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特開2023-36521非接触センサとロゴスキーコイルを組み合わせたセンサプローブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036521
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】非接触センサとロゴスキーコイルを組み合わせたセンサプローブ
(51)【国際特許分類】
   G01R 15/12 20060101AFI20230307BHJP
   G01R 15/18 20060101ALI20230307BHJP
   G01R 15/20 20060101ALI20230307BHJP
   G01R 19/00 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
G01R15/12 Z
G01R15/18 A
G01R15/20 C
G01R19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022108727
(22)【出願日】2022-07-06
(31)【優先権主張番号】17/465,609
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509233459
【氏名又は名称】フルークコーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
【住所又は居所原語表記】6920 Seaway Boulevard, Everett, Washington 98203 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】シュトイア, ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ジンジャー エム.
(72)【発明者】
【氏名】チュン, グロリア エム.
(72)【発明者】
【氏名】ペイジ, サイモン ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2G025
2G035
【Fターム(参考)】
2G025AA03
2G025AA04
2G025AB01
2G025AB14
2G025AC01
2G035AA00
2G035AA21
2G035AC03
2G035AC13
2G035AD00
2G035AD19
2G035AD20
2G035AD26
2G035AD28
2G035AD41
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本開示の1つ以上の実装形態は、導体の複数の電気的パラメータ(例えば、電圧、電流)を測定するための測定システムのセンサプローブ、及びそれを測定するための方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの実装形態では、センサプローブは、ワイヤなどの導体を測定するように位置決めされるときに、ロゴスキーコイル及び非接触電圧センサが測定のための適切な位置に保持されるように、互いに対して配置されているロゴスキーコイル及び非接触電圧センサを統合する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサプローブであって、
ループの対向する端部に第1及び第2のリードを有する前記ループを形成する、ロゴスキーコイルであって、前記ループが、導体を受容するように構成された中央領域を有する、ロゴスキーコイルと、
前記ロゴスキーコイルに結合された非接触センサであって、前記非接触センサが、非接触センサ要素と、一対のクランプジョーを有するクランプと、を含み、前記一対のクランプジョーが、前記導体を保持するように構成されており、前記非接触センサ要素が、前記導体に対して押圧されて、前記導体の電気的特性を感知するように構成されている、非接触センサと、を備える、センサプローブ。
【請求項2】
前記非接触センサの前記クランプが、前記ロゴスキーコイルに恒久的に結合されている、請求項1に記載のセンサプローブ。
【請求項3】
前記クランプが、前記ロゴスキーコイルによって形成された前記ループの前記中央領域に前記導体を保持するように構成されている、請求項1に記載のセンサプローブ。
【請求項4】
前記ループの前記中央領域が、前記ループの内側の区域の30%である、請求項3に記載のセンサプローブ。
【請求項5】
前記中央領域が、前記ループの内側の前記区域の中心点を中心とする、請求項4に記載のセンサプローブ。
【請求項6】
前記ロゴスキーコイル及び前記非接触センサから信号を受信するように構成された1つ以上の感知ヘッドを更に備える、請求項1に記載のセンサプローブ。
【請求項7】
前記一対のジョーが、凹状である第1及び第2のジョーを備え、前記第1のジョーが、前記第2のジョーよりも長い、請求項1に記載のセンサプローブ。
【請求項8】
前記非接触センサが、分離状態で前記ロゴスキーコイルから分離されるように構成されており、前記非接触センサ及び前記ロゴスキーコイルが、前記分離状態で動作可能である、請求項1に記載のセンサプローブ。
【請求項9】
前記ロゴスキーコイルの前記第1及び第2のリードの両方が、それぞれのソケットに取り外し可能に固定されている、請求項1に記載のセンサプローブ。
【請求項10】
導体内で電気的パラメータを感知するように構成されたセンサプローブであって、前記センサプローブが、
対向する端部に第1及び第2のリードを有するロゴスキーコイルであって、前記ロゴスキーコイルが、試験される導体を受容するように構成された中央領域を有する、ロゴスキーコイルと、
前記ロゴスキーコイルに結合された非接触センサであって、前記非接触センサが、非接触センサ要素と、一対のクランプジョーを有するクランプと、を含み、前記一対のクランプジョーが、導体を保持するように構成されており、前記非接触センサ要素が、前記導体に対して押圧されて、前記導体の電気的特性を感知するように構成されている、非接触センサと、を含む、センサプローブと、
前記センサプローブに動作可能に結合された測定器具であって、前記測定器具が、前記センサプローブに信号を送信し、かつ前記センサプローブから信号を受信するように構成された制御回路を含む、測定器具と、を備える、測定システム。
