(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003649
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06V 30/12 20220101AFI20230110BHJP
G06V 30/412 20220101ALI20230110BHJP
G16H 20/10 20180101ALI20230110BHJP
【FI】
G06K9/03 Z
G06K9/20 340C
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021104850
(22)【出願日】2021-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小澤 茂樹
【テーマコード(参考)】
5B029
5B064
5L099
【Fターム(参考)】
5B029AA01
5B029BB02
5B029CC26
5B029CC27
5B029CC28
5B064AA01
5B064BA01
5B064EA19
5B064EA27
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】薬剤の不適切な処方がなされるリスクを低減する。
【解決手段】処方箋に記載された薬剤Md[1]の名称を示す文字列を薬剤名称文字列LM[1]として認識し、処方箋に記載された薬剤Md[1]の処方内容を示す文字列を処方内容文字列LN[1]として認識する処方箋読取装置1から、薬剤名称文字列LM[1]及び処方内容文字列LN[1]を示す薬剤文字情報JP[1]を取得する文字情報取得部311と、処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報JYを記憶する薬剤データベースサーバ7から、薬剤名称文字列LM[1]に関連する薬剤情報JYを、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部312と、処方内容文字列LN[1]の示す薬剤Md[1]の処方内容が、特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する処方内容判定部313と、処方内容判定部313による判定の結果に基づく情報を出力する判定結果出力部314を備える処方箋確認装置3。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に含まれる文字を認識する文字認識処理により、処方箋に記載された第1薬剤の名称を示す文字列を第1名称文字列として認識し、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容を示す文字列を第1内容文字列として認識する認識部から、前記第1名称文字列及び前記第1内容文字列を示す第1文字情報を取得する文字情報取得部と、
前記処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報を記憶する記憶部から、前記第1名称文字列に関連する薬剤情報を、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部と、
前記第1内容文字列の示す前記第1薬剤の処方内容が、前記特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果に基づく情報を出力する出力部と、
を備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記処方箋には、前記第1薬剤の処方内容として前記第1薬剤の用量が記載され、
前記記憶部が記憶する前記複数の薬剤情報の各々は、当該薬剤情報に対応する薬剤の用量の上限を示す用量情報を含み、
前記判定部は、前記第1内容文字列の示す前記第1薬剤の用量が、前記特定薬剤情報に含まれる用量情報の示す用量の上限以下であるか否かを判定する、第1の判定処理を行い、
前記出力部は、前記第1の判定処理における判定結果が否定の場合に、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容に誤りがある旨の情報を出力する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記処方箋には、第2薬剤の名称が記載され、
前記認識部は、前記文字認識処理により、前記処方箋に記載された前記第2薬剤の名称を示す文字列を第2名称文字列として認識し、
前記文字情報取得部は、前記認識部から、前記第2名称文字列を示す第2文字情報を取得し、
前記記憶部が記憶する前記複数の薬剤情報の各々は、当該薬剤情報に対応する薬剤の併用禁忌薬及び併用注意薬に関する併用情報を含み、
前記判定部は、前記特定薬剤情報に含まれる併用情報に基づいて、前記第2名称文字列に関連する名称を有する薬剤が、前記第1薬剤の併用禁忌薬及び前記第1薬剤の併用注意薬の何れにも含まれていないか否かを判定する、第2の判定処理を行い、
前記出力部は、前記判定部による前記第2の判定処理における判定結果が否定の場合に、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容に誤りがある旨の情報を出力する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記薬剤情報取得部は、
前記記憶部が記憶する複数の薬剤情報に、前記第1名称文字列に一致する名称を含む薬剤情報が存在する場合は、当該薬剤情報を前記特定薬剤情報として取得し、
前記記憶部が記憶する複数の薬剤情報に、前記第1名称文字列に一致する名称を含む薬剤情報が存在しない場合は、前記第1名称文字列との類似度が所定の類似度以上の名称を含む1または複数の薬剤情報の各々を、前記特定薬剤情報として取得する、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、
前記薬剤情報取得部が、前記記憶部から複数の薬剤情報に対応する複数の特定薬剤情報を取得した場合、前記第1内容文字列の示す前記第1薬剤の処方内容が、前記複数の特定薬剤情報の示す複数の薬剤の使用方法の各々に適合するか否かを判定し、
前記出力部は、
前記判定部が、前記第1薬剤の処方内容が前記複数の特定薬剤情報の示す複数の薬剤の使用方法のうち少なくとも1つの薬剤の使用方法に適合しない旨の判定をした場合、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容に誤りがある旨の情報を出力する、
ことを特徴とする、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
処方箋の画像を示す画像情報を取得する画像情報取得部と、
前記画像情報に基づいて、前記処方箋に記載された第1薬剤の名称を示す文字列を、第1名称文字列として認識し、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容を示す文字列を、第1内容文字列として認識する認識部と、
前記処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報を記憶する記憶部から、前記第1名称文字列に関連する薬剤情報を、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部と、
前記第1内容文字列の示す前記第1薬剤の処方内容が、前記特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果に基づく情報を出力する出力部と、
を備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
プロセッサを、
画像に含まれる文字を認識する文字認識処理により、処方箋に記載された第1薬剤の名称を示す文字列を第1名称文字列として認識し、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容を示す文字列を第1内容文字列として認識する認識部から、前記第1名称文字列及び前記第1内容文字列を示す第1文字情報を取得する文字情報取得部と、
前記処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報を記憶する記憶部から、前記第1名称文字列に関連する薬剤情報を、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部と、
前記第1内容文字列の示す前記第1薬剤の処方内容が、前記特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果に基づく情報を出力する出力部と、
として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
プロセッサを
処方箋の画像を示す画像情報を取得する画像情報取得部と、
前記画像情報に基づいて、前記処方箋に記載された第1薬剤の名称を示す文字列を、第1名称文字列として認識し、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容を示す文字列を、第1内容文字列として認識する認識部と、
前記処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報を記憶する記憶部から、前記第1名称文字列に関連する薬剤情報を、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部と、
前記第1内容文字列の示す前記第1薬剤の処方内容が、前記特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果に基づく情報を出力する出力部と、
