を検出する停電検出手段と、制御装置を備えた開閉器に取り付けられる。振動感知装置は、停電検出手段の出力信号が入力される停電検出回路と、振動を検出する振動検出回路を備えていてよい。また、振動感知装置は、振動検出回路が振動を検出するとともに停電検出回路が電路の停電を所定時間継続して検出したときに、制御装置内の過電流検出回路に信号を出力してよい。この振動感知装置を開閉器に取り付けることにより、制御装置は、過電流検出手段が電路の過電流事故を検出したときに開閉器本体のトリップ動作を準備状態とし、過電流検出手段による過電流事故の検出とともに停電検出手段による電路の停電が検出されたとき、又は、振動感知装置から過電流検出回路に信号が出力されているとともに停電検出手段により電路の停電が検出されたときに開閉器本体をトリップ動作させることができる。
【0006】
本明細書で開示する振動感知装置の他の形態は、電路における過電流事故を検出する過電流検出手段と、電路における地絡事故を検出する地絡検出手段と、電路における停電を検出する停電検出手段と、制御装置を備えた開閉器に取り付けられる。振動感知装置は、停電検出手段の出力信号が入力される停電検出回路と、振動を検出する振動検出回路を備えていてよい。また、振動感知装置は、振動検出回路が振動を検出するとともに停電検出回路が電路の停電を所定時間継続して検出したときに、制御装置内の過電流検出回路に信号を出力してよい。この振動感知装置を開閉器に取り付けることにより、制御装置は、過電流検出手段が電路の過電流事故を検出したときに開閉器本体のトリップ動作を準備状態とし、下記(1)~(3)のいずれかの場合に開閉器本体をトリップ動作させることができる。(1)過電流検出手段による過電流事故の検出とともに停電検出手段による電路の停電が検出されたとき。(2)地絡検出手段により地絡事故が検出されるとともに過電流検出手段により過電流事故が検出されていないとき。(3)振動感知装置から過電流検出回路に信号が出力されているとともに停電検出手段により電路の停電が検出されたとき。
【0007】
本明細書で開示する振動感知装置のさらに他の形態は、電路における地絡事故を検出する地絡検出手段と、振動を検出する振動感知手段と、制御装置を備えた開閉器に取り付けられる。振動感知装置は、電路において停電が発生したことを示す信号が入力される停電検出回路と、振動を検出する振動検出回路を備えていてよい。この振動感知装置を開閉器に取り付けることにより、制御装置は、地絡検出手段により地絡事故が検出されたとき、又は、振動感知装置により振動が検出されるとともに停電検出手段により電路の停電が所定時間継続して検出されたときに開閉器本体をトリップ動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】開閉器の概略図を示す。
図2】第1実施例の振動感知装置のブロック図を示す。
図3】第2実施例の振動感知装置のブロック図を示す。
図4】第3実施例の振動感知装置のブロック図を示す。
図5】第4実施例の振動感知装置のブロック図を示す。
図6】第5実施例の振動感知装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書で開示する振動感知装置は、停電検出回路、振動検出回路、停電検出回路及び振動検出回路の出力信号が入力される回路(又は回路群)を備えていてよい。停電検出回路は、開閉器の制御電源用変圧器に接続されてよい。停電検出回路を開閉器の制御電源用変圧器に接続すると、電路で停電が発生したときに、停電検出回路で電路の停電を検出することができる。停電検出回路及び振動検出回路の出力信号が入力される回路の出力部は、制御装置内の過電流検出回路に接続されてよい。また、停電検出回路及び振動検出回路の出力信号が入力される回路は、停電検出回路の出力信号を遅延して(停電検出回路の出力信号が所定時間継続して入力されたときに)過電流検出回路に信号を出力してよい。
【0010】