【請求項11】
前記非接触センサが、前記ロゴスキーコイルに取り外し可能に結合されており、前記非接触センサ及び前記ロゴスキーコイルが、切り離されている間に動作するように構成されている、請求項10に記載の測定システム。
【請求項12】
前記ロゴスキーコイルの前記第1及び第2のリードが、前記ロゴスキーコイルのハンドル部材のソケットに受容されており、前記クランプが、貫通開口部を含み、前記ロゴスキーコイルの前記ハンドル部材が、前記クランプの前記貫通開口部内に位置されている、請求項11に記載の測定システム。
【請求項13】
前記センサプローブが、前記ロゴスキーコイルを前記測定器具に結合する第1のワイヤと、前記非接触センサを前記測定器具に結合する第2のワイヤと、を含む、請求項11に記載の測定システム。
【請求項14】
前記非接触センサが、前記ロゴスキーコイルに恒久的に固定されている、請求項10に記載の測定システム。
【請求項15】
前記第1のリードが、第1のソケットに恒久的に固定されており、前記第2のリードが、第2のリードに取り外し可能に固定されるように構成されている、請求項10に記載の測定システム。
【請求項16】
方法であって、
感知プローブの非接触センサ要素がワイヤに対して閾値距離内に置かれ、かつ前記ワイヤがセンサプローブのロゴスキーコイルの中央領域に置かれるように、前記感知プローブのクランプで前記ワイヤを保持することと、
感知プローブの前記非接触センサが前記閾値距離内に留まり、前記センサプローブの前記ロゴスキーコイル前記ワイヤが前記ロゴスキーコイルの前記中央領域にある間に、前記センサプローブを使用して前記ワイヤの少なくとも1つの電気的パラメータを感知することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記センサプローブを使用して前記ワイヤの前記少なくとも1つの電気的パラメータを感知することが、前記ロゴスキーコイルを使用して電流を感知することと、前記閾値距離内の前記非接触センサを使用して電圧を感知することと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記非接触センサを前記ロゴスキーコイルから分離することと、
前記非接触センサを使用して、前記ワイヤの第1の電気的パラメータを感知することと、
前記ロゴスキーコイルが前記ワイヤの第2の電気的パラメータを感知することと、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の電気的パラメータを示す第1の信号を測定器具に送信することと、前記第2の電気的パラメータを示す第2の信号を前記測定器具に送信することと、を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の信号及び前記第2の信号が、それぞれ、第1及び第2のワイヤを介して前記測定器具に送信される、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、センサプローブ、及びセンサプローブを備える測定器具に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチメータなどの測定器具は、電圧及び電流などの1つより多くの電気的パラメータを測定するように構成されている。これらの測定器具は、しばしば、トラブルシューティング、サービス、及びメンテナンス用途に使用され、多くの場合、一定期間にわたって多くの測定を必要とする。測定値を取得するために、センサプローブは、試験中の導体に対して配置され得る。
【0003】
典型的には、測定器具は、様々なセンサプローブを使用して、導体の様々な電気的パラメータを測定する。例えば、導体の電流及び電圧を測定するために、通常、2つの異なるセンサプローブが試験対象の導体に対して保持される。したがって、ユーザは、測定デバイスから2つの異なるセンサプローブを結合し、及び切り離し、試験中に様々なセンサプローブを所定の位置に保持する必要があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タイトスペースなどの多くの状況では、試験される導体の周りにセンサプローブを保持することは、厄介で面倒であり、場合によっては危険であり得る。したがって、改善された電気的パラメータ測定デバイスが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つ以上の実装形態は、導体の複数の電気的パラメータ(例えば、電圧、電流)を測定するための測定システムのセンサプローブ、及びそれを測定するための方法を対象とする。少なくとも1つの実装形態では、センサプローブは、ワイヤなどの導体を測定するように位置決めされるときに、ロゴスキーコイル及び非接触電圧センサが測定のための適切な位置に保持されるように、互いに対して配置されているロゴスキーコイル及び非接触電圧センサを統合する。したがって、ユーザは、センサプローブが測定を行っている間に、センサプローブから離れることができ得る。
【0006】
少なくとも1つの実装形態では、センサプローブは、ループを形成するロゴスキーコイルを含み、非接触センサは、ばね荷重クランプの一対のジョーの内面上に位置するセンサ要素を備える。クランプの一対のジョーは、導体が試験のために適切な位置にあるように、ロゴスキーコイルによって形成されたループの中央領域で試験中に導体を保持するように配置される。より具体的には、クランプの一対のジョーは、試験中の導体がロゴスキーコイルによって形成されたループの平面の中央領域を通って垂直に延在するように、ロゴスキーコイルに対して配置される。
【0007】
一般に、ロゴスキーコイルの中央領域で試験中に導体を有することが望ましい。すなわち、ロゴスキーコイルの中央領域に試験される導体を位置決めすることが、正確な電流読み取りのための最適な場所である。非接触センサ及びロゴスキーコイルの配置は、非接触センサ及びロゴスキーコイルが連続的なユーザ操作又は介入なしに試験中の導体の測定を連続的に行うことができるように、試験中の導体の位置を最適化する。
【0008】
