IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テイコク ファーマ ユーエスエー インコーポレーテッドの特許一覧

特開2023-36825デクスメデトミジン経皮送達デバイスを用いた疼痛管理の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036825
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】デクスメデトミジン経皮送達デバイスを用いた疼痛管理の方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4174 20060101AFI20230307BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20230307BHJP
   A61K 31/485 20060101ALI20230307BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230307BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20230307BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230307BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20230307BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230307BHJP
【FI】
A61K31/4174
A61K9/70 401
A61K31/485
A61K45/00
A61K47/32
A61P25/04
A61P29/02
A61P43/00 121
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022206760
(22)【出願日】2022-12-23
(62)【分割の表示】P 2019522825の分割
【原出願日】2017-10-31
(31)【優先権主張番号】62/415,248
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/547,582
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502346286
【氏名又は名称】テイコク ファーマ ユーエスエー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100106080
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 晶子
(72)【発明者】
【氏名】ゴンソルブス,ローズ・マリー
(72)【発明者】
【氏名】首藤 十太郎
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ワン-ニン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,スティーヴン・シッピング
(57)【要約】      (修正有)
【課題】疼痛緩和に有効な量のデクスメデトミジンを対象に送達するように製剤化されたデクスメデトミジン組成物を含有する経皮送達デバイスを適用することによって対象にて疼痛を管理する方法を提供する。
【解決手段】デクスメデトミジン及び感圧接着剤を含むデクスメデトミジン組成物と、裏打ち層とを含む経皮送達デバイスを患者の皮膚表面に適用することを含む、方法とする。経皮送達デバイスが、外科処置より12時間~24時間前に患者の皮膚表面に適用されることが好ましい。
【選択図】図24A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象にて疼痛を管理する方法であって、前記方法が前記対象にて疼痛を管理するのに十分な方法で、
デクスメデトミジン及び感圧接着剤を含むデクスメデトミジン組成物と、
裏打ち層と
を含む経皮送達デバイスを対象の皮膚表面に適用することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記疼痛が、手術疼痛、周術期疼痛、術後疼痛、がんの疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、侵害受容性疼痛、体性痛、内臓痛、神経障害性疼痛、陣痛、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記手術疼痛が、骨モデル外科処置または軟組織モデル外科処置から生じる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記手術疼痛が、胸骨正中切開術、腹腔鏡検査、乳腺切除術、関節形成術、骨切り術、がん手術、膝手術、及び肩手術から成る群から選択される外科処置から生じる請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記外科処置が骨切り術である請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記骨切り術が腱膜瘤切除術である請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記経皮送達デバイスが前記外科処置より12時間~24時間前の時に前記対象の前記皮膚表面に適用される請求項2~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、150mcg~600mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記方法が、1mcg/時間~10mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、50pg/mL~250pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、3000時間×pg/mL~10000時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記方法がさらに、ある量の水分補給流体を前記対象に投与することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、
第1の点滴速度で第1の所定の時間、前記対象に前記水分補給流体を投与することと、
第2の点滴速度で第2の所定の時間、前記対象に前記水分補給流体を投与することとを
含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法がさらに、前記対象にオピオイドを同時投与することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記オピオイドがオキシコドンである請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、その出願の開示が参照によって本明細書に組み入れられる2016年10月31日に出願された米国仮特許出願第62/415,248号及び2017年8月18日に出願された米国仮特許出願第62/547,582号の出願日に対して優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
米国では疼痛は内科医受診の最も一般的な理由である。疼痛は現実のまたは潜在的な組織、骨、神経または細胞の損傷に関連する不愉快な感覚及び感情的な経験である。ほとんどの疼痛は、いったん疼痛性刺激が取り除かれ、身体が治癒していると速やかに解消するが、時には刺激の除去及び身体の明らかな治癒にもかかわらず、疼痛が持続することがある(Foye’s Principles of Medicinal Chemistry(Seventh Edition,2013),page 660)。
【0003】
米国では、毎年、全身麻酔のもとで約2000万の外科処置が行われる。外科疼痛または外科的もしくは外傷性の損傷の後で発生する疼痛は重篤であり、難治性の医学的問題であることが多い。疼痛は普通、手術部位の近傍の範囲内に局在する。外科疼痛は2つの臨床的に重要な態様、すなわち、安静時疼痛、または患者が動いていないときに活性する疼痛、及び動き(咳嗽/くしゃみ、ベッドから出る、理学療法、等)によって悪化する機械的疼痛を有することができる。大手術についての外科疼痛管理の主要な問題は、現在使用されている薬剤が種々の顕著な副作用を有することである。
【0004】
デクスメデトミジンは、メデトミジンのS-エナンチオマーであり、集中治療室で鎮静薬として使用され、且つ手術または短期処置のために鎮静を必要とする挿管された及び挿管されていない患者について麻酔医によって使用されるα-アドレナリン受容体のアゴニストである。α-アドレナリン受容体は、α2a、α2b及びα2c-アドレナリン受容体を含む3種の高度に相同性の亜型を含むGヘテロ三量体Gタンパク質に会合するGタンパク質共役受容体である。α-アドレナリン受容体のアゴニストは中枢神経系への効果を介して鎮静、筋弛緩及び鎮痛に関与する。
【0005】
デクスメデトミジンは静脈内投与を介して鎮静剤として臨床設定で使用されるので、病院の設定では医療専門家による綿密な監督を必要とする。デクスメデトミジンは現在、集中治療室での治療の間、挿管された対象または人工呼吸器を装着した対象の鎮静、と同様に非外科的処置に先立って及び/またはその間で挿管されていない対象の鎮静に採用されている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の態様は、疼痛緩和に有効な量のデクスメデトミジンを対象に送達するように製剤化されたデクスメデトミジン組成物を含有する経皮送達デバイスを適用することによって対象にて疼痛を管理する方法を含む。ある特定の実施形態に従って方法を実践することにおいて、デクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスが対象に適用され、対象にて疼痛を管理するのに有効な量のデクスメデトミジンを送達するのに十分な方法で対象と接触して維持される。一部の実施形態では、方法は対象に水分補給することを含む。ある特定の実施形態に係る方法は対象にオピオイドを同時投与することも含んでもよい。提供されるのはまた、主題の方法を実践するのに十分なデクスメデトミジンを送達するように構成される経皮送達デバイス、と同様に経皮送達デバイスを含有するキットである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るポリイソブチレン/ポリブテンと架橋したポリビニルピロリドン接着剤とを含むデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図2】パネルA一実施形態に係る経時的なデクスメデトミジンの累積送達量の例を示す図である。パネルB一実施形態に係る非官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。パネルC一実施形態に係る経時的なデクスメデトミジンの利用の例を示す図である。
図3】一実施形態に係る非官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図4】一実施形態に係る酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図5】別の実施形態に係るヒドロキシル官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図6】別の実施形態に係るヒドロキシル官能化アクリレート接着剤と酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレート接着剤とを有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図7A】A~Bは、一実施形態に係る非官能化アクリレート接着剤とヒドロキシル官能化アクリレート接着剤と酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレート接着剤とを有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図7B】A~Bは、一実施形態に係る非官能化アクリレート接着剤とヒドロキシル官能化アクリレート接着剤と酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレート接着剤とを有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図8】別の実施形態に係るカルボン酸官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図9】別の実施形態に係る酢酸ビニルを含有し、官能基としてのカルボキシル基及びヒドロキシル基を含むアクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図10】一実施形態に係るカルボン酸官能化アクリレート接着剤を含むポリイソブチレン/ポリブテン接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図11】一実施形態に係る溶解度向上剤であるレブリン酸を含むポリイソブチレン/ポリブテン接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図12】一実施形態に係る溶解度向上剤である乳酸ラウリルを含むポリイソブチレン/ポリブテン接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図13】一実施形態に係る溶解度向上剤であるモノラウリン酸プロピレングリコールを含むポリイソブチレン/ポリブテン接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図14A】一実施形態に係るレブリン酸を含む酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図14B】一実施形態に係るポリビニルピロリドンを含む酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図14C】一実施形態に係るカルボン酸官能化アクリレート接着剤を含む酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図15】一実施形態に係るレブリン酸、オレイン酸またはカルボン酸で官能化したアクリレート接着剤の非存在下または存在下でアクリレート感圧接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図16】別の実施形態に係るカルボン酸官能化アクリレート接着剤を含む酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図17】別の実施形態に係るオレイン酸またはカルボン酸で官能化したアクリレート接着剤を含む酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図18】別の実施形態に係る、たとえば、カルボン酸官能化アクリレート接着剤、乳酸ラウリルまたはオレイン酸のような溶解度向上剤と共に酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレート接着剤を有するデクスメデトミジン経皮組成物についての経皮送達デバイスの適用時間の関数としての平均デクスメデトミジン流量のプロットの例を示す図である。
図19】種々の製剤からの時間に関するデクスメデトミジンの平均試験管内皮膚流量を示す図である。
図20】種々の製剤からの2つの異なる皮膚試料における流量を示す図である。
図21】種々の製剤からの2つの異なる皮膚試料における流量を示す図である。
図22】一実施形態に係るプラセボと比べたデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスの適用に続く患者の疼痛評価の比較を示す図である。
図23】一実施形態に係るプラセボと比べたデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスの適用に続く患者による術後の経時的な救済薬剤の使用を示す図である。
図24A】別の実施形態に係るプラセボと比べたデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスの適用に続く患者の疼痛評価の比較を示す図である。
図24B】別の実施形態に係るデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスの適用に続く患者におけるデクスメデトミジンの血漿濃度を示す図である。
図25】実施形態に係るWilson鎮静評定スケールに従ってプラセボ貼付剤で適用されたものと比べたデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスが適用された患者の鎮静状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の態様は、疼痛緩和に有効な量のデクスメデトミジンを対象に送達するように製
剤化されたデクスメデトミジン組成物を含有する経皮送達デバイスを適用することによって対象にて疼痛を管理する方法を含む。ある特定の実施形態に従って方法を実践することにおいて、デクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスが対象に適用され、対象にて疼痛を管理するのに有効な量のデクスメデトミジンを送達するのに十分な方法で対象と接触して維持される。一部の実施形態では、方法は対象に水分補給することを含む。ある特定の実施形態に係る方法は対象にオピオイドを同時投与することも含んでもよい。提供されるのはまた、主題の方法を実践するのに十分なデクスメデトミジンを送達するように構成される経皮送達デバイス、と同様に経皮送達デバイスを含有するキットである。
【0009】
本発明がさらに詳細に記載される前に、本発明は、記載されている特定の実施形態に限定されず、それゆえ当然ながら変化してもよいことが理解されるべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用されている専門用語は特定の実施形態を説明するだけの目的のためのものであって限定を意図するものではないことも理解されるべきである。
【0010】
値の範囲が提供される場合、文脈が明瞭に指示しない限り、その範囲の上限と下限の間の下限の単位の10分の1までの各介在する値及びその言及された範囲における任意の他の言及されたまたは介在する値は本発明の範囲内に包含されることが理解される。これらのさらに小さい範囲の上限及び下限は独立してさらに小さな範囲に含められてもよく、本発明の範囲内にも包含され、言及される範囲における特に排除される端の対象となる。言及される範囲が一方または双方の端を含む場合、それらの含まれる端のいずれかまたは双方を排除する範囲も本発明に含まれる。
【0011】
特定の範囲は本明細書では、用語「約」が先行する数値で提示される。用語「約」は、それが先行する正確な数についての文字支援を、と同様に用語が先行する数に近いまたは近似的にその数である数についての文字支援を提供するために本明細書で使用される。数が具体的に引用された数に近いかどうか、または近似的にその数であるかどうかを判定することにおいて、近いまたは近似的な引用されなかった数は、それが提示される文脈では、具体的に引用された数の実質的に同等物を提供する数であってもよい。
【0012】
特に定義されない限り、本明細書で使用されている専門用語及び科学用語はすべて本発明が属する当該技術の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものに類似するまたはそれらと同等である任意の方法及び物質を本発明の実践または試験で使用することもできるが、代表的で説明に役立つ方法及び物質がここでは記載される。
【0013】
本明細書で引用されている出版物及び特許はすべて、各個々の刊行物または特許が具体的に且つ個々に参照によって組み入れられるように指示されたかのように参照によって本明細書に組み入れられ、且つ併せて刊行物が引用される方法及び/または物質を開示し、記載するように参照によって本明細書に組み入れられる。刊行物の引用は、出願日に先立つその開示のためであり、本発明が前の発明によりそのような刊行物に先行する権利が与えられないという承認として解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、独立して確認される必要があってもよい実際の出願日とは異なってもよい。
【0014】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、文脈が明瞭に指示しない限り、単数形態「a」、「an」及び「the」は複数の指示対象を含むことが言及される。特許請求の範囲は任意の要素を排除するように書かれてもよいことがさらに言及される。そのようなものとして、この言及は、クレーム要素の引用または「否定的な」限定の使用と併せて「単に」、「のみ」等のような排他的な専門用語の使用についての先行詞として役立つように意図される。
【0015】
本開示を読む際に当業者に明らかなように、本明細書に記載され、説明されている個々の実施形態のそれぞれは、本発明の範囲または精神から逸脱することなく他の幾つかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離されてもよい、または容易にそれらと組み合わせてもよい個別の校正要素及び特徴を有する。任意の引用された方法は、引用された事象の順に、または理論的に可能である他の順で実施することができる。
【0016】
本発明の種々の実施形態をさらに記載することにおいて、デクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスを対象に適用し、非鎮静量のデクスメデトミジンを対象に送達するのに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持する方法が先ず詳細に概説される。次に、主題の方法を実践するのに好適な経皮送達デバイスが記載される。対象とする経皮送達デバイスを含むキットが次いで概説される。
【0017】
デクスメデトミジン経皮送達デバイスによって疼痛を管理する方法
本発明の態様は、疼痛を経験している対象に疼痛緩和に有効な量のデクスメデトミジンを送達するように製剤化されたデクスメデトミジン組成物を含有する経皮送達デバイスを適用することによって疼痛を管理する方法を含む。本発明の実施形態に係る方法を実践することにおいて、デクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスが対象に適用され、対象に疼痛緩和に有効な量のデクスメデトミジンを送達するのに十分な方法で対象と接触して維持される。用語「経皮」は、活性剤(すなわち、薬剤)が全身性分布のために皮膚(たとえば、局所投与)または粘膜を横切って送達される投与の経路を指すためにその従来の意味で使用される。そのようなものとして、本明細書に記載されているような経皮デクスメデトミジン組成物には、角質層、胚芽層、有棘層及び基底層を含む皮下組織、真皮及び表皮の1以上を介して対象にデクスメデトミジンを送達するように製剤化される組成物が含まれる。従って、経皮デクスメデトミジン組成物を含有する時間延長された経皮送達デバイスは、たとえば、腕、脚、臀部、腹部、背部、首、陰嚢、膣、顔面、耳の後ろ、及び頬内、と同様に舌下のような従来の位置で適用されてもよい。本発明の方法を記載することにおいて、用語「対象」は経皮送達デバイスが適用され、接触して維持される人または生物を意味する。そのようなものとして、本発明の対象には、哺乳類、たとえば、ヒト及び他の霊長類、たとえば、チンパンジー及び他の類人猿及びサル種、等が挙げられてもよいが、これらに限定されず、ある特定の実施形態では、対象はヒトである。用語、対象はまた、任意の年齢、体重または他の身体的特徴の人または生物を含むことにし、その際、対象は、成人、小児、乳児または新生児であってもよい。
【0018】
デクスメデトミジンの経皮投与は受動的であってもよいし、または能動的であってもよい。「受動的」輸送とは、デクスメデトミジン組成物が、適用されるエネルギー(たとえば、摩擦または熱)の非存在下で皮膚または粘膜を横切って送達されることを意味し、主としてバリア(たとえば、皮膚または粘膜)の透過性に依存し、送達のエントロピーによる。しかしながら、ある特定の実施形態に係る経皮投与は皮膚または粘膜を横切るデクスメデトミジン組成物の能動輸送も含んでもよい。能動輸送は、適用されたエネルギーと併せて皮膚または粘膜を通って組成物を輸送するのに十分な任意の従来のプロトコールであることができ、それには、幾つかあるプロトコールの中で特に、微細針送達、促進拡散、電気化学的に作られる勾配、イオン導入系が挙げられてもよいが、これらに限定されない。
【0019】
一部の実施形態では、方法には、疼痛を経験している対象にデクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスを適用することと、疼痛緩和に有効な量のデクスメデトミジンを対象に送達するのに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持することとが含まれる。疼痛緩和に有効な量によって、少なくとも一部の、実質的でなくても、対象によって経験されるような疼痛緩和を提供する量を意味し、ある場合には、疼痛緩和の量は
疼痛の感覚または知覚の完全な停止である。疼痛緩和の量は従来のプロトコールを用いて定量されてもよく、またはさもなければ評価されてもよい。
【0020】
他の実施形態では、方法には、疼痛を経験していない対象にデクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスを適用することと、対象にて疼痛の量を抑えるのに効果的である量のデクスメデトミジンを送達するのに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持することとが含まれる。「疼痛の量を抑える」とは、疼痛を経験していない対象に経皮送達デバイスを適用し、対象と接触して維持する場合、デクスメデトミジンを含有する主題の経皮送達デバイスを適用されなかった対象に比べて、対象は疼痛誘発事象(たとえば、手術のような身体的外傷)に応答して少なくとも少ない疼痛を経験するであろうことを意味する。たとえば、デクスメデトミジンを含有する主題の経皮送達デバイスが疼痛を経験していない対象の皮膚表面に適用され、疼痛誘発事象(たとえば、手術)に応答して対象が経験する疼痛の量を5%以上、たとえば、10%以上、たとえば、15%以上、たとえば、25%以上、たとえば、50%以上、たとえば、75%以上、たとえば、90%以上、たとえば、95%以上、且つ99%以上低下させる方法で対象と接触して維持されてもよい。場合によっては、主題の経皮送達デバイスは、疼痛誘発事象に応答して対象が経験する疼痛をすっかり排除する(すなわち、疼痛の量を100%減らす)のに十分な量のデクスメデトミジンを、疼痛を経験していない対象に送達するように構成される。以下でさらに詳細に記載されているように、疼痛誘発事象(たとえば、手術)の前に経皮送達デバイスが対象に適用される時間の量は変化してもよく、たとえば、経皮送達デバイスに存在するデクスメデトミジンの量及び疼痛誘発事象の種類のような多数の因子に左右されてもよい。ある場合には、経皮送達デバイスは、疼痛誘発事象(たとえば、外科手術)の1時間以上、たとえば、2時間以上、たとえば、3時間以上、たとえば、4時間以上、たとえば、6時間以上、たとえば、8時間以上、たとえば、12時間以上、たとえば、16時間以上前に、且つ24時間以上を含めて前に対象の皮膚表面に適用されてもよい。
【0021】
ある場合には、対象に送達されるデクスメデトミジンの量は非鎮静量である。「非鎮静」とは、デクスメデトミジン組成物が、対象の完全な鎮静状態を引き起こさない量のデクスメデトミジンを対象に送達するように製剤化されることを意味する。言い換えれば、対象は、デクスメデトミジンが経皮で対象に投与されている時間全体を通して意識があり、応答し続ける。場合によっては、デクスメデトミジン経皮組成物の投与の全体を通して、対象は、協力的であり、見当識が保たれ、穏やかな状態のままである。他の例では、デクスメデトミジン経皮組成物の投与の全体を通して、対象は、覚醒したままであり、指図(たとえば、口頭でのまたは書面での指図)に応答することができる。さらに他の例では、デクスメデトミジン経皮組成物の投与全体を通して、対象は、覚醒し、協力的な、見当識が保たれた且つ穏やかな状態にあり、指図(たとえば、口頭でのまたは書面での指図)に応答することができる。非鎮静には本明細書で使用されるとき、たとえば、上記に記載されているような好適な鎮静スケールを用いて判定されるとき、一部の鎮静が存在する例が含まれる。ある場合には、対象は完全に鎮静状態にあるわけではない。用語「完全に鎮静状態にあるわけではない」とは、対象は少なくとも一部の鎮静状態を経験するが、軽度の物理的刺激または口頭の指図によって覚醒できることを意味する。たとえば、対象が完全に鎮静状態にあるわけではない場合、リラックスした身体で対象の眼は閉じてもよいが、たとえば、医療関係者による1以上の物理的刺激によってまたは指図で起こすことができる。
【0022】
鎮静のレベルを判定するのに好適なプロトコールには、鎮静のレベルを判定する従来のプロトコールの中でも特に、Ramsay鎮静スケール、Vancouver鎮静回復スケール、CookとPalmaによって改変されたGlasgow昏睡スケール、心地よさスケール、New Sheffield鎮静スケール、鎮静・興奮スケール、及び運動活動評価スケール、Wilson鎮静スコアが挙げられてもよいが、これらに限定されな
い。
【0023】
一部の実施形態では、方法はさらに、対象の鎮静のレベルを評価して、非鎮静量のデクスメデトミジンを送達するように製剤化された経皮送達デバイスの投与から応答性または認知もしくは運動の活動における低下が生じているかどうかを判定することを含んでもよい。鎮静のレベルは上記で言及されたもののような従来のプロトコールによって評価されてもよい。ある特定の実施形態では、鎮静のレベルはWilson鎮静スケールを用いて評価され、その詳細は、「sedationsolutions.co.uk/training-series6.php」の前に「http://www.」を置くことによって生じるウェブサイト及び以下:
Wilson鎮静スコア
(1)完全に意識がはっきりし、見当識が保たれる
(2)うとうとする
(3)眼を閉じているが、指図に覚醒できる
(4)眼を閉じているが、軽度の物理的刺激(耳たぶを引っ張る)に覚醒できる
(5)眼を閉じているが、軽度の物理的刺激に覚醒できない;
で利用できる。
【0024】
