(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036648
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】遺伝子改変されたナチュラルキラー細胞
(51)【国際特許分類】
C12N 5/10 20060101AFI20230307BHJP
C12N 5/0783 20100101ALI20230307BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20230307BHJP
C12N 15/867 20060101ALI20230307BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20230307BHJP
C12N 15/31 20060101ALI20230307BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230307BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230307BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20230307BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20230307BHJP
A61K 31/7076 20060101ALI20230307BHJP
A61K 31/7068 20060101ALI20230307BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20230307BHJP
A61K 35/50 20150101ALI20230307BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
C12N5/10 ZNA
C12N5/0783
C12N15/09 100
C12N15/09 110
C12N15/867 Z
C12N15/12
C12N15/31
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/04
A61K35/17
A61K31/7076
A61K31/7068
A61K39/395 N
A61K39/395 T
A61K35/50
A61K9/19
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022196025
(22)【出願日】2022-12-08
(62)【分割の表示】P 2019535369の分割
【原出願日】2017-12-28
(31)【優先権主張番号】62/440,909
(32)【優先日】2016-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520169074
【氏名又は名称】セルラリティ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シャオクイ
(72)【発明者】
【氏名】イエ, キアン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ティエンジィエン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,チュアン
(72)【発明者】
【氏名】バラサン,ミニ
(72)【発明者】
【氏名】ハーズバーグ,ユリ
(72)【発明者】
【氏名】ハリリ,ロバート,ジェイ.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】遺伝子改変された(GM)ナチュラルキラー(NK)細胞、およびGMNK細胞の集団を産生する方法を提供する。また、腫瘍細胞の増殖を抑制するため、または病原体感染、例えば、ウイルス感染を阻害するために、GMNK細胞を使用する方法が提供される。
【解決手段】ある特定の代替法では、本明細書において提供されるGMNK細胞は、CBLB、NKG2Aおよび/もしくはTGFBR2の発現および/もしくは機能を欠き、またはCBLB、NKG2Aおよび/もしくはTGFBR2の発現および/もしくは機能の低減を示す。ある特定の代替法では、本明細書において提供されるGMNK細胞は、改変されたCD16を含む。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナチュラルキラー細胞の集団であって、ナチュラルキラー(NK)細胞が、NK阻害性
分子の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されてい
るナチュラルキラー細胞の集団。
【請求項2】
NK阻害性分子が、CBLB、NKG2AおよびTGFBR2からなる群から選択され
る1種または複数のNK阻害性分子である、請求項1に記載の集団。
【請求項3】
遺伝子改変されたNK細胞が、NK阻害性分子の発現がノックアウトまたは低減されて
いないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有する、請求項1または2に記
載の集団。
【請求項4】
腫瘍細胞が、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部
癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ
腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺
癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞
腫細胞からなる群から選択される、請求項3に記載の集団。
【請求項5】
腫瘍細胞が、固形腫瘍細胞である、請求項4に記載の集団。
【請求項6】
固形腫瘍細胞が、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神
経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択される、請求項5に記載の集団。
【請求項7】
NK阻害性分子の発現が、ノックアウトされている、請求項1に記載の集団。
【請求項8】
NK阻害性分子の発現が、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレ
アーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされている、請求項7に記載
の集団。
【請求項9】
NK阻害性分子の発現が、CRISPR関連技術によってノックアウトされている、請
求項7に記載の集団。
【請求項10】
NK阻害性分子がCBLBである、請求項1または2に記載の集団。
【請求項11】
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも
、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高いIFNγ分泌を有するN
K細胞の集団を生成する、請求項7から10のいずれか一項に記載の集団。
【請求項12】
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも
、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞
の集団を生成する、請求項7から10のいずれか一項に記載の集団。
【請求項13】
脱顆粒が、CD107aの増大によって測定される、請求項12に記載の集団。
【請求項14】
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞と比較
して、多発性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、GM-CSF、可溶性CD137(s
CD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよびパーフォリンのうち
1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する、請求項7から10のい
ずれか一項に記載の集団。
【請求項15】
NK阻害性分子がNKG2Aである、請求項1または2に記載の集団。
【請求項16】
NKG2A発現のノックアウトが、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞よ
りも、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、ICAM-1およびMICAを用いて刺激
された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する、請求項15から19のい
ずれか一項に記載の集団。
【請求項17】
脱顆粒が、CD107aの増大によって測定される、請求項16に記載の集団。
【請求項18】
NKG2A発現のノックアウトが、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞と
比較して、GM-CSF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、
MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を
有するNK細胞の集団を生成する、請求項16または17に記載の集団。
【請求項19】
NK阻害性分子がTGFBR2である、請求項1または2に記載の集団。
【請求項20】
TGFBR2発現のノックアウトが、TGFBR2がノックアウトされていないNK細
胞と比較して、腫瘍細胞に対するNK細胞の細胞毒性のTGFβ媒介性阻害に対する耐性
を有するNK細胞の集団を生成する、請求項19に記載の集団。
【請求項21】
ナチュラルキラー細胞の集団であって、ナチュラルキラー(NK)細胞が、改変された
CD16を含むように遺伝子改変されているナチュラルキラー細胞の集団。
【請求項22】
改変されたCD16が、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有する、請
求項21に記載の集団。
【請求項23】
改変されたCD16が、CD16aの位置158にバリンを有する、請求項22に記載
の集団。
【請求項24】
改変されたCD16が、ADAM17切断に対して耐性である、請求項21に記載の集
団。
【請求項25】
改変されたCD16が、CD16aの位置197にプロリンを有する、請求項24に記
載の集団。
【請求項26】
改変されたCD16が、IgKシグナルペプチドを含有する、請求項21から25のい
ずれか一項に記載の集団。
【請求項27】
改変されたCD16が、CD16シグナルペプチドを含有する、請求項21から26の
いずれか一項に記載の集団。
【請求項28】
改変されたCD16が、ウイルス感染を介してNK細胞に導入される、請求項21から
27のいずれか一項に記載の集団。
【請求項29】
改変されたCD16が、ウイルス感染を介して造血細胞に導入され、次いで造血細胞が
NK細胞に分化する、請求項28に記載の集団。
【請求項30】
改変されたCD16が、レンチウイルスベクターを介して導入される、請求項28から
29に記載の集団。
【請求項31】
レンチウイルスベクターが、CMVまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する、
請求項30に記載の集団。
【請求項32】
レンチウイルスベクターが、1種または複数の薬物選択マーカーを含む、請求項30ま
たは31に記載の集団。
【請求項33】
改変されたCD16が、レトロウイルスベクターを介して導入される、請求項28また
は29に記載の集団。
【請求項34】
レトロウイルスベクターが、1種または複数の薬物選択マーカーを含む、請求項33に
記載の集団。
【請求項35】
NK細胞が、胎盤由来(PNK細胞)である、請求項1から34のいずれか一項に記載
の集団。
【請求項36】
腫瘍細胞の増殖を抑制する方法であって、腫瘍細胞を、請求項1から35または55か
ら59のいずれか一項に記載の集団に由来するナチュラルキラー細胞と接触させることを
含む方法。
【請求項37】
前記接触が、in vitroで起こる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記接触が、in vivoで起こる、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記接触が、ヒト個体、好ましくは、抗癌療法を受けるように選択された個体において
起こる、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ナチュラルキラー細胞を前記個体に投与することを含む、請求項39に記載の方法
。
【請求項41】
前記腫瘍細胞が、多発性骨髄腫細胞である、請求項36から40のいずれかに記載の方
法。
【請求項42】
前記腫瘍細胞が、急性骨髄性白血病(AML)細胞である、請求項36から40のいず
れかに記載の方法。
【請求項43】
前記個体が、再発性/難治性AMLを有する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記個体が、AMLに対する少なくとも1種の非自然リンパ球系細胞(ILC)治療が
失敗しているAMLを有する、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記個体が、65歳以上であり、最初の寛解中である、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記個体が、前記ナチュラルキラー細胞を投与する前にフルダラビン、シタラビンまた
は両方を用いてコンディショニングされている、請求項40から45のいずれかに記載の
方法。
【請求項47】
腫瘍細胞が、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部
癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ
腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺
癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞
腫細胞からなる群から選択される、請求項40から46のいずれかに記載の方法。
【請求項48】
腫瘍細胞が、固形腫瘍細胞である、請求項40から47のいずれかに記載の集団。
【請求項49】
固形腫瘍細胞が、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神
経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択される、請求項48に記載の集団。前記ナチ
ュラルキラー細胞が、抗CD33抗体とともに投与される、請求項40から49のいずれ
か一項に記載の方法。
【請求項50】
前記ナチュラルキラー細胞が、抗CD20抗体とともに投与される、請求項40から4
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記ナチュラルキラー細胞が、抗CD138抗体とともに投与される、請求項40から
49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記ナチュラルキラー細胞が、抗CD38抗体とともに投与される、請求項40から4
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記ナチュラルキラー細胞が、前記接触または前記投与に先立って凍結保存されている
、請求項36から53のいずれかに記載の方法。
【請求項54】
前記ナチュラルキラー細胞が、前記接触または前記投与に先立って凍結保存されていな
い、請求項36から53のいずれかに記載の方法。
【請求項55】
ナチュラルキラー細胞が、CD56+CD3-CD117+CD11a+であり、パー
フォリンおよび/またはEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素受容体およ
びIL1R1のうち1種または複数を発現しない、請求項1から54のいずれか一項に記
載の集団。
【請求項56】
前記ナチュラルキラー細胞が、パーフォリンおよびEOMESを発現し、RORγt、
アリール炭化水素受容体またはIL1R1のいずれも発現しない、請求項55に記載の集
団。
【請求項57】
前記ナチュラルキラー細胞が、T-bet、GZMB、NKp46、NKp30および
/またはNKG2Dをさらに発現する、請求項55または56に記載の集団。
【請求項58】
前記ナチュラルキラー細胞が、CD94を発現する、請求項55から57のいずれか一
項に記載の集団。
【請求項59】
前記ナチュラルキラー細胞が、CD94を発現しない、請求項55から57のいずれか
一項に記載の集団。
【請求項60】
胎盤またはその一部に由来し、それによって胎盤由来NK細胞(pNK細胞)を含むナ
チュラルキラー細胞の集団であって、pNK細胞が、NK阻害性分子の発現を欠く、また
はNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されているナチュラルキラー細胞
の集団。
【請求項61】
NK阻害性分子が、CBLB、NKG2AおよびTGFBR2からなる群から選択され
る1種または複数のNK阻害性分子である、請求項60に記載の集団。
【請求項62】
遺伝子改変されたNK細胞が、NK阻害性分子の発現がノックアウトまたは低減されて
いないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有する、請求項60または61
に記載の集団。
【請求項63】
腫瘍細胞が、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部
癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ
腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺
癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞
腫細胞からなる群から選択される、請求項62に記載の集団。
【請求項64】
腫瘍細胞が、固形腫瘍細胞である、請求項62に記載の集団。
【請求項65】
固形腫瘍細胞が、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神
経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択される、請求項64に記載の集団。
【請求項66】
NK阻害性分子の発現が、ノックアウトされている、請求項60に記載の集団。
【請求項67】
NK阻害性分子の発現が、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレ
アーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされている、請求項66に記
載の集団。
【請求項68】
NK阻害性分子の発現が、CRISPR関連技術によってノックアウトされている、請
求項66に記載の集団。
【請求項69】
NK阻害性分子が、CBLBである、請求項60または61に記載の集団。
【請求項70】
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも
、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高いIFNγ分泌を有するN
K細胞の集団を生成する、請求項69に記載の集団。
【請求項71】
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも
、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞
の集団を生成する、請求項69に記載の集団。
【請求項72】
脱顆粒が、CD107aの増大によって測定される、請求項71に記載の集団。
【請求項73】
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞と比較
して、多発性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、GM-CSF、可溶性CD137(s
CD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリ
ンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する、請求項69か
ら72のいずれか一項に記載の集団。
【請求項74】
NK阻害性分子が、NKG2Aである、請求項60または61に記載の集団。
【請求項75】
NKG2A発現のノックアウトが、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞よ
りも、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、ICAM-1およびMICAを用いて刺激
された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する、請求項74に記載の集団
。
【請求項76】
脱顆粒が、CD107aの増大によって測定される、請求項75に記載の集団。
【請求項77】
CD107aの増大が、FACsによって測定される、請求項76に記載の集団。
【請求項78】
NKG2A発現のノックアウトが、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞、
例えば、天然に存在するNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性CD137(sCD
137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリンの
うち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する、請求項74から7
7のいずれか一項に記載の集団。
【請求項79】
胎盤由来ナチュラルキラー細胞(pNK)の集団であって、pNK細胞が、改変された
CD16を含むように遺伝子改変されている胎盤由来ナチュラルキラー細胞(pNK)の
集団。
【請求項80】
改変されたCD16が、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有する、請
求項79に記載の集団。
【請求項81】
改変されたCD16が、CD16aの位置158にバリンを有する、請求項80に記載
の集団。
【請求項82】
改変されたCD16が、ADAM17切断に対して耐性である、請求項79に記載の集
団。
【請求項83】
CD16が、CD16aの位置197にプロリンを有する、請求項82に記載の集団。
【請求項84】
改変されたCD16が、IgKシグナルペプチドまたはCD16シグナルペプチドを含
有する、請求項79から83のいずれか一項に記載の集団。
【請求項85】
改変されたCD16が、ウイルス感染を介してNK細胞に導入される、請求項79から
84のいずれか一項に記載の集団。
【請求項86】
改変されたCD16が、ウイルス感染を介して造血細胞に導入され、次いで造血細胞が
NK細胞に分化する、請求項85に記載の集団。
【請求項87】
改変されたCD16が、レンチウイルスベクターを介して導入される、請求項85また
は86に記載の集団。
【請求項88】
レンチウイルスベクターが、CMVまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する、
請求項87に記載の集団。
【請求項89】
レンチウイルスベクターが、1種または複数の薬物選択マーカーを含む、請求項85ま
たは86に記載の集団。
【請求項90】
選択マーカーが、PuroR遺伝子、ZeoR遺伝子、HygroR遺伝子、neoR
遺伝子および/またはブラストサイジン耐性遺伝子などの選択剤に対する耐性を付与する
タンパク質をコードする遺伝子を含む、請求項89に記載の集団。
【請求項91】
改変されたCD16が、レトロウイルスベクターを介して導入される、請求項85また
は86に記載の集団。
【請求項92】
レトロウイルスベクターが、1種または複数の薬物選択マーカーを含む、請求項91に
記載の集団。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
任意の優先出願の参照による組込み
本願は、2016年12月30日に出願された米国仮特許出願第62/440,909
号の優先権の利益を主張する。前記の出願の全開示内容は、その全文が参照により本明細
書に明確に組み込まれる。
【0002】
I.分野
遺伝子改変(遺伝子組み換え)された(GM)ナチュラルキラー(NK)細胞およびG
M NK細胞を含む細胞集団を産生する方法が、本明細書に記載される。また、例えば、
腫瘍細胞の増殖を抑制するため、病原体感染、例えば、細菌感染もしくはウイルス感染を
調節するため、または病原体感染、例えば、細菌感染もしくはウイルス感染を阻害するた
めに、GM NK細胞を含むこれらの細胞集団を使用する方法も開示される。ある特定の
代替法では、GM NK細胞を含む細胞の集団は、CBLB、NKG2Aおよび/もしく
はTGFBR2の発現を欠き、ならびに/またはCBLB、NKG2Aおよび/もしくは
TGFBR2の発現および/もしくは機能の低減を示す。ある特定の代替法では、細胞集
団は、改変されたCD16を含むGM NK細胞を含む。
【背景技術】
【0003】
II.背景
ナチュラルキラー(NK)細胞は、自然免疫系の主構成成分を構成する細胞傷害性リン
パ球である。
【0004】
NK細胞は、インターフェロンまたはマクロファージ由来サイトカインに応答して活性
化される。NK細胞の細胞傷害性活性は、「活性化受容体」または「阻害性受容体」と考
えられ得る2種類の表面受容体によって高度に調節されるが、いくつかの受容体、例えば
、CD94および2B4(CD244)は、リガンド相互作用に応じていずれかの方法で
働く。
【0005】
NK細胞は、その他の活性の中でも、腫瘍の宿主拒絶において役割を果たし、ウイルス
感染細胞を死滅させることができるとわかっている。ナチュラルキラー細胞は、主要組織
適合複合体(MHC)タンパク質を欠く、またはその低減したレベルを示す細胞によって
活性化され得る。自己クラスI MHC発現のレベルが変更されたまたは低減した癌細胞
は、NK細胞感受性の誘導をもたらし得る。末梢血由来の活性化および増殖されたNK細
胞、いくつかの場合には、LAK細胞は、進行癌を有する患者のex vivo療法およ
びin vivo治療の両方において使用されており、骨髄関連疾患、例えば、白血病、
乳癌および特定の種類のリンパ腫に対して一部成功している。改変NK細胞を開発するた
めのさらなるアプローチが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願公開WO2016/109661
【特許文献2】米国特許第8,263,065号
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/0280849号
【特許文献4】米国特許出願公開第2015/0366910号
【特許文献5】米国特許第8,926,964号
【特許文献6】米国特許出願公開第2015/0225697号
【特許文献7】国際特許公開WO2016/109668
【特許文献8】米国特許第7,948,171号
【特許文献9】米国特許第7,468,276号
【特許文献10】米国特許第8,057,788号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ミラー(Miller)ら、2005、Blood 105:3051-3057
【非特許文献2】ルブニッツ(Rubnitz)ら、2010、J Clin Oncol.28:955-959
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
III.概要
遺伝子改変された(GM)ナチュラルキラー(NK)細胞、例えば、ヒトNK細胞、G
M NK細胞を含む細胞の集団を産生する方法ならびに例えば、腫瘍細胞の増殖を抑制す
るため、病原体感染(例えば、細菌感染もしくはウイルス感染)を調節するため、または
病原体感染、例えば、細菌感染もしくはウイルス感染を阻害するために本明細書に記載さ
れるGM NK細胞またはGM NK細胞を含む細胞の集団を使用する方法が、本明細書
に記載される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の
低減を示すように遺伝子改変されているNK細胞の集団が提供される。いくつかの代替法
では、NK細胞は、NK阻害性分子の発現を調節する、またはNK阻害性分子の発現を阻
害するように遺伝子改変されている。例えば、いくつかの代替法では、本明細書において
提供される改変されたNK細胞は、NK阻害性分子の発現レベルに関して改変されていな
いNK細胞(このような細胞は、NK阻害性分子の発現以外の点で天然に存在する細胞か
ら改変されていてもよいが、「非改変細胞」と本明細書において呼ばれる)よりも低いレ
ベルで、1種または複数のNK阻害性分子を発現するように遺伝子改変されているNK細
胞を含む細胞の集団を含む。NK阻害性分子のレベルが比較される非改変細胞は、例えば
、天然に存在するNK細胞または本明細書に記載されるものなどの方法を使用して得られ
、天然に存在しないNK細胞であり得る。ある特定の代替法では、調節された、低減され
たまたはヌルレベルで発現されるNK阻害性分子は、CBLB、NKG2Aおよび/また
はTGFBR2である。
【0010】
ある特定の代替法では、NK細胞において調節された、低減されたまたはヌルレベルで
発現されるNK阻害性分子は、CBLBである。ある特定の代替法では、NK細胞におけ
るCBLB発現は、ノックアウトされている。ある特定の代替法では、NK細胞における
CBLB発現は、ゲノム編集(遺伝子編集)技術によって、例えば、CRISPRまたは
CRISPR関連技術を使用することなどによってノックアウトされている。ある特定の
代替法では、NK細胞におけるCBLB発現のノックアウトは、CBLBの発現を低減も
しくは排除するように遺伝子改変されていない天然に存在するNK細胞または天然に存在
しないNK細胞であり得る、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも腫瘍細
胞に対して高い細胞毒性を有するNK細胞の集団またはNK細胞を含む細胞の集団を生成
する。特定の代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。特定の代替法では、腫
瘍細胞は、RPMI8226細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、U266細胞
である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、ARH77細胞である。特定の代替法では、腫
瘍細胞は、急性骨髄性白血病(AML)細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、H
L60細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、KG1細胞である。ある特定の代替
法では、NK細胞におけるCBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされ
ていない非改変NK細胞、例えば、天然に存在するNK細胞よりも高いIFNγ分泌を有
するNK細胞の集団を生成する。ある特定の代替法では、NK細胞におけるCBLB発現
のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも高い脱顆粒を有
するNK細胞の集団を生成する。特定の代替法では、脱顆粒は、CD107aの増加によ
って測定される。ある特定の代替法では、NK細胞におけるCBLB発現のノックアウト
は、CBLBがノックアウトされていないNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性C
D137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαまたはパーフ
ォリンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。ある特定
の代替法では、NK細胞におけるCBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウ
トされていないNK細胞、例えば、天然に存在するNK細胞と比較して、GM-CSF、
可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαまた
はパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。
【0011】
ある特定の代替法では、NK細胞を含む細胞の集団において発現が調節または低減され
るNK阻害性分子は、NKG2Aである。ある特定の代替法では、NKG2A発現は、ノ
ックアウトされている。ある特定の代替法では、NKG2A発現は、CRISPRまたは
CRISPR関連技術によってノックアウトされている。ある特定の代替法では、NK細
胞におけるNKG2A発現のノックアウトは、NKG2AがノックアウトされていないN
K細胞、例えば、天然に存在するNK細胞よりも腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有する
NK細胞を含む細胞の集団を生成する。特定の代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細
胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、RPMI8226細胞である。特定の代替法
では、腫瘍細胞は、U266細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、ARH77細
胞である。ある特定の代替法では、NK細胞におけるNKG2A発現のノックアウトは、
NKG2AがノックアウトされていないNK細胞よりも高いIFNγ分泌を有するNK細
胞の集団を生成する。ある特定の代替法では、in vitroでアゴニストNKG2A
抗体の存在下でICAM-1およびMICAを用いて刺激されたNK細胞から分泌された
IFNγを測定する。ある特定の代替法では、NK細胞におけるNKG2A発現のノック
アウトは、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞よりも高い脱顆粒を有するN
K細胞の集団を生成する。特定の代替法では、脱顆粒は、CD107aの増加によって測
定される。ある特定の代替法では、NK細胞におけるNKG2A発現のノックアウトは、
NKG2AがノックアウトされていないNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性CD
137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαまたはパーフォ
リンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。本明細書に
おけるいくつかの代替法では、NKG2AノックアウトNK細胞は、NKG2Aノックア
ウトを有さない未処理細胞、例えば、天然に存在するNK細胞と比較して、細胞毒性の最
大3倍またはそれより多い増大を有する。
【0012】
ある特定の代替法では、NK細胞を含む細胞の集団において発現が調節または低減され
るNK阻害性分子は、TGFBR2である。ある特定の代替法では、NK細胞を含む細胞
の集団においてTGFBR2発現がノックアウトされている。ある特定の代替法では、T
GFBR2発現は、CRISPRまたはCRISPR関連技術によってノックアウトされ
ている。ある特定の代替法では、NK細胞におけるTGFBR2発現のノックアウトは、
TGFBR2がノックアウトされていないNK細胞と比較して、腫瘍細胞に対するNK細
胞の細胞毒性のTGFβ媒介性阻害に対して耐性である細胞の集団を生成する。特定の代
替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、RP
MI8226細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、K562細胞である。特定の
代替法では、腫瘍細胞は、HL-60細胞である。
【0013】
ある特定の代替法では、ナチュラルキラー(NK)細胞が、改変されたCD16、例え
ば、改変されたCD16aを含むように遺伝子改変されているナチュラルキラー細胞の集
団が提供される。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、野生型CD16よりも
IgGに対して高い親和性を有する、例えば、改変されたCD16aは、野生型CD16
aよりもIgGに対して高い親和性を有する。ある特定の代替法では、改変されたCD1
6は、CD16aの位置158にバリンを有する。ある特定の代替法では、改変されたC
D16は、ADAM17切断に対して耐性である。ある特定の代替法では、CD16は、
CD16aの位置197にプロリンを有する。ある特定の代替法では、改変されたCD1
6は、配列番号1に示されるアミノ酸配列(MWQLLLPTALLLLVSAGMRT
EDLPKAVVFLEPQWYRVLEKDSVTLKCQGAYSPEDNSTQW
FHNESLISSQASSYFIDAATVDDSGEYRCQTNLSTLSDPV
QLEVHIGWLLLQAPRWVFKEEDPIHLRCHSWKNTALHKVT
YLQNGKGRKYFHHNSDFYIPKATLKDSGSYFCRGLVGSKN
VSSETVNITITQGLAVPTISSFFPPGYQVSFCLVMVLLFA
VDTGLYFSVKTNIRSSTRDWKDHKFKWRKDPQDK;配列番号1
)を有する。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、IgKシグナルペプチドを
含有する。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、CD16シグナルペプチドを
含む。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介してNK細胞に
導入される。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介して造血
細胞に導入され、次いで造血細胞はNK細胞に分化する。ある特定の代替法では、改変さ
れたCD16は、レンチウイルスベクターを介して導入される。ある特定の代替法では、
レンチウイルスベクターは、CMVまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する。あ
る特定の代替法では、レンチウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを
含む。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、レトロウイルスベクターを介して
導入される。ある特定の代替法では、レトロウイルスベクターは、1種または複数の薬物
選択マーカーを含む。
【0014】
腫瘍細胞を、本明細書に記載されるように調製された、遺伝子改変されたナチュラルキ
ラー細胞の1種または複数の集団と接触させることを含む、腫瘍細胞の増殖を抑制する方
法が本明細書に記載される。ある特定の代替法では、前記接触は、in vitroで起
こる。ある特定の代替法では、前記接触は、in vivoで起こる。ある特定の代替法
では、前記接触は、ヒト個体において起こる。ある特定の代替法では、ヒト個体は、癌療
法を必要とするものとして選択または同定される。ある特定の代替法では、前記方法は、
前記ナチュラルキラー細胞を前記の選択または同定された個体に投与することを含む。あ
る特定の代替法では、前記腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。ある特定の代替法では
、前記腫瘍細胞は、急性骨髄性白血病(AML)細胞である。ある特定の代替法では、前
記個体は、再発性/難治性AMLを有する。ある特定の代替法では、前記個体は、AML
に対する少なくとも1種の非自然リンパ球系細胞(ILC)治療が失敗しているAMLを
有する。ある特定の代替法では、前記個体は、65歳以上であり、最初の寛解中である。
ある特定の代替法では、前記個体は、前記ナチュラルキラー細胞を投与する前にフルダラ
ビン、シタラビンまたは両方を用いてコンディショニングされている。ある特定の代替法
では、前記腫瘍細胞は、乳癌細胞、頭頸部癌細胞または肉腫細胞である。ある特定の代替
法では、前記腫瘍細胞は、原発性腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性
骨髄性リンパ腫(CML)細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM
)細胞、肺癌腫細胞、結腸腺癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直
腸腺癌細胞および/または網膜芽細胞腫細胞である。ある特定の代替法では、前記腫瘍細
胞は、固形腫瘍細胞である。ある特定の代替法では、前記腫瘍細胞は、肝臓腫瘍細胞であ
る。ある特定の代替法では、前記腫瘍細胞は、肺腫瘍細胞である。ある特定の代替法では
、前記腫瘍細胞は、膵臓腫瘍細胞である。ある特定の代替法では、前記腫瘍細胞は、腎腫
瘍細胞である。ある特定の代替法では、前記腫瘍細胞は、多形神経膠芽腫(GBM)細胞
である。
【0015】
ある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD33抗体と併せて投与さ
れる。ある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD20抗体と併せて投
与される。ある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD138抗体と併
せて投与される。ある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD38抗体
と併せて投与される。ある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD32
抗体と併せて投与される。
【0016】
ある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、前記接触または前記投与に先立
って凍結保存されている。ある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、前記接
触または前記投与に先立って凍結保存されていない。
【0017】
ある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD56+CD3-CD117
+CD11a+であり、パーフォリンおよび/またはEOMESを発現し、RORγt、
アリール炭化水素受容体および/またはIL1R1のうち1種または複数を発現しない。
ある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、パーフォリンおよび/またはEO
MESを発現し、RORγt、アリール炭化水素受容体および/またはIL1R1のいず
れも発現しない。ある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞はさらに、T-be
t、GZMB、NKp46、NKp30および/またはNKG2Dを発現する。ある特定
の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94を発現する。ある特定の代替法で
は、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94を発現しない。
【0018】
第1の態様において、ナチュラルキラー細胞の集団であって、ナチュラルキラー(NK
)細胞が、NK阻害性分子の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示すよう
に遺伝子改変されているナチュラルキラー細胞の集団が提供される。いくつかの代替法で
は、NK阻害性分子は、CBLB、NKG2AおよびTGFBR2からなる群から選択さ
れる1種または複数のNK阻害性分子である。いくつかの代替法では、遺伝子改変された
NK細胞は、NK阻害性分子の発現がノックアウトされていないまたは低減されていない
NK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有する。いくつかの代替法では、腫瘍
細胞は、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部癌細胞
、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ腫細胞
、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺癌細胞
、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞腫細胞
からなる群から選択される。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞である。
いくつかの代替法では、固形腫瘍細胞は、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎
腫瘍細胞および多形神経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択される。いくつかの代
替法では、NK阻害性分子の発現は、ノックアウトされている。いくつかの代替法では、
NK阻害性分子の発現は、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレア
ーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされている。いくつかの代替法
では、NK阻害性分子の発現は、CRISPR関連技術によってノックアウトされている
。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CBLBである。いくつかの代替法では、
CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも、
ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高いIFNγ分泌を有するNK
細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBL
BがノックアウトされていないNK細胞よりも、ICAM-1およびMICAを用いて刺
激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では
、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定される。いくつかの代替法では、CBLB
発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞と比較して、多発
性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、GM-CSF、可溶性CD137(sCD137
)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよびパーフォリンのうち1種または
複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、NK阻害
性分子は、NKG2Aである。いくつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは
、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞よりも、NKG2Aアゴニスト抗体の
存在下で、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有する
NK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によ
って測定される。いくつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2A
がノックアウトされていないNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性CD137(s
CD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリ
ンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代
替法では、NK阻害性分子は、TGFBR2である。いくつかの代替法では、TGFBR
2発現のノックアウトは、TGFBR2がノックアウトされていないNK細胞と比較して
、腫瘍細胞に対するNK細胞の細胞毒性のTGFβ媒介性阻害に対する耐性を有するNK
細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、ナチュラルキラー(NK)細胞は、改変
されたCD16を含むように遺伝子改変されている。いくつかの代替法では、改変された
CD16は、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有する。いくつかの代替
法では、改変されたCD16は、CD16aの位置158にバリンを有する。いくつかの
代替法では、改変されたCD16は、ADAM17切断に対して耐性である。いくつかの
代替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置197にプロリンを有する。いく
つかの代替法では、改変されたCD16は、IgKシグナルペプチドを含有する。いくつ
かの代替法では、改変されたCD16は、CD16シグナルペプチドを含有する。いくつ
かの代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介してNK細胞中に導入される
。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介して造血細胞中に導
入され、造血細胞は、次いで、NK細胞に分化する。いくつかの代替法では、改変された