停電検出回路の出力信号を遅延して過電流検出回路に信号を出力する回路(回路群)として、信号が所定時間継続して入力された場合に信号を出力する動作遅延タイマ回路が挙げられる。あるいは、動作遅延タイマ回路に加え、動作遅延タイマ回路の出力信号が所定時間継続して入力された場合に信号を出力する信号出力回路が設けられていてもよい。また、停電検出回路の出力信号を遅延して過電流検出回路に信号を出力する回路(回路群)として、停電検出回路の出力信号が所定時間継続して入力された場合に停電継続確認回路と、停電継続確認回路の出力信号と振動検出回路の出力信号が入力されるアンド回路の組み合わせが挙げられる。あるいは、停電継続確認回路とアンド回路に加え、アンド回路の出力信号が所定時間継続して入力された場合に信号を出力する信号出力回路が設けられていてもよい。また、停電検出回路の出力信号を遅延して過電流検出回路に信号を出力する回路(回路群)として、停電検出回路の出力信号と振動検出回路の出力信号が入力されるアンド回路と、アンド回路の出力信号が所定時間継続して入力された場合に信号を出力する信号出力回路の組み合わせが挙げられる。
【0011】
上記振動感知装置を開閉器に取り付けると、開閉器は、過電流検出手段が電路の過電流事故を検出したときに開閉器本体のトリップ動作を準備状態にし、電路を閉じた状態にする。そして、過電流事故の検出とともに停電検出手段による電路の停電が検出されたときに開閉器本体のトリップ動作が実行される。また、振動感知手段により振動が検出されるとともに停電検出回路により電路の停電が所定時間継続して検出されたときも、開閉器本体のトリップ動作が実行される。すなわち、振動感知装置を開閉器に取り付けると、振動検出回路により振動が検出された場合であっても、停電検出回路による電路の停電が所定時間継続して検出されない場合は、開閉器本体のトリップ動作を実行しない。これにより、電路の電圧が一時的に低下した状態(いわゆる瞬低の場合)のときにトリップ動作が実行されることを防止することができる。本明細書で開示する振動感知装置は、電路が瞬低した場合(トリップ動作不要の場合)に開閉器がトリップ動作を実行するという誤動作を抑制することができる。
【実施例0012】
図1を参照し、高圧気中開閉器100の概略を説明する。高圧気中開閉器100は、開閉器の一例であり、過電流ロック形(SOG形)の高圧気中開閉器である。高圧気中開閉器100は、開閉器本体50と、開閉器本体50の動作を制御する制御装置30と、振動感知装置10を備えている。開閉器本体50と制御装置30は、ケーブルで接続されている。開閉器本体50は電柱(図示省略)の上部に設置され、制御装置30は電柱下部に設置されている。振動感知装置10は、配線92,94によって、制御装置30に接続されている。より具体的には、振動感知装置10は、後述する制御電源用変圧器80の出力部及び過電流検出回路36の入力部に接続されている。まず、開閉器本体50内の構成について説明する。
【0013】
(開閉器本体の構造)
開閉器本体50は、電路52上に設けられている。より具体的には、開閉器本体50は、電力供給側(電源側)電路52aと、需要家側(負荷側)電路52bに接続され、両者を電気的に接続している(電路52を閉じている)。電路52は、R相、S相及びT相を有している。電路52上には、電源側から負荷側に向けて、零相変流器58、開閉部54、制御電源用変圧器80及び電流検出部60がこの順に配置されている。
【0014】
零相変流器58は、電路52に生じた零相電流(地絡電流)を検出する。零相変流器58の両端は、制御装置30に接続されている。詳細は後述するが、零相変流器58の両端は、制御装置30内に設けられている端子台90の端子90dに接続され、地絡検出回路31(図2を参照)に接続されている。零相変流器58で零相電流が検出されると、検出信号が制御装置30(地絡検出回路31)に出力される。
【0015】
開閉部54は、スイッチ54r、54s及び54tを備えている。スイッチ54r、54s及び54tは、各々電路52のR相、S相及びT相上に設けられている。開閉部54が開くと電路52が開放され、開閉部54が閉じると電路52が閉じる。
【0016】
制御電源用変圧器80は、巻数の異なる2個のコイルを備えており、一次側コイルは電路52のうちの2相(S相、T相)に接続されており、二次側コイルは制御装置30内に設けられている端子台90の端子90bに接続され、電源回路33及び蓄勢回路35(図2を参照)に接続されている。なお、端子90bには、配線92も接続されている。配線92は、振動感知装置10内に設けられている端子台96の端子96bに接続され、電源回路16(図2を参照)に接続されている。すなわち、二次側コイルは、振動感知装置10内の電源回路16にも接続されている。制御電源用変圧器80によって、制御装置30内の回路を駆動する電力を発生させることができる。高圧気中開閉器100は、電路52の電圧を利用して制御装置30内および振動感知装置10内の回路を駆動する電力を確保することができるので、制御装置30内および振動感知装置10内の回路を駆動するためだけの電源を別途設けることを省略することができる。
