(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036792
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】骨固定インプラント
(51)【国際特許分類】
A61B 17/064 20060101AFI20230307BHJP
A61B 17/80 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
A61B17/064
A61B17/80
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022204865
(22)【出願日】2022-12-21
(62)【分割の表示】P 2021537910の分割
【原出願日】2019-12-26
(31)【優先権主張番号】62/785,460
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504154126
【氏名又は名称】ライト メディカル テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Wright Medical Technology, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリントン,ジョン・ケント
(57)【要約】 (修正有)
【課題】適応性を提供できる改善された整形外科用ステープルを提供する。
【解決手段】金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープル100は、第1端部101及び第2端部102を含むブリッジ105と、ブリッジの第1端部から延びる第1レグ110と、ブリッジの第2端部から延びる第2レグ111と、を含み、ブリッジは、第1レグ及び第2レグの間に設けられ、ブリッジから第1及び第2レグと同じ方向に延びる金属スペーサ構造150を含み、金属スペーサ構造は、2つの骨切りの骨面の間に挿入されるように構成されることを含む、整形外科用インプラントが記載されている。また、ブリッジの第1端部及び第2端部のそれぞれに骨ネジを収容するための1つ以上の孔が設けられる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部及び第2端部を含むブリッジと、
ブリッジの第1端部から延びる第1レグと、
ブリッジの第2端部から延びる第2レグと、を含む整形外科用インプラントであって、
前記ブリッジは、前記第1レグ及び前記第2レグの間に設けられ、前記ブリッジから前記第1レグ及び第2レグと同じ方向に延びる金属スペーサ構造を含み、前記金属スペーサ構造は、2つの骨切りの骨面の間に挿入されるように構成される、整形外科用インプラント。
【請求項2】
前記金属スペーサ構造と、第1レグ及び/又は第2レグの間に設けられたさらなるレグをさらに含む、請求項1に記載の整形外科用インプラント。
【請求項3】
前記金属スペーサ構造は、金属スペーサ構造が2つの骨切りの骨面の間に位置した後、金属スペーサ構造への骨の成長を促すための多孔性の穿孔構造を有する、請求項1に記載の整形外科用インプラント。
【請求項4】
前記金属スペーサ構造は、三角形のくさび状のプロファイルを有し、第1及び第2レグに対向する2つの平面を有する、請求項1に記載の整形外科用インプラント。
【請求項5】
前記金属スペーサ構造は、台形状のプロファイルを有し、第1及び第2レグに対向する2つの平面を有する、請求項1に記載の整形外科用インプラント。
【請求項6】
少なくとも前記ブリッジ及び第1レグは、形状記憶材料からなる、請求項1に記載の整形外科用インプラント。
【請求項7】
第1端部及び第2端部を含むブリッジであって、前記ブリッジの第1端部及び第2端部のそれぞれに骨ネジを収容するための1つ以上の孔が形成されるブリッジと、
第1端部及び第2端部の間に設けられ、前記ブリッジから延びる第1レグ及び第2レグと、を含む、整形外科用インプラント。
【請求項8】
骨ネジ用の孔は、固定ネジのネジ頭を収容するようにネジ状である、請求項7に記載の整形外科用インプラント。
【請求項9】
少なくとも前記ブリッジ及びレグは、形状記憶材料からなる、請求項7に記載の整形外科用インプラント。
【請求項10】
第1端部及び第2端部を含むブリッジと、
前記ブリッジの第1端部から延びる第1レグと、
前記ブリッジの第2端部から延びる第2レグと、を含む、整形外科用インプラントであって、
前記整形外科用インプラントの少なくともブリッジの部分は、ブリッジが、挿入形状と移植された形状との間で移動可能なように形状記憶材料からなり、挿入形状の場合、前記ブリッジは、直線であり、移植された形状の場合、前記ブリッジは、第1レグ及び第2レグの延長方向とは反対方向に曲がり、第1レグと第2レグとが互いに向かって付勢する、整形外科用インプラント。
【請求項11】
縦軸を有し、第1端部及び第2端部を含むブリッジと、
第1端部及び第2端部のそれぞれに設けられるブリッジ延長部であって、前記ブリッジの縦軸に対して横方向に延びるブリッジ延長部と、
それぞれのブリッジ延長部から延びる複数のレグを含む、整形外科用インプラントであって、
前記整形外科用インプラントは、挿入形状と移植された形状との間で移動可能なように形状記憶材料からなり、
移植された形状において、複数のレグは、1つ以上の予め設定された方向に付勢されて1つ以上の予め設定された方向に圧縮荷重を生成する、整形外科用インプラント。
【請求項12】
移植された形状において、1つ以上の予め設定された方向は、ブリッジの縦軸と一直線となる平面で圧縮を生成する少なくとも1つの方向を含む、請求項11に記載の整形外科用インプラント。
【請求項13】
移植された形状において、1つ以上の予め設定された方向は、ブリッジの縦軸を横切る平面で圧縮を生成する少なくとも1つの方向を含む、請求項11に記載の整形外科用インプラント。
【請求項14】
前記横方向が、ブリッジの縦軸に対して直角でない、請求項13に記載の整形外科用インプラント。
【請求項15】
第1端部と第2端部との間のブリッジから延びる1つ以上のレグをさらに含む、請求項11に記載の整形外科用インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形外科用ステープルの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ニチノールは、形状記憶特性により、心臓ステント、矯正ワイヤ及び筋骨格インプラントを含め、医学全般にわたって様々な用途で使用される。1990年代及び2000年代初めに発売された初期世代のニチノールステープルは、非圧縮状態を維持するための冷蔵及び/又は圧縮状態に到達するための加熱(即ち、電気焼灼)の必要性によって制限されていた。新世代のニチノールステープルは、挿入の容易さと速度、及び人の体温での超弾性特性により、筋骨格インプラントとして人気を得ており、インプラントが変形、つまり体重負荷により元の形状に戻ることを可能とする。また、ニチノールステープルは、体温によって非圧縮状態から圧縮状態への熱変化が生じるため、中足部及び後足部の癒合、及び特定の外傷への適用に理想的である。前記ニチノールステープルは持続的な圧縮を維持し、その結果、骨吸収が生じると共に、骨片を積極的に減少させて圧縮することになる。試験管内での(in vitro)生体力学的試験では、プレート及びネジ構成物とは異な
り、ニチノールステープルは、機械的負荷後、接触力と接触面積をゼロ時間に維持し、移植後、最初の10分間で圧縮が7%増加することを示している。ステープルデザインは、ネジによる2つの点とは異なり、骨片に4つの固定点を提供する。また、ニチノールステープルは、圧縮フットプリントがステープルレグ(leg)の先端を越えて延びるため、両皮質の固定を必要としない。臨床的に、新世代のニチノールステープルは、ステープル及びネジとステープル単独の構成物との間に有意な差がなく、中足部固定術及び後足部固定術のいずれも92.7%の高い結合率を有することが分かった。
【0003】
現在のニチノールステープルは、インライン圧縮による2つ又は多数のレグ装置からなり、関節/骨表面にわたり区別せずに使用することを意図している。
【0004】
従って、このような適応性を提供できる改善された外部固定装置が引き続き必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によると、第1端部及び第2端部を含むブリッジと、ブリッジの第1端部から延びる第1レグと、ブリッジの第2端部から延びる第2レグと、を含む整形外科用インプラントであって、前記ブリッジは、第1レグ及び第2レグの間に設けられ、前記ブリッジから前記第1レグ及び第2レグと同じ一般的な方向に延びる金属スペーサ構造を含み、前記金属スペーサ構造は、2つの骨切りの骨面の間に挿入されるように構成される、整形外科用インプラントが開示されている。
【0006】
他の実施形態による整形外科用インプラントが開示されている。前記整形外科用インプラントは、第1端部及び第2端部を含むブリッジであって、前記ブリッジの第1端部及び第2端部のそれぞれに骨ネジを収容するための1つ以上の孔が設けられるブリッジと、前記第1端部と第2端部との間に設けられ、前記ブリッジから延びる第1レグ及び第2レグと、を含む。
【0007】
他の実施形態による整形外科用インプラントが開示されている。前記整形外科用インプラントは、第1端部及び第2端部を含むブリッジと、前記ブリッジの第1端部から延びる第1レグと、前記ブリッジの第2端部から延びる第2レグと、を含み、前記整形外科用イ
