(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037154
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
H01H 13/705 20060101AFI20230308BHJP
【FI】
H01H13/705
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143720
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】内海 慶也
(72)【発明者】
【氏名】相澤 秀之
(72)【発明者】
【氏名】藤川 剛生
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS02H
5G206AS35N
5G206CS04H
5G206HS23
5G206HU12
5G206HU24
5G206NS04
(57)【要約】
【課題】低い製造コストで外観向上が図られた操作パネルを備えるとともに、操作性が高くしかもスイッチの仕様変更に容易に対応できる操作キーを備えた電子機器を提供する。
【解決手段】透明な材料によって形成されてスイッチ操作用の貫通穴16が形成された操作パネル2と、操作パネル2に貫通穴16を塞ぐように一体成型された弾性材からなる操作キー4とを備える。筐体3の内部であって操作パネル2の近傍に設けられたプリント基板11と、プリント基板11に実装されたスイッチ14と、操作キー4に着脱可能に取付けられ、操作キー4の変位をスイッチ14に伝達するプッシャー24とを備える。操作キー4は、貫通穴16を閉塞するキー本体21と、プッシャー24が着脱可能に取付けられる取付座22とを有しているとともに、操作パネル2の裏面2aより表面2c側に設けられている。操作パネル2の裏面2aにはシルク印刷が施されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な材料によって形成されるとともにスイッチ操作用の貫通穴が形成され、電子機器用筐体の外面に設けられた操作パネルと、
前記操作パネルに前記貫通穴を塞ぐように一体成型された弾性材からなる操作キーと、
前記電子機器用筐体の内部であって前記操作パネルの近傍に設けられた基板と、
前記基板の前記操作パネルと対向する面に実装されたスイッチと、
前記操作パネルの前記貫通穴に通された状態で前記操作キーに着脱可能に取付けられ、前記操作キーの変位を前記スイッチに伝達するプッシャーとを備え、
前記操作キーは、
前記貫通穴を閉塞するキー本体と、前記プッシャーが着脱可能に取付けられる取付座とを有しているとともに、前記操作パネルの裏面より表面側に設けられ、
前記操作パネルの前記裏面にはシルク印刷が施されていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器において、
前記スイッチは、前記基板の複数の位置にそれぞれ設けられ、
前記操作パネルの前記貫通穴は、複数の前記スイッチと対応する位置にそれぞれ形成され、
前記操作キーは、複数の前記貫通穴と対応する位置にそれぞれ設けられた前記キー本体と前記取付座とを一体に形成して構成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の電子機器において、
前記取付座は、前記電子機器用筐体の内方に向けて開口する凹部を有し、
前記プッシャーの前記スイッチとは反対側の端部は、前記凹部に圧入状態で嵌合する形状に形成されていることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作キーを有する操作パネルを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
操作パネルを備えた従来の電子機器としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載されているものがある。特許文献1に開示された電子機器は、筐体の一部を構成する有底角筒状の正面カバーと、正面カバーの内面に重なる状態で正面カバーの中に収容された有底角筒状のキーパッド部とを備えている。正面カバーの正面は、操作パネルとなるように形成されている。キーパッド部は、エラストマー材料によって形成されている。このキーパッド部の中には、スイッチを有するプリント基板が設けられている。