【0017】
電流検出部60は、変流器60r及び60tを備えている。上記したように、電流検出部60は、開閉部54より下流(需要家側電路52b側)に設けられている。そのため、変流器60r及び60tは、各々電路52のR相及びT相を流れる負荷電流を検出することができる。電流検出部60は、マイクロスイッチ70に接続されている。マイクロスイッチ70は双投形であり、常閉接点72、常開接点74及び共通接点76を備えている。
常閉接点72及び共通接点76は、制御装置30内に設けられている端子台90の端子90aに接続され、過電流検出回路36(図2を参照)に接続されている。端子90aには、配線94も接続されている。配線94は、振動感知装置10内に設けられている端子台96の端子96aに接続され、動作遅延タイマ回路4(図2を参照)に接続されている。すなわち、電流検出部60は、振動感知装置10内の動作遅延タイマ回路4にも接続されている。
【0018】
マイクロスイッチ70は、電流検出部60(変流器60r,60t)によって過電流検出値以上の電流が検出されたときに、常閉接点72と共通接点76が接続する(常閉接点72が閉じる)。常閉接点72と共通接点76が接続すると、制御装置30に検出信号が出力される。また、常閉接点72は、トリップコイル56に接続されている。トリップコイル56は、制御装置30内に設けられている端子台90の端子90cに接続され、常開接点41(図2を参照)に接続されている。トリップコイル56は、開閉部54のスイッチ54r、54s及び54tをトリップ動作(開放)させる。
【0019】
図2を参照し、制御装置30について説明する。制御装置30内には、複数の回路及び常開接点41が設けられている。地絡検出回路31は、端子台90の端子90dを介して零相変流器58に接続されており(図1も参照)、零相変流器58からの出力信号を検出したときに地絡検出信号を動作判定回路32に出力する。
【0020】
電源回路33は、端子台90の端子90bを介して制御電源用変圧器80に接続されており(図1も参照)、電路52のS相とT相の線間電圧を平滑して直流電圧に変換する。また、電源回路33は、停電検出回路34に接続されている。そのため、停電検出回路34は、電路52が停電すると、電源回路33からの電力供給が停止し、電路52が停電していると判断することができる。停電検出回路34は、電路52が停電していると判断した場合に、停電検出信号をアンド回路37に出力する。なお、図示は省略しているが、電源回路33によって変換された直流電圧は、制御装置30内の停電検出回路34以外の回路にも供給される。
【0021】
蓄勢回路35も、端子台90の端子90bを介して制御電源用変圧器80に接続されている。蓄勢回路35は、電路52のS相とT相の線間電圧をトリップコイル56の励磁用の電源として蓄える(図1も参照)。蓄勢回路35とトリップコイル56の間に、常開接点41が設けられている。常開接点41が閉じると、蓄勢回路35に蓄えられていた電力がトリップコイル56へ供給され、トリップコイル56が励磁されて開閉部54のトリップ動作を行う。
【0022】
過電流検出回路36は、端子台90の端子90aを介して電流検出部60に接続されており(図1も参照)、電流検出部60から過電流検出信号が入力されたときに、異常検出信号をアンド回路37とロック回路38に出力する。また、過電流検出回路36には、振動感知装置10内の動作遅延回路4の出力信号も入力される。ロック回路38は、異常検出信号が入力されたときに、ロック信号を動作判定回路32に出力し、開閉部54のトリップ動作をロックする。すなわち、ロック回路38にロック信号が入力されると、開閉部54の開放動作が禁止される。
【0023】
動作判定回路32は、地絡検出回路31から地絡検出信号が入力されたときに、ロック回路38からのロック信号の入力の有無を判断する。動作判定回路32は、ロック信号が入力されていないときはトリップ動作許可信号をオア回路39に出力し、ロック信号が入力されているときはオア回路39にトリップ動作許可信号を出力しない。
【0024】