ンプラントの少なくともブリッジの部分は、ブリッジが挿入形状と移植された形状との間で移動可能なように形状記憶材料からなり、挿入形状の場合、前記ブリッジは直線であり、移植された形状の場合、前記ブリッジは、第1レグ及び第2レグの延長方向とは反対方向に曲がり、第1レグと第2レグとが互いに向かって付勢する。
【0008】
他の実施形態による整形外科用インプラントが開示されている。整形外科用インプラントは、縦軸を有し、第1端部及び第2端部を含むブリッジと、第1端部及び第2端部のそれぞれに設けられるブリッジ延長部であって、ブリッジの縦軸に対して横方向に延びるブリッジ延長部と、それぞれのブリッジ延長部から延びる複数のレグと、を含み、前記整形外科用インプラントは、挿入形状と移植された形状との間で移動可能に形状記憶材料からなり、移植された形状の場合、複数のレグは、1つ以上の予め設定された方向に付勢されて1つ以上の予め設定された方向に圧縮荷重を生成する。
【0009】
一部の実施形態によると、海綿骨において改善された回転安定性、及び改善された圧縮を提供する形状記憶材料の整形外科用ステープルインプラントが開示されている。改善された整形外科用ステープルインプラントは、特に距骨下癒合に有用である。他の整形外科用ステープルとは異なり、本実施形態の整形外科用ステープルインプラントの全ての部分は、リボン又はブレード状の寸法を含み、全ての部分は、それらの厚さよりも実質的により広い幅を有する。
【0010】
本発明における発明の概念は、下記の図面を参照してより詳細に説明される。図面の構造は、概略で示されており、実際の寸法を示すことを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】一部の実施形態による金属スペーサハイブリッドステープルの実施例の図である。
【
図1B】一部の実施形態による金属スペーサハイブリッドステープルの実施例の図である。
【
図1C】一部の実施形態による金属スペーサハイブリッドステープルの実施例の図である。
【
図1D】一部の実施形態による金属スペーサハイブリッドステープルの実施例の図である。
【
図1E】一部の実施形態による金属スペーサハイブリッドステープルの実施例の図である。
【
図2A】一部の実施形態によるステープルプレートハイブリッド整形外科用インプラントの図である。
【
図2B】一部の実施形態によるステープルプレートハイブリッド整形外科用インプラントの図である。
【
図3A】他の実施形態による整形外科用ステープルの図である。
【
図3B】他の実施形態による整形外科用ステープルの図である。
【
図4A】一部の実施形態による多面圧縮を提供する整形外科用ステープルの図である。
【
図4B】一部の実施形態による多面圧縮を提供する整形外科用ステープルの図である。
【
図5A】一部の実施形態による海綿骨において、改善された回転安定性及び改善された圧縮を提供する整形外科用ステープルの図である。
【
図5B】一部の実施形態による海綿骨において、改善された回転安定性及び改善された圧縮を提供する整形外科用ステープルの図である。
【
図5C】一部の実施形態による海綿骨において、改善された回転安定性及び改善された圧縮を提供する整形外科用ステープルの図である。
【
図5D】一部の実施形態による海綿骨において、改善された回転安定性及び改善された圧縮を提供する整形外科用ステープルの図である。
【
図6A】海綿骨において、改善された回転安定性及び改善された圧縮を提供する整形外科用ステープルインプラントのさらなる各種実施形態の図である。
【
図6B】海綿骨において、改善された回転安定性及び改善された圧縮を提供する整形外科用ステープルインプラントのさらなる各種実施形態の図である。
【
図6C】海綿骨において、改善された回転安定性及び改善された圧縮を提供する整形外科用ステープルインプラントのさらなる各種実施形態の図である。
【
図6D】海綿骨において、改善された回転安定性及び改善された圧縮を提供する整形外科用ステープルインプラントのさらなる各種実施形態の図である。
【
図6E】海綿骨において、改善された回転安定性及び改善された圧縮を提供する整形外科用ステープルインプラントのさらなる各種実施形態の図である。
【
図7A】ステープルレグの間のブリッジ部分が、骨プレートとさらに類似するように構成された整形外科用ステープルインプラントの多様な特徴を示す図である。
【
図7B】ステープルレグの間のブリッジ部分が、骨プレートとさらに類似するように構成された整形外科用ステープルインプラントの多様な特徴を示す図である。
【
図7C】ステープルレグの間のブリッジ部分が、骨プレートとさらに類似するように構成された整形外科用ステープルインプラントの多様な特徴を示す図である。
【
図7D】ステープルレグの間のブリッジ部分が、骨プレートとさらに類似するように構成された整形外科用ステープルインプラントの多様な特徴を示す図である。
【
図7E】ステープルレグの間のブリッジ部分が、骨プレートとさらに類似するように構成された整形外科用ステープルインプラントの多様な特徴を示す図である。
【
図8A】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図8B】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図9A】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図9B】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの種実施例の図である。
【
図10A】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図10B】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図10C】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図10D】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図10E】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図10F】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図10G】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図10H】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図10I】本発明によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの各種実施例の図である。
【
図11】TMT関節癒合術に使用するために構成された形状記憶材料の整形外科用固定インプラントの実施形態を示す。
【
図12A】舟状骨‐楔状骨癒合術に使用するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用固定インプラントの実施形態の図である。
【
図12B】舟状骨-楔状骨癒合術に使用するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用固定インプラントの実施形態の図である。
【
図13】は、距骨下癒合術に使用するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用固定インプラントの実施形態の図である。
【
図14A】小趾(lesser)中足骨の骨切り癒合のために構成された形状記憶整形外科用ステープルインプラントの図である。
【
図14B】小趾中足骨の骨切り癒合のために構成された形状記憶整形外科用ステープルインプラントの図である。
【
図14C】小趾中足骨の骨切り癒合のために構成された形状記憶整形外科用ステープルインプラントの図である。
【
図15A】母趾の中足趾節関節癒合術に使用するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用ステープルインプラントの図である。
【
図15B】母趾の中足趾節関節癒合術に使用するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用ステープルインプラントの図である。
【
図15C】母趾の中足趾節関節癒合術に使用するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用ステープルインプラントの図である。
【
図16A】ジョーンズ骨折を固定するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用ステープルインプラントの2つの実施形態の図である。
【
図16B】ジョーンズ骨折を固定するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用ステープルインプラントの2つの実施形態の図である。
【
図17A】ジョーンズ骨折を固定するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用ステープルインプラントの2つの実施形態の図である。
【
図17B】ジョーンズ骨折を固定するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用ステープルインプラントの2つの実施形態の図である。
【
図18】TMT関節周囲の解剖学的輪郭と一致するように構成されたステープルインプラントの他の実施形態を示す図である。