一部の実施形態では、主題のデクスメデトミジン経皮組成物の投与の間、対象の鎮静のレベルが評価され、対象が1のWilsonスコアに割り当てられる場合を含めて、2以下のWilsonスコアのような3以下のWilsonスコアに割り当てられる。これらの場合、デクスメデトミジン経皮送達デバイスによるデクスメデトミジンの投与の全体を通して、対象は、眉間を軽く叩くことまたは大声の聴覚刺激に対する活発な応答を示す。他の例では、デクスメデトミジン経皮デバイスの適用の全体を通して、対象は口頭の指図に応答する。さらに他の例では、デクスメデトミジン経皮デバイスの適用の全体を通して、対象は協力的であり、見当識を保ち、穏やかである。さらに他の例では、経皮送達デバイスによるデクスメデトミジンの投与の全体を通して、対象は不安であり、興奮し、または落ち着きがない。他の例では、経皮デバイスによる主題のデクスメデトミジンの投与の間、対象の鎮静のレベルが評価され、対象は4のWilsonスコアに割り当てられる。これらの例では、対象は、完全には鎮静されていないと同定されてもよい。
【0025】
対象の鎮静のレベルは方法の間どんな時でも評価されてもよい。ある場合には、定期的な間隔で、たとえば、0.25時間ごとに、0.5時間ごとに、1時間ごとに、2時間ごとに、4時間ごとに、または他の間隔で、対象と接触して時間延長した経皮送達デバイスを維持しながら鎮静のレベルが評価される。たとえば、経皮送達デバイスを適用した8時間後を含む、対象に経皮送達デバイスを適用した15分後、経皮送達デバイスを適用した30分後、経皮送達デバイスを適用した1時間後、経皮送達デバイスを適用した2時間後、経皮送達デバイスを適用した4時間後、対象と接触して経皮送達デバイスを維持しながら、鎮静のレベルが評価されてもよい。
【0026】
対象の鎮静のレベルは、投与間隔の間に1回以上、投与間隔の前に、その間に、またはその後で、5回以上を含むたとえば、2回以上、たとえば、3回以上評価されてもよい。対象が投与間隔の間に評価されてもよい回数の上限は、ある場合には、10回以下、たとえば7回以下、たとえば5回以下、たとえば3回以下であり、且つ2回以下を含む。ある特定の実施形態では、対象が投与間隔の間に評価されてもよい回数は、たとえば2回~10回、たとえば3回~9回、たとえば4回~8回であり、且つ5回~7回を含む。
【0027】
ある特定の実施形態では、鎮静レベルは、たとえば、心拍モニター、呼吸モニター、によってまたはビデオモニターの助けを借りた視覚的観察によって、経皮送達デバイスが対象と接触して維持される時間全体を通してモニターされてもよい。
【0028】
一部の実施形態では、管理されている対象は、非鎮静状態であり、目が覚めており、覚醒し、見当識が保たれ、明瞭であり、質問または要求を含む口頭または書面での指図に応答することができる。たとえば、投与が始まるとき、対象は非鎮静状態であってもよい。他の実施形態では、投与が始まるとき対象は非鎮静状態であり、1以上の投与間隔全体を通して(すなわち、対象とするデクスメデトミジン経皮送達デバイスが対象と接触して維持される時間)非鎮静状態のままである。さらに他の実施形態では、投与が始まるとき対象は非鎮静状態であり、管理プロトコールの全体を通して非鎮静状態のままである。
【0029】
さらに他の実施形態では、対象に送達されるデクスメデトミジンの量は鎮静量である。「鎮静の」とは、デクスメデトミジン組成物が対象の鎮静を引き起こす量のデクスメデトミジンを対象に送達するように製剤化されることを意味する。そのような実施形態では、患者は5を含む4以上のWilsonスコアを有してもよく、上記に記載されているような場合、対象が4のスコアに割り当てられるならば、対象は完全には鎮静されていないものと見なされてもよい。
【0030】
上記に要約されているように、本発明の実施形態に係る方法を実践することにおいて、デクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスが対象に適用され、対象にて疼痛を管理するのに効果的な量のデクスメデトミジンを送達するのに十分な方法で対象と接触して維持される。用語「疼痛」は現実のまたは潜在的な組織の損傷に関連する不愉快な感覚及び感情的な経験を指すのにその従来の意味で使用され、そのような損傷という点で記載される(たとえば、国際疼痛学会によって定義されているような)。場合によっては、疼痛には対象にて苦しみを引き起こす感覚的経験が含まれる。実施形態では、疼痛には、疼痛の種類の中でも特に、急性疼痛、慢性疼痛、神経障害痛、がんに関連する疼痛、術後疼痛、中程度から重度の疼痛、陣痛、周術期の疼痛が挙げられてもよいが、これらに限定されない。一部の実施形態では、主題の方法及びデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスは、術前及び術後の鎮痛のための、と同様に陣痛及び出産の間またはその後での産科の鎮痛のための麻酔を補完するのに使用される。
【0031】
一部の実施形態では、疼痛は手術疼痛である。手術疼痛(相互交換可能に称される「手術後の」、「切開後の」または「外傷後の疼痛」)は個体の組織の中への切断、穿刺、切開、裂傷、または創傷のような外的な外傷から発生するまたは生じる疼痛を指す(侵襲性であろうと、非侵襲性であろうと外科処置から発生するものを含む)。本発明の実施形態に従って治療されてもよい手術疼痛には、周術期疼痛、たとえば、外科処置の間及び/またはその後経験される疼痛、と同様に手術後の疼痛、たとえば、外科処置の後で経験される疼痛が挙げられる。本明細書で使用されるとき、「手術疼痛」には外的な物理的外傷がなくて発生する疼痛は含まれない。一部の実施形態では、手術疼痛は内的なまたは外的な疼痛であり、創傷、切断、外傷、裂傷、または切開は偶然(外傷性創傷と同様に)または意図的に(手術切開と同様に)発生してもよい。本明細書で使用されるとき、「疼痛」には、痛覚及び痛みの感覚が含まれ、疼痛は疼痛スコア及び他の方法を用いて、たとえば、当該技術で周知のプロトコールによって客観的に及び主観的に評価することができる。手術疼痛には本明細書で使用されるとき、異痛(すなわち、正常では疼痛を誘発しない刺激による疼痛)及び痛覚過敏(すなわち、正常に痛みを伴う刺激に対する高い応答)が含まれ、それらは同様にして実際上、熱的であり、または機械的(触知性)であることができる。一部の実施形態では、疼痛は、熱感受性、機械的感受性、及び/または安静時疼痛(たとえば、外的刺激の非存在下で持続する疼痛)を特徴とする。一部の実施形態では、手術疼痛には、機械的に誘発される疼痛または安静時疼痛が挙げられる。他の実施形態では、手術疼痛には安静時疼痛が挙げられる。疼痛は一次疼痛(たとえば、疼痛の原因となる事象から直接生じる)または二次疼痛(たとえば、疼痛の原因となる事象に関連し、それから直接的には生じない)であることができる。
【0032】
本発明の態様には、疼痛について対象を治療する方法が含まれる。一部の実施形態では、方法には、異痛、痛覚過敏、熱で誘発される疼痛、機械的に誘発される疼痛、または安静時疼痛の1以上のような手術疼痛について対象を治療する方法が含まれる。たとえば、手術疼痛には、機械的に誘発される疼痛及び/または安静時疼痛を挙げることができる。場合によっては、手術疼痛には安静時疼痛が挙げられる。「治療すること」または「治療」とは、対象を苦しめる状態に関連する症状の少なくとも抑制または改善を意味し、その際、抑制及び改善は、パラメータ、たとえば、疼痛のような治療される状態に関連する症状の大きさでの少なくとも低下を指すのに広義に使用される。そのようなものとして、治療には、状態が完全に抑制される、たとえば、発生するのが妨げられる、または完全に停止される、たとえば、終結するので、対象はもはや状態を経験しない状況も含まれる。そのようなものとして、治療には、状態を予防すること及び管理することの双方が含まれる。ある特定の実施形態では、異痛が、抑制され、改善され、及び/または防がれ、一部の実施形態では、痛覚過敏が抑制され、改善され、及び/または防がれる。ある場合には、疼痛は慢性疼痛である。他の場合では、疼痛は外的な外傷、創傷または切開の1以上の部位(複数可)、その近傍及び/または近くにある。主題の方法の追加の態様には、経皮送達デバイスにより主題のデクスメデトミジンを投与することによって手術疼痛の発生または進行を改善する及び/または防ぐ方法が含まれる。
【0033】
上記で議論されたように、方法には、ある場合には、デクスメデトミジンと感圧接着剤とを含有するデクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスを非鎮静状態であってもよい対象の皮膚表面に適用することと、対象にて疼痛を管理する時間にわたって有効量のデクスメデトミジンを送達するのに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持することとが含まれる。上記で議論されたように、量は所望のように鎮静作用がなくてもよいし、または鎮静作用があってもよい。非鎮静量は患者の応答または覚醒を可能にしてもよく、Wilson鎮静スコアで2以下を含む3以下のスコアに関係してもよい。「疼痛を管理すること」または「疼痛の管理」とは、疼痛の少なくとも抑制または改善を意味し、その際、抑制及び改善は疼痛の大きさでの少なくとも低下を指す。
【0034】
一部の実施形態では、方法には、対象への時間延長した経皮送達が含まれる。「時間延長した経皮送達」とは、経皮投与が、延長した時間にわたって、たとえば、1時間以上、たとえば2時間以上、たとえば4時間以上、たとえば8時間以上、たとえば12時間以上、たとえば24時間以上、たとえば48時間以上、たとえば72時間以上、たとえば96時間以上、たとえば120時間以上、たとえば144時間以上を含み、且つ168時間以上を含む、時間、日数の経過及び週を含む経過にわたってデクスメデトミジン組成物の送達を提供するように製剤化されることを意味する。上記の範囲について、時間の上限は、ある場合には、168時間以下、たとえば144時間以下、たとえば120時間以下、たとえば96時間以下、たとえば72時間以下、たとえば48時間以下であり、且つ24時間以下を含む。ある特定の実施形態では、時間延長された経皮送達は、たとえば0.5時間~168時間、たとえば1時間~144時間、たとえば1.5時間~120時間、たとえば2時間~96時間、たとえば2.5時間~72時間、たとえば3時間~72時間に及ぶ。
【0035】
一部の実施形態では、デクスメデトミジン組成物の持続放出経皮投与には、対象の皮膚に適用される治療上有効な量のデクスメデトミジン活性剤の複数日送達が含まれる。複数日送達とは、経皮組成物は、経皮送達デバイスが対象の皮膚に、1日以上、たとえば2日以上、たとえば4日以上、たとえば7日以上、たとえば14日以上であり、且つ30日以上を含む時間適用される場合、治療上有効な量を対象に提供するように製剤化されることを意味する。複数日送達については、時間の上限は、ある場合には、30日以下、たとえば28日以下、たとえば21日以下、たとえば14日以下、たとえば7日以下であり、且
つ3日以下を含む。ある特定の実施形態では、複数日経皮送達は、たとえば2日~30日、たとえば2日~15日、たとえば2日~7日、たとえば2日~4日に及び、且つ2日~4日、たとえば、3日、または4日に及ぶ。
【0036】
採用される特定のプロトコールに応じて、本発明の実施形態に係る疼痛の管理には1以上の管理投与間隔が含まれてもよい。用語「投与間隔」は、経皮送達デバイスを適用し、対象と接触して経皮送達デバイスを維持する単回投与の持続時間を意味するのに従来の意味にて本明細書で使用される。言い換えれば、投与間隔は、経皮デクスメデトミジン組成物を対象の皮膚または粘膜に適用することで開始し、対象との接触から経皮デクスメデトミジン組成物を取り外すことで終了する。そのようなものとして、投与間隔は、ある量のデクスメデトミジンが対象の皮膚または粘膜に接触している時間であり、約0.5時間以上、たとえば1時間以上、たとえば2時間以上、たとえば4時間以上、たとえば8時間以上、たとえば12時間以上、たとえば16時間以上、たとえば20時間以上、たとえば24時間以上、たとえば30時間以上、たとえば36時間以上、たとえば48時間以上、たとえば72時間以上、たとえば96時間以上、たとえば120時間以上、たとえば144時間以上続いてもよく、且つ168時間以上を含めて続いてもよい。投与間隔についての持続時間の上限時間は、ある場合には、168時間以下、たとえば144時間以下、たとえば120時間以下、たとえば96時間以下、たとえば72時間以下、たとえば48時間以下であり、且つ40時間以下を含む。特定の実施形態では、投与間隔の持続時間は、0.5時間~168時間、たとえば24時間~144時間、たとえば30時間~120時間、たとえば36時間~96時間、たとえば48時間~84時間、たとえば60時間~84時間、たとえば66時間~78時間、たとえば、72時間に及ぶ。
【0037】
用語「管理プロトコール」は本明細書で使用されるとき、デクスメデトミジン経皮送達デバイスの所望の治療効果を生じるのに十分な1以上の逐次の投与間隔を指す。ある特定の実施形態では、プロトコールは単一の投与間隔を含むので、1以上の経皮デバイスで構成されるたった1つの用量が対象に適用される。そのような例では、単一の経皮送達デバイスが対象に適用されてもよい。そのような実施形態の他の例では、2以上の別個の経皮送達デバイスが実質的に同時に対象に適用されてもよい。これらの例では、4以上を含む、2以上、たとえば3以上が実質的に同時に対象に適用される。ある特定のこれらの例では、対象に適用される別個の経皮送達デバイスの数は10以下、たとえば、8以下、6以下を含んで、たとえば、5以下である。「実質的に同時」とは、複数の経皮送達デバイスが同じ時に、すなわち、同時にまたは各経皮送達デバイスの投与間の最少時間間隔で順次適用されることを意味し、その際、最少時間間隔は変化してもよいが、ある場合には、範囲は10分以下、たとえば、5分以下、2分以下を含めて、たとえば、1分以下、たとえば、15秒以下を含めて30秒以下である。そのようなものとして、これらの実施形態にて複数の経皮送達デバイスの投与間に時間間隔が存在するならば、間隔はあったとしても、経皮送達デバイスからの対象への活性剤送達プロファイルに対して実際的な影響をほとんど有さない。
【0038】
ある特定の実施形態では、プロトコールには複数の投与間隔が含まれてもよい。「複数の投与間隔」とは、1を超える経皮送達デバイスが適用され、逐次的方法で対象と接触して維持されることを意味する。そのようなものとして、経皮送達デバイスを対象との接触から取り外し、新しい経皮送達デバイスを対象に再適用する。本発明の方法を実践することにおいて、管理投薬計画には、10以上の投与間隔を含めて、2以上の投与間隔、たとえば3以上の投与間隔、たとえば4以上の投与間隔、たとえば5以上の投与間隔が含まれてもよい。
【0039】
複数の投与間隔の管理プロトコールにおける投与間隔の間での持続時間は対象の生理機能に応じて、または医療専門家により決定されるような管理プロトコールによって変化し
てもよい。たとえば、複数の投与間隔の管理プロトコールにおける投与間隔の間での持続時間は予め定められ、規則的な間隔で続いてもよい。そのようなものとして、投与間隔の間での時間は変化してもよく、30日以上を含めて、1日以上、たとえば2日以上、たとえば3日以上、たとえば4日以上、たとえば5日以上、たとえば6日以上、たとえば7日以上、たとえば10日以上であってもよい。投与間隔の間での時間の上限期間は、ある場合には、30日以下、たとえば28日以下、たとえば21日以下、たとえば14日以下、たとえば7日以下であり、且つ3日以下を含む。ある特定の実施形態では、投与間隔の間での時間は、たとえば2日~30日、たとえば3日~28日、たとえば4日~21日、たとえば5日~14日に及び、且つ6日~10日を含む。
【0040】
場合によっては、投与間隔の間での持続時間は、投与間隔の間での経皮送達デバイスが対象と接触していない時間の間のデクスメデトミジンの血漿濃度に左右されてもよい。たとえば、デクスメデトミジンの血漿濃度が特定の閾値を下回ると、次に続く投与間隔が開始してもよい。
【0041】
ある特定の実施形態では、外的外傷、創傷または手術のような切開を生じる可能性がある活動に先立って、経皮送達デバイスによってデクスメデトミジンを投与することができる。たとえば、外的外傷、創傷または切開を生じる可能性がある活動に先立つこと、たとえば手術などの30分以上、1時間以上、2時間以上、5時間以上、10時間以上、15時間以上、24時間以上、たとえば、1日以上前に経皮送達デバイスによってデクスメデトミジンを投与することができる。他の実施形態では、外的外傷、創傷または切開を生じた手術または活動の間に及び/またはその後で、経皮送達デバイスによってデクスメデトミジンを投与することができる。ある場合には、外的外傷、創傷または切開を生じた手術または活動の1時間以上、2時間以上、3時間以上、4時間以上、6時間以上、8時間以上、12時間以上、18時間以上、24時間以上、30時間以上、36時間以上後で、経皮送達デバイスによってデクスメデトミジンが投与される。
【0042】
ある場合には、組成物に由来する活性剤が周術期に対象に投与される。用語、周術期は、本明細書で使用されるとき、たとえば、外科処置が実施される手術の前、最中、及び後を意味する。そのようなものとして、外科処置に先立って、経皮送達デバイスが対象に適用され、次いで外科処置の間、及び外科処置の後しばらくの間、対象にて維持される。たとえば、外科処置に先立つこと30分以上、1時間以上、2時間以上、5時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、11時間以上、12時間以上、15時間以上、18時間以上、24時間以上、たとえば、1日以上前に経皮送達デバイスによってデクスメデトミジンを投与することができ、外科処置の間、対象にて維持することができる。ある場合には、手術に先立って0.50~30時間前、たとえば、手術に先立って1~24時間前のどこかで経皮送達デバイスが適用される。次いで主題の組成物は外科処置に続く時間、対象にて維持され、その際、手術後の維持時間は変化してもよく、ある場合には、1時間以上、たとえば2時間以上、たとえば4時間以上、たとえば8時間以上、たとえば12時間以上、たとえば24時間以上、たとえば48時間以上、たとえば72時間以上、たとえば96時間以上、たとえば120時間以上、たとえば144時間以上であり、且つ168時間以上を含む。上記の範囲について、上限時間は、ある場合には、168時間以下、たとえば144時間以下、たとえば120時間以下、たとえば96時間以下、たとえば72時間以下、たとえば48時間以下であり、且つ24時間以下を含む。ある特定の実施形態では、時間延長した経皮送達は、たとえば0.5時間~168時間、たとえば1時間~144時間、たとえば1.5時間~120時間、たとえば2時間~96時間、たとえば2.5時間~72時間、たとえば3時間~72時間に及ぶ。ある特定の実施形態では、周術期の送達投薬計画は、外科処置に先立った時から外科処置の後までにわたる複数日の周術期経皮投薬計画であり、その際、ある場合には、この投薬計画は、2日から30日まで、たとえば2日から15日まで、たとえば2日から7日まで、たとえば2日から4日までに
及び、且つ2日から4日まで、たとえば、3日を含む。
【0043】
一部の実施形態では、経皮送達デバイスは、合計72時間の持続時間で対象と接触して適用され、維持される。一例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の4時間前に適用され、手術中、対象と接触して維持され、合計72時間の持続時間の後、取り外される。別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の6時間前に適用され、手術中、対象と接触して維持され、合計72時間の持続時間の後、取り外される。さらに別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の12時間前に適用され、手術中、対象と接触して維持され、合計72時間の持続時間の後、取り外される。さらに別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の18時間前に適用され、手術中、対象と接触して維持され、合計72時間の持続時間の後、取り外される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の24時間前に適用され、手術中、対象と接触して維持され、合計72時間の持続時間の後、取り外される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の24時間前に適用され、手術中、対象と接触して維持され、合計84時間の持続時間の後、取り外される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の24時間前に適用され、手術中、対象と接触して維持され、合計96時間の持続時間の後、取り外される。
【0044】
他の実施形態では、主題の経皮送達デバイスの1以上が外科処置の開始に先立って所定の時間(たとえば、4時間、6時間、12時間、18時間、24時間、等)で対象に適用され、手術の完了後72時間以上、対象と接触して維持される。そのようなものとして、経皮送達デバイスが対象と接触して維持される全持続時間は、76時間以上、たとえば80時間以上、たとえば84時間以上、たとえば90時間以上であってもよく、且つ96時間以上を含む。一例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の4時間前に適用され、手術中対象と接触して維持され、手術後72時間以上、対象と接触して保持される。別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の6時間前に適用され、手術中対象と接触して維持され、手術後72時間以上、対象と接触して保持される。さらに別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の12時間前に適用され、手術中対象と接触して維持され、手術後72時間以上、対象と接触して保持される。さらに別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の18時間前に適用され、手術中対象と接触して維持され、手術後72時間以上、対象と接触して保持される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の24時間前に適用され、手術中対象と接触して維持され、手術後72時間以上、対象と接触して保持される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の24時間前に適用され、手術中対象と接触して維持され、手術後84時間以上、対象と接触して保持される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは外科処置の開始の24時間前に適用され、手術中対象と接触して維持され、手術後96時間以上、対象と接触して保持される。
【0045】
上記に記載されているように、本発明の態様には、有効量のデクスメデトミジンを送達するように製剤化されたデクスメデトミジン組成物を含有する経皮送達デバイスを対象に適用することによって対象にて疼痛を管理することが含まれる。ある場合には、本発明の態様には、ある場合には術後疼痛の治療を生じ、且つある場合には周術期疼痛の治療を生じる周術期疼痛の管理が含まれ、その際、周術期の疼痛には術後疼痛と手術中に経験する疼痛とが含まれる。一部の実施形態では、方法は、対象にて疼痛を管理するために標的投与量のデクスメデトミジンを送達するのに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持すること、たとえば、疼痛を管理するであろう全薬物曝露によって、または平均の1日薬物曝露によって決定されるような標的投与量を送達することを含む。用語、標的投与量は吸収されるデクスメデトミジンの所望の量を意味する。経皮デクスメデトミジン組成物の所望の治療効果に応じて、管理プロトコール、対象の生理的状態及び投与の時の対象における鎮静のレベル、疼痛を管理するための標的薬物曝露は変化してもよい。特定の実施形態では、デクスメデトミジンの標的薬物曝露は非鎮静治療ウインドウ内にある量で
ある。
【0046】
用語「非鎮静治療ウインドウ」は、あったとしてもほとんど鎮静を生じない対象にて疼痛を管理することにおいて治療上有効であるデクスメデトミジンの投与量範囲を指すのに本明細書で使用される。言い換えれば、疼痛について管理されている特定の個々の対象にとってのデクスメデトミジンの非鎮静治療ウインドウは、「完全な鎮静」または「完全な鎮静を誘導する」と見なされる量を下回り、且つ対象にて疼痛を管理するのに「無効である」と見なされる量を上回ると定義されるデクスメデトミジンの濃度の範囲である。本発明の特定の実施形態では、非鎮静性で治療上有効な量は対象にて3以下のWilsonスコアを維持しながら、所望の管理を可能にするデクスメデトミジンの全身性の量を提供する。たとえば、対象にて疼痛を管理することにおいて、デクスメデトミジンの標的の非鎮静性の投与量は投与間隔の経過にわたって、50μg/日~350μg/日、たとえば100μg/日~340μg/日、たとえば145μg/日~330μg/日、たとえば155μg/日~320μg/日、たとえば165μg/日~310μg/日、たとえば175μg/日~300μg/日、たとえば185μg/日~290μg/日、たとえば195μg/日~280μg/日に及んでもよく、且つ50μg/日~250μg/日を含む(たとえば、168時間の投与間隔)。ある特定の実施形態では、デクスメデトミジンの標的投与量は投与間隔の経過にわたって、147μg/日~290μg/日に及ぶ(たとえば、168時間以上の投与間隔)。
【0047】
一部の実施形態では、標的投与量は、対象に適用したとき、疼痛管理の間での特定の時間にてデクスメデトミジンの所望の平均血漿濃度が得られるデクスメデトミジンの全身性の量を提供する量である。他の実施形態では、標的投与量は、対象に適用したとき、投与間隔または管理プロトコールの全体を通してデクスメデトミジンの定常状態の平均血漿濃度を提供する量である。他の実施形態では、標的投与量は、対象に適用したとき、生体内にて対象にデクスメデトミジンを送達する特定の速度を提供する量である。
【0048】
一部の実施形態では、デクスメデトミジン組成物を含有する経皮送達デバイスを適用し、対象と接触してそれを維持することは、標的量のデクスメデトミジン、たとえば、投与間隔(たとえば、7日以上)の経過にわたって送達される平均累積量のデクスメデトミジンの送達を含む。用語「標的累積量」は皮膚を介して対象に送達されるデクスメデトミジンの総量を意味し、皮膚または粘膜の透過性及び適用の部位の代謝活性により変化してもよい。一部の実施形態では、デクスメデトミジンの平均累積量は、7日の送達区間にわたって5μg/cm以上、たとえば25μg/cm以上、たとえば50μg/cm以上、投与間隔にわたって、たとえば75μg/cm以上、たとえば100μg/cm以上、たとえば125μg/cm以上であってもよく、且つ200μg/cm以上を含む。投与間隔にわたるデクスメデトミジン送達の平均累積量について、上限は、ある場合には、500μg/cm以下、たとえば400μg/cm以下、たとえば300μg/cm以下、たとえば200μg/cm以下、たとえば100μg/cm以下であり、且つ50μg/cm以下を含む。ある特定の実施形態では、投与間隔にわたるデクスメデトミジン送達の平均累積量は、たとえば5μg/cm~500μg/cm、たとえば、25μg/cm~400μg/cmに及び、且つ50μg/cm~300μg/cmを含む。
【0049】
ある特定の実施形態に係る方法は、デクスメデトミジン組成物を含有する1以上の経皮送達デバイス、たとえば、2~4の、たとえば、3の経皮送達デバイスを対象に適用することと、投与間隔の経過にわたって0.05ng/mL~0.5ng/mL、たとえば0.1ng/mL~0.45ng/mL、たとえば0.15ng/mL~0.4ng/mL、たとえば0.2ng/mL~0.35ng/mLに及び、且つ0.25ng/mL~0.3ng/mLを含む平均血漿濃度を提供するのに十分な方法で対象と接触して経皮デク
スメデトミジン組成物を維持することとを含む。たとえば、経皮送達デバイスは、投与間隔(たとえば、168時間以上の投与間隔)の経過にわたって0.16ng/mL~0.36ng/mLに及ぶ平均血漿濃度を提供するのに十分な方法で対象と接触して維持されてもよい。他の実施形態では、方法は、管理プロトコール全体の経過にわたって(すなわち、1以上の投与間隔にわたって)0.05ng/mL~0.5ng/mL、たとえば、管理プロトコール全体の経過にわたって0.1ng/mL~0.45ng/mL、たとえば0.15ng/mL~0.4ng/mL、たとえば0.2ng/mL~0.35ng/mLに及び、且つ0.25ng/mL~0.3ng/mLを含む平均血漿濃度を提供するのに十分な方法で対象と接触してデクスメデトミジン組成物を維持することを含む。たとえば、経皮送達デバイスは、管理プロトコール全体の経過にわたって0.16ng/mL~0.36ng/mLに及ぶ平均血漿濃度を提供するのに十分な方法で対象と接触して維持されてもよい。
【0050】
上記で議論されたように、方法は、延長された時間、たとえば6時間以上にわたって、たとえば12時間以上にわたって、たとえば24時間以上にわたって、たとえば48時間以上にわたって、たとえば72時間以上にわたって、たとえば96時間以上にわたって、たとえば120時間以上にわたって、たとえば144時間以上にわたって、及び168時間以上にわたって、を含んで、対象にて手術疼痛を管理するために対象にデクスメデトミジンを送達することを含む。ある特定の実施形態では、方法は、72時間にわたって標的平均量の吸収されたデクスメデトミジンを提供するのに十分な対象の皮膚表面と接触して経皮デクスメデトミジン組成物を維持することを含む。経皮送達デバイスの表面積(たとえば、6cm、4cm、2cm、等)に応じて、72時間にわたるデクスメデトミジンの平均吸収量は、たとえば、150mcg~600mcg、たとえば175mcg~575mcg、たとえば100mcg~400mcg、たとえば125mcg~375mcg、たとえば50mcg~200mcgのように、且つ60mcg~190mcgを含めて変化してもよい。ある場合には、経皮送達デバイスは6cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたって192.7mcg~551.7mcg、たとえば224mcg~437mcg、たとえば278mcg~384mcg、たとえば304mcg~357mcgの、且つ320mcg~341mcgを含む平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。他の例では、経皮送達デバイスは4cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたって100mcg~400mcg、たとえば125mcg~375mcg、たとえば128.5mcg~367.8mcg、たとえば150mcg~292mcg、たとえば185mcg~256mcg、たとえば203mcg~238mcgの、且つ213mcg~228mcgを含む平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。さらに他の例では、経皮送達デバイスは2cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたって50mcg~200mcg、たとえば60mcg~190mcg、たとえば64mcg~184mcg、たとえば75mcg~146mcg、たとえば93mcg~128mcg、たとえば101mcg~119mcgの、且つ107mcg~114mcgを含む平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。
