(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036543
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】急速排気弁、急速排気弁付き基板容器、急速排気弁の脱着方法
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20230307BHJP
G03F 1/66 20120101ALI20230307BHJP
【FI】
F16K27/00 B
G03F1/66
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129881
(22)【出願日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】110132649
(32)【優先日】2021-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】506017182
【氏名又は名称】家登精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUDENG PRECISION INDUSTRIAL CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】9F.,No.2,Sec.4,Zhongyang Rd.,Tucheng Dist.,New Taipei,Taiwan236
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】邱 銘乾
(72)【発明者】
【氏名】荘 家和
(72)【発明者】
【氏名】薛 新民
【テーマコード(参考)】
2H195
3H051
【Fターム(参考)】
2H195BE11
2H195BE12
3H051BB02
3H051CC14
3H051FF01
(57)【要約】
【課題】半導体光リソグラフィ技術において、清浄度が保たされるべき基板(レチクル)容器への着脱が簡便かつ迅速な急速排気弁を提供する。
【解決手段】急速排気弁であって、基部の底開口部に取り外し可能に結合されているカラー(141)を備えたクイックリリース部材(140)と、ガスが基板容器に出入りすることができるようにする流れ通路を備えたスリーブ(150)とを有する。1対の耳部分(143)がカラーから直径方向に沿って外方に延びるとともに1対の耳部分がカラーから直径方向に沿って外方に延びるとともにハンドル(145)がカラーから半径方向に沿って外方に延びている。耳部分は、ハンドルとは実質的に異なる高さのところに位置している。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板容器用の急速排気弁であって、前記基板容器は、カバープレートおよびボトムプレートを有し、前記急速排気弁は、
カラーを備えたクイックリリース部材を有し、前記カラーは、内径を有し、前記カラーは、前記ボトムプレートの開口部に取り外し可能に結合されており、
ガスが前記基板容器に出入りすることができるようにするための流れ通路を備えたスリーブを有し、前記スリーブは、前記カラーの前記内径より少なくとも大きな外径を有し、
前記流れ通路内に設けられていて前記ガスの流れ方向を制限する弁を有し、
前記カラーは、前記カラーから直径方向に沿って外方に延びる1対の耳部分および前記カラーから半径方向に沿って外方に延びるハンドルを有し、前記耳部分は、前記ハンドルとは実質的に異なる高さのところに位置している、急速排気弁。
【請求項2】
前記直径方向と前記半径方向は、互いに平行ではない、請求項1記載の急速排気弁。
【請求項3】
前記カラーは、外側および内側を有し、前記ハンドルは、相対的に前記カラーの前記外側に隣接して位置し、前記1対の耳部分は、相対的に、前記カラーの前記内側に隣接して位置している、請求項1記載の急速排気弁。
【請求項4】
前記1対の耳部分は各々、前記ボトムプレートの内側または前記開口部の内リムを押す下面を有する、請求項1記載の急速排気弁。
【請求項5】
前記ハンドルは、前記ボトムプレートを押す上面を有する、請求項1記載の急速排気弁。
【請求項6】
前記1対の耳部分は各々、下面を有し、前記ハンドルは、上面を有し、前記クイックリリース部材が前記開口部に結合されるや否や、前記1対の耳部分の前記下面が前記ボトムプレートの内側または前記開口部の内リムを押すことができ、前記ハンドルの前記上面は、前記ボトムプレートを押すことができる、請求項1記載の急速排気弁。
【請求項7】
前記カラーの前記耳部分および前記ハンドルは、前記開口部に対して第1の位置と第2の位置との間で動くよう構成されている、請求項4記載の急速排気弁。
【請求項8】
基部を備えた基板容器であって、前記基部は、カバープレートおよびボトムプレートを有し、前記ボトムプレートは、内側および外側を有し、前記ボトムプレートは、前記ボトムプレートの前記内側から前記外側まで延びた状態で前記ボトムプレート上に形成されていて急速排気弁を受け入れるようになった少なくとも1つの開口部を有し、前記急速排気弁は、
