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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036787
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】太陽光発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02S 30/10 20140101AFI20230307BHJP
   H02S 10/20 20140101ALI20230307BHJP
   H02S 40/22 20140101ALI20230307BHJP
【FI】
H02S30/10
H02S10/20
H02S40/22
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022204320
(22)【出願日】2022-12-21
(62)【分割の表示】P 2021534831の分割
【原出願日】2019-08-20
(31)【優先権主張番号】1813878.4
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】521077462
【氏名又は名称】ソリバス・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Solivus Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ジョー・パーカー-スウィフト
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ・ベイカー
(72)【発明者】
【氏名】ベン・クランドウェル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】一定の設置面積内で生成されることが可能な電気エネルギの量を増加させるために、太陽光エネルギをより効率的に収集可能な太陽光発電装置のデザインを提供する。
【解決手段】太陽光発電装置は、空洞を部分的に取り囲むように配置された外壁(1,2)を備える。前記空洞には、ハブ(3)が設けられている。前記外壁の外面(4)には、太陽電池(5)が設けられている。前記ハブ(3)及び前記外壁の内面(6)の少なくとも一方には、太陽電池(5)が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞を部分的に取り囲むように配置された外壁であって、該外壁の内面と外面とに太陽電池が設けられた外壁と、
前記空洞内のハブであって、該ハブの上面に太陽電池が設けられたハブとを備え、
前記ハブの上面に設けられた前記太陽電池は、前記空洞内にある、太陽光発電装置。
【請求項2】
前記ハブ及び前記外壁の内面の少なくとも一方には、反射材が設けられている、請求項1に記載の太陽光発電装置。
【請求項3】
前記外壁は、可撓性を有する太陽光発電構造物が取り付けられた湾曲したフレームで形成されている、請求項1または請求項2に記載の太陽光発電装置。
【請求項4】
前記ハブに電力貯蔵装置が更に備えられている、請求項1~3のいずれか1つに記載の太陽光発電装置。
【請求項5】
前記外壁は、1つ又は複数のスポークを介して前記ハブに接続されている、請求項1~4のいずれか1つに記載の太陽光発電装置。
【請求項6】
前記外壁は、前記ハブの中心に対して250度よりも大きい角度を覆う、請求項1~5のいずれか1つに記載の太陽光発電装置。
【請求項7】
前記外壁は、前記ハブの中心に対して280度よりも大きい角度を覆う、請求項6に記載の太陽光発電装置。
【請求項8】
前記外壁は、前記ハブの中心に対して320度未満の角度を覆う、請求項1~7のいずれか1つに記載の太陽光発電装置。
【請求項9】
前記外壁は、第1のパネルと第2のパネルとにより構成され、
前記第1のパネルと前記第2のパネルとは、それぞれ凹形状の内面と凸形状の外面とを有し、
前記第1のパネルと前記第2のパネルとは、前記凹形状の内面が互いに対向するように水平方向に間隔をあけて配置されることで中央部の前記空洞の境界を定める、請求項1~8のいずれか1つに記載の太陽光発電装置。
【請求項10】
前記ハブの最大の幅は、前記空洞の最大の幅の半分未満である、請求項1~9のいずれか1つに記載の太陽光発電装置。
【請求項11】
前記ハブの最大の幅は、前記空洞の最大の幅の3分の1未満である、請求項10に記載の太陽光発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