【0051】
他の実施形態では、方法は、72時間にわたって平均のデクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な対象の皮膚表面と接触して経皮デクスメデトミジン組成物を維持することを含んでもよい。経皮送達デバイスの表面積(たとえば、6cm、4cm、2cm、等)に応じて、72時間にわたる平均のデクスメデトミジン吸収は、ある場合には1mcg/時間~10mcg/時間、2mcg/時間~8mcg/時間、0.5mcg/時間~6mcg/時間、1mcg/時間~5.5mcg/時間、0.1mcg/時間~5mcg/時間に及んで、且つ0.5mcg/時間~3mcg/時間を含んで変化してもよい。
ある場合には、経皮送達デバイスは6cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたって1mcg/時間~10mcg/時間、たとえば2mcg/時間~8mcg/時間、たとえば3.1mcg/時間~6.1mcg/時間、たとえば3.9mcg/時間~5.3mcg/時間、たとえば4.2mcg/時間~5.0mcg/時間の、且つ4.4mcg/時間~4.7mcg/時間を含む平均のデクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。他の例では、経皮送達デバイスは4cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたって0.5mcg/時間~6mcg/時間、たとえば1mcg/時間~5.5mcg/時間、たとえば1.8mcg/時間~5.1mcg/時間、たとえば2.1mcg/時間~4.1mcg/時間、たとえば2.6mcg/時間~3.6mcg/時間、たとえば2.8mcg/時間~3.3mcg/時間の、且つ3.0mcg/時間~3.2mcg/時間を含む平均のデクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。さらに他の例では、経皮送達デバイスは2cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたって0.1mcg/時間~5mcg/時間、たとえば0.5mcg/時間~3mcg/時間、たとえば0.9mcg/時間~2.6mcg/時間、たとえば1.0mcg/時間~2.0mcg/時間、たとえば1.3mcg/時間~1.8mcg/時間、たとえば1.4mcg/時間~1.7mcg/時間の、且つ1.5mcg/時間~1.6mcg/時間を含む平均のデクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。
【0052】
他の実施形態では、方法は、72時間にわたって平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な対象の皮膚表面と接触して経皮デクスメデトミジン組成物を維持することを含んでもよい。経皮送達デバイスの表面積(たとえば、6cm、4cm、2cm、等)に応じて、72時間にわたるデクスメデトミジン吸収の平均最大血漿濃度は50pg/mL~250pg/mL、70pg/mL~225pg/mL、25pg/mL~150pg/mL、40pg/mL~140pg/mL、10pg/mL~80pg/mLに及んで、且つ20pg/mL~70pg/mLを含んで変化してもよい。ある場合には、経皮送達デバイスは6cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたって50pg/mL~250pg/mL、たとえば70pg/mL~225pg/mL、たとえば70.1pg/mL~205pg/mL、たとえば77pg/mL~153pg/mL、たとえば96pg/mL~134pg/mL、たとえば106pg/mL~125pg/mLの、且つ111pg/mL~119pg/mLを含む平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。他の例では、経皮送達デバイスは4cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたって25pg/mL~150pg/mL、たとえば40pg/mL~140pg/mL、たとえば47pg/mL~137pg/mL、たとえば51pg/mL~102pg/mL、たとえば64pg/mL~90pg/mL、たとえば70pg/mL~83pg/mLの、且つ74pg/mL~79pg/mLを含む平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。さらに他の例では、経皮送達デバイスは2cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたって10pg/mL~80pg/mL、たとえば20pg/mL~70pg/mL、たとえば23.4pg/mL~68.3pg/mL、たとえば26pg/mL~51pg/mL、たとえば32pg/mL~45pg/mLの、且つ35pg/mL~42pg/mLを含む平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。
【0053】
他の実施形態では、方法は、適用の時から無限大に至る血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な対象の皮膚表面と接触して経皮デクスメデトミジン組成物を維持することを含んでもよい。経皮送達デバイスの表面積(たとえば、6cm、4cm、2cm、等)に応じて、72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度
曲線下平均面積は、3000時間×pg/mL~10000時間×pg/mL、3500時間×pg/mL~9000時間×pg/mL、2000時間×pg/mL~7500時間×pg/mL、2250時間×pg/mL~6000時間×pg/mL、1000時間×pg/mL~3500時間×pg/mLに及んで、且つ1100時間×pg/mL~3000時間×pg/mLを含んで変化してもよい。ある場合には、経皮送達デバイスは6cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたる3517時間×pg/mL~8954時間×pg/mL、たとえば4548時間×pg/mL~7712時間×pg/mL、たとえば5339時間×pg/mL~6921時間×pg/mL、たとえば5735時間×pg/mL~6525時間×pg/mLの、且つ5972時間×pg/mL~6288時間×pg/mLを含む血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。他の例では、経皮送達デバイスは4cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたる2345時間×pg/mL~5969時間×pg/mL、たとえば3032時間×pg/mL~5141時間×pg/mL、たとえば3559時間×pg/mL~4614時間×pg/mL、たとえば3823時間×pg/mL~4350時間×pg/mLの、且つ3981時間×pg/mL~4192時間×pg/mLを含む血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。さらに他の実施形態では、経皮送達デバイスは2cmの表面積を有し、経皮デクスメデトミジン組成物は、72時間にわたる1172時間×pg/mL~2985時間×pg/mL、たとえば1516時間×pg/mL~2571時間×pg/mL、たとえば1780時間×pg/mL~2307時間×pg/mL、たとえば1912時間×pg/mL~2175時間×pg/mLの、且つ1991時間×pg/mL~2096時間×pg/mLを含む血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で対象の皮膚表面と接触して維持される。
【0054】
ある特定の実施形態では、方法はまた、対象における疼痛の管理の間に対象にてデクスメデトミジンの血漿濃度を決定することも含んでもよい。血漿デクスメデトミジンの濃度は任意の従来のプロトコールを用いて、たとえば、液体クロマトグラフィ・質量分光分析(LCMS)によって決定されてもよい。デクスメデトミジンの血漿濃度は所望の時に決定されてもよい。一部の実施形態では、デクスメデトミジンの血漿濃度は経皮送達デバイスが対象と接触して維持されている全時間の全体を通して、たとえば、リアルタイムデータ回収によってモニターされてもよい。他の例では、デクスメデトミジンの血漿濃度は、対象と接触して経皮送達デバイスを維持しながら、定期的な間隔でデータを回収することによって、たとえば、72時間ごとに、を含めて、0.25時間ごとに、0.5時間ごとに、1時間ごとに、2時間ごとに、4時間ごとに、12時間ごとに、24時間ごとに、または何らかの他の間隔でデータを回収することによってモニターされる。さらに他の例では、デクスメデトミジンの血漿濃度は、対象と接触して経皮送達デバイスを維持しながら、対象に経皮送達デバイスを適用した後で特定の時間スケジュールに従ってデータを回収することによってモニターされる。たとえば、デクスメデトミジンの血漿濃度は、経皮送達デバイスを対象に適用した15分後、経皮送達デバイスを対象に適用した30分後、経皮送達デバイスを対象に適用した1時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した2時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した4時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した8時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した12時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した24時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した48時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した72時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した76時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した80時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した84時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した96時間後、経皮送達デバイスを対象に適用した120時間後に、且つ経皮送達デバイスを対象に適用した168時間後を含めて決定されてもよい。
【0055】
ある特定の実施形態では、デクスメデトミジンの血漿濃度は経皮送達デバイスが対象に
適用される前に決定されて、たとえば、デクスメデトミジンの基礎血漿濃度を決定する。たとえば、血漿濃度は、経皮送達デバイスを適用する5分前、たとえば経皮送達デバイスを適用する10分前、たとえば30分前、たとえば60分前、たとえば120分前、たとえば240分前に、且つ経皮送達デバイスを適用する480分前を含めて決定されてもよい。以下で詳細に記載されているように、方法は、経皮送達デバイスを適用し、対象と接触してそれを維持することが反復されてもよい複数の投与間隔を含んでもよい。これらの実施形態では、血漿濃度は、第1の経皮送達デバイスが取り外された後、且つ第2の経皮送達デバイスが適用される前に決定されてもよい。
【0056】
デクスメデトミジンの血漿濃度は任意の所与の測定期間で1回以上、各測定期間で5回以上を含めて、たとえば2回以上、たとえば3回以上決定されてもよい。任意の所与の測定期間でデクスメデトミジンの血漿濃度が決定される回数の上限は、ある場合には、10回以下、たとえば7回以下、たとえば5回以下、たとえば3回以下であり、且つ2回以下を含む。ある特定の実施形態では、任意の所与の測定期間でデクスメデトミジンの血漿濃度が決定される回数はたとえば2回~10回、たとえば3回~9回、たとえば4回~8回に及び、且つ5回~7回を含む。
【0057】
ある特定の実施形態に従って疼痛を管理する方法は、デクスメデトミジン組成物を含有する経皮送達デバイスを対象に適用することと、ピークの経皮流量に達した後、ピークの経皮デクスメデトミジン流量の30%以上の範囲内である経皮デクスメデトミジン流量を維持するのに十分な方法で対象と接触して経皮デクスメデトミジン組成物を維持することを含んでもよい。そのようなものとして、対象とする経皮送達デバイスがいったんピークの経皮デクスメデトミジン流量に達すると、経皮送達デバイスは、任意の所与の投与間隔の経過の間、ピーク流量の少なくとも30%である、任意の所与の投与間隔の経過の間、ピーク流量のたとえば少なくとも35%、たとえば少なくとも40%である、且つ少なくとも50%を含む対象へのデクスメデトミジンの流量を維持するように構成される。言い換えれば、これらの特定の実施形態に係る経皮送達デバイスによってピーク流量がいったん達成されると、対象へのデクスメデトミジンの経皮流量は投与間隔の間でのどんな時もピーク流量の30%以上を下回らない。
【0058】
たとえば、経皮デクスメデトミジン送達デバイスは、ピーク経皮デクスメデトミジン流量の50%以上の範囲内である、ピーク経皮流量に達した後のピーク経皮デクスメデトミジン流量のたとえば55%以上、たとえば60%以上、たとえば65%以上、たとえば70%以上、たとえば75%以上、たとえば80%以上、たとえば85%以上の範囲内、たとえば90%以上の範囲内、たとえば95%以上の範囲内である、且つ99%の範囲内を含む経皮デクスメデトミジン流量を維持するのに十分な方法で対象と接触して維持されてもよい。ある特定の実施形態では、経皮デクスメデトミジン流量は、ピーク流量に達した後、全く低下せず、ピーク流量に達した瞬間から所与の投与間隔の終了までピークのデクスメデトミジン流量の100%の比率を維持する。
【0059】
経皮投与による活性剤の流量は対象の皮膚または粘膜を介した活性剤の浸透の速度である。ある場合には、デクスメデトミジンの流量は、方程式:
(1)J皮膚の流量=P×C
によって決定することができ、式中、Jは皮膚の流量であり、Cは皮膚または粘膜を横切る濃度勾配であり、Pは透過性係数である。皮膚の流量は、時間に関する皮膚または粘膜を横切って身体に入る薬剤の累積量での変化である。
【0060】
ある場合には、経皮デクスメデトミジン送達デバイスは、0.05μg/cm/時間以上、たとえば0.1μg/cm/時間以上、たとえば0.5μg/cm/時間以上、たとえば1μg/cm/時間、たとえば2μg/cm/時間、たとえば3μg/c
/時間以上、たとえば5μg/cm/時間以上、たとえば7.5μg/cm/時間以上のピーク流量を提供するのに十分な方法で対象と接触して維持され、且つ10μg/cm/時間以上のピーク流量を提供するのに十分な方法で対象と接触して経皮デクスメデトミジン送達デバイスを維持することを含んで維持される。経皮デクスメデトミジン送達のピーク流量については、上限は、ある場合には、10μg/cm/時間以下、たとえば9μg/cm/時間以下、たとえば8μg/cm/時間以下、たとえば7μg/cm/時間以下、6μg/cm/時間以下、たとえば5μg/cm/時間以下であり、且つ2μg/cm/時間以下を含む。ある特定の実施形態では、経皮デクスメデトミジン送達のピーク流量は、たとえば0.05μg/cm/時間~10μg/cm/時間、たとえば1μg/cm/時間~9μg/cm/時間に及び、且つ2μg/cm/時間~8μg/cm/時間を含む。
【0061】
そのようなものとして、経皮デクスメデトミジン送達デバイスが、ピークの経皮デクスメデトミジン流量の少なくとも30%以内である経皮デクスメデトミジン流量を提供するのに十分な方法で対象と接触して維持される場合、経皮送達デバイスは、0.5μg/cm/時間のピーク経皮流量に達した後0.15μg/cm/時間以上である、0.6μg/cm/時間のピーク経皮流量に達した後たとえば0.18μg/cm/時間以上である、0.75μg/cm/時間のピーク経皮流量に達した後たとえば0.225μg/cm/時間以上である、0.9μg/cm/時間のピーク流量に達した後たとえば0.27μg/cm/時間以上である、1.0μg/cm/時間のピーク流量に達した後たとえば0.3μg/cm/時間以上である、5μg/cm/時間のピーク流量に達した後たとえば1.5μg/cm/時間以上である流量を提供するのに十分な方法で対象と接触して維持されてもよく、且つ、10.0μg/cm/時間のピーク流量に達した後3.0μg/cm/時間以上である流量を提供するのに十分な方法で対象と接触して経皮デクスメデトミジン送達デバイスを維持することを含む。
【0062】
経皮送達デバイスのデクスメデトミジン組成物に存在するデクスメデトミジンの量に応じて、対象の生理的状態、適用の標的部位、ピークのデクスメデトミジン流量に達するのに要する時間は変化してもよい。ある場合には、ピークのデクスメデトミジン流量には、対象に経皮送達デバイスを適用した2時間以上後、対象に経皮送達デバイスを適用した、たとえば4時間以上後、たとえば6時間以上後、たとえば12時間以上後、たとえば18時間以上後に、且つ24時間以上後を含めて達する。他の例では、ピークのデクスメデトミジン流量には、168時間以上早く、たとえば144時間以上早く、たとえば120時間以上早く、たとえば96時間以上早く、たとえば72時間以上早く、たとえば48時間以上早く、たとえば24時間以上早く、たとえば12時間以上早く、たとえば8時間以上早く、たとえば4時間以上早く、且つ2時間以上早くを含めて達する。一部の実施形態では、ピークのデクスメデトミジン流量には、対象に経皮送達デバイスを適用した24時間後に達する。
【0063】
ある特定の実施形態では、対象における疼痛の管理の間に、経皮組成物は、定常状態の平均流量のデクスメデトミジンを対象に提供するのに十分な対象と接触して維持される。用語「定常状態」は経皮送達デバイスから放出されるデクスメデトミジンの量がデクスメデトミジンの実質的に一定の平均流量を維持することを意味するように従来の意味で使用される。そのようなものとして、対象とする経皮送達デバイスに由来するデクスメデトミジンの流量は、経皮送達デバイスが対象と接触して維持されている間どんな時でも50%以下増減し、たとえば45%以下、たとえば40%以下、たとえば35%以下、たとえば30%以下、たとえば25%以下、たとえば20%以下、たとえば15%以下、たとえば12%以下、たとえば10%以下、たとえば6%以下、たとえば5%以下、たとえば4%以下で増減し、且つ経皮送達デバイスが対象と接触して維持されている間どんな時でも1%以下を含めて増減する。
【0064】
定常状態の平均流量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な対象と接触してデクスメデトミジン経皮送達デバイスが維持される場合、定常状態の平均デクスメデトミジン流量は0.5時間以上、たとえば1時間以上、たとえば2時間以上、たとえば3時間以上、たとえば4時間以上、たとえば8時間以上、12時間以上、たとえば24時間以上、たとえば36時間以上、たとえば48時間以上、たとえば72時間以上、たとえば96時間以上、たとえば120時間以上、たとえば144時間以上維持されてもよく、且つ168時間以上を含めて維持されてもよい。定常状態の平均デクスメデトミジン流量を維持することについて、上限は、ある場合には、168時間以下、たとえば144時間以下、たとえば120時間以下、たとえば96時間以下、たとえば72時間以下、たとえば48時間以下、たとえば24時間以下、たとえば12時間以下、たとえば8時間以下、たとえば4時間以下であり、且つ2時間以下を含む。
【0065】
これらの実施形態では、経皮送達デバイスは、皮膚もしくは粘膜を横切って濃度勾配を導入することによって、またはデクスメデトミジンの投与量で過剰を提供することによって一定の流量を提供するように構成される。たとえば、対象とするデクスメデトミジン経皮組成物は、通常の投与量より5%以上超過する、通常の投与量よりたとえば10%以上、たとえば15%以上、たとえば20%以上超過する、且つ25%以上を含めて超過するデクスメデトミジンの投与量を含んでもよい。一定の流量を提供するために経皮送達デバイスに存在する過剰なデクスメデトミジンの量については、上限は、ある場合には、通常の投与量の50%以下過剰、たとえば45%以下過剰、たとえば25%以下過剰、たとえば20%以下過剰であり、且つ10%以下過剰を含む。対象とするデクスメデトミジン経皮組成物が一定の流量を提供するために過剰を含んでもよい一方で、過剰な投与量は投与間隔の一部としては吸収されず、完全に鎮静作用がある投与量を生じるには十分ではない(すなわち、対象に送達されるデクスメデトミジンの投与量は依然として非鎮静量のままである)。そのようなものとして、経皮デクスメデトミジン送達デバイスが一定の流量を提供するのに十分な方法で維持される一部の実施形態では、経皮組成物における利用できるデクスメデトミジンの25%以下が利用されなくてもよく、経皮組成物における利用できるデクスメデトミジンのたとえば20%以下、たとえば15%以下、たとえば10%以下、たとえば5%以下が、且つ1%以下を含めて、投与間隔に間で利用されなくてもよい。
【0066】
ある特定の実施形態に係る対象にて疼痛(たとえば、手術疼痛)を管理する方法は、非鎮静量のデクスメデトミジンを送達するように構成されたデクスメデトミジン組成物を含有する経皮送達デバイスを対象に適用することと、経皮送達デバイスを適用した後どんな時でも約0.005~約5μg/cm・時間、たとえば約0.01~約4μg/cm・時間、たとえば約0.02~約3μg/cm・時間、たとえば約0.05~約2.5μg/cm・時間、たとえば約0.1~約2μg/cm・時間の、且つ約0.1~約1μg/cm・時間を含む生体内での平均流量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で対象と接触して経皮デクスメデトミジン組成物を維持することとを含んでもよい。一部の実施形態では、方法は、対象に経皮デクスメデトミジン組成物を適用することと、適用の24時間後に約0.005~約2μg/cm・時間の、適用の24時間後にたとえば約0.01~約1.75μg/cm・時間、たとえば約0.02~約1.5μg/cm・時間、たとえば約0.05~約1.25μg/cm・時間の、且つたとえば約0.1~約1μg/cm・時間を含む生体内での平均流量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持することとを含む。さらに他の実施形態では、方法は、対象に経皮デクスメデトミジン送達デバイスを適用することと、適用の168時間後に0.005~約2.0μg/cm・時間の、適用の168時間後にたとえば約0.01~約1.75μg/cm・時間、たとえば約0.02~約1.5μg/cm・時間、たとえば約0.05~約1.25μg/cm・時間の、
且つ約0.1~約1μg/cm・時間を含む生体内での平均流量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持することとを含む。
【0067】
ある特定の実施形態では、方法は経皮デクスメデトミジンの流量を決定することを含む。経皮デクスメデトミジンの流量は任意の従来のプロトコールを用いて、たとえば、一緒に固定されたドナー側及び受容体側とリン酸緩衝液を含有する受容体溶液とを有するフランツセルにて表皮層(角質層と表皮)を含むヒト死体皮膚を用いたプロトコールによって決定されてもよい。透過したデクスメデトミジンの量は液体クロマトグラフィによってさらに特徴付けることができる。経皮デクスメデトミジンの流量は本発明に方法の間のどんな時に決定されてもよい。一部の実施形態では、経皮デクスメデトミジンの流量は、たとえば、リアルタイムデータ回収によって、透過バリア(たとえば、ヒト死体皮膚)と接触して経皮デクスメデトミジン送達デバイスが維持される時間全体を通してモニターされてもよい。他の例では、経皮デクスメデトミジンの流量は、定期な間隔でデータを回収することによって、たとえば、72時間ごとを含んで、0.25時間ごとに、0.5時間ごとに、1時間ごとに、2時間ごとに、4時間ごとに、12時間ごとに、24時間ごとにデータを回収することによって、または他の定期的なまたは不定期の間隔でデータを回収することによってモニターされる。さらに他の例では、経皮デクスメデトミジンの流量は特定の時間スケジュールに従ってデータを回収することによってモニターされる。たとえば、経皮デクスメデトミジンの流量は、経皮送達デバイスを適用した15分後、経皮送達デバイスを適用した30分後、経皮送達デバイスを適用した1時間後、経皮送達デバイスを適用した2時間後、経皮送達デバイスを適用した4時間後、経皮送達デバイスを適用した8時間後、経皮送達デバイスを適用した12時間後、経皮送達デバイスを適用した24時間後、経皮送達デバイスを適用した48時間後、経皮送達デバイスを適用した72時間後、経皮送達デバイスを適用した76時間後、経皮送達デバイスを適用した80時間後、経皮送達デバイスを適用した84時間後、経皮送達デバイスを適用した96時間後、経皮送達デバイスを適用した120時間後に、且つ経皮送達デバイスを適用した168時間後を含めて決定されてもよい。
【0068】
経皮デクスメデトミジンの流量は、任意の所与の測定期間で1回以上、たとえば2回以上、たとえば3回以上、各測定期間で5回以上を含めて決定されてもよい。経皮デクスメデトミジンの流量が決定される回数の上限は、ある場合には、10回以下、たとえば7回以下、たとえば5回以下、たとえば3回以下であり、且つ、2回以下を含む。ある特定の実施形態では、経皮デクスメデトミジンの流量が決定される回数は、たとえば2回~10回、たとえば3回~9回、たとえば4回~8回に及び、且つ5回~7回を含む。
【0069】
一部の実施形態では、対象と接触してデクスメデトミジン経皮送達デバイスを維持することにおいて、透過したデクスメデトミジンの平均累積量は投与間隔(たとえば、2日以上、たとえば3日以上)の経過にわたって実質的に線形の比率で増加する。「実質的に線形で」とは、経皮組成物から放出されるデクスメデトミジンの累積量が実質的に一定の比率(すなわち、ゼロ次の動態によって定義される)で増加することを意味する。そのようなものとして、累積の透過したデクスメデトミジンの比率における変化は、対象と接触して経皮組成物を維持する間どんな時でも10%以下、たとえば8%以下、たとえば7%以下、たとえば6%以下、たとえば5%以下、たとえば3%以下、たとえば2.5%以下、たとえば2%以下増減し、且つ対象と接触してデクスメデトミジン経皮送達デバイスを維持する間どんな時でも1%以下を含めて増減する。
【0070】
上記に記載されているように、本発明の態様は、デクスメデトミジン組成物を含有する経皮送達デバイスを適用し、疼痛を緩和するのに有効な量のデクスメデトミジンを対象に送達するのに十分な時間にわたって対象と接触してデクスメデトミジン送達デバイスを維持することによって対象にて疼痛を管理することを含む。一部の実施形態では、疼痛を管
理する方法は、所定の量のデクスメデトミジンを対象に送達するのに十分な方法で対象と接触してデクスメデトミジン経皮送達デバイスを維持することを含んでもよい。プロトコールが所定の量のデクスメデトミジンを対象に送達することを含む場合、対象とするデクスメデトミジン経皮組成物におけるデクスメデトミジンの量は、0.001mg~50mg、たとえば0.005~40mg、たとえば0.01mg~30mg、たとえば0.05~20mg、たとえば0.1mg~15mg、たとえば0.5mg~12.5mgに及んでもよく、且つ4~9mg、たとえば、6~8mgを含めて0.5mg~10mg、たとえば0.5mg~2mgまたは0.7mg~1.5mg、2~10mgを含む。
【0071】
ある特定の実施形態では、対象に送達されるデクスメデトミジンの所定の量は、経皮送達デバイスのデクスメデトミジン経皮組成物に存在するデクスメデトミジンの総量の比率であってもよい。たとえば、対象に送達されるデクスメデトミジンの所定の量はデクスメデトミジン経皮組成物に存在するデクスメデトミジンの総量の1%以上、たとえば2%以上、たとえば5%以上、たとえば10%以上、たとえば25%以上であってもよく、且つデクスメデトミジン経皮組成物に存在するデクスメデトミジンの総量の50%以上を含む。言い換えれば、疼痛を管理する方法は、単一の投与間隔の経過にわたってデクスメデトミジン経皮組成物におけるデクスメデトミジンの5%以上を対象に送達するのに十分な方法で対象と接触してデクスメデトミジン経皮組成物を維持することを含んでもよい。これらの実施形態では、デクスメデトミジンの利用比率は経皮送達デバイスが対象と接触して維持されている時間の間、5%以上である。そのようなものとして、デクスメデトミジンの元々の量の95%以下が投与間隔の後のデクスメデトミジン経皮組成物に残ったままである。以下でさらに詳細に記載されているように、主題の経皮送達デバイスは高い利用比率が可能である。言い換えれば、主題の経皮送達デバイスは、所与の投与間隔の後、経皮送達デバイスにて残留デクスメデトミジンをほとんど残さないで対象にデクスメデトミジンを送達することができる。利用比率は投与間隔の経過にわたって5%以上、たとえば10%以上、たとえば25%以上、たとえば40%以上、たとえば45%以上であってもよく、且つ投与間隔の経過にわたってデクスメデトミジンの50%以上を含む。利用比率については、投与間隔の経過にわたる上限は、ある場合には、90%以下、たとえば50%以下、たとえば25%以下であり、且つ投与間隔の経過にわたって5%以下を含む。
【0072】
たとえば、主題のデクスメデトミジン経皮組成物が1mgのデクスメデトミジンを含有する場合、疼痛を管理する方法は、投与間隔(たとえば、2~3日以上)の経過にわたってデクスメデトミジン経皮組成物における0.05mg以上のデクスメデトミジン、たとえば0.1mg以上、たとえば0.25mg以上、たとえば0.4mg以上、たとえば0.45mg以上を送達するのに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持することを含んでもよく、且つデクスメデトミジン組成物における0.5mg以上のデクスメデトミジンを送達するのに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持することを含む。そのようなものとして、2~3日以上の後、0.95mg以上のデクスメデトミ
ジンがデクスメデトミジン経皮組成物に残り、たとえば0.9mg以下、たとえば0.75mg以下、たとえば0.6mg以下の、及び0.5mg以下を含むデクスメデトミジンが、投与間隔の後でデクスメデトミジン経皮組成物に残る。
【0073】