【
図19A】母趾の中足趾節関節癒合のために構成されたステープルインプラントの他の実施形態の図である。
【
図19B】母趾の中足趾節関節癒合のために構成されたステープルインプラントの他の実施形態の図である。
【
図20A】他の実施形態によるステープルインプラントの図である。前記インプラントは、距骨下癒合術に特に有用に構成されている。
【
図20B】他の実施形態によるステープルインプラントの図である。前記インプラントは、距骨下癒合術に特に有用に構成されている。
【
図21A】骨プレート部を含むハイブリッドインプラントのさらなる実施形態の図である。
【
図21B】骨プレート部を含むハイブリッドインプラントのさらなる実施形態の図である。
【
図21C】骨プレート部を含むハイブリッドインプラントのさらなる実施形態の図である。
【
図21D】骨プレート部を含むハイブリッドインプラントのさらなる実施形態の図である。
【
図22A】本発明の他の態様による距骨下癒合術を補助するために使用できる癒合ガイド器具を説明する図である。
【
図22B】本発明の他の態様による距骨下癒合術を補助するために使用できる癒合ガイド器具を説明する図である。
【
図22C】本発明の他の態様による距骨下癒合術を補助するために使用できる癒合ガイド器具を説明する図である。
【
図22D】本発明の他の態様による距骨下癒合術を補助するために使用できる癒合ガイド器具を説明する図である。
【
図22E】本発明の他の態様による距骨下癒合術を補助するために使用できる癒合ガイド器具を説明する図である。
【
図22F】本発明の他の態様による距骨下癒合術を補助するために使用できる癒合ガイド器具を説明する図である。
【
図23A】整形外科用ステープルの圧縮装置を説明する図である。
【
図23B】整形外科用ステープルの圧縮装置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の例示としての実施形態は、記載された説明全体の一部とみなされる添付図面と関連して読み取られることを意図している。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、任意の特徴部は、明確性及び簡潔性のために縮尺が誇張されるか、多少概略の形で誇張して示され得る。説明において、「水平」、「垂直」、「上」、「下」、「上部」及び「下部」等の関連用語並びにその派生語(例えば、「水平に」、「下方に」、「上方に」等)は、説明中の図面に記載又は示される方向を意味すると解釈すべきである。これらの関連用語は、説明における便宜上のものであり、一般に、特定の方向を要求することを意図しない。「内方」対「外方」、「縦」対「横」等を含む用語は、適切に互いに対して、又は延長軸、軸若しくは回転の中心に対して、相対的に解釈しなければならない。「連結される」及び「相互に連結される」等の取り付け、結合等に関する用語は、特に明示しない限り、構造体が中間構造体を介して直接又は間接的に互いに固定されたり、取り付けられる関係のみでなく、移動可能な若しくは強固な取り付け又は関係の両方を意味する。なお、1つの機器のみ説明されている場合、「機器」という用語は、本明細書に説明される方法論のいずれか1つ以上を実行するための説明の1つのセット(又は複数のセット)を個別に又は共同で実行する機器の集まりを含むものとする。「作動可能に連結された」という用語は、関連の構造体がその関係により意図した通りの作動を可能にするような取り付け、結合又は連結である。請求範囲において、手段に機能が加わった項が使用される場合、構造的等価物だけでなく等価構造を含み、引用された機能を実行するために記載された説明又は図面によって明らかに説明、提案又は提示される構造を含むことを意図する。
【0013】
特に明記しない限り、本明細書で説明される任意の方法は、そのステップが特定の順に行われることを要求すると解釈せず、任意の装置によって特定されない限り、特定の方向を要求することも意図しない。従って、方法クレームが、実際にそのステップに応じた順で言及されなかったり、装置クレームが、実際に個々の構成要素の順序又は方向について言及されなかったり、或いは請求項若しくは説明において他に具体的に明示していない場合、前記ステップは、特定の順に制限されたり、又は装置の構成要素についての特定の順序又は方向に制限されることを意図しておらず、いかなる面からも、順序又は方向を推論することを意図するものではない。これは、ステップの配置、動作の流れ、構成要素の順序、又は構成要素の方向に関する論理の問題、文法的構成又は句読点から派生した一般の意味、及び明細書に記載の実施形態の数又は類型を含む、解釈可能な任意の非明示的根拠を有している。
【0014】
本発明において、例えば、ステープル、ハイブリッドステープル、ブレード等の、開示されている整形外科用インプラントのための形状記憶材料は、開示されている整形外科用インプラントが移植される整形外科患者の体温において、事前に変形した(即ち、記憶さ
れた)形態を維持する整形外科の適用に好適なニチノール等の形状記憶合金等の公知の形
状記憶材料のいずれかで作ることができる。
【0015】
図1A~1Eを参照すると、本発明の一部の実施形態による整形外科用インプラントが開示されている。前記整形外科用インプラントは、金属スペーサの特徴部を形状記憶金属
の整形外科用ステープルに組み込んだ金属スペーサステープルハイブリッド構造を有する。このハイブリッドステープルは、エバンス骨切り術、コットン骨切り術及び脛骨骨切り術のような手術に有用であり、ここでステープルの金属スペーサ構造が、骨片で作られたスペーサに代わり、ステープル構造と結合することで、スペーサを2つの骨切りの骨面の間に固定して維持する結合力が提供される。かかるハイブリッドステープルは、大腿骨、股関節等の他の骨切り術にも有用である。
【0016】
図1Aは、第1及び第2端部101、102をそれぞれ含むブリッジ105を含む金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープル100の概略側面図である。前記ステープル100は、第1レグセット110、111を含む。第1レグ110は、ブリッジの第1端部101から延びる。第2レグ111は、ブリッジの第2端部102から延びる。金属スペーサハイブリッドステープル100は、第1及び第2レグ110、111との間のブリッジ105に沿って設けられる金属スペーサ構造150を含む。金属スペーサ構造150は、レグ110及び111と同じ一般的な方向に延びる。ブリッジ105上の金属スペーサ構造150の特定位置は、特定の骨切り術適用のための適切な位置となるように選択できる。例えば、前記金属スペーサ構造150は、第1及び第2レグ110、111から等距離にあるブリッジ105の中央に位置することができ、又は金属スペーサ構造150は、前記2つのレグ110、111のいずれか一方と他方よりもさらに近づくようにブリッジの中央から外れて位置することができる。
【0017】
一部の実施形態において、前記金属スペーサ構造150は、第1及び第2レグに対向する2つの平面150a、150bを有する三角形のくさび状プロファイルを有することができる。
図1A~1Dに示す整形外科用インプラントの実施例100、200の実施形態は、かかる三角形のくさび状金属スペーサ構造150及び250を有する。一部の他の実施形態において、金属スペーサ構造は台形状のプロファイルを有することができ、第1及び第2レグに対向する2つの平面を有することができる。
図1Eに示す整形外科用インプラントの実施例300の実施形態は、かかる台形状の金属スペーサ構造350を有する。
【0018】
一部の実施形態において、金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープル100は、必要に応じて、さらなるレグセットをさらに含むことができる。
図1Aに示す実施例において、整形外科用ステープル100は、第2レグセット111、121をさらに含む。第2レグセットの第1レグ120は、第1セットの第1レグ110と金属ウェッジ構造150との間に位置する。第2レグセットの第2レグ121は、第2レグ111と金属スペーサ構造150との間に位置する。さらなるレグセットは、整形外科用ステープル100が予め設定されている方法によって、さらなる圧縮力又は伸延力を提供することができる。
【0019】
図1Bは、エバンス骨切り術の適用における金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープル100を示す概略図である。前記金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープル100は、エバンス骨切り術により踵骨構造に移植される。前記金属スペーサハイブリッドステープル100のレグ110、111、120、121は、エバンス骨切り術の両側に移植され、金属スペーサ構造150は、エバンス骨切り術においてくさび固定(wedged)される。前記金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープル100は、形状記憶合金からなり、この例示された実施例において、前記ステープル100は、エバンス骨切り術及び金属スペーサ構造150に圧縮荷重を加えるように予め調整されている。
【0020】
図1Cは、他の実施形態による金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープル200を示す概略図である。示された整形外科用ステープル200は、コットン骨切り術の用途で使用されている。前記金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープル200は、コットン骨切り術により楔状骨に移植される。前記整形外科用ステープル200は、第1及び第2端部201、202をそれぞれ含むブリッジ205を含む。前記ステープル200は
