(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036655
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】車両シャーシ及び車両
(51)【国際特許分類】
B60L 15/20 20060101AFI20230307BHJP
B62D 63/02 20060101ALI20230307BHJP
B62D 6/00 20060101ALI20230307BHJP
B62D 5/04 20060101ALI20230307BHJP
B60T 13/74 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
B60L15/20 S
B62D63/02
B62D6/00
B62D5/04
B60T13/74 H
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022196335
(22)【出願日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202111502370.1
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202123087181.0
(32)【優先日】2021-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 福清
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 松
(72)【発明者】
【氏名】付 欣
(72)【発明者】
【氏名】武 付▲闖▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲愛▼▲華▼
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自動運転分野および運転テスト分野に関する車両シャーシ及び車両を提供する。
【解決手段】車両シャーシは、ステアリングシステム取付箇所、電気システム取付箇所、駆動システム取付箇所および2つのブレーキシステム取付箇所が設置されているシャーシホルダと、ステアリングシステムと、電気システムと、駆動システムと、2つのブレーキシステムとを含み、そのうち、ステアリングシステム取付箇所、電気システム取付箇所および駆動システム取付箇所は、車両シャーシの長手方向に順に設置され、第一ブレーキシステム取付箇所は、ステアリングシステム取付箇所と電気システム取付箇所との間に設置され、第二ブレーキシステム取付箇所は、駆動システム取付箇所と電気システム取付箇所との間に設置され、2つのブレーキシステム、駆動システムおよびステアリングシステムは、いずれも電気システムと通信接続される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングシステム取付箇所、電気システム取付箇所、駆動システム取付箇所および2つのブレーキシステム取付箇所が設置されているシャーシホルダと、ステアリングシステムと、電気システムと、駆動システムと、2つのブレーキシステムとを含む車両シャーシであって、
前記ステアリングシステム取付箇所、前記電気システム取付箇所および前記駆動システム取付箇所は、前記車両シャーシの長手方向に順に設置され、
前記2つのブレーキシステム取付箇所のうちの第一ブレーキシステム取付箇所は、前記ステアリングシステム取付箇所と前記電気システム取付箇所との間に設置され、
前記2つのブレーキシステム取付箇所のうちの第二ブレーキシステム取付箇所は、前記駆動システム取付箇所と前記電気システム取付箇所との間に設置され、
前記2つのブレーキシステム、前記駆動システムおよび前記ステアリングシステムは、いずれも前記電気システムと通信接続される
ことを特徴とする車両シャーシ。
【請求項2】
前記車両シャーシは、2つのアンテナモジュールをさらに含み、2つの前記アンテナモジュールは、いずれも前記電気システムと通信接続され、
前記シャーシホルダには、2つのアンテナ取付箇所がさらに設置され、前記2つのアンテナ取付箇所のうちの第一アンテナ取付箇所は、前記ステアリングシステム取付箇所と前記電気システム取付箇所との間に設置され、前記2つのアンテナ取付箇所のうちの第二アンテナ取付箇所は、前記駆動システム取付箇所と前記電気システム取付箇所との間に設置され、
前記第一アンテナ取付箇所および前記第一ブレーキシステム取付箇所は、前記車両シャーシの幅方向に順に設置され、かつ、前記第二アンテナ取付箇所および前記第二ブレーキシステム取付箇所は、前記車両シャーシの幅方向に順に設置される
ことを特徴とする請求項1に記載の車両シャーシ。
【請求項3】
前記アンテナモジュールは、アンテナユニットおよびアンテナホルダを含み、
前記アンテナホルダは、
第一固定板と、
一端が前記第一固定板に固定される少なくとも2つの第一ガイドポストと、
前記少なくとも2つの第一ガイドポストに外挿され、かつ、前記少なくとも2つの第一ガイドポストの長手方向に沿って移動可能に配置される第二固定板と、
それぞれ前記少なくとも2つの第一ガイドポストに外挿され、かつ、前記第二固定板と前記第一固定板との間に位置され、一端が前記第一固定板に固定される少なくとも2つの第一弾性部材と、
を含み、
前記第二固定板は、固定部材が設置されており、前記アンテナユニットを固定するために配置される
ことを特徴とする請求項2に記載の車両シャーシ。
【請求項4】
前記シャーシホルダは、垂直方向に複数の第一補強リブが延設され、かつ、前記複数の第一補強リブの高さは、前記ステアリングシステム取付箇所、前記電気システム取付箇所、前記駆動システム取付箇所および前記2つのブレーキシステム取付箇所の高さ以下である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両シャーシ。
【請求項5】
前記車両シャーシは、前記シャーシホルダに取り外し可能に覆われる蓋板をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の車両シャーシ。
【請求項6】
前記ステアリングシステムは、2つのステアリング輪装置とステアリング駆動装置とを含み、
前記ステアリング駆動装置は、
モータユニットと、
入力端が前記モータユニットの出力軸に接続され、かつ、2つの出力端を有するステアリングと、
一端がそれぞれ前記2つの出力端に接続され、他端がそれぞれ2つの前記ステアリング輪装置に接続される2つの伝動ロッドと、
を含み、
前記ステアリングは、前記モータユニットの駆動で前記入力端を回動させて、前記2つの出力端を前記入力端に垂直な方向に移動させるように駆動することにより、2つの前記ステアリング輪装置におけるステアリング輪の回動方向を制御するように配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の車両シャーシ。
【請求項7】
前記モータユニットは、ステアリングモータ、および、入力軸が前記ステアリングモータの出力軸に接続される減速機を含み、
前記ステアリング駆動装置は、
前記減速機と前記ステアリングとの間に設置され、一端が前記減速機の出力軸に接続され、他端が前記ステアリングの入力端に接続されるカップリングをさらに含み、
前記減速機は、直角減速機である
ことを特徴とする請求項6に記載の車両シャーシ。
【請求項8】
前記ステアリング輪装置は、
車輪懸架ユニットと、
前記車輪懸架ユニットの第二弾性部材に固定接続される接続ユニットと、
ステアリング輪およびステアリング輪ハブを含み、前記ステアリング輪が前記ステアリング輪ハブに外挿され、前記ステアリング輪ハブが前記接続ユニットに伝動接続されるステアリング輪ユニットと、
を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の車両シャーシ。
【請求項9】
前記車輪懸架ユニットは、
第一取付板および第二取付板を含む取付フレームと、
一端が前記第一取付板に固定接続される第二弾性部材と、
両端がそれぞれ前記第一取付板および前記第二取付板に固定される第二ガイドポストと、
前記第二ガイドポストに外挿され、かつ、前記第二弾性部材の他端に固定接続される第一固定ブロックと、
を含み、
前記第一固定ブロックは、接続ユニットを介して前記ステアリング輪ユニットに接続され、前記ステアリング輪ユニットが上下に運動する過程において、前記第一固定ブロックが前記接続ユニットの駆動で前記第二ガイドポストに沿って移動することにより、前記第二弾性部材が圧縮または伸長されるように配置される
ことを特徴とする請求項8に記載の車両シャーシ。
【請求項10】
前記ステアリング輪装置は、
前記ステアリング輪と前記ステアリング輪ハブとの間に対向して設置される2つの第一ドラムブレーキシートであって、前記ステアリング輪ハブが前記2つの第一ドラムブレーキシートによって囲まれた空間に介在する2つの第一ドラムブレーキシートと、
前記2つの第一ドラムブレーキシートの近接する2つの第一端の間に介在する第一回転軸と、
前記2つの第一ドラムブレーキシートの近接する2つの第二端の間に介在する第一固定軸と、
前記第一回転軸に固定接続され、かつ、前記第一ブレーキシステムにおける第一ブレーキワイヤに固定接続される第一ワイヤ引きロッドと、
をさらに含み、
前記ステアリング輪装置は、前記第一ブレーキワイヤが引き締められる/解放される場合、前記第一ブレーキワイヤが前記第一ワイヤ引きロッドおよび前記第一固定軸を回動させるように駆動することにより、前記2つの第一端の間の間隔を増大/減少させて、前記2つの第一ドラムブレーキシートと前記ステアリング輪との間の摩擦力を増大/減少させるように配置される
ことを特徴とする請求項9に記載の車両シャーシ。
【請求項11】
前記駆動システムは、2つの駆動輪装置、および、前記2つの駆動輪装置にそれぞれ接続される2つの駆動装置を含み、
前記駆動輪装置は、駆動輪ハブおよび駆動輪を含み、
前記駆動装置は、
駆動モータと、
前記駆動モータの出力軸および前記駆動輪ハブに接続され、前記駆動モータの提供する動力を前記駆動輪ハブに伝達して、前記駆動輪を回動させるように駆動するように配置される動力伝達ユニットと、
前記駆動モータを前記車両シャーシに取り付けるように配置される第三取付板と、
前記第三取付板に固定接続された回動軸および前記回動軸に接続された回転アームを含み、前記回転アームが前記回動軸を回転軸として回動するように配置されるダンパユニットと、
を含み、
前記回動軸の延伸方向は、前記動力伝達ユニットが前記駆動輪を回動させるように駆動する方向と垂直である
ことを特徴とする請求項1に記載の車両シャーシ。
【請求項12】
前記駆動輪装置は、
前記駆動輪と前記駆動輪ハブとの間に対向して設置される2つの第二ドラムブレーキシートであって、前記駆動輪ハブが前記2つの第二ドラムブレーキシートによって囲まれた空間に介在する2つの第二ドラムブレーキシートと、
前記2つの第二ドラムブレーキシートの近接する2つの第三端の間に介在する第二回転軸と、
前記2つの第二ドラムブレーキシートの近接する2つの第四端の間に介在する第二固定軸と、
前記第二回転軸に固定接続され、かつ、前記第二ブレーキシステムにおける第二ブレーキワイヤに固定接続される第二ワイヤ引きロッドと、
をさらに含み、
前記駆動輪装置は、前記第二ブレーキワイヤが引き締められる/解放される場合、前記第二ブレーキワイヤが前記第二ワイヤ引きロッドおよび前記第二回転軸を回動させるように駆動することにより、前記2つの第三端の間の間隔を増大/減少させて、前記2つの第二ドラムブレーキシートと前記駆動輪との間の摩擦力を増大/減少させるように配置される
ことを特徴とする請求項11に記載の車両シャーシ。
【請求項13】
前記2つのブレーキシステムのうちのいずれか一つのブレーキシステムは、
動力ユニットと、
前記動力ユニットの出力軸に接続される動力伝達ユニットと、
前記動力伝達ユニットに接続され、前記動力伝達ユニットの伝動によって平行移動するように配置される平行移動ユニットと、
前記平行移動ユニットに接続され、前記平行移動ユニットの推進によってエネルギーを蓄積するように配置される蓄力ユニットと、
前記平行移動ユニットおよび車両の車輪装置に接続され、前記平行移動ユニットの駆動で引き締められるまたは解放されるように配置されるブレーキユニットと、
を含み、
前記蓄力ユニットは、前記車両シャーシを含む車両が停電した場合にエネルギーを放出して前記平行移動ユニットを平行移動させるように推進することにより、前記ブレーキユニットが引き締められて、前記ステアリングシステム/前記駆動システムにおけるドラムブレーキシートを、前記ステアリングシステムにおけるステアリング輪/前記駆動システムにおける駆動輪に作用力を印加させるように駆動するように配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の車両シャーシ。
【請求項14】
前記電気システムは、
電源モジュールと、
前記電源モジュールの第一方向に沿う一側に設置され、前記車両シャーシにおける動力モータを制御するための第一モータ駆動モジュールと、
前記電源モジュールの前記第一方向に沿う他側に設置され、かつ、前記第一モータ駆動モジュールの前記第一方向と垂直である第二方向での一側に設置され、前記車両シャーシにおけるステアリングモータおよびブレーキモータを制御するための第二モータ駆動モジュールと、
前記第一モータ駆動モジュールの前記第二方向での一側に設置され、かつ、前記電源モジュールの前記第一方向に沿う一側に設置される通信モジュールと、
前記第二モータ駆動モジュールの、前記第二方向での前記電源モジュールに近接する一側に設置される制御モジュールと、
を含み、
前記第一モータ駆動モジュール、前記通信モジュール、前記第二モータ駆動モジュールおよび前記制御モジュールは、いずれも前記電源モジュールに電気的に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の車両シャーシ。
【請求項15】
前記電源モジュールは、複数の電池モジュールと電池収容装置とを含み、
前記電池収容装置は、
開口を有する収容キャビティと、
複数の第二補強リブであって、前記複数の第二補強リブのうちの各第二補強リブが前記収容キャビティの2つの対向する側壁に固定され、かつ、前記複数の第二補強リブが前記開口から突出するまたは前記開口と面一である複数の第二補強リブと、
前記複数の第二補強リブのうちの少なくとも一部の第二補強リブから前記収容キャビティの前記開口に対向する底壁まで延伸し、かつ、前記底壁に固定される複数のガイドロッドと、
前記複数の第二補強リブおよび前記収容キャビティは、それぞれ前記複数の電池モジュールを収容する複数の収容空間を形成し、前記複数の電池モジュールは、それぞれ前記複数の収容空間に固定される
ことを特徴とする請求項14に記載の車両シャーシ。
【請求項16】
車両であって、
ケースと、
請求項1~15のいずれか一項に記載の車両シャーシと、
を含み、
前記ケースは、前記車両シャーシの上方に覆われている
ことを特徴とする車両。
【請求項17】
前記車両は、少なくとも一つの補助輪装置、および、少なくとも一つの第二固定ブロックをさらに含み、
前記少なくとも一つの補助輪装置のそれぞれは、
車輪ユニットと、
固定座およびトグルクランプを含み、前記固定座が前記トグルクランプに固定接続され、かつ、前記固定座が前記車輪ユニットに取り外し可能に接続され、前記トグルクランプの回動アームに押圧部材が設置されている迅速取り外しユニットと、
を含み、
前記少なくとも一つの第二固定ブロックは、前記車両シャーシに固定接続され、かつ、前記少なくとも一つの第二固定ブロックのそれぞれには、溝が設置され、
前記車両は、前記少なくとも一つの補助輪装置において、トグルクランプの押圧部材と前記少なくとも一つの第二固定ブロックの溝とがそれぞれ締りばめされる場合、前記補助輪装置が前記車両シャーシに接続されるように配置される
ことを特徴とする請求項16に記載の車両。
【請求項18】
前記補助輪装置が前記車両シャーシに接続される場合、前記車両の高さが第一高さであり、前記補助輪装置が前記車両シャーシに接続されていない場合、前記車両の高さが第二高さであり、前記第一高さは、前記第二高さよりも大きい
ことを特徴とする請求項17に記載の車両。
【請求項19】
前記ケースは、前記車両シャーシの上方に取り外し可能に覆われ、かつ、前記ケースの材料は、弾性材料を含む
ことを特徴とする請求項16に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両技術分野に関し、具体的に、自動運転分野および運転テスト分野に関し、より具体的に、車両シャーシ及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
電子技術およびネットワーク技術の発展に伴い、自動運転技術はインターネット分野および車両分野の重要な発展方向の一つとなる。成熟した自動運転技術は、運転者の両手を解放することができ、さらにある程度で交通事故を減少させひいては回避することができる。自動運転車両が出荷される前に、一般的に大量のテストおよび実験を行う必要があり、これにより自動運転技術の信頼性を保証する。
【発明の概要】
【0003】
適用場面がより広い車両シャーシ及び車両を提供する。
【0004】
本開示の一つの態様は、車両シャーシを提供し、該車両シャーシは、ステアリングシステム取付箇所、電気システム取付箇所、駆動システム取付箇所および2つのブレーキシステム取付箇所が設置されているシャーシホルダと、ステアリングシステムと、電気システムと、駆動システムと、2つのブレーキシステムとを含み、ここで、ステアリングシステム取付箇所、電気システム取付箇所および駆動システム取付箇所は、車両シャーシの長手方向に順に設置され、2つのブレーキシステム取付箇所のうちの第一ブレーキシステム取付箇所は、ステアリングシステム取付箇所と電気システム取付箇所との間に設置され、2つのブレーキシステム取付箇所のうちの第二ブレーキシステム取付箇所は、駆動システム取付箇所と電気システム取付箇所との間に設置され、ここで、2つのブレーキシステム、駆動システムおよびステアリングシステムは、いずれも前記電気システムと通信接続される。
【0005】
本開示の別の態様は、車両を提供し、該車両はケースと本開示が提供する車両シャーシとを含み、前記ケースは前記車両シャーシの上方に覆われている。
【0006】
本部分に記述される内容は、本開示の実施例の肝心または重要な特徴を標識するためのものではなく、本開示の範囲を制限するためのものでもないことを理解すべきである。本開示の他の特徴は、以下の明細書を通して、容易に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面は、本方案をよりよく理解するためのものであり、本開示を限定するものではない。
【
図1】
図1は、本開示の実施例に係る車両シャーシ及び車両の適用場面の概略図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施例に係る車両シャーシの構造概略図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施例に係るシャーシホルダの構造概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例に係るアンテナモジュールの構造概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例に係るステアリングシステムの構造概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施例に係るステアリング輪装置の構造概略図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施例に係る接続ユニットの構造概略図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施例に係る車輪懸架ユニットの構造概略図である。
