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特開2023-36994新生児用の可撓性ハイブリッド医療用チューブ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023036994
(43)【公開日】2023-03-14
(54)【発明の名称】新生児用の可撓性ハイブリッド医療用チューブ
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/08 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
A61M16/08 330
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023002614
(22)【出願日】2023-01-11
(62)【分割の表示】P 2019565189の分割
【原出願日】2018-05-25
(31)【優先権主張番号】62/511,788
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】ガレス、ジェームズ、ホッブズ
(72)【発明者】
【氏名】レイトン、ロバート、ハーン
(72)【発明者】
【氏名】キール、アンソニー、マックール
(72)【発明者】
【氏名】エルモ、ベンソン、ストークス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】気道陽圧(PAP)、人工呼吸器、麻酔、ベンチレータ、及び送気システムなどにおける医療用チューブ、及び医療用チューブを製造する方法を提供する。
【解決手段】チューブは、細長いチューブを形成するように螺旋状に巻かれた2つ以上の別個の構成要素から構成された複合構造でよい。構成要素の1つは、螺旋状に巻かれた細長い中空体でよく、他の構成要素は、螺旋状に巻かれた中空体の巻きの間に螺旋状に巻かれた細長い構造的構成要素でよい。代替として、チューブは、別個の構成要素から形成する必要はない。単一の材料から形成された(例えば押出成形された)細長い中空体が、細長いチューブを形成するために螺旋状に巻かれてもよい。細長い中空体自体は、横方向断面において、薄い壁部分と、比較的厚い又はより高い剛性の補強部分を有していてよい。チューブは、様々な医療回路に組み込むことができ、又は他の医療用途に使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の可撓性を有する前記呼吸チューブの第1のセグメントと、
第2の可撓性を有する前記呼吸チューブの第2のセグメントであって、前記第2の可撓性が前記第1の可撓性とは異なる第2のセグメントと
を備える呼吸チューブ。
【請求項2】
前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに接続する中間コネクタをさらに備える、請求項1に記載の呼吸チューブ。
【請求項3】
前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに接続する実質的に非可撓性のセグメントをさらに備える、請求項1に記載の呼吸チューブ。
【請求項4】
前記第1のセグメント又は前記第2のセグメントの少なくとも一方の周りにシースをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセグメントの少なくとも部分的な長さに延在する前記シースをさらに備える、請求項4に記載の呼吸チューブ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセグメントの実質的に全長に沿って延在する前記シースをさらに備える、請求項4に記載の呼吸チューブ。
【請求項7】
前記シースが、前記呼吸チューブを通ってガスが流れる間、可撓性を維持し、変位を減衰させるように構成される、請求項4~6のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項8】
前記シースがメッシュシースである、請求項4~6のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項9】
前記シースが編組みシースである、請求項4~6のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項10】
前記シースが壁付きシースである、請求項4~6のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項11】
前記中間コネクタが、前記シースの少なくとも一端を固定する、請求項4~10のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項12】
前記中間コネクタが、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとを電気的及び空気圧的に接続する、請求項4~11のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項13】
前記シースが前記中間コネクタを覆う、請求項4~12のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項14】
前記患者に近接するセグメントが、より高い可撓性を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項15】
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントが複合チューブであり、前記複合チューブが、前記呼吸チューブの少なくとも一部を形成するように螺旋状に巻かれた中空体を備える第1の細長い部材と、前記第1の細長い部材の隣接する巻きの間に螺旋状に巻かれて接合された第2の細長い部材とを有し、前記第2の細長い部材が、前記呼吸チューブの管腔の少なくとも一部を形成する、請求項1~14のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項16】
前記より高い可撓性のセグメントの前記第1の細長い部材の断面幅及び高さが、それぞれ、前記より低い可撓性のセグメントの前記第1の細長い部材の断面幅及び高さよりも狭い及び高い、請求項15に記載の呼吸チューブ。
【請求項17】
前記より高い可撓性を有するセグメントが、より小さい内径、より小さいピッチ、より小さい第2の細長い部材の幅、又はより薄い側壁のうちの少なくとも1つを有する、請求項15に記載の呼吸チューブ。
【請求項18】
前記より高い可撓性のセグメントにおける管腔での側壁が、より高い剛性のセグメントよりも薄い、請求項1~17のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項19】
前記より高い可撓性のセグメントの第1の細長い部材の前記ガス管腔に近接する側壁が、前記より低い可撓性のセグメントの前記第1の細長い部材の前記ガス管腔に近接する側壁よりも薄い、請求項18に記載の呼吸チューブ。
【請求項20】
前記呼吸チューブが、呼吸回路内の吸気チューブである、請求項1~19のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項21】
前記呼吸チューブが、新生児に使用するためにサイズ設定されている、請求項1~20のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項22】
加湿器に接続するように適合された加湿器端部をさらに備える、請求項1~21のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項23】
患者インターフェースに接続するように適合された患者端部をさらに備える、請求項1~22のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項24】
第1の可撓性を有する前記呼吸チューブの第1のセグメントと、
前記第1のセグメントを覆うシースであって、可撓性を維持し、ガス流中の変位を減衰するように構成されたシースと
を備える呼吸チューブ。
【請求項25】
第2の可撓性を有する前記呼吸チューブの第2のセグメントと、
前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに接続する中間コネクタと
をさらに備える、請求項24に記載の呼吸チューブ。
【請求項26】
前記第2の可撓性が前記第1の可撓性と同じである、請求項25に記載の呼吸チューブ。
【請求項27】
前記第2の可撓性が前記第1の可撓性とは異なる、請求項25に記載の呼吸チューブ。
【請求項28】
前記中間コネクタが、前記シースの少なくとも一端を固定する、請求項25~27のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項29】
前記シースが、前記第1のセグメント又は前記第2のセグメントの少なくとも一方の周りにあり、前記少なくとも1つのセグメントの少なくとも部分的な長さにわたって延在する、請求項25~28のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項30】
前記シースが、前記第1のセグメント又は前記第2のセグメントの少なくとも一方の周りにあり、前記少なくとも1つのセグメントの実質的に全長に沿って延在する、請求項25~28のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項31】
前記シースが、前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントの周りにあり、各セグメントの少なくとも部分的な長さにわたって延在する、請求項25~28のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項32】
前記第1のセグメントが、前記呼吸チューブの少なくとも一部を形成するように螺旋状に巻かれた中空体を備える第1の細長い部材と、前記第1の細長い部材の隣接する巻きの間に螺旋状に巻かれて接合された第2の細長い部材とを有する複合チューブであり、前記第2の細長い部材が、前記呼吸チューブの管腔の少なくとも一部を形成する、請求項25~31のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項33】
第1の可撓性を有する前記呼吸チューブの加湿器端部セグメントと、
第2の可撓性を有する前記呼吸チューブの患者インターフェース端部セグメントであって、前記第2の可撓性が前記第1の可撓性と同じである、患者インターフェース端部セグメントと、
前記加湿器端部セグメントを覆うシースであって、可撓性を維持し、ガス流中に変位を減衰するように構成されたシースと
を備える呼吸チューブ。
【請求項34】
前記加湿器端部セグメントを前記患者インターフェース端部セグメントに接続する中間コネクタをさらに備える、請求項33に記載の呼吸チューブ。
【請求項35】
前記中間コネクタが、前記シースの少なくとも一端を固定する、請求項34に記載の呼吸チューブ。
【請求項36】
前記シースが、前記加湿器端部セグメントの少なくとも部分的な長さにわたって延在する、請求項33~35のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項37】
前記シースが、前記加湿器端部セグメントの実質的に全長に沿って延在する、請求項33~35のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項38】
前記シースが、前記加湿器端部セグメント及び前記患者インターフェース端部セグメントの周りにあり、各セグメントの少なくとも部分的な長さにわたって延在する、請求項33~35のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項39】
前記加湿器端部セグメントが、前記呼吸チューブの少なくとも一部を形成するように螺旋状に巻かれた中空体を備える第1の細長い部材と、前記第1の細長い部材の隣接する巻きの間に螺旋状に巻かれて接合された第2の細長い部材とを有する複合チューブであり、前記第2の細長い部材が、前記呼吸チューブの管腔の少なくとも一部を形成する、請求項33~38のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項40】
加湿された医療ガス用の回路キットであって、
加湿チャンバと、
吸気肢とを備え、吸気肢が、
第1の可撓性を有する前記呼吸チューブの第1のセグメントと、
第2の可撓性を有する前記呼吸チューブの第2のセグメントであって、前記第2の可撓性が前記第1の可撓性とは異なる第2のセグメントと
を備える、回路キット。
【請求項41】
Y字片をさらに備える、請求項40に記載の回路キット。
【請求項42】
呼気肢をさらに備える、請求項40又は41に記載の回路キット。
【請求項43】
患者インターフェースを含む、請求項40~42のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項44】
前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに接続する中間コネクタをさらに備える、請求項40~43のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項45】
前記第1のセグメント又は前記第2のセグメントの少なくとも一方の周りにシースをさらに備える、請求項40~44のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項46】
ドライラインをさらに備える、請求項40~45のいずれか一項に記載の回路キット。
【請求項47】
第1の可撓性を有する前記呼吸チューブの第1のセグメントと、
第2の可撓性を有する前記呼吸チューブの第2のセグメントと、
前記第1のセグメントを前記第2のセグメントに接続するように適合されたセグメントコネクタであって、前記第1のセグメントの導電性フィラメントに送達される電力を前記第2のセグメントの導電性フィラメントに選択的に提供するように構成された接続回路を備えるセグメントコネクタと
を備える呼吸チューブ。
【請求項48】
前記接続回路がダイオードを備える、請求項47に記載の呼吸チューブ。
【請求項49】
前記ダイオードが、前記第1のセグメントの前記導電性フィラメントに送達される第1の極性の電力が前記第2のセグメントの前記導電性フィラメントに送達されるのを防ぎ、前記ダイオードが、前記第1のセグメントの前記導電性フィラメントに送達される第2の極性の電力が前記第2のセグメントの前記導電性フィラメントに送達されるのを可能にする、請求項47又は48に記載の呼吸チューブ。
【請求項50】
前記接続回路が、第1のモードで、前記第2のセグメントの前記導電性フィラメントに電力を提供することなく、前記第1のセグメントの前記導電性フィラメントに電力を提供するように構成され、前記接続回路が、第2のモードで、前記第1のセグメントの前記導電性フィラメントと前記第2のセグメントの前記導電性フィラメントとの両方に電力を提供するように構成される、請求項47~49のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項51】
前記第2の可撓性が前記第1の可撓性と同じである、請求項47~50のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項52】
前記第2の可撓性が前記第1の可撓性とは異なる、請求項47~50のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項53】
前記第1のセグメント又は前記第2のセグメントの少なくとも一方の周りにシースをさらに備える、請求項47~52のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【請求項54】
前記中間コネクタが、前記シースの少なくとも一端を固定する、請求項47~53のいずれか一項に記載の呼吸チューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
下記の特許出願の全体を参照により本明細書に援用し、本明細書の一部を成すものとする。2014年4月11日出願の「MEDICAL TUBES AND METHODS OF MANUFACTURE」という名称の米国特許出願公開第14/351,344号、2015年6月4日出願の「MEDICAL TUBES AND METHODS OF MANUFACTURE」という名称の米国特許出願公開第14/649,801号、及び2013年11月14日出願の「ZONE HEATING FOR RESPIRATORY CIRCUITS」という名称のPCT出願PCT/NZ2013/000208号。
【0002】
本開示は、一般に、医療用途に適したチューブに関し、特に、患者にガスを提供する及び/又は患者からガスを除去するのに適した医療回路で使用するチューブに関する。
【背景技術】
【0003】
医療回路では、様々な構成要素が、加温及び/又は加湿されたガスを患者とやり取りする。例えば、PAPや補助呼吸回路などいくつかの呼吸回路では、患者が吸気したガスが、ヒータ加湿器から吸気チューブを通して送達される。別の例として、チューブは、加湿されたガス(通常はCO)を、送気回路内の腹腔に送達することができる。これは、患者の内臓の「乾燥(drying out)」を防ぐ助けとなり得て、手術からの回復に必要とされる時間量を減少することができる。加熱されていない配管は、周囲冷却に対する大きな熱損失をもたらす。この冷却は、加温されて加湿された空気を輸送する配管の長さに沿って、望ましくない結露又は「レインアウト(rainout)」をもたらすことがある。さらに、ユーザは、患者、特に新生児患者に呼吸療法を提供するときに、チューブの位置決め容易性及び使いやすさを向上させるために可撓性の軽量チューブを必要とする。しかし、軽量の可撓性チューブを作製すると、特定の呼吸波形が呼吸チューブを介して伝送されるときに、チューブが大幅な移動及び変位を受け得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
気道陽圧(PAP)、人工呼吸器、麻酔、ベンチレータ、及び送気システムなど様々な実施形態における医療用チューブ、及び医療用チューブを製造する方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、チューブは、細長いチューブを形成するように螺旋状に巻かれた2つ以上の別個の構成要素から構成された複合構造でよい。例えば、構成要素の1つは、螺旋状に巻かれた細長い中空体でよく、他の構成要素は、螺旋状に巻かれた中空体の巻きの間にやはり螺旋状に巻かれた細長い構造的構成要素でよい。他の実施形態では、チューブは、異なる構成要素から形成される必要はない。例えば、単一の材料から形成された(例えば押出成形された)細長い中空体が、細長いチューブを形成するために螺旋状に巻かれてもよい。細長い中空体自体は、横方向断面において、薄い壁部分と、比較的厚い又はより高い剛性の補強部分を有していてよい。チューブは、様々な医療回路に組み込むことができる又は他の医療用途に使用することができる。
【0005】
いくつかの実施形態は、呼吸チューブを提供する。呼吸チューブは、第1のセグメントと第2のセグメントとを含むことができる。第1のセグメントは、第1の可撓性を有することができ、第2のセグメントは、第2の可撓性を有することができる。第2の可撓性は、第1の可撓性とは異なることがある。特定の実施形態では、呼吸チューブは、第1のセグメントを第2のセグメントに接続する中間コネクタを含むことができる。特定の実施形態では、呼吸チューブは、第1のセグメントを第2のセグメントに接続する実質的に非可撓性のセグメントを含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、呼吸チューブは、第1のセグメント又は第2のセグメントの少なくとも一方の周りにシースを含むことができる。シースは、少なくとも1つのセグメントの少なくとも部分的な長さに延在していてよい。特定の実施形態では、シースは、少なくとも1つのセグメントの全長に実質的に沿って延在していてよい。シースは、呼吸チューブを通ってガスが流れる間、可撓性を維持し、変位を減衰させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、シースは、メッシュシース、編組みシース、又は壁付きシースでよい。中間コネクタが、シースの少なくとも一端を固定することができる。特定の実施形態では、中間コネクタは、第1のセグメントと第2のセグメントとを電気的及び空気圧的に接続することができる。シースは、中間コネクタを覆うことがある。
【0007】