、第1レグセット210、211を含む。第1レグ210は、ブリッジの第1端部201から延びる。第2レグ211は、ブリッジ205の第2端部202から延びる。前記金属スペーサハイブリッドステープル200は、第1及び第2レグ210、211の間にブリッジ205に沿って設けられる金属スペーサ構造250を含み、前記レグ210及び211と同じ一般的な方向に延びる。前記ブリッジ205上の前記金属スペーサ構造250の位置は、特定の骨切り術適用のための適切な位置となるように選択される。
【0021】
図1Dは、他の実施形態による脛骨骨切り術の適用において、移植された金属ハイブリッド整形外科用ステープル100を示す概略図である。前記レグ110、111、120、121は、金属スペーサ構造150が、脛骨に切り込まれた骨切り術においてくさび固定され、脛骨に移植される。
【0022】
図1Eは、他の実施形態による金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープルの概略図である。前記整形外科用ステープル300は、ブリッジ305と、第1端部301と、第2端部302と、を含む。第1レグ310は、第1端部301から延びる。第2レグ311は、第2端部302から延びる。また、整形外科用インプラント300は、第1及び第2レグ310、311の間のブリッジ305に沿って設けられた金属スペーサ構造350を含み、前記レグ310、311と同じ一般的な方向に延びる。前記ブリッジ305上の金属スペーサ構造350の位置は、特定の適用のために適切な位置となるように選択される。前記整形外科用ステープル300は、第2レグセット320、321をさらに含むことができる。
【0023】
図1Eの例示された実施例において、前記ステープル300は、第2レグセット320、321をさらに含む。第2レグセットの第1レグ320は、第1セットの第1レグ310と金属スペーサ構造350との間に位置する。第2レグセットの第2レグ321は、第2レグ311と金属スペーサ構造350との間に位置する。
【0024】
図1Eの例示された実施例において、前記ステープル300は、中足骨‐指骨関節に移植される。前記金属スペーサハイブリッドステープル300のレグ310、311、320、321は、中足骨‐指骨関節の両側に移植され、前記金属スペーサ構造350は、前記中足骨と前記指骨との間にくさび固定される。前記金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープル300は、形状記憶合金からなり、本例示の実施例において、前記ステープル300は、中足骨‐指骨関節のスペースを開けたままにして伸延力を加えるように予め調整され、金属スペーサ構造350を収容する。
図1Eに示すように、前記金属スペーサ構造350は、ブリッジ305近傍でより広く、ブリッジ305から離れるほどより狭くなる台形状のプロファイルを有することができる。一部の実施形態において、金属スペーサ構造350は、正方形又は矩形のプロファイルを有する2つの平行な側面を有することができる。好ましくは、金属スペーサ構造350は、第1及び第2レグ310、311に対向する2つの平面350a、350bを含む。
【0025】
一部の実施形態において、前記金属スペーサ構造150、250、350をそれぞれ形成する金属スペーサハイブリッドステープル100、200及び300の部分は、金属スペーサ構造への骨の成長を促すために多孔性又は穿孔構造を有することができる。
【0026】
また、前記金属スペーサハイブリッドステープルは、母趾の関節固定MTP癒合、踵骨立方骨癒合等のような伸延関節固定術に有用に適用できる。
【0027】
図2Aは、本発明の他の態様によるステープルプレートハイブリッド整形外科用インプラント400の図である。前記ステープルプレートハイブリッド整形外科用インプラント400は、第1端部401及び第2端部402を有するブリッジ405を含む。前記ハイ
ブリッド整形外科用インプラント400のブリッジ405は、骨プレートのような構造となっており、2つの端部401、402は、骨ネジS1、S2等を収容するために1つ以上の孔が形成される。
【0028】
例示された実施例において、ハイブリッド整形外科用インプラント400の2つの端部401、402は、それぞれ骨ネジを収容するための1つの孔を含む。
図2Bは、実施例として、ハイブリッド整形外科用インプラント400の第1端部401の上面図を示す。第1端部401は、骨ネジS1を収容するための孔H1が形成されている。一部の実施形態において、骨ネジ用の孔は、固定ネジのネジ頭を収容するようにネジ状であり得る。ネジ孔は、単軸固定ネジ又は多軸固定ネジを収容するように構成できる。骨ネジS1、S2は、固定ネジ、非固定ネジ又は圧縮ネジとすることができる。
【0029】
前記ハイブリッド整形外科用インプラント400は、2つの端部401、402の間に位置する1対以上のステープルレグ410、411をさらに含む。
図2Aに示す実施例において、1対のステープルレグ410、411が示される。前記ハイブリッド整形外科用インプラント400は、形状記憶材料からなり、前記説明の実施例において、前記ハイブリッド整形外科用ステープル400は、骨切り又は骨折部位490に圧縮荷重を加えるように予め調整される。前記ハイブリッド整形外科用インプラント400は、構造物の外周上に両皮質のロック固定又は非ロック固定を提供すると共に、内部のステープルレグ410、411に癒合部位の圧縮を提供する。前記圧縮部位への前記ステープルレグの挿入は、従来の形状記憶材料ステープル手術により挿入した後、前記ハイブリッドステープルの骨プレート状のブリッジ部分を骨ネジS1、S2を使用して固定する。
【0030】
図3A及び3Bを参照すると、任意の形状記憶材料の整形外科用ステープルに組み込むことができる有益な特徴は、
図3Bに示すように、ステープルのブリッジが湾曲するように予め調整され、ステープルの圧縮機能を補助する。
図3Aは、第1端部501及び第2端部502からそれぞれ延びる2つのレグ510、511及びブリッジ505を含む形状記憶材料ステープル500を示す。整形外科用インプラント500の少なくともブリッジ505部分は、ブリッジが挿入形状(即ち、変形した形状)と移植された形状(即ち、記憶された形状)との間で移動可能なように形状記憶材料からなる。
図3Aにおいて、前記ブリッジ505は、直線の挿入形状である。前記形状記憶材料ステープル500が患者に移植された後に活性化温度に達すると、前記ブリッジ505は、
図3Bに示すように、前記ブリッジ505を上方に(即ち、第1及び第2レグ510、511の延長方向とは反対の方向に)湾曲させ、体重負荷の移植された形状に戻る。この湾曲は、2つのステープルレグ510、511が互いに向かって付勢し、2つのステープルレグ510、511の間の骨癒合部位に圧縮荷重を生成する。
【0031】
図4A~4Bは、一部の実施形態による多面圧縮を提供する形状記憶材料の整形外科用ステープルインプラントの概略図を示す。前記実施形態のステープルレグは、ブリッジに対して一直線/軸方向の圧縮に加えて、多方向に圧縮荷重を提供するように構成される。
図4Aを参照すると、これらのステープル600は、第1端部601及び第2端部602を有するブリッジ605を含む。2つの端部601、602には、ブリッジ605の縦軸Aに対して横方向に前記ブリッジが延びるブリッジ延長部601a及び602aがそれぞれ設けられる。前記ブリッジ延長部601a、602aの横方向は、ステープル600への適用に応じて縦軸Aに直交するか、又は他の所望の角度とすることができる。
【0032】
また、ステープル600は、ブリッジ延長部601a、602aから延びる複数のステープルレグを含む。例示された実施例において、2つのステープルレグ610a、610b及び611a、611bは、それぞれのブリッジ延長部601a、602aから延びる。前記ステープルレグ610a及び610bは、ブリッジ延長部601aから延びる。前
記ステープルレグ611a及び611bは、ブリッジ延長部602aから延びる。前記ステープル600は、第1及び第2端部601、602との間のブリッジ605から延びるさらなるステープルレグ620、621をさらに含むことができる。前記ステープル600は、
図4に示すその挿入形状と
図4Bに示すその移植された形状との間で移動可能である。任意の形状記憶材料のステープルインプラントと同様に、その挿入形状において、全てのレグは、骨癒合部位の準備された孔に前記ステープル600が挿入できるように配向される。
図4Bに示すその移植された形状において、前記レグは、1つ以上の予め設定された方向に圧縮荷重を生成するために、所定の所望の予め設定された方向に付勢されている。
図4Bに例示された実施例において、矢印C1及びC2は、ステープル600の事前調整により生成される2つの互いに異なる圧縮方向を示す。前記ステープル600の構成物の四隅のレグ610a、610b、611a及び611bは、矢印C1で示すように、ブリッジ605の縦軸Aに対して一直線となる平面に圧縮を生成して移動する。また、ステープル600の構成物の四隅のレグは、第2矢印C2のセットで示すように、縦軸Aを横切る平面に圧縮を生成する。一部の実施形態において、矢印C2の横方向は、縦軸Aと直交することができる。一部の実施形態において、矢印C2の横方向は、縦軸Aに直交する以外の角度とすることができる。
【0033】