として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像に含まれる文字を認識する文字認識処理により、処方箋に記載された文字列を認識する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、処方箋に記載された文字列が誤認識され、当該誤認識された文字列に応じて薬剤が処方されるリスクが存在する。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来の技術と比較して、薬剤の不適切な処方がなされるリスクを低減することを可能とする技術の提供を、解決課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、画像に含まれる文字を認識する文字認識処理により、処方箋に記載された第1薬剤の名称を示す文字列を第1名称文字列として認識し、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容を示す文字列を第1内容文字列として認識する認識部から、前記第1名称文字列及び前記第1内容文字列を示す第1文字情報を取得する文字情報取得部と、前記処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報を記憶する記憶部から、前記第1名称文字列に関連する薬剤情報を、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部と、前記第1内容文字列の示す前記第1薬剤の処方内容が、前記特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果に基づく情報を出力する出力部と、を備える、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の態様に係る情報処理装置は、処方箋の画像を示す画像情報を取得する画像情報取得部と、前記画像情報に基づいて、前記処方箋に記載された第1薬剤の名称を示す文字列を、第1名称文字列として認識し、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容を示す文字列を、第1内容文字列として認識する認識部と、前記処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報を記憶する記憶部から、前記第1名称文字列に関連する薬剤情報を、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部と、前記第1内容文字列の示す前記第1薬剤の処方内容が、前記特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果に基づく情報を出力する出力部と、を備える、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第3の態様に係るプログラムは、プロセッサを、画像に含まれる文字を認識する文字認識処理により、処方箋に記載された第1薬剤の名称を示す文字列を第1名称文字列として認識し、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容を示す文字列を第1内容文字列として認識する認識部から、前記第1名称文字列及び前記第1内容文字列を示す第1文字情報を取得する文字情報取得部と、前記処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報を記憶する記憶部から、前記第1名称文字列に関連する薬剤情報を、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部と、前記第1内容文字列の示す前記第1薬剤の処方内容が、前記特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果に基づく情報を出力する出力部と、として機能させる、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第4の態様に係るプログラムは、プロセッサを処方箋の画像を示す画像情報を取得する画像情報取得部と、前記画像情報に基づいて、前記処方箋に記載された第1薬剤の名称を示す文字列を、第1名称文字列として認識し、前記処方箋に記載された前記第1薬剤の処方内容を示す文字列を、第1内容文字列として認識する認識部と、前記処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報を記憶する記憶部から、前記第1名称文字列に関連する薬剤情報を、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部と、前記第1内容文字列の示す前記第1薬剤の処方内容が、前記特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果に基づく情報を出力する出力部と、として機能させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、従来の技術と比較して、不適切な薬剤が処方されるリスクを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る処方箋認識システムSysの概要の一例を示す説明図である。
【
図2】処方箋認識システムSysの動作の概要の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図3】処方箋画像GSの概要の一例を示す説明図である。
【
図4】処方箋内容表示画像GHの概要の一例を示す説明図である。
【
図5】処方箋読取装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】処方箋読取装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】処方箋確認装置3の構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】処方箋確認装置3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】薬剤データベースサーバ7の構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】薬剤データベースサーバ7のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】処方箋情報JSSのデータ構成の一例を示す図である。
【
図12】処方箋文字情報JSのデータ構成の一例を示す図である。
【
図13】薬剤一覧情報テーブルTBL7のデータ構成の一例を示す図である。
【
図14】処方箋確認装置3の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】処方箋確認装置3の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図16】処方箋確認装置3の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図17】処方箋確認装置3の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図18】変形例1に係る処方箋認識システムSys-Bの概要の一例を示す説明図である。
【
図19】処方箋確認装置3Bの構成の一例を示すブロック図である。
【
図20】変形例4に係る処方箋認識システムSys-Cの概要の一例を示す説明図である。
【
図21】処方箋認識システムSys-Cの動作の概要の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図22】処方箋読取装置1Cの構成の一例を示すブロック図である。
【
図23】文字認識装置9の構成の一例を示すブロック図である。
【
図24】文字認識装置9のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図25】変形例7に係る処方箋内容表示画像GHの概要の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0013】
[A.実施形態]
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0014】
<1.処方箋認識システムの概要>
図1は、本実施形態に係る処方箋認識システムSysの構成の一例を説明するための説明図である。以下、
図1を参照しつつ、処方箋認識システムSysの概要について説明する。
【0015】
図1に例示するように、処方箋認識システムSysは、処方箋読取装置1と、処方箋確認装置3と、端末装置5と、薬剤データベースサーバ7と、を備える。
【0016】
このうち、処方箋読取装置1は、医師により発行された処方箋に記載されている文字を認識する。また、処方箋確認装置3(「情報処理装置」の一例)は、処方箋読取装置1における認識結果を確認する。また、端末装置5は、表示部50を具備し、表示部50において、処方箋確認装置3における確認結果を表示する。なお、本実施形態では、一例として、端末装置5が、ネットワークNWを介して処方箋確認装置3と接続されている場合を例示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。端末装置5は、処方箋確認装置3に直接に接続されていてもよい。また、薬剤データベースサーバ7は、ネットワークNWを介して処方箋確認装置3と通信可能であり、処方箋確認装置3からの要求に応じて、処方箋確認装置3に対して各種情報を提供する。
【0017】
このように、処方箋認識システムSysは、例えば、処方箋読取装置1において、医師により発行された処方箋の記載内容を認識し、処方箋確認装置3において、処方箋読取装置1による処方箋の認識結果が適切な内容であるか否かを確認したうえで、端末装置5において、処方箋の記載内容の認識結果を、薬剤師等に提示するシステムである。以下では、処方箋認識システムSysによる、処方箋の記載内容の認識及び当該処方箋の記載内容の確認を行う処理を、処方箋確認処理と称する。
【0018】
<2.処方箋認識システムの動作>
以下、
図2乃至
図4を参照しつつ、処方箋認識システムSysが処方箋確認処理を行う場合の、処方箋認識システムSysの動作の概略の一例について説明する。
【0019】
図2は、処方箋認識システムSysが処方箋確認処理を行う場合の、処方箋認識システムSysの動作の概略の一例を示すシーケンスチャートである。
【0020】
図2に例示するように、処方箋確認処理が開始されると、まず、処方箋読取装置1は、処方箋撮像処理を実行する(S1)。ここで、処方箋撮像処理とは、医師により発行された処方箋を撮像し、当該撮像の結果として得られる処方箋画像GSを示す処方箋画像情報JGSを生成する処理である。
【0021】
【0022】
図3に例示するように、処方箋画像GSは、複数の記載領域Aを含む。具体的には、処方箋画像GSは、公費負担に関する情報が記載された記載領域A1と、保険に関する情報が記載された記載領域A2と、患者に関する情報が記載された記載領域A3と、医療機関に関する情報が記載された記載領域A4と、処方する薬剤に関する情報が記載された記載領域A5と、を含む。各記載領域Aは、1または複数の記載欄を含む。各記載欄は、当該記載欄に記載された項目の名称である項目名称KMと、当該記載欄に記載された記載内容KSと、を含む。ここで、記載内容KSは、例えば、医師が患者に対して薬剤を処方するタイミングで、当該医師により記載される。また、項目名称KMは、例えば、医師法等により予め定められた名称である。
なお、本実施形態において、処方箋認識システムSysが取り扱うことのできる処方箋は、
図3に例示する処方箋画像GSで表されるフォーマットを有する処方箋に限定されない。本実施形態において、処方箋認識システムSysは、医師法等に規定されたフォーマットを有する任意の処方箋を取り扱うことができることとする。
【0023】