上記に記載されているように、ある特定の実施形態に係る方法は、疼痛を経験していない対象にデクスメデトミジン組成物を有する主題の経皮送達デバイスの1以上を適用することと、対象にてある量の疼痛を防ぐのに有効である、ある量のデクスメデトミジンを送達するのに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持することとを含む。実施形態では、経皮送達デバイスは、対象が(たとえば、疼痛誘発事象、たとえば、外科処置に応答して)疼痛を経験する(または経験すると予想される)前に、疼痛を経験する(または経験すると予想される)たとえば1時間以上前に、たとえば2時間以上、たとえば3時間以上、たとえば4時間以上、たとえば6時間以上、たとえば8時間以上、たとえば1
2時間以上、たとえば16時間以上、たとえば20時間以上前に、且つ疼痛誘発事象の24時間以上前を含めて、対象の皮膚表面に適用される。
【0074】
対象が疼痛を経験する前に本発明の実施形態に係るデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスを適用することは、ある特定の実施形態では、デクスメデトミジンを含有する主題の経皮送達デバイスを適用されなかった対象と比べて対象が経験する疼痛の量を5%以上、たとえば10%以上、たとえば15%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、たとえば75%以上、たとえば90%以上、たとえば95%以上、且つ99%以上を含めて軽減するのに十分である。場合によっては、方法は、疼痛を経験していない対象にデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスを適用することと、疼痛誘発事象に応答して対象が経験する疼痛をすっかり排除する(すなわち、疼痛の量を100%減らす)のに十分な方法で対象と接触して経皮送達デバイスを維持することとを含む。たとえば、経皮送達デバイスが、手術の開始の前に、手術の開始のたとえば1時間以上前に、たとえば2時間以上、たとえば3時間以上、たとえば4時間以上、たとえば6時間以上、たとえば8時間以上、たとえば12時間以上、たとえば16時間以上、たとえば20時間以上前に、且つ手術の開始の24時間以上前を含めて適用される場合、対象は外科処置に応答した疼痛の量の低下を経験してもよい。
【0075】
以下でさらに詳細に記載されているように、ある特定の実施形態では、経皮送達デバイスは、対象に非鎮静量のデクスメデトミジンを送達するように構成される単層マトリクスのデクスメデトミジン組成物を含んでもよい。そのようなものとして、ある特定の例に係る方法は、単層マトリクスのデクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスを対象に適用することと、有効量のデクスメデトミジンを対象に送達するのに十分な時間にわたって対象と接触して単層のデクスメデトミジン組成物を維持することとを含む。
【0076】
ある特定の実施形態では、以下でさらに詳細に記載されている主題の方法のそれぞれはさらに、投与間隔の終わりに対象との接触から経皮送達デバイス(複数可)を取り外すステップを含んでもよい。たとえば、144時間以上を含めて、及び168時間以上を含めて0.5時間以上、たとえば1時間以上、たとえば2時間以上、たとえば4時間以上、たとえば8時間以上、たとえば12時間以上、たとえば24時間以上、たとえば36時間以上、たとえば48時間以上、たとえば60時間以上、たとえば72時間以上、たとえば96時間以上、たとえば120時間以上、維持した後、経皮送達デバイスは対象との接触から取り外されてもよい。取り外しの前に経皮送達デバイスが対象と接触して維持される時間量の上限は、ある場合には、168時間以下、たとえば144時間以下、たとえば120時間以下、たとえば96時間以下、たとえば84時間以下、たとえば78時間以下、たとえば72時間以下である。
【0077】
対象との接触から経皮送達デバイスを「取り外すこと」とは、経皮送達デバイスが対象と接触したままではないことを意味する。言い換えれば、経皮送達デバイスが取り外されると、それはもはや適用部位で皮膚または粘膜の表面に接触していない。
【0078】
上記に記載されているように、投与間隔は、対象の皮膚または粘膜に経皮デクスメデトミジン組成物(複数可)を適用することで開始し、対象との接触から経皮送達デバイス(複数可)を取り外すことで終了する1以上の、たとえば2つの経皮送達デバイスを適用し、対象と接触してそれを維持する単回投与である。上記で概説されているように、一部の実施形態では、プロトコールには単一の投与間隔が含まれる。或いは、特定の実施形態では、プロトコールは複数の投与間隔を含んでもよい。「複数の投与間隔」とは、1以上の経皮送達デバイスが適用され、逐次的方法で対象と接触して維持されることを意味する。そのようなものとして、経皮送達デバイスは対象との接触から取り外され、新しい経皮送達デバイスが対象に再適用される。本発明の方法を実践することにおいて管理投薬計画は
、10以上の投与間隔を含めて、2以上の投与間隔、たとえば3以上の投与間隔、たとえば4以上の投与間隔、たとえば5以上の投与間隔を含んでもよい。
【0079】
ある特定の実施形態では、方法は対象に水分補給することをさらに含む。用語「水分補給すること」は、たとえば、対象に水分補給流体組成物(たとえば、水性流体)を投与することによって対象に水分補給を提供するのに従来の意味にて本明細書で使用される。水分補給流体組成物は経口投与または静脈内投与を含むが、これらに限定されない好適なプロトコールによって対象に提供されてもよい。ある特定の実施形態では、ある量の流体が対象に静脈内で投与される。対象に投与される水分補給流体は、水性生理食塩水溶液、電解質補給流体、緩衝液流体、栄養流体等を含むが、これらに限定されない、資格のある医療専門家によって判定されるような水分補給の増加を対象に提供する任意の好適な組成物であってもよい。ある場合には、等張の、高張の及び低張の電解質溶液を含む平衡塩/電解質溶液のような水分補給流体が静脈内に投与される。ある特定の実施形態に係る例示の水分補給流体は数ある水分補給流体の中でも特に、乳酸加リンゲル液、生理食塩水、D5乳酸加リンゲルデキストロース溶液、D5生理食塩水デキストロース溶液、D5,45生理食塩水デキストロース溶液、D5,25生理食塩水デキストロース溶液、7.5%生理食塩水溶液、D5無水デキストロース溶液、6%ヒドロキシエチル出発溶液であってもよい。
【0080】
対象は、本発明の方法の間で都合のよいときに水分補給されてもよい。外科処置の前に、外科処置の間に、外科処置の後で、またはそれらの組み合わせにてある量の水分補給流体組成物が対象に投与されてもよい。一部の実施形態では、水分補給流体組成物は、対象に経皮送達デバイスを適用することと併せて対象に投与され、経皮送達デバイスが対象と接触して維持されている限り、継続してもよい。場合によっては、水分補給流体組成物は、対象に経皮送達デバイスを適用する前の時間、対象に経皮送達デバイスを適用する、たとえば1分以上前、たとえば2分以上前、たとえば5分以上前、たとえば10分以上前、たとえば15分以上前、たとえば30分以上前、たとえば1時間以上前、たとえば2時間以上前、たとえば3時間以上前、たとえば6時間以上前に投与され、且つ対象に経皮送達デバイスを適用する12時間以上前を含めて投与される。一部の実施形態では、水分補給流体組成物は、経皮送達デバイスが対象と接触して維持されている間、連続して対象に投与される。経皮送達デバイスを対象から取り外した後、水分補給は、たとえば1分間以上、たとえば2分間以上、たとえば5分間以上、たとえば10分間以上、たとえば15分間以上、たとえば30分間以上、たとえば1時間以上、たとえば2時間以上、たとえば3時間以上、たとえば6時間以上継続されてもよく、且つ経皮送達デバイスを対象から取り外した後、12時間以上を含めて継続されてもよい。
【0081】
他の例では、水分補給流体組成物は、対象にて外科処置の開始前の時に、対象にて外科処置の開始の、たとえば1以上分前に、たとえば2分以上前に、たとえば5分以上前に、たとえば10分以上前に、たとえば15分以上前に、たとえば30分以上前に、たとえば1時間以上前に、たとえば2時間以上前に、たとえば3時間以上前に、たとえば6時間以上前に投与され、且つ対象にて外科処置の開始の12時間以上前を含めて投与される。一部の実施形態では、水分補給流体組成物は、経皮送達デバイスが対象と接触して維持されている間、及び外科処置の間、対象に連続して投与される。水分補給は、対象にて外科処置が完了した後、たとえば1分間以上、たとえば2分間以上、たとえば5分間以上、たとえば10分間以上、たとえば15分間以上、たとえば30分間以上、たとえば1時間以上、たとえば2時間以上、たとえば3時間以上、たとえば6時間以上継続されてもよく、且つ対象にて外科処置が完了した後、12時間以上を含めて継続されてもよい。
【0082】
一部の実施形態では、方法は、第1の速度で第1の所定の時間、対象に水分補給流体組成物を投与することと、第2の速度で第2の所定の時間、対象に水分補給流体組成物を投
与することとを含む。
【0083】
一例では、方法は、第1の速度で第1の所定の時間、対象に水分補給流体組成物を経口投与することと、第2の速度で第2の所定の時間、対象に水分補給流体組成物を経口投与することとを含む。たとえば、方法は450mL/時間~550mL/時間の速度で2時間、対象に水分補給流体組成物を経口投与することと;100mL/時間~150mL/時間で最初の2時間のあと12時間、対象に水分補給流体組成物を経口投与することとを含んでもよい。場合によっては、対象に水分補給する方法は、500mL/時間の速度で2時間、対象に水分補給流体組成物を経口投与することと;125mL/時間で最初の2時間のあと12時間、対象に水分補給流体組成物を経口投与することとを含む。
【0084】
別の例では、方法は、第1の点滴速度で第1の所定の時間、対象に水分補給流体組成物を静脈内投与することと、第2の点滴速度で第2の所定の時間、対象に水分補給流体組成物を静脈内投与することとを含む。たとえば、方法は、450mL/時間~550mL/時間の速度で2時間、対象に水分補給流体組成物を静脈内投与することと;100mL/時間~150mL/時間で最初の2時間のあと12時間、対象に水分補給流体組成物を静脈内投与することとを含んでもよい。場合によっては、対象に水分補給する方法は、500mL/時間の速度で2時間、対象に水分補給流体組成物を静脈内投与することと;125mL/時間で最初の2時間のあと12時間、対象に水分補給流体組成物を静脈内投与することとを含む。
【0085】
ある特定の実施形態では、デクスメデトミジン経皮送達デバイスは、疼痛を治療するまたは管理するための他の治療剤に先立って、それと同時にまたはその後で投与することができる。別の治療剤と同時に提供されるのであれば、主題のデクスメデトミジンは同一組成物にてまたは異なる組成物にて経皮送達デバイスによって投与されてもよい。従って、対象とするデクスメデトミジン送達デバイス及び他の治療剤は併用療法によって対象に投与することができる。「併用療法」とは物質の組み合わせの治療効果が治療法を受けている対象にて引き起こされるように対象に投与することが意図される。たとえば、併用療法は、本発明の経皮送達デバイスによりデクスメデトミジンを投与することと、少なくとも1つの他の作用物質を有する医薬組成物、たとえば、麻酔剤、たとえば、非オピオイド系静脈内全身麻酔剤(たとえば、プロポフォール、エトミデート、ケタミン、バルビタール酸塩(たとえば、アモバルビタール、メトヘキシタール、チアミラール、及びチオペンタール)、ベンゾジアゼピン(たとえば、ジアゼパム、ロラゼパム及びミダゾラム)、しかし、これらに限定されない)、オピオイド系静脈内全身麻酔剤(たとえば、アルフェンタニル、フェンタニル、レミフェンタニル、スフェンタニル、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ジアセチルモルヒネ、ハイドロモルヒネ、レボルファノール、メペリジン、メサドン、モルヒネ、ナルブフィン、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、しかし、これらに限定されない)を含む静脈内作用物質、吸入全身麻酔剤(たとえば、デスフルラン、エンフルラン、ハロタン、イソフルラン、メトキシフルラン、亜酸化窒素、セボフルラン及びキセノン)、局所麻酔剤(たとえば、プロカイン、アメソカイン、リドカイン、プリロカイン、ブピバカイン、レボブピバカイン、ロピバカイン、メピバカイン及びジブカイン、しかし、これらに限定されない)、NSAIDS及びCOX2阻害剤(アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブ、アセトアミノフェン)、たとえば、コデイン、オキシコドン、モルヒネ、メサドン、ブプレノルフィン及びフェンタニルのようなオピオイド、抗うつ剤、抗痙攣剤、デクスメデトミジン剤、カンナビノイド、N-メチル-D-アスパラギン、特定の投薬計画に従って併用で治療効果のある用量を作り出す、とりわけ、神経調節剤を含むが、これらに限定されない疼痛治療組成物を有する医薬組成物を投与することとによって達成されてもよい。これらの物質の併用の治療効果が治療法を受けている対象で生じる限り、別個の医薬組成物の投与は同時に、または異なるときに(すなわち、同一日にまたは異なる日に逐次、いずれかの順で)行うことができ
る。
【0086】
投与される第2の治療剤及び指示された条件に応じて、デクスメデトミジンとの併用投与は第2の治療剤の求められる投与量を減らしてもよい。たとえば、デクスメデトミジンとの併用投与は、たとえば、術後疼痛、化学療法が誘発する疼痛、または放射線療法が誘導する疼痛のような疼痛を効果的に治療するまたは管理するのに必要とされるオピオイドまたは他の鎮痛剤の量を減らしてもよい。デクスメデトミジンとの併用投与は、第2の治療剤の必要とされる投与量を10%以上、たとえば25%以上、たとえば35%以上減らしてもよく、且つ第2の治療剤の必要とされる投与量を50%以上減らすことを含む。
【0087】
ある特定の実施形態では、方法は1以上のオピオイドを対象に同時投与することを含む。用語「オピオイド」はオピオイド受容体(すなわち、μ、κ及びδオピオイド受容体)での相互作用によって薬理学的作用を発揮する天然に存在するまたは合成の化学物質を指すのに従来の意味にて本明細書で使用される。ある特定の実施形態では、オピオイドは生合成のベンジルイソキノリンアルカロイドであり、オピオイド受容体のアゴニスト、アンタゴニスト及び逆アゴニストであってもよい。オピオイドは、たとえば、主題の方法の間でのどんな時でも、たとえば、デクスメデトミジン経皮送達デバイスを対象の皮膚表面に適用する前に、またはデクスメデトミジン経皮送達デバイスを対象の皮膚表面に適用した後で、対象に投与されてもよい。経口、静脈内注射、経皮または他の送達プロトコールを含むが、これらに限定されない任意の好都合のプロトコールが、対象にオピオイドを送達するのに採用されてもよい。一部の実施形態では、方法はオピオイドを静脈内に投与することを含む。一部の実施形態では、オピオイドは周術期に投与される。
【0088】
これらの実施形態に係る方法で対象に同時投与される、数あるオピオイドの中で特に、コデイン、モルヒネ、オリパビン、偽モルヒネ、テバイン、14-ジヒドロモルヒネ、2,4-ジニトロフェニルモルヒネ、6-メチルジヒドロモルヒネ、6-メチレンジヒドロデソキシモルヒネ、6-アセチルジヒドロモルヒネ、アジドモルヒネ、クロロナルトレキサミン、クロロオキシモルファミン、デソモルヒネ(ジヒドロデソキシモルヒネ)、ジヒドロモルヒネ、エチルジヒドロモルヒネ、ヒドロモルフィノール、メチルデソルフィン、N-フェネチルノルモルヒネ、RAM-378、6-ニコチノイルジヒドロモルヒネ、アセチルプロピオニルモルヒネ、ジアセチルジヒドロモルヒネ(ジヒドロヘロイン、アセチルモルフィノール)、ジブチリルモルヒネ、ジベンゾイルモルヒネ、ジホルミルモルヒネ、ジプロパノイルモルヒネ、ヘロイン(ジアセチルモルヒネ)、ニコモルヒネ、6-モノアセチルコデイン、ベンジルモルヒネ、臭化コデインメチル、デソコデイン、ジメチルモルヒネ(6-O-メチルコデイン)、エチルジヒドロモルヒネ、メチルジヒドロモルヒネ(ジヒドロヘテロコデイン)、エチルモルヒネ(ジオニン)、ヘテロコデイン、イソコデイン、フォルコジン(モルフォリニルエチルモルヒネ)、ミロフィン、ナロデイン(N-アリル-ノルコデイン)、トランシソコデイン、14-シンナモイルオキシコデイノン、14-エトキシメトポン、14-メトキシメトポン、14-フェニルプロポキシメトポン、7-スピロインダニルオキシモルフォン、8,14-ジヒドロキシジヒドロモルフィノン、アセチルコドン、アセチルモルフォン、α-ヒドロコドール、ブロモイソプロプロピルジヒドロモルフィノン、コデイノン、コドルフォン、コドール、コドキシム、IBNtxA、アセチルジヒドロコデイノン、ジヒドロコデイノン酢酸エノール、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、ヒドロキシコデイン、メチルジヒドロモルフィノン、モルフェノール、モルフィノン、モルフォール、N-フェネチル-14-エトキシメトポン、オキシコドン、オキシモルフォール、オキシモルフォン、ペンタモルフォン、セモルフォン、α-クロロコジド、β-クロロコジド、α-クロロモルフィド、ブロモコジド、ブロモモルフィド、クロロジヒドロコジド、クロロモルフィド、コジド、14-ヒドロキシジヒドロコデイン、アセチルジヒドロコデイン、ジヒドロコデイン、ジヒドロデソキシコデイン、ジヒドロイソコデイン、ニココデイン、ニコジコデイン、1-ニトロコデイン、コデイン-N
-オキシド、モルヒネ-N-オキシド、オキシモルファゾン、1-ブロモコデイン、1-クロロコデイン、1-ヨードモルヒネ、コデイン-N-オキシド、ヘロイン-7,8-オキシド、モルヒネ-6-グルクロニド、6-モノアセチルモルヒネ、モルヒネ-N-オキシド、ナルトレキソール、ノルコデイン、ノルモルヒネ、4-クロロフェニルピリドモルフィナン、シクロルファン、デクストラロルファン、レバルゴルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、レボメトルファン、ノルレボルファノール、N-メチルモルフィナン、オキシロルファン、フェノモルファン、メトルファン、モルファノール、Ro4-1539、ステフォデリン、キソルファノール、1-ニトロアクナジニン、14-エピシノメニン、5,6-ジヒドロノルサルタリジン、6-ケトナルブフィン、アクナジニン、ブトルファノール、セファキシン、セファサミン、シプロジン、ドロテバノール、フェンファンジン G、ナルブフィン、シノコクリン、シノメニン、タンナギン、5,9アルファ-ジエチル-2-ヒドロキシベンゾモルファン(5、9-DEHB)、8-カルボキサミドシクラゾシン(8-CAC)、アラゾシン、アナゾシン、ブレマゾシン、ブチナゾシン、カルバゾシン、コガゾシン、シクラゾシン、デソジン、エプタゾシン、エタゾシン、エチルケトシクラゾシン、フェドトジン、フルオロフェン、ゲマゾシン、イバゾシン、ケタゾシン、メタゾシン、モキサゾシン、ペンタゾシン、フェナゾシン、クアダゾシン、チアゾシン、トナゾシン、ボラゾシン、ゼナゾシン、4-フルオロメペリジン、アリルノルペチジン、アニレリジン、ベンゼチジン、カルペリジン、ジフェノキシン、ジフェノキシレート、エトキセリジン、カルベチジン、フレチジン、ヒドロキシペチジン、ベミドン、モルフェリジン、メペリジン-N-オキシド、オキフェネリジン、カルバメチジン、ペチジン、メペリジン、ノルペチジン、ペチジン酸、フェネリジン、フェノペリジン、ピミノジン、プロペリジン、イプロペチジン、サメリジン、アリルプロジン、(α/β)-メプロジン、デスメチルプロジン(MPPP)、PEPAP、(α/β)-プロジン、プロシドール、トリメペリジン(プロメドール)、アセトキシケトバミドン、ドロキシプロピン、ケトベミドン、メチルケトベミドン、プロピルケトベミドン、アルビモパン、ロペラミド、ピセナドール、デキストロメタドン、ジピパノン、イソメタドン、レボイソメタドン、レボメタドン、メタドン、ノルメタドン、ノルピパノン、フェナドキソン(ヘプタゾン)、ピピドン(6-ピペリジン-4,4-ジフェニル-5-メチル-ヘキサノン-3ヒドロクロリド)、アルファアセチルメタドール、ジメフェプタノール(ラセメタドール)、レブアセチルメタドール、ノルアセチルメタドール、デスメチルモラミド、デキストロモラミド、レボモラミド、モラミド中間体、ラセモラミド、ジエチルチアムブテン、ジメチルチアムブテン、エチルメチルチアムブテン、ピペリジルチアムブテン、ピロリジニルチアムブテン、チアムブテン、チペピジン、デキストロプロポキシフェン(プロポキシフェン)、ジメノキサドール、酪酸ジオキサフェチル、レボプロポキシフェン、ノルプロポキシフェン、ジアムプロミド、フェナムプロミド、プロピラム、IC-26、イソアミニル、レフェタミン、R-4066、3-アリルフェンタニル、3-メチルフェンタニル、3-メチルチオフェンタニル、4-フェニルフェンタニル、アルフェンタニル、アルファメチルアセチルフェンタニル、アルファメチルフェンタニル、アルファメチルチオフェンタニル、ベンジルフェンタニル、ベタヒドロキシフェンタニル、ベタヒドロキシチオフェンタニル、ベタメチルフェンタニル、ブリフェンタニル、カルフェンタニル、フェンタニル、ロフェンタニル、ミルフェンタニル、オクフェンタニル、オーメフェンタニル、パラフルオロフェンタニル、フェナリジン、レミフェンタニル、スフェンタニル、テニルフェンタニル、チオフェンタニル、トレフェンタニル、7-PET、アセトルフィン、アレトルフィン(N-アリル-ノレトルフィン)、BU-48、デクスメデトミジン、シプレノルフィン、ジヒドロエトルフィン、エトルフィン、ホムプレノルフィン、18,19-デヒドロデクスメデトミジン、N-シクロプロピルメチルノレトルフィン、ネペントン、ノルデクスメデトミジン、テビノン、チエノルフィン、エトヘプタジン、メプタジノール、メトヘプタジン、メテソヘプタジン、プロヘプタジン、ベジトラミド、ピリトラミド、クロニタゼン、エトニタゼン、ニタゼン、18-メトキシコロナリジン、7-アセトキシミトラジニン、7-ヒドロキシミトラジニン、アクアミジン、アクアミ、エセロリン
、ホジキンシン、ミトラジニン、ペリシン、シュードアクアミジン、BW373U86、DPI-221、DPI-287、DPI-3290、SNC-80、ジノルフィンA、ジノルフィンB、β-エンドルフィン、α-エンドルフィン、γ-エンドルフィン・α-ネオ-エンドルフィン・β-ネオ-エンドルフィン、DADLE、DAMGO、デルメンケファリン、met-エンケファリン、leu-エンケファリン、アドレノルフィン、アミドルフィン、カソモルフィン、DALDA(Tyr-D-Arg-Phe-Lys-NH2)、デルトルフィン、デルモルフィン、DPDPE、エンドモルフィン、グリアドルフィン、モルフィセプチン、ノシセプチン、オクトレオチド、オピオルフィン、ルビスコリン、TRIMU5、3-(3-メトキシフェニル)-3-エトキシカルボニルトロパン、AD-1211、AH-7921、アザプロシン、BDPC、ビスノルチチジン、BRL-52537、ブロマドリン、C-8813、シラマドール、ドクスピコミン、エナドリン、ファキセラドール、GR-89696、ヘルキノリン、ICI-199,441、ICI-204,448、J-113,397、JTC-801、ケタミン、KNT-42、LPK-26、メトフォリン、MT-45、デスメチルクロザピン、NNC63-0532、ノルチリジン、O-デスメチルトラマドール、フェナドン、フェンシクリジン、プロジリジン、プロファドール、Ro64-6198、サルビノリンA、SB-612,111、SC-17599、RWJ-394,674、TAN-67、タペンダドール、オキシコドン、チフルアドム、チリジン、トラマドール、トリメブチン、U-50,488、U-69,593、ビミノール、1-(4-ニトロフェニルエチル)ピペリジリデン-2-(4-クロロフェニル)スルホンアミド(W-18)、5’-グアニジノンアルトリンドール、β-フナルトレキサミン、6β-ナルトレキソール、アルビモパン、ビナルトルフィミン、クロルナルトレキサミン、クロシナモックス、シクラゾシン、シプロジン、ジアセチルナロルフィン、ジフェナミゾール、ジプレノルフィン、フェドトジン、JDTic、レバロルファン、メトシナモックス、メチルナルトレキソン、ナルフラフィン、ナルメフェン、ナルメキソン、ナロキサゾン、ナロキソナジン、ナロキソン、ナロキソンベンゾイルヒドラゾン、ナロルフィン、ナルトレキソン、ナルトリベン、ナルトリンドール、ノルビナルトルフィミン、オキシロルファン、S-アリル-3-ヒドロキシ-17-チオニアモルフィナン、アリマドール、アニロパムHCl、アシマドリン、FE200665、フェドトジン、MCOPPB、ナルフラフィン、ナロルフィン、ジニコチン酸ナロルフィン、SoRI-9409を含むが、これらに限定されないオピオイドの種類は変化してもよい。
【0089】
ある特定の実施形態では、オピオイドと同時投与される際に適用される、本明細書に記載されているようなデクスメデトミジン経皮送達デバイスは、疼痛(たとえば、術後疼痛)を効果的に治療するまたは管理するのに必要とされるオピオイドの量を減らしてもよい。ある場合には、上記に記載されている方法に従ってデクスメデトミジン経皮送達デバイスを適用することは、疼痛を管理するのに必要とされる同時投与されるオピオイドの量を1重量%以上、たとえば2重量%以上、たとえば3重量%以上、たとえば5重量%以上、たとえば10重量%以上、たとえば15重量%以上、たとえば25重量%以上減らし、且つ疼痛を管理するのに必要とされる同時投与されるオピオイドの量を50重量%以上減らすことを含む。言い換えれば、疼痛を管理するのに必要とされるオピオイドの量が、疼痛を管理するのに必要とされるオピオイド単独の量と比べて1重量%以上、たとえば2重量%以上、たとえば3重量%以上、たとえば5重量%以上、たとえば10重量%以上、たとえば15重量%以上、たとえば25重量%以上低減され、且つ疼痛を管理するのに必要とされるオピオイド単独の量と比べて疼痛を管理するのに必要とされるオピオイドの量が50重量%以上低減される場合を含む。
【0090】
一部の実施形態では、オピオイドは、経皮送達デバイスが対象に適用される前に、たとえば経皮送達デバイスが対象に適用される1分以上前に、たとえば2分以上前に、たとえば5分以上前に、たとえば10分以上前に、たとえば15分以上前に、たとえば30分以
上前に、たとえば1時間以上前に、たとえば2時間以上前に、たとえば3時間以上前に、たとえば6時間以上前に投与され、且つ経皮送達デバイスが対象に適用される12時間以上前を含めて投与される。他の実施形態では、オピオイドは、経皮送達デバイスが対象に適用された後で、たとえば経皮送達デバイスが対象に適用された1分以上後で、たとえば2分以上、たとえば5分以上、たとえば10分以上、たとえば15分以上、たとえば30分以上、たとえば1時間以上、たとえば2時間以上、たとえば3時間以上、たとえば6時間以上後で対象に投与され、且つ経皮送達デバイスが対象に適用された12時間以上を含めて対象に投与される。
【0091】
他の実施形態では、オピオイドは、対象における外科処置の開始の前に、たとえば対象における外科処置の開始の1分以上前に、たとえば2分以上前に、たとえば5分以上前に、たとえば10分以上前に、たとえば15分以上前に、たとえば30分以上前に、たとえば1時間以上前に、たとえば2時間以上前に、たとえば3時間以上前に、たとえば6時間以上前に投与され、且つ対象における外科処置の開始の12時間以上前を含めて投与される。他の実施形態では、オピオイドは、外科処置の開始の後で、たとえば対象における外科処置の開始の1分以上後で、たとえば2分以上、たとえば5分以上、たとえば10分以上、たとえば15分以上、たとえば30分以上、たとえば1時間以上、たとえば2時間以上に、たとえば3時間以上、たとえば6時間以上後で対象に投与され、且つ対象における外科処置の開始の12時間以上後を含めて対象に投与される。
【0092】
特定の実施形態では、方法は、オピオイド疼痛管理投薬計画における投与されるオピオイド(たとえば、オピオイドアゴニスト)の1以上の投与量を本明細書に記載されているようなデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスで置き換えることを含む。用語「オピオイド疼痛管理投薬計画」は、対象にて疼痛を管理するためにオピオイドの計画された用量投与を有する疼痛管理プロトコール(たとえば、医療専門家による監督下での医療施設にて、または医療専門家の指示/処方のもとでの対象の家庭にて医療専門家による)を指す。たとえば、対象とするオピオイド疼痛管理投薬計画は、オピオイドによって管理されることで知られる数ある疼痛の中でも特に急性疼痛、慢性疼痛、神経障害性疼痛、がんに関連する疼痛、術後疼痛、中程度から重度の疼痛、陣痛、周術期疼痛を管理する、軽減するまたは排除するためにオピオイド投与量の複数の計画された投与を採用する疼痛管理プロトコールを含んでもよい。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているようなデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスを適用することによって置き換えられるまたは補完されるオピオイド疼痛管理投薬計画は、通常オピオイドを必要とし、代替の疼痛緩和プロトコールが不適切であると判明している中程度~重度の疼痛である。
【0093】
これらの実施形態に係る方法は、本明細書に記載されているようなデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスを適用することによって、1以上の、たとえば2以上、たとえば3以上、たとえば4以上、たとえば5以上、たとえば6以上、たとえば7以上、たとえば8以上、たとえば9以上、たとえば10以上、たとえば15以上、たとえば25以上、たとえば50以上、たとえば75以上の、オピオイドの計画された投与を置き換えること、且つ疼痛を管理するための100以上の、オピオイドの計画された投与を含めて置き換えることを含む。そのようなものとして、本明細書に記載されているようなデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスを適用し、維持することは、オピオイド疼痛管理投薬計画におけるオピオイドの計画された投与の数を5%以上、たとえば10%以上、たとえば15%以上、たとえば20%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、たとえば75%以上、たとえば90%以上、たとえば95%以上減らすのに十分であってもよく、且つオピオイド疼痛管理投薬計画におけるオピオイドの計画された投与の数を99%以上減らすことを含めて十分であってもよい。
ある特定の実施形態では、主題の方法は、オピオイド疼痛管理投薬計画におけるオピオイドを完全に(すなわち、投与されるオピオイド投与量の100%)、本明細書に記載され
ているようなデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスで置き換えるのに好適である。ある特定の実施形態では、方法は、上記に記載されているように、オピオイド疼痛管理投薬計画におけるオピオイドの投与と併せてデクスメデトミジンを含有する主題の経皮送達デバイスの1以上を適用し、維持することを含む。ある場合には、デクスメデトミジン経皮送達デバイスが対象と接触しているとき、たとえば、オピオイド疼痛管理投薬計画におけるオピオイドの各計画された投与の投与量が5%以上、たとえば10%以上、たとえば15%以上、たとえば20%以上、たとえば25%以上、たとえば50%以上、且つ75%以上を含めて低減されている場合、低下した投与量のオピオイドがオピオイド疼痛管理投薬計画における対象に投与されてもよい。ある場合には、オピオイド投与の計画された用量の1以上、たとえば、オピオイド投与の1つおきの計画された用量、2つごとの計画された用量、3つごとの計画された用量、4つごとの計画された用量、または何らかの他の区間が排除される(すなわち、飛ばされる)。場合によっては、主題のデクスメデトミジン経皮送達デバイスの1以上を適用することは、オピオイド疼痛管理投薬計画におけるオピオイド投与の逐次計画用量を、たとえば2以上の逐次計画用量、たとえば3以上の逐次計画用量を排除するのに十分であり、且つオピオイド疼痛管理投薬計画におけるオピオイド投与の4以上の逐次計画用量を含んで排除するのに十分である。