カラーを備えたクイックリリース部材と、
ガスが前記基板容器に出入りすることができるようにするための流れ通路を備えたスリーブと、
前記流れ通路内に設けられていて前記ガスの流れ方向を制限する弁とを有し、
1対の耳部分が前記カラーから直径方向に沿って外方に延びるとともにハンドルが前記カラーから半径方向に沿って外方に延び、前記クイックリリース部材が前記開口部に結合されると、前記ハンドルは、前記ボトムプレートの前記外側上に位置し、前記1対の耳部分は、前記ボトムプレートの前記内側上に位置し、それにより、前記カラーは、前記スリーブが前記開口部から抜け出るのを阻止することができる、基板容器。
【請求項9】
前記開口部は、中央チャネルおよび前記中央チャネルのそばに位置する2つの合わせチャネルを有し、前記中央チャネルは、形状が前記カラーに一致し、前記合わせチャネルは、形状が前記1対の耳部分に一致し、それにより、前記クイックリリース部材の前記カラーおよび前記耳部分は、前記開口部に入ることができる、請求項8記載の基板容器。
【請求項10】
前記開口部は、前記ボトムプレートの前記外側上に形成された少なくとも1つの溝をさらに有し、前記溝は、前記カラーが前記ボトムプレートの前記開口部に結合されると、前記カラーの前記ハンドルを収容するようになっている、請求項9記載の基板容器。
【請求項11】
前記開口部の前記溝は、第1の位置と第2の位置との間における前記ハンドルの動きを制限し、それにより、前記カラーは、前記ハンドルが前記第1の位置にあるときに弛み位置をとることができ、前記カラーは、前記ハンドルが前記第2の位置にあるときにロック位置をとることができる、請求項10記載の基板容器。
【請求項12】
前記溝は、滑り面によって構成され、前記滑り面は、前記ボトムプレートの前記外側に平行であり、それにより、前記カラーが前記開口部に結合されると、前記カラーの前記ハンドルは、前記滑り面に接触することができ、前記ハンドルは、前記滑り面を端から端までスライドすることができる、請求項10記載の基板容器。
【請求項13】
前記ハンドルは、前記ボトムプレートの前記滑り面と接触状態にあり、前記1対の耳部分の前記下面は、前記ボトムプレートの内側と実質的に面一をなし、または前記ボトムプレートの前記内側の上方に位置する、請求項12記載の基板容器。
【請求項14】
前記1対の耳部分は、前記カラーが前記弛み位置にあるとき、前記開口部に自由に出入りすることができ、前記1対の耳部分は、前記カラーが前記ロック位置にあるとき、前記ボトムプレートの前記内側上に位置して前記ボトムプレートの前記内側を押し、その結果、前記カラーは、前記開口部にしっかりと結合されるようになる、請求項11記載の基板容器。
【請求項15】
少なくとも1つの急速排気弁を基板容器に取り付けるようになった急速排気弁の取り付け方法であって、前記急速排気弁は、カラーを備えたクイックリリース部材、流れ通路を備えたスリーブ、および弁を有し、1対の耳部分が前記カラーから直径方向に外方に延び、ハンドルが前記カラーから半径方向に沿って外方に延び、前記基板容器は、基部を有し、前記基部は、カバープレートおよびボトムプレートを有し、前記ボトムプレートには少なくとも1つの開口部が形成され、前記カバープレートは、位置が前記開口部に一致した嵌合部分を有し、前記取り付け方法は、
前記弁を前記スリーブの前記流れ通路内に配置するステップと、
前記スリーブを前記嵌合部分に連結して前記スリーブと前記嵌合部分の内側との間に気密シールを形成するステップと、
前記1対の耳部分を前記開口部中に通して前記ハンドルを前記ボトムプレートの外側に可動的に接触させることができるとともに、前記1対の耳部分が前記ボトムプレートの内側上に位置することができるようにし、それにより前記開口部からの前記スリーブの抜け出しを阻止する、取り付け方法。
【請求項16】
前記開口部は、中央チャネルおよび前記中央チャネルのそばに位置する2つの合わせチャネルを有し、前記中央チャネルは、形状が前記カラーに一致し、前記合わせチャネルは、形状が前記1対の耳部分に一致し、それにより、前記クイックリリース部材の前記カラーおよび前記耳部分は、前記開口部に入ることができる、請求項15記載の取り付け方法。
【請求項17】
前記開口部は、前記ボトムプレートの前記外側上に形成された少なくとも1つの溝をさらに有し、前記溝は、前記カラーが前記ボトムプレートの前記開口部に結合されると、前記カラーの前記ハンドルを収容するようになっている、請求項15記載の取り付け方法。
【請求項18】
前記1対の耳部分が前記開口部を通過した後、前記ハンドルは、前記開口部に対して第1の位置から第2の位置に動かされ、その結果、前記クイックリリース部材は、弛み位置からロック位置に切り替わり、前記1対の耳部分は、前記クイックリリース部材が前記ロック位置にあるとき、前記ボトムプレートの前記内側上に位置決めされる、請求項16記載の取り付け方法。
【請求項19】
前記溝は、前記溝内の第1の位置と第2の位置との間で前記開口部に結合されている前記カラーの前記ハンドルの動きを制限し、その結果、前記第1の位置から前記第2の位置への前記ハンドルの動きに続いて前記クイックリリース部材が弛み位置からロック位置に切り替わり、前記ロック位置は、前記開口部からの前記スリーブの抜け出しを阻止する、請求項17記載の取り付け方法。