【
図9】
図9は、本開示の別の実施例に係るステアリング輪装置の構造概略図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施例に係る駆動システムの構造概略図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施例に係るブレーキシステムの構造概略図である。
【
図12】
図12は、本開示の実施例に係る電気システムの構造概略図である。
【
図13】
図13は、本開示の実施例に係る電源モジュールの構造概略図である。
【
図14】
図14は、本開示の実施例に係る車両の構造概略図である。
【
図15】
図15は、本開示の実施例に係る補助輪装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示の例示的な実施例について説明し、容易に理解するために、その中には本開示の実施例の様々な詳細を含んでおり、それらは単なる例示するものと見なされるべきである。したがって、当業者は、ここで記述される実施例に対して様々な変更や修正を行ってもよく、本開示の範囲および精神から逸脱することにならないと理解すべきである。同様に、明確および簡潔するために、以下の記述では、周知の機能および構成の記述を省略する。
【0009】
本開示は、車両シャーシを提供し、該車両シャーシは、ステアリングシステム取付箇所、電気システム取付箇所、駆動システム取付箇所および2つのブレーキシステム取付箇所が設置されているシャーシホルダと、ステアリングシステムと、電気システムと、駆動システムと、2つのブレーキシステムとを含む。ここで、ステアリングシステム取付箇所、電気システム取付箇所および駆動システム取付箇所は、車両シャーシの長手方向に順に設置される。2つのブレーキシステム取付箇所のうちの第一ブレーキシステム取付箇所は、ステアリングシステム取付箇所と電気システム取付箇所との間に設置される。2つのブレーキシステム取付箇所のうちの第二ブレーキシステム取付箇所は、駆動システム取付箇所と電気システム取付箇所との間に設置される。ここで、2つのブレーキシステム、駆動システムおよびステアリングシステムは、いずれも電気システムと通信接続される。
【0010】
以下、
図1を参照しながら、本開示の提供する車両シャーシ及び車両の適用場面を説明する。
【0011】
図1は、本開示の実施例に係る車両シャーシ及び車両の適用場面の概略図である。
【0012】
図1に示すように、該適用場面100は、テストターゲット車110および自動運転車120を含む。
【0013】
該適用場面100において、自動運転車120は、出荷前の車両であってもよく、出荷後にメンテナンスを必要とする車両であってもよい。自動運転車120をテストする時、テストターゲット車110を道路で走行することを模擬する車両として、自動運転車120の障害物回避等の機能をテストすることができる。
【0014】
例えば、テストターゲット車110を自動運転車120が位置する道路に設置して、自動運転車120がテストターゲット車110の近傍まで走行する時に自動的に車線変更することができるか否か、または減速することができるか否か等をテストすることにより、自動運転安全テスト等を実現する。
【0015】
本開示の実施例によれば、該テストターゲット車110は、例えば地面を自動的に走行するロボットであってもよく、モータにより駆動され、該テストターゲット車110は指定された速度に達することができる。例えば、該実施例では、バックグラウンドでテストターゲット車110に走行経路を予め設定することができ、テストターゲット車110は該走行経路に基づいて走行することにより、実際の道路状況における車両をシミュレーションすることができる。あるいは、該テストターゲット車110は、さらに物体搬送場面に適用されて、衝撃によって損傷されたターゲット車を搬送し、またはテストターゲット車110に担持される任意の物体を搬送することができる。例えば、該テストターゲット110は、さらにスマート搬送ロボットとすることができる。
【0016】
一つの実施例において、テストターゲット車110は、車両シャーシおよびケースを含んでもよい。以下、
図2~
図11を参照しながら、該車両シャーシを詳細に説明する。理解できるように、該
図2~
図11における車両シャーシは、自動運転乗用車、スマート搬送ロボット等のスマート運転車両の車両シャーシとしてもよく、本開示はこれを限定しない。
【0017】
図2は、本開示の実施例に係る車両シャーシの構造概略図である。
【0018】
図2に示すように、該実施例の車両シャーシ20は、シャーシホルダ210と、ステアリングシステム220と、電気システム230と、駆動システム240と、2つのブレーキシステム250とを含んでもよい。
【0019】
ここで、シャーシホルダ210には、ステアリングシステム取付箇所、電気システム取付箇所、駆動システム取付箇所および2つのブレーキシステム取付箇所が設置されており、それぞれ、ステアリングシステム220、電気システム230、駆動システム240および2つのブレーキシステム250を取り付けて収容するために用いられる。
【0020】
ここで、ステアリングシステム取付箇所、電気システム取付箇所および駆動システム取付箇所は、車両シャーシ20の長手方向に順に設置されることにより、ステアリングシステム、電気システムおよび駆動システムが該車両シャーシ20の長手方向に順に設置される。
【0021】
ここで、2つのブレーキシステム取付箇所のうちの第一ブレーキシステム取付箇所は、ステアリングシステム取付箇所と電気システム取付箇所との間に設置されることにより、ステアリングシステム220と電気システム230との間の空きスペースに第一ブレーキシステムを設置することができる。該第一ブレーキシステムは、ステアリングシステム220に伝動接続されることにより、車両シャーシ20を含む車両のフロントブレーキ機能を実現する。
【0022】
ここで、2つのブレーキシステム取付箇所のうちの第二ブレーキシステム取付箇所は、駆動システム取付箇所と電気システム取付箇所との間に設置されることにより、駆動システム240と電気システム230との間の空きスペースに第二ブレーキシステムを設置することができる。該第二ブレーキシステムは、駆動システム240に伝動接続されることにより、車両シャーシ20を含む車両のリアブレーキ機能を実現する。
【0023】
ここで、電気システム230は、電源モジュールおよび制御モジュールを含んでもよい。ステアリングシステム220、駆動システム240および2つのブレーキシステム250における各電気機器は、いずれも該電源モジュールに電気的に接続されることにより、電源モジュールからこれらの電気機器に電気エネルギーを提供する。ステアリングシステム220、駆動システム240および2つのブレーキシステム250における各電気機器は、いずれも制御モジュールと通信接続されることにより、これらの電気機器の動作が制御される。
【0024】
該実施例において、2つのブレーキシステムの設置により、ステアリング輪および駆動輪に対する個別制御を実現することができ、ブレーキ性能を向上させやすい。さらに、ステアリングシステム、2つのブレーキシステム、電気システムおよび駆動システムの取付位置を限定することにより、車両シャーシの小型化および扁平化設計を実現しやすく、これにより該車両シャーシを含む車両の適用場面を広げやすい。
【0025】
一つの実施例において、車両シャーシ20は、さらに2つのアンテナモジュール260を含んでもよく、該アンテナモジュール260は、車両の組み合わせナビゲーション装置における表示機器、ラジオ、車載電話等の機器に伝送された信号を受信するために用いられる。該2つのアンテナモジュール260は、いずれも電気システムと通信接続されてもよく、具体的に、電気システムにおける通信装置等と通信接続されて、受信された信号を表示機器、ラジオ、車載電話等の機器に転送する。
【0026】
それに応じて、シャーシホルダ210には、さらに2つのアンテナ取付箇所が設置されてもよい。ここで、2つのアンテナ取付箇所のうちの第一アンテナ取付箇所は、ステアリングシステム取付箇所と電気システム取付箇所との間に位置することができる。2つのアンテナ取付箇所のうちの第二アンテナ取付箇所は、駆動システム取付箇所と電気システム取付箇所との間に設置される。さらに、第一アンテナ取付箇所および第一ブレーキシステム取付箇所は、車両シャーシ20の幅方向に順に設置されることができ、かつ、第二アンテナ取付箇所および第二ブレーキシステム取付箇所は、車両シャーシの幅方向に順に設置されることができる。このように、一方のアンテナモジュールをステアリングシステム220と電気システム230との間の空間に設置し、他方のアンテナモジュールを駆動システム240と電気システム230との間の空間に設置することができる。これにより、ステアリングシステムと電気システムとの間および駆動システムと電気システムとの間の空間を十分に利用する。車両シャーシ上の各システムの設置をコンパクトにし、車両シャーシおよび該車両シャーシを含む車両の小型化設計を容易にする。
【0027】
一つの実施例において、該車両シャーシ20は、シャーシホルダ210に取り外し可能に覆われる蓋板をさらに含んでもよい。ここで、蓋板は、上蓋板、前蓋板、後蓋板および2つの側蓋板を含んでもよい。ここで、上蓋板は、前述の各取付箇所の上方を覆うために用いられる。2つの側蓋板は、シャーシホルダ210の各取付箇所のシャーシホルダ210の幅方向の両側を覆うために用いられる。前蓋板および後蓋板は、それぞれシャーシホルダ210の各取付箇所のシャーシホルダ210の長手方向の両側を覆うために用いられる。蓋板の厚さは実際の必要に応じて設定することができ、本開示はこれを限定しない。該蓋板の設置により、車両シャーシにおける各システムに保護作用を果たし、該車両シャーシにおける各システムが風雨に曝されることを回避することができる。
【0028】
一つの実施例において、電気システム230が電気システム取付箇所に取り付けられている場合、該電気システム230における外付けの必要がある電気インタフェースおよび/または通信インタフェース等は、蓋板から露出することにより、車両における、車両シャーシにおける電気機器以外の他の電気機器が該電気インタフェースおよび/または通信インタフェースに接続される。
【0029】
図3は、本開示の実施例に係るシャーシホルダの構造概略図である。
【0030】
図3に示すように、該実施例において、シャーシホルダ310には、各取付箇所以外の他の領域に複数の第一補強リブ311が設置されてもよく、該複数の第一補強リブ311は、シャーシホルダから上向きに延伸して、シャーシホルダの耐転圧能力を向上させることができる。該複数の第一補強リブの高さは、例えばステアリングシステム取付箇所、電気システム取付箇所、駆動システム取付箇所および2つのブレーキシステム取付箇所の高さ以下であってもよい。これにより、車両シャーシ全体の高さが小さいことを保証する。例えば、車両シャーシの高さを5cm以内に制御してもよい。理解できるように、上記車両シャーシの高さは、単に例として本開示の理解に役立ち、該車両シャーシの高さは、例えば3cm、2cm等であってもよく、本開示はこれを限定しない。
【0031】
一つの実施例において、該シャーシホルダ310は、一体形成構造であってもよく、これにより、車両シャーシの安定性を向上させ、車両シャーシを損傷しにくくする。
【0032】
例えば、より小さい直径のステアリング輪および駆動輪を使用することにより、車両シャーシの高さを低減させることができる。これにより、該車両シャーシを含む車両の使用範囲を広げやすい。例えば、テストターゲット車に低い車両シャーシを設置することにより、シャーシが低いテスト対象の自動運転車両をテストしやすい。
【0033】
一つの実施例において、
図3に示すように、シャーシホルダ310は、両端が扁平であり、中間が突起する構造であってもよい。具体的に、該シャーシホルダ310の長手方向の両端は、傾斜面構造であってもよい。このように、車両シャーシがテストターゲット車のシャーシである場合、該法面構造は、テストすべき自動運転車両の転圧を容易にする。
【0034】
一つの実施例において、
図3に示すように、シャーシホルダ310は、垂直方向に沿って設置された複数の側板312により前述の各取付箇所を囲むことができる。例えば、該複数の側板には、さらに複数の配線孔が設置されてもよく、各システムにおける電気機器の間の電線および通信ケーブル等を穿設するために用いられる。
【0035】
以下、
図4を参照しながら、車両シャーシに含まれた2つのアンテナモジュールのうちのいずれか一つのアンテナモジュールの構造を詳細に説明する。
【0036】
図4は、本開示の実施例に係るアンテナモジュールの構造概略図である。
【0037】
図4に示すように、該実施例のアンテナモジュール460は、アンテナユニットおよびアンテナホルダを含んでもよい。
【0038】
ここで、アンテナホルダは、第一固定板4611と、少なくとも2つの第一ガイドポスト4612と、少なくとも2つの第一弾性部材4613と、第二固定板4614とを含んでもよい。
【0039】
ここで、少なくとも2つの第一ガイドポスト4612の一端は、第一固定板4611に固定され、第二固定板4614は、該少なくとも2つの第一ガイドポスト4612に外挿され、かつ、該少なくとも2つの第一ガイドポスト4612の長手方向に沿って移動することができる。少なくとも2つの第一弾性部材4613も、該少なくとも2つの第一ガイドポスト4612に外挿され、かつ、該少なくとも2つの第一弾性部材4613の一端は、第一固定板4611に固定接続されてもよい。該少なくとも2つの第一弾性部材4613の一端に対向する他端は、第二固定板4614に固定されてもよく、または該少なくとも2つの第一弾性部材4613の他端は、自由端であってもよい。ここで、少なくとも2つの第一弾性部材4613は、第一固定板4611と第二固定板4614との間に位置することができる。すなわち、第二固定板4614は、少なくとも2つの第一ガイドポスト4612上の、少なくとも2つの第一弾性部材4613に対して少なくとも2つの第一ガイドポスト4612の他端に近接する領域に外挿される。
【0040】
ここで、少なくとも2つの第一ガイドポスト4612の他端は、例えば自由端であってもよい。あるいは、該少なくとも2つの第一ガイドポスト4612の他端には、サイズが第一ガイドポストのサイズよりも大きい外縁構造が設置されて、第二固定板4614の移動を制限することができる。このように、第二固定板4614が圧力を受ける時、少なくとも2つの第一ガイドポスト4612に沿って第一固定板4611に近接する方向に移動し、かつ、少なくとも2つの第一弾性部材4613を圧縮することができる。圧力が消失した後、該少なくとも2つの第一弾性部材4613の弾力作用で、第二固定板4614は、さらに第一固定板4611から離れる方向に移動することができる。
【0041】
ここで、アンテナユニット420は、アンテナホルダにおける第二固定板4614上の固定部材を介してアンテナホルダに接続されてもよい。例えば、第二固定板4614上の固定部材がねじロッドを含む場合、該アンテナユニットにおいて対応したねじ穴が設置されるべきであり、ねじロッドとねじ穴とのねじ接続により、アンテナホルダとアンテナユニットとの接続を実現する。
【0042】
図4に示すように、アンテナユニットは、アンテナヘッド4621およびアンテナポート4622を含んでもよい。ここで、アンテナヘッド4621は、例えばキノコヘッド構造であってもよく、矩形ヘッド構造であってもよい。該アンテナポート4622には、例えば変換ケーブルが設置されてもよく、受信された信号をラジオ、車載電話等の機器の受信可能な信号に変換するために用いられる。該アンテナポート4622は、例えば、アンテナヘッド4621の底端に突設することができる。
【0043】
一つの実施例において、アンテナユニットは、車両の組み合わせナビゲーション装置に含まれるアンテナユニットであってもよく、例えばGPSアンテナを含んでも良い。該アンテナユニットは、キノコヘッド構造等であってもよく、本開示はこれを限定しない。一つの実施例において、該アンテナユニットは、車両におけるラジオ、車載電話等の機器に伝送された信号を受信するために用いられてもよい。理解できるように、上記アンテナユニットのタイプは、単に例として本開示の理解に役立ち、本開示はこれを限定しない。
【0044】
該実施例のアンテナモジュール460は、アンテナユニットにアンテナホルダを設置することにより、アンテナユニットが圧力を受ける時、アンテナユニットを下向きに移動させ、該アンテナモジュール460を含む機器のケース内に引っ込めて、アンテナユニットが破壊されることを回避することができる。圧力が消失した後、アンテナホルダにおける第一弾性部材の作用で、アンテナユニットを該アンテナモジュール460を含む機器のケースから突出する位置に復帰させることができ、これによりアンテナユニットが信号を受信する安定性を保証する。
【0045】
一つの実施例において、第二固定板4614には、少なくとも2つのガイド孔が設置されてもよく、少なくとも2つの第一ガイドポスト4612は、それぞれ該少なくとも2つのガイド孔を貫通することにより、該第二固定板4614が該少なくとも2つの第一ガイドポスト4612に外挿される。
【0046】
一つの実施例において、第二固定板4614には、第二固定板4614に担持された物体を固定するための固定部材が設置されている。該固定部材は、例えば、第2固定板4614の中心位置に設けられてもよい。あるいは、該固定部材は、複数でありかつ第二固定板4614に均一に設置されてもよい。該固定部材は、例えばねじスリーブ、ボルト等であってもよく、該固定部材は、第二固定板4614の第一固定板4611から離れる表面に固定接続されてもよく、該固定接続は、例えば溶接等を含んでもよい。例えば、該第二固定板4614には、位置決め孔が設置されてもよく、固定部材は、ベースおよびねじロッドを含んでもよく、ベースは、該第二固定板4614の第一固定板4611に近接する一面に固定接続され、かつ、ねじロッドは、該位置決め孔を貫通する。このように、第二固定板4614に担持された物体は、該アンテナホルダにねじ接続されることができる。
【0047】
一つの実施例において、少なくとも2つの第一ガイドポスト4612は、少なくとも2つのガイドポスト固定部材により第一固定板4611に固定されることができる。ここで、各ガイドポスト固定部材は、例えば一体成形された係止リングおよび固定板を含んでもよく、第一ガイドポストは、係止リングを介して第一固定板4611に係止される。理解できるように、上記ガイドポスト固定部材の構造は、単に例として本開示の理解に役立ち、関連技術における任意の構造のガイドポスト固定部材を採用することができ、本開示はこれを限定しない。
【0048】
一つの実施例において、少なくとも2つの第一ガイドポスト4612および少なくとも2つの第一弾性部材4613の個数は、いずれも3であってもよく、3つの第一ガイドポスト4612は、均一に第一固定板4611に固定接続されてもよい。該個数の設置により、アンテナホルダの安定性を向上させることができる。
【0049】
図4に示すように、該実施例のアンテナホルダは、第一固定板4611、少なくとも2つの第一ガイドポスト4612、少なくとも2つの第一弾性部材4613および第二固定板4614に加えて、少なくとも2つのリニア軸受4615を含んでもよい。
【0050】