クランプのジョーは、試験下の導体の周りの絶縁材料の表面が非接触センサ要素と位置合わせして当接するように、試験下で伝導体を保持するように構成されている。一部の実装形態では、ジョーの内面は、導体を収容し、かつ導体を非接触感知要素に対して位置合わせすることを助けるために凹状である。第1のジョーの凹部は、第2のジョーの端部と重なり得、それによって、非接触感知要素に対する導体の位置合わせを更に助けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1Aは、閉位置にあるセンサプローブの少なくとも1つの非限定的な実施形態の等角図を示している。
図1B図1Bは、開位置にある図1のセンサプローブを示している。
図1C図1Cは、ワイヤを保持している図1のセンサプローブを示している。
図1D図1Dは、図1のセンサプローブを平面図及び断面図で示している。
図2図2は、測定器具に結合された図1のセンサプローブを備える測定システムの少なくとも1つの非限定的な実施形態を示している。
図3図3は、図2の測定システムの電気部品のブロック図の少なくとも1つの非限定的な実施形態を示している。
図4A図4Aは、センサプローブの組み合わせの少なくとも1つの非限定的な実施形態の等角図を示している。
図4B図4Bは、分離状態の図1のセンサプローブの組み合わせを示している。
図5A図5Aは、測定メータに結合された図4Aのセンサプローブの組み合わせを含む測定システムの少なくとも1つの非限定的な実施形態を示している。
図5B図5Bは、分離状態にあり、かつ測定メータに結合された図4Bのセンサプローブの組み合わせを備える、測定システムの少なくとも1つの非限定的な実施形態を示している。
図6図6は、図5Aの測定システムの電気部品のブロック図の少なくとも1つの非限定的な実施形態を示している。
図7図7は、センサプローブの少なくとも1つの非限定的な実施形態の平面図を示している。
図8図8は、測定メータに結合された図7のセンサプローブを備える測定システムの少なくとも1つの非限定的な実施形態を示している。
図9図9は、少なくとも1つの実施形態による1つ以上の測定器具を使用する方法を示している。
【0010】
図面中、同一の参照番号は、同様の要素を特定する。図面における要素のサイズ及び相対位置は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。例えば、様々な要素及び要素間の角度及び空間は必ずしも縮尺どおりに描かれているわけではなく、これらの要素の一部は、図面の明瞭性を向上させるために任意に拡大されかつ位置付けられてもよい。なお、図示されるような要素の特定の形状は、必ずしも要素の任意の要求された形状に関する情報を伝えることが意図されているわけではなく、単に図面において認識しやすいように選択されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の1つ以上の実装形態は、導体の複数の電気的パラメータ(例えば、電圧、電流)を測定するための測定システムのセンサプローブ、及びそれを測定するための方法を対象とする。少なくとも1つの実装形態では、センサプローブは、ワイヤなどの導体を測定するように位置決めされるときに、ロゴスキーコイル及び非接触電圧センサが測定のための適切な位置に保持されるように、互いに対して配置されているロゴスキーコイル及び非接触電圧センサを統合する。したがって、ユーザは、センサプローブが測定を行っている間に、センサプローブから離れることができ得る。
【0012】
少なくとも1つの実装形態では、センサプローブは、ループを形成するロゴスキーコイルを含み、非接触センサは、ばね荷重クランプの一対のジョーの内面上に位置するセンサ要素を備える。クランプの一対のジョーは、導体が試験のために適切な位置にあるように、ロゴスキーコイルによって形成されたループの中央領域で試験中に導体を保持するように配置される。より具体的には、クランプの一対のジョーは、試験中の導体がロゴスキーコイルによって形成されたループの平面の中央領域を通って垂直に延在するように、ロゴスキーコイルに対して配置される。
【0013】
一般に、ロゴスキーコイルの中央領域で試験中に導体を有することが望ましい。すなわち、ロゴスキーコイルの中央領域に試験される導体を位置決めすることが、正確な電流読み取りのための最適な場所である。非接触センサ及びロゴスキーコイルの配置は、非接触センサ及びロゴスキーコイルが連続的なユーザ操作又は介入なしに試験中の導体の測定を連続的に行うことができるように、試験中の導体の位置を最適化する。
【0014】
クランプのジョーは、試験下の導体の周りの絶縁材料の表面が非接触センサ要素と位置合わせして当接するように、試験下で伝導体を保持するように構成されている。一部の実装形態では、ジョーの内面は、導体を収容し、かつ導体を非接触感知要素に対して位置合わせすることを助けるために凹状である。第1のジョーの凹部は、第2のジョーの端部と重なり得、それによって、非接触感知要素に対する導体の位置合わせを更に助けることができる。
【0015】
本明細書で使用するとき、「非接触」デバイス又はセンサは、導体とのガルバニック接触を必要とすることなく絶縁導体における電気的パラメータを検出するように動作可能である。導体は、ワイヤなどの通電された絶縁導体であり得る。
【0016】
以下の説明では、様々な開示された実装形態の完全な理解が得られるように、特定の具体的な詳細が記載される。しかしながら、当業者は、追加の実装形態がこれらの具体的な詳細の1つ以上を使用することなく、又は他の方法、構成要素、材料などを使用して実施され得ることを認識するであろう。
【0017】
更に、本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」を参照することは、実施形態に関して記述された特定の特徴部、構造体又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。更に、本明細書における「少なくとも1つの実施形態では」という語句の出現は、必ずしも1つの実施形態のみを指すものではない。本明細書に記載される様々な実施形態の特定の特徴、構造、又は特性は、更に追加の実施形態では任意の好適な様式で組み合わされてもよい。
【0018】
図1Aは、閉位置にあるセンサプローブ100の少なくとも1つの非限定的な実施形態の等角図を示している。センサプローブ100は、非接触センサ102及びロゴスキーコイル104を含む。ロゴスキーコイル104は、試験される導体の周りに置かれ、かつ導体が通電されている間に導体の電界を感知するように構成された、導電性ループ106を含む。導体内で感知された電界は、導体を通って流れる電流を示す。