【請求項20】
請求項15記載の取り付け済み急速排気弁を前記開口部から取り外すための急速排気弁の取り外し方法であって、前記取り外し方法は、
前記ハンドルを動かして前記1対の耳部分がロック位置から弛み位置に切り替わることができるようにし、それにより、前記弛み位置にある前記1対の耳部分が前記開口部に自由に出入りすることができるようにするステップと、
前記クイックリリース部材を前記開口部から取り外して、前記カラーが前記スリーブを制約しないようにするステップと、
前記スリーブを前記開口部から取り外すステップとを含む、取り外し方法。
【請求項21】
前記弛み位置は、前記1対の耳部分がそれぞれ、前記開口部内の合わせチャネルに自由に出入りすることができるようにし、前記合わせチャネルは、形状が前記耳部分に一致している、請求項20記載の取り外し方法。
【請求項22】
前記ハンドルを動かす前記ステップは、前記ハンドルを前記開口部の少なくとも1つの溝の中で動かして前記ハンドル、前記カラーおよび前記耳部分を同期して動かすステップを含む、請求項20記載の取り外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容(本発明)は、基板(例えば、レチクル)容器に利用できる弁、特に、急速排気弁、急速排気弁を基板容器に取り付ける方法、急速排気弁を基板容器から取り外す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光リソグラフィでは、適切に設計された回路を光浸透性レチクル上にパターニングし、次に、レチクル上に施されたパターンをウェーハに光学的に投影してウェーハ上に特定のパターンを露出させ、そしてこれを現像することが行われる。光リソグラフィプロセス中、レチクルにくっついた粒子であればどのような粒子であっても投影および画像化の品質を劣化させる恐れがある。近年、プロセスの微細化が、論理密度の高い小型チップの開発に道を拓き、かくして、リソグラフィ機器に用いられる波長は、すでに極紫外線(EUV)の範囲に収まっている。その結果、光リソグラフィプロセスでは、今日、レチクルにくっつく粒子の量および粒子の直径について厳密な要件が課され、それによりレチクル容器内の清浄度(無塵度)について厳格な要件が生じている。
【0003】
レチクル容器内の清浄度を維持する既存の技術のうちの1つでは、レチクル容器にインフレーション弁を設けてガスをレチクル容器内に供給することによりレチクル容器内の清浄度を維持する。実際には、例えば、上述の技術では、頻繁にインフレーション弁を通って特定の流量でレチクル容器内のガスを交換してレチクル貯蔵装置の環境を最適化する。レチクル容器は、インフレーション弁とともに設けられかつ粒子をガスから濾過除去するフィルタを有する。特定回数の使用後、濾過の作用効果を維持するためにフィルタを交換しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来型のレチクル容器では、フィルタ、インフレーション弁、または任意他の要素は、レチクル容器の基部にねじで締結されるとともに結合される。上述の要素、例えばフィルタを交換するためには、ねじを順番に取り外し、次に基部のボトムプレートを取り外す必要がある。フィルタの交換に続き、ボトムプレートを定位置に取り付け、次にねじを順番に締め付ける。ボトムプレートを取り付けてねじを締め付ける上述のプロセスは、時間がかかり、その結果、フィルタまたは任意他の所要の要素の交換効率が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、カバープレートおよびボトムプレートを備えた基板容器用に構成された急速排気弁を提供することにある。急速排気弁は、カラーを備えたクイックリリース部材を有し、カラーは、内径を有し、カラーは、ボトムプレートの開口部に取り外し可能に結合されており、急速排気弁は、ガスが基板容器に出入りすることができるようにするための流れ通路を備えたスリーブをさらに有し、スリーブは、カラーの内径より少なくとも大きな外径を有し、急速排気弁はさらに、流れ通路内に設けられていてガスの流れ方向を制限する弁を有する。カラーは、カラーから直径方向に沿って外方に延びる1対の耳部分およびカラーから半径方向に沿って外方に延びるハンドルを有し、耳部分は、ハンドルとは実質的に異なる高さのところに位置している。
【0006】
特定の実施形態では、直径方向と半径方向は、互いに平行ではない。゛
【0007】
特定の実施形態では、カラーは、外側および内側を有する。1対の耳部分は、カラーの内側の近くに位置している。ハンドルは、カラーの外側の近くに位置している。
【0008】
特定の実施形態では、1対の耳部分は各々、ボトムプレートの内側または開口部の内リムを押す下面を有する。
【0009】
特定の実施形態では、ハンドルは、ボトムプレートを押す上面を有する。
【0010】
特定の実施形態では、1対の耳部分は各々、下面を有し、ハンドルは、上面を有し、クイックリリース部材が開口部に結合されるや否や、1対の耳部分の下面がボトムプレートの内側または開口部の内リムを押すことができ、ハンドルの上面は、ボトムプレートの外側を押すことができる。