図5A~5Cは、本発明の一部の実施形態による海綿骨において改善された回転安定性及び改善された圧縮を提供する形状記憶材料の整形外科用ステープルインプラントの概略図を示す。改善された整形外科用ステープルインプラントは、特に距骨下の癒合に有効である。
図5Aは、第1端部701及び第2端部702を有するブリッジ705を含む整形外科用ステープルインプラント700の等角図である。また、前記ステープルインプラント700は、第1端部701から延びる第1レグ710及び第2端部702から延びる第2レグ711を含む。前記レグ710、711は、両レグを一直線に保つ方向に延びる。前記ブリッジ705は、段差部720を含む。
図5Bの側面図に示すように、前記ブリッジ705の段差部720は、前記第1レグ710及び第2レグ711の長さが異なることを可能にする。
【0034】
他の整形外科用ステープルとは異なり、整形外科用ステープルインプラント700は、全ての部分がリボン又はブレード状の寸法を含み、全ての部分は、それらの厚さTよりも実質的に広い幅Wを有する。本発明の目的のために、幅Wが厚さTよりも「実質的に広い」ということは、幅Wが、厚さTよりも少なくとも2倍大きいことを意味する。前記幅Wが厚さTよりも実質的に広いため、そのアスペクト比は、骨部位に移植されるときにより大きな回転安定性を有する整形外科用ステープルインプラント700を提供する。第1レグ710及び第2レグ711の先端710a、711aは、それぞれ骨の材料に容易に挿
入できるように鋭い尖った形状で構成することができる。前記整形外科用ステープルインプラント700の幅Wの寸法がより広いため、レグ710、711を骨に挿入するために、多数の孔が一直線に収容する骨に穿孔される。
【0035】
また、従来のステープルインプラントに比べて、より広い幅Wを有する整形外科用ステープルインプラント700は、海綿性骨材料に対してより大きな荷重支持の接触表面積を提示するため、海綿性骨材料に対してより良好な圧縮を提供し得る。
【0036】
図5Cを参照すると、厚さTよりも実質的に広い幅Wを有する部分の整形外科用ステープルインプラント800の他の実施形態が開示されている。前記整形外科用ステープルインプラント800は、ブリッジ805の部分と前記ブリッジ805の2つの端部から延びる第1レグ810及び第2レグ811を含む。しかし、整形外科用ステープルインプラントの実施形態700とは異なり、レグ810及び811は一直線に配向せず、これらは、ブリッジ805から互いに向きが分かれるような角度で延びる。
図5Cに例示された実施例において、2つのレグ810及び811は、角度θで互いに分岐する。これにより、一
直線の配向のステープルレグが、これらを係合し得ない配向の癒合部位における両側の2つの骨片と前記ステープル800とを係合する。
図5Dは、厚さTよりも実質的に広い幅Wを有する部分の他の実施形態による整形外科用ステープルインプラント900の概略図である。前記ステープルインプラント900は、段差部920と2つのレグ910、911とを有するブリッジ905を含む。前記2つのレグ910、911は、角度θと異なる角度βで互いに分岐するように配向する。前記分岐する角度θ及びβは、必要に応じて、0度から180度の間の任意の角度とすることができる。
【0037】
図6A~6Eは、幅Wがその厚さTよりも実質的に広いリボン又はブレード状の寸法を有する整形外科用ステープルインプラントのさらなる実施例である。
図6Aは、ブリッジ1005及び前記ブリッジ1005の2つの端部から延びる2つのレグ1010、1011を含む整形外科用ステープルインプラント1000を示す。前記ステープルインプラント1000の全ての部分は、その厚さTよりも実質的に広い幅Wを有する。
図6Bは、2つの骨片B1及びB2を圧縮するために移植された整形外科用ステープルインプラント1000を示す。これらのリボン又はブレード状のステープルインプラント1000は、距骨下癒合術に有用である。
図6Cは、距骨の踵骨への癒合を補助するために、圧縮荷重を提供する距骨と踵骨とを連結する移植された整形外科用ステープルインプラント1000を示す。また、本明細書に記載のリボン又はブレード状の整形外科用ステープル700、800、900、1000は、母趾のMTP癒合、TN(距骨‐舟状骨)癒合、CC(踵骨‐立方骨)癒合、足首の癒合等の他の多くの癒合手術に使用できる。
【0038】
図6Dは、他の実施形態による、癒合のために距骨及び腫骨に移植された整形外科用ステープルインプラント1100の側面図である。前記ステープルインプラント1100は、前記ブリッジ1105から延びる2つのレグ1110及び1111を含む。
図6Eは、前記踵骨及び距骨と係合する位置に移植されたリボン又はブレード状のステープルインプラント1200を示す概略図である。前記ステープルインプラント1200は、一直線の配向ではないが、1100の角度で互いに分岐する2つのレグ1210及び1211を含み、従来の一直線のステープルインプラントでは係合できない位置で踵骨と距骨とを係合するのに特に有用である。
【0039】
リボン又はブレード状の整形外科用ステープルインプラント700、800、900、1000、1100及び1200を移植するための器具は、次の通りであり得る。ドリルペック、ブローチ、タップ及び挿入装置等の器具は、骨圧縮部位を準備し、ステープルインプラントを移植するのに有用である。
【0040】
図7Aを参照すると、整形外科用ステープルインプラント1300のステープルレグ1310、1311の間のブリッジ1305の部分が、より骨プレートに類似するように構成される。かかるステープルインプラントは、外反母趾及び/又は中足骨間の角度を矯正して腱膜瘤を治療するラピダス(Lapidus)手術に有用である。前記ステープルインプラントは、ブリッジ1305のような幅広の骨プレートを有し、好ましくは、ブリッジ1305の各端部に2つのステープルレグを有するか、又はブリッジの各端部に幅広のブレード状のレグを有する。
図7B及び7Cは、かかる変形の実施形態を示す。
図7Bは、幅広の板状のブリッジ1305を有するステープルインプラント1300Aを示す。ブリッジの第1端部1301には、ブリッジ1305から延びる2つのステープルレグ1310Aがある。ブリッジの第2端部1302には、ブリッジ1305から延びる2つのステープルレグ1311Aがある。
図7Cは、幅広の板状のブリッジ1305を有するステープルインプラント1300Bを示す。ブリッジの第1端部1301には、ブリッジから延びる幅広のブレード状のレグ1310Bがある。ブリッジの第2端部1302には、ブリッジから延びる幅広いブレード状のレグ1311Bがある。前記ブレード状のレグ1310B及び1311Bの先端は、鈍角に又は鋭角に構成できる。これらの2つのバージョ
ンは
図7Eに示される。
【0041】
前記ステープルインプラント1300、1300A、1300Bのブリッジ1305は、骨プレートのように幅が広く、例えば、TMT関節に存在する解剖学的ステップに対応するために段差がある。
図7Dは、前記ブリッジの2つの端部から延びる2つのレグ1310及び1311を含むステープルインプラント1300の概略的な側面図を示す。TMT関節のこのような解剖学的ステップを説明するために、楔状骨と第1中足骨は点線で表示される。
【0042】
前記ステープルインプラント1300、1300A、1300Bは、形状記憶材料からなり、これらのステープルインプラントは、その挿入形状と移植された形状との間で移動可能である。移植された形状の場合、骨切り又は骨折部位に圧縮荷重を加えるように予め調整される。
【0043】
図8A~10Iを参照すると、ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの様々な実施例が開示されている。このようなブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントは、母趾MTP、中足部、後足部から足首の癒合まで、任意の癒合手術に有用である。
図8Aを参照すると、ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1400は、プレート部1410及びブレード部1420を含む。前記プレート部1410は、骨ネジを収容するための1つ以上のネジ孔1412を含む。前記ネジ孔1412は、ロック、非ロック又は圧縮タイプとすることができ、1つの固定インプラント1400上のプレート部1410は、可能なネジ孔のタイプの全部、一部又は1つを含むことができる。前記ブレード部1420は、
図7Cに示すステープルインプラントの実施形態1300B上のブレード状のステープルレグ1310B、1311Bと同様である。
【0044】
図8Bは、他の実施形態によるブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1500を示す。前記ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1500は、プレート部1510及びブレード部1520を含む。前記プレート部1510は、骨ネジを収容するための1つ以上のネジ孔1512を含む。前記ネジ孔1512は、ロック、非ロック又は圧縮タイプとすることができ、1つの固定インプラント1500上のプレート部1510は、可能なネジ孔のタイプの全部、一部又は1つを含むことができる。前記ブレード部1520は、
図7Cに示すステープルインプラントの実施形態1300B上のブレード状のステープルレグ1310B、1311Bと同様である。しかし、前記ブレード部1520は、ガイドワイヤ又は固定ピンを収容するためにカニューレ状とすることができる。このように、前記ブレード部1520は、前記ブレード部1520の長さを通して延びる孔1530を含む。
