(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036775
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】ホームシネマシステムデバイス
(51)【国際特許分類】
H04S 3/00 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
H04S3/00 200
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022203499
(22)【出願日】2022-12-20
(62)【分割の表示】P 2018039399の分割
【原出願日】2018-03-06
(31)【優先権主張番号】17305239.0
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】319002876
【氏名又は名称】インターデジタル マディソン パテント ホールディングス, エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】グルデナー ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】ケラー,アントン ヴェルナー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ホームシネマシステムにおける中央スピーカーに関連する従来の問題点の少なくとも一部を克服するテレビジョン及びサウンドレンダリングデバイスを提供する。
【解決手段】少なくとも左チャンネル(L)、右チャンネル(R)及び中央チャンネル(C)を含むオーディオ信号をレンダリングするために、テレビジョン310とホームシネマデバイス330を含むホームシネマシステム300において、左と右チャンネルは、ホームシネマデバイスに連結された左と右のスピーカ340によってレンダリングされる一方、中央チャンネルは、テレビジョン310の左と右のスピーカー315によってレンダリングされる。テレビジョンは、オーディオ信号を受信し、デコードし、中央チャンネルをレンダリングし、オーディオ、場合によって、再エンコードされた左と右のチャンネルを、ホームシネマデバイスに送信する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウンドレンダリングデバイスに接続するために構成されたテレビジョンであって、前記テレビジョンは、
デコーダであって、
少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含む第1のオーディオ信号をデコードし、
第1のスピーカー上でレンダリングするためにデコードされた中央チャンネルを提供する、
ように構成された、デコーダと、
第2のスピーカー上でサウンドをレンダリングするために前記サウンドレンダリングデバイスに出力するために第2のオーディオ信号を取得するためにデコードされた左チャンネルとデコードされた右チャンネルをエンコードするエンコーダと、
を備える、テレビジョン。
【請求項2】
サウンドレンダリングデバイスに接続されるように構成されたテレビジョンであって、前記テレビジョンは、
デコーダであって、
少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含むオーディオ信号をデコードし、
第1のスピーカー上でレンダリングするためのデコードされた中央チャンネルを提供する、
デコーダと、
第2のスピーカー上でサウンドをレンダリングするために、前記オーディオ信号を前記サウンドレンダリングデバイスに出力するように構成された出力インタフェースと、
を備える、テレビジョン。
【請求項3】
サウンドレンダリングデバイスに接続するように構成されたテレビジョンであって、前記テレビジョンは、
少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含む第1のオーディオ信号を受信するように構成されたユニットと、
第2のスピーカー上でサウンドをレンダリングするために前記サウンドレンダリングデバイスに前記第1のオーディオ信号を出力するように構成された出力インタフェースと、
前記サウンドレンダリングデバイスから第2のオーディオ信号を受信するように構成されたデコーダであって、前記第2のオーディオ信号は、前記中央チャンネル又は前記中央チャンネルから取得されたさらなる左チャンネルとさらなる右チャンネルを含み、少なくとも1つの第1のスピーカー上でレンダリングするための少なくとも1つのオーディオチャンネルを提供するために、前記第2のオーディオ信号をデコードする、デコーダと、
を備える、テレビジョン。
【請求項4】
前記第2のオーディオ信号は、前記中央チャンネルを含み、前記テレビジョンは、前記第1のスピーカーの中の左スピーカーと右スピーカー上でレンダリングするために前記中央チャンネルを処理するように構成されたデジタルサウンドプロセッサユニットをさらに備える、請求項3に記載のテレビジョン。
【請求項5】
前記第2のオーディオ信号は、前記さらなる左チャンネル及び前記さらなる右チャンネルを含み、前記デコーダは、デコードされたさらなる左チャンネルを前記第1のスピーカーの中の左スピーカーに、デコードされた右チャンネルを前記第1のスピーカーの中の右スピーカーに提供する、請求項3に記載のテレビジョン。
【請求項6】
前記第1のスピーカーに提供されるオーディオチャンネルのサウンド処理に対するデジタルサウンドプロセッサユニットをさらに備える、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のテレビジョン。
【請求項7】
前記第1のスピーカーが、前記テレビジョンの内部の左と右のスピーカーを備える、請求項1乃至3のいずれか1項記載のテレビジョン。
【請求項8】
前記第1のスピーカーが、前記テレビジョンの外部のサウンドバーの左と右のスピーカーを備える、請求項1乃至3のいずれか1項記載のテレビジョン。
【請求項9】
第1のオーディオ信号又は前記第2のオーディオ信号が、さらに、前記第1のスピーカーの中のバススピーカー上でレンダリングされるバスチャンネルをさらに含む、請求項1乃至3のいずれか1項記載のテレビジョン。
【請求項10】
テレビジョンに接続するように構成されたサウンドレンダリングデバイスであって、前記サウンドレンダリングデバイスは、
デコーダであって、