いくつかの実施形態では、患者に近接するセグメントは、可撓性がより高い。呼吸チューブの第1のセグメント及び第2のセグメントは、複合チューブでよい。複合チューブは、第1の細長い部材と第2の細長い部材とを有することができる。第1の細長い部材は、呼吸チューブの少なくとも一部を形成するように螺旋状に巻かれた中空体を含むことができ、第2の細長い部材は、前記第1の細長い部材の隣接する巻きの間に螺旋状に巻いて接合することができる。第2の細長い部材は、呼吸チューブの管腔の少なくとも一部を形成することができる。
【0008】
特定の実施形態では、より高い可撓性のセグメントの第1の細長い部材の断面幅及び高さが、それぞれ、より低い可撓性のセグメントの第1の細長い部材の断面幅及び高さよりも狭くて高い。より高い可撓性のセグメントは、より高いスチフネスのセグメントに比べ、より高い可撓性を提供することができる様々な修正形態を有することができる。いくつかの例示的な変形形態は、より小さい内径、より小さいピッチ、より小さい第2の細長い部材の幅、又はより薄い側壁のうちの1つ又は複数を含むことができる。より高い可撓性のセグメントにおける管腔での側壁は、より高い剛性のセグメントよりも薄い。特定の実施形態では、より高い可撓性のセグメントの第1の細長い部材のガス管腔に近接する側壁は、より低い可撓性のセグメントの第1の細長い部材のガス管腔に近接する側壁よりも薄い。
【0009】
いくつかの実施形態では、呼吸チューブは、呼吸回路内の吸気チューブである。呼吸チューブは、新生児に使用するためにサイズ設定することができる。呼吸チューブは、加湿器に接続するように適合された加湿器端部を含むことができる。呼吸チューブは、患者インターフェース又はY字片に接続するように適合された患者端部を含むことができる。
【0010】
別の実施形態は、第1の可撓性を有する呼吸チューブの第1のセグメントと、シースとを含む呼吸チューブを提供する。シースは、第1のセグメントを覆うことができる。シースは、呼吸チューブを通ってガスが流れる間、可撓性を維持し、変位を減衰させるように構成することができる。特定の実施形態では、呼吸チューブは、第2の可撓性を有する第2のセグメントと、中間コネクタとを含むことができる。中間コネクタは、第1のセグメントを第2のセグメントに接続することができる。特定の実施形態では、第2のセグメントの可撓性は、第1のセグメントの可撓性と同じでよい。他の実施形態では、第2のセグメントの可撓性は、第1のセグメントの可撓性とは異なっていてよい。
【0011】
特定の実施形態では、中間コネクタは、シースの少なくとも一端を固定することができる。シースは、第1のセグメント又は第2のセグメントの少なくとも一方の周りにあってよい。シースは、第1及び/又は第2のセグメントの少なくとも部分的な長さにわたって延在することができる。特定の実施形態では、シースは、第1のセグメント又は第2のセグメントの少なくとも一方の周りにあり、実質的に第1及び/又は第2のセグメントの全長に沿って延在する。シースは、第1のセグメント及び第2のセグメントそれぞれの長さにわたって少なくとも部分的に延在することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、呼吸チューブの第1のセグメント及び第2のセグメントは、複合チューブでよい。複合チューブは、第1の細長い部材と第2の細長い部材とを有することができる。第1の細長い部材は、呼吸チューブの少なくとも一部を形成するように螺旋状に巻かれた中空体を含むことができ、第2の細長い部材は、第1の細長い部材の隣接する巻きの間に螺旋状に巻いて接合することができる。第2の細長い部材は、呼吸チューブの管腔の少なくとも一部を形成することができる。特定の実施形態では、より高い可撓性のセグメントの第1の細長い部材の断面幅及び高さが、それぞれ、より低い可撓性のセグメントの第1の細長い部材の断面幅及び高さよりも狭くて高い。より高い可撓性のセグメントは、より高いスチフネスのセグメントに比べ、より高い可撓性を提供することができる様々な修正形態を有することができる。いくつかの例示的な変形形態は、より小さい内径、より小さいピッチ、より小さい第2の細長い部材の幅、又はより薄い側壁のうちの1つ又は複数を含むことができる。より高い可撓性のセグメントにおける管腔での側壁は、より高い剛性のセグメントよりも薄くてよい。特定の実施形態では、より高い可撓性のセグメントの第1の細長い部材のガス管腔に近接する側壁は、より低い可撓性のセグメントの第1の細長い部材のガス管腔に近接する側壁よりも薄い。
【0013】
別の実施形態は、第1の可撓性を有する加湿器端部セグメントと、第2の可撓性を有する患者インターフェース端部セグメントとを含む呼吸チューブを提供する。患者インターフェース端部セグメントの第2の可撓性は、加湿器端部セグメントの第1の可撓性と同じである。シースは、加湿器端部セグメントを覆うことができる。シースは、可撓性を維持し、ガス流中の変位を減衰するように構成される。いくつかの実施形態では、呼吸チューブは、加湿器端部セグメントを患者インターフェース端部セグメントに接続する中間コネクタをさらに含むことができる。中間コネクタは、シースの少なくとも一端を固定する。シースは、加湿器端部セグメントの少なくとも部分的な長さにわたって延在することができる。特定の実施形態では、シースは、実質的に加湿器端部セグメントの全長に沿って延在することができる。いくつかの実施形態では、シースは、加湿器端部セグメント及び患者インターフェース端部セグメントの周りにある。シースは、各セグメントの少なくとも部分的な長さにわたって延在することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、呼吸チューブの加湿器端部セグメント及び患者インターフェース端部セグメントは、複合チューブでよい。複合チューブは、第1の細長い部材と第2の細長い部材とを有することができる。第1の細長い部材は、呼吸チューブの少なくとも一部を形成するように螺旋状に巻かれた中空体を含むことができ、第2の細長い部材は、前記第1の細長い部材の隣接する巻きの間に螺旋状に巻いて接合することができる。第2の細長い部材は、呼吸チューブの管腔の少なくとも一部を形成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態は、加湿された医療ガス用の回路キットを提供する。回路キットは、加湿チャンバと吸気肢とを含むことができる。吸気肢は、第1の可撓性を有する呼吸チューブの第1のセグメントと、第2の可撓性を有する呼吸チューブの第2のセグメントとを含むことができ、第2の可撓性は第1の可撓性とは異なる。
【0016】
いくつかの実施形態では、回路キットはY字片を含むことができる。回路キットは、呼気肢を含むことがある。回路キットは、患者インターフェースを含むことがある。回路キットは、第1のセグメントを第2のセグメントに接続する中間コネクタを含むことがある。回路キットは、第1のセグメント又は第2のセグメントの少なくとも一方の周りにシースを含むことがある。回路キットは、ドライラインを含むことがある。
【0017】
いくつかの実施形態は、呼吸チューブを提供する。呼吸チューブは、第1の可撓性を有する呼吸チューブの第1のセグメントと、第2の可撓性を有する呼吸チューブの第2のセグメントと、第1のセグメントを第2のセグメントに接続するように適合されたセグメントコネクタとを含むことがある。セグメントコネクタは、第1のセグメントの導電性フィラメントに送達される電力を第2のセグメントの導電性フィラメントに選択的に提供するように構成された接続回路を含むことがある。
【0018】
いくつかの実施形態では、接続回路はダイオードを含むことがある。ダイオードは、第1のセグメントの導電性フィラメントに送達される第1の極性の電力が第2のセグメントの導電性フィラメントに送達されるのを防ぐことができる。ダイオードは、第1のセグメントの導電性フィラメントに送達される第2の極性の電力が第2のセグメントの導電性フィラメントに送達されるのを可能にすることがある。
【0019】
いくつかの実施形態では、接続回路は、第1のモードで第2のセグメントの導電性フィラメントに電力を提供することなく、第1のセグメントの導電性フィラメントに電力を提供するように構成されることがあり、接続回路は、第2のモードで、第1のセグメントの導電性フィラメントと第2のセグメントの導電性フィラメントとの両方に電力を提供するように構成されることがある。
【0020】
呼吸チューブのいくつかの実施形態では、第2の可撓性は、第1の可撓性と同じである。呼吸チューブのいくつかの実施形態では、第2の可撓性は、第1の可撓性とは異なる。いくつかの実施形態では、呼吸チューブは、第1のセグメント又は第2のセグメントの少なくとも一方の周りにシースを含むことができる。中間コネクタは、シースの少なくとも一端を固定することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、導電性フィラメントの制御及びセンサの読取りは、各セグメントで4本未満のワイヤを使用して(例えば、3本のワイヤを使用して、若しくは2本のワイヤを使用して)又は各セグメントで4本よりも多いワイヤを使用して(例えば、5本のワイヤを使用して、6本のワイヤを使用して、7本のワイヤを使用して、8本のワイヤを使用して、又は9本以上のワイヤを使用して)達成することができる。
【0022】
本発明を要約する目的で、本発明の特定の態様、利点、及び新規の特徴を本明細書で述べる。本発明の任意の特定の実施形態に従って、そのような利点すべてが必ずしも達成されるわけではないことを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書で教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも実現することなく、本明細書で教示される1つの利点又は1群の利点を実現又は最適化するように具現化又は実施され得る。
【0023】
次に、開示されるシステム及び方法の様々な特徴を実装する例示的な実施形態を、図面を参照して述べる。図面及び関連の説明は、実施形態を例示するために提供されており、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】加湿ガスを使用者に送給するための例示的な呼吸用加湿システムを示す図であって、呼吸用加湿システムが呼吸回路を有し、呼吸回路が、各セグメント内にセンサを有するセグメント化された吸気肢を含む図である。
図2A】加湿システムと共に使用するためのセグメント化された吸気肢であって、2つのセグメント内の加熱器ワイヤ及びセンサを結合するように構成された中間コネクタを有するセグメント化された吸気肢を示す図である。
図2B】加熱を制御するためのデータを測定し、吸気肢でのセンサ値を読み取るために、中間コネクタにおいてマイクロコントローラを利用する加湿システムの例示的実施形態を示す図である。
図2C】吸気肢用の例示的な中間コネクタのブロック図であって、中間コネクタがマイクロコントローラを使用する図である。
図2D図2Cに示される中間コネクタに含まれる例示的なパワーモジュール及びデータラインコンバータの回路図である。
図2E】パワーボード上で制御側とAC側との間の双方向データ通信を提供するために、図2Cに示された中間コネクタと共に使用される例示的なデュアルオプトカプラ回路の回路図である。
図2F-2G】中間コネクタの例示的なプリント回路基板(「PCB」)を示す図である。
図2H-2I】中間コネクタの例示的実施形態を示す図である。
図2J-2K】呼吸回路のセグメント化された吸気肢内の加熱器ワイヤに電力を提供するための能動整流電源を含む例示的な回路図であって、回路が、第1のモードでは、吸気肢の第1のセグメント内の加熱器ワイヤに電力供給し、第2のモードでは、両方のセグメント内の加熱器ワイヤに電力供給するように構成された回路図である。
図2L-2M】加湿システム内の例示的な回路図であって、回路が、2つのセンサからのデータを読み取るために構成されている図である。
図3A】例示的な複合チューブの一区間の側面図である。
図3B図3Aの例示的な複合チューブと同様の管の上部の長手方向断面図である。
図3C】複合チューブ内の第1の細長い部材を示す別の長手方向断面図である。
図3D】管の上部の別の長手方向断面図である。
図3E】管の上部の別の長手方向断面図である。
図4A-4C】熱的効率を改良するように構成された第1の細長い部材の形状の例を示す図である。
図4D-4F】熱的効率を改良するように構成されたフィラメント構成の例を示す図である。
図5A-5E】可撓性を改良するように構成された第1の細長い部材及び第2の細長い部材の形状の例を示す図である。
図6A-6C】例示的な複合チューブの長手方向断面図である。
図7A-7B】異なる可撓性を有する第1のセクション及び第2のセクションを有する呼吸チューブの例を示す図である。
図8A-8E】呼吸チューブの1つ又は複数のセクションに配設されたメッシュを備えた第1のセクション及び第2のセクションを有する呼吸チューブの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
概して、図面全体を通して、参照される(又は同様の)要素間の対応を示すために参照番号が再利用される。それにもかかわらず、状況によっては、対応する参照される(又は同様の)要素が異なる参照番号を有することもある。
【0026】
本明細書で述べる装置及び方法を実施するためのいくつかの例示的実施形態に関する詳細を、図面を参照して以下に述べる。本発明は、これらの記載される実施形態に限定されない。
【0027】
本明細書では、セグメント化された吸気肢と多区域加熱との特定の実施形態及び実施例を述べる。本開示は、具体的に開示される実施形態及び/又は使用法、並びにそれらの自明な修正形態及び均等形態も包含することを当業者は理解されよう。したがって、本明細書で開示される本開示の範囲は、本明細書で述べる任意の特定の実施形態によっては限定されないものと意図される。
【0028】
本明細書では、呼吸用加湿システムの呼吸回路内のセグメント化された吸気肢に熱を提供するためのシステム及び方法を述べる。本明細書における説明のほとんどは、呼吸回路内のセグメント化された吸気肢の文脈であるが、本開示の1つ又は複数の特徴を、例えば呼吸、手術、又は他の用途においてセグメント化されたガス送給用管路内で相違のある加熱を提供することが望ましい他のシナリオで実施することもできることを理解されたい。
【0029】
本開示は、管路に熱を提供する文脈で、加熱器ワイヤ、加熱要素、加熱フィラメント及び/又は加熱器に言及する。例えば、加熱器ワイヤは、広範な用語であり、当業者にとってのその通常的及び慣例的な意味合いで解釈されるべきであり(すなわち、特殊な、又は特化された意味合いに限定すべきではなく)、限定はしないが、電力が提供されるときに熱を生成する加熱器ストリップ、加熱フィラメント及び/又は伝熱要素を含む。そのような加熱要素の例としては、導電性金属(例えば銅)、導電性ポリマー、管路の表面上に印刷された導電性インク、管路にトラックを作成するために使用される導電性材料などから形成されたワイヤを挙げられる。さらに、本開示は、ガス送給の文脈で、管路、肢、及び医療用管に言及する。例えば、管は、広範な用語であり、当業者にとってのその通常的及び慣例的な意味合いで解釈されるべきであり、限定はしないが、円筒形及び非円筒形の経路など様々な断面を有する経路を含む。特定の実施形態は、複合チューブを組み込むことがあり、複合チューブは、一般に、以下により詳細に述べるように2つ以上の部分又は特に幾つかの実施形態では2つ以上の構成要素を備える管と定義することができる。開示される医療用チューブを備えるセグメント化された肢は、連続、可変、若しくは2レベル気道陽圧(PAP)システムなどの呼吸回路、高流量送達、侵襲的換気、非侵襲的換気、麻酔若しくは鎮静処置中の高流量、又は他の呼吸療法でも使用することができる。用語「管路」及び「肢」は、管と同様のものとして解釈すべきである。
【0030】
加熱され加湿された呼吸チューブが、保育器(又は、やけど患者のために使用される放射加温器の周りや、患者によって使用されるブランケットの下など、温度変化がある任意の領域)のために使用されるとき、呼吸チューブは、少なくとも2つの異なる区域を通過する。すなわち、低温区域(保育器の外部の区域など)と、高温区域(保育器の内部の区域など)とである。管がその全長に沿って加熱される場合、どの区域が感知されるか(例えばどの区域が温度センサを含むか)に応じて、区域の1つは、望ましくない、適切でない、又は最適でない温度になる傾向がある。加熱器ワイヤが保育器の内部のセンサ(患者端部温度センサなど)に制御される場合、保育器の外部の区間は、温度が低くなりすぎる傾向があり、これは凝結をもたらすことがある。逆に、加熱器ワイヤが保育器の外部のセンサに制御される場合、保育器の内部の区間は、温度が高くなりすぎることがあり、これにより、熱すぎるガスが患者に供給されることがある。したがって、本開示では、セグメント化された呼吸チューブ内の熱の制御を可能にするシステム及び方法を述べる。ここで、各セグメントは、制御モジュールにフィードバックを提供する関連のセンサを有する。本明細書では、2つの区域に関して幾つかの実施形態を述べるが、そのようなシステムは、さらなる区域、セグメント、又は領域を用いた用途に適合するように拡張することもできる。例えば、3つの温度区域を備える一実施形態では、呼吸チューブのセグメントは、区域内の3つの異なる温度センサに少なくとも一部基づいて加熱され得る。さらに、本明細書で開示される実施形態は、管に沿った中間点にあるセンサの1つ又は複数を迂回又は無視して、患者端部でのパラメータに基づいて、呼吸チューブに送給される熱を制御することができる。さらに、本明細書で開示される実施形態は、例えば、限定はしないが、温度センサ、湿度センサ、流量センサ、酸素センサなどを含むセンサによって提供されるパラメータを使用して、呼吸チューブに送給される熱を制御することができる。
【0031】
制御モジュールは、複数の区域又は区間での加熱温度を監視及び制御することができる。制御モジュールは、本明細書で述べるコネクタアセンブリの幾つかの実施形態を使用して、第1のモードでは呼吸チューブの第1の区間に熱を提供し、第2のモードでは呼吸チューブ全体に熱を供給するように構成することができる。本明細書で述べる幾つかの実施形態は、フライングリード、露出されたコネクタ、及び/又は患者端部の電気接続線を用いずに使用することができる。用語「フライングリード」は、本明細書で使用するとき、呼吸チューブの外部に延びる電気接続線、呼吸チューブを通って内部に延びる電気接続線、及び、呼吸チューブの一部として組み込まれた、成形された、又は他の方法で形成若しくは包含された電気接続線を含む。制御モジュールは、加湿器の内部又は加湿器の外部に位置させることができる。幾つかの実施形態では、制御装置は、加湿器の内部に位置されて、吸気肢の第1のセグメントと、吸気肢の第2のセグメントと、呼気肢とに関連付けられた加熱器ワイヤを制御し、また、吸気肢の第1及び第2のセグメント及び/又は呼気肢に関連付けられたセンサからパラメータを読み取る。
【0032】
制御モジュールは、セグメントに関する温度を適応変化させることもできる。例えば、制御モジュールは、1つ又は複数のセグメントに関連付けられた温度センサを監視することができる。監視は、連続的でも、定期的でも、割込み若しくはイベントベースでの監視など他の方式でもよい。例えば、温度センサの監視は、アナログ/デジタル変換器からの値の読取り、電圧又は電流の決定、論理条件の感知、サーモスタットデバイスの読取り、サーミスタ値の測定、抵抗温度検出器の測定、熱電対の電圧の測定、又は温度を感知するための他の方法、例えば、限定はしないが、半導体接合センサ、赤外若しくは熱放射センサ、温度計、インジケータなどの使用に基づくものでよい。幾つかの実施形態では、温度センサは、サーミスタである。監視は、パワー信号に基づくものでよく、例えば、センサの測定周波数が、パワー信号周波数と同期していても非同期でもよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、吸気肢の第1のセグメントと吸気肢の第2のセグメントに送られる電力の比は、各セグメントに関連付けられたセンサからのフィードバックに少なくとも一部基づいて、使用中に変えることができる。例えば、電力の比は、各セグメントが凝結を減少又は防止する温度に加熱されるように変えることができる。さらなる一例として、電力の比は、熱すぎるガスが患者に提供されないように変えることができる。幾つかの実施形態では、電力の比は、センサ(例えば温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、流量センサ、光学センサなど)からのフィードバックに基づいて連続的に変えることができる。電力の比は、様々な方法で変えることができる。例えば、電力の比は、電力信号の振幅(限定はしないが、電圧及び/又は電流を含む)、電力信号の持続時間、若しくは電力信号のデューティサイクルを変更することによって、又は電力信号に対する他の適切な変更によって変えることができる。一実施形態では、電力の比は、提供される電流の大きさを変えることによって変えられる。