【0019】
非接触センサ102は、ハンドル部分110及びジョー部分112を有する、ばね荷重クランプ108を含む。ハンドル部分110及びジョー部分112は、枢動点114を中心に互いに対して移動するように構成されている。ジョー部分112は、ロゴスキーコイル104の中央領域に配置された一対のジョーを含む。一対のジョーのうちの一方のジョーの表面は、非接触感知要素116(図1D)を含む。非接触感知要素116は、電気的パラメータを測定するために導体とのガルバニック接続を必要としない。非接触感知要素116は、導体の電圧を感知するように構成されている。
【0020】
ばね荷重クランプ108のハンドル部分110は、ロゴスキーコイル104に結合されている。より具体的には、ばね荷重クランプ108のハンドル部分110は、ロゴスキーコイル104のリードを受容するためのソケットなどのロゴスキーコイル104の一部分を形成する。
【0021】
図1Aに最もよく示されるように、休止位置では、ジョー部分112の一対のジョーは、ばね(図示せず)によって閉位置に保持される。図1Bに最もよく示されるように、一対のジョーを開位置に置くために、ユーザは、ハンドル部分110のハンドルを一緒に押圧し、それによって、一対のジョーを閉じて保持するばねを弱める。ジョー部分112の一対のジョーは、ロゴスキーコイルの平面内で移動する。ジョー部分112の一対のジョーは、互いに反対方向に移動し、同じ量だけ変位する。一対のジョーの場所は、ロゴスキーコイルのループの中央領域に試験される導体を配置するのに役立つ。
【0022】
一対のジョーは開位置にあるが、ワイヤなどの導体120をそれらの間に置くことができる。ハンドル部分110を解放することに応答して、ばね荷重クランプ108のばねは、ジョー部分112の一対のジョーを閉じさせ、それによって、導体120に固定又はクランプする。図1Cは、ワイヤを保持する図1Aのセンサプローブ100のジョー部分112を示している。図1Cに示すように、ばね荷重クランプ108のジョー部分112は、試験中の導体がロゴスキーコイルのループの中央領域を通って垂直に延在するように配置されている。中央領域は、ループの中心点を超えるものを含む。実際、ジョー部分112は、ループの中心点からもオフセットされている間に中央領域にあってもよい。一般的に説明すると、中央領域は、その中心点の周りのループの内側の区域の約30%を含む。ばね荷重クランプ108は、試験中に導体をロゴスキーコイル104に対して適切な位置に置くのに役立つ。
【0023】
図1Dに最もよく示されるように、一対のジョーのうちの一方のジョーの内面は、非接触感知要素116を含む。非接触感知要素116は、導体120の絶縁部分に当接し、導体120の電圧などの電気的パラメータを感知する。すなわち、クランプは、感知プローブの非接触センサがワイヤまでの閾値距離内に置かれるように導体120を保持する。閾値距離は、非接触センサ要素が導体の電圧などの電気的パラメータを測定することを可能にする任意の距離である。一部の実施形態では、閾値距離は、導体の絶縁材料が非接触センサの非接触センサ要素に当接する距離であり得る。
【0024】
一部の実施形態では、ばね荷重クランプ108の枢動点114の位置は、ロゴスキーコイル104によって形成されたループ106に対して接線方向であり、それにより、ジョーをロゴスキーコイル104のループの中央領域に位置決めし、更に非接触電圧センサ要素116が導体と整列するように、ジョーの内面が整列するようにジョーを位置決めしてもよい。
【0025】
様々な実施形態では、ジョー部分112のジョーのうちの1つの内面上の非接触感知要素116は、非接触電圧センサ、非接触電流センサ、ホール効果素子、電流変圧器、フラックスゲートセンサ、異方性磁気抵抗(anisotropic magnetoresistance、AMR)センサ、巨大磁気抵抗(giant magnetoresistance、GMR)センサ、又はガルバニック接触を必要とすることなく、絶縁導体の電気的パラメータを感知するように動作可能である他のタイプのセンサである。
【0026】
ジョーの内面は、導体を収容し、かつ導体を非接触感知要素116に対して位置合わせすることを助けるために凹状である。図1Aに最もよく示されるような図示の実施形態では、第1のジョーの凹部は、第2のジョーの端部と重なり、それによって、図1Dに最もよく示されるように、非接触感知要素116に対する導体の位置合わせを更に助ける。すなわち、第1のジョーは、第2のジョーよりも長く、第2のジョーに向かって湾曲する。第1のジョーの重なりは、クランプ中に導体が滑ることを防止し得る。更に、第1及び第2のジョーの凹部の曲率によって形成された開口部は、ばね荷重クランプのばねとともに、その中に保持された導体を非接触感知要素116に押し付ける。
【0027】
非接触センサ102のジョーは、様々なサイズの導体を収容するように構成されている。一実施形態では、ジョーは、約6ミリメートル(mm)~約20mmの直径を収容するように構成されている。したがって、ジョーは、20mmの導体を受容及び保持するために20mmよりも広く開くように構成されている。
【0028】
ロゴスキーコイル104は、第1及び第2のリード117、118を形成する第1及び第2の端部を有する導電性材料を含む。図示されていないが、絶縁材料は、ロゴスキーコイル104の導電性材料の露出部分を取り囲むことができる。第1及び第2のリード117、118は、感知ヘッド122に動作可能に結合されたソケット内に受容される。一実施形態では、第1のリード117は、ソケットに恒久的に固定され、第2のリード118は、それぞれのソケットから取り外し可能である。すなわち、第1のリード117は、ロゴスキーコイル104を使用中に所定の位置に位置決めするためにソケットから取り外し可能ではないが、一方で、第2のリード118は、ロゴスキーコイル104は、使用中に所定の位置に置かれ得るように、それぞれのソケットから取り外し可能である。
【0029】
別の実施形態では、第1及び第2のリード117、118の両方がソケットから取り外し可能である。したがって、ロゴスキーコイル104は、センサプローブ100の残りの部分から完全に分離されており、タイトスペースの制約下にあり、次いでセンサプローブ100のソケット内に再び固定される試験される導体の周りに置かれ得る。