【0045】
前記ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1500は、形状記憶材料からなり、従って、挿入形状と移植された形状との間で移動可能である。カニューレ状のブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1500が使用可能なステップは、(1)ブレードの挿入のためのガイドワイヤを骨片に配置するステップ、(2)ブレード挿入を可能にするために、ガイドワイヤの両側を穿孔するステップ、(3)ガイドワイヤ上方にカニューレ状のブレード部1520を挿入するステップ、(4)骨にブレード部1520を位置させるステップ、(5)プレート部1510が骨表面に対して適切に位置しているか確認するステップ、(6)骨ネジを使用してプレート部1510を骨に固定するステップ、そして、(7)ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1500が移植された形状に移動し、骨癒合部位に圧縮荷重を加えるようにするステップである。一部の実施形態において、ステップ(3)は、インプラントの温度を制御して、インプラントの挿入形状を保持することのできるハンドルを使って実行す
ることができる。次に、ステップ(7)において、ハンドルが取り外されて、ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1500が患者の体温に到達して、インプラントが移植された形状に移動することができるようになる。
【0046】
図9A~9Bは、ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1600の他の実施形態を示す。前記インプラント1600は、プレート部1610及びブレード部1620を含む。前記プレート部1610は、骨ネジSSを収容するための1つ以上のネジ孔1612を含む。前記実施形態は、母趾MP癒合に有用に構成される。前記ブレード部1620は、幾らか望む程の背屈(例えば、10°)及び外反屈曲(例えば、5°)が可能なように構成することができる。
【0047】
図10A~10Bは、ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1700の他の実施形態を示す。前記インプラント1700は、プレート部1710及びブレード部1720を含む。前記プレート部1710は、骨ネジSSを収容するための1つ以上のネジ孔1712を含む。前記実施形態は、TMT癒合術等の中足部に有用に構成される。また、同様に構成されたインプラントは、距舟関節癒合術に有用である。
【0048】
図10Cは、ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1800の他の実施形態を示す。前記インプラント1800は、プレート部1810及びブレード部1820(
図10Cに示さず)を含む。前記プレート部1810は、骨ネジを収容するための1つ以上のネジ孔1812を含む。前記実施形態は、舟状骨‐楔状骨癒合術に有用に構成される。
【0049】
図10Dは、ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント1900の他の実施形態を示す。前記インプラント1900は、プレート部1910及びブレード部1920(
図10Dに示さず)を含む。前記プレート部1910は、骨ネジを収容するための1つ以上のネジ孔1912を含む。前記実施形態は、踵骨‐楔状骨癒合術に有用に構成される。
【0050】
図10E~10Iは、ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラント2000の他の実施形態を示す。前記インプラント2000は、プレート部2010及びブレード部2020を含む。前記プレート部2010は、骨ネジを収容するための1つ以上のネジ孔2012を含む。前記実施形態は、足首の癒合手術に有用に構成される。
図10E~10Fは、側面からのインプラント2000の移植実施例を示す。
図10G~10Hは、前方からのインプラント2000の移植実施例を示す。
図10Iは、後方からのインプラント2000の移植実施例を示す。ブレード/プレートハイブリッド整形外科用固定インプラントの利点は、ステープルと同様に一定の圧縮荷重を提供し、且つ、骨プレートの固定安定性を提供することである。従って、ブレード/プレートハイブリッド固定インプラントは、ステープルよりもプレートとネジを好む整形外科医にとってより魅力的であり得る。
【0051】
図11は、TMT関節癒合術で使用するために構成された形状記憶材料の整形外科用固定インプラント2100の実施形態を示す。前記インプラント2100は、第1端部2101及び第2端部2102を有するブリッジ2105を含む。第1レグ2110は、第1端部2101から延び、第2レグ2111は、第2端部2102から延びる。前記インプラント2100は、第1及び第2レグ2110、2111の間のブリッジ2105から延びるさらなるレグ2112、2113及び2114をさらに含むことができる。前記レグ2111、2114は、第1楔状骨に適する長さで構成される。前記レグ2110、2112及び2113は、第1中足骨に適する長さで構成される。前記ブリッジ2105の形状は、第1楔状骨の傾斜と一致するように構成される。前記インプラント2100は、形
状記憶材料からなるため、挿入形状と移植された形状との間で移動可能である。
【0052】
図12A~12Bは、特に舟状骨‐楔状骨癒合術、特に内側及び中間楔状骨を舟状骨に癒合するために構成される形状記憶材料の整形外科用固定インプラント2200の実施形態を示す。
図12Aは、舟状骨、内側楔状骨及び中間楔状骨の位置を示す。前記インプラント2200の輪郭は2200Aで示され、前記インプラント2200が癒合するために3つの骨の上にどのように配置されるかを描いている。
【0053】
前記インプラント2200は、第1端部2201から第2端部2202に延び、舟状骨から内側楔状骨に延びる大きさを有する第1ブリッジ2205を含む。第1端部2201は、内側楔状骨を挿入するために、第1ブリッジから延びる2つのステープルレグ2210及び2214を含む。第2端部2202は、舟状骨に挿入するために第1ブリッジ2205から延びるステープルレグ2211を含む。前記第1ブリッジ2205は、第1ブリッジ2205から側方に延びる2つの第2ブリッジ2205A及び2205Bを含む。第2ブリッジ2205Aは、側方に延びており、第2ブリッジ2205Aから延びて、中間楔状骨近くの舟状骨に挿入するために位置するステープルレグ2212をさらに含む。第2ブリッジ2205Bは、第1ブリッジ2205から中間楔状骨に向かって側方に延びており、第2ブリッジ2205Bから延びて、中間楔状骨に挿入するために位置するステープルレグ2213をさらに含む。
【0054】
図13は、距骨下癒合術に使用するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用固定インプラント2300の実施形態を示す。前記インプラント2300は、距骨と踵骨との間の実質的な領域をカバーできるように、図示のように額縁状に構成されたブリッジ2305を含む。前記インプラント2300の一方の側のブリッジ2305から延びているのは、距骨に挿入するための複数のステープルレグ2310、2311及び2312である。示された実施例において、3つのステープルレグが設けられるが、前記インプラント2300は、必要に応じて、距骨に挿入するための異なる数のステープルレグを含むことができる。前記インプラント2300の反対側のブリッジ2305から延びているのは、踵骨に挿入するための複数の第2セットのステープルレグ2320、2321及び2322である。また、踵骨に挿入するための3つのステープルレグのみが示されているが、前記インプラント2300は、必要に応じて、踵骨に挿入するための異なる数のステープルレグを含むことができる。
【0055】
図14A~14Cは、小趾(lesser)中足骨の骨切り癒合に使用するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用固定インプラント2400の実施形態を示す。
図14Aは、第1端部2401及び第2端部2402を有するブリッジ2405を含むインプラント2400の斜視図を示す。2つの端部2401、2402には、それぞれブリッジ延長部2401a及び2402aが設けられ、前記ブリッジ2405を前記ブリッジ2405の縦軸に対して横方向に延ばす。前記ブリッジ延長部2401a、2402aの横方向は、縦軸に直交するか、又は他の所望の角度とすることができる。
【0056】
前記インプラント2400はまた、前記ブリッジ延長部2401a、2402aから延びる複数のステープルレグを含む。示された実施例において、2つのステープルレグ2410a、2410b及び2411a、2411bは、それぞれのブリッジ延長部2401a、2402aから延びる。前記ステープルレグ2410a及び2410bは、ブリッジ
延長部2401aから延びる。前記ステープルレグ2411a及び2411bは、ブリッジ延長部2402aから延びる。形状記憶材料でできているため、前記インプラント2400は、その挿入形状とその移植された形状との間で移動可能であり、前記移植された形状は、
図14B及び
図14Cに示す中足骨の骨切り術において圧縮荷重を提供するものである。
【0057】
図15A~15Cは、母趾中足骨関節癒合術に使用するために特別に構成された形状記憶材料の整形外科用固定インプラント2500の実施形態を示す。