【0034】
呼吸用加湿システム
図1は、加湿ガスをユーザに送達するための例示的な呼吸用加湿システム100を示し、呼吸用加湿システム100は呼吸回路200を有し、呼吸回路200は、1つのセグメントにセンサ204bを有するセグメント化された吸気肢202を含み、吸気肢202は、任意選択で別のセグメントにセンサ204aを含むことがある。セグメント化された吸気肢202は、図示されるように保育器208と共に使用することができ、又は、吸気肢202の様々なセグメントに沿って異なる温度が存在する別のシステム、例えば放射加温器と共に使用することもできる。セグメント化された吸気肢202は、吸気肢の様々なセグメント202a、202bに異なるレベルの熱を提供するために使用することができ、凝結を減少又は防止し、及び/又は使用者に送給されるガスの温度を制御する。いくつかの実施形態では、吸気肢202はセグメント化されていない。
【0035】
図示される呼吸用加湿システム100は、加圧ガス源102を備える。幾つかの実装形態では、加圧ガス源102は、ファンや送風器などを備える。幾つかの実装形態では、加圧ガス源102は、換気装置又は他の陽圧発生デバイスを備える。加圧ガス源102は、入口104と出口106を備える。いくつかの実施形態では、加圧ガス源102は壁ガス源でよい。そのような実施形態では、壁からのガスは、患者に送達される流量を制御するために使用することができる流量制御弁、例えば流量計、又はブレンダ、又は比例弁を通過することがある。
【0036】
加圧ガス源102は、加湿ユニット108に流体(例えば、酸素、麻酔ガス、空気など、及び/又はこれらの流体の混合物)の流れを提供する。流体の流れは、加圧ガス源102の出口106から、加湿ユニット108の入口110に進む。例示される構成では、加湿ユニット108は、加圧ガス源102から独立して図示されており、加湿ユニット108の入口110が、管路112によって加圧ガス源102の出口106に接続されている(暫し「ドライライン」と呼ばれる)。幾つかの実装形態では、加圧ガス源102と加湿ユニット108を単一のハウジングに一体化することができる。
【0037】
他のタイプの加湿ユニットを使用して、本開示で述べる特定の特徴、態様、及び利点を得ることもできるが、図示される加湿ユニット108は、加湿チャンバ114と、加湿チャンバ114への入口110とを備えるパスオーバー型(pass-over)加湿器である。幾つかの実装形態では、加湿チャンバ114は本体116を備え、本体116にはベース118が取り付けられている。加湿チャンバ116内部に区室を画定することができ、区室は、ベース118を通って伝達又は提供される熱によって加熱することができる液体体積を保持するように適合される。幾つかの実装形態では、ベース118は、加熱器プレート120に接触するように適合される。加熱器プレート120は、制御装置122又は他の適切な構成要素によって制御することができ、それにより、液体中へ伝達される熱を変更及び制御することができる。
【0038】
加湿ユニット108の制御装置122は、呼吸用加湿システム100の様々な構成要素の動作を制御することができる。図示されるシステムは、単一の制御装置122を使用するものとして示されているが、他の構成では複数の制御装置を使用することもできる。複数の制御装置は通信することができ、又は個別の機能を提供することができ、したがって制御装置が通信する必要はない。幾つかの実装形態では、制御装置122は、コンピュータプログラム用のソフトウェアコードを含む関連のメモリ又は記憶媒体を備えるマイクロプロセッサ、処理装置、又は論理回路を備えることがある。そのような実装形態では、制御装置122は、例えばコンピュータプログラムに含まれる命令に従って、及びまた内部若しくは外部入力に応答して、呼吸用加湿システム100の動作を制御することができる。制御装置122、又は複数の制御装置の少なくとも1つを呼吸回路と共に位置させることができ、呼吸回路に取り付けられるか、又は呼吸回路の一部として組み込まれる。
【0039】
加湿チャンバ114の本体116は、加湿チャンバ114の入口110を画定するポート124と、出口128を画定するポート126とを備える。加湿チャンバ114の内部に含まれる液体が加熱されるとき、液体蒸気が、入口ポート124を通して加湿チャンバ114内に導入されるガスと混合される。ガスと蒸気の混合物は、出口ポート126を通って加湿チャンバ114から出る。
【0040】
呼吸用加湿システム100は、加湿ユニット108の出口ポート126を画定する出口128に接続された吸気肢202を備える呼吸回路200を含む。吸気肢202は、加湿チャンバ114から出たガスと水蒸気の混合物を使用者に向けて搬送する。吸気肢202は、吸気肢202に沿って位置決めされた加熱要素206を含むことができ、加熱要素206は、吸気肢202に沿った凝結を減少するように構成されて、使用者に達するガスの温度の制御、ガスの湿度の維持、又はこれらの任意の組合せを行う。加熱要素206は、吸気肢202によって搬送されるガスと水蒸気の混合物の温度を上昇又は維持することができる。幾つかの実装形態では、加熱要素206は、抵抗加熱器を画定するワイヤでよい。加湿チャンバ114から出たガスと水蒸気の混合物の温度を上昇又は維持することによって、混合物から水蒸気が凝結されにくくなる。
【0041】
呼吸用加湿システム100は、任意選択的に保育器208と共に使用することができる。保育器208は、使用者のための望みの環境、例えば選択された、所定の、又は望みの温度を保育器208の内部で維持するように構成することができる。したがって、保育器208の内部で、内部周囲温度は、保育器208の外部の温度とは異なることがある。したがって、保育器208は、吸気肢202に沿って異なる温度の区域を生成、画定、作成、又は維持し、ここで、内部温度は、典型的には外部温度よりも高い。吸気肢202に沿って少なくとも2つの異なる温度区域を有することは、使用者へのガスの送給中に、吸気肢202に沿った凝結、高すぎる温度のガスの送給、又はそれら両方など、問題を生じることがある。
【0042】
呼吸用加湿システム100は、関連の加熱要素212を有する呼気肢210を含むことができる。幾つかの実施形態では、呼気肢210と吸気肢202は、適切な取付具(例えばYピース)を使用して接続することができる。幾つかの実施形態では、呼吸用加湿システム100は、放射加温器と共に使用することもでき、ブランケットの下で使用することもでき、又は2つ以上の温度区域を形成する他のシステム若しくは状況で使用することもできる。本明細書で述べるシステム及び方法は、そのようなシステムと共に使用することができ、保育器を組み込む実装形態に限定されない。
【0043】
肢が保育器と共に使用される例示的実施形態では、吸気肢202は、セグメント202a及び202bに分割することができ、第1のセグメント202aは、保育器208の外にある吸気肢202の一部でよく、第2のセグメント202b(例えば保育器延長部)は、保育器208の中にある吸気肢202の一部でよい。肢が保育器と共に使用されない他の例示的実施形態では、チューブを上述したようにセグメント化することができ、両方のセグメントが同じ又は同様の周囲条件にあるか、又はセグメントが異なる周囲条件にある(例えば、ファン又はHVAC/ACシステムが一方のセグメントに送風し、他方には送風しない)。第1のセグメント202aと第2のセグメント202bは、異なる長さでも同じ長さでもよい。幾つかの実施形態では、第2のセグメント202bは、第1のセグメント202aよりも短くてよく、特定の実装形態では、第2のセグメント202bは、第1のセグメント202aの約半分の長さでよい。第1のセグメント202aは、例えば、少なくとも約0.5m及び/又は約2m以下、少なくとも約0.7m及び/又は約1.8m以下、少なくとも約0.9m及び/又は約1.5m以下、又は少なくとも約1m及び/又は1.2m以下の長さを有することができる。第2のセグメント202bは、例えば、少なくとも約0.2m及び/又は約1.5m以下、少なくとも約0.3m及び/又は約1m以下、少なくとも約0.4m及び/又は約0.8m以下、又は少なくとも約0.5m及び/又は約0.7m以下の長さを有することができる。1つの例示的実施形態では、全長が2.5mよりも大きい。
【0044】
吸気肢のセグメント202a、202bは、互いに結合されて、単一のガス送給用管路を形成することができる。幾つかの実施形態では、第1のセグメント202aは、1つ又は複数の第1の加熱器ワイヤ206aを含むことができ、1つ又は複数の第1のセンサ204aを任意選択的に含むことができ、第2のセグメント202bなしで使用することもできる。制御装置122は、第2のセグメント202bが第1のセグメント202aに結合されていなくても、第1の加熱器ワイヤ206aを制御し、(存在する場合)第1のセンサ204aを読み取るように構成することができる。さらに、第2のセグメント202bが第1のセグメント202aに結合されるとき、制御装置122は、それぞれのセグメント内の第1及び第2の加熱器ワイヤ206a、206bを制御し、第1のセンサ204a(存在する場合)及び第2のセンサ204bを読み取るように構成することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、第2のセグメント202bが取り付けられるとき、それぞれの第1及び第2の加熱器ワイヤ206a、206bを制御し、それぞれの第1のセンサ204a(存在する場合)及び第2のセンサ204bを読み取るように構成することができる。また、第2のセグメント202bが取り付けられないときには、第1の加熱器ワイヤ206aを制御し、第1のセンサ204a(存在する場合)を読み取るように構成することができ、制御装置122又は加湿ユニット108の変更は必要ない。したがって、吸気肢202が第1のセグメント202aと第2のセグメント202bとの両方を含むか、第1のセグメント202aのみを含むかに関係なく、同じ制御装置122及び/又は加湿ユニット108を使用することができる。例えば、同じ制御装置122及び/又は加湿ユニット108を使用することができ、ここで、吸気肢は、単一セグメント吸気肢(すなわち複数のセグメントを有さない)であり、センサ204bは患者側である。幾つかの実施形態では、制御装置122はさらに、制御装置122又は加湿ユニット108を変更することなく、呼気肢210内の加熱器ワイヤ212を制御するように構成することができる。したがって、呼吸用加湿システム100は、第2のセグメント202bを取り付けた状態でも取り付けない状態でも、及び/又は呼気肢210を取り付けた状態でも取り付けない状態でも動作可能である。1つの例示的実施形態では、呼気肢制御機能は、吸気肢ヒータワイヤ制御装置に対するスレーブ制御装置である。代替として、呼気肢ヒータワイヤは、吸気肢ヒータワイヤとは独立して制御することができる。
【0045】
幾つかの実施形態では、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bは、互いに永久的に接合されて、単一のガス送給用管路を形成する。本明細書で使用する際、「永久的に接合」は、セグメント202a、202bが、それらのセグメントを分離するのが難しいように、例えば接着剤、摩擦嵌め、オーバーモールド、機械的コネクタなどを使用することによって互いに接合されることを意味する。幾つかの実施形態では、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bは、解放可能に結合されるように構成される。例えば、第1のセグメント202aは、第2のセグメント202bなしでガス送給のために使用することができ、又は第1のセグメント202aと第2のセグメント202bを互いに結合させて、単一のガス送給用管路を形成することもできる。幾つかの実施形態では、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bは、唯一の構成形態で互いに結合されるように構成することができる。例えば、第1のセグメント202aは、所定のチャンバ端部(例えば、患者への加湿ガスの流れの方向に沿ってチャンバ114又は加湿ユニット108に最も近い端部)と、所定の患者端部(例えば、患者への加湿ガスの流れの方向に沿って患者に最も近い端部)とを有することができ、チャンバ端部は、チャンバ114及び/又は加湿ユニット108での構成要素に結合するように構成される。第2のセグメント202bは、所定のチャンバ端部と、所定の患者端部とを有することができ、ここで、チャンバ端部は、第1のセグメント202aの患者端部にのみ結合するように構成される。第1のセグメント202aのチャンバ端部は、第2のセグメント202bのいずれかの端部とは結合しないように構成することができる。同様に、第1のセグメント202aの患者端部は、第2のセグメント202bの患者端部とは結合しないように構成することができる。同様に、第2のセグメント202bの患者端部は、第1のセグメント202aのいずれかの端部とは結合しないように構成することができる。したがって、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bは、一方向のみで結合して単一のガス送給用管路を形成するように構成することができる。幾つかの実施形態では、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bは、様々な構成形態で結合されるように構成することができる。例えば、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bは、所定の患者端部及び/又は所定のチャンバ端部を含まないように構成することができる。別の例として、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bは、第1のセグメント202aの患者端部及び/又はチャンバ端部が第2のセグメント202bのチャンバ端部又は患者端部に結合することができるように構成することができる。同様に、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bは、第2のセグメント202aのチャンバ端部及び/又は患者端部が第2のセグメント202bの患者端部又はチャンバ端部に結合することができるように構成することができる。
【0046】
呼吸用加湿システム100は中間コネクタ214を含み、中間コネクタ214は、吸気肢202の第1のセグメント202aと第2のセグメント202bとの要素を電気的に結合するように構成することができる。中間コネクタ214は、第1のセグメント202aの加熱器ワイヤ206aを第2のセグメント202bの加熱器ワイヤ206bに電気的に結合して、制御装置122を用いた加熱器ワイヤ206a、206bの制御を可能にするように構成することができる。中間コネクタ214は、第2のセグメント202bの第2のセンサ204bを第1のセグメントの第1のセンサ204aに電気的に結合して、制御装置122がセンサのそれぞれの出力を取得することができるように構成することができる。中間コネクタ214は、加熱器ワイヤ206a、206bの選択的制御、及び/又はセンサ204a、204bの選択的読取りを可能にする電気構成要素を含むことができる。例えば、中間コネクタ214は、第1のモードでは第1の加熱器ワイヤ206aを通して電力を送り、第2のモードでは第1及び第2の加熱器ワイヤ206a、206bを通して電力を送る電気構成要素を含むことができる。中間コネクタ214に含まれる電気構成要素としては、例えば、限定はしないが、抵抗、ダイオード、トランジスタ、リレー、整流器、スイッチ、コンデンサ、インダクタ、集積回路、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、RFIDチップ、ワイヤレス通信センサ、光学センサなどを挙げることができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、外部要素から実質的に遮蔽される(例えば、吸気肢202の外部の環境からの水、微粒子、汚染物質などの1%未満しか中間コネクタ214に接触しない)ように、吸気肢202の内部に構成することができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214にある電気構成要素の幾つかは、湿気への露出により生じ得る損壊を減少又は防止するために、吸気肢202内部の加湿ガスから物理的に隔離されるように構成することができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、コストを減少させるため及び/又は信頼性を高めるために、比較的安価な受動電気構成要素を含むことができる。
【0047】
吸気肢202は、吸気肢のそれぞれのセグメント202b、202a内にセンサ204b、任意選択的にセンサ204aを含むことができる。第1のセンサ204aは、保育器208の近くで、第1のセグメント202aの端部付近に位置決めすることができ、それにより、第1のセンサ204aから導出されるパラメータは、第2のセグメント202bに入る加湿ガスのパラメータに対応する。第2のセンサ204bは、第2のセグメント202bの端部付近に位置決めすることができ、それにより、第2のセンサ204bから導出されるパラメータは、患者又は使用者に送給される加湿ガスのパラメータに対応する。センサ204a(存在する場合)、204bの出力は、吸気肢のセグメント202a、202bの加熱要素206a、206bに送られる電力を制御する際に使用するためのフィードバックとして制御装置122に送信することができる。幾つかの実施形態では、センサ204a、204bの一方又は両方は、温度センサ、湿度センサ、酸素又はガス濃縮/組成センサ、流量センサ、圧力センサなどでよい。温度センサは、例えば、限定はしないが、サーミスタ、熱電対、デジタル温度センサ、トランジスタなどを含めた任意の適切なタイプの温度センサでよい。センサによって提供される、又はセンサから導出されるパラメータは、例えば、限定はしないが、温度、湿度、酸素含有量、流量、又はこれらの任意の組合せなどを含むことができる。
【0048】
制御装置122は、加熱器ワイヤ206a及び206bの制御、センサ204a(存在する場合)及び/又は204bからのフィードバックの受信、加熱器ワイヤ206a及び206bへの電力を制御するための論理の提供、センサ204a(存在する場合)及び/又は204bからの読取値に応じた加熱器ワイヤ206a及び206bの制御の調節、吸気肢202の第2のセグメント202bの存在の検出、センサ204a(存在する場合)及び/又は204bからの読取値からのパラメータの導出などを行うように構成することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、加熱器ワイヤに電力を送るように構成された電源を含む。電源は、交流電源でも直流電源でもよい。幾つかの実施形態では、制御装置122は、加熱器プレートセンサ130からの入力を受信することができる。加熱器プレートセンサ130は、加熱器プレート120の温度及び/又は電力使用量に関する情報を制御装置122に提供することができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、1つ以上の流量センサ132からの入力を受信することができる。任意の適切なセンサ132を使用することができ、センサ132は、周囲空気と加湿チャンバ114との間、又は加圧ガス源102と加湿チャンバ114との間に位置決めすることができる。図示されるシステムでは、センサ132は、加湿チャンバ114の入口ポート124に位置決めされる。センサ132は、流量、温度、湿度、圧力、ガス濃度、又はガス流の組成のうちの1つ又は複数を感知することができる。いくつかの実施形態では、制御装置122は、1つ又は複数のセンサ133から入力を受信することができる。1つ又は複数のセンサ133は、加湿チャンバ114の出口ポート126又はその付近に位置決めすることができる。1つ又は複数のセンサ133は、温度センサ、湿度センサ、酸素センサ、又はガス濃度/組成センサ、流量センサ、圧力センサなどでよい。温度センサは、例えば、限定はしないが、サーミスタ、熱電対、デジタル温度センサ、トランジスタなどを含む任意の適切なタイプの温度センサでよい。センサによって提供される又はセンサから導出されるパラメータは、例えば、限定はしないが、温度、湿度、酸素含有量若しくは他のガスの組成/濃度、流量、圧力、又はこれらの任意の組合せなどを含むことができる。
【0049】
任意の適切な患者インターフェースを組み込むことができる。患者インターフェースは、広義の用語であり、当業者にとっての通常の慣習的な意味が与えられ(すなわち、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されない)、限定はしないが、マスク(気管マスク、フェースマスク、及び鼻マスクなど)、鼻カニューレ、腹腔鏡若しくはキーホール手術用の外科用カニューレ、気管切開チューブ若しくはインターフェース、及び鼻ピローを含む。