より一般にソーラーパネルと呼ばれる太陽光発電装置は、一般的に、平板状の形状を有し、太陽光エネルギを電気に変換する能力を、1日を通じて最大化する方向に向けられる。そのような一般的なソーラーパネルは、通常、1日のうち数時間の間における太陽光エネルギの収集に最適な角度に固定される。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、一定の設置面積内で生成されることが可能な電気エネルギの量を増加させるために、太陽光エネルギをより効率的に収集可能な太陽光発電装置のデザインを提供することを目的とする。
【0004】
本発明の第1の態様によれば、請求項1に記載の太陽光発電装置が提供される。
【0005】
そのようなデザインでは、空洞の境界を定める外壁を使用する。外壁の外面には、太陽電池が設けられる。当該外壁は、いくつかの太陽電池が年間を通じて1日中エネルギ変換に最適な位置に常に存在するように配置される。更に、従来のパネルとは異なり、本発明に係る太陽光発電装置は、従来と同じ設置面積で、更なる発電のために更なる太陽電池が設けられているハブを備えている中央部の空洞を有する。
【0006】
平面状の形状からこのような複雑な形状に移行することで、初期のテストでは、一定の設置面積内で生成されるエネルギ量を約300%から500%増加させることが可能であることが示されている。
【0007】
使用中に光にさらされるハブの面及び壁の内面には、太陽電池が設けられ得る。特に、好ましくは、ハブは、太陽電池を備えている上面を有する。
【0008】
しかしながら、ハブ及び外壁の内面の少なくとも一方には、代替的又は追加的に反射材が設けられてもよい。これらの反射材は、入射光の一部を向かい合う太陽電池に向けて反射するように配置されることが好ましい。最も効果的な発電は、最小範囲の反射材と最大範囲の太陽電池とによって達成される。しかしながら、また、最も効果的な発電は、最もコストがかかる選択肢である。太陽電池のいくつかを反射材に置き換えることで、反射材に入射する光から電力が生成され得ることをより確実にしながらコストを削減できる。このことは、単一の一般的なデザインで、基本的に同じ部品で大量の製品を製造可能であるという利点を提供する。しかしながら、低コストで比較的低電力における解決策では、太陽光パネルの代わりに多数の反射材を使用することが可能である。一方で、高コストで比較的高電力における解決策が要求される場合は、太陽電池をより大きな割合で使用することが可能である。
【0009】
また、太陽光発電装置は、容易に拡縮可能であるため、多数の用途に対応できる。拡縮可能な範囲の下端側において、例えば、電力が必要であるが送電網に接続されていない駐車場の発券機又は電柱のような遠隔装置の上には、小さな発電装置が取り付けられる。拡縮可能な範囲の中央部において、発電装置は、最大で幅が1メートルから2メートルの間、かつ、高さが1.5メートルから2.5メートルの間であり得る。そのような太陽光発電装置は、家庭環境において電気自動車に充電するために有用に使用することができる。そのデザインは、冴えない実用的な外観を有する従来の太陽光パネルとは対照的に、審美的にモダンな心地よい外観を有する。拡縮可能な範囲の上端側において、多数の大型発電装置が、太陽光発電所で使用され得る。
【0010】
外壁は、従来の太陽光パネルの材料で作ることができる。この場合、大量の平面状のパネルを互いに隣接させることができる。しかしながら、好ましくは、外壁は、可撓性を有する太陽光発電構造物(solar fabric)が取り付けられた湾曲したフレームで形成されている。このような外壁は、一般的に、湾曲した構成で、かつ、従来の太陽光パネルの材料よりもはるかに軽量に作成することができる。
【0011】
太陽光発電装置は、上記の発券機又は車両などの外部機器に直接的に電力を供給するように構成されてもよい。しかしながら、好ましくは、太陽光発電装置には、電力貯蔵装置も組み込まれる。電力貯蔵装置は、バッテリ又はフライホイールなどの形式でハブ内に簡便に配置されることが可能である。これにより、太陽光発電装置と電力貯蔵装置との間にいかなる外部接続を必要とせず、発電して電力を貯蔵するための簡潔なデザインが提供される。
【0012】
外壁及びハブは、互いに別々に供給され、上述のように定義された空間的な関係とともに地面に取り付けられてもよい。しかしながら、好ましくは、外壁は、1つ又は複数のスポークを介してハブに接続されることで、設置前に部品間の空間的な関係が設定される単一の装置として提供される。
【0013】
外壁は、部分的に空洞を取り囲んでいるため、光は、上部から又は外壁に囲まれていない部分から空洞に入ることができる。実際に、このことは、側壁に少なくとも1つの隙間があることを意味する。この隙間は、外壁の深さ方向の途中まで拡張されることがある。しかしながら、好ましくは、この隙間は、側壁の深さ方向に完全に拡張される。
【0014】
外壁は、ハブに対して好ましくは250度よりも大きい角度を覆い、より好ましくは280度よりも大きい角度を覆う。これにより、外壁がハブの大部分を囲み、外壁の凸形状の外面の表面積が最大になる。それに対し、外壁は、ハブに対して320度未満の角度を覆うことが好ましい。これは更に、光が外壁の凹形状の内面及びハブに衝突することを可能にするための適切なサイズの隙間を提供する。