CD16は、レンチウイルスベクターを介して導入される。いくつかの代替法では、レン
チウイルスベクターは、CMVまたはEF1aプロモーターのいずれかを有する。いくつ
かの代替法では、レンチウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む
。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、レトロウイルスベクターを介して導入
される。いくつかの代替法では、レトロウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択
マーカーを含む。いくつかの代替法では、NK細胞は、胎盤由来(PNK細胞)である。
いくつかの代替法では、ナチュラルキラー細胞は、CD56+CD3-CD117+CD
11a+であり、パーフォリンおよび/またはEOMESを発現し、RORγt、アリー
ル炭化水素受容体およびIL1R1のうち1種または複数を発現しない。いくつかの代替
法では、前記ナチュラルキラー細胞は、パーフォリンおよびEOMESを発現し、ROR
γt、アリール炭化水素受容体またはIL1R1のいずれも発現しない。いくつかの代替
法では、前記ナチュラルキラー細胞は、T-bet、GZMB、NKp46、NKp30
および/またはNKG2Dをさらに発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキ
ラー細胞は、CD94を発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は
、CD94を発現しない。
【0019】
第2の態様において、腫瘍細胞の増殖を抑制する方法であって、腫瘍細胞を、本明細書
におけるナチュラルキラー細胞の代替集団のいずれか1つの集団に由来するナチュラルキ
ラー細胞と接触させることを含む方法が提供される。いくつかの代替法では、ナチュラル
キラー(NK)細胞が、NK阻害性分子の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低
減を示すように遺伝子改変されているナチュラルキラー細胞の集団が提供される。いくつ
かの代替法では、NK阻害性分子は、CBLB、NKG2AおよびTGFBR2からなる
群から選択される1種または複数のNK阻害性分子である。いくつかの代替法では、遺伝
子改変されたNK細胞は、NK阻害性分子の発現がノックアウトまたは低減されていない
NK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有する。いくつかの代替法では、腫瘍
細胞は、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部癌細胞
、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ腫細胞
、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺癌細胞
、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞腫細胞
からなる群から選択される。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞である。
いくつかの代替法では、固形腫瘍細胞は、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎
腫瘍細胞および多形神経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択される。いくつかの代
替法では、NK阻害性分子の発現は、ノックアウトされている。いくつかの代替法では、
NK阻害性分子の発現は、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレア
ーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされている。いくつかの代替法
では、NK阻害性分子の発現は、CRISPR関連技術によってノックアウトされている
。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CBLBである。いくつかの代替法では、
CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも、
ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高いIFNγ分泌を有するNK
細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBL
BがノックアウトされていないNK細胞よりも、ICAM-1およびMICAを用いて刺
激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では
、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定される。いくつかの代替法では、CBLB
発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞と比較して、多発
性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、GM-CSF、可溶性CD137(sCD137
)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよびパーフォリンのうち1種または
複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、NK阻害
性分子は、NKG2Aである。いくつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは
、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞よりも、NKG2Aアゴニスト抗体の
存在下でICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するN
K細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によっ
て測定される。いくつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2Aが
ノックアウトされていないNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性CD137(sC
D137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリン
のうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替
法では、NK阻害性分子は、TGFBR2である。いくつかの代替法では、TGFBR2
発現のノックアウトは、TGFBR2がノックアウトされていないNK細胞と比較して、
腫瘍細胞に対するNK細胞の細胞毒性のTGFβ媒介性阻害に対する耐性を有するNK細
胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、ナチュラルキラー(NK)細胞は、改変さ
れたCD16を含むように遺伝子改変されている。いくつかの代替法では、改変されたC
D16は、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有する。いくつかの代替法
では、改変されたCD16は、CD16aの位置158にバリンを有する。いくつかの代
替法では、改変されたCD16は、ADAM17切断に対して耐性である。いくつかの代
替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置197にプロリンを有する。いくつ
かの代替法では、改変されたCD16は、IgKシグナルペプチドを含有する。いくつか
の代替法では、改変されたCD16は、CD16シグナルペプチドを含有する。いくつか
の代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介してNK細胞に導入される。い
くつかの代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介して造血細胞に導入され
、次いで造血細胞はNK細胞に分化する。いくつかの代替法では、改変されたCD16は
、レンチウイルスベクターを介して導入される。いくつかの代替法では、レンチウイルス
ベクターは、CMVまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する。いくつかの代替法
では、レンチウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。いくつか
の代替法では、改変されたCD16は、レトロウイルスベクターを介して導入される。い
くつかの代替法では、レトロウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを
含む。いくつかの代替法では、NK細胞は、胎盤由来(PNK細胞)である。いくつかの
代替法では、ナチュラルキラー細胞は、CD56+CD3-CD117+CD11a+で
あり、パーフォリンおよび/またはEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素
受容体およびIL1R1のうち1種または複数を発現しない。いくつかの代替法では、前
記ナチュラルキラー細胞は、パーフォリンおよびEOMESを発現し、RORγt、アリ
ール炭化水素受容体またはIL1R1のいずれも発現しない。いくつかの代替法では、前
記ナチュラルキラー細胞は、T-bet、GZMB、NKp46、NKp30および/ま
たはNKG2Dをさらに発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は
、CD94を発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94
を発現しない。方法のいくつかの代替法では、前記接触は、in vitroで起こる。
方法のいくつかの代替法では、前記接触は、in vivoで起こる。方法のいくつかの
代替法では、前記接触は、ヒト個体、好ましくは、抗癌療法を受けるように選択された個
体において起こる。方法のいくつかの代替法では、前記方法は、前記ナチュラルキラー細
胞を前記個体に投与することを含む。方法のいくつかの代替法では、前記腫瘍細胞は、多
発性骨髄腫細胞である。方法のいくつかの代替法では、前記腫瘍細胞は、急性骨髄性白血
病(AML)細胞である。方法のいくつかの代替法では、前記個体は、再発性/難治性A
MLを有する。方法のいくつかの代替法では、前記個体は、AMLに対する少なくとも1
種の非自然リンパ球系細胞(ILC)治療が失敗しているAMLを有する。方法のいくつ
かの代替法では、前記個体は、65歳以上であり、最初の寛解中である。方法のいくつか
の代替法では、前記個体は、前記ナチュラルキラー細胞を投与する前にフルダラビン、シ
タラビンまたは両方を用いてコンディショニングされている。方法のいくつかの代替法で
は、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸
部癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リン
パ腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸
腺癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細
胞腫細胞からなる群から選択される。方法のいくつかの代替法では、腫瘍細胞は、固形腫
瘍細胞である。方法のいくつかの代替法では、固形腫瘍細胞は、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細
胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択
される。方法のいくつかの代替法では、ナチュラルキラー細胞は、抗CD33抗体ととも
に投与される。方法のいくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD20
抗体とともに投与される。方法のいくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、
抗CD138抗体とともに投与される。方法のいくつかの代替法では、前記ナチュラルキ
ラー細胞は、抗CD38抗体とともに投与される。方法のいくつかの代替法では、前記ナ
チュラルキラー細胞は、前記接触または前記投与に先立って凍結保存されている。方法の
いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、前記接触または前記投与に先立っ
て凍結保存されていない。
【0020】
第3の態様では、胎盤またはその一部に由来し、それによって胎盤由来NK細胞(pN
K細胞)を含むナチュラルキラー細胞の集団であって、pNK細胞が、NK阻害性分子の
発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されているナチ
ュラルキラー細胞の集団が提供される。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CB
LB、NKG2AおよびTGFBR2からなる群から選択される1種または複数のNK阻
害性分子である。いくつかの代替法では、遺伝子改変されたNK細胞は、NK阻害性分子
の発現がノックアウトまたは低減されていないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細
胞毒性を有する。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白
血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急
性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発
性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細
胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞腫細胞からなる群から選択される。いくつかの代
替法では、腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞である。いくつかの代替法では、固形腫瘍細胞は、
肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神経膠芽腫(GBM)
細胞からなる群から選択される。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、ノッ
クアウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、CRISPR/
CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたはTALENヌクレアーゼによっ
てノックアウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、CRIS
PR関連技術によってノックアウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子
は、CBLBである。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLB
がノックアウトされていないNK細胞よりも、ICAM-1およびMICAを用いて刺激
された場合に、高いIFNγ分泌を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法
では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よ
りも、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK
細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によって
測定される。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノック
アウトされていないNK細胞と比較して、多発性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、G
M-CSF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、
TNFαおよび/またはパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細
胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、NKG2Aである。い
くつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2Aがノックアウトされ
ていないNK細胞よりも、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、ICAM-1およびM
ICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する。いく
つかの代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定される。いくつかの代替
法では、CD107aの増大は、FACsによって測定される。いくつかの代替法では、
NKG2A発現のノックアウトは、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞、例
えば、天然に存在するNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性CD137(sCD1
37)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリンのう
ち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。
【0021】
第4の態様では、胎盤由来ナチュラルキラー細胞(pNK)の集団であって、pNK細
胞は、改変されたCD16を含むように遺伝子改変されている。いくつかの代替法では、
改変されたCD16は、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有する。いく
つかの代替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置158にバリンを有する。
いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ADAM17切断に対して耐性である。
いくつかの代替法では、CD16は、CD16aの位置197にプロリンを有する。いく
つかの代替法では、改変されたCD16は、IgKシグナルペプチドまたはCD16シグ
ナルペプチドを含有する。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染
を介してNK細胞に導入される。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ウイル
ス感染を介して造血細胞に導入され、次いで造血細胞はNK細胞に分化する。いくつかの
代替法では、改変されたCD16は、レンチウイルスベクターを介して導入される。いく
つかの代替法では、レンチウイルスベクターは、CMVまたはEF1αプロモーターのい
ずれかを有する。いくつかの代替法では、レンチウイルスベクターは、1種または複数の
薬物選択マーカーを含む。いくつかの代替法では、選択マーカーは、PuroR遺伝子、
ZeoR遺伝子、HygroR遺伝子、neoR遺伝子および/またはブラストサイジン
耐性遺伝子などの選択剤に対する耐性を付与するタンパク質をコードする遺伝子を含む。
いくつかの代替法では、改変されたCD16は、レトロウイルスベクターを介して導入さ
れる。いくつかの代替法では、レトロウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マ
ーカーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
IV.図面の簡単な説明
【
図1A】GM NK細胞におけるCBLBノックアウト効率を示す図である。
【
図1B】GM NK細胞におけるノックアウト後の増殖倍数を示す図である。
【
図2A】20:1、10:1および5:1のエフェクター:ターゲット(E:T)比における、34/35日目のRPMI8226ならびにCBLB-ノックアウト(四角)のNK細胞の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図2B】20:1、10:1および5:1のエフェクター:ターゲット(E:T)比における、34/35日目のU266ならびにCBLB-ノックアウト(四角)のNK細胞の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図2C】20:1、10:1および5:1のエフェクター:ターゲット(E:T)比における、34/35日目のARH77細胞に対する未処理(菱形)ならびにCBLB-ノックアウト(四角)のNK細胞の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図3A】20:1、10:1および5:1のエフェクター:ターゲット(E:T)比における、3段階プロセスの34/35日目の(3A)RPMI8226ならびにCBLB
-ノックアウト(四角)3段階NK細胞の相対細胞毒性を示す図である。
【
図3B】20:1、10:1および5:1のエフェクター:ターゲット(E:T)比における、3段階プロセスの34/35日目のU266ならびにCBLB
-ノックアウト(四角)3段階NK細胞の相対細胞毒性を示す図である。
【
図3C】20:1、10:1および5:1のエフェクター:ターゲット(E:T)比における、3段階プロセスの34/35日目のARH77細胞に対する未処理(菱形)ならびにCBLB
-ノックアウト(四角)3段階NK細胞の相対細胞毒性を示す図である。
【
図4A】HL-60細胞に対する未処理(NT)ならびにCBLB
-ノックアウト(CBLB KO)3段階NK細胞の相対細胞毒性を示す図である。
【
図4B】KG1細胞に対する未処理(NT)ならびにCBLB
-ノックアウト(CBLB KO)3段階NK細胞の相対細胞毒性を示す図である。
【
図5A】1.25μg/mlのICAM-1の存在下で種々の量における主要組織適合複合体(MHC)クラスI関連鎖A(MICA)刺激の際の、未処理(右)およびCBLB
-ノックアウト(左)3段階NK細胞のIFN-γ分泌アッセイを示す図である。
【
図5B】1.25μg/mlのICAM-1の存在下で種々の量における主要組織適合複合体(MHC)クラスI関連鎖A(MICA)刺激の際の、未処理(右)およびCBLB
-ノックアウト(左)3段階NK細胞のCD107a/脱顆粒アッセイを示す図である。
【
図6A】CBLBノックアウト3段階NK細胞の、RPMI8226との同時インキュベーションの間に分泌されたサイトカインのレベルを、未処理3段階NK細胞によるサイトカイン分泌のパーセンテージとして表す図である。
【
図6B】CBLBノックアウト3段階NK細胞の、U266との同時インキュベーションの間に分泌されたサイトカインのレベルを、未処理3段階NK細胞によるサイトカイン分泌のパーセンテージとして表す図である。
【
図6C】CBLBノックアウト3段階NK細胞の、ARH77細胞との同時インキュベーションの間に分泌されたサイトカインのレベルを、未処理3段階NK細胞によるサイトカイン分泌のパーセンテージとして表す図である。
【
図7】CBLBノックアウト3段階NKプロセスの模式図である。
【
図8】-1日または-5日にブスルファンを用いた、3段階CBLBノックアウトNK細胞または未処理NK細胞の投与後7日のNOD SCIDガンマ(NSG)マウスの脾臓、骨髄(BM)、血液、肝臓、肺における、および合計のヒトCD45
+細胞の数を示す図である。
【
図9】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウト3段階NK細胞または未処理NK細胞の投与後14日のNSGマウスの脾臓、BM、血液、肝臓、肺における、および合計のヒトCD45
+細胞の数を示す図である。
【
図10】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウト3段階NK細胞または未処理NK細胞の投与後21日のNSGマウスの脾臓、BM、血液、肝臓、肺における、および合計のヒトCD45
+細胞の数を示す図である。
【
図11A】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日の脾臓におけるCD56
+CD11a
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図11B】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日の肝臓におけるCD56
+CD11a
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図11C】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日の骨髄におけるCD56
+CD11a
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図11D】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日の肺におけるCD56
+CD11a
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図12A】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日のNSGマウスの脾臓におけるCD56
+CD16
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図12B】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日のNSGマウスの肝臓におけるCD56
+CD16
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図12C】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日のNSGマウスの骨髄におけるCD56
+CD16
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図12D】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日のNSGマウスの肺におけるCD56
+CD16
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図13A】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日のNSGマウスの脾臓におけるCD56
+CD158b1、b2、j
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図13B】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日のNSGマウスの肝臓におけるCD56
+CD158b1、b2、j
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図13C】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日のNSGマウスの骨髄におけるCD56
+CD158b1、b2、j
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図13D】-1日または-5日にブスルファンを用いた、CBLBノックアウトまたは未処理を用いる投与後7、14および21日のNSGマウスの肺におけるCD56
+CD158b1、b2、j
+3段階NK細胞パーセントを示す図である。
【
図14A】K562に対する、NSGマウス由来の投与後14日の、単離され、精製された3段階NK細胞、CBLBノックアウトまたは対照の細胞毒性を示す図である。対照は低パーセントキラーとして示される。
【
図14B】HL60細胞に対する、NSGマウス由来の投与後14日の、単離され、精製された3段階NK細胞、CBLBノックアウトまたは対照の細胞毒性を示す図である。対照は低パーセントキラーとして示される。
【
図15A】K562細胞、HL60細胞と同時インキュベートされた、または細胞を伴わないNSGマウス由来の投与後14日の、単離され、精製された3段階NK細胞、CBLBノックアウト(右)または対照(左)のGM-CSF分泌を示す図である。
【
図15B】K562細胞、HL60細胞と同時インキュベートされた、または細胞を伴わないNSGマウス由来の投与後14日の、単離され、精製された3段階NK細胞、CBLBノックアウト(右)または対照(左)のIFN-γ分泌を示す図である。
【
図15C】K562細胞、HL60細胞と同時インキュベートされた、または細胞を伴わないNSGマウス由来の投与後14日の、単離され、精製された3段階NK細胞、CBLBノックアウト(右)または対照(左)のsCD137分泌を示す図である。
【
図15D】K562細胞、HL60細胞と同時インキュベートされた、または細胞を伴わないNSGマウス由来の投与後14日の、単離され、精製された3段階NK細胞、CBLBノックアウト(右)または対照(左)のTNFα分泌を示す図である。
【
図16A】2種のAML患者異種移植片(PDX)腫瘍細胞とともに同時培養されたNSGマウス由来の投与後14日の、3段階NK細胞、CBLBノックアウト(右)または対照(左)のGM-CSF分泌を示す図である。
【
図16B】2種のAML患者異種移植片(PDX)腫瘍細胞とともに同時培養されたNSGマウス由来の投与後14日の、3段階NK細胞、CBLBノックアウト(右)または対照(左)のIFN-γ分泌を示す図である。
【
図16C】2種のAML患者異種移植片(PDX)腫瘍細胞とともに同時培養されたNSGマウス由来の投与後14日の、3段階NK細胞、CBLBノックアウト(右)または対照(左)のsCD137分泌を示す図である。
【
図16D】2種のAML患者異種移植片(PDX)腫瘍細胞とともに同時培養されたNSGマウス由来の投与後14日の、3段階NK細胞、CBLBノックアウト(右)または対照(左)のTNFα分泌を示す図である。
【
図17A】NKG2AノックアウトGM NK効率を示す図である。
【
図17B】ノックアウト後の増殖倍数を示す図である。
【
図18A】種々のE:T比における、3段階プロセスの34/35日目のK562細胞に対する、未処理(菱形)およびNKG2A-ノックアウト(四角)3段階NK細胞の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図18B】種々のE:T比における、3段階プロセスの34/35日目のRPMI8226細胞に対する、未処理(菱形)およびNKG2A-ノックアウト(四角)3段階NK細胞の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図18C】種々のE:T比における、3段階プロセスの34/35日目のU266細胞に対する、未処理(菱形)およびNKG2A-ノックアウト(四角)3段階NK細胞の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図18D】種々のE:T比における、3段階プロセスの34/35日目のARH77細胞に対する、未処理(菱形)およびNKG2A-ノックアウト(四角)3段階NK細胞の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図19A】20:1、10:1および5:1のエフェクター:ターゲット(E:T)比における、3段階プロセスの34/35日目のRPMI8226細胞に対する未処理(菱形)およびNKG2A-ノックアウト(四角)3段階NK細胞の相対細胞毒性を示す図である。
【
図19B】20:1、10:1および5:1のエフェクター:ターゲット(E:T)比における、3段階プロセスの34/35日目のU266細胞に対する未処理(菱形)およびNKG2A-ノックアウト(四角)3段階NK細胞の相対細胞毒性を示す図である。
【
図19C】20:1、10:1および5:1のエフェクター:ターゲット(E:T)比における、3段階プロセスの34/35日目のARH77細胞に対する未処理(菱形)およびNKG2A-ノックアウト(四角)3段階NK細胞の相対細胞毒性を示す図である。
【
図20】1.25μg/mlのICAM-1および5μg/mlのMICAのすべて存在下での、NKG2A抗体を用いる野生型3段階NK細胞(四角)、NKG2A抗体を用いるNKG2Aノックアウト3段階NK細胞(三角)、IgGを用いる野生型3段階NK細胞(丸)およびIgGを用いるNKG2Aノックアウト3段階NK細胞(菱形)のCD107a(プレートに結合された)アッセイ結果を示す図である。
【
図21A】未処理3段階NK細胞によるサイトカイン分泌のパーセンテージとして表される、NKG2Aノックアウト3段階NK細胞のRPMI8226細胞との同時インキュベーションの間に分泌されたサイトカインのレベルを示す図である。
【
図21B】未処理3段階NK細胞によるサイトカイン分泌のパーセンテージとして表される、NKG2Aノックアウト3段階NK細胞のU266細胞との同時インキュベーションの間に分泌されたサイトカインのレベルを示す図である。
【
図21C】未処理3段階NK細胞によるサイトカイン分泌のパーセンテージとして表される、NKG2Aノックアウト3段階NK細胞のARH77細胞との同時インキュベーションの間に分泌されたサイトカインのレベルを示す図である。
【
図22】5日目(四角)対10日目(×s)での、トランスフェクションの際の35日の3段階NKプロセスの間のTGFBR2ノックアウトのノックアウト効率を示す図である。
【
図23A】アッセイの48時間前の20ng/mL(四角)または40ng/mL(三角)のTGF-β1を用いる処置の際の、または未処理のままの(菱形)、種々のE:T比における、3段階NK細胞対腫瘍細胞株、対照NK対K562の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図23B】アッセイの48時間前の20ng/mL(四角)または40ng/mL(三角)のTGF-β1を用いる処置の際の、または未処理のままの(菱形)、種々のE:T比における、3段階NK細胞対腫瘍細胞株、TGFBR2ノックアウト対K562の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図23C】アッセイの48時間前の20ng/mL(四角)または40ng/mL(三角)のTGF-β1を用いる処置の際の、または未処理のままの(菱形)、種々のE:T比における、3段階NK細胞対腫瘍細胞株、対照NK対RPMI8226の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図23D】アッセイの48時間前の20ng/mL(四角)または40ng/mL(三角)のTGF-β1を用いる処置の際の、または未処理のままの(菱形)、種々のE:T比における、3段階NK細胞対腫瘍細胞株、TGFBR2ノックアウト対RPMI8226の細胞毒性(死滅パーセントによって測定されるような)を示す図である。
【
図24A】対照細胞対HL60細胞の、TGF-β1の不在下(上側の線)または存在下(下側の線)での4時間細胞毒性アッセイを示す図である。
【
図24B】TGFBR2ノックアウト細胞対HL60細胞の、TGF-β1の不在下(上側の線)または存在下(下側の線)での4時間細胞毒性アッセイを示す図である。
【
図24C】対照細胞対K562細胞の、TGF-β1の不在下(上側の線)または存在下(下側の線)での4時間細胞毒性アッセイを示す図である。
【
図24D】TGFBR2ノックアウト細胞対K562細胞の、TGF-β1の不在下(上側の線)または存在下(下側の線)での4時間細胞毒性アッセイを示す図である。
【
図25】未処理またはCD16VPが形質導入された細胞の培養の間の3段階NK細胞におけるCD16発現の持続を示す図である。
【
図26A】未処理のまま(上側の線)またはCD16VPを用いて形質導入された(下側の線)3段階NK細胞の増殖倍数を示す図である。
【
図26B】未処理(左)またはCD16VPが形質導入された(右)細胞の、35日のうちの33日目の3段階NK培養のマーカー発現を示す図である。
【
図27A】Daudi細胞に対する4時間ADCCアッセイにおける抗CD20抗体の存在下でのCD16VPが形質導入された細胞のADCC平均特異的死滅を示す図である。
【
図27B】Daudi細胞に対する4時間ADCCアッセイにおける抗CD38抗体の存在下でのCD16VPが形質導入された細胞のADCC平均特異的死滅を示す図である。
【
図28A】種々の条件下での4時間ADCCアッセイにおけるCD16VPが形質導入された細胞のIFN-γ分泌を示す図である。
【
図28B】種々の条件下での4時間ADCCアッセイにおけるCD16VPが形質導入された細胞のGM-CSF分泌を示す図である。
【
図28C】種々の条件下での4時間ADCCアッセイにおけるCD16VPが形質導入された細胞のTNF-α分泌を示す図である。
【
図29】偽トランスフェクション(菱形、955.89)、TGFBR2単一ノックアウト(四角、380)、CBLB単一ノックアウト(三角、500.175)およびTGFBR2/CBLB二重ノックアウト(×s、322.69)を示す、二重ノックアウト3段階GM NKの増殖倍数を示す図である。
【
図30A】TGFβ処置の存在下におけるHL60に対する二重ノックアウト3段階GM NKのエフェクター機能を示す図である。
【
図30B】TGFβ処置の不在下におけるHL60に対する二重ノックアウト3段階GM NKのエフェクター機能を示す図である。
【
図31A】TGFβ処置の存在下でのK562に対する二重ノックアウト3段階GM NKのエフェクター機能を示す図である。
【
図31B】TGFβ処置の不在下でのK562に対する二重ノックアウト3段階GM NKのエフェクター機能を示す図である。
【
図32A】TGFβ処置の存在または不在下、およびK562、HL60、RPMIまたはKG1細胞の存在下で、NK細胞のGM-CSF分泌を示す図である。棒は、左から右に、偽トランスフェクトされたもの、TGFBR2ノックアウト、CBLBノックアウトおよびTGFBR2/CBLB二重ノックアウトの分泌を示す。
【
図32B】TGFβ処置の存在または不在下、およびK562、HL60、RPMIまたはKG1細胞の存在下で、NK細胞のsCD137分泌を示す図である。棒は、左から右に、偽トランスフェクトされたもの、TGFBR2ノックアウト、CBLBノックアウトおよびTGFBR2/CBLB二重ノックアウトの分泌を示す。
【
図32C】TGFβ処置の存在または不在下、およびK562、HL60、RPMIまたはKG1細胞の存在下で、NK細胞のIFN-γ分泌を示す図である。棒は、左から右に、偽トランスフェクトされたもの、TGFBR2ノックアウト、CBLBノックアウトおよびTGFBR2/CBLB二重ノックアウトの分泌を示す。
【
図32D】TGFβ処置の存在または不在下、およびK562、HL60、RPMIまたはKG1細胞の存在下で、NK細胞のTNF-α分泌を示す図である。棒は、左から右に、偽トランスフェクトされたもの、TGFBR2ノックアウト、CBLBノックアウトおよびTGFBR2/CBLB二重ノックアウトの分泌を示す。
【
図32E】TGFβ処置の存在または不在下、およびK562、HL60、RPMIまたはKG1細胞の存在下で、NK細胞のパーフォリン分泌を示す図である。棒は、左から右に、偽トランスフェクトされたもの、TGFBR2ノックアウト、CBLBノックアウトおよびTGFBR2/CBLB二重ノックアウトの分泌を示す。
【
図33】CD16形質導入効率を示す図である。CD34細胞の形質導入は、種々の条件を試験して最適化した。レンチウイルス形質導入は、70%を超える(8人の異なるドナー(92番~99番)から得られた細胞について43~81%)中央値形質導入効率を達成するように、600gで5日目に100MOIで1×形質導入で最適化した。
【
図34】8人の異なるドナー(92番~99番)から得られた細胞のPNK-CD16VP増殖結果を示す図である。
【
図35】8人の異なるドナー(92番~99番)から得られた細胞の増殖後PNK-CD16CP表現型データを示す図である。
【
図35Cont.1】8人の異なるドナー(92番~99番)から得られた細胞の増殖後PNK-CD16CP表現型データを示す図である。
【
図35Cont.2】8人の異なるドナー(92番~99番)から得られた細胞の増殖後PNK-CD16CP表現型データを示す図である。
【
図36】8人の異なるドナー(92番~99番)から得られた細胞のPNK-CD16VP構築物検証データを示す図である。左のパネルに示されるように、上側の線は、CD16VPのデータであり、下側の線は、PNK-NTのものである。右パネルの棒グラフでは、PMAによる活性化の6つの棒の順序は、以下の通りである:未処理、PMA処理、PMA+a-TACE D1(A12)未処理、PMA処理およびPMA+a-TACE D1(A12)。ADCCによる活性化のデータを示す棒グラフでは、6つの棒の順序は、Daudiコーティングされていない、Daudi+IgG、Daudi+a-CD38、Daudiコーティングされていない、Daudi+IgGおよびDaudi+a-CD38である。
【
図36Cont.】8人の異なるドナー(92番~99番)から得られた細胞のPNK-CD16VP構築物検証データを示す図である。左のパネルに示されるように、上側の線は、CD16VPのデータであり、下側の線は、PNK-NTのものである。右パネルの棒グラフでは、PMAによる活性化の6つの棒の順序は、以下の通りである:未処理、PMA処理、PMA+a-TACE D1(A12)未処理、PMA処理およびPMA+a-TACE D1(A12)。ADCCによる活性化のデータを示す棒グラフでは、6つの棒の順序は、Daudiコーティングされていない、Daudi+IgG、Daudi+a-CD38、Daudiコーティングされていない、Daudi+IgGおよびDaudi+a-CD38である。
【
図37】8人の異なるドナー(92番~99番)から得られた細胞のPNK-CD16VP ADCC機能を示すデータを示す図である。示されるように、PNK-CD16VPは、CD20、CD38およびCD319を用いた場合の、Daudiに対するADCCの改善を示した。
【
図37Cont.】8人の異なるドナー(92番~99番)から得られた細胞のPNK-CD16VP ADCC機能を示すデータを示す図である。示されるように、PNK-CD16VPは、CD20、CD38およびCD319を用いた場合の、Daudiに対するADCCの改善を示した。
【発明を実施するための形態】
【0023】
V.技術用語
以下の説明では、用語は、明細書に照らして読まれる場合にその平易で普通の意味を与
えられるべきである。当業者ならば、明細書全体を考慮して使用されるように用語を理解
するであろう。
【0024】
本明細書において使用されるように、用語「免疫調節性化合物」および「IMiD(商
標)」は、サリドマイドを包含しない。
【0025】
「遺伝子改変する」は、明細書に照らして読まれる場合にその平易で普通の意味を有し
、それだけには限らないが、例えば、遺伝子工学技術を使用して変更されている核酸など
の遺伝物質を用いて、細菌などの生物または細胞、T細胞またはNK細胞などのリンパ球
、細菌細胞、真核細胞、昆虫、植物または哺乳動物を改変するプロセスを含み得る。例え
ば、分子クローニング方法を使用して対象の遺伝物質をまず単離およびコピーしてDNA
配列を生成することによって、またはDNAを合成することによって、次いで、この構築
物を宿主生物中に挿入することによってDNAなどの核酸を宿主ゲノム中に挿入できる。
遺伝子および遺伝子発現はまた、ゲノム編集を使用して除去または「ノックアウト」でき
る。当業者ならば、遺伝子をノックアウトする多数の技術を理解できる。制限されるもの
ではないが、遺伝子および/または遺伝子発現は、例えば、RNA干渉、CRISPRま
たはTALENを使用する技術を用いてノックアウトできる。遺伝子ターゲティングは、
相同組換えを使用して内因性遺伝子を変化させる異なる技術であり、遺伝子を欠失させ、
エキソンを除去し、遺伝子を付加し、または点突然変異を導入するために使用できる。
【0026】
形質導入によって実施された遺伝子改変が本明細書に記載されている。「形質導入」は
、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を有し、それだけには限らな
いが、例えば、ベクターによって、例えば、DNAまたはRNAなどの遺伝物質を細胞に
導入する方法を含み得る。一般的な技術は、ウイルスベクター、エレクトロポレーション
および細胞透過性を増大するための化学試薬を使用する。DNAは、ウイルスによって、
またはウイルスベクターを介して導入することができる。本明細書に記載されるように、
免疫細胞、例えば、ナチュラルキラー細胞を改変する方法が提供される。ウイルスベクタ
ーは、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レトロウイルスおよびレンチウ
イルスに由来し得る。
【0027】
送達のために組換え感染性ウイルス粒子を利用する種々の形質導入技術が開発されてい
る。これは、細胞の形質導入への現在好ましいアプローチに相当する。形質導入ために使
用してもよいウイルスベクターとして、サルウイルス40、アデノウイルス、アデノ随伴
ウイルス(AAV)、レンチウイルスベクターおよびレトロウイルスに由来するウイルス
ベクターを挙げることができる。したがって、遺伝子導入および発現方法は多数あるが、
本質的に、哺乳動物細胞において遺伝物質を導入し発現するように機能する。リン酸カル
シウムトランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、および組
換えアデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レンチウイルスまたはレトロウイルスベクタ
ーによる感染を含む、上記の技術のうちいくつかを、細胞を形質導入するために使用でき
る。リンパ球は、エレクトロポレーションによって、およびレトロウイルスまたはレンチ
ウイルス感染によって成功裏に形質導入されている。そのようなものとして、レトロウイ
ルスおよびレンチウイルスベクターは、真核細胞における遺伝子導入のための高度に効率
的な方法を提供し得る。レトロウイルスおよびレンチウイルスベクターは、T細胞および
NK細胞などのリンパ球への遺伝子導入のための高度に効率的な方法を提供する。さらに
、レトロウイルスまたはレンチウイルス組み込みは、制御された様式で起こり、細胞あた
り新規遺伝情報の1つまたは2、3コピーの安定な組み込みをもたらす。
【0028】
「ゲノム編集」は、明細書に照らして読まれる場合にその平易で普通の意味を有し、そ
れだけには限らないが、例えば、ヌクレアーゼまたは操作されたヌクレアーゼ(単数また
は複数)を使用して生物のゲノムにおいてDNAが挿入、欠失または置き換えられる遺伝
子工学の種類を含み得る。制限されるものではないが、ヌクレアーゼは、CRISPR/
CAS9システムのもの、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたはTALENヌクレアーゼ
であり得る。ヌクレアーゼは、遺伝子座または核酸配列上の標的化された遺伝子座を標的
とするために使用できる。
【0029】
「TALEN」または「転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ」は、明細書
に照らして読まれる場合にその平易で普通の意味を有し、それだけには限らないが、例え
ば、DNAの特定の配列を切断するように操作され得る制限酵素を含み得る。それらは、
TALエフェクターDNA結合ドメインを、DNA切断ドメイン(DNA鎖を切断するヌ
クレアーゼ)と融合することによって作製される。転写アクチベーター様エフェクター(
TALE)は、任意の所望のDNA配列と実際に結合するように操作することができ、そ
のため、ヌクレアーゼと組み合わされた場合に、DNAを特定の位置で切断できる。制限
酵素は、ゲノム編集において使用するために、またはin situでのゲノム編集、操
作されたヌクレアーゼを用いるゲノム編集として知られる技術のために細胞中に導入する
ことができる。ジンクフィンガーヌクレアーゼおよびCRISPR/Cas9と並んで、
TALENは、ゲノム編集の分野において卓越したツールである。これらのヌクレアーゼ
は、遺伝子を「ノックアウト」するために使用してもよい。
【0030】
「CRISPR」(クラスター化規則的間隔短鎖回文配列リピート(clustere
d regularly interspaced short palindromi
c repeats))は、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を
有し、それだけには限らないが、例えば、塩基配列の短い反復を含有する原核生物DNA
のセグメントを含み得る。各反復に、細菌ウイルスまたはプラスミドに対する先の曝露に
由来する「スペーサーDNA」の短いセグメントが続く。CRISPR/Casシステム
は、プラスミドおよびファージなどの外来遺伝要素に対する耐性を付与する原核生物の免
疫系であり、獲得免疫性の一形態を提供する。CRISPRスペーサーは、真核生物にお
けるRNAiと同様の方法でこれらの外因性遺伝要素を認識し、切断する。CRISPR
/Casシステムは、生命の樹を通して種においてゲノム編集(特定の遺伝子の配列の付
加、破壊または変更)および遺伝子調節のために使用されている。Cas9タンパク質お
よび適当なガイドRNAを細胞中に送達することによって、生物のゲノムを任意の所望の
位置で切断できる。当業者ならば、集団全体のゲノムを変更可能な、RNAによってガイ
ドされるゲノム編集ツールを構築するためのCRISPRの使用を理解し得る。
【0031】
「レナリドミド」は、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を有し
、それだけには限らないが、例えば、3-(4’アミノイソインドリン-1’-オン)-
1-ピペリジン-2,6-ジオン(ケミカル・アブストラクツ・サービス(Chemic
al Abstracts Service)名)または2,6-ピペリジンジオン,3
