(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037181
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】巻回装置及び巻回体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65H 75/36 20060101AFI20230308BHJP
B65H 57/12 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
B65H75/36 F
B65H57/12
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143780
(22)【出願日】2021-09-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000116976
【氏名又は名称】旭精機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】大林 栄次
(72)【発明者】
【氏名】深津 遼太
(72)【発明者】
【氏名】野口 洋平
(72)【発明者】
【氏名】多田 慎吾
【テーマコード(参考)】
3F068
3F110
【Fターム(参考)】
3F068AA11
3F068CA00
3F068DB03
3F068FA06
3F110CA08
3F110DA07
(57)【要約】
【課題】線状部材への負荷を抑えて線状部材を巻回することが可能な技術を提供する。
【解決手段】本開示の巻回装置10Aは、上端に開口を有する容器80Aを保持する容器保持部11Aと、線状部材99が通過するガイド孔16Dを有し、送給されてくる線状部材99を、容器80Aの底面又はその上に重なる線状部材99に当接させるように案内する導入ガイド16と、容器80Aの底面の中心に対して直交する回転軸を中心にして容器保持部11Aを回転駆動する回転駆動装置15と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状に延びた状態で送給されてくる線状部材を、曲げ弾性変形させて複数巻きに巻回する巻回装置であって、
上端に開口を有する容器を保持する容器保持部と、
前記線状部材が通過するガイド孔を有し、送給されてくる前記線状部材を、前記容器の底面又はその上に重なる前記線状部材に当接させるように案内する導入ガイドと、
前記容器の中心軸を回転軸にして前記容器保持部を回転駆動する回転駆動装置と、を備える巻回装置。
【請求項2】
前記線状部材は、その軸芯回りに回転しながら送給され、前記線状部材の軸芯回りの回転量は、単位送給量当りに対して一定であり、
前記線状部材の送給源から前記線状部材の送給量又は前記線状部材の回転量に係る情報を取得し、その情報に基づいて前記容器保持部が前記線状部材と同じ回転速度で回転するように前記回転駆動装置を制御する第1の回転制御部が備えられている請求項1に記載の巻回装置。
【請求項3】
互いに対向し、前記線状部材が通過する1対の通過孔を同軸上に並べて備える1対の通過ガイドを有し、それら1対の通過ガイドの間で、前記線状部材が1対の前記通過孔の中心軸から離れた量に基づいて前記線状部材の捻れを検出する捻れ検出装置と、
前記捻れ検出装置の検出結果に基づいて捻れが軽減されるように前記回転駆動装置による前記容器保持部の回転速度を制御する第2の回転制御部と、を備える請求項1又は2に記載の巻回装置。
【請求項4】
前記捻れ検出装置は、
前記1対の通過ガイドの対向方向と直交する方向で対向し、間に前記線状部材を収容する扁平空間を備える1対の対向部材と、
前記扁平空間の両側部に配置されて、前記線状部材が捻れて側方への移動したときに当接する1対のサイド当接部と、
前記1対のサイド当接部の少なくとも一方に対する前記線状部材の接触又は近接を検出するセンサと、を有し、
前記センサの検出結果に基づいて前記線状部材の捻れを検出する請求項3に記載の巻回装置。
【請求項5】
前記1対のサイド当接部の両方に対して前記センサが備えられ、
前記第2の回転制御部は、一方の前記センサが前記線状部材の接触又は近接を検出した場合に、前記容器の回転速度を上げる一方、他方の前記センサが前記線状部材の接触又は近接を検出した場合に、前記容器の回転速度を下げる請求項4に記載の巻回装置。
【請求項6】
前記1対の対向部材の一方又は両方が透明になっている請求項4又は5に記載の巻回装置。
【請求項7】