【0015】
好ましくは、外壁は、空洞を部分的に取り囲むように配置された第1のパネルと第2のパネルとにより形成される。第1のパネルと第2のパネルとは、それぞれ凹形状の内面と凸形状の外面とを有する。第1のパネルと第2のパネルとは、凹形状の内面が互いに対向するように水平方向に間隔をあけて配置されることで中央部の空洞の境界を定める。外壁には、3つ以上のパネルがあってもよいが、パネル同士が隣接する端部の間に一対の隙間を定義するために、2つのパネルが互いに正反対にあることが好ましい。
【0016】
太陽光発電装置は、太陽光発電装置自体の形状が任意の方向において太陽光エネルギを収集する能力を提供するため、静的に取り付けられることが好ましい。代替的に、太陽光発電装置は、垂直軸を中心に回転可能に取り付けられてもよい。これにより、太陽光発電装置を特定の場所において最適な位置に配置し、又は太陽光発電装置を1日中回転させてエネルギの収集を最適化することができる。
【0017】
外壁に設けられた太陽電池は、単一の位置に固定することができる。しかしながら、好ましくは、外壁の少なくとも一部は、第1の位置から外壁の外面が鉛直面により近い第2の位置に移動可能である。これにより、太陽電池のパネルの少なくともいくつかを、1日のうちの特定の時間に、より大量の入射光を受け取ることが可能な位置に移動させることができる。例えば、第2の位置は、太陽が真上にある日中の時間帯において使用されてもよい。付加的に又は代替的に、太陽が太陽光発電装置の片側の空の低い位置にある場合、その反対側の外壁の部分を第2の位置に移動させることが可能であるため、これらの太陽光パネルに再びより大量の光が入射される。
【0018】
外壁は、1枚全体として、様々な位置で外壁を支持するためのいくつかのフレームの形状を必要とする、第1の位置と第2の位置との間で移動可能であり得る。しかしながら、好ましくは、外壁は、内側部と外側部とを有し、外側部は移動可能であり、内側部は静止している。
【0019】
外壁の可動部を動作させる機構は、第1の位置と第2の位置との間で外壁を動作させる任意の適切な機構であり得る。しかしながら、好ましくは、外壁の可動部は、外壁の最も上の縁部に隣接する実質的な水平軸の周りで回転可能である。外壁の可動部は、単一のパネルのみを備えていてもよい。しかしながら、好ましくは、外壁の可動部は、複数の可動パネルを備えている。複数のパネルの動作は、単一のパネルとは対照的に、各パネルが略水平である平面に移動することができるように、個々のパネルが比較的限定された弧状の範囲まで延びることを意味する。
【0020】
外壁の可動部は、手動で移動されるように構成されていてもよい。代替的に、太陽光発電装置には、空の太陽の位置に従って可動部の位置を最適化するために太陽を追跡する技術が設けられていてもよい。
【0021】
しかしながら、好ましくは、太陽光発電装置は、外壁の可動部の動作を制御するタイマを有する。これは、太陽を追跡する技術よりもかなり安価でありながら、外壁の可動部の位置についてかなりの程度の最適化を可能にする。
【0022】
外壁の少なくとも一部が可動することは、本発明に係る第2の態様を形成する。第2の態様によれば、請求項18に記載の太陽光発電装置が提供される。
【0023】
第2の態様の発電装置は、本発明の第1の態様に関して上述された好ましい特徴のいくつかを有することができる。
【0024】
太陽光発電装置の発電能力を更に向上させるため、太陽光発電装置は、1つ又は複数の風車を更に備えることができる。任意の適切な形状であり得る風車は、好ましくは、多方向風車であり、例えば、鉛直軸を有する「泡立て器型」風車、又は、全体として球形の装置である「オーウィンドタービン(O-Wind turbine)」などである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
次に、本発明に係る太陽光発電装置の例を、添付の図面を参照しながら説明する。
図1】本発明の第1実施形態に係る太陽光発電装置の斜視図である。
図2】本発明の第1変形例に係る太陽光発電装置の平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る太陽光発電装置の概略平面図である。
図4】本発明の第2変形例に係る太陽光発電装置の概略平面図である。
図5】本発明の第3変形例に係る太陽光発電装置の概略平面図である。
図6】本発明の第4変形例に係る太陽光発電装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
太陽光発電装置は、3つの主要なコンポーネント、すなわち、第1の太陽光パネル1と、第2の太陽光パネル2と、中央部のハブ3とで構成される。当該太陽光発電装置は、地面に自立する、或いは、ポール又は他の機器に取り付けられることができる。