【0050】
セグメント化された吸気肢
図2Aは、呼吸用加湿システム100と共に使用するためのセグメント化された吸気肢202の一部を示し、セグメント化された吸気肢202は、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bを備え、中間コネクタ214を有し、中間コネクタ214は、それぞれセグメント202a及び202b内にある第1の加熱器ワイヤ206aを第2の加熱器ワイヤ206bに結合し、第1のセンサ204a(存在する場合)を第2のセンサ204bに結合するように構成される。2つのセグメント202aと202bの結合は、加湿ガスを使用者に送給することができる単一の管路を形成するようにセグメントを機械的に結合することを含むことができ、ここで、セグメント202aと202bの機械的な結合により、それぞれの加熱器ワイヤ206a、206bとそれぞれのセンサ204a(存在する場合)、204bとを中間コネクタ214によって電気的に結合させることができる。
【0051】
セグメント化された吸気肢202は、加湿ガスが通ることができる内腔を形成する構造216を備えることができる。構造216は、加熱器ワイヤ206a又は206bを収容するように構成された構造216の壁に形成された経路を含むことができ、それにより、加熱器ワイヤ206a又は206bは、内腔を通って進む加湿ガスから遮蔽され、及び/又は露出されないように構造216の外面によって覆われる。例えば、構造216は、螺旋複合チューブでよく、加熱器ワイヤ経路は、管内に成形されたコイルである。構造216は、任意のタイプの適切な材料を備えることができ、断熱材料及び/又は可撓性材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、構造216及び中間コネクタ214は、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bが機械的に結合されるときに、加熱器ワイヤ206a及び206bが中間コネクタ214に電気的に結合されるように中間コネクタ214の周りに巻き付くように構成することができる。幾つかの実施形態では、第1のセグメント202a及び/又は中間コネクタ214は、第2のセグメント202bに接続するためのフライングリードをなくすこともでき、それにより、第1のセグメント202aへの第2のセグメント202bの接続を容易にする。
【0052】
第1のセグメント202aと第2のセグメント202bの相補的端部での構造216は、中間コネクタ214を収容するように構成することができる。したがって、中間コネクタ214は、吸気肢202の内部にあってよい。幾つかの実施形態では、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bの相補的端部は、吸気肢202を通って進む加湿ガスから中間コネクタ214を遮蔽するように構成することができる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、吸気肢202の内部にあり、且つ管路内の加湿ガスから遮蔽され、それにより、中間コネクタ214での電気接続線の露出を減少又は防止する。
【0053】
幾つかの実施形態では、第1の加熱器ワイヤ206aは、2つのワイヤ218と220を備えることができ、第2の加熱器ワイヤ206bは、2つのワイヤ222と224を備えることができる。第1のセグメント202aの2つのワイヤ218と220は、電気構成要素228を介して互いに電気的に結合させることができ、電気的結合は、ワイヤ218と、電気構成要素228の少なくとも一部分と、ワイヤ220とを通る電気経路を作成する。同様に、第2のセグメント202bの2つのワイヤ222と224は、電気構成要素228を介して互いに電気的に結合させることができ、及び/又は、例えば図3A図3B図8A図8B図9、及び図13を参照して本明細書でより詳細に述べる患者端部コネクタ(図示せず)を介して、中間コネクタ202bと反対側のセグメント202bの端部で互いに電気的に短絡させることができる。第2のセグメント202bのワイヤ222と224を中間コネクタ214で結合させることによって、吸気肢202の患者端部での電気接続線が減少又は省略され、これは、コスト、システムの複雑さ、及び/又は患者への危険を減少させることができる。
【0054】
中間コネクタ214は、単一の制御装置が加熱器ワイヤ206a、206bへの電力を制御できるように構成することができ、制御装置は、図1を参照して本明細書で述べた加湿器制御装置122でよい。幾つかの実施形態では、加湿器制御装置122は、中間コネクタ214に位置される追加の制御機能なしで加熱器ワイヤを制御する。例えば、中間コネクタ214は、論理回路を有さない受動構成要素を含むことができ、受動構成要素は、制御装置122によって選択される加熱器ワイヤ206a及び/又は206bに電力を送る。これは、比較的安価な構成要素を使用して中間コネクタ214を設計できるようにし、設計の複雑さを減少させることができる。
【0055】
幾つかの実施形態では、セグメント202a及び202bの加熱は、各セグメント202a、202b内で最大4本のワイヤを使用して達成することができる。例えば、第1のセグメント202aでは、4本のワイヤは、第1の加熱器ワイヤ218、第2の加熱器ワイヤ220、信号センサワイヤ228、及び帰還センサワイヤ230を含むことができる。第2のセグメント202bでは、4本のワイヤは、第1の加熱器ワイヤ222、第2の加熱器ワイヤ224、信号センサワイヤ232、及び帰還センサワイヤ234を含むことができる。第2の加熱器ワイヤ222、224を第1の加熱器ワイヤ218、220に接続点226で結合させることによって、及び第2のセンサワイヤ232、234を第1のセンサワイヤ228、230に接続点226で結合させることによって、セグメント202a又は202b内に5本以上のワイヤを含まずに、制御装置は、第1の加熱器ワイヤ206aと第2の加熱器ワイヤ206bに個別に電力を提供し、センサ204a(存在する場合)と204bから個別にセンサデータを読み取るように構成することができる。幾つかの実施形態では、加熱器ワイヤ206a及び206bの制御、並びにセンサ204a(存在する場合)及び204bの読取りは、各セグメント内で3本以下のワイヤを使用して(例えば、3本のワイヤを使用して、又は2本のワイヤを使用して)達成することもでき、又は各セグメント内で5本以上のワイヤを使用して(例えば、5本のワイヤを使用して、6本のワイヤを使用して、7本のワイヤを使用して、8本のワイヤを使用して、又は9本以上のワイヤを使用して)達成することもできる。1つの例示的実施形態では、各セグメントに異なる数のワイヤがあってよく、それにより、より多数のワイヤを有するセグメントは、より少数のワイヤを有するセグメントよりも比較的可撓性が低い。例えば、セグメント202aは8本のワイヤを含むことがあり、セグメント202bは4本のワイヤのみを含むことがある。この例では、セグメント202aは、セグメント202b(比較的可撓性が高い)よりも比較的可撓性が低い。別の例示的実施形態では、第2の細長い部材は、第2及び第3の細長い部材を含むことがある(すなわち、ツースタート押出成形を使用する)。そのような第2及び第3の細長い部材は、連続する第1の細長い部材の巻線によって分離されてもよく、又は第1の細長い部材の連続する巻線間で互いに隣接してもよい。この例示的実施形態では、第2及び第3の細長い部材はそれぞれ、1本のワイヤ、又は2本以上のワイヤを含むことがある。このようにして、当業者は、ワイヤに適切な物理的空間を確実に提供することができ、スパーク又はショートしないようにワイヤが互いに適切に絶縁されることを保証する。
【0056】
中間コネクタ214は、制御装置122が加熱器ワイヤ206a、206bを選択的に制御できるように構成された電気構成要素228を含むことができる。制御装置122は、2つのモードを使用して吸気肢202の加熱を制御するように構成することができ、第1の制御モードは、第1のセグメント内の加熱器ワイヤ206aに電力を提供することを含み、第2の制御モードは、第1及び第2のセグメント202a及び202b内の加熱器ワイヤ206a及び206bに電力を提供することを含む。したがって、制御装置122は、加熱器ワイヤ区間を個別に制御するように構成することができる。この機能により、制御装置122は、第2のセグメント202bが存在しないときには、第1の制御モードに従って吸気肢の加熱のみを制御することによって吸気肢202の加熱を制御できるようになり、それにより、制御装置122又は加湿ユニット108を変更することなく様々な状況で呼吸用加湿システム100を使用できるようにする。幾つかの実施形態では、制御モードは、第2のセグメント202b内の加熱器ワイヤ206bのみに電力が送られるモードを含むことができる。幾つかの実施形態では、制御装置122は、電流を提供する電源を含む。第1及び第2の制御モードは、電源によって供給される電圧に少なくとも一部基づくことがあり、正の電圧又は正の電流が第1の制御モードをトリガすることができ、負の電圧又は負の電流が第2の制御モードをトリガすることができる。幾つかの実施形態では、電源は、整流されたAC又はDC電力を加熱器ワイヤ206a、206bに提供し、整流又は極性の変化が、制御モードの変更をトリガする。制御モードを切り換えることによって、出力信号の極性を切り換えることができる任意の電源を用いて呼吸回路200内の加熱の制御を達成することができる。幾つかの実施形態では、加熱器ワイヤ206a、206bに印加される電力のデューティサイクルを調節することによって、加熱器ワイヤ206a、206bに提供される電力の量を調節することができる。例えば、パルス幅変調(PWM)を使用して加熱器ワイヤ206a、206bに電力供給することができ、送られる電力を制御するためにPWMのデューティサイクルを調節することができる。別の例では、電力信号の振幅を制御することによって、加熱器ワイヤ206a、206bに提供される電力の量を調節することができる。
【0057】
中間コネクタ214は、制御装置122がセンサ204a(存在する場合)、204bを選択的に読み取ることができるように構成された電気構成要素230を含むことができる。選択的読取りは、電流源の使用によって達成することができ、ワイヤ228~230にわたって正の電流を印加することにより、制御装置122が第1のセンサ204aからの信号を測定し、ワイヤ228及び230にわたって負の電流を印加することにより、制御装置122が第2のセンサ204bから、(第1のセンサ204aが存在する場合)、又は第1のセンサ204aと第2のセンサ204bの両方からの信号を測定する。制御装置122は、センサ204a(存在する場合)、204bからの読取値を使用して、例えばパルス幅変調を使用して加熱器ワイヤ206a、206bへの電力を調節することができる。第1のセンサ204a(存在する場合)は、第1のセグメント202aと第2のセグメント202bとの接続点又は交差点付近に位置決めすることができ、第2のセグメント202bに入る(これは、異なる周囲温度を有する保育器又は他のそのような領域に入ることに相当することがある)ガスのパラメータを制御装置122に提供する。第2のセンサ204bは、第2のセグメント202bの患者端部に位置決めすることができ、患者に送給されるガスのパラメータ、又はYピースなど患者の上流の最終部片の前でのガスのパラメータを制御装置122に提供する。制御装置122は、これらの読取値を使用して、加熱器ワイヤ206a、206bへの電力を調節し、吸気肢202の患者端部でのガスの温度を目標温度又は適切な温度で保つことができる。目標温度又は適切な温度は、少なくとも一部は、使用される用途及び環境に応じて異なることがあり、約37℃、約40℃、少なくとも約37℃及び/又は約38℃以下、少なくとも約36.5℃及び/又は約38.5℃以下、少なくとも約36℃及び/又は約39℃以下、少なくとも約35℃及び/又は約40℃以下、少なくとも約37℃及び/又は約43℃以下、又は少なくとも約39.5℃及び/又は約40.5℃以下でよい。幾つかの実施形態では、第2のセンサ204bは、保育器の内部に位置決めすることができるが、呼吸回路には取り付けられない。例えば、保育器内部のパラメータを測定することによって、第2のセグメント202bの温度を計算することができる。
【0058】
制御装置122は、本明細書で述べるように、第1及び第2の制御モードで送られる電力の量を独立して制御することができる。センサ204a(存在する場合)及び/又は204bからのフィードバックに少なくとも一部基づいて、制御装置122は、第1及び第2の制御モードで送られる電力を独立して調節し、それにより第1のセグメント202aと第2のセグメント202bとの加熱器電力の比を変えることができる。
【0059】
第1のセンサ204aを含む幾つかの実施形態では、第1のセンサ204aは、吸気肢202内部のガスの流れの中に位置決めされる。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214又は第1のセグメント202aは、第1の温度センサ204aを横切るガスの流れの乱流を減少させる機械構成要素を含むことができ、これは、センサ204aの読取値の精度を高めることができる。例えば、機械的コネクタは、空気力学的断面を有することができる。幾つかの実施形態では、乱流を減少させる機械的構成要素(例えば吸気管路内部のクロスメンバ部材)はまた、ガスの流れの中でセンサ204aを固定する。幾つかの実施形態では、中間コネクタ214及び機械的構成要素は、中間コネクタ214にある電気構成要素からセンサ204aを断熱するように構成され、これは、例えばセンサ204aが温度センサである場合に有利となり得る。
【0060】
幾つかの実施形態では、中間コネクタ214は、図2Aに示される接続点26に加えて、追加の接続点を含む。追加の接続点を使用して、呼吸回路にさらなる機能を組み込むことができ、例えば、メモリデバイス(PROM、又はフラッシュメモリ、又は他の適切なタイプのメモリ)、マイクロコントローラ、追加の回路などを組み込む。代替実施形態では、第2のセグメントは、中間コネクタを介して第1のセグメントに取外し可能に結合されてよい。中間コネクタは、第2のセグメントにある対応するコネクタを受け入れるためのソケット又は領域を含むことがある。第2のセグメントにあるコネクタと、中間コネクタとは、第2のセグメントとの電気及び空気圧接続を形成し、中間コネクタを介して第1のセグメントと第2のセグメントとを接合することができる。
【0061】
マイクロコントローラを有するコネクタを備えた例示的なセグメント化された吸気肢
図2Bは、加熱を制御するためのデータを測定し、吸気肢202でのセンサ値を読み取るために、中間コネクタ214においてマイクロコントローラを利用する呼吸用加湿システム100の例示的実施形態を示す。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のマイクロコントローラを、センサカートリッジ、加湿器、中間コネクタ214、又はこれらの任意の組合せに組み込むことができる。マイクロコントローラは、例えばセンサカートリッジに組み込まれたとき、本明細書で述べるのと同様の機能を提供する。図示される例示的実施形態は、共通の基準として1本のヒータワイヤ、すなわちVNに接続されたワイヤを使用し、2本のヒータワイヤHW1、HW2及びセンサワイヤを共通の基準に接続する。また、例示的実施形態は、両方のセンサ204a、204bの読取値を中間コネクタ214でデジタル信号に変換して、加湿器制御装置122に送信する。これは、センサ204a(存在する場合)、204bを共通基準点に対して参照し、図2Eを参照して本明細書で述べるような、信号を隔離する制御装置122のオプトカプラを通過させることができるデジタルパラメータ読取値を送信することによって、隔離の問題を低減又は排除することができる。この例示的実施形態を使用すると、2つの独立した制御チャネルが、吸気肢202a、202bの第1のセクション202aのみを加熱して又は第1及び第2のセクションを加熱して、所望の、選択された、又は定義された加熱制御を提供できるようになり得る。
【0062】
図2Cは、吸気肢202用の中間コネクタ214のブロック図を示し、中間コネクタ214はマイクロコントローラを使用する。マイクロコントローラを使用して、サーミスタ204a及び204bからのアナログ信号を測定し、アナログ・デジタルコンバータ(ADC)を使用してアナログ信号をデジタル信号に変換することができる。変換されたデジタル信号は、単一のデータラインで加湿器制御装置122に送信することができる。データラインを使用して、マイクロコントローラと加湿器制御装置122との間の通信を可能にして、温度データを提供することができる。データが送信されていないときに加湿器制御装置122においてデータラインをハイに引き上げることによって、データラインを使用してマイクロコントローラに電力を供給することができる。パワーモジュール及びデータラインコンバータは、コンデンサ及びダイオードを含むことができ、データラインがハイであるときにコンデンサが充電される。充電されたコンデンサを使用して、データラインが通信に使用されているときにマイクロコントローラに電力供給することができる。例示的なパワーモジュール及びデータラインコンバータの回路図が図2Dに示されている。別の例示的実施形態では、センサ204a(存在する場合)、204bは、流量、湿度、圧力など、温度以外のパラメータを感知してもよい。別の例示的実施形態では、センサ204a(存在する場合)、204bはサーミスタではなく、光学センサ、静電容量センサ、抵抗センサ、又は当技術分野で知られている他の従来のセンサなど、何らかの他の感知構成要素である。
【0063】
この構成を使用する温度検知は、サーミスタを駆動するために中間コネクタ214において電流源又は電圧源を使用して達成することができ、それにより、サーミスタをマイクロコントローラによって読み取ることができる。これは、例えば、トランジスタ又はオペアンプを使用して行うことができる。データライン通信は、各論理レベルを事前定義されたタイムスロットで送信する及び読み取ることができるタイムスロットベースの手法を使用して達成することができる。このようにして、1つのワイヤを使用して、加湿器制御装置122とマイクロコントローラとの間の双方向通信を可能にすることができる。
【0064】
加湿器制御装置122は、VNを基準とするDC電源を含むことができる。ヒータワイヤがオンのときに充電することができ、ヒータワイヤがオフの間にはマイクロコントローラに電力を提供することできるコンデンサを含むことができる。加湿器制御装置122は、図2Eに示されるように、デュアルオプトカプラ回路1200を含むことができる。デュアルオプトカプラ回路を使用して、信号を隔離し、制御装置122と電源と間の双方向データ通信を行うことができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、較正データをマイクロコントローラに記憶することができ、呼吸回路が接続されたときに読み取ることができる。いくつかの実施形態では、接続された回路の製造元を決定するために、部品識別番号又はシリアル番号を記憶することができる。
【0066】
中間コネクタボード
図2F及び2Gは、中間コネクタ214の例示的な中間PCB250を示し、それぞれの図は、中間PCB250の2つの側を示す。中間PCB250は、ヒータワイヤ及びセンサ接続用の接続パッド252、254を含む。接続パッド252、254は、吸気肢の周りに螺旋状に巻かれたヒータワイヤとの接続を容易にするために、中間PCB250の両側にあるように構成される。
【0067】
中間PCB250は、サーミスタ若しくは他の温度測定構成要素、湿度センサ、又はフローセンサなどのセンサ用のセンサ接続パッド256を含む。センサは、中間PCB250にある信号接続パッド258を介してダイオードに結合することができる。図示のように、中間PCB250は、センサを他の電気構成要素及びトラックから熱的に絶縁するように構成されたギャップ262を含む。いくつかの実施形態では、センサ接続パッド256に接続されたセンサをさらに熱的に隔離するために、ギャップ262に絶縁材料を充填することができる。さらに、中間PCB250は、例えば突出体257を用いて、センサを他の能動及び/又は受動電気構成要素から離して位置決めするように構成することができる。
【0068】
中間PCB250は、中間PCB250にある電気トラックを介してヒータワイヤに電気的に結合されたダイオード用の電力接続パッド260を含む。ダイオードは、図2K及び2Mを参照して述べるダイオードD1でよい。電力接続パッド260をヒートシンク264に電気的及び熱的に結合して、熱の放散を助け、センサ接続パッド256に結合されたセンサのパラメータ読取りの精度への影響を低減又は最小化することができる。