【0030】
ロゴスキーコイル104を試験される導体120の周りに置くために、第2のリード118をソケットから取り外すことができ、導体120は、第1のリード117によって形成された開口部とソケットとの間で摺動する。非接触センサ102のジョーは、導体120にクランプされる。第2のリード118は、ソケット内に置かれ得る。
【0031】
ロゴスキーコイル104に対する試験中の導体の場所は、正確な測定を得るために重要である。ロゴスキーコイル104は、導体120の周りの所定の位置に保持されるように十分に剛性である材料で作製され得る。すなわち、ばね荷重クランプ108のジョーは、試験中の導体120を保持するが、ロゴスキーコイル104は、導体120を取り囲む。ロゴスキーコイル104の非接触センサ102への相対位置は、導体が非接触センサ102のジョーによって保持されている間に導体120の配置を最適化する。
【0032】
非接触センサの非接触感知要素116は、試験中の通電されている導体の電圧などの電気的パラメータを測定するように構成されているが、同時に、ロゴスキーコイル104は、試験中の通電されている導体の電流などの別の電気的パラメータを測定するように構成されている。したがって、センサプローブ100は、ユーザによる介入又は操作なしに、非接触センサ102及びロゴスキーコイル104の両方を使用して連続的な測定を行うように構成されている。
【0033】
図2は、示されるようにワイヤ204によって、又は代替的に無線接続によって、測定器具200に結合された図1のセンサプローブ100を備える測定システム300を示している。測定器具200は、センサプローブ100と通信するように構成された任意の適切な測定器具であり得る。したがって、センサプローブ100の非接触センサ102及びロゴスキーコイル104は、測定器具200に動作可能に結合されている。例えば、センサプローブ100及び測定器具200は、それらの間に信号を送信及び受信するように構成され得る。測定器具200は、ハウジングと、ディスプレイ208を含むユーザインターフェースと、センサプローブのワイヤ204と結合するための少なくとも1つのインターフェースコネクタ210と、を含む。センサプローブ100の感知ヘッド122は、測定器具200に動作可能に結合されて、それらの間に1つ以上の信号が提供及び受信される。センサプローブの感知ヘッド122は、増幅、プロセス、又は制御などの回路を更に含み得る。
【0034】
図3は、図2の測定システム300及びセンサプローブ100を含む、測定システム300の電気部品のブロック図を示している。上で考察されたように、センサプローブ100は、非接触センサ102と、測定器具200に動作可能に結合されたセンサヘッド122に動作可能に結合されたロゴスキーコイル104と、を含む。
【0035】
センサプローブ100は、非接触センサ102及びロゴスキーコイル104に動作可能に結合された1つ以上のセンサヘッド122を含む。図示の実施形態では、1つのセンサヘッド122がある。センサヘッドは、非接触センサ102のハンドル部材128内に位置し得る。1つ以上のセンサヘッド122は、増幅、制御などの、非接触センサ102とロゴスキーコイル104と測定器具200との間で信号を送信するための回路プロセスを含み得る。一部の実装形態では、センサヘッド122は、更なる回路を含まず、センサプローブの非接触センサ102及びロゴスキーコイル104をワイヤ204及び測定器具200に動作可能に結合する。
【0036】
測定器具200は、処理及び/又は制御回路212と、ディスプレイ208を含むユーザインターフェース214と、メモリ216とを含む。ディスプレイ208を含むユーザインターフェース214は、測定結果及び他の情報をユーザに提供する。ユーザインターフェース214は、測定命令又は他の情報などのユーザ入力情報を受信するように更に構成されている。ディスプレイ208は、ユーザに通信するためにセンサプローブ100から受信された測定値を示す、読み出された情報及び波形を提供し得る。ディスプレイ208は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、発光ダイオード(light-emitting diode、LED)ディスプレイ、有機LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は電子インクディスプレイなどの任意の好適なタイプのディスプレイであってもよい。ユーザインターフェース214は、様々な入力及び出力を含み、音声、視覚、タッチスクリーン、ボタン、ノブ、ホイールなどを含むことができる。
【0037】
測定器具200の処理及び/又は制御回路212は、センサプローブ100の感知ヘッド122との間で信号を送信、受信、及び処理するための回路を含む。測定器具200の処理及び/又は制御回路212は、制御信号を送信するだけでなく、感知ヘッド122から並びに/又は非接触センサ102及び/若しくはロゴスキーコイル104から直接的に受信した測定信号を、受信及び処理するように動作可能である。プロセッサ及び/又は制御回路212は、受信信号を処理し、信号をユーザインターフェース214に出力することができる。受信信号は、電圧及び電流などの電気的パラメータを示す信号を含み得る。プロセッサ及び/又は制御回路212は、電力又は位相角などの1つ以上の電気的パラメータを決定するように構成され得る。処理及び/又は制御回路212は、追加的に又は代替的に、アナログ形態(例えば、0~1V)又はデジタル形態(例えば、8ビット、16ビット、64ビット)など別の測定器具によって受信可能な形態に信号を調整又は変換するように動作する調整回路又は変換回路を含み得る。制御回路は、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA)、1つ以上のタイプのメモリ(例えば、ROM、RAM、フラッシュメモリ、他の非一時的な記憶媒体)、及び/又は1つ以上の他のタイプの処理若しくは制御関連構成要素を含んでもよい。
【0038】
