(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036539
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】UV、R、G、B、IRの任意組み合わせの光学フィルタ構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20230307BHJP
G02B 5/28 20060101ALI20230307BHJP
C23C 14/14 20060101ALI20230307BHJP
C23C 14/08 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
G02B5/20 101
G02B5/28
C23C14/14 D
C23C14/08 J
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022126468
(22)【出願日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】110132659
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】519355563
【氏名又は名称】晶瑞光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄒 政興
(72)【発明者】
【氏名】鄭▲うぇはお▼
(72)【発明者】
【氏名】倪 培元
【テーマコード(参考)】
2H148
4K029
【Fターム(参考)】
2H148BA01
2H148BC01
2H148BC52
2H148BD03
2H148BD24
2H148BG11
2H148BG14
2H148BH01
2H148BH29
2H148GA03
2H148GA12
4K029BA01
4K029BA43
4K029BA48
4K029CA06
(57)【要約】
【課題】光学フィルタ膜の均一性を向上させ、より広域の波長帯域を提供し、より異なる波長の画像を形成し、より高感度の分解能を有して光学仕様の要求を満たすUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
UV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造は、基板及び光学フィルタ層を備え、基板はウェーハ半導体センシング部材又は光透過部材の何れかの製品であり、光学フィルタ構造は基板の一側面に形成され、マトリックス状に配置された複数の基本単位で構成され、各基本単位は真空コーティングで形成された複数画素光学フィルタ膜を含み、複数画素光学フィルタ膜は、UV画素光学フィルタ膜、R画素光学フィルタ膜、G画素光学フィルタ膜、B画素光学フィルタ膜及びIR画素光学フィルタ膜の任意の複数種を含み、複数画素光学フィルタ膜は、対応する波長の光のみを通過させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハ半導体センシング部材又は光透過部材のいずれかの製品である基板と、
前記基板の一側面に形成され、マトリックス状に配置された複数の基本単位で構成され、各基本単位は、真空コーティングによって形成された複数画素光学フィルタ膜を含み、前記複数画素光学フィルタ膜は、UV画素光学フィルタ膜、R画素光学フィルタ膜、G画素光学フィルタ膜、B画素光学フィルタ膜及びIR画素光学フィルタ膜のうちの任意の組み合わせを含み、前記複数画素光学フィルタ膜は、対応する波長の光のみを通過させる光学フィルタ層と、
を備えるUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造。
【請求項2】
前記UV画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層及び屈折率がルビジウム(Rb)層よりも高い複数の高屈折率層が互いに堆積されて形成され、各層の特殊な厚さ構成により、300nm~1100nm波長範囲以内に通過帯域を形成し、前記通過帯域の中心波長は300nm~400nmであり、残りはカットオフされ、前記通過帯域の中心波長の入射角が0°である時の透過率(transmittance)は、50%よりも大きく、そのカットオフバンドの透過率は平均1%未満であり、
前記R画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層及び屈折率がルビジウム(Rb)層よりも高い複数の高屈折率層が互いに堆積されて形成され、各層の特殊な厚さ構成により、300nm~1100nm波長範囲以内に通過帯域を形成し、前記通過帯域の中心波長は580nm~740nmであり、残りはカットオフされ、前記通過帯域の中心波長の入射角が0°である時の透過率(transmittance)は、55%よりも大きく、そのカットオフバンドの透過率は1%未満であり、
前記G画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層及び屈折率がルビジウム(Rb)層よりも高い複数の高屈折率層が互いに堆積されて形成され、各層の特殊な厚さ構成により、300nm~1100nm波長範囲以内に通過帯域を形成し、前記通過帯域の中心波長は500nm~565nmであり、残りはカットオフされ、前記通過帯域の中心波長の入射角が0°である時の透過率(transmittance)は、55%よりも大きく、そのカットオフバンドの透過率は1%未満であり、
前記B画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層及び屈折率がルビジウム(Rb)層よりも高い複数の高屈折率層が互いに堆積されて形成され、各層の特殊な厚さ構成により、300nm~1100nm波長範囲以内に通過帯域を形成し、前記通過帯域の中心波長は400nm~500nmであり、残りはカットオフされ、前記通過帯域の中心波長の入射角が0°である時の透過率(transmittance)は、55%よりも大きく、そのカットオフバンドの透過率は1%未満であり、
前記IR画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層及び屈折率がルビジウム(Rb)層よりも高い複数の高屈折率層が互いに堆積されて形成され、各層の特殊な厚さ構成により、300nm~1100nm波長範囲以内に通過帯域を形成し、前記中心波長は、赤外800nm~1100nmの波長範囲内に一部分のみ又は部分的に重なって通過帯域を形成し、残りのカットオフバンドの透過率は、1%未満であり、前記通過帯域の中心波長の入射角が0°である時の透過率(transmittance)は、30%よりも大きい、請求項1に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造。
【請求項3】
前記複数画素光学フィルタ膜の前記複数のルビジウム(Rb)層の350nm~2000nmの波長範囲内の屈折率は、0.25から0.13であり、吸光係数は、0.24~5.58であり、前記複数の高屈折率層は、五酸化三チタン(Ti3O5)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、五酸化タンタル(Ta2O5)、混合膜材料(H4)及びそれらの混合物であってよく、前記複数の高屈折率層の350nm~1100nmの波長範囲内の屈折率は、1.6よりも大きく、消光係数は0に近い、請求項2に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造。
【請求項4】
前記UV画素光学フィルタ膜の構造条件が、
第1層Ti3O5の厚さが82.56nm、第2層Rbの厚さが42.79nm、第3層Ti3O5の厚さが18.36nm、第4層Rbの厚さが61.82nm、第5層Ti3O5の厚さが92.26nm、第6層Rbの厚さが44.13nm、第7層Ti3O5の厚さが26.52nm、第8層Rbの厚さが54.26nm、第9層Ti3O5の厚さが29.99nm、第10層Rbの厚さが29.32nm、第11層Ti3O5の厚さが30.24nm、第12層Rbの厚さが55.54nm、第13層Ti3O5の厚さが154.53nm、第14層Rbの厚さが61.42nm、第15層Ti3O5の厚さが83.48nm、第16層Rbの厚さが60.76nm、第17層Ti3O5の厚さが76.12nmである;