少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含む第1のオーディオ信号を受信し、
前記チャンネルを取得するために前記第1のオーディオ信号をデコードし、
前記サウンドレンダリングデバイスに連結された左スピーカーと右スピーカーへ、前記左チャンネルと前記右チャンネルを提供する、
デコーダと、
前記中央チャンネルを、前記テレビジョンに対した出力するための第2のオーディオ信号へエンコードするように構成されたエンコーダと、
を備える、サウンドレンダリングデバイス。
【請求項11】
テレビジョンに接続するように構成されたサウンドレンダリングデバイスであって、前記サウンドレンダリングデバイスは、
デコーダであって、
少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含む第1のオーディオ信号を受信し、
前記チャンネルを取得するために前記第1のオーディオ信号をデコードし、
前記左チャンネルと前記右チャンネルを前記サウンドレンダリングデバイスに連結された左スピーカーと右スピーカーに提供する、
デコーダと、
第2の左チャンネルと第2の右チャンネルを取得するために前記中央チャンネルを処理するように構成されたデジタルサウンドプロセッサユニットと、
前記第2の左チャンネルと前記第2の右チャンネルを前記テレビジョンに出力するための第2のオーディオ信号にエンコードするように構成されたエンコーダと、
を備える、サウンドレンダリングデバイス。
【請求項12】
前記デコーダが、前記テレビジョンから前記オーディオ信号を受信するように構成される、請求項10又は11に記載のサウンドレンダリングデバイス。
【請求項13】
前記デコーダが、ビデオ信号を受信するようにさらに構成され、前記エンコーダは、前記ビデオ信号を前記テレビジョンに提供するようにさらに構成される、請求項10又は11に記載のサウンドレンダリングデバイス。
【請求項14】
前記デコーダが、前記ビデオ信号及び前記オーディオ信号を、前記テレビジョン以外のソースから受信するように構成される、請求項13に記載のサウンドレンダリングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ホームシネマ(home cinema)に関連し、具体的には、ホームシネマシステム(home cinema systems)におけるサウンドレンダリング(sound rendering)に関する。
【背景技術】
【0002】
この欄では、以下で説明され及び/又は請求される本開示の様々な態様に関連する可能性のある技術の様々な態様を読者に紹介することを意図する。この検討は、本開示の様々な態様をより良く理解することを容易にする背景情報を読者に提供することを手助けすると信じる。その結果、これらの記述は、このような観点で読まれるべきであり、従来技術の自白としてではないことを理解されたい。
【0003】
テレビジョンの視聴者に対してより良いリスニング体験を提供するための1つの解決策は、テレビジョンに外部スピーカーを追加することであり、それは、しばしば、いわゆるホームシネマ又はホームシアタデバイスよって駆動される。これらの外部スピーカーは、テレビジョンの内部の左と右のスピーカーの役割を引き受ける。3つ以上のスピーカーを有するシステムは、知られており、スピーカーとバススピーカー(bass speakers)の数によってしばしば名前が付けられ、例えば、3つのスピーカーと1つのバススピーカーに対しては3.1、5つのスピーカーと1つのバススピーカーに対しては5.1などである。マルチチャンネルシステムに対する他の名前は、アンビソニック(Ambisonic)又はサラウンドサウンド(surroundsound)である。通常、これらのシステムは、スピーチの明瞭さのための中央スピーカー(centre speaker)を含む。
【0004】
従来のホームシネマ(また、ホームシアタとも呼ばれる)システムは、ビデオを表示するためのスクリーン、オーディオをレンダリングするためのいくつかのスピーカーに送信されるサウンド信号を取得するためのアンプを含むデバイス、を含む。スクリーンは、デバイスがビデオを投影するフラットな表面であり、しかし、それは、従来のテレビのスクリーンでも良い。
【0005】
上述のホームシネマシステムは、HDMI(登録商標)(ハイディフィニションマルチメディアインタフェース(High-Definition Multimedia Interface))ケーブルを経由して接続される2つ以上のデバイスに従来は収納されており、しかしながら、ときどき、追加のオーディオケーブル、データリンク又はイーサネット(登録商標)接続が使用される。
【0006】
HDMIは、下記などのいくつかのセクションを含むスタンダード(standard:標準規格)で説明されるオーディオ/ビデオインタフェースである:
DDC:ディスプレイデータチャネル(Display Data Channel)は、I2Cバス規格書に基づく通信チャンネルである。HDMIは、エンハンスドディスプレイデータチャネル(E-DDC:Enhanced-DDC)を実装するために、準拠したデバイスを必要とし、それは、HDMIソースデバイスによって使用され、どのオーディオ/ビデオフォーマットをそれがサポートするかを知るためにHDMIシンクデバイスからエンハンスドエクステンデッドディスプレイアイデンティフィケーションデータ(E-EDID:Enhanced Extended Display Identification Data)を読むために使用される。
CEC:コンシューマエレクトロニクスコントロール(Consumer Electronics Control)は、HDMIを通して接続される最大15CEC使用可能デバイスを命令し、制御することをユーザに可能にするように設計されたHDMIの機能(feature)である。これは、リモートコントロール信号の伝送を容易にする。さらに、CECは、個々のCEC使用可能デバイスに対して、ユーザの介入なしに他のデバイスを命令し、制御することを可能にする。CECは、双方向である。
TMDS:HDMI上のトランジションミニマイズドディファレンシャルシグナリング(Transition-Minimized Differential Signaling)は、ビデオ、オーディオ及び補助データを、ビデオデータピリオド、データアイランドピリオド及びコントロールピリオドと呼ばれる3つの異なるパケットタイプを使用してインターリーブする。ビデオデータピリオドの間、アクティブなビデオラインのピクセルが伝送される。データアイランドピリオドの間(水平及び垂直ブランキングインターバルの間に発生する)、オーディオ及び補助データが、一連のパケット内で伝送される。コントロールピリオドは、ビデオ及びデータアイランドピリオドの間に発生する。TMDSは、一方向である。