ここで、第二固定板4614には、例えば少なくとも2つのガイド孔が設置されてもよく、少なくとも2つのリニア軸受4615は、それぞれ該少なくとも2つのガイド孔に設置されてもよく、かつ、それぞれ少なくとも2つの第一ガイドポストに外挿される。一つの実施例において、該少なくとも2つのリニア軸受4615は、支持板等により第二固定板4614に固定接続されてもよい。すなわち、第二固定板4614の少なくとも2つのガイド孔および少なくとも2つのリニア軸受4615は、いずれも少なくとも2つの第一ガイドポスト4612に外挿され、第一ガイドポスト4612に外挿されたリニア軸受4615は、第二固定板4614のガイド孔と第一ガイドポスト4612との間に位置する。
【0051】
該リニア軸受4615の設置により、第二固定板4614が第一ガイドポストの長手方向に移動する時の摩擦力を低減させて、該第二固定板4614の移動の安定性を向上させることができる。理解できるように、該リニア軸受4615の構造は、関連技術における任意の構造を採用することができ、該リニア軸受4615の材質は、プラスチックまたは金属等であってもよく、本開示はこれを限定しない。
【0052】
一つの実施例において、
図4に示すように、該実施例のアンテナホルダは、第一固定板4611、少なくとも2つの第一ガイドポスト4612、少なくとも2つの第一弾性部材4613および第二固定板4614に加えて、少なくとも2つのガスケット4616を含んでもよい。
【0053】
ここで、該少なくとも2つのガスケット4616は、それぞれ少なくとも2つの第一ガイドポスト4612の第一固定板4611から離れる一端に固定されてもよい。該少なくとも2つのガスケット4616の材質は、ゴムまたは金属等であってもよく、該少なくとも2つのガスケット4616の設置により、第二固定板4614の移動範囲を制限することができる。1つの実施例において、該少なくとも2つのガスケット4616の材質は、ゴムであってもよく、これにより、該第二固定板4614が少なくとも2つの第一ガイドポスト4612の第一固定板4611から離れる一端までに移動する時、該少なくとも2つの第一ガイドポスト4612の第一固定板4611から離れる一端への衝撃力を低減させて、アンテナホルダ全体構造の安定性を向上させる。
【0054】
一つの実施例において、該実施例のアンテナホルダにおいて、第一固定板4611には、複数の固定孔が設置されてもよく、外付け固定部材と該複数の固定孔との係合により、例えばアンテナホルダを他の物体に取り外し可能に接続することができる。ここで、他の物体は、第二固定板4614に担持された物体以外の他の物体であってもよい。例えば、該他の物体は、車両シャーシのケース等に設置された取付箇所であってもよく、該取付箇所は、第二固定板4614に担持された物体を取り付けるために用いられる。ここで、外付け固定部材は例えばねじ、ボルト等の固定部材であってもよく、本開示はこれを限定しない。
【0055】
一つの実施例において、
図4に示すように、該実施例のアンテナホルダにおいて、第二固定板4614は、凹多角形であってもよい。該凹多角形の辺の数は、少なくとも2つの第一ガイドポストの数に関連してもよい。例えば、少なくとも2つの第一ガイドポストの数がnであれば、該凹多角形の辺の数は(n+1)であってもよい。n個の第一ガイドポストは、それぞれ凹多角形のn個の頂点に設置してもよく、該n個の頂点は、頂角角度が180°より小さい頂点である。それに応じて、該アンテナユニットがアンテナホルダに接続される場合、該アンテナポート4622は、第二固定板の夾角が180°よりも大きい2つの辺によって囲まれた空間に位置する。
【0056】
該実施例では、第二固定板を凹多角形に設置し、かつ、アンテナユニットがアンテナホルダに接続される時のアンテナポートの位置を限定することにより、ある程度でアンテナモジュールのサイズを小さくすることができ、アンテナユニットが潰れることを回避すると同時に、アンテナモジュールの小型化設計に役立つ。
【0057】
以下、
図5~
図9を参照しながら、車両シャーシに含まれたステアリングシステムの構造を詳細に説明する。
【0058】
図5は、本開示の実施例に係るステアリングシステムの構造概略図である。
【0059】
図5に示すように、該実施例のステアリングシステム520は、2つのステアリング輪装置521およびステアリング駆動装置522を含んでもよい。
【0060】
ここで、ステアリング輪装置521は、角接続部材52121、ステアリング輪ハブおよびステアリング輪52131を含んでもよい。ステアリング駆動装置522は、モータユニット5221、ステアリング5222および2つの伝動ロッド5223を含んでもよい。
【0061】
ここで、角接続部材52121の一端は、2つの伝動ロッドのうちの一つの伝動ロッドに接続され、該角接続部材52121の他端は、ステアリング輪ハブに接続されてもよい。具体的に、角接続部材52121の一端は、該伝動ロッドのモータから離れる他端に接続されてもよく、ステアリング輪ハブは、該角接続部材52121の他端に外挿されてもよい。ここで、ステアリング輪52131は、ステアリング輪ハブに外挿されてもよい。このように、モータの駆動で伝動ロッドを伝動ロッドの長手方向に沿って移動させる場合、伝動ロッドは、角接続部材52121を回動させるように駆動することができ、角接続部材52121は、ステアリング輪ハブおよびステアリング輪52131へ現在の回動方向に垂直な力を提供することにより、ステアリング輪ハブおよびステアリング輪52131の回動方向を変更することができる。
【0062】
一つの実施例において、角接続部材52121の一端には、固定孔が設置されてもよく、伝動ロッドは、接続部材と該固定孔との係合により、伝動ロッドと角接続部材52121との接続を実現することができる。
【0063】
ここで、モータユニット5221は、例えばモータを含んでもよく、動力源とするために用いられる。ステアリング5222の作用は、モータユニット5221からのステアリングトルクおよびステアリング角を適切に変換し(主に減速トルク増加)、さらに伝動ロッドに出力し、伝動ロッドの作用でステアリング輪装置を牽引して回動方向を変更することである。ステアリング5222は、歯車ラック構造、循環ボール構造、ウォームクランクピン構造、パワーステアリング等の様々な形式の構造を採用することができ、本開示はこれを限定しない。
【0064】
一つの実施例において、ステアリング5222の入力端は、モータユニット5221の出力軸に接続され、かつ、該ステアリング5222は、2つの出力端を有する。例えば、ステアリング5222は、歯車ラック構造を採用することができ、歯車は、モータユニット5221の出力軸に接続され、ラックの両端は、それぞれ2つの伝動ロッドに接続される。このように、歯車は、モータユニット5221の出力軸の駆動で回動し、ラックを歯車の中心軸に対して左右に移動させることができ、これにより2つの伝動ロッドを移動させるように駆動する。換言すれば、ステアリング5222の入力端は、モータユニット5221の駆動で回動することができ、これによりステアリング5222の2つの出力端を入力端に垂直な方向に移動させるように駆動する。
【0065】
ここで、2つの伝動ロッド5223の一端は、例えばステアリングの2つの出力端にヒンジ接続されるまたは固定接続されてもよく、かつ、該2つの伝動ロッド5223の他端は、それぞれ2つのステアリング輪装置にヒンジ接続されるまたは固定接続されてもよい。このように、ステアリングの2つの出力端が入力端に垂直な方向に移動する場合、2つの伝動ロッド5223を移動させるように駆動することができる。2つの伝動ロッド5223の移動は、2つの伝動ロッド5223にそれぞれ接続された2つのステアリング輪装置へ回動方向に垂直な力を提供することができる。
【0066】
ここで、ステアリング輪装置521は、ステアリング輪を含んでもよく、ステアリング駆動装置522でステアリング輪の回動方向を制御することにより、ステアリングシステム520を含む車両の走行方向を変更することができる。
【0067】
一つの実施例において、該ステアリング駆動装置522は、さらに固定板および固定部材を含んでもよく、固定板は、固定部材を介して車両シャーシに固定接続されることにより、ステアリング駆動装置を車両シャーシに固定することができる。
【0068】
本開示の実施例のステアリングシステムは、ステアリングおよび伝動ロッドを採用することによりステアリング輪を回動させるように駆動することができ、関連技術において電磁クラッチ等のステアリング駆動装置を設置する必要があることに比べて、装置構造を簡略化することができ、ステアリングシステムおよび車両の小型化設計を実現することに役立つ。また、一つのモータユニットで2つのステアリング輪装置を回動させるように駆動することにより、ステアリングシステムおよび車両の小型化設計を実現することにさらに役立つことができる。
【0069】
本開示の実施例によれば、モータユニットは、モータに加えて、例えば減速機を含んでもよく、これにより、モータとステアリングとの間に回動速度をマッチングしかつトルクを伝達する作用を提供する。該減速機の設置により、ステアリング駆動装置の安定動作に役立ち、ステアリング輪装置への制御精度を向上させることができる。
【0070】
例えば、減速機の入力軸は、モータの出力軸に固定接続されてもよく、減速機の出力軸は、ステアリングの入力端に固定接続されてもよい。このように、減速機の入力軸上の歯数の少ない歯車と減速機の出力軸上の大歯車とが噛み合うことにより、モータの動力に対して減速の目的を達成する。理解できるように、実際の必要に応じて異なるタイプの減速機を選択することができ、本開示は該減速機のタイプを限定しない。例えば、該実施例は、円筒歯車減速機、円錐歯車減速機または円錐-円筒歯車減速機等を採用することができる。
【0071】
一つの実施例において、減速機は、直角減速機であってもよく、該減速機により、モータの提供する動力の方向を90度回動することができる。このように、ステアリング輪装置の制御精度を向上させるとともに、ステアリング駆動装置が車両シャーシに取り付けられる時に車両シャーシの長手方向での占有空間をできるだけ減少させることができ、これにより車両の小型化設計に役立つ。
【0072】
一つの実施例において、モータユニットは、モータおよび減速機に加えて、カップリングを設置してもよい。これにより、ステアリングとモータユニットとの間の取付精度を保証し、ステアリング駆動装置の変形または熱膨張等の原因によるオフセットを効果的に回避する。
【0073】
図5に示すように、モータユニットは、モータ52211、減速機52212およびカップリング52213を含む。ここで、減速機52212は、直角減速機であり、減速機52212の入力軸は、電極52211の出力軸に接続され、減速機52212の出力軸は、カップリング52213の一端に接続され、カップリング52213の他端は、ステアリング5222に接続される。すなわち、カップリング52213は、ステアリング5222と減速機52212との間に設けられている。これにより、ステアリングとモータユニットとの間の取付精度を保証する。
【0074】
ここで、カップリングは、2つの半円環で合成することができ、該2つの半円環は、キー嵌合またはタイトフィットの方式で接続することができる。ステアリング駆動装置を取り付ける時に、まず該2つの半円環を減速機52212およびステアリングの入力端に外挿し、かつ、接続部材等により該2つの半円環をタイトフィットしてもよい。
【0075】
一つの実施例において、
図5に示すように、ステアリング駆動装置522は、さらにロータリーエンコーダ5224を含んでもよい。該ロータリーエンコーダ5224の出力軸は、伝動ベルトを介して減速機の出力軸に接続されてもよく、これにより減速機52212の出力軸の回動速度を調整する。したがって、該ロータリーエンコーダ5224の設置により、ステアリング輪の回動角を正確に制御することができる。
【0076】
ここで、ロータリーエンコーダ5224は、減速機の出力軸の回動速度を測定し、かつ、PWM技術と組み合わせて減速機の出力軸の回動速度に対する迅速な調整を実現するために用いられる。該ロータリーエンコーダ5224には、同期フランジ型エンコーダを用いることができる。理解できるように、本開示は、該ロータリーエンコーダ5224のタイプを限定せず、実際の必要に応じて任意のタイプのエンコーダを採用することができる。
【0077】
例えば、該ステアリング駆動装置522は、さらに伝動ユニット5225を含んでもよく、該伝動ユニット5225は、2つの同期輪および伝動ベルトを含んでもよい。2つの同期輪のうちの一方の同期輪は、ロータリーエンコーダ5224の出力軸に接続され、2つの同期輪のうちの他方の同期輪は、減速機52212の出力軸に接続され、伝動ベルトは、該2つの同期輪に外挿される。このように、ロータリーエンコーダ5224の回動速度を制御することにより、減速機の回動速度を調整することができる。理解できるように、該実施例の伝動ユニット5225の構造は、単に例として本開示の理解に役立ち、エンコーダのタイプに応じて、任意の構造の伝動ユニットを採用することができ、本開示はこれを限定しない。
【0078】
例えば、ロータリーエンコーダ5224は、固定板により車両シャーシに固定接続されてもよく、固定板により車両シャーシに固定された減速機に接続されてもよく、これによりロータリーエンコーダ5224の位置の固定を実現する。
【0079】
一つの実施例において、該ロータリーエンコーダ5224は、例えば、減速機52212に対してモータ52211と同じ側に設置されてもよい。このように、ステアリング駆動装置が車両シャーシに取り付けられる時に車両シャーシの幅方向での占有空間を減少させることができ、さらに車両の小型化設計に役立つ。
【0080】
一つの実施例において、該ステアリング駆動装置522は、さらに2つの防塵部材5226を含んでもよく、該2つの防塵部材5226は、例えば軸スリーブに類似する構造を採用することができ、それぞれステアリング5222の2つの出力端の外側に外挿される。例えば、2つの防塵部材5226は、それぞれ2つの伝動ロッド5223にそれぞれ接続された2つの出力端の外側に外挿されてもよい。
【0081】
理解できるように、2つの防塵部材5226は、プラスチック材質またはゴム材質等を採用することができ、本開示はこれを限定しない。防塵部材の設置により、出力軸がほこり等の不純物の影響による伝動ロッドとの間のヒンジ接続関係が安定しないという状況を回避することができ、このため、モータユニットの提供する駆動力の伝動効率を向上させ、ステアリング駆動装置のステアリング輪装置に対するステアリング駆動の安定性を保証することができる。
【0082】
本開示の実施例によれば、ステアリング5222の2つの出力端には、例えば球状溝が設置されてもよく、これにより2つの伝動ロッド5223とヒンジ接続しやすく、2つの伝動ロッド5223がある程度でステアリングに対して摺動することができる。該方式により、ある程度でステアリング駆動装置とステアリング輪装置との間の接続の柔軟性を向上させることができ、ある程度でステアリング輪装置の使用寿命を向上させることに役立つ。それに応じて、伝動ロッドは、ボールヘッドロッドであってもよく、これにより伝動ロッドとステアリングとの間のヒンジ接続を実現する。
【0083】
以下、前述の2つの伝動ロッドのうちのいずれか一つの伝動ロッドを例にして、伝動ロッドの構造を説明する。
【0084】
一つの実施例において、伝動ロッド5223は、ボールヘッド接続部材、クロスバーおよびコーナー接続部材を含んでもよい。そのうち、ボールヘッド接続部材は、ボールヘッド端および非ボールヘッド端を含み、該ボールヘッド接続部材のボールヘッド端は、2つの出力端のうちの一つの出力端に設置された球状溝に挿設される。ボールヘッド接続部材の非ボールヘッド端は、クロスバーに固定接続される。ここで、クロスバーの一端には、溝が設置されてもよく、ボールヘッド接続部材の非ボールヘッド端は、継手として該クロスバーの溝内に挿設される。例えば、該クロスバーの溝側壁には、ねじが設置されてもよく、かつ、ボールヘッド接続部材の非ボールヘッド端にも、ねじが設置され、このように、ボールヘッド接続部材とクロスバーとは、ねじにより噛み合うことができる。ここで、コーナー接続部材の一端は、クロスバーの溝が設置された一端に対向する他端に接続されてもよく、かつ、該コーナー接続部材の他端は、ステアリング輪装置521に固定接続される。
【0085】
例えば、クロスバーの他端にバンプが設置されてもよく、コーナー接続部材の一端に溝が設置されてもよく、該バンプと溝との係合により、クロスバーとコーナー接続部材との接続を実現する。該クロスバーとコーナー接続部材とは、ねじ噛み合いの方式で接続されてもよく、他の任意の方式で接続されてもよく、本開示はこれを限定しない。
【0086】
一つの実施例において、コーナー接続部材は、例えば直角構造であってもよく、これによりステアリングの提供する動力を90度回転させて、ステアリング輪装置に接続しやすい。
【0087】
一つの実施例において、コーナー接続部材は、互いに垂直に設置された第一接続部材および第二接続部材を含んでもよい。そのうち、第一接続部材の一端には、ねじ溝が設置されてもよい。このように、該第一接続部材は、クロスバーの他端にねじ接続されることができる。該第一接続部材の他端には、例えば球形溝が設置されてもよく、かつ、第二接続部材は、ボールヘッド接続部材であってもよい。このように、該第二接続部材のボールヘッド端は、該球形溝内に挿設されることができ、これにより該第二接続部材と第一接続部材との間は、ヒンジ接続形式で接続される。このように、第二接続部材をある程度で第一接続部材に対してスライドさせることができ、これによりある程度でステアリング駆動装置とステアリング輪装置との間の接続の柔軟性を向上させ、ある程度でステアリング輪装置の使用寿命を向上させることに役立つ。ここで、第二接続部材のボールヘッド部に対応する他端は、継手としてステアリング輪装置に固定接続されてもよい。具体的に、前述のステアリング輪装置における角接続部材の一端に固定接続されてもよい。
【0088】
一つの実施例において、第一接続部材と第二接続部材との間には、さらにガスケットが設置されてもよい。2つの接続部材を接続する時、まず該ガスケットを該第二接続部材のボールヘッドに外挿し、次にボールヘッドを第一接続部材の球状溝に締りばめする。該ガスケットの設置により、2つの接続部材の接続の安定性を向上させることができる。
【0089】
本開示の実施例によれば、ステアリングシステムを配置する場合、モータ52211の出力軸を減速機52212の入力軸に接続し、減速機52212の出力軸をカップリング52213の一端に接続することができる。また、ロータリーエンコーダ5224と減速機52212の出力軸とを伝動部材を介して接続することができる。
【0090】
カップリング52213の他端は、ステアリング5222の入力端に接続され、ステアリング5222の2つの出力端は、それぞれ2つの伝動ロッドに含まれる2つのボールヘッド接続部材に接続される。ボールヘッド接続部材は、クロスバーに接続され、クロスバーは、コーナー接続部材に接続される。コーナー接続部材は、ステアリング輪装置521における角接続部材52121に固定接続される。ボールヘッド接続部材は、クロスバーに接続され、クロスバーは、コーナー接続部材に接続される。コーナー接続部材は、ステアリング輪装置521における角接続部材52121に固定接続される。
【0091】
該ステアリング駆動装置とステアリング輪装置との係合により、モータ52211が動作する場合、モータ52211は、減速機52212の出力軸を回動させるように駆動することができ、減速機52212の出力軸は、カップリング52213を介してステアリングの入力端を回動させるように駆動することができ、これにより、ステアリングの2つの出力端を減速機52212の出力軸に垂直な方向に移動させるように駆動する。2つの出力軸の移動は、2つのボールヘッド接続部材を移動させるように駆動することができ、これにより、クロスバーがボールヘッド接続部材の駆動で移動するとともに、ボールヘッド接続部材に対して摺動することができる。ボールヘッド接続部材の移動は、コーナー接続部材を移動させるように駆動することができ、これにより角接続部材52121へステアリング輪の回動方向に垂直な作用力を提供する。このように、角接続部材52121は、該作用力をステアリング輪に伝達してステアリング輪の回動方向を変更することができる。