図3に例示するように、記載領域A5には、医師が処方した薬剤に関する情報が記載される。具体的には、記載領域A5は、医師が処方した薬剤の名称に係る記載内容KS(以下、記載名称AMと称する)と、医師が処方した薬剤の用量に係る記載内容KS(以下、記載用量AQと称する)と、医師が処方した薬剤の服用期間に係る記載内容KS(以下、記載期間ARと称する)と、を有する。
【0024】
なお、医師が複数の種類の薬剤を処方した場合、
図3に例示するように、記載領域A5には、当該複数の種類の薬剤と1対1に対応する複数の記載名称AMと、当該複数の種類の薬剤と1対1に対応する複数の記載用量AQと、当該複数の種類の薬剤と1対1に対応する複数の記載期間ARと、が記載される。本実施形態では、医師が処方した薬剤の種類が、M種類の場合を想定する。ここで、値Mは、1以上の自然数である。また、以下では、医師が処方したM種類の薬剤のうち、m番目の薬剤を、薬剤Md[m]と称することがある。ここで、変数mは、1≦m≦Mを満たす自然数である。また、以下では、薬剤Md[m]に対応する記載名称AMを、記載名称AM[m]と称し、薬剤Md[m]に対応する記載用量AQを、記載用量AQ[m]と称し、薬剤Md[m]に対応する記載期間ARを、記載期間AR[m]と称する。また、以下では、記載用量AQ[m]と記載期間AR[m]とを含む記載を、記載用法AN[m]と称する場合がある。
【0025】
なお、
図3では、M=3の場合を例示している。すなわち、
図3では、医師が3種類の薬剤を処方した場合を例示している。そして、
図3では、医師が処方した3種類の薬剤Md[1]~Md[3]のうち、薬剤Md[1]に対応する記載名称AM[1]が、「ビタミンAAA 100mg」であり、薬剤Md[1]に対応する記載用量AQ[1]が、「1回3錠 1日3回」であり、薬剤Md[1]に対応する記載期間AR[1]が、「10日分」であり、薬剤Md[2]に対応する記載名称AM[2]が、「ミネラルBBB 150mg」であり、薬剤Md[2]に対応する記載用量AQ[2]が、「1回1錠 1日3回」であり、薬剤Md[2]に対応する記載期間AR[2]が、「10日分」であり、薬剤Md[2]に対応する記載名称AM[3]が、「カルシウムCCC 50mg」であり、薬剤Md[2]に対応する記載用量AQ[3]が、「1回7錠 1日7回」であり、薬剤Md[2]に対応する記載期間AR[3]が、「70日分」である場合を例示している。
【0026】
説明を、
図2に戻す。
図2に例示するように、処方箋読取装置1は、ステップS1の処方箋撮像処理を実行した後に、文字認識処理を実行する(S2)。ここで、文字認識処理とは、ステップS1の処方箋撮像処理において生成した処方箋画像情報JGSの示す処方箋画像GSに含まれる文字を認識し、当該認識結果を示す処方箋文字情報JSを生成する処理である。
【0027】
なお、処方箋文字情報JSは、薬剤名称文字情報JM[1]~JM[M]と、処方用量文字情報JQ[1]~JQ[M]と、処方期間文字情報JR[1]~JR[M]と、を含む情報である(後述する
図4及び
図12を参照)。
ここで、薬剤名称文字情報JM[m]は、処方箋画像GSのうち、医師が処方した薬剤Md[m]に関する記載名称AM[m]の認識結果である薬剤名称文字列LM[m]を示す情報である。また、処方用量文字情報JQ[m]は、処方箋画像GSのうち、医師が処方した薬剤Md[m]に関する記載用量AQ[m]の認識結果である処方用量文字列LQ[m]を示す情報である。また、処方期間文字情報JR[m]は、処方箋画像GSのうち、医師が処方した薬剤Md[m]に関する記載期間AR[m]の認識結果である処方期間文字列LR[m]を示す情報である。
以下では、処方用量文字情報JQ[m]、及び、処方期間文字情報JR[m]からなる情報を、処方内容文字情報JN[m]と称する場合がある。また、以下では、処方内容文字情報JN[m]の示す文字列を、処方内容文字列LN[m]と称する場合がある。また、以下では、薬剤名称文字情報JM[m]、及び、処方内容文字情報JN[m]からなる情報を、薬剤文字情報JP[m]と称する場合がある。なお、以上の説明からも明らかなように、処方箋文字情報JSは、薬剤文字情報JP[1]~JP[M]を含む。
【0028】
図2に例示するように、処方箋読取装置1は、ステップS2において生成された処方箋文字情報JSを、処方箋確認装置3に対して送信する(S3)。
【0029】
次に、処方箋確認装置3は、ステップS3において処方箋読取装置1から送信された処方箋文字情報JSを取得し、当該取得した処方箋文字情報JSに含まれる薬剤名称文字情報JM[1]~JM[M]を、薬剤データベースサーバ7に対して送信する(S4)。
【0030】
なお、薬剤データベースサーバ7は、処方箋に記載される可能性のある複数の種類の薬剤と1対1に対応する複数の薬剤情報JYを記憶している。ここで、「処方箋に記載される可能性のある複数の種類の薬剤」とは、例えば、世界において実在する全ての種類の薬剤であってもよいし、日本国内で入手可能な全ての種類の薬剤であってもよいし、または、処方箋を発行した医師の所属する医療機関において処方する可能性のある全ての種類の薬剤であってもよい。
そして、薬剤データベースサーバ7は、処方箋読取装置1で読み取られた薬剤名称文字情報JM[1]~JM[M]を取得すると、各薬剤名称文字情報JM[m]に対応する1または複数の薬剤情報JYを、処方箋確認装置3に対して送信する(S5)。
【0031】
なお、詳細は
図13において後述するが、薬剤情報JYは、薬剤の名称に関する薬剤名称情報JYMと、薬剤の使用方法に関する薬剤使用方法情報JYSと、薬剤の併用禁忌薬等に関する併用薬剤情報JYHと、を含む。
ここで、薬剤名称情報JYMは、薬剤情報JYに対応する薬剤の名称である、薬剤名称YMを示す情報である。また、薬剤使用方法情報JYSは、薬剤情報JYに対応する薬剤の使用方法を示す情報であり、当該薬剤の用量の上限値である上限用量YQを示す上限用量情報JYQと、当該薬剤の使用期間の上限値である上限期間YRを示す上限期間情報JYRと、を含む。また、併用薬剤情報JYHは、薬剤情報JYに対応する薬剤の併用禁忌薬YKの薬剤IDを示す併用禁忌薬情報JYKと、薬剤情報JYに対応する薬剤の併用注意薬YCの薬剤IDを示す併用注意薬情報JYCと、を含む。
【0032】
図2に例示するように、処方箋確認装置3は、ステップS5において薬剤データベースサーバ7から送信された1または複数の薬剤情報JYを取得する。なお、以下では、ステップS5において薬剤データベースサーバ7から送信された薬剤情報JYを、「特定薬剤情報」と称する場合がある。
【0033】
そして、処方箋確認装置3は、薬剤データベースサーバ7から、薬剤名称文字情報JM[1]~JM[M]に対応する1または複数の薬剤情報JYを取得すると、用量判定処理を実行する(S6)。
ここで、用量判定処理(「第1の判定処理」の一例)とは、文字認識処理(S2)において処方箋から認識された薬剤の処方用量が、薬剤データベースサーバ7から取得された薬剤情報JYの示す上限用量YQに照らして適切か否かを判定する処理である。具体的には、処方箋確認装置3は、ステップS6の用量判定処理において、文字認識処理(S2)において生成された処方箋文字情報JSに含まれる処方用量文字列LQ[m]が、薬剤データベースサーバ7から取得した薬剤情報JYの示す上限用量YQ以下の用量を表しているか否かを判定する。
【0034】
また、処方箋確認装置3は、薬剤データベースサーバ7から、薬剤名称文字情報JM[1]~JM[M]に対応する1または複数の薬剤情報JYを取得すると、期間判定処理を実行する(S7)。
ここで、期間判定処理とは、文字認識処理において処方箋から認識された薬剤の処方期間が、薬剤データベースサーバ7から取得された薬剤情報JYの示す上限期間YRに照らして適切か否かを判定する処理である。具体的には、処方箋確認装置3は、ステップS6の用量判定処理において、文字認識処理において生成された処方箋文字情報JSに含まれる処方期間文字列LR[m]が、薬剤データベースサーバ7から取得した薬剤情報JYの示す上限期間YR以下の期間を表しているか否かを判定する。
【0035】
また、処方箋確認装置3は、薬剤データベースサーバ7から、薬剤名称文字情報JM[1]~JM[M]に対応する1または複数の薬剤情報JYを取得すると、併用判定処理を実行する(S8)。
ここで、併用判定処理(「第2の判定処理」の一例)とは、処方箋に複数の薬剤が記載されている場合に、当該処方箋に記載された複数の薬剤の飲み合わせが、薬剤データベースサーバ7から取得された薬剤情報JYの示す併用薬剤情報JYHに照らして適切か否かを判定する処理である。具体的には、処方箋確認装置3は、ステップS7の併用判定処理において、処方箋に記載された複数の薬剤の中に、併用禁忌とされる複数の薬剤の組みが含まれていないこと、及び、処方箋に記載された複数の薬剤の中に、併用注意とされる複数の薬剤の組みが含まれていないことを判定する。
【0036】
そして、処方箋確認装置3は、用量判定処理(S6)、期間判定処理(S7)、及び、併用判定処理(S8)を実行した後に、処方内容表示処理を実行する(S9)。
ここで、処方内容表示処理とは、表示部50において、処方箋内容表示画像GHを表示させる処理である。具体的には、処方箋確認装置3は、ステップS8の処方内容表示処理において、文字認識処理(S2)において生成した処方箋文字情報JSと、用量判定処理(S6)における判定結果と、期間判定処理(S7)における判定結果と、併用判定処理(S8)における判定結果と、に基づいて、処方箋内容表示画像GHを示す表示画像情報JGHを生成する。
【0037】
図4は、処方箋内容表示画像GHの一例を示す説明図である。
【0038】
図4に例示するように、処方箋内容表示画像GHには、処方箋画像GSの各記載領域Aに含まれる、項目名称KMが表示される。
また、処方箋内容表示画像GHには、処方箋画像GSの各記載領域Aに含まれる記載内容KSの、文字認識処理(S2)による認識結果である、記載内容文字列KNが表示される。なお、本実施形態では、上述のとおり、記載名称AMに対応する記載内容文字列KNを、薬剤名称文字列LMと称し、記載用量AQに対応する記載内容文字列KNを、処方用量文字列LQと称し、記載期間ARに対応する記載内容文字列KNを、処方期間文字列LRと称する。
【0039】
また、処方箋内容表示画像GHには、ステップS6の用量判定処理における判定結果に応じて、用量注意マークMK1が表示される。具体的には、処方箋確認装置3は、用量判定処理において、処方箋文字情報JSに含まれる処方用量文字列LQ[m]が、薬剤情報JYの示す上限用量YQよりも多い用量を表している場合に、薬剤名称文字列LM[m]に係る薬剤Md[m]に対応する処方用量文字列LQ[m]に関連する位置に、用量注意マークMK1を表示させる。なお、
図4では、処方用量文字列LQ[3]に対応する位置に、用量注意マークMK1が表示される場合を例示している。
【0040】
また、処方箋内容表示画像GHには、ステップS7の期間判定処理における判定結果に応じて、期間注意マークMK2が表示される。具体的には、処方箋確認装置3は、用量判定処理において、処方箋文字情報JSに含まれる処方期間文字列LR[m]が、薬剤情報JYの示す上限期間YRよりも長い期間を表している場合に、薬剤名称文字列LM[m]に係る薬剤Md[m]に対応する処方期間文字列LR[m]に関連する位置に、期間注意マークMK2を表示させる。なお、