【0094】
特定の実施形態では、方法は、主題のデクスメデトミジン経皮送達デバイスの1以上を適用して出産(たとえば、陣痛及び分娩)に関連する産科の疼痛を管理することを含む。これらの実施形態では、経皮送達デバイスは、陣痛の開始後に(たとえば、陣痛収縮の最初の開始の後で)または陣痛の開始に先立って対象に適用され、次いで陣痛及び分娩の全体を通して、と同様に分娩後の時間の量において対象にて維持される。たとえば、デクスメデトミジンは、陣痛の開始に先立つこと30分以上、1時間以上、2時間以上、5時間以上、8時間以上、9時間以上、10時間以上、11時間以上、12時間以上、15時間以上、18時間以上、24時間以上、たとえば1日以上前に経皮送達デバイスによって投与することができ、陣痛及び分娩全体にわたって対象にて維持することができる。ある場合には、経皮送達デバイスは、陣痛の開始に先立つこと0.50~30時間前の、手術に先立つたとえば1~24時間前のどこでも適用される。次いで主題の組成物は分娩後の時間、対象にて維持され、その際、分娩後の維持時間は変化してもよく、ある場合には、1時間以上、たとえば2時間以上、たとえば4時間以上、たとえば8時間以上、たとえば12時間以上、たとえば24時間以上、たとえば48時間以上、たとえば72時間以上、たとえば96時間以上、たとえば120時間以上、たとえば144時間以上であり、且つ168時間以上を含む。上記の範囲について、上限時間は、ある場合には、168時間以下、たとえば144時間以下、たとえば120時間以下、たとえば96時間以下、たとえば72時間以下、たとえば48時間以下であり、且つ24時間以下を含む。ある特定の実施形態では、時間延長された経皮送達は、たとえば0.5時間~168時間、たとえば1時間~144時間、たとえば1.5時間~120時間、たとえば2時間~96時間、たとえば2.5時間~72時間、たとえば3時間~72時間に及ぶ。ある特定の実施形態では、陣痛及び分娩の投薬計画は、陣痛及び分娩の処置に先立つ時間からその後の時間に及ぶ複数日の経皮デクスメデトミジン送達投薬計画であり、ある場合には、この投薬計画は、2日~30日、たとえば2日~15日、たとえば2日~7日、たとえば2日~4日に及び、2日~4日、たとえば3日を含む。
【0095】
一部の実施形態では、経皮送達デバイスは対象と接触して適用され、72時間の合計持続時間維持される。一例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の4時間前に適用され、分娩の間対象と接触して維持され、72時間の全持続時間の後取り外される。別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の6時間前に適用され、分娩の間対象と接触して維持され、72時間の全持続時間の後取り外される。さらに別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の12時間前に適用され、分娩の間対象と接触して維持され、72時間の全持続時間の後取り外される。さらに別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の18時間前に
適用され、分娩の間対象と接触して維持され、72時間の全持続時間の後取り外される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の24時間前に適用され、分娩の間対象と接触して維持され、72時間の全持続時間の後取り外される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の24時間前に適用され、分娩の間対象と接触して維持され、84時間の全持続時間の後取り外される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の24時間前に適用され、分娩の間対象と接触して維持され、96時間の全持続時間の後取り外される。
【0096】
他の実施形態では、主題の経皮送達デバイスの1以上が陣痛の開始に先立って所定の時間(たとえば、4時間、6時間、12時間、18時間、24時間、等)対象に適用され、分娩後72時間以上対象と接触して維持される。そのようなものとして、経皮送達デバイスが対象と接触して維持される全持続時間は、76時間以上、たとえば80時間以上、たとえば84時間以上、たとえば90時間以上であってもよく、且つ96時間以上を含む。一例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の4時間前に適用され、分娩の間、対象と接触して維持され、手術後72時間以上対象と接触して保持される。別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の6時間前に適用され、分娩の間、対象と接触して維持され、分娩後72時間以上対象と接触して保持される。さらに別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の12時間前に適用され、分娩の間、対象と接触して維持され、分娩後72時間以上対象と接触して保持される。さらに別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の18時間前に適用され、分娩の間、対象と接触して維持され、分娩後72時間以上対象と接触して保持される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の24時間前に適用され、分娩の間、対象と接触して維持され、分娩後72時間以上対象と接触して保持される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の24時間前に適用され、分娩の間、対象と接触して維持され、分娩後84時間以上対象と接触して保持される。もっと別の例では、経皮送達デバイスは陣痛の開始の24時間前に適用され、分娩の間、対象と接触して維持され、分娩後96時間以上対象と接触して保持される。
【0097】
対象にて手術疼痛を管理するためのデクスメデトミジン組成物を含有するデクスメデトミジン経皮送達デバイス
本発明の態様はまた、主題の方法を実践するのに好適な有効量(たとえば、鎮静量または非鎮静量)のデクスメデトミジンを対象に送達するためにデクスメデトミジン経皮送達デバイスも含む。対象とする経皮送達デバイスはデクスメデトミジンと感圧接着剤とを有する組成物を含む。デクスメデトミジンは、式:
【化1】
によって記載されるメデトミジンのS-エナンチオマーである。
【0098】
本発明の実施形態に係るデクスメデトミジンは遊離の塩基、塩、溶媒和物、水和物または錯体の形態であってもよい。たとえば、デクスメデトミジンは、メシル酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、エシル酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、安息香酸塩、酢酸塩、リン酸塩及び硫酸塩を含むが、これらに限定されない薬学上許容できる塩の形態であってもよい。一部の実施形態に係るデクスメデトミジンは遊離の塩基であってもよい。他の例では、デクスメデトミジンは錯体を形成してもよい。
【0099】
適用の部位、管理される疼痛の種類及び対象の生理的状態(たとえば、体重)に応じて、対象とする組成物におけるデクスメデトミジンの量は変化してもよく、ある場合には、デクスメデトミジンの量は、0.001mg~50mg、たとえば0.005mg~40mg、たとえば0.01~30mg、たとえば0.05~20mgに及び、且つ、0.1mg~10mgを含む。一部の実施形態では、経皮組成物におけるデクスメデトミジンの量は、0.1%~20%w/w、たとえば0.5%~18%w/w、たとえば1%~15%、たとえば2%~12.5%w/wに及び、且つ3%~10%w/wを含む。他の実施形態では、主題の経皮組成物におけるデクスメデトミジンの量は、経皮組成物の総重量の10重量%以下、たとえば9重量%以下、たとえば8重量%以下、たとえば7重量%以下、たとえば6重量%以下、たとえば5重量%以下であり、経皮組成物の総重量の3重量%以下を含む。ある特定の実施形態では、デクスメデトミジン組成物は飽和点を下回る量のデクスメデトミジンを含む。他の実施形態では、デクスメデトミジン組成物は飽和量のデクスメデトミジンを含む。さらに他の実施形態では、デクスメデトミジン組成物は過飽和量のデクスメデトミジンを含む。
【0100】
本発明の一部の実施形態では、本明細書に記載されているデクスメデトミジン組成物は非鎮静量のデクスメデトミジンを送達するように製剤化される。上記に記載されているように、非鎮静とは、対象の完全な鎮静を引き起こさない量のデクスメデトミジンを対象に送達するようにデクスメデトミジン組成物が製剤化されることを意味する。言い換えれば、対象とするデクスメデトミジン組成物が対象に経皮で投与される全時間を通して対象は意識があり続け、応答できるままである。場合によっては、デクスメデトミジン経皮組成物の投与全体を通して対象は協力的で、見当識が保たれた且つ穏やかな状態のままである。他の例では、デクスメデトミジン経皮組成物の投与全体を通して対象は覚醒したままであり、指図(口頭または書面での指図)に応答できるままである。さらに他の例では、デクスメデトミジン経皮組成物の投与全体を通して対象は覚醒し、協力的な、見当識が保たれた且つ穏やかな状態であり、指図(口頭または書面での指図)に応答することができる。
【0101】
以下でさらに詳細に記載されているように、一部の実施形態では、対象とするデクスメデトミジン経皮組成物は、経皮投与全体を通して対象が、Wilson鎮静スコアシステムに従って評価され、対象が1のWilsonスコアに割り当てられる場合を含めて3以下のWilsonスコア、たとえば2以下のWilsonスコアに割り当てられてもよいように製剤化される。場合によっては、デクスメデトミジン経皮組成物の投与全体を通して対象は眉間を軽く叩くことまたは大声の聴覚刺激に対する活発な応答を示す。他の例では、デクスメデトミジン経皮組成物の投与全体を通して対象は口頭の指図に応答する。さらに他の例では、デクスメデトミジン経皮組成物の投与全体を通して対象は協力的であり、見当識を保ち、穏やかである。さらに他の例では、デクスメデトミジン経皮組成物の投与全体を通して対象は不安であり、興奮し、または落ち着きがない。
【0102】
本発明の実施形態では、経皮デクスメデトミジン組成物は感圧接着剤も含む。感圧接着剤には、ポリ-イソブテン接着剤、ポリ-イソブチレン接着剤、ポリ-イソブテン/ポリイソブチレン接着剤混合物、カルボキシル化ポリマー、アクリル系またはアクリレートコポリマー、たとえばカルボキシル化アクリレートコポリマーが挙げられてもよいが、これらに限定されない。
【0103】
感圧接着剤がポリブテンを含む場合、ポリブテンは飽和ポリブテンであってもよい。或いは、ポリブテンは不飽和ポリブテンであってもよい。その上さらに、ポリブテンは飽和ポリブテンと不飽和ポリブテンの混合物または組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、感圧接着剤には、インドポール(登録商標)L-2、インドポール(登録商標)
L-3、インドポール(登録商標)L-6、インドポール(登録商標)L-8、インドポール(登録商標)L-14、インドポール(登録商標)H-7、インドポール(登録商標)H-8、インドポール(登録商標)H-15、インドポール(登録商標)H-25、インドポール(登録商標)H-35、インドポール(登録商標)H-50、インドポール(登録商標)H-100、インドポール(登録商標)H-300、インドポール(登録商標)H-1200、インドポール(登録商標)H-1500、インドポール(登録商標)H-1900、インドポール(登録商標)H-2100、インドポール(登録商標)H-6000、インドポール(登録商標)H-18000、パナラン(登録商標)L-14E、パナラン(登録商標)H-300E及びそれらの組み合わせの組成物であるまたはそれらと実質的に同一である組成物が挙げられてもよい。ある特定の実施形態では、ポリブテン感圧接着剤はインドポール(登録商標)H-1900である。他の実施形態では、ポリブテン感圧接着剤はパナラン(登録商標)H-300Eである。
【0104】
対象とするアクリレートコポリマーには、たとえば、「軟質」モノマー、「硬質」モノマーまたは「機能的」モノマーのような種々のモノマーのコポリマーが挙げられる。アクリレートコポリマーは、ビポリマー(すなわち、2つのモノマーで作られる)、ターポリマー(すなわち、3つのモノマーで作られる)、もしくはテトラポリマー(すなわち、4つのモノマーで作られる)を含むコポリマー、またはさらに大きい数のモノマーを有するコポリマーで構成することができる。アクリレートコポリマーは架橋されてもよく、または架橋されなくてもよい。ポリマーを既知の方法によって架橋して所望のポリマーを提供することができる。アクリレートコポリマーのモノマー形態には、アクリル酸、アクリル酸アルキル、メタクリレート、共重合できる二次モノマー、または官能基を伴うモノマーを含む群から選択される少なくとも2以上の例となる成分が挙げられてもよい。モノマー(「軟質」及び「硬質」モノマー)は、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタアクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸ヘキシル、アクリル酸2-エチルブチル、メタクリル酸2-エチルブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸イソオクチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリロニトリル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、等であってもよい。アクリル系接着剤モノマーの追加の例は、その開示が参照によって本明細書に組み入れられるSatas,“Acrylic Adhesives,”Handbook of Pressure-Sensitive Adhesive Technology,2nd ed.,pp.396-456(D.Satas,ed.),Van Nostrand Reinhold,New York(1989)に記載されている。一部の実施形態では、感圧接着剤はアクリレート-酢酸ビニルコポリマーである。一部の実施形態では、感圧接着剤には、Duro-Tak(登録商標)87-9301、Duro-Tak(登録商標)87-200A、Duro-Tak(登録商標)87-2353、Duro-Tak(登録商標)87-2100、Duro-Tak(登録商標)87-2051、Duro-Tak(登録商標)87-2052、Duro-Tak(登録商標)87-2194、Duro-Tak(登録商標)87-2677、Duro-Tak(登録商標)87-201A、Duro-Tak(登録商標)87-2979、Duro-Tak(登録商標)87-2510、Duro-Tak(登録商標)87-2516、Duro-Tak(登録商標)87-387、Duro-Tak(登録商標)87-4287、Duro-Tak(登録商標)87-2287、及びDuro-Tak(登録商標)87-2074及びそれらの組み合わせの組成物である、またはそれと実質的に同一である組成物が挙げられてもよい。用語「実質的に同一」はこの文脈で使用されるとき、有機溶媒溶液におけるアクリレート-酢酸ビニルコポリマーである組成物を指す。ある特定の実施形態では、アクリル系感圧接着剤はDuro-Tak(登録商標)87-2054である。
【0105】
たとえば、対象とするアクリレートコポリマーは、式
【化2】
を有するモノマーから形成されてもよく、
式中、Rは、水素、直鎖アルキル、分岐鎖アルキルまたはその置換アルキルである。ある特定の実施形態では、感圧接着剤は、官能化されていないアクリレート、ヒドロキシル官能化されたアクリレートまたは酸官能化されたアクリレートであるアクリレート接着剤である。たとえば、アクリレート接着剤は1以上の-OH官能基を有するアクリル系接着剤であってもよい。アクリル系接着剤が1以上の-OH官能基を有する場合、ある場合には、感圧接着剤は、Duro-Tak(登録商標)87-4287、Duro-Tak(登録商標)87-2287、Duro-Tak(登録商標)87-2510及びDuro-Tak(登録商標)87-2516及びそれらの組み合わせの組成物である、またはそれと実質的に同一である組成物であってもよい。或いは、アクリレート接着剤は1以上の-COOH官能基を有するアクリル系接着剤であってもよい。アクリル系接着剤が1以上の-COOH官能基を有する場合、ある場合には、感圧接着剤は、Duro-Tak(登録商標)87-387、Duro-Tak(登録商標)87-2979及びDuro-Tak(登録商標)87-2353及びそれらの組み合わせの組成物である、またはそれと実質的に同一である組成物であってもよい。その上さらに、アクリレート接着剤は官能化されていないアクリル系接着剤であってもよい。アクリル系接着剤が官能化されていない場合、ある場合には、感圧接着剤は、Duro-Tak(登録商標)87-9301の組成物である、またはそれと実質的に同一である組成物であってもよい。
【0106】
対象とする経皮デクスメデトミジン組成物における感圧接着剤の量は変化してもよく、感圧接着剤の量は0.1mg~2000mg、たとえば0.5mg~1500mg、たとえば1~1000mg、たとえば10~750mgに及び、且つ10mg~500mgを含む。そのようなものとして、経皮組成物における感圧接着剤の量は1%~99%w/w、たとえば5%~95%w/w、たとえば10%~95%、たとえば15%~90%w/wに及び、且つ20%~85%w/wを含む。他の実施形態では、主題の経皮組成物における感圧接着剤の量は、経皮組成物の総重量の70重量%以上、たとえば75重量%以上、たとえば80重量%以上、たとえば85重量%以上、たとえば90重量%以上、たとえば95重量%以上であり、且つ経皮組成物の総重量の97重量%以上を含む。
【0107】
主題の組成物における感圧接着剤のデクスメデトミジンに対する重量比は、1:2~1:2.5;1:2.5~1:3;1:3~1:3.5;1:3.5~1:4;1:4~1:4.5;1:4.5~1:5;1:5~1:10;1:10~1:25;1:25~1:50;1:50~1:75;及び1:75~1:99またはその範囲に及んでもよい。たとえば、対象とする組成物における感圧接着剤のデクスメデトミジンに対する重量比は、1:1~1:5;1:5~1:10;1:10~1:15;1:15~1:25;1:25~1:50;1:50~1:75または1:75~1:99の間に及んでもよい。或いは、主題の組成物におけるデクスメデトミジンの感圧接着剤に対する重量比は、2:1~2.5:1;2.5:1~3:1;3:1~3.5:1;3.5:1~4:1;4:1~4.5:1;4.5:1~5:1;5:1~10:1;10:1~25:1;25:1~50:1;50:1~75:1;及び75:1~99:1の間及びその範囲に及ぶ。たとえば、対象とする組成物におけるデクスメデトミジンの感圧接着剤に対する比は、1:
1~5:1;5:1~10:1;10:1~15:1;15:1~25:1;25:1~50:1;50:1~75:1;または75:1~99:1の間に及んでもよい。
【0108】
一部の実施形態では、経皮デクスメデトミジン組成物はさらに1以上の架橋された親水性ポリマーを含んでもよい。たとえば、架橋されたポリマーはアミン含有親水性ポリマーであってもよい。アミン含有ポリマーには、ポリエチレンイミン、アミン末端化酸化ポリエチレン、アミン末端化酸化ポリエチレン/ポリプロピレン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルのポリマー、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルとビニルピロリドンとのコポリマーが挙げられてもよいが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、架橋されたポリマーは架橋されたポリビニルピロリドン、たとえば、PVP-CLMである。
【0109】
マトリクスは使用される接着剤に応じて他の添加剤を含有してもよい。薬剤の結晶化を阻害する、たとえば、PVP-CLM、PVP K17、PVP K30、PVP K90、のような物質は、摩耗の持続時間を改善し、接着剤の物性、たとえば、冷流、粘性、粘着力を改善する吸湿性を有する。
【0110】
対象とするデクスメデトミジン組成物における架橋されたポリマーの量は変化してもよく、架橋されたポリマーの量は、0.1mg~500mg、たとえば0.5mg~400mg、たとえば1~300mg、たとえば10~200mgに及び、且つ10mg~100mgを含む。そのようなものとして、経皮組成物における架橋されたポリマーの量は、2%~30%w/w、たとえば4%~30%w/w、たとえば5%~25%、たとえば6%~22.5%w/wに及び、且つ10%~20%w/wを含む。他の実施形態では、主題の経皮組成物における架橋されたポリマーの量は、経皮組成物の総重量の8重量%以上、たとえば10重量%以上、たとえば12重量%以上、たとえば15重量%以上、たとえば20重量%以上、たとえば25重量%以上であり、且つ経皮組成物の総重量の30重量%以上の架橋されたポリマーを含む。
【0111】
ある特定の実施形態では、主題の経皮デクスメデトミジン組成物はさらにデクスメデトミジン溶解度向上剤を含む。「溶解度向上剤」とは、主題の組成物におけるデクスメデトミジンの溶解度を高めて、たとえば、組成物におけるデクスメデトミジンの望ましくない結晶化を防ぐ化合物または組成物を意味する。デクスメデトミジン可溶化向上剤は、0.01%~20%(w/w)、たとえば0.05%~15%(w/w)、たとえば0.1%~10%(w/w)、たとえば0.5%~8%(w/w)に及ぶ、且つ1%~5%(w/w)を含む量でデクスメデトミジン組成物に組み込まれてもよい。
【0112】
例示の溶解度向上剤には、リノール酸、オレイン酸、リノレン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、レブリン酸、パルミチン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸(すなわち、ステアリン酸)、N-ラウロイルサルコシン、L-ピログルタミン酸、ラウリン酸、コハク酸、ピルビン酸、グルタル酸、セバシン酸、シクロペンタンカルボン酸;アシル化アミノ酸を含む酸が挙げられるが、こ
れらに限定されない。対象とする他の溶解度向上剤には、脂肪族アルコール、たとえば12~22の炭素原子を有する飽和または不飽和の高級アルコール(たとえば、オレイルアルコールまたはラウリルアルコール);脂肪酸エステル、たとえば、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、乳酸ラウリル、ラウリン酸プロピル、オレイン酸エチル及びパルミチン酸イソプロピル;アルコールアミン、たとえば、トリエタノールアミン、トリエタノールアミン塩酸塩、及びジイソプロパノールアミン;多価アルコールアルキルエーテル、たとえば、多価アルコール、たとえば、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジグリセロール、ポリグリセロール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールモノラウレート、ソルビタン、ソル
ビトール、イソソルビド、メチルグルコシド、オリゴ糖、及び還元オリゴ糖のアルキルエーテル、その際、多価アルコールアルキルエーテルにおけるアルキル基部分の炭素原子の数は好ましくは6~20;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、たとえば、アルキル基部分の炭素原子の数が6~20であり、且つ、ポリオキシエチレン鎖の反復単位(たとえば、-O-CHCH-)の数が1~9であり、たとえば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、及びポリオキシエチレンオレイルエーテル、しかしこれらに限定されないポリオキシエチレンアルキルエーテル;グリセリド(すなわち、グリセロールの脂肪酸エステル)、たとえば、6~18の炭素原子を有する脂肪酸のグリセロールエステル、その際、グリセリドはモノグリセリド(すなわち、エステル結合を介して1つの脂肪酸鎖に共有結合したグリセロール分子)、ジグリセリド(すなわち、エステル結合を介して2つの脂肪酸鎖に共有結合したグリセロール分子)、トリグリセリド(すなわち、エステル結合を介して3つの脂肪酸鎖に共有結合したグリセロール分子)、またはそれらの組み合わせであってもよく、グリセリドを形成する脂肪酸成分にはオクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸(すなわち、ステアリン酸)及びオレイン酸が挙げられる;多価アルコールの中鎖脂肪酸エステル;乳酸アルキルエステル;二塩基酸アルキルエステル;アシル化アミノ酸;ピロリドン;ピロリドン誘導体及びそれらの組み合わせが挙げられてもよいが、これらに限定されない。溶解度向上剤の追加の種類には、乳酸、酒石酸、1,2,6-ヘキサントリオール、ベンジルアルコール、ラノリン、水酸化カリウム(KOH)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、モノオレイン酸グリセロール(GMO)、モノラウリン酸ソルビタン(SML)、モノオレイン酸ソルビタン(SMO)、ラウレス-4(LTH)、及びそれらの組み合わせが挙げられてもよい。ある特定の実施形態では、溶解度吸収向上剤はレブリン酸、乳酸ラウリルまたはモノラウリン酸プロピレングリコールである。
【0113】
主題の経皮デクスメデトミジン組成物の製剤は変化してもよい。たとえば、本発明の組成物は、経皮送達デバイスによる適用のための液体の溶液または懸濁液、シロップ、ゲル、泡状物、またはそれらの組み合わせの形態であってもよい。
【0114】
一部の実施形態では、経皮送達デバイスは単層マトリクスのデクスメデトミジン組成物を含むように構成される。「単層」とは、経皮送達デバイスは経皮送達デバイスの基材の表面に配置される単層のデクスメデトミジン組成物のみを含み、感圧接着剤、経皮デクスメデトミジン組成物、または存在するならば溶解度向上剤のための別の異なる層を含まないことを意味する。同様に、本発明の単層経皮送達デバイスは、感圧接着剤と分離する別のデクスメデトミジンのリザーバ(すなわち、活性剤リザーバ)をさらに含まない。そのようなものとして、本発明の単層経皮送達デバイスは、以下でさらに詳細に記載されているように、主題の方法を実践するのに必要な経皮デクスメデトミジン組成物の成分のそれぞれの量を単一マトリクスに含んでもよい。たとえば、一部の実施形態では、対象とする単層経皮送達デバイスは、対象に非鎮静量のデクスメデトミジンを送達するように構成されるデクスメデトミジンと感圧接着剤との単層マトリクスを含む。別の実施形態では、対象とする単層経皮送達デバイスは、対象に非鎮静量のデクスメデトミジンを送達するように構成されるデクスメデトミジンと感圧接着剤と溶解度向上剤との単層マトリクスを含む。別の実施形態では、対象とする単層経皮送達デバイスは、対象に非鎮静量のデクスメデトミジンを送達するように構成されるデクスメデトミジンと感圧接着剤と脂肪酸エステルとの単層マトリクスを含む。ある特定の実施形態では、対象とする単層経皮送達デバイスは、デクスメデトミジンと感圧接着剤のみを有する単層マトリクスを含む。投与間隔の長さと所望の標的投与量に応じて、対象とする単層マトリクスの厚さは、ある場合には、厚さ10~260ミクロン、たとえば15~250ミクロン、たとえば25~225ミクロン、たとえば50~200ミクロン、たとえば75~175ミクロンに及んで、且つ20~130ミクロン、たとえば35~110ミクロンを含んで変化してもよい。
【0115】
主題の経皮送達デバイスのサイズは変化してもよく、ある場合には、対象にて適用部位全体を覆うように大きさを決めてもよい。そのようなものとして、経皮送達デバイスは、1~100cm、たとえば1~60cmに及ぶ長さ及び1~100cm、たとえば1~60cmに及ぶ幅を有してもよい。そのようなものとして、経皮送達デバイスの面積は、4cm~10,000cm、たとえば5cm~1000cm、たとえば10cm~100cm、たとえば15cm~50cmに及び、且つ20cm~40cmを含む。ある特定の実施形態では、経皮送達デバイスは30cmの面積を有するように大きさが決定される。ある特定の実施形態では、経皮送達デバイスは水に不溶性である。水に不溶性とは、経皮送達デバイスが1ヵ月以上を含めて1日以上、たとえば1週間以上、水に浸されてもよく、溶解があったとしてもほとんど示さず、たとえば、観察できる溶解を示さない。
【0116】
ある特定の実施形態では、上記に記載されているような経皮送達デバイスはさらに重層裏打ち層を含む。重層裏打ちは柔軟性であってもよいので、たとえば、それは対象における所望の適用部位と密接に接触することができる。重層裏打ちは、デクスメデトミジンを吸着せず、デクスメデトミジンがマトリクスから滲出されないようにする物質から製造されてもよい。対象とする重層裏打ち層には、不織布、織物、フィルム(シートを含む)、多孔体、泡状体、紙、不織布または布の上にフィルムを積層することによって得られる複合材、及びそれらの組み合わせが挙げられてもよいが、これらに限定されない。
【0117】
不織布には、たとえばポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン樹脂;たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂;レーヨン、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリウレタン、ポリアクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン-イソプレン-スチレンコポリマー及びスチレン-エチレン-プロピレン-スチレンコポリマー及びそれらの組み合わせが挙げられてもよい。織物には、綿、レーヨン、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、及びそれらの組み合わせが挙げられてもよい。フィルムには、たとえば、ポリエチレン及びポリプロピレンのようなポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート及びポリエチルメタクリレートのようなポリアクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂;ならびにさらに、セロファン、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコールコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、フルオロ樹脂、スチレン-イソプレン-スチレンコポリマー、スチレン-ブタジエンゴム、ポリブタジエン、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、ポリアミド、及びポリスルホン;ならびにそれらの組み合わせが挙げられてもよい。紙には、含侵紙、コート紙、上質紙、クラフト紙、和紙、グラシン紙、合成紙、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0118】