【0011】
特定の実施形態では、カラーの耳部分およびハンドルは、開口部に対して第1の位置と第2の位置との間で動くよう構成されている。
【0012】
本発明の別の目的は、基板容器を提供することにある。基板容器は、基部を有する。基部は、カバープレートおよびボトムプレートを有する。ボトムプレートは、内側および外側を有する。かかる内側から外側まで延びる少なくとも1つの開口部が、ボトムプレート上に形成されていて急速排気弁を受け入れるようになっている。急速排気弁は、カラーを備えたクイックリリース部材と、ガスが基板容器に出入りすることができるようにするための流れ通路を備えたスリーブと、流れ通路内に設けられていてガスの流れ方向を制限する弁とを有する。1対の耳部分がカラーから直径方向に沿って外方に延びるとともにハンドルがカラーから半径方向に沿って外方に延びている。クイックリリース部材が開口部に結合されると、ハンドルは、ボトムプレートの外側上に位置し、1対の耳部分は、ボトムプレートの内側上に位置し、それにより、カラーは、スリーブが開口部から抜け出るのを阻止することができる。
【0013】
特定の実施形態では、開口部は、中央チャネルおよび中央チャネルのそばに位置する2つの合わせチャネルを有し、中央チャネルは、形状がカラーに一致し、合わせチャネルは、形状が1対の耳部分に一致し、それにより、クイックリリース部材のカラーおよび耳部分は、開口部に入ることができる。
【0014】
特定の実施形態では、開口部は、ボトムプレートの外側上に形成された少なくとも1つの溝をさらに有し、溝は、カラーがボトムプレートの開口部に結合されると、カラーのハンドルを収容するようになっている。
【0015】
特定の実施形態では、開口部の溝は、第1の位置と第2の位置との間におけるハンドルの動きを制限し、それにより、カラーは、ハンドルが第1の位置にあるときに弛み位置をとることができ、カラーは、ハンドルが第2の位置にあるときにロック位置をとることができる。
【0016】
特定の実施形態では、溝は、滑り面によって構成され、滑り面は、ボトムプレートの外側に平行であり、それにより、カラーが開口部に結合されると、カラーのハンドルは、滑り面に接触することができ、ハンドルは、滑り面を端から端までスライドすることができる。
【0017】
特定の実施形態では、ハンドルは、ボトムプレートの滑り面と接触状態にあり、1対の耳部分の下面は、ボトムプレートの内側と実質的に面一をなし、またはボトムプレートの内側の上方に位置する。
【0018】
特定の実施形態では、1対の耳部分は、カラーが弛み位置にあるとき、開口部に自由に出入りすることができ、1対の耳部分は、カラーがロック位置にあるとき、ボトムプレートの内側上に位置してボトムプレートの内側を押し、その結果、カラーは、開口部にしっかりと結合されるようになる。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、少なくとも1つの急速排気弁を基板容器に取り付けるようになった急速排気弁の取り付け方法であって、急速排気弁は、カラーを備えたクイックリリース部材、流れ通路を備えたスリーブ、および弁を有し、1対の耳部分がカラーから直径方向に外方に延び、ハンドルがカラーから半径方向に沿って外方に延び、基板容器は、基部を有し、基部は、カバープレートおよびボトムプレートを有し、ボトムプレートには少なくとも1つの開口部が形成され、カバープレートは、位置が開口部に一致した嵌合部分を有し、取り付け方法は、弁をスリーブの流れ通路内に配置するステップと、スリーブを嵌合部分に連結してスリーブと嵌合部分の内側との間に気密シールを形成するステップと、1対の耳部分を開口部中に通してハンドルをボトムプレートの外側に可動的に接触させることができるとともに、1対の耳部分がボトムプレートの内側上に位置することができるようにし、それにより開口部からのスリーブの抜け出しを阻止することを特徴とする取り付け方法を提供する。
【0020】
特定の実施形態では、開口部は、中央チャネルおよび中央チャネルのそばに位置する2つの合わせチャネルを有し、中央チャネルは、形状がカラーに一致し、合わせチャネルは、形状が1対の耳部分に一致し、それにより、クイックリリース部材のカラーおよび耳部分は、開口部に入ることができる。
【0021】
特定の実施形態では、開口部は、ボトムプレートの外側上に形成された少なくとも1つの溝をさらに有し、溝は、カラーがボトムプレートの開口部に結合されると、カラーのハンドルを収容するようになっている。
【0022】
特定の実施形態では、1対の耳部分が開口部を通過した後、ハンドルは、開口部に対して第1の位置から第2の位置に動かされ、その結果、クイックリリース部材は、弛み位置からロック位置に切り替わり、1対の耳部分は、クイックリリース部材がロック位置にあるとき、ボトムプレートの内側上に位置決めされる。
【0023】
特定の実施形態では、溝は、溝内の第1の位置と第2の位置との間で開口部に結合されているカラーのハンドルの動きを制限し、その結果、第1の位置から第2の位置へのハンドルの動きに続いてクイックリリース部材が弛み位置からロック位置に切り替わり、ロック位置は、開口部からのスリーブの抜け出しを阻止する。