図4では、処方期間文字列LR[3]に対応する位置に、期間注意マークMK2が表示される場合を例示している。
【0041】
また、処方箋内容表示画像GHには、ステップS8の併用判定処理における判定結果に応じて、併用注意マークMK3が表示される。具体的には、処方箋確認装置3は、用量判定処理において、薬剤名称文字列LM[1]~LM[M]に対応する薬剤が、薬剤名称文字列LM[m]に対応する薬剤の併用禁忌薬YKを含む場合、または、薬剤名称文字列LM[1]~LM[M]に対応する薬剤が、薬剤名称文字列LM[m]に対応する薬剤の併用注意薬YCを含む場合に、薬剤名称文字列LM[m]に関連する位置に、併用注意マークMK3を表示させる。なお、
図4では、薬剤名称文字列LM[1]に対応する位置と、薬剤名称文字列LM[3]に対応する位置とに、併用注意マークMK3が表示される場合を例示している。
【0042】
また、処方箋内容表示画像GHには、記載内容文字列KNに表示された内容を確定させるための確定ボタンKTBが表示される。
詳細は後述するが、本実施形態において、処方箋確認装置3は、各種情報を入力するための入力部35を具備する。そして、処方箋確認装置3を操作するオペレータは、入力部35を用いて、記載内容文字列KNの内容を修正することができる。また、処方箋確認装置3を操作するオペレータは、入力部35を用いて、確定ボタンKTBを押下することで、記載内容文字列KNの内容を確定させることができる。
【0043】
なお、
図4では、処方箋読取装置1が、文字認識処理において記載名称AM[1]を誤認識し、処方箋画像GSに表示される記載名称AM[1]が、「ビタミンAAA 100mg」であるのに対して、記載名称AM[1]に対応する薬剤名称文字列LM[1]が、「ビタミンDDD 100mg」である場合を例示している。
【0044】
以上のように、本実施形態に係る処方箋確認装置3によれば、文字認識処理における処方箋に表された文字の誤認識、及び、医師により発行された処方箋における記載内容の誤り、等に起因して、薬剤の本来の使用方法に適合しない態様での薬剤の処方がなされようとしている場合に、表示部50に表示される処方箋内容表示画像GHにおいて、用量注意マークMK1、期間注意マークMK2、及び、併用注意マークMK3等による注意喚起がなされる。このため、本実施形態に係る処方箋確認装置3によれば、処方箋読取装置1による処方箋画像GSの認識結果に基づいて薬剤が処方される態様と比較して、薬剤の本来の使用方法に適合しない態様での薬剤の処方がなされるリスクを低減することができる。
【0045】
<3.処方箋認識システムの機能>
以下、
図5乃至
図10を参照しつつ、処方箋読取装置1、処方箋確認装置3、及び、薬剤データベースサーバ7の機能について説明する。
【0046】
図5は、処方箋読取装置1の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0047】
図5に例示するように、処方箋読取装置1は、処方箋読取装置1の各部を制御する制御部11と、各種情報を記憶する記憶部12と、処方箋読取装置1の外部に存在する外部装置との間の通信を実行する通信部13と、処方箋を撮像するための撮像部14と、を備える。
【0048】
図5に例示するように、制御部11は、画像情報取得部111と、文字認識部112と、を備える。
このうち、画像情報取得部111は、撮像部14に処方箋撮像処理(S1)を実行させる。具体的には、画像情報取得部111は、撮像部14を制御して、撮像部14により処方箋を撮像させ、当該撮像の結果として得られる処方箋画像GSを示す処方箋画像情報JGSを、撮像部14から取得する。また、文字認識部112は、文字認識処理(S2)を実行する。具体的には、文字認識部112は、処方箋画像情報JGSの示す処方箋画像GSに含まれる文字を認識し、当該認識結果を示す処方箋文字情報JSを生成する。この文字認識部112による文字認識には、種々の方法を適用できるが、一例として、光学文字認識(OCR:Optical character recognition)による方法を適用できる。
【0049】
図5に例示するように、記憶部12は、学習モデルNNと、処方箋情報JSSと、画像情報取得部111が撮像部14から取得した処方箋画像情報JGSと、文字認識部112が生成した処方箋文字情報JSと、処方箋読取装置1の各部を制御するための制御プログラムPG1と、を記憶している。
【0050】
このうち、学習モデルNNは、例えば、多層ニューラルネットワークであり、文字を含む画像と、当該画像に含まれる文字との関係を学習した学習モデルである。本実施形態において、文字認識部112は、当該学習モデルNNを用いて、処方箋画像GSに含まれる文字を認識する。これにより、本実施形態の一例として、前述した文字認識部112と、この記憶部12とにより、AI(Artificial Intelligence)-OCRが構成される。
なお、記憶部12は、処方箋読取装置1が、処方箋撮像処理(ステップS1)及び文字認識処理(ステップS2)の対象とすることのできる処方箋が複数種類存在する場合には、当該複数種類の処方箋と1対1に対応する複数の処方箋情報JSSを記憶していることとする。なお、処方箋情報JSSについては、後述する。
【0051】
図6は、処方箋読取装置1のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【0052】
図6に例示するように、処方箋読取装置1は、処方箋読取装置1の各部を制御するプロセッサ1001と、各種情報を記憶する記憶装置1002と、処方箋読取装置1の外部に存在する外部装置との通信を行うための通信装置1003と、処方箋を撮像するための撮像装置1004と、を備える。
【0053】
このうち、記憶装置1002は、プロセッサ1001の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、制御プログラムPG1等の各種情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含み、記憶部12としての機能を提供する。
また、プロセッサ1001は、例えば、1または複数のCPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。プロセッサ1001は、記憶装置1002に記憶された制御プログラムPG1を実行し、当該制御プログラムPG1に従って動作することで、制御部11として機能する。なお、プロセッサ1001は、1または複数のCPUに加え、または、1または複数のCPUのうち一部または全部に替えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の、ハードウェアを含んで構成されるものであってもよい。この場合、プロセッサ1001により実現される制御部11の一部または全部は、DSP等のハードウェアにより実現されてもよい。
また、通信装置1003は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方または双方を介して、処方箋読取装置1の外部に存在する外部装置との通信を行うためのハードウェアであり、通信部13としての機能を提供する。
また、撮像装置1004は、カメラまたはイメージスキャナ等、光学的な手段により処方箋を撮像するためのハードウェアであり、撮像部14としての機能を提供する。
【0054】
図7は、処方箋確認装置3の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0055】
図7に例示するように、処方箋確認装置3は、処方箋確認装置3の各部を制御する制御部31と、各種情報を記憶する記憶部32と、処方箋確認装置3の外部に存在する外部装置との間の通信を実行する通信部33と、処方箋確認装置3のユーザによる操作を受け付けるための入力部35と、を備える。
【0056】
図7に例示するように、制御部31は、文字情報取得部311と、薬剤情報取得部312と、処方内容判定部313と、判定結果出力部314と、を備える。
このうち、文字情報取得部311は、処方箋読取装置1から、処方箋文字情報JSを取得する。また、薬剤情報取得部312は、薬剤データベースサーバ7から、1または複数の薬剤情報JYを取得する。また、処方内容判定部313(「判定部」の一例)は、用量判定処理と、期間判定処理と、併用判定処理とを、実行する。また、判定結果出力部314(「出力部」の一例)は、処方内容表示処理を実行する。
【0057】
図7に例示するように、記憶部32は、文字情報取得部311が処方箋読取装置1から取得した処方箋文字情報JSと、薬剤情報取得部312が薬剤データベースサーバ7から取得した1または複数の薬剤情報JYと、処方箋確認装置3の各部を制御するための制御プログラムPG3と、を記憶している。
【0058】
図8は、処方箋確認装置3のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【0059】
図8に例示するように、処方箋確認装置3は、処方箋確認装置3の各部を制御するプロセッサ3001と、各種情報を記憶する記憶装置3002と、処方箋確認装置3の外部に存在する外部装置との通信を行うための通信装置3003と、処方箋確認装置3のユーザによる操作を受け付けるための入力装置3005と、を備える。
【0060】
このうち、記憶装置3002は、プロセッサ3001の作業領域として機能するRAM等の揮発性メモリと、制御プログラムPG3等の各種情報を記憶するEEPROM等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含み、記憶部32としての機能を提供する。
また、プロセッサ3001は、例えば、1または複数のCPUを含んで構成される。プロセッサ3001は、記憶装置3002に記憶された制御プログラムPG3を実行し、当該制御プログラムPG3に従って動作することで、制御部31として機能する。なお、プロセッサ3001は、1または複数のCPUに加え、または、1または複数のCPUのうち一部または全部に替えて、GPU、DSP、または、FPGA等の、ハードウェアを含んで構成されるものであってもよい。この場合、プロセッサ3001により実現される制御部31の一部または全部は、DSP等のハードウェアにより実現されてもよい。
また、通信装置3003は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方または双方を介して、処方箋確認装置3の外部に存在する外部装置との通信を行うためのハードウェアであり、通信部33としての機能を提供する。
また、入力装置3005は、例えば、キーボード、タッチパネル、及び、マウス等の1または複数のデバイスを含み、処方箋確認装置3のユーザの操作を受け付ける入力部35としての機能を提供する。
【0061】
図9は、薬剤データベースサーバ7の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0062】