【0092】
本開示の実施例のステアリング駆動装置とステアリング輪装置との係合により、駆動システムの全体構造を小さくすることができ、車両の小型化および扁平化設計に役立つ。
【0093】
理解できるように、上記任意の2つの機械部材を接続する場合、ガスケット等の緩衝部材を外挿することにより接続することができ、これにより駆動システムの構造安定性を向上させる。前述のボールヘッド接続部材のボールヘッドは、ゴム等の弾性材質で構成されてもよく、かつ、該ボールヘッドのサイズは、球状溝よりも大きくしてもよく、これにより、ボールヘッドと球状溝とが締りばめされ、ステアリング駆動装置における機械部材の間の接続安定性を保証する。
【0094】
以下、
図6~
図8を参照しながら、本開示の提供するステアリング輪装置を詳細に説明する。
【0095】
図6は、本開示の実施例に係るステアリング輪装置の構造概略図である。
【0096】
図6に示すように、該実施例のステアリング輪装置621は、車輪懸架ユニット6211、接続ユニット6212およびステアリング輪ユニット6213を含んでもよい。ここで、接続ユニット6212は、前述の角接続部材を含み、ステアリング輪ユニット6213は、前述のステアリング輪ハブおよびステアリング輪を含む。
【0097】
ここで、車輪懸架ユニット6211は、取付フレーム、第二弾性部材、第二ガイドポストおよび第一固定ブロック等を含んでもよい。該車輪懸架ユニットは、以下に説明する構造を採用することができ、ここでは詳述しない。
【0098】
ここで、接続ユニット6212は、例えば、車輪懸架ユニット6211とステアリング輪ユニット6213とをヒンジ接続することにより、ステアリング輪ユニット6213が車輪懸架ユニット6211に対して回動することができるとともに、車輪懸架ユニット6211における第二弾性部材がステアリング輪ユニット6213の駆動で圧縮または伸長されることができるために用いられる。例えば、接続ユニット6212は、車輪懸架ユニット6211における第二弾性部材に固定接続されてもよく、これにより、ステアリング輪ユニット6213が上下に移動する時に接続ユニットに印加された垂直方向の力を該第二弾性部材に伝達する。
【0099】
ここで、ステアリング輪ユニット6213は、ステアリング輪およびハブを含んでもよく、ステアリング輪は、ハブに外挿され、接続ユニットは、ハブを介してステアリング輪ユニットに回動可能に接続され、これにより車輪懸架ユニットとステアリング輪ユニットとの間の接続を実現する。
【0100】
一つの実施例において、接続ユニットは、例えばステアリング駆動装置に固定接続されてもよく、ステアリング駆動装置の提供するステアリング力をステアリング輪装置に提供して、ステアリング輪装置が回動方向を変更するようにする。
【0101】
図7は、本開示の実施例に係る接続ユニットの構造概略図である。
【0102】
図7に示すように、一つの実施例において、接続ユニット7212は、支持部材72121、回動軸ロッド72122および角接続部材72123を含んでもよい。ここで、支持部材72121は、車輪懸架ユニットにおける第二弾性部材に固定接続され、回動軸ロッド72122は、支持部材72121に固定接続されてもよく、角接続部材72123は、回動軸ロッド72122に外挿されかつステアリング輪装置に回動接続されてもよく、該角接続部材72123は、例えば外部作用力で回動軸ロッド72122の中心軸を中心として回動することができる。このように、ステアリング輪装置は、角接続部材72123に対して回動することができ、かつ、上下に揺動する時に該角接続部材72123へ垂直方向の作用力を提供することができ、該作用力は、回動軸ロッド72122および支持部材72121を介して車輪懸架ユニットにおける第二弾性部材に伝達することができ、これにより第二弾性部材が圧縮または伸長される。例えば、角接続部材72123は、ステアリング駆動装置に固定接続されてもよく、このように、ステアリング駆動装置の提供するステアリング力の作用で、角接続部材72123は、回動軸ロッド72122の中心軸を中心として回動することができ、かつ、ステアリング輪装置へ回動方向に垂直な力を提供し、これによりステアリング輪装置の回動方向を変更する。
【0103】
一つの実施例において、
図7に示すように、支持部材72121は、支持板72121-1および2つの固定板72121-2を含んでもよい。ここで、支持板72121-1は、第二弾性部材に固定接続される。2つの固定板72121-2は、支持板72121-1に垂直な方向に延伸することができ、該2つの固定板72121-2は、例えば、支持板72121-1に対して角接続部材72123と同じ側に位置することができる。
【0104】
一つの実施例において、2つの固定板72121-2には、固定孔が設置されてもよく、回動軸ロッド72122は、該2つの固定板の固定孔内に係止されてもよい。例えば、該回動軸ロッド72122は、ロッド状構造であり、該ロッド状構造の両端に雄ねじが設置されてもよい。回動軸ロッド72122を2つの固定板の固定孔に穿設した後、ナット等の固定部材と回動軸ロッド72122の両端の雄ねじとの噛み合いにより、回動軸ロッド72122と支持部材72121とを固定接続することができる。
【0105】
例えば、該回動軸ロッド72122は、柱状構造であってもよく、該柱状構造の両端に雄ねじが設置されることにより、角接続部材が該回動軸ロッド72122の中心軸を中心として回動することができる。
【0106】
一つの実施例において、角接続部材72123が回動軸ロッド72122に外挿される場合、まず、2つの固定板の間かつ回動軸ロッド72122の外側に回動軸受を外挿することができる。次に、角接続部材72123を回動軸受の外側に外挿する。このように、ある程度で角接続部材72123が回動軸ロッド72122の中心軸を中心として回動する時の摩擦係数を低減し、かつ、該角接続部材72123の回動精度を保証することができる。
【0107】
一つの実施例において、角接続部材72123は、例えば弧状角接続部材であってもよく、該弧状角接続部材は、弧状コーナーを有し、該弧状角接続部材の弧状コーナーに貫通孔が設置されてもよく、回動軸ロッドに回動接続される場合、該弧状角接続部材の弧状コーナー部分を2つの固定板72121-2の間に設置することができ、かつ、回動軸ロッド72122を該弧状コーナーの貫通孔内に穿設させる。該弧状角接続部材の一端は、ハブに回動可能に接続されてもよく、これにより、ステアリング輪が弧状角接続部材を中心として回動することができる。該弧状角接続部材の他端は、ステアリング駆動装置に固定接続され、これにより、ステアリング駆動装置の駆動で弧状角接続部材が回動軸ロッド72122の中心軸を中心として回動し、かつ、該弧状角接続部材のハブに回動接続された一端を介してハブにハブの回動方向に垂直な力を印加し、これによりステアリング輪の回動方向を変更する。
【0108】
例えば、該弧状角接続部材は、弧状コーナーブロックおよび互いに垂直な2つの固定ロッドで構成されてもよい。2つの固定ロッドは、いずれも該弧形コーナーブロックに固定接続される。2つの固定ロッドのうちの一つの固定ロッドは、円柱ロッドであり、該円柱ロッドは、ハブに回動可能に接続される。2つの固定ロッドのうちのもう一つの固定ロッドは、板状構造であってもよく、該もう一つの固定ロッドは、ステアリング駆動装置に固定接続される。
【0109】
本開示の実施例によれば、ステアリング輪装置にセンサを設置することにより、該ステアリング輪装置を含む車両が転圧されるか否かを検知することができる。転圧されると、車両の制御システムに転圧信号を送信することができ、これにより、制御システムは、車両のブレーキを制御するまたは車両の電源をオフにするように制御して、車両が長時間に転圧されることによる車両の使用寿命の短縮、車両が損傷される状況を回避する。
【0110】
一つの実施例において、ステアリング輪装置は、車輪懸架ユニット、接続ユニットおよびステアリング輪ユニットに加えて、距離検知ユニットを含む。
【0111】
ここで、距離検知ユニットは、バッフル、センサ固定部材およびセンサを含んでもよい。バッフル板は、車輪懸架ユニットの取付フレームに含まれた第一取付板の側壁に固定接続されてもよい。センサ固定部材は、接続ユニットの側壁に固定接続され、かつ、該センサ固定部材は、バッフル板に対向して設置される。センサは、該センサ固定部材を介して接続ユニットに取り外し可能に接続される。ここで、センサは、例えば距離センサであってもよい。
【0112】
このように、該車輪懸架ユニットの取付フレームが車両シャーシに固定接続される場合、車両が転圧される時、車輪懸架ユニットの取付フレームは、車両シャーシの沈下に伴って接続部材に対して垂直方向に沿って下向きに移動して、バッフルとセンサとの間の距離を減少させる。センサは、それとバッフルとの間の距離が所定の距離より小さいことを検知した場合、例えば車両の制御システムに転圧信号を送信することにより、制御システムが車両のブレーキを制御するまたは車両の電源をオフにするように制御する。
【0113】
さらに、車輪懸架ユニットにおける取付フレームの高さを合理的に設計することにより、該車輪懸架ユニットと接続ユニットとの間および接続ユニットとステアリング輪装置との間の接続関係により、車両が転圧される時に、車両シャーシが地面に接触するまで車両シャーシの高さを低下させることができる。このように、車両のステアリング輪および駆動輪が受ける圧力を車両シャーシに分担させることができ、ある程度でステアリング輪および駆動輪は圧力が大きすぎるため損傷する状況を回避する。
【0114】
以下、
図8を参照しながら、ステアリング輪装置における車輪懸架ユニットの構造を詳細に説明する。
【0115】
図8は、本開示の実施例に係る車輪懸架ユニットの構造概略図である。
【0116】
図8に示すように、該実施例の車輪懸架ユニット8211は、取付フレーム82111、第二弾性部材82112、第二ガイドポスト82113および第一固定ブロック82114を含んでもよい。
【0117】
ここで、取付フレーム82111は、車両の車両シャーシに固定接続されてもよく、該取付フレーム82111は、第一取付板82111-1および第二取付板82111-2を含んでもよい。ここで、該2つの取付板は、接続部材を介して車両シャーシに固定接続されてもよく、車輪懸架ユニットを車両シャーシに固定する。
【0118】
ここで、第二ガイドポスト82113の両端は、それぞれ第一取付板82111-1と第二取付板82111-2に固定される。第二弾性部材82112は、該第二ガイドポスト82113に外挿され、かつ、該第二弾性部材82112の一端は、第一取付板82111-1に固定接続される。該第1の取付板82111-1は、垂直方向において第2の取付板82111-2よりも高い。第一固定ブロック82114は、第二ガイドポスト82113に外挿され、該第一固定ブロック82114は、第二弾性部材82112の他端を固定するために用いられる。
【0119】
例えば、該第一固定ブロック82114に貫通孔が設置されてもよく、該貫通孔のサイズは、第二ガイドポスト82113のサイズより僅かに大きいことにより、該第一固定ブロック82114は、第二ガイドポスト82113に沿って移動することができる。例えば、第二弾性部材82112は、該第一固定ブロック82114を介して前述の接続ユニットに接続されてもよく、これにより第二弾性部材がステアリング輪ユニットに伝動接続される。
【0120】
ステアリング輪ユニットが地面の凹凸により上下に運動する場合、該ステアリング輪ユニットは、接続ユニットに上向きまたは下向きの力を印加することができ、これにより、接続部材は、第一固定ブロックを第二ガイドポストに沿って移動させるように駆動して、第二弾性部材が圧縮または伸長される。例えば、ステアリング輪が地面上の凸部を通過する時、第二弾性部材が圧縮されると、第二弾性部材82112は、取付フレーム82111を介して車両シャーシへ上向きの力を提供することができ、これにより車両シャーシとステアリング輪との間の間隔をできるだけ保持することができる。ステアリング輪が地面上の凹部を通過する時、第二弾性部材が伸長されると、第二弾性部材82112は、取付フレーム82111を介して車両シャーシへ下向きの力を提供することができ、これにより車両シャーシとステアリング輪との間の間隔をできるだけ保持することができる。該方式により、車両の地面への適応能力を向上させることができる。さらに、第二弾性部材の設置により、ある程度で車両が地面の凹凸に伴って揺れる程度を減少させ、車両にダンパの作用を提供することができる。
【0121】
一つの実施例において、さらに車輪懸架ユニットの弾性部材の両側に移動ガイド機構を設置してもよく、第二弾性部材が移動過程において第二ガイドポストの中心軸に垂直な方向にずれが発生して、ステアリング輪ユニットが車両の中心位置に対してずれる状況を回避することができる。したがって、該移動ガイド機構の設置により、車両走行中の安定性を向上させることができる。
【0122】
例えば、
図8に示すように、該実施例の車輪懸架ユニット8211は、取付フレーム82111、第二弾性部材82112、第二ガイドポスト82113および第一固定ブロック82114に加えて、第三ガイドポスト82115およびスライダ82116を含む。
【0123】
ここで、第三ガイドポスト82115の両端は、それぞれ第一取付板82111-1および第二取付板82111-2に固定接続される。スライダ82116は、該第三ガイドポスト82115に外挿され、かつ、該第三ガイドポスト82115に沿って摺動することができる。例えば、該スライダ82116は、前述の第一固定ブロックと類似し、貫通孔が設置されてもよく、第三ガイドポスト82115は、該貫通孔を貫通した後に第一取付板82111-1、第二取付板82111-2に固定接続され、これにより、該スライダ82116は、第一取付板82111-1と第二取付板82111-2との間に設置される。
【0124】
ここで、スライダ82116は、例えば前述の接続ユニットを介してステアリング輪ユニットに接続されてもよい。このように、スライダ82116は、第一固定ブロックと類似し、ステアリング輪ユニットが上下に運動する過程において、スライダ82116は、接続ユニットの駆動で第三ガイドポスト82115に沿って移動することができる。すなわち、スライダ82116は、第一固定ブロックと同期して移動することができ、これにより第一固定ブロックの移動および第二弾性部材の圧縮/伸長方向にガイドを提供する。
【0125】
一つの実施例において、
図8に示すように、第三ガイドポスト82115およびスライダ82116は、いずれも2つであってもよく、2つの第三ガイドポスト82115は、それぞれ第二ガイドポスト82113の両側に設置される。そして、2つのスライダは、それぞれ2つの第三ガイドポストに外挿される。このように、弾性部材の圧縮/伸長方向をよく限定することができる。
【0126】
一つの実施例において、第二弾性部材の設置によって車両の地面への適応能力を効果的に向上させ、車両が凹部に遭遇する時に弾性部材を伸長させることができるために、該実施例は、さらに第二弾性部材の自然長を設定することができる。例えば、第二弾性部材の自然長は、所定の長さより小さいように設定されてもよい。該所定の長さは、第一取付板および第二取付板の間の距離と第一固定ブロックの高さとの差より小さいであってもよい。すなわち、第一固定ブロックが第二取付ブロックと貼り合わせる時に、第二弾性部材は引張状態にある。理解できるように、該第二弾性部材の自然長および第二弾性部材の弾性係数は、実際の必要に応じて設定することができる。例えば、第二弾性部材の自然長を合理的に設定することにより、車両が転圧される時に、車両シャーシが地面に接触するまで下向きに移動することができる。
【0127】
一つの実施例において、車輪懸架ユニット8211は、さらにロック部材を設置してもよく、第三ガイドポストをロックすることにより、第三ガイドポストと取付フレームとの接続安定性を向上させる。
【0128】
例えば、
図8に示すように、該実施例の車輪懸架ユニット8211は、取付フレーム82111、第二弾性部材82112、第二ガイドポスト82113、第一固定ブロック82114、第三ガイドポスト82115およびスライダ82116に加えて、第一ロック部材82117および第二ロック部材82118を含む。
【0129】
ここで、第一ロック部材82117は、第一取付板82111-1に取り外し可能に接続することができる。第三ガイドポスト82115の一端は、該第一ロック部材82117と第一取付板82111-1との間に介在することができる。例えば、第一取付板82111-1には、半円柱溝およびねじ穴が設置されてもよく、かつ、第一ロック部材82117にも、半円柱溝およびねじ穴が設置される。接続部材により第一ロック部材82117上の半円柱溝と第一取付板82111-1の半円柱溝とを位置合わせして固定する時、第三ガイドポスト82115を第一ロック部材82117と第一取付板82111-1との間に締め付けることができる。
【0130】
類似に、第二ロック部材82118は、第二取付板82111-2に取り外し可能に接続することができる。第三ガイドポスト82115の他端は、第二取付板82111-2と第二ロック部材82118との間に介在する。該第二ロック部材82118の構造は、第一ロック部材82117の構造と類似し、かつ、第一取付板82111-1の構造は、第二取付板82111-2の構造と類似し、ここで説明を省略する。
【0131】
理解できるように、第三ガイドポスト82115が2つである場合、第二ロック部材82118および第一ロック部材82117は、いずれも2つであってもよい。
【0132】
理解できるように、移動時に取付フレームへの衝撃を回避するために、第一取付板および第二取付板の互いに対向する一面における、第一ガイドポストおよび第二ガイドポストを固定する位置に、ガスケット等の部材を設置することができる。
【0133】
本開示の実施例によれば、ステアリング輪装置は、例えばドラムブレーキ原理を採用してブレーキを実現することができる。以下、
図9を参照しながら、ドラムブレーキ原理を採用してブレーキを実現するステアリング輪装置の構造を詳細に説明する。
【0134】
図9は、本開示の別の実施例に係るステアリング輪装置の構造概略図である。
【0135】
図9に示すように、該実施例のステアリング輪装置921は、さらに、2つの第一ドラムブレーキシート9214、第一回転軸9215、第一固定軸および第一ワイヤ引きロッド9216を含んでもよい。
【0136】
ここで、2つの第一ドラムブレーキシート9214は、ステアリング輪92131とステアリング輪ハブ92132との間において対向して設置されることができ、該ステアリング輪ハブ92132は、2つの第一ドラムブレーキシート9214によって囲まれた空間に介在し、ステアリング輪92131は、2つの第一ドラムブレーキシート9214の外周に外挿される。第一回転軸9215と第一固定軸は、2つの第一ブレーキプレート9214の間に介在する。例えば、第一回転軸9215は、2つの第一ドラムブレーキシート9214の近接する2つの第一端の間に介在し、第一固定軸は、2つの第一ドラムブレーキシート9214の近接する2つの第二端の間に介在する。理解できるように、
図9に第一固定軸の位置が示されていないが、該第一固定軸と第一回転軸9215は、ステアリング輪ハブ92132の中心軸に対して対称に設置される。
【0137】
一つの実施例において、ステアリング輪92131は、タイヤ、リムおよびスポークを含んでもよく、ステアリング輪ハブ92132の2つのドラムブレーキシートから突出した部分は、スポークに固定接続されてもよく、これによりステアリング輪92131を回動させるように駆動する。