【0024】
本発明のさらに別の目的は、上記取り付け方法によって取り付けられた急速排気弁を開口部から取り外すための急速排気弁の取り外し方法であって、取り外し方法は、ハンドルを動かして1対の耳部分がロック位置から弛み位置に切り替わることができるようにし、それにより、弛み位置にある1対の耳部分が開口部に自由に出入りすることができるようにするステップと、クイックリリース部材を開口部から取り外して、カラーがスリーブを制約しないようにするステップと、スリーブを開口部から取り外すステップとを含むことを特徴とする取り外し方法を提供する。
【0025】
特定の実施形態では、弛み位置は、1対の耳部分がそれぞれ、開口部内の合わせチャネルに自由に出入りすることができるようにし、合わせチャネルは、形状が耳部分に一致している。
【0026】
特定の実施形態では、ハンドルを動かすステップは、ハンドルを開口部の少なくとも1つの溝の中で動かしてハンドル、カラーおよび耳部分を同期して動かすステップを含む。
【0027】
本発明は、図面によって示されるとともに、非限定的、非網羅的な実施形態によって説明され、以下これについて説明する。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の構造的特徴および原理を開示することを目的としている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】基板容器の基部のボトムプレートおよびボトムプレート上に設けられたクイックリリース部材の斜視図である。
【
図3】本発明に従ってスリーブに結合されたクイックリリース部材の斜視図である。
【
図6】本発明に従ってボトムプレートに対して弛み位置に配置されたクイックリリース部材の略図である。
【
図7】本発明に従ってボトムプレートに対してロックまたは弛み止め位置に配置されたクイックリリース部材の略図である。
【
図8】本発明に従って
図6のBB線に沿って取ったクイックリリース部材とボトムプレートの連結部を示す断面図である。
【
図9】本発明の別の実施形態におけるボトムプレートの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、添付の図面によって示され、特定の実施形態によって説明され、以下これについて説明する。しかしながら、本開示によってクレーム請求されている発明内容は、種々の仕方で具体的に実施でき、それゆえ、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲は、本明細書において説明する例示の特定の実施形態には限定されず、これはかなり広い。
【0030】
本明細書において開示される「実施形態」を説明する際に用いられる技術用語は、必ずしも、本明細書において開示する同一の実施形態に適用されるわけではない。本明細書において開示されるいわゆる「変形実施形態」および「別の実施形態」は、必ずしも本明細書において開示される他の特定の実施形態に適用されるわけではない。本開示によってクレーム請求されている発明内容は各々、全体または一部が本明細書で開示する特定の実施形態の全ての組み合わせによって定められるとともに図示されている。
【0031】
図1は、本発明の実施形態に係る基板容器の略図である。基板容器(10)は、外ケース組立体(15)および内ケース組立体(16)を有する。外ケース組立体(15)は、内ケース組立体(16)を受け入れる。内ケース組立体(16)は、基板(20)を受け入れる。外ケース組立体(15)は、基部(11)および上カバー(13)を含む。上カバー(13)と基部(11)は、外ケース組立体(15)の外部と内部を分離し、それにより外ケース組立体(15)の内部が特定の半導体プロセスの清浄度要件を満たすことができるようにするための気密シールをこれらの間に形成するよう互いに係合する。内ケース組立体(16)は、互いに関連して動作する基部(12)と上カバー(14)を含む。基部(12)と上カバー(14)は、基板(20)を受け入れる受け入れ空間をこれらの間に形成するよう互いに係合する。この実施形態では、基板(20)は、例えば、高密度半導体パターニングプロセス向きの極紫外線(EUV)レチクルである。しかしながら、変形実施形態では、基板(20)は、半導体プロセスに関連付けられて高い清浄度基準を満たす基板であればどのような基板であっても良い。
【0032】
図2も参照すると、外ケース組立体(15)の基部(11)は、カバープレート(120)およびボトムプレート(110)を有する。カバープレート(120)とボトムプレート(110)は、基部(11)が弁(
図5に示されている)および締結機構体(図示せず)を収容するのに足るほど広い内部空間を形成するよう互いに取り外し可能に結合される。弁により、ガスは、基板容器(10)の受け入れ空間に出入りすることができる。この実施形態では、ボトムプレート(110)は、4つの急速排気弁を有するのが良く、これら4つの急速排気弁のうちの2つにより、ガスは、基板容器(10)に入ることができ、他の2つの急速排気弁によりガスは、基板容器(10)を出ることができるが、本発明はこの構成には限定されない。かくして、急速排気弁は、任意他の数で任意他の仕方で配列でき、そしてこれら急速排気弁は、本発明に依然として利用できる。