投与間隔と所望の標的投与量に応じて、重層裏打ちのサイズは変化してもよく、ある場合には、対象にて適用部位全体を覆うように大きさを決めてもよい。そのようなものとして、裏打ち層は2~100cm、たとえば4~60cmに及ぶ長さ及び2~100cm、たとえば4~60cmに及ぶ幅を有してもよい。場合によっては、重層裏打ち層は水に不溶性であってもよい。水に不溶性とは、裏打ち層が1ヵ月以上を含めて1日以上、たとえば1週間以上の期間、水に浸されてもよく、溶解があったとしてもほとんど示さず、たとえば、観察できる溶解を示さない。
【0119】
本発明の実施形態に係るデクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスは、適用の部位で対象の皮膚に刺激性ではない。皮膚の刺激は、皮膚に対する有害作用、染みまたは損傷、たとえば、発赤、疼痛、腫れ、または乾燥を指すのにその一般的な意味で本明細
書では称される。そのようなものとして、主題の経皮送達デバイスで方法を実践することにおいて、皮膚の品質は正常のままであり、経皮送達は投与間隔全体にわたって一貫性がある。
【0120】
一部の実施形態では、皮膚の刺激は、適用部位での皮膚の性質及び色を判定するために、且つ対象と接触して経皮組成物を維持することから任意の損傷、疼痛、腫れまたは乾燥が生じているかどうかを判定するために評価される。皮膚は、従来のプロトコールによって、たとえば、その開示が参照によって本明細書に組み入れられるDraize,J.H.,Appraisal of the Safety of Chemicals in Foods,Drugs and Cosmetics,pp.46-49,The
Association of Food and Drug Officials of the United States:Austin,Texasにて開示されたようなDraizeスケールを用いて評価されてもよい。特に、皮膚は紅斑または浮腫について経皮適用部位にて評価されてもよい。たとえば、紅斑及び浮腫の等級は目視観察または触診に基づいて割り当てられてもよい。
紅斑:0=目視での発赤がない;1=非常に軽い発赤(単に認知できるだけ);2=軽いが限定された発赤;3=中程度に強い発赤;4=重度の発赤(皮膚の暗赤色の染み);5=痂皮形成
浮腫:0=目視での反応または腫れがない;1=非常に軽い浮腫(単に認知できるだけ);2=軽い浮腫(腫れのため領域の角がはっきりする);3=中程度の浮腫(1mmまでの腫れ);4=重度の浮腫(1mmを超える腫れ)
【0121】
主題の方法の間でのどんな時でも、適用の部位は皮膚の刺激について評価されてもよい。ある場合には、定期的な間隔、たとえば、72時間ごとに、または何らかの間隔を含めて、0.25時間ごとに、0.5時間ごとに、1時間ごとに、2時間ごとに、4時間ごとに、12時間ごとに、24時間ごとに皮膚を観察するまたは触診することによって、対象と接触して経皮送達デバイスを維持しながら、皮膚は刺激について評価される。たとえば、経皮送達デバイスを適用した168時間後を含めて、たとえば、対象に経皮送達デバイスを適用した15分後、経皮送達デバイスを適用した30分後、経皮送達デバイスを適用した1時間後、経皮送達デバイスを適用した2時間後、経皮送達デバイスを適用した4時間後、経皮送達デバイスを適用した8時間後、経皮送達デバイスを適用した12時間後、経皮送達デバイスを適用した24時間後、経皮送達デバイスを適用した48時間後、経皮送達デバイスを適用した72時間後、経皮送達デバイスを適用した76時間後、経皮送達デバイスを適用した80時間後、経皮送達デバイスを適用した84時間後、経皮送達デバイスを適用した96時間後、経皮送達デバイスを適用した120時間後、対象と接触して経皮送達デバイスを維持しながら、適用の部位は、皮膚の刺激について評価されてもよい。
【0122】
他の実施形態では、経皮適用の部位は経皮送達デバイスが対象との接触から取り外された後で皮膚の刺激について評価される。たとえば、経皮送達デバイスを取り外した72時間後を含めて、経皮送達デバイスを取り外した30分後、たとえば経皮送達デバイスを取り外した1時間後、たとえば経皮送達デバイスを取り外した2時間後、たとえば経皮送達デバイスを取り外した4時間後、たとえば経皮送達デバイスを取り外した8時間後、たとえば経皮送達デバイスを取り外した12時間後、たとえば経皮送達デバイスを取り外した24時間後、たとえば経皮送達デバイスを取り外した48時間後、適用の部位は皮膚の刺激について評価されてもよい。
【0123】
一部の実施形態では、たとえば投与間隔を開始する前の皮膚の色及びきめを記録するために、経皮適用の部位は経皮送達デバイスが対象に適用する前に皮膚の刺激について評価される。たとえば、適用の部位は、経皮送達デバイスを適用する5分前に、たとえば10
分、たとえば30分、たとえば60分、たとえば120分、たとえば240分前に、且つ経皮送達デバイスを適用する480分前を含めて皮膚の刺激について評価されてもよい。方法が逐次適用される複数の投与間隔を含む場合、適用の部位は各経皮送達デバイスが取り外された後、且つ次の経皮送達デバイスが適用される前に皮膚の刺激について評価されてもよい。たとえば、第1の経皮送達デバイスが取り外される場合、適用の部位は、取り外しの後、且つ第2の経皮送達デバイスの適用の前、2時間、24時間及び48時間に皮膚の刺激について評価されてもよい。次の経皮送達デバイスは、刺激について皮膚を評価した直後、適用の以前の部位に適用されてもよく、または刺激について皮膚を評価した後、所定の時間に、たとえば、刺激について皮膚を評価した4時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、120時間後、144時間後、または168時間後に適用されてもよい。
【0124】
適用の部位は、投与間隔の前、その間またはその後で1回以上、投与間隔の前、その間またはその後で5回以上を含めて、たとえば2回以上、たとえば3回以上、皮膚の刺激について評価されてもよい。投与間隔の前、その間またはその後で適用の部位が皮膚の刺激について評価されてもよい回数の上限は、ある場合には、10回以下、たとえば7回以下、たとえば5回以下、たとえば3回以下であり、且つ2回以下である。ある特定の実施形態では、投与間隔の前、その間またはその後で適用の部位が皮膚の刺激について評価されてもよい回数は、たとえば2回~10回、たとえば3回~9回、たとえば4回~8回に及び、且つ5回~7回を含む。ある特定の実施形態では、皮膚の刺激は経皮送達デバイスが対象と接触して維持されている全時間を通して、たとえば、ビデオモニタリングによってモニターされてもよい。
【0125】
主題の方法のさらなる態様は、疼痛の閾値を高める方法を含む。本明細書で使用されるとき、「疼痛の閾値を高めること」は手術、切開、外傷または創傷に関連する疼痛の軽減、減少及び/または最少化(疼痛の軽減された、減少した及び/または最少化した主観的知覚を含む)を指す。さらに別の態様では、主題の方法は手術からの回復を増進すること、と同様に創傷、外傷、及び/または切開からの回復を増進することを提供する。
【0126】
ある特定の実施形態では、主題の方法は、診断ステップを含む。個体は任意の従来のプロトコールを用いて主題の方法を必要とすると診断されてもよい。加えて、個体は、主題の方法が必要であると知られていてもよく、たとえば、主題の方法を実践するのに先立って、個体は標的疾患状態を患っている、または標的疾患状態を患うリスクがあると判定されている。疼痛の診断または評価は当該技術で確立している。評価は、客観的尺度、たとえば、刺激に対する反応、顔の表情、等のような挙動の観察に基づいて実施されてもよい。評価は、主観的尺度、たとえば、種々の疼痛スケールを用いた疼痛の患者による特徴付けにも基づいてもよい。たとえば、Katz,et al,Surg.CHn.North Am.(1999)79(2):231-52;Caraceni,et al.J.Pain Symptom Manage(2002)23(3):239-55を参照のこと。
【0127】
疼痛緩和は緩和の経時変化を特徴としてもよい。従って、一部の実施形態では、疼痛緩和は1時間、2時間または数時間後に主観的にまたは客観的に観察される(及び一部の実施形態では、約12~18時間でのピーク)。他の実施形態では、疼痛緩和は、手術(または創傷もしくは外傷に関連する活動)の24、36、48、60、72時間以上後で主観的にまたは客観的に観察される。
【0128】
有用性
主題のデクスメデトミジン経皮送達デバイス及び方法は、手術疼痛を予防することまたは治療することを含めて種々の適用で使用される。従って、主題のデクスメデトミジン経
皮送達デバイス及び方法は、肉食目(たとえば、イヌ及びネコ)、齧歯目(たとえば、マウス、モルモット及びラット)、兎目(たとえば、ウサギ)及び霊長目(たとえば、ヒト、チンパンジー及びサル)を含む、すべての哺乳類、ヒト及び非ヒトの双方を含む対象にて手術疼痛を治療すること、その発症を遅らせること、及び/またはそれを防ぐことについて有用である。ある特定の実施形態では、対象、たとえば、患者はヒトである。さらに、主題のデクスメデトミジン経皮送達デバイス及び方法は、内部であれ、または外部であれ、切断であれ、穿刺であれ、または裂傷であれ、組織に切開創傷を有する個体にて有用である。そのような切開創傷は、外傷と同様に偶然発生してもよいし、または手術と同様に意図的に発生してもよい。
【0129】
一部の実施形態では、たとえば、上記に記載されているような本発明の方法及び経皮送達デバイスは、たとえば、患者に対して切開を作ることが関与する外科処置から生じる手術疼痛の治療で使用される。手術疼痛は、周術期疼痛及び/または術後疼痛であってもよい。それと共に経皮送達デバイス及び方法が使用されてもよい外科処置は変化してもよく、その際、外科処置は、数ある手術の中でも特に、胸骨正中切開術、腹腔鏡検査、乳腺切除術、関節形成術、骨切り術、がん手術、膝手術、肩手術を含むが、これらに限定されない骨モデル手術または軟組織手術であってもよい。実施形態では、手術は、患者における腱膜瘤切除、全人工膝関節置換術、ヘルニアの修復、開放胆嚢摘出術、人工股関節置換術、または肩及び膝の関節鏡検査である。一部の実施形態では、外科処置は歯科外科処置、たとえば、大臼歯(たとえば、第1、第2または第3の成人大臼歯)の外科的摘出である。
【0130】
ある場合には、本発明の方法及び経皮送達デバイスは、腱膜瘤切除に関連する手術疼痛治療で使用される。腱膜瘤または外反母趾は足の親指の関節包の炎症または肥厚である。この炎症は異常な骨成長により関節に傷害及び変形を引き起こす。足の親指が残りの足指の方に無理に向けられ、第1中足骨の頭部を靴の側面に突き出させ、擦りつけ;下にある組織は炎症を起こし、痛みが増大される。この骨成長が発生するにつれて、足親指が残りの足指に向けて角度を増して無理に成長するので腱膜瘤が形成される。腱膜瘤は第5中足骨でも発生することもあり、その場合、それはバニオネットまたは内反小趾として知られる。腱膜瘤は、足の前部に大きな圧力をかけ、足及び足指を不自然な角度にしてしまう尖った先端の狭い高いハイヒール靴を履くことから発生することが多い。関節における損傷もまた時間と共に腱膜瘤を発生させ得る。遺伝は腱膜瘤の問題すべての10%~15%の因子を担い;遺伝的な変形の1つである外反母趾は足親指の骨及び関節を内側にずらし、成長させるので、足第2指がそれと交差する。偏平足、痛風及び関節炎は腱膜瘤のリスクを高める。腱膜瘤の手術は普通、腱膜瘤切除術と呼ばれ、ほとんど常に外来処置として行われる。処置自体は変形の種類及び重症度に応じて変化する。処置は変化するが、回復はすべてについて同じである。腱膜瘤切除処置の一部は、切断される骨の領域及び行われる切断の種類に応じてAkin、Austin Akin、Keller、Silver、Silver Akin、及びKalishと名付けられている。対象がいったん手術室に入り、麻酔が開始された後、麻酔の種類に応じて止血帯が大腿部または足首のいずれかに適用される。止血帯を用いて手術の間の出血を防ぐ。止血帯が適用された後、足及び下腿を無菌的に洗浄して感染予防を助ける。次いで、外科医は足親指の先端で関節被膜の中への切開を行う。
【0131】
いったん骨が露出されると、外科医は変形を矯正するために骨にて切断を行う。これは「骨切り術」と呼ばれる。本明細書で定義されているように、骨切り術は、骨を切断してその配置を短くする、長くするまたは変化させる外科処置である。それは、たとえば、骨折の後、屈曲して治癒している骨を真っすぐにするのに使用される。骨は、空間と管で融合された石灰化したマトリクスに埋め込まれた骨を作る骨芽細胞、静止期骨細胞及び骨を破壊する破骨細胞から成る結合組織として本明細書で定義される。外反母趾の場合、骨の
小片が取り除かれ、変形を矯正するために骨が再調整される。確実に完全な矯正が行われるためには腱及び他の軟組織の矯正も必要であってもよい。
【0132】
腱膜瘤切除術の種類に応じて、固定が必要とされてもよい。固定は、内部的、経皮であってもよく、または、たとえば、ギブスもしくは添え木、手術靴、粘着形態もしくは包帯のような外的手段によってもよい。腱膜瘤切除術では固定は内部的であることが多い。これは普通ネジまたはワイヤによって行われる。いったん骨が再調整されると、温かい無菌の生理食塩水で傷が洗浄され、次いで縫合して閉じられ、包帯が適用される。回復は外科処置の程度及び各個体の治癒の速度に従って異なる。
【0133】
普通の術後ケアは、最初の3~5日間、休息、高位、及び氷から成る。行われた処置に応じて、この時間の間、特別な靴での若干の歩行が行われてもよい。検査は診療室で行われ、包帯が交換される。仕事の要件に応じて、対象は3~7日後仕事に戻ることが多い。皮膚は普通2週間で治癒し、このとき、抜糸が行われる。骨は治癒するのに6~8週間かかる。定期的な間隔でX線写真を撮ることによって骨治癒の速度を評価することができる。腱膜瘤手術は若干のこわばりを生じる。第2週または第3週に理学療法を開始してこのこわばりを出来るだけ抑え、普通、家庭内訓練が十分である。これらの訓練が行われないと、過剰なこわばりにより不十分な結果が生じ得る。腫れは徐々に減り、2ヵ月で骨の十分な治癒が発生すれば、いつもの靴を履いてもよい。耐えられるにつれて2~3ヵ月でいつもの活動を再開できることが多い。若干の腫れは6ヵ月以上存在することもある。回復期間は処置及び個人の治癒の速度に従って異なる。たとえば、循環、喫煙、骨質、及び全体的な健康のような一部の因子が影響を有することもある。
【0134】
上記で概説されているように、本発明の方法及び経皮送達デバイスは、腱膜瘤切除手術後の疼痛の治療に使用され、術後処置、特に腱膜瘤切除のような外来術後処置に続いて中程度から重度の急性疼痛の即効性の緩和を患者に提供することにて効果的であり、それゆえ、代替の疼痛緩和剤、たとえば、NSAIDS、オピオイド等の必要性を遅らせる、減らすまたはすっかり排除することができる。
【0135】
用語「急性疼痛」は本明細書で使用されるとき、突然発症し、一般に短時間(日、時間、分)で低下し、身体への損傷に続き、身体の損傷が治癒すると徐々に消失する疼痛を意味する。腱膜瘤切除に続く急性疼痛の強さは、軽度から中程度、中程度からわずかに重度、または中程度から重度であることができる。疼痛評定スケールを毎日の臨床診療で用いて疼痛の強さを測定する。一般に使用される測定スケールには、目視アナログスケール(VAS)、図式評定スケール(GRS)、単純記述子スケール(SDS)、数値的評定スケール(NRS)、及び顔面評定スケール(FRS)が挙げられる。これらのスケールはすべて疼痛の強さの有効な測定として文書化されている。米国で最も一般的に使用されている3つのスケールは、数的、単語及び顔面のスケールである。目視アナログスケール(VAS)は、たとえば、一方の端での「疼痛なし」及び他方の端での「この上なく悪い疼痛」のような極端で単語のアンカーを伴う10cmの縦または横の線である。患者は疼痛の強さを表すために線に沿って印を付けるように頼まれる。図式評定スケール(GRS)は極端の間で単語または数を加える目視スケールの変形である。加えられる言い回しには「疼痛なし」、「軽度」、「重度」が挙げられてもよい。記述子スケール(SDS)は疼痛の強さの様々なレベルを記載する形容詞のリストである。たとえば、疼痛の強さは「疼痛なし」、「軽度」、「中程度」または「重度」として記載されてもよい。数的疼痛評定スケール(NPRS)は、0~10もしくは0~5の数的評定または単語と数による目視スケールを指す。患者は疼痛なしの0及び最悪の可能性がある疼痛の10で疼痛を評定するように頼まれる。顔面スケールは子供と使用するために開発された。このスケールは幾つかの変形で存在するが、疼痛の強さを伝える一連の顔の表情を当てにする。
【0136】
0から10に及ぶ数的スケールで測定されるような疼痛の強さの患者の評定を軽度、中程度、及び重度の疼痛にグループ分けすることは、治療の決定を知らせる及び試験の成績を解釈するために有用である。1995年、Serlin及び共同研究者ら(Pain,1995,277-84)は、疼痛の強さを等級分けすることと機能的な推論とによって軽度、中程度、及び重度の疼痛についての切点を確立する技法を開発した。それ以来、数的スケールを、たとえば、NPRSを疼痛の強さのレベルに関する切点に関連付ける多数の試験が行われてきた。一般的な重症度切点は軽度疼痛については(1~4)であり、中程度疼痛については(5~6)であり、重度疼痛については(7~10)である。
【0137】
用語「患者」は本明細書で使用されるとき、手術による外傷の対象である哺乳類のような温血動物を指す。少なくともイヌ、ネコ、マウス及びヒトはその用語の意味の範囲内にあることが理解される。本明細書で使用されるとき、用語「治療」またはその派生語は、急性疼痛の発症に続いて本発明の経皮送達デバイスが投与される場合、急性の疼痛の部分的なまたは完全な抑制を企図する。一実施形態では、術後処置に続く、特に腱膜瘤切除術のような骨切り術に続く急性疼痛の治療のために方法が提供される。
【0138】
キット
本明細書に記載されているある特定の方法を実践することときに使用するためのキットも提供される。ある特定の実施形態では、キットは、ある量のデクスメデトミジンと上記に記載されているような感圧接着剤とを有するデクスメデトミジン組成物を含有する1以上の経皮送達デバイスを含む。ある特定の実施形態では、キットは上記に記載されているような接着性重層を含む。主題の経皮送達デバイスの2以上を含む所与のキットでは、組成物は個々に包装されてもよく、または共通の容器に存在してもよい。
【0139】
ある特定の実施形態では、キットはさらに、主題の方法を実践するための指示書またはそれを入手するための手段(たとえば、指示書を提供しているウェブページにユーザーを導くウェブサイトURL)を含み、その際、これらの指示書は基材上に印刷されてもよく、基材は、添付文書、包装、試薬容器等の1以上であってもよい。主題のキットでは、都合または望みに応じて、1以上の成分が同一のまたは異なる容器に存在してもよい。
【0140】
以下の実施例は限定の目的ではなく説明の目的で提供される。具体的に、以下の実施例は本発明を実施するための具体的な実施形態のものである。実施例は説明目的のみのためのものであって、本発明の範囲を限定することを決して意図するものではない。使用されている数(たとえば、量、温度等)に関して精度を確保するために尽力が払われてきたが、一部の実験的な誤差及び偏差は当然許されるべきである。
【実施例0141】
I.材料及び方法
例示のデクスメデトミジン経皮製剤の調製
製剤は、有機溶媒にてデクスメデトミジンと感圧接着剤とを混合し(たとえば、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ヘキサンまたはヘプタンにおける30~60重量%の固形分)、その後の混合によって調製した。いったん均質な混合物が形成されると、溶液を剥離ライナー(シリコン処理したポリエステルまたはフルオロポリマーをコーティングした2~3ミルのポリエステルシート)上に流し入れ、60℃~80℃で10~90分間乾燥させた。次いで単層接着性フィルムをPETの裏打ちに積層し、所望のサイズに切断し、袋に入れた。ある場合には、架橋されたポリビニルピロリドン(PVP-CLM)、ポリビニルピロリドンK90(PVP K90)、レブリン酸(LA)、オレイン酸(OA)、乳酸ラウリル(LL)、またはモノラウリン酸プロピレングリコール(PGML)を接着剤組成物に加えた。
【0142】
経皮流量試験
ヒト死体皮膚を用い、表皮層(角質層及び生存表皮)を皮膚膜として完全厚の皮膚から分離した。試料を弓形穿孔器で打抜き切断し、約2.0cmの最終直径にした。剥離ライナーを取り外し、デクスメデトミジン接着層を角質層の外面に向けて表皮/角質層の上にシステムを置いた。穏やかな圧力を適用し、接着層と角質層の間で良好な接触を達成した。フランツセルのドナー側と受容体側を一緒に固定し、pH6.5のリン酸緩衝液と0.01%ゲンタマイシンを含有する受容体溶液をフランツセルに加えた。実験の間、セルを32℃~35℃で保持した。受容体溶液の試料を定期的な間隔で取り出し、活性剤の濃度をHPLCによって測定した。取り出した溶液は新しい溶液で置き換え、シンク状態を維持した。時間プロットに対比させた受取区画に透過した薬剤の累積量の傾きから流量を算出した。
【0143】
II. 実施例
実施例1
PIB/PBポリマーにてデクスメデトミジン経皮組成物製剤から得られる試験管内流量
この実施例で使用した感圧接着剤はポリイソブチレン/ポリブテン(PIB/PB)接着剤である。PIB/PB接着剤は、有機溶媒、たとえば、ヘプタン(50%)における高分子量PIB(5%オパノールB100)と低分子量PIB(25%オパノールB12)とポリブテン粘着付与剤、たとえば、インドポールH1900またはパナランH-300e(20%)の混合物である。混合物が均質になるまで、組み合わせを約3日間混合した。例示のデクスメデトミジン経皮組成物製剤を表1及び2にて示す。
【0144】
表1に示すような様々な濃度のデクスメデトミジンを有する経皮送達デバイスと共に試験管内皮膚流量試験を上記に記載されているように実施した。時間に関連した平均のデクスメデトミジンの試験管内皮膚流量は図1にて説明されている。図1に示すように、デクスメデトミジンの試験管内皮膚流量は、高い薬剤負荷(製剤2及び3)と比べて1%製剤の場合(製剤1)、最初の数時間で高かった。製剤2及び3はデクスメデトミジンの針状結晶を有することが見いだされたので、流量のプロファイルは一定であり、薬剤負荷で変化しなかった。しかしながら、結晶は製剤1では認められなかった。製剤1は飽和または過飽和の量のデクスメデトミジンを含む。
【0145】
デクスメデトミジン経皮製剤は、表2で示すようなインドポールH1900から作られたPIBを用いても作製された。様々な皮膚透過性を有する皮膚を介した、PIB/PB接着剤における20%PVP-CLMで作製した1%デクスメデトミジン製剤からのデクスメデトミジン試験管内透過の結果を図2で説明する。図2(A)は経時的な累積デクスメデトミジン送達量を示す。デクスメデトミジンの試験管内透過は、皮膚の透過性に応じて偏位した。試験管内で送達されたデクスメデトミジンの量は8時間で4~35ug/cm及び24時間で15~67ug/cmまで変化し得る。図2(B)は時間に関する累積薬剤送達量の流量及または派生物を示す。製剤2からのデクスメデトミジンの送達速度は約5~7時間で最大に達し、その後、少なくとも24時間一定を維持する。透過性の高い皮膚(皮膚#14)の場合、流量は枯渇により減っていてもよい。図2(C)は経時的に貼付剤に残っている%薬剤を示す。図2(C)に示すように、製剤4から得られるデクスメデトミジンの利用は貼付剤を24時間適用した後、20~70%だった。
【表1】
【表2】
【0146】
実施例2
非官能化アクリレートポリマーにてデクスメデトミジン経皮組成物製剤から得られる試験管内流量
非官能化アクリレート接着剤を用いてデクスメデトミジンの試験管内流量を測定した。実験的に使用した非官能化アクリレート接着剤の例は非官能化アクリレートポリマーであるDuro-Tak87-9301を含む。非官能化Duro-Tak87-9301にて様々な濃度のデクスメデトミジンを有する経皮送達デバイスで上記に記載されているように試験管内皮膚流量試験を行った。デクスメデトミジン経皮組成物製剤を表3に示す。時間に関する平均デクスメデトミジン試験管内流量を図3で説明する。図3に示すように、高いデクスメデトミジンの負荷は増加した試験管内皮膚流量を与えた。
【表3】
【0147】
実施例3
ヒドロキシル(-OH)官能化アクリレートポリマーにてデクスメデトミジン経皮組成物製剤から得られる試験管内流量
ヒドロキシル(-OH)官能化アクリレート接着剤を用いてデクスメデトミジンの試験管内流量を測定した。実験的に使用したヒドロキシル官能化アクリレート接着剤の例には、ヒドロキシル官能化アクリレートポリマー、たとえば、Duro-Tak87-428
7、Duro-Tak387/87-2510、Duro-Tak387/87-2287及びDuro-Tak387/87-2516が挙げられる。様々なヒドロキシル官能化アクリレート接着剤と共に様々な濃度のデクスメデトミジンを有する経皮送達デバイスによって上記に記載されているように試験管内皮膚流量試験を行った。
【0148】
表4及び表5は、Duro-Tak87-4287(アクリレート-酢酸ビニルポリマー)またはDuro-Tak387/87-2510(アクリレートポリマー)における様々な濃度のデクスメデトミジンを含むデクスメデトミジン経皮組成物製剤を示す。平均デクスメデトミジン試験管内流量を図4及び図5にて説明する。図4及び図5に示すように、デクスメデトミジンの試験管内流量は製剤におけるデクスメデトミジンの負荷と共に上昇した。
【表4】
【表5】
【0149】
表6は、酢酸ビニルを含有する別のヒドロキシル官能化アクリレートポリマー、たとえば、Duro-Tak87-2287(架橋剤を添加しないポリマー)及びDuro-Tak87-2516(架橋剤を添加したポリマー)にて1%デクスメデトミジンを含有するデクスメデトミジン経皮組成物製剤を示す。平均デクスメデトミジン試験管内流量を図6で説明する。図6に示すように、Duro-Tak387/87-2287から得られる試験管内流量はDuro-Tak387/87-2516からのものよりもやや高く、恐らく、Duro-Tak387/87-2516と比べてDuro-Tak387/87-2287の高い接着性から生じる。
【表6】
【0150】
実施例4
非官能化またはヒドロキシル(-OH)官能化アクリレートポリマーにて1%デクスメデトミジンの経皮組成物製剤から得られる試験管内流量
他の一連のデクスメデトミジン経皮製剤の例は、非官能化アクリレートポリマー(Duro-Tak87-9301、製剤5)、ヒドロキシル官能化アクリレートポリマー(Duro-Tak387/87-2510、製剤11)及び酢酸ビニルを含有するヒドロキシル官能化アクリレートポリマー(Duro-Tak87-4287、製剤8)と共に1%w/wデクスメデトミジンを含む経皮組成物である。試験管内流量実験は3日間及び1日間行ったが、その結果をそれぞれ図7A及び図7Bに示す。図7A及び図7Bに示すように、デクスメデトミジンの試験管内流量は同じ薬剤負荷では、ヒドロキシル官能化接着剤に比べて非官能化接着剤で少なかった。
【0151】
実施例5
酸(-COOH)官能化または酸/ヒドロキシル(-COOH/OH)官能化アクリレートポリマーにてデクスメデトミジン経皮組成物製剤から得られる試験管内流量
酸(-COOH)官能化または酸/ヒドロキシル(-COOH/OH)官能化アクリレート接着剤を用いて試験管内流量におけるデクスメデトミジンを測定した。この試験で使用した酸(-COOH)官能化アクリレート接着剤の例はDuro-Tak387/87-2353(架橋剤を添加しないアクリレートポリマー)である。この試験で使用した酸/ヒドロキシル(-COOH/OH)官能化アクリレート接着剤はDuro-Tak87-2979(架橋剤を添加したアクリレート-酢酸ビニルポリマー)である。
【0152】
表7及び表8は、異なる酸(-COOH)官能化または酸/ヒドロキシル(-COOH/OH)官能化アクリレートポリマーを含むデクスメデトミジン経皮組成物製剤を示す。製剤におけるデクスメデトミジンの濃度は各接着剤におけるデクスメデトミジンの溶解度に基づいて選択された。Duro-Tak387/87-2353におけるデクスメデトミジンの溶解度が約10~15%であることが見いだされたのに対してDuro-Tak87-2979における溶解度は2%未満であることが見いだされた。酸官能化アクリレート接着剤における薬剤の溶解度は非官能化またはヒドロキシル官能化アクリレート接着剤よりも高かった。
【0153】
試験管内皮膚流量試験は上記に記載されているように実施した。平均デクスメデトミジン試験管内流量は図8及び図9にて説明する。
【表7】
【表8】
【0154】
実施例6
PVP-CLM及びDuro-Tak387/87-2353を含有するPIB/PBポリマーにてデクスメデトミジン経皮組成物製剤から得られる試験管内流量
デクスメデトミジン経皮組成物製剤の別の例を表9に示す。PIB/PB(たとえば、インドポールH-1900)接着剤における薬剤の溶解度を高めるために、PVP-CLM及び酸(-COOH)官能化アクリレートポリマー(Duro-Tak387/87-
2352)を使用した。Duro-Tak387/87-2353の負荷が異なる製剤18~21を調製した。
【0155】
図10で示すように、酸(-COOH)官能化アクリレートポリマー(Duro-Ta
k387/87-2353)を含有する製剤、製剤19、20及び21はDuro-Tak2353を含まない製剤(製剤18)と比べて低い初期流量を有すると思われる。デクスメデトミジンの試験管内流量は3%及び6%の酸官能化接着剤では変化しなかったが、9%の酸官能化接着剤では試験管内流量のわずかな低下が観察される。
【表9】
【0156】
実施例7
PVP-CLM及びレブリン酸を含有するPIB/PBポリマーにてデクスメデトミジン経皮組成物製剤から得られる試験管内流量
デクスメデトミジン経皮組成物製剤の別の例を表10に示す。20%PVP-CLMの存在下でPIB/PB(たとえば、インドポールH-1900)接着剤における薬剤の溶解度を高めるために、種々の濃度の酸を用いてデクスメデトミジン溶解度の上昇を調べた。様々な負荷のレブリン酸を含む製剤22~25を調製した。
【表10】
【0157】