前記捻れ検出装置を、前記1対のサイド当接部の対向方向に延びる水平な傾動軸を中心に傾動可能に支持する傾動支持部を備える請求項4から6の何れか1の請求項に記載の巻回装置。
【請求項8】
前記ガイド孔は、前記容器保持部の前記回転軸上に配置されている請求項1から7の何れか1の請求項に記載の巻回装置。
【請求項9】
前記容器保持部の前記回転軸は、鉛直方向に対して傾斜している請求項1から8の何れか1の請求項に記載の巻回装置。
【請求項10】
前記容器保持部の前記回転軸の鉛直方向に対する傾斜角を任意の角度に変更可能な角度変更機構を備える請求項9に記載の巻回装置。
【請求項11】
前記容器の底面の外縁部か又は内側面の下端部に設けられ、前記線状部材の先端部を前記底面に沿った方向に向けて保持する容器内ホルダを備える請求項1から10の何れか1の請求項に記載の巻回装置。
【請求項12】
前記容器内ホルダは、前記線状部材をその軸芯回りに回転可能に保持する請求項11に記載の巻回装置。
【請求項13】
直線状に延びた状態で軸芯回りに回転しながら送給されてくる線状部材を、曲げ弾性変形させて複数巻きに巻回された巻回体にする製造方法であって、
送給されてくる線状部材が、上端に開口を有する容器の底面又はその底面上に重なる前記線状部材に当接するように導入されて曲げ弾性変形され、その後の弾性復帰により前記容器の側面に沿った環状になって巻回されていき、
前記容器が、前記線状部材の軸芯回りの回転と同じ側に回転駆動されることで、前記線状部材の捻れが抑えられる巻回体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、線状部材を複数巻きに巻回する巻回装置と、そのような線状部材が巻回された巻回体を製造する巻回体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の巻回装置として、ローラ、ボビン等に線状部材を巻き付けていくものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-73030号(
図1、段落「0001],[0015],[0016])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した従来の巻回装置では、線状部材が、直線状態から曲げ弾性変形されて巻回される場合には、ボビン等に巻回された線状部材のリングが弾性復帰により膨らまないようにするために強いテンションがかけられ、線状部材が大きな負荷を受けることが懸念される。これに対し、線状部材への負荷を抑えて線状部材を巻回することが可能な技術の開発が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、直線状に延びた状態で送給されてくる線状部材を、曲げ弾性変形させて複数巻きに巻回する巻回装置であって、上端に開口を有する容器を保持する容器保持部と、前記線状部材が通過するガイド孔を有し、送給されてくる前記線状部材を、前記容器の底面又はその上に重なる前記線状部材に当接させるように案内する導入ガイドと、前記容器の中心軸を回転軸にして前記容器保持部を回転駆動する回転駆動装置と、を備える巻回装置である。
【0006】
請求項2の発明は、前記線状部材は、その軸芯回りに回転しながら送給され、前記線状部材の軸芯回りの回転量は、単位送給量当りに対して一定であり、前記線状部材の送給源から前記線状部材の送給量又は前記線状部材の回転量に係る情報を取得し、その情報に基づいて前記容器保持部が前記線状部材と同じ回転速度で回転するように前記回転駆動装置を制御する第1の回転制御部が備えられている請求項1に記載の巻回装置である。
【0007】
請求項3の発明は、互いに対向し、前記線状部材が通過する1対の通過孔を同軸上に並べて備える1対の通過ガイドを有し、それら1対の通過ガイドの間で、前記線状部材が1対の前記通過孔の中心軸から離れた量に基づいて前記線状部材の捻れを検出する捻れ検出装置と、前記捻れ検出装置の検出結果に基づいて捻れが軽減されるように前記回転駆動装置による前記容器保持部の回転速度を制御する第2の回転制御部と、を備える請求項1又は2に記載の巻回装置である。
【0008】
請求項4の発明は、前記捻れ検出装置は、前記1対の通過ガイドの対向方向と直交する方向で対向し、間に前記線状部材を収容する扁平空間を備える1対の対向部材と、前記扁平空間の両側部に配置されて、前記線状部材が捻れて側方への移動したときに当接する1対のサイド当接部と、前記1対のサイド当接部の少なくとも一方に対する前記線状部材の接触又は近接を検出するセンサと、を有し、前記センサの検出結果に基づいて前記線状部材の捻れを検出する請求項3に記載の巻回装置である。