一部の実装形態では、測定器具200は、別の器具への無線通信のために構成されている。無線通信は、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、ZIGBEE(登録商標)モジュール、近距離無線通信(near field communication、NFC)モジュールなどの無線通信サブシステムを含むことができる。測定器具は、測定結果を外部システムに送信するために、あるいは命令信号又は入力情報を外部システムから受信するために、無線通信サブシステムを介して、コンピュータ、スマートフォン、タブレット、パーソナルデジタルアシスタントなどの外部システムと無線通信するように動作可能であり得る。測定器具は、追加的に又は代替的に、USBインターフェースなど有線通信サブシステムを含んでもよい。
【0039】
図示されていないが、測定器具200は、測定器具200及びセンサプローブ100の様々な電気部品に電力を供給するための電源又はバッテリパックなどの電力供給源を含み、又は外部電力供給源に結合するための出力部を含む。
【0040】
使用中、センサプローブ100のばね荷重クランプ108のジョーは、試験中の導体120を保持するが、ロゴスキーコイル104は、図1Dに示されるように導体120を取り囲む。ロゴスキーコイル104は、導体120が第2のリード118とソケットとの間を摺動することができるように、ソケットから第2のリード118などの第1及び第2のリード117、118のうちの1つを除去することによって、試験中の導体120の周りに置かれる。ロゴスキーコイルは、導体内の電流を測定するために、通電されている導体によって生成された磁場を感知するように構成されている。ロゴスキーコイル104に対する試験中の導体の場所は、正確な測定を得るために重要である。センサプローブ100によって測定された電流及び電圧などの電気的パラメータは、測定器具200に提供される。少なくとも1つの実装形態では、ロゴスキーコイル104は、試験中の導体の電流を測定し、非接触センサは、試験中の導体の電圧を測定する。
【0041】
図4A及び図4Bは、別の実施形態によるセンサプローブ100aを示している。センサプローブ100aは、ロゴスキーコイル104a及び非接触センサ102aを含む。ロゴスキーコイル104aは、ロゴスキーコイル104aが非接触センサ102aとは異なるハンドル部材128を含むことを除いて、図1Aのセンサプローブ100のロゴスキーコイル104と実質的に同じである。更に、センサプローブ100aのロゴスキーコイル104aは、非接触センサ102aから分離されるように構成されている。非接触センサ102aは、図1Aの非接触センサ102と実質的に同様である。センサプローブ100aとセンサプローブ100との間の違いのみが、簡潔にするために考察される。
【0042】
センサプローブ100aは、ロゴスキーコイル104aが非接触センサ102aから分離され得るように構成されている。したがって、ロゴスキーコイル104a及び非接触センサ102aの両方は、別個のワイヤ204によって測定器具200に個別に結合される。
【0043】
ロゴスキーコイル104aのハンドル部材128は、第1及び第2のリード117、118を受容するためのそれぞれのソケットを含む。第1及び第2のリード117、118を受容するためのソケットを備えるハンドル部材128の形状は、導電性ループ106の形状に対応する。図示の実施形態では、ハンドル部材128は、第2の部分に対して曲げられている第1の部分を有する。別の実装形態では、ハンドル部材128は、ロゴスキーコイル104aの曲率に実質的に対応する湾曲形状を有し得る。
【0044】
第1のリード117は、ハンドル部材128のソケットに固定されてもよく、一方で、第2のリード118は、ハンドル部材128のソケットに取り外し可能に固定されてもよい。図4Bは、ハンドル部材128のソケットから取り外された第2の118リードを示している。別の実施形態では、第2のリード118は、ハンドル部材128のソケットに固定されてもよく、一方で、第1のリード117は、ハンドル部材128のソケットに取り外し可能に固定されてもよく、又は両方のリードが、取り外し可能に固定されてもよい。
【0045】
ばね荷重クランプ108aは、構造において同一ではないが、図1Aのばね荷重クランプ108と実質的に同じである。非接触センサ102aのハンドル部分110は、ロゴスキーコイル104aのハンドル部材128に取り外し可能に結合されている。図4Bを参照すると、非接触センサのハンドル部分110aは、ロゴスキーコイル104aのハンドル部材128を通って嵌合し、かつ非接触センサ102aをロゴスキーコイル104aに固定する、貫通開口部130を含む。
【0046】
図5Aは、それぞれのワイヤ204によって測定器具200aに結合されたセンサプローブ100aを含む測定システム300aを示しており、結合状態で一緒に結合されたセンサプローブ100aのロゴスキーコイル104aに対する非接触センサ102aを示している。図5Bは、非接触センサ102a及びセンサプローブ100aのロゴスキーコイル104aが切り離された状態で互いに切り離されている測定システム300aを示している。測定システム300aのセンサプローブ100aは、非接触センサ102a及びロゴスキーコイル104aを用いて、図5Aに示されるような組み合わせた状態、及び図5Bに示されるような切り離された状態で測定を行うことができる。
【0047】
図6は、測定システム300及びセンサプローブ100aを含む、測定システム300aの電気部品のブロック図を示している。図6の測定システム300aの電気部品のブロック図は、非接触センサ102a及びロゴスキーコイル104aがそれぞれの感知ヘッド122に結合されていることを除いて、上で考察された図3の測定システム300の電気部品のブロックと同じ機能を実行するように構成された同じ部品を有する。すなわち、非接触センサ102aは、非接触センサ102aのハンドル部分110a内の感知ヘッド122に結合されており、ロゴスキーコイル104aは、ロゴスキーコイル104aのハンドル部材128内の感知ヘッド122に結合されている。これにより、非接触センサ102aの感知ヘッド122は、測定器具200に第1の通信ラインを有し、ロゴスキーコイル104aの感知ヘッド122は、測定器具200に第2の通信ラインを有する。
【0048】
図7は、更に別の実施形態によるセンサプローブ100bを示している。センサプローブ100bは、非接触センサ102bを除いて、図4Aのセンサプローブ100aと実質的に同様の構造及び機能である。非接触センサ102bと非接触センサ102a又は非接触センサ102との間の違いのみが、簡潔にするために考察される。
