(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036497
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】室内空気清浄器
(51)【国際特許分類】
F24F 8/22 20210101AFI20230307BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20230307BHJP
【FI】
F24F8/22
F24F8/80 218
F24F8/80 236
F24F8/80 140
F24F8/80 252
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021164337
(22)【出願日】2021-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】517328712
【氏名又は名称】橋爪 啓二
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 啓二
(57)【要約】 (修正有)
【課題】室内の空気洗浄、特にコロナウイルス等の感染性の強いウイルスへの対応とした室内空気清浄器を提供する。
【解決手段】上面に外気吸気口4を有する縦長コ字状筐体1と、この外気吸入口の直下に位置する外気吸入用電動機と、背板と前面開口の表板間に亘って適宜間隔を介して複数枚直立された中仕切板であって、前記縦長コ字状状筐体の上面の外気吸入口から導入された外気を筐体内の上方から下方に亘って複数回蛇行状に進行させ、この進行過程中において、外気に対し複数回紫外線照射を施す前記縦長コ字状筐体内に組込まれた紫外線殺菌灯蛍光管器具とで成したことを特徴とするものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
▲1▼前面を開口し、且つ上部に外気吸気口を有する縦長状の金属製コ字状筐体と、
▲2▼この外気吸入口の直下に位置すると共に、天板に装備された外気吸入用電動機と、
▲3▼前記縦長状の金属製コ字状筐体の左右側板間に橋渡しされると共に、背板と前面開口の表板間に亘って適宜間隔を介して複数枚直立された中仕切板であって、
▲4▼而も、前記縦長状の金属製コ字状筐体の上面の外気吸入口から導入された外気を筐体内の上方から下方に亘って複数回蛇行状に進行させ、
▲5▼この複数回蛇行状に進行した外気を放出口から放出させる進行過程中において、
▲6▼外気に対し複数回数紫外線照射を施す前記金属製コ字状筐体内に組込まれた紫外線殺菌灯蛍光管器具とで成したことを特徴とする室内空気清浄器。
【請求項2】
前記上面の外気吸気口から吸入した外気は吸入後、金属製コ字状筐体の背板と仕切板とで構成された第1の紫外線照射域を下方向に進行させ、更に対面した次段の隣接する仕切板との第2の紫外線照射域を下方向から上方向に向かって蛇行進行させ、下方から放出させる様にしたことを特徴とする請求項1記載の室内空気清浄器。
【請求項3】
前記中仕切板は、縦長コ字状状筐体の下面から上面に亘って備えられた左右側板のガイド片間に下方から挿入して一定間隔にて前後に複数枚配列すると共に、上下端を交互に開口して外気吸入口から導入された外気が金属製コ字状筐体内を上方から下方に亘って複数回蛇行状に進行させることを特徴とする請求項1~2記載の室内空気清浄器。
【請求項4】
前記紫外線殺菌灯蛍光管器具は、一方の紫外線殺菌灯蛍光管器具と他方の紫外線殺菌灯蛍光管器具とを上下段にずらして位置させたことを特徴とする請求項1~3記載の室内空気清浄器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の空気洗浄、特にコロナウイルス等の感染性の強いウイルスへの対応とした室内空気清浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、強い感染力を有するコロナウイルスの存在が大きな社会問題化しており、この様な強い感染力を有し、而も未知のウイルスに対し、注目すべき研究発表が最近なされた。
即ち、理化学研究所2021年7月5日「紫外線照射による新型コロナウイルス不活化のメカニズム」によると、「波長253.7nmの紫外線を液体培地中にSARS-CoV-2に照射し、ウイルスの感染性が99.99%減少することを実証したと・・・(2/12ページ)」報告されている。
更に、同研究所スパコン富岳データーによると「1.2mの高さでは、飛沫飛散を防御するのには不十分である」との報告もなされている。勿論、このデーターは強制換気に基づくものではなく、自然換気に依拠するものと言える。
勿論、汎用のエアコン機器は、床面からの空気を吸い上げ、所定の高い位置での温度調整を行った後、冷気は高い位置の機器より排出する。
即ち、温かい室内の空気を機器にて吸い上げ、所定の温度に降下させると共に、機器の上部より排出している。
従って、今日の汎用タイプのエアコンにおいては、先の理化学研究所の報告内容の「コロナウイルスへの対応」とは、全く相反するものと言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【一般文献1】
理化学研究所2021年7月5日「紫外線照射による新型コロナウイルス不活化のメカニズム」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日の汎用エアコン機器は、床面からの空気を吸い上げ、所定の温度調整を行った後、機器より排出している。