【0009】
請求項5の発明は、前記1対のサイド当接部の両方に対して前記センサが備えられ、前記第2の回転制御部は、一方の前記センサが前記線状部材の接触又は近接を検出した場合に、前記容器の回転速度を上げる一方、他方の前記センサが前記線状部材の接触又は近接を検出した場合に、前記容器の回転速度を下げる請求項4に記載の巻回装置である。
【0010】
請求項6の発明は、前記1対の対向部材の一方又は両方が透明になっている請求項4又は5に記載の巻回装置である。
【0011】
請求項7の発明は、前記捻れ検出装置を、前記1対のサイド当接部の対向方向に延びる水平な傾動軸を中心に傾動可能に支持する傾動支持部を備える請求項4から6の何れか1の請求項に記載の巻回装置である。
【0012】
請求項8の発明は、前記ガイド孔は、前記容器保持部の前記回転軸上に配置されている請求項1から7の何れか1の請求項に記載の巻回装置である。
【0013】
請求項9の発明は、前記容器保持部の前記回転軸は、鉛直方向に対して傾斜している請求項1から8の何れか1の請求項に記載の巻回装置である。
【0014】
請求項10の発明は、前記容器保持部の前記回転軸の鉛直方向に対する傾斜角を任意の角度に変更可能な角度変更機構を備える請求項9に記載の巻回装置である。
【0015】
請求項11の発明は、前記容器の底面の外縁部か又は内側面の下端部に設けられ、前記線状部材の先端部を前記底面に沿った方向に向けて保持する容器内ホルダを備える請求項1から10の何れか1の請求項に記載の巻回装置である。
【0016】
請求項12の発明は、前記容器内ホルダは、前記線状部材をその軸芯回りに回転可能に保持する請求項11に記載の巻回装置である。
【0017】
請求項13の発明は、直線状に延びた状態で軸芯回りに回転しながら送給されてくる線状部材を、曲げ弾性変形させて複数巻きに巻回された巻回体にする製造方法であって、送給されてくる線状部材が、上端に開口を有する容器の底面又はその底面上に重なる前記線状部材に当接するように導入されて曲げ弾性変形され、その後の弾性復帰により前記容器の側面に沿った環状になって巻回されていき、前記容器が、前記線状部材の軸芯回りの回転と同じ側に回転駆動されることで、前記線状部材の捻れが抑えられる巻回体の製造方法である。
【発明の効果】
【0018】
本開示の巻回装置は、上端に開口を有する容器を保持する容器保持部と、送給されてくる線状部材を容器の底面又はその上に重なる線状部材に当接させるように案内する導入ガイドとを備える。これにより、直線状に延びた状態で送給されてくる線状部材が、容器の底面又はその上に重なる線状部材に押し付けられて曲げ弾性変形されてから、後続の線状部材に押されて容器の内側面又は底に重なる線状部材に押しつけられる。これにより、線状部材が容器の内側面に沿った環状になって巻回されていく。このように本開示の巻回装置は、線状部材の曲げ弾性変形からの弾性復帰を利用して容器の内側面に沿うように湾曲させて巻回していくので、線状部材への負荷を従来より抑えた線状部材の巻回が可能になる。また、本開示の巻回装置は、容器保持部を回転駆動する回転駆動装置を備えるので、線状部材が軸芯回りに回転しながら送給されてくる場合に、線状部材の回転に合わせて容器を回転させることができ、これにより線状部材の捻れが抑えられ、線状部材への負荷が抑えられる。
【0019】
ここで、回転駆動装置による容器の回転のオンオフや回転速度の調整は、線状部材の捻れに応じて手動操作で行ってもよいし、請求項2~5に開示の技術のように自動で行ってもよい。即ち、線状部材が、その軸芯回りに回転しながら送給され、その回転量が単位送給量当りに対して一定である場合に、請求項2の構成のように、線状部材の送給源から線状部材の送給量又は線状部材の回転量に係る情報を取得し、その情報に基づいて容器保持部が線状部材と同じ回転速度で回転するように回転駆動装置を制御することで、線状部材の捻れを抑えた巻回体を容易に製造することができる。
【0020】
また、請求項3の構成では、線状部材が捻れると非直線状になることを利用して、捻れ検出装置にて線状部材の捻れを検出することができる。そして、その捻れ検出装置の検出結果に基づいて捻れが軽減されるように容器保持部の回転速度を制御するので、様々な要因による捻れを軽減させることができる。
【0021】