又は、第1層TiO2の厚さが82.87nm、第2層Rbの厚さが42.79nm、第3層TiO2の厚さが18.39nm、第4層Rbの厚さが61.82nm、第5層TiO2の厚さが92.44nm、第6層Rbの厚さが44.13nm、第7層TiO2の厚さが26.57nm、第8層Rbの厚さが54.26nm、第9層TiO2の厚さが30.05nm、第10層Rbの厚さが29.32nm、第11層TiO2の厚さが30.3nm、第12層Rbの厚さが55.54nm、第13層TiO2の厚さが154.83nm、第14層Rbの厚さが61.42nm、第15層TiO2の厚さが83.64nm、第16層Rbの厚さが60.76nm、第17層材料TiO2の厚さが76.27nmである;
又は、第1層Nb2O5の厚さが85.46nm、第2層Rbの厚さが42.79nm、第3層Nb2O5の厚さが19nm、第4層Rbの厚さが61.82nm、第5層Nb2O5の厚さが95.5nm、第6層Rbの厚さが44.13nm、第7層Nb2O5の厚さが44.13nm、第8層Rbの厚さが54.26nm、第9層Nb2O5の厚さが31.05nm、第10層Rbの厚さが29.32nm、第11層Nb2O5の厚さが31.3nm、第12層Rbの厚さが55.54nm、第13層Nb2O5の厚さが159.96nm、第14層Rbの厚さが61.42nm、第15層Nb2O5の厚さが86.41nm、第16層Rbの厚さが60.76nm、第17層材料Nb2O5の厚さが78.8nmである;
又は、第1層Ta2O5‐5#の厚さが93.58nm、第2層Rbの厚さが42.79nm、第3層Ta2O5‐5#の厚さが20.81nm、第4層Rbの厚さが61.82nm、第5層Ta2O5‐5#の厚さが104.58nm、第6層Rbの厚さが44.13nm、第7層Ta2O5‐5#の厚さが30.06nm、第8層Rbの厚さが54.26nm、第9層Ta2O5‐5#は34nm、第10層Rbの厚さが29.32nm、第11層Ta2O5‐5#の厚さが34.28nm、第12層Rbの厚さが55.54nm、第13層Ta2O5‐5#の厚さが175.16nm、第14層Rbの厚さが61.42nm、第15層Ta2O5‐5#の厚さが94.62nm、第16層Rbの厚さが60.76nm、第17層材料Ta2O5‐5#の厚さが86.29nmである;
又は、第1層H4の厚さが95.57nm、第2層Rbの厚さが42.79nm、第3層H4の厚さが21.25nm、第4層Rbの厚さが61.82nm、第5層H4の厚さが106.8nm、第6層Rbの厚さが44.13nm、第7層H4の厚さが30.7nm、第8層Rbの厚さが54.26nm、第9層H4の厚さが34.72nm、第10層Rbの厚さが29.32nm、第11層H4厚さが35.01nm、第12層Rbの厚さが55.54nm、第13層H4の厚さが178.89nm、第14層Rbの厚さが61.42nm、第15層H4の厚さが96.64nm、第16層Rbの厚さが60.76nm、第17層材料H4の厚さが88.12nmである;
のいずれか1つである、請求項3に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造。
【請求項5】
前記R画素光学フィルタ膜の構造条件が、
第1層Ti3O5の厚さが66.02nm、第2層Rbの厚さが7.96nm、第3層Ti3O5の厚さが128.05nm、第4層Rbの厚さが52.37nm、第5層Ti3O5の厚さが120.7、第6層Rbの厚さが61.05nm、第7層Ti3O5の厚さが123.81nm、第8層Rbの厚さが59.29nm、第9層Ti3O5の厚さが34.09nm、第10層Rbの厚さが61.6nm、第11層Ti3O5の厚さが37.04nm、第12層Rbの厚さが55.14nm、第13層Ti3O5の厚さが35.34nm、第14層Rbの厚さが53.51nm、第15層Ti3O5の厚さが107.1nmである;
又は、第1層TiO2の厚さが66.35nm、第2層Rbの厚さが7.96nm、第3層TiO2の厚さが128.69nm、第4層Rbの厚さが52.37nm、第5層TiO2の厚さが121.3nm、第6層Rbの厚さが61.05nm、第7層TiO2の厚さが124.42nm、第8層Rbの厚さが59.29nm、第9層TiO2の厚さが34.26nm、第10層Rbの厚さが61.6nm、第11層TiO2の厚さが37.23nm、第12層Rbの厚さが54.14nm、第13層TiO2の厚さが35.52nm、第14層Rbの厚さが53.51nm、第15層TiO2の厚さが107.63nmである;
又は、第1層Nb2O5の厚さが67.27nm、第2層Rbの厚さが7.96nm、第3層Nb2O5の厚さが130.47nm、第4層Rbの厚さが52.37nm、第5層Nb2O5の厚さが122.98nm、第6層Rbの厚さが61.05nm、第7層Nb2O5の厚さが126.15nm、第8層Rbの厚さが59.29nm、第9層Nb2O5厚さが34.73nm、第10層Rbの厚さが61.1nm、第11層Nb2O5の厚さが37.74nm、第12層Rbの厚さが54.14nm、第13層Nb2O5の厚さが36.01nm、第14層Rbの厚さが53.51nmであり、第15層Nb2O5の厚さが109.12nmである;
又は、第1層Ta2O5‐5#の厚さが73.07nm、第2層Rbの厚さが7.96nm、第3層Ta2O5‐5#の厚さが141.72nm、第4層Rbの厚さが52.37nm、第5層Ta2O5‐5#の厚さが133.58nm、第6層Rbの厚さが61.05nm、第7層Ta2O5‐5#の厚さが137.02nm、第8層Rbの厚さが59.29nm、第9層Ta2O5‐5#の厚さが37.73nm、第10層Rbの厚さが61.6nm、第11層Ta2O5‐5#の厚さが41nm、第12層Rbの厚さが54.14nm、第13層Ta2O5‐5#の厚さが39.11nm、第14層Rbの厚さが53.51nm、第15層Ta2O5‐5#の厚さが118.53nmである;
又は、第1層H4の厚さが75.04nm、第2層Rbの厚さが7.96nm、第3層H4の厚さが145.55nm、第4層Rbの厚さが52.37nm、第5層H4の厚さが137.19nm、第6層Rbの厚さが61.05nm、第7層H4の厚さが140.73nm、第8層Rbの厚さが59.29nm、第9層H4の厚さが38.75nm、第10層Rbの厚さが61.6nm、第11層H4の厚さが42.1nm、第12層Rbの厚さが54.14nm、第13層H4の厚さが40.17nm、第14層Rbの厚さが53.51nm、第15層H4の厚さが121.73nmである;
のいずれか1つである、請求項3に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造。
【請求項6】
前記G画素光学フィルタ膜の構造条件が、
第1層Ti3O5の厚さが37.73nm、第2層Rbの厚さが1.13nm、第3層Ti3O5の厚さが435.81nm、第4層Rbの厚さが27.15nm、第5層Ti3O5の厚さが272.27、第6層Rbの厚さが54.95nm、第7層Ti3O5の厚さが66.34nm、第8層Rbの厚さが26.03nm、第9層Ti3O5の厚さが61.25nm、第10層Rbの厚さが70.15nm、第11層Ti3O5の厚さが159.31nm、第12層Rbの厚さが70.11nm、第13層Ti3O5の厚さが44.67nm、第14層Rbの厚さが64.2nm、第15層Ti3O5の厚さが137.9nmである;
第1層TiO2の厚さが37.73nm、第2層Rbの厚さが1.13nm、第3層TiO2の厚さが435.84nm、第4層Rbの厚さが27.15nm、第5層TiO2の厚さが272.28nm、第6層Rbの厚さが54.95nm、第7層TiO2の厚さが66.34nm、第8層Rbの厚さが26.03nm、第9層TiO2の厚さが61.25nm、第10層Rbの厚さが70.15nm、第11層TiO2の厚さが159.32nm、第12層Rbの厚さが70.11nm、第13層TiO2の厚さが44.67nm、第14層Rbの厚さが64.2nm、第15層TiO2の厚さが137.9nmである;
又は、第1層Nb2O5の厚さが38.24nm、第2層Rbの厚さが1.13nm、第3層Nb2O5の厚さが441.74nm、第4層Rbの厚さが27.15nm、第5層Nb2O5の厚さが275.97nm、第6層Rbの厚さが54.95nm、第7層Nb2O5の厚さが67.26nm、第8層Rbの厚さが26.03nm、第9層Nb2O5の厚さが62.08nm、第10層Rbの厚さが70.15nm、第11層Nb2O5の厚さが161.48nm、第12層Rbの厚さが70.11nm、第13層Nb2O5の厚さが45.28nm、第14層Rbの厚さが64.2nm、第15層Nb2O5の厚さが139.77nmである;
又は、第1層Ta2O5‐5#の厚さが41.04nm、第2層Rbの厚さが1.13nm、第3層Ta2O5‐5#の厚さが474.13nm、第4層Rbの厚さが27.15nm、第5層Ta2O5‐5#の厚さが296.21nm、第6層Rbの厚さが54.95nm、第7層Ta2O5‐5#の厚さが72.17nm、第8層Rbの厚さが26.03nm、第9層Ta2O5‐5#の厚さが66.63nm、第10層Rbの厚さが70.15nm、第11層Ta2O5‐5#の厚さが173.32nm、第12層Rbの厚さが70.11nm、第13層Ta2O5‐5#の厚さが48.6nm、第14層Rbの厚さが64.2nm、第15層Ta2O5‐5#の厚さが150.02nmである;