ARC:オーディオリザーブチャンネル(Audio Reverse Channel)は、一方向のオーディオリンクで、TV及びA/Vレシーバ又はホームシネマ間の他のケーブルを置き換えることを意図する。このディレクション(direction)は、TVが他のイクイップメントの代わりにビデオ及びオーディオストリームのソースであるときに使用される。ARCなしで、TVからのオーディオ出力は、典型的にはTOS-Link又は同軸ケーブルなどの他のケーブルによってスピーカーシステムに経路指定される必要がある。それは、追加のケーブルを使用する。
HEC:HDMIイーサネットチャンネルは、双方向イーサネット通信を提供する。これは、ARCとHEAC(HDMIイーサネットオーディオコネクション)の組み合わせである。
【0007】
ホームシネマシステムは、含まれるスピーカーの数でしばしば特定される。例えば、
図1に説明されるように、3.1システム100は、典型的に、スクリーン140の左に1つのスピーカー110、スクリーンの右に1つのスピーカー112、スクリーン下、前又は上に位置する中央スピーカー120とバススピーカー130(その位置は、より限定的ではない)を含む。中央スピーカー120とバススピーカー130は、同じ物理ユニットに位置することができる。5.1システムは、もう2個のスピーカーを含み、7.1システムはさらに2個含む。
【0008】
従来のホームシネマシステムの問題点は、ビデオがテレビ上でレンダリングされるとき、中央スピーカーを置くことが難しい場合がある。例えば、テレビジョンの丁度前の地面にスペースがない場合があり、スピーカーは、時として、スクリーンをブロックすることがある。
【0009】
中国実用新案、CN200959634は、中央スピーカーとして協働するテレビジョンの内部の左と右のスピーカーを持つホームシネマシステムを提案する。しかしながら、この解決策は、ホームシネマシステムとこれらのスピーカーをハードワイヤすることを必要とする。さらに、この解決策は、遅延(delay:ディレイ)、不適切なミキシングやボリュームが発生するとき、起こりうる問題に対して何ら解決策を提供していないように見える。
【0010】
ホームシネマシステムにおける中央スピーカーに関連する従来の問題点の少なくとも一部を克服する解決策を持つことが望まれることが理解される。
【発明の概要】
【0011】
第1の態様において、本原理は、サウンドレンダリングデバイスに接続するために構成されたテレビジョンを対象にし、このテレビジョンは、少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含む第1のオーディオ信号をデコードし、第1のスピーカー上でレンダリングするためにデコードされた中央チャンネルを提供するように構成されたデコーダと、第2のスピーカー上でサウンドをレンダリングするためにサウンドレンダリングデバイスに出力するために第2のオーディオ信号を取得するためにデコードされた左チャンネルとデコードされた右チャンネルをエンコードするエンコーダとを備える。
【0012】
第2の態様において、本原理は、サウンドレンダリングデバイスに接続されるように構成されたテレビジョンを対象とし、このテレビジョンは、少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含むオーディオ信号をデコードし、第1のスピーカー上でレンダリングするためのデコードされた中央チャンネルを提供するデコーダと、第2のスピーカー上でサウンドをレンダリングするために、オーディオ信号をサウンドレンダリングデバイスに出力するように構成された出力インタフェースとを備える。
【0013】
第3の態様において、本原理は、サウンドレンダリングデバイスに接続するように構成されたテレビジョンを対象とし、このテレビジョンは、少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含む第1のオーディオ信号を受信するように構成されたユニットと、第2のスピーカー上でサウンドをレンダリングするためにサウンドレンダリングデバイスに第1のオーディオ信号を出力するように構成された出力インタフェースと、サウンドレンダリングデバイスから第2のオーディオ信号を受信するように構成されたデコーダであって、第2のオーディオ信号は、中央チャンネル又は中央チャンネルから取得されたさらなる左チャンネルとさらなる右チャンネルを含み、少なくとも1つの第1のスピーカー上でレンダリングするための少なくとも1つのオーディオチャンネルを提供するために、第2のオーディオ信号をデコードするデコーダとを備える。
【0014】
第3の態様の様々な実施形態は、以下を含む:
・2のオーディオ信号は、中央チャンネルを含み、テレビジョンは、第1のスピーカーの中の左スピーカーと右スピーカー上でレンダリングするために中央チャンネルを処理するように構成されたデジタルサウンドプロセッサユニットをさらに含むもの。
・第2のオーディオ信号は、さらなる左チャンネル及びさらなる右チャンネルを含むもの、及びデコーダは、デコードされたさらなる左チャンネルを第1のスピーカーの中の左スピーカーに、デコードされた右チャンネルを第1のスピーカーの中の右スピーカーに提供するもの。
第1の3つの態様の様々な実施形態は、以下を含む:
・テレビジョンが、第1のスピーカーに提供するためのオーディオチャンネルをサウンド処理するためのデジタルサウンドプロセッサをさらに含むもの。
・第1のスピーカーがテレビジョンの内部の左と右のスピーカーを含むもの。
・第1のスピーカーがテレビジョンの外部のサウンドバーの左と右のスピーカーを含むもの。
・第1のオーディオ信号又は第2のオーディオ信号が、第1のスピーカーの中のバススピーカー上でレンダリングされるバスチャンネルをさらに含むもの。
【0015】
第4の態様において、本原理は、テレビジョンに接続するように構成されたサウンドレンダリングデバイスを対象とし、このサウンドレンダリングデバイスは、少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含む第1のオーディオ信号を受信し、チャンネルを取得するために第1のオーディオ信号をデコードし、サウンドレンダリングデバイスに連結された左スピーカーと右スピーカーへ、左チャンネルと右チャンネルを提供するデコーダと、中央チャンネルをテレビジョンに対して出力するための第2のオーディオ信号へエンコードするように構成されたエンコーダとを備える。