アンド回路37は、停電検出回路34からの停電検出信号と過電流検出回路36からの異常検出信号の双方が入力されたときに、トリップ動作許可信号をオア回路39に出力する。すなわち、アンド回路37は、停電検出回路34からの停電検出信号のみ、あるいは、過電流検出回路36からの異常検出信号のみが入力された場合は、オア回路39にトリップ動作許可信号を出力しない。オア回路39は、動作判定回路32からのトリップ動作許可信号、あるいは、アンド回路37からのトリップ動作許可信号が入力されたときに、トリップ動作要請信号を動作出力回路40に出力する。なお、オア回路39は、動作判定回路32とアンド回路37の双方からトリップ動作許可信号が入力された場合も、トリップ動作要請信号を動作出力回路40に出力する。
【0025】
動作出力回路40は、オア回路39からトリップ動作要請信号が入力されたときに、励磁コイル(図示省略)を励磁して常開接点41を閉じる。これにより、蓄勢回路35から端子台90の端子90cを介してトリップコイル56に電力が供給され、開閉部54のトリップ動作が行われる。
【0026】
(振動感知装置の構造:第1実施例)
振動感知装置10には、電源回路16、停電検出回路2、振動感センサ14、振動検出回路12、リセットタイマ回路8、振動検出テスト回路6及び動作遅延タイマ回路4が設けられている。振動感センサ14は、所定値以上の振動を検出すると、振動検出回路12に検出信号を出力する。振動感センサ14は、例えば震度5に相当する振動を検出したときに検出信号を出力するように調整されている。振動感知装置10は、制御装置30と同様に電柱下部に設置することができる。なお、振動感知装置10は、制御装置30に対し、上下左右何れの位置にも設置することができる。
【0027】
振動検出回路12は、振動感センサ14からの検出信号が入力されたときに、リセットタイマ回路8及び動作遅延タイマ回路4に振動検出信号を出力する。リセットタイマ回路8は、振動検出回路12からの振動検出信号の入力が停止したときにカウントを開始し、所定時間(例えば5秒)経過したときに、振動感センサ14にリセット信号を出力する。振動感センサ14は、リセットタイマ回路8からリセット信号が入力されると、初期状態に復帰する。なお、リセットタイマ回路8の所定時間は、任意であり、例えば1分であってよく、10分であってよく、1時間であってもよい。
【0028】
電源回路16は、制御電源用変圧器80(図1も参照)に接続されている。具体的には、電源回路16は、振動感知装置10内の端子台96の端子96bと制御装置30内の端子台90の端子90bを接続する接続電線92によって、制御電源用変圧器80に接続されている。電源回路16は、電路52のS相とT相の線間電圧を平滑して直流電圧に変換する。また、電源回路16は、停電検出回路2に接続されている。停電検出回路2は、電路52が停電すると、電源回路16からの電力供給が停止し、停電検出信号を動作遅延タイマ回路4に出力する。すなわち、動作遅延タイマ回路4には、振動検出回路12からの振動検出信号と、停電検出回路2からの停電検出信号が入力される。なお、電源回路16によって変換された直流電圧は、振動感知装置10内の停電検出回路2以外の回路にも供給される。
【0029】
動作遅延タイマ回路4は、過電流検出回路36に接続されている。具体的には、動作遅延タイマ回路4は、振動感知装置10内の端子台96の端子96aと制御装置30内の端子台90の端子90aを接続する接続電線94によって、過電流検出回路36に接続されている。動作遅延タイマ回路4は、振動検出信号及び停電検出信号を遅延して過電流検出回路36に信号を出力する。具体的には、動作遅延タイマ回路4は、振動検出信号及び停電検出信号の双方が所定時間(例えば2秒)継続して入力されたときに、過電流検出回路36に信号を出力する。すなわち、動作遅延タイマ回路4は、振動検出回路12又は停電検出回路34からの入力信号が所定時間未満の場合は、過電流検出回路36に信号を出力しない。なお、動作遅延タイマ回路4の所定時間は、任意であり、例えば1秒であってよく、3秒であってよく、5秒であってもよい。また、動作遅延タイマ回路4は、過電流検出回路36からアンド回路37及びロック回路38に信号が出力された後、初期状態に復帰する。
【0030】
振動検出テスト回路6は、振動検出回路12にテスト信号を入力することができる。すなわち、振動検出テスト回路6は、振動検出確認用の疑似信号を振動検出回路12に入力することができる。また、振動検出テスト回路6を設けることにより、制御装置10の定期点検の際に振動感知装置10の故障の有無を確認することもできる。
【0031】
振動感知装置10は、接続電線によって既存の制御装置30に簡単に接読することができるので、既に設置済みの高圧気中開閉器(振動感知機能を有していない高圧気中開閉器)を、地震等の災害に対応することができる高圧気中開閉器にすることもできる。