捻れ検出装置として、例えば、互いに対向し、線状部材が通過する1対の通過孔を同軸上に並べて備える1対の通過ガイドと、それら1対の通過ガイドの間で線状部材を包囲するリング又は筒体とを有し、線状部材がリング又は筒体に当接したか否かによって線状部材の捻れを検出する構成であってもよいし、請求項4の巻回装置が有する捻れ検出装置のように、1対の通過ガイドの対向方向と直交する方向で対向し、間に線状部材を収容する扁平空間を備える1対の対向部材と、扁平空間の両側部に配置されて、線状部材が捻れて側方へ移動したときに当接する1対のサイド当接部と、1対のサイド当接部の少なくとも一方に対する線状部材の接触又は近接を検出するセンサと、を有し、センサの検出結果に基づいて線状部材の捻れを検出する構成としてもよい。
【0022】
請求項4の構成によれば、捻れによる線状部材の蛇行の挙動が安定し、線状部材の捻れの検出結果が安定する。ここで、一方のサイド当接部のみに対してセンサを備えて、線状部材が一方側に捻れた状態に維持して線状部材を巻回していき、その一方側への捻れ量が大きくなった場合にのみそれがセンサによって検出されるようにしもよいし、請求項5の構成のように、1対のサイド当接部の両方に対してセンサを備えて、一方のセンサが線状部材の接触又は近接を検出した場合に、容器の回転速度を上げる一方、他方のセンサが線状部材の接触又は近接を検出した場合に、容器の回転速度を下げるようにしてもよい。
【0023】
請求項6の巻回装置では、1対の対向部材の一方又は両方が透明になっているので、線状部材の捻れを目視確認することができる。
【0024】
請求項7の巻回装置では、捻れ検出装置が傾動可能に支持されているので、線状部材を容器に取り込むまでの取り廻しの自由度が高くなる。
【0025】
請求項8の巻回装置では、ガイド孔は、容器保持部の回転軸上に配置されているので、容器の回転に伴う線状部材の旋回が抑えられ、容器に対する線状部材の送給が安定する。
【0026】
請求項9の巻回装置では、容器保持部の回転軸が、鉛直方向に対して傾斜しているので、送給源から線状部材が水平方向又は斜め水平方向に送給されてくる場合に、線状部材を容器に取り込むまでの取り廻しが容易になる。また、請求項10の巻回装置は、回転軸の鉛直方向に対する傾斜角を任意の角度に変更可能であるから、線状部材の送給源の様々な配置に容易に対応することができる。
【0027】
請求項11の巻回装置では、容器の底面の外縁部か又は内側面の下端部に設けられた容器内ホルダにより、線状部材の先端部が容器の底面に沿った方向に向けて保持されるので、線状部材の初期の巻き取りが安定し、その後の線状部材の巻き取りも安定する。
【0028】
請求項12の構成によれば、容器内ホルダは、線状部材をその軸芯回りに回転可能に保持するので、線状部材の捻れ応力が解放され、線状部材の捻れ変形が防がれる。
【0029】
請求項13の巻回体の製造方法では、直線状に延びた状態で送給されてくる線状部材が、容器の底面又はその上に重なる線状部材に押し付けられて曲げ弾性変形されてから、後続の線状部材に押されて容器の内側面又は底に重なる線状部材に押しつけられる。これにより、線状部材が容器の内側面に沿った環状になって巻回されていく。このように、本開示の製造方法によれば、線状部材の曲げ弾性変形からの弾性復帰を利用して容器の内側面に沿うように湾曲させて巻回していくので、線状部材への負荷を従来より抑えた線状部材の巻回が可能になり、安定した品質の巻回体を製造することができる。本開示の製造方法では、容器が、線状部材の軸芯回りの回転と同じ側に回転駆動されることで、線状部材の捻れが抑えられ、このことによっても線状部材への負荷が抑えられ、巻回体の品質が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る製造設備の正面図
【
図3】容器が容器保持部に保持された状態の側断面図
【
図9】第5実施形態の巻回装置の容器と容器保持部の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0031】
[第1実施形態]
以下、
図1~
図3を参照して、本開示の一実施形態に係る製造設備90Aについて説明する。この製造設備90Aは、線材製造機91と巻回装置10Aとを備えてなる。線材製造機91は、例えば樹脂製の複数の素線を複数束ねて撚った複合線材を線状部材99として製造するものである。その線状部材99は、例えばテニスラケットのガットとして使用される。
【0032】