【0016】
第5の態様において、本原理は、テレビジョンに接続するように構成されたサウンドレンダリングデバイスを対象とし、このサウンドレンダリングデバイスは、少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含む第1のオーディオ信号を受信し、チャンネルを取得するために第1のオーディオ信号をデコードし、左チャンネルと右チャンネルをサウンドレンダリングデバイスに連結された左スピーカーと右スピーカーに提供するデコーダと、第2の左チャンネルと第2の右チャンネルを取得するために中央チャンネルを処理するように構成されたデジタルサウンドプロセッサユニットと、第2の左チャンネルと第2の右チャンネルをテレビジョンに出力するための第2のオーディオ信号にエンコードするように構成されたエンコーダとを備える。
【0017】
第4の態様と第5の態様の様々な実施形態は、以下を含む:
・デコーダがテレビジョンからのオーディオ信号を受信するように構成されているもの。
・デコーダがビデオ信号を受信するようにさらに構成されており、エンコードがビデオ信号をテレビジョンに提供するようにさらに構成されているもの。このデコーダは、テレビジョン以外のソースからビデオ信号及びオーディオ信号を受信するように構成されても良い。
【0018】
本原理の好ましい構成要件は、これから添付図面を参照して、非制限的な例によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来の3.1ホームシネマシステムを説明する。
【
図2】本原理に従ったホームシネマシステムの第1の例を説明する。
【
図3】本原理に従ったホームシネマシステムの第2の例を説明する。
【
図4】本原理に従った、
図2に説明された、第1の例の第1の実施形態を説明する。
【
図5】本原理に従った、
図2に説明された、第1の例の第1の実施形態の変形例を説明する。
【
図6】本原理に従った、
図2に説明された、第1の例の第2の実施形態を説明する。
【
図7】本原理に従った、
図3に説明された、第2の例の第1の実施形態を説明する。
【
図8】本原理に従った、
図3に説明された、第2の例の第1の実施形態の変形例を説明する。
【
図9】本原理に従ったテレビジョンにおいて、中央スピーカーエミュレーションをアクティブにするホームシネマデバイスに対するDDCとCECを使用した方法を説明する。
【
図10】本原理に従ったテレビジョンにおいて、中央スピーカーエミュレーションをアクティブにするホームシネマデバイスに対するCECを使用した方法を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
説明では、3.1ホームシネマシステムにおける本原理が説明されるが、本原理は、また、5.1及び7.1などの他の構成に対してもまた適用できることを理解されたい。
【0021】
本原理に従って、テレビジョンは、ホームシネマシステムデバイスに連結される。ホームシネマデバイスに接続されたスピーカーは、右スピーカー及び左スピーカーとして機能するように構成され、一方、テレビジョンの左と右のスピーカーは、ホームシネマシステムの中央スピーカーとしてオーディオをレンダリングするように構成される。低音(bass:バス)は、ホームシネマデバイスに接続されたバススピーカーによって又はテレビジョンのバススピーカーによって又はその両方によってレンダリングすることができる。
【0022】
ホームシネマデバイスは、1つ以上のスピーカーを含むことに留意し、故に、ホームシネマシステム(又は類似の表現)に連結される複数のスピーカーについて説明が言及するとき、それらのスピーカーのうちの少なくとも1つが、ホームシネマデバイスにおいて具体化することができる点を理解されたい。
【0023】
図2は、本原理に従ったホームシネマシステム200の第1の例を説明する。テレビジョン210は、アンテナ、ブルーレイディスクプレーヤ、デコーダ又はセットトップボックスなどのオーディオビジュアルコンテンツのソース220に、又はホームシネマデバイス230に連結された内部スピーカー215を備え、ホームシネマデバイスは、例の3.1構成では2つである(場合によるバススピーカーは数えないで)、複数のスピーカー240に順に連結される。
【0024】
ソース220は、オーディオ又はオーディオビジュアルコンテンツ(すなわち、オーディオとビデオ)をテレビジョン210に提供し、テレビジョン210は、その内部スピーカー215上でサウンドをレンダリングし、ARCオーディオ信号250をホームシネマデバイス230に提供し、ホームシネマデバイス230は、次に、複数のオーディオ信号260を複数のスピーカー240に提供し、通常は、スピーカー毎に1つのオーディオ信号である。テレビジョン210とホームシネマデバイス230は、また、例えば、コンシューマエレクトロニクスコントロール(CEC)、DDC情報などの制御情報270を交換する。CEC及びARCは、HDMIバージョン1.4以降で定義されている。第1の例の様々な実施形態が以下で説明される。
【0025】
図3は、本原理の従ったホームシネマシステム300の第2の例を説明する。内部スピーカー315を備えるテレビジョン310は、ホームシネマデバイス330に接続され、ホームシネマシステム330は、次に、複数のスピーカー340に接続され、それらは、例の3.1構成(可能性のあるバススピーカーは数えないで)における2つである。第2の例において、ホームシネマデバイス330は、ブルーレイディスクプレや、セットトップボックス又はインターネット接続などのオーディオ又はオーディオビジュアルコンテンツのソース320に接続される。
【0026】
ソース320は、オーディオビジュアルコンテンツ(すなわち、オーディオ及びビデオ)をホームシネマデバイス330に提供し、ホームシネマデバイス330は、複数のスピーカー340に複数のオーディオ信号360を提供し、通常は、スピーカー毎に1つのオーディオ信号であり、オーディオビジュアル信号350は、テレビジョン310の内部スピーカー315上でのレンダリングするために、テレビジョン310に提供される。テレビジョン310とホームシネマデバイス330は、例えば、コンシューマエレクトロニクスコントロール(CEC)とDDC情報などの制御情報370も交換する。
【0027】
本原理に従った
図2に説明される例の信号フローの第1の実施形態を、