図9に例示するように、薬剤データベースサーバ7は、薬剤データベースサーバ7の各部を制御する制御部71と、各種情報を記憶する記憶部72と、薬剤データベースサーバ7の外部に存在する外部装置との間の通信を実行する通信部73と、を備える。
このうち、記憶部72は、処方箋に記載される可能性のある複数の種類の薬剤と1対1に対応する複数の薬剤情報JYが格納された薬剤一覧情報テーブルTBL7と、薬剤データベースサーバ7の各部を制御するための制御プログラムPG7と、を記憶している。
また、制御部71は、処方箋確認装置3からの要求に応じて、薬剤一覧情報テーブルTBL7から薬剤情報JYを取得し、取得した薬剤情報JYが、処方箋確認装置3に対して送信されるように通信部73を制御する。
【0063】
図10は、薬剤データベースサーバ7のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【0064】
図10に例示するように、薬剤データベースサーバ7は、薬剤データベースサーバ7の各部を制御するプロセッサ7001と、各種情報を記憶する記憶装置7002と、薬剤データベースサーバ7の外部に存在する外部装置との通信を行うための通信装置7003と、を備える。
【0065】
このうち、記憶装置7002は、プロセッサ7001の作業領域として機能するRAM等の揮発性メモリと、制御プログラムPG7等の各種情報を記憶するEEPROM等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含み、記憶部72としての機能を提供する。
また、プロセッサ7001は、例えば、1または複数のCPUを含んで構成される。プロセッサ7001は、記憶装置7002に記憶された制御プログラムPG7を実行し、当該制御プログラムPG7に従って動作することで、制御部71として機能する。
また、通信装置7003は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方または双方を介して、薬剤データベースサーバ7の外部に存在する外部装置との通信を行うためのハードウェアであり、通信部73としての機能を提供する。
また、薬剤データベースサーバ7は、通信装置7003により有線ネットワークまたは無線ネットワークの何れか一方または双方を介して、外部装置等との通信を行い、外部装置等から最新の薬剤情報JYを取得して薬剤一覧情報テーブルTBL7を更新する。
【0066】
<4.処方箋認識システムにおいて存在するデータ>
以下、
図11乃至
図13を参照しつつ、処方箋認識システムSysにおいて存在する各種データについて説明する。
【0067】
図11は、処方箋情報JSSのデータ構成の一例を示す説明図である。ここで、処方箋情報JSSとは、処方箋のフォーマットに関する情報である。
【0068】
図11に例示するように、処方箋情報JSSは、処方箋の有する複数の記載内容KSと1対1に対応する複数のレコードを有する。処方箋情報JSSの各レコードは、項目IDと、項目名称情報JKMと、項目名称位置情報と、記載内容位置情報と、を有する。
【0069】
このうち、項目IDとは、処方箋における複数の記載内容KSの中から、各記載内容KSを識別するための情報である。また、項目名称情報JKMとは、記載内容KSに対応する項目名称KMを示す情報である。また、項目名称位置情報とは、記載内容KSに対応する項目名称KMの、処方箋における表示位置(例えば、始点の座標と終点の座標)を示す情報である。また、記載内容位置情報とは、記載内容KSの、処方箋における表示位置(例えば、始点の座標と終点の座標)を示す情報である。
【0070】
図12は、処方箋文字情報JSのデータ構成の一例を示す説明図である。なお、処方箋文字情報JSとは、上述のとおり、処方箋を撮像して得られた処方箋画像GSの認識結果を示す情報である。
【0071】
図12に例示するように、処方箋文字情報JSは、文字認識処理(ステップS2)により処方箋から認識された複数の記載内容文字列KNと1対1に対応する複数のレコードを有する。処方箋文字情報JSの各レコードは、項目IDと、項目名称情報JKMと、記載内容情報JKNと、類似度情報と、を有する。
【0072】
このうち、記載内容情報JKNとは、項目IDに対応する記載内容KSを文字認識処理により認識した結果である、記載内容文字列KNを示す情報である。なお、上述のとおり、記載内容文字列KNが薬剤名称文字列LM[m]である場合に、当該記載内容文字列KNを示す記載内容情報JKNを、薬剤名称文字情報JM[m]と称し、記載内容文字列KNが処方用量文字列LQ[m]である場合に、当該記載内容文字列KNを示す記載内容情報JKNを、処方用量文字情報JQ[m]と称し、記載内容文字列KNが処方期間文字列LR[m]である場合に、当該記載内容文字列KNを示す記載内容情報JKNを、処方期間文字情報JR[m]と称する。そして、上述のとおり、薬剤名称文字情報JM[m]、処方用量文字情報JQ[m]、及び、処方期間文字情報JR[m]を含む情報を、薬剤文字情報JP[m]と称する。
なお、
図12では、
図3に示す記載名称AM[1]が、「ビタミンAAA 100mg」であるのに対して、当該記載名称AM[1]に対応する記載内容文字列KNである薬剤名称文字列LM[1]が、「ビタミンDDD 100mg」である場合を例示している。
【0073】
また、類似度情報とは、記載内容KSとして表される文字列と、記載内容文字列KNとの、類似度を示す情報である。すなわち、類似度情報の示す類似度が高い場合、記載内容KSとして表される文字列と、当該記載内容KSとして表される文字列を文字認識処理により認識した結果である記載内容文字列KNとの、一致する可能性が高くなる。
【0074】
図13は、薬剤一覧情報テーブルTBL7のデータ構成の一例を示す説明図である。
【0075】
図13に例示するように、薬剤一覧情報テーブルTBL7は、処方箋に記載される可能性のある複数の種類の薬剤に1対1に対応する、複数のレコードを有する。薬剤一覧情報テーブルTBL7の各レコードは、薬剤IDと、薬剤情報JYと、を含む。
【0076】
ここで、薬剤IDとは、処方箋に記載される可能性のある複数の種類の薬剤の中から、各種類の薬剤を特定するための情報である。
また、薬剤情報JYとは、上述のとおり、薬剤名称情報JYMと、薬剤使用方法情報JYSと、併用薬剤情報JYHと、を含む情報である。また、薬剤名称情報JYMとは、上述のとおり、薬剤名称YMを示す情報である。また、薬剤使用方法情報JYSとは、上述のとおり、上限用量YQを示す上限用量情報JYQと、上限期間YRを示す上限期間情報JYRと、を含む情報である。また、併用薬剤情報JYHとは、上述のとおり、併用禁忌薬YKを示す併用禁忌薬情報JYKと、併用注意薬YCを示す併用注意薬情報JYCと、を含む情報である。
なお、薬剤情報JYは、例えば、薬剤情報JYに対応する薬剤を製造した製薬会社により提供された情報であってもよい。
【0077】
本実施形態において、薬剤データベースサーバ7は、上述した
図2のステップS5において、薬剤名称文字情報JM[m]の示す薬剤名称文字列LM[m]に一致する薬剤名称YMが存在する場合、当該薬剤名称YMに対応する薬剤情報JYを、特定薬剤情報として、処方箋確認装置3に送信する。換言すれば、薬剤情報取得部312は、ステップS5において、薬剤名称文字情報JM[m]の示す薬剤名称文字列LM[m]に一致する薬剤名称YMが存在する場合、当該薬剤名称YMに対応する薬剤情報JYを、特定薬剤情報として取得する。
他方、薬剤データベースサーバ7は、ステップS5において、薬剤名称文字情報JM[m]の示す薬剤名称文字列LM[m]に一致する薬剤名称YMが存在しない場合、複数の薬剤情報JYのうち、薬剤名称文字列LM[m]との類似度が所定の類似度以上の薬剤名称YMに対応する、1または複数の薬剤情報JYの各々を、特定薬剤情報として、処方箋確認装置3に送信する。換言すれば、薬剤情報取得部312は、ステップS5において、薬剤名称文字情報JM[m]の示す薬剤名称文字列LM[m]に一致する薬剤名称YMが存在しない場合、複数の薬剤情報JYのうち、薬剤名称文字列LM[m]との類似度が所定の類似度以上の薬剤名称YMに対応する、1または複数の薬剤情報JYの各々を、特定薬剤情報として取得する。
例えば、
図12に示すように、処方箋読取装置1が認識した薬剤名称文字列LM[1]は、「ビタミンDDD 100mg」であるが、
図13に示す複数の薬剤名称YMの中には、「ビタミンDDD 100mg」と一致する薬剤名称YMが存在しない。処方箋確認装置3は、薬剤名称文字列LM[1]である「ビタミンDDD 100mg」との類似度が、所定の類似度以上となる複数の薬剤名称YMを、例えば、薬剤名称文字列LM[1]である「ビタミンDDD 100mg」に対する類似度の高い順番で、薬剤一覧情報テーブルTBL7から取得する。本実施形態では、薬剤名称文字列LM[1]である「ビタミンDDD 100mg」と、薬剤名称YMである「ビタミンAAA 100mg」との類似度が、所定の類似度以上であることとする。また、本実施形態では、薬剤名称文字列LM[1]である「ビタミンDDD 100mg」と、薬剤名称YMである「タンパク質DDD 80mg」との類似度が、所定の類似度以上であることとする。また、本実施形態では、薬剤一覧情報テーブルTBL7において、薬剤名称文字列LM[1]である「ビタミンDDD 100mg」との類似度が、所定の類似度以上となる薬剤名称YMが、「ビタミンAAA 100mg」及び「タンパク質DDD 80mg」以外には存在しないこととする。その結果、薬剤情報取得部312は、「ビタミンDDD 100mg」との類似度が、所定の類似度以上となる、「ビタミンAAA 100mg」に対応する薬剤情報JYと、「タンパク質DDD 80mg」に対応する薬剤情報JYとの各々を、薬剤名称文字列LM[1]に対応する特定薬剤情報として取得する。
【0078】
以下では、薬剤名称文字列LM[m]に対応する特定薬剤情報の個数を、「Qm個」と称する。ここで、値Qmは、1以上の自然数である。また、以下では、薬剤名称文字列LM[m]に対応するQm個の特定薬剤情報を、薬剤情報JY[m][1]~JY[m][Qm]と称する。また、以下では、薬剤名称文字列LM[m]に対応するQm個の特定薬剤情報のうち、qm番目の特定薬剤情報を、薬剤情報JY[m][qm]と称する。ここで、値qmは、1≦qm≦Qmを満たす自然数である。また、以下では、薬剤一覧情報テーブルTBL7に記憶されている各種情報及び各種値のうち、薬剤情報JY[m][qm]に含まれる情報、または、薬剤情報JY[m][qm]に含まれる情報の示す値に対して、添え字[m][qm]を付することとする。
例えば、
図12及び
図13では、薬剤名称文字列LM[1](=「ビタミンDDD 100mg」)に対応する特定薬剤情報が、薬剤名称YM[1][1](=「ビタミンAAA 100mg」に対応する薬剤情報JY[1][1]と、薬剤名称YM[1][2](=「タンパク質DDD 80mg」に対応する薬剤情報JY[1][2]との、2個である場合、すなわち、「Qm=2」である場合を示している。
【0079】
<5.処方箋確認装置の動作>
以下、
図14乃至