又は、第1層H4の厚さが41.99nm、第2層Rbの厚さが1.13nm、第3層H4の厚さが485.12nm、第4層Rbの厚さが27.15nm、第5層H4の厚さが303.07nm、第6層Rbの厚さが54.95nm、第7層H4の厚さが73.84nm、第8層Rbの厚さが26.03nm、第9層H4の厚さが68.18nm、10層Rbの厚さが70.15nm、第11層H4の厚さが177.34nm、第12層Rbの厚さが70.11nm、第13層H4の厚さが49.72nm、第14層Rbの厚さが64.2nm、第15層H4の厚さが153.5nmである;
のいずれか1つである、請求項3に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造。
【請求項7】
前記B画素光学フィルタ膜の構造条件が、
第1層Ti3O5の厚さが225.86nm、第2層Rbの厚さが12.2nm、第3層Ti3O5の厚さが180.94nm、第4層Rbの厚さが65.2nm、第5層Ti3O5の厚さが179.28nm、第6層Rbの厚さが88.85nm、第7層Ti3O5の厚さが52.08nm、第8層Rbの厚さが66.94nm、第9層Ti3O5の厚さが148.89nm、第10層Rbの厚さが9.67nm、第11層Ti3O5の厚さが62.89nm、第12層Rbの厚さが24.8nm、第13層Ti3O5の厚さが48.76nmである;
又は、第1層TiO2の厚さが226.4nm、第2層Rbの厚さが12.2nm、第3層TiO2の厚さが181.37nm、第4層Rbの厚さが65.2nm、第5層TiO2の厚さが179.71nm、第6層Rbの厚さが88.85nm、第7層TiO2の厚さが52.2nm、第8層Rbの厚さが66.94nm、第9層TiO2の厚さが149.24nm、第10層Rbの厚さが9.76nm、第11層TiO2の厚さが63.04nm、第12層Rbの厚さが24.8nm、第13層TiO2の厚さが48.87nmである;
又は、第1層Nb2O5の厚さが228.19nm、第2層Rbの厚さが12.2nm、第3層Nb2O5の厚さが182.8nm、第4層Rbの厚さが65.2nm、第5層Nb2O5の厚さが181.13nm、第6層Rbの厚さが88.85nm、第7層Nb2O5厚さが52.62nm、第8層Rbの厚さが66.94nm、第9層Nb2O5の厚さが150.42nm、第10層Rbの厚さが9.67nm、第11層Nb2O5の厚さが63.54nm、第12層Rbの厚さが24.8nm、第13層Nb2O5の厚さが49.26nmである;
又は、第1層Ta2O5‐5#の厚さが244.83nm、第2層Rbの厚さが12.2nm、第3層Ta2O5‐5#の厚さが196.14nm、第4層Rbの厚さが65.25nm、第5層Ta2O5‐5#の厚さが194.34nm、第6層Rbの厚さが88.85nm、第7層Ta2O5‐5#の厚さが56.45nm、第8層Rbの厚さが66.94nm、第9層Ta2O5‐5#の厚さが161.39nm、第10層Rbの厚さが9.76nm、第11層Ta2O5‐5#の厚さが68.17nm、第12層Rbの厚さが24.8nm、第13層Ta2O5‐5#の厚さが52.85nmである;
又は、第1層H4の厚さが249.19nm、第2層Rbの厚さが12.2nm、第3層H4の厚さが199.63nm、第4層Rbの厚さが65.2nm、第5層H4の厚さが197.8nm、第6層Rbの厚さが88.85nm、第7層H4の厚さが57.46nm、第8層Rbの厚さが66.94nm、第9層H4の厚さが164.26nm、第10層Rbの厚さが9.76nm、第11層H4の厚さが69.39nm、第12層Rbの厚さが24.8nm、第13層のH4の厚さが53.79nmである;
のいずれか1つである、請求項3に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造。
【請求項8】
前記IR画素光学フィルタ膜の構造条件が、
第1層Ti3O5の厚さが79.94nm、第2層Rbの厚さが55.92nm、第3層Ti3O5の厚さが556.74nm、第4層Rbの厚さが19.13nm、第5層Ti3O5の厚さが169.04nm、第6層Rbの厚さが80.55nm、第7層Ti3O5の厚さが139.86nm、第8層Rbの厚さが36.53nm、第9層Ti3O5の厚さが350.46nm、第10層Rbの厚さが109.85nm、第11層Ti3O5の厚さが122.52nm、第12層Rbの厚さが35.63nmnm、第13層Ti3O5の厚さが171.98nm、第14層Rbの厚さが63.02nm、第15層Ti3O5の厚さが263.23nmである;
又は、第1層TiO2の厚さが78.76nm、第2層Rbの厚さが55.92nm、第3層TiO2の厚さが548.52nm、第4層Rbの厚さが19.13nm、第5層TiO2の厚さが166.54nm、第6層Rbの厚さが80.55nm、第7層TiO2の厚さが137.8nm、第8層Rbの厚さが36.53nm、第9層TiO2の厚さが345.29nm、第10層Rbの厚さが109.85nm、第11層TiO2の厚さが120.71nm、第12層Rbの厚さが35.63nm、第13層TiO2の厚さが169.44nm、第14層Rbの厚さが63.02nm、第15層TiO2の厚さが262.83nmである;
又は、第1層Ta2O5‐5#の厚さが87.03nm、第2層Rbの厚さが55.92nm、第3層Ta2O5‐5#の厚さが606.16nm、第4層Rbの厚さが19.13nm、第5層Ta2O5‐5#の厚さが184.04nm、第6層Rbの厚さが80.55nm、第7層Ta2O5‐5#の厚さが152.28nm、第8層Rbの厚さが36.53nm、第9層Ta2O5‐5#の厚さが381.57nm、第10層Rbの厚さが109.85nm、第11層Ta2O5‐5#の厚さが133.4nm、第12層Rbの厚さが35.63nm、第13層Ta2O5‐5#の厚さが187.25nm、第14層Rbの厚さが63.02nm、第15層Ta2O5‐5#の厚さが286.6nmである;
又は、第1層H4の厚さが87.04nm、第2層Rbの厚さが55.92nm、第3層H4の厚さが606.22nm、第4層Rbの厚さが19.13nm、第5層H4の厚さが184.06nm、第6層Rbの厚さが80.55nm、第7層H4の厚さが152.29nm、第8層Rbの厚さ36.53nm、第9層H4の厚さ381.61nm、第10層Rbの厚さが109.85nm、第11層H4の厚さが133.41nm、第12層Rbの厚さが35.63nm、第13層H4の厚さが187.26nm、第14層Rbの厚さが63.02nm、第15層H4の厚さが286.62nmである;
のいずれか1つである、請求項3に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造。
【請求項9】
(a)基板上にフォトレジストマスクを形成する:基板の一側面にフォトレジストマスクを形成し、前記フォトレジストマスク上の画素光学フィルタ膜をめっきしたい箇所に中空の複数のコーティング領域が設けられる工程と、
(b)真空コーティング:真空コーティングの方法を使用して、前記コーティング領域上に異なる厚さの複数のルビジウム(Rb)層及び複数の高屈折率層が互いに堆積される複数画素光学フィルタ膜を形成する工程と、
(c)レジスト剤をコーティングする:中空コーティング領域を密封するために画素光学フィルタ膜をコーティングした後、フォトレジストマスクの中空コーティング領域上にレジスト剤をコーティングする工程と、
(d)エッチング:エッチングにより、前記フォトレジストマスク上の複数の別の画素光学フィルタ膜をめっきしたい箇所に中空の複数の別のコーティング領域を形成する工程と、
(e)再度真空コーティング:真空コーティングの方法を使用して、エッチングによって形成された前記複数の別のコーティング領域を形成し、異なる厚さの複数のルビジウム(Rb)層及び複数の高屈折率層が互いに堆積された複数の別の画素光学フィルタ膜を形成する工程と、
(f)フォトレジストマスクの除去:フォトレジストマスクの除去を行い、完成させる工程と、
を含み、
工程(b)及び工程(e)の各層のコーティングの厚さを制御することにより、最終的に完成する光学フィルタ構造をUV、R、G、B、IRの任意の2つの画素光学フィルタ膜の組み合わせにすることができる、UV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造の製造方法。
【請求項10】