-(4-アミノ-1,3-ジヒドロ-1-オキソ-2H-イソインドール-2-イル)-
(国際純粋・応用化学連合(International Union of Pure
and Applied Chemistry)(IUPAC)名)を含み得る。本明
細書において使用されるように、「ポマリドミド」は、4-アミノ-2-(2,6-ジオ
キソピペリジン-3-イル)イソインドール-1,3-ジオンを意味する。
【0032】
「複能性」とは、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を有し、そ
れだけには限らないが、例えば、細胞に言及する場合には、別の細胞種の細胞に分化する
能力を有する細胞を挙げることができ、意味する。ある特定の代替法では、「複能性細胞
」は、哺乳動物の身体のおよそ260細胞種のサブセットに成長する能力を有する細胞で
ある。多能性細胞とは異なり、複能性細胞は、すべての細胞種を形成する能力は有さない
。
【0033】
「フィーダー細胞」は、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を有
し、それだけには限らないが、例えば、第2の種類の細胞が維持され、おそらくは増殖す
ることができる環境を提供するために、第2の種類の細胞と同時培養されるある種の細胞
を含み得る。いずれかの理論に捉われようとは思わないが、フィーダー細胞は、標的細胞
に、例えば、ペプチド、ポリペプチド、電気的シグナル、有機分子(例えば、ステロイド
)、核酸分子、成長因子(例えば、bFGF)、その他の因子(例えば、サイトカイン)
および代謝的栄養素を提供し得る。ある特定の代替法では、フィーダー細胞は、単層で成
長する。
【0034】
「ナチュラルキラー細胞」または「NK細胞」は、明細書に照らして読まれる場合に、
その平易で普通の意味を有し、それだけには限らないが、例えば、任意の組織供給源に由
来するナチュラルキラー細胞を挙げることができ、本明細書に記載されるものなどの方法
を使用して産生されるナチュラルキラー細胞を含む。
【0035】
「胎盤灌流液」は、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を有し、
それだけには限らないが、例えば、胎盤、例えば、ヒト胎盤の少なくとも一部を通って、
例えば、胎盤脈管構造を通って通過した灌流溶液を挙げることができ、胎盤を通る通過の
際に灌流溶液によって集められる複数の細胞を含む。
【0036】
「胎盤灌流液細胞」は、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を有
し、それだけには限らないが、例えば、有核細胞、例えば、胎盤灌流液から単離された、
またはそれから単離可能な総有核細胞を含み得る。
【0037】
「腫瘍細胞抑制」、「腫瘍細胞増殖の抑制」などは、明細書に照らして読まれる場合に
、その平易で普通の意味を有し、それだけには限らないが、例えば、本明細書に記載され
る3段階法を使用して産生されたNK細胞またはNK細胞集団を、腫瘍細胞の集団と接触
させることまたは近接させること、例えば、腫瘍細胞の集団を、本明細書に記載される3
段階法を使用して産生されたNK細胞またはNK細胞集団と接触させることによって、例
えば、腫瘍細胞の前記集団中の1種または複数の腫瘍細胞を死滅させることによる、例え
ば、腫瘍細胞の集団の成長の減速を含み得る。ある特定の代替法では、前記接触は、in
vitroで起こる。その他の代替法では、前記接触は、in vivoで起こる。
【0038】
「造血細胞」は、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を有し、そ
れだけには限らないが、例えば、造血幹細胞および造血前駆体細胞を含み得る。
【0039】
「CBLB」、E3ユビキチンリガーゼ(casitas Bリンパ系リンパ腫b)は
、T細胞活性化の負のレギュレーターである。本明細書に記載されるいくつかの代替法で
は、ナチュラルキラー細胞を含む細胞の集団が提供され、これでは、ナチュラルキラー(
NK)細胞は、NK阻害性分子の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示す
ように遺伝子改変されている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、T細胞活性化
の負のレギュレーターである。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CBLBであ
る。
【0040】
「NKG2A」は、NK細胞およびCD8+Tリンパ球のサブセットの表面で主に発現
されるC型レクチン受容体の一形態である。これらの受容体は、NK細胞の細胞傷害性活
性を刺激または阻害し、したがって、それらはその機能に従って活性化および阻害性受容
体にわけられる。本明細書に記載されるいくつかの代替法では、ナチュラルキラー細胞を
含む細胞の集団が提供される、これでは、ナチュラルキラー(NK)細胞は、NK阻害性
分子の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されてい
る。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、C型レクチン受容体の一形態である。い
くつかの代替法では、NK阻害性分子は、NKG2Aである。本明細書におけるいくつか
の代替法では、NKG2AノックアウトNK細胞は、天然に存在するNK細胞などのNK
G2Aノックアウトを有さない未処理細胞との比較において細胞毒性において最大3倍ま
たはそれより多い増大を有する。
【0041】
「TGFBR2」は、TGFベータ受容体である。本明細書に記載されるいくつかの代
替法では、ナチュラルキラー細胞を含む細胞の集団が提供され、ここでナチュラルキラー
(NK)細胞は、NK阻害性分子の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示
すように遺伝子改変されている。いくつかの代替法では、このNK阻害性分子は、TGF
BR2である。
【0042】
「CD16」は、免疫細胞、例えば、ナチュラルキラー細胞、好中球多形核白血球、単
球およびマクロファージの表面で見られる低い親和性Fc受容体である。
【0043】
「ADAMメタロペプチダーゼドメイン17」(ADAM17)は、TACEとしても
知られ、ディスインテグリンおよびメタロプロテアーゼのADAMタンパク質ファミリー
に属する酵素である。ADAMは、TNF-αのプロセシングに関与し得る。本明細書に
おけるいくつかの代替法では、ナチュラルキラー細胞を含む細胞の集団が提供され、ここ
で、ナチュラルキラー(NK)細胞は、改変されたまたは突然変異体CD16を含むよう
に遺伝子改変されている。いくつかの代替法では、改変されたまたは突然変異体CD16
は、ADAM17切断に対して耐性である。
【0044】
「薬物選択マーカー」は、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を
有し、ベクターを受け取っている、選択マーカーを有する宿主細胞の同定または選択を促
進するために選択マーカーを含み得る。制限するものではないが、選択マーカーは、選択
剤、例えば、PuroR遺伝子、ZeoR遺伝子、HygroR遺伝子、neoR遺伝子
および/またはブラストサイジン耐性遺伝子に対する耐性を付与するタンパク質をコード
する遺伝子を含み得る。
【0045】
「未定義の構成成分」は、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を
有し、それだけには限らないが、例えば、成分が一般に提供されていない、または定量化
されていない構成成分を含み得る。「未定義の構成成分」の例として、制限するものでは
ないが、血清、例えば、ヒト血清(例えば、ヒト血清AB)および胎児血清(例えば、ウ
シ胎児血清またはウシ胎児血清)が挙げられる。
【0046】
本明細書において、「+」とは、特定の細胞性マーカーの存在を示すために使用される
場合には、細胞性マーカーがアイソタイプ対照を上回って蛍光活性化セルソーターにおい
て検出可能に存在し、定量的または半定量的RT-PCRにおいてバックグラウンドを上
回って検出可能であることを意味する。
【0047】
本明細書において、「-」とは、特定の細胞性マーカーの存在を示すために使用される
場合には、細胞性マーカーがアイソタイプ対照を上回って蛍光活性化セルソーターにおい
て検出可能に存在せず、定量的または半定量的RT-PCRにおいてバックグラウンドを
上回って検出可能ではないことを意味する。
【0048】
「胎盤由来NK細胞」またはpNK細胞は、明細書に照らして読まれる場合に、その平
易で普通の意味を有し、分娩後胎盤および臍帯由来のNK細胞を含み得る。pNK細胞の
プロセシングに先立って、ドナー適格性は、血清学、細菌学およびHLAタイピングなど
の一連の試験によって行われる。単離は、当業者によって滅菌条件下で実施される。
【0049】
「発現される」は、明細書に照らして読まれる場合に、その平易で普通の意味を有し、
それだけには限らないが、例えば、特定の細胞性マーカーの存在を示すためを含むことが
でき、細胞性マーカーが、当業者に公知のタンパク質または核酸の存在を検出する技術を
使用して、検出可能に存在する、またはバックグラウンドを上回って検出可能に存在する
ことを意味する。本明細書において、「発現されない」、または「発現を欠く」、などは
、特定の細胞性マーカーの存在を示すために使用される場合には、細胞性マーカーが、当
業者に公知のタンパク質または核酸の存在を検出する技術を使用して、検出可能に存在し
ない、またはバックグラウンドを上回って検出可能ではないことを意味する。
【0050】
本明細書において、「機能を欠く」、「機能しない」、などは、特定の機能の存在を示
すために使用される場合には、機能が、当技術分野で公知の前記機能を検出するための標
準アッセイを使用して、検出可能に存在しない、またはバックグラウンドを上回って検出
可能ではないことを意味する。
【0051】
VI.詳細な説明
腫瘍細胞およびウイルス感染細胞を死滅させるNK細胞の有利な特性にもかかわらず、
殺腫瘍性機能を保持するナチュラルキラー細胞を産生および増殖させる効率的な方法を開
発する必要性が当技術分野において依然としてある。
【0052】
NK細胞は、自然リンパ系細胞(ILC)である。自然リンパ系細胞は、発達のために
転写因子ID2に対するその依存性によって関連している。
【0053】
遺伝子改変された(GM)ナチュラルキラー(NK)細胞の集団、GM NK細胞の集
団を産生する方法およびGM NK細胞を使用する方法が、本明細書において提供される
。
【0054】
1.NK阻害性分子の発現が変更されたGM NK細胞
ある特定の代替法では、本明細書において提供されるGM NK細胞は、CBLB、N
KG2Aおよび/もしくはTGFBR2の発現および/もしくは機能を欠く、または天然
に存在するNK細胞もしくは非改変NK細胞対照と比較して、CBLB、NKG2Aおよ
び/もしくはTGFBR2の発現および/もしくは機能の低減を示す。CBLB、NKG
2AおよびTGFBR2の遺伝子配列は当業者に公知であり、例示的配列が本明細書に記
載されている。当業者に公知の標準技術を使用して、本明細書に記載される配列を改変で
きる。
【0055】
CBLB(Casitas Bリンパ系リンパ腫原癌遺伝子B)は、RTK、CD28
、CTLA4およびTGFbシグナル伝達経路の下流に作用し、免疫性および耐性の間の
バランスを維持する細胞内タンパク質である。GenBank(商標)受託番号Q131
91.2は、例示的ヒトCBLBアミノ酸配列を提供する。GenBank(商標)受託
番号NM_001321788.1は、例示的ヒトCBLBヌクレオチド配列を提供する
。任意の特定の機序または理論に捉われようとは思わないが、NK細胞においてCBLB
をノックアウトすることは、NK細胞活性化閾値を低下させ、NK細胞を活動亢進にする
と仮定される。ある特定の代替法では、CBLBの発現を欠くGM NK細胞の集団が本
明細書において提供される。ある特定の代替法では、CBLBの発現が低減されたGM
NK細胞の集団が本明細書において提供される。ある特定の代替法では、GM NK細胞
は、ヒトGM NK細胞である。ある特定の代替法では、GM NK細胞の集団が本明細
書において提供され、ここで、CBLB発現がノックアウトされている。遺伝子は、RN
A干渉、CRISPRまたはTALENを使用する技術を用いてノックアウトされてもよ
い。特定の代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CRISPR関連技術によって
実施される。ある特定の代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBノックア
ウトを有さないNK細胞、例えば、非改変NK細胞または天然に存在するNK細胞よりも
、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有するNK細胞の集団を生成する。特定の代替法では
、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、RPMI82
26細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、U266細胞である。特定の代替法で
は、腫瘍細胞は、ARH77細胞である。ある特定の代替法では、CBLB発現のノック
アウトは、CBLBノックアウトを有さないNK細胞、例えば、天然に存在するまたは非
改変NK細胞よりも高いIFNγ分泌を有するNK細胞の集団を生成する。ある特定の代
替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBノックアウトを有さないNK細胞、
例えば、天然に存在するNK細胞または非改変NK細胞よりも高い脱顆粒を有するNK細
胞の集団を生成する。特定の代替法では、より高い脱顆粒は、CD107aの増大によっ
て測定される。免疫応答のマーカーの測定技術は、当業者に公知である。CD107aは
、例えば、抗CD107a抗体を使用するフローサイトメトリーベースの方法によって測
定されてもよい。ある特定の代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBノッ
クアウトを有さないNK細胞、例えば、天然に存在するまたは非改変NK細胞と比較して
、NK細胞におけるGM-CSF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MI
P1α、MIP1β、TNFαまたはパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を
もたらす。ある特定の代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBノックアウ
トを有さないNK細胞、例えば、天然に存在するまたは非改変NK細胞と比較して、NK
細胞におけるGM-CSF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α
、MIP1β、TNFαまたはパーフォリンのうち1種または複数の分泌濃度の変化をも
たらす。
【0056】
NKG2Aは、NK細胞においてCD94と結合し、NK活性を阻害するタンパク質で
ある。GenBank(商標)受託番号AAL65234.1は、例示的ヒトNKG2A
アミノ酸配列を提供する。GenBank(商標)受託番号AF461812.1は、例
示的ヒトNKG2Aヌクレオチド配列を提供する。任意の特定の機序または理論に捉われ
ようとは思わないが、NKG2Aが欠損した、機能的に成熟したNK細胞生成物の生成は
、治療活性の増強を提供すると仮定される。ある特定の代替法では、NKG2Aの発現を
欠くGM NK細胞の集団が本明細書において提供される。ある特定の代替法では、GM
NK細胞は、ヒトGM NK細胞である。ある特定の代替法では、GM NK細胞の集
団は、NKG2Aの発現が低減している。本明細書において提供される特定の代替法は、
GM NK細胞の集団に関し、これでは、NKG2A発現は、ノックアウトされている。
遺伝子は、RNA干渉、CRISPRまたはTALENを使用する技術を用いてノックア
ウトできる。特定の代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、CRISPR関連技
術によって実施される。ある特定の代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、NK
G2Aノックアウトを有さないNK細胞、例えば、非改変NK細胞または天然に存在する
NK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有するNK細胞の集団を生成する。特
定の代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は
、RPMI8226細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、U266細胞である。
特定の代替法では、腫瘍細胞は、ARH77細胞である。ある特定の代替法では、NKG
2A発現のノックアウトは、NKG2Aノックアウトを有さないNK細胞、例えば、非改
変NK細胞または天然に存在するNK細胞よりも高いIFNγ分泌を有するNK細胞の集
団を生成する。ある特定の代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2Aノ
ックアウトを有さないNK細胞、例えば、非改変NK細胞または天然に存在するNK細胞
よりも高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する。特定の代替法では、より高い脱顆
粒は、CD107a検出の増大によって測定される。ある特定の代替法では、NKG2A
発現のノックアウトは、NKG2Aノックアウトを有さないNK細胞、例えば、非改変N
K細胞または天然に存在するNK細胞と比較して、NK細胞におけるGM-CSF、sC
D137、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリンの
うち1種または複数の分泌の変化をもたらす。ある特定の代替法では、CBLB発現のノ
ックアウトは、CBLBノックアウトを有さないNK細胞、例えば、非改変NK細胞また
は天然に存在するNK細胞と比較して、NK細胞におけるGM-CSF、可溶性CD13
7(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパー
フォリンのうち1種または複数の分泌濃度の変化をもたらす。本明細書におけるいくつか
の代替法では、NKG2AノックアウトNK細胞は、NKG2Aノックアウトを有さない
未処理細胞と比較して、細胞毒性の最大3倍またはそれより多い増大を有する。
【0057】
TGF-β1は、NK細胞抗腫瘍免疫からの回避を促進する強力な免疫抑制剤である。
TGFβシグナル伝達は、TGFβ2型受容体2(TGFBR2またはTβRII)を通
して作用し、下流の数百種の遺伝子の発現を制御する。下流の事象は、Smad2/3リ
ン酸化およびNK活性化受容体の下流制御を含む。GenBank(商標)受託番号AB
G65632.1は、例示的ヒトTGFBR2アミノ酸配列を提供する。GenBank
(商標)受託番号KU178360.1は、例示的ヒトTGFBR2ヌクレオチド配列を
提供する。したがって、任意の特定の機序または理論に捉われようとは思わないが、NK
細胞におけるTGFBR2ノックアウトの生成は、より大きなエフェクター機能および活
性化受容体のより高い発現を有するNK細胞の集団を提供すると仮定される。本明細書に
おいて提供される、ある特定の代替法は、TGFBR2の発現を欠くGM NK細胞の集
団を含む。ある特定の代替法では、本明細書において提供されるGM NK細胞の集団は
、TGFBR2の低減された発現を有する。ある特定の代替法では、GM NK細胞の集
団が本明細書において提供され、これでは、TGFBR2発現がノックアウトされている
。遺伝子は、RNA干渉、CRISPRまたはTALENを使用する技術を用いてノック
アウトできる。ある特定の代替法では、GM NK細胞は、ヒトGM NK細胞である。
特定の代替法では、TGFBR2発現のノックアウトは、CRISPR関連技術によって
実施される。ある特定の代替法では、TGFBR2発現のノックアウトは、TGFBR2
ノックアウトを有さないNK細胞、例えば、非改変NK細胞または天然に存在するNK細
胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有するNK細胞を有するNK細胞の集団を生
成する。特定の代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。特定の代替法では、
腫瘍細胞は、慢性骨髄性白血病細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、急性骨髄性
白血病細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、RPMI8226細胞である。特定
の代替法では、腫瘍細胞は、U266細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、K5
62細胞である。特定の代替法では、腫瘍細胞は、HL-60細胞である。特定の代替法
では、腫瘍細胞は、ARH77細胞である。ある特定の代替法では、TGFBR2発現の
ノックアウトは、TGFBR2ノックアウトを有さないNK細胞よりも高いIFNγ分泌
を有するNK細胞をもたらす。ある特定の代替法では、TGFBR2発現のノックアウト
は、TGFBR2ノックアウトを有さないNK細胞、例えば、非改変NK細胞または天然
に存在するNK細胞よりも高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する。特定の代替法
では、より高い脱顆粒は、CD107a検出の増大によって測定される。免疫応答のマー
カーの測定技術は、当業者に公知である。CD107aは、例えば、抗CD107a抗体
を使用するフローサイトメトリーベースの方法によって測定され得る。ある特定の代替法
では、TGFBR2発現のノックアウトは、TGFBR2ノックアウトを有さないNK細
胞、例えば、非改変NK細胞または天然に存在するNK細胞と比較して、NK細胞におけ
るGM-CSF、sCD137、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/
またはパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化をもたらす。ある特定の代替法で
は、CBLB発現のノックアウトは、CBLBノックアウトを有さないNK細胞、例えば
、非改変NK細胞または天然に存在するNK細胞と比較して、NK細胞におけるGM-C
SF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNF
αおよび/またはパーフォリンのうち1種または複数の分泌濃度の変化をもたらす。ある
特定の代替法では、TGFBR2発現のノックアウトは、TGFBR2ノックアウトを有
さないNK細胞、例えば、非改変NK細胞または天然に存在するNK細胞と比較して、S
mad2/3リン酸化のレベルの低減をもたらす。ある特定の代替法では、TGFBR2
発現のノックアウトは、TGFBR2ノックアウトを有さないNK細胞、例えば、非改変
NK細胞または天然に存在するNK細胞と比較して、Smad2/3リン酸化のレベルの
増大をもたらす。ある特定の代替法では、TGFBR2発現のノックアウトは、DNAM
-1、NKG2Dおよび/またはNKp30のうち1種または複数の発現の増大をもたら
す。
【0058】
2.改変されたCD16を含むGM NK細胞
CD16の遺伝子配列は、当業者に公知であり、例示的配列が本明細書に記載されてい
る。当業者に公知の標準技術を使用して、本明細書に記載される配列を改変できる。
【0059】
CD16(分化のクラスター16)は、それぞれCD16aおよびCD16bとしても
知られる、2つのアイソフォーム、Fc受容体、FcγRIIIaおよびFcγRIII
bからなる。CD16aは、ナチュラルキラー細胞で見られる。CD16は、IgG抗体
のFc部分と結合し、これが、抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)のためにナチ
ュラルキラー細胞を活性化する。CD16aおよびCD16bは両方ともADAM17に
より標的とされる切断部位を含有する。ADAM17によるCD16aのタンパク質分解
による切断は、NK細胞活性化で起こり、血漿中への可溶性CD16放出につながる。G
enBank(商標)受託番号NP_000560.6は、例示的ヒト野生型CD16a
アミノ酸配列を提供する。GenBank(商標)受託番号BC036723.1は、例
示的ヒト野生型CD16aヌクレオチド配列を提供する。
【0060】
ある特定の代替法では、改変されたCD16を含むGM NK細胞が本明細書において
提供される。ある特定の代替法では、GM NK細胞は、ヒトGM NK細胞である。あ
る特定の代替法では、改変されたCD16は、改変されたヒトCD16である。特定の代
替法では、改変されたCD16は、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有
する。より特定の代替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置158にバリン
(ValまたはV)を有する。特定の代替法では、改変されたCD16は、ADAM17
切断に対して耐性である。より特定の代替法では、CD16は、CD16a中の位置19
7にプロリン(ProまたはP)を有する(S197P突然変異)。ある特定の代替法で
は、改変されたCD16は、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有し、A
DAM17切断に対して耐性である。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、配
列番号1に示されるアミノ酸配列(MWQLLLPTALLLLVSAGMRTEDLP
KAVVFLEPQWYRVLEKDSVTLKCQGAYSPEDNSTQWFHNE
SLISSQASSYFIDAATVDDSGEYRCQTNLSTLSDPVQLEV
HIGWLLLQAPRWVFKEEDPIHLRCHSWKNTALHKVTYLQN
GKGRKYFHHNSDFYIPKATLKDSGSYFCRGLVGSKNVSSE
TVNITITQGLAVPTISSFFPPGYQVSFCLVMVLLFAVDTG
LYFSVKTNIRSSTRDWKDHKFKWRKDPQDK;配列番号1)を有す
る。ある特定の代替法では、CD16は、CD16aの位置158にバリンを有し、CD
16aの位置197にプロリンを有する。ある特定の代替法では、改変されたCD16は
、IgKシグナルペプチドを含有する。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、
CD16シグナルペプチドを含有する。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、
ウイルス感染を介してNK細胞に導入される。ある特定の代替法では、改変されたCD1
6は、ウイルス感染を介して造血細胞に導入され、次いで造血細胞はNK細胞に分化する
。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、レンチウイルスベクターを介して導入
される。ある特定の代替法では、レンチウイルスベクターは、CMVまたはEF1αプロ
モーターのいずれかを有する。ある特定の代替法では、レンチウイルスベクターは、1種
または複数の薬物選択マーカーを含む。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、
レトロウイルスベクターを介して導入される。ある特定の代替法では、レトロウイルスベ
クターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。
【0061】
ある特定の代替法では、本明細書において開示される改変されたCD16を有するGM
-NK細胞は、野生型CD16を有するNK細胞、例えば、天然に存在するNK細胞より
も改善された抗体依存性細胞性細胞毒性(ADCC)を示す。
【0062】
3.遺伝子改変を含むGM NK細胞
ある特定の代替法では、本明細書において提供されるGM NK細胞は、(1)CBL
B、NKG2Aおよび/もしくはTGFBR2の発現および/または機能を欠き、または
CBLB、NKG2Aおよび/もしくはTGFBR2の発現および/または機能の低減を
示し、ならびに/または(2)本明細書に記載される改変されたCD16を含む。特定の
代替法では、本明細書において提供されるGM NK細胞は、CBLBおよびTGFBR
2の発現および/または機能を欠く。
【0063】
4.GM NK細胞およびGM NK細胞集団の産生
ある特定の代替法では、本方法によるGM NK細胞および/またはGM NK細胞集
団の産生は、造血細胞の集団を増殖させることを含む。ある特定の代替法では、NK細胞
は、本明細書において、および参照によりその全文が本明細書に組み込まれる(特許文献
1)に記載されるような、NK細胞を産生するための35日の、3段階プロセスの1、2
、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、1
8、19、20または21日目に遺伝子改変される。ある特定の代替法では、NK細胞は
、NK細胞を産生するための35日の、3段階プロセスの1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20もしくは
21日目、または前記の日数のうちいずれか2つによって規定される範囲の間の任意の日
数に遺伝子改変される。ある特定の代替法では、NK細胞は、NK細胞を産生するための
35日の、3段階プロセスの3、5、7または9日目に遺伝子改変される。ある特定の代
替法では、NK細胞は、NK細胞を産生するための35日の、3段階プロセスの3、5、
7もしくは9日目、または任意の2つの前記の日数によって規定される範囲の間の任意の
日数に遺伝子改変される。ある特定の代替法では、NK細胞は、NK細胞を産生するため
の35日の、3段階プロセスの5日目に遺伝子改変される。ある特定の代替法では、NK
細胞は、NK細胞を産生するための35日の、3段階プロセスの3日目に遺伝子改変され
る。ある特定の代替法では、NK細胞は、NK細胞を産生するための35日の、3段階プ
ロセスの7日目に遺伝子改変される。ある特定の代替法では、NK細胞は、NK細胞を産
生するための35日の、3段階プロセスの9日目に遺伝子改変される。ある特定の代替法
では、遺伝子改変は、本明細書に記載されるようなCBLB、NKG2Aおよび/または
TGFBR2のノックアウトを含む。ある特定の代替法では、遺伝子改変は、本明細書に
記載されるようなCBLB、NKG2Aおよび/またはTGFBR2のノックアウトを含
む。ある特定の代替法では、遺伝子改変は、本明細書に記載されるような改変されたCD
16の導入を含む。
【0064】
本明細書に記載されるようなノックアウトによる遺伝子改変は、当業者に公知の任意の
方法によって行うことができる。例えば、ノックアウトは、ゲノム編集技術によって行う
ことができる。遺伝子は、RNA干渉、CRISPRまたはTALENを使用する技術を
用いてノックアウトできる。ある特定の代替法では、ゲノム編集技術は、CRISPR関
連技術である。ある特定の代替法では、ゲノム編集技術は、メガヌクレアーゼ関連技術で
ある。ある特定の代替法では、ゲノム編集技術は、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZF
N)関連技術である。ある特定の代替法では、ゲノム編集技術は、転写アクチベーター様
エフェクターベースのヌクレアーゼ(TALEN)関連技術である。
【0065】
特定の代替法では、CRISPR関連技術は、CRISPR/Cas9システムを含む
。例えば、CRISPR/Cas9システムを使用してノックアウトを産生するために、
CrisprガイドRNA(gRNA)を化学的に修飾し、単一ガイド(sgRNA)形
式で合成することができる。次いで、Cas9をプソイドウリジン(Ψ)修飾を有するm
RNAとして送達してもよい。次いで、ヌクレオフェクター(nucleofector
)を利用して、sgRNAおよびCas9 mRNAを細胞に送達することができる。
【0066】
本明細書に記載される改変された遺伝子の導入は、当業者に公知の任意の方法によって
行うことができる。例えば、遺伝子改変された遺伝子を、レトロウイルスベクターを介し
て導入してもよい。いくつかの代替法では、遺伝子改変された遺伝子は、レンチウイルス
ベクターを介して導入される。
【0067】
例えば、NK細胞を産生するための3段階法における細胞増殖の際に、造血細胞集団内
の複数の造血細胞がNK細胞に分化する。このプロセスの際に、前記NK細胞は、得られ
たNK細胞がGM NK細胞であるように遺伝子改変される。ある特定の代替法では、遺
伝子改変は、細胞がNK細胞に分化する前に実施される。ある特定の代替法では、遺伝子
改変は、細胞がNK細胞に分化した後に実施される。ある特定の代替法では、遺伝子改変
は、NK前駆体細胞で実施される。一態様では、造血幹細胞または前駆体細胞、例えば、
CD34+幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤およびトロンボポエチン(Tpo)
を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を産生すること、続いて、前記の第1
の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-15(IL-15)を含み、T
poを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産生すること、続いて、前記の
第2の細胞の集団を、IL-2およびIL-15を含み、幹細胞動員剤およびLMWHを
欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞の集団を産生することを含む方法によってNK
細胞を産生することを含むGM NK細胞を産生する方法であって、第3の細胞の集団は
、CD56+、CD3-であるナチュラルキラー細胞を含み、ナチュラルキラー細胞の少
なくとも70%、例えば、少なくとも80%、85%、90%、95%または前記のパー
センテージのいずれか2つによって規定される範囲内に入るパーセンテージが生存可能で
ある方法が、本明細書において提供される。ある特定の代替法では、このようなナチュラ
ルキラー細胞は、CD16-であるナチュラルキラー細胞を含む。ある特定の代替法では
、このようなナチュラルキラー細胞は、CD94+であるナチュラルキラー細胞を含む。
ある特定の代替法では、このようなナチュラルキラー細胞は、CD94+またはCD16
+であるナチュラルキラー細胞を含む。ある特定の代替法では、このようなナチュラルキ
ラー細胞は、CD94-またはCD16-であるナチュラルキラー細胞を含む。ある特定
の代替法では、このようなナチュラルキラー細胞は、CD94+およびCD16+である
ナチュラルキラー細胞を含む。ある特定の代替法では、このようなナチュラルキラー細胞
は、CD94-およびCD16-であるナチュラルキラー細胞を含む。ある特定の代替法
では、前記の第1の培地および/または前記の第2の培地は、白血病阻害因子(LIF)
および/またはマクロファージ炎症性タンパク質-1アルファ(MIP-Ια)を欠く。
ある特定の代替法では、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFM
S様チロシンキナーゼ-3リガンド(Flt-3L)を欠く。特定の代替法では、前記の
第1の培地および前記の第2の培地は、LIFおよび/またはMIP-1αを欠き、前記
の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFlt3Lを欠く。ある特定の代
替法では、第1の培地、第2の培地または第3の培地のいずれも、ヘパリン、例えば、低
分子量ヘパリンを含まない。
【0068】
一態様では、(a)造血幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤およびトロンボポエ
チン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を産生することと、(
b)第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-15(IL-15)を
含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産生することと、(c
)第2の細胞の集団を、IL-2およびIL-15を含み、LMWHを欠く第3の培地中
で培養して、第3の細胞の集団を産生することとを含む方法によってNK細胞を産生する
ことを含むGM NK細胞を産生する方法であって、第3の細胞の集団が、CD56+、
CD3-およびCD11a+であるナチュラルキラー細胞を含む方法が、本明細書におい
て提供される。ある特定の代替法では、前記の第1の培地および/または前記の第2の培
地は、白血病阻害因子(LIF)および/またはマクロファージ炎症性タンパク質-1ア
ルファ(MIP-1α)を欠く。ある特定の代替法では、前記の第3の培地は、LIF、
MIP-1αおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ-3リガンド(Flt-3L)を
欠く。特定の代替法では、前記の第1の培地および前記の第2の培地は、LIFおよび/
またはMIP-1αを欠き、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/または
Flt3Lを欠く。ある特定の代替法では、第1の培地、第2の培地または第3の培地の
いずれも、ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含まない。
【0069】
一態様では、(a)造血幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤およびトロンボポエ
チン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を産生することと、(
b)第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-15(IL-15)を
含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産生することと、(c
)第2の細胞の集団を、IL-2およびIL-15を含み、幹細胞因子(SCF)および
LMWHの各々を欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞の集団を産生することとを含
む方法によってNK細胞を産生することを含むGM NK細胞を産生する方法であって、
第3の細胞の集団が、CD56+、CD3-およびCD11a+であるナチュラルキラー
細胞を含む方法が本明細書において提供される。ある特定の代替法では、前記の第1の培
地および/または前記の第2の培地は、白血病阻害性因子(LIF)および/またはマク
ロファージ炎症性タンパク質-1アルファ(MIP-1α)を欠く。ある特定の代替法で
は、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFMS様チロシンキナー
ゼ-3リガンド(Flt-3L)を欠く。特定の代替法では、前記の第1の培地および前
記の第2の培地は、LIFおよび/またはMIP-1αを欠き、前記の第3の培地は、L
IF、MIP-1αおよび/またはFlt3Lを欠く。ある特定の代替法では、第1の培
地、第2の培地または第3の培地のいずれも、ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含
まない。
【0070】
一態様では、(a)造血幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤およびトロンボポエ
チン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を産生することと、(
b)第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-15(IL-15)を
含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産生することと、(c
)第2の細胞の集団を、IL-2およびIL-15を含み、SCF、幹細胞動員剤および
LMWHの各々を欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞の集団を産生することとを含
む方法によってNK細胞を産生することを含むGM NK細胞を産生する方法であって、
第3の細胞の集団が、CD56+、CD3-およびCD11a+であるナチュラルキラー
細胞を含む方法が本明細書において提供される。ある特定の代替法では、前記の第1の培
地および/または前記の第2の培地は、白血病阻害因子(LIF)および/またはマクロ
ファージ炎症性タンパク質-1アルファ(MIP-1α)を欠く。ある特定の代替法では
、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ
-3リガンド(Flt-3L)を欠く。特定の代替法では、前記の第1の培地および前記
第2の培地は、LIFおよび/またはMIP-1αを欠き、前記の第3の培地は、LIF
、MIP-1αおよび/またはFlt3Lを欠く。ある特定の代替法では、第1の培地、
第2の培地または第3の培地のいずれも、ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含まな
い。
【0071】
一態様では、(a)造血幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤およびトロンボポエ
チン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を産生することと、(
b)第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-15(IL-15)を
含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産生することと、(c
)第2の細胞の集団を、IL-2およびIL-15を含み、幹細胞動員剤およびLMWH
の各々を欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞の集団を産生することと、(d)第3
の細胞の集団からCD11a+細胞を単離して、第4の細胞の集団を産生することとを含
む方法によってNK細胞を産生することを含むGM NK細胞を産生する方法であって、
第4の細胞の集団が、CD56+、CD3-およびCD11a+であるナチュラルキラー
細胞を含む方法が、本明細書において提供される。ある特定の代替法では、前記の第1の
培地および/または前記の第2の培地は、白血病阻害因子(LIF)および/またはマク
ロファージ炎症性タンパク質-1アルファ(MIP-1α)を欠く。ある特定の代替法で
は、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFMS様チロシンキナー
ゼ-3リガンド(Flt-3L)を欠く。特定の代替法では、前記の第1の培地および前
記の第2の培地は、LIFおよび/またはMIP-1αを欠き、前記の第3の培地は、L
IF、MIP-1αおよび/またはFlt3Lを欠く。ある特定の代替法では、第1の培
地、第2の培地または第3の培地のいずれも、ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含
まない。
【0072】
上記の代替法のいずれかのある特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、パー
フォリンおよび/またはEOMESを発現する。ある特定の代替法では、前記ナチュラル
キラー細胞は、RORγtおよび/またはIL1R1のいずれかを発現しない。
【0073】
本明細書に記載されるGM NK細胞は、任意の種類のNK細胞から、またはNK細胞
を産生する任意の産生方法によって産生できる。本明細書に記載されるGM NK細胞は
、本明細書に記載される方法を使用して単離または産生できる。ある特定の代替法では、
本明細書における方法を使用して産生されたNK細胞が、産生後にGM NK細胞を産生
するために改変される。ある特定の代替法では、本明細書における方法を使用して産生さ
れたNK細胞が、産生の際にGM NK細胞を産生するために改変される。ある特定の代
替法では、本明細書における方法を使用して産生されたNK細胞は、産生前にGM NK
細胞を産生するために改変される。本明細書においてGM NK細胞は、遺伝子改変が直
接行われた細胞および遺伝子改変を含むこのような細胞の任意の後代を指す。ある特定の
代替法では、本明細書において提供されるGM NK細胞は、3段階法、例えば、参照に
よりその全文が本明細書に組み込まれる(特許文献1)に記載されるような3段階法によ
って産生される。ある特定の代替法では、本明細書において提供されるGM NK細胞は
、胎盤NK細胞、例えば、各々参照によりその全文が本明細書に組み込まれる(特許文献
2)、(特許文献3)および/または(特許文献4)に記載されるような胎盤NK細胞か
ら産生される。ある特定の代替法では、本明細書において提供されるGM NK細胞は、
各々参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、(特許文献5)および/または(特
許文献6)に記載されるような2ステップまたは3ステップ法によって産生される。ある
特定の代替法では、本明細書において提供されるGM NK細胞は、参照によりその全文
が本明細書に組み込まれる(特許文献7)に記載される方法のいずれかによって産生され
る。
【0074】
a.6.4.1 3段階法を使用するGM NK細胞集団の産生
1つの代替法では、本明細書において提供されるGM NK細胞は、3段階法、例えば
、その全文が参照により本明細書に組み込まれる(特許文献1)に記載されるような3段
階法によって産生される。ある特定の代替法では、遺伝子改変は、第1、第2および/ま
たは第3段階の間にNK細胞中に導入される。ある特定の代替法では、遺伝子改変は、第
1および第2の段階の間にNK細胞中に導入される。ある特定の代替法では、遺伝子改変
は、第1および第3段階の間にNK細胞中に導入される。ある特定の代替法では、遺伝子
改変は、第2および第3段階の間にNK細胞中に導入される。ある特定の代替法では、遺
伝子改変は、第1段階の間にNK細胞中に導入される。ある特定の代替法では、遺伝子改
変は、第2段階の間にNK細胞中に導入される。ある特定の代替法では、遺伝子改変は、
第3段階の間にNK細胞中に導入される。
【0075】
特定の代替法では、3段階法は、造血幹細胞または前駆体細胞、例えば、CD34+幹
細胞または前駆体細胞を、第1の細胞の集団を産生するために、本明細書に記載されるよ
うに第1の培地中で指定の期間培養することを含む第1段階(「段階1」)を含む。ある
特定の代替法では、第1の培地は、幹細胞動員剤およびトロンボポエチン(Tpo)を含
む。ある特定の代替法では、第1の培地は、幹細胞動員剤およびTpoに加えて、LMW
H、Flt-3L、SCF、IL-6、IL-7、G-CSFおよび/またはGM-CS
Fのうち1種または複数を含む。特定の代替法では、第1の培地は、幹細胞動員剤および
Tpoに加えて、LMWH、Flt-3L、SCF、IL-6、IL-7、G-CSFお
よび/またはGM-CSFの各々を含む第1の培地の各々を含む。特定の代替法では、第
1の培地は、添加されるLMWHを欠く。特定の代替法では、第1の培地は、添加される
脱硫酸化グリコサミノグリカンを欠く。特定の代替法では、第1の培地は、LMWHを欠
く。特定の代替法では、第1の培地は、脱硫酸化グリコサミノグリカンを欠く。特定の代
替法では、第1の培地は、幹細胞動員剤およびTpoに加えて、Flt-3L、SCF、
IL-6、IL-7、G-CSFおよび/またはGM-CSFのうち各々を含む第1の培
地の各々を含む。特定の代替法では、第1の培地は、白血病阻害因子(LIF)、マクロ
ファージ阻害性タンパク質-1アルファ(MIP1α)または両方を欠く。
【0076】
ある特定の代替法では、続いて、「段階2」において、前記細胞は、第2の細胞の集団
を産生するために、本明細書に記載されるように第2の培地中で指定の期間培養される。
ある特定の代替法では、第2の培地は、幹細胞動員剤およびインターロイキン-15(I
L-15)を含み、Tpoを欠く。ある特定の代替法では、第2の培地は、幹細胞動員剤
およびIL-15に加えて、LMWH、Flt-3、SCF、IL-6、IL-7、G-
CSFおよび/またはGM-CSFのうち1種または複数を含む。ある特定の代替法では
、第2の培地は、幹細胞動員剤およびIL-15に加えて、LMWH、Flt-3、SC
F、IL-6、IL-7、G-CSFおよび/またはGM-CSFの各々を含む。特定の
代替法では、第2の培地は、添加されるLMWHを欠く。特定の代替法では、第2の培地
は、添加される脱硫酸化グリコサミノグリカンを欠く。特定の代替法では、第2の培地は
、ヘパリン、例えば、LMWHを欠く。特定の代替法では、第2の培地は、脱硫酸化グリ
コサミノグリカンを欠く。ある特定の代替法では、第2の培地は、幹細胞動員剤およびI
L-15に加えて、Flt-3、SCF、IL-6、IL-7、G-CSFおよび/また
はGM-CSFの各々を含む。特定の代替法では、第2の培地は、白血病阻害因子(LI
F)、マクロファージ阻害性タンパク質-1アルファ(MIP-1α)または両方を欠く
。
【0077】
ある特定の代替法では、続いて、「段階3」において、前記細胞は、第3の細胞の集団
、例えば、ナチュラルキラー細胞を産生するために、本明細書に記載されるように第3の
培地中で指定の期間培養される。ある特定の代替法では、第3の培地は、IL-2および
/またはIL-15を含み、幹細胞動員剤および/またはLMWHを欠く。ある特定の代
替法では、第3の培地は、IL-2および/またはIL-15に加えて、SCF、IL-
6、IL-7、G-CSFおよび/またはGM-CSFのうち1種または複数を含む。あ
る特定の代替法では、第3の培地は、IL-2および/またはIL-15に加えて、SC
F、IL-6、IL-7、G-CSFおよび/またはGM-CSFの各々を含む。特定の
代替法では、第1の培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFlt3Lのうち1種