【0049】
非接触センサ102bのジョー部分112は、センサプローブ100aのジョー部分112と同じ構造及び機能である。しかしながら、ハンドル部分110bは、図1Aのハンドル部分100及び図4Aのハンドル部分100aとは異なる。ハンドル部分100bは、第1のハンドル部材132を第2のハンドル部材134に対して移動させることによって、ジョー部分112と係合する。すなわち、第1のハンドル部材132が矢印によって示される方向に第2のハンドル部材134に向かって移動するときに、ジョーは互いに分離する。第1のハンドル部材132を解放すると、非接触センサ102bのばねは、ジョーを互いに向かって移動させる。第1のハンドル部材132を解放する前に、試験される導体がジョー間に置かれる場合、ジョーは、試験される導体上にクランプする。この実装形態では、ジョーとハンドル部分100bとの間の枢動点114は、ロゴスキーコイル104aのループに対して実質的に接線方向に配置される。
【0050】
一般に、ロゴスキーコイル104aは、ロゴスキーコイル104aと同じであるが、ロゴスキーコイル104aのハンドル部材128は、非接触センサ102bからの信号が感知ヘッド122に伝達されるように、非接触センサ102bに動作可能に結合される。
【0051】
図8は、インターフェースコネクタ210でワイヤ204によって測定器具200に結合されたセンサプローブ100bを含む測定システム300bを示している。センサプローブ100bは、測定器具200に結合するための単一のワイヤ204を含むが、他の実装形態では、センサプローブ100bは、非接触センサ102が測定器具200に直接的に結合され、かつロゴスキーコイル104aが図5A及び図5Bの実施形態に示されるように測定器具200に直接的に、及び別々に結合されるように、2つのワイヤによって測定器具200に結合され得る。
【0052】
図9は、少なくとも1つの実施形態による、測定システム300、300a、及び300bを使用する方法900を示している。方法900は、ブロック902によって示されるように、感知プローブの非接触センサがワイヤに対する閾値距離内に置かれ、かつワイヤがセンサプローブのロゴスキーコイルの中央領域に置かれるように、感知プローブのクランプでワイヤを保持することと、ブロック904によって示されるように、センサプローブの非接触センサが第1の位置に留まっており、かつセンサプローブのロゴスキーコイルのループが第2の位置に留まっている間に、センサプローブを使用してワイヤの少なくとも1つの電気的パラメータを感知することと、を含む。
【0053】
前述の開示を考慮して、センサプローブ又は測定システムの様々な実施例は、以下の特徴のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせを含み得る。ループの対向する端部に第1及び第2のリードを有するループを形成する、ロゴスキーコイルであって、ループが試験される導体を受容するように構成された中央領域を有する、ロゴスキーコイル。
【0054】
ロゴスキーコイルに結合された非接触センサであって、非接触センサが、非接触センサ要素と、一対のクランプジョーを有するクランプと、を含み、一対のクランプジョーが、導体を保持するように構成されており、非接触センサ要素が、導体に対して押圧されて、導体の電気的特性を感知するように構成されている、非接触センサ。
【0055】
センサプローブ又は測定システムは、非接触センサのクランプがロゴスキーコイルに恒久的に結合されているなどの、別の特徴を含み得る。
【0056】
センサプローブ又は測定システムは、クランプがロゴスキーコイルによって形成されたループの中央領域に導体を保持するように構成されているなどの、別の特徴を含み得る。ループの中央領域は、ループの内側の区域の約30%であり、かつループの内側の区域の中心点を中心とすることができる。
【0057】
センサプローブ又は測定システムは、ロゴスキーコイル及び非接触センサから信号を受信するように構成された1つ以上の感知ヘッドを更に備えるなどの、別の特徴を含み得る。
【0058】
センサプローブ又は測定システムは、一対のジョーが凹状であり、第1のジョーが第2のジョーよりも長いなどの、別の特徴を含み得る。
【0059】
センサプローブ又は測定システムは、一対のクランプジョーが閉位置と開位置と保持位置との間で移動するときに同じ量だけ変位するように配置されているなどの、別の特徴を含み得る。センサプローブ又は測定システムは、第1及び第2の感知ヘッドを備える1つ以上の感知ヘッドなどの、別の特徴を含み得る。第1の感知ヘッドは、ロゴスキーコイルに動作可能に結合されており、第2の感知ヘッドは、非接触センサに動作可能に結合されている。より多くの感知ヘッドは、センサと感知ヘッドとの間の導電性の移動距離を短くすることを達成することによって、改善された性能を提供し得る。したがって、ワイヤが近づく、容量性漂遊磁場などの外部影響要因が少なくなると、測定信号に影響を与える可能性があり、より高い大きさの測定信号が実現され得、それにより、より良い精度がもたらされる。
【0060】
センサプローブ又は測定システムは、非接触センサが分離状態でロゴスキーコイルから分離されるように構成されており、非接触センサ及びロゴスキーコイルが分離状態で動作可能であるなどの、別の特徴を含み得る。
【0061】
センサプローブ又は測定システムは、非接触センサがロゴスキーコイルから分離されるように構成されているなどの、別の特徴を含み得る。
【0062】
センサプローブ又は測定システムは、第1のリードが第1のソケットに恒久的に固定され、かつ第2のリードが第2のリードに取り外し可能に固定されるように構成されているなどの、別の特徴を含み得る。
【0063】
前述の開示を考慮して、センサプローブ又は測定システムの様々な実施例は、以下の特徴のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせを含み得る。センサプローブ、又は導体内の電気的パラメータを感知するように構成されたセンサプローブを備える測定システム。センサプローブは、対向する端部に第1及び第2のリードを有するロゴスキーコイルであって、ロゴスキーコイルが、試験される導体を受容するように構成された中央領域を有する、ロゴスキーコイルを含む。センサプローブは、ロゴスキーコイルに結合された非接触センサを更に含む。非接触センサは、非接触センサ要素と、一対のクランプジョーを有するクランプと、を含む。一対のクランプジョーは、導体を保持するように構成されており、非接触センサ要素は、導体に対して押圧されて、導体の電気的特性を感知するように構成されている。