【0003】
正面カバーの操作パネルとなる正面には、上述したスイッチと対応する位置に貫通穴が形成されている。この貫通穴には、キーパッド部に突設されたボタンキー部が挿入されている。ボタンキー部は、スイッチに向けて突出する突起を有し、このボタンキー部が押されることによってスイッチが操作されるように構成されている。
【0004】
特許文献2には、電子機器用の筐体の貫通穴に挿入された操作キーが開示されている。この操作キーは、貫通穴の穴壁面に弾性体を介して支持されている。また、操作キーの筐体内側の端部には、筐体内のスイッチに向けて突出する突起が設けられている。この突起は、筐体の内面より筐体の内方に入り、先端がスイッチに接触するように形成されている。特許文献2に開示されているような筐体を製造するためには、操作キーを筐体の貫通穴の中に位置付けた状態で操作キーと筐体とを金型に装填し、操作キーと貫通穴の穴壁面との間に弾性体を一体成型することにより行うことができる。
【0005】
ところで、従来の操作パネルとしては、操作者が触れて印刷が剥がれることを防ぐために、透明な材料によって形成されて裏面が色付けされたものがある。また、この種の操作パネルは、例えば表示ユニットの表示部や表示ランプなどを視認できるように、色付けされていない透明部分を有していることがある。この透明部分が残るような操作パネル裏面への色付けは、透明部分のマスキングが不要になるシルク印刷によって行われることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-31102号公報
【特許文献2】特開2012-253427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された電子機器においては、キーパッド部のボタンキー部がエラストマー材料によって形成されているから、スイッチを操作するときにボタンキー部が変形して操作性が悪くなるという問題があった。このような問題は、特許文献2に記載されているように、スイッチを押す操作キーを筐体の穴の中に弾性材を介して取付けるという取付構造を採ることによって、ある程度は解消することができる。しかし、特許文献2に示す操作キーの取付構造を電子機器の操作パネルに適用すると、操作キーに起因する二つの問題が生じる。
【0008】
第1の問題は、操作キーが設けられる操作パネルの裏面に操作キーの突起が突出するために、この突起が邪魔になって操作パネルの裏面にシルク印刷を施すことができないことである。このため、透明材によって形成された操作パネルの裏面に色付けを行うためにはシルク印刷の代わりに塗装を実施しなければならない。この場合、操作パネルに透明部分を残すためにはマスキングを行わなければならず、作業工数が多くなって製造コストが高くなる。
【0009】
第2の問題は、スイッチの仕様が変わってスイッチの全高さ(プリント基板から突出する寸法)が変わると操作パネルが使用不能になることである。すなわち、特許文献2に示す操作キーの取付構造においては、操作キーと操作パネルとの間に弾性体が一体成型されており、スイッチの全高さに適応するように操作キーのみを取り替えることはできないから、操作パネルの全体を交換しなければならない。
【0010】
本発明の目的は、低い製造コストで外観向上が図られた操作パネルを備えるとともに、操作性が高くしかもスイッチの仕様変更に容易に対応できる操作キーを備えた電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、透明な材料によって形成されるとともにスイッチ操作用の貫通穴が形成され、電子機器用筐体の外面に設けられた操作パネルと、前記操作パネルに前記貫通穴を塞ぐように一体成型された弾性材からなる操作キーと、前記電子機器用筐体の内部であって前記操作パネルの近傍に設けられた基板と、前記基板の前記操作パネルと対向する面に実装されたスイッチと、前記操作パネルの前記貫通穴に通された状態で前記操作キーに着脱可能に取付けられ、前記操作キーの変位を前記スイッチに伝達するプッシャーとを備え、前記操作キーは、前記貫通穴を閉塞するキー本体と、前記プッシャーが着脱可能に取付けられる取付座とを有しているとともに、前記操作パネルの裏面より表面側に設けられ、前記操作パネルの前記裏面にはシルク印刷が施されているものである。
【0012】