前記工程(e)の後、必要に応じて工程(c)~(e)を繰り返し、工程(f)を行い、工程(b)及び工程(e)の各層のコーティング厚さを制御することにより、最終的に完成する光学フィルタ構造をUV、R、G、B、IRの任意の3つ又は任意の複数種の画素光学フィルタ膜の任意の組み合わせとすることができる、請求項9に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造の製造方法。
【請求項11】
前記工程(a)は、(a1)レジスト剤をスピンコーティングする;(a2)ソフトロースト;(a3)露光;(a4)ソフトロースト;(a5)現像;(a6)ソフトベーク;及び(a7)洗浄;を含む、請求項9又は10に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造の製造方法。
【請求項12】
前記工程(b)及び前記工程(e)の真空コーティングプロセスは、真空スパッタリング反応性コーティングシステムにおいて行うものであり、ルビジウム(Rb)及び屈折率がルビジウム(Rb)よりも高い高屈折率材料をスパッタリングのターゲットとし、製造過程は、(A)清潔な基板をドラムに置き、コーティング面を外に向ける;(B)前記ドラムをコーティングチャンバ内において一定速度で回転させる;(C)真空度が10‐3Pa~10‐5Paの場合、対応するターゲットを開き、アルゴンガスを通過させ、電界の作用下でターゲットに衝撃を与え、イオンを形成して前記基板に付着させる;(D)前記ドラムの回転に従って、前記基板が反応性ソース領域に搬送される;(E)前記反応性ソース領域に酸素又はアルゴンが供給されてプラズマが形成され、電界の作用下で前記基板に向かって高速で移動し、最終的に前記基板上にルビジウム(Rb)膜又は屈折率がルビジウムよりも高い高屈折率膜を形成する;である、請求項9又は10に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造の製造方法。
【請求項13】
前記屈折率がルビジウム(Rb)よりも高い高屈折率材料は、五酸化三チタン(Ti3O5)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、五酸化タンタル(Ta2O5)、混合フィルム材料(H4)及びそれらの混合物のいずれか1つである、請求項12に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造の製造方法。
【請求項14】
各層のコーティングの秒数を制御することにより、各層のコーティングの厚さを制御することができ、時間が長いほど、厚さが厚くなる、請求項12に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造の製造方法。
【請求項15】
ルビジウム(Rb)膜を製造する時、導入する酸素ガス及びアルゴンガスの合計に対する導入酸素ガスの体積百分比は10%~90%であり、350nm~2000nmの波長範囲内の屈折率が0.25~0.13であり、消光係数が0.24~5.58である薄膜を製造し、高屈折率材料を使用する場合、導入する酸素ガス及びアルゴンガスの合計に対する導入酸素の体積百分比は10%~90%であり、350nm~1100nmの屈折率が1.3から2.5まで徐々に変化し、消光係数が0に近い高屈折率薄膜を製造する、請求項12に記載のUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲光センサ (Ambient Light Sensor,ALS)、近接センサ(Proximity Sensor,PS)、RGB色温度センサ及びジェスチャーセンサなどの光学センサのセンサチップに適用される光学フィルタ構造及び製造方法の技術分野に関し、特に、光学フィルタ膜の均一性(均一性±5nm)を図り、より広域の波長帯域を提供し、より異なる波長の画像を形成し、より高感度の分解能を有して光学仕様の要求を満たすことができるUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可視光カメラモジュールなどの従来の光学センサは、赤外線カットフィルタを採用し、不要な低周波近赤外線をフィルタリングし、赤外線が可視光部分に影響を与えて誤った色や波紋が生じるのを防ぐ必要があるが、従来の可視光撮像モジュールは、UV画素とIR画素を有していない。
【0003】
台湾特許出願第100112527号に示されているように、一般的に知られているカラー光学フィルタ及びその製造方法は、主にインクジェット印刷法を使用し、カラー光学フィルタ膜の厚さが約5ミクロンであり、顔料フォトレジスト液の使用は多量であり、解像度と位置再現性が悪く、製造工程が基板のサイズに従って徐々に増大している。初期のレジスト剤コーティング法は、中央からのドロップ(tube)に更にスピンコーティング(spin coat)を組み合わせたものであり、更に最近では、スリット(slit)コーティングにスピンコーティングを組み合わせたものとなっており、その目的は、レジスト剤の使用量を減らすことであり、将来的に基板のサイズが大きくなると、光学フィルタ膜の均一性(uniformity)が仕様要求(±2%)を満たせなくなり、光透過率と波長が仕様要求(カットオフバンドが透過率1%未満)を満たせなくなり、カットオフバンドの透過率が高すぎるため、ノイズを引き起こす。従来の金属カラー光学フィルタに使用されている材料は銀であり、環境的に不安定で腐食し易い。
【0004】
本発明者は、上記の問題に対して、深く思考し、且つ積極的に研究改良を試み、本発明を開発している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-25669号公報
【特許文献2】特開2022-8858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来のカラー光学フィルタ及びその製造方法に存在する、大型サイズの基板を製造する時に光学フィルタ膜の均一性(uniformity)が仕様要求(±2%)を満たすことができず、光透過率及び波長が仕様要求(カットオフバンドの透過率1%未満)を満たすことができないという問題を効果的に解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基板及び光学フィルタ層を備えるUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造を提供する。前記基板は、ウェーハ半導体センシング部材又は光透過部材のいずれかの製品である。前記光学フィルタ構造は、前記基板の一側面に形成され、マトリックス状に配置された複数の基本単位で構成され、各基本単位は、真空コーティングによって形成された複数画素光学フィルタ膜を含み、前記複数画素光学フィルタ膜は、UV画素光学フィルタ膜、R画素光学フィルタ膜、G画素光学フィルタ膜、B画素光学フィルタ膜及びIR画素光学フィルタ膜のうちの任意の複数のものを含み、前記複数画素光学フィルタ膜は、対応する波長の光のみを通過させる。
【0008】
本発明は、(a)基板上にフォトレジストマスクを形成する:基板の一側面にフォトレジストマスクを形成し、前記フォトレジストマスク上の画素光学フィルタ膜をメッキしたい箇所に中空の複数のコーティング領域が設けられる工程と、(b)真空コーティング:真空コーティングの方法を使用して、前記コーティング領域上に異なる厚さの複数のルビジウム(Rb)層及び複数の高屈折率層が互いに堆積される複数画素光学フィルタ膜を形成する工程と、(c)レジスト剤をコーティングする:中空コーティング領域を密封するために画素光学フィルタ膜をコーティングした後、フォトレジストマスクの中空コーティング領域上にレジスト剤をコーティングする工程と、(d)エッチング:エッチングにより、前記フォトレジストマスク上の複数の別の画素光学フィルタ膜をメッキしたい箇所に中空の複数の別のコーティング領域を形成する工程と、(e)再度真空コーティング:真空コーティングの方法を使用して、エッチングによって形成された前記複数の別のコーティング領域を形成し、異なる厚さの複数のルビジウム(Rb)層及び複数の高屈折率層が互いに堆積された複数の別の画素光学フィルタ膜を形成する工程と、(f)フォトレジストマスクの除去:フォトレジストマスクの除去を行い、完成させる工程と、を含むUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造の製造方法を提供する。
【0009】
上記において、工程(e)の後、必要に応じて工程(c)~(e)を繰り返し、工程(f)を行うことにより、3つ又は、さらに多くの画素光学フィルタからなる光学フィルタ構造を作製する。
【発明の効果】
【0010】