【0138】
ここで、第一ワイヤ引きロッド9216は、第一回転軸9215に固定接続され、かつ、車両のブレーキワイヤに固定接続される。このように、ブレーキワイヤが引き締められた場合、ブレーキワイヤは、第一ワイヤ引きロッド9216および第一回転軸9215を回動させるように駆動することができる。該第一回転軸9215を回動させることにより、例えば2つの第一ドラムブレーキシート対する推力が発生し、これにより、2つの第一ドラムブレーキシートの2つの第一端の間の間隔を増大させて、2つの第一ドラムブレーキシートとステアリング輪との間の摩擦力を増大させる。逆に、ブレーキワイヤが解放される場合、ブレーキワイヤを介して第一ワイヤ引きロッド9216および第一回転軸9215を回動させるように駆動することにより、2つの第一ドラムブレーキシートの2つの第一端の間の間隔を減少させて、2つの第一ドラムブレーキシートとステアリング輪92131との間の摩擦力を減少させる。
【0139】
一つの実施例において、該第一回転軸9215の2つの第一ドラムブレーキシート9214の間の部分に介在する部分は、異なる方向での寸法が異なってもよい。第一回転軸9215および第一ワイヤ引きロッド9216を取り付ける時に、解放状態のブレーキワイヤを第一ワイヤ引きロッド9216に固定接続し、かつ、第一回転軸9215のサイズが比較的に小さい方向に垂直な2つの面をそれぞれ2つの第一端に接触させることができる。このように、ブレーキワイヤが引き締められる場合、第一回転軸9215を回動させるように駆動することにより、2つの第一端の間の間隔を増大させることができる。
【0140】
本開示の実施例は、前述のドラムブレーキシート、回転軸およびワイヤ引きロッドの構造を採用することにより、狭い空間で駆動輪のブレーキを実現することができる。このように、ブレーキ機能を有する駆動システムに必要な空間の大きさを効果的に減少させることができ、テストターゲット車の小型化および扁平化設計を促進することに役立つ。
【0141】
以下、
図10を参照しながら、車両シャーシに含まれる駆動システムを詳細に説明する。
【0142】
図10は、本開示の実施例に係る駆動システムの構造概略図である。
【0143】
図10に示すように、該実施例の駆動システム1040は、駆動輪装置および駆動装置を含み、駆動装置は、駆動輪装置に接続される。
【0144】
一つの実施例において、駆動輪装置は、駆動輪ハブおよび駆動輪を含んでもよく、駆動装置は、駆動モータを含んでもよく、該実施例では、駆動モータの出力軸を駆動輪ハブに固定接続することができる。このように、駆動モータが動作する時、駆動モータの出力軸は、駆動輪ハブを回動させるように駆動することにより、駆動輪ハブは、駆動輪を回動させるように駆動する。ここで、駆動輪は、例えば駆動輪ハブに外挿されかつ駆動輪ハブに固定接続されることができる。
【0145】
一つの実施例において、駆動装置は、駆動モータに加えて、例えば減速機を含んでもよく、駆動モータと駆動輪ハブとの間に回動速度をマッチングしかつトルクを伝達する作用を果たすために用いられる。この場合、減速機の入力軸は、駆動モータの出力軸に接続され、減速機の出力軸は、駆動輪ハブに接続される。
【0146】
図10に示すように、車両の駆動装置は、駆動モータ10421、動力伝達ユニット10422、第三取付板10423およびダンパユニット10424を含んでもよい。
【0147】
本開示の実施例によれば、駆動モータ10421は、永久磁石式直流サーボモータ、永久磁石式巻線式直流モータまたは永久磁石式ブラシレス直流サーボモータ等であってもよい。実際の必要に応じて、該駆動モータ10421は、任意のタイプのモータであってもよい。
【0148】
本開示の実施例によれば、動力伝達ユニット10422は、駆動モータの出力軸すなわち車両の駆動輪ハブに接続され、かつ、該動力伝達ユニット10422は、駆動モータから提供された動力を駆動輪ハブに伝達することにより、駆動輪を回動させるように駆動することができる。
【0149】
一つの実施例において、動力伝達ユニット10422は、カップリングを含んでもよく、該カップリングの両端は、それぞれ駆動モータの出力軸および駆動輪ハブに接続される。
【0150】
別の実施例において、動力伝達ユニット10422は、同期輪と伝動ベルトとを組み合わせた構造を採用することができる。該実施例において、同期輪は、少なくとも2つであり、かつ、少なくとも2つの同期輪のうちの一方の同期輪は、モータの出力軸に接続され、他方の同期輪は、車輪のハブに接続される。該少なくとも2つの同期輪は、同期ベルトの伝動作用でほぼ同期して回動する。理解できるように、
図10において、同期輪と伝動ベルトとを組み合わせた構造で動力伝達ユニット10422を示しているが、該動力伝達ユニット10422の構造は、単に例として本開示の理解に役立ち、本開示はこれを限定しない。
【0151】
本開示の実施例によれば、第三取付板10423は、駆動モータ10421をシャーシホルダに取り付けるために用いられる。具体的に、該第三取付板10423により、駆動モータ10421をシャーシホルダの駆動システム取付箇所におけるモータ取付箇所に取り付けることができる。該第三取付板10423は、例えばシャーシホルダの側板とねじ、ナット等の接続部材により接続することができる。
【0152】
本開示の実施例によれば、
図10に示すように、該ダンパユニット10424は、例えば第三取付板10423に固定接続された回動軸10424-1および回動軸10424-1に接続された回転アーム10424-2を含んでもよく、該回転アーム10424-2は、回動軸10424-1を回転軸として回動することができる。
【0153】
ここで、該回動軸10424-1の延伸方向は、動力伝達ユニット10422が駆動輪を回動させるように駆動する方向と垂直であってもよい。このように、駆動輪が凹凸の路面に遭遇することにより上下に揺動する場合、第三取付板10423がシャーシホルダに接続され、かつ、回動軸10424-1が第三取付板10423に接続されるので、回転アーム10424-2の回動軸10424-1に対する回動により、車両シャーシの駆動輪に伴う揺動を軽減することができる。すなわち、本開示の実施例の駆動装置を採用すると、車両の走行中に路面の凹凸による車体の揺れの程度を低減させることができ、これにより車両にダンパ効果をもたらす。
【0154】
一つの実施例において、動力伝達ユニット10422は、2つの同期輪およびコンベアベルトを含んでもよい。ここで、2つの同期輪は、駆動モータの出力軸に垂直な水平方向に配列され、かつ、そのうちの一方の同期輪は、駆動モータの出力軸に接続され、他方の同期輪は、駆動輪ハブに接続される。
【0155】
一つの実施例において、そのうちの他方の同期輪は、伝動軸受を介して駆動輪ハブに接続することができ、これにより接続安定性を増加させ、伝動過程における摩擦係数を低下させ、回動精度を保証する。具体的に、他方の同期輪の輪軸は、伝動軸受に接続され、かつ、駆動輪ハブは、該伝動軸受に外挿され、これにより他方の同期輪と駆動輪ハブとの接続を実現する。
【0156】
本開示の実施例によれば、コンベアベルトは、2つの同期輪に外挿されてもよい。このように、そのうちの一方の同期輪が駆動モータの出力軸の駆動で回動する場合、コンベアベルトと該一方の同期輪との間の摩擦力により、該一方の同期輪がコンベアベルトを介して他方の同期輪を回動させるように駆動することができ、これにより、他方の同期輪が駆動輪を回動させるように駆動する。
【0157】
本開示の実施例によれば、
図10に示すように、該実施例において、車両の駆動装置は、さらに第四取付板を含んでもよく、該第四取付板は、取付板10425-1および取付板10425-2を含んでもよく、取付板10425-2は、駆動モータに近接して設置され、取付板10425-1は、ダンパユニットおよび駆動輪に近接して設置される。動力伝達ユニット10422は、取付板10425-1と取付板10425-2との間に介在する。該取付板10425-1および取付板10425-2には、位置決め孔が設置されてもよく、伝動軸受、接続部材等の取付箇所を位置決めするために用いられる。該取付板10425-1および取付板10425-2は、複数の接続部材10426を介して接続することができ、このように、動力伝達ユニット10422を該2つの取付板の間に堅固に介在させる。ここで、接続部材10426は、例えば軸スリーブ等であってもよく、本開示はこれを限定しない。
【0158】
本開示の実施例によれば、
図10に示すように、駆動装置は、さらにブレーキワイヤ固定クリップ10427を含んでもよく、第二ブレーキシステムにおける第二ブレーキワイヤを固定するために用いられ、これにより、ブレーキワイヤの配線の混乱による動力伝達への余計な摩擦を回避する。ここで、該ブレーキワイヤ固定クリップ10427は、例えば取付板10425-1に取り付けられてもよく、かつ、その取付箇所が伝動ベルトと接触しないことを保証すべきである。該ブレーキワイヤ固定クリップ10427により、例えばブレーキワイヤを取付板10425-1に密着して配線することができ、ブレーキワイヤと同期輪、コンベアベルトとの接触を回避する。
【0159】
本開示の実施例によれば、弾性部材を回転アームとして採用することができ、これによりダンパ効果をさらに向上させる。
【0160】
例えば、
図10に示すように、回転アームは、バネ等の弾性部材を含んでもよい。回動軸は、2つの軸を含んでもよく、該2つの軸は、駆動モータの出力軸に垂直な方向で異なる位置に位置し、弾性部材の両端は、それぞれ該2つの軸に接続され、かつ、該2つの軸を回転軸として回動することができる。例えば、該2つの軸は、いずれも第三取付板に固定接続されてもよい。このように、車輪が上下に揺動する時、弾性部材の2つの軸を中心とする回動により弾性部材を圧縮するまたは弾性部材を伸長して、ダンパユニット10424が車両のフレームに印加する力を向上させ、ダンパ効果を向上させることができる。同時に、車輪の揺動が停止した後、フレームと車輪との間の間隔は、弾性部材の弾性力の作用で揺動前の値に回復することができ、後続の走行過程におけるダンパの実現に役立つ。
【0161】
一つの実施例において、動力伝達ユニット10422が2つの同期輪を含む場合、2つの軸のうちの一つの軸は、2つの同期輪のうちの駆動輪ハブに接続された同期輪に近接することができ、もう一つの軸は、2つの同期輪のうちの駆動モータの出力軸に接続された同期輪に近接することができる。上記2つの軸において、動力伝達ユニット10422が駆動輪ハブに接続される場合、駆動輪ハブに近接する一つの軸の設置位置は、駆動輪ハブから離れるもう一つの軸の設置位置より低い。このように、駆動輪が地面の凸部に移動する時、弾性部材の駆動輪に近接する一端が持ち上げられ、弾性部材の両端が2つの軸に沿って回動することができ、これにより弾性部材が圧縮され、弾性部材の長さが短縮される。弾性部材がもう一つの軸を中心として回動する過程において、弾性部材が該もう一つの軸に印加する力は、地面に垂直な下向きの力を含み、該地面に垂直な下向きの力は、第一取付板を介してシャーシホルダに印加することができ、これにより、駆動輪の揺れに伴うシャーシホルダの揺れに抵抗力を印加して、シャーシホルダの揺れ程度を減少させ、ダンパを実現する。逆に、駆動輪が地面の凹部に移動する時、弾性部材が伸長され、弾性部材がもう一つの軸を中心として回動する過程において、弾性部材が該もう一つの軸に印加する力は、地面に垂直な上向きの力を含み、該地面に垂直な上向きの力は、第三取付板を介してシャーシホルダに印加することができ、これにより、駆動輪の揺れに伴うシャーシホルダの揺れに抵抗力を印加して、シャーシホルダの揺れ程度を減少させ、ダンパを実現する。
【0162】
一つの実施例において、弾性部材の両端は、環状フック状構造を有してもよく、弾性部材は、該環状フック状構造を介して2つの軸に接続される。あるいは、弾性部材は、2つの接続ロッドに外挿されてもよく、すなわち、回転アームは、さらに該2つの接続ロッドを含み、該2つの接続ロッドは、中空構造であり、かつ、2つの接続ロッドのうちの一つの接続ロッドの外径は、もう一つの接続ロッドの内径とマッチングし、2つの接続ロッドのうちのもう一つの接続ロッドの一端は、一つの接続ロッドの外側に外挿され、かつ、2つの接続ロッドの他端は、いずれも接続ロッドの長手方向に垂直な貫通孔を有し、それぞれ2つの軸のうちの一つの軸を貫通するために用いられる。このように、回転アームが2つの軸を中心として回動する過程において、該2つの接続ロッドの重なる領域が増大または減少することにより、弾性部材を伸長または圧縮する。
【0163】
一つの実施例において、
図10に示すように、該実施例のダンパユニットは、弾性部材に加えて、固定部材を含んでもよい。該固定部材は、第三取付板10423に固定接続されかつ該第三取付板10423に垂直に設置された第一固定板10424-3と、第一固定板に平行でありかつモータの出力軸方向に沿って配列された2つの第二固定板10424-4とを含んでもよい。この2つの第2固定板10424-4は、いずれも第1固定板10424-3に接続される。回動軸のうちのもう一つの軸は、該2つの第二固定板の間に介在してもよい。回動軸のうちの一つの軸は、取付板板10425-1に固定接続されている。例えば、ダンパユニットは、さらに支持部材を含んでもよく、そのうちの一つの軸は、該支持部材を介して取付板10425-1に固定接続されてもよい。
【0164】
該実施例は、該第一固定板および第二固定板を有するダンパユニットの設置により、ダンパユニットの安定性を向上させることができ、2つの軸をいずれも第三取付板に固定接続する方式に比べて、弾性部材が車輪の揺れに伴って圧縮または伸長される程度を増大させることができ、これは、そのうちの一つの軸の位置が駆動輪の影響を受け、もう一つの軸の位置がフレームの影響を受けるためである。このように、ダンパ効果を効果的に向上させることができる。
【0165】
本開示の実施例によれば、車両の駆動装置は、さらに放熱ファンが設置されてもよく、これにより、モータを放熱し、車両の駆動装置の使用寿命および運転安定性を向上させる。
図10に示すように、該実施例において、駆動装置1040は、駆動モータ10421、動力伝達ユニット10422、第三取付板10423およびダンパユニット10424に加えて、放熱ファン10428およびファン固定フレーム10429を含む。
【0166】
ここで、放熱ファン10428および駆動輪装置は、駆動モータ10421の異なる側に設置されてもよい。すなわち、放熱ファンは、駆動モータ10421の車輪から離れる側に設置される。該放熱ファン10428は、駆動モータ10421に近接して設置されてもよく、これにより放熱効率を向上させる。
【0167】
ここで、ファン固定フレーム10429は、放熱ファン10428をシャーシホルダに取り付けるために用いられる。該ファン固定フレーム10429は、さらに第三取付板10423に固定接続されてもよく、かつ、該ファン固定フレーム10429の駆動モータ10421に近接する領域には、例えば放熱板が設置されてもよく、これにより放熱効率および放熱の均一性を向上させる。
【0168】
例えば、放熱ファン10428の個数は、実際の必要に応じて選択することができる。該放熱ファン10428は、例えば空気冷却方式または液体冷却方式を採用して放熱することができ、具体的に、実際の必要に応じて放熱ファンのタイプを選択することができ、本開示はこれを限定しない。
【0169】
一つの実施例において、駆動輪装置は、駆動輪、駆動輪ハブ、2つの第二ドラムブレーキシート、第二回転軸、第二固定軸および第二ワイヤ引きロッドを含んでもよい。理解できるように、第二ドラムブレーキシート、第二回転軸、第二固定軸、第二ワイヤ引きロッドの構造は、前述の第一ドラムブレーキシート、第一回転軸、第一固定軸、第一ワイヤ引きロッドの構造と類似することができる。
【0170】
ここで、2つの第二ドラムブレーキシートは、駆動輪と駆動輪ハブとの間に対向して設置される。具体的に、駆動輪が2つの第二ドラムブレーキシートによって囲まれた空間に介在され、駆動輪は、2つの第二ドラムブレーキシートの外周に外挿される。
【0171】
一つの実施例において、駆動輪は、タイヤ、リムおよびスポークを含んでもよく、駆動輪ハブの2つの第二ドラムブレーキシートから突出した部分は、スポークに固定接続されてもよく、これにより駆動輪を回動させるように駆動する。
【0172】
ここで、第二回転軸および第二固定軸は、2つの第二ドラムブレーキシートを固定するために用いられ、これにより2つの第二ドラムブレーキシートを一体に固定することができる。具体的に、第二回転軸は、2つの第二ドラムブレーキシートの第一端に介在してもよく、該2つの第一ドラムブレーキシートの第一端は、互いに近接する。第二固定軸は、2つのドラムブレーキシートの第二端に介在してもよく、該2つのドラムブレーキシートの第二端は、互いに近接する。
【0173】
ここで、第二ワイヤ引きロッドは、第二回転軸に固定接続され、かつ、第二ブレーキシステムにおける第二ブレーキワイヤに固定接続される。このように、第二ブレーキワイヤが引き締められる場合、ブレーキワイヤは、第二ワイヤ引きロッドおよび第二回転軸を回動させるように駆動することができる。該第二回転軸を回動することにより、例えば2つの第二ドラムブレーキシートに対する推力が発生し、これにより、2つの第二ドラムブレーキシートの2つの第一端の間の間隔を増大させて、2つの第二ドラムブレーキシートと駆動輪との間の摩擦力を増大させる。逆に、第二ブレーキワイヤが解放される場合、第二ブレーキワイヤを介して第二ワイヤ引きロッドおよび第二回転軸を回動させるように駆動することにより、2つの第二ドラムブレーキシートの2つの第一端の間の間隔を減少させて、2つの第二ドラムブレーキシートと駆動輪との間の摩擦力を減少させる。
【0174】
一つの実施例において、該第二回転軸の2つのドラムブレーキシートの間に介在する部分は、異なる方向での寸法が異なってもよい。第二回転軸および第二ワイヤ引きロッドを取り付ける時に、解放状態の第二ブレーキワイヤを第二ワイヤ引きロッドに固定接続し、かつ、第二回転軸のサイズが比較的に小さい方向に垂直な2つの面をそれぞれ2つの第一端に接触させることができる。このように、第二ブレーキワイヤが引き締められる場合、第二回転軸を回動させるように駆動することにより、2つの第一端の間の間隔を増大させることができる。
【0175】
本開示の実施例は、前述のドラムブレーキシート、回転軸およびワイヤ引きロッドの構造を採用することにより、狭い空間で駆動輪のブレーキを実現することができる。このように、ブレーキ機能を有する駆動システムに必要な空間の大きさを効果的に減少させることができ、テストターゲット車の小型化および扁平化設計を促進することに役立つ。
【0176】
以下、
図11を参照しながら、車両シャーシに含まれる第一ブレーキシステムおよび第二ブレーキシステムのうちのいずれか一つのブレーキシステムの構造を詳細に説明する。
【0177】
図11は、本開示の実施例に係るブレーキシステムの構造概略図である。
【0178】
図11に示すように、該実施例のブレーキシステム1150は、動力ユニット1151、動力伝達ユニット1152、平行移動ユニット1153、蓄力ユニット1154およびブレーキユニット1155を含んでもよい。
【0179】
ここで、動力ユニット1151は、例えばブレーキモータであってもよい。動力伝達ユニット1152は、動力ユニット1151の出力軸に接続され、具体的に、ブレーキモータの出力軸に接続することができる。該動力伝達ユニット1152は、例えばブレーキモータの出力軸の回動を平行移動に変換するユニットであってもよい。例えば、該動力伝達ユニット1152は、クランクスライダユニット、歯車ラックユニット、クランクスライダ機構等であってもよく、本開示はこれを限定しない。
【0180】
ここで、平行移動ユニット1153は、動力伝達ユニット1152に接続され、該平行移動ユニット1153は、推力で移動可能な任意の機械部材であってもよく、本開示はこれを限定しない。