【0032】
(高圧気中開閉器の動作)
以下、高圧気中開閉器100の動作について説明する。まず、電路52で地絡事故が生じた場合について説明する。電路52で地絡事故が生じると、地絡検出回路31から動作判定回路32に地絡検出信号が入力される。上述したように、動作判定回路32は、ロック回路38からのロック信号の入力の有無を判断する。ロック回路38は、過電流検出回路36からの過電流検出信号が入力されているときに、動作判定回路32にロック信号を出力する。換言すると、ロック回路38は、過電流検出回路36からの過電流検出信号が入力されていないときは、動作判定回路32にロック信号を出力しない。そのため、電路52に過電流検出閾値以上の電流が流れていない場合は、動作判定回路32からオア回路39にトリップ動作許可信号が出力され、オア回路39から動作出力回路40にトリップ動作要請信号が出力され、常開接点41が閉じ、トリップコイル56が開閉部54のトリップ動作を行う。
【0033】
一方、電路52に過電流検出閾値以上の電流が流れている(過電流検出回路36からロック回路38に異常検出信号が出力されている)ときは、ロック回路38から動作判定回路32にロック信号が出力されているので、開閉部54のトリップ動作はロックされる(トリップ動作を準備状態とする)。そして、電路52が停電すると、停電検出回路34からアンド回路37に停電検出信号が出力された後に、開閉部54のトリップ動作が行われる。これにより、電路52に過電流が流れている状態で開閉部54が開放されることが防止され、高圧気中開閉器100(開閉器本体50)の故障を防止することができる。
【0034】
次に、電路52で過電流事故が生じ、電路52が停電した場合について説明する。電路52で過電流事故が生じると、過電流検出回路36からアンド回路37及びロック回路38に異常検出信号が出力される。そのため、電路52に過電流検出閾値以上の電流が流れているときは、ロック回路38から動作判定回路32にロック信号が出力され、開閉部54のトリップ動作はロックされる。そして、電路52が停電すると、停電検出回路34からアンド回路37に停電検出信号が出力される。電流検出部60からの異常検出信号及び停電検出回路34からの停電検出信号がアンド回路37に入力されると、アンド回路37からオア回路39にトリップ動作許可信号が出力される。その結果、オア回路39から動作出力回路40にトリップ動作要請信号が出力され、常開接点41が閉じ、トリップコイル56が開閉部54のトリップ動作を行う。電路52に過電流が流れている状態で開閉部54が開放されることが防止され、高圧気中開閉器100(開閉器本体50)の故障を防止することができる。
【0035】
次に、電路52で停電が発生したとともに振動検出回路12(振動感センサ14)が所定値以上の振動を検出した場合について説明する。このような状態は、典型的に、地震の発生に伴って停電が発生した場合に起こり得る。停電検出回路2によって電路52の停電が検出されると、動作遅延タイマ回路4に停電検出信号が出力される。また、停電検出回路2が電路52の停電を検出した場合は、制御装置30内の停電検出回路34も電路52の停電を検出する。そのため、電路52に停電が生じた場合、停電検出信号がアンド回路37及び動作遅延タイマ回路4に出力される。
【0036】
動作遅延タイマ回路4は、振動検出信号及び停電検出信号の双方が所定時間継続して入力されたときに、端子台96の端子96a、接続電線94及び端子台90の端子90aを介して過電流検出回路36に信号を出力する。上述したように、過電流検出回路36に信号が入力されると、過電流検出回路36は、アンド回路37とロック回路38に信号を出力する。そのため、動作遅延タイマ回路4から過電流検出回路36に信号が入力されると、停電検出回路34からの停電検出信号と過電流検出回路36の出力信号の双方がアンド回路37に入力される。すなわち、停電検出回路2が所定時間継続して停電検出信号を出力したときのみ、停電検出回路34からの停電検出信号と動作遅延タイマ回路4からの信号の双方がアンド回路37に入力される。換言すると、電路52が一時的に電圧低下(所定時間未満の電圧低下)した場合は、停電検出回路34から停電検出信号がアンド回路37に入力されるが、過電流検出回路36(動作遅延タイマ回路4)からの信号はアンド回路37に入力されない。
【0037】