【0027】
第1の太陽光パネル1及び第2の太陽光パネル2は、同じ構造を有するため、これらのうちの1つのみを以下で説明する。
【0028】
各パネルにおいてそれぞれ凸形状である外面4の大部分は、太陽電池5で覆われている。
【0029】
各パネルにおける凹形状の内面6は、同様に、太陽電池5で覆われ得る。代替的に又は追加的に、凹形状の内面6は、1つ以上の反射材7で覆われてもよい。
【0030】
2つの湾曲した第1の太陽光パネル1及び第2の太陽光パネル2は、垂直軸を有する実質的に円筒形の構造を形成するように、概ね同心円状に配置されている。しかしながら、第1の太陽光パネル1及び第2の太陽光パネル2が隣接する端部の間には、一対の隙間8が形成されている。好ましい例では、各湾曲したパネルは、中央部のハブ3に対して約150度の角度を覆い、各隙間は、中央部のハブ3に対して約30度の角度を覆う。使用中において、太陽光発電装置は、最大限の発電を提供する方向に隙間8が面するように取り付けられることが意図されている。これにより、光は、太陽光発電装置の上又は一対の隙間8のいずれか一方を通じて凹形状の内面6に入射することができる。
【0031】
ハブ3は、図1及び図2において球形で示されている。ハブ3は、円柱又はドーム状などの他の形状を有してもよい。いずれにしても、ハブ3の上向きの表面9には、太陽電池が設けられていることが好ましい。概ね凹形状の内面6に面するハブ3の外周面には、太陽電池、反射材、又は太陽電池と反射材との組み合わせのいずれかが設けられてもよい。凹形状の内面6に反射材が設けられている場合、凹形状の内面6から反射された光がハブ3の外周面に集中するため、ハブ3の外周面により多くの太陽電池を設けることが好ましい。これに対して、凹形状の内面6に高い割合で太陽電池が設けられている場合、ハブ3の周辺には、凹形状の内面6に光を反射するための反射材が高い割合で設けられてもよい。反射材及び太陽電池の正確な配置は、試行錯誤的に決定することができ、地域の状況に依存し得る。それにも関わらず、当該配置は、太陽電池5が年間を通じて1日中最適な位置にある外面4の一部が常に有るという点で、非常に効率的な発電手段を提供する。また、凹形状の内面6及びハブ3の配置は、外面4と向かい合う面を、複数の異なる角度の表面で大量の太陽光エネルギを再度受け取ることができる手段によって利用する、効率的な手段を提供する。言い換えると、多くの場合、特定の時間にエネルギを収集するのに最適な位置に太陽電池がある。
【0032】
図1図3に示される好ましい例では、湾曲した第1のパネル1及び第2のパネル2は、剛体の湾曲したフレームを製造することによって形成される。剛体の湾曲したフレームには、可撓性を有する薄膜の太陽光発電構造物を適用することができる。可撓性を有する太陽光発電構造物は、ロールで供給され、非常にシンプルで軽量な構造を形成するために剛体の湾曲したフレームに簡単に取り付けることができる。可撓性を有する薄膜の太陽光発電構造物の第2の層は、凹形状の内面6として適用され得る。この場合、可撓性を有する太陽光発電構造物の表面全体が凹形状の内面6に十分に適用されない可能性があるが、代わりに、いくつかの領域に反射材が提供されてもよい。このようなデザインのいくつかの変形例が図4図6に示される。
【0033】
図1に示される配置の代わりとして、第1のパネル1及び第2のパネル2は、ハブ3の周りに1つの隙間8のみを備えて略C字状に延びる1つの大きな湾曲パネルが延在するように、実質的に結合されてもよい。
【0034】
好ましくは、ハブ3の最上面は、外壁によって過度に陰にならないように、垂直方向に外壁の中点の上に配置される。好ましくは、ハブ3の最大幅は、空洞の最大幅の半分未満であり、より好ましくは、3分の1未満である。これにより、より確実にハブ3が壁の内面6を過度に覆い隠さなくなる。ハブ3は、より低くすることができ、その場合、ハブ3がより低くなるほど、壁の内面6の陰が少なくなるので、ハブ3の幅を広くすることができる。限られた場合において、ハブ3は、空洞の下端部を効果的に覆うことができる。また、空洞の下端部を横切って配置される付加的な太陽電池を備えて上述したように上昇させたハブ3が考えられる。
【0035】
図4では、第1のパネル1及び第2のパネル2のそれぞれは、4つの別個のパネル1A,1B及び2A,2Bがあるように、実質的に2つに分割されている。これにより、更に2つの隙間8’が生じる。このときも、パネル及び隙間の正確な配置は、実験的に決定でき、地域の条件によって異なる場合がある。例えば、3つ以上のパネルとそれに対応する数の隙間が存在する場合がある。
【0036】