図17を参照しつつ、処方箋確認装置3の動作について説明する。
【0080】
図14は、
図2のステップS6に示す用量判定処理が実行される場合の、処方箋確認装置3の動作の一例を示すフローチャートである。
【0081】
図14に例示するように、用量判定処理が開始されると、処方内容判定部313は、変数mに「1」を設定する(S101)。
次に、処方内容判定部313は、変数qmに「1」を設定する(S103)。
【0082】
次に、処方内容判定部313は、処方用量文字列LQ[m]の表す処方用量が、上限用量YQ[m][qm]以下であるか否かを判定する(S105)。
ステップS105における判定の結果が肯定の場合、処方内容判定部313は、変数qmが「qm=Qm」を満たすか否かを判定する(S107)。
そして、ステップS107における判定の結果が否定の場合、処方内容判定部313は、変数qmに「1」を加算して(S109)、処理をステップS105に進める。
他方、ステップS107における判定の結果が肯定の場合、処方内容判定部313は、処理をステップS113に進める。
また、ステップS105における判定の結果が否定の場合、判定結果出力部314は、用量不正通知情報IF1[m]を出力し(S111)、処理をステップS113に進める。なお、判定結果出力部314は、用量不正通知情報IF1[m]を出力することで、処方箋内容表示画像GHの処方用量文字列LQ[m]に対応する位置に、用量注意マークMK1を表示させる。なお、判定結果出力部314は、用量不正通知情報IF1[m]が出力された場合、用量不正通知情報IF1[m]が出力されないときと比較して、処方用量文字列LQ[m]の文字色やフォント等の表示態様を変化させてもよい。
【0083】
次に、処方内容判定部313は、変数mが「m=M」を満たすか否かを判定する(S113)。
そして、ステップS113における判定の結果が否定の場合、処方内容判定部313は、変数mに「1」を加算して(S115)、処理をステップS103に進める。
他方、ステップS113における判定の結果が肯定の場合、制御部31は、用量判定処理を終了させる。
【0084】
このように、本実施形態に係る用量判定処理(ステップS6)によれば、仮に、文字認識処理(ステップS2)による記載名称AM[m]の認識の精度が低く、処方箋読取装置1による記載名称AM[m]の認識結果である薬剤名称文字列LM[m]が、不正確な薬剤名称である場合において、記載名称AM[m]の認識結果である薬剤名称文字列LM[m]から類推し得る全ての薬剤名称YM[m][1]~YM[m][Qm]に対応する、Qm個の上限用量情報JYQ[m][1]~JYQ[m][Qm]を用いて、処方箋に記載された記載用量AQ[m]から類推される処方用量文字列LQ[m]の示す処方用量が適正か否かを判定する。このため、本実施形態によれば、処方箋読取装置1による記載名称AM[m]の認識結果である薬剤名称文字列LM[m]に誤りがある場合であっても、記載名称AM[m]に対応する薬剤が過剰に処方されることを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、仮に、医師等による処方箋への入力ミスがあり、薬剤名称文字列LM[m]に対応する薬剤Md[m]が、本来患者に処方すべき薬剤の名称を正確に表していない場合において、薬剤名称文字列LM[m]から類推し得る全ての薬剤名称YM[m][1]~YM[m][Qm]に対応する、Qm個の上限用量情報JYQ[m][1]~JYQ[m][Qm]を用いて、処方箋に記載された記載用量AQ[m]から類推される処方用量文字列LQ[m]の示す処方用量が適正か否かを判定する。このため、本実施形態にいよれば、医師による処方箋への入力ミス等、処方箋における記載名称AM[m]の記載に誤りがある場合であっても、記載名称AM[m]に対応する薬剤が過剰に処方されることを抑制することができる。
【0085】
図15は、
図2のステップS7に示す期間判定処理が実行される場合の、処方箋確認装置3の動作の一例を示すフローチャートである。なお、
図15のフローチャートに示す処理は、ステップS105の処理の代わりに、ステップS205の処理を実行する点と、ステップS111の処理の代わりに、ステップS211の処理を実行する点とを除き、
図14のフローチャートに示す処理と同様である。
【0086】
図15に例示するように、期間判定処理において、処方内容判定部313は、処方期間文字列LR[m]の表す処方期間が、上限期間YR[m][qm]以下であるか否かを判定する(S205)。
また、ステップS205における判定の結果が否定の場合、判定結果出力部314は、期間不正通知情報IF2[m]を出力する(S211)。なお、判定結果出力部314は、期間不正通知情報IF2[m]を出力することで、処方箋内容表示画像GHの処方期間文字列LR[m]に対応する位置に、期間注意マークMK2を表示させる。なお、判定結果出力部314は、期間不正通知情報IF2[m]が出力された場合、期間不正通知情報IF2[m]が出力されないときと比較して、処方期間文字列LR[m]の文字色やフォント等の表示態様を変化させてもよい。
なお、他の処理は、
図14に示す用量判定処理と同様であるので、説明を省略する。
【0087】
このように、本実施形態に係る期間判定処理によれば、仮に、文字認識処理による記載名称AM[m]の認識の精度が低く、処方箋読取装置1による記載名称AM[m]の認識結果である薬剤名称文字列LM[m]が、不正確な薬剤名称である場合において、記載名称AM[m]の認識結果である薬剤名称文字列LM[m]から類推し得る全ての薬剤名称YM[m][1]~YM[m][Qm]に対応する、Qm個の上限期間情報JYR[m][1]~JYR[m][Qm]を用いて、処方箋に記載された記載用量AQ[m]から類推される処方期間文字列LR[m]の示す処方期間が適正か否かを判定する。このため、本実施形態によれば、処方箋読取装置1による記載名称AM[m]の認識結果である薬剤名称文字列LM[m]に誤りがある場合であっても、記載名称AM[m]に対応する薬剤が上限期間を超えて処方されることを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、仮に、医師等による処方箋への入力ミスがあり、薬剤名称文字列LM[m]に対応する薬剤が、本来患者に処方すべき薬剤の名称を正確に表していない場合において、薬剤名称文字列LM[m]から類推し得る全ての薬剤名称YM[m][1]~YM[m][Qm]に対応する、Qm個の上限期間情報JYR[m][1]~JYR[m][Qm]を用いて、処方箋に記載された記載用量AQ[m]から類推される処方期間文字列LR[m]の示す処方期間が適正か否かを判定する。このため、本実施形態にいよれば、医師による処方箋への入力ミス等、処方箋における記載名称AM[m]の記載に誤りがある場合であっても、記載名称AM[m]に対応する薬剤が上限期間を超えて処方されることを抑制することができる。
【0088】
図16及び
図17は、
図2のステップS8に示す併用判定処理が実行される場合の、処方箋確認装置3の動作の一例を示すフローチャートである。
【0089】
図16に例示するように、併用判定処理が開始されると、処方内容判定部313は、変数mに「1」を設定する(S301)。次に、処方内容判定部313は、変数qmに「1」を設定する(S303)。また、処方内容判定部313は、変数nに「1」を設定する(S305)。また、処方内容判定部313は、変数qnに「1」を設定する(S307)。
【0090】
そして、処方内容判定部313は、併用禁忌薬情報JYK[m][qm]の示す併用禁忌薬YK[m][qm]の全てが、薬剤名称文字列LM[n][qn]の表す薬剤と不一致であるか否かを判定する(S309)。
ステップS309における判定の結果が肯定の場合、処方内容判定部313は、併用注意薬情報JYC[m][qm]の示す併用注意薬YC[m][qm]の全てが、薬剤名称文字列LM[n][qn]の表す薬剤と不一致であるか否かを判定する(S311)。
【0091】
ステップS309における判定の結果が否定の場合、または、ステップS311における判定の結果が否定の場合、判定結果出力部314は、併用不正通知情報IF3[m]を出力し(S313)、処理をステップS333に進める。なお、判定結果出力部314は、併用不正通知情報IF3[m]を出力することで、処方箋内容表示画像GHの薬剤名称文字列LM[m]に対応する位置に、併用注意マークMK3を表示させる。なお、判定結果出力部314は、併用不正通知情報IF3[m]が出力された場合、併用不正通知情報IF3[m]が出力されないときと比較して、薬剤名称文字列LM[m]の文字色やフォント等の表示態様を変化させてもよい。
【0092】
図17に例示するように、ステップS311における判定の結果が肯定の場合、処方内容判定部313は、変数qnが「qn=Qn」を満たすか否かを判定する(S321)。ここで、値Qnは、薬剤名称文字列LM[n]に対応する特定薬剤情報の個数である。
そして、ステップS321における判定の結果が否定の場合、処方内容判定部313は、変数qnに「1」を加算して(S323)、処理をステップS309に進める。
他方、ステップS321における判定の結果が肯定の場合、処方内容判定部313は、処理をステップS325に進める。
【0093】
次に、処方内容判定部313は、変数nが「n=M」を満たすか否かを判定する(S325)。
そして、ステップS325における判定の結果が否定の場合、処方内容判定部313は、変数nに「1」を加算して(S327)、処理をステップS307に進める。
他方、ステップS325における判定の結果が肯定の場合、処方内容判定部313は、処理をステップS329に進める。
【0094】
次に、処方内容判定部313は、変数qmが「qm=Qm」を満たすか否かを判定する(S329)。
そして、ステップS329における判定の結果が否定の場合、処方内容判定部313は、変数qmに「1」を加算して(S331)、処理をステップS305に進める。
他方、ステップS329における判定の結果が肯定の場合、処方内容判定部313は、処理をステップS333に進める。
【0095】
次に、処方内容判定部313は、変数mが「m=M」を満たすか否かを判定する(S333)。
そして、ステップS333における判定の結果が否定の場合、処方内容判定部313は、変数mに「1」を加算して(S335)、処理をステップS303に進める。
他方、ステップS333における判定の結果が肯定の場合、制御部31は、併用判定処理を終了させる。
【0096】
このように、本実施形態に係る併用判定処理によれば、仮に、文字認識処理による記載名称AM[m]の認識の精度が低く、処方箋読取装置1による記載名称AM[m]の認識結果である薬剤名称文字列LM[m]が、不正確な薬剤名称である場合において、記載名称AM[m]の認識結果である薬剤名称文字列LM[m]から類推し得る全ての薬剤名称YM[m][1]~YM[m][Qm]に対応する、Qm個の併用薬剤情報JYH[m][1]~JYH[m][Qm]を用いて、処方箋に記載された薬の飲み合わせが適正か否かを判定する。このため、本実施形態によれば、処方箋読取装置1による記載名称AM[m]の認識結果である薬剤名称文字列LM[m]に誤りがある場合であっても、不適切な薬の飲み合わせにより薬剤が処方されることを抑制することができる。