図15Aは、第1端部2501及び第2端部2502を有するブリッジ2505を含むインプラント2500の斜視図を示す。第1端部2501には、ブリッジ延長部2501aが設けられ、ブリッジ2505の縦軸に対して横方向に前記ブリッジ2505を延ばす。前記ブリッジ延長部2501aの横方向は、縦軸に直交するか、又は他の所望の角度とすることができる。
【0058】
前記インプラント2500は、第2端部2502から延びるステープルレグ2520を含み、また、前記ブリッジ延長部2501aから延びる複数のステープルレグを含む。示された実施例において、2つのステープルレグ2510a、2510bは、ブリッジ延長
部2501aから延びる。前記インプラント2500はまた、ブリッジ延長部2501aと第2端部2502との間のブリッジ2505から延びるさらなる複数のステープルレグ2521、2522及び2523を含む。前記ブリッジ延長部2501aから延びる2つのステープルレグ2510a、2510bは、指骨に挿入するために構成されるのに対し
、ステープルレグ2520、2521、2522及び2523は、中足骨に挿入するために構成される。
【0059】
形状記憶材料からなる前記インプラント2500は、その挿入形状とその移植された形状との間で移動可能であり、前記移植された形状は、前後方向の
図15B及び15Cに示すように中足肢節関節に圧縮荷重を提供するものである。
【0060】
図16A及び
図16Bは、特に、ジョーンズ骨折を固定するために構成された形状記憶材料のステープルインプラント2600を示す。前記インプラント2600は、第1端部2601及び第2端部2602を含む。第1端部2601は、ジョーンズ骨折周囲に第5中足骨の遠位側と係合するように構成される。前記インプラント2600は、第1端部2601から延びる第1ステープルレグ2610を含む。第2端部2602は、ジョーンズ骨折周囲に第5中足骨の基部と係合するように構成される。前記インプラント2600は、第2端部2602から延びる第2ステープルレグ2620を含む。前記インプラント2600は、第1レグ2610と第2レグ2620との間のブリッジ2605から延びるさらなる複数のステープルレグをさらに含むことができる。示された実施例において、2つのさらなるステープルレグ2611及び2621が設けられる。第1レグ2610により近いステープルレグ2611は、ジョーンズ骨折周囲の第5中足骨の遠位部に挿入されるように構成される。第2レグ2620により近いステープルレグ2621は、第5中足骨の基部に挿入されるように構成される。
【0061】
図17A及び17Bは、特に、ジョーンズ骨折を固定するように構成された形状記憶材料のステープルインプラント2700の他の実施形態の図である。前記インプラント2700は、インプラント2600と同様であり、第1端部2701及び第2端部2702を有する。第1端部2701は、ジョーンズ骨折周囲の第5中足骨の遠位側と係合するように構成される。第2端部2702は、ジョーンズ骨折周囲の第5中足骨の基部と係合するように構成される。前記インプラント2700は、第1端部2701から延びる第1ステープルレグ2710を含む。前記インプラント2700は、第2端部2702から延びる第2ステープルレグ2720を含む。第1レグ2710と第2レグ2720との間のブリッジ2705から延びるさらなる複数のステープルレグをさらに含むことができる。示された実施例において、2つのさらなるステープルレグ2711及び2721が設けられる。第1レグ2710により近いステープルレグ2711は、ジョーンズ骨折周囲の第5中足骨の遠位部に挿入されるように構成される。第2レグ2720により近いステープルレグ2721は、第5中足骨の基部に挿入されるように構成される。
図16A及び
図17Bに示すように、ステープルインプラント2600、2700の第2端部2602及び27
02は、中足骨基部の輪郭及び形状と一致するように構成することができる。
【0062】
図18は、TMT関節周囲の解剖学的輪郭と一致するように構成されたステープルインプラント2800の他の実施形態を示す図である。前記ステープルインプラント2800は、ブリッジ2805と、その両端部でブリッジ2805から延びる第1ステープルレグ2810及び第2ステープルレグ2820と、を含む。前記ブリッジ2805は、解剖学的輪郭に沿うように10~20°屈曲して構成される。前記ブリッジ2805の10~20°の屈曲は、角度ωとして識別される。
【0063】
図19A~19Bは、母趾中足趾節骨の癒合のために構成されたステープルインプラント2900の他の実施形態の図である。前記インプラント2900は、母趾中足趾節MP関節周囲の解剖学的輪郭と一致するように湾曲したブリッジ2905を含む。
図19Aは、MP関節の上の位置に移植されたインプラント2900の側面図である。前記インプラント2900には、ブリッジ2905に対して解剖学的輪郭とより良好に一致するように、幾つかの背屈角度のオプションを提供することができる。
【0064】
図20A~20Bは、他の実施形態によるステープルインプラント3000の図である。前記インプラント3000は、距骨下癒合術に特に有用に構成される。前記インプラント3000は、ブリッジ3005と、前記ブリッジ3005の両端部から延びる2つのステープルレグ3010、3011と、を含む。前記ブリッジ3005は、距骨と踵骨の解剖学的輪郭と一致するように輪郭が形成される。
【0065】
図21A~21Dは、ネジを介して骨等に取り付けるのに適したプレート構造と、ホルダから解除されると骨又は組織に圧縮するニチノールステープル構造とを組み合わせた骨固定インプラント装置の図である。前記プレート構造と前記ニチノールステープル構造は、並んで結合された配列で配置される。前記プレートとそのネジは、ステープルレグに平行か、垂直か、又は別の角度であり得る。前記ニチノールメモリ圧縮は、レグ、プレート又はその両方であり得る。前記ニチノールレグは、多様なアライメント及び構成において1つのレグ又は複数のレグであり得る。この手術装置は、癒合又は骨折治療で骨面と対向するのに使用し得る。前記プレート/ネジの接合部分は、非ロック又はロック、或いはその両方が可能であり、当業者に公知の圧縮スロットを含み得る。前記プレートシステムは、適用面積によってユーティリティプレート(ストレート、T、L、H)及び解剖学的プレートを含む。
【0066】
図21A~21Dを参照すると、骨プレート部3115を含むハイブリッドインプラント3100のさらなる実施形態が記載されている。前記プレート部3115は、骨ネジSSを収容するための1つ以上のネジ孔3112を含む。また、ハイブリッドインプラント3100は、少なくとも3つのセグメント3105a、3105b及び3105cを含む
額縁状のブリッジを含む。
図21Aは、踵骨‐立方骨関節を癒合するために用いられるハイブリッドインプラント3100を示す図である。ブリッジの中間セグメント3105bは、骨片に挿入するための1つ以上の構造体3110を含む。1つ以上の構造体3110のそれぞれは、ブレード又はステープルレグであり得る。
図21Bは、
図21Aの配置の側面図を示す。
図21Bは、1つ以上の構造体3110が踵骨に挿入されることを示す。形状記憶材料からなる前記インプラント3100は、その挿入形状とその移植された形状との間で移動可能であり、前記移植された形状は、意図する癒合部位に圧縮荷重を提供するものであり、前記例においては、踵骨‐立方骨関節である。
【0067】
図21Cは、距舟関節を癒合するのに用いられるハイブリッドインプラント3100の実施例を示す。
図21Dは、
図21Cの配置の側面図を示す。
【0068】
図22A~22Fを参照すると、距骨下癒合ガイド4000が記載されている。前記癒合ガイド4000は、ガイドワイヤの位置決め及び再配置、確認X線等の繰り返しを必要としない、距骨下癒合ネジの正確かつ効率的な配置を考慮した、より精度の高い1本又は2本の距骨下癒合ネジの適切な配置を可能とする。
【0069】
精度の向上によって、手術時間が短縮され、距骨下癒合術をより成功へと導く。距骨下癒合に望ましい方法の1つは、配置において、踵骨と距骨にネジ固定される2本の骨ネジを使用することであり、これらを二重に分岐する。これは、
図22C及び22Dに示す2本のネジA及びBが、互いに異なる二方向に分岐することを意味する。
図22Cに示す踵骨及び距骨の側面図において、2本のネジA及びBは、足底‐足背方向に第1角度である角度‐1で互いに分岐する。
図22Dに示すような足背又は足底側から見ると、2本のネジA及びBは、横断面において第2角度である角度‐2で互いに分岐する。但し、前記構成において2本のネジA及びBを患者の足に適切に移植することは、外科医にとって非常に負担がかかり苛立たせることがおおい。
図22A~22B及び22E~22Fに示す癒合ガイド4000は、2本のネジA及びBのアライメントを目的とするプロセスをより簡単かつ正確にする。
【0070】
図22Aを参照すると、前記癒合ガイド4000は、第1端部4011及び第2端部4012を有する一般にC型ボディ4010を含む。前記癒合ガイド4000のボディは、示された実施例のようなC型に限定されない。前記癒合ガイド4000のボディは、2つの端部4011及び4012が記載のように患者の足の周囲に配置されるように位置する限り、所望の任意の他の形態であり得る。前記癒合ガイド4000は、患者の足の周囲に位置するように構成され、第1端部4011は、距骨ヘッドに位置するように構成され、第2端部4012は、かかとに位置するように構成される。第1端部4011は、ドロップピン4020を収容するためのスリーブとして機能する孔4011aを含む。第2端部4012は、足底‐足背方向において第1角度である角度‐1で、横断面において第2角度である角度‐2で分岐する、多少の深さとその縦軸を有する2つの孔4012a、4012bを含む。前記癒合ガイド4000はまた、2つの孔4012a、4012bに挿入される2つのカニューレスリーブ4030を含む。前記カニューレスリーブ4030は、それぞれカニューレ4032を含む。前記カニューレ4032は、ドリルビットをガイドするのに使用可能なガイドワイヤを収容するようにサイズ調整される。