図11に示すように、製剤が6.9%のレブリン酸を含む場合、デクスメデトミジンの試験管内流量は劇的に低下した。しかしながら、1.75%レブリン酸の濃度では、試験管内流量は低濃度のレブリン酸(すなわち、0.6%及び0.9%)に匹敵した。レブリン酸を含有する製剤(製剤22、23、24及び25)から得られる最初の流量は、レブリン酸を含まない製剤(製剤18)の流量よりも低い。しかしながら、24時間後、レブリン酸を含有する製剤(製剤22、23、24及び25)から得られる流量はレブリン酸を含まない製剤(製剤17)からのものよりも高いと思われる。デクスメデトミジンの結晶は1.75%以下のレブリン酸濃度で観察された。
【0158】
実施例8
PVP-CLMと乳酸ラウリルまたはモノラウリン酸プロピレングリコールとを含有するPIB/PBポリマーにてデクスメデトミジン経皮組成物製剤から得られる試験管内流量
デクスメデトミジン経皮組成物製剤の別の例を表11及び表12にて示す。デクスメデトミジンは乳酸ラウリル及びモノラウリン酸プロピレングリコールにて5~10%の溶解度を有する。乳酸ラウリル及びモノラウリン酸プロピレングリコールのそれぞれは主題の製剤にてPIB/PB接着剤におけるデクスメデトミジンの溶解度を高める。製剤26~28の試験管内流量のプロファイルを図12にて示す。製剤29~31の試験管内流量のプロファイルを図13にて示す。製剤26~31はデクスメデトミジンの針状結晶を有することが見いだされた。
【表11】
【表12】
【0159】
実施例9
レブリン酸、PVP K90またはDuro-Tak387/87-2353を含有するDuro-Tak387/87-2287にてデクスメデトミジン経皮組成物製剤から得られる試験管内流量
他の一連のデクスメデトミジン経皮製剤の例には組成物の物理的安定性を改善する可溶化剤と共に1%w/wのデクスメデトミジンを有する経皮組成物が挙げられる。これらの製剤では、レブリン酸、PVP K90及びDuro-Tak87-2353が採用された。製剤の組成は表13、14及び15に示す。0.3%及び0.6%のレブリン酸と共に1%w/wのデクスメデトミジンを有する経皮組成物についての試験管内流量のプロファイルを図14(A)に示す。5%及び10%のPVP K90と共に1%w/wのデクスメデトミジンを有する経皮組成物についての試験管内流量のプロファイルを図14(B)に示す。2%または3%のDuro-Tak387/87-2353と共に1%w/wのデクスメデトミジンを有する経皮組成物についての試験管内流量のプロファイルを図14(C)に示す。試験管内流量のプロファイルから、レブリン酸は適用後15時間透過を高め、PVP K90はデクスメデトミジンの経皮流量を遅延させたのに対してDuro-Tak2353は経皮流量をわずかに減らした。
【表13】
【表14】
【表15】
【0160】
実施例10
レブリン酸、オレイン酸、またはDuro-Tak387/87-2353を含有するDuro-Tak87-9301ポリマーにてデクスメデトミジン経皮組成物製剤から得られる試験管内流量
他の一連のデクスメデトミジン経皮製剤の例には、3.3%のレブリン酸、5%のオレイン酸、または15%のDuro-Tak387/87-2353と組み合わせて3%w/wのデクスメデトミジンと非官能化アクリレートポリマーDuro-Tak87-9301を有する経皮組成物が挙げられる。製剤の組成を表16にて示す。接着剤を含まない非官能化アクリレートポリマーDuro-Tak87-9301(製剤7)における3%デクスメデトミジンと比べたこれらの製剤(製剤38、39及び40)についての試験管内流量のプロファイルを図15で説明する。3%デクスメデトミジンと非官能化アクリレートポリマーDuro-Tak87-9301だけを有する組成物を過飽和させた。レブリン酸及びオレイン酸を可溶化剤及び透過増強剤として用い、試験管内流量の開始時に流量を増やしたが、時間と共に低下した。1%デクスメデトミジン組成物と同様に、Duro-Tak87-2353は流量を減らした。
【表16】
【0161】
実施例11
接着剤の混合物(Duro-Tak2287における15%Duro-Tak2353)における1%、2%、3%及び4%デクスメデトミジンから得られるデクスメデトミジンの試験管内透過
ヒドロキシル官能化アクリレートポリマー(たとえば、Duro-Tak87-2287)と酸官能化アクリレートポリマー(たとえば、Duro-Tak87-2353)との混合物を含有するデクスメデトミジン経皮組成物製剤を表17で要約する。様々な負荷のデクスメデトミジンを含む製剤41~44を調製した。
【表17】
【0162】
図16に示すように、デクスメデトミジンの試験管内流量はデクスメデトミジン負荷の比率の上昇と共に増えた。
【0163】
実施例12
オレイン酸を含有するデクスメデトミジン製剤から得られるデクスメデトミジンの試験管内透過
デクスメデトミジン経皮組成物製剤の別の例を表18で要約する。ヒドロキシル官能化アクリレートポリマー(たとえば、Duro-Tak87-2287)におけるデクスメデトミジンの溶解度を高めるために、オレイン酸を使用した。様々な負荷のオレイン酸及びデクスメデトミジンを含む製剤45~47を調製した。
【表18】
【0164】
図17に示すように、オレイン酸を含有する製剤におけるデクスメデトミジンはオレイン酸を含有しないデクスメデトミジン組成物(たとえば、製剤43)よりも高い流量を有する。オレイン酸は皮膚を介したデクスメデトミジンの透過を増強した。5%から7%へのオレイン酸の増加(たとえば、製剤46)は5%オレイン酸を含有する製剤(たとえば、製剤45)と比べて増強効果を示さなかった。これは、組成物におけるデクスメデトミジンの溶解度の上昇でのオレイン酸の寄与の結果であってもよい。製剤45と製剤47の比較は試験管内流量が薬剤負荷の比率の上昇と共に増えることを示している。
【0165】
実施例13
レブリン酸を含有するデクスメデトミジン製剤から得られるデクスメデトミジンの試験管内透過
レブリン酸を含むデクスメデトミジン経皮製剤を調製した。組成を表19に示す。
【表19】
【0166】
図18に示すように、ルベリン酸を含有する製剤(製剤48及び49)におけるデクスメデトミジンの試験管内流量はデクスメデトミジン負荷の比率と共に増えた。皮膚を介したデクスメデトミジンの透過に対するレブリン酸の増強効果はオレイン酸よりも高かった。
【0167】
貼付剤におけるデクスメデトミジンの量に比べた製剤43、45及び48におけるデクスメデトミジンの試験管内透過の比率の結果を表20で要約する。ルベリン酸及びオレイン酸を含有する製剤45及び製剤48は、試験管内の条件下でデクスメデトミジンの透過で実質的な増強を実証している。
【表20】
【0168】
ヒドロキシル官能化アクリレートポリマーにおけるデクスメデトミジンの溶解度は1%未満だった。デクスメデトミジンを増やすために、酸官能化アクリレートポリマー(たとえば、Duro-Tak2353)、オレイン酸及びレブリン酸を使用した。Duro-Tak2353、オレイン酸及びレブリン酸におけるデクスメデトミジンの溶解度はそれぞれ、約10~15%、40%及び60%だった。製剤に加えた酸の量は製剤における各成分の溶解度に従って調整した。
【0169】
調製の後、顕微鏡を用いて結晶の存在を調べた。この顕微鏡検査から得られた結果は、製剤はすべて(製剤41~48)結晶を含有しないことを示した。
【0170】
製剤すべて(製剤41~48)の流量プロファイルは最初の24時間の間、流量での経時的な明瞭な上昇傾向を示した(図16~18)。これに、流量での経時的な緩やかな減少が続いた。そのようなものとして、最初の24時間での流量の上昇は、場合によっては、体内での迅速で高い最初の治療濃度を達成するのに有用であってもよい。経時的な流量の低下がある場合、流量の低下は、貼付剤にて吸収された水分によって誘導される接着剤での薬剤の結晶化によるものであり得る。
【0171】
実施例14
様々な裏打ちから得られる試験管内流量
この実施例で使用された感圧接着剤はポリイソブチレン/ポリブテン(PIB/PB)接着剤である。PIB/PB接着剤は、有機溶媒、たとえば、ヘプタン(50%)における高分子量PIB(5%オパノールB100)と低分子量PIB(25%オパノールB12)とポリブテン粘着付与剤、たとえば、インドポールH1900またはパナランH-300e(20%)との混合物である。その組み合わせを混合物が均質になるまで約3日間混合した。例示のデクスメデトミジン経皮組成物製剤を表21にて示す。同じ製剤を剥離ライナー上に被覆したが、3つの異なる裏打ち材を積層した:裏打ち1は10前後のMVTR値(g/m/24時間)を有し、裏打ち2は50(g/m/24時間)前後のMVTR値を有し、裏打ち3は150(g/m/24時間)前後のMVTR値を有する。時間に関する平均デクスメデトミジン試験管内皮膚流量を図19にて説明する。図19で示すように、デクスメデトミジン試験管内皮膚流量は裏打ち1及び2については類似した。しかし、それは裏打ち3で顕著に低い。
【表21】
【0172】
実施例15
増強剤としての乳酸ラウリルを含む製剤から得られる試験管内流量
他の一連のデクスメデトミジン経皮製剤の例には、皮膚透過性を改善するための増強剤と共に2~4%w/wのデクスメデトミジンを有する経皮組成物が挙げられる。これらの製剤では、乳酸ラウリル(LL)及びDuro-Tak87-2287が採用された。製剤の組成を表22に示す。経皮組成物についての試験管内流量プロファイル。図20及び図21は2つの異なる皮膚試料における流量を示す。試験管内流量プロファイルから、LLはその皮膚透過性増強効果を示している。流量はまたAPIの負荷にも比例する。
【表22】
【0173】
実施例16
腱膜瘤切除後の術後鎮痛のためのデクスメデトミジン経皮システム
たとえば、上記に記載されているような、または3日間にわたるプラセボ貼付剤に匹敵するデクスメデトミジン経皮システム(DMTS)の無作為二重盲検プラセボ対照単回投与試験を行う。DMTSは3日の適用期間にわたってデクスメデトミジンの延長された放出を提供する。各DMTSは3cmの表面積を有し、0.73mgのデクスメデトミジンを含有する。この試験では、対象は合計1.46mgのデクスメデトミジン用量について2つのDMTSを投与される。DMTSにおける賦形剤には乳酸ラウリル及びアクリレート系コポリマーが挙げられる。匹敵するプラセボ貼付剤は、それがデクスメデトミジンを含有しないことを除いてDMTSと同一である。
【0174】
片側性外反母趾(槌状足指症を伴わない第1中足骨の腱膜瘤)の外科的矯正を予定されている対象は手術に先立って28日までに選抜される。適格な対象を1:1の比に無作為化して2つのDMTSまたは2つの匹敵するプラセボ貼付剤を投与し、手術の前日に開始して術後3日まで臨床試験ユニットで居住する。手術は病院または外来外科センターで実施される。外科処置(すなわち、Austin腱膜瘤切除術)及び術中麻酔(Mayoブロック)は標準化されている。
【0175】
この試験では、対象は無作為化に応じて2つのDMTSまたは2つの匹敵するプラセボ貼付剤を投与される。1日目に、予定された腱膜瘤切除術の12±2時間前に、訓練された試験現場の職員によって対象の上腕の無毛部位に貼付剤が適用される。DMTS/匹敵するプラセボ貼付剤は一晩の絶食後適用される(手術についての外科センターの要件に従
って)。2つのDMTS/匹敵するプラセボ貼付剤を3日間装用する。
【0176】
手術及び手術直後の回復期間に続いて、対象は臨床試験ユニットに戻る。臨床試験ユニットでの3日間の術後期間の間、回復処置は標準化されており(救済鎮痛薬剤の使用を含む);以下が実施される:疼痛の評価(NRSを利用する)、鎮静レベルの評価、安全性評価(酸素飽和度[SpO2]を含むバイタルサイン)、貼付剤の接着及び皮膚の刺激。加えて、部分集合の対象におけるデクスメデトミジンの血漿濃度が得られる。
【0177】
治療期間の間、対象は2つのDMTS(1.46mgの用量)または2つの匹敵するプラセボ貼付剤の3日間の適用を受ける。必要に応じて、対象は救済鎮痛投薬を受ける。
【0178】
以下に記載されている処置及び評価は治療期間の間に実施され;これらの処置に加えて、AE、バイタルサイン及び付随する投薬が試験日全体で評価されるであろう。
【0179】
1日目では、疼痛の強さが対象によってスコア化され、治験医師/現場スタッフによって鎮静レベルが評価され、術後4時間で開始して救済鎮痛薬剤の使用が評価され;PK解析のために血液試料が採取され、接着が評価される。
【0180】
2日目と3日目では、疼痛の強さが対象によってスコア化され、治験医師/現場スタッフによって鎮静レベルが評価され、救済鎮痛薬剤の使用が評価され;PK解析のために血液試料が採取され、貼付剤接着が評価される。
【0181】
4日目では、DMTS/匹敵するプラセボ貼付剤の取り外しに先立って、疼痛の強さが対象によってスコア化され、治験医師/現場スタッフによって鎮静レベルが評価され、救済鎮痛薬剤の使用が評価され;PK解析のために血液試料が採取され、貼付剤接着が評価される。次いでDMTS/匹敵するプラセボ貼付剤が取り外される。貼付剤の取り外しの後、PK解析のために血液試料が採取され、心臓遠隔測定モニタリングが中止され;貼付剤の適用部位が皮膚の刺激について評価される(貼付剤取り外しの1時間後、皮膚の刺激のスコアが>0である場合、経過観察の来診が予定されるであろう)。1時間の皮膚刺激評価の後、添付剤適用領域に由来する目に見える残留物を湿った布で除去する。
【0182】
試験手順すべてが完了した後、4日目に対象はクリニックを退院する。
【0183】
上記試験では、上記に記載されているDMTSの使用は腱膜瘤切除術から生じる患者の疼痛を効果的に管理することが観察される。
【0184】
実施例17
腱膜瘤切除術に続く術後鎮痛のためのTPU-006
TPU-006、3日間のデクスメデトミジンの経皮貼付剤(上記で提供されている製剤)のフェーズ2概念実証(POC)試験を行って腱膜瘤切除術の結果生じる術後疼痛の管理のために貼付剤の有効性を判定した。具体的には、二重盲検プラセボ対照単回用量試験では腱膜瘤切除手術後のTPU-006の鎮痛有効性及び安全性を評価した。合計87人の患者が適用された(活性があるまたはプラセボの)貼付剤を有した。
【0185】
予備的な結果は、TPU-006は幾つかのパラメータにわたって有効な疼痛コントロールを提供し、術後の状況で予想外の安全性事象を生じないことを明らかにした。TPU-006による治療は試験の経過にわたって、低い疼痛スコアについて統計的に有意な重要な知見を示し、プラセボに比べてオピオイドの救済投薬の使用を減らした。TPU-006は上手く忍容され、予想外の重篤有害事象はなく、適用部位の皮膚刺激または眠気は最少限だった、またはなかった。TPU-006で治療した患者はオピオイドの救済投薬
の使用の低下により便秘及び吐き気の経験が少なかった。
【0186】
TPU-006は、現在の術後疼痛または慢性疼痛の管理実務を改善する可能性を提供することが示された。TPU-006はまた麻薬性鎮痛薬の使用を減らす待望の戦略を提供することも示された。この試験で見られるような投与(適用及び取り外し)の容易さは、TPU-006貼付剤が入院患者及び外来患者双方の状況で使用され得ることを意味する。
【0187】
実施例18
腱膜瘤切除後の術後鎮痛のための経皮デクスメデトミジン
上記に記載されているようなデクスメデトミジン組成物と感圧接着剤とを有する3日間のデクスメデトミジン経皮送達デバイス(2×3cmの貼付剤)を用いて、腱膜瘤切除の術後疼痛の管理のための貼付剤の有効性を検討した。具体的には、二重盲検プラセボ対照単回用量試験が腱膜瘤切除手術後のデクスメデトミジン経皮送達デバイスの鎮痛有効性及び安全性を評価した。貼付剤を87人の患者に適用し、その際、貼付剤はデクスメデトミジン貼付剤またはプラセボのいずれかであった。各患者が標準の術中麻酔と共にAustin腱膜瘤切除手術を受ける10時間~14時間前に各経皮送達デバイスを対象に適用した。経皮送達デバイスは皮膚刺激をほとんどから全く示さず、対象は上手く水分補給され、低レベルの便秘及び吐き気を経験した。
【0188】
疼痛強度数値的評定スケール(NRS)及び積算疼痛強度(NRSSPI)を用いて手術直後から術後72時間まで各時点にて、患者にて疼痛を評価した。救済鎮痛剤の時間と最初の使用ならびに救済薬剤の合計使用に基づいても疼痛を評価した。
【0189】
試験の結果は、デクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスが幾つかのパラメータにわたって効果的な疼痛コントロールを提供し、術後の状況で予想外の安全性事象を生じないことを明らかにした。図22は、プラセボと比べたデクスメデトミジン含有経皮送達デバイスと患者の数値的評定スケールを比較した経時的な疼痛の強さのコントロールを示す。図22で示すように、デクスメデトミジンを投与した患者はプラセボを投与した者に比べて術後72時間に至るまで低い疼痛評価を示した。低い疼痛評価を有することに加えて、デクスメデトミジン組成物を有する貼付剤を適用した患者の低い比率が術後最初の6時間で救済投薬を必要とした。デクスメデトミジンを有する貼付剤の患者はプラセボと比べて低い頻度で救済投薬を必要とする。図23はデクスメデトミジン含有組成物を有する及びプラセボを有する経皮送達デバイスを持つ患者を比較するために救済投薬の最初の使用までの時間を示す。図23に示すように、プラセボ貼付剤の患者はデクスメデトミジン含有貼付剤の患者よりも早く救済投薬を必要とした。以下の表23はプラセボ経皮送達デバイスを適用した患者及びデクスメデトミジン含有経皮送達デバイスを適用した患者による救済投薬(オキシコドン)の使用を要約する。表23に要約されているように、調べたすべての時間(0~24時間、0~48時間、及び0~72時間)でプラセボ貼付剤を適用した場合よりもデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスを適用した場合の方が救済投薬を必要とした患者が少なかった。
【表23】
【0190】
経皮送達デバイスによるデクスメデトミジン投与の薬物動態パラメータも上記に記載されている疼痛の評価と併せて評価した。デクスメデトミジンの平均血漿濃度は術後1日目で最高となり、3日目で最低となった。図24A~Bはデクスメデトミジンの平均血漿濃度と代入した数値を積算した疼痛強度の間の関係を比較する。図24Aは、デクスメデトミジン組成物を有する及びプラセボを有する経皮送達デバイスを適用した患者に由来する数的疼痛評定(救済投薬のNRSPIへの寄与を調整するために代入したlast observation carried forward imputed、LOCF)を示す。図24Bはデクスメデトミジン組成物を有する経皮送達デバイスを適用した患者におけるデクスメデトミジンの血漿濃度を示す。図24A~24Bで示すように、デクスメデトミジンとプラセボの間での疼痛強度の差異は4倍のデクスメデトミジン平均血漿濃度の範囲にわたって一定だった。言い換えれば、デクスメデトミジンの疼痛強度の軽減効果は血漿濃度のおよそ4倍の差異にわたってほぼ一定のままである。
【0191】
図25は、Wilson鎮静評定スケールに従った、プラセボ貼付剤を適用した患者と比べたデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスを適用した患者の鎮静状態を示す。図25に示すように、対象に適用したデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスは非鎮静量のデクスメデトミジンによって疼痛にて上記に記載されている軽減を示した。
【0192】
実施例19
ヒト対象におけるデクスメデトミジンを含有する経皮送達デバイスの薬物動態及び薬物力学に関する評価
方法
10分間かけて投与されるプレセデックス(商標)のIV投薬、デクスメデトミジンIV点滴(1μg/kg)とDMTS(デクスメデトミジン経皮送達デバイス)(最大忍容用量(MTD)以下)を比較する、第1部は非盲検単純漸増用量試験であり、第2部は無作為交差試験であった。
【0193】
試験の第1部はMTDが決定されるまでDMTSの用量を上昇させることを評価するように設計された。各用量コホートに3人に対象が登録されることになっていた。適切と見なされれば、投薬を反復してもよい。MTDに達する際、追加のコホート1つがBMI≧18kg/m及びBMI<22kg/mを有する対象によって登録されることになっていた。各対象は3日間のDMTSの適用とそれに続く3日間の洗い流し期間(貼付剤が
取り外されたとき開始した)を受けることになっていた。第1の用量コホート(コホート1)では、対象は2つのDMTSを投与された。コホート1で2つのDMTSが忍容されなければ、用量はコホート2で1つのDMTSに減らされることになっていた。1つのDMTSがコホート2で忍容されなければ、試験は中止されることになっていた。代わりにコホート1にて2つのDMTSが忍容されれば、用量は次のコホートでDMTSを1つ増やすことになっており、コホート2における対象はそれぞれ3つのDMTSを投与されることになる。前のコホートでの用量が忍容される限り、次に続く各コホートと共に用量はDMTSを1つ増やすことになっていた。この方法で用量は最大8つのDMTSまで増やことになっていた。どんな時でも用量が忍容されなければ、用量の上昇を止めることになっており、前のコホートで忍容された用量がMTDと見なされることになっていた。DMTS用量の上昇は、安全性モニタリング委員会が直前コホートからの72時間の安全性データを見直し、用量が忍容されていることを見いだした後にのみ生じた。適切と見なされれば、追加の安全性データを入手し、用量上昇に関する決定を可能にするために追加の対象が登録されてもよい。
【0194】
試験の第2部では、境界も含めて22~29kg/mのBMIを持つ12人の対象が、以下の治療順序の1つに登録され、無作為化されることになっていた:
・順序A:プレセデックス(商標)デクスメデトミジンのIV点滴、2つのDMTS(6cm
・順序B:2つのDMTS(6cm)、プレセデックス(商標)デクスメデトミジンのIV点滴。
【0195】
12人の対象はすべて2つのDMTSとプレセデックス(商標)デクスメデトミジンのIV点滴の静脈内(IV)投薬とを受けることになっており;2種の投薬は3日間の洗い流し期間によって分離された。洗い流し期間は、試験TPU-DMT-01-1501で判定された、DMTSの投与に続くデクスメデトミジンの血漿半減期(T1/2)と同様にDMTSの中止後72時間の期間で観察された有害事象(AE)に基づいた。試験の第1部及び第2部の双方について、試験薬剤の投与に先立って28日までに対象を選抜した。デクスメデトミジンの血漿濃度の測定用に血液を採取するために適格な対象を試験の間クリニックに宿泊させた。鎮静のレベル、安全性、及び貼付剤の接着の評価も試験全体を通して実施された。
【0196】
各DMTSは3cmの表面積を有し、0.73mgのデクスメデトミジンを含有した。第1部では、対象は、コホート1及び2では2つのDMTSを、コホート3及び4では1つのDMTSを、コホート5では2つのDMTSを、コホート6では3つのDMTSを、コホート7では4つのDMTSを、コホート8では3つのDMTSを投与された。第2部では、対象は2つのDMTSを投与された。試験の双方の部では、各DMTSは1日目に上腕の無毛部分に適用され、3日間そのままにしておくことになっていた。
【0197】
算術平均、標準偏差(SD)、中央値、範囲、95%信頼区間、幾何平均及び変動係数(%CV)を用いて第1部のコホートによって及び第2部についての治療によって各時点におけるデクスメデトミジンの血漿濃度を要約した。
【0198】
薬物動態及び薬物力学の結果
試験の第1部では、8つのコホートにわたって、幾何平均Cmax値は58.5から274pg/mLに及び、幾何平均AUC0-inf値は3353から11085pg×時間/mLに及び、これらの値は用量と共に徐々に増加した。中央値Tmax値は14から30時間に及び中央値T1/2は7.9から16.4時間に及んだ。試験の第2部では、DMTS処置によって、幾何平均Cmaxは115.1pg/mLであり、幾何平均AUC0-inf値は6130pg×時間/mLであり、中央値Tmax値は24.0時間で
あり、中央値T1/2は12.1時間だった。
【0199】
比較においてプレセデックス(商標)デクスメデトミジンのIV点滴処置によって、幾何平均Cmax値は993.3pg/mLであり、幾何平均AUC0-inf値は1478pg×時間/mLであり、中央値Tmax値は0.17時間であり、中央値Tmax値は2.0時間だった。デクスメデトミジンの平均(SD)クリアランス(プレセデックス(商標)デクスメデトミジンのIV点滴処置に続いて測定された)は54.6(9.46)L/時間だった。DMTS(6cm)の幾何平均生体利用効率は330.8μgであると決定され、相当する投薬速度は4.6μg/時間だった。
【0200】
第1部では、コホートすべてにわたって、ほとんどの時点での鎮静レベルは1のWilson鎮静スコア(完全に覚醒し、且つ見当識が保たれた)に一致した。コホートすべてにおいて、2(うとうとする)または3(眼を閉じているが、指図に覚醒できる)のスコアは散発的な時点で観察された。4(眼を閉じているが、軽度の物理的刺激に覚醒できる)または5(眼を閉じ、軽度の物理的刺激に覚醒できない)の鎮静スコアを有する対象はどのコホートにもどの時点にもいなかった。
【0201】
第2部では、DMTS(6cm)処置の間、11人の対象のほとんどがあらゆる時点で1のWilson鎮静スコアを有し、どの時点でも2または3のスコアを有したのは2人の対象を超えず、どの時点でも4または5を有する対象はいなかった。プレセデックス(商標)デクスメデトミジンのIV点滴処置によって、対象の大半は点滴終了時に2のWilson鎮静スコアを有し、点滴後1時間の時点で2または3のスコアが続き、点滴後2時間の時点で2のスコアが続いた。2時間後の時点で、対象の大半が2または3のスコアを有した点滴後4時間の時点を除いて、ほとんどの対象は1のスコアを有した。
【0202】
本開示の例となる非限定の態様
上記に記載されている本主題の実施形態を含む態様は、単独で、または1以上の他の態様もしくは実施形態との組み合わせで有益であってもよい。前述の記載を限定することなく、1~171と番号付けされた本開示のある特定の非限定の態様が以下に提供されている。本開示を読む際に当業者に明らかなように、個々に番号付けされた態様のそれぞれは、先行するまたは後に続く個々に番号付けされた態様のいずれかと共に使用されてもよく、またはそれと組み合わせてもよい。これは、態様のそのような組み合わせすべてについてサポートを提供することが意図されるのであって、以下で明白に提供されている態様の組み合わせに限定されない。
1.対象にて疼痛を管理する方法であって、前記方法が対象にて疼痛を管理するのに十分な方法で、デクスメデトミジン及び感圧接着剤を含むデクスメデトミジン組成物と、裏打ち層とを含む経皮送達デバイスを前記対象の皮膚表面に適用することを含む、前記方法。
【0203】
2.前記疼痛が、手術疼痛、周術期疼痛、術後疼痛、がんの疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、侵害受容性疼痛、体性痛、内臓痛、神経障害性疼痛、陣痛、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される、条項1に記載の方法。
【0204】
3.前記疼痛が手術疼痛である条項2に記載の方法。
【0205】
4.前記手術疼痛が、胸骨正中切開術、腹腔鏡検査、乳腺切除術、関節形成術、骨切り術、がん手術、膝手術、及び肩手術から成る群から選択される外科処置から生じる、条項3に記載の方法。
【0206】
5.前記手術疼痛が歯科手術から生じる条項3に記載の方法。
【0207】
6.前記歯科手術が、1以上の大臼歯の外科的摘出である、条項5に記載の方法。
【0208】
7.前記外科処置が骨切り術である条項3に記載の方法。
【0209】
8.前記骨切り術が腱膜瘤切除術である条項7に記載の方法。
【0210】
9.前記疼痛が始まる前に前記経皮送達デバイスが前記皮膚表面に適用される、条項3~8のいずれか1項に記載の方法。
【0211】
10.前記方法が、前記デバイスを前記対象に周術期にて適用することを含む、条項3~9のいずれか1項に記載の方法。
【0212】
11.前記外科処置より12時間~24時間前の時に、前記経皮送達デバイスが前記対象の前記皮膚表面に適用される、条項9または10に記載の方法。
【0213】
12.前記方法が、非完全鎮静量のデクスメデトミジンを前記対象に送達することを含む、条項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【0214】
13.前記方法が、非完全鎮静量のデクスメデトミジンを前記対象に1日以上送達することを含む、条項12に記載の方法。
【0215】
14.前記方法が、非完全鎮静量のデクスメデトミジンを前記対象に3日以上送達することを含む、条項13に記載の方法。
【0216】
15.前記方法が、前記対象にて4を超えないWilson鎮静スコアを維持するのに十分な方法で非完全鎮静量のデクスメデトミジンを前記対象に送達することを含む、条項10~14のいずれか1項に記載の方法。
【0217】
16.前記方法が、前記対象にて3を超えないWilson鎮静スコアを維持するのに十分な方法で非完全鎮静量のデクスメデトミジンを前記対象に送達することを含む、条項15に記載の方法。
【0218】
17.前記対象が覚醒し、口頭指図に応答できる、条項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【0219】
18.前記方法が、約5μg/日~約500μg/日に及ぶ速度で前記経皮送達デバイスによってデクスメデトミジンを前記対象に送達することを含む、条項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【0220】
19.前記方法が、1mcg/時間~10mcg/時間に及ぶ速度で前記経皮送達デバイスによってデクスメデトミジンを前記対象に送達することを含む、条項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【0221】
20.前記方法が、約0.01ng/mL~約0.4ng/mLの前記対象におけるデクスメデトミジンの平均血漿濃度を維持するのに十分な方法で前記対象にデクスメデトミジンを送達することを含む、条項1~19のいずれか1項に記載の方法。
【0222】
21.前記方法がさらに、鎮痛薬、麻酔薬、抗鬱薬、抗痙攣薬、カンナビノイド、N-メチル-D-アスパラギン酸及び神経修飾物質及びそれらの組み合わせから成る群から選択される化合物を前記対象に同時投与することを含む、条項1~20のいずれか1項に記載
の方法。
【0223】
22.前記方法がさらに、麻酔薬を前記対象に同時投与することを含む、条項21に記載の方法。
【0224】
23.前記麻酔薬が全身麻酔薬である、条項22に記載の方法。
【0225】
24.前記全身麻酔薬が、非オピオイド系の静脈内全身麻酔薬である、条項21に記載の方法。
【0226】
25.前記方法が、前記同時投与される化合物の前記量を10%以上減らすのに十分である、条項21~24のいずれか1項に記載の方法。
【0227】
26.前記方法が、オピオイドを前記対象に同時投与することを含む、条項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【0228】
27.前記対象にて疼痛を管理するのに必要とされるオピオイドの前記量を50%以上減らす、条項26に記載の方法。
【0229】
28.前記方法が、オピオイド疼痛管理投薬計画におけるオピオイドの1以上の予定された投与の一部または全部を置き換えるのに十分である、条項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【0230】