【0181】
ここで、蓄力ユニット1154は、例えば、推力の作用で圧縮され且つ推力が消失した後に元の長さに自動的に復帰できる弾性部材等の機械部材であってもよい。このように、蓄力ユニットは、平行移動ユニットの推進によってエネルギーを蓄積する。
【0182】
ここで、ブレーキユニット1155は、例えばブレーキワイヤを含んでもよく、該ブレーキユニットは、平行移動ユニット1153および駆動輪装置/ステアリング輪装置に接続され、かつ、平行移動ユニット1153の駆動で引き締められるまたは解放される。例えば、ブレーキワイヤの一端は、平行移動ユニット1153に固定されてもよく、ブレーキワイヤの他端は、前述の駆動輪装置/ステアリング輪装置に固定される。具体的に、ブレーキワイヤの他端は、前述の駆動輪装置/ステアリング輪装置上のワイヤロッドに接続される。
【0183】
例えば、平行移動ユニット1153が第一方向に沿って移動して蓄力ユニット1154を圧縮する場合、ブレーキワイヤを解放することができる。蓄力ユニット1154に蓄積されたエネルギーが放出される時、平行移動ユニットは、第二方向に沿って移動し、これによりブレーキワイヤを引き締めて、ワイヤ引きロッドを回動させるように駆動する。このように、前述の2つの第二ドラムブレーキシート/2つの第一ドラムブレーキシートの間の間隔を増大させ、第二ドラムブレーキシート/第一ドラムブレーキシートとそれが属する車輪装置のタイヤ内表面との間の摩擦力を増大させ、駆動輪/ステアリング輪の回動に抵抗力を提供することができる。
【0184】
例えば、動力ユニットを制御することにより、動力伝達ユニットから平行移動ユニットに提供する推力と、エネルギーを蓄積する蓄力ユニットから平行移動ユニットに印加する力と、を平衡させて、蓄力ユニットがエネルギーを蓄積する状態を維持するように制御することができる。車両が停電する場合、動力ユニットが停電するので、動力伝達ユニットから平行移動ユニットに提供した推力が消失し、平行移動ユニットは、蓄力ユニットから印加した力の作用で第二方向に沿って移動することができ、これによりブレーキワイヤを引き締めることができる。したがって、該実施例により、蓄力ユニットは、車両が停電する時にエネルギーを放出することができ、これにより、ブレーキユニットが引き締められ、かつ、第一ドラムブレーキシート/第二ドラムブレーキシートをステアリング輪/駆動輪に作用力を印加させるように駆動する。したがって、該実施例のブレーキシステムが設置された車両は、停電時に自動的にブレーキすることができ、車両の停電時に慣性で走行し続けることによる潜在的な安全リスクを回避することができる。
【0185】
以上から分かるように、本開示の実施例の車両のブレーキシステムは、蓄力ユニットの設置により、車両走行の安全性を効果的に向上させることができ、車両自動運転の市場投入効率を加速することに役立つ。
【0186】
一つの実施例において、動力伝達ユニットは、例えばスクリューナット装置を含んでもよく、スクリューの一端は、動力ユニットの出力軸に接続されてもよい。ナットは、スクリューと係合する。スクリューが動力ユニットの駆動で回動する時、ナットがスクリューで移動することができる。平行移動ユニットは、スクリューに外挿されてもよく、かつ、ナットに対してスクリューに近接する他端に位置する。このように、ナットは、スクリューの他端へ移動する時、平行移動ユニットを移動させるように駆動することができる。
【0187】
一つの実施例において、動力伝達ユニットは、同期輪および伝動ベルトの構造を採用して動力伝達を行うことができ、これにより、平行移動ユニットおよび蓄力ユニットを動力ユニットの高さ方向に沿う一側に設置することができ、ブレーキシステム全体の構造の水平方向での寸法を減少させ、車両シャーシ及び車両の小型化設計に役立つ。
【0188】
図11に示すように、該実施例の動力伝達ユニット1152は、2つの同期輪、伝動ベルト、スクリュー、ナットおよび回転ブロックを含んでもよい。
【0189】
ここで、2つの同期輪のうちの一方の同期輪は、動力ユニット1151の出力軸に接続されてもよく、これにより動力ユニット1151の駆動で回動する。他方の同期輪は、スクリューの一端に固定接続され、伝動ベルトは、2つの同期輪に外挿される。このように、そのうちの一方の同期輪が動力ユニット1151の駆動で回動する場合、該一方の同期輪は、伝動ベルトを介して他方の同期輪を回動させるように駆動することができ、これにより、他方の同期輪は、スクリューを回動させるように駆動する。このように、スクリュー上のナットは、スクリューに対してスクリューの長手方向に移動することができる。
【0190】
ここで、スクリューの他端は、回転ブロックに固定接続される。前述の平行移動ユニット1153および蓄力ユニット1154は、他方の同期輪から離れる方向に沿ってスクリューに順に外挿されてもよい。ナットは、ねじ等の接続部材により平行移動ユニットに固定接続されてもよい。このように、回転ブロックは、蓄力ユニット1154の位置を限定することができる。ナットは、スクリューの長手方向にスクリューの他端へ移動する時、平行移動ユニット1153を移動させるように駆動することができ、かつ、蓄力ユニット1154を圧縮することにより、蓄力ユニット1154がエネルギーを蓄積する。
【0191】
一つの実施例において、
図11に示すように、動力伝達ユニット1152は、さらに固定板を含んでもよく、2つの同期輪は、ねじ等の接続部材により固定板に固定されてもよい。該固定板は、車両シャーシにおけるシャーシホルダに固定接続されてもよく、このように、平行移動ユニット1153および蓄力ユニット1154を動力ユニット1151の高さ方向に沿う一側に固定することができる。
【0192】
一つの実施例において、動力伝達ユニット1152は、例えば2つのテンションプーリをさらに含んでもよい。該2つのテンションプーリは、固定板に固定されてもよく、かつ、高さ方向に2つの同期輪の間に設置される。2つのテンションプーリは、2つの同期輪の回動軸の接続線方向に対して対称に設置され、かつ、いずれも伝動ベルトに当接し、これにより、伝動ベルトは、2つのテンションプーリの間に当接して設置される。該2つのテンションプーリの設置により、伝動ベルトをテンション状態に保持することができる。これにより、運転時間が長すぎることによる伝動ベルトの緩み、ブレーキ効果が安定しない状況を回避することができる。
【0193】
本開示の実施例によれば、蓄力ユニットに電磁石を設置してもよく、該電磁石は、通電する場合に磁力が発生し、吸引力により回転ブロックの回動を阻止して、ナットのスクリュー上の位置を限定する。該方式により、動力ユニットから動力を提供する必要がなくて、蓄力ユニットがエネルギーを蓄積する状態を維持することができる。停電時に、電磁石が磁力を失うので、蓄力ユニットは、エネルギーを放出し、平行移動ユニットおよびナットを移動させるように駆動して、回転ブロックを回動させるとともに、平行移動ユニットに接続されたブレーキユニットを引き締めることができる。ここで、回転ブロックは、例えば強磁性材料を有してもよく、電磁石に磁力が発生する時、電磁石の吸引力の作用で回動を停止する。それに応じて、蓄力ユニットは、さらに弾性部材を含んでもよく、該弾性部材は、スクリューに外挿される。
【0194】
また、弾性部材の位置をよりよく限定して、エネルギー蓄積の安定性を保証するために、該実施例における蓄力ユニットは、さらに第一固定座を設置してもよい。弾性部材の一端は、該第一固定座に固定接続され、弾性部材の他端は、平行移動ユニットに固定接続される。
【0195】
図11に示すように、該実施例の蓄力ユニット1154は、第三弾性部材、第一固定座および電磁石を含んでもよい。
【0196】
ここで、第三弾性部材は、スクリューに外挿され、かつ、該第三弾性部材の一端は、平行移動ユニット1153に固定接続され、該第三弾性部材の他端は、第一固定座に固定接続される。
【0197】
例えば、該第一固定座には、貫通孔が設置されてもよく、スクリューは、該貫通孔を貫通して回転ブロックに固定接続される。該実施例において、例えばさらに基板が設置されてもよく、該基板は、動力ユニット1151と平行移動ユニット1153、蓄力ユニット1154との間に設置され、かつ、車両シャーシのシャーシホルダに固定接続される。該実施例の第一固定座は、該基板に固定されてもよく、これにより全体構造の安定性を向上させる。
【0198】
ここで、電磁石は、回転ブロックの第一固定座から離れる一側に設置されてもよい。すなわち、回転ブロックは、電磁石と第一固定座との間に設置され、これにより、電磁石の提供する吸引力は、第三弾性部材が圧縮される時に平行移動ユニット1153に提供する弾力の方向と逆である。電磁石は、例えば任意の方式により、前述の基板に固定接続されてもよいし、車両シャーシのシャーシホルダに固定接続されてもよい。該電磁石は、動力ユニットに対して回転ブロックと同じ側に固定されるべきである。これにより、電磁石は、通電する場合に回転ブロックを吸引し、停電する場合に回転ブロックを解放することができる。
【0199】
一つの実施例において、蓄力ユニットは、電磁石に移動軸を提供してもよく、電磁石は、該移動軸に沿って移動することができる。このように、電磁石に通電する場合、電磁石は、移動軸に沿って回転軸に近接して移動するとともに、回転軸を吸着することができる。すなわち、電磁石は、通電する時に回転ブロックを吸着し、停電する時に回転ブロックを解放することができる。
【0200】
本開示の実施例によれば、蓄力ユニットには、さらに第二固定座および第四弾性部材が設置されてもよく、該第四弾性部材は、電磁石に回転ブロックから離れる作用力を提供し、このように、ブレーキを必要とする場合、電磁石と回転ブロックとの距離が近すぎるので回転ブロックの回転に抵抗力をもたらす状況を回避する。
【0201】
図11に示すように、該実施例の蓄力ユニット1154は、第三弾性部材、第一固定座および電磁石に加えて、例えば第二固定座、第四ガイドポストおよび第四弾性部材を含んでもよい。
【0202】
ここで、第二固定座は、電磁石の回転ブロックから離れる一側に設置される。第四ガイドポストの一端は、該第二固定座を貫通して電磁石に固定接続され、第四弾性部材は、該第四ガイドポストに外挿される。例えば、第四弾性部材の一端は、第二固定座に固定接続され、第四弾性部材の他端は、第四ガイドポストの電磁石から離れる他端に当接する。例えば、該第二固定座には、貫通孔が設置されてもよく、第四ガイドポストは、該貫通孔を介して該第二固定座を貫通する。
【0203】
一つの実施例において、第四弾性部材は、電磁石が通電する場合に圧縮状態にある。このように、停電する場合、該第四弾性部材は、第四ガイドポストの他端に作用力を印加することができ、これにより、該第四ガイドポストは、電磁石が第二固定座と貼り合わせるまで、該電磁石を第二固定座に近付く方向に移動させるように駆動することができる。一つの実施例において、電磁石が第二固定座と貼り合わせる時、第二固定座と第四ガイドポストの他端との間の距離は、第四弾性部材の自然長さ以下であってもよい。停電時に電磁石と第二固定座との間の安定した貼り合わせのために、電磁石が第二固定座と貼り合わせる時にも、第二固定座と第四ガイドポストの他端との間の距離が第四弾性部材の自然長より小さくしてもよい。
【0204】
一つの実施例において、電磁石が第四ガイドポストの長手方向に沿って移動しやすいように、該蓄力ユニット1154には、第一固定座に固定接続される2つの側板を配置してもよい。第二固定座は、該2つの側板との固定接続により設置位置を固定することができる。該2つの側板は、第一固定座および第二固定座に垂直に設置されてもよく、かつ、電磁石は、該2つの側板の間に設置されてもよい。
【0205】
一つの実施例において、第四ガイドポストおよび第四弾性部材の数は、2つまたは複数であってもよく、これにより電磁石に提供する回転ブロックから離れる作用力を増大させる。
【0206】
一つの実施例において、動力ユニット1151は、ブレーキモータに加えて、例えば減速機を含んでもよい。減速機の入力軸は、モータの出力軸に接続され、かつ、減速機の出力軸は、動力伝達ユニット1152に接続される。ここで、動力伝達ユニット1152は、例えば前述の2つの同期輪および伝動ベルトを含む構造を採用することができる。このように、減速機の出力軸は、2つの同期輪のうちの設置位置が低い同期輪に接続することができる。動力ユニット1151に減速機を設置することにより、モータと同期輪との間に回動速度をマッチングしかつトルクを伝達する作用を果たすことができ、これによりある程度で動力伝達ユニットの使用寿命を向上させることができる。
【0207】
一つの実施例において、ブレーキユニット1155は、例えばブレーキワイヤ収容部材11551、ブレーキワイヤ固定部材11552およびブレーキワイヤ11553を含んでもよい。ここで、ブレーキワイヤ収納部材11551は、車両シャーシのシャーシホルダに固定接続されてもよい。ブレーキユニットが解放される場合、該ブレーキワイヤ収容部材11551に一部のブレーキワイヤが収容されてもよい。ブレーキワイヤ固定部材11552は、平行移動ユニット1153に固定接続されてもよく、具体的に、平行移動ユニット1153の上表面に設置されてもよい。ブレーキワイヤ11553は、ブレーキワイヤ収容部材11551から引き出された後に該ブレーキワイヤ固定部材11552を穿設することができ、かつ、ブレーキワイヤ固定部材11552の位置から車輪装置まで延伸し、該ブレーキワイヤ11553のブレーキワイヤ収容部材11551から離れる一端は、前述の第一ワイヤ引きロッド/第二ワイヤ引きロッドに固定接続することができる。ブレーキワイヤ固定部材11552は、ブレーキワイヤ11553とブレーキワイヤ固定部材11552との固定位置を平行移動ユニットに伴って移動させることができ、これにより、ブレーキワイヤが引き締められるまたは解放され、ブレーキワイヤが回動軸を引いて回動させる。
【0208】
一つの実施例において、
図11に示すように、該実施例のブレーキシステム1150は、動力ユニット1151、動力伝達ユニット1152、平行移動ユニット1153、蓄力ユニット1154およびブレーキユニット1155に加えて、距離センサ1156を含んでもよい。これにより、ブレーキモジュール1155が完全に解放されたか否かを検出する。完全に解放された場合、電磁石に通電して、車両をブレーキしていない状態に維持し、車両の起動を容易にする。具体的に、該距離センサ1156は、例えば蓄力ユニット1154に含まれる第一固定座に設置されてもよく、第一固定座と平行移動ユニット1153との間の距離を検出するために用いられる。車両が起動する時、動力ユニット1151におけるブレーキモータが動作し始めることにより、動力伝達ユニット1152におけるナットがスクリューに沿って同期輪から離れる方向に平行移動して、平行移動ユニット1153を第一固定座に近接する方向に移動させるように駆動する。該平行移動ユニット1153と第一固定座との間の距離が所定の距離より小さい場合、距離センサ1156と通信接続される車両の中央コントローラは、例えば制御回路により蓄力ユニット1154における電磁石に通電して、電磁石が動力伝達ユニット1152における回転ブロックを吸着し、蓄力ユニット1154における第三弾性部材が圧縮された状態にあり、エネルギーの蓄積を実現することができる。
【0209】
一つの実施例において、該ブレーキシステム1150は、さらに平行移動ユニット1153に測距板を設置してもよく、これにより、距離センサ1156は、該平行移動ユニット1153と第一固定座との間の距離を検出しやすい。
【0210】
本開示の実施例のブレーキシステムにより、駆動輪および/またはステアリング輪に対するブレーキ制御を実現することができる。関連技術におけるブレーキシステムに比べて、ブレーキシステムの全体構造のサイズを効果的に減少させることができ、車両の小型化設計に役立つ。
【0211】
以下、
図12を参照しながら、車両シャーシに含まれる電気システムの構造を詳細に説明する。
【0212】
図12は、本開示の実施例に係る電気システムの構造概略図である。
【0213】
図12に示すように、該実施例の電気システム1230は、電源モジュール1231、第一モータ駆動モジュール1232、第二モータ駆動モジュール1233、通信モジュール1234および制御モジュール1235を含んでもよい。
【0214】
本開示の実施例によれば、電源モジュール1231は、例えば複数の電池モジュールを直列接続および/または並列接続して構成された電池パックを含んでもよい。該電源モジュール1231は、配線正極および配線負極を提供することにより、電線を介して電気システムにおける電源モジュール以外の他のモジュールに電気的に接続され、電源モジュール以外の他のモジュールに電力を供給する。該電源モジュール1231は、さらに充電インタフェースを提供してもよく、充電スタンドの充電ガンを該充電インタフェースに挿入することにより、該電源モジュール1231を充電することができる。
【0215】
ここで、該電源モジュールにおける電池モジュールは、例えばリチウム電池、鉛酸電池またはニッケル水素電池等の複数の蓄電池で直列接続して構成されてもよい。車両シャーシにおける異なる電子部品の定格電圧に差異が存在することを考慮すると、各電子部品に安定した電圧を提供しかつ各電子部品の使用寿命を向上させるために、電源モジュールは、例えばさらに電圧変換器を含んでもよい。例えば、駆動モジュールにおける電子デバイスの定格電圧は、一般的に大きく、通信モジュールおよび制御モジュールにおける各電子デバイスの定格電圧は、一般的に小さい。
【0216】
ここで、第一モータ駆動モジュール1232は、例えば電源モジュール1231の第一方向に沿う一側に設置されてもよい。該電気システムを車両シャーシのシャーシホルダに取り付ける場合、該第一方向は、例えば車両シャーシの幅方向であってもよい。該第一モータ駆動モジュール1232は、車両シャーシにおける駆動システムに含まれた動力モータを制御するために用いられる。
【0217】
ここで、第二モータ駆動モジュール1233は、電源モジュール1231の第一方向に沿う他側に設置されてもよく、かつ、該第二モータ駆動モジュール1233は、第一モータ駆動モジュール1233の第二方向での一側に設置される。例えば、該電気システム1230が車両シャーシにおけるシャーシホルダに取り付けられる場合、該第二モータ駆動モジュール1233は、第一モータ駆動モジュール1232より車両シャーシにおけるステアリングシステムに近接する。該第二モータ駆動モジュール1233は、車両シャーシにおけるステアリングモータおよびブレーキモータを制御するために用いられる。例えば、該第二モータ駆動モジュール1233は、ステアリングモータドライバおよびブレーキモータドライバを含んでもよい。該ステアリングモータ駆動装置およびブレーキモータ駆動装置を同じモジュールに統合する原因は、ステアリングモータ駆動装置およびブレーキモータ駆動装置が動力モータ駆動装置に比べて一般的に体積が小さいことである。同じモジュールに統合して設置されることは、車両シャーシにおける取付空間を十分に利用することに役立つ。例えば、車両シャーシにそれぞれ駆動輪およびステアリング輪を制御する2つのブレーキシステムを含むと、該第二モータ駆動モジュール1233におけるモータドライバは、一つのステアリングモータドライバおよび2つのブレーキモータドライバを含むことになる。ここで、第二方向は、第一方向と垂直である。
【0218】
ここで、通信モジュール1234は、第一モータ駆動モジュール1232の第二方向での一側に設置され、すなわち、該通信モジュール1234および第二モータ駆動モジュール1233は、第一モータ駆動モジュール1232の第二方向での同じ側に位置する。さらに、該通信モジュール1234は、さらに電源モジュール1231の第一方向に沿う一側に設置される。すなわち、該通信モジュール1234および第一モータ駆動モジュール1232は、電源モジュール1231の第一方向での同じ側に位置する。例えば、該通信モジュール1234は、リモコンセンサおよびネットワーク機器等を含んでもよい。