アンド回路37に停電検出回路34からの停電検出信号と動作遅延タイマ回路4からの信号の双方が入力されると、アンド回路37からオア回路39にトリップ動作許可信号が出力され、オア回路39から動作出力回路40にトリップ動作要請信号が出力され、常開接点41が閉じ、トリップコイル56が開閉部54のトリップ動作を行う。すなわち、地震の発生に伴って電路52で停電が発生した場合に、開閉部54が開放される。その結果、電力系統を復電した際に負荷機器に通電されることが防止され、火災等の二次災害の発生を防止することができる。
【0038】
一方、電路52が一時的に電圧低下しただけの場合、過電流検出回路36(動作遅延タイマ回路4)からの信号がアンド回路37に入力されず、開閉部54のトリップ動作が行われない。そのため、高圧気中開閉器100では、一般的には停電と呼ばれない極めて短時間の停電(瞬低)の発生と、地震等の災害でない振動の検出とが同時に行われた場合に、開閉部54がトリップ動作を行うことを防止することができる。振動感知装置10が取り付けられている開閉器10は、開閉部54のトリップ動作が不要なときにトリップ動作が行われるといった不具合を防止することができる。
【0039】
(振動感知装置の変形例:第2~第5実施例)
以下、図3図6を参照し、高圧気中開閉器100a~100dについて説明する。高圧気中開閉器100a~100dは、高圧気中開閉器100の変形例である。高圧気中開閉器100a~100dは、取り付けられている振動感知装置10a~10dの構造が高圧気中開閉器100に取り付けられている振動感知装置10と異なる。高圧気中開閉器100a~100dについては、振動感知装置10a~10dの構造のみ説明する。また、振動感知装置10a~10dについて、振動感知装置10と同じ構成については、振動感知装置10に付した参照番号と同じ参照番号を付すことにより、説明を省略することがある。
【0040】
(第2実施例)
図3に示すように、高圧気中開閉器100aの振動感知装置10aには、電源回路16、停電検出回路2、振動感センサ14、振動検出回路12、リセットタイマ回路8、振動検出テスト回路6、停電継続確認回路20及びアンド回路22が設けられている。停電継続確認回路20に、停電検出回路2からの停電検出信号が入力される。停電継続確認回路20は、停電検出信号を遅延してアンド回路22に出力する。具体的には、停電継続確認回路20は、停電検出信号が所定時間(例えば2秒)継続して入力されたときに、停電検出信号をアンド回路22に出力する。なお、停電継続確認回路20が停電検出信号を検出する所定時間は、任意であり、例えば1秒であってよく、3秒であってよく、5秒であってもよい。
【0041】
アンド回路22には、振動検出回路12からの振動検出信号も入力される。アンド回路22に停電継続確認回路20からの停電検出信号と振動検出回路12からの振動検出信号の双方が入力されると、アンド回路22は、過電流検出回路36に信号を出力する。すなわち、停電検出回路2から停電継続確認回路20に入力される停電検出信号が所定時間未満の場合は、アンド回路22から過電流検出回路36に信号が出力されず、開閉部54のトリップ動作が行われない。振動感知装置10aが取り付けられた高圧気中開閉器100aも、開閉部54のトリップ動作が不要なときにトリップ動作が行われるといった不具合を防止することができる。
【0042】
(第3実施例)
図4に示すように、高圧気中開閉器100bの振動感知装置10bには、電源回路16、停電検出回路2、振動感センサ14、振動検出回路12、リセットタイマ回路8、振動検出テスト回路6、アンド回路22及び信号出力回路24が設けられている。アンド回路22に、停電検出回路2からの停電検出信号及び振動検出回路12からの振動検出信号が入力される。アンド回路22は、停電検出信号及び振動検出信号の双方が入力されると、過電流検出回路36に信号を出力する。信号出力回路24は、アンド回路22の信号を遅延して過電流検出回路36に信号を出力する。具体的には、信号出力回路24は、アンド回路22からの信号が所定時間(例えば2秒)継続して入力されたときに、過電流検出回路36に信号を出力する。なお、信号出力回路24がアンド回路22からの信号を検出する所定時間は、任意であり、例えば1秒であってよく、3秒であってよく、5秒であってもよい。
【0043】
高圧気中開閉器100bでは、停電検出回路2からアンド回路22に入力される停電検出信号が所定時間未満の場合は、信号出力回路24から過電流検出回路36に信号が出力されず、アンド回路37に過電流検出回路36からの信号が入力されない。そのため、高圧気中開閉器100bも、開閉部54のトリップ動作が不要なときにトリップ動作が行われるといった不具合を防止することができる。