図4は説明する。テレビジョン210は、ソース(図示せず)からエンコードされたオーディオビジュアルコンテンツ(Video & Audio in)を受信し、少なくとも1つのデコーダ(Decoder)410でエンコードされたオーディオビジュアルコンテンツをデコードし、典型的には、オーディオとビデオは、別個のデコーダでデコードされる。デコードされたビデオは、従来のやり方でテレビジョン210のディスプレイ(display)(図示せず)に出力される。しかしながら、デコーダは、また、受信した3.1オーディオをデコードし、デコードされた中央オーディオチャンネルをオーディオデジタル信号プロセッサ(DSP)420に送信し、DSP420は、中央オーディオチャンネルを内部の左のチャンネルと内部の右のチャンネルに処理し、それらはそれぞれ、内部の左と右のスピーカー215に送信され、このように、内部の左と右のスピーカー215は、中央スピーカーをエミュレートする。加えて、デコーダは、オーディオDSP420を経由して、デコードされたバスチャンネルを内部バススピーカー215へ送信するように構成することができる。デコーダは、デコードされた左と右のチャンネル(及び場合によりデコードされたバスチャンネル)をエンコーダ(Encoder)430に送るようにさらに構成され、順にエンコーダ430は、これらのチャンネルを、HDMI-ARC信号などのオーディオ信号250にエンコードし、オーディオ信号250を出力するように構成される。
【0028】
出力オーディオ信号250は、従来のやり方で受信したオーディオ信号250を処理するように構成されたホームシネマデバイス230を対象とし、つまり、オーディオDSP450に提供されるデコードされたオーディオ信号を取得するためにオーディオ信号250をデコードするためのデコーダ(Decoder)440を含み、その出力は、ホームシネマデバイス230に接続された複数のスピーカー240に向けられた複数のオーディオ信号260である。この例では、複数のスピーカー240は、左スピーカー、右スピーカー及び場合によっては、バススピーカーを含む。中央チャンネルが、信号を持たないときは、対応する出力は、故に、自動的にミュートされ得る。
【0029】
この点で、他の実施形態と同様に、オーディオDSP420、450は、入力オーディオ信号をミックスし(mix)、スプリットする(split)ように構成される。これらのDSPは、例えば、全てのチャンネルに対して独立してオーディオをイコライズ(equalize)し、又はユーザの設定に従って異なるオーディオチャンネルから選択的にコンポーネントをミキシングすることができる。DPSは、例えば、リップシンク(lip-sync)を遂行するために、オーディオチャンネルに適応される遅延をさらに増加又は減少させることができる。遅延はゼロ(無遅延を意味する)又は手動で又はプロセッサによって、場合によってはHDMIコマンド経由で設定できる固定の遅延に設定することができる。
【0030】
図に示すように、バススピーカーに対するサウンドは、故に、実装に依存して、テレビジョン210のバススピーカー215によって又はホームシネマデバイス230に接続されたバススピーカーによってレンダリングされ、両方のバススピーカー上でバススピーカーに対するサウンドをレンダリングできることも留意されたい。
【0031】
アクティブな左と右のチャンネルのみのオーディオ信号のエンコーダで再エンコードに起因して(バスと中央チャンネルは、ゼロに設定される)、ホームシネマデバイス230は、外部スピーカーによって右と左のオーディオチャンネルのレンダリングを扱うための任意のCEC情報を受信する必要がない。同時に、テレビジョンは、中央チャンネル(及び場合によりバスチャンネル)をその内部スピーカー上で自動的にレンダリングする。
【0032】
図5に説明される代替案では、デコーダ510は、出力インタフェース530を経由して受信したエンコードされた3.1オーディオ信号を、ホームシネマデバイス230のデコーダ540に送信し、故に、エンコーダ430に関する必要性を取り除く。テレビジョン210において、オーディオDSP520は、
図4のオーディオDSP420として機能し、一方、ホームシネマデバイスのオーディオDSP550は、
図4のオーディオDSP450として機能する。変形例は、HDMI ARC接続250に加えてCEC接続270をさらに備える。
【0033】
図4及び5の実施形態において、デコーダ210が中央チャンネル(及び場合によってバスチャンネル)自身をレンダリングすることをホームシネマデバイス230に通知することが好ましく、この情報は、例えば、コンシューマエレクトロニックコントロール(CEC)又はディスプレイデータチャネル(DDC)を使用して送信することができ、この両方は、HDMIスタンダードバージョン1.4及びそれ以降で実装することができる。受信される情報のおかげで、ホームシネマデバイス230は、テレビジョン210によってレンダリングされるチャンネルをミュートすることができる。
【0034】
本原理に従って
図2に説明された例における信号フローの第2の実施形態を、
図6は説明する。
図4のように、テレビジョン210は、ソース(図示せず)からエンコードされたオーディオビジュアルコンテンツを受信し、少なくとも1つのデコーダ610で少なくともエンコードされたビデオコンテンツをデコードし、テレビジョン210のディスプレイ(図示せず)にデコードされたビデオを出力する。
【0035】
しかしながら、デコーダ610は、出力インタフェース615を通して、エンコードされた3.1オーディオコンテンツ、例えば、HDMI-ARC信号を、ホームシネマデバイス230へ出力するように構成される。デコーダ610は、また、例えば、CEC又はDDCを使用して、テレビジョン210が中央チャンネル(及び、そのような場合は、バスチャンネル)をレンダリングすることを、ホームシネマデバイス230に通知する。
【0036】
ホームシネマデバイス230は、
図4を参照して説明された複数のオーディオチャンネルを生成するように構成されたデコーダ620を含む。デコーダ620は、テレビジョンによってレンダリングされるチャンネルに関する受信した情報を使用して、中央チャンネル(及び場合によってはバスチャンネル)を、場合によっては、オーディオDSP640を通して、エンコーダ630に提供するように構成される。オーディオDSP640の使用は、ソースによって提供されるのとは異なるやり方でオーディオチャンネルを改変する(例えば、フェーデイング(fading))柔軟性を可能にすることができる。
【0037】