【0071】
孔4012a、4012bに挿入されると、前記カニューレスリーブ4030のカニューレ4032は、2本の距骨下癒合ネジA及びBに対するそれぞれのターゲットラインT
A及びT
Bを規定するように配向する(
図22C及び22Dに示されている)。前記ターゲットラインT
AとT
Bは、二方向、即ち、足底‐足背方向の第1角度である角度‐1、及び横断面の第2角度である角度‐2に互いに分岐する。
図22Bは、この配置を示している。
図22Bにおいて、前記癒合ガイド4000は、距骨頭に位置するドロップピン4020により足の周りに置かれ、第2端部4012は、かかとに位置する。孔4012a、4012bに位置する2つのカニューレスリーブ4030は、それぞれのターゲットラインT
A及びT
Bを規定する。好ましい実施形態において、前記ターゲットラインT
Bは、ドロップピン4020の先端に向けられる。この時点で、外科医は、蛍光透視により適切なアライメントを確認でき、ガイドワイヤが、第2孔4012bのカニューレスリーブ4030を介してターゲットラインT
Bに沿って投じられる。その際、外科医は、蛍光透視によりガイドワイヤのアライメントを確認することができる。次に、第2ガイドワイヤが、第1孔4012aのカニューレスリーブ4030を介してターゲットラインT
Aに沿って投じられる。続いて、ガイドワイヤをガイドとして使用し、カニューレドリルビットにより、距骨下癒合ネジA及びB用の孔が穿孔される。次に、癒合ガイド4000のアセンブリを取り外して距骨下癒合ネジA及びBが足にネジ固定される。
【0072】
癒合ガイド4000を使用する一部の実施形態において、ネジA及びBのいずれか又はその両方のアライメントは、外科医が特定患者の解剖学的構造に基づいて必要であると判断した場合、自由な裁量で行うことができる。カニューレスリーブ4030を用いる代わりに、外科医は、第2端部4012の孔4012a、4012bを介してガイドワイヤを通すことができる。
【0073】
図22E及び22Fを参照すると、圧縮特徴部4050を含む癒合ガイド4000Aの実施形態が示されている。本実施形態において、癒合ガイド4000Aの本体は、2つの部分4010A及び4010Bを含む。2つの部分4010A、4010Bは、圧縮特徴部4050によって結合される。2つの部分4010A、4010Bは、2つの部分の一方を他方にはめ込むように構成され、癒合ガイド4000の第1端部4011と第2端部4012との間の距離を調整することができる。前記圧縮特徴部4050は、癒合ガイド4000の両端部間の所望の距離が達成された後、所望の位置で2つの部分4010A、4010Bをロックできるように構成される。
【0074】
前記圧縮特徴部4050のロック及びロック解除特徴部は、ネジ状のコレットに収容された2つの部分4010A、4010Bの一方と2つの部分4010A、4010Bの他方とに設けられたネジ状のコレットによって可能にすることができる。前記圧縮特徴部4050は、2つの部分4010A、4010B間の伸縮方式をロック及びロック解除するようにコレット上をスリップし、コレットとねじ込み式に係合するフェルール4050Aをさらに含むことができる。
【0075】
図23A~23Bは、整形外科用ステープルの移植に使用するための圧縮装置5000及びドリルガイド5100を示す図である。前記ドリルガイド5100は、ハンドル5105を含み、2つのドリルガイド5110及び5120を提供する分岐した構造を有する。第1ドリルガイドは、ガイド孔5111を含む。第2ドリルガイドは、ガイド孔5121を含む。前記ドリルガイド5100は、2つのドリルガイド5110及び5120が互いに向かって付勢して、2つのドリルガイド5110、5120間の距離を縮めることができ、前記ドリルガイド5100は、その構成を維持するように構成される。前記圧縮装置5000は、外科用プライヤのような構造を有する。前記圧縮装置5000は、ハンドル部5005及び2つの圧縮アーム5010及び5020を含む。(プライヤ又はハサミでするように)ハンドル部5005を共に閉じることにより、2つの圧縮アーム5010及び5020が閉じて、2つの圧縮アーム5010及び5020の間の領域に圧縮力が加わる。
【0076】
使用の際、前記ドリルガイド5100は、2つの骨片である遠位骨片B1と近位骨片B2との間の骨切り又は関節上に配置される。第1ドリルガイド5110は、遠位骨片B1上に位置し、第2ドリルガイド5120は、近位骨片B2上に位置する。ステープルレグを収容するための孔は、まず、第1ドリルガイド5110のガイド孔5111を介して遠位骨片B1に穿孔される。
図23Aに示すように、固定ピン又はペグ1が、ガイド孔5111を介して前記遠位骨片B1の穿孔された孔に位置する。次に、
図23Aに示すように、圧縮装置5000が使用され、2つのドリルガイド5110及び5120を共に圧縮する。この動作では、第1ドリルガイド5110が、ペグ1により遠位骨片B1に固定されているので、前記遠位骨片B1は、近位骨片B2に向かって移動する。
図23Bに示すように、2つの骨片B1、B2は、接触するまで圧縮される。続いて、第2ドリルガイド5120を用いて近位骨片B2に孔が穿孔され、近位骨片B2に第2ペグ2を位置するようにする。次に、前記ドリルガイド5100及び前記ペグを取り外して、整形外科用ステープルを穿孔された孔に配置し、2つの骨片B1、B2を圧縮状態に保つ。
【0077】
装置、キット、システム及び方法が、例示的な実施形態の観点から説明されたが、これ
らに限定されるものではない。むしろ、添付の請求の範囲は、前記装置、キット、システム及び方法の他の変形及び実施形態を含むように広範囲に解釈されるべきであり、これらは、前記装置、キット、システム及び方法の均等物の範囲及び範疇を逸脱することなく、当業者によって行われ得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端部及び第2端部を含むブリッジであって、前記ブリッジの第1端部及び第2端部のそれぞれに骨ネジを収容するための1つ以上の孔が形成されるブリッジと、
第1端部及び第2端部の間に設けられ、前記ブリッジから延びる第1レグ及び第2レグと、を含む、整形外科用インプラント。
【請求項2】
骨ネジ用の孔は、固定ネジのネジ頭を収容するようにネジ状である、請求項1に記載の整形外科用インプラント。
【請求項3】
少なくとも前記ブリッジ及びレグは、形状記憶材料からなる、請求項1に記載の整形外科用インプラント。
【請求項4】
第1端部及び第2端部を含むブリッジと、
前記ブリッジの第1端部から延びる第1レグと、
前記ブリッジの第2端部から延びる第2レグと、を含む、整形外科用インプラントであって、
前記整形外科用インプラントの少なくともブリッジの部分は、ブリッジが、挿入形状と移植された形状との間で移動可能なように形状記憶材料からなり、挿入形状の場合、前記ブリッジは、直線であり、移植された形状の場合、前記ブリッジは、第1レグ及び第2レグの延長方向とは反対方向に曲がり、第1レグと第2レグとが互いに向かって付勢する、整形外科用インプラント。
【請求項5】
縦軸を有し、第1端部及び第2端部を含むブリッジと、
第1端部及び第2端部のそれぞれに設けられるブリッジ延長部であって、前記ブリッジの縦軸に対して横方向に延びるブリッジ延長部と、
それぞれのブリッジ延長部から延びる複数のレグを含む、整形外科用インプラントであって、
前記整形外科用インプラントは、挿入形状と移植された形状との間で移動可能なように形状記憶材料からなり、
移植された形状において、複数のレグは、1つ以上の予め設定された方向に付勢されて1つ以上の予め設定された方向に圧縮荷重を生成する、整形外科用インプラント。
【請求項6】
移植された形状において、1つ以上の予め設定された方向は、ブリッジの縦軸と一直線となる平面で圧縮を生成する少なくとも1つの方向を含む、請求項5に記載の整形外科用インプラント。
【請求項7】
移植された形状において、1つ以上の予め設定された方向は、ブリッジの縦軸を横切る平面で圧縮を生成する少なくとも1つの方向を含む、請求項5に記載の整形外科用インプラント。
【請求項8】
前記横方向が、ブリッジの縦軸に対して直角でない、請求項7に記載の整形外科用インプラント。
【請求項9】
第1端部と第2端部との間のブリッジから延びる1つ以上のレグをさらに含む、請求項5に記載の整形外科用インプラント。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
一部の実施形態において、金属スペーサハイブリッド整形外科用ステープル100は、必要に応じて、さらなるレグセットをさらに含むことができる。
図1Aに示す実施例において、整形外科用ステープル100は、第2レグセット
120、121をさらに含む。第2レグセットの第1レグ120は、第1セットの第1レグ110と金属
スペーサ構造150との間に位置する。第2レグセットの第2レグ121は、第2レグ111と金属スペーサ構造150との間に位置する。さらなるレグセットは、整形外科用ステープル100が予め設定されている方法によって、さらなる圧縮力又は伸延力を提供することができる。
【外国語明細書】