【0219】
ここで、制御モジュール1235は、第二モータ駆動モジュール1233の第二方向で電源モジュール1231に近接する一側に設置されてもよい。該制御モジュール1235は、例えば、センターコントローラを含んでもよい。該制御モジュール1235は、例えばCANネットワークを介して電気システムにおける他のモジュールと通信することにより、電気システムにおける制御モジュール以外の他のモジュールの動作への制御を実現することができる。該制御モジュール1235における中央コントローラは、例えば電池管理システム(Battery Management System,BMS)を集積することにより、電源モジュール1231における電池パックの動作状態を監視することができる。
【0220】
該実施例は、電気システムにおける各モジュールの相対的な位置関係の設置により、電気システムにおける電源モジュール以外の他のモジュールを電源モジュールに隣接して設置することができ、電気システムにおける各電子部品の集中化程度を向上させることに役立ち、これにより、車両シャーシの小型化設置に役立つ。さらに、各電子部品の間に高さ方向での重複設置が存在しないので、車両シャーシの扁平化設置に役立つ。
【0221】
理解できるように、
図12における通信モジュール1234と電源モジュール1231との間の空間は、例えば様々な配線、例えば電線および通信ケーブルの配線を設置することに用いられる。あるいは、該通信モジュール1234と電源モジュール1231との間の空間は、さらにナビゲーションモジュールまたは無線局モジュール等の車両に補助機能を提供する機能モジュールを設置することに用いられ、本開示はこれを限定しない。
【0222】
本開示の実施例によれば、
図12に示すように、該実施例の電気システム1230において、電源モジュール1231は、電池パック12311、電圧変換器12312およびリレー12313を含んでもよい。
【0223】
ここで、電池パック12311は、第一方向に第一モータ駆動モジュール1232の一側に設置されてもよい。電圧変換器12312およびリレー12313は、第一方向で通信モジュール1234と制御モジュール1235との間に順に設置されてもよく、かつ、電池パック12311の第二方向で通信モジュール1234に近接する一側に設置される。このように、通信モジュール1234と制御モジュール1235との間の空間を十分に利用することができ、電気システムの集中化程度を向上させやすい。
【0224】
ここで、電圧変換器12312およびリレー12313は、並列接続方式で電池パック12311に電気的に接続されてもよい。例えば、電圧変換器12312の入力端は、電池パック12311の出力端に接続され、かつ、リレー12313の入力端も電池パック12311の出力端に接続される。
【0225】
例えば、電圧変換器12312の出力端は、制御モジュール1235に電気的に接続されてもよい。このように、電池パック12311から出力された電圧は、電圧変換器12312により制御モジュール1235に適合する電圧に変換することができる。
【0226】
例えば、リレー12313の出力端は、第一モータ駆動モジュール1232および第二モータ駆動モジュール1233に電気的に接続される。このように、リレーで実行された微小な制御量により、駆動モジュールにおける大電力回路への効果的な制御を達成し、かつ、駆動モジュールにおける回路電力が大きすぎることによる回路の焼損状況を回避し、電気システムの安定性を向上させることができる。
【0227】
一つの実施例において、電源モジュール1231は、例えばフィルタ12314をさらに含んでもよく、該フィルタ12314は、電圧変換器12312と通信モジュール1234との間に設置されてもよい。該電圧変換器12312の入力端は、該フィルタ12314を介してバッテリパック12311に電気的に接続されてもよい。このように、電圧変換器12312に安定した電圧を提供し、電磁干渉等の電圧変換器12312の性能および使用寿命への影響を回避することができる。
【0228】
一つの実施例において、電源モジュール1231は、例えばさらにヒューズ素子12315を含んでもよい。該ヒューズ素子12315は、バッテリパック12311とリレー12313との間に設けられてもよい。該リレー12313の出力端は、該ヒューズ素子12315を介して第一モータ駆動モジュール1232、第二モータ駆動モジュール1233に電気的に接続されてもよい。該ヒューズ素子の設置により、過電流保護の作用を果たし、電気システムの使用安全性および使用寿命を向上させることができる。
【0229】
一つの実施例において、該電気システム1230は、例えばさらに無線局モジュール1236を含んでもよく、該無線局モジュール1236は、通信モジュール1234と電圧変換器12312との間に設置されてもよい。該無線局モジュール1236は、例えば電圧変換器12312の出力端に電気的に接続されてもよい。このように、電圧変換器12312は、無線局モジュール1236に適合する電圧を提供し、無線局モジュール1236の動作に電気エネルギーを提供することができる。
【0230】
一つの実施例において、該電気システム1230は、例えばナビゲーションモジュール1237をさらに含んでもよく、該ナビゲーションモジュール1237は、例えば車載組み合わせナビゲーションシステム(Car Integrated Navigation System)を含んでもよい。該ナビゲーションモジュール1237は、例えば、通信モジュール1234と電圧変換器12312との間に設けられてもよい。該ナビゲーションモジュール1237は、電圧変換器12312の出力端に電気的に接続されてもよい。このように、電圧変換器12312は、ナビゲーションモジュール1237に適合する電圧を提供し、ナビゲーションモジュール1237の動作に電気エネルギーを提供することができる。
【0231】
理解できるように、該電気システム1230は、無線局モジュール1236に加えて、ナビゲーションモジュール1237を含む場合、該無線局モジュール1236およびナビゲーションモジュール1237は、例えば任意の方式で通信モジュール1234と電圧変換器12312との間に設置することができる。無線局モジュール1236および/またはナビゲーションモジュール1237を通信モジュールと電圧変換器との間に設置することにより、該無線局モジュール1236および/またはナビゲーションモジュール1237に電気エネルギーを供給しやすいとともに、該無線局モジュール1236および/またはナビゲーションモジュール1237が通信モジュールを介して外部と通信しやすい。このように、配線の長さを減少させやすく、さらに空間を十分に利用することができ、電気システムおよび車両シャーシの小型化設計に役立つ。
【0232】
理解できるように、電池パック12311と電圧変換器12312との間には、例えばさらに電流端子または電圧端子等の電子デバイスを設置してもよく、これにより給電パラメータに対するリアルタイム監視等を実現する。
【0233】
本開示の実施例によれば、電気システムにおける電源モジュールおよび制御モジュールは、例えば実際の必要に応じて様々な接続インタフェースを設置することができる。例えば、電源モジュールは、電源インタフェースを提供することができ、車両における各電気機器と該電源モジュールとの接続に役立つ。例えば、制御モジュールは、電源インタフェースを提供することができ、放熱器などの中央制御装置の周辺用の電気機器の接続に役立つ。例えば、制御モジュールは、入力/出力インタフェース(I/O)インタフェースを提供することができ、距離センサ、画像センサ等にアクセスし、データの入力/出力の実現に役立つ。例えば、制御モジュールは、バス標準インタフェース、例えばCANバス標準インタフェースを提供することができ、ドライバまたはエンコーダ等と通信接続しやすい。
【0234】
本開示の実施例によれば、第一モータ駆動モジュールは、左サーボモータドライバおよび右サーボモータドライバを含んでもよい。第二モータ駆動モジュールは、ステアリングモータドライバ、前輪ブレーキモータドライバ(すなわち第一ブレーキシステムにおけるブレーキモータを駆動するドライバ)、右輪ブレーキモータドライバ(すなわち第二ブレーキシステムにおけるブレーキモータを駆動するドライバ)を含んでもよい。通信モジュールは、ネットワーク機器およびリモコンセンサを含む。制御モジュールは、中央制御装置を含む。
【0235】
ここで、ネットワーク機器およびリモコンセンサは、いずれも電圧変換器に電気的に接続され、電圧変換器が変換した後の電圧で動作する。該ネットワーク機器は、例えば車両におけるWIFIアンテナと通信接続して、ネットワーク信号を生成することができる。リモコンセンサは、車両におけるリモコンアンテナと通信接続されて、リモコン信号等を受信することができる。
【0236】
一つの実施例において、
図12に示すように、無線局モジュール1236およびナビゲーションモジュール1237は、いずれも電圧変換器に電気的に接続されてもよく、電圧変換器により変換された後の電圧で動作する。ナビゲーションモジュール1237は、さらに前述のアンテナユニットと通信接続されて、衛星信号を受信し、車両の測位およびナビゲーションを行うことができる。
【0237】
一つの実施例において、ネットワーク機器、リモコンセンサ、ナビゲーションモジュール1237および無線局モジュール1236は、例えば通信インタフェースを介して中央コントローラに接続されてもよく、中央コントローラとデータの送受信を行い、車両を統一的に制御しやすい。
【0238】
一つの実施例において、制御モジュールには、第一バス標準インタフェースが配置されてもよい。該第一バス標準インタフェースにより、制御モジュールは、第一モータ駆動モジュール1232および第二モータ駆動モジュール1233と通信接続することができ、これにより、2つのモータ駆動モジュールにおけるモータドライバへの制御を実現して、車両の運動を制御する。具体的に、中央コントローラは、CANバス標準インタフェースを提供し、該CANバス標準インタフェースは、CANネットワークを介して、左サーボモータドライバ、右サーボモータドライバ、ステアリングモータドライバ、前輪ブレーキモータドライバおよび右輪ブレーキモータドライバと通信接続して、これらのモータドライバへの制御を実現することができる。例えば、左サーボモータドライバを制御することにより、駆動システムにおいて車両の左駆動輪を回動させるように駆動する左サーボモータ(すなわち前述の駆動モータ)の回動速度を制御することができ、右サーボモータドライバを制御することにより、駆動システムにおいて車両の右駆動輪を回動させるように駆動する右サーボモータの回動速度を制御することができ、これにより車両の走行速度を制御する。例えば、ステアリングモータドライバを制御することにより、ステアリングシステムにおけるステアリングモータの回動速度を制御することができ、これにより車両の走行方向を制御する。例えば、前輪ブレーキモータドライバ/後輪ブレーキモータドライバを制御することにより、第一ブレーキシステム/第二ブレーキシステムにおけるブレーキモータの起動または停止を制御することができ、これにより車両にブレーキ制御を行う。
【0239】
一つの実施例において、ステアリングシステムは、さらにロータリーエンコーダを含んでもよく、該ロータリーエンコーダは、ステアリングモータの出力軸に接続される。該ロータリーエンコーダにより、ステアリング輪の回動角を正確に制御することができる。それに応じて、制御モジュールは、例えばさらに第二バス標準インタフェースが配置されてもよく、これによりロータリーエンコーダと通信接続される。具体的に、中央コントローラには、他のCANバス標準インタフェースが設置されてもよく、ロータリーエンコーダは、CANネットワークを介して該他のCANバス標準インタフェースに接続されてもよく、これにより中央コントローラが該ロータリーエンコーダを制御しやすい。
【0240】
一つの実施例において、制御モジュールにおける中央コントローラは、例えばBMSが集積されてもよい。制御モジュールは、前述の他のバス標準インタフェースまたは追加的に設置されたバス標準インタフェースを介して電源モジュールと通信接続することができ、具体的に、電源モジュールにおける電流端子等と通信接続することができ、これにより電源モジュールにおける電池パックの動作状態を監視する。
【0241】
一つの実施例において、車両は、車両シャーシに加えて、運転者に指示信号を提供するための信号システムを含んでもよい。例えば、該信号システムは、給電制御指示ランプ、システム給電指示ランプおよびブザーを含んでもよく、該信号システムにおける各電子部品は、中央コントローラに接続されてもよい。例えば、制御モジュールには、該信号システムに接続するための第一入力/出力インタフェースが配置されてもよい。具体的に、中央コントローラは、第一I/Oインタフェースを提供し、給電制御指示ランプ、システム給電指示ランプおよびブザー等が該第一I/Oインタフェースにアクセスでき、これにより、中央コントローラにおけるプログラマブル回路の制御で動作する。一つの実施例において、該信号システムは、さらに予備通信インタフェースを含んでもよく、これにより移動可能な通信機器にアクセスしやすく、車両のインテリジェント化程度を向上させる。
【0242】
一つの実施例において、電池パック12311は、車両の急停止ボタンの回路、キースイッチの回路およびフィルタを直列接続することができる。該方式により、急停止ボタンの回路がオンになりかつキースイッチの回路がオンになる場合のみに、フィルタおよび電圧変換器を起動することができる。
【0243】
一つの実施例において、第一ブレーキシステム/第二ブレーキシステムは、例えば電磁石を含んでもよく、該電磁石は、制御モジュールに接続されかつ電圧変換器に電気的に接続されてもよい。例えば、制御モジュールには、さらに第二入力/出力インタフェースが配置されてもよく、該第二入力/出力インタフェースを介して電磁石に接続される。例えば、中央コントローラは、第二I/Oインタフェースを提供してもよく、電磁石にプログラマブル制御信号を送信し、電磁石と電圧変換器との間の電気的接続を制御し、これにより電磁石の通電または停電を制御する。例えば、該電磁石が通電する場合、例えば磁力が発生しかつ強磁性体を吸着することができ、これにより第一ブレーキワイヤ/第二ブレーキワイヤが引き締め状態にあり、車両をブレーキするように制御する。該電磁石が通電するか否かは、例えば中央コントローラにより制御されてもよく、または、機械伝動により開閉可能なスイッチが設置されてもよく、該スイッチの開閉により、電磁石が停電または通電する。
【0244】
一つの実施例において、制御モジュールにさらに第三入力/出力インタフェースが配置されてもよく、該第三入力/出力インタフェースを介して車両シャーシにおけるセンサに接続されることにより、センサにプログラマブル制御信号を提供する。車両シャーシにおけるセンサは、例えば距離センサ、温度センサ等を含んでもよく、本開示はこれを限定しない。
【0245】
一つの実施例において、電気システムは、さらに放熱器を含む。例えば、コントローラヒートシンクが設けられてもよい。ここで、コントローラ放熱器は、例えば制御モジュールの近傍に設置されてもよく、中央コントローラ等を放熱するために用いられる。それに応じて、電源モジュールは、該コントローラ放熱器に電気的に接続されるための第一電源インタフェースを配置してもよい。該コントローラ放熱器は、例えばさらに入力/出力インタフェースを介して中央コントローラに接続されてもよく、これにより中央コントローラのプログラマブル制御信号の制御で動作する。例えば、車両シャーシの温度が高い場合、コントローラ放熱器の回動速度を向上させ、放熱効率を向上させる。
【0246】
一つの実施例において、電気システムにさらにモータ放熱器が配置されてもよい。ここで、モータ放熱器は、例えば左/右サーボモータ(すなわち駆動モータ)、ステアリングモータおよび前輪/後輪ブレーキモータのうちの少なくとも一つの近傍に設置されてもよく、モータ等を放熱するために用いられる。それに応じて、電源モジュールは、該モータ放熱器に電気的に接続されるための第二電源インタフェースを配置してもよい。該モータ放熱器は、例えば入力/出力インタフェースを介して中央コントローラに接続されてもよく、これにより中央コントローラのプログラマブル制御信号の制御で動作する。例えば、車両の走行速度が高い場合、モータ放熱器の回動速度を向上させ、放熱効率を向上させる。
【0247】
以下、
図13を参照しながら、電気システムにおける電源モジュールの構造を詳細に説明する。
【0248】
図13は、本開示の実施例に係る電源モジュールの構造概略図である。
【0249】
図13に示すように、電源モジュールにおける電池パック13311は、電池収容装置13311-1および複数の電池モジュール13311-2を含んでもよい。
【0250】
一つの実施例において、電池モジュール13311-2は、例えば複数のセルを直並列接続の方式で組み合わせて構成することができる。該セルは、例えば高エネルギー密度セルであってもよく、これにより電池モジュール13311-2の蓄積可能な電気量を向上させ、かつ、電池モジュール13311-2の充電効率を向上させる。例えば、該セルは、リチウムイオンまたはリチウムポリマー等の材質を採用することができ、本開示はこれを限定しない。
【0251】
一つの実施例において、電池収容装置13311-1は、収容キャビティ、複数の第二補強リブおよび複数のガイドロッドを含んでもよい。
【0252】
ここで、収容キャビティは、開口を有してもよい。例えば、該収容キャビティは、底壁および四つの側壁を含んでもよい。該四つの側壁は、順に接続され、かつ、該四つの側壁は、いずれも底壁に固定接続され、これにより収容キャビティの開口を形成する。
【0253】
ここで、複数の第二補強リブのうちの各第二補強リブは、収容キャビティの2つの対向する側壁に固定されてもよい。例えば、第二補強リブは、四つの側壁のうちの長さが長い2つの対向する側壁に固定されてもよく、すなわち、第二補強リブの延伸方向は、第一方向であり、該第一方向は、開口の幅方向であってもよい。あるいは、第二補強リブは、四つの側壁のうちの長さが短い2つの対向する側壁に固定されてもよく、すなわち、第二補強リブの延伸方向は、第二方向であり、該第二方向は、開口の長手方向であってもよい。ここで、第一方向および第二方向は、互いに垂直である。あるいは、一部の第二補強リブの延伸方向が第一方向であり、一部の第二補強リブの延伸方向が第二方向であってもよい。第一方向の第二補強リブと第二方向の第二補強リブは、縦横に交錯する。
【0254】
一つの実施例において、複数の第二補強リブは、周期的に配列することができ、これにより、電池収容装置13311-1の異なる領域の受けることができる圧力が比較的に均衡する。第2補強リブの形状は、直方体や台形体等であってもよい。複数の第二補強リブは、収容キャビティと一体成形されてもよく、収容キャビティに取り外し可能に接続されてもよい。
【0255】
ここで、複数のガイドロッドは、少なくとも一部の第二補強リブから収容キャビティの開口に対向する底壁まで延伸してもよく、かつ、該複数のガイドロッドは、該底壁に固定される。例えば、該少なくとも一部の第二補強リブにおいて、各第二補強リブに一つまたは複数のガイドロッドが延設されてもよい。あるいは、複数の第二補強リブのうちの各第二補強リブに一つまたは複数のガイドロッドを延設することができる。安定性を向上させるために、各第二補強リブに延設されたガイドロッドは、少なくとも2つであり、かつ、該少なくとも2つのガイドロッドは、第二補強リブに均一に分布する。
【0256】