中央(及び場合によってバス)チャンネルをオーディオ信号、例えば、HDMIオーディオ信号にエンコードし、テレビジョン210に向けてオーディオ信号を出力するように、エンコーダ630は構成される。
【0038】
テレビジョン210は、ホームシネマデバイス230から受信したオーディオ信号をデコードするように構成された第2のデコーダ650を含み:オーディオ信号は、中央チャンネル及び、場合によってはバスチャンネルを取得するために処理される。第2のデコーダ650は、デコードされたオーディオチャンネルをオーディオDSP660に出力し、オーディオDSP660は、処理されたチャンネルをそれぞれのスピーカー215に、すなわち、中央チャンネルを内部の左スピーカーと内部の右スピーカーに、及び場合によっては、バスチャンネルを内部バススピーカーに、提供するように構成される。
図4を参照して既に言及したように、バスチャンネルは、テレビジョンのバススピーカー215上でレンダリングすることができ、バススピーカーは、ホームシネマデバイス又は両方に接続される。
【0039】
代替案において、オーディオDSP640は、中央(及び場合によってバス)チャンネルを再構成された左と右のチャンネル(及び場合によってバスチャンネル)にエンコードするように構成される。これらのチャンネルをテレビジョン210に向けて出力される2.0又は2.1オーディオ信号にエンコードするように、エンコーダは構成される。受信したオーディオ信号を、内部の左スピーカーに提供される再構成された左チャンネル、内部の右スピーカーに提供される再構成された右チャンネル、及び、場合によって、内部バススピーカーに提供されるバスチャンネルにデコードするように、第2のデコーダ650は構成される。オーディオDSP640を使って、テレビジョン210の内部の左と右のスピーカー215を個別に駆動することが可能であり、それは、テレビジョン210が、中央チャンネルの出力を内部の左と右のスピーカーに切り替えることを必要としないことを意味する。
【0040】
本原理に従った
図3で説明した例における信号フローの第1の実施形態を、
図7は説明する。ホームシネマデバイス330は、ソース(図示せず)からエンコードされたオーディオビジュアル信号を受信するように構成される。ホームシネマデバイス330におけるデコーダ710は、オーディオ信号の少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び場合によってバスチャンネルをデコードし、デコードされたチャンネルを複数のスピーカー340の中のそれぞれのスピーカーに提供するように構成される。デコーダ710は、また中央(及び場合にってはバス)チャンネルをデコードするか、それを(又はそれらを)オーディオDSP720に提供し、オーディオDSP720は、チャンネルを処理し、処理されたチャンネルをエンコーダ730に提供し、複数のスピーカー340の中のバススピーカーによってバスチャンネルがレンダリングされる場合は、このバススピーカーに提供する。エンコーダ730は、リミックスされたチャンネル-すなわち、中央チャンネルと場合によってはバスチャンネル-をエンコードし、これらのチャンネルを2.0又は2.1信号として、信号350、370中の受信されたエンコードされたビデオ信号を一緒に、場合によってはHDMI信号としてテレビジョン210に出力する。
【0041】
テレビジョン310は、受信した信号をデコードするように構成されたデコーダ740を備える。ビデオ信号は、上述の通り、デコードされ、レンダリングされる。デコーダ740は、オーディオ信号を中央チャンネル及び場合によって、バスチャンネルにデコードするように構成される。バスチャンネルは、内部バススピーカー315に提供することができる。受信した信号370中の情報を使用して、デコーダ740は、さらに、左チャンネル及び右チャンネルを提供するために通常使用される出力をミュートするように構成され、代わりに、中央チャンネルをオーディオDSP750に出力し、オーディオDPS750は、処理された中央チャンネルを内部の左スピーカーと内部の右スピーカー315の両方に出力するように構成されている。オーディオDSP750は、またバスチャンネルを処理し、処理されたオーディオをバススピーカー315へも出力する。
【0042】
図8に説明される代替案では、オーディオDSP820は、デコーダ810から中央チャンネル及びバスチャンネルを受信し、中央チャンネル(及び場合によってはバスチャンネル)を処理し、
図7を参照して説明された中央チャンネルの代わりに、再構成された左チャンネルL’及び再構成された右チャンネルR’(及び場合によってはバスチャンネルB)をエンコーダ830に提供する。この場合、テレビジョン310のデコーダ840は、従来のやり方で動作するために受信した信号370中の情報を使用するように構成され、すなわち、(再構成された)左チャンネル及び(再構成された)右チャンネルをオーディオDSP850に出力し、オーディオDSP850は、これらのチャンネルを処理し、処理したチャンネルを内部の左スピーカー及び内部の右スピーカー315に提供する。
【0043】
オーディオDSP820は、デコーダ810に含み得ることに留意されたい。
【0044】
本原理は、また、同じやり方で処理され、出力されたサウンドをユーザに提供するオーディオのみのソースに対しても有効であることに留意されたい。
【0045】
本原理は、また、HEC(HDMIイーサネットチャンネル)を使用しているときにも有効である点に留意されたい。
【0046】
デコーダは、少なくともオーディオ信号を受信するように構成されたハードウェアインタフェースを含むことができ、エンコーダは、エンコードされたオーディオ信号を出力するように構成されたハードウェアインタフェースを含むことができる点に留意されたい。
【0047】
テレビジョンとホームシネマデバイスは、コンシューマエレクトロニックコントロール(CEC)又はディスプレイデータチャネル(DDC)を使用してサウンドレンダリング能力について情報を交換することができる点は既に言及した。これは、これから更に説明される。
【0048】
テレビジョンは、アクセスできるように自身のファームウェアにDDCテーブルを記憶し、2つのデバイスが接続されたときに(例えば、電源オン又はホットプラギングとも呼ばれるホットプラグの後)、ホームシネマデバイスに提供することができる。DDCテーブルのフィールド及び情報は、HDMIスタンダードに定義され、しかしながら、スタンダードは、プロプライエタリ情報を許し、且つ将来の開発も可能である。
【0049】