、2種または3種すべてを欠く。特定の代替法では、第3の培地は、添加される脱硫酸化
グリコサミノグリカンを欠く。特定の代替法では、第3の培地は、脱硫酸化グリコサミノ
グリカンを欠く。特定の代替法では、第3の培地は、ヘパリン、例えば、LMWHを欠く
。
【0078】
特定の代替法では、NK細胞集団を産生するために3段階法が使用される。ある特定の
代替法では、3段階法は、間質フィーダー細胞支持体の不在下で実施される。ある特定の
代替法では、3段階法は、外因的に添加されるステロイド(例えば、コルチゾン、ヒドロ
コルチゾンまたはそれらの誘導体)の不在下で実施される。
【0079】
ある特定の態様では、3段階法は、少なくとも20%のCD56+CD3-ナチュラル
キラー細胞を含むナチュラルキラー細胞を産生する。ある特定の態様では、3段階法は、
少なくとも40%のCD56+CD3-ナチュラルキラー細胞を含むナチュラルキラー細
胞を産生する。ある特定の態様では、3段階法は、少なくとも60%のCD56+CD3
-ナチュラルキラー細胞を含むナチュラルキラー細胞を産生する。ある特定の態様では、
段階法は、少なくとも70%のCD56+CD3-ナチュラルキラー細胞を含むナチュラ
ルキラー細胞を産生する。ある特定の態様では、3段階法は、少なくとも80%のCD5
6+CD3-ナチュラルキラー細胞を含むナチュラルキラー細胞を産生する。ある特定の
態様では、3段階法は、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%も
しくは80%または前記のパーセンテージのいずれか2つによって規定される範囲の間の
パーセントのCD56+CD3-ナチュラルキラー細胞を含むナチュラルキラー細胞を産
生する。
【0080】
ある特定の態様では、本明細書に記載される3段階法は、少なくとも20%のCD56
+CD3-CD11a+ナチュラルキラー細胞を含むナチュラルキラー細胞を産生する。
ある特定の態様では、本明細書に記載される3段階法は、少なくとも40%のCD56+
CD3-CD11a+ナチュラルキラー細胞を含むナチュラルキラー細胞を産生する。あ
る特定の態様では、本明細書に記載される3段階法は、少なくとも60%のCD56+C
D3-CD11a+ナチュラルキラー細胞を含むナチュラルキラー細胞を産生する。ある
特定の態様では、本明細書に記載される3段階法は、少なくとも80%のCD56+CD
3-CD11a+ナチュラルキラー細胞を含むナチュラルキラー細胞を産生する。ある特
定の態様では、本明細書に記載される3段階法は、少なくとも20%、30%、40%、
50%、60%、70%もしくは80%または前記のパーセンテージのいずれか2つによ
って規定される範囲の間のパーセントのCD56+CD3-CD11a+ナチュラルキラ
ー細胞を含むナチュラルキラー細胞を産生する。
【0081】
ある特定の態様では、3段階法は、前記ナチュラルキラー細胞および前記K562細胞
が、10:1の比でin vitroで同時培養される場合に、K562細胞に対して少
なくとも20%の細胞毒性を示すナチュラルキラー細胞を産生する。ある特定の態様では
、3段階法は、前記ナチュラルキラー細胞および前記K562細胞が、10:1の比でi
n vitroで同時培養される場合に、K562細胞に対して少なくとも35%の細胞
毒性を示すナチュラルキラー細胞を産生する。ある特定の態様では、3段階法は、前記ナ
チュラルキラー細胞および前記K562細胞が、10:1の比でin vitroで同時
培養される場合に、K562細胞に対して少なくとも45%の細胞毒性を示すナチュラル
キラー細胞を産生する。ある特定の態様では、3段階法は、前記ナチュラルキラー細胞お
よび前記K562細胞が、10:1の比でin vitroで同時培養される場合に、K
562細胞に対して少なくとも60%の細胞毒性を示すナチュラルキラー細胞を産生する
。ある特定の態様では、3段階法は、前記ナチュラルキラー細胞および前記K562細胞
が、10:1の比でin vitroで同時培養される場合に、K562細胞に対して少
なくとも75%の細胞毒性を示すナチュラルキラー細胞を産生する。ある特定の態様では
、3段階法は、前記ナチュラルキラー細胞および前記K562細胞が、10:1の比でi
n vitroで同時培養される場合に、K562細胞に対して少なくとも35%、45
%、55%、65%もしくは75%または前記のパーセンテージのいずれか2つによって
規定される範囲の間のパーセントの細胞毒性を示すナチュラルキラー細胞を産生する。
【0082】
ある特定の態様では、前記の第3の培養ステップ後、前記の第3の細胞の集団、例えば
、前記のGM NK細胞の集団は、凍結保存される。ある特定の態様では、前記の第4の
ステップ後、前記の第4の細胞の集団、例えば、前記のGM NK細胞の集団は、凍結保
存される。
【0083】
ある特定の態様では、ナチュラルキラー細胞、すなわち、本明細書に記載される3段階
法によって産生されたナチュラルキラー細胞を含む細胞の集団が、本明細書において提供
される。したがって、本明細書に記載される3段階法によって産生された単離されたナチ
ュラルキラー細胞集団が、本明細書において提供される。特定の代替法では、前記ナチュ
ラルキラー細胞集団は、少なくとも20%のCD56+CD3-ナチュラルキラー細胞を
含む。特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞集団は、少なくとも40%のCD5
6+CD3-ナチュラルキラー細胞を含む。特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細
胞集団は、少なくとも60%のCD56+CD3-ナチュラルキラー細胞を含む。特定の
代替法では、前記ナチュラルキラー細胞集団は、少なくとも80%のCD56+CD3-
ナチュラルキラー細胞を含む。特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞集団は、少
なくとも60%のCD16-細胞を含む。特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞
集団は、少なくとも80%のCD16-細胞を含む。特定の代替法では、前記ナチュラル
キラー細胞集団は、少なくとも20%、40%、60%もしくは80%または前記のパー
センテージのいずれか2つによって規定される範囲の間のパーセントのCD56+CD3
-ナチュラルキラー細胞を含む。特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞集団は、
少なくとも20%のCD94+細胞を含む。特定の代替法では、前記ナチュラルキラー細
胞集団は、少なくとも40%のCD94+細胞を含む。
【0084】
ある特定の態様では、CD56+CD3-CD117+CD11a+ナチュラルキラー
細胞の集団が本明細書において提供され、前記ナチュラルキラー細胞は、パーフォリンお
よび/またはEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素受容体(AHR)およ
び/またはIL1R1のうち1種または複数を発現しない。ある特定の態様では、前記ナ
チュラルキラー細胞は、パーフォリンおよびEOMESを発現し、RORγt、アリール
炭化水素受容体および/またはIL1R1のいずれも発現しない。ある特定の態様では、
前記ナチュラルキラー細胞は、T-bet、GZMB、NKp46、NKp30および/
またはNKG2Dをさらに発現する。ある特定の態様では、前記ナチュラルキラー細胞は
、CD94を発現する。ある特定の態様では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94を
発現しない。
【0085】
ある特定の態様では、(a)造血幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤およびトロ
ンボポエチン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を産生するこ
とと、(b)第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-15(IL-
15)を含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産生すること
と、(c)第2の細胞の集団を、IL-2および/またはIL-15を含み、幹細胞動員
剤および/またはLMWHの各々を欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞の集団を産
生することと、(d)第3の細胞の集団からCD11a+細胞およびCD11a-細胞を
分離することと、(e)CD11a+細胞を、CD11a-細胞を、50:1、40:1
、30:1、20:1、10:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、
1:3、1:4、1:5、1:10、1:20、1:30、1:40または1:50の比
で、または前記の比のいずれか2つによって規定される範囲の間の比で組み合わせて、第
4の細胞の集団を産生することとを含むGM NK細胞を含む細胞集団を産生する方法が
、本明細書において提供される。ある特定の代替法では、前記の第1の培地および/また
は前記の第2の培地は、白血病阻害因子(LIF)および/またはマクロファージ炎症性
タンパク質-1アルファ(MIP-1α)を欠く。ある特定の代替法では、前記の第3の
培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ-3リガンド(
Flt-3L)を欠く。特定の代替法では、前記の第1の培地および前記の第2の培地は
、LIFおよび/またはMIP-1αを欠き、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1
αおよび/またはFlt3Lを欠く。ある特定の代替法では、第1の培地、第2の培地ま
たは第3の培地のいずれも、ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含まない。ある特定
の態様では、第4の細胞の集団では、CD11a+細胞およびCD11a-細胞は、50
:1、20:1、10:1、5:1もしくは1:1または上記の比のいずれか2つによっ
て規定される範囲の間の任意の比で組み合わされる。ある特定の態様では、第4の細胞の
集団では、CD11a+細胞およびCD11a-細胞は、50:1の比で組み合わされる
。ある特定の態様では、第4の細胞の集団では、CD11a+細胞およびCD11a-細
胞は、20:1の比で組み合わされる。ある特定の態様では、第4の細胞の集団では、C
D11a+細胞およびCD11a-細胞は、10:1の比で組み合わされる。ある特定の
態様では、第4の細胞の集団では、CD11a+細胞およびCD11a-細胞は、5:1
の比で組み合わされる。ある特定の態様では、第4の細胞の集団では、CD11a+細胞
およびCD11a-細胞は、1:1の比で組み合わされる。ある特定の態様では、第4の
細胞の集団では、CD11a+細胞およびCD11a-細胞は、1:5の比で組み合わさ
れる。ある特定の態様では、第4の細胞の集団では、CD11a+細胞およびCD11a
-細胞は、1:10の比で組み合わされる。ある特定の態様では、第4の細胞の集団では
、CD11a+細胞およびCD11a-細胞は、1:20の比で組み合わされる。ある特
定の態様では、第4の細胞の集団では、CD11a+細胞およびCD11a-細胞は、1
:50の比で組み合わされる。
【0086】
5.NK細胞の単離
ナチュラルキラー細胞を単離する方法は、当技術分野で公知であり、NK細胞、例えば
、GM NK細胞を単離するために使用できる。例えば、NK細胞を、例えば、細胞を、
1つの代替法では、CD56およびCD3に対する抗体を用いて染色することおよびCD
56+CD3-細胞を選択することによって単離または濃縮できる。ある特定の代替法で
は、NK細胞は、本明細書に記載される3段階法を使用して産生された総細胞との比較に
おいて、CD56+CD3-細胞について濃縮される。NK細胞、例えば、本明細書に記
載される3段階法を使用して産生された細胞を、市販のキット、例えば、NK細胞単離キ
ット(Miltenyi Biotec)を使用して単離できる。NK細胞、例えば、本
明細書に記載される3段階法を使用して産生された細胞はまた、NK細胞、例えば、本明
細書に記載される3段階法を使用して産生された細胞を含む細胞の集団におけるNK細胞
以外の細胞の除去によって単離または濃縮できる。例えば、NK細胞、例えば、本明細書
に記載される3段階法を使用して産生された細胞を、例えば、CD3、CD4、CD14
、CD19、CD20、CD36、CD66b、CD123、HLA DRおよび/また
はCD235a(グリコホリンA)のうち1種または複数に対する抗体を使用する、非N
K細胞マーカーを示す細胞の枯渇によって単離または濃縮してもよい。陰性単離は、市販
のキット、例えば、NK細胞陰性単離キット(Dynal Biotech)を使用して
実施できる。これらの方法によって単離された細胞を、CD11a+およびCD11a-
細胞ならびに/またはCD117+およびCD117-細胞および/またはCD16+お
よびCD16-細胞および/またはCD94+およびCD94-を分離するためにさらに
選別してもよい。ある特定の代替法では、細胞、例えば、本明細書に記載される3ステッ
プ法によって産生された細胞が、CD11a+およびCD11a-細胞を分離するために
選別される。特定の代替法では、CD11a+細胞は単離される。ある特定の代替法では
、細胞は、本明細書に記載される3段階法を使用して産生された総細胞との比較において
、CD11a+細胞について濃縮される。特定の代替法では、CD11a-細胞が単離さ
れる。ある特定の代替法では、細胞は、本明細書に記載される3段階法を使用して産生さ
れた総細胞との比較において、CD11a-細胞について濃縮される。ある特定の代替法
では、細胞は、CD117+およびCD117-細胞を分離するために選別される。特定
の代替法では、CD117+細胞が単離される。ある特定の代替法では、細胞は、本明細
書に記載される3段階法を使用して産生された総細胞との比較において、CD117+細
胞について濃縮される。特定の代替法では、CD117-細胞が単離される。ある特定の
代替法では、細胞は、本明細書に記載される3段階法を使用して産生された総細胞との比
較において、CD117-細胞について濃縮される。細胞を選択および濃縮する方法は、
当業者に公知であり、細胞を、例えば、細胞表面タンパク質を標的化することによって選
択してもよい。ある特定の代替法では、細胞は、CD16+およびCD16-細胞を分離
するために選別される。特定の代替法では、CD16+細胞が単離される。ある特定の代
替法では、細胞は、本明細書に記載される3段階法を使用して産生された総細胞との比較
において、CD16+細胞について濃縮される。特定の代替法では、CD16-細胞が単
離される。ある特定の代替法では、細胞は、本明細書に記載される3段階法を使用して産
生された総細胞との比較において、CD16-細胞について濃縮される。ある特定の代替
法では、細胞は、CD94+およびCD94-細胞を分離するために選別される。特定の
代替法では、CD94+細胞が単離される。ある特定の代替法では、細胞は、本明細書に
記載される3段階法を使用して産生された総細胞との比較において、CD94+細胞につ
いて濃縮される。特定の代替法では、CD94-細胞が単離される。ある特定の代替法で
は、細胞は、本明細書に記載される3段階法を使用して産生された総細胞との比較におい
て、CD94-細胞について濃縮される。ある特定の代替法では、単離は、磁性分離を使
用して実施される。ある特定の代替法では、単離は、フローサイトメトリーを使用して実
施される。
【0087】
1つの代替法では、NK細胞、例えば、GM NK細胞は、CD56+CD3-CD9
4+CD11a+細胞について選択することによって単離または濃縮される。ある特定の
代替法では、NK細胞は、本明細書に記載される3段階法を使用して産生された総細胞と
の比較において、CD56+CD3-CD94+CD11a+細胞について濃縮される。
1つの代替法では、NK細胞は、CD56+CD3-CD94+CD11a+CD117
-細胞について選択することによって単離または濃縮される。ある特定の代替法では、N
K細胞は、本明細書に記載される3段階法を使用して産生された総細胞との比較において
、CD56+CD3-CD94+CD11a+CD117-細胞について濃縮される。
【0088】
細胞分離は、例えば、フローサイトメトリー、蛍光活性化セルソーティング(FACS
)によって、または1つの代替法では、特異的抗体とコンジュゲートしているミクロビー
ズを使用する磁性セルソーティングによって達成できる。細胞は、例えば、磁性活性化セ
ルソーティング(MACS)技術、1種または複数の特異的抗体、例えば、抗CD56抗
体を含む磁性ビーズ(例えば、0.5~100μm径)と結合するその能力に基づいて粒
子を分離する方法を使用して単離できる。磁性細胞分離は、例えば、AUTOMACS(
商標)Separator(Miltenyi)を使用して実施および自動化できる。種
々の有用な改変は、特定の細胞表面分子またはハプテンを特異的に認識する抗体の共有結
合付加を含む磁性ミクロスフェアで実施できる。次いで、ビーズを細胞と混合し、結合さ
せる。次いで、細胞を磁場に通して、特異的細胞表面マーカーを有する細胞を分離除去す
る。1つの代替法では、次いで、これらの細胞を、単離し、さらなる細胞表面マーカーに
対する抗体にカップリングされた磁性ビーズと再度混合してもよい。細胞を磁場に再度通
し、両抗体に結合された細胞を単離する。次いで、このような細胞を希釈し、クローン単
離のためにマイクロタイターディッシュなどの別個のディッシュに分離してもよい。
【0089】
6.GM NK細胞
本明細書において提供されるGM NK細胞は、本明細書に記載される方法のいずれか
によって産生されるNK細胞の集団ならびに任意の組織供給源、例えば、ヒト組織供給源
から単離されたNK細胞を含む。
【0090】
a.6.6.1 3段階法によって産生されたGM NK細胞
別の代替法では、単離されたGM NK細胞集団が本明細書において提供され、これで
は、NK細胞は、上記の3段階法に従って産生され、遺伝子改変は、GM NK細胞集団
を産生するための3段階のうちの1つまたは複数の間に導入される。
【0091】
1つの代替法では、単離されたGM NK細胞集団が本明細書において提供され、これ
では、NK細胞集団は、本明細書に記載される3段階法によって産生され、前記NK細胞
集団は、GM NK細胞集団を産生するために遺伝子改変され、前記NK細胞集団は、5
0%またはそれより多いCD3-CD56+細胞を含む。ある特定の代替法では、前記N
K細胞集団中のCD3-CD56+細胞は、さらにNKp46+であるCD3-CD56
+細胞を含む。ある特定の代替法では、前記NK細胞集団中の前記CD3-CD56+細
胞は、さらにCD16-であるCD3-CD56+細胞を含む。ある特定の代替法では、
前記NK細胞集団中の前記CD3-CD56+細胞は、さらにCD16+であるCD3-
CD56+細胞を含む。ある特定の代替法では、前記NK細胞集団中の前記CD3-CD
56+細胞は、さらにCD94-であるCD3-CD56+細胞を含む。ある特定の代替
法では、前記NK細胞集団中の前記CD3-CD56+細胞は、さらにCD94+である
CD3-CD56+細胞を含む。ある特定の代替法では、前記NK細胞集団中の前記CD
3-CD56+細胞は、さらにCD11a+であるCD3-CD56+細胞を含む。ある
特定の代替法では、前記NK細胞集団中の前記CD3-CD56+細胞は、さらにNKp
30+であるCD3-CD56+細胞を含む。ある特定の代替法では、前記NK細胞集団
中の前記CD3-CD56+細胞は、さらにCD161+であるCD3-CD56+細胞
を含む。ある特定の代替法では、前記NK細胞集団中の前記CD3-CD56+細胞は、
さらにDNAM-1+であるCD3-CD56+細胞を含む。ある特定の代替法では、前
記NK細胞集団中の前記CD3-CD56+細胞は、さらにT-bet+であるCD3-
CD56+細胞を含む。
【0092】
1つの代替法では、本明細書に記載される3段階法によって産生されるNK細胞集団は
、CD117+である細胞を含む。1つの代替法では、本明細書に記載される3段階法に
よって産生されるNK細胞集団は、NKG2D+である細胞を含む。1つの代替法では、
本明細書に記載される3段階法によって産生されるNK細胞集団は、NKp44+である
細胞を含む。1つの代替法では、本明細書に記載される3段階法によって産生されるNK
細胞集団は、CD244+である細胞を含む。1つの代替法では、本明細書に記載される
3段階法によって産生されるNK細胞集団は、パーフォリンを発現する細胞を含む。1つ
の代替法では、本明細書に記載される3段階法によって産生されるNK細胞集団は、EO
MESを発現する細胞を含む。1つの代替法では、本明細書に記載される3段階法によっ
て産生されるNK細胞集団は、グランザイムBを発現する細胞を含む。1つの代替法では
、本明細書に記載される3段階法によって産生されるNK細胞集団は、IFNγ、GM-
CSFおよび/またはTNFαを分泌する細胞を含む。
【0093】
7.細胞の保存
細胞、例えば、本明細書において提供される、または本明細書に記載される方法を使用
して産生されるGM NK細胞、例えば、本明細書に記載される3段階法を使用して産生
されるGM NK細胞集団は、保存できる、すなわち、長期貯蔵を可能にする条件下また
は例えば、アポトーシスもしくは壊死による細胞死を阻害する条件下に置くことができる
。
【0094】
適した凍結保存培地として、それだけには限らないが、生理食塩水、例えば、成長培地
を含む培養培地または細胞凍結培地、例えば、市販の細胞凍結培地、例えば、C2695
、C2639またはC6039(Sigma)、CryoStor(登録商標)CS2、
CryoStor(登録商標)CS5またはCryoStor(登録商標)CS10(B
ioLife Solutions)が挙げられる。1つの代替法では、凍結保存培地は
、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10%(v/v)または上記の
パーセンテージのうち任意の2つによって規定される範囲の間の任意のパーセントv/v
の濃度のDMSO(ジメチルスルホキシド)を含む。凍結保存培地は、さらなる薬剤、例
えば、メチルセルロース、デキストラン、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、
トレハロースおよび/またはグリセロールを含み得る。ある特定の代替法では、凍結保存
培地は、約1%~10%のDMSO、約25%~75%デキストランおよび/または約2
0~60%のヒト血清アルブミン(HSA)を含む。ある特定の代替法では、凍結保存培
地は、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%のDMSO
または上記のパーセンテージのうち任意の2つによって規定される範囲の間の任意のパー
センテージのDMSOを含む。ある特定の代替法では、凍結保存培地は、25%、35%
、45%、55%、65%、70%、75%のデキストランまたは上記のパーセンテージ
のうち任意の2つによって規定される範囲の間の任意のパーセンテージのデキストランを
含む。ある特定の代替法では、凍結保存培地は、20%、30%、40%、50%または
60%のHSAまたは上記のパーセンテージのうち任意の2つによって規定される範囲の
間の任意のパーセンテージのHSAを含む。ある特定の代替法では、凍結保存培地は、1
%~10%のDMSO、25%~75%のトレハロースおよび/または20~60%のヒ
トHSAを含む。ある特定の代替法では、凍結保存培地は、1%、2%、3%、4%、5
%、6%、7%、8%、9%または10%のDMSOまたは上記のパーセンテージのうち
任意の2つによって規定される範囲の間の任意のパーセンテージのDMSOを含む。ある
特定の代替法では、凍結保存培地は、25%、35%、45%、55%、65%、70%
、75%のトレハロースまたは上記のパーセンテージのうち任意の2つによって規定され
る範囲の間の任意のパーセンテージのトレハロースを含む。ある特定の代替法では、凍結
保存培地は、20%、30%、40%、50%または60%のHSAまたは上記のパーセ
ンテージのうち任意の2つによって規定される範囲の間の任意のパーセンテージのHSA
を含む。特定の代替法では、凍結保存培地は、5%のDMSO、55%のデキストランお
よび40%のHSAを含む。より特定の代替法では、凍結保存培地は、5%のDMSO、
55%のデキストラン(生理食塩水中10% w/v)および40%のHSAを含む。別
の特定の代替法では、凍結保存培地は、5%のDMSO、55%のトレハロースおよび4
0%のHSAを含む。より特定の代替法では、凍結保存培地は、5%のDMSO、55%
のトレハロース(生理食塩水中10% w/v)および40%のHSAを含む。別の特定
の代替法では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS5を含む。別の特定
の代替法では、凍結保存培地は、CryoStor(登録商標)CS10を含む。
【0095】
本明細書において提供される細胞は、種々の方法のいずれかよって、細胞培養、増殖ま
たは分化のいずれかの段階で凍結保存してもよい。例えば、本明細書において提供される
細胞は、起源組織または臓器、例えば、胎盤灌流液または臍帯血からの単離直後に、また
は上記で概説される方法の第1、第2または第3のステップのいずれかの間、もしくはそ
の後に凍結保存してもよい。ある特定の代替法では、造血細胞、例えば、造血幹細胞また
は前駆体細胞を、起源組織または臓器からの単離後1、5、10、15、20、30、4
5分以内または1、2、4、6、10、12、18、20もしくは24時間以内または上
記の時点のうち任意の2つによって規定される範囲内である時間の間以内に凍結保存する
。ある特定の代替法では、造血細胞、例えば、造血幹細胞または前駆体細胞を、起源組織
または臓器からの単離後、1、5、10、15、20、30、45分もしくは上記の分数
のうち任意の2つによって規定される範囲内の任意の分数以内または1、2、4、6、1
0、12、18、20もしくは24時間以内もしくは上記の時点のうち任意の2つによっ
て規定される範囲内で凍結保存する。ある特定の代替法では、前記細胞を、起源組織また
は臓器からの単離後1、2または3日以内で凍結保存する。ある特定の代替法では、前記
細胞を、上記のように第1の培地中で培養した後、1、2、3、4、5、6、7、8、9
、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、
23、24、25、26、27もしくは28日または上記の日数のうち任意の2つによっ
て規定される範囲の間の任意の日数の間で凍結保存する。いくつかの代替法では、前記細
胞を、上記のように第1の培地中で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、
12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、2
5、26、27もしくは28日または上記の日数のうち任意の2つによって規定される範
囲の間の任意の日数の間培養した後、および上記のように、第2の培地中で、1、2、3
、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、
19、20、21、22、23、24、25、26、27もしくは28日または上記の日
数のうち任意の2つによって規定される範囲の間の任意の日数の間培養した後凍結保存す
る。いくつかの代替法では、NK細胞を、本明細書に記載される3段階法を使用して作製
する場合に、前記細胞を、第1の培地中で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、2
4もしくは25日または上記の日数のうち任意の2つによって規定される範囲の間の任意
の日数培養した後、および/または第2の培地中で1、2、3、4、5、6、7、8、9
、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、
23、24もしくは25日または上記の日数のうち任意の2つによって規定される範囲の
間の任意の日数培養した後、および/または第3の培地中で約1、2、3、4、5、6、
7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、2
1、22、23、24もしくは25日または上記の日数のうち任意の2つによって規定さ
れる範囲の間の任意の日数培養した後、凍結保存する。特定の代替法では、NK細胞、例
えば、GM NK細胞を、本明細書に記載される3段階法を使用して作製し、前記細胞を
、第1の培地中で10日間培養した後、第2の培地中で4日間培養した後、および第3の
培地中で21日間培養した後凍結保存する。
【0096】
一態様では、NK細胞の集団、例えば、GM NK細胞を凍結保存する方法が本明細書
において提供される。1つの代替法では、前記方法は、造血幹細胞または前駆体細胞、例
えば、CD34+幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤およびトロンボポエチン(T
po)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を産生することと、続いて、前
記の第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-15(IL-15)を
含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産生することと、続い
て、前記の第2の細胞の集団を、IL-2および/またはIL-15を含み、幹細胞動員
剤および/またはLMWHを欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞の集団を産生する
ことであって、第3の細胞の集団は、CD56+、CD3-、CD16-またはCD16
+およびCD94+またはCD94-であるナチュラルキラー細胞を含み、少なくとも7
0%もしくは少なくとも80%、85%、90%もしくは95%または上記のパーセンテ
ージのうち任意の2つによって規定される範囲内のパーセンテージのナチュラルキラー細
胞が生存可能であることと、次に、NK細胞を凍結保存培地中で凍結保存することとを含
む。ある特定の代替法では、前記の第1の培地および/または前記の第2の培地は、白血
病阻害因子(LIF)および/またはマクロファージ炎症性タンパク質-1アルファ(M
IP-1α)を欠く。ある特定の代替法では、前記の第3の培地は、LIF、MTP-1
αおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ-3リガンド(Flt-3L)を欠く。特定
の代替法では、前記の第1の培地および前記の第2の培地は、LIFおよび/またはMI
P-1αを欠き、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFlt3L
を欠く。ある特定の代替法では、第1の培地、第2の培地または第3の培地のいずれも、
ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含まない。特定の代替法では、前記凍結保存ステ
ップは、(1)細胞懸濁液溶液を調製するステップと、(2)ステップ(1)からの細胞
懸濁液溶液に凍結保存培地を添加して、凍結保存細胞懸濁液を得るステップと、(3)ス
テップ(2)からの凍結保存細胞懸濁液を冷却して凍結保存サンプルを得るステップと、
(4)-80℃未満で凍結保存サンプルを保存するステップとをさらに含む。ある特定の
代替法では、方法は、中間ステップを含まない。
【0097】
1つの代替法では、前記方法は、(a)造血幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤
およびトロンボポエチン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を
産生することと、(b)第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-1
5(IL-15)を含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産
生することと、(c)第2の細胞の集団を、IL-2およびIL-15を含み、LMWH
を欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞の集団を産生することであって、第3の細胞
の集団が、CD56+、CD3-およびCD11a+であるナチュラルキラー細胞を含む
ことと、次に、NK細胞を凍結保存培地中で凍結保存することとを含む。細胞動員剤は、
当業者に公知であり、例えば、プレリキサホルなどのCXCR4アンタゴニストを含み得
る。ある特定の代替法では、前記の第1の培地および/または前記の第2の培地は、白血
病阻害因子(LIF)および/またはマクロファージ炎症性タンパク質-1アルファ(M
IP-1α)を欠く。ある特定の代替法では、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1
αおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ-3リガンド(Flt-3L)を欠く。特定
の代替法では、前記の第1の培地および前記の第2の培地は、LIFおよび/またはMI
P-1αを欠き、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFlt3L
を欠く。ある特定の代替法では、第1の培地、第2の培地または第3の培地のいずれも、
ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含まない。特定の代替法では、前記凍結保存ステ
ップは、(1)細胞懸濁液溶液を調製するステップと、(2)ステップ(1)からの細胞
懸濁液溶液に凍結保存培地を添加して、凍結保存細胞懸濁液を得るステップと、(3)ス
テップ(2)からの凍結保存細胞懸濁液を冷却して凍結保存サンプルを得るステップと、
(4)-80℃未満で凍結保存サンプルを保存するステップとをさらに含む。ある特定の
代替法では、方法は、中間ステップを含まない。
【0098】
1つの代替法では、前記方法は、(a)造血幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤
およびトロンボポエチン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を
産生することと、(b)第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-1
5(IL-15)を含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産
生することと、(c)第2の細胞の集団を、IL-2およびIL-15を含み、幹細胞因
子(SCF)および/またはLMWHの各々を欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞
の集団を産生することであって、第3の細胞の集団が、CD56+、CD3-およびCD
11a+であるナチュラルキラー細胞を含むことと、次に、NK細胞を凍結保存培地中で
凍結保存することとを含む。ある特定の代替法では、前記の第1の培地および/または前
記の第2の培地は、白血病阻害因子(LIF)および/またはマクロファージ炎症性タン
パク質-1アルファ(MIP-1α)を欠く。ある特定の代替法では、前記の第3の培地
は、LIF、MIP-1αおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ-3リガンド(Fl
t-3L)を欠く。特定の代替法では、前記の第1の培地および前記の第2の培地は、L
IFおよびMIP-1αを欠き、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/ま
たはFlt3Lを欠く。ある特定の代替法では、第1の培地、第2の培地または第3の培
地のいずれも、ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含まない。特定の代替法では、前
記凍結保存ステップは、(1)細胞懸濁液溶液を調製するステップと、(2)ステップ(
1)からの細胞懸濁液溶液に凍結保存培地を添加して、凍結保存細胞懸濁液を得るステッ
プと、(3)ステップ(3)からの凍結保存細胞懸濁液を冷却して凍結保存サンプルを得
るステップと、(4)-80℃未満で凍結保存サンプルを保存するステップとをさらに含
む。ある特定の代替法では、方法は、中間ステップを含まない。
【0099】
1つの代替法では、前記方法は、(a)造血幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤
およびトロンボポエチン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を
産生することと、(b)第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-1
5(IL-15)を含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産
生することと、(c)第2の細胞の集団を、IL-2およびIL-15を含み、SCF、
幹細胞動員剤および/またはLMWHの各々を欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞
の集団を産生することであって、第3の細胞の集団が、CD56+、CD3-およびCD
11a+であるナチュラルキラー細胞を含むことと、次に、NK細胞を凍結保存培地中で
凍結保存することとを含む。ある特定の代替法では、前記の第1の培地および/または前
記の第2の培地は、白血病阻害因子(LIF)および/またはマクロファージ炎症性タン
パク質-1アルファ(MIP-1α)を欠く。ある特定の代替法では、前記の第3の培地
は、LIF、MIP-1αおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ-3リガンド(Fl
t-3L)を欠く。特定の代替法では、前記の第1の培地および前記第2の培地は、LI
Fおよび/またはMIP-1αを欠き、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよ
び/またはFlt3Lを欠く。ある特定の代替法では、第1の培地、第2の培地または第
3の培地のいずれも、ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含まない。特定の代替法で
は、前記凍結保存ステップは、(1)細胞懸濁液溶液を調製するステップと、(2)ステ
ップ(1)からの細胞懸濁液溶液に凍結保存培地を添加して、凍結保存細胞懸濁液を得る
ステップと、(3)ステップ(3)からの凍結保存細胞懸濁液を冷却して凍結保存サンプ
ルを得るステップと、(4)-80℃未満で凍結保存サンプルを保存するステップとをさ
らに含む。ある特定の代替法では、方法は、中間ステップを含まない。
【0100】
1つの代替法では、前記方法は、(a)造血幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤
およびトロンボポエチン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を
産生することと、(b)第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-1
5(IL-15)を含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産
生することと、(c)第2の細胞の集団を、IL-2およびIL-15を含み、幹細胞動
員剤および/またはLMWHの各々を欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞の集団を
産生することと、第3の細胞の集団からCD11a+細胞を単離して、第4の細胞の集団
を産生することであって、第4の細胞の集団が、CD56+、CD3-およびCD11a
+であるナチュラルキラー細胞を含むことと、次に、NK細胞を凍結保存培地中で凍結保
存することとを含む。ある特定の代替法では、前記の第1の培地および/または前記の第
2の培地は、白血病阻害因子(LIF)および/またはマクロファージ炎症性タンパク質
-1アルファ(MIP-1α)を欠く。ある特定の代替法では、前記の第3の培地は、L
IF、MIP-1αおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ-3リガンド(Flt-3
L)を欠く。特定の代替法では、前記の第1の培地および前記の第2の培地は、LIFお
よび/またはMIP-1αを欠き、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/
またはFlt3Lを欠く。ある特定の代替法では、第1の培地、第2の培地または第3の
培地のいずれも、ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含まない。特定の代替法では、
前記凍結保存ステップは、(1)細胞懸濁液溶液を調製するステップと、(2)ステップ
(1)からの細胞懸濁液溶液に凍結保存培地を添加して、凍結保存細胞懸濁液を得るステ
ップと、(3)ステップ(3)からの凍結保存細胞懸濁液を冷却して凍結保存サンプルを
得るステップと、(4)-80℃未満で凍結保存サンプルを保存するステップとをさらに
含む。ある特定の代替法では、方法は、中間ステップを含まない。
【0101】
本明細書において提供される細胞は、凍結保存の際に、制御速度フリーザー中で、例え
ば、0.1、0.3、0.5、1または2℃/分または上記の温度のうち任意の2つによ
って規定される範囲の間の任意の温度で冷却することができる。1つの代替法では、凍結
保存温度は、-80℃~-180℃または-125℃~-140℃である。凍結保存細胞
を液体窒素に移し、その後、使用するために解凍してもよい。いくつかの代替法では、例
えば、アンプルが、-90℃に到達すると、それらを液体窒素貯蔵領域に移す。凍結保存
細胞は、25℃~40℃の温度で解凍してもよい、より詳しくは、37℃の温度に解凍し
てもよい。凍結保存細胞を、25℃、35℃、40℃または40℃または任意の2つの上
記の温度によって規定される範囲の間の任意の温度で解凍してもよい。ある特定の代替法
では、1、2、4、6、10、12、18、20もしくは24時間もしくは上記の値のう
ち任意の2つによって規定される範囲の間の任意の時間数の間または1、2、3、4、5
、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、2
0、21、22、23、24、25、26、27もしくは28日もしくは上記の値のうち
任意の2つによって規定される範囲の間の任意の日数の間、凍結保存された後、凍結保存
細胞を解凍する。ある特定の代替法では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、2
4、25、26、27もしくは28ヶ月もしくは上記の値のうち任意の2つによって規定
される範囲の間の任意の月数の間、凍結保存された後、凍結保存細胞を解凍する。ある特
定の代替法では、1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10年もしくは上記の値
のうち任意の2つによって規定される範囲の間の任意の年数の間、凍結保存された後、凍
結保存細胞を解凍する。
【0102】
適した解凍培地として、それだけには限らないが、生理食塩水、例えば、成長培地、例
えば、RPMI培地を含むプラズマライト(plasmalyte)培養培地が挙げられ
る。ある特定の代替法では、解凍培地は、1種または複数の培地上清(例えば、栄養素、
サイトカインおよび/または因子)を含む。本明細書において提供される細胞を解凍する
のに適した培地上清として、例えば、制限するものではないが、ヒト血清AB、ウシ胎児
血清(FBS)またはウシ胎児血清(FCS)などの血清、ビタミン、ヒト血清アルブミ
ン(has)、ウシ血清アルブミン(BSA)、アミノ酸(例えば、L-グルタミン)、
脂肪酸(例えば、オレイン酸、リノール酸またはパルミチン酸)、インスリン(例えば、
組換えヒトインスリン)、トランスフェリン(鉄飽和ヒトトランスフェリン)、β-メル
カプトエタノール、幹細胞因子(SCF)、Fms様チロシンキナーゼ-3リガンド(F
lt3-L)、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-7(IL-7)
、インターロイキン-15(IL-15)などのサイトカイン、トロンボポエチン(Tp
o)またはヘパリンが挙げられる。特定の代替法では、本明細書において提供される方法
において有用な解凍培地は、RPMIを含む。別の特定の代替法では、前記解凍培地は、
プラズマライトを含む。別の特定の代替法では、前記解凍培地は、0.5~20% FB
Sを含む。別の特定の代替法では、前記解凍培地は、0.5、1、5、15、15または
20%のFBSまたは上記のパーセンテージの任意の2つによって規定される範囲の間の
任意のパーセンテージのFBSを含む。別の特定の代替法では、前記解凍培地は、1、2
、5、10、15または20%のFBSを含む。別の特定の代替法では、前記解凍培地は
、0.5%~20%のHSAを含む。別の特定の代替法では、前記解凍培地は、0.5、
1、5、15、15または20%のHSAまたは上記のパーセンテージの任意の2つによ
って規定される範囲の間の任意のパーセンテージのHSAを含む。別の特定の代替法では
、前記解凍培地は、1、2.5、5、10、15または20%のHSAを含む。より特定
の代替法では、前記解凍培地は、RPMIおよび10%のFBSを含む。別のより特定の
代替法では、前記解凍培地は、プラズマライトおよび5%のHSAを含む。
【0103】
本明細書において提供される凍結保存方法は、長期貯蔵、またはアポトーシスもしくは
壊死による細胞死を阻害する条件下を可能にするように最適化することができる。1つの
代替法では、解凍後細胞は、例えば、自動細胞カウンタまたはトリパンブルー法によって
決定されるような、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%
または98%より多い生存可能である細胞を含む。1つの代替法では、解凍後細胞は、6
0%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または98%より多い
生存可能である細胞または上記のパーセンテージの任意の2つによって規定される範囲の
間の任意のパーセンテージ含む。別の代替法では、解凍後細胞は、0.5、1、5、10
、15、20または25%の死滅細胞を含む。別の代替法では、解凍後細胞は、0.5、
1、5、10、15、20または25%の死滅細胞または上記のパーセンテージの任意の
2つによって規定される範囲の間の任意のパーセンテージの死滅細胞を含む。別の代替法
では、解凍後細胞は、0.5、1、5、10、15、20または25%の早期アポトーシ
ス細胞を含む。別の代替法では、解凍後細胞は、0.5、1、5、10、15、20また
は25%の早期アポトーシス細胞または上記のパーセンテージの任意の2つによって規定
される範囲の間の任意のパーセンテージの早期アポトーシス細胞を含む。別の代替法では
、0.5、1、5、10、15または20%の解凍後細胞は、例えば、アポトーシスアッ
セイ(例えば、TO-PRO3またはAnnV/PIアポトーシスアッセイキット)によ
って決定されるように、解凍された後、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
1、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24
、25、26、27または28日後に、アポトーシスを起こす。ある特定の代替法では、
解凍後細胞を、本明細書において提供される方法を使用して培養、増殖または分化させた
後、再度凍結保存する。
【0104】
8.GM NK細胞を含む組成物
本明細書において提供されるGM NK細胞を含む組成物、例えば、医薬組成物は、本
明細書に記載される方法のいずれかによって産生されたNK細胞の集団を含む組成物なら
びに任意の組織供給源、例えば、ヒト組織供給源から単離されたNK細胞を含む組成物を
含む。
【0105】
a.6.8.1 3段階法を使用して産生されたGM NK細胞
いくつかの代替法では、単離されたNK細胞集団、例えば、GM NK細胞集団を含む
組成物、例えば、医薬組成物が、本明細書において提供される。特定の代替法では、前記
の単離されたNK細胞集団は、胎盤灌流液、臍帯血および/または末梢血から単離された
造血細胞、例えば、造血幹細胞または前駆体細胞から産生される。別の特定の代替法では
、前記の単離されたNK細胞集団は、組成物中に少なくとも50%の細胞を含む。別の特
定の代替法では、前記の単離されたNK細胞集団、例えば、CD3-CD56+細胞は、
組成物中の少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または99%の細胞を含
む。ある特定の代替法では、前記の単離されたNK細胞集団中の5%、10%、15%、
20%、25%、30%、35%または40%以下の細胞が、CD3-CD56+細胞で
ある。ある特定の代替法では、前記CD3-CD56+細胞は、CD16-である。
【0106】
NK細胞集団、例えば、GM NK細胞集団は、in vivoで使用するために医薬
組成物に製剤化することができる。このような医薬組成物は、薬学的に許容される担体、
例えば、生理食塩水溶液またはin vivo投与のためのその他の許容される生理学的
に許容される溶液中にNK細胞の集団を含む。本発明の医薬組成物は、本明細書において
別の場所に記載されるNK細胞集団のいずれかを含み得る。
【0107】
本明細書に記載される医薬組成物は、50%の生存可能である細胞またはそれ以上を含
む(すなわち、例えば、集団中の細胞の少なくとも50%が機能的であるまたは生存して
いる)NK細胞の集団を含む。好ましくは、集団中の細胞の少なくとも60%が、生存可
能である。より好ましくは、医薬組成物中の集団中の細胞の少なくとも70%、80%、
90%、95%または99%または上記のパーセンテージの任意の2つによって規定され
る範囲内の任意のパーセンテージが生存可能である。
【0108】
本明細書に記載される医薬組成物は、例えば、移植を容易にする1種または複数の化合
物、アルブミン、デキストラン40、ゼラチンおよび/またはヒドロキシエチルデンプン
などの安定化剤を含み得る。
【0109】
注射用溶液として製剤化される場合には、1つの代替法において、医薬組成物は、1.