なお、本開示において「線状部材」は、上記した線状部材99の構造に限定されるものではなく、曲げ負荷及び捻れ負荷を受けると弾性変形する線状の部材であればどのようなものでもよい。具体的には、線状部材の材質としては、例えば、金属、樹脂、木材等が挙げられる。また、線状部材の構造としては、例えば、ワイヤやチューブ(パイプ)が挙げられる。そのワイヤとしては、単線、撚り線、それらに樹脂を含浸させたもの等が挙げられ、チューブとしては、樹脂パイプのように単一部材で構成されたものや、複数の線材を撚ったものやメッシュ構造のもの、さらには、金属ワイヤをコイル状に成形したコイル線等が挙げられる。
【0033】
線材製造機91は、例えば、架台92の上部に固定されて床面から上方に離れた位置に配置され、下面に備えた送給ノズル91Aから鉛直下方に向けて線状部材99をその軸芯回りに回転させながら排出する。その線状部材99の軸芯回りの回転量は、単位排出量当りにつき一定になっている。
【0034】
巻回装置10Aは、線材製造機91の下方に配置されている。巻回装置10Aから見れば、線材製造機91は、線状部材99の送給源であり、巻回装置10Aは、軸芯回りに回転されながら線材製造機91から送給されてくる線状部材99を容器80Aに受容して巻回する。
図2に示すように、容器80Aは、上面全体が開口し、下端に向かって縮径するバケツ構造をなしている。また、容器80Aの上端からは側方にフランジ80Fが張り出し、フランジ80Fには、図示しない複数の貫通孔が形成されている。
【0035】
なお、本実施形態の巻回装置10Aへの線状部材99の送給源は、線状部材99を製造する線材製造機91であるが、既製品である線状部材99を単に送給するだけの送給装置が送給源であってもよい。また、線材製造機91は、線状部材99を鉛直下方に送給するが、線状部材99の送給方向は、鉛直下方に限定されるものではなく、上方、水平方向、斜め上方、斜め下方であってもよい。また、本実施形態の容器80Aは、バケツ構造をなしているが、線状部材を収容する容器は、上端に開口を有すれば、どのような形状でもよく、円筒状、円錐状、楕円筒状,角筒状(例えば、平断面が四角形、六角形、八角形の角筒状)、直方体状のものであってもよい。また、容器の開口は、容器の上面全体に開口していてもよいし、上面の一部(例えば、中央部)のみに開口していてもよい。
【0036】
巻回装置10Aには、容器80Aを支持するための容器保持部11Aが備えられている。
図2に示されるように、容器保持部11Aは、円筒状をなし、上端から側方に張り出すフランジ11Fを有する。また、フランジ11Fには、図示しない複数の螺子孔が形成されている。そして、
図3に示すように、容器80Aのフランジ80Fが容器保持部11Aのフランジ11Fに重ねられ、フランジ11Fの複数の貫通孔に通した図示しない複数のボルトがフランジ11Fの複数の螺子孔に締め付けられて容器80Aが固定されている。
【0037】
なお、容器保持部11Aは、容器80Aの外側に嵌合せずに、容器80Aの一部をクランプするものであってもよい。また、次述する支持ベース13に支持されて、容器80Aの外側面に回転可能に当接する複数のローラを備え、それらローラによって容器80Aの側方への移動を規制してもよい。さらには、支持ベース13に支持されて、容器80Aの上端の開口を覆うドーナッツ状のカバーを備えてもよい。
【0038】
図1に示すように、容器保持部11Aの底部の下面には、回転支持シャフト12が一体回転可能に固定されている。回転支持シャフト12は、容器保持部11Aの中心軸上に延びかつ上端部にフランジ12Fを有し、そのフランジ12Fが容器保持部11Aの底部の下面に固定されている。また、回転支持シャフト12の軸方向の中間部分は、支持ベース13にて回転可能に支持されている。その支持ベース13は、例えば、天板13Aを有したテーブル構造をなし、天板13Aの上方に容器保持部11Aが配置され、回転支持シャフト12が天板13Aに形成された貫通孔を通して天板13Aの下方まで延び、支持ベース13の支持部13Bに回転可能に支持されている。また、支持ベース13のうち支持部13Bの下方には、サーボモータ14が取り付けられ、サーボモータ14の回転出力軸14Aが回転支持シャフト12の下端部に一体回転可能に接続されている。そして、上述の回転支持シャフト12と支持ベース13とサーボモータ14とを含んでなる回転駆動装置15により容器保持部11Aが任意の回転速度で回転駆動される。
【0039】
なお、回転駆動装置15は、上記構造に限定されるものではなく、例えば、サーボモータ14が容器保持部11Aの回転中心から側方に離れた位置に配置されて、回転出力軸14Aが下方に延び、回転出力軸14Aと回転支持シャフト12とがタイミングベルトやギヤで連結されている構造としてもよい。また、支持ベース13は、テーブル構造でなくてもよい。