本原理の目的のために、DDCテーブルは、以下の情報を記憶することができる:
【表1】
【0050】
加えて、本原理は、HDMIスタンダード、バージョン1.4、CECに対する附属書よって許される、2つの新たなCECコマンドを使用し、しかしながら、それは、将来のHDMIスタンダードにおいて容易に実装され得る:
・<Speaker Mode Request(スピーカーモードリクエスト>[“Centre(中央)”]は、ホームシネマデバイスにテレビジョンにおいて中央スピーカーエミュレーションをアクティブにすることを許す。
・<Set TV Speaker as Centre(TVスピーカーを中央として設定)>[“On(オン)”]は、テレビジョンに中央スピーカーがアクティブであることに応答することを許す。
【0051】
本原理に従った、テレビジョンにおいて中央スピーカーエミュレーションをアクティブにするホームシネマデバイスに対してDDC及びCECを使用する方法を、
図9は説明する。
【0052】
ステップ905において、ホームシネマデバイスは、テレビジョンからDDC情報を受信する。
【0053】
ステップ910において、ユーザは、テレビジョンにおいて中央スピーカーエミュレーションを起動し、それは、ステップ915において、<System Audio Mode Request(システムオーディオモードリクエスト)>[Physical Address(物理アドレス)]メッセージをホームシネマデバイスに送信する。ユーザが以前に中央スピーカーエミュレーションをアクティブにしている場合、ステップ910は、実行されず、ステップ915は、自動的に実行される。それに応じて、ホームシネマデバイスは、ステップ920において、その入力を物理アドレスに切り替えい、ステップ930においてそのスピーカーをミュート解除する。ステップ910~930は、HDMI 1.4スタンダード、CEC
図26の279ページで説明されている。
【0054】
ステップ935において、ホームシネマデバイスは、<Speaker Mode Request(スピーカーモードリクエスト))> [“Center(中央)”]をテレビジョンに送り、テレビジョンにおける中央スピーカーエミュレーションをアクティブにする。テレビジョンは、ステップ950において、そのスピーカーをミュート解除し、ステップ955において、<Set TV Speaker as Center(中央としてTVスピーカーを設定する)> [“On(オン)”]を返し、中央スピーカーエミュレーションがアクティブにされたことをホームシネマデバイスに示す。
【0055】
ユーザは、次に、例えば、ステップ960においてボリュームを上げることによって例えば、出力信号を制御し、それによってステップ965においてテレビジョンは<User Control Pressed(ユーザコントロールが押された)> [Volume Up(ボリュームアップ)]、メッセージをホームシネマシステムなどへ送信することができ、それはHDMIスタンダード、CEC
図31の282ページに説明されている。
【0056】
本原理に従ってテレビジョンにおいて中央スピーカーエミュレーションをアクティブにするためにホームシネマデバイスに対してCECを使用する方法を、
図10は説明する。DDCが十分な情報を含まないとき、テレビジョンにおいて中央スピーカーエミュレーションのアクティベーションは、これによって可能となる。
【0057】
方法は、
図9を参照して既に説明したステップ910~940で開始される。
【0058】
次に、ホームシネマシステムは、ステップ1042において、<Speaker Request(スピーカーリクエスト)>ブロードキャストメッセージをテレビジョンに送信し、テレビジョンに少なくともそのエミュレーション能力を問い合わせる。テレビジョンが、中央スピーカーをエミュレーションできる能力がある場合、ステップ1044において、<Speaker Response(スピーカーレスポンス)> [“Centre(中央)”]を返し、この能力をホームシネマシステムに通知する。ホームシネマシステムは、次に、ステップ1045で、<Speaker Mode Request(スピーカーモードリクエスト)> [“Centre(中央)”]をテレビジョンに送信し、テレビジョンにおける中央スピーカーエミュレーションをアクティブにする。ステップ1050において、テレビジョンは、そのスピーカーをミュート解除し、ステップ1055において、<Set TV Speaker as Centre> [“On”]を返し、中央スピーカーエミュレーションがアクティブにされていることをホームシネマデバイスに示す。ステップ1045~1055は、
図9におけるステップ945~955と類似している。
【0059】
図9に示すように、ユーザは次に、例えば、ステップ1060においてボリュームを上げることによって、例えば出力を制御し、ステップ1065において、テレビジョンに、<User Control Pressed> [Volume Up]メッセージをホームシネマシステムなどに送信させ、それはHDMI 1.4スタンダード、CEC
図31のページ282に説明されている。
【0060】
中央スピーカーは、例えばサウンドバーのようなテレビジョン以外のデバイスによってエミュレートすることもできることが理解される。この場合、デバイスは、レンダリングのために中央チャンネルを送信し-いくつかの実施形態においてテレビジョンは、他においてホームシネマデバイスは、-この他のデバイスに中央チャンネルを提供するように構成される。代替案としては、たとえテレビジョンがホームシネマデバイスから中央チャンネルを受信したときだとしても、テレビジョンは、他のデバイスに中央チャンネルを出力することができる。
【0061】
説明のいたるところで、有線のHDMIは、非制限的な例として使用されているが、これは、他の適切な技術も使用できるということが理解される。例えば、本原理は、HDMIのワイヤレスバージョンに対して特に適切であるが、しかしながら、オプティカルHDMIバージョンとも協働するだろう。
【0062】
説明されたデバイスは、簡潔さの理由で非常に単純化されており、加えて実際のデバイスは、内部接続やパワーサプライなどの構成要素を含むことがあることを当業者は理解する。
【0063】
図示したように、本原理は、ホームシネマシステムにおいてテレビジョンによって中央スピーカーエミュレーションを可能にする。
【0064】