【0033】
図2に示されているように、実質的に丸形の開口部(130)がボトムプレート(110)の4つのコーナーの各々のところに形成されている。開口部(130)は各々、本発明のクイックリリースまたは簡易脱着部材(140)と関連して働くよう構成されている。開口部(130)は、弁を開口部(130)に通して基部(11)中に挿入することができるよう基部(11)の受け入れ空間と連通状態にある。
図1に示されているように、カバープレート(120)には開口部(符号なし)もまた形成されており、これら開口部は、位置が
図2の開口部(130)と一致しており、その目的は、これら開口部が弁の一端と連通関係をなすことにある。ボトムプレート(110)の各開口部(130)とカバープレート(120)の開口部の対応の各々との間の任意の位置にフィルタ(図示せず)が設けられる。実質的に丸形の開口部がボトムプレート(110)の中央に形成されており、この開口部は、締結機構体の作動部分(この図には示されていない)向きに構成されている。締結機構体は、基部(11)と上カバー(13)を互いにロックするために用いられる。
【0034】
図3は、スリーブ(150)に結合されたクイックリリース部材(140)を示している。
図4は、
図3に基づく長手方向分解組立図である。スリーブ(150)は、外形(D1)を備えた円筒形の形をしており、このスリーブは、頂端部(151)および底端部(152)を有する。スリーブ(150)が
図5に示されているように基部(11)内に配置されると、頂端部(151)は、カバープレート(120)の内側を押し、他方、底端部(152)は、ボトムプレート(110)の内側の近くに位置した状態で
図2の開口部(130)越しに露出される。スリーブ(150)の頂端部(151)と底端部(152)は、構造の面でわずかに互いに異なっている。頂端部(151)は、カバープレート(120)の内側に合致するよう設計され、かくして、基部(11)内の空気がカバープレート(120)から漏れ出るのを阻止する。定点部(152)は、クイックリリース部材(140)に合致するよう設計されており、かくして、クイックリリース部材(140)は、底端部(152)を保持するとともに底端部(152)に対して回転することができる。
【0035】
スリーブ(150)は、ガスが基板容器(10)の受け入れ空間に出入りすることができるようにするための流れ通路(153)を有する。弁(154)がガスの流れ方向を制限するよう流れ通路(153)内に設けられている。
【0036】
クイックリリース部材(140)は、一般に、スリーブ(150)と係合することができるカラー(141)であり、このカラーは内径(D2)を有する。内径(D2)は、スリーブ(150)の外径(D1)よりも小さく、その結果、スリーブ(150)は、カラー(141)を通過することができないようになっている。環状傾斜部(142)がカラー(141)の内側に形成されており、この環状傾斜部は、スリーブ(150)の底端部(152)と接触するようになっている。同様に、肩部分(155)がスリーブ(150)の底端部(152)のところに形成されており、この肩部分は、
図5に示されているように、カラー(141)の環状傾斜部(142)に合致するようになっている。
【0037】
クイックリリース部材(140)は、カラー(141)の外側から外方にかつ直径方向(144)に沿って側方に延びる1対の耳部分(143)をさらに有する。1対の耳部分(143)は、パネルの形をしており、これら耳部分は、長さ(L)および幅(W)だけカラー(141)から外方に延びている。各耳部分(143)の下面は、ボトムプレート(110)の内側に当たり(
図5に示されているように)、または急速排気弁が基部に取り付けられると開口部(130)の内リムに当たる。
【0038】
クイックリリース部材(140)は、カラー(141)の外側から外方にかつ半径方向(146)に沿って側方に延びるハンドル(145)をさらに有する。半径方向(146)は、直径方向(144)とは異なっており、ハンドル(145)は、1対の耳部分(143)相互間に設けられるようになっている。さらに、ハンドル(145)および耳部分(143)は、それぞれ、互いに異なる垂直位置のところに配置されている。
図3に示されているように、1対の耳部分(143)は、カラー(141)の上縁部に連結され、ハンドル(145)は、カラー(141)の下縁部のところに配置されている。ハンドル(145)の上面は、急速排気弁が基部に取り付けられると、ボトムプレート(110)の外側と接触関係をなす(
図8に示されているように)。カラー(141)、耳部分(143)、およびハンドル(145)は、互いに一体に形成される。
【0039】
図5は、