29.前記感圧接着剤がペンダントヒドロキシル官能基を含むアクリレート感圧接着剤である、条項1~28のいずれか1項に記載の方法。
【0231】
30.前記デクスメデトミジン組成物がさらに、透過増強剤を含む、条項29に記載の方法。
【0232】
31.前記透過増強剤が乳酸ラウリルである、条項30に記載の方法。
【0233】
32.前記経皮送達デバイスが前記デクスメデトミジン組成物を含む単層マトリクスを含み、前記単層マトリクスが非鎮静量のデクスメデトミジンを前記対象に送達するように製剤化される、条項1~31のいずれか1項に記載の方法。
【0234】
33.前記経皮送達デバイスが前記デクスメデトミジン組成物における前記デクスメデトミジンの20%以上を送達するように構成される、条項1~31のいずれか1項に記載の方法。
【0235】
34.前記組成物における前記デクスメデトミジンの量が1~5%w/wである条項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【0236】
35.前記組成物における前記デクスメデトミジンの量が3%w/wである条項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【0237】
36.前記方法が、150mcg~600mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0238】
37.前記方法が、175mcg~575mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクス
メデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項36に記載の方法。
【0239】
38.前記方法が、192.7mcg~551.7mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項36に記載の方法。
【0240】
39.前記方法が、224mcg~437mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項36に記載の方法。
【0241】
40.前記方法が、278mcg~384mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項36に記載の方法。
【0242】
41.前記方法が、304mcg~357mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項36に記載の方法。
【0243】
42.前記方法が、320mcg~341mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項36に記載の方法。
【0244】
43.前記方法が、1mcg/時間~10mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0245】
44.前記方法が、2mcg/時間~8mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項43に記載の方法。
【0246】
45.前記方法が、2.7mcg/時間~7.7mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項43に記載の方法。
【0247】
46.前記方法が、3.1mcg/時間~6.1mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項43に記載の方法。
【0248】
47.前記方法が、3.9mcg/時間~5.3mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項43に記載の方法。
【0249】
48.前記方法が、4.2mcg/時間~5.0mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項43に記載の方法。
【0250】
49.前記方法が、4.4mcg/時間~4.7mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項43に記載の方法。
【0251】
50.前記方法が、50pg/mL~250pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0252】
51.前記方法が、70pg/mL~225pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮組成物を維持することを含む、条項50に記載の方法。
【0253】
52.前記方法が、70.1pg/mL~205pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項50に記載の方法。
【0254】
53.前記方法が、77pg/mL~153pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項50に記載の方法。
【0255】
54.前記方法が、96pg/mL~134pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項50に記載の方法。
【0256】
55.前記方法が、106pg/mL~125pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項50に記載の方法。
【0257】
56.前記方法が、111pg/mL~119pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項50に記載の方法。
【0258】
57.前記方法が、3000時間×pg/mL~10000時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0259】
58.前記方法が、3500時間×pg/mL~9000時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項57に記載の方法。
【0260】
59.前記方法が、3517時間×pg/mL~8954時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項57に記載の方法。
【0261】
60.前記方法が、4548時間×pg/mL~7712時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項57に記載の方法。
【0262】
61.前記方法が、5339時間×pg/mL~6921時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項57に記載の方法。
【0263】
62.前記方法が、5735時間×pg/mL~6525時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項57に記載の方法。
【0264】
63.前記方法が、5972時間×pg/mL~6288時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項57に記載の方法。
【0265】
64.前記経皮送達デバイスが約6cmの表面積を有する、条項35~63のいずれか1項に記載の方法。
【0266】
65.前記方法が、100mcg~400mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0267】
66.前記方法が、125mcg~375mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項65に記載の方法。
【0268】
67.前記方法が、128.5mcg~367.8mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項65に記載の方法。
【0269】
68.前記方法が、150mcg~292mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項65に記載の方法。
【0270】
69.前記方法が、185mcg~256mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項65に記載の方法。
【0271】
70.前記方法が、203mcg~238mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項65に記載の方法。
【0272】
71.前記方法が、213mcg~228mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項65に記載の方法。
【0273】
72.前記方法が、0.5mcg/時間~6mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0274】
73.前記方法が、1mcg/時間~5.5mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項72に記載の方法。
【0275】
74.前記方法が、1.8mcg/時間~5.1mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項72に記載の方法。
【0276】
75.前記方法が、2.1mcg/時間~4.1mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮組成物送達デバイスの位置を維持することを含む、条項72に記載の方法。
【0277】
76.前記方法が、2.6mcg/時間~3.6mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項72に記載の方法。
【0278】
77.前記方法が、2.8mcg/時間~3.3mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項72に記載の方法。
【0279】
78.前記方法が、3.0mcg/時間~3.2mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項72に記載の方法。
【0280】
79.前記方法が、25pg/mL~150pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0281】
80.前記方法が、40pg/mL~140pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項79に記載の方法。
【0282】
81.前記方法が、47pg/mL~137pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項79に記載の方法。
【0283】
82.前記方法が、51pg/mL~102pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項79に記載の方法。
【0284】
83.前記方法が、64pg/mL~90pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項79に記載の方法。
【0285】
84.前記方法が、70pg/mL~83pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項79に記載の方法。
【0286】
85.前記方法が、74pg/mL~79pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃
度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項79に記載の方法。
【0287】
86.前記方法が、2000時間×pg/mL~7500時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0288】
87.前記方法が、2250時間×pg/mL~6000時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項86に記載の方法。
【0289】
88.前記方法が、2345時間×pg/mL~5969時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項86に記載の方法。
【0290】
89.前記方法が、3032時間×pg/mL~5141時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項86に記載の方法。
【0291】
90.前記方法が、3559時間×pg/mL~4614時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項86に記載の方法。
【0292】
91.前記方法が、3823時間×pg/mL~4350時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項86に記載の方法。
【0293】
92.前記方法が、3981時間×pg/mL~4192時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項86に記載の方法。
【0294】
93.前記経皮送達デバイスが約4cmの表面積を有する条項65~92のいずれか1項に記載の方法。
【0295】
94.前記方法が、50mcg~200mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0296】
95.前記方法が、60mcg~190mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項94に記載の方法。
【0297】
96.前記方法が、64mcg~184mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメ
デトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項94に記載の方法。
【0298】
97.前記方法が、75mcg~146mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項94に記載の方法。
【0299】
98.前記方法が、93mcg~128mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項94に記載の方法。
【0300】
99.前記方法が、101mcg~119mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項94に記載の方法。
【0301】
100.前記方法が、107mcg~114mcgの72時間にわたる平均吸収量のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項94に記載の方法。
【0302】
101.前記方法が、0.1mcg/時間~5mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0303】
102.前記方法が、0.5mcg/時間~3mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項101に記載の方法。
【0304】
103.前記方法が、0.9mcg/時間~2.6mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項101に記載の方法。
【0305】
104.前記方法が、1.0mcg/時間~2.0mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項101に記載の方法。
【0306】
105.前記方法が、1.3mcg/時間~1.8mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項101に記載の方法。
【0307】
106.前記方法が、1.4mcg/時間~1.7mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項101に記載の方法。
【0308】
107.前記方法が、1.5mcg/時間~1.6mcg/時間の72時間にわたる平均デクスメデトミジン吸収を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項101に記載の方法。
【0309】
108.前記方法が、10pg/mL~80pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方
法。
【0310】
109.前記方法が、20pg/mL~70pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項108に記載の方法。
【0311】
110.前記方法が、23.4pg/mL~68.3pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項108に記載の方法。
【0312】
111.前記方法が、26pg/mL~51pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項108に記載の方法。
【0313】
112.前記方法が、32pg/mL~45pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項108に記載の方法。
【0314】
113.前記方法が、35pg/mL~42pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項108に記載の方法。
【0315】
114.前記方法が、37pg/mL~40pg/mLの72時間にわたる平均最大血漿濃度のデクスメデトミジンを提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項108に記載の方法。
【0316】
115.前記方法が、1000時間×pg/mL~3500時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0317】
116.前記方法が、1100時間×pg/mL~3000時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項115に記載の方法。
【0318】
117.前記方法が、1172時間×pg/mL~2985時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項115に記載の方法。
【0319】
118.前記方法が、1516時間×pg/mL~2571時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項115に記載の方法。
【0320】
119.前記方法が、1780時間×pg/mL~2307時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項115に記載の方法。
【0321】
120.前記方法が、1912時間×pg/mL~2175時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項115に記載の方法。
【0322】
121.前記方法が、1991時間×pg/mL~2096時間×pg/mLの72時間にわたる血漿デクスメデトミジンの濃度曲線下平均面積を提供するのに十分な方法で前記対象の前記皮膚表面と接触して前記経皮送達デバイスを維持することを含む、条項115に記載の方法。
【0323】
122.前記経皮送達デバイスが約2cmの表面積を有する、条項94~121のいずれか1項に記載の方法。
【0324】
123.前記方法がさらに、ある量の水分補給流体を前記対象に投与することを含む、条項1~122のいずれか1項に記載の方法。
【0325】
124.前記水分補給流体が静脈内で前記対象に投与される、条項123に記載の方法。
【0326】
125.前記水分補給流体が経口で前記対象に投与される、条項123に記載の方法。
【0327】
126.前記水分補給流体が周術期に前記対象に投与される、条項123~125のいずれか1項に記載の方法。
【0328】
127.前記経皮送達デバイスを前記対象に適用することと併せて前記水分補給流体が投与される、条項123~125のいずれか1項に記載の方法。
【0329】
128.前記経皮送達デバイスを前記対象に適用する前の所定の時間に前記水分補給流体が投与される、条項123~125のいずれか1項に記載の方法。
【0330】
129.前記方法が、
第1の点滴速度で第1の所定の時間、前記水分補給流体を前記対象に静脈内で投与することと
第2の点滴速度で第2の所定の時間、前記水分補給流体を前記対象に静脈内で投与することとを含む、条項123~128のいずれか1項に記載の方法。
【0331】
130.前記方法が、
450mL/時間~550mL/時間の速度で2時間、前記水分補給流体を前記対象に静脈内で投与することと
100mL/時間~150mL/時間の速度で最初の2時間の後12時間、前記水分補給流体を前記対象に静脈内で投与することとを含む、条項129に記載の方法。
【0332】
131.前記方法が、
500mL/時間の速度で2時間、前記水分補給流体を前記対象に静脈内で投与することと
125mL/時間の速度で最初の2時間の後12時間、前記水分補給流体を前記対象に静脈内で投与することとを含む、条項130に記載の方法。
【0333】
132.前記方法が、
第1の点滴速度で第1の所定の時間、前記水分補給流体を前記対象に経口で投与すること

第2の点滴速度で第2の所定の時間、前記水分補給流体を前記対象に経口で投与することとを含む、条項125に記載の方法。
【0334】
133.前記方法が、
450mL/時間~550mL/時間の速度で2時間、前記水分補給流体を前記対象に経口で投与することと
100mL/時間~150mL/時間の速度で最初の2時間の後12時間、前記水分補給流体を前記対象に経口で投与することとを含む、条項132に記載の方法。
【0335】
134.前記方法が、
500mL/時間の速度で2時間、前記水分補給流体を前記対象に経口で投与することと125mL/時間の速度で最初の2時間の後12時間、前記水分補給流体を前記対象に経口で投与することとを含む、条項130に記載の方法。
【0336】
135.前記方法がさらに、前記対象にオピオイドを同時投与することを含む、条項1~134のいずれか1項に記載の方法。
【0337】
136.前記オピオイドが前記対象に経口で投与される、条項135に記載の方法。
【0338】
137.前記オピオイドが前記対象に静脈内で投与される、条項135に記載の方法。
【0339】
138.前記オピオイドがオキシコドンである、条項135~137のいずれか1項に記載の方法。
【0340】
139.前記対象に前記経皮送達デバイスを適用した後、前記オピオイドが前記対象に投与される、条項135~138のいずれか1項に記載の方法。
【0341】
140.前記オピオイドが、経皮送達デバイスと併せて周術期に前記対象に投与される、条項135~138のいずれか1項に記載の方法。
【0342】
141.疼痛の発症前に前記経皮送達デバイスが前記対象の前記皮膚表面に適用される、条項1~140のいずれか1項に記載の方法。
【0343】
142.前記経皮送達デバイスが、前記疼痛の発症の1時間以上前に前記対象の前記皮膚表面に適用される、条項141に記載の方法。
【0344】
143.前記経皮送達デバイスが、前記疼痛の発症の12時間以上前に前記対象の前記皮膚表面に適用される、条項141に記載の方法。
【0345】
144.前記経皮送達デバイスが1cm~10cmの表面積を有する条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0346】
145.前記経皮送達デバイスが2cm~6cmの表面積を有する条項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【0347】
146.前記感圧接着剤がビニルポリマーを含む、条項1~145のいずれか1項に記載の方法。
【0348】
147.前記ビニルポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポ
リブテン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール及びオルガノシリコーンから成る群から選択される、条項146に記載の方法。
【0349】
148.前記感圧接着剤がポリイソブチレンまたはポリブテンまたはそれらの組み合わせを含む、条項146に記載の方法。
【0350】
149.前記感圧接着剤が飽和ポリブテンを含む、条項148に記載の方法。
【0351】
150.前記感圧接着剤が不飽和ポリブテンを含む、条項148に記載の方法。
【0352】
151.前記感圧接着剤が、アクリル系ポリマー、アクリレートコポリマー、アクリレート-酢酸ビニルコポリマーまたはポリアクリロニトリルを含む、条項1~145のいずれか1項に記載の方法。
【0353】
152.前記感圧接着剤が非官能化ポリマーを含む、条項1~145のいずれか1項に記載の方法。
【0354】
153.前記感圧接着剤が非官能化アクリレートポリマーを含む、条項152に記載の方法。
【0355】
154.前記感圧接着剤が、カルボン酸またはヒドロキシルで官能化されたポリマーを含む、条項1~145のいずれか1項に記載の方法。
【0356】
155.前記感圧接着剤がカルボン酸で官能化されたポリマーを含む、条項154に記載の方法。
【0357】
156.前記感圧接着剤がカルボン酸で官能化されたアクリレートポリマーを含む、条項155に記載の方法。
【0358】
157.前記感圧接着剤がヒドロキシルで官能化されたポリマーを含む、条項154に記載の方法。
【0359】
158.前記感圧接着剤がヒドロキシルで官能化されたアクリレートポリマーを含む、条項157に記載の方法。
【0360】
159.前記感圧接着剤がヒドロキシルで官能化されたポリマーとカルボン酸で官能化されたポリマーとの混合物を含む、条項1~145のいずれか1項に記載の方法。
【0361】
160.前記感圧接着剤がヒドロキシルで官能化されたアクリレートポリマーとカルボン酸で官能化されたアクリレートポリマーとの混合物を含む、条項159に記載の方法。
【0362】
161.前記感圧接着剤が、Duro-Tak(登録商標)87-9301、Duro-Tak(登録商標)87-2353、Duro-Tak(登録商標)87-2510、Duro-Tak(登録商標)87-2516及びDuro-Tak(登録商標)87-4287、Duro-Tak(登録商標)87-2052、Duro-Tak(登録商標)87-2194、Duro-Tak(登録商標)87-2677、Duro-Tak(登録商標)87-201A、Duro-Tak(登録商標)87-2979、及びDuro-Tak(登録商標)87-2074と実質的に同じである、またはそれらから成る群から選択される、条項1~145のいずれか1項に記載の方法。
【0363】
162.前記感圧接着剤が、架橋されたポリビニルピロリドンまたは架橋されたポリアクリル酸またはそれらの組み合わせを含む、条項1~161のいずれか1項に記載の方法。
【0364】
163.前記方法が、鎮静量のデクスメデトミジンを前記対象に送達することを含む、条項1~162のいずれか1項に記載の方法。
【0365】
164.前記オピオイドが、前記対象に前記経皮送達デバイスを適用する前に前記対象に投与される、条項135~138のいずれか1項に記載の方法。
【0366】
165.前記経皮送達デバイスを前記対象に適用しながら、前記オピオイドが前記対象に同時に投与される、条項135~138のいずれか1項に記載の方法。
【0367】
166.対象にて疼痛を管理するためのキットであって、前記キットが
(a)各経皮送達デバイスが
デクスメデトミジン及び
感圧接着剤を含むデクスメデトミジン組成物と
裏打ち層とを含む、1以上の経皮送達デバイスと
(b)条項1~165のいずれかに記載の対象にて疼痛を管理する方法にて2以上の前記経皮送達デバイスを使用するための指示書と
を含む、前記キット。
【0368】
167.さらに、水分補給流体組成物を含む、条項166に記載のキット。
【0369】
168.前記水分補給流体が経口水分補給流体である、条項166に記載のキット。
【0370】
169.前記水分補給流体組成物が静脈内水分補給流体組成物である、条項166に記載のキット。
【0371】
170.前記水分補給流体組成物が正常の生理食塩水を含む、条項167~169のいずれか1項に記載のキット。
【0372】
171.前記水分補給流体組成物がデキストロースを含む、条項167~169のいずれか1項に記載のキット。
【0373】
172.さらに、前記対象に水分補給するための指示書を含む、条項166~171のいずれか1項に記載のキット。
【0374】
173.さらに、前記対象に同時投与するための1以上のオピオイドを含む、条項166~172のいずれか1項に記載のキット。
【0375】
174.前記オピオイドがオキシコドンである、条項173に記載のキット。
【0376】
前述の発明は、理解の明瞭さの目的のために説明及び例示のつもりで多少詳しく記載されているが、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲から逸脱することなくある特定の変更及び修正がそれらに対して行われてもよいことは本発明の教示を踏まえると当業者に容易に明らかである。
【0377】
従って、前述のものは単に本発明の原理を説明している。本明細書では明白に記載され、または示されてはいないけれども、当業者は、本発明の原理を具体化し、その精神及び範囲に含まれる種々の取り合わせを考案できることが十分に理解されるであろう。さらに
、本明細書で引用されている例示及び条件付き言語はすべて原則的に、本発明の原理及び本発明者らによって当該技術を前進させることに寄与される概念を読者が理解するのに役立つように意図され、そのような具体的に引用された例示及び条件に限定されないと解釈すべきである。その上、本発明の原理、態様及び実施形態と同様にその具体的な実施例を引用する本明細書の記載すべてはそれらの構造的な及び機能的な同等物を包含するように意図される。さらに、そのような同等物は現在知られている同等物及び将来開発される同等物、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を行う開発される任意の要素の双方を含むことが意図される。従って、本発明の範囲は本明細書で示され、記載されている例となる実施形態に限定されるようには意図されない。むしろ、本発明の範囲及び精神は添付の特許請求の範囲によって具体化される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図25
【手続補正書】
【提出日】2023-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象にて疼痛を管理する方法であって、前記方法が前記対象にて疼痛を管理するのに十分な方法で、
デクスメデトミジン及び感圧接着剤を含むデクスメデトミジン組成物と、
裏打ち層と
を含む経皮送達デバイスを対象の皮膚表面に適用することを含む、前記方法。
【外国語明細書】