本発明は、前記電子機器において、前記スイッチは、前記基板の複数の位置にそれぞれ設けられ、前記操作パネルの前記貫通穴は、複数の前記スイッチと対応する位置にそれぞれ形成され、前記操作キーは、複数の前記貫通穴と対応する位置にそれぞれ設けられた前記キー本体と前記取付座とを一体に形成して構成されているものである。
【0013】
本発明は、前記電子機器において、前記取付座は、前記電子機器用筐体の内方に向けて開口する凹部を有し、前記プッシャーの前記スイッチとは反対側の端部は、前記凹部に圧入状態で嵌合する形状に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、操作キーが一体成型されている操作パネルの裏面にシルク印刷を操作キーによって邪魔されることなく施すことができる。この操作パネルに色付けするにあたってマスキングは不要で、シルク印刷後の印刷面が金型などとの接触により傷付くことがない。また、この操作パネルは、裏面に印刷が施されているから表面が触られても印刷が剥がれることはなく、表面に光沢を持たせることができる。
スイッチの仕様が変わってスイッチの全高さが変わった場合は、プッシャーをスイッチの高さ変化を相殺可能な長さのものと交換することにより、操作キーや操作パネルを変更することなく継続して使用することができる。
したがって、本発明によれば、低い製造コストで外観向上が図られた操作パネルを備えるとともに、操作性が高くしかもスイッチの仕様変更に容易に対応できる操作キーを備えた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明に係る電子機器を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1における要部のII-II線断面図である。
【
図4】
図4は、プッシャーを外した状態における要部の断面図である。
【
図5】
図5は、操作パネルの裏面を示す平面図である。
【
図6】
図6は、操作キーの一部とプッシャーを拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る電子機器の一実施の形態を
図1~
図5を参照して詳細に説明する。
図1(A)~(C)に示す電子機器1は、正面となる前面1a{
図1(B)参照}が操作パネル2によって構成されている。
図1(A)は電子機器1の平面図、
図1(B)は電子機器1の正面図、
図1(C)は電子機器1の側面図である。操作パネル2は、電子機器用筐体3(以下、単に筐体3という)の一部を構成するもので、後述する操作キー4を備えている。筐体3は、電子機器1の前方に向けて開口する有底角筒状のケース5と、ケース5の開口部5aを閉塞する操作パネル2などによって構成されている。
【0017】
ケース5の開口部5aの内部には、
図2に示すように、プリント基板11と、マスク部材12と、表示ユニット13{
図1(B)参照}などが収容されている。
プリント基板11は、操作パネル2と平行になる姿勢で操作パネル2の後方近傍に配置され、図示していないブラケットによってケース5に固定されている。この実施の形態においては、プリント基板11が本発明でいう「基板」に相当する。
【0018】
プリント基板11の操作パネル2と対向する前面11aには複数のスイッチ14が実装されている。この実施の形態においては、第1~第5のスイッチ14a~14eがプリント基板11に実装されている。第1~第5のスイッチ14a~14eは、プリント基板11の複数の位置にそれぞれ設けられており、
図1(B)に示すように、筐体3を前方から見た状態において、筐体3の下端部で筐体3の左右方向に所定の間隔をおいて並ぶように配設されている。これらの第1~第5のスイッチ14a~14eは、詳細には図示してはいないが、プリント基板11とは反対側の端部がプリント基板11に向けて押圧されることによって、内部の回路の開閉状態が切り替わるように構成されている。この実施の形態においては、第1~第5のスイッチ14a~14eが本発明でいう「複数のスイッチ」に相当する。
【0019】
第1~第5のスイッチ14a~14eのうち、
図2において左側に位置する第1および第2のスイッチ14a,14bは、他の第3~第5のスイッチ14c~14eとは操作性が異なるものが用いられている。この実施の形態による第1および第2のスイッチ14a,14bは、第3~第5のスイッチ14c~14eと較べて操作に要する荷重が異なり、全高さが低くなるものが用いられている。ここでいう「全高さ」とは、プリント基板11から電子機器1の前方に向けて突出する寸法である。なお、この電子機器1においては、操作性が同一で全高さが異なるスイッチであっても使用することができる。