【0044】
(第4実施例)
図5に示すように、高圧気中開閉器100cの振動感知装置10cには、電源回路16、停電検出回路2、振動感センサ14、振動検出回路12、リセットタイマ回路8、振動検出テスト回路6、動作遅延タイマ回路4及び信号出力回路24が設けられている。振動感知装置10cは、振動感知装置10の動作遅延タイマ回路4の出力信号が、信号出力回路24に入力される構造を有していると捉えることもできる(図2も参照)。高圧気中開閉器100cでは、動作遅延タイマ回路4によって停電検出回路2からの停電検出信号が遅延され、さらに、信号出力回路24によって動作遅延タイマ回路4の出力信号が遅延される。そのため、高圧気中開閉器100cは、開閉部54のトリップ動作が不要なときにトリップ動作が行われるといった不具合をより確実に防止することができる。
【0045】
(第5実施例)
図6に示すように、高圧気中開閉器100dの振動感知装置10dには、電源回路16、停電検出回路2、振動感センサ14、振動検出回路12、リセットタイマ回路8、振動検出テスト回路6、停電継続確認回路20、アンド回路22及び信号出力回路24が設けられている。振動感知装置10dは、振動感知装置10aのアンド回路22の出力信号が、信号出力回路24に入力される構造を有していると捉えることもできる(図3も参照)。あるいは、振動感知装置10dは、停電検出回路2からの停電検出信号が、停電継続確認回路20を経てアンド回路22に入力される構造を有していると捉えることもできる(図4も参照)。高圧気中開閉器100dでは、停電継続確認回路20によって停電検出回路2からの停電検出信号が遅延され、さらに、信号出力回路24によってアンド回路22の出力信号が遅延される。そのため、高圧気中開閉器100dも、開閉部54のトリップ動作が不要なときにトリップ動作が行われるといった不具合をより確実に防止することができる。
【0046】
(高圧気中開閉器の変形例1)
図示は省略するが、変形例1の高圧気中開閉器は、上述した高圧気中開閉器100、100a、100b、100c及び100dにおいて、開閉器本体50(図1を参照)から零相変流器58を省略し、制御装置30(図2図6を参照)から地絡検出回路31、動作判定回路32、ロック回路38及びオア回路39を省略したものである。すなわち、変形例1の高圧気中開閉器は、地絡機能(GR機能)を有しない過電流保護機能(SO機能)のみを有する高圧気中開閉器(開閉器本体及び制御装置)に対し、振動感知装置10、10a、10b、10c及び10dのいずれかを接続したものである。このタイプの高圧気中開閉器も、開閉部54のトリップ動作が不要なときにトリップ動作が行われるといった不具合を防止することができる。
【0047】
(高圧気中開閉器の変形例2)
図示は省略するが、変形例2の高圧気中開閉器は、上述した高圧気中開閉器100、100a、100b、100c及び100dにおいて、開閉器本体50から電流検出部60を省略し、制御装置30から過電流検出回路36、アンド回路37、ロック回路38、動作判定回路32を省略し、接続電線94を制御装置30内の端子台90の端子90dに接続したものである(図1図6を参照)。すなわち、変形例2の高圧気中開閉器は、過電流保護機能(SO機能)を有しない地絡機能(GR機能)のみを有する高圧気中開閉器(開閉器本体及び制御装置)に対し、振動感知装置10、10a、10b、10c及び10dのいずれかを接続したものである。このタイプの高圧気中開閉器も、開閉部54のトリップ動作が不要なときにトリップ動作が行われるといった不具合を防止することができる。
【0048】
(その他の変形例)
過電流ロック形(SOG形)の高圧気中開閉器(図1を参照)に代え、過電流蓄勢トリップ付き地絡蓄勢トリップ形(SOSG形)の高圧気中開閉器に対し、振動感知装置10、10a、10b、10c及び10dのいずれかを接続してもよい。また、振動感知装置10、10a、10b、10c及び10dは、振動を検出した場合に点灯する点灯ランプを備えていてよい。
【0049】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0050】
2:停電検出回路
10:振動感知装置
14:振動検出回路
30:制御装置
34:停電検出手段
54:電路
60:過電流検出手段
100:開閉器
図1
図2
図3
図4
図5
図6