即ち、温かい室内の空気を機器にて吸い上げ、所定の温度に降下させると共に、機器の上部より排出し、室内全体の温度を所定の状態に維持する。
従って、今日の汎用タイプのエアコンにおいては、先の理化学研究所の報告内容の「コロナウイルスへの対応」とは、全く無縁のものと言える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前面を開口し、且つ上面に外気吸気口を有する縦長コ字状筐体と、この外気吸入口の直下に位置すると共に、天板に装備された外気吸入用電動機と、前記縦長コ字状筐体の左右側板間に橋渡しされると共に、背板と前面開口の表板間に亘って適宜間隔を介して複数枚直立された中仕切板であって、
而も、前記縦長コ字状状筐体の上面の外気吸入口から導入された外気を筐体内の上方から下方に亘って複数回蛇行状に進行させ、この複数回蛇行状に進行した外気を放出口から放出させる進行過程中において、外気に対し複数の数回紫外線照射を施す前記縦長コ字状筐体内に組込まれた紫外線殺菌灯蛍光管器具とで成したことを特徴とするものである。
【0006】
更に本発明は、上面の外気吸気口から吸入した外気は吸入後、縦長コ字状筐体の背板との仕切板とで構成された第1の紫外線照射域を下方向に進行させ、更に対面した次段の隣接する仕切板との第2の紫外線照射域を下方向から上方向に蛇行進行させ、下方より放出させる様にしたことを特徴とするものである。
【0007】
更に本発明は、中仕切板は、縦長コ字状状筐体の下面から上面に亘って備えられた左右側板のガイド片間に下方から挿入して一定間隔にて前後に複数枚配列すると共に、上下端を交互に開口して外気吸入口から導入された外気が筐体内を上方から下方に亘って複数回蛇行状に進行させることを特徴とするものである。
【0008】
更に本発明は、紫外線殺菌灯蛍光管器具は、一方の紫外線殺菌灯蛍光管器具と他方の紫外線殺菌灯蛍光管器具とを上下段にずらして位置させたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
(1)請求項1により、上面の外気吸気口より電動機にて吸入された外気は、背板と表板間との間に複数枚の中仕切板にて形成された複数の空間に沿って蛇行状に進行し、而もその進行過程中において適宜紫外線照射を施され、コロナウイルスを不活化させることができる。
特に、理化学研究所のスパコン富岳データ-報告による「1.2mの高さでは、飛沫飛散を防御するのには不十分である」との指摘については、紫外線照射は、複数枚の中仕切板にて形成された複数空間に沿って外気を蛇行状に進行させると共に、複数回照射することによって、その高さを克服できると共に、一層の効果が期待できる。
(2)請求項3により、複数空間を形成する中仕切板は、縦長コ字状状筐体の下方から左右側板のガイド片間に挿入して一定間隔を形成するから、上部には外気吸入用電動機が位置しており、特に中仕切板の組立、更には取外し等において、それらが邪魔になり支障を来すことも無く、且つ清浄機の下方から放出させることによって、一層の効果が期待できる。
(3)請求項4により、一方の紫外線殺菌灯蛍光管器具との他方の紫外線殺菌灯蛍光管器具とを上下段にずらして位置させたことによって、外気が室内空気清浄器内において、一定位置に偏らずして全体をバランス良くし照射する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明を実施形態の図面に基づいて説明する。
図1は室内空気清浄器の全体斜視図であって、具体的には
図2に示す如く、金属製コ字型筐体1を前面を開口1aし、左右側板1b、天板1c、更には、底面の開口1dを閉塞する底板2にて構成され、高さ略100mmの縦長状の金属製コ字型筐体1に構成している。天板1cには外気吸入用電動機3が装備され、外気吸入口4が位置している。
【0012】
而して、縦長コ字状筐体1の左右側板1b、1b間には、中仕切板5が橋渡しされ、且つコ字状筐体1の背板1eと前面開口1aの表板6間に亘って適宜間隔を介して複数枚直立しており、
図2に於いて、矢印に示す如く前記縦長状の金属製コ字状筐体1の上面の外気吸入口4から導入された外気は、筐体1の内部を上方から下方に亘って複数回蛇行状に進行することとなる。
【0013】
この複数回蛇行状に進行した外気は、筐体1の側板1bの下方に設けられた放出口7から外気に放出される。勿論、この放出口7は、その外気を複数回蛇行状に進行させた後、筐体1から放出させることから、その放出に応して側板1bの少なくともに何れか一方に存在すればよい。
更に、この筐体1内を外気が蛇行状に進行する過程において、適宜数の紫外線殺菌蛍光管器具8が位置しており、外気に対し紫外線照射を施し、コロナウイルスを不活化させる。
【0014】
即ち、
図4にて示す如く、外気吸入口4から吸入された外気は、第1の紫外線照射域Xを下方向に進行し、更に第2の紫外線照射域Yを方上向に進行し、複数の紫外線照射を経て下方の放出口7から外気に放出される。
勿論、この紫外線照射回数は適宜選択することとなる。
【符号の説明】
【0015】
X 第1の紫外線照射域
Y 第2の紫外線照射域
1 金属製コ字型筐体
2 底板
3 電動機
4 外気吸入口
5 中仕切板
6 表板
7 放出口
8 紫外線殺菌灯蛍光管器具