【0020】
マスク部材12は、後述する操作パネル2をケース5に取付けるためのもので、正面視においてロ字状に形成され、ケース5の開口部5aに嵌合状態で固定されている。この実施の形態によるケース5の開口部5aは、マスク部材12が嵌合できるように、ケース5の後側部分と較べて開口幅が上下方向および左右方向に広くなるように形成されている。
表示ユニット13は、マスク部材12の中央部の穴から表示領域が露出するように配置されている。
【0021】
操作パネル2は、透明なプラスチック材料によって板状に形成され、
図1(B)に示すように筐体3の外面に設けられている。この実施の形態による操作パネル2は、
図2に示すようにマスク部材12に粘着テープ15によって貼り付けて固定されている。
操作パネル2の裏面2a(
図5参照)には、所定の色の塗料がシルク印刷によって印刷されている。操作パネル2の裏面2aは全域にわたって平坦面となるように形成されている。シルク印刷は、
図5中にハッチングを施す範囲、すなわち表示ユニット13の表示領域と対向する部分に透明部2bが残るように、透明部2bを除く裏面2aの全域に実施されている。
【0022】
操作パネル2には、
図3に示すように、複数のスイッチ操作用の貫通穴16が形成されている。貫通穴16は、第1~第5のスイッチ14a~14eと対応する位置にそれぞれ形成されている。
複数の貫通穴16は、操作パネル2の表面2cに開口する凹部17の底に形成されている。凹部17は、後述する操作キー4を設けるために形成されており、全ての貫通穴16を含むように操作パネル2の一側部から他側部まで延びている。凹部17の底であって互いに隣り合う貫通穴16どうしの間には、2つの貫通孔18が穿設されている。
【0023】
操作キー4は、弾性材によって形成されており、操作パネル2に貫通穴16を塞ぐように一体成型されている。操作キー4を形成する弾性材としては、エラストマー材料やゴム材料を用いることができる。一体成型は、いわゆる2色成型と呼称される成型方法で、操作パネル2を金型(図示せず)で最終形状に成型した後にこの操作パネル2を型の一部として凹部17に操作キー4を成型することによって行われる。このように操作キー4が操作パネル2に一体成型されることにより、操作パネル2の表面2c側において、複数の貫通穴16が操作キー4によって液密にシールされる。操作キー4を成型する際には、溶融状態にある操作キー4の材料が操作パネル2の貫通孔18に流入する。このため、操作キー4は、貫通孔18に係合する状態で操作パネル2に一体成型されている。
【0024】
操作キー4は、
図4に示すように、操作パネル2の貫通穴16を筐体3の前方(
図4においては下方)から閉塞するキー本体21と、キー本体21から後方に向けて突出する取付座22とを有している。キー本体21は、キー操作時に操作者が指で押す部位で、電子機器1の前方から見て矩形の有底角筒状に形成されている。この実施の形態によるキー本体21は、操作パネル2の表面2cより筐体3の前方に突出している。
取付座22は、略円筒状に形成され、操作パネル2の貫通穴16の中に挿入されている。取付座22は、筐体3の内方に向けて開口する凹部23を有している。凹部23は、
図6に示すように、底部分23aが開口部分23bより広くなるように形成されている。
【0025】
キー本体21と取付座22は、操作パネル2の複数の貫通穴16と対応する位置にそれぞれ設けられている。操作キー4は、これらの貫通穴16毎のキー本体21と取付座22とを一体に形成して構成されている。全てのキー本体21は同一形状に形成され、全ての取付座22は同一の形状に形成されている。
取付座22のプリント基板11に近接する後端は、
図6に示すように、操作パネル2の裏面2aより寸法dだけ表面2c側に位置している。すなわち、操作キー4は、操作パネル2の裏面2aより寸法dだけ表面2c側に設けられている。
【0026】