【0069】
図2H及び2Iは、中間PCB250及び中間接続要素263を備える中間コネクタ214の例示的実施形態を示す。中間接続要素263は、吸気肢を通って流れる加湿ガスの一部を、中間接続要素263によって形成された導管を通して導くように構成することができる。次いで、中間PCB250にある任意選択のセンサが、中間接続要素263を通って流れるガスのパラメータに対応する信号を提供することができ、このパラメータは、吸気肢におけるその時点での加湿ガスの少なくとも1つの特性(例えば、温度、湿度、流量、酸素含有率など)を表す。いくつかの実施形態では、中間接続要素263は、中間PCB250のための機械的支持を提供し、中間PCB250を吸気肢内部で位置決めするように構成される。いくつかの実施形態では、中間接続要素263は、中間コネクタ214又はその付近で吸気肢の2つのセグメントを一体に接合するための機械的支持を提供するように構成される。
【0070】
中間コネクタ214は、中間PCB250の第1の側にある第1の接続パッド252と、中間PCB250の第2の側にある第2の接続パッド254とを含み、第2の側は中間PCB250の反対側にある。第1及び第2の接続パッド252、254は、本明細書で述べるように、セグメント化された吸気肢のそれぞれの第1及び第2のセグメント内のヒータワイヤ用の電気接点を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、吸気肢のセグメントでのヒータワイヤは、螺旋状に巻かれている。中間PCB250は、第1のセグメントにおける螺旋状に巻かれたヒータワイヤ及び/又は信号ワイヤ(例えば、温度センサワイヤ)を、第2のセグメントにおける螺旋状に巻かれたヒータワイヤ及び/又は信号ワイヤに電気的に結合するように構成される。
【0071】
いくつかの実施形態では、中間PCB250は、直径又は翼弦線に沿って中間接続要素263によって形成された管腔を横切って延在する第1の部分を含み、中間PCB250の一部分は、ガスの流路の少なくとも一部を概して二分する。中間PCB250の第1の部分は、オーバーモールド組成物によってオーバーモールドすることができる。中間PCB250は、管腔から離れる方向に中間接続要素263の外部から外方向に突出する、第1の部分に隣接する第2の部分251を含むことができる。中間PCB250の第2の部分251は、吸気肢の第1のセグメントから1つ又は複数のワイヤを受け入れるように構成された1つ又は複数の接続パッド252を含む。中間PCB250は、管腔から離れる方向及び第2の部分251と反対の方向に中間接続要素263の外部から外方向に突出する、第1の部分に隣接する第3の部分253を含むことができる。第3の部分253は、吸気肢の第2のセグメントから1つ又は複数のワイヤを受け入れるように構成された中間PCB250にある1つ又は複数の接続パッド254を含むことができる。中間PCB250は、1つ又は複数の導電性トラックを含むことができ、導電性トラックは、第2の部分251の1つ又は複数の接続パッド252を第3の部分253の1つ又は複数の接続パッド254に電気的に結合するように構成され、吸気肢の第1のセグメントのワイヤと第2のセグメントのワイヤとの間の電気接続を提供するように構成される。
【0072】
中間コネクタ回路
図2Jは、例示的な中間コネクタ214の回路図を示し、中間コネクタ214は、呼吸回路のセグメント化された吸気肢内の加熱器ワイヤに電力を提供するための能動整流電源を含み、回路は、第1のモードでは、吸気肢の第1のセグメント内の加熱器ワイヤR1及びR2に電力供給し、第2のモードでは、両方のセグメント内の加熱器ワイヤR1、R2、R3、R4に電力供給するように構成されている。代替として、中間コネクタ214にあるダイオードD1及びD2と、スイッチS1及びS2とを提供することによって、加熱器ワイヤR1及びR2(ここでは抵抗が加熱器ワイヤである)を通して、又は加熱器ワイヤR1、R2、R3、及びR4を通して電力を印加することができる。
【0073】
電源は、符号VP及びVNを用いて図中に示されており、これらの符号は、電源の端子に対応する。一実施形態では、電圧供給源は、交流(AC)電源である。代替として、電源は、直流(DC)電源でもよい。この実施形態ではダイオードとして述べるが、D1及びD2は、例えば、限定はしないが、整流器、トランジスタ、リレー、スイッチ、トライアック、MOSFET、サイリスタ(SCR)、サーモスタットなど、複数の異なるタイプの流量制御デバイスの任意のものを含むことができる。
【0074】
スイッチS1及びS2は、電源のVP端子とVN端子の間での切換えを行う。一実施形態では、スイッチS1及びS2は、AC電力サイクルの半サイクルごとに切り換えられ、それにより、各半サイクル中にほぼ等しい電流が電源から引き出される。図2Bに示される回路を使用して、加熱器R1、R2、R3、及びR4を2つの制御モードで制御することができ、第1の制御モードは、R1及びR2のみへの電力の提供に対応し、第2の制御モードは、R1、R2、R3、及びR4への電力の提供に対応する。第1のセグメント202a内の加熱器R1及びR2のみに電力を提供する(これは第1の制御モードに対応する)ために、電源からの正サイクル中には、スイッチS1はVPに接続し、スイッチS2はVNに接続し、電源からの負サイクル中には、スイッチS1はVNに接続し、スイッチS2はVPに接続する。第1の制御モードでは、電流は、R1、R2、及びD1を通って流れ、D2は、R3及びR4を通って電流が流れないようにする。第1及び第2のセグメント202a、202b内の加熱器R1、R2、R3、及びR4に電力を提供する(これは第2の制御モードに対応する)ために、電源からの正サイクル中に、スイッチS1はVNに接続し、スイッチS2はVPに接続し、電源からの負サイクル中には、スイッチS1はVPに接続し、スイッチS2はVNに接続する。第2の制御モードでは、電流は、R1、R2、R3、R4、及びD2を通って流れ、D1は、電流が加熱器R3及びR4を通らずにワイヤを流れて短絡しないようにする。スイッチS1及びS2の切換えは、システムに論理を追加するハードウェア又はソフトウェアによって達成することができる。幾つかの実施形態では、S1及びS2の切換えは、AC電力回路のゼロ交差で行われる。幾つかの実施形態では、ゼロ交差回路の立ち下りエッジと立ち上りエッジが同じ量だけ遅延されず、ゼロ交差付近では回路がアクティブでない。したがって、スイッチS1及びS2の切換えは、ゼロ交差スイッチング検出及び/又は論理を用いて、又は用いずに行うことができる。
【0075】
ダイオードD1及びD2が、回路内で電力を損失し、したがって熱を発生することがある。幾つかの実施形態では、比較的高温の環境で電力損失を減少させることが望ましい場合には、ショットキーダイオードを使用することができる。ショットキーダイオードは、電力損失を減少又は最小化するために最大接合温度付近で動作させることができ、これは、本明細書で述べる呼吸用加湿システムの特定の実装形態で望ましいことがある。幾つかの実施形態では、ダイオードによって発生される熱は、センサ204a(存在する場合)の温度読取値に影響を及ぼすことがある。この影響を減少させるために、ダイオードは、回路の気流経路に熱的に接続させることができる。この影響を減少させ、ダイオードによって発生される熱を放散させるために、周囲環境に熱的に結合されたヒートシンク又はパッドを中間コネクタ214に含めることができる。この影響、及び中間コネクタ214に対する他の構成要素の影響を減少させるために、図2F及び2Gを参照して述べるように、センサ204a(例えばサーミスタ又は他の温度センサ)を、それらの構成要素から断熱し、他の構成要素から物理的に比較的離して位置させることができる。
【0076】
図2Kは、例示的な中間コネクタ214の別の回路図を示し、中間コネクタ214は、呼吸回路のセグメント化された吸気肢内の加熱器ワイヤに電力を提供するための能動整流電源を含み、回路は、第1のモードでは、吸気肢の第1のセグメント内の加熱器ワイヤR1及びR2に電力供給し、第2のモードでは、両方のセグメント内の加熱器ワイヤR1、R2、R3、R4に電力供給するように構成されている。図2Kに示されるように、ダイオードD1のみを提供することができ、それでも、加熱器ワイヤR1及びR2を通る、又は加熱器ワイヤR1~R4を通る電力の経路は、図2Jに関して前述したのと同様に制御することができる。図2Jの回路に示したダイオードD2は省かれている。ただ1つのダイオードD1を有する図2Kに示される回路により、回路によって発生される熱を減少させ、部品コストを低減し、回路板をより小さくすることができる。図2Kに示される回路の残りの部分は、図2Jの説明と同様の様式で動作する。図2Kに示されるようにD2を備えない実施形態では、電流のほとんどがR1、R2、及びD1を通って流れ、残余電流のみがR3及びR4を通って流れる。R3及びR4を通る残余電流は無視することができ、したがって加湿システムの性能に影響を及ぼさない。
【0077】
図2J及び図2Kに関して述べたAC操作に加えて、同様の回路を、DC電源を用いて動作させることもできる。スイッチS1及びS2は、例えば、時間、電源の出力電流、センサからのフィードバック、又は他の制御入力に少なくとも一部基づいて切り換えることができる。また、そのような実施形態では、図2J又は図2Kに示される回路を使用して、2つの制御モードで加熱器R1、R2、R3、及びR4を制御することができ、ここで、第1の制御モードは、R1及びR2のみへの電力の提供に対応し、第2の制御モードは、R1~R4への電力の提供に対応する。第1のセグメント202a内の加熱器R1及びR2のみに電力を提供する(これは第1の制御モードに対応する)ために、スイッチS1はVPに接続し、スイッチS2はVNに接続する。第1の制御モードでは、電流は、R1、R2、及びD1を通って流れる。D2は、図2Jに示される回路内でR3及びR4を通って電流が流れないようにする。しかし、図2Kに示されるように、D2は任意選択の構成要素である。第1及び第2のセグメント202a、202b内の加熱器R1、R2、R3、及びR4に電力を提供する(これは第2の制御モードに対応する)ために、スイッチS1はVNに接続し、スイッチS2はVPに接続する。第2の制御モードでは、電流は、R1、R2、R3、R4を通って流れ、D1は、電流が加熱器R3及びR4を通らずにワイヤを流れて短絡しないようにする。前述したように、システムに論理を追加するハードウェア又はソフトウェアによってスイッチングを達成することができる。
【0078】
センサ回路
図2L及び図2Mは、呼吸用加湿システム100内の例示的な回路図を示し、ここで、回路600は、2つのセンサR1及びR2からのデータを読み取るように構成される。図2L及び図2Mを参照すると、センサR1及びR2は抵抗を使用して表されているが、例えば、限定はしないが、温度センサ、湿度センサ、流量センサ、酸素センサなど任意の適切なタイプのセンサを使用することができる。幾つかの実施形態では、センサは、サーミスタなどの温度センサでよい。そのような実施形態では、センサR1とR2はそれぞれ、中間コネクタ214での第1のサーミスタと、呼吸回路200の患者端部(例えば患者端部コネクタ)での第2のサーミスタとを表す。2つのサーミスタR1及びR2は、加湿器制御装置122内の電流又は電圧源及びスイッチと共に回路600を使用して、呼吸回路200内での2本のワイヤを使用して測定することができる。図2L及び図2Mを参照するこの説明はサーミスタに関するものであるが、関連付けられる回路に提供される電圧及び/又は電流に影響を及ぼす他の適切なセンサも適用可能である。
【0079】
センサR1及びR2を選択的に読み取るために、電流は、ライン602及び604を介していずれかの極性で供給される。患者端部センサR2を測定するために、加湿器制御装置122は、上部電流供給源を接地するようにスイッチをセットする。次いで、電流は、底部電流供給源からR2を通って流れ、スイッチを通って接地に流れる。ダイオードD1によって、電流はR1を通るのを妨げられる。加湿器制御装置122は、底部電流供給源から接地への電圧降下を測定し、供給される電流及び測定された電圧に少なくとも一部基づいてセンサR2の抵抗を導出するように構成することができる。中間コネクタ214に位置決めされたセンサR1を測定するために、加湿器制御装置122は、患者端部センサR2を読み取り、結果を記録することができる。次いで、加湿器制御装置122は、底部電流源を接地するようにスイッチをセットすることができる。次いで、電流は、上部電流供給源からR1及びR2を通って、スイッチを通って接地に流れる。加湿器制御装置122は、上部電流供給源から接地への電圧降下を測定し、供給される電流と、測定された電圧と、R2の抵抗の測定からの記録された結果とに少なくとも一部基づいてセンサR1の抵抗を導出するように構成することができる。幾つかの実施形態では、R1の抵抗の導出時に、D1にわたる電圧降下が考慮に入れられる。図2Lに示される実施形態では、D1をR1の近くに配置することによって、ダイオードD1の温度を計算することができ、この温度は、D1にわたる電圧降下の計算に使用することができる。図2Lに示される構成の1つの生じ得る利点は、図2Mの実施形態に例示されるようにダイオードを通過することなく測定が行われるので、患者端部でのセンサR2の測定がより正確となり得ることである。ダイオードの通過は、不確かさ又は誤差をもたらすことがある。
【0080】
幾つかの実施形態では、図2Mに示されるように、追加のダイオードD2を中間コネクタ214に追加することができる。そのような実施形態では、加湿器制御装置122は、図2Lに示し上述した実施形態と同様にセンサR1及びR2を測定するように構成することができる。相違点は、センサR1を測定するときに、R2を通る電流の流れをダイオードD2が妨げるので、電流がR1及びD1を通って流れ、R2を通っては流れないことである。このようにすると、センサR1の測定を、センサR2の測定とは実質的に隔離又は分離することができる。センサR1の抵抗の導出と同様に、センサR2の抵抗の導出時には、ダイオードD2にわたる電圧降下を考慮に入れることができる。D1及びD2をR1の近くに配置することによって、ダイオードの温度を計算することができ、この温度は、それぞれD1及びD2にわたる電圧降下の計算時に使用することができる。
【0081】
特定の実施形態では、センサR1、R2の測定は、図2L及び図2Mの回路に接続された制御装置で実行されるソフトウェアで行われる。回路に供給される電流の方向及び量は、そのようなソフトウェアによって制御することができる。センサR1、R2の抵抗の正確な測定は、例えばアナログ/デジタル変換器を使用して電圧を測定することによって得ることができる。ダイオードD1及び/又はD2によって引き起こされる変化の影響を最小化又は防止するために、ソフトウェアは、同じ方向で2つの異なる電流(I1及びI2)を供給することができる。これにより、2つの異なる電流(I1及びI2)に対応する2つの異なる電圧読取値(V1及びV2)が得られる。これら2つの電圧及び電流を使用して、ソフトウェアは、ダイオードD1、D2の電圧降下、及びセンサR1、R2に関する抵抗を求めることができる。センサR1に関して、例えば、電圧降下は、以下の式で求めることができる:Vdrop=((V1*I2-V2*I1)/((V1-V2)/R2+I2-I1))。センサR1の抵抗は、以下の式を使用して計算することができる:R1=(V2-Vdrop)/(I2-V2/R2)。一実施形態では、計算されたVdropは、測定されたVdropから一定の誤差を有し、この誤差は、ソフトウェアで補正される。一実施形態では、Vdropは、誤差補償として約15%だけ増加される。
【0082】
呼吸用加湿システムと共に使用するためのセグメント化された医療用配管
図3Aは、図1を参照して述べた呼吸用加湿システム100と共に使用することができる例示的な複合チューブ1201の一区間の側面図を示す。複合チューブ1201は、吸気肢202として使用することができ、本明細書で述べるように、管に沿ったガスの凝結を防止する助けとなる熱的に有益な特性を提供するように構成することができる。複合チューブ1201は、経路を形成するように巻かれて接合された複数の細長い部材を含み、ここで、複数の細長い部材は、本明細書で述べる加熱器ワイヤの1本又は複数本を含むことができる。加熱器ワイヤが複合チューブ1201の壁に埋め込まれることに少なくとも一部基づいて、吸気肢202としての複合チューブ1201の使用は、凝結及びレインアウトを減少させ、吸気肢202の長さに沿ったより望ましい又は目標の温度プロファイルを維持することができる。複合チューブの壁は、より大きい熱質量を提供することができ、これは、温度変化に強く、肢202の外部の周囲温度に対する壁の断熱効果を高める。その結果、任意の数の異なる温度環境を含む肢202の長さに沿った温度をより正確に制御することができ、患者に送給されるガスの温度を制御する際に損失される電力又はエネルギーをより少なくすることができる。幾つかの実施形態では、複合チューブ1201を呼気肢210として使用することもできる。
【0083】
一般に、複合チューブ1201は、第1の細長い部材1203と第2の細長い部材1205とを備える。部材は、広範な用語であり、当業者にとってのその通常的及び慣例的な意味合いで解釈されるべきであり(すなわち、特殊な、又は特化された意味合いに限定すべきではなく)、限定はしないが、一体部分、一体構成要素、及び異なる構成要素を含む。したがって、図3Aは、2つの異なる構成要素から形成された実施形態を示すが、他の実施形態では、第1の細長い部材1203と第2の細長い部材1205は、単一の材料から形成された管内の領域を表すこともできることを理解されたい。したがって、第1の細長い部材1203は、管の中空部分とすることができ、第2の細長い部材1205は、中空部分に構造的支持を追加する管の構造的支持又は補強部分となる。本明細書で述べるように、中空部分及び構造的支持部分は、螺旋構成を有することができる。複合チューブ1201を使用して、本明細書で述べる吸気肢202及び/又は呼気肢210、以下に述べる同軸管、又は本開示の他の箇所で述べる任意の他の管を形成することができる。
【0084】
この例では、第1の細長い部材1203は、螺旋状に巻かれた中空体を備えて、長手方向軸LA-LAを有する細長い管を少なくとも一部形成し、また、長手方向軸LA-LAに沿って延びる内腔1207を備える。少なくとも1つの実施形態では、第1の細長い部材1203は管である。好ましくは、第1の細長い部材1203は可撓性を有する。さらに、第1の細長い部材1203は、好ましくは透明であり、又は少なくとも半透明又は半不透明である。ある程度の透光性により、介護者又は使用者が、閉塞又は汚染物質に関して内腔1207を検査できる、又は湿気の存在を確認できるようにする。医療グレードプラスチックを含めた様々なプラスチックが、第1の細長い部材1203の本体に適している。適切な材料の例としては、ポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリマーエラストマー、EPDM-ポリプロピレン混合物、及び熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。
【0085】
第1の細長い部材1203の中空体構造は、複合チューブ1201に対する断熱特性に寄与する。本明細書で説明するように熱損失を防止又は減少するので、断熱チューブ1201が望ましい。これにより、チューブ1201は、より少ない又は最小限のエネルギー損失でガスの調整状態を実質的に維持しながら、加熱器-加湿器から患者にガスを送給することが可能になる。
【0086】
第1の細長い部材の中空体構造は、断熱体として空気を使用することができる。複合チューブの壁は、より大きな熱質量を提供することができ、これは、温度変化に抵抗し、チューブの外側の周囲温度に関係する壁の断熱効果を高める。その結果、多くの異なる温度環境によるものを含めたチューブの長さに沿った温度を、より正確に制御することでき、患者に送達されるガスの温度を制御するのに電力又はエネルギーをあまり消費しないで済む。さらに、中空体構造は、環境条件及び環境条件の変化からチューブ内のガスを断熱するか、何らかの方法で断熱する。チューブは、病院の様々な場所で様々な条件にさらされることがある(例えば、異なる病棟で、しかしまた、チューブの一部の上に位置決めされた保育器又はファン又はブランケットにさらされることもある)。中空体構造は、そのような環境変化からガスを断熱するように作用する。さらなる環境変化は、例えば熱帯地域など、様々な地域で生じ得る温度及び湿度の変化であり得る。
【0087】