また、本実施形態に係る併用判定処理によれば、仮に、医師等による処方箋への入力ミスがあり、薬剤名称文字列LM[m]に対応する薬剤Md[m]が、本来患者に処方すべき薬剤の名称を正確に表していない場合において、薬剤名称文字列LM[m]から類推し得る全ての薬剤名称YM[m][1]~YM[m][Qm]に対応する、Qm個の併用薬剤情報JYH[m][1]~JYH[m][Qm]を用いて、処方箋に記載された薬の飲み合わせが適正か否かを判定する。このため、本実施形態にいよれば、医師による処方箋への入力ミス等、処方箋における記載名称AM[m]の記載に誤りがある場合であっても、不適切な薬の飲み合わせにより薬剤が処方されることを抑制することができる。
【0097】
<6.実施形態の結び>
以上において説明したように、本実施形態において、処方箋確認装置3(「情報処理装置」の一例)は、画像に含まれる文字を認識する文字認識処理により、処方箋に記載された薬剤Md[1](「第1薬剤」の一例)に係る記載名称AM[1](「第1薬剤の名称を示す文字列」の一例)を、薬剤名称文字列LM[1](「第1名称文字列」の一例)として認識し、処方箋に記載された薬剤Md[1]に係る記載用法AN[1](「第1薬剤の処方内容を示す文字列」の一例)を、処方内容文字列LN[1](「第1内容文字列」の一例)として認識する文字認識部112(「認識部」の一例)を有する処方箋読取装置1から、薬剤名称文字列LM[1]及び処方内容文字列LN[1]を示す薬剤文字情報JP[1](「第1文字情報」の一例)を取得する文字情報取得部311と、処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報JYを記憶する記憶部72を有する薬剤データベースサーバ7から、薬剤名称文字列LM[1]に関連する薬剤情報JYを、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部312と、処方内容文字列LN[1]の示す薬剤Md[1]の処方内容が、特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する処方内容判定部313(「判定部」の一例)と、処方内容判定部313による判定の結果に基づく情報を出力する判定結果出力部314(「出力部」の一例)と、を備える、ことを特徴とする。
【0098】
すなわち、本実施形態によれば、処方内容判定部313は、処方箋から文字認識処理により認識された処方内容文字列LN[1]の示す薬剤Md[1]の処方内容が、特定薬剤情報として薬剤データベースサーバ7から取得した薬剤情報JYの示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する。このため、本実施形態によれば、処方箋から文字認識処理により認識された結果に従って薬剤が処方される態様と比較して、文字認識処理における文字の誤認識、または、医師により発行された処方箋における記載内容の誤り等に起因して、本来の薬剤の使用方法に適合しない態様での薬剤の処方がなされる可能性を、抑制することができる。
【0099】
また、本実施形態において、処方箋には、薬剤Md[1]の処方内容として、薬剤Md[1]に係る記載用量AQ[1]が記載され、記憶部72が記憶する複数の薬剤情報JYの各々は、当該薬剤情報JYに対応する薬剤の上限用量YQを示す上限用量情報JYQ(「用量情報」の一例)を含み、処方内容判定部313は、処方内容文字列LN[1]の示す薬剤Md[1]の処方用量が、特定薬剤情報に含まれる上限用量情報JYQの示す上限用量YQ以下であるか否かを判定する用量判定処理(「第1の判定処理」の一例)を行い、判定結果出力部314は、用量判定処理における判定結果が否定の場合に、用量不正通知情報IF1[1](「処方箋に記載された第1薬剤の処方内容に誤りがある旨の情報」の一例)を出力する、ことを特徴とする。
【0100】
すなわち、本実施形態によれば、処方内容判定部313は、処方箋から文字認識処理により認識された処方内容文字列LN[1]の示す薬剤Md[1]の処方用量が、薬剤データベースサーバ7から取得した薬剤情報JYの示す上限用量YQ以下であるか否かを判定する。このため、本実施形態によれば、処方箋から文字認識処理により認識された結果に従って薬剤が処方される態様と比較して、文字認識処理における文字の誤認識、または、医師により発行された処方箋における記載内容の誤り等に起因して、薬剤Md[1]が過剰に処方される可能性を、抑制することができる。
【0101】
また、本実施形態において、処方箋には、薬剤Md[2](「第2薬剤」の一例)に係る記載名称AM[2](「第2薬剤の名称」の一例)が記載され、文字認識部112は、文字認識処理により、処方箋に記載された薬剤Md[2]に係る記載名称AM[2]を、薬剤名称文字列LM[2](「第2名称文字列」の一例)として認識し、文字情報取得部311は、文字認識部112を備える処方箋読取装置1から、薬剤名称文字列LM[2]を示す薬剤文字情報JP[2](「第2文字情報」の一例)を取得し、記憶部72が記憶する複数の薬剤情報JYの各々は、当該薬剤情報JYに対応する薬剤の併用禁忌薬YK及び併用注意薬YCに関する併用薬剤情報JYH(「併用情報」の一例)を含み、処方内容判定部313は、特定薬剤情報に含まれる併用薬剤情報JYHに基づいて、薬剤名称文字列LM[2]に関連する名称を有する薬剤が、薬剤Md[1]の併用禁忌薬YK及び併用注意薬YCの何れにも含まれないことを判定する併用判定処理(「第2の判定処理」の一例)を行い、判定結果出力部314は、併用判定処理における判定結果が否定の場合に、併用不正通知情報IF3[m](「処方箋に記載された第1薬剤の処方内容に誤りがある旨の情報」の一例)を出力する、ことを特徴とする。
【0102】
すなわち、本実施形態によれば、処方内容判定部313は、薬剤名称文字列LM[2]に関連する名称を有する薬剤が、薬剤Md[1]の併用禁忌薬YK及び併用注意薬YCの何れにも含まれないことを判定する。このため、本実施形態によれば、処方箋から文字認識処理により認識された結果に従って薬剤が処方される態様と比較して、不適切な薬の飲み合わせにより薬剤が処方されることを抑制することができる。
【0103】
また、本実施形態において、薬剤情報取得部312は、記憶部72が記憶する複数の薬剤情報JYの中に、薬剤名称文字列LM[1]に一致する薬剤名称YMを含む薬剤情報JYが存在する場合は、当該薬剤情報JYを特定薬剤情報として取得し、記憶部72が記憶する複数の薬剤情報JYの中に、薬剤名称文字列LM[1]に一致する薬剤名称YMを含む薬剤情報JYが存在しない場合は、薬剤名称文字列LM[1]との類似度が所定の類似度以上の薬剤名称YMを含む1または複数の薬剤情報JYの各々を、特定薬剤情報として取得する、ことを特徴とする。
【0104】
すなわち、本実施形態によれば、薬剤情報取得部312は、記載名称AM[1]の認識結果である薬剤名称文字列LM[1]から類推し得る1または複数の薬剤名称YMに対応する、1または複数の薬剤情報JYを取得する。このため、本実施形態によれば、文字認識処理による記載名称AM[1]の認識の精度が低く、処方箋読取装置1による記載名称AM[1]の認識結果である薬剤名称文字列LM[1]が、不正確な薬剤名称である場合においても、本来の薬剤の使用方法に適合しない態様での薬剤の処方がなされる可能性を、抑制することができる。
【0105】
また、本実施形態において、処方内容判定部313は、薬剤情報取得部312が記憶部72から複数の薬剤情報JYに対応する複数の特定薬剤情報を取得した場合、処方内容文字列LN[1]の示す薬剤Md[1]の処方内容が、複数の特定薬剤情報の示す複数の薬剤の使用方法の各々に適合するか否かを判定し、判定結果出力部314は、薬剤情報取得部312が、薬剤Md[1]の処方内容が複数の特定薬剤情報の示す複数の薬剤の使用方法のうち少なくとも1つの薬剤の使用方法に適合しない旨の判定をした場合、処方箋に記載された薬剤Md[1]の処方内容に誤りがある旨の情報を出力する、ことを特徴とする。
【0106】
このため、本実施形態によれば、文字認識処理による記載名称AM[1]の認識の精度が低く、処方箋読取装置1による記載名称AM[1]の認識結果である薬剤名称文字列LM[1]が、不正確な薬剤名称である場合においても、本来の薬剤の使用方法に適合しない態様での薬剤の処方がなされる可能性を、抑制することができる。
【0107】
<7.変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0108】
<変形例1>
上述した実施形態では、画像情報取得部111及び文字認識部112が、処方箋確認装置3の外部に設けられる場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、画像情報取得部111及び文字認識部112の一方または両方が、処方箋確認装置3に設けられてもよい。
【0109】
図18は、本変形例に係る処方箋認識システムSys-Bの概要の一例を説明するための説明図である。
【0110】
図18に例示するように、処方箋認識システムSys-Bは、処方箋確認装置3の代わりに処方箋確認装置3Bを備える点と、処方箋読取装置1を備えない点とを除き、実施形態に係る処方箋認識システムSysと同様に構成されている。
【0111】
図19は、処方箋確認装置3Bの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0112】
図19に例示するように、処方箋確認装置3Bは、制御部31の代わりに制御部31Bを備える点と、記憶部32の代わりに記憶部32Bを備える点と、撮像部14を備える点と、を除き、実施形態に係る処方箋確認装置3と同様に構成されている。
このうち、制御部31Bは、文字情報取得部311の代わりに画像情報取得部111を備える点と、文字認識部112を備える点と、を除き、実施形態に係る制御部31と同様に構成されている。
また、記憶部32Bは、学習モデルNN、処方箋情報JSS、及び、処方箋画像情報JGSを記憶している点と、制御プログラムPG3の代わりに、制御プログラムPG3Bを記憶している点とを除き、実施形態に係る記憶部32と同様に構成されている。
なお、処方箋確認装置3Bのハードウェア構成は、
図8に例示する実施形態に係る処方箋確認装置3のハードウェア構成と同様である。本変形例において、プロセッサ3001は、記憶装置3002に記憶された制御プログラムPG3Bを実行し、当該制御プログラムPG3Bに従って動作することで、制御部31Bとして機能する。
【0113】