本発明が提供するUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造及びその製造方法は、真空コーティングにフォトレジストマスクを組み合わせた製造方法によって、基板サイズを大きくしても均一性が±5nm以下であり、カットオフバンドの透過率が1%未満の仕様要求を満たし、これらのUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造は、より高い透過率及びより狭い通過帯域を有し、色彩がより鮮やかでより明るくなり、更に、それを周囲光センサ(Ambient Light Sensor,ALS)、近接センサ(Proximity Sensor,PS)、RGB色温度センサ及びジェスチャーセンサなどの光学センサのセンサチップに応用する時、反応時間がより速く、同製品の色識別率及び調整感度を大幅に向上させることができ、感光性コントラストの明るさも大幅に向上させ、当業者が光を果物(オレンジ、キウイ等)に向け、本発明を応用したセンサチップ及びAIを使用して、果物の内皮層の成熟度を正確に識別し、果物の成熟度の識別/等級付けを実現し、従来のマンパワーによる識別コストを大幅に削減する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の光学フィルタ構造を説明する説明図である。
【
図2】本発明の光学フィルタ層の基本単位構成の説明図である。
【
図3】本発明のUV画素光学フィルタ膜のスペクトル図である。
【
図4】本発明のR画素光学フィルタ膜のスペクトル図である。
【
図5】本発明のG画素光学フィルタ膜のスペクトル図である。
【
図6】本発明のB画素光学フィルタ膜のスペクトル図である。
【
図7】本発明のIR画素光学フィルタ膜のスペクトル図である。
【
図8】本発明の製造方法の製造フローの説明図である。
【
図9】本発明のフォトレジストマスクの製造フローの説明図である。
【
図10】本発明の真空スパッタリング反応性コーティングシステムの構造を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び
図2を参照し、本発明で説明されるUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造が、基板10及び光学フィルタ層20を含む。
【0013】
そのうち、前記基板10は、ウェーハ半導体センシング部材である。
【0014】
前記光学フィルタ層20は、前記基板10の一側面に形成され、マトリックス状に配置された複数の基本単位21から構成され、各基本単位21は、真空コーティングによって形成された複数画素光学フィルタ膜22を含む。前記複数画素光学フィルタ膜22は、UV画素光学フィルタ膜、R画素光学フィルタ膜、G画素光学フィルタ膜、B画素光学フィルタ膜及びIR画素光学フィルタ膜のうちの任意の複数を含み、且つ前記複数画素光学フィルタ膜は、対応する波長の光のみを通過させることができる。
【0015】
本発明の各基本単位21の複数画素光学フィルタ膜22の組み合わせは、UV画素光学フィルタ膜、R画素光学フィルタ膜、G画素光学フィルタ膜、B画素光学フィルタ膜及びIR画素光学フィルタ膜の任意の2つ、任意の3つ又は、さらに多くの組み合わせであってよく、本実施形態は、4つの組み合わせの例である。
【0016】
前記UV画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層23及び屈折率がルビジウム(Rb)層よりも高い複数の高屈折率層24が互いに堆積されて形成され、300nm~1100nmの波長範囲内で形成された通過帯域を有し、前記通過帯域の中心波長は、300~400nmにあり、その残りのカットオフバンドの透過率は、平均1%未満であり、前記通過帯域の中心波長の入射角が0°である時の透過率(transmittance)は、50%よりも大きい。
【0017】
前記R画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層23及び屈折率がルビジウム(Rb)層よりも高い複数の高屈折率層24が互いに堆積されて形成され、300nm~1100nm波長範囲以内に通過帯域を形成し、前記通過帯域の中心波長は580nm~740nmであり、その残りのカットオフバンドの透過率は、平均1%未満であり、前記通過帯域の中心波長の入射角が0°である時の透過率(transmittance)は、55%よりも大きい。
【0018】
前記G画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層23及び屈折率がルビジウム(Rb)層よりも高い複数の高屈折率層24が互いに堆積されて形成され、各層の特殊な厚さ構成により、300nm~1100nm波長範囲以内に通過帯域を形成し、前記通過帯域の中心波長は500nm~565nmであり、そのカットオフバンドの透過率は1%未満であり、前記通過帯域の中心波長の入射角が0°である時の透過率(transmittance)は、55%よりも大きい。
【0019】
前記B画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層23及び屈折率がルビジウム(Rb)層よりも高い複数の高屈折率層24が互いに堆積されて形成され、各層の特殊な厚さ構成により、300nm~1100nm波長範囲以内に通過帯域を形成し、前記通過帯域の中心波長は400nm~500nmであり、そのカットオフバンドの透過率は1%未満であり、前記通過帯域の中心波長の入射角が0°である時の透過率(transmittance)は、55%よりも大きい。
【0020】
前記IR画素光学フィルタ膜は、ルビジウム(Rb)層23及び屈折率がルビジウム(Rb)層よりも高い複数の高屈折率層24が互いに堆積されて形成され、各層の特殊な厚さ構成により、300nm~1100nm波長範囲以内に通過帯域を形成し、前記中心波長は、赤外800nm~1100nmの波長範囲内に一部分のみ又は部分的に重なって通過帯域を形成し、残りのカットオフバンドの透過率は、1%未満であり、前記通過帯域の中心波長の入射角が0°である時の透過率(transmittance)は、30%よりも大きい。
【0021】
前記複数画素光学フィルタ膜22の前記複数のルビジウム(Rb)層23の350nm~2000nmの波長範囲内の屈折率は、0.25から0.13であり、吸光係数は、0.24~5.58である。前記複数の高屈折率層24は、五酸化三チタン(Ti3O5)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、五酸化タンタル(Ta2O5)、混合膜材料(H4)及びそれらの混合物のいずれか1つであってよい。且つ、前記複数の高屈折率層24の350nm~1100nmの波長範囲内の屈折率は、1.6よりも大きく、消光係数は0に近い。異なる厚さ及び層数の前記複数のルビジウム(Rb)層23及び前記複数の高屈折率層24の組み合わせによって前記UV画素光学フィルタ膜、前記R画素光学フィルタ膜、前記G画素光学フィルタ膜、前記B画素光学フィルタ膜及び前記IR画素光学フィルタ膜を形成することができる。
【0022】
以下は、前記UV画素光学フィルタ膜、前記R画素光学フィルタ膜、前記G画素光学フィルタ膜、前記B画素光学フィルタ膜及び前記IR画素光学フィルタ膜の各種構造条件について例を挙げて説明する。
【0023】
前記UV画素光学フィルタ膜:前記UV画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層23及び複数の高屈折率層24が堆積されてなり、前記複数の高屈折率層24は、五酸化三チタン(Ti3O5)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、五酸化タンタル(Ta2O5‐5#)、混合膜材料(H4)のいずれか1つであってよく、例えば、前記五酸化三チタン(Ti3O5)層の350nm~1100nmの波長範囲内の屈折率が1.6よりも大きく、消光係数は0に近い。前記ルビジウム(Rb)層の350nm~2000nm波長範囲内の屈折率が0.25~0.13であり、吸光係数は0.24~5.58である。その構造条件は次のとおりである。
【0024】
第1層Ti3O5の厚さが82.56nm、第2層Rbの厚さが42.79nm、第3層Ti3O5の厚さが18.36nm、第4層Rbの厚さが61.82nm、第5層Ti3O5の厚さが92.26nm、第6層Rbの厚さが44.13nm、第7層Ti3O5の厚さが26.52nm、第8層Rbの厚さが54.26nm、第9層Ti3O5の厚さが29.99nm、第10層Rbの厚さが29.32nm、第11層Ti3O5の厚さが30.24nm、第12層Rbの厚さが55.54nm、第13層Ti3O5の厚さが154.53nm、第14層Rbの厚さが61.42nm、第15層Ti3O5の厚さが83.48nm、第16層Rbの厚さが60.76nm、第17層Ti3O5の厚さが76.12nmである;