少なくとも1つの実施形態では、第1の細長い部材1203の中空部分は、ガスで満たされる。ガスは空気でよく、空気は、その低い熱伝導率(300Kで2.62×10-2W/m・K)及び非常に低いコストにより望ましい。また、有利には、空気よりも粘性の高いガスを使用することができる。これは、より高い粘性が、対流伝熱を減少させるからである。したがって、アルゴン(300Kで17.72×10-3W/m・K)、クリプトン(300Kで9.43×10-3W/m・K)、及びキセノン(300Kで5.65×10-3W/m・K)などのガスが、断熱性能を高めることができる。これらのガスはそれぞれ無毒性であり、化学的に不活性であり、難燃性であり、市販されている。第1の細長い部材1203の中空部分は、管の両端で封止することができ、内部のガスを実質的に停滞させる。代替として、中空部分は、管の患者端部から制御装置に圧力フィードバックを伝送するための圧力サンプルラインなど、二次空気圧接続ラインでよい。第1の細長い部材1203は、任意選択で穿孔することができる。例えば、第1の細長い部材1203の表面は、内腔1207とは反対の外向きの表面に穿孔されることがある。別の実施形態では、第1の細長い部材1203の中空部分は、液体で満たされる。液体の例としては、水、又は高い熱容量を有する他の生体適合性の液体を挙げることができる。例えば、ナノ流体を使用することができる。適切な熱容量を有する例示的なナノ流体は、水と、アルミニウムなどの物質のナノ粒子とを含む。
【0088】
第2の細長い部材1205も螺旋状に巻かれて、第1の細長い部材1203の隣接する一巻き同士の間で、第1の細長い部材1203に接合される。第2の細長い部材1205は、細長い管の内腔1207の少なくとも一部を形成する。第2の細長い部材1205は、第1の細長い部材1203のための構造的支持として働く。
【0089】
少なくとも1つの実施形態では、第2の細長い部材1205は、(内腔1207の近位にある)基部でより広く、上部でより狭い。例えば、第2の細長い部材は、概して三角形状、概してT字形状、又は概してY形状でよい。しかし、対応する第1の細長い部材1203の輪郭に合った任意の形状が適している。代替として、第2の細長い部材の形状は、所与のセグメントの可撓性を改良又は低減するように選択されることがある。例えば、形状は、正方形、長方形、台形、菱形若しくは平行四辺形、五角形、若しくは他の多角形でよく、又は形状は、丸められた隅部を有するそのような形状の丸みのある変形でもよい。
【0090】
好ましくは、第2の細長い部材1205は可撓性を有し、管の湾曲を容易にする。第2の細長い部材1205は、第1の細長い部材1203よりも可撓性が小さくてもよい。これは、第2の細長い部材1205が第1の細長い部材1203を構造的に支持することができる機能を改良する。例えば、第2の細長い部材1205の弾性率は、好ましくは、30~50MPa(又は約30~50MPa)である。第1の細長い部材1203の弾性率は、第2の細長い部材1205の弾性率よりも小さい。第2の細長い部材1205は、中実又はほぼ中実でよい。さらに、第2の細長い部材1205は、導電性材料、例えばフィラメント、特に加熱フィラメント、又はセンサ(図示せず)をカプセル化又は収容することができる。加熱フィラメントは、湿気を含む空気からの凝結が生じ得る低温の表面を最小化することができる。また、加熱フィラメントを使用して、複合チューブ1201の内腔1207内のガスの温度プロファイルを変えることもできる。医療グレードプラスチックを含めた様々なポリマー及びプラスチックが、第2の細長い部材1205の本体に適している。適切な材料の例としては、ポリオレフィンエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性コポリマーエラストマー、EPDM-ポリプロピレン混合物、及び熱可塑性ポリウレタンが挙げられる。特定の実施形態では、第1の細長い部材1203と第2の細長い部材1205が同じ材料から形成されることもある。また、第2の細長い部材1205は、第1の細長い部材1203とは異なる色の材料から形成されてもよく、透明、半透明、又は不透明でよい。例えば、一実施形態では、第1の細長い部材1203は、透明なプラスチックから形成されることがあり、第2の細長い部材1205は、不透明の青色(又は他の色)のプラスチックから形成されることがある。
【0091】
可撓性の中空体と、一体支持部とを備えるこの螺旋状に巻かれた構造は、圧縮抵抗を提供することができ、その一方で、管の壁が、座屈、閉塞、又は崩壊することなく短い半径の曲げを可能にするのに十分な可撓性を有するようにする。好ましくは、ISO5367:2000(E)による曲げに伴う流れ抵抗の増加に関する試験において定義されるように、管は、座屈、閉塞、又は崩壊することなく、直径25mmの金属円柱体の周りで曲げることができる。また、この構造は、滑らかな内腔1207の表面(管孔)を提供することができ、これは、管に堆積物が生じないようにする助けとなり、ガスの流れを改良する。中空体は、管を軽量に保ちながら管の断熱特性を改良することが判明している。
【0092】
上で説明したように、複合チューブ1201は、呼吸回路内の呼気チューブ及び/又は吸気チューブとして、又は呼吸回路の一部として使用することができる。好ましくは、複合チューブ1201は、少なくとも吸気チューブとして使用される。
【0093】
図3Bは、図3Aの例示的な複合チューブ1201の上部の長手方向断面を示す。図3Bは、図3Aと同じ向きを有する。この例は、第1の細長い部材1203の中空体形状をさらに示す。この例で見られるように、第1の細長い部材1203は、長手方向断面で複数の中空気泡を形成し、中空気泡は、複合チューブ内部に完全に封入される。中空気泡には空気を充填することができる。第1の細長い部材1203の部分1209は、第2の細長い部材1205の隣接する巻きに重なる。第1の細長い部材1203の部分1211は、内腔の壁(管孔)を形成する。
【0094】
第1の細長い部材1203の隣接する一巻き同士の間、すなわち隣接する気泡体の間に隙間1213を有することが、意外にも、複合チューブ1201の全体の断熱特性を改良することが発見された。したがって、特定の実施形態では、隣接する気泡体は、隙間1213によって分離される。さらに、特定の実施形態は、隣接する気泡体間に隙間1213を提供することで、伝熱抵抗(R値)を増加し、したがって複合チューブ1201の熱伝導率を減少させることの実現を含む。また、この隙間構成は、より短い半径の曲げを可能にすることによって、複合チューブ1201の可撓性を改良することも判明した。図3Bに示されるように、T字形の第2の細長い部材1205は、隣接する気泡体間で隙間1213を保つ助けとなり得る。それにも関わらず、特定の実施形態では、隣接する気泡体は接触している。例えば、隣接する気泡体を一体に結合させることもできる。
【0095】
ガスの流れを加熱又は感知するために、1つ又は複数の導電性材料を第2の細長い部材1205内に配設することができる。この例では、2つの加熱フィラメント1215が、第2の細長い部材1205内にカプセル化され、それぞれ「T」字形の垂直部分の各側にある。加熱フィラメント(加熱器ワイヤとも呼ばれる)1215は、アルミニウム(Al)及び/又は銅(Cu)の合金や導電性ポリマーなどの導電性材料を含む。好ましくは、第2の細長い部材1205を形成する材料は、加熱フィラメント1215がそれらの動作温度に達したときに加熱フィラメント1215中の金属と反応しないように選択される。フィラメント1215は、内腔1207に露出されないように内腔1207から離して配置されることがある。複合チューブの一端で、数対のフィラメントが、連接ループとして形成されてもよい。
【0096】
少なくとも1つの実施形態では、複数のフィラメントが、第2の細長い部材1205内に配設される。フィラメントは、互いに電気的に接続させることができ、共通のレールを共有する。例えば、加熱フィラメントなど第1のフィラメントを、第2の細長い部材1205の第1の側に配設することができる。感知フィラメントなど第2のフィラメントを、第2の細長い部材1205の第2の側に配設することができる。接地フィラメントなど第3のフィラメントを、第1のフィラメントと第2のフィラメントの間に配設することができる。第1、第2、及び/又は第3のフィラメントは、第2の細長い部材1205の一端で互いに接続させることができる。
【0097】
図3Cは、図3Bでの気泡体の長手方向断面を示す。図示されるように、第2の細長い部材1205の隣接する巻きに重なる第1の細長い部材1203の部分1209は、ある程度の結合領域1217によって特徴付けられる。より大きい結合領域は、第1の細長い部材と第2の細長い部材の界面での層剥離に対する管の耐性を改良する。追加又は代替として、ビード及び/又は気泡体の形状は、結合領域1217を増加するように適合させることができる。例えば、図3Dは、左側に比較的小さい結合域を示す。また、図4Bは、より小さい結合領域を示す。対照的に、図3Eは、ビードのサイズ及び形状により、図3Dに示されるものよりもはるかに大きい結合領域を有する。図4A及び図4Cも、より大きい結合領域を示す。これらの図をそれぞれ以下でより詳細に論じる。特定の実施形態では図3E図4A、及び図4Cでの構成が好ましいことがあるが、他の実施形態では、望みであれば、図3Dの構成、図4Bの構成、及び他の変形形態を含めた他の構成を利用することもできることを理解されたい。
【0098】
図3Dは、別の複合チューブの上部の長手方向断面を示す。図3Dは、図3Bと同じ向きを有する。この例は、第1の細長い部材1203の中空体形状をさらに示し、また第1の細長い部材1203が長手方向断面で複数の中空気泡体を形成する様子を示す。この例では、気泡体は、隙間1213によって互いに完全に分離されている。概して三角形の第2の細長い部材1205が、第1の細長い部材1203を支持する。
【0099】
図3Eは、別の複合チューブの上部の長手方向断面を示す。図3Eは、図3Bと同じ向きを有する。図3Eの例では、加熱フィラメント1215は、図3Bでのフィラメント1215よりも互いに離して配置されている。加熱フィラメント間の空間を増加させることで加熱効率を改良することができることが発見された。特定の実施形態は、この実現を含む。加熱効率は、管に入る熱の量と、管から出る又は回収可能なエネルギーの量との比を表す。一般に、管から放散されるエネルギー(又は熱)が大きいほど、加熱効率は低い。加熱性能の改良のために、加熱フィラメント1215は、管の孔に沿って均等に(又はほぼ均等に)配置することができる。代替として、フィラメント1215は、第2の細長い部材1205の末端に位置決めすることができ、これは、より単純な製造を可能にすることがある。
【0100】
図4Aは、複合チューブの上部の長手方向断面を示す。図4Aは、複合チューブ1201の一実施形態を示し、ここでは、第1の細長い部材(例えば気泡体)は大きな高さを有する。この例では、気泡体は、比較的小さい曲率半径を有し、したがって大きな曲率を有する。また、気泡体は、第2の細長い部材1205の高さの約3~4倍の高さである。
【0101】
図4Bは、別の複合チューブの上部の長手方向断面を示す。図4Bは、複合チューブ1201の一実施形態を示し、ここでは、第1の細長い部材(例えば気泡体)は上部を偏平にされている。この例では、気泡体は、非常に大きい曲率半径、及び小さい曲率を有する。また、気泡体は、第2の細長い部材1205とほぼ同じ高さである。
【0102】
図4Cは、別の複合チューブの上部の長手方向断面を示す。図4Cは、複合チューブ1201の一実施形態を示し、ここでは、第1の細長い部材(例えば気泡体)の幅が第1の細長い部材(例えば気泡体)の高さよりも大きい。この例では、気泡体は、図4Aの曲率半径及び曲率と図4Bの曲率半径及び曲率との間の曲率半径及び曲率を有し、(図4Aとの比較において)気泡体の上部に関する半径の中心が気泡体の外側である。気泡体の左右側の変曲点は、(図4Aのように気泡体の下部にあるのに対して)気泡体の(高さ方向で)ほぼ中央である。また、気泡体の高さは、第2の細長い部材1205のほぼ2倍であり、図4Aの高さと図4Bの高さとの間の気泡体高さとなっている。
【0103】
図4Aの構成は、管からの熱損失が最小であった。図4Bの構成は、管からの熱損失が最大であった。図4Cの構成は、図4Aと4Bの構成の間の中間の熱損失を有していた。しかし、図4Aの構成での大きな外側表面積及び対流伝熱は、非効率的な加熱を生じた。したがって、図4A図4Cの3つの第1の細長い部材(例えば気泡体)構成のうち、図4Cが、最良の全体的な熱的特性を有すると判断された。3つの管に同じ熱エネルギーを入力したとき、図4Cの構成は、管の長さに沿って最大の温度上昇を生じた。図4Cの気泡体は、断熱空気体積を増加するのに十分に大きいが、対流による大きな熱損失を引き起こすほど大きくはない。図4Bの構成は、最も悪い熱的特性を有すると判断された。すなわち、図4Bの構成は、管の長さに沿って最小の温度上昇しか生じなかった。図4Aの構成は、中間の熱的特性を有し、図4Cの構成よりも低い温度上昇を生じた。
【0104】
特定の実施形態では図4Cの構成が好ましいことがあるが、他の実施形態では、望みであれば、図4Aの構成、図4Bの構成、及び他の変形形態を含めた他の構成を利用することもできることを理解されたい。
【0105】
表1は、及び図4A図4B、及び図4Cそれぞれに示される構成の第1の細長い部材(例えば気泡体)の高さ、管の外径、及び曲率半径を示す。
【0106】
【表1】
【0107】
チューブ可撓性
図5A~5Eは、複合チューブ1201の可撓性を変えることができる第1の細長い部材及び第2の細長い部材に対する修正の例を提供する。チューブ1201の幾何形状も、チューブの機械的特性に影響を与える。可撓性及び剛性を変えることによって、チューブ1201の機械的特性をカスタマイズすることができる。以下で論じる各修正形態は、断熱に関して述べたその効果(すなわち、他のすべてが同じに保たれている場合)を有することを理解されたい。しかし、以下に述べる修正形態の1つ又は複数を使用して、適切な管腔ボア、外径、外輪郭、美的外観、可撓性/剛性、長さ、絶縁特性、又は他の所望の特徴を備えた所望のチューブを実現することができることを当業者は理解されよう。チューブの可撓性とは、ねじれ、閉塞、又はチューブ内の流れに対する抵抗の過大な増加を伴わずに曲げるための、業界標準など規定の標準を参照することがある。可撓性を高めることによって、本開示は、規定の標準よりも高い可撓性を有し得るチューブを企図する。より高い可撓性を有するチューブは、より小さい曲率半径で、及び/又はチューブを湾曲させるのに必要な力をより小さくしてチューブが湾曲できることを示すことがある。
【0108】
直径
図5Aは、管腔の直径及び第1の細長い部材の直径のサイズの変化を示す。第1の細長い部材の気泡のサイズを増加させることによって、チューブ1201の可撓性が増加する。逆に、より小さい気泡サイズは、チューブ1201のより剛性の領域を生み出す。例えば、第1の細長い部材の直径は、1.0mm(又は約1.0mm)~6.0mm(又は約6.0mm)の範囲内でよい。
【0109】
チューブの内径を大きくすることによって、チューブ1201の可撓性が低下する。逆に、より小さいチューブの内径は、チューブ1201の可撓性を高める。例えば、チューブの内径は、6.0mm(又は約6.0mm)~30.0mm(又は約30.0mm)の範囲内でよい。チューブ1201の内径を変えることによって、患者インターフェースの近くでより小さい内径を有することが可能であり、これは、患者の快適性を高め、美観を改善し、インターフェースの侵襲性を低減することができる。
【0110】
壁厚
図5Bの例では、管腔の壁を形成する第1の細長い部材1203の内側部分1211の断面厚さは、外側部分の厚さよりも小さい。図5Bの構成は、管腔の近くでより薄い気泡を生じるので、そのような構成により、複合チューブ1201が∩形状に曲げられたときに、内側部分1211がより容易に圧縮又は「バンチ(bunch)」できるようになる。したがって、特定の実施形態は、内側部分1211の断面厚さが外側部分の断面厚さよりも小さい構成が、より短い半径の曲げを可能にすることによって、複合チューブ1201の可撓性を改良することができるという認識を含む。さらに、特定の実施形態は、可変の断面壁厚を有する第1の細長い部材1203を提供することによって、全体的なチューブの可撓性を改良することができるという認識を含む。望ましくは、内側部分1211の厚さは、外側部分の厚さよりも小さい。
【0111】
少なくとも1つの実施形態では、内側部分1211の厚さは、外側部分の厚さよりも少なくとも20%(又は約20%)小さい。例えば、特定の実施形態では、内側部分1211の厚さは、外側部分の厚さよりも少なくとも30%(又は約30%)、少なくとも40%(又は約40%)、少なくとも50%(又は約50%)、又は少なくとも60%(又は約60%)小さい。特定の実施形態では、内側部分1211の厚さは、外側部分の厚さよりも27%(又は約27%)小さい。特定の実施形態では、内側部分1211の厚さは、外側部分の厚さよりも32%(又は約32%)小さい。特定の実施形態では、内側部分1211の厚さは、外側部分の厚さよりも58%(又は約58%)小さい。特定の実施形態では、内側部分1211の厚さは、外側部分の厚さよりも64%(又は約64%)小さい。
【0112】
外側部分の厚さは、0.14mm(又は約0.14mm)~0.5mm(又は約0.5mm)の範囲内、好ましくは0.20mm(又は約0.20mm)~0.50mm(又は約0.50mm)の範囲内でよい。内側部分1211の厚さは、0.05mm(又は約0.05mm)~0.30mm(又は約0.30mm)の範囲内、好ましくは0.08mm(又は約0.08mm)~0.15mm(又は約0.15mm)の範囲内でよい。
【0113】
ピッチ
図5Cを参照すると、第1の細長い部材1203の巻線のピッチは、チューブの可撓性に影響を及ぼすように変更することができる。ピッチとは、1つの部材の1つの巻線から同じ部材の次の巻線までの間隔を表す。例えば、ピッチは、第1の細長い部材から次の第1の細長い部材までの間隔、第2の細長い部材から次の第2の細長い部材までの間隔、部材の中央から次の部材の中央までの間隔などを表すことができる。より小さなピッチは、第1の細長い部材1203の単一の長手方向断面気泡の幅(W-W)よりも大きい高さ(H-H)をもたらすことができる。より大きい高さは、第1の細長い部材1203の気泡の外壁における材料のたるみの量を増加させるので、そのような構成は、より短い半径の曲げを可能にすることによって複合チューブ1201の可撓性を改良することができる。したがって、特定の実施形態は、ピッチを減少し、長手方向断面の幅よりも大きい長手方向断面高さを有する第1の細長い部材1203を提供することによって、全体的なチューブの可撓性を改良することができるという認識を含む。特定の実施形態ではこの例示的な構成が好ましい場合があるが、他の実施形態では、望みに応じて他の構成及び変形形態を使用できることを理解されたい。例えば、第1の細長い部材1203の長手方向断面気泡の高さをその幅よりも小さくすることができる。
【0114】
しかし、一般に、より広いピッチは、より高い可撓性のチューブ(すなわち、比較的大きなW-Wを有する気泡)を提供することを当業者は理解すべきである。例えば、大きい高さH-H及び小さい幅W-Wを有するチューブは、大きい幅W-Wを有するチューブよりも可撓性が低くなる。大きいH-Hと大きいW-Wとのクロスファクタは、ここでもW-Wが可撓性への重要な影響を有しているため、(小さい高さH-H及び大きい幅W-Wよりも)可撓性がさらに高くなり得る。
【0115】
少なくとも1つの実施形態では、気泡の高さ(H-H)は、1.2mm(又は約1.2mm)~10mm(又は約10mm)の範囲内でよく、例えば、1.2mm(又は約1.2mm)、1.7mm(又は約1.7mm)、1.8mm(又は約1.8mm)、2.7mm(又は約2.7mm)、2.8mm(又は約2.8mm)、3mm(又は約3mm)、3.2mm(又は約3.2mm)、3.5mm(又は約3.5mm)、3.8mm(又は約3.8mm)、4mm(又は約4mm)、4.5mm(又は約4.5mm)、7.7mm(又は約7.7mm)、又は8.2mm(又は約8.2mm)である。少なくとも1つの実施形態では、気泡の幅(W-W)は、1.7mm(又は約1.7mm)~8mm(又は約8mm)の範囲内でよく、例えば、1.7mm(又は約1.7mm)、3.2mm(又は約3.2mm)、3.5mm(又は約3.5mm)、4.0mm(又は約4.0mm)、4.2mm(又は約4.2mm)、5.2mm(又は約5.2mm)、5.5mm(又は約5.5mm)、6mm(又は約6mm)、7mm(又は約7mm)、7.5mm(又は約7.5mm)、又は8mm(又は約8mm)である。
【0116】
気泡の高さ(H-H)と気泡の幅(W-W)との関係は、比として表すことができる。気泡の高さ(H-H)と気泡の幅(W-W)の比が0のとき、可撓性は最も低くなる。比が増加するにつれて、可撓性が高まる。少なくとも1つの実施形態では、気泡の高さ(H-H)と気泡の幅(W-W)の比は、0.15(又は約0.15)~1.5mm(又は約1.5)の範囲内でよく、例えば、0.16(又は約0.16)、0.34(又は約3.4)、0.50(又は約0.50)、0.56(又は約0.56)、0.57(又は約0.57)、0.58(又は約0.58)、0.67(又は約0.67)、0.68(又は約0.68)、0.73(又は約0.73)、0.85(又は約0.85)、1.1(又は約1.1)、及び1.3(又は約1.3)である。