【0064】
クランプは、ロゴスキーコイルの中央領域に一対のクランプジョーを有する、ばね荷重クランプであり得る。一対のクランプジョーは、ロゴスキーコイルの中央領域で試験される導体を保持するように構成されており、非接触センサ要素は、一対のクランプジョーのうちの1つの内面上に位置する。測定システムは、センサプローブに動作可能に結合された測定器具であって、測定器具が、センサプローブに信号を送信し、かつセンサプローブから信号を受信するように構成された制御回路を含む、測定器具を更に含む。
【0065】
センサプローブ又は測定システムは、非接触センサがロゴスキーコイルに取り外し可能に結合されているなどの、別の特徴を含み得る。非接触センサ及びロゴスキーコイルは、切り離されている間に動作するように構成されている。
【0066】
センサプローブ又は測定システムは、ロゴスキーコイルの第1及び第2のリード線がロゴスキーコイルのハンドル部材のソケットに受容されているなどの、別の特徴を含み得る。ばね荷重クランプは、貫通開口部を含み、ロゴスキーコイルのハンドル部材は、ばね荷重クランプの貫通開口部内に位置されている。
【0067】
センサプローブ又は測定システムは、センサプローブがロゴスキーコイルを測定器具に結合する第1のワイヤと、非接触センサを測定器具に結合する第2のワイヤと、を含むなどの、別の特徴を含み得る。
【0068】
センサプローブ又は測定システムは、非接触センサがロゴスキーコイルに恒久的に固定されているなどの、別の特徴を含み得る。
【0069】
センサプローブ又は測定システムは、第1のリードが第1のソケットに恒久的に固定され、かつ第2のリードが第2のリードに取り外し可能に固定されるように構成されているなどの、別の特徴を含み得る。
【0070】
前述の開示を考慮して、動作方法の様々な実施例は、以下の特徴のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせを含み得る。非接触センサを第1の位置から除去すること、ロゴスキーコイルを第2の位置から除去すること、及び非接触センサをロゴスキーコイルから分離すること。方法は、クランプのハンドルを互いに向かって移動させて、一対のジョーを各々から離れるように移動させること、又はクランプの第1のハンドルを第2のハンドルに向かって移動させて、一対のジョーを各々から離れるように移動させることを更に含み得る。方法は、一対のジョーを絶縁ワイヤの周りに置くことと、ハンドルを解放して、一対のジョーが絶縁ワイヤを保持することを可能にすることと、を更に含み得る。
【0071】
方法は、感知プローブの非接触センサがワイヤに対して閾値距離内に置かれ、かつワイヤがセンサプローブのロゴスキーコイルの中央領域に置かれるように、感知プローブのクランプでワイヤを保持することを含み得る。感知プローブの非接触センサが第1の位置に留まっており、センサプローブのロゴスキーコイルが第2の位置に留まっている間に、センサプローブを使用してワイヤの少なくとも1つの電気的パラメータを感知する。
【0072】
方法は、非接触センサを第1の位置から除去すること、ロゴスキーコイルを第2の位置から除去すること、及び非接触センサをロゴスキーコイルから分離することなどの、別の特徴を含み得る。
【0073】
方法は、非接触センサをロゴスキーコイルから分離すること、非接触センサを使用して、ワイヤの第1の電気的パラメータを感知すること、及びロゴスキーコイルがワイヤの第2の電気的パラメータを感知することである、別の特徴を含み得る。
【0074】
方法は、第1の電気的パラメータを示す第1の信号を測定器具に送信することと、第2の電気的パラメータを示す第2の信号を測定器具に送信することと、を含む、別の特徴を含み得る。第1の信号及び第2の信号は、それぞれ、第1及び第2のワイヤを介して測定器具に送信され得る。代替的に、第1及び第2の信号は、同じワイヤにわたって測定器具に送信され得る。
【0075】
方法は、クランプのハンドルを互いに向かって移動させて、一対のジョーを各々から離れるように移動させること、一対のジョーを絶縁ワイヤの周りに置くこと、及びハンドルを解放して、一対のジョーが絶縁ワイヤを保持することを可能にすることなどの、別の特徴を含み得る。
【0076】
方法は、クランプの第1のハンドルを第2のハンドルに向かって移動させて、一対のジョーを互いに離れるように移動させること、一対のジョーを絶縁ワイヤの周りに置くこと、及び第1のハンドルを解放して、一対のジョーが絶縁ワイヤを保持することを可能にすることなどの、別の特徴を含み得る。
【0077】
方法は、ロゴスキーコイルを使用して電流を感知すること、及び非接触センサを使用して電圧を感知することなどの、別の特徴を含み得る。
【0078】
方法は、絶縁ワイヤを保持する一対のジョーがロゴスキーコイルの中央領域を通って垂直に延在しているなどの、別の特徴を含み得る。
【0079】
上に記載した様々な実施形態を組み合わせ、更なる実施形態を提供することができる。米国特許、本明細書で言及され、及び/又は出願データシートに列挙された米国特許出願公開、米国特許明細書、外国の特許、外国の特許明細書及び非特許刊行物はすべて、それらの全体が参考として本明細書に援用される。実施形態の態様を改変し、必要な場合には、様々な特許、明細書及び刊行物の概念を使用して、更なる実施形態を提供することができる。
【0080】
上記の発明を実施するための形態を考慮して、これら及び他の変更を実施形態に行うことができる。一般的に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書及び特許請求の範囲に開示される具体的な実施形態に限定するものと解釈すべきではないが、このような特許請求の範囲によって権利が与えられる全均等物の範囲に沿ったすべての可能な実施形態を含むと解釈すべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって制限されるものではない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】