取付座22には、プッシャー24が着脱可能に取付けられている。プッシャー24は、キー本体21が指によって押されたときのキー本体21の変位を第1~第5のスイッチ14a~14eに伝達するものである。この実施の形態によるプッシャー24は、スイッチ14とは反対側の端部となる前端部が係合突起25となるように形成されており、この係合突起25を介して取付座22に着脱可能に取付けられている。プッシャー24の後端部は、スイッチ14の前端部となる被操作部に接触するか、被操作部に所定のクリアランスをおいて離間するように形成されている。この実施の形態においては、全高さが相対的に低い第1および第2のスイッチ14a,14bに操作力を伝達する第1および第2のプッシャー24a,24bと、全高さが相対的に高い第3~第5のスイッチ14c~14eに操作力を伝達する第3~第5のプッシャー24c~24eとを備えている。第1および第2のプッシャー24a,24bの長さは、第3~第5のプッシャー24c~24eの長さより長い。
【0027】
プッシャー24(第1~第5のプッシャー24a~24e)の係合突起25は、取付座22の凹部23に圧入状態で嵌合する形状に形成されている。すなわち、係合突起25は、
図6に示すように、凹部23の底部分23aに圧入される大径部25aと、凹部23の開口部分23bに嵌合する軸部25bとを有している。大径部25aの先端部分には、先が細くなるようにテーパーが設けられている。
係合突起25を取付座22に取り付けるときは、係合突起25の大径部25aが凹部23の開口部分23bを弾性変形により拡径させながら凹部23内に入り、凹部23の底部分23aに圧入状態で嵌合する。係合突起25を取付座22に取付けた状態においては、係合突起25が凹部23に係合するために、プッシャー24を取付座22から容易に取外すことはできない。しかし、プッシャー24を操作キー4に対して後方に強く引くことにより、凹部23の開口部分23bが弾性変形により拡がり、係合突起25を凹部23から引き出してプッシャー24を取付座22から取外すことができる。
【0028】
このように構成された電子機器1においては、操作キー4が操作パネル2の裏面2aより表面2c側に設けられているから、操作キー4を操作パネル2に設けた後の最終段階で操作パネル2の裏面2aにシルク印刷を操作キー4によって邪魔されることなく施すことができる。この操作パネル2に色付けするにあたってシルク印刷で行うことができるから、マスキングは不要で、しかも、シルク印刷後の印刷面が金型などとの接触により傷付くことがない。また、この操作パネル2は、裏面2aに印刷が施されているから表面2cが触られても塗料が剥がれることはなく、表面2cに光沢を持たせることができる。
【0029】
この電子機器1において、スイッチ14の仕様が変わってスイッチ14の全高さが変わった場合は、プッシャー24をスイッチ14の高さ変化を相殺可能な長さのものと交換することにより、操作パネル2や操作キー4を変更することなく継続して使用することができる。
したがって、この実施の形態によれば、低い製造コストで外観向上が図られた操作パネルを備えるとともに、操作性が高くしかもスイッチの仕様変更に容易に対応できる操作キーを備えた電子機器を提供することができる。
【0030】
この実施の形態によるスイッチ14は、プリント基板11の複数の位置にそれぞれ設けられている。操作パネル2の貫通穴16は、複数のスイッチ14(第1~第5のスイッチ14a~14e)と対応する位置にそれぞれ形成されている。操作キー4は、複数の貫通穴16と対応する位置にそれぞれ設けられたキー本体21と取付座22とを一体に形成して構成されている。
このため、全ての取付座22を形状、寸法が同一となるように形成できるから、スイッチ14の全高さに応じた長さのプッシャー24を選択するにあたって、スイッチ14の全高さに基づいて簡単に行うことができる。
【0031】
この実施の形態による取付座22は、筐体3の内方に向けて開口する凹部23を有している。プッシャー24のスイッチ14とは反対側の端部(係合突起25)は、凹部23に圧入状態で嵌合する形状に形成されている。
このため、操作キー4の弾性を利用してプッシャー24を着脱可能に保持することができるから、プッシャー24の着脱を簡単に行うことができる。
【0032】
この実施の形態に示す操作パネル2は、複数の貫通穴16を塞ぐように操作キー4が一体成型されている。このような操作パネル2は、複数の貫通穴16を有しているにもかかわらず実質的に1枚の板になる。このため、操作パネル2を筐体3の開口部を塞ぐ状態で筐体3にシール部材(図示せず)を介して取付けることによって、液密性を有する電子機器1を容易に実現することができる。
【符号の説明】
【0033】
1…電子機器、2…操作パネル、4…操作キー、11…プリント基板、16…貫通穴、14a~14e…第1~第5のスイッチ、21…キー本体、22…取付座、23…凹部、24a~24e…第1~第5のプッシャー。