【0117】
ビード幅
図5Dは、第2の細長い部材の幅の変化を示す。第2の細長い部材1205は、チューブの曲げを容易にするために可撓性を有することができる。例えば、第2の細長い部材1205の弾性率は、好ましくは30~50MPa(又は約30~50MPa)である。第1の細長い部材1203の弾性率は、第2の細長い部材1205の弾性率よりも小さくすることができる。第2の細長い部材1205は、中実又はほぼ中実でよい。第2の細長い部材1205の幅は、チューブの可撓性を変えるために増加させることができる。同じピッチを有する第2の細長い部材1206のより大きい幅は、可撓性を低下させることになる(これがまた、第1の細長い部材1203の幅を実質的に減少させるので)。第2の細長い部材11205の過度の幅は、曲げ半径を制限し、チューブをバンチ又は崩壊させる可能性がある。同じピッチでの第2の細長い部材1205のより大きい幅は、第1の細長い部材1203の内壁を曲げるために利用可能な自由長も減少し、したがって、より高いスチフネスのチューブを生み出す。また、第1の細長い部材と第2の細長い部材との結合を高め、第1の細長い部材の上側部分のたるみの長さを減少させることができる。
【0118】
扁平気泡
図5Eは、気泡が上部で扁平化されて中実である第1の細長い部材の実施形態を示す。第1の細長い部材の扁平化された本体は、チューブの可撓性を低下させる可能性がある。扁平化された気泡セクションは、チューブを著しく剛化することがある。いくつかの実施形態では、扁平化された気泡はほぼ中実でよいが、わずかに空いていてもよい(図示せず)。
【0119】
可変スチフネスチューブ
図6Aは、例示的な可変厚さチューブ301の長手方向断面図を示す。一般に、医療用チューブ301は、第1の開口部305、第2の開口部307、及び長手方向軸LA-LAを有する細長い導管303を備える。この例では、細長い導管303は、概して円筒形の形状を有する。それにもかかわらず、「導管」は、広義の用語であり、当業者にとっての通常の慣習的な意味を与えられるべきであり(すなわち、特別な意味又はカスタマイズされた意味に限定されるべきではない)、限定はせずに、非円筒形の通路も含む。管腔309は、長手方向軸LA-LAに沿って第1の開口部305と第2の開口部307との間に延在する。導管303は、第2の開口部307に隣接した位置よりも、第1の開口部305に隣接した位置でより高いスチフネスを有する。
【0120】
導管303は、第1の開口部305と第2の開口部307との間に延在し、管腔309を取り囲む壁311を備える。この例では、壁311は、第2の開口部307に隣接する導管303の第2の領域315内よりも、第1の開口部305に隣接する導管303の第1の領域313内においてスチフネスが高い。壁311は、任意選択において波形でよく、又は波形プロファイルでよい。この例に示されるように、波形プロファイルは、交互の外側の山(又は環状の突出部)と内側の谷(又は環状の凹部)とから構成することができる。外側の山は、細長い導管の最大内側半径と最大外側半径の位置に対応することがあり、内側の谷は、細長い導管の最小内側半径と最小外側半径の位置に対応することがある。そのような波形は、環状波形又は螺旋波形の形でよい。代替として、壁311は、滑らかな又は波状でないプロファイルでもよい。任意選択で、第1の開口部305は、上述した加湿器などの加湿ガス源に接続するようにサイズ及び形状を構成され、第2の開口部307は、患者インターフェースに接続するようにサイズ及び形状を構成される。例えば、1つ又は複数の端部は、患者インターフェース及び/又は加湿器への接続を容易にする接続ポートに接続するように構成することができる。他の構成も望ましいことがある。例えば、他の実施形態では、第1の開口部305は、患者インターフェースに接続するように構成することができ、第2の開口部307は、上述したように、ベンチレータ/送風機に接続するように構成することができる。
【0121】
以下により詳細に述べるように、チューブ301は、任意選択で、1つ又は複数の導電性(加熱又は感知)フィラメントを含むことができる。フィラメントに関する任意選択の位置は以下のようである。管腔内に典型的には緩く螺旋状に配置される;導電性フィラメントを所定の位置に固定し、熱損失を防ぐために、典型的には外部シースと組み合わせて、チューブ壁に密接に外部接触して配置される;又は管壁に埋め込まれる。
【0122】
一般に、チューブの全長は、1.0m~3.0m(又は約1.0m~3.0m)又は1.0~2.0m(又は約1.0~2.0m)でよい。好ましくは、チューブの長さは、1.5m(又は約1.5m)又は1.8m(又は約1.8m)である。好ましくは、管腔の平均直径(任意選択の波形での山と谷によって生み出される直径の変動を考慮に入れる)は、9mm~30mm(又は約9mm~30mm)である。好ましくは、成人患者の管腔直径は、20mm(又は約20mm)又は22mm(又は約22mm)である。好ましくは、新生児患者の管腔直径は、9mm(又は約9mm)から15mm(又は約15mm)である。実際、本明細書で述べる可変スチフネスチューブは、当技術分野で従来使用されているチューブに取って代わるものとして使用することができ、従来のチューブは、典型的には、9mm~30mmの間の平均管腔直径、及び約1m~2.5mの間の長さを有する。
【0123】
また、チューブが、押しつぶれに対する耐性を有し、曲げられたときの流れの制約に対する耐性を有し、ねじれに対する耐性を有し、内圧下での長さ及び/又は体積の変化に対する耐性を有し、漏れに対する耐性を有し(6kPaで、<25mL/分)、低い流れ抵抗(最大定格流量での圧力の上昇は0.2kPa未満である)を有し、電気的に安全であることが好ましい。好ましくは、チューブは、ISO 5367:2000(E)に従った曲げに伴う流れ抵抗の増加に関する試験で定義されるように、ねじれ、閉塞、又は崩壊なく、直径25mmの金属シリンダの周りで曲げることができる。
【0124】
領域間での異なるスチフネス
再び図6Aを参照すると、好ましくは、第1の開口部305に隣接する導管303の第1の領域313は、第2の開口部307に隣接する導管303の第2の領域315よりもスチフネスが高い。様々な実施形態は、第1の領域313及び第2の領域315とは異なるスチフネス特性を有する第1の領域313と第2の領域315との間の1つ又は複数の追加領域(例えば、第1の領域313と第2の領域315とのスチフネス特性中間領域)を含む。例えば、3領域チューブ301は、2領域チューブ301と比較して、より良い曲線プロファイルを与えることができる。3領域チューブ301の概略図が図6Bに示されている。この例は、第1の領域313と第2の領域315との中間の第3の領域321を含む。
【0125】
壁の組成
少なくとも1つの実施形態では、壁は、1つ又は複数のポリマーを含む押出成形物から形成される。好ましいポリマーとして、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィンプラストマー(POP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、軟質ポリ塩化ビニル(PVC)、又はこれらの材料の2つ以上のブレンドが挙げられる。ポリマーは、押出成形物全体の少なくとも98.4(又は約98.4)、98.5(又は約98.5)、98.6(又は約98.6)、98.7(又は約98.7)、98.8(又は約98.8)、98.9(又は約98.9)、99.0(又は約99.0)、99.1(又は約99.1)、99.2(又は約99.2)、99.3(又は約99.)、99.4(又は約99.4)、99.5(又は約99.5)、99.6(又は約99.6)、99.7(又は約99.7)、99.8(又は約99.8)、又は99.9(又は約99.9)重量パーセント(wt%)を成す。特定の実施形態では、押出成形物は、99.488(又は約99.488)wt%又は約99.49(又は約99.49)wt%のLLDPEを含む。
【0126】
発泡体壁を含む実施形態では、発泡体壁は、好ましくは、例えば単一の押出成形物の押出成形によって形成される単一部片のポリマー発泡体である。発泡体壁は、有利には、非発泡体壁によって提供される断熱レベルと比較して、管腔に関する断熱レベルを改良することができる。したがって、少なくとも1つの実施形態では、壁は、医療用チューブを取り巻く環境の潜在的な冷却効果から、細長い導管の内容物(例えば、ガス流路を通って流れる加湿ガスなど)を断熱する(例えば、呼吸回路を取り巻く周囲の空気からの断熱、又は腹腔鏡送気システムからの断熱)。医療用チューブを取り巻く環境は、例えば、病棟若しくは病室、手術室、自宅の寝室、又は患者がいることがある他の場所である。
【0127】
発泡体壁を形成するための例示的な方法は、押出成形物への化学発泡剤の添加を含む。化学発泡剤は、時として起泡剤とも呼ばれる。化学発泡剤は、押出成形プロセスの一部として、又は押出成形プロセスの後に、押出成形材料の発泡を可能にする。
【0128】
また、化学的な発泡法ではなく物理的な発泡法によるものなど、発泡体壁を形成するための他の発泡技法を採用することもできることを理解されたい。物理的な発泡法は、加圧下で押出成形物にガスを直接導入することを含む。押出成形物が押し出されるとき、圧力が低下され、ガスが膨張できるようになる。例えば、1つのそのような物理的な発泡技法は、押出成形点又はその付近での押出成形物へのガスの吹込み又は注入を含む。そのようなガスは、窒素、二酸化炭素、ペンタン、又はブタンを含むことがある。
【0129】
シース
特定の実施形態では、図6Cに示されるように、細長い導管303は、シース327をさらに備えることができる。シース327は、壁311を部分的又は完全に取り囲む部材である。シース327は、壁311に沿った位置で導管303の壁311に固定することができ、又はチューブ301の端部のみに固定されてもよい。また、シースは、セグメント化された吸気チューブ202の中間コネクタ214によって固定されてもよい。シース327は、導電性フィラメント(後述)を所定の位置に固定するため、及び/又は管壁311に衝突する冷気流による熱損失を防ぐために使用することができる。
【0130】
シース327は、滑らかな壁(図示せず)、複合チューブ1201、又は波形壁311を備える導管303に組み込むことができるが、そのようなシース327を波形壁又は複合チューブと共に含むことが特に有利であり得る。シースは、波形の隣接する外側の山(又は環状突出部)の間に空気を捕捉することができる。これは、管腔309を通過するガスのさらなる断熱を支援し得る。
【0131】
例えば、シース327が壁311の周りに押出成形される場合、そのような押出成形は、壁311の最初の押出成形に続くステップ、すなわち壁311の形成後の押出成形ステップでよい。さらに、例えば外側シース327が壁311の周りのラップである場合、シース327は、壁311の長さの周りに螺旋状に巻かれたテープ又はリボンから所定の位置に構成されてもよい。さらに、外側シース327が中空チューブとして事前に形成されている場合、外側シース327は、壁311の外側の周りの位置に被せられてもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、シースは、メッシュ、編組み、又は布製のカバーから形成することができる。そのようなシースのフィラメントのサイズは、0.05mm~1.0mm(又は約0.05mm~1.0mm)の間でよい。好ましくは、フィラメントのサイズは、0.25mm(又は約0.254mm)~0.28mm(又は約2.8mm)である。編組みメッシュは、プラスチック若しくは金属、又は天然若しくは合成繊維などの様々な材料から製造することができる。1つの例示的実施形態では、シースは、好ましくは、ポリエチレンテレフタレートモノフィラメントから形成される。
【0133】
1つの例示的実施形態では、シース27は、呼吸回路肢の1つ又は複数のセグメントを取り囲む編組みメッシュであることが好ましく、呼吸導管がコネクタに挿入される端部でのみ肢に結合される。別の例示的実施形態では、シースは、呼吸導管壁の外側に位置され、導管壁が固定されると同時に、端部コネクタに且つ端部コネクタの周囲又は下のいずれかに固定される。シースは、接着剤、摩擦嵌め、オーバーモールド、又は他の従来の固定方法など、当技術分野で知られている任意の適切な手段によって固定することができる。
【0134】
1つの例示的実施形態では、シースは、導管が形成されると同時にシースが形成されるオンラインプロセスとして呼吸導管に適用されてよく、又は代替として、事前に作られたシースが別のプロセスで呼吸導管に適用されてもよい。
【0135】
使用中、シースは、呼吸回路肢自体の波伝播効果の減衰に大きく寄与する(すなわち、チューブの変位を減衰させる)。いくつかの実施形態では、導管の長さに沿ってシースと呼吸回路肢との間の結合はないが、シースがガス流(特に、高周波ガス流)下でチューブの変位を大幅に改良することが判明した。さらに驚くべきことに、メッシュシースが特に優れた減衰効果を有することが判明した。これは、(療法中などに)肢に張力がかかるとき、メッシュの軸方向又は長手方向の伸長によりメッシュチューブが(フィンガートラップ玩具のように)半径方向で収縮し、これにより、チューブを締め付け、生じ得る波伝播若しくは変位力を制限する、又は波伝播若しくは変位力に抵抗するからである。この半径方向の収縮は、チューブ壁の外面によって(例えば、複合チューブの第1及び/又は第2の細長い部材の他の表面によって)抵抗され、呼吸回路肢のための歪み制限効果をもたらす。この効果は、呼吸回路肢の強度、及び変位力に対する耐性を大幅に改良し、それでも、位置決め中の可撓曲げを可能にする。この実施形態では、導管のスチフネスを改良するために、編組みフィラメントの材料、数、織りピッチ、及びゲージを選択することが好ましい。メッシュシースの1つの例示的実施形態では、メッシュは、1メートル当たり10(又は約10)~1000(又は約1000)ピックである。メッシュシースの別の例示的実施形態では、メッシュは、1メートル当たり100(又は約100)~500(又は約500)ピックの間である。メッシュシースの別の例示的実施形態では、メッシュは、1メートル当たり200(又は約200)~400(又は約400)ピックの間である。チューブの変位を減衰させるとは、一般に、療法中など、チューブが張力を受けているときにチューブが受けることがある波伝播若しくは変位力を制限する、又は波伝播若しくは変位力に抵抗することを表すことができる。これは、療法中に、変位の大きさの減少、変位周波数の減少、チューブの曲げの曲率の減少、及び/又はチューブの顕著な動きの全般的な減少など、様々な減衰効果をもたらすことができる。
【0136】
メッシュシースは、単一のストランド若しくはフィラメント、又は2つ以上の隣接するストランド若しくはフィラメントを備えていてもよい。例えば、単一のストランドではなく、メッシュシースは、2~32本の隣接するフィラメントから構成することもできる。シースには、1、2、4、8、16、32、又は64本以上の隣接するストランドがあり得る。1メートル当たりの所望のピックを実現するために、任意の適切な数の編組み(上で論じたような1つ又は複数のフィラメントを含む)があってよい。例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、又は41以上の編組みがあり得る。1つの例示的実施形態では、適切なメッシュは、1メートル当たり250~350ピックを有し、編組みごとに2本の隣接するフィラメントを含む36個の編組みから構成されることがある。
【0137】
代替減衰機構
チューブ自体とは異なる調波周波数応答を有する少なくとも1つの構成要素を取り付けるなど、変位力に抵抗し、それでも曲げ運動の可撓性を与えるための他の適切な手段があることを当業者は理解すべきである。
【0138】
1つの例示的実施形態では、減衰機構は、スプライン、又は少なくとも1つのスプラインである。スプラインは、チューブの内部(管腔内又は側壁)にあっても外部にあってもよく、チューブと同時に形成されても、チューブとは別の時点で形成されてもよく、チューブと一体に形成されてもそうでなくてもよく、チューブのセグメントの長さに実質的に沿って延在しても、チューブのセグメントの部分長さのみに延在してもよく、チューブと同軸でもそうでなくてもよい。
【0139】
別の例示的実施形態では、減衰機構は、少なくとも1つの剛化ロッド(曲げ力の下で依然として可撓性であるような材料で形成されている)である。剛化ロッドは、チューブの内部(管腔内又は側壁)にあっても外部にあってもよく、チューブと同時に形成されても、チューブとは別の時点で形成されてもよく、チューブと一体に形成されてもそうでなくてもよく、チューブのセグメントの長さに実質的に沿って延在しても、チューブのセグメントの部分長さのみに延在してもよく、チューブと同軸でもそうでなくてもよい。
【0140】
1つの例示的実施形態では、減衰機構は、少なくとも1つのリブである。リブは、チューブの内部(管腔内又は側壁)にあっても外部にあってもよく、チューブと同時に形成されても、チューブとは別の時点で形成されてもよく、チューブと一体に形成されてもそうでなくてもよく、チューブのセグメントの長さに実質的に沿って延在しても、チューブのセグメントの部分長さのみに延在してもよく、チューブに沿って軸方向に延在してもそうでなくてもよく、チューブの周りに半径方向で延在してもそうでなくてもよく、チューブの軸に垂直に延在してもそうでなくてもよい。
【0141】
1つの例示的実施形態では、減衰機構は、少なくとも1つのフィルムである。フィルムは、チューブの内部(管腔内又は側壁)にあっても外部にあってもよく、チューブと同時に形成されても、チューブとは別の時点で形成されてもよく、チューブと一体に形成されてもそうでなくてもよく、チューブ上を覆ってもチューブの内部を覆ってもよく、チューブのセグメントの長さに実質的に沿って延在しても、チューブのセグメントの部分長さのみに延在してもよく、チューブと同軸でもそうでなくてもよい。
【0142】
1つの例示的実施形態では、減衰機構は、テープ、又はストリップ、又はストリングである。テープ又はストリップ又はストリングは、チューブの内部(管腔内又は側壁)にあっても外部にあってもよく、チューブと同時に形成されても、チューブとは別の時点で形成されてもよく、チューブと一体に形成されてもそうでなくてもよく、チューブ上を覆ってもチューブの内部を覆ってもよく、チューブのセグメントの長さに実質的に沿って延在しても、チューブのセグメントの部分長さのみに延在してもよく、チューブと同軸でもそうでなくてもよい。テープ又はストリップ又はストリングは、テープ又はストリップ又はストリングの長さに沿って部分的又は全体的に広がる接着剤を1つ又は複数の側面に含むことがある。或いは、テープ又はストリップ又はストリングは、接着剤を含まないこともあり、本明細書の他の箇所で述べるものなど任意の他の適切な様式でチューブに又はチューブ内部に保定される。テープ又はストリップ又はストリングは、チューブの周りに螺旋状に巻かれていてよい。好ましくは、チューブが螺旋状に巻かれた構成要素から構成されている場合、螺旋状に巻かれたテープ又はストリップ又はストリングは、チューブの螺旋状に巻かれた構成要素とは異なるピッチ(より緩い又はより密のピッチ)である。代替実施形態では、テープ又はストリップ又はストリングは、螺旋状に巻かれていない。さらなる例示的実施形態では、テープ又はストリップ又はストリングは、チューブに沿って長手方向に延在してもよい。別のさらなる例示的な実施形態では、テープ又はストリップ又はストリングは、螺旋状に巻かれた少なくとも1つのセグメントと、螺旋状に巻かれていない少なくとも1つのセグメントとを含む。
【0143】
端部又は中間コネクタは、凹部若しくは溝、リップ、又はスロットなど、上述した減衰機構を受け入れるための構造的機構でもよい。例えば、1つの例示的実施形態では、少なくとも1つのコネクタ(端部コネクタ又は中間コネクタなど)は、上述した補強スパインを受け入れるための凹部又は溝を備える。そのような減衰機構は、接着剤、摩擦嵌め、又はオーバーモールディングなど、当技術分野での従来の取付け手段により、コネクタによって保定され得ることを理解されたい。さらに、そのような減衰機構は、プラスチック、金属、天然若しくは合成繊維、シリコーン、又は本明細書の他の箇所で述べたものを含む他の適切な材料など、任意の適切な材料から成っていてもよいことを当業者は理解すべきである。
【0144】
可撓性呼吸チューブ