図4及び図5に示される配置は、ハブ3から分離された第1のパネル1及び第2のパネル2を示している。この配置は、パネルを設置現場に輸送し、杭打ちして組み立てることができる大規模な設置に適している。しかしながら、図3に示すように、第1のパネル1及び第2のパネル2は、一対のスポーク10によってハブ3に接続される。例えば、図6では10Aとして示されるように、パネルごとに複数のスポークがあってもよい。このような構成によって事前に組み立てられてもよい太陽光発電装置は、小規模な設置により適している。代替的に、第1のパネル1及び第2のパネル2と、ハブ3とは、別々に輸送され、かつ、スポーク10は、構成要素間の最適な幾何学的関係を固定するのを助けるために、設置現場で組み立てられてもよい。
【0037】
図4に示すように、ハブ3は、太陽電池により生成されたエネルギを溜めるためのバッテリ11を有する。図5において、エネルギ貯蔵は、フライホイール12の形式による。スポーク10,10Aは、太陽電池5と貯蔵装置11,12との間の簡便な接続を提供する。
【0038】
図5に示す第3の例は、本発明を従来の太陽光パネル技術で実施したものであって、複数の平板状の剛体パネル13が互いに接続されてパネル1C,2Cが形成されている。また、これらのパネルの内面には、先に述べたように、太陽電池又は反射材が設けられていてもよい。平板状の剛体パネル13は、互いにわずかに分離することができる。
【0039】
前の例は、ハブ3の中心を中心とする弧状の構成を有する第1のパネル1及び第2のパネル2を示している。図5に示す第3の例に示されるように、パネルは、弧状の構成とは異なってもよく、例えば、図6に示す第4の例において1D,2Dとして示される放物線又は他の非円形の形状などを有してもよい。
【0040】
上記の説明から明らかなように、いくつかの修正が個々の例に組み込まれているが、個々の修正は他の例で使用することができる。従って、スポークの有無、ハブ内の電力貯蔵装置の使用、3つ以上のパネルの使用、従来の平板状のパネル又は湾曲したパネルの使用、及びパネルの一般的な形状は、全て互いに独立して使用できる。
【0041】
太陽光発電装置の第5の例において、ハブは、隙間8の1つに向かって上向きに傾けられた湾曲パネルの形をしている。しかしながら、第5の例における主な新しい特徴は、湾曲した第1のパネル1及び第2のパネル2が内壁及び外壁により形成され、各パネルの外壁が3つの別々のセクション(section)で構成されている。しかしながら、セクションは、3つより多い又は少ない個数であってもよい。各セクションは、内壁の最も上の縁部の中央部分にある取付部23において、内壁に対してヒンジ接続されている。
【0042】
セクションは、拡張された構成から、全てのセクションが内壁に対して横たわるように収縮された構成に手動で移動可能であるが、電動化されてもよい。セクションが収縮された構成である太陽光発電装置は、先の例に関連する上述した太陽光発電装置に類似する。好ましくは、セクションの動きを制御するために、タイマが設けられる。内向きの内壁及びハブは、それぞれの固定位置に留まり、セクションが移動する前の通りに機能する(ただし、ハブは、任意に、回動可能に取り付けられてもよい)。朝夕の空の太陽が比較的低い位置にあるとき、セクションは、内壁に対して収縮された構成にある。しかしながら、日中において太陽が空の高い位置にあるとき、セクションは、内壁に対して拡張された構成になるように回動させられる。太陽が太陽光発電装置の真上の位置又はその近くにあるとき、パネル、すなわち、セクションは、より大きな入射面を提供する。
【0043】
セクションは、必ずしも全てが一緒に移動可能である必要はない。代わりに、太陽が空の比較的低い位置にある場合、太陽の方向に面するセクションは、内壁に対して収縮された位置にあってもよい。それに対して、他のセクションは、図示されているように略水平面となるように回転されるか、或いは、この時点での太陽の一般的な方向を向くように、水平面をはるかに超えて回転されてもよい。
【0044】
セクションの位置を可能な限り最適化するために、太陽追跡技術を使用できる。しかしながら、太陽追跡技術は高価である。代替的に、タイマは、比較的少ないコストでセクションの位置について合理的な程度の最適化を提供するので、セクションの位置を制御するために使用できる。
【0045】
太陽光発電装置の第6の例は、太陽光発電装置の第5の例に基づいているが、太陽光発電装置の第6の例は、先に述べた太陽光発電装置のいずれにも適用できる。特に、一対の風車が第1のパネル1及び第2のパネル2の上端部に取り付けられている。任意の適切な風車のデザインを使用してもよい。そのような構成は、遠隔地の車両の充電などの局所的な目的のために、太陽光発電装置を個別に使用して電力を生成する場合に特に有用である。そのような場合において、1つ又は複数の風車を使用することは、太陽電池によって生成される電力を補う手段を提供し、利用できる太陽光エネルギが少なくなるがより多くの風力エネルギを収穫できる可能性が高い冬季又は曇りの日に特に有益である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6