以上において説明したように、本変形例において、処方箋確認装置3B(「情報処理装置」の一例)は、処方箋の画像である処方箋画像GSを示す処方箋画像情報JGS(「画像情報」の一例)を取得する画像情報取得部111と、処方箋画像情報JGSに基づいて、処方箋に記載された薬剤Md[1]に係る記載名称AM[1]を、薬剤名称文字列LM[1](「第1名称文字列」の一例)として認識し、処方箋に記載された薬剤Md[1]に係る記載用法AN[1]を、処方内容文字列LN[1](「第1内容文字列」の一例)として認識する文字認識部112(「認識部」の一例)と、処方箋に記載される可能性のある複数の薬剤に対応する複数の薬剤情報JYを記憶する記憶部72を有する薬剤データベースサーバ7から、薬剤名称文字列LM[1]に関連する薬剤情報JYを、特定薬剤情報として取得する薬剤情報取得部312と、処方内容文字列LN[1]の示す薬剤Md[1]の処方内容が、特定薬剤情報の示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する処方内容判定部313(「判定部」の一例)と、処方内容判定部313による判定の結果に基づく情報を出力する判定結果出力部314(「出力部」の一例)と、を備える、ことを特徴とする。
【0114】
すなわち、変形例によれば、処方内容判定部313は、処方箋から文字認識処理により認識された処方内容文字列LN[1]の示す薬剤Md[1]の処方内容が、特定薬剤情報として薬剤データベースサーバ7から取得した薬剤情報JYの示す薬剤の使用方法に適合するか否かを判定する。このため、本実施形態によれば、処方箋から文字認識処理により認識された結果に従って薬剤が処方される態様と比較して、文字認識処理における文字の誤認識、または、医師により発行された処方箋における記載内容の誤り等に起因して、本来の薬剤の使用方法に適合しない態様での薬剤の処方がなされる可能性を、抑制することができる。
【0115】
<変形例2>
上述した実施形態及び変形例1では、薬剤一覧情報テーブルTBL7が、処方箋確認装置3(または、処方箋確認装置3B)の外部に設けられる場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。薬剤一覧情報テーブルTBL7は、例えば、処方箋確認装置3(または、処方箋確認装置3B)の備える、記憶部32(または、記憶部32B)に記憶されてもよい。
【0116】
<変形例3>
上述した実施形態並びに変形例1及び2において、処方内容判定部313は、処方箋に記載された複数の薬剤の中に、併用注意とされる複数の薬剤の組みが含まれていないことを判定するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。処方内容判定部313は、少なくとも、処方箋に記載された複数の薬剤の中に、併用禁忌とされる複数の薬剤の組みが含まれていないことを判定すればよい。
【0117】
<変形例4>
上述した実施形態及び変形例3では、処方箋読取装置1において文字認識処理が実行される場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、文字認識処理は、処方箋読取装置1とは異なる装置において実行されてもよい。
【0118】
図20は、本変形例に係る処方箋認識システムSys-Cの概要の一例を説明するための説明図である。
【0119】
図20に例示するように、処方箋認識システムSys-Cは、処方箋読取装置1の代わりに処方箋読取装置1Cを備える点と、文字認識装置9を備える点と、を除き、実施形態に係る処方箋認識システムSysと同様に構成される。
【0120】
図21は、処方箋認識システムSys-Cが処方箋確認処理を行う場合の、処方箋認識システムSys-Cの動作の概略の一例を示すシーケンスチャートである。
【0121】
図21に示すように、本変形例に係る処方箋認識システムSys-Cにおいて、処方箋確認処理が実行される場合、処方箋読取装置1Cは、処方箋撮像処理を実行する(S1)。
次に、処方箋読取装置1Cは、ステップS1の処方箋撮像処理において生成した処方箋画像情報JGSを、文字認識装置9に送信する(S11)。
そして、文字認識装置9は、処方箋読取装置1Cから供給された処方箋画像情報JGSに基づいて、処方箋画像情報JGSの示す処方箋画像GSに含まれる文字を認識する文字認識処理を実行する(S2)。
その後、文字認識装置9は、ステップS2において生成された処方箋文字情報JSを、処方箋確認装置3に対して送信する(S3)。
なお、ステップS4以降の処理は、実施形態に係る処方箋認識システムSysと同様であるため、説明を割愛する。
【0122】
図22は、処方箋読取装置1Cの構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0123】
図22に例示するように、処方箋読取装置1Cは、制御部11の代わりに制御部11Cを備える点と、記憶部12の代わりに記憶部12Cを備える点と、を除き、実施形態に係る処方箋読取装置1と同様に構成されている。
このうち、制御部11Cは、文字認識部112を備えない点を除き、実施形態に係る制御部11と同様に構成されている。
また、記憶部12Cは、ネットワークNW、処方箋情報JSS、及び、処方箋文字情報JSを記憶していない点と、制御プログラムPG1の代わりに、制御プログラムPG1Cを記憶している点と、を除き、実施形態に係る記憶部12と同様に構成されている。
なお、処方箋読取装置1Cのハードウェア構成は、
図6に例示する実施形態に係る処方箋読取装置1のハードウェア構成と同様である。本変形例において、プロセッサ1001は、記憶装置1002に記憶された制御プログラムPG1Cを実行し、当該制御プログラムPG1Cに従って動作することで、制御部11Cとして機能する。
【0124】
図23は、文字認識装置9の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0125】
図23に例示するように、文字認識装置9は、文字認識装置9の各部を制御する制御部91と、各種情報を記憶する記憶部92と、文字認識装置9の外部に存在する外部装置との間の通信を実行する通信部93と、を備える。
このうち、制御部91は、文字認識部112を備える。
また、記憶部92は、上述した学習モデルNNと、処方箋情報JSSと、処方箋読取装置1Cから供給された処方箋画像情報JGSと、上述した処方箋文字情報JSと、文字認識装置9の各部を制御するための制御プログラムPG9と、を記憶している。
【0126】
図24は、文字認識装置9のハードウェア構成の一例を示す構成図である。
【0127】
図24に例示するように、文字認識装置9は、文字認識装置9の各部を制御するプロセッサ9001と、各種情報を記憶する記憶装置9002と、文字認識装置9の外部に存在する外部装置との通信を行うための通信装置9003と、を備える。
【0128】
このうち、記憶装置9002は、プロセッサ9001の作業領域として機能するRAM等の揮発性メモリと、制御プログラムPG9等の各種情報を記憶するEEPROM等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含み、記憶部92としての機能を提供する。
また、プロセッサ9001は、例えば、1または複数のCPUを含んで構成される。プロセッサ9001は、記憶装置9002に記憶された制御プログラムPG9を実行し、当該制御プログラムPG9に従って動作することで、制御部91として機能する。なお、プロセッサ9001は、1または複数のCPUに加え、または、1または複数のCPUのうち一部または全部に替えて、GPU、DSP、または、FPGA等の、ハードウェアを含んで構成されるものであってもよい。この場合、プロセッサ9001により実現される制御部91の一部または全部は、DSP等のハードウェアにより実現されてもよい。
また、通信装置9003は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方または双方を介して、文字認識装置9の外部に存在する外部装置との通信を行うためのハードウェアであり、通信部93としての機能を提供する。
【0129】
なお、本変形例において、例えば、処方箋読取装置1C、及び、端末装置5は、薬局に設置されてもよい。また、本変形例において、例えば、処方箋読取装置1Cは、ネットワークNWを介さずに端末装置5に直接接続されてもよい。また、本変形例において、例えば、文字認識装置9、処方箋確認装置3、及び、薬剤データベースサーバ7は、端末装置5と、インターネット(ネットワークNWの一例)を介して通信可能なサーバ装置であってもよい。また、本変形例において、文字認識装置9、処方箋確認装置3、及び、薬剤データベースサーバ7の一部または全部は、同一のサーバ装置として一体に構成されてもよい。
【0130】
<変形例5>
上述した実施形態並びに変形例1乃至4において、薬剤使用方法情報JYSは、薬剤情報JYに対応する薬剤の用量の下限値である下限用量YQ2を示す下限用量情報JYQ2を含んでもよい。この場合、処方内容判定部313は、用量判定処理のステップS105において、処方用量文字列LQ[m]の表す処方用量が、上限用量YQ[m][qm]以下であり、且つ、下限用量YQ2[m][qm]以上であるか否かを判定してもよい。そして、判定結果出力部314は、ステップS111において、ステップS105における判定の結果が否定の場合、用量不正通知情報IF1[m]を出力してもよい。
【0131】
<変形例6>
上述した実施形態並びに変形例1乃至5において、薬剤使用方法情報JYSは、薬剤情報JYに対応する薬剤の使用期間の下限値である下限期間YR2を示す下限期間情報JYR2を含んでもよい。この場合、処方内容判定部313は、期間判定処理のステップS205において、処方期間文字列LR[m]の表す処方期間が、上限期間YR[m][qm]以下であり、且つ、下限期間YR2[m][qm]以上であるか否かを判定してもよい。そして、判定結果出力部314は、ステップS211において、ステップS205における判定の結果が否定の場合、期間不正通知情報IF2[m]を出力してもよい。
【0132】
<変形例7>
上述した実施形態並びに変形例1乃至6において、判定結果出力部314は、文字情報取得部311が、処方箋読取装置1から取得した処方箋文字情報JSの示す薬剤名称文字列LM[m]が、薬剤一覧情報テーブルTBL7に存在しない場合、当該薬剤名称文字列LM[m]が不正な名称であることを示す、名称不正通知情報IF4[m]を出力してもよい。具体的には、判定結果出力部314は、文字情報取得部311が処方箋読取装置1から取得した処方箋文字情報JSの示す薬剤名称文字列LM[m]が、当該薬剤名称文字列LM[m]に対応して薬剤情報取得部312が薬剤一覧情報テーブルTBL7から取得した薬剤情報JYの示す薬剤名称YMの何れとも一致しない場合、名称不正通知情報IF4[m]を出力してもよい。そして、判定結果出力部314は、名称不正通知情報IF4[m]が出力された場合、
図25に例示するように、処方箋内容表示画像GHの薬剤名称文字列LM[m]に対応する位置に、名称不存在マークMK4を表示させてもよい。
【符号の説明】
【0133】
1…処方箋読取装置、3…処方箋確認装置、5…端末装置、7…薬剤データベースサーバ、11…制御部、31…制御部、111…画像情報取得部、112…文字認識部、311…文字情報取得部、312…薬剤情報取得部、313…処方内容判定部、314…判定結果出力部、Sys…処方箋認識システム。