図7A~7B及び8A~8Eは、様々な可撓性呼吸チューブの実施形態を示す。可撓性チューブを使用して、患者、特に新生児患者に呼吸療法を提供するときに、チューブの位置決め容易性及び使いやすさを向上させることができる。呼吸用加湿システム内での軽量の可撓性チューブの使用により、特定の呼吸波形が呼吸チューブを通して伝送されるとき、例えば高周波振動換気を行うときに、チューブが振動及び変位を受けることがある。場合によっては、振動が呼吸チューブの著しい変位を引き起こす可能性があり、これは、処方医、看護師、セラピスト、又は友人や家族など、患者の介護者に不快感や不安を与える。さらに、より高い剛性のチューブは、適切に位置決めするのがより難しいことがあり、患者にとって不快になり得る又は怪我を引き起こすおそれさえある力の負荷が患者インターフェースに加わる可能性がある。図7A~7B及び8A~8Eに関して述べる実施形態は、動作中の呼吸チューブの振動及び変位を減衰及び制御するための様々な解決策を提供する。
【0145】
図7A~7B及び8A~8Dを参照すると、呼吸チューブは、第1のセグメント402a及び第2のセグメント402bを有し、中間コネクタ414が、第1のセグメント402aと第2のセグメント402bとの間にある。第1のセグメント402aは、一端で加湿チャンバ、及び他端で中間コネクタ414と結合するための適切な継手を有する加湿器インターフェースコネクタ404を含むことができる。第2のセグメント402bは、一端で患者インターフェース、及び他端で中間コネクタ414と結合するための適切な継手を有する患者インターフェースコネクタ406を有することができる。チューブ402a、402bのセグメントは、中間コネクタによって互いに結合されて、ガス送達のための単一の導管を形成することができる。第1のセグメント402a、第2のセグメント402b、及び中間コネクタ414は、本明細書で開示される様々な実施形態に従って構成することができる。例えば、セグメント402a、402bは、それぞれセグメント202a及び202bに従って実現することができ、中間コネクタ414は、中間コネクタ214に従って実現することができる。
【0146】
第2のセグメント402bは、第1のセグメント402aよりも短くすることができ、特定の実装形態では、第2のセグメント402bは、第1のセグメント402aの約半分の長さでよい。第1のセグメント402aは、例えば、少なくとも約0.5m及び/又は約2m以下、少なくとも約0.7m及び/又は約1.8m以下、少なくとも約0.9m及び/又は約1.5m以下、又は少なくとも約1m及び/又は約1.2m以下の長さを有することができる。第2のセグメント402bは、例えば、少なくとも約0.2m及び/又は約1.5m以下、少なくとも約0.3m及び/又は約1m以下、少なくとも約0.4m及び/又は約0.8m以下、又は少なくとも約0.5m及び/又は約0.7m以下の長さを有することができる。
【0147】
図7A及び7Bを参照すると、呼吸チューブ410の実施形態が示されている。呼吸チューブ410の第1のセグメント402aと第2のセグメント402bとは、異なる可撓性を有する。第1のセグメント402aは、第2のセグメント402bよりも高いスチフネス又は剛性を有する。患者インターフェースに近い第2のセグメント402bは、第1のセグメント402aよりも高い可撓性を有する。いくつかの実施形態では、第1のセグメント及び/又は第2のセグメントは、図6A~6Cに関して述べたような可変スチフネスを有することができる。例えば、第1のセグメント402aは、一定のスチフネスを有することができ、第2のセグメント402bは、セグメントの長さに沿って可変スチフネスを有することができ、それにより、患者インターフェースに最も近い第2のセグメント402bの部分は最高の可撓性を有する。より高いスチフネスのセグメント402aを含むことによって、チューブのより大きいセグメントにおいて振動及び変位を低減して減衰させることができる。第1のセグメント402aと第2のセグメント402bとの相対的な可撓性は、チューブの構造を変えることによって制御することができる。いくつかの実施形態では、チューブのセグメント402a、402bは複合チューブでよく、可撓性は、本明細書で図5A~5Eに関して論じたように変えることができる。例えば、より高い可撓性の第2のセグメント402bは、より高いスチフネスの第1のセグメント402aと比較して、より薄い側壁、より小さい内径、より狭いピッチ、及び/又はより小さいビード幅の少なくとも1つを有することができる。いくつかの実施形態では、第2のセグメント402bの第1の細長い部材(例えば参照番号1203)は、第1のセグメント402aの第1の細長い部材よりも細くて高い。
【0148】
さらに、第1のセグメント402aと第2のセグメント402bとは、異なる材料から成っていてもよい。これは、異なるスチフネス/可撓性を有する第1のセグメント402a及び第2のセグメント402bをもたらすことがある。代替として、第1のセグメント402aと第2のセグメント402bとが同様のスチフネス/可撓性を有するように、異なる材料が選択されてもよい。1つの例示的実施形態では、異なる材料は、異なるデュロメータ及び/又は粘度を有する同じ材料である。別の例示的実施形態では、異なる材料は、異なるファミリ又はクラス又はタイプの材料である。
【0149】
別の例示的実施形態では、1つ又は複数のセグメントが、セグメントをより高い又はより低い可撓性にするために後処理を受けることがある。例えば、1つ又は複数のセグメントは、押出成形後に架橋を受けることがある。さらなる例示的実施形態では、架橋剤は、外部硬化(すなわち、チューブの外面で硬化)されることがあり、しかしチューブの内面では未硬化のままにされることがある。代替として、逆にすることもでき、チューブの内面は硬化されるが、外面は硬化されない。さらなる例示的実施形態では、マルチセグメント化されたチューブの1つ又は複数のセグメントは、そのような後処理を含むことがあるが、マルチセグメント化されたチューブの他のセグメントは含まない。
【0150】
図8A~8Eは、チューブ420の1つ又は複数のセグメントを覆うシース408を備えた呼吸チューブ420の実施形態を示す。第1のセグメント402aと第2のセグメント402bとは、同じ可撓性を有することができる。シース408は、図6Cに関して述べたシース327と同様でよい。シース408は、チューブ420のセグメント及び/又はコネクタの外壁を部分的又は完全に取り囲むことができる。シース408は、押出成形された外層として、壁の周りのラッピングとして、又は壁の周りの位置に摺動される又は引っ張られるスリーブとして、壁の周りに適用されてもよい。シース408は、任意の所要の厚さにすることができるが、使用される厚さ及び材料は、チューブの可撓性を維持するための要件とのバランスを取るべきである。シースは、メッシュ、編組み、又は布製のカバーから形成することができる。シース408は、チューブに沿った1つ若しくは複数の位置で固定することができ、又は、中間コネクタ、患者インターフェース、及び/又は加湿器インターフェースなど、チューブのセグメントの端部のみに固定することができる。
【0151】
メッシュ又は編組みシースは、スレッドの間にかなりの数の開口部を含むことがあり、開口部は、周囲環境に対して開いている。それらの開口部が広い場合、メッシュ又は編組みシースが有意な断熱層として機能しないことを理解されたい。しかし、驚くべきことに、本出願人は、メッシュ又は編組みシースが療法中にチューブの変位又は動きを減衰又は吸収するように作用し、変位又は動きの量を、介護者にとって普通であって受け入れられるレベルまで下げることを発見した。さらに、本出願人は、そのようなメッシュ又は編組みシースがチューブの可撓性を阻害又は制限しないことを発見した。
【0152】
図8Aで、シースは、チューブ420の第1のセグメント402a上に被せられる。図8Cでは、第1のシース408aが、チューブの第1のセグメント402aに被せられ、第2のシース408bが、第2のセグメント402bに被せられている。図8Cと同様の別の例示的実施形態では、シースは、チューブの全長に沿って連続的であり、中間コネクタの下を通ってもよい。図8Dでは、第1のシースセグメント408aが、チューブの第1のセグメント402aに被せられ、第2のシースセグメント408bが、第2のセグメント402bに被せられ、第3のシースセグメント408cが、中間コネクタ414に被せられている。シースセグメント408a~cは、加湿器インターフェースコネクタ404から患者インターフェースコネクタ406まで延在する単一のシースでよい。いくつかの実施形態では、シースは、2つ以上のシースに分割することができる。図8Eは、加湿器インターフェースコネクタ404と患者インターフェースコネクタ406との間に単一の可撓性チューブセグメントのみを含むチューブ430の実施形態を示す。チューブ430は、チューブの全長に延在するシース408を有する。1つの例示的実施形態では、シースは、薄壁のシースである。
【0153】
図7及び8から、本開示に基づいて、可撓性、複数又は単一のセグメント、及びシースのすべての組合せを使用することができることを理解されたい。同様に、複合(又は気泡)チューブは、図5を参照して述べた修正形態のいずれかにより、より高い又はより低い可撓性があり得る。例えば、中間コネクタを有するセグメント化されたチューブは、セグメント間で同じ可撓性を有していてもよい。このチューブは、中空体を有する第1の部材におけるチューブの管腔近くの側壁が大気にさらされる側壁よりも薄いので、他のチューブよりも可撓性が高いことがあり、又は、図5を参照して述べた他のパラメータに基づいて、他のチューブよりも可撓性が高いことがある。このチューブは、1つ又はすべてのセグメントにわたるシースを有することがあり、シースは、中間コネクタの上又は下を通ることがある。代替として、チューブは、図8Eに示されるように、その長さに沿って一定の可撓性を有する単一セグメントチューブでよい。このチューブは、全長にわたってシースを含む。別の実施形態では、図8Eでのチューブは、チューブの長さの一部のみにわたるシースを含む。別の実施形態では、図8Eでの単一チューブは、図6に示されるように、その長さに沿って可変の可撓性を有することがある。代替として、チューブは、セグメント間で異なる又は同じ可撓性を有する異なるセグメントを備えていてもよい。例えば、患者端部セグメントは、加湿器端部セグメントよりも高い、低い、又は同じ可撓性を有することがある。同様に、3つ以上のセグメントがある場合、セグメントはチューブの他のセグメントよりも高い、低い、又は同じ可撓性を有することがある。
【0154】
関連の構成要素を備える呼吸用加湿システム並びに方法の幾つかの例を、図を参照しながら説明してきた。これらの図は、様々なシステム及びモジュール、並びにそれらの間の接続を示す。様々なモジュール及びシステムは、様々な構成で組み合わせることができ、様々なモジュール及びシステム間の接続は、物理的又は論理的リンクを表すことができる。これらの図における表現は、原理を明瞭に示すように提示されている。モジュール又はシステムの分割に関する詳細は、個々の物理的実施形態を定めることを試みたものではなく、説明を容易にするために提供されている。例及び図は、本明細書で述べる発明の範囲を例示することを意図されており、限定することは意図されていない。例えば、本明細書における原理は、呼吸用加湿器、並びに手術用加湿器を含めた他のタイプの加湿システムに適用することができる。本明細書における原理は、呼吸用途で適用することができ、また、異なる周囲温度にさらされる複数のセグメントに沿ってガスの温度が制御される他のシナリオにも適用することができる。
【0155】
本明細書で使用する際、用語「処理装置」は、広範に、命令を実行するための任意の適切なデバイス、論理ブロック、モジュール、回路、又は素子の組合せを表す。例えば、制御装置122は、Pentium(登録商標)プロセッサ、MIPS(登録商標)プロセッサ、PowerPC(登録商標)プロセッサ、AMD(登録商標)プロセッサ、ARM(登録商標)プロセッサ、又はALPHA(登録商標)プロセッサなど、任意の従来の汎用シングルチップ又はマルチチップマイクロプロセッサを含むことができる。さらに、制御装置122は、デジタル信号処理装置やマイクロコントローラなど、任意の従来の専用マイクロプロセッサを含むことができる。本明細書で開示する実施形態に関連して述べる様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、本明細書で述べる機能を実施するように設計された、汎用処理装置、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート若しくはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はそれらの任意の組合せを用いて実装又は実施することができ、或いはメインプロセッサ内の純粋なソフトウェアでもよい。例えば、論理モジュール504は、追加の及び/又は特殊なハードウェア要素を利用しないソフトウェア実装機能ブロックでよい。制御装置122は、計算デバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、マイクロコントローラとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のそのような構成として実装することができる。
【0156】
データ記憶装置は、処理装置がデータを記憶及び検索できるようにする電子回路を表すことができる。データ記憶装置は、外部デバイス又はシステム、例えばディスクドライブ又はソリッドステートドライブを表すことができる。データ記憶装置はまた、高速半導体記憶装置(チップ)、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)又は様々な形態の読み出し専用メモリ(ROM)を表すこともでき、これらは、通信バス又は制御装置122に直接接続される。他のタイプのデータ記憶装置は、バブルメモリ及びコアメモリを含む。データ記憶装置は、非一時的な媒体にデータを記憶するように構成された物理的ハードウェアでよい。
【0157】
本明細書では特定の実施形態及び実施例を開示するが、本発明の主題は、特に開示した実施形態を超えて、他の代替実施形態及び/又は用途、並びにそれらの修正形態及び均等形態にまで及ぶ。したがって、本明細書に添付する特許請求の範囲又は実施形態の範囲は、本明細書で述べる特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書で開示する任意の方法又はプロセスにおいて、方法又はプロセスの作用又は操作は、任意の適切な順序で行うことができ、任意の特定の開示される順序に必ずしも限定されない。特定の実施形態を理解する助けとなり得るように、様々な操作を、複数の個別の操作として順に記述することがある。しかし、説明の順序は、これらの操作が順序を定められていることを示唆するものと解釈すべきではない。さらに、本明細書で述べる構造は、一体化された構成要素として、又は個別の構成要素として具現化することができる。様々な実施形態を比較するために、これらの実施形態の特定の態様及び利点を述べる。任意の特定の実施形態によって、そのような態様又は利点が必ずしも全て実現されるわけではない。したがって、例えば、本明細書で教示される1つの利点又は利点の組合せを実現又は最適化し、本明細書でやはり教示又は示唆されていることがある他の態様又は利点を必ずしも実現はしないように、様々な実施形態を実施することができる。
【0158】
本明細書で使用する仮言的な表現、例えばとりわけ「できる」、「ことがある」、「例えば」などは、特に明記しない限り、又は使用される文脈で矛盾しない限り、一般に、特定の特徴、要素、及び/又は状態を特定の実施形態が含み、他の実施形態は含まないことを表すものと意図される。したがって、そのような仮言的な表現は、一般に、特徴、要素、及び/又は状態が1つ又は複数の実施形態に必須であることを示唆するものとは意図されない。本明細書で使用する際、用語「備える」、「含む」、「有する」、又はそれらの任意の他の活用形は、非排他的な包含を網羅するものと意図される。例えば、要素の列挙を含むプロセス、方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明示的には列挙されていない他の要素、又はそのようなプロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の要素を含むこともある。また、用語「又は」は、(その排他的な意味ではなく)その包含的な意味で使用され、したがって、例えば要素の列挙をつなぐために使用されるとき、用語「又は」は、その列挙内の要素の1つ、幾つか、又は全てを意味する。語句「X、Y、及びZの少なくとも1つ」などの選言的な表現は、特に明記しない限り、又は使用される文脈で矛盾しない限り、一般に、要素や用語などがX、Y、又はZでよいことを表す。したがって、そのような選言的な表現は、特定の実施形態において、Xの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、及びZの少なくとも1つがそれぞれ存在する必要があることを示唆するものとは意図されていない。本明細書で使用する際、語「約」又は「ほぼ」は、ある値が、指定される値の±10%以内、±5%以内、又は±1%以内であることを意味することができる。
【0159】
本明細書で述べる方法及びプロセスは、1つ又は複数の汎用及び/又は専用コンピュータによって実行されるソフトウェアコードモジュール内で具現化され、そのようなソフトウェアコードモジュールによって一部又は完全に自動化されることがある。語「モジュール」は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで具現化された論理を表し、又は、例えば、C又はC++などのプログラミング言語で書かれた、エントリポイントとエグジットポイントを有することもあるソフトウェア命令の集合を表す。ソフトウェアモジュールは、動的にリンクされたライブラリにインストールされた実行可能なプログラムにコンパイルしてリンクさせることができ、又は、例えば、BASIC、Perl、若しくはPythonなどの解釈プログラミング言語で書くことができる。ソフトウェアモジュールは、他のモジュール又はそれら自体から呼出し可能であることがあり、及び/又は検出されたイベント又は中断に応答して呼び出されることもあることを理解されたい。ソフトウェア命令は、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)などのファームウェアに埋め込まれることがある。ハードウェアモジュールは、ゲート及びフリップフロップなど接続された論理ユニットを含むことがあり、及び/又は、プログラマブルユニット、例えばプログラマブルゲートアレイ、特定用途向け集積回路、及び/又は処理装置を含むことがある。本明細書で述べるモジュールは、ソフトウェアモジュールとして実装することができるが、ハードウェア及び/又はファームウェアで表すこともできる。さらに、幾つかの実施形態では、モジュールを個別にコンパイルすることができるが、他の実施形態では、モジュールは、個別にコンパイルされたプログラムの命令のサブセットを表すこともあり、他の論理プログラムユニットに利用可能なインターフェースを有さないこともある。
【0160】
特定の実施形態では、コードモジュールは、任意のタイプのコンピュータ可読媒体又は他のコンピュータ記憶デバイスに実装及び/又は記憶することができる。幾つかのシステムでは、システムに入力されるデータ(及び/又はメタデータ)、システムによって生成されるデータ、及び/又はシステムによって使用されるデータを、リレーショナルデータベース及び/又はフラットファイルシステムなど任意のタイプのコンピュータデータリポジトリに記憶することができる。本明細書で述べるシステム、方法、及びプロセスの任意のものが、使用者、オペレータ、他のシステム、コンポーネント、プログラムなどとの対話を可能にするように構成されたインターフェースを含むことがある。
【0161】
本明細書で述べる実施形態に多くの変更及び修正を施すことができ、それらの要素は、他の許容できる実施例に含まれるものと理解すべきであることを強調しておく。そのような修正形態及び変形形態は全て、本開示の範囲内に含まれ、添付の特許請求の範囲によって保護されるものと意図される。さらに、上記の開示はどれも、任意の特定の構成要素、特徴、又はプロセスステップが必須又は本質的であることを示唆するものとは意図されていない。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図2M
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
【手続補正書】
【提出日】2023-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の可撓性を有する前記呼吸チューブの第1のセグメントと、
第2の可撓性を有する前記呼吸チューブの第2のセグメントであって、前記第2の可撓性が前記第1の可撓性とは異なる第2のセグメントと
を備える呼吸チューブ。
【外国語明細書】