又は、第1層TiO2の厚さが82.87nm、第2層Rbの厚さが42.79nm、第3層TiO2の厚さが18.39nm、第4層Rbの厚さが61.82nm、第5層TiO2の厚さが92.44nm、第6層Rbの厚さが44.13nm、第7層TiO2の厚さが26.57nm、第8層Rbの厚さが54.26nm、第9層TiO2の厚さが30.05nm、第10層Rbの厚さが29.32nm、第11層TiO2の厚さが30.3nm、第12層Rbの厚さが55.54nm、第13層TiO2の厚さが154.83nm、第14層Rbの厚さが61.42nm、第15層TiO2の厚さが83.64nm、第16層Rbの厚さが60.76nm、第17層材料TiO2の厚さが76.27nmである;
又は、第1層Nb2O5の厚さが85.46nm、第2層Rbの厚さが42.79nm、第3層Nb2O5の厚さが19nm、第4層Rbの厚さが61.82nm、第5層Nb2O5の厚さが95.5nm、第6層Rbの厚さが44.13nm、第7層Nb2O5の厚さが44.13nm、第8層Rbの厚さが54.26nm、第9層Nb2O5の厚さが31.05nm、第10層Rbの厚さが29.32nm、第11層Nb2O5の厚さが31.3nm、第12層Rbの厚さが55.54nm、第13層Nb2O5の厚さが159.96nm、第14層Rbの厚さが61.42nm、第15層Nb2O5の厚さが86.41nm、第16層Rbの厚さが60.76nm、第17層材料Nb2O5の厚さが78.8nmである;
又は、第1層Ta2O5‐5#の厚さが93.58nm、第2層Rbの厚さが42.79nm、第3層Ta2O5‐5#の厚さが20.81nm、第4層Rbの厚さが61.82nm、第5層Ta2O5‐5#の厚さが104.58nm、第6層Rbの厚さが44.13nm、第7層Ta2O5‐5#の厚さが30.06nm、第8層Rbの厚さが54.26nm、第9層Ta2O5‐5#は34nm、第10層Rbの厚さが29.32nm、第11層Ta2O5‐5#の厚さが34.28nm、第12層Rbの厚さが55.54nm、第13層Ta2O5‐5#の厚さが175.16nm、第14層Rbの厚さが61.42nm、第15層Ta2O5‐5#の厚さが94.62nm、第16層Rbの厚さが60.76nm、第17層材料Ta2O5‐5#の厚さが86.29nmである;
又は、第1層H4の厚さが95.57nm、第2層Rbの厚さが42.79nm、第3層H4の厚さが21.25nm、第4層Rbの厚さが61.82nm、第5層H4の厚さが106.8nm、第6層Rbの厚さが44.13nm、第7層H4の厚さが30.7nm、第8層Rbの厚さが54.26nm、第9層H4の厚さが34.72nm、第10層Rbの厚さが29.32nm、第11層H4厚さが35.01nm、第12層Rbの厚さが55.54nm、第13層H4の厚さが178.89nm、第14層Rbの厚さが61.42nm、第15層H4の厚さが96.64nm、第16層Rbの厚さが60.76nm、第17層材料H4の厚さが88.12nmである。
【0025】
図3に示すように、前記UV画素光学フィルタ膜は、300nm~1100nmの波長範囲内で形成された通過帯域を有し、前記通過帯域の中心波長は、300nm~400nmであり、その残りのカットオフバンドの平均透過率は、1%未満であり、前記通過帯域の中心波長は、入射角が0°である時、透過率(transmittance)は、30%よりも大きい。
【0026】
前記R画素光学フィルタ膜:前記R画素光学フィルタ膜は複数のルビジウム(Rb)層23及び高屈折率層24が相互に堆積されてなり、前記高屈折率層24は、それぞれ五酸化三チタン(Ti3O5)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、五酸化タンタル(Ta2O5‐5#)、混合膜材料(H4)のいずれか1つであり、例えば、前記五酸化三チタン(Ti3O5)層の350nm~1100nm波長範囲内の屈折率は1.6よりも大きく、消光係数は0に近い。前記ルビジウム(Rb)層の350nm~2000nm波長範囲内の屈折率が0.25~0.13であり、吸光係数は0.24~5.58である。その構造条件は次のとおりである。
【0027】
第1層Ti3O5の厚さが66.02nm、第2層Rbの厚さが7.96nm、第3層Ti3O5の厚さが128.05nm、第4層Rbの厚さが52.37nm、第5層Ti3O5の厚さが120.7、第6層Rbの厚さが61.05nm、第7層Ti3O5の厚さが123.81nm、第8層Rbの厚さが59.29nm、第9層Ti3O5の厚さが34.09nm、第10層Rbの厚さが61.6nm、第11層Ti3O5の厚さが37.04nm、第12層Rbの厚さが55.14nm、第13層Ti3O5の厚さが35.34nm、第14層Rbの厚さが53.51nm、第15層Ti3O5の厚さが107.1nmである;
又は、第1層TiO2の厚さが66.35nm、第2層Rbの厚さが7.96nm、第3層TiO2の厚さが128.69nm、第4層Rbの厚さが52.37nm、第5層TiO2の厚さが121.3nm、第6層Rbの厚さが61.05nm、第7層TiO2の厚さが124.42nm、第8層Rbの厚さが59.29nm、第9層TiO2の厚さが34.26nm、第10層Rbの厚さが61.6nm、第11層TiO2の厚さが37.23nm、第12層Rbの厚さが54.14nm、第13層TiO2の厚さが35.52nm、第14層Rbの厚さが53.51nm、第15層TiO2の厚さが107.63nmである;
又は、第1層Nb2O5の厚さが67.27nm、第2層Rbの厚さが7.96nm、第3層Nb2O5の厚さが130.47nm、第4層Rbの厚さが52.37nm、第5層Nb2O5の厚さが122.98nm、第6層Rbの厚さが61.05nm、第7層Nb2O5の厚さが126.15nm、第8層Rbの厚さが59.29nm、第9層Nb2O5厚さが34.73nm、第10層Rbの厚さが61.1nm、第11層Nb2O5の厚さが37.74nm、第12層Rbの厚さが54.14nm、第13層Nb2O5の厚さが36.01nm、第14層Rbの厚さが53.51nmであり、第15層Nb2O5の厚さが109.12nmである;
又は、第1層Ta2O5‐5#の厚さが73.07nm、第2層Rbの厚さが7.96nm、第3層Ta2O5‐5#の厚さが141.72nm、第4層Rbの厚さが52.37nm、第5層Ta2O5‐5#の厚さが133.58nm、第6層Rbの厚さが61.05nm、第7層Ta2O5‐5#の厚さが137.02nm、第8層Rbの厚さが59.29nm、第9層Ta2O5‐5#の厚さが37.73nm、第10層Rbの厚さが61.6nm、第11層Ta2O5‐5#の厚さが41nm、第12層Rbの厚さが54.14nm、第13層Ta2O5‐5#の厚さが39.11nm、第14層Rbの厚さが53.51nm、第15層Ta2O5‐5#の厚さが118.53nmである;
又は、第1層H4の厚さが75.04nm、第2層Rbの厚さが7.96nm、第3層H4の厚さが145.55nm、第4層Rbの厚さが52.37nm、第5層H4の厚さが137.19nm、第6層Rbの厚さが61.05nm、第7層H4の厚さが140.73nm、第8層Rbの厚さが59.29nm、第9層H4の厚さが38.75nm、第10層Rbの厚さが61.6nm、第11層H4の厚さが42.1nm、第12層Rbの厚さが54.14nm、第13層H4の厚さが40.17nm、第14層Rbの厚さが53.51nm、第15層H4の厚さが121.73nmである。
【0028】
図4に示すように、前記R画素光学フィルタ膜は、300nm~1100nmの波長範囲内で形成された通過帯域を有し、前記通過帯域の中心波長は580nm~740nmであり、残りのカットオフバンドの透過率は1%未満であり、前記通過帯域の中心波長は、入射角が0°である時の透過率(transmittance)が55%よりも大きい。
【0029】
前記G画素光学フィルタ膜:前記G画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層23及び屈折率がルビジウム(Rb)層及び高屈折率層24が互いに堆積されて形成され、高屈折率層24は、それぞれ五酸化三チタン(Ti3O5)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、五酸化タンタル(Ta2O5)、混合膜材料(H4)のうちのいずれか1つであり、例えば、前記五酸化三チタン(Ti3O5)層は、350nm~1100nmの波長範囲の屈折率が1.6よりも大きく、消光係数は0に近い。前記ルビジウム(Rb)層の350nm~2000nmの波長範囲内の屈折率は0.25~0.13であり、吸光係数は0.24~5.58である。その構造条件は次のとおりである。
【0030】