一つの実施例において、複数のガイドロッドは、例えば柱状構造であってもよく、直方体構造等であってもよく、本開示はこれを限定しない。例えば、該複数のガイドロッドは、さらに収容キャビティの中心点に対して対称的に設置されてもよく、これにより電池収容装置が受ける圧力の均一性を向上させる。例えば、該複数のガイドポストは、複数の第二補強リブと一体成形されてもよく、複数の第二補強リブに取り外し可能に接続されてもよく、本開示はこれを限定しない。
【0257】
該実施例における複数の第二補強リブの設置により、収容キャビティと複数の収容空間を囲むことができ、該複数の収容空間は、電池モジュールを収容するために用いることができる。ここで、収容キャビティの深さの設置は、収容空間に収容された電池モジュールが複数の第二補強リブの設置位置より低いことを保証すべきである。このように、電池収容装置に電池モジュールが収容されかつ圧力を受ける場合、該圧力は、複数の第二補強リブに直接作用し、かつ、複数のガイドロッドを介して電池収容装置13311-1の底壁に伝達される。このように、電池収容装置13311-1の耐圧能力を向上させることができ、電池モジュールを圧力から保護し、かつ、圧力による電池モジュールの損傷を回避し、電池モジュールの給電安定性および使用寿命を向上させることができる。
【0258】
一つの実施例において、電池収容装置13311-1は、収容キャビティ、複数の第二補強リブおよび複数のガイドロッドに加えて、蓋体を含む。
【0259】
ここで、蓋体のサイズは、収容キャビティの開口のサイズに適合することができる。該蓋体は、例えば固定部材により収容キャビティに固定接続されてもよく、これにより収容キャビティの開口を覆い、収容キャビティと複数の第二補強リブとで形成された複数の収容空間に収容された電池モジュールが風雨から保護され、電池モジュールの使用寿命および給電の安定性を向上させる。例えば、該蓋体のサイズは、収容キャビティの開口のサイズより僅かに大きくしてもよく、これにより開口を覆う完全性を保証する。
【0260】
一つの実施例において、収容キャビティの開口を形成する側壁は、開口に近接する一側に固定溝が設置されてもよい。例えば、側壁の底壁から離れる端面に該固定溝を設置することができる。それに応じて、蓋体の内表面には、該固定溝とマッチングするバンプが設置されてもよい。蓋体と収容キャビティとを接続する時、まず蓋体のバンプを収容キャビティの固定溝内に係止し、次に固定部材を使用して蓋体と収容キャビティとを固定接続することができる。該固定溝およびバンプの設置により、蓋体と収容キャビティとの接続の安定性を向上させることができる。
【0261】
一つの実施例において、電池収容装置13311-1は、さらにシール部材を含んでもよく、該シール部材は、側壁に設置された固定溝内に設置される。このように、蓋体を収容キャビティに固定接続する時、外部不純物(例えば水分または塵埃等)が収容キャビティと蓋体との接触する接合面から収容空間に侵入することを防止できる。このように、該電池収容装置13311-1に防水防塵機能を備えさせ、電池モジュールの給電の安全性を確保することができる。例えば、密封部材は、ゴムリングであってもよく、本開示はこれを限定しない。
【0262】
例えば、該電池収容装置13311-1における密封部材の設置により、電池収容装置13311-1が電池モジュールを収容した後、電池モジュールがIP67レベルの防護セキュリティレベルに達することができる。
【0263】
一つの実施例において、収容キャビティの開口を形成する少なくとも一つの側壁には、少なくとも一つの貫通孔が設置されてもよい。該貫通孔は、電池モジュールと外付け機器との間に接続された接続線等を穿設するために用いられる。ここで、該接続線は、例えば電線または通信ケーブル等を含んでもよく、本開示はこれを限定しない。例えば、貫通孔は、複数であってもよく、複数の貫通孔は、側壁に周期的に配列されてもよい。該少なくとも一つの貫通孔の設置により、配線の利便性および規則性を向上させることができ、かつ、収容空間の密閉性をできるだけ保証することができる。
【0264】
一つの実施例において、電池収容装置13311-1は、さらに偶数個のハンドルを含んでもよい。該偶数個のハンドルは、収容キャビティの2つの対向する側壁の外側に対称的に設置されてもよく、これにより電池収容装置13311-1を移動しやすい。
【0265】
例えば、該ハンドルは、外延辺を有する弧状部材であってもよく、該ハンドルは、外延辺を介して収容キャビティの側壁に固定接続される。
【0266】
例えば、該ハンドルは、ハンドル固定部材およびプルリングを含んでもよい。ハンドルは、ハンドル固定部材を介して収容キャビティの側壁に固定接続され、プルリングは、固定部材に回動可能に接続される。このように、プルリングを引くことにより電池収容装置を持ち上げることができる。電池収容装置を持ち上げる必要がない場合、該プルリングは、収容キャビティの側壁に近接することができ、これにより電池収容装置13311-1の全体寸法を減少させる。
【0267】
一つの実施例において、ハンドルの数が2つである場合、該ハンドルは、側壁の中心位置に設置されてもよい。ハンドルの個数が四つ以上である場合、該ハンドルは、側壁に周期的に配列されてもよい。該ハンドルの設置位置を限定することにより、電池収容装置を持ち上げる安定性を保証することができる。
【0268】
理解できるように、ハンドルと少なくとも一つの貫通孔は、2つの対向しない側壁に設置されてもよく、同じ側壁に設置されてもよく、本開示はこれを限定しない。
【0269】
一つの実施例において、電池収容装置13311-1は、さらに固定位置決め部材を含んでもよい。該固定位置決め部材は、収容キャビティの側壁に固定されてもよい。該実施例は、接続部材を用いて固定位置決め部材を車両のシャーシホルダ等に取り外し可能に接続することにより、電池モジュールを車両等の電動機器に集積することができる。ここで、接続部材は、例えばねじ、ボルト等であってもよい。
【0270】
また、説明すべきこととして、本開示は、複数の補強リブの設置位置、延伸方向および寸法を限定しなく、本開示の実施例は、実際の必要に応じて設置することができる。
【0271】
例えば、一つの実施例において、複数の補強リブは、収容キャビティの開口の幅方向に沿って平行に設置されてもよい。収容キャビティの開口の長手方向に沿って設置された方案に比べて、幅方向に沿って補強リブを設置する方案は、電池収容装置の耐圧能力を向上させることができる。例えば、該開口の幅方向に沿って平行に設置された複数の補強リブは、周期的に配置されることや、開口の中心位置の近傍に緊密に配置されることや、開口の縁部位置に疎に配置されることなどであってもよく、本開示はこれを限定しない。
【0272】
例えば、一つの実施例において、複数の補強リブのうち、開口の中心位置に近接する補強リブの幅は、例えば開口の中心位置から離れる補強リブの幅より大きくしてもよい。このように、電池収容装置の中心領域の耐圧能力を向上させることができる。
【0273】
本開示の提供する車両シャーシに基づいて、本開示は、さらに車両を提供する。以下、
図14~
図15を参照しながら、該車両の構造を詳細に説明する。
【0274】
図14は、本開示の実施例に係る車両の構造概略図である。
【0275】
図14に示すように、該実施例の車両140は、ケース1410および車両シャーシ1420を含んでもよい。ここで、ケース1410は、車両シャーシ1420の上方に覆われる。
【0276】
ここで、ケース1410は、例えば車両の車両モデルであってもよい。該ケース1410は、マジックテープまたはスナップ等の接続部材により車両シャーシ1420に取り外し可能に接続される。該ケース1410は、例えば、プラスチックフォーム等の弾性材料で構成することができる。このように、車両シャーシ1420がテストターゲット車の車両シャーシである場合、該車両シャーシ1420にケース1410を覆うことにより、該テストターゲット車を用いて自動運転車両をテストするとき、自動運転車両の制御効果が低いことによってテストターゲット車に衝突すると、自動運転車両に効果的な保護作用を果たし、テストコストを低減させることができる。
【0277】
一つの実施例において、車両140は、ケース1410および車両シャーシ1420に加えて、補助輪装置を含んでもよい。該補助輪装置は、車両シャーシ1420に取り外し可能に接続してもよい。例えば、車両140は、場所を変更する必要がある場合、または、故障によってドラッグして移動する必要がある場合、ケース1410を車両シャーシ1420から取り外すとともに、補助輪装置を車両シャーシ1420に取り付けることができる。このように、補助輪装置により、車両シャーシ1420をより省力的にドラッグして移動させることができる。車両140の移動を必要としない場合、補助輪装置を車両シャーシ1420から取り外すことができ、これによりテストを行いやすい。
【0278】
例えば、車両シャーシをテストターゲット車として使用する場合、車両シャーシの移動を必要としない場合、補助輪装置を車両シャーシ1420から取り外すことにより、車両シャーシ1420の全体高さを低下させる。このように、自動運転車に自動運転安全テストを行う場合、自動運転車のシャーシの高さへの要求を低減させ、ターゲット車の適用場面を広げてテストしやすく、テスト条件への要求を低減させることができる。
【0279】
一つの実施例において、補助輪装置は、例えば少なくとも2つであってもよく、該少なくとも2つの補助輪装置は、車両シャーシに接続される時に、車両シャーシ1420の外周に近接する領域に均一または対称に分布することができ、これにより、車両シャーシがドラッグ作用で移動する時の安定性および平衡性を向上させる。例えば、補助輪装置は、四つであってもよく、該四つの補助輪装置は、車両シャーシに対称的に接続されてもよい。例えば、車両シャーシの長手方向の第一端には、2つの補助輪装置が接続され、かつ、該2つの補助輪装置は、車両シャーシ1420の長手方向に沿う中心軸に対して対称である。車両シャーシ1420の長手方向の他端には、2つの補助輪装置が接続され、かつ、該2つの補助輪装置は、車両シャーシ1420の長手方向に沿う中心軸に対して対称である。
【0280】
一つの実施例において、車両シャーシには、例えば補助輪装置を取り外し可能に固定するための第二固定ブロックが設置されてもよい。例えば接続部材により第二固定ブロックと補助輪装置とを取り外し可能に接続することができ、補助輪装置と第二固定ブロックとの接続により、補助輪装置と車両シャーシとの接続を実現することができる。
【0281】
例えば、第二固定ブロックには、ねじ穴が設置されてもよく、補助輪装置には、補助輪に回動可能に接続された固定板を含み、該固定板にもねじ穴が設置されている。第二固定ブロックと補助輪装置との間は、ボルト等により接続されてもよい。
【0282】
一つの実施例において、車両シャーシ1420には、さらにプルリングが設置されてもよく、該プルリングは、車両シャーシのフレームに設置されてもよい。具体的に、該プルリングは、ボルト等の外付け固定部材によりシャーシの長手方向に沿う一端のフレームに固定接続されてもよい。
【0283】
一つの実施例において、車両シャーシをドラッグする必要がある場合、フック部材によりプルリングを引っ掛け、かつ、フック部材をドラッグすることによりプルリングに引張力を印加することができ、該引張力は、車両シャーシを介して車両シャーシに接続された補助輪装置に伝達することができ、これにより補助輪装置における補助輪を回動させ、車両シャーシを引張力方向に沿って移動させるように駆動する。
【0284】
一つの実施例において、車両140は、少なくとも一つの第一固定ブロックに加えて、少なくとも一つのスクリュー係合部材を含んでもよく、該スクリュー係合部材は、車両シャーシに固定接続される。
【0285】
一つの実施例において、スクリュー係合部材は、凹溝を有する係止ブロックおよびフランジ型スクリューナットを含んでもよく、該フランジ型スクリューナットは、係止ブロックの凹溝内に係止され、かつ、該係止ブロックに固定接続される。
【0286】
一つの実施例において、スクリュー係合部材は、四つであってもよく、四つのスクリュー係合部材は、車両シャーシ1420の中心点に対して対称的に設置される。該スクリュー係合部材の設置により、スクリューは該スクリュー係合部材内で回動することができ、かつ、地面に近接するまたは地面から離れる。スクリューを回動させることによりスクリューを地面に接触させた後、スクリューを回動させ続けることによって、車両シャーシを地面から持ち上げることができ、このように補助輪装置を容易に取り付けるまたは取り外すことができる。
【0287】
以下、
図15を参照しながら、補助輪装置を詳細に説明する。
【0288】
図15は、本開示の実施例に係る補助輪装置の構造概略図である。
【0289】
図15に示すように、該実施例の補助輪装置1530は、車輪ユニット1531および迅速取り外しユニット1532を含んでもよい。車輪ユニット1531は、迅速取り外しユニット1532に取り外し可能に接続されてもよい。
【0290】
一つの実施例において、迅速取り外しユニット1532は、固定座15321およびトグルクランプ15322を含んでもよく、該固定座15321は、トグルクランプ15322に固定接続される。車輪ユニット1531は、固定座15321を介して車輪ユニット1531に取り外し可能に接続されてもよい。
【0291】
ここで、トグルクランプ15322は、例えば垂直押圧型トグルクランプ、水平押圧型トグルクランプ等であってもよい。該トグルクランプは、平面四節リンク機構における二重ロッカー機構の原理に基づいて設計される。該トグルクランプ15322は、軸固定座、ハンドル、回動アームおよび回動軸を含んでもよい。一つの実施例において、軸固定座は、迅速取り外しユニット1532における固定座15321として機能してもよく、該迅速取り外しユニット1532における固定座15321に固定接続されてもよい。該軸固定台は、2つの固定板で構成されてもよく、回動軸は、2つであってもよく、そのうちの一つの回動軸は、該2つの固定板の間に固定される。回動アームの一端は、該一つの回動軸に外挿されてもよく、これにより該一つの回動軸に対して回動する。該回動アームの他端には、押圧部材15323を設置してもよい。該回動アームの両端の間の外壁に接続部材を係止してもよく、該接続部材により、回動アームをハンドルにヒンジ接続することができる。ここで、2つの回動軸のうちのもう一つの回動軸は、該2つの固定板を貫通することができ、かつ、該2つの固定板に固定接続される。該もう一つの回動軸の設置位置は、回動アームの外壁に係止された接続部材の係止位置に対応することができる。ハンドルは、該もう一つの回動軸に外挿され、外力作用で、該ハンドルは、該もう一つの回動軸を中心として回動することができ、かつ、接続部材により回動アームをそのうちの一つの回動軸を中心として回動させるように駆動し、該回動アームの回動により、押圧部材を移動させるように駆動することができ、これにより、押圧部材は、前述の固定ブロックに近接し、かつ、該固定ブロックの溝内に押圧される。あるいは、該回動アームの回動により、押圧部材を固定ブロックの溝から引き出させるように駆動することができる。理解できるように、
図6に示す例では、トグルクランプ15322は、ロック状態にあり、トグルクランプ15322のセルフロック状態で、
図15の矢印方向に沿ってハンドルを回動すると、トグルクランプ15322を解放状態にすることができる。トグルクランプ15322が解放状態にある時、
図15における矢印方向と逆の方向に沿ってハンドルを回動し、かつ、死点位置までに回動すると、トグルクランプ15322をロック状態に復帰させることができる。
【0292】
一つの実施例において、ハンドルは、例えば
図15に示す矢印方向に沿って回動することができ、これにより回転アームを回動させるように駆動することにより、押圧部材を上向きに移動させ、かつ、固定ブロックの溝から引き出す。理解できるように、トグルクリップは、関連技術における任意の構造を採用することができ、本開示はこれを限定しない。
【0293】
該実施例は、車輪装置に迅速取り外しユニットを設置することにより、車輪装置をフレームに迅速に取り付けることができ、またはフレームから迅速に取り外すことができ、車輪の着脱効率を向上させやすい。同時に、該トグルクランプを採用することにより、車輪装置とフレームとの接続安定性を保証することができ、これは、トグルクランプが死点クランプ原理を採用して設計されるためである。
【0294】
一つの実施例において、前述したように、押圧部材15323の材質は、例えば弾性材料を含んでもよく、これによりフレーム上の固定ブロックとの締りばめを実現する。
【0295】
一つの実施例において、
図15に示すように、車輪ユニット1531は、例えば補助輪15311および固定部材15312を含んでもよい。ここで、固定部材15312は、補助輪15311に回動可能に接続され、かつ、固定部材15312は、迅速取り外しユニット1532における固定座15321に取り外し可能に接続される。例えば、固定部材15312は、回動軸を介して補助輪15311に回動可能に接続されてもよい。
【0296】
例えば、該固定部材15312は、固定板および延伸部材を含んでもよく、該延伸部材は、回動輪を介して補助輪15311に回動接続され、固定板は、迅速取り外しユニット1532の固定座15321に固定接続される。補助輪15311は、該固定部材15312に対して回動することができる。
【0297】
理解できるように、
図15における車輪ユニットの構造は、単に例として本開示の理解に役立ち、本開示はこれを限定しない。
【0298】
本開示の実施例によれば、補助輪装置1530を取り付ける時、トグルクランプ15322は、解放状態にあり、この時、トグルクランプ15322を車両シャーシの第二固定ブロックが設置された位置に移動することができ、これにより、該車両シャーシの第二固定ブロックが設置された領域は、固定座15321とトグルクランプの回動アームとの間に位置する。次に、
図15における矢印方向と逆の方向に沿ってトグルクランプ15322のハンドルを押すことにより、ハンドルを死点位置に押すまで、回動アーム上の押圧部材を下向きに移動させ、押圧部材を第二固定ブロックの溝に挿入させ、かつ、第二固定ブロックと締りばめする。すなわち、補助輪装置1530と第二固定ブロックとを
図7に示す状態にして、補助輪装置と車両シャーシとの固定接続を実現する。
【0299】
補助輪装置1530を取り外す必要がある場合、
図15における矢印方向に沿ってハンドルを押圧すれば、押圧部材を上向きに移動させ、かつ、第二固定ブロックの溝から引き抜き、補助輪装置1530の取り外しを完了することができる。
【0300】
一つの実施例において、該車両の補助輪装置を取り付けた後の高さは、補助輪装置を取り付けていない場合の高さより大きくしてもよい。このように、補助輪装置を取り付けることにより、車両の車両シャーシの高さを向上させることができる。このように、車両の接近角および離脱角を向上させることができ、車両の場所変更に役立つ。例えば、補助輪装置を取り付けていない場合、車両シャーシが低いので、車両は、傾斜板を介して車両を搬送する車室に入ることができない。該補助輪装置を取り付けた後、車両が傾斜板を介して車両を搬送する車室に容易に入ることができ、車両の場所変更に大きな利便性を提供する。
【0301】
説明すべきことは、本開示の技術的解決手段において、関連するユーザー個人情報の取得、収集、記憶、使用、加工、伝送、提供および開示等の処理は、いずれも関連法令の規定に合致し、かつ公序良種に違反しないことである。
【0302】
上記具体的な実施形態は、本開示の保護範囲を限定するものではない。当業者に理解されるように、設計要件および他の要因に基づいて、様々な修正、組み合わせ、サブ組み合わせおよび置換を行うことができる。任意の本開示の精神および原則内で行われた修正、均等置換および改善等は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。