図1の平面Aで切って見た断面図であり、この図は、クイックリリース部材(140)がロックまたは弛み止め位置に配置された状態で、急速排気弁がカバープレート(120)とボトムプレート(110)との間の受け入れ空間内に設けられている状態を示している。スリーブ(150)の上半分がカバープレート(120)の内側に設けられた嵌合部分(121)内に受け入れられている。気密シールリングがスリーブ(150)の円周面上に形成されていて、この気密シールリングは、ガスが嵌合部分(121)とスリーブ(150)の円周面との間の隙間を通ってカバープレート(120)の外部に漏れることができないよう嵌合部分(121)の内壁と接触するようになっている。
【0040】
クイックリリース部材(140)がボトムプレート(110)に結合されてロック位置に配置されると、環状傾斜部(142)は、スリーブ(150)の肩部分(155)に当たり、他方、耳部分(143)の下面は、ボトムプレート(110)の内側に当たり、その結果、スリーブ(150)は、カバープレート(120)とボトムプレート(110)との間に閉じ込められてボトムプレート(110)の開口部からのスリーブ(150)の抜け出しを阻止するようになっている。
【0041】
図6は、クイックリリース部材(140)がボトムプレート(110)に対して弛み位置に配置されている状態を示している。
図7は、クイックリリース部材(140)がボトムプレート(110)に対してロック位置に配置されている状態を示している。
図2に示されているように、ボトムプレート(110)は、複数の開口部(130)を有する。
図6および
図7は各々、開口部(130)のうちの1つを示している。開口部(130)は、ボトムプレート(110)の内側(これは、受け入れ空間を画定している)からボトムプレート(110)の外側(これは、外ケースコンポーネントの周囲に向いている)まで延びており、これら開口部は、スリーブ(150)およびクイックリリース部材(140)を開口部に入らせることができる形状のものである。
【0042】
開口部(130)は各々、中央チャネル(131)および2つの合わせチャネル(132)を有する。
図6および
図7の記載によれば、中央チャネル(131)は、全体として丸形の形をしており、その直径は、スリーブ(150)の外径(D1)およびクイックリリース部材(140)のカラー(141)の外径よりもわずかに大きく、かくして、スリーブ(150)およびクイックリリース部材(140)が開口部(130)に自由に出入りすることができるだけでなく、クイックリリース部材(140)は、中央チャネル(131)内に位置決めされると自由に回転することができるようになっている。合わせチャネル(132)は、中央チャネル(131)の周囲から外方に延びている。
図6および
図7の記載によれば、合わせチャネル(132)は、形状がクイックリリース部材(140)の耳部分(143)に実質的に一致しており、その結果、クイックリリース部材(140)は、耳部分(143)が合わせチャネル(132)と整列したときのみ開口部(130)に自由に出入りすることができるようになっている。したがって、クイックリリース部材(140)は、特定の向きでのみ開口部(130)に自由に出入りすることができる。
【0043】
開口部(130)は各々、中央チャネル(131)のそばにかつ合わせチャネル(132)相互間に設けられた溝(133)をさらに有する。溝(133)は、ボトムプレート(110)の外側の下にわずかに窪み、この溝は、ボトムプレート(110)の湾曲壁(符号がつけた状態では示されてはいない)および滑り面(134)によって画定されている。滑り面(134)は、ボトムプレート(110)の外側に平行である。クイックリリース部材(140)が中央チャネル(131)内に位置決めされると、ハンドル(145)は、溝(133)内に受け入れられるとともに、溝(133)の第1の制止面(135)と第2の制止面(136)との間で滑り面(134)の端から端まで滑る。
【0044】
図8は、本発明に従って
図6のBB線矢視断面図である。この図に示されているように、クイックリリース部材(140)が弛み位置に配置されるとともに開口部(130)内に受け入れられると、ハンドル(145)は、実質的にボトムプレート(110)の外側(112)上に位置決めされて溝(133)の滑り面(134)に当たり、他方、耳部分(143)のうちの一方は、実質的にボトムプレート(110)の内側(111)の上方に位置決めされる。耳部分(143)の下面は、内側(111)と面一をなし、またはこの内側(111)よりもわずかに高く、かくして、クイックリリース部材(140)が
図7に示されているロック位置まで回転するとき、耳部分(143)は、ボトムプレート(110)の内側上で自由に動くことができる。
【0045】
ハンドル(145)が第1の停止位置(135)と接触状態にあるとき、クイックリリース部材(140)は、ボトムプレート(110)のところではロックされない。ハンドル(145)が
図7に示されているように第2の停止位置(136)と接触状態にあるとき、破線で示された1対の耳部分(143)は、ボトムプレート(110)の内側上に位置し、それにより、耳部分(143)は、開口部(130)から抜け出ないようになる。