第1層Ti3O5の厚さが37.73nm、第2層Rbの厚さが1.13nm、第3層Ti3O5の厚さが435.81nm、第4層Rbの厚さが27.15nm、第5層Ti3O5の厚さが272.27、第6層Rbの厚さが54.95nm、第7層Ti3O5の厚さが66.34nm、第8層Rbの厚さが26.03nm、第9層Ti3O5の厚さが61.25nm、第10層Rbの厚さが70.15nm、第11層Ti3O5の厚さが159.31nm、第12層Rbの厚さが70.11nm、第13層Ti3O5の厚さが44.67nm、第14層Rbの厚さが64.2nm、第15層Ti3O5の厚さが137.9nmである;
又は、第1層TiO2の厚さが37.73nm、第2層Rbの厚さが1.13nm、第3層TiO2の厚さが435.84nm、第4層Rbの厚さが27.15nm、第5層TiO2の厚さが272.28nm、第6層Rbの厚さが54.95nm、第7層TiO2の厚さが66.34nm、第8層Rbの厚さが26.03nm、第9層TiO2の厚さが61.25nm、第10層Rbの厚さが70.15nm、第11層TiO2の厚さが159.32nm、第12層Rbの厚さが70.11nm、第13層TiO2の厚さが44.67nm、第14層Rbの厚さが64.2nm、第15層TiO2の厚さが137.9nmである;
又は、第1層Nb2O5の厚さが38.24nm、第2層Rbの厚さが1.13nm、第3層Nb2O5の厚さが441.74nm、第4層Rbの厚さが27.15nm、第5層Nb2O5の厚さが275.97nm、第6層Rbの厚さが54.95nm、第7層Nb2O5の厚さが67.26nm、第8層Rbの厚さが26.03nm、第9層Nb2O5の厚さが62.08nm、第10層Rbの厚さが70.15nm、第11層Nb2O5の厚さが161.48nm、第12層Rbの厚さが70.11nm、第13層Nb2O5の厚さが45.28nm、第14層Rbの厚さが64.2nm、第15層Nb2O5の厚さが139.77nmである;
又は、第1層Ta2O5‐5#の厚さが41.04nm、第2層Rbの厚さが1.13nm、第3層Ta2O5‐5#の厚さが474.13nm、第4層Rbの厚さが27.15nm、第5層Ta2O5‐5#の厚さが296.21nm、第6層Rbの厚さが54.95nm、第7層Ta2O5‐5#の厚さが72.17nm、第8層Rbの厚さが26.03nm、第9層Ta2O5‐5#の厚さが66.63nm、第10層Rbの厚さが70.15nm、第11層Ta2O5‐5#の厚さが173.32nm、第12層Rbの厚さが70.11nm、第13層Ta2O5‐5#の厚さが48.6nm、第14層Rbの厚さが64.2nm、第15層Ta2O5‐5#の厚さが150.02nmである;
又は、第1層H4の厚さが41.99nm、第2層Rbの厚さが1.13nm、第3層H4の厚さが485.12nm、第4層Rbの厚さが27.15nm、第5層H4の厚さが303.07nm、第6層Rbの厚さが54.95nm、第7層H4の厚さが73.84nm、第8層Rbの厚さが26.03nm、第9層H4の厚さが68.18nm、10層Rbの厚さが70.15nm、第11層H4の厚さが177.34nm、第12層Rbの厚さが70.11nm、第13層H4の厚さが49.72nm、第14層Rbの厚さが64.2nm、第15層H4の厚さが153.5nmである。
【0031】
図5に示すように、前記G画素光学フィルタ膜は、300nm~1100nmの波長範囲内で形成された通過帯域を有し、前記通過帯域の中心波長は500nm~565nmであり、残りのカットオフバンドの透過率は1%未満であり、前記通過帯域の中心波長は、入射角が0°である時の透過率(transmittance)が55%よりも大きい。
【0032】
前記B画素光学フィルタ膜:前記B画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層23及び屈折率がルビジウム(Rb)層及び高屈折率層24が互いに堆積されて形成され、高屈折率層24は、それぞれ五酸化三チタン(Ti3O5)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、五酸化タンタル(Ta2O5)、混合膜材料(H4)のうちのいずれか1つであり、例えば、前記五酸化三チタン(Ti3O5)層は、350nm~1100nmの波長範囲の屈折率が1.6よりも大きく、消光係数は0に近い。前記ルビジウム(Rb)層の350nm~2000nmの波長範囲内の屈折率は0.25~0.13であり、吸光係数は0.24~5.58である。その構造条件は次のとおりである。
【0033】
第1層Ti3O5の厚さが225.86nm、第2層Rbの厚さが12.2nm、第3層Ti3O5の厚さが180.94nm、第4層Rbの厚さが65.2nm、第5層Ti3O5の厚さが179.28nm、第6層Rbの厚さが88.85nm、第7層Ti3O5の厚さが52.08nm、第8層Rbの厚さが66.94nm、第9層Ti3O5の厚さが148.89nm、第10層Rbの厚さが9.67nm、第11層Ti3O5の厚さが62.89nm、第12層Rbの厚さが24.8nm、第13層Ti3O5の厚さが48.76nmである;
又は、第1層TiO2の厚さが226.4nm、第2層Rbの厚さが12.2nm、第3層TiO2の厚さが181.37nm、第4層Rbの厚さが65.2nm、第5層TiO2の厚さが179.71nm、第6層Rbの厚さが88.85nm、第7層TiO2の厚さが52.2nm、第8層Rbの厚さが66.94nm、第9層TiO2の厚さが149.24nm、第10層Rbの厚さが9.76nm、第11層TiO2の厚さが63.04nm、第12層Rbの厚さが24.8nm、第13層TiO2の厚さが48.87nmである;
又は、第1層Nb2O5の厚さが228.19nm、第2層Rbの厚さが12.2nm、第3層Nb2O5の厚さが182.8nm、第4層Rbの厚さが65.2nm、第5層Nb2O5の厚さが181.13nm、第6層Rbの厚さが88.85nm、第7層Nb2O5厚さが52.62nm、第8層Rbの厚さが66.94nm、第9層Nb2O5の厚さが150.42nm、第10層Rbの厚さが9.67nm、第11層Nb2O5の厚さが63.54nm、第12層Rbの厚さが24.8nm、第13層Nb2O5の厚さが49.26nmである;
又は、第1層Ta2O5‐5#の厚さが244.83nm、第2層Rbの厚さが12.2nm、第3層Ta2O5‐5#の厚さが196.14nm、第4層Rbの厚さが65.25nm、第5層Ta2O5‐5#の厚さが194.34nm、第6層Rbの厚さが88.85nm、第7層Ta2O5‐5#の厚さが56.45nm、第8層Rbの厚さが66.94nm、第9層Ta2O5‐5#の厚さが161.39nm、第10層Rbの厚さが9.76nm、第11層Ta2O5‐5#の厚さが68.17nm、第12層Rbの厚さが24.8nm、第13層Ta2O5‐5#の厚さが52.85nmである;
又は、第1層H4の厚さが249.19nm、第2層Rbの厚さが12.2nm、第3層H4の厚さが199.63nm、第4層Rbの厚さが65.2nm、第5層H4の厚さが197.8nm、第6層Rbの厚さが88.85nm、第7層H4の厚さが57.46nm、第8層Rbの厚さが66.94nm、第9層H4の厚さが164.26nm、第10層Rbの厚さが9.76nm、第11層H4の厚さが69.39nm、第12層Rbの厚さが24.8nm、第13層のH4の厚さが53.79nmである。
【0034】
図6に示すように、前記B画素光学フィルタ膜は、300nm~1100nmの波長範囲内で形成された通過帯域を有し、前記通過帯域の中心波長は400nm~500nmであり、残りのカットオフバンドの透過率は1%未満であり、前記通過帯域の中心波長は、入射角が0°である時の透過率(transmittance)が55%よりも大きい。
【0035】
前記IR画素光学フィルタ膜:前記IR画素光学フィルタ膜は、複数のルビジウム(Rb)層23及び屈折率がルビジウム(Rb)層及び高屈折率層24が互いに堆積されて形成され、高屈折率層24は、それぞれ五酸化三チタン(Ti3O5)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化ニオブ(Nb2O5)、五酸化タンタル(Ta2O5)、混合膜材料(H4)のうちのいずれか1つであり、例えば、前記五酸化三チタン(Ti3O5)層は、350nm~1100nmの波長範囲の屈折率が1.6よりも大きく、消光係数は0に近い。前記ルビジウム(Rb)層の350nm~2000nmの波長範囲内の屈折率は0.25~0.13であり、吸光係数は0.24~5.58である。その構造条件は次のとおりである。
【0036】
