(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036493
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】裾上げが簡単にできるパンツ
(51)【国際特許分類】
A41D 1/06 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
A41D1/06 M
A41D1/06 501G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021164332
(22)【出願日】2021-09-02
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】512040255
【氏名又は名称】後藤 定一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 定一
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単に裾上げをやり直すことが出来き、季節や作業環境や人体の変化などにより股下寸法が変わったとき、パンツの股下の長さを簡単に変えることができるパンツを提供する。
【解決手段】パンツの裏側の裾端に接合部材を貼り付け、パンツ裏側の裾端から膝の辺りに前記接合部材が接合可能な素材を全面に貼り付けるとともに、このパンツで作ることの出来る股下の寸法を、約1~3cm間隔でパンツの脇線に対し直角にひいた線を設けパンツの裾を折り返して希望する股下寸法となる前記線まで裾端を持ちあげ接合部材で接合することで簡単に裾上げが出来る様にした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンツの膝から裾にかけての身頃の形状が、ほぼ真っすぐなストレートパンツの裏側の裾端にマジックテープのフック(オス)側を取り付け、パンツ身頃裏側の裾端から膝の辺りにマジックテープのフック(オス)側がくっつく素材を全面に貼り付けたストレートパンツ。
【請求項2】
上記請求項1のパンツ身頃裏側の裾端から膝の辺りに貼り付けたマジックテープのフック(オス)側がくっつく素材に、そのパンツで作ることの出来る股下の寸法を、約1~3cm間隔で、パンツの脇線に対し直角にひいた線と共に印字したパンツ。
【請求項3】
上記請求項1のパンツ身頃裏側の裾端から膝の辺りに貼り付けたマジックテープのフック(オス)側がくっつく素材に、
図1のようにそのパンツの裾端を折り返して合わせた位置に、そのパンツで作ることの出来る股下の寸法(
図1では裾合わせ股下寸法と表記)を約1~3cm間隔で、パンツの脇線に対し直角にひいた線と共に印字したパンツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンツの身頃の形状が、膝から裾にかけてまっすぐなストレートパンツに限って成り立つものであり、
自分の股下に合わせて簡単に裾上げをすることが出来るパンツに関するものである。
【背景技術】
【0002】
いままでは、自分の股下に合うようにパンツの裾をあげるには、あらかじめ股下寸法がわかる場合は物差し等でパンツの股下寸法を出し、わからないときはパンツを実際にはいてみて自分の股下に合わせてパンツの丈の長さを決め、長すぎる分はカットをして、ミシンで三巻をするか、裾端をロックしまつり縫いをするか、両面テープを取り付けアイロンなどで温度を加えて圧着するなど、必ず裾上げする道具が必要となり、大変面倒であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パンツの裾上げをするのに、自分自身の股下の寸法がわかれば、パンツを裏返しの状態でパンツの裾を折り返して、自分の股下の寸法のところで折り返し、裾端を手で押さえつけただけで、裾上げができるパンツを作ることを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【004】
今回の発明は
図1に示すように、裾上げを想定し股下寸法より少し長めのパンツの裏側の裾端一周に、マジックテープのフック(オス)側を取り付け、マジックテープを取り付けたところから、股下寸法に合わせて裾を折り返すことが予想されるパンツの膝の辺りまでの身頃の裏側に、マジックテープのフック(オス)側がくっつく素材を熱接着で全面に張り付けて剥がれないようにした。
【005】
又 マジックテープのフック(オス)側がくっつく素材の表側には、
図1に示したように単なる股下寸法と、裾を折り返して裾端を合わせただけで、股下寸法になる位置に「裾合わせ股下寸法」を印字し、加えて出来上がりの裾口が平らになるように、折り返して裾端をくっつけるとき斜めにならないようにパンツの脇線に対して直角に線を印字した。
【006】
マジックテープのフック(オス)側がくっつく素材としては、マジックテープのループ(メス)側か、マジックテープによりくっつく素材としてはマジッククロスやトイクロス等の生地があり、股下の寸法のところで折り返してきた裾端のマジックテープをしっかりとくっつけてずれないようにしてくれる素材が適している。
又 マジックテープのフック(オス)側がくっつく素材の片側(マジックテープがくっつかない側)のみに熱接着のりをつけて接着芯地のように加工し、芯貼り機で圧と熱を加えてパンツの身頃の裏側に貼れば、マジックテープのフック(オス)側がくっつく素材を、パンツの身頃の生地に剥がれないように貼り付けることが出来る。
【発明の効果】
【007】
いままで股下寸法がわっかっている方のパンツの股下寸法をだすには、物差しや巻き尺等を使用しパンツの股下を測って股下寸法を出していたが、今回の発明でパンツの身頃の裏側に実際の股下寸法の位置と、折り返して裾を合わせたときに仕上がる股下寸法が明記されているので、物差し等がいらずにパンツの股下寸法を出せる。
又 パンツの脇線に直角に線が引いてあるので、裾を線に平行に合わせれば裾が斜めに仕上がることはない。
【008】
今までパンツの裾上げは、ミシンを使って裾を三巻したり裾の端をまつったり、アイロンを使用して熱接着芯で裾を止めていたが、今回の発明でパンツを裏返して自分の股下寸法の線のところまで、裾を折り返して裾端を合わせて、裾端についているマジックテープを手でパンツの身頃に強く押さえつけるだけで裾上げができるので、道具がなくても簡単に裾上げが出来るようになった。
【009】
又 マジックテープでパンツの裾端をパンツの裏側に止めつけるようにしているため、簡単に裾上げをやり直すことが出来き、季節や作業環境や人体の変化などにより股下寸法が変わったとき、パンツの股下の長さを簡単に変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【010】
図1の本発明の実施例1について、図面を引用して説明する。
実施例1は、ウエストにゴムと紐の入った膝から裾にかけて真っすぐなストレートパンツ(1)を裏側にしてみた図である。
裏側になっているストレートパン(1)の裾端にマジックテープのフック(オス)側(2)を取り付け、裾端から膝の辺りまでの身頃裏側にマジックテープのフック(オス)側がくっつく素材(3)を全面にしっかりと貼り付けたものである。
マジックテープのフック(オス)側がくっつく素材(3)には、身頃裏側に貼る前に、股下寸法(4)と、裾を折り返して裾端を合わせただけで股下の寸法になる位置に「裾合わせ股下寸法」(5)とを、パンツの脇線に対して直角にひいた線(6)とともにあらかじめ印字してある。
実施例1の裏になっているストレートパンツ(1)の左足身頃は、パンツの裾を折り返して「裾合わせ股下寸法」が72CMのところにパンツの裾端を合わせて、裾端についているマジックテープを手で身頃に押さえつけたものである、これと同じく右足身頃を行ってパンツを表に返せば、股下が72CMのパンツになる。
【符号の説明】
1 ストレートパンツ
2 マジックテープのフック(オス)側
3 マジックテープのフック(オス)側がくっつく素材
4 股下寸法
5 裾合わせ股下寸法
6 脇線に対して直角にひいた線
7 縫い代