図5に示されているように、クイックリリース部材(140)は、ロック位置にあり、かくして、スリーブ(150)の頂端部と底端部はそれぞれ、嵌合部分(121)の内側およびカバープレート(120)の内側、およびクイックリリース部材(140)の環状傾斜部(142)に当たり、クイックリリース部材(140)の耳部分(143)は、ボトムプレート(110)の内側を押し、その結果、スリーブ(150)は、基部(11)にしっかりと結合されるようになっている。スリーブ(150)の底部は、クイックリリース部材(140)と弾性接触状態にあり、その結果、ロック位置にあるクイックリリース部材(140)の耳部分(143)は、ボトムプレート(110)の内側に圧接されるようになっている。この時点で、摩擦によりクイックリリース部材(140)が弛み位置に動くのが阻止される。
【0046】
図8を参照すると、好ましくは、溝(133)の深さに関し、滑り面(134)とボトムプレート(110)の外側(112)との間の垂直距離は、少なくとも、ハンドル(145)がボトムプレート(110)の外側(112)と面一をなすようにするものでなければならない。別言すると、ハンドル(145)は、溝(133)内に完全に受け入れられなければならず、その結果、ハンドル(145)は、基部(11)が接地面と接触しているときに衝突を回避することができるようになっている。
【0047】
実現可能な実施形態では、滑り面を無視することができ、このことは、溝(133)が第1の制止面(135)、第2の制止面(136)および湾曲壁によってのみ画定されていることを意味している。
【0048】
図9は、本発明の別の実施形態を示している。この実施形態を先の実施形態と区別する技術的特徴は、この実施形態では、開口部(130)がもう1つの溝、すなわち溝(133′)を有し、それにより、クイックリリース部材(140)と開口部(130)の整列のしやすさを促進することである。
【0049】
本発明によれば、本発明の急速排気弁を弁なしで基部(11)に取り付けるため、弁(154)が挿入されたスリーブ(150)を正確な方向に位置決めし、次にカバープレート(120)の嵌合部分(121)に結合し、それによりスリーブ(150)の外側と嵌合部分(121)の内側との気密接触を可能にする。スリーブ(150)をフィルタと一緒に定位置に取り付ける。次に、ボトムプレート(110)とカバープレート(120)を嵌め合わせて基部(11)を形成する。クイックリリース部材(140)を正確な方向に位置決めしてこれがボトムプレート(110)の開口部(130)に入るようにする。正確な方向とは、カラー(141)を中央チャネル(131)に整列させるとともに、1対の耳部分(143)を合わせチャネル(132)に整列させるのに必要な方向である。クイックリリース部材(140)を開口部(130)に整列させると、クイックリリース部材(140)を開口部(130)に通してスリーブ(150)の底端部(152)を保持してこれを押し、ついには、耳部分(143)がボトムプレート(110)の内側上に完全に位置するようにするとともにハンドル(145)が溝(133)内に受け入れられるようにする。その後、ハンドル(145)を操作して、クイックリリース部材(140)を開口部(130)内で回転させるとともに耳部分(143)をこれに同期して回転させ、ついには、耳部分がボトムプレート(110)の内側に接触するようにし、すなわち、
図6の弛み位置から
図7のロック位置に切り替わるようにする。
【0050】
基部(11)内の弁のフィルタを交換するため、クイックリリース部材(140)をハンドル(145)により
図7に示されているようなロック位置から
図6に示されているような弛み位置に切り替える。耳部分(143)がもはやボトムプレート(110)の内側と接触関係をなさないようになるや否や、スリーブ(150)の底端部(152)は、クイックリリース部材(140)を下方に押し、その結果、クイックリリース部材(140)がスリーブ(150)に対して制約を及ぼさないようにする。クイックリリース部材(140)を開口部(130)から取り出した後、スリーブ(150)をツールで基部(11)から取り外す。変形例として、ボトムプレート(110)とカバープレート(120)を分離し、次に、スリーブ(150)を取り外し、そしてフィルタを交換しても良い。
【0051】
結論として、本発明の上述の実施形態は、急速排気弁、急速排気弁を有する基板容器、および急速排気弁を脱着する方法を提供している。急速排気弁のクイックリリース部材がボトムプレートに対してロック位置にあるとき、クイックリリース部材は、スリーブを保持し、かくして、基部からのスリーブの分離を阻止する。クイックリリース部材がボトムプレートに対して弛み位置にあるとき、スリーブは、基部から離れる。クイックリリース部材が取り外し可能なので、急速排気弁を簡便かつ迅速に交換して作業効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0052】
10 基板容器
11,12 基部
13,14 上カバー
15 外ケース組立体
16 内ケース組立体
20 基板
120 カバープレート
130 開口部
131 中央チャネル
132 合わせチャネル
133 溝
135,136 制止面
140 クイックリリース部材
141 カラー
143 耳部分
145 ハンドル
150 スリーブ