第1層Ti3O5の厚さが79.94nm、第2層Rbの厚さが55.92nm、第3層Ti3O5の厚さが556.74nm、第4層Rbの厚さが19.13nm、第5層Ti3O5の厚さが169.04nm、第6層Rbの厚さが80.55nm、第7層Ti3O5の厚さが139.86nm、第8層Rbの厚さが36.53nm、第9層Ti3O5の厚さが350.46nm、第10層Rbの厚さが109.85nm、第11層Ti3O5の厚さが122.52nm、第12層Rbの厚さが35.63nmnm、第13層Ti3O5の厚さが171.98nm、第14層Rbの厚さが63.02nm、第15層Ti3O5の厚さが263.23nmである;
又は、第1層TiO2の厚さが78.76nm、第2層Rbの厚さが55.92nm、第3層TiO2の厚さが548.52nm、第4層Rbの厚さが19.13nm、第5層TiO2の厚さが166.54nm、第6層Rbの厚さが80.55nm、第7層TiO2の厚さが137.8nm、第8層Rbの厚さが36.53nm、第9層TiO2の厚さが345.29nm、第10層Rbの厚さが109.85nm、第11層TiO2の厚さが120.71nm、第12層Rbの厚さが35.63nm、第13層TiO2の厚さが169.44nm、第14層Rbの厚さが63.02nm、第15層TiO2の厚さが262.83nmである;
又は、第1層Ta2O5‐5#の厚さが87.03nm、第2層Rbの厚さが55.92nm、第3層Ta2O5‐5#の厚さが606.16nm、第4層Rbの厚さが19.13nm、第5層Ta2O5‐5#の厚さが184.04nm、第6層Rbの厚さが80.55nm、第7層Ta2O5‐5#の厚さが152.28nm、第8層Rbの厚さが36.53nm、第9層Ta2O5‐5#の厚さが381.57nm、第10層Rbの厚さが109.85nm、第11層Ta2O5‐5#の厚さが133.4nm、第12層Rbの厚さが35.63nm、第13層Ta2O5‐5#の厚さが187.25nm、第14層Rbの厚さが63.02nm、第15層Ta2O5‐5#の厚さが286.6nmである;
又は、第1層H4の厚さが87.04nm、第2層Rbの厚さが55.92nm、第3層H4の厚さが606.22nm、第4層Rbの厚さが19.13nm、第5層H4の厚さが184.06nm、第6層Rbの厚さが80.55nm、第7層H4の厚さが152.29nm、第8層Rbの厚さ36.53nm、第9層H4の厚さ381.61nm、第10層Rbの厚さが109.85nm、第11層H4の厚さが133.41nm、第12層Rbの厚さが35.63nm、第13層H4の厚さが187.26nm、第14層Rbの厚さが63.02nm、第15層H4の厚さが286.62nmである。
【0037】
図7に示すように、前記IR画素光学フィルタ膜は、300nm~1100nmの波長範囲内で形成された通過帯域を有し、前記中心波長は、800nm~1100nmの波長範囲内に一部のみ又は部分的に重なった通過帯域を形成し、残りのカットオフバンドの透過率は1%未満であり、前記通過帯域の中心波長は、入射角が0°である時の透過率(transmittance)が30%よりも大きい。
【0038】
図7に示すように、本発明で説明されるUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造の製造方法は、以下を含む。
(a)基板10上にフォトレジストマスクを形成する:基板10の一側面にフォトレジストマスクを形成し、前記フォトレジストマスク上の画素光学フィルタ膜22をめっきしたい箇所に中空の複数のコーティング領域が設けられ、例えば、R画素光学フィルタ膜をめっきしたい領域に中空の前記複数のコーティング領域を形成する工程と、
(b)真空コーティング:真空コーティングの方法を使用して、前記コーティング領域上に異なる厚さの複数のルビジウム(Rb)層23及び複数の高屈折率層24が互いに堆積される複数画素光学フィルタ膜22、例えば、R画素光学フィルタ膜を形成する工程と、
(c)レジスト剤をコーティングする:中空コーティング領域を密封するために画素光学フィルタ膜をコーティングした後、フォトレジストマスクの中空コーティング領域上にレジスト剤をコーティングする工程と、
(d)エッチング:エッチングにより、前記フォトレジストマスク上の複数の別の画素光学フィルタ膜22をめっきしたい箇所に中空の複数の別のコーティング領域を形成し、例えば、G画素光学フィルタ膜をめっきしたい領域に中空の前記複数の別のコーティング領域を形成する工程と、
(e)再度真空コーティング:真空コーティングの方法を使用して、エッチングによって形成された前記複数の別のコーティング領域を形成し、異なる厚さの複数のルビジウム(Rb)層23及び複数の高屈折率層24が互いに堆積された複数の別の画素光学フィルタ膜22、例えば、G画素光学フィルタ膜を形成する工程と、
(f)フォトレジストマスクの除去:前記フォトレジストマスクの除去を行い、完成させる工程と、
を含む。
【0039】
必要に応じて、工程(c)~(e)を繰り返し、3つ又は、さらに多くの画素光学フィルタ膜からなる光学フィルタ構造を作製することができる。
【0040】
図6に示すように、工程(a)は、(a1)レジスト剤をスピンコーティングする;(a2)ソフトロースト;(a3)露光;(a4)ソフトロースト;(a5)現像;(a6)ソフトベーク;及び(a7)洗浄;を含む。
【0041】
図7に示すように、前記工程(b)及び前記工程(e)の真空コーティングプロセスは、真空スパッタリング反応性コーティングシステム30において行うものであり、主にルビジウム(Rb)及び屈折率がルビジウム(Rb)よりも高い高屈折率材料をスパッタリングのターゲット35とし、例えば、五酸化三チタン(Ti
3O
5)、二酸化チタン(TiO
2)、五酸化ニオブ(Nb
2O
5)、五酸化タンタル(Ta
2O
5)、混合膜材料(H
4)及びその混合物などの酸化物であり、製造過程は、(A)清潔な基板10をドラム31に置き、コーティング面を外に向ける;(B)前記ドラム31をコーティングチャンバ32内において一定速度で回転させる;(C)真空度が10‐3Pa~10‐5Paの場合、対応するスパッタリングソース33を開き、アルゴンガスを通過させ、電界の作用下でターゲットに衝撃を与え、イオンを形成して前記基板10に付着させる;(D)前記ドラム31の回転に従って、前記基板10が反応性ソース領域34に搬送される;(E)前記反応性ソース領域34に酸素又はアルゴンが供給されてプラズマが形成され、電界の作用下で前記基板に向かって高速で移動し、最終的に前記基板10上にルビジウム(Rb)膜又は屈折率がルビジウムよりも高い高屈折率材料を形成する;である。
【0042】
ここで、前記基板10は、前記ドラム31に設置され、前記ドラム31と反時計回りに回転し、速度は調整可能であり、コーティングされる前記基板10は、先にターゲット35を通過し、一層の薄いルビジウム(Rb)膜又は高屈折率膜に沈積され、反応性ソースまで回転し、酸素イオンと電子等によってイオン化され、所望の特性を備えた光学フィルムを合成する。各層のコーティングの秒数を制御することにより、各層のコーティングの厚さを制御することができ、時間が長いほど、厚さが厚くなる。
【0043】
ルビジウム(Rb)膜を製造する時、導入する酸素ガス及びアルゴンガスの合計に対する導入酸素ガスの体積百分比は10%~90%であり、350nm~2000nmの波長範囲内の屈折率が0.25~0.13であり、消光係数が0.24~5.58である薄膜を製造し、高屈折率材料を使用する場合、導入する酸素ガス及びアルゴンガスの合計に対する導入酸素の体積百分比は10%~90%であり、350nm~1100nmの屈折率が1.3から2.5まで徐々に変化し、消光係数が0に近い高屈折率薄膜を製造することができる。
【0044】
本発明が提供するUV、R、G、B、IRの任意の組み合わせの光学フィルタ構造及び製造方法は、真空コーティングにフォトレジストマスクを組み合わせた製造方法によって、基板サイズを大きくしても均一性が±5nm以下であり、光学仕様要求を満たし、更に、それを周囲光センサ(Ambient Light Sensor,ALS)、近接センサ(Proximity Sensor,PS)、RGB色温度センサ及びジェスチャーセンサなどの光学センサのセンサチップに応用する時、反応時間がより速く、同製品の色識別率及び調整感度を大幅に向上させることができ、感光性コントラストの明るさも大幅に向上させる。また、本発明製の製造方法は、形成されたUV、R、G、B、IR等の画素光学フィルタ膜22の厚さをナノミクロンの間にさせることができ、これにより、ナノミクロンのプロセス技術の技術製品に応用することができる。
【符号の説明】
【0045】
10 基板
20 光学フィルタ層
21 基本単位
22 画素光学フィルタ膜
23 ルビジウム(Rb)層
24 高屈折率層
30 真空スパッタリング反応性コーティングシステム
31 ドラム
32 コーティングチャンバ
33 スパッタリングソース
34 反応性ソース領域
35 ターゲット