25%のHSAおよび2.5%のデキストランを含み得る。細胞生成物の投与に適したそ
の他の注射用製剤を使用してもよい。
【0110】
1つの代替法では、本明細書において提供される組成物、例えば、医薬組成物は、全身
または局所投与に適している。特定の代替法では、本明細書において提供される組成物、
例えば、医薬組成物は、非経口投与に適している。特定の代替法では、本明細書において
提供される組成物、例えば、医薬組成物は、注射、注入、静脈内(IV)投与、大腿内投
与または腫瘍内投与に適している。特定の代替法では、本明細書において提供される組成
物、例えば、医薬組成物は、デバイス、マトリックスまたはスキャフォールドによる投与
に適している。特定の代替法では、本明細書において提供される組成物、例えば、医薬組
成物は、注射に適している。特定の代替法では、本明細書において提供される組成物、例
えば、医薬組成物は、カテーテルによる投与に適している。特定の代替法では、本明細書
において提供される組成物、例えば、医薬組成物は、局所注射に適している。より特定の
代替法では、本明細書において提供される組成物、例えば、医薬組成物は、固形腫瘍(例
えば、肉腫)への直接的な局所注射に適している。特定の代替法では、本明細書において
提供される組成物、例えば、医薬組成物は、シリンジによる注射に適している。特定の代
替法では、本明細書において提供される組成物、例えば、医薬組成物は、ガイドされた送
達による投与に適している。特定の代替法では、本明細書において提供される組成物、例
えば、医薬組成物は、腹腔鏡検査、内視鏡、超音波、コンピューター断層撮影法、磁気共
鳴または放射線医学によって補助される注射に適している。
【0111】
ある特定の代替法では、NK細胞、例えば、GM NK細胞を含む本明細書において提
供される組成物、例えば、医薬組成物は、医薬等級の投与可能な単位として提供される。
このような単位は、別個の容量、例えば、15mL、20mL、25mL、30mL、3
5mL、40mL、45mL、50mL、55mL、60mL、65mL、70mL、7
5mL、80mL、85mL、90mL、95mL、100mL、150mL、200m
L、250mL、300mL、350mL、400mL、450mL、500mLなどま
たは上記の容量量の任意の2つによって規定される範囲の間の任意の容量で提供できる。
このような単位は、指定の細胞数、例えば、GM NK細胞、例えば、1ミリリットルあ
たり1×104、5×104、1×105、5×105、1×106、5×106、1×
107、5×107、1×108、5×108個の、もしくはそれより多い細胞、または
単位当たり1×104、5×104、1×105、5×105、1×106、5×106
、1×107、5×107、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1
010、5×1010、1×1011個の、もしくはそれより多い細胞または上記の値の
任意の2つによって規定される範囲の間の、単位あたりの任意の細胞数を含有するように
提供できる。特定の代替法では、単位は、1ミリリットルあたり約、少なくとも約、また
は多くて約1×104、5×104、1×105、5×105、1×106、5×106
個の、もしくはそれより多いGM NK細胞、または単位あたり1×104、5×104
、1×105、5×105、1×106、5×106、1×107、5×107、1×1
08、5x108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×101
1個の、もしくはそれより多い細胞または上記の値の任意の2つによって規定される範囲
内のミリリットルまたは単位あたりの任意の細胞数を含み得る。このような単位は、指定
の数のNK細胞またはNK細胞集団および/または任意のその他の細胞を含有するように
提供できる。特定の代替法では、NK細胞は本明細書において提供されるような比で存在
する。
【0112】
別の特定の代替法では、前記組成物中の前記の単離されたNK細胞、例えば、GM N
K細胞は、単一個体に由来する。より特定の代替法では、前記の単離されたNK細胞は、
少なくとも2つの異なる個体に由来するNK細胞を含む。別の特定の代替法では、前記組
成物中の前記の単離されたNK細胞は、NK細胞を用いる処置が意図される個体とは異な
る個体に由来する。別の特定の代替法では、前記NK細胞は、前記NK細胞が、同等数の
ナチュラルキラー細胞、すなわち、前記免疫調節性化合物またはサリドマイドと接触され
ていない、または近接されていないNK細胞よりも多くグランザイムBおよび/またはパ
ーフォリンを検出可能に発現するのに十分な量および時間、免疫調節性化合物またはサリ
ドマイドと接触されている、または近接されている。別の特定の代替法では、前記組成物
は、免疫調節性化合物もしくはサリドマイドをさらに含む、または免疫調節性化合物もし
くはサリドマイドとの製剤組合せで、もしくはそれとともに(例えば、その前、その間ま
たはその後であるが、別個に)提供される。ある特定の代替法では、免疫調節性化合物は
、以下に記載される化合物である。例えば、その開示内容が参照により全文で本明細書に
組み込まれる(特許文献8)を参照のこと。ある特定の代替法では、免疫調節性化合物は
、アミノ置換イソインドリンである。1つの代替法では、免疫調節性化合物は、3-(4
-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)-ピペリジン-2
,6-ジオン、3-(4’アミノイソインドリン(aminoisolindoline
)-1’-オン)-1-ピペリジン-2,6-ジオン、4-(アミノ)-2-(2,6-
ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンまたは4-アミノ-2
-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドール-1,3-ジオンである。
別の代替法では、免疫調節性化合物は、ポマリドミドまたはレナリドミドである。別の代
替法では、前記免疫調節性化合物は、以下の構造:
【0113】
【化1】
[式中、XおよびYのうち一方は、C=Oであり、XおよびYのうちもう一方は、C=O
またはCH
2であり、R
2は、水素または低級アルキルである]
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、包接体、エナンチ
オマー、ジアステレオマー、ラセミ体または立体異性体の混合物である。別の代替法では
、前記免疫調節性化合物は、以下の構造:
【0114】
【化2】
[式中、XおよびYのうち一方は、C=Oであり、もう一方は、CH
2またはC=Oであ
り、
R
1は、H、(C
1~C
8)アルキル、(C
3~C
7)シクロアルキル、(C
2~C
8
)アルケニル、(C
2~C
8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C
0~C
4)アルキ
ル-(C
1~C
6)ヘテロシクロアルキル、(C
0~C
4)アルキル-(C
2~C
5)ヘ
テロアリール、C(O)R
3、C(S)R
3、C(O)OR
4、(C
1~C
8)アルキル
-N(R
6)
2、(C
1~C
8)アルキル-OR
5、(C
1~C
8)アルキル-C(O)
OR
5、C(O)NHR
3、C(S)NHR
3、C(O)NR
3R
3’、C(S)NR
3
R
3’または(C
1~C
8)アルキル-O(CO)R
5であり、
R
2は、H、F、ベンジル、(C
1~C
8)アルキル、(C
2~C
8)アルケニルまた
は(C
2~C
8)アルキニルであり、
R
3およびR
3’は独立に、(C
1~C
8)アルキル、(C
3~C
7)シクロアルキル
、(C
2~C
8)アルケニル、(C
2~C
8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C
0
~C
4)アルキル-(C
1~C
6)ヘテロシクロアルキル、(C
0~C
4)アルキル-(
C
2~C
5)ヘテロアリール、(C
0~C
8)アルキル-N(R
6)
2、(C
1~C
8)
アルキル-OR
5、(C
1~C
8)アルキル-C(0)OR
5、(C
1~C
8)アルキル
-O(CO)R
5またはC(O)OR
5であり、
R
4は、(C
1~C
8)アルキル、(C
2~C
8)アルケニル、(C
2~C
8)アルキ
ニル、(C
1~C
4)アルキル-OR
5、ベンジル、アリール、(C
0~C
4)アルキル
-(C
1~C
6)ヘテロシクロアルキルまたは(C
0~C
4)アルキル-(C
2~C
5)
ヘテロアリールであり、
R
5は、(C
1~C
8)アルキル、(C
2~C
8)アルケニル、(C
2~C
8)アルキ
ニル、ベンジル、アリールまたは(C
2~C
5)ヘテロアリールであり、
R
6の各出現は独立に、H、(C
1~C
8)アルキル、(C
2~C
8)アルケニル、(
C
2~C
8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C
2~C
5)ヘテロアリールまたは(
C
0~C
8)アルキル-C(O)O-R
5であるか、またはR
6基を接続して、ヘテロシ
クロアルキル基を形成してもよく、
nは、0または1であり、
*は、キラル炭素中心を表す]
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、包接体、エナンチ
オマー、ジアステレオマー、ラセミ体または立体異性体の混合物である。別の代替法では
、前記免疫調節性化合物は、以下の構造:
【0115】
【化3】
[式中、
XおよびYのうち一方は、C=Oであり、もう一方は、CH
2またはC=Oであり、
Rは、HまたはCH
2OCOR’であり、
(i)R
1、R
2、R
3もしくはR
4は各々、他とは独立に、ハロ、1~4個の炭素原
子のアルキルもしくは1~4個の炭素原子のアルコキシであるか、または(ii)R
1、
R
2、R
3もしくはR
4のうち1つは、ニトロもしくは-NHR
5であり、R
1、R
2、
R
3もしくはR
4の内の残りは水素であり、
R
5は、水素または1~8個の炭素のアルキルであり、
R
6は、水素、1~8個の炭素原子のアルキル、ベンゾ、クロロまたはフルオロであり
、
R’は、R
7-CHR
10-N(R
8R
9)であり、
R
7は、m-フェニレンまたはp-フェニレンまたは-(C
nH
2n)-(式中、nは
、0~4の値を有する)であり、
R
8およびR
9は各々独立して、水素もしくは1~8個の炭素原子のアルキルであるか
、またはR
8およびR
9は一緒になって、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチ
レンまたは-CH
2CH
2X
1CH
2CH
2-(式中、X
1は、-O-、-S-または-
NH-である)であり、
R
10は、水素もしくは1~8個の炭素原子のアルキルまたはフェニルであり、
*は、キラル炭素中心を表す]
を有する化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、包接体、エナンチ
オマー、ジアステレオマー、ラセミ体または立体異性体の混合物である。
【0116】
別の特定の代替法では、本明細書に記載される組成物は、1種または複数の抗癌化合物
、例えば、1種または複数の以下に記載される抗癌化合物をさらに含む、またはそれとの
生成物組合せで、もしくはそれとともに投与される。
【0117】
より特定の代替法では、組成物は、遺伝子改変されているか否かに関わらず、別の供給
源に由来する、または別の方法によって作製されたNK細胞を含む。特定の代替法では、
前記のその他の供給源は、胎盤血液および/または臍帯血である。別の特定の代替法では
、前記のその他の供給源は、末梢血である。より特定の代替法では、前記組成物中のNK
細胞集団は、別の供給源に由来する、または別の方法で作製されたNK細胞と、約100
:1、95:5、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、65
:35、60:40、55:45:50:50、45:55、40:60、35:65、
30:70、25:75、20:80、15:85、10:90、5:95、100:1
、95:1、90:1、85:1、80:1、75:1,70:1、65:1、60:1
、55:1、50:1,45:1,40:1、35:1,30:1,25:1,20:1
、15:1、10:1、5:1、1:1、1:5、1:10、1:15、1:20、1:
25、1:30、1:35、1:40、1:45、1:50、1:55、1:60、1:
65、1:70、1:75、1:80、1:85、1:90、1:95、1:100など
の比、または任意の2つの上記の比によって規定される範囲の間の任意の比で組み合わさ
れる。
【0118】
別の特定の代替法では、組成物は、本明細書に記載される3段階法を使用して産生され
たNK細胞集団および単離された胎盤灌流液または単離された胎盤灌流液細胞のいずれか
を含む。より特定の代替法では、前記胎盤灌流液は、前記NK細胞集団と同一個体に由来
する。別のより特定の代替法では、前記胎盤灌流液は、前記NK細胞集団とは異なる個体
に由来する胎盤灌流液を含む。別の特定の代替法では、前記胎盤灌流液中のすべてまたは
実質的にすべて(例えば、90%、95%、98%または99%より多く)の細胞は、胎
児細胞である。別の特定の代替法では、胎盤灌流液または胎盤灌流液細胞は、胎児および
母体細胞を含む。より特定の代替法では、前記胎盤灌流液中の胎児細胞は、前記灌流液中
の90%、80%、70%、60%または50%未満の(ただしゼロではない)細胞また
は上記のパーセンテージの任意の2つによって規定される範囲の間の任意のパーセンテー
ジの細胞を含む。別の特定の代替法では、前記灌流液は、胎盤脈管構造を通る0.9%の
NaCl溶液の通過によって得られる。別の特定の代替法では、前記灌流液は、培養培地
を含む。別の特定の代替法では、前記灌流液は、赤血球を除去するように処置されている
。別の特定の代替法では、前記組成物は、免疫調節性化合物、例えば、以下に記載される
免疫調節性化合物、例えば、アミノ置換イソインドリン化合物を含む。別の特定の代替法
では、組成物は、1種または複数の抗癌化合物、例えば、1種または複数の以下に記載さ
れる抗癌化合物をさらに含む。
【0119】
別の特定の代替法では、組成物は、NK細胞集団および胎盤灌流液細胞を含む。より特
定の代替法では、前記胎盤灌流液細胞は、前記NK細胞集団と同一個体に由来する。別の
より特定の代替法では、前記胎盤灌流液細胞は、前記NK細胞集団とは異なる個体に由来
する。別の特定の代替法では、組成物は、単離された胎盤灌流液および単離された胎盤灌
流液細胞を含み、前記の単離された灌流液および前記の単離された胎盤灌流液細胞は、異
なる個体に由来する。胎盤灌流液を含む上記の代替法のいずれかの別のより特定の代替法
では、前記胎盤灌流液は、少なくとも2つの個体に由来する胎盤灌流液を含む。胎盤灌流
液細胞を含む上記の代替法のいずれかの別のより特定の代替法では、前記の単離された胎
盤灌流液細胞は、少なくとも2人の個体に由来する。別の特定の代替法では、前記組成物
は、免疫調節性化合物を含む。別の特定の代替法では、組成物は、1種または複数の抗癌
化合物、例えば、1種または複数の以下に記載される抗癌化合物をさらに含む。
【0120】
9.GM NK細胞の使用
本明細書に記載されるGM NK細胞、例えば、本明細書に記載される3段階法によっ
て産生されるGM NK細胞は、癌を有する個体、例えば、固形腫瘍細胞および/もしく
は血液癌細胞を有する個体またはウイルス感染を有する人に、療法を提供する方法におい
て使用できる。いくつかのこのような代替法では、NK細胞の有効投与量は、1×104
~5×104、5×104~1×105、1×105~5×105、5×105~1×1
06、1×106~5×106、5×106~1×107個の範囲またはそれより多い細
胞/体重1キログラムである。いくつかのこのような代替法では、NK細胞の有効投与量
は、1×104~5×104、5×104~1×105、1×105~5×105、5×
105~1×106、1×106~5×106、5×106~1×107個の範囲または
それより多い細胞/体重1キログラムまたは上記の値の任意の2つによって規定される範
囲の間の任意の細胞数/体重1キログラムである。NK細胞、例えば、本明細書に記載さ
れるGM NK細胞はまた、腫瘍細胞の増殖を抑制する方法において使用できる。
【0121】
a.6.9.1癌を有する個体の治療
1つの代替法では、癌、例えば、血液癌または固形腫瘍を有する個体に療法を提供する
方法が本明細書において提供され、前記個体、好ましくは、抗癌療法を受けるように選択
または同定されているものに、治療上有効な量の本明細書に記載されるGM NK細胞、
例えば、本明細書に記載されるGM NK細胞集団を投与することを含む。ある特定の代
替法では、個体は、ナチュラルキラー細胞の欠乏、例えば、個体の癌に対して活性のNK
細胞の欠乏を有し、前記個体は、療法を受け取る前にそのようなものとして同定または選
択されている。特定の代替法では、方法は、前記個体に、単離された胎盤灌流液または単
離された胎盤灌流液細胞、例えば、治療上有効な量の胎盤灌流液または単離された胎盤灌
流液細胞を投与することをさらに含む。いくつかの代替法では、個体は、単離された胎盤
灌流液または単離された胎盤灌流液細胞を受けるように選択されている。別の特定の代替
法では、方法は、前記個体に、有効量の免疫調節性化合物、例えば、上記の免疫調節性化
合物またはサリドマイドを投与することをさらに含む。いくつかの代替法では、個体は、
免疫調節性化合物を受けるように選択されている。本明細書において、「有効量」とは、
例えば、個体が患っている癌の1つまたは複数の症状の、検出可能な改善、進行の減少、
排除をもたらす量である。
【0122】
単離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、全身である場合も局
所である場合もある。特定の代替法では、投与は、非経口である。特定の代替法では、対
象への単離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、注射、注入、静
脈内(IV)投与、大腿内投与または腫瘍内投与による。特定の代替法では、対象への単
離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、デバイス、マトリックス
またはスキャフォールドを用いて実施される。特定の代替法では、対象への単離されたG
M NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、注射による。特定の代替法では、対
象への単離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、カテーテルによ
る。特定の代替法では、GM NK細胞の注射は、局所注射である。より特定の代替法で
は、局所注射は、固形腫瘍(例えば、肉腫)へ直接的である。特定の代替法では、対象へ
の単離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、シリンジによる注射
による。特定の代替法では、対象への単離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組
成物の投与は、ガイドされた送達による。特定の代替法では、注射による対象への単離さ
れたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、腹腔鏡検査、内視鏡、超音波
、コンピューター断層撮影法、磁気共鳴または放射線医学によって補助される。
【0123】
特定の代替法では、癌は、血液癌、例えば、白血病またはリンパ腫である。より特定の
代替法では、癌は、急性白血病、例えば、急性T細胞白血病、急性骨髄性白血病(AML
)、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、前駆B急性
リンパ性白血病、前駆T急性リンパ性白血病、バーキット白血病(バーキットリンパ腫)
または急性混合型(biphenotypic)白血病、慢性白血病、例えば、慢性骨髄
性リンパ腫、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性単球性白血病、慢性リンパ性白血病(C
LL)/小リンパ性リンパ腫またはB細胞前リンパ性白血病、ヘアリー細胞リンパ腫、T
細胞前リンパ性白血病またはリンパ腫、例えば、組織球性リンパ腫、リンパ形質細胞性リ
ンパ腫(例えば、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症)、脾臓周辺帯リンパ腫、
形質細胞新生物(例えば、形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、モノクローナル免疫グロブリン
沈着症または重鎖病)、節外性辺縁帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)、節性辺縁帯
B細胞リンパ腫(NMZL)、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞
型B細胞リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫、血管内大細胞型B細胞リンパ
腫、原発性滲出液リンパ腫、T細胞大型顆粒リンパ性白血病、侵攻性NK細胞白血病、成
体T細胞白血病/リンパ腫、節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻腔型、腸症型T細胞リンパ
腫、肝脾T細胞リンパ腫、芽細胞性NK細胞リンパ腫、菌状息肉症(セザリー症候群)、
原発性皮膚CD30陽性T細胞リンパ増殖性障害(例えば、原発性皮膚未分化大細胞リン
パ腫またはリンパ腫様丘疹症)、血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫
、不特定の未分化大細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫または結節性リンパ球優位型ホジキ
ンリンパ腫である。別の特定の代替法では、癌は、多発性骨髄腫または骨髄異形成症候群
である。
【0124】
ある特定の他の特定の代替法では、癌は、固形腫瘍、例えば、癌腫、例えば、腺癌、副
腎皮質癌腫、結腸腺癌、結腸直腸腺癌、結腸直腸癌腫、腺管細胞癌腫、肺癌腫、甲状腺癌
腫、鼻咽頭癌腫、黒色腫(例えば、悪性黒色腫)、非黒色腫皮膚癌腫または不特定癌腫、
類腱腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、内分泌腫瘍、ユーイング肉腫、生殖細胞腫瘍(例え
ば、精巣癌、卵巣癌、絨毛癌、卵黄嚢腫瘍、胚細胞腫など)、肝芽腫(hepatosb
lastoma)、肝細胞癌腫、神経芽細胞腫、非横紋筋肉腫軟組織肉腫、骨肉腫、網膜
芽細胞腫、横紋筋肉腫またはウィルムス腫瘍である。別の代替法では、固形腫瘍は、膵臓
癌または乳癌である。その他の代替法では、固形腫瘍は、聴神経腫瘍、星状細胞腫(例え
ば、グレードI毛様細胞性星状細胞腫、グレードII低悪性度星状細胞腫、グレードII
I未分化星状細胞腫またはグレードIV多形神経膠芽腫)、脊索腫、頭蓋咽頭腫、神経膠
腫(例えば、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合膠腫、視神経神経膠腫または上衣下腫)、神経
膠芽腫、髄芽腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、松果体芽腫、下垂体腫瘍、原
始神経外胚葉性腫瘍またはシュワン腫である。別の代替法では、癌は、前立腺癌である。
別の代替法では、癌は、肝臓癌である。別の代替法では、癌は、肺癌である。別の代替法
では、癌は、腎癌である。
【0125】
ある特定の代替法では、癌、例えば、血液癌または固形腫瘍を有する個体、例えば、ナ
チュラルキラー細胞の欠乏を有する個体は、前記投与の前に骨髄移植を受けている個体で
ある。ある特定の代替法では、骨髄移植は、前記癌の治療においてであった。ある特定の
その他の代替法では、骨髄移植は、前記癌以外の状態の治療においてであった。ある特定
の代替法では、個体は、前記骨髄移植に加えて免疫抑制剤を受け取った。ある特定の代替
法では、骨髄移植を受けていた個体は、前記投与の時間に移植片対宿主病(GVHD)の
1つまたは複数の症状を示す。ある特定のその他の代替法では、骨髄移植を受けていた個
体に、GVHDの症状が示される前に前記細胞が投与される。
【0126】
ある特定の代替法では、癌、例えば、血液癌を有する個体は、前記投与の前に、少なく
とも1用量のTNFα阻害剤、例えば、エタネルセプト(登録商標)(エンブレル)を受
け取っている。特定の代替法では、前記個体は、前記癌の診断の1、2、3、4、5、6
、7、8、9、10、11または12ヶ月以内に、または上記の期間のうち任意の2つに
よって規定される範囲内にTNFα阻害剤の前記用量を受け取った。特定の代替法では、
一定用量のTNFα阻害剤を受け取っている個体は、急性骨髄性白血病を示す。より特定
の代替法では、一定用量のTNFα阻害剤を受け取っている個体は、急性骨髄性白血病を
示し、血液細胞において染色体5の長腕の欠失をさらに示す。別の代替法では、癌、例え
ば、血液癌を有する個体は、フィラデルフィア染色体を示す。
【0127】
ある特定のその他の代替法では、前記個体における癌、例えば、血液癌または固形腫瘍
は、1種または複数の抗癌薬に対して抵抗性である。特定の代替法では、癌は、グリベッ
ク(登録商標)(メシル酸イマチニブ)に対して抵抗性である。
【0128】
ある特定の代替法では、前記個体における癌、例えば、血液癌は、少なくとも1種の抗
癌薬に対して応答し、この代替法では、本明細書に記載される胎盤灌流液、単離された胎
盤灌流液細胞、単離されたナチュラルキラー細胞、例えば、胎盤ナチュラルキラー細胞、
例えば、胎盤由来中間体ナチュラルキラー細胞、単離された混合ナチュラルキラー細胞ま
たはNK細胞および/またはそれらの組合せならびに任意選択で、免疫調節性化合物を、
補助療法として、または前記抗癌薬との併用療法として添加する。ある特定のその他の代
替法では、癌、例えば、血液癌を有する個体は、少なくとも1種の抗癌薬を受け取ってお
り、前記投与の前に再発していた。ある特定の代替法では、療法を受ける個体は、抵抗性
癌を有している。1つの代替法では、本明細書に記載される細胞を用いる癌治療法は、癌
の再発に対して保護する(例えば、予防または遅延する)。1つの代替法では、本明細書
に記載される癌治療法は、1ヶ月もしくはそれより多い、2、3、4、5、6、7、8、
9、10、11もしくは12ヶ月もしくはそれより多い、1年もしくはそれより多い、2
年もしくはそれより多い、3年もしくはそれより多い、または4年もしくはそれより多い
間、癌の寛解をもたらす。
【0129】
1つの代替法では、多発性骨髄腫を有する個体に療法を提供する方法であって、個体に
(1)レナリドミド、(2)メルファランおよび(3)GM NK細胞を投与することを
含む方法が、本明細書において提供され、これでは、前記GM NK細胞は、前記個体に
おいて多発性骨髄腫を治療するのに有効である。特定の代替法では、前記GM NK細胞
は、臍帯血NK細胞または臍帯血造血細胞、例えば、造血幹細胞から産生されたNK細胞
に由来する。別の代替法では、前記GM NK細胞は、NK細胞を産生するために本明細
書に記載される3段階法によって産生されている。別の代替法では、前記レナリドミド、
メルファランおよび/またはGM NK細胞は、互いに別個に投与される。多発性骨髄腫
を有する個体を治療する方法のある特定の代替法では、前記GM NK細胞は、造血幹細
胞または前駆体細胞、例えば、CD34+幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤およ
びトロンボポエチン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を産生
することと、続いて、前記の第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン
-15(IL-15)を含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団
を産生することと、続いて、前記の第2の細胞の集団を、IL-2および/またはIL-
15を含み、幹細胞動員剤および/またはLMWHを欠く第3の培地中で培養して、第3
の細胞の集団を産生することであって、第3の細胞の集団が、CD56+、CD3-、C
D16-またはCD16+およびCD94+またはCD94-であるナチュラルキラー細
胞を含み、ナチュラルキラー細胞の少なくとも70%または少なくとも80%、85%、
90%または95%が生存可能であることを含む方法によってNK細胞を産生することを
含む方法によって産生される。ある特定の代替法では、前記の第1の培地および/または
前記の第2の培地は、白血病阻害因子(LIF)および/またはマクロファージ炎症性タ
ンパク質-1アルファ(MIP-1α)を欠く。ある特定の代替法では、前記の第3の培
地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ-3リガンド(F
lt-3L)を欠く。特定の代替法では、前記の第1の培地および前記の第2の培地は、
LIFおよび/またはMIP1αを欠き、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αお
よび/またはFlt3Lを欠く。ある特定の代替法では。第1の培地、第2の培地または
第3の培地のいずれも、ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含まない。
【0130】
別の代替法では、急性骨髄性白血病(AML)を有する個体を治療する方法であって、
個体にNK細胞(任意選択で、IL2単独またはIL-15単独、IL2およびIL12
およびIL18、IL12およびIL15、IL12およびIL18、IL2およびIL
12およびIL15およびIL18またはIL2およびIL15およびIL18を用いる
前処理によって活性化された)を投与することを含む方法が本明細書において提供され、
これでは、前記NK細胞は、前記個体においてAMLを治療するのに有効である。特定の
代替法では、単離された、本明細書に記載される3段階法を使用して産生されたNK細胞
集団は、前記投与に先立って、IL2、IL12、IL18またはIL15のうち1種ま
たは複数を用いて前処理されている。特定の代替法では、前記GM NK細胞は、臍帯血
NK細胞または臍帯血造血細胞、例えば、造血幹細胞から産生されたNK細胞に由来する
。別の代替法では、前記GM NK細胞は、NK細胞を産生するための本明細書に記載さ
れる3段階法によって産生されていた。AMLを有する個体を治療する方法のある特定の
代替法では、前記NK細胞は、本明細書に記載されるような3段階法によって産生される
。特定の代替法では、前記の方法によって治療されるべきAMLは、難治性AML、予後
不良AMLまたは小児AMLを含む。難治性AML、予後不良AMLまたは小児AMLの
治療のためにNK細胞を投与するための当技術分野で公知の方法は、この目的のために適
応され得る、例えば、各々参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、(非特許文献
1);(非特許文献2)を参照のこと。ある特定の代替法では、前記個体は、AMLに対
する少なくとも1種の非ナチュラルキラー細胞治療薬が失敗しているAMLを有する。特
定の代替法では、前記個体は、65歳以上であり、最初の寛解中である。特定の代替法で
は、前記個体は、前記ナチュラルキラー細胞を投与する前に、フルダラビン、シタラビン
または両方を用いてコンディショニングされている。
【0131】
AMLを有する個体を治療する方法のその他の特定の代替法では、前記GM NK細胞
は、造血幹細胞または前駆体細胞、例えば、CD34+幹細胞または前駆体細胞を、幹細
胞動員剤およびトロンボポエチン(Tpo)を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞
の集団を産生することと、続いて、前記の第1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびイン
ターロイキン-15(IL-15)を含み、Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2
の細胞の集団を産生することと、続いて、前記の第2の細胞の集団を、IL-2および/
またはIL-15を含み、幹細胞動員剤および/またはLMWHを欠く第3の培地中で培
養して、第3の細胞の集団を産生することであって、第3の細胞の集団が、CD56+、
CD3-、CD16-またはCD16+およびCD94+またはCD94-であるナチュ
ラルキラー細胞を含み、ナチュラルキラー細胞の少なくとも70%または少なくとも80
%、85%、90%または95%が生存可能であることを含む方法によってNK細胞を産
生することを含む方法によって産生される。ある特定の代替法では、前記の第1の培地お
よび/または前記の第2の培地は、白血病阻害因子(LIF)および/またはマクロファ
ージ炎症性タンパク質-1アルファ(MIP-1α)を欠く。ある特定の代替法では、前
記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFMS様チロシンキナーゼ-3
リガンド(Flt-3L)を欠く。特定の代替法では、前記の第1の培地および前記の第
2の培地は、LIFおよび/またはMIP-1αを欠き、前記の第3の培地は、LIF、
MIP-1αおよび/またはFlt3Lを欠く。ある特定の代替法では、第1の培地、第
2の培地または第3の培地のいずれも、ヘパリン、例えば、低分子量ヘパリンを含まない
。
【0132】
別の代替法では、慢性リンパ性白血病(CLL)を有する個体を治療する方法であって
、個体に、(1)レナリドミド、(2)メルファラン、(3)フルダラビンおよび(4)
NK細胞、例えば、本明細書に記載されるGM NK細胞の治療上有効用量を投与するこ
とを含む方法が、本明細書において提供され、これでは、前記GM NK細胞は、前記個
体において前記CLLを治療する、または寛解させる、または阻害するのに有効である。
特定の代替法では、前記GM NK細胞は、臍帯血NK細胞または臍帯血造血幹細胞から
産生されたNK細胞に由来する。別の代替法では、前記GM NK細胞は、NK細胞を産
生するために本明細書に記載される3段階法によって産生されている。上記の方法のいず
れかの特定の代替法では、前記レナリドミド、メルファラン、フルダラビンおよびGM
NK細胞は、前記個体に別個に投与される。CLLを有する個体に療法を提供する方法の
ある特定の代替法では、前記GM NK細胞は、造血幹細胞または前駆体細胞、例えば、
CD34+幹細胞または前駆体細胞を、幹細胞動員剤およびトロンボポエチン(Tpo)
を含む第1の培地中で培養して、第1の細胞の集団を産生することと、続いて、前記の第
1の細胞の集団を、幹細胞動員剤およびインターロイキン-15(IL-15)を含み、
Tpoを欠く第2の培地中で培養して、第2の細胞の集団を産生することと、続いて、前
記の第2の細胞の集団を、IL-2および/またはIL-15を含み、幹細胞動員剤およ
びLMWHを欠く第3の培地中で培養して、第3の細胞の集団を産生することであって、
第3の細胞の集団が、CD56+、CD3-、CD16-またはCD16+およびCD9
4+またはCD94-であるナチュラルキラー細胞を含み、ナチュラルキラー細胞の少な
くとも70%または少なくとも80%、85%、90%または95%が生存可能であるこ
とを含む方法によってNK細胞を産生することを含む方法によって産生される。ある特定
の代替法では、前記の第1の培地および/または前記の第2の培地は、白血病阻害因子(
LIF)および/またはマクロファージ炎症性タンパク質-1アルファ(MIP-1α)
を欠く。ある特定の代替法では、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/ま
たはFMS様チロシンキナーゼ-3リガンド(Flt-3L)を欠く。特定の代替法では
、前記の第1の培地および前記の第2の培地は、LIFおよび/またはMIP-1αを欠
き、前記の第3の培地は、LIF、MIP-1αおよび/またはFlt3Lを欠く。ある
特定の代替法では、第1の培地、第2の培地または第3の培地のいずれも、ヘパリン、例
えば、低分子量ヘパリンを含まない。
【0133】
b.6.9.2腫瘍細胞増殖の抑制
腫瘍細胞の増殖を抑制する方法であって、本明細書に記載されるGM NK細胞を、腫
瘍細胞と近接させること、例えば、腫瘍細胞を、本明細書に記載されるGM NK細胞と
接触させることを含む方法が、本明細書においてさらに提供される。任意選択で、単離さ
れた胎盤灌流液または単離された胎盤灌流液細胞は、腫瘍細胞および/または本明細書に
記載されるGM NK細胞と近接される。別の特定の代替法では、免疫調節性化合物、例
えば、上記の免疫調節性化合物またはサリドマイドが、腫瘍細胞および/または本明細書
に記載されるGM NK細胞とさらに近接され、その結果、腫瘍細胞の増殖が、本明細書
に記載されるGM NK細胞と近接されない同種の腫瘍細胞と比較して検出可能に低減さ
れる。任意選択で、単離された胎盤灌流液または単離された胎盤灌流液細胞は、免疫調節
性化合物と接触されている、またはそれと近接されている、腫瘍細胞および/または本明
細書に記載されたGM NK細胞と近接される。
【0134】
本明細書において、ある特定の代替法では、細胞に関して、「接触させること」または
「近接させること」とは、1つの代替法において、ナチュラルキラー細胞、例えば、本明
細書に記載されるGM NK細胞集団と腫瘍細胞の間の直接の物理的な、例えば、細胞-
細胞接触を包含する。別の代替法では、「接触させること」は、同一物理的空間における
存在を包含する、例えば、ナチュラルキラー細胞、例えば、本明細書に記載されるGM
NK細胞および/または単離された組み合わされたナチュラルキラー細胞が、腫瘍細胞と
同一容器(例えば、培養ディッシュ、マルチウェルプレート)中に入れられる。別の代替
法では、ナチュラルキラー細胞、例えば、本明細書に記載されるGM NK細胞および腫
瘍細胞を「接触させること」は、例えば、ナチュラルキラー細胞、例えば、GM NK細
胞を、個体、例えば、腫瘍細胞を含むヒト、例えば、癌患者に注射または注入することに
よって達成される。免疫調節性化合物および/またはサリドマイドに関連して「接触させ
ること」とは、例えば、細胞と、免疫調節性化合物および/またはサリドマイドが、互い
に直接的に物理的に接触されること、または同一物理的容量(例えば、細胞培養容器また
は個体)内に入れられることを意味する。
【0135】
特定の代替法では、腫瘍細胞は、血液癌細胞、例えば、白血病細胞またはリンパ腫細胞
である。より特定の代替法では、癌は、急性白血病、例えば、急性T細胞白血病細胞、急
性骨髄性白血病(AML)細胞、急性前骨髄球性白血病細胞、急性骨髄芽球性白血病細胞
、急性巨核芽球性白血病細胞、前駆体B急性リンパ性白血病細胞、前駆体T急性リンパ性
白血病細胞、バーキット白血病(バーキットリンパ腫)細胞または急性混合型(biph
enotypic)白血病細胞、慢性白血病細胞、例えば、慢性骨髄性リンパ腫細胞、慢
性骨髄性白血病(CML)細胞、慢性単球性白血病細胞、慢性リンパ性白血病(CLL)
/小リンパ性リンパ腫細胞またはB細胞前リンパ性白血病細胞、ヘアリー細胞リンパ腫細
胞、T細胞前リンパ性白血病細胞またはリンパ腫細胞、例えば、組織球性リンパ腫細胞、
リンパ形質細胞性リンパ腫細胞(例えば、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症細
胞)、脾臓周辺帯リンパ腫細胞、形質細胞新生物細胞(例えば、形質細胞骨髄腫細胞、形
質細胞腫細胞、モノクローナル免疫グロブリン沈着症または重鎖病)、節外性辺縁帯B細
胞リンパ腫(MALTリンパ腫)細胞、節性辺縁帯B細胞リンパ腫(NMZL)細胞、濾
胞性リンパ腫細胞、マントル細胞リンパ腫細胞、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫細胞、
縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫細胞、血管内大細胞型B細胞リンパ腫細胞、原発性
滲出液リンパ腫細胞、T細胞大型顆粒リンパ性白血病細胞、侵攻性NK細胞白血病細胞、
成体T細胞白血病/リンパ腫細胞、節外性NK/T細胞リンパ腫-鼻腔型細胞、腸症型T
細胞リンパ腫細胞、肝脾T細胞リンパ腫細胞、芽細胞性NK細胞リンパ腫細胞、菌状息肉
症(セザリー症候群)、原発性皮膚CD30陽性T細胞リンパ増殖性障害(例えば、原発
性皮膚未分化大細胞リンパ腫またはリンパ腫様丘疹症)細胞、血管免疫芽細胞性T細胞リ
ンパ腫細胞、末梢T細胞リンパ腫-不特定細胞、未分化大細胞リンパ腫細胞、ホジキンリ
ンパ腫細胞または結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫細胞である。別の特定の代替法
では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞または骨髄異形成症候群細胞である。
【0136】
特定の代替法では、腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞、例えば、癌腫細胞、例えば、腺癌細胞
、副腎皮質癌腫細胞、結腸腺癌細胞、結腸直腸腺癌細胞、結腸直腸癌腫細胞、腺管細胞癌
腫細胞、肺癌腫細胞、甲状腺癌腫細胞、鼻咽頭癌腫細胞、黒色腫細胞(例えば、悪性黒色
腫細胞)、非黒色腫皮膚癌腫細胞または不特定癌腫細胞、類腱腫細胞、線維形成性小円形
細胞腫瘍細胞、内分泌腫瘍細胞、ユーイング肉腫細胞、生殖細胞腫瘍細胞(例えば、精巣
癌細胞、卵巣癌細胞、絨毛癌細胞、卵黄嚢腫瘍細胞、胚細胞腫細胞など)、肝芽腫(he
patosblastoma)細胞、肝細胞癌腫細胞、神経芽細胞腫細胞、非横紋筋肉腫
軟組織肉腫細胞、骨肉腫細胞、網膜芽細胞腫細胞、横紋筋肉腫細胞またはウィルムス腫瘍
細胞である。別の代替法では、腫瘍細胞は、膵臓癌細胞または乳癌細胞である。その他の
代替法では、固形腫瘍細胞は、聴神経腫瘍細胞、星状細胞腫細胞(例えば、グレードI毛
様細胞性星状細胞腫細胞、グレードII低悪性度星状細胞腫細胞、グレードIII未分化
星状細胞腫細胞またはグレードIV多形神経膠芽腫細胞)、脊索腫細胞、頭蓋咽頭腫細胞
、神経膠腫細胞(例えば、脳幹神経膠腫細胞、上衣腫細胞、混合膠腫細胞、視神経神経膠
腫細胞または上衣下腫細胞)、神経膠芽腫細胞、髄芽腫細胞、髄膜腫細胞、転移性脳腫瘍
細胞、乏突起神経膠腫細胞、松果体芽腫細胞、下垂体腫瘍細胞、原始神経外胚葉性腫瘍細
胞またはシュワン腫細胞である。別の代替法では、腫瘍細胞は、前立腺癌細胞である。
【0137】
本明細書において、「治療上有益な」および「治療的利益」として、それだけには限ら
ないが、例えば、腫瘍の大きさの低減、腫瘍の増殖の減少または停止、転移性疾患を低減
することまたは予防すること、単位容量あたりの組織サンプル、例えば、血液サンプル中
の癌細胞数の低減、前記個体が有する特定の癌または腫瘍の任意の症状における臨床的改
善、個体が有する特定の癌の任意の症状の悪化の減少または停止などが挙げられる。
【0138】
c.6.9.3.GM NK細胞およびその他の抗癌剤を使用する癌の治療
本明細書に記載されるGM NK細胞を使用して癌を有する個体に療法を提供すること
は、1種または複数のさらなる抗癌剤を含む抗癌療法レジメンの一部であり得る。さらに
またはあるいは、本明細書に記載されるGM NK細胞を使用して癌を有する個体に療法
を提供することを使用して、1種または複数のその他の抗癌剤を含む抗癌療法を補うこと
ができる。このような抗癌剤は、当技術分野で周知であり、抗炎症剤、免疫調節剤、細胞
傷害性薬剤、癌ワクチン、化学療法薬、HDAC阻害剤(例えば、HDAC6i(ACY
-241))およびsiRNAを含む。本明細書に記載されるGM NK細胞に加えて、
癌を有する個体、例えば、腫瘍細胞を有する個体に投与してもよい特定の抗癌剤として、
それだけには限らないが、アシビシン、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン
、アドゼレシン、アドリアマイシン、アドルシル、アルデスロイキン、アルトレタミン、
アンボマイシン、酢酸アメタントロン、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイ
シン、アスパラギナーゼ(例えば、エルウィニア・クリサン(Erwinia chry
san)由来;エルウィナーゼ(Erwinaze))、アスペルリン、アバスチン(ベ
バシズマブ)、アザシチジン、アゼテパ、アゾトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ
、ビカルタミド、塩酸ビサントレン、ビスナフィドジメシレート(bisnafide
dimesylate)、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ブレキナルナトリウム、ブ
ロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド、カルベチマ
ー、カルボプラチン、カルムスチン、塩酸カルビシン、カルゼレシン、セデフィンゴール
、セレコキシブ(COX-2阻害剤)、セルビジン、クロラムブシル、シロレマイシン、
シスプラチン、クラドリビン、メシル酸クリスナトール、シクロホスファミド、シタラビ
ン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、塩酸ダウノルビシン、デシタビン、デキソルマプ
ラチン、デザグアニン、メシル酸デザグアニン、ジアジクオン、ドセタキセル、ドキソル
ビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオ
ン酸ドロモスタノロン、ズアゾマイシン、エダトレキサート、塩酸エフロミチン、エルサ
ミトルシン、エルスパー(Elspar)、エンロプラチン、エンプロメート、エピプロ
ピジン、塩酸エピルビシン、エルブロゾール、塩酸エソルビシン、エストラムスチン、リ
ン酸エストラムスチンナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エ
トポフォス(Etopophos)、エトプリン、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、
フェンレチニド、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、フルオロウラシル、フルロシ
タビン、ホスキドンフォストリエシンナトリウム、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、ヒ
ドロキシ尿素、イダマイシン、塩酸イダルビシン、イホスファミド、イルモホシン、イプ
ロプラチン、イリノテカン、塩酸イリノテカン、酢酸ランレオチド、レトロゾール、酢酸
リュープロリド、塩酸リアロゾール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、塩酸ロ
ソキサントロン、マソプロコール、マイタンシン、塩酸メクロレタミン、酢酸メゲストロ
ール、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカププリン、メトトレ
キサート、メトトレキサートナトリウム、メトプリン、メツレデパ、ミチンドミド、マイ
トカルシン、マイトクロミン、マイトギリン、マイトマルシン、マイトマイシン、マイト
スペル、ミトタン、塩酸ミトキサントロン、ミコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマ
イシン、オルマプラチン、オキシスラン、パクリタキセル、ペグアスパルガーゼ、ペリオ
マイシン、ペンタムスチン、硫酸ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピポブロマン、ピ
ポスルファン、塩酸ピロキサントロン、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナ
トリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、塩酸プロカルバジン、プロロイキン
(Proleukin)、プリネトール(Purinethol)、ピューロマイシン、
塩酸ピューロマイシン、ピラゾフリン、レウマトレックス、リボプリン、サフィンゴール
、塩酸サフィンゴール、セムスチン、シムトラゼン、スパルホセートナトリウム、スパル
ソマイシン、塩酸スピロゲルマニウム、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニ
グリン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、タブロイド(Tabloid)、タリソマイ
シン、テコガランナトリウム、タキソテール、テガフール、塩酸テロキサントロン、テモ
ポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン
、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、トポサル(Toposar)、クエン酸トレ
ミフェン、酢酸トレストロン、トレキサル(Trexall)、リン酸トリシリビン、ト
リメトレキサート、グルクロン酸トリメトレキサート、トリプトレリン、塩酸ツブロゾー
ル、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラス
チン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビング
リシネート、硫酸ビンロイロシン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン、硫酸ビンゾ
リジン、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチンおよび/または塩酸ゾルビシンが挙げ
られる。
【0139】
GM NK細胞が絡むいくつかの考慮される方法において提供してもよいさらなる抗癌
薬として、それだけには限らないが、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3、
5-アザシチジン、5-エチニルウラシル、アビラテロン、アクラルビシン、アシルフル
ベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL-TKアンタゴニスト
、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドックス、アミホスチン、アミノレブリン酸、
アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラフォリド
、脈管形成阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリクス、抗背方化形
態形成タンパク質-1、抗アンドロゲン、前立腺癌腫、抗エストロゲン剤、アンチネオプ
ラストン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィジコリングリシネート、アポトーシ
ス遺伝子モジュレーター、アポトーシスレギュレーター、アプリン酸、ara-CDP-
DL-PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチ
ン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザセトロン、ア
ザトキシン、アザチロシン、バッカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、B
CR/ABLアンタゴニスト、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン、ベータラ
クタム誘導体、ベータ-アレチン、ベタクラマイシンB、ベツリン酸、bFGF阻害剤、
ビカルタミド、ビサントレン、ビスアジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビストラテ
ンA、ビゼレシン、ブレフレート、ブロピリミン、ブドチタン、ブチオニンスルホキシミ
ン、カルシポトリオール、カルスチンC、カンプトサール(カンプトとも呼ばれる、イリ
ノテカン)カンプトテシン誘導体、カペシタビン、カルボキサミド-アミノ-トリアゾー
ル、カルボキシアミドトリアゾール、CaRest M3、CARN 700、軟骨由来
阻害剤、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS)、カスタノスペルミン、C
C-122、CC-220、CC-486、セクロピンB、セトロレリクス、クロリン(
chlorln)、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シス-ポルフィ
リン、クラドリビン、クロミフェン類似体、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリ
スマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチン類似体、コナゲニン、クラ
ムベスシジン816、クリスナトール、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体
、クラシンA、シクロペンタントラキノン、シクロプラタム、シペマイシン、シタラビン
億ホスフェート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダクリキシマブ、デシタビン、デヒド
ロジデンミンB、デスロレリン、デキサメタゾン、デキシホスファミド、デクスラゾキサ
ン、デクスベラパミル、ジアジクオン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペル
ミン、ジヒドロ-5-アザシチジン、ジヒドロタキソール、9-;ジオキサマイシン、ジ
フェニルスピロムスチン、ドセタキセル、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジ
ン、ドキソルビシン、ドロロキシフェン、ドロナビノール、デュオカルマイシンSA、エ
ブセレン、エコムスチン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロールニチン、エレメン
、エミテフール、エピルビシン、エプリステリド、エストラムスチン類似体、エストロゲ
ンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール、リン酸エトポシド、エキ
セメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィ
ナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フルアステロン、フルダラビン(例え
ば、フルダラ)、塩酸フルオロダウノルニシン、フォルフェニメックス、フォルメスタン
、フォストリエシン、ホテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロ
シタビン、ガニレリクス、ゼラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘ
プスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ヒペリシン、イバンドロ
ン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イルモホシン、イロマスタット
、イマチニブ(例えば、グリベック(登録商標))、イミキモド、免疫賦活薬ペプチド、
インスリン様成長因子-1受容体阻害剤、インターフェロンアゴニスト、インターフェロ
ン、インターロイキン、イオベングアン、ヨードドキソルビシン、イポメアノール、4-
;イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガゾール、イソホモハリコンドリンB、イタ
セトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン-Nトリアセテート、ランレ
オチド、レイナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レプトルスタチン、レトロ
ゾール、白血病阻害因子、白血球アルファインターフェロン、リュープロリド+エストロ
ゲン+プロゲステロン、リュープロレリン、レバミソール、リアロゾール、直鎖ポリアミ
ン類似体、親油性二糖ペプチド、親油性白金化合物、リッソクリナミド7、ロバプラチン
、ロンブリシン、ロメトレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン、ロキソリビン、ル
ルトテカン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解性ペプチド、マイタンシン
、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリライシン阻害
剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メノガリル、メルバロン、メテレリン、
メチオニナーゼ、メトクロプラミド、MIF阻害剤、ミフェプリストン、ミルテホシン、
ミリモスチム、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン類似体、ミトナフィド、
マイトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン、ミトキサントロン、モファロテン、モル
グラモスチム、抗EGFR抗体(例えば、アービタックス(セツキシマブ))、抗CD1
9抗体、抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)、抗CS-1抗体(例えば、エロツズ
マブ(BMS/AbbVie))、抗CD38抗体(例えば、ダラツムマブ(Genma
b/Janssen Biotech)、抗CD138抗体(例えば、インダツキシマブ
(indatuximab)(Biotest AG Dreieich))、抗PD-
1抗体、抗PD-L1抗体(例えば、デュルバルマブ(AstraZeneca))、抗
NKG2A抗体(例えば、モナリズマブ(monalizumab)(IPH2201;
Immate Pharma))、抗DLL4抗体(例えば、デミシズマブ(Oncom
ed/Celgene))、抗DLL4および抗VEGF二重特異性抗体、抗RSPO3
抗体、抗TIGIT抗体、ICOSアゴニスト抗体、抗ジシアロガングリオシド(GD2
)抗体(例えば、モノクローナル抗体3F8またはch14.18),抗ErbB2抗体
(例えば、ヘルセプチン)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、モノホスホリル脂質A+ミオバ
クテリウム細胞壁sk、モピダモール、マスタード抗癌剤、ミカペルオキシドB、マイコ
バクテリア細胞壁抽出物、ミリアポロン、N-アセチルジナリン、N-置換ベンズアミド
、ナファレリン、ナグレスチップ、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン
、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネモルビシン、ネリドロン酸、ニルタミド、ニサマ
イシン、一酸化窒素モジュレーター、窒素酸化物酸化防止剤、ニトルリン、オブリメルセ
ン(GENASENSE(登録商標))、O6-ベンジルグアニン、オクトレオチド、オ
キセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オンダンセトロン
、オラシン、経口サイトカインインデューサー、オルマプラチン、オサテロン、オキサリ
プラチン(例えば、フロキサチン(Floxatin))、オキサウノマイシン、パクリ
タキセル、パクリタキセル類似体、パクリタキセル誘導体、パラウアミン、パルミトイル
リゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリ
プチン、ペグアスパルガーゼ、ペルデシン、ペントサンポリスルフェートナトリウム、ペ
ントスタチン、ペントロゾール、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコー
ル、フェナジノマイシン、酢酸フェニル、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニール、塩酸ピ
ロカルピン、ピラルビシン、ピリトレキシム、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノ
ゲンアクチベーター阻害剤、白金複合体、白金加賀応物、白金-トリアミン複合体、ポル
フィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プロピルビス-アクリドン、
プロスタグランジンJ2、プロテアソーム阻害剤、プロテインAベースの免疫モジュレー
ター、タンパク質キナーゼC阻害剤、タンパク質キナーゼC阻害剤、微細藻類、タンパク
質チロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、プルプリ
ン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲー
ト、rafアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、rasファルネシルタン
パク質トランスフェラーゼ阻害剤、ras阻害剤、ras-GAP阻害剤、脱メチル化レ
テリプチン、レニウムRe 186エチドロネート、リゾキシン、リボザイム、RIIレ
チナミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキニメックス、ルビギノンB1、ルボキシル、サ
フィンゴール、サイントピン、SarCNU、サルコフィトールA、サルグラモスチム、
Sdi 1ミメティクス、セムスチン、老化由来阻害剤1、センスオリゴヌクレオチド、
シグナル伝達阻害剤、シゾフィラン、ソブゾキサン、ナトリウムボロカプテート、酢酸フ
ェニルナトリウム、ソルベロール、ソマトメジン結合タンパク質、ソネルミン、スパルフ
ォシン酸、スピカマイシンD、スピロムスチン、スプレノペンチン、スポンジスタチン1
、スクアラミン、スチピアミド、ストロメライシン阻害剤、スルフィノシン、超活性血管
作用性小腸ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ、スラミン、スウェインソニン、タリム
スチン、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウ
ム、テガフール、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、テモポルフィン、テニポシド
、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、タリブラスチン、チオコラリン、トロンボ
ポエチン、トロンボポエチンミメティック、チマルファシン、サイモポエチン受容体アゴ
ニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、;エチルエチオプルプリンスズ、チラパザ
ミン、二塩化チタノセン、トプセンチン、トレミフェン、翻訳阻害剤、トレチノイン、ト
リアセチルウリジン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセト
ロン、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チルホスチン、UBC阻害剤、ウベニメ
クス、尿生殖洞由来成長阻害因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バプレオチド、
バリオリンB、ベクティビックス(パニツムマブ)ベラレゾール、ベラミン、ベルジン、
ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビンキサルチン、ビタキシン、ボロゾール、ウェルコ
ボリン(Welcovorin)(ロイコボリン)、ゼローダ(カペシタビン)、ザノテ
ロン、ゼニプラチン、ジラスコルブおよび/またはジノスタチンスチマラマーが挙げられ
る。
【0140】
本明細書に記載されるGM NK細胞を使用する癌を有する個体に提供される療法は、
1種または複数の免疫チェックポイントモジュレーターを含む抗癌療法レジメンの一部で
あり得る。ある特定の代替法では、免疫チックポイントモジュレーターは、CD28、O
X40、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体関連タンパク質(GITR)、C
D137(4-1BB)、CD27、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)
、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有-3(TIM-3)、リンパ球活性化
遺伝子3(LAG-3)、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原-4(CTLA-4)、T細胞
活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサー(VISTA)、BおよびTリンパ球ア
テニュエーター(BTLA)、PD-1および/またはPD-L1などの免疫チェックポ
イント分子を調節する。ある特定の代替法では、免疫チェックポイント分子は、抗体また
はその抗原結合断片である。ある特定の代替法では、免疫チェックポイントモジュレータ
ーは、免疫チェックポイント分子のアゴニストである。ある特定の代替法では、免疫チェ
ックポイント分子は、CD28、OX40、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容
体関連タンパク質(GITR)、CD137(4-1BB)、CD27、ICOS(CD
278)、誘導可能T細胞共刺激分子)および/またはヘルペスウイルス侵入メディエー
ター(HVEM)である。ある特定の代替法では、免疫チェックポイントモジュレーター
は、抗体またはその抗原結合断片である。ある特定の代替法では、免疫チェックポイント
モジュレーターは、免疫チェックポイント分子のアンタゴニストである。ある特定の代替
法では、免疫チェックポイント分子は、T細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有
-3(TIM-3)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)、細胞傷害性Tリンパ球関
連抗原-4(CTLA-4)、T細胞活性化のVドメイン免疫グロブリンサプレッサー(
VISTA)、BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)、PD-1および/ま
たはPD-L1である。ある特定の代替法では、免疫チェックポイントモジュレーターは
、抗体またはその抗原結合断片である。ある特定の代替法では、免疫チェックポイントモ
ジュレーターは、抗体またはその抗原結合断片である。ある特定の代替法では、抗体また
はその抗原結合断片は、PD-1と結合する。ある特定の代替法では、PD-1と結合す
る抗体またはその抗原結合断片は、ニボルマブ(オプジーボ(登録商標)、BMS-93
6558、MDX-1106、ONO-4538;Bristol-Myers Squ
ibb、Ono Pharmaceuticals、Inc.)、ペムブロリズマブ(キ
イトルーダ(登録商標)、ランブロリズマブ、MK-3475;Merck)、ピディリ
ズマブ(CT-011;Curetech、Medivation)、MEDI0680
(AMP-514;Medlmmune、AstraZeneca)、PDR-001(
Novartis)、SHR1210またはINCSHR1210;Incyte、Ji
angsu Hengrui)である。ある特定の代替法では、抗体またはその抗原結合
断片は、PD-L1と結合する。ある特定の代替法では、PD-L1と結合する抗体また
はその抗原結合断片は、デュルバルマブ(MEDI4736;Medlmmune、As
traZeneca)、BMS-936559(MDX-1105;Bristol-M
yers Squibb)、アベルマブ(MSB0010718C;Merck Ser
ono、Pfizer)またはアテゾリズマブ(MPDL-3280A;Genente
ch、Roche)である。ある特定の代替法では、抗体またはその抗原結合断片は、L
AG-3と結合する。ある特定の代替法では、LAG-3と結合する抗体またはその抗原
結合断片は、BMS-986016(Bristol-Myers Squibb)、G
SK2831781(GlaxoSmithKline)またはLAG525(Nova
rtis)である。ある特定の代替法では、抗体またはその抗原結合断片は、CTLA-
4と結合する。ある特定の代替法では、CTLA-4と結合する抗体またはその抗原結合
断片は、イピリムマブ(YERVOY(商標)、BMS-734016、MDX010、
MDX-101;Bristol-Myers Squibb)またはトレメリムマブ(
CP-675,206;MedImmune、AstraZeneca)である。ある特
定の代替法では、抗体またはその抗原結合断片は、OX40と結合する。ある特定の代替
法では、OX40と結合する抗体またはその抗原結合断片は、MEDI6469(Med
Immune、AstraZeneca)、MEDI0562(MedImmune、A
straZeneca)またはKHK4083(Kyowa Hakko Kirin)
である。ある特定の代替法では、抗体またはその抗原結合断片は、GITRと結合する。
ある特定の代替法では、GITRと結合する抗体またはその抗原結合断片は、TRX51
8(Leap Therapeutics)またはMEDI1873(MedImmun
e、AstraZeneca)である。ある特定の代替法では、抗体またはその抗原結合
断片は、CD137(4-1BB)と結合する。ある特定の代替法では、CD137(4
-1BB)と結合する抗体またはその抗原結合断片は、PF-2566(PF-0508
2566;Pfizer)またはウレルマブ(BMS-663513;Bristol-
Myers Squibb)である。ある特定の代替法では、抗体またはその抗原結合断
片は、CD27と結合する。ある特定の代替法では、CD27と結合する抗体またはその
抗原結合断片は、バリルマブ(varilumab)(CDX-1127;Cellde
x Therapies)である。
【0141】
ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞を使用する、癌を有する
個体のための療法は、レナリドミドまたはポマリドミドを含む抗癌療法レジメンの一部で
ある。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞を使用する、癌を有
する個体のための療法は、HDAC阻害剤を含む抗癌療法レジメンの一部である。ある特
定の代替法では、本明細書に記載されるGM NKを使用する、癌を有する個体のための
療法は、抗CS-1抗体を含む抗癌療法レジメンの一部である。ある特定の代替法では、
本明細書に記載されるGM NK細胞を使用する、癌を有する個体のための療法は、抗C
D38抗体を含む抗癌療法レジメンの一部である。ある特定の代替法では、本明細書に記
載されるGM NK細胞を使用する、癌を有する個体のための療法は、抗CD138抗体
を含む抗癌療法レジメンの一部である。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるG
M NK細胞を使用する、癌を有する個体のための療法は、抗PD-1抗体を含む抗癌療
法レジメンの一部である。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NKを使
用する、癌を有する個体のための療法は、抗PD-L1抗体を含む抗癌療法レジメンの一
部である。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞を使用する、癌
を有する個体のための療法は、抗NKG2A抗体を含む抗癌療法レジメンの一部である。
ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞を使用する、癌を有する個
体のための療法は、抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ、リツキサン(登録商標))
を含む抗癌療法レジメンの一部である。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるG
M NK細胞を使用する、癌を有する個体のための療法は、CC-122を含む抗癌療法
レジメンの一部である。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞を
使用する、癌を有する個体のための療法は、CC-220を含む抗癌療法レジメンの一部
である。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞を使用する、癌を
有する個体のための療法は、抗DLL4抗体(例えば、デミシズマブ)を含む抗癌療法レ
ジメンの一部である。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞を使
用する、癌を有する個体のための療法は、抗DLL4および抗VEGF二重特異性抗体を
含む抗癌療法レジメンの一部である。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM
NK細胞を使用する、癌を有する個体のための療法は、抗RSPO3抗体を含む抗癌療
法レジメンの一部である。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞
を使用する、癌を有する個体のための療法は、抗TIGIT抗体を含む抗癌療法レジメン
の一部である。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞を使用する
、癌を有する個体のための療法は、ICOSアゴニスト抗体を含む抗癌療法レジメンの一
部である。
【0142】
いくつかの代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞を使用する、癌を有する
個体のための療法は、抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)のための抗癌療法レジ
メンの一部である。1つの代替法では、ADCCレジメンは、本明細書に記載されるGM
NK細胞と組み合わせた1種または複数の抗体(例えば、前記の段落に記載される抗体
)の投与を含む。それだけには限らないが、急性リンパ性白血病(ALL)またはその他
のB細胞悪性腫瘍(リンパ腫および 白血病)、神経芽細胞腫、黒色腫、乳癌および頭頸
部癌を含むいくつかの種類の癌は、このようなADCC法を使用して阻害または治療する
ことができる。特定の代替法では、ADCC療法は、本明細書に記載されるGM NK細
胞と組み合わせた、以下の抗体抗EGFR抗体(例えば、アービタックス(セツキシマブ
))、抗CD19抗体、抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)、抗ジシアロガングリ
オシド(GD2)抗体(例えば、モノクローナル抗体3F8またはch14.18)また
は抗ErbB2抗体(例えば、ヘルセプチン)のうち1種または複数の投与を含む。1つ
の代替法では、ADCCレジメンは、本明細書に記載されるGM NK細胞と組み合わせ
た、抗CD33 抗体の投与を含む。1つの代替法では、ADCCレジメンは、本明細書
に記載されるGM NK細胞と組み合わせた、抗CD20抗体の投与を含む。1つの代替
法では、ADCCレジメンは、本明細書に記載されるGM NK細胞と組み合わせた、抗
CD138抗体の投与を含む。1つの代替法では、ADCCレジメンは、本明細書に記載
されるGM NK細胞と組み合わせた、抗CD32抗体の投与を含む。
【0143】
d. 6.9.4.ウイルス感染の治療
別の代替法では、ウイルス感染を有する個体の療法を提供する方法であって、前記個体
に、治療上有効な量の、本明細書に記載されるGM NK細胞を投与することを含む方法
が、本明細書において提供される。ある特定の代替法では、個体は、ナチュラルキラー細
胞の欠乏、例えば、NK細胞または個体のウイルス感染に対して活性なその他の自然リン
パ系細胞の欠乏を有する。ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞
は、前記投与に先立って、免疫調節性化合物、例えば、上記の免疫調節性化合物またはサ
リドマイドと接触される、または近接される。ある特定の他の特定の代替法では、前記の
投与することは、前記の本明細書に記載されるGM NK細胞に加えて、前記個体に、免
疫調節性化合物、例えば、上記の免疫調節性化合物またはサリドマイドを投与することを
含み、ここで、前記量は、前記ウイルス感染の1つまたは複数の症状の、検出可能な改善
、進行の減少、排除をもたらす量である。特定の代替法では、ウイルス感染は、アデノウ
イルス科(Adenoviridae)、ピコルナウイルス科(Picornaviri
dae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、ヘパドナウイルス科(
Hepadnaviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae)、レ
トロウイルス科(Retroviridae)、オルトミクソウイルス科(Orthom
yxoviridae)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、
パピローマウイルス科(Papilommaviridae)、ラブドウイルス科(Rh
abdoviridae)またはトガウイルス科(Togaviridae)のウイルス
による感染である。より特定の代替法では、前記ウイルスは、ヒト免疫不全ウイルス(H
IV)、コクサッキーウイルス、A型肝炎ウイルス(HAV)、ポリオウイルス、エプス
タイン-バーウイルス(EBV)、単純ヘルペス1型(HSV1)、単純ヘルペス2型(
HSV2)、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)、ヒトヘルペスウイルス8型(HHV
8)、帯状疱疹(herpes zoster)ウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス(VZ
V)または帯状疱疹(shingles)ウイルス)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C
型肝炎ウイルス(HCV)、D型肝炎ウイルス(HDV)、E型肝炎ウイルス(HEV)
、インフルエンザウイルス(例えば、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイ
ルス、インフルエンザCウイルスまたはトゴトウイルス)、麻疹ウイルス、ムンプスウイ
ルス、パラインフルエンザウイルス、パピローマウイルス、狂犬病ウイルスまたは風疹ウ
イルスである。
【0144】
その他のより特定の代替法では、前記ウイルスは、アデノウイルス種A、血清型12、
18または31;アデノウイルス種B、血清型3、7、11、14、16、34、35ま
たは50;アデノウイルス種C、血清型1、2、5または6;種D、血清型8、9、10
、13、15、17、19、20、22、23、24、25、26、27、28、29、
30、32、33、36、37、38、39、42、43、44、45、46、47、4
8、49または51;種E、血清型4;または種F、血清型40または41である。
【0145】
ある特定のその他のより特定の代替法では、ウイルスは、アポイウイルス(APOIV
)、アロアウイルス(AROAV)、バガザ(bagaza)ウイルス(BAGV)、ベ
ンジ(Banzi)ウイルス(BANV)、ブブイ(Bouboui)ウイルス(BOU
V)、カシパコア(Cacipacore)ウイルス(CPCV)、カレー島(Care
y Island)ウイルス(CIV)、カウボーンリッジ(Cowbone Ridg
e)ウイルス(CRV)、デングウイルス(DENV)、エッジヒル(Edge Hil
l)ウイルス(EHV)、ガシェッツガリー(Gadgets Gully)ウイルス(
GGYV)、イルへウス(Ilheus)ウイルス(ILHV)、イスラエルシチメンチ
ョウ髄膜脳脊髄炎ウイルス(ITV)、日本脳炎ウイルス(JEV)、ジュグラ(Jug
ra)ウイルス(JUGV)、ジュチアパ(Jutiapa)ウイルス(JUTV)、カ
ダム(kadam)ウイルス(KADV)、ケドゥグ(Kedougou)ウイルス(K
EDV)、ココベラウイルス(KOKV)、コウタンゴ(Koutango)ウイルス(
KOUV)、キャサヌール森林病ウイルス(KFDV)、ランガットウイルス(LGTV
)、メアバン(Meaban)ウイルス(MEAV)、モドック(Modoc)ウイルス
(MODV)、モンタナミオチス白質脳炎(Montana myotis leuko
encephalitis)ウイルス(MMLV)、マレー渓谷脳炎ウイルス(MVEV
)、ンタヤ(Ntaya)ウイルス(NTAV)、オムスク出血熱ウイルス(OHFV)
、ポワッサンウイルス(POWV)、リオブラボーウイルス(RBV)、ロイヤルファー
ム(Royal Farm)ウイルス(RFV)、サボヤ(Saboya)ウイルス(S
ABV)、セントルイス脳炎ウイルス(SLEV)、サルビエジャ(Sal Vieja
)ウイルス(SVV)、サンペルリタ(San Perlita)ウイルス(SPV)、
ソーマレズリーフ(Saumarez Reef)ウイルス(SREV)、セピック(S
epik)ウイルス(SEPV)、テンブス(Tembusu)ウイルス(TMUV)、
ダニ媒介脳炎ウイルス(TBEV)、チュレーニー(Tyuleniy)ウイルス(TY
UV)、ウガンダ(Uganda)Sウイルス(UGSV)、ウスツ(Usutu)ウイ
ルス(USUV)、ヴェッセルスブロン(Wesselsbron)ウイルス(WESS
V)、ウエストナイルウイルス(WNV)、ヤウンデ(Yaounde)ウイルス(YA
OV)、黄熱病ウイルス(YFV)、ヨコセ(Yokose)ウイルス(YOKV)また
はジカウイルス(ZIKV)である。
【0146】
その他の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞を、1種または複数のその
他の抗ウイルス剤を含む抗ウイルス療法レジメンの一部としてウイルス感染を有する個体
に投与する。いくつかの代替法では、個体は、遺伝子改変されたNK細胞、抗ウイルス剤
を受けるように選択されている。ウイルス感染を有する個体に投与してもよい具体的な抗
ウイルス剤として、それだけには限らないが、イミキモド、ポドフィロックス、ポドフィ
リン、インターフェロンアルファ(IFNα)、レチコロス(reticolos)、ノ
ノキシノール-9、アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル
、シドホビル、アマンタジン、リマンタジン、リバビリン、ザナマビル(zanamav
ir)およびオセルタマビル(oseltaumavir);インジナビル、ネルフィナ
ビル、リトナビルまたはサキナビルなどのプロテアーゼ阻害剤;ジダノシン、ラミブジン
、スタブジン、ザルシタビンまたはジドブジンなどのヌクレオシド逆転写酵素阻害剤;お
よびネビラピンまたはエファビレンツなどの非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤が挙げられ
る。
【0147】
e.6.9.5.投与
単離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、全身である場合も局
所である場合もある。特定の代替法では、投与は、非経口である。特定の代替法では、対
象への単離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、注射、注入、静
脈内(IV)投与、大腿内投与または腫瘍内投与による。特定の代替法では、対象への単
離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、デバイス、マトリックス
またはスキャフォールドを用いて実施される。特定の代替法では、対象への単離されたG
M NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、注射による。特定の代替法では、対
象への単離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、カテーテルによ
る。特定の代替法では、GM NK細胞の注射は、局所注射である。より特定の代替法で
は、局所注射は、固形腫瘍(例えば、肉腫)へ直接的である。特定の代替法では、対象へ
の単離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、シリンジによる注射
による。特定の代替法では、対象への単離されたGM NK細胞の集団またはその医薬組
成物の投与は、ガイドされた送達による。特定の代替法では、注射による対象への単離さ
れたGM NK細胞の集団またはその医薬組成物の投与は、腹腔鏡検査、内視鏡、超音波
、コンピューター断層撮影法、磁気共鳴または放射線医学によって補助される。
【0148】
i.6.9.5.1.細胞の投与
ある特定の代替法では、本明細書に記載されるGM NK細胞は、ウイルス感染、癌ま
たは腫瘍細胞を有する個体、例えば、腫瘍細胞、固形腫瘍または血液癌を有する個体、例
えば、癌患者に検出可能な治療上の利益をもたらす任意の量または数、例えば、有効量で
使用される、例えば、個体に投与される。このような細胞は、細胞の絶対数によって個体
に投与することができる、例えば、前記個体に、少なくともまたは多くて1×105、5
×105、1×106、5×106、1×107、5×107、1×108、5×108
、1×109、5×109、1×1010、5×1010または1×1011個の本明細
書に記載されるGM NK細胞または上記の値の任意の2つによって規定される範囲の間
の任意の数の細胞を投与することができる。その他の代替法では、本明細書に記載される
GM NK細胞を、細胞の相対数によってこのような個体に投与することができる、例え
ば、前記個体に、少なくともまたは多くて、個体の1キログラムあたり1×105、5×
105、1×106、5×106、1×107、5×107、1×108、5×108、
1×109、5×109、1×1010、5×1010または1×1011個の本明細書
に記載されるGM NK細胞または上記の値の任意の2つによって規定される範囲の間の
個体の1キログラムあたりの任意の細胞数を投与することができる。その他の代替法では
、本明細書に記載されるGM NK細胞を、細胞の相対数によって、このような個体に投
与することができる、例えば、前記個体に、少なくともまたは多くて、個体の1キログラ
ムあたり1×105、5×105、1×106、5×106、1×107、5×107、
1×108または5×108個の本明細書に記載されるGM NK細胞または上記の値の
任意の2つによって規定される範囲の間の個体の1キログラムあたりの任意の細胞数を投
与することができる。本明細書に記載されるGM NK細胞を、GM NK細胞数と前記
個体における腫瘍細胞数(例えば、推定数)の間の適当な比に従ってこのような個体に投
与することができる。例えば、本明細書に記載されるGM NK細胞を、個体における腫
瘍細胞数に対する、少なくともまたは多くて1:1、1:1、3:1、4:1、5:1、
6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1
、35:1、40:1、45:1、50:1、55:1、60:1、65:1、70:1
、75:1、80:1、85:1、90:1、95:1または100:1の比または上記
の比のいずれか2つによって規定される範囲の間にある、個体における腫瘍細胞数に対す
るGM NK細胞の比で投与することができる。このような個体における腫瘍細胞数は、
例えば、個体から得た組織のサンプル、例えば、血液サンプル、生検などにおける腫瘍細
胞数をカウントすることによって推定することができる。特定の代替法では、例えば、固
形腫瘍について、前記カウントは、腫瘍(単数または複数)のイメージングと組み合わせ
て実施されて、およその腫瘍容量が得られる。特定の代替法では、免疫調節性化合物また
はサリドマイド、例えば、本明細書に記載されるGM NK細胞に加えて、有効量の免疫
調節性化合物またはサリドマイドを、個体に投与する。
【0149】
ある特定の代替法では、例えば、個体において腫瘍細胞の増殖を抑制する方法、個体の
ナチュラルキラー細胞の欠乏を有する個体の療法または療法またはウイルス感染を有する
個体のための療法または癌を有する個体、例えば、腫瘍細胞、血液癌もしくは固形腫瘍を
有する個体の療法は、腫瘍細胞を、GM NK細胞ならびに1種または複数の胎盤灌流液
および/または胎盤灌流液細胞の組合せと近接させること、または前記個体に、それを投
与することを含む。特定の代替法では、方法は、腫瘍細胞を、免疫調節性化合物またはサ
リドマイドと近接させること、または個体にそれを投与することをさらに含む。
【0150】
特定の代替法では、例えば、個体のナチュラルキラー細胞の欠乏(例えば、NK細胞数
の、またはNK細胞の癌、腫瘍もしくはウイルス感染した細胞に対する反応性の欠乏)を
有する個体の療法または癌もしくはウイルス感染を有する個体の療法または腫瘍細胞増殖
の抑制は、前記腫瘍細胞を、単離された胎盤灌流液細胞または胎盤灌流液が補給された本
明細書に記載されるGM NK細胞と近接させること、または前記個体にそれを投与する
ことを含む。特定の代替法では、1ミリリットルあたり1×104、5×104、1×1
05、5×105、1×106、5×106、1×107、5×107、1×108、5
×108個もしくはそれより多いNK細胞が本明細書に記載される方法を使用して産生さ
れ、もしくは上記の値の任意の2つによって規定される範囲の間の、ミリリットルあたり
の任意の細胞数が産生されるか、または1×104、5×104、1×105、5×10
5、1×106、5×106、1×107、5×107、1×108、5×108、1×
109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011個もしくはそれより多
いGM NK細胞もしくは上記の値の任意の2つによって規定される範囲の間のGM N
K細胞の任意の数が、本明細書に記載される方法を使用して産生され、少なくとも、1ミ
リリットルあたり1×104、5×104、1×105、5×105、1×106、5×
106、1×107、5×107、1×108、5×108個もしくはそれより多い単離
された胎盤灌流液細胞もしくは1×104、5×104、1×105、5×105、1×
106、5×106、1×107、5×107、1×108、5×108、1×109、
5×109、1×1010、5×1010、1×1011個もしくはそれより多い単離さ
れた胎盤灌流液細胞を用いて補給される。その他のより特定の代替法では、約1×104
、5×104、1×105、5×105、1×106、5×106、1×107、5×1
07、1×108、5×108個もしくはそれより多いGM NK細胞もしくは上記の値
の任意の2つによって規定される範囲の間のGM NK細胞の任意の数が、本明細書に記
載される方法を使用して産生され、または1×104、5×104、1×105、5×1
05、1×106、5×106、1×107、5×107、1×108、5×108、1
×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011個もしくはそれより
多いGM NK細胞もしくは上記の値の任意の2つによって規定される範囲の間のGM
NK細胞の任意の数が、本明細書に記載される方法を使用して産生され、少なくとも、1
、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45
、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、2
00、250、300、350、400、450、500、550、600、650、7
00、750、800、850、900、950もしくは1000mLの灌流液、または
1単位の灌流液を用いて補給される。
【0151】
別の特定の代替法では、個体のナチュラルキラー細胞の欠乏を有する個体の療法、癌療
法を有する個体の、ウイルス感染を有する個体の療法または腫瘍細胞増殖の抑制は、腫瘍
細胞を本明細書に記載されるGM NK細胞と近接させることまたは個体にそれを投与す
ることを含み、これでは、前記細胞は、接着性胎盤細胞、例えば、接着性胎盤幹細胞また
は複能性細胞、例えば、CD34-、CD10+、CD105+、CD200+組織培養
プラスチック接着性胎盤細胞が補給される。特定の代替法では、本明細書に記載されるG
M NK細胞は、1ミリリットルあたり1×104、5×104、1×105、5×10
5、1×106、5×106、1×107、5×107、1×108、5×108個もし
くはそれより多い接着性胎盤幹細胞もしくは上記の値の任意の2つによって規定される範
囲の間の、1ミリリットルあたりの接着性胎盤幹細胞の任意の数、または1×104、5
×104、1×105、5×105、1×106、5×106、1×107、5×107
、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1
×1011個もしくはそれより多い接着性胎盤細胞もしくは上記の値の任意の2つによっ
て規定される範囲の間の、1ミリリットルあたりの接着性胎盤幹細胞の任意の数、例えば
、接着性胎盤幹細胞もしくは複能性細胞が補給される。
【0152】
別の特定の代替法では、個体のナチュラルキラー細胞の欠乏を有する個体の療法、癌療
法を有する個体の療法、ウイルス感染を有する個体の療法または腫瘍細胞増殖の抑制は、
本明細書に記載されるGM NK細胞と組み合わせた免疫調節性化合物またはサリドマイ
ドを使用して実施され、これでは、前記細胞は、コンディショニングされた培地、例えば
、CD34-、CD10+、CD105+、CD200+組織培養プラスチック接着性胎
盤細胞によってコンディショニングされた培地、例えば、灌流液の単位あたり、または1
04、105、106、107、108、109、1010または1011個の、本明細
書に記載されるGM NK細胞もしくは上記の値の任意の2つによって規定される範囲の
間の任意の数のGM NK細胞あたり、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.