図示された要素は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせの様々な形式で実装することができることを理解されるべきである。好ましくは、これらの要素は、ハードウェアと1つ以上の適切にプログラムされた汎用デバイス上のソフトウェアの組み合わせにおいて実装され、それは、プロセッサ、メモリ、及び/又は入力/出力インタフェースを含み得る。ここで、用語「連結された(coupled)」は、直接接続された、又は1つ以上の中間コンポーネントを通して間接的に接続されたことを意味すると定義される。そのようの中間コンポーネントは、ハードウェア及びソフトウェアベースのコンポーネントの両方を含むことができる。
【0065】
本説明は、本開示の原理を説明する。当業者であれば、本明細書に明示的に説明されたり又は示されたりしていなくとも、この範囲内に含まれる本開示の原理を具体化する様々な構成を発明することができることが故に理解される。
【0066】
本明細書で列挙された全ての例及び条件的な言葉は、本開示の原理及び技術を促進するための発明者によって寄与される概念を理解するのに読者にとって役に立つ教育的な目的に向けられており、そのような特に列挙された例及び条件は制限無く解釈されるべきである。
【0067】
その上、本明細書中の本開示の原理、態様、実施形態を列挙する全ての記述及びそれらの特定の例は、それらの構造的な及び機能的な均等物の両方を包含することを意図する。加えて、そのような均等物は、現在知られている均等物及び将来開発される均等物、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を実行するために開発された任意の要素の両方を含むことを意図する。
【0068】
故に、例えば、当業者であれば、本明細書に表現されたブロック図は、本開示の原理を具体化する実例となる回路の概念的なビューを表現することが理解される。同様に、任意のフローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コードなどは、様々な処理を表現し、それらは、実質的にコンピュータ読取可能媒体中に表現され、コンピュータ又はプロセッサが明示的に示されていてもいなくても、そのようにコンピュータ又はプロセッサによって実行されると、理解される。
【0069】
図に示された様々な要素の機能は、専用のハードウェア及び適切なソフトウェアと協働してソフトウェアを実行する能力のあるハードウェアの使用を通して提供することができる。プロセッサによって提供されるとき、機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共用プロセッサ、又はそれらのいくつかが共用され得る複数の個別のプロセッサによって提供することができる。その上、用語、「プロセッサ(processor)」又は「コントローラ(controller)」の明確な使用は、ソフトウェアを実行する能力のあるハードウェアを排他的に指すと解釈すべきではなく、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ソフトウェアを記憶するためのリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び不揮発性ストレージを、黙示的に制限無く含み得る。
【0070】
従来の及び/又はカスタムの他のハードウェアも含むことができる。同様に、図に示された任意のスイッチは、概念のみである。これらの機能は、プログラムロジックの動作を通して、専用のロジックを通して、プログラム制御と専用ロジックの相互作用を通して、計算、有効化/無効化又は手作業を通しても実行することができ、本文脈からより具体的に理解されるように、実装者によって特定の技法は選択可能である。
【0071】
本願の請求項において、特定された機能を実行するための手段として表された任意の要素は、その機能を実行する任意の方法を包含することを意図し、それは、例えば、a)その機能を実行する回路要素の組み合わせ、又はb)その機能を実行するためのソフトウェアを実行するための適切な回路と組み合わせられる、ファームウェア、マイクロコードなどを従って含む任意の形式のソフトウェアを含む。そのような請求項によって定義される本開示は、様々な列挙された手段によって提供される機能性が請求項が要求するやり方で組み合わせられ及び寄せ集められるという事実に存する。故に、これらの機能性を提供することができる任意の手段は、本明細書に示されたものと均等であると見なされる。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウンドレンダリングデバイスに接続するために構成されたテレビジョンであって、前記テレビジョンは、
デコーダであって、
少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含む第1のオーディオ信号をデコードし、
第1のスピーカー上でレンダリングするためにデコードされた中央チャンネルを提供する、
ように構成された、デコーダと、
第2のスピーカー上でサウンドをレンダリングするために前記サウンドレンダリングデバイスに出力するために第2のオーディオ信号を取得するためにデコードされた左チャンネルとデコードされた右チャンネルをエンコードするエンコーダと、
を備える、テレビジョン。
【請求項2】
サウンドレンダリングデバイスに接続されるように構成されたテレビジョンであって、前記テレビジョンは、
デコーダであって、
少なくとも左チャンネル、右チャンネル及び中央チャンネルを含むオーディオ信号をデコードし、
第1のスピーカー上でレンダリングするためのデコードされた中央チャンネルを提供する、
デコーダと、
第2のスピーカー上でサウンドをレンダリングするために、前記オーディオ信号を前記サウンドレンダリングデバイスに出力するように構成された出力インタフェースと、
を備える、テレビジョン。
【請求項3】
前記第1のスピーカーに提供されるオーディオチャンネルのサウンド処理に対するデジタルサウンドプロセッサユニットを更に備える、請求項1又は2に記載のテレビジョン。
【請求項4】
前記第1のスピーカーが、前記テレビジョンの内部の左と右のスピーカーを備える、請求項1又は2に記載のテレビジョン。
【請求項5】
前記第1のスピーカーが、前記テレビジョンの外部のサウンドバーの左と右のスピーカーを備える、請求項1又は2に記載のテレビジョン。
【請求項6】
第1のオーディオ信号又は前記第2のオーディオ信号が、さらに、前記第1のスピーカーの中のバススピーカー上でレンダリングされるバスチャンネルをさらに含む、請求項1に記載のテレビジョン。
【外国語明細書】