6、0.1、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10mLの、もし
くは上記の値の任意の2つによって規定される範囲の間の任意の容量の幹細胞によってコ
ンディショニングされた培養培地が補給される。ある特定の代替法では、組織培養プラス
チック接着性胎盤細胞は、開示内容が参照によりその全文で本明細書に組み込まれる(特
許文献9)および(特許文献10)において記載される複能性接着性胎盤細胞である。別
の特定の代替法では、方法は、腫瘍細胞を免疫調節性化合物またはサリドマイドと近接さ
せること、または個体にそれを投与することをさらに含む。
【0153】
別の特定の代替法では、前記の本明細書に記載されるGM NK細胞に、胎盤灌流液細
胞が補給される、個体のナチュラルキラー細胞の欠乏を有する個体の療法、癌を有する個
体の療法、ウイルス感染を有する個体の療法または腫瘍細胞増殖の抑制、灌流液細胞を、
前記の近接させることに先立つ一定期間、インターロイキン-2(IL-2)と近接させ
る。ある特定の代替法では、前記期間は、少なくともまたは多くて、前記の近接させるこ
とに先立って1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、2
0、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46
もしくは48時間または上記の値の任意の2つによって規定される範囲の間の任意の時間
数である。
【0154】
抗癌療法の過程の間に、ウイルス感染を有する個体、癌を有する個体または腫瘍細胞を
有する個体に、本明細書に記載されるGM NK細胞および任意選択で灌流液または灌流
液細胞を1回投与してもよい、または複数回、例えば、療法の間、1、2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20
、21、22もしくは23時間ごとに1回、もしくは1、2、3、4、5、6もしくは7
日ごとに1回、もしくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、24、36もしく
はそれより多い週ごとに1回投与してもよい。いくつかの代替法では、抗癌療法の過程の
間に、ウイルス感染を有する個体、癌を有する個体または腫瘍細胞を有する個体に、GM
NK細胞を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
15、16、17、18、19、20、21、22もしくは23時間または上記の値の任
意の2つによって規定される範囲の間の任意の時間量ごとに1回投与する。いくつかの代
替法では、抗癌療法の過程の間に、ウイルス感染を有する個体、癌を有する個体または腫
瘍細胞を有する個体に、GM NK細胞を、1、2、3、4、5、6もしくは7日または
上記の値の任意の2つによって規定される範囲の間の任意の時間量ごとに1回投与する。
いくつかの代替法では、抗癌療法の過程の間に、ウイルス感染を有する個体、癌を有する
個体または腫瘍細胞を有する個体に、GM NK細胞を1、2、3、4、5、6、7、8
、9、10、24、36もしくはそれより多い週または上記の値の任意の2つによって規
定される範囲の間の任意の時間量ごとに1回投与する。細胞および免疫調節性化合物また
はサリドマイドが使用される代替法では、免疫調節性化合物またはサリドマイドおよび細
胞または灌流液を、一緒に、例えば、同一製剤中で、別個に、例えば、別個の製剤中で、
およそ同時に個体に投与する、または別個に、例えば、異なる投薬スケジュールで、もし
くは1日の異なる時間に投与してもよい。同様に、細胞および抗ウイルス化合物または抗
癌化合物が使用される代替法では、抗ウイルス化合物または抗癌化合物および細胞または
灌流液を、一緒に、例えば、同一製剤中で、別個に、例えば、別個の製剤中で、およそ同
時に個体に投与してもよい、または別個に、例えば、異なる投薬スケジュールで、もしく
は1日の異なる時間に投与してもよい。本明細書に記載されるGM NK細胞、灌流液ま
たは灌流液細胞が、過去に個体に投与されたか否かに関わらず、本明細書に記載されるG
M NK細胞および灌流液または灌流液細胞を投与してもよい。
【0155】
10.キット
本明細書に記載される組成物、例えば、1種もしくは複数のGM NK細胞の集団を含
む組成物のうち1種もしくは複数が詰められた医薬パックまたは1種もしくは複数の容器
を含むキットが、本明細書において提供される。任意選択で、このような容器(複数可)
を、医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定
された形式の通知と関連づけてもよく、この通知は、ヒト投与のための製造、使用または
販売の機関による承認を反映する。
【0156】
本明細書に記載される方法、例えば、腫瘍細胞の成長を抑制する方法および/または癌
、例えば、血液学的癌を治療する方法および/またはウイルス感染を治療する方法に従っ
て、本明細書において包含されるキットを使用してもよい。1つの代替法では、キットは
、本明細書に記載されるGM NK細胞またはその組成物を、1つまたは複数の容器中に
含む。特定の代替法では、1種もしくは複数の本明細書に記載されるNK細胞集団または
その組成物を含むキットが本明細書において提供される。
【0157】
11.さらなる代替法
いくつかの代替法では、ナチュラルキラー(NK)細胞が、NK阻害性分子の発現を欠
くまたはNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されているナチュラルキラ
ー細胞の集団が提供される。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CBLB、NK
G2Aおよび/またはTGFBR2である。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、
CBLBである。いくつかの代替法では、CBLB発現は、ノックアウトされている。い
くつかの代替法では、CBLB発現は、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィン
ガーヌクレアーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされている。いく
つかの代替法では、CBLB発現は、CRISPR関連技術によってノックアウトされて
いる。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウト
されていないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有するNK細胞をもたら
す。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。いくつかの代替法で
は、腫瘍細胞は、RPMI8226細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、U
266細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、ARH77細胞である。いくつ
かの代替法では、腫瘍細胞は、急性骨髄性白血病細胞である。いくつかの代替法では、腫
瘍細胞は、HL60細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、KG1細胞である
。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされ
ていないNK細胞よりも、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い
IFNγ分泌を有するNK細胞をもたらす。いくつかの代替法では、CBLB発現のノッ
クアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも、ICAM-1および
MICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞もたらす。いくつかの
代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定される。いくつかの代替法では
、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞と比較
して、多発性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、GM-CSF、可溶性CD137(s
CD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαまたはパーフォリンのうち
1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞をもたらす。いくつかの代替法では、NK
阻害性分子は、NKG2Aである。いくつかの代替法では、NKG2A発現はノックアウ
トされている。いくつかの代替法では、NKG2A発現は、CRISPR/CASs9シ
ステム、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックア
ウトされている。いくつかの代替法では、NKG2A発現は、CRISPR関連技術によ
ってノックアウトされている。いくつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは
、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒
性を有するNK細胞をもたらす。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞
である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、RPMI8226細胞である。いくつかの
代替法では、腫瘍細胞は、U266細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、A
RH77細胞である。いくつかの代替法では、KG2A発現のノックアウトは、NKG2
AがノックアウトされていないNK細胞よりも、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、
ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞を
もたらす。いくつかの代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定される。
いくつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2Aがノックアウトさ
れていないNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性CD137(sCD137)、I
FNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαまたはパーフォリンのうち1種または複数の
分泌の変化を有するNK細胞をもたらす。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、T
GFBR2である。いくつかの代替法では、TGFBR2発現は、ノックアウトされてい
る。いくつかの代替法では、TGFBR2発現は、CRISPR/CAS9システム、ジ
ンクフィンガーヌクレアーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされて
いる。いくつかの代替法では、TGFBR2発現は、CRISPR関連技術によってノッ
クアウトされている。いくつかの代替法では、TGFBR2発現のノックアウトは、TG
FBR2がノックアウトされていないNK細胞と比較して、腫瘍細胞に対するNK細胞の
細胞毒性のTGFβ媒介性阻害に対する耐性をもたらす。いくつかの代替法では、腫瘍細
胞は、多発性骨髄腫細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、RPMI8226
細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、急性骨髄性白血病細胞である。いくつ
かの代替法では、腫瘍細胞は、K562細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は
、慢性骨髄性白血病細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、HL-60細胞で
ある。いくつかの代替法では、NK細胞は、胎盤由来(PNK細胞)である。いくつかの
代替法では、ナチュラルキラー細胞は、CD56+CD3-CD117+CD11a+で
あり、パーフォリンおよび/またはEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素
受容体およびIL1R1のうち1種または複数を発現しない。いくつかの代替法では、前
記ナチュラルキラー細胞は、パーフォリンおよびEOMESを発現し、RORγt、アリ
ール炭化水素受容体またはIL1R1のいずれも発現しない。方法のいくつかの代替法で
は、前記ナチュラルキラー細胞は、T-bet、GZMB、NKp46、NKp30およ
びNKG2Dをさらに発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、
CD94を発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94を
発現しない。
【0158】
いくつかの代替法では、ナチュラルキラー(NK)細胞が、改変されたCD16を含む
ように遺伝子改変されているナチュラルキラー細胞の集団が提供される。いくつかの代替
法では、改変されたCD16は、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有す
る。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置158にバリンを
有する。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ADAM17切断に対して耐性
である。いくつかの代替法では、CD16は、CD16aの位置197にプロリンを有す
る。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、配列番号1に示されるアミノ酸配列
(MWQLLLPTALLLLVSAGMRTEDLPKAVVFLEPQWYRVLE
KDSVTLKCQGAYSPEDNSTQWFHNESLISSQASSYFIDAA
TVDDSGEYRCQTNLSTLSDPVQLEVHIGWLLLQAPRWVFK
EEDPIHLRCHSWKNTALHKVTYLQNGKGRKYFHHNSDFYI
PKATLKDSGSYFCRGLVGSKNVSSETVNITITQGLAVPTI
SSFFPPGYQVSFCLVMVLLFAVDTGLYFSVKTNIRSSTRD
WKDHKFKWRKDPQDK;配列番号1)を有する。いくつかの代替法では、改変
されたCD16は、IgKシグナルペプチドを含有する。いくつかの代替法では、改変さ
れたCD16は、CD16シグナルペプチドを含有する。いくつかの代替法では、改変さ
れたCD16は、ウイルス感染を介してNK細胞に導入される。いくつかの代替法では、
改変されたCD16は、ウイルス感染を介して造血細胞に導入され、次いで造血細胞はN
K細胞に分化する。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、レンチウイルスベク
ターを介して導入される。いくつかの代替法では、レンチウイルスベクターは、CMVま
たはEF1αプロモーターのいずれかを有する。いくつかの代替法では、レンチウイルス
ベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。いくつかの代替法では、改変さ
れたCD16は、レトロウイルスベクターを介して導入される。いくつかの代替法では、
レトロウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。いくつかの代替
法では、NK細胞は、胎盤由来(PNK細胞)である。いくつかの代替法では、ナチュラ
ルキラー細胞は、CD56+CD3-CD117+CD11a+であり、パーフォリンお
よび/またはEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素受容体およびIL1R
1のうち1種または複数を発現しない。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細
胞は、パーフォリンおよびEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素受容体ま
たはIL1R1のいずれも発現しない。方法のいくつかの代替法では、前記ナチュラルキ
ラー細胞は、T-bet、GZMB、NKp46、NKp30およびNKG2Dをさらに
発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94を発現する。
いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94を発現しない。
【0159】
いくつかの代替法では、腫瘍細胞の増殖を抑制する方法は、腫瘍細胞を、本明細書にお
ける代替法のいずれか1つの集団に由来するナチュラルキラー細胞を接触させることを含
む。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現
の低減を示すように遺伝子改変されているナチュラルキラー(NK)細胞が提供される。
いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CBLB、NKG2Aおよび/またはTGF
BR2である。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CBLBである。いくつかの
代替法では、CBLB発現は、ノックアウトされている。いくつかの代替法では、CBL
B発現は、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたはTA
LENヌクレアーゼによってノックアウトされている。いくつかの代替法では、CBLB
発現は、CRISPR関連技術によってノックアウトされている。いくつかの代替法では
、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも
腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有するNK細胞をもたらす。いくつかの代替法では、腫
瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、RPMI82
26細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、U266細胞である。いくつかの
代替法では、腫瘍細胞は、ARH77細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、
急性骨髄性白血病細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、HL60細胞である
。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、KG1細胞である。いくつかの代替法では、CB
LB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも、IC
AM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高いIFNγ分泌を有するNK細胞
をもたらす。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノック
アウトされていないNK細胞よりも、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場
合に、高い脱顆粒を有するNK細胞をもたらす。いくつかの代替法では、脱顆粒は、CD
107aの増大によって測定される。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウ
トは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞と比較して、多発性骨髄腫細胞と同
時培養された場合に、GM-CSF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、M
IP1α、MIP1β、TNFαまたはパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化
を有するNK細胞をもたらす。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、NKG2Aで
ある。いくつかの代替法では、NKG2A発現は、ノックアウトされている。いくつかの
代替法では、NKG2A発現は、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィンガーヌ
クレアーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされている。いくつかの
代替法では、NKG2A発現は、CRISPR関連技術によってノックアウトされている
。いくつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2Aがノックアウト
されていないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有するNK細胞をもたら
す。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。いくつかの代替法で
は、腫瘍細胞は、RPMI8226細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、U
266細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、ARH77細胞である。いくつ
かの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2Aがノックアウトされてい
ないNK細胞よりも、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、ICAM-1およびMIC
Aを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞をもたらす。いくつかの代替
法では、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定される。いくつかの代替法では、N
KG2A発現のノックアウトは、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞と比較
して、GM-CSF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MI
P1β、TNFαまたはパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細
胞をもたらす。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、TGFBR2である。いくつ
かの代替法では、TGFBR2発現は、ノックアウトされている。いくつかの代替法では
、TGFBR2発現は、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレアー
ゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされている。いくつかの代替法で
は、TGFBR2発現は、CRISPR関連技術によってノックアウトされている。いく
つかの代替法では、TGFBR2発現のノックアウトは、TGFBR2がノックアウトさ
れていないNK細胞と比較して、腫瘍細胞に対するNK細胞の細胞毒性のTGFβ媒介性
阻害に対する耐性をもたらす。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞で
ある。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、RPMI8226細胞である。いくつかの代
替法では、腫瘍細胞は、急性骨髄性白血病細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞
は、K562細胞である。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、慢性骨髄性白血病細胞で
ある。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、HL-60細胞である。いくつかの代替法で
は、NK細胞は、胎盤由来(PNK細胞)である。いくつかの代替法では、改変されたC
D16を含むように遺伝子改変されているナチュラルキラー(NK)細胞が提供される。
いくつかの代替法では、改変されたCD16は、野生型CD16よりもIgGに対して高
い親和性を有する。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置1
58にバリンを有する。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、配列番号1に示
されるアミノ酸配列(MWQLLLPTALLLLVSAGMRTEDLPKAVVFL
EPQWYRVLEKDSVTLKCQGAYSPEDNSTQWFHNESLISSQ
ASSYFIDAATVDDSGEYRCQTNLSTLSDPVQLEVHIGWLL
LQAPRWVFKEEDPIHLRCHSWKNTALHKVTYLQNGKGRKY
FHHNSDFYIPKATLKDSGSYFCRGLVGSKNVSSETVNITI
TQGLAVPTISSFFPPGYQVSFCLVMVLLFAVDTGLYFSVK
TNIRSSTRDWKDHKFKWRKDPQDK;配列番号1)を有する。いくつか
の代替法では、改変されたCD16は、ADAM17切断に対して耐性である。いくつか
の代替法では、CD16は、CD16aの位置197にプロリンを有する。いくつかの代
替法では、改変されたCD16は、IgKシグナルペプチドを含有する。いくつかの代替
法では、改変されたCD16は、CD16シグナルペプチドを含有する。いくつかの代替
法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介してNK細胞に導入される。いくつか
の代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介して造血細胞に導入され、次い
で造血細胞はNK細胞に分化する。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、レン
チウイルスベクターを介して導入される。いくつかの代替法では、レンチウイルスベクタ
ーは、CMVまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する。いくつかの代替法では、
レンチウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。いくつかの代替
法では、改変されたCD16は、レトロウイルスベクターを介して導入される。いくつか
の代替法では、レトロウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。
いくつかの代替法では、ナチュラルキラー細胞は、CD56+CD3-CD117+CD
11a+であり、パーフォリンおよび/またはEOMESを発現し、RORγt、アリー
ル炭化水素受容体およびIL1R1のうち1種または複数を発現しない。いくつかの代替
法では、前記ナチュラルキラー細胞は、パーフォリンおよびEOMESを発現し、ROR
γt、アリール炭化水素受容体またはIL1R1のいずれも発現しない。方法のいくつか
の代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、T-bet、GZMB、NKp46、NK
p30およびNKG2Dをさらに発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラ
ー細胞は、CD94を発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、
CD94を発現しない。いくつかの代替法では、NK細胞は、胎盤由来(PNK細胞)で
ある。方法のいくつかの代替法では、接触は、in vitroで起こる。方法のいくつ
かの代替法では、前記接触は、in vivoで起こる。方法のいくつかの代替法では、
前記接触は、ヒト個体において起こる。方法のいくつかの代替法では、前記方法は、前記
ナチュラルキラー細胞を前記個体に投与することを含む。方法のいくつかの代替法では、
前記腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。方法のいくつかの代替法では、前記腫瘍細胞
は、急性骨髄性白血病(AML)細胞である。方法のいくつかの代替法では、前記個体は
、再発性/難治性AMLを有する。方法のいくつかの代替法では、前記個体は、AMLに
対する少なくとも1種の非自然リンパ球系細胞(ILC)治療が失敗しているAMLを有
する。方法のいくつかの代替法では、前記個体は、65歳以上であり、最初の寛解中であ
る。方法のいくつかの代替法では、前記個体は、前記ナチュラルキラー細胞を投与する前
にフルダラビン、シタラビンまたは両方を用いてコンディショニングされている。方法の
いくつかの代替法では、前記腫瘍細胞は、乳癌細胞、頭頸部癌細胞または肉腫細胞である
。方法のいくつかの代替法では、前記腫瘍細胞は、原発性腺管癌細胞、白血病細胞、急性
T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ腫(CML)細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細
胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直
腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞または網膜芽細胞腫細胞である。方法のいくつかの代替法
では、前記腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞である。方法のいくつかの代替法では、前記腫瘍細
胞は、肝臓腫瘍細胞である。方法のいくつかの代替法では、前記腫瘍細胞は、肺腫瘍細胞
である。方法のいくつかの代替法では、前記腫瘍細胞は、膵臓腫瘍細胞である。方法のい
くつかの代替法では、前記腫瘍細胞は、腎腫瘍細胞である。方法のいくつかの代替法では
、前記腫瘍細胞は、多形神経膠芽腫(GBM)細胞である。方法のいくつかの代替法では
、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD33抗体とともに投与される。いくつかの代替法
では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD20抗体とともに投与される。いくつかの代
替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD138抗体とともに投与される。いくつ
かの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CDF38抗体とともに投与される。
方法のいくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、前記接触または前記投与に
先立って凍結保存されている。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、前
記接触または前記投与に先立って凍結保存されていない。いくつかの代替法では、ナチュ
ラルキラー細胞は、CD56+CD3-CD117+CD11a+であり、パーフォリン
および/またはEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素受容体およびIL1
R1のうち1種または複数を発現しない。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー
細胞は、パーフォリンおよびEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素受容体
またはIL1R1のいずれも発現しない。方法のいくつかの代替法では、前記ナチュラル
キラー細胞は、T-bet、GZMB、NKp46、NKp30およびNKG2Dをさら
に発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94を発現する
。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94を発現しない。
【0160】
いくつかの代替法では、ナチュラルキラー(NK)細胞が、NK阻害性分子の発現を欠
く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されているナチュラルキ
ラー細胞の集団が提供される。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CBLB、N
KG2AおよびTGFBR2からなる群から選択される1種または複数のNK阻害性分子
である。いくつかの代替法では、遺伝子改変されたNK細胞は、NK阻害性分子の発現が
ノックアウトまたは低減されていないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を
有する。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(A
ML)細胞、乳癌細胞、頭頸部癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞
白血病細胞、慢性骨髄性リンパ腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫
(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸
直腸腺癌細胞および網膜芽細胞腫細胞からなる群から選択される。いくつかの代替法では
、腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞である。いくつかの代替法では、固形腫瘍細胞は、肝臓腫瘍
細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神経膠芽腫(GBM)細胞から
なる群から選択される。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、ノックアウト
されている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、CRISPR/CAS9
システム、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノック
アウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、CRISPR関連
技術によってノックアウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CB
LBである。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノック
アウトされていないNK細胞よりも、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場
合に、高いIFNγ分泌を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、C
BLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも、I
CAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集
団を生成する。いくつかの代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定され
る。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトさ
れていないNK細胞と比較して、多発性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、GM-CS
F、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFα
およびパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成す
る。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、NKG2Aである。いくつかの代替法で
は、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞
よりも、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、ICAM-1およびMICAを用いて刺
激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では
、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定される。いくつかの代替法では、NKG2
A発現のノックアウトは、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞と比較して、
GM-CSF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β
、TNFαおよび/またはパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK
細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、TGFBR2である
。いくつかの代替法では、TGFBR2発現のノックアウトは、TGFBR2がノックア
ウトされていないNK細胞と比較して、腫瘍細胞に対するNK細胞の細胞毒性のTGFβ
媒介性阻害に対する耐性を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、ナ
チュラルキラー(NK)細胞は、改変されたCD16を含むように遺伝子改変されている
。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、野生型CD16よりもIgGに対して
高い親和性を有する。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置
158にバリンを有する。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ADAM17
切断に対して耐性である。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、CD16aの
位置197にプロリンを有する。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、配列番
号1に示されるアミノ酸配列(MWQLLLPTALLLLVSAGMRTEDLPKA
VVFLEPQWYRVLEKDSVTLKCQGAYSPEDNSTQWFHNESL
ISSQASSYFIDAATVDDSGEYRCQTNLSTLSDPVQLEVHI
GWLLLQAPRWVFKEEDPIHLRCHSWKNTALHKVTYLQNGK
GRKYFHHNSDFYIPKATLKDSGSYFCRGLVGSKNVSSETV
NITITQGLAVPTISSFFPPGYQVSFCLVMVLLFAVDTGLY
FSVKTNIRSSTRDWKDHKFKWRKDPQDK;配列番号1)を有する。
いくつかの代替法では、改変されたCD16は、IgKシグナルペプチドを含有する。い
くつかの代替法では、改変されたCD16は、CD16シグナルペプチドを含有する。い
くつかの代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介してNK細胞に導入され
る。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介して造血細胞に導
入され、次いで造血細胞はNK細胞に分化する。いくつかの代替法では、改変されたCD
16は、レンチウイルスベクターを介して導入される。いくつかの代替法では、レンチウ
イルスベクターは、CMVまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する。いくつかの
代替法では、レンチウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。い
くつかの代替法では、改変されたCD16は、レトロウイルスベクターを介して導入され
る。いくつかの代替法では、レトロウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マー
カーを含む。いくつかの代替法では、NK細胞は、胎盤由来(PNK細胞)である。いく
つかの代替法では、ナチュラルキラー細胞は、CD56+CD3-CD117+CD11
a+であり、パーフォリンおよび/またはEOMESを発現し、RORγt、アリール炭
化水素受容体およびIL1R1のうち1種または複数を発現しない。いくつかの代替法で
は、前記ナチュラルキラー細胞は、パーフォリンおよびEOMESを発現し、RORγt
、アリール炭化水素受容体またはIL1R1のいずれも発現しない。いくつかの代替法で
は、前記ナチュラルキラー細胞は、T-bet、GZMB、NKp46、NKp30およ
び/またはNKG2Dをさらに発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー
細胞は、CD94を発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、C
D94を発現しない。
【0161】
いくつかの代替法では、腫瘍細胞の増殖を抑制する方法であって、腫瘍細胞を、本明細
書における代替ナチュラルキラー細胞の集団のいずれか1つの集団に由来するナチュラル
キラー細胞と接触させることを含む方法が提供される。いくつかの代替法では、ナチュラ
ルキラー細胞の集団が提供され、これでは、ナチュラルキラー(NK)細胞は、NK阻害
性分子の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されて
いる。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CBLB、NKG2AおよびTGFB
R2からなる群から選択される1種または複数のNK阻害性分子である。いくつかの代替
法では、遺伝子改変されたNK細胞は、NK阻害性分子の発現がノックアウトまたは低減
されていないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有する。いくつかの代替
法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、
頭頸部癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性
リンパ腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、
結腸腺癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜
芽細胞腫細胞からなる群から選択される。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、固形腫瘍
細胞である。いくつかの代替法では、固形腫瘍細胞は、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓
腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択される。
いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、ノックアウトされている。いくつかの
代替法では、NK阻害性分子の発現は、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィン
ガーヌクレアーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされている。いく
つかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、CRISPR関連技術によってノックアウ
トされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CBLBである。いくつかの
代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK
細胞よりも、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高いIFNγ分泌
を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウ
トは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも、ICAM-1およびMIC
Aを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する。いくつか
の代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定される。いくつかの代替法で
は、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞と比
較して、多発性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、GM-CSF、可溶性CD137(
sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよびパーフォリンのう
ち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法で
は、NK阻害性分子は、NKG2Aである。いくつかの代替法では、NKG2A発現のノ
ックアウトは、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞よりも、NKG2Aアゴ
ニスト抗体の存在下で、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱
顆粒を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、脱顆粒は、CD107
aの増大によって測定される。いくつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは
、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性C
D137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/また
はパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。
いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、TGFBR2である。いくつかの代替法では
、TGFBR2発現のノックアウトは、TGFBR2がノックアウトされていないNK細
胞と比較して、腫瘍細胞に対するNK細胞の細胞毒性のTGFβ媒介性阻害に対する耐性
を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、ナチュラルキラー(NK)
細胞は、改変されたCD16を含むように遺伝子改変されている。いくつかの代替法では
、改変されたCD16は、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有する。い
くつかの代替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置158にバリンを有する
。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ADAM17切断に対して耐性である
。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置197にプロリンを
有する。ある特定の代替法では、改変されたCD16は、配列番号1に示されるアミノ酸
配列(MWQLLLPTALLLLVSAGMRTEDLPKAVVFLEPQWYRV
LEKDSVTLKCQGAYSPEDNSTQWFHNESLISSQASSYFID
AATVDDSGEYRCQTNLSTLSDPVQLEVHIGWLLLQAPRWV
FKEEDPIHLRCHSWKNTALHKVTYLQNGKGRKYFHHNSDF
YIPKATLKDSGSYFCRGLVGSKNVSSETVNITITQGLAVP
TISSFFPPGYQVSFCLVMVLLFAVDTGLYFSVKTNIRSST
RDWKDHKFKWRKDPQDK;配列番号1)を有する。いくつかの代替法では、
改変されたCD16は、IgKシグナルペプチドを含有する。いくつかの代替法では、改
変されたCD16は、CD16シグナルペプチドを含有する。いくつかの代替法では、改
変されたCD16は、ウイルス感染を介してNK細胞に導入される。いくつかの代替法で
は、改変されたCD16は、ウイルス感染を介して造血細胞に導入され、次いで造血細胞
はNK細胞に分化する。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、レンチウイルス
ベクターを介して導入される。いくつかの代替法では、レンチウイルスベクターは、CM
VまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する。いくつかの代替法では、レンチウイ
ルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。いくつかの代替法では、改
変されたCD16は、レトロウイルスベクターを介して導入される。いくつかの代替法で
は、レトロウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。いくつかの
代替法では、NK細胞は、胎盤由来(PNK細胞)である。いくつかの代替法では、ナチ
ュラルキラー細胞は、CD56+CD3-CD117+CD11a+であり、パーフォリ
ンおよび/またはEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素受容体およびIL
1R1のうち1種または複数を発現しない。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラ
ー細胞は、パーフォリンおよびEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素受容
体またはIL1R1のいずれも発現しない。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラ
ー細胞は、T-bet、GZMB、NKp46、NKp30および/またはNKG2Dを
さらに発現する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94を発現
する。いくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、CD94を発現しない。い
くつかの代替法では、胎盤またはその一部に由来し、それによって胎盤由来NK細胞(p
NK細胞)を含むナチュラルキラー細胞の集団であって、pNK細胞が、NK阻害性分子
の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されているナ
チュラルキラー細胞の集団が提供される。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、C
BLB、NKG2AおよびTGFBR2からなる群から選択される1種または複数のNK
阻害性分子である。いくつかの代替法では、遺伝子改変されたNK細胞は、NK阻害性分
子の発現がノックアウトまたは低減されていないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い
細胞毒性を有する。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性
白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、
急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多
発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫
細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞腫細胞からなる群から選択される。いくつかの
代替法では、腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞である。いくつかの代替法では、固形腫瘍細胞は
、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神経膠芽腫(GBM
)細胞からなる群から選択される。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、ノ
ックアウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、CRISPR
/CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたはTALENヌクレアーゼによ
ってノックアウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、CRI
SPR関連技術によってノックアウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分
子は、CBLBである。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBL
BがノックアウトされていないNK細胞よりも、ICAM-1およびMICAを用いて刺
激された場合に、高いIFNγ分泌を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替
法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞
よりも、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するN
K細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によっ
て測定される。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノッ
クアウトされていないNK細胞と比較して、多発性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、
GM-CSF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β
、TNFαおよび/またはパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK
細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、NKG2Aである。
いくつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2Aがノックアウトさ
れていないNK細胞よりも、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、ICAM-1および
MICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する。い
くつかの代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定される。いくつかの代
替法では、CD107aの増大は、FACsによって測定される。いくつかの代替法では
、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞、
例えば、天然に存在するNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性CD137(sCD
137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリンの
うち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法
では、細胞の集団は、胎盤由来ナチュラルキラー細胞(pNK)のものであって、pNK
細胞は、改変されたCD16を含むように遺伝子改変されている。いくつかの代替法では
、改変されたCD16は、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有する。い
くつかの代替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置158にバリンを有する
。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ADAM17切断に対して耐性である
。
いくつかの代替法では、CD16は、CD16aの位置197にプロリンを有する。あ
る特定の代替法では、改変されたCD16は、配列番号1に示されるアミノ酸配列(MW
QLLLPTALLLLVSAGMRTEDLPKAVVFLEPQWYRVLEKDS
VTLKCQGAYSPEDNSTQWFHNESLISSQASSYFIDAATVD
DSGEYRCQTNLSTLSDPVQLEVHIGWLLLQAPRWVFKEED
PIHLRCHSWKNTALHKVTYLQNGKGRKYFHHNSDFYIPKA
TLKDSGSYFCRGLVGSKNVSSETVNITITQGLAVPTISSF
FPPGYQVSFCLVMVLLFAVDTGLYFSVKTNIRSSTRDWKD
HKFKWRKDPQDK;配列番号1)を有する。いくつかの代替法では、改変された
CD16は、IgKシグナルペプチドまたはCD16シグナルペプチドを含有する。いく
つかの代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介してNK細胞に導入される
。いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介して造血細胞に導入
され、次いで造血細胞はNK細胞に分化する。いくつかの代替法では、改変されたCD1
6は、レンチウイルスベクターを介して導入される。いくつかの代替法では、レンチウイ
ルスベクターは、CMVまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する。いくつかの代
替法では、レンチウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。いく
つかの代替法では、選択マーカーは、PuroR遺伝子、ZeoR遺伝子、HygroR
遺伝子、neoR遺伝子および/またはブラストサイジン耐性遺伝子などの選択剤に対す
る耐性を付与するタンパク質をコードする遺伝子を含む。いくつかの代替法では、改変さ
れたCD16は、レトロウイルスベクターを介して導入される。いくつかの代替法では、
レトロウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。方法のいくつか
の代替法では、前記接触は、in vitroで起こる。方法のいくつかの代替法では、
前記接触は、in vivoで起こる。方法のいくつかの代替法では、前記接触は、ヒト
個体、好ましくは、抗癌療法を受け取るよう選択された個体において起こる。方法のいく
つかの代替法では、前記方法は、前記ナチュラルキラー細胞を前記個体に投与することを
含む。方法のいくつかの代替法では、前記腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞である。方法の
いくつかの代替法では、前記腫瘍細胞は、急性骨髄性白血病(AML)細胞である。方法
のいくつかの代替法では、前記個体は、再発性/難治性AMLを有する。方法のいくつか
の代替法では、前記個体はAMLに対する少なくとも1種の非自然リンパ球系細胞(IL
C)治療が失敗しているAMLを有する。方法のいくつかの代替法では、前記個体は、6
5歳以上であり、最初の寛解中である。方法のいくつかの代替法では、前記個体は、前記
ナチュラルキラー細胞を投与する前にフルダラビン、シタラビンまたは両方を用いてコン
ディショニングされている。方法のいくつかの代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細
胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞
、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ腫細胞、慢性骨髄性白血病(C
ML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺癌細胞、組織球性リンパ腫細胞
、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞腫細胞からなる群から選択され
る。方法のいくつかの代替法では、腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞である。方法のいくつかの
代替法では、固形腫瘍細胞は、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞お
よび多形神経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択される。方法のいくつかの代替法
では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD33抗体とともに投与される。方法のいくつ
かの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD20抗体とともに投与される。方
法のいくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD138抗体とともに投
与される。方法のいくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、抗CD38抗体
とともに投与される。方法のいくつかの代替法では、前記ナチュラルキラー細胞は、前記
接触または前記投与に先立って凍結保存されている。方法のいくつかの代替法では、前記
ナチュラルキラー細胞は、前記接触または前記投与に先立って凍結保存されていない。
【0162】
第3の態様では、胎盤またはその一部に由来し、それによって胎盤由来NK細胞(pN
K細胞)を含むナチュラルキラー細胞の集団であって、pNK細胞が、NK阻害性分子の
発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されているナチ
ュラルキラー細胞の集団が提供される。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、CB
LB、NKG2AおよびTGFBR2からなる群から選択される1種または複数のNK阻
害性分子である。いくつかの代替法では、遺伝子改変されたNK細胞は、NK阻害性分子
の発現がノックアウトまたは低減されていないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細
胞毒性を有する。いくつかの代替法では、腫瘍細胞は、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白
血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急
性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発
性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細
胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞腫細胞からなる群から選択される。いくつかの代
替法では、腫瘍細胞は、固形腫瘍細胞である。いくつかの代替法では、固形腫瘍細胞は、
肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神経膠芽腫(GBM)
細胞からなる群から選択される。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、ノッ
クアウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、CRISPR/
CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたはTALENヌクレアーゼによっ
てノックアウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子の発現は、CRIS
PR関連技術によってノックアウトされている。いくつかの代替法では、NK阻害性分子
は、CBLBである。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLB
がノックアウトされていないNK細胞よりも、ICAM-1およびMICAを用いて刺激
された場合に、高いIFNγ分泌を有するNK細胞の集団を生成する。いくつかの代替法
では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よ
りも、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK
細胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によって
測定される。いくつかの代替法では、CBLB発現のノックアウトは、CBLBがノック
アウトされていないNK細胞と比較して、多発性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、G
M-CSF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、
TNFαおよび/またはパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細
胞の集団を生成する。いくつかの代替法では、NK阻害性分子は、NKG2Aである。い
くつかの代替法では、NKG2A発現のノックアウトは、NKG2Aがノックアウトされ
ていないNK細胞よりも、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、ICAM-1およびM
ICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する。いく
つかの代替法では、脱顆粒は、CD107aの増大によって測定される。いくつかの代替
法では、CD107aの増大は、FACsによって測定される。いくつかの代替法では、
NKG2A発現のノックアウトは、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞、例
えば、天然に存在するNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性CD137(sCD1
37)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリンのう
ち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する。
【0163】
第4の態様では、胎盤由来ナチュラルキラー細胞(pNK)の集団であって、pNK細
胞は、改変されたCD16を含むように遺伝子改変されている。いくつかの代替法では、
改変されたCD16は、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有する。いく
つかの代替法では、改変されたCD16は、CD16aの位置158にバリンを有する。
いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ADAM17切断に対して耐性である。
いくつかの代替法では、CD16は、CD16aの位置197にプロリンを有する。ある
特定の代替法では、改変されたCD16は、配列番号1に示されるアミノ酸配列(MWQ
LLLPTALLLLVSAGMRTEDLPKAVVFLEPQWYRVLEKDSV
TLKCQGAYSPEDNSTQWFHNESLISSQASSYFIDAATVDD
SGEYRCQTNLSTLSDPVQLEVHIGWLLLQAPRWVFKEEDP
IHLRCHSWKNTALHKVTYLQNGKGRKYFHHNSDFYIPKAT
LKDSGSYFCRGLVGSKNVSSETVNITITQGLAVPTISSFF
PPGYQVSFCLVMVLLFAVDTGLYFSVKTNIRSSTRDWKDH
KFKWRKDPQDK;配列番号1)を有する。いくつかの代替法では、改変されたC
D16は、IgKシグナルペプチドまたはCD16シグナルペプチドを含有する。いくつ
かの代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介してNK細胞に導入される。
いくつかの代替法では、改変されたCD16は、ウイルス感染を介して造血細胞に導入さ
れ、次いで造血細胞はNK細胞に分化する。いくつかの代替法では、改変されたCD16
は、レンチウイルスベクターを介して導入される。いくつかの代替法では、レンチウイル
スベクターは、CMVまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する。いくつかの代替
法では、レンチウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。いくつ
かの代替法では、選択マーカーは、PuroR遺伝子、ZeoR遺伝子、HygroR遺
伝子、neoR遺伝子および/またはブラストサイジン耐性遺伝子などの選択剤に対する
耐性を付与するタンパク質をコードする遺伝子を含む。いくつかの代替法では、改変され
たCD16は、レトロウイルスベクターを介して導入される。いくつかの代替法では、レ
トロウイルスベクターは、1種または複数の薬物選択マーカーを含む。
【0164】
a. 7.1代替法1:CBLBノックアウト3段階NK細胞
i. 7.1.1 CBLBノックアウト特性決定
本明細書およびその全文が参照により本明細書に組み込まれる(特許文献1)に記載さ
れるような、NK細胞を産生するための35日の、3段階プロセスの3、5または7日目
の間にNK細胞においてCBLB遺伝子のCRISPRノックアウトを実施することによ
って、CBLBノックアウトNK細胞を生成した。
【0165】
CBLBノックアウトの平均効率は、TIDE(分解によるインデルの追跡)アッセイ
によって測定されるように、35日のプロセスの35日目に80%を上回る(
図1A)。
【0166】
ノックアウト後のNK細胞の増殖倍数を測定し、生存細胞およびCD3
-CD56
+細
胞のパーセンテージを決定した。増殖倍数は、未処理細胞と比較して低減したが(
図1B
)、CBLBノックアウトNK細胞における生存細胞およびCD3
-CD56
+細胞の割
合は、未処理細胞と同等であった。
【0167】
3段階プロセスの34または35日目に、種々の多発性骨髄腫細胞株(RPMI822
6、U266、ARH277)に対する細胞毒性を、20:1、10:1および5:1の
エフェクター:ターゲット(E:T)比で決定した(
図2A~C)。CBLBノックアウ
トNK細胞は、試験した各細胞株について、すべての比で、未処理細胞と比較して増大し
た細胞毒性を有するとわかった(
図3A~C)。次いで、細胞毒性データを正規し、CB
LBノックアウトNK細胞は、未処理細胞との比較において細胞毒性の最大4倍の増大を
有するとわかった。
図4A~Bに示されるように、HL60およびKG1細胞に対するC
BLBノックアウトNK細胞の細胞毒性も決定した。
【0168】
細胞毒性データに加えて、MHCクラスIポリペプチド関連配列A(MICA)および
ICAM-1を用いる刺激の際のIFNγ分泌およびCD107aのレベル、脱顆粒の尺
度を測定した。一貫したレベルのICAM-1の存在下で、変動するレベルのMICA刺
激を用いた場合のCBLBノックアウトおよび未処理NK細胞のIFNγ分泌レベルは、
図5Aに示されている。一貫したレベルのICAM-1の存在下で、変動するレベルのM
ICA刺激を用いた場合のCBLBノックアウトおよび未処理NK細胞両方におけるCD
107aアッセイの結果は、
図5Bに示されている。5Aおよび5Bに示されるように、
未処理は、
図8における棒グラフの対中の右側の棒グラフであり、処理は、左側の棒グラ
フである。
【0169】
GM-CSF、sCD137、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよびパ
ーフォリンのサイトカイン分泌はまた、MICA刺激を用いずに、多発性骨髄腫細胞株R
PMI、U266またはARH77の存在下で測定した。サイトカイン分泌アッセイの結
果は、
図6A~Cに示されている。
【0170】
ii. 7.1.2. CBLBノックアウト前臨床データ
in vivoにおける、実施例7.1.1において産生されたような、CBLBノッ
クアウトNK細胞の体内分布および残留性を決定するために、
図7に示されるように研究
を設計した。2群、-1日目にブスルファン(抗新生物剤)プレコンディションを用いる
1群、および-5日目にブスルファンプレコンディショニングを用いる1群を研究した。
NOD SCIDガンマ(NSG)マウス組織への細胞注入の7、14および21日後に
、脾臓、骨髄(BM)、血液、肝臓および肺においてヒトCD45
+カウントをとり、総
カウントも集計した(
図8~10)。体内分布および残留性は、7日後に未処理およびC
BLBノックアウトNK細胞において同様であるとわかった(
図8)。14日後、体内分
布および残留性の類似性は、群間で維持されたが、ヒトCD45
+カウントの絶対数が高
かった(
図8~9)。21日後、残留性および体内分布は、同様であり続けたが、ヒトC
D45
+カウントの絶対数は低下し、これは、残留性は、IL-15補給と関連している
ことを示唆した(
図10)。IL-15は、NK細胞の細胞増殖を誘導するサイトカイン
である。
【0171】
7、14および21日目に、CD56
+CD11a
+細胞の存在も、脾臓、肝臓、骨髄
および肺において測定した(
図11)。未処理およびCBLBノックアウト条件について
同様の頻度のCD56
+CD11a
+細胞が見られ、その他の組織と比較して骨髄におい
て低い頻度のCD56
+CD11a
+細胞が見られた(
図11)。脾臓、肝臓、骨髄およ
び肺におけるCD16およびKIR発現も測定し、未処理およびCBLBノックアウト条
件について同様の頻度が見られた(
図12および13)。CD16およびKIR発現が両
方とも、注入前プロフィールとの比較においてin vivoで増大したことが留意され
た。
【0172】
NSGマウスにおけるNK細胞の増殖を測定し、CBLBノックアウトNK細胞は、N
K細胞投与の14日目までに、対照処理細胞よりも迅速に増殖するとわかった。
【0173】
投与の14日後にNSGマウス組織から単離されたNK細胞を精製し、K562および
HL60細胞株に対する細胞毒性を決定した(
図14A~B)。CBLBノックアウトN
K細胞は、対照処理細胞との比較において、ex vivoでの両細胞に対する細胞毒性
の増強を有するとわかった(
図14A~B)。
図14A~14Bでは、対照は、両グラフ
において低パーセントキラーとして示されている。ex vivoで、単離されたCBL
Bノックアウト細胞はまた、対照処理細胞との比較において、腫瘍細胞同時培養において
増大したレベルのGM-CSF、IFNγ、sCD137およびTNFαサイトカインを
放出するとわかった(
図15A~D)。したがって、CBLBノックアウトNK細胞は、
NSGマウスにおいて14日後にその増強された機能活性を保持する。
【0174】
最後に、CBLBノックアウトNK細胞の機能活性を、新たに単離された患者由来AM
L異種移植片(PDX)に対して試験した(
図16A~D)。CBLBノックアウトNK
細胞は、対照と比較して、分泌されたGM-CSF、IFNγ、sCD137およびTN
Fαの増大を示した(
図16A~D)。
【0175】
b. 7.2 代替法2:NKG2Aノックアウト3段階NK細胞
本明細書およびその全文が参照により本明細書に組み込まれる(特許文献1)に記載さ
れるような、NK細胞を産生するための35日の、3段階プロセスの3、5または7日目
の間に、NK細胞においてNKG2A遺伝子のCRISPRノックアウトを実施すること
によって、NKG2AノックアウトNK細胞を作製した。
【0176】
NKG2Aノックアウトの平均効率は、TIDE(分解によるインデルの追跡)アッセ
イによって測定されるように、35日のプロセスの35日目に約60%である(
図17A
)。
【0177】
ノックアウト後のNK細胞の増殖倍数を測定し、生存細胞およびCD3
-CD56
+細
胞のパーセンテージを決定した。増殖倍数は、未処理細胞と比較して低減したが(
図17
B)、NKG2AノックアウトNK細胞における生存細胞およびCD3
-CD56
+細胞
の割合は、未処理細胞と同等であった。
【0178】
3段階プロセスの34または35日目に、種々の多発性骨髄腫細胞株(RPMI822
6、U266、ARH277)に対する細胞毒性を、20:1、10:1および5:1の
E:T比で決定した(
図18A~D)。K562細胞に対する細胞毒性は、10:1、5
:1および2.5:1のE:T比で決定した。NKG2AノックアウトNK細胞は、RP
MI8226、U266およびARH277細胞株の各々について、すべての比で、未処
理細胞との比較において増大した細胞毒性を有するとわかった(
図19A~C)が、K5
62細胞に対して未処理細胞を用いる場合に同等の細胞毒性を有していた。K562細胞
に対する細胞毒性は、最大レベルに到達したということが仮定される。次いで、多発性骨
髄腫細胞株に対する細胞毒性データを正規化し、NKG2AノックアウトNK細胞は、未
処理細胞との比較において細胞毒性の最大3倍の増大を有するとわかった。本明細書にお
けるいくつかの代替法では、NKG2AノックアウトNK細胞は、未処理細胞との比較に
おいて細胞毒性の最大3倍の増大を有するとわかった。
【0179】
プレートに結合された脱顆粒アッセイを実施して、MICAおよびICAM-1刺激の
存在下でのNKG2Aアゴニスト抗体に対するNKG2AノックアウトNK細胞の応答を
試験した(
図20)。対照IgG抗体の存在下で、NKG2Aノックアウト細胞は、野生
型NKG2Aを有する対照NK細胞と同様に、高活性を示した(CD107aパーセント
)。対照(非ノックアウト)NK細胞は、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、予測さ
れたように低活性を示した。NKG2AノックアウトNK細胞は、NKG2Aアゴニスト
抗体の存在下で、中間の活性を示した。したがって、NKG2Aアゴニスト抗体は、対照
NK細胞活性を低減するとわかったが、NKG2Aノックアウト細胞においてはあまり有
効ではなく、これは、これらの細胞が、NKG2A媒介性阻害性シグナルに対してより耐
性であることを示す。
【0180】
GM-CSF、sCD137、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよびパ
ーフォリンのサイトカイン分泌はまた、多発性骨髄腫細胞株RPMI、U266およびA
RH77の存在下で、MICA刺激を用いず測定した。サイトカイン分泌アッセイの結果
は、
図21A~Cに示されている。
【0181】
c. 7.3 代替法3:TGF-βノックアウト3段階NK細胞
CRISPR関連技術を使用して、NK-92細胞においてTGF-β受容体II(T
GFBR2)をノックアウトし、その結果、TGFBR2発現が有意に減少した。TGF
-βシグナル伝達経路の遮断を示す、リン酸化Smad2/3(pSmad2/3)が低
減されたことを示すことによって、結果をNK-92細胞においてさらに検証した。これ
らの細胞では、TGF-β誘発活性化マーカー(NKp30)下方制御も消失した。
【0182】
次いで、本明細書およびその全文が参照により本明細書に組み込まれる(特許文献1)
に記載されるような、NK細胞を産生するための35日の、3段階プロセスの0、5、1
0または14日目の間にNK細胞においてTGFBR2遺伝子のCRISPRノックアウ
トを実施することによって、TGFBR2ノックアウトNK細胞を作製した。5日目ノッ
クアウトの特性決定を以下に記載する。
【0183】
TGFBR2ノックアウトの効率は、5日目の70%から80%を上回るまで急速に高
まり、35日のプロセスを通じて安定したままであった(
図22)。同様に、突然変異ス
ペクトルは、プロセスを通じて不変のままであった。NK-92細胞と同様に、5日目T
GF-βノックアウトGM NK細胞は、TGF-βシグナル伝達の遮断を示し、これは
、pSmad2-3の低減をもたらした。DNAM-1、NKG2DおよびNKp30な
どの受容体について、TGFBR2ノックアウト細胞において、活性化受容体下方制御も
また抑制された。表1に示されるように、TGFBR2ノックアウトNK細胞の分化は、
対照、未処理群と同様であるとわかった。
【0184】
【0185】
34または35日目に、K562およびRPMI822細胞株に対する細胞毒性を一定
範囲のE:T比で決定した。細胞毒性は、TGF-β1処理を用いない対照における細胞
毒性に対して、TGFBR2ノックアウトNK細胞において同様であり(
図23A~D)
、TGFBR2ノックアウトNK細胞は、細胞毒性アッセイの間にTGF-β1阻害に対
する耐性を付与するとわかった。
【0186】
トランスフェクションの種々の日数での、および種々の細胞バッチにおけるTGFBR
2ノックアウトの結果の遺伝子および表現型解析が、表2に示されている。種々の時点で
の複数のドナーにわたってGM NKについて高レベルのTGFBR2欠失(88.1%
平均)が達成された。これらの結果は、表現型変化、例えば、シグナル伝達遮断およびN
Kマーカー下方制御の変化を対応させることによって確認された。
【0187】
【0188】
4時間細胞毒性アッセイにおいてHL60細胞およびK562細胞に対してTGFBR
2ノックアウト細胞のエフェクター機能も試験した(
図24A~D)。TGFBR2ノッ
クアウト細胞は、HL60およびK562細胞の両方における抗腫瘍細胞毒性に対するT
GF-β1誘発阻害に対する耐性を実証した(
図24A~D)。
【0189】
d. 7.4 代替法4:改変されたCD16を有するNK細胞
表3に示されるように、遺伝子改変されたCD16を含むレンチウイルスベクターを開
発した。
【0190】
【0191】
所望の突然変異-高IgG結合親和性突然変異体F158VおよびADAM17耐性突
然変異体S197Pとともに、2種の異なるシグナルペプチド、IgKおよびCD16を
使用し、2種の異なるプロモーター、EF1αおよびCMVを使用した。レンチウイルス
ベクターはまた、形質導入後濃縮のためのピューロマイシン選択のために設計した。
【0192】
5日目に形質導入されたNK細胞について、本明細書および(特許文献1)(その全文
が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるような、NK細胞を産生するための
35日の、3段階プロセスにおけるCD16発現の残留性を試験した。CD16発現を、
抗CD16FITC抗体(BDカタログ番号555406、クローン3G8)を使用して
FACSによって決定した。野生型と比較してCD16VP形質導入細胞において、安定
な高いレベルのCD16が明白であった(
図25)(
図25中の棒グラフの対中の右の棒
グラフ)。したがって、35日の、3段階プロセスNK細胞に遺伝子改変されたCD16
を送達するためにレンチウイルスベクターを使用することの実現可能性が確認された。
【0193】
CD16切断に起因するCD16シェディングの量を調べるために、NK細胞が、50
μMのプロテイナーゼ阻害剤TAPIを用いて30分間、次いで、PMA(1μg/mL
)を用いて、または用いずに4時間処理されるアッセイを開発した。PMA活性化は、C
D16を、末梢血NK細胞において97%、35日の、3段階プロセスNK細胞において
89%低減するとわかった。TAPI処理は、末梢血および3段階NK細胞の両方におい
てCD16シェディングを阻害できた。CD16VPを用いて形質導入されたNK細胞は
、PMAによって誘導されるCD16シェディングに対して耐性を示した。未処理細胞で
は、CD16の94%がシェディングしたのに対し、CD16VPが形質導入された細胞
では、CD16の17%しかシェディングしなかった。
【0194】
CD16VPを用いて形質導入された、35日の、3段階プロセスNK細胞の増殖およ
び表現型を、未処理細胞と比較した。形質導入された細胞と未処理細胞の間に、増殖にお
いて、またはNK成熟マーカーにおいて有意差は見られなかった(
図26A~B)。(図
26Bでは、棒グラフの対の左の棒グラフは、未処理を表す。
図26B中の棒グラフの対
の右の棒グラフは、CD16VPが形質導入された細胞を表す。
【0195】
抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(ADCC)を研究して、CD16VPを用いる形質導
入の効果を評価した。標的癌細胞(DaudiまたはU266)を、mAb(抗CD20
または抗CD38)とともに30分間インキュベートし、mAbなしおよびIgGを対照
として使用した。エフェクター細胞および癌細胞を、1.25:1のE:T比で一緒に添
加し、エフェクター細胞を用いない対照を実施した。生存細胞について染色するためにT
opo5を添加した。FACS解析によって、エフェクター細胞による特異的死滅のパー
センテージを決定した。CD16VPが形質導入された細胞は、抗CD20および抗CD
38抗体の両方を用いて、未処理NK細胞と比較して、Daudi細胞に対する改善され
たADCCを有するとわかった(
図27A~B)。1:1のE:Tで24時間のADCC
の間に、IFN-γ、GM-CSFおよびTNF-αの分泌も試験し、CD16VPが形
質導入されたNK細胞は、未処理NK細胞と比較して、増大されたサイトカイン分泌を示
した(
図28A~C)。
【0196】
e. 7.5 代替法5:TGFBR2/CBLB二重ノックアウト3段階NK細胞
CRISPR関連技術を使用して、5日目のGM NK細胞でTGFBR2およびCB
LB遺伝子のノックアウトを実施して、以下の集団を作製した:偽トランスフェクション
、TGFBR2ノックアウトGM NK、CBLBノックアウトGM NKおよびTGF
BR2/CBLB二重ノックアウトGM NK。TIDE(分解によるインデルの追跡)
解析と組み合わせた標的化アンプリコンシーケンシングによって、ゲノム編集効率を評価
した。GM NK細胞および対照の免疫表現型決定は、通例の免疫表現型決定プロトコー
ルに従って実施した。エフェクター機能および分泌された分析物評価に先立って、TGF
β1を用いて、または用いずに48時間細胞を処理した。血液学的癌細胞株、すなわち、
K562、HL60、KG-1およびRPMI8266においてエフェクター機能を調べ
るために、4時間、フローベースの細胞毒性アッセイを利用した。分泌された分析物評価
のために、GM NKおよび対照を、血液学的癌細胞株と、1:1 E:T比で24時間
同時培養した。上清を回収し、Luminex Multiplexイムノアッセイによ
って解析されるまで-20℃で保存した。
【0197】
二重ノックアウトGM NKの遺伝子ノックアウト効率。ノックアウト効率は、二重ノ
ックアウト中のTGFBR2およびCBLB遺伝子座各々について、単一ノックアウト対
照に対して同等であった、表4を参照のこと。
【0198】
【0199】
二重ノックアウトGM NKの免疫表現型決定。免疫表現型決定解析は、二重ノックア
ウトGM NKは、対照と同様の表現型を有していたことを示した(表5)。
【0200】
【0201】
二重ノックアウトGM NKの増殖倍数。全体的な増殖倍数は、単一ノックアウトが偽
トランスフェクション対照よりも少なく増殖したこと、および二重ノックアウトが単一ノ
ックアウトよりも増殖がさらに減少したことを示した(
図29)。
【0202】
細胞毒性アッセイ。二重ノックアウトGM NKは、両方の単一ノックアウトからの組
み合わされた利点を実証した。二重ノックアウトは、CBLB-GM NKの増強された
特異的死滅およびTGFBR2-GM NK のTGFβ誘発阻害に対する非感受性の両
方を示した。したがって、
図30および31に示されるように、TGFβの存在下で、二
重ノックアウトGM NK細胞は、標的腫瘍細胞株に対して最も多い死滅を示した。
【0203】
同時培養上清中の分泌された分析物。CBLB-GM NK由来の分泌された分析物は
、その増強されたエフェクター機能を反映した。CBLB-GM NKにおいて、対照群
と比較した場合に、sCD137の大きな増大ならびにGM-CSF、IFNγ、TNF
αおよびパーフォリンの中程度の増大が観察された。これらの分析物の分泌は、CBLB
-GM NKおよびGM NK対照の両方においてTGFβ処置によって有意に低減され
た(
図32A~E)。
【0204】
GM NK対照と比較して、TGFBR2-GM NKは、同様のレベルのGM-CS
F、sCD137、TNFαおよびパーフォリンだけでなく、より大きく増大された、あ
る特定の標的細胞に対するIFNγも分泌した。これらの分析物の分泌は、TGFβ処理
によって阻害されなかった(
図32A~E)。
【0205】
二重ノックアウトGM NKは、両方の単一ノックアウトからの組み合わされた利点を
実証した。GM-CSF、sCD137、IFNγ、TNFαおよびパーフォリンなどの
分泌された分析物は、増大されただけでなく、TGFβ誘発低減に対して耐性であった。
GM-CSF、IFNγおよびTNFαについて相互作用も観察された。それらの場合に
は、二重ノックアウトGMNKは、組み合わされた両方の単一ノックアウトと同等または
より多い分析物を分泌した(
図32A~E)。
【0206】
f. 7.6. 代替法6:PNK-CD16VP
i.CD16VP構築物および実験設定の背景
CD16構築物を、PNK(胎盤由来NK細胞)細胞における過剰発現のために作出し
、増強されたADCC機能を有する遺伝子改変PNK細胞を作製した。CD16を、2つ
の点突然変異、高親和性バリン変異体(158V/V)を作出するための1つおよびCD
16をAdam17(S197P)によって切断できなくするための第2のものを用いて
作出した。CD16変異体は、CD16VPと名付けられた。レンチウイルスベクターを
作製し、増殖プロセスの5日目にCD34細胞に形質導入した。培養の間にCD16の発
現をモニタリングし、培養期間の最後に機能を評価した。CD16VPを有する、または
有さないPNK細胞を、IgG1k抗体に対する親和性の改善ならびに活性化誘導性シェ
ディングに対する耐性について試験した。
【0207】
ii.形質導入効率、PNK増殖および表現型
目的1:レンチウイルスベクターを使用してPNK細胞でのCD16VPの高い発現効
率を達成するため。
方法論:PNK細胞でのCD16VPの高い発現を達成するために、CD34細胞を、
以下に列挙される種々の条件によって形質導入した:
・5および10日目または培養
・1~2ラウンドの感染
・5MOI~200MOIの範囲の感染多重度(MOI)
・600gおよび1200gのスピノキュレーション(Spinoculation)
遠心分離速度
【0208】
結果:5および10日目での形質導入は、同様の形質導入効率をもたらし、したがって
、レンチウイルス形質導入の標準時間枠として5日目を選択した。形質導入のラウンド数
(1対2)は、低い方のMOI(50MOI)でわずかな改善を示したが、高い方のMO
I(100MOI)では、効率は異ならなかった。形質導入効率は、50から100MO
Iで増大したが、200MOIではさらなる改善は示さなかった。600gの遠心分離速
度は、1200gと同様の形質導入効率をもたらした。したがって、最適化されたプロト
コールは、5日目での100MOIで1ラウンド感染を用いる600g/1時間のスピノ
キュレーションプロトコールであると決定した。10~20μg/cm2レトロネクチン
を用いてコーティングされた非組織培養物処理48ウェルプレートを使用して形質導入を
実施した(
図33)。
【0209】
最適化された形質導入プロトコールを、CD34ドナー(n=7)を用いて評価し、7
0%を上回る中央値形質導入効率が達成された。
【0210】
目的2:PNK細胞の増殖能に対する遺伝子改変および形質導入プロセスの影響を評価
するため。
方法論:最適化された形質導入プロセスにしたがって、細胞をこれまでに報告されたよ
うに培養した。
【0211】
結果:一部のドナーが、非形質導入対照と比較してPNK-CD16VPによる増殖倍
率の低下を示したものの、最適化された形質導入プロセスは、細胞の中央値増殖能に影響
を与えなかった(n=6)(
図34)。PNK-NTの増殖の範囲は、81~5863で
あり、PNK-CD16VPは、134~7818倍であった。
【0212】
目的3:PNK細胞表現型に対するレンチウイルス遺伝子改変の影響を評価するため。
方法論:以前に報告されたように、フローサイトメトリーによってPNK細胞をCD3
、CD56、CD11aおよびCD16の発現について評価した。
【0213】
結果:レンチウイルス遺伝子改変は、製品定義基準(35日目までに85%のCD3
-
CD56
+の)により、CD56陽性細胞の出現にわずかな遅延を引き起こした。35か
ら38日への3日間の培養期間の増大は、85%閾値を上回る改善されたCD3
-CD5
6
+表現型パーセントをもたらした。CD16発現は、非形質導入細胞よりも高く持続し
、PNK細胞の約55%において中央値CD16発現を有した。PNK-NTと比較して
、CD16VPにおいてCD11a陽性集団のわずかな増大も観察された(
図35)。遺
伝子改変は、CD56分化の遅延を引き起こし、これは、培養スケジュールを3日延長す
ること(38日)によって克服された。増殖後の遺伝子改変された群における中央値CD
16発現は、55を上回ると示された。CD16VPを用いて改変された細胞におけるC
D11aの中央値発現は、非形質導入対照よりも高いと思われる。
【0214】
遺伝子改変によって引き起こされたCD56+PNK細胞の分化の遅延は、培養期間を
3日間延長することによって克服された。
【0215】
iii.PNK CD16VP構築物検証:CD16誘導性脱顆粒および活性化誘導性
切断に対する耐性
目的1:IgG1カッパ治療用抗体に向けたCD16VP構築物の機能的応答を評価す
るため。
方法論:CD16VP発現に由来するPNK細胞を、4時間脱顆粒アッセイにおいてプ
レートに結合されたユニツキシン(Unituxin)抗体に対する応答性について試験
した。変動する濃度のユニツキシン(0μg/ml、0.01μg/ml、0.1μg/
mlおよび1μg/ml)を、高結合平底96ウェルプレート上に4℃で一晩コーティン
グした。洗浄後、CD107a-PE抗体およびモネンシン(BD Bioscienc
es)の存在下で、プレートにPBS、PNK-NTまたはPNK-CD16VP細胞を
用いて播種した。CO2インキュベーター中、37℃で4時間の刺激後、CD56-AP
C、CD16-BV421、CD11a-FITCおよびCD107a-PE(すべて、
BD Biosciences製の抗体)を用いて細胞を染色し、PNK細胞による脱顆
粒を評価した。細胞を洗浄し、固定し、U底96ウェルプレートに移し、FACSCan
to Iフローサイトメーターを使用して読み取った。
【0216】
結果:プレートに結合されたGD2抗体(ユニツキシン)を用いる活性化後、PNK-
NTおよびPNK-CD16VPの両方とも、コーティングされていないウェルと比較し
た1μg/mlのユニツキシンコーティングでのPNK細胞でのCD107aの発現によ
って実証される脱顆粒応答を示した。遺伝子改変(CD16VP)によるCD16の発現
の増大は、PNK-NTと比較したPNK-CD16VPによる脱顆粒応答の増大につな
がり、これによって、操作されたCD16VPタンパク質の機能が損なわれていないとい
う驚くべき結果が確認された(
図36)。
【0217】
目的2:CD16VP構築物を活性化誘導性シェディングに対する耐性について評価す
るため。
方法論:CD16VP発現に由来するPNK細胞を活性化誘導性切断に対する耐性につ
いて試験した。ADAM-17阻害性抗体(抗TACE、クローンD1(A12))の存
在下または不在下で免疫細胞アクチベーターであるホルボール(phorbal)12-
ミリステート13-アセテート(PMA)を用いてPNK細胞を4時間処理した。抗CD
16抗体を使用してCD16の発現を評価した。
【0218】
結果:PMA媒介性活性化後、非形質導入PNK(PNK-NT)細胞は、CD16発
現の約90%までの著しい喪失を示し、これは、ADAM-17阻害剤抗tace抗体の
存在下で防がれた。PMAを用いる刺激時にPNK-CD16VP細胞からのCD16の
発現の有意な喪失はなかった(発現の約6%の喪失)。ここでもまた、ADAM-17阻
害剤の存在が、CD16発現の観察された6%の喪失を防いだ。データは、CD16VP
構築物は、PNK細胞の活性化の際にシェディングに対して耐性であることを示す。PN
K-NTにおける野生型CD16のPMA媒介性シェディングの作用機序は、野生型CD
16発現の喪失の防止におけるADAM-17阻害剤の能力によって証明される(文献に
おいて実証されるような)ADAM-17の作用に起因し得る。
【0219】
操作されたタンパク質CD16VPは、機能的に無傷であった--PNK-CD16V
Pによって脱顆粒応答を誘発でき、予測されるように、活性化媒介性受容体切断に対して
耐性であった。
【0220】
iv.抗体依存性細胞性細胞同性(ADCC)
目的:PNK-CD16VPの改善されたADCC能を評価するため。
方法論:ADCCアッセイを、これまでに記載されたように設定し、腫瘍標的を、PK
H-26色素を用いて予備染色し、次いで、20μg/mlの治療用抗体(CD20、C
D38およびCD319)を用いて、アッセイバッファー中、37℃で30分間染色し、
過剰の結合していない抗体を除去するために洗浄した。アッセイは、U底96ウェルプレ
ートにおいて10:1および2.5:1のE:T比で設定した。
【0221】
結果:試験した3種の抗体は、PNK-NTと比較して、PNK-CD16VPによる
腫瘍標的Daudiの溶解において改善を示した。(
図37)
【0222】
示されるように、pNK細胞を使用する試験から、これらの細胞は増殖され、特徴付け
られてもよく、癌などの疾患の処置に使用され得る生成物を生じ得る。
【0223】
最適化されたレンチウイルス形質導入プロセスを開発し、70%の中央値(43~81
%)の形質導入効率を達成し、増殖の最後に50%を上回る中央値発現を維持した。実験
はまた、形質導入プロセスが、PNK-NTと比較してPNK-CD16VP細胞の中央
値増殖能に対して負に影響を及ぼさなかったこと(81~7818の範囲)を示す。
【0224】
CD56陽性PNK細胞の分化は、わずかに遅延し、これは、培養期間を3日間延長す
ることによって克服された。
【0225】
しかし、PNK-CD16VPでのCD16のさらなる発現は、プレートに結合された
治療用IgG1カッパ抗体ユニツキシンに応じたPNK-CD16VPによるより高い脱
顆粒につながった-これは、操作されたタンパク質の機能が損なわれていないことを示し
た。
【0226】
CD16VPは、活性化誘導性シェディング/切断に対して耐性であると確認された。
【0227】
驚くべきことに、PNK-CD16VP細胞は、CD20、CD38およびCD319
抗体に対してDaudi腫瘍株に対してより高い細胞毒性を示した。
【0228】
本発明は、本明細書に記載される特定の代替法による範囲に制限されるべきではない。
実際、記載されたものに加えて、本発明の種々の改変が、上記の説明および添付の図面か
ら当業者には明らかになろう。このような改変は、添付の特許請求の範囲内に入るよう意
図される。
【0229】
本明細書において引用されたすべての参考文献は、各個々の刊行物、特許または特許出
願が全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれるように具体的に、個々に示さ
れるのと同程度に、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。いか
なる刊行物の引用も、出願日前のその開示のためであり、本発明が先行発明のためにその
ような刊行物に先行する権利がないことの承認として解釈されてはならない。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に実質的に記載された、新規な物、方法及び製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0229
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0229】
本明細書において引用されたすべての参考文献は、各個々の刊行物、特許または特許出
願が全ての目的のためにその全体が参照により組み込まれるように具体的に、個々に示さ
れるのと同程度に、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。いか
なる刊行物の引用も、出願日前のその開示のためであり、本発明が先行発明のためにその
ような刊行物に先行する権利がないことの承認として解釈されてはならない。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
ナチュラルキラー細胞の集団であって、ナチュラルキラー(NK)細胞が、NK阻害性
分子の発現を欠く、またはNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されてい
るナチュラルキラー細胞の集団。
(態様2)
NK阻害性分子が、CBLB、NKG2AおよびTGFBR2からなる群から選択され
る1種または複数のNK阻害性分子である、態様1に記載の集団。
(態様3)
遺伝子改変されたNK細胞が、NK阻害性分子の発現がノックアウトまたは低減されて
いないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有する、態様1または2に記
載の集団。
(態様4)
腫瘍細胞が、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部
癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ
腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺
癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞
腫細胞からなる群から選択される、態様3に記載の集団。
(態様5)
腫瘍細胞が、固形腫瘍細胞である、態様4に記載の集団。
(態様6)
固形腫瘍細胞が、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神
経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択される、態様5に記載の集団。
(態様7)
NK阻害性分子の発現が、ノックアウトされている、態様1に記載の集団。
(態様8)
NK阻害性分子の発現が、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレ
アーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされている、態様7に記載
の集団。
(態様9)
NK阻害性分子の発現が、CRISPR関連技術によってノックアウトされている、請
求項7に記載の集団。
(態様10)
NK阻害性分子がCBLBである、態様1または2に記載の集団。
(態様11)
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも
、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高いIFNγ分泌を有するN
K細胞の集団を生成する、態様7から10のいずれか一項に記載の集団。
(態様12)
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも
、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞
の集団を生成する、態様7から10のいずれか一項に記載の集団。
(態様13)
脱顆粒が、CD107aの増大によって測定される、態様12に記載の集団。
(態様14)
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞と比較
して、多発性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、GM-CSF、可溶性CD137(s
CD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよびパーフォリンのうち
1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する、態様7から10のい
ずれか一項に記載の集団。
(態様15)
NK阻害性分子がNKG2Aである、態様1または2に記載の集団。
(態様16)
NKG2A発現のノックアウトが、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞よ
りも、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、ICAM-1およびMICAを用いて刺激
された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する、態様15から19のい
ずれか一項に記載の集団。
(態様17)
脱顆粒が、CD107aの増大によって測定される、態様16に記載の集団。
(態様18)
NKG2A発現のノックアウトが、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞と
比較して、GM-CSF、可溶性CD137(sCD137)、IFNγ、MIP1α、
MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリンのうち1種または複数の分泌の変化を
有するNK細胞の集団を生成する、態様16または17に記載の集団。
(態様19)
NK阻害性分子がTGFBR2である、態様1または2に記載の集団。
(態様20)
TGFBR2発現のノックアウトが、TGFBR2がノックアウトされていないNK細
胞と比較して、腫瘍細胞に対するNK細胞の細胞毒性のTGFβ媒介性阻害に対する耐性
を有するNK細胞の集団を生成する、態様19に記載の集団。
(態様21)
ナチュラルキラー細胞の集団であって、ナチュラルキラー(NK)細胞が、改変された
CD16を含むように遺伝子改変されているナチュラルキラー細胞の集団。
(態様22)
改変されたCD16が、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有する、請
求項21に記載の集団。
(態様23)
改変されたCD16が、CD16aの位置158にバリンを有する、態様22に記載
の集団。
(態様24)
改変されたCD16が、ADAM17切断に対して耐性である、態様21に記載の集
団。
(態様25)
改変されたCD16が、CD16aの位置197にプロリンを有する、態様24に記
載の集団。
(態様26)
改変されたCD16が、IgKシグナルペプチドを含有する、態様21から25のい
ずれか一項に記載の集団。
(態様27)
改変されたCD16が、CD16シグナルペプチドを含有する、態様21から26の
いずれか一項に記載の集団。
(態様28)
改変されたCD16が、ウイルス感染を介してNK細胞に導入される、態様21から
27のいずれか一項に記載の集団。
(態様29)
改変されたCD16が、ウイルス感染を介して造血細胞に導入され、次いで造血細胞が
NK細胞に分化する、態様28に記載の集団。
(態様30)
改変されたCD16が、レンチウイルスベクターを介して導入される、態様28から
29に記載の集団。
(態様31)
レンチウイルスベクターが、CMVまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する、
態様30に記載の集団。
(態様32)
レンチウイルスベクターが、1種または複数の薬物選択マーカーを含む、態様30ま
たは31に記載の集団。
(態様33)
改変されたCD16が、レトロウイルスベクターを介して導入される、態様28また
は29に記載の集団。
(態様34)
レトロウイルスベクターが、1種または複数の薬物選択マーカーを含む、態様33に
記載の集団。
(態様35)
NK細胞が、胎盤由来(PNK細胞)である、態様1から34のいずれか一項に記載
の集団。
(態様36)
腫瘍細胞の増殖を抑制する方法であって、腫瘍細胞を、態様1から35または55か
ら59のいずれか一項に記載の集団に由来するナチュラルキラー細胞と接触させることを
含む方法。
(態様37)
前記接触が、in vitroで起こる、態様36に記載の方法。
(態様38)
前記接触が、in vivoで起こる、態様36に記載の方法。
(態様39)
前記接触が、ヒト個体、好ましくは、抗癌療法を受けるように選択された個体において
起こる、態様38に記載の方法。
(態様40)
前記ナチュラルキラー細胞を前記個体に投与することを含む、態様39に記載の方法
。
(態様41)
前記腫瘍細胞が、多発性骨髄腫細胞である、態様36から40のいずれかに記載の方
法。
(態様42)
前記腫瘍細胞が、急性骨髄性白血病(AML)細胞である、態様36から40のいず
れかに記載の方法。
(態様43)
前記個体が、再発性/難治性AMLを有する、態様42に記載の方法。
(態様44)
前記個体が、AMLに対する少なくとも1種の非自然リンパ球系細胞(ILC)治療が
失敗しているAMLを有する、態様42に記載の方法。
(態様45)
前記個体が、65歳以上であり、最初の寛解中である、態様40に記載の方法。
(態様46)
前記個体が、前記ナチュラルキラー細胞を投与する前にフルダラビン、シタラビンまた
は両方を用いてコンディショニングされている、態様40から45のいずれかに記載の
方法。
(態様47)
腫瘍細胞が、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部
癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ
腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺
癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞
腫細胞からなる群から選択される、態様40から46のいずれかに記載の方法。
(態様48)
腫瘍細胞が、固形腫瘍細胞である、態様40から47のいずれかに記載の集団。
(態様49)
固形腫瘍細胞が、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神
経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択される、態様48に記載の集団。前記ナチ
ュラルキラー細胞が、抗CD33抗体とともに投与される、態様40から49のいずれ
か一項に記載の方法。
(態様50)
前記ナチュラルキラー細胞が、抗CD20抗体とともに投与される、態様40から4
9のいずれか一項に記載の方法。
(態様51)
前記ナチュラルキラー細胞が、抗CD138抗体とともに投与される、態様40から
49のいずれか一項に記載の方法。
(態様52)
前記ナチュラルキラー細胞が、抗CD38抗体とともに投与される、態様40から4
9のいずれか一項に記載の方法。
(態様53)
前記ナチュラルキラー細胞が、前記接触または前記投与に先立って凍結保存されている
、態様36から53のいずれかに記載の方法。
(態様54)
前記ナチュラルキラー細胞が、前記接触または前記投与に先立って凍結保存されていな
い、態様36から53のいずれかに記載の方法。
(態様55)
ナチュラルキラー細胞が、CD56
+
CD3
-
CD117
+
CD11a
+
であり、パー
フォリンおよび/またはEOMESを発現し、RORγt、アリール炭化水素受容体およ
びIL1R1のうち1種または複数を発現しない、態様1から54のいずれか一項に記
載の集団。
(態様56)
前記ナチュラルキラー細胞が、パーフォリンおよびEOMESを発現し、RORγt、
アリール炭化水素受容体またはIL1R1のいずれも発現しない、態様55に記載の集
団。
(態様57)
前記ナチュラルキラー細胞が、T-bet、GZMB、NKp46、NKp30および
/またはNKG2Dをさらに発現する、態様55または56に記載の集団。
(態様58)
前記ナチュラルキラー細胞が、CD94を発現する、態様55から57のいずれか一
項に記載の集団。
(態様59)
前記ナチュラルキラー細胞が、CD94を発現しない、態様55から57のいずれか
一項に記載の集団。
(態様60)
胎盤またはその一部に由来し、それによって胎盤由来NK細胞(pNK細胞)を含むナ
チュラルキラー細胞の集団であって、pNK細胞が、NK阻害性分子の発現を欠く、また
はNK阻害性分子の発現の低減を示すように遺伝子改変されているナチュラルキラー細胞
の集団。
(態様61)
NK阻害性分子が、CBLB、NKG2AおよびTGFBR2からなる群から選択され
る1種または複数のNK阻害性分子である、態様60に記載の集団。
(態様62)
遺伝子改変されたNK細胞が、NK阻害性分子の発現がノックアウトまたは低減されて
いないNK細胞よりも、腫瘍細胞に対して高い細胞毒性を有する、態様60または61
に記載の集団。
(態様63)
腫瘍細胞が、多発性骨髄腫細胞、急性骨髄性白血病(AML)細胞、乳癌細胞、頭頸部
癌細胞、肉腫細胞、腺管癌細胞、白血病細胞、急性T細胞白血病細胞、慢性骨髄性リンパ
腫細胞、慢性骨髄性白血病(CML)細胞、多発性骨髄腫(MM)、肺癌腫細胞、結腸腺
癌細胞、組織球性リンパ腫細胞、結腸直腸癌腫細胞、結腸直腸腺癌細胞および網膜芽細胞
腫細胞からなる群から選択される、態様62に記載の集団。
(態様64)
腫瘍細胞が、固形腫瘍細胞である、態様62に記載の集団。
(態様65)
固形腫瘍細胞が、肝臓腫瘍細胞、肺腫瘍細胞、膵臓腫瘍細胞、腎腫瘍細胞および多形神
経膠芽腫(GBM)細胞からなる群から選択される、態様64に記載の集団。
(態様66)
NK阻害性分子の発現が、ノックアウトされている、態様60に記載の集団。
(態様67)
NK阻害性分子の発現が、CRISPR/CAS9システム、ジンクフィンガーヌクレ
アーゼまたはTALENヌクレアーゼによってノックアウトされている、態様66に記
載の集団。
(態様68)
NK阻害性分子の発現が、CRISPR関連技術によってノックアウトされている、請
求項66に記載の集団。
(態様69)
NK阻害性分子が、CBLBである、態様60または61に記載の集団。
(態様70)
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも
、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高いIFNγ分泌を有するN
K細胞の集団を生成する、態様69に記載の集団。
(態様71)
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞よりも
、ICAM-1およびMICAを用いて刺激された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞
の集団を生成する、態様69に記載の集団。
(態様72)
脱顆粒が、CD107aの増大によって測定される、態様71に記載の集団。
(態様73)
CBLB発現のノックアウトが、CBLBがノックアウトされていないNK細胞と比較
して、多発性骨髄腫細胞と同時培養された場合に、GM-CSF、可溶性CD137(s
CD137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリ
ンのうち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する、態様69か
ら72のいずれか一項に記載の集団。
(態様74)
NK阻害性分子が、NKG2Aである、態様60または61に記載の集団。
(態様75)
NKG2A発現のノックアウトが、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞よ
りも、NKG2Aアゴニスト抗体の存在下で、ICAM-1およびMICAを用いて刺激
された場合に、高い脱顆粒を有するNK細胞の集団を生成する、態様74に記載の集団
。
(態様76)
脱顆粒が、CD107aの増大によって測定される、態様75に記載の集団。
(態様77)
CD107aの増大が、FACsによって測定される、態様76に記載の集団。
(態様78)
NKG2A発現のノックアウトが、NKG2AがノックアウトされていないNK細胞、
例えば、天然に存在するNK細胞と比較して、GM-CSF、可溶性CD137(sCD
137)、IFNγ、MIP1α、MIP1β、TNFαおよび/またはパーフォリンの
うち1種または複数の分泌の変化を有するNK細胞の集団を生成する、態様74から7
7のいずれか一項に記載の集団。
(態様79)
胎盤由来ナチュラルキラー細胞(pNK)の集団であって、pNK細胞が、改変された
CD16を含むように遺伝子改変されている胎盤由来ナチュラルキラー細胞(pNK)の
集団。
(態様80)
改変されたCD16が、野生型CD16よりもIgGに対して高い親和性を有する、請
求項79に記載の集団。
(態様81)
改変されたCD16が、CD16aの位置158にバリンを有する、態様80に記載
の集団。
(態様82)
改変されたCD16が、ADAM17切断に対して耐性である、態様79に記載の集
団。
(態様83)
CD16が、CD16aの位置197にプロリンを有する、態様82に記載の集団。
(態様84)
改変されたCD16が、IgKシグナルペプチドまたはCD16シグナルペプチドを含
有する、態様79から83のいずれか一項に記載の集団。
(態様85)
改変されたCD16が、ウイルス感染を介してNK細胞に導入される、態様79から
84のいずれか一項に記載の集団。
(態様86)
改変されたCD16が、ウイルス感染を介して造血細胞に導入され、次いで造血細胞が
NK細胞に分化する、態様85に記載の集団。
(態様87)
改変されたCD16が、レンチウイルスベクターを介して導入される、態様85また
は86に記載の集団。
(態様88)
レンチウイルスベクターが、CMVまたはEF1αプロモーターのいずれかを有する、
態様87に記載の集団。
(態様89)
レンチウイルスベクターが、1種または複数の薬物選択マーカーを含む、態様85ま
たは86に記載の集団。
(態様90)
選択マーカーが、PuroR遺伝子、ZeoR遺伝子、HygroR遺伝子、neoR
遺伝子および/またはブラストサイジン耐性遺伝子などの選択剤に対する耐性を付与する
タンパク質をコードする遺伝子を含む、態様89に記載の集団。
(態様91)
改変されたCD16が、レトロウイルスベクターを介して導入される、態様85また
は86に記載の集団。
(態様92)
レトロウイルスベクターが、1種または複数の薬物選択マーカーを含む、態様91に
記載の集団。
【外国語明細書】