【0040】
図3に示すように、支持ベース13の天板13Aには、導入ガイド16が取り付けられている。導入ガイド16は、天板13Aから上方に起立するスタンド16Aの上端部に水平に延びる支持バー16Bを有し、その支持バー16Bを上下に貫通する保持パイプ16Cを備える。そして、保持パイプ16Cの内側のガイド孔16Dに線材製造機91からの線状部材99が挿通される。また、支持バー16Bは、保持パイプ16Cが、容器保持部11Aの回転軸の同軸上に配置される使用位置と、容器80Aの上方から外れた待機位置との間を旋回可能でありかつ、上記使用位置で固定されるようになっている。また、保持パイプ16Cは、支持バー16Bに対して上下方向の任意の位置に移動して固定されるようになっている。
【0041】
なお、導入ガイド16のうち線状部材99が挿通される部分は、パイプ構造でなくてもよく、例えば、支持バー16Bを上下に貫通するようにガイド孔16Dが形成されていてもよい。また、導入ガイド16は、容器保持部11Aに固定されて、容器80Aと一体に回転してもよい。具体的には、上述した容器80Aの上面開口に差し渡した状態に固定される梁部材を設け、その梁部材にガイド孔16Dを形成してもよい。また、容器80Aの上面の開口の全体を覆い、容器保持部11Aのフランジ11Fに対し、それとの間に容器80Aのフランジ80Fを挟んで固定される蓋体を導入ガイドとして設け、その蓋体の中心部をガイド孔16Dが貫通するか、蓋体の中心部を貫通する支持パイプを設けてもよい。また、ガイド孔16Dは、容器保持部11Aの回転軸からずれた位置に配置されていてもよい。
【0042】
図1に示すように、巻回装置10Aは、例えば、回転支持シャフト12の中心軸が、線材製造機91の送給ノズル91Aの中心軸と概ね一致する位置となるように配置され、前述の架台92が設置されている工場の床面に支持ベース13が固定される。そして、巻回装置10Aは、線材製造機91から送給される線状部材99を、導入ガイド16のガイド孔16Dを通して容器80Aに受容する。また、線状部材99の先端は、容器80Aの内側面の下端部に備えた容器内ホルダ81に保持される。
【0043】
図3に示すように、容器内ホルダ81は、容器80Aに固定されるベース部81Aにて支持パイプ81Bを回転可能に支持した構造をなしている。そして、支持パイプ81Bの軸方向が容器80Aの内側面の周方向を向くようにベース部81Aが容器80Aに固定されている。また、支持パイプ81Bには、線状部材99の先端部が通されて一体回転するように例えばテープ等で固定される。
【0044】
なお、容器80Aには、容器内ホルダ81が備えられていたが、容器内ホルダ81を備えていなくてもよい。
【0045】
図1に示すように、巻回装置10Aのコントローラ17には、コンソール17Cが備えられ、そのコンソール17Cにて、容器保持部11Aの回転速度を任意に設定することが可能な手動モードと、線状部材99の回転速度に応じて容器保持部11Aの回転速度を自動的に設定する自動モードとに切り替えることができる。また、自動モードで巻回装置10Aを動作させるために、コントローラ17には、線材製造機91から線状部材99の送給量に係る情報が取り込まれている。そして、自動モードで巻回装置10Aが動作すると、コントローラ17に備えたマイコン17Aが、前記情報に基づいて、単位時間当たりの線状部材99の送給量から線状部材99の回転速度を演算し、線材製造機91から送給される線状部材99に対して、容器保持部11Aが同じ回転速度で回転するようにサーボモータ14を制御する。なお、自動モードで巻回装置10Aが動作するときのマイコン17Aが、特許請求の範囲の「第1の回転制御部」に相当する。
【0046】
なお、線材製造機91が、線状部材99の送給量の情報を出力していない場合には、線材製造機91の出力部に、例えば線状部材99の送給量を検出する検出装置を設け、その検出装置の検出結果を線状部材99の送給源からの線状部材99の送給量に係る情報としてコントローラ17に取り込めばよい。
【0047】
本実施形態の巻回装置10Aの構成に関する説明は以上である。次に、この巻回装置10Aの作用効果について説明する。製造設備90Aを起動する前の準備として、線材製造機91から一定量の線状部材99を垂下させて導入ガイド16のガイド孔16Dに通し、さらに、線状部材99の先端部を容器80A内の容器内ホルダ81に保持させる。そして、線状部材99のうち導入ガイド16より上側部分を真っ直ぐ延ばした状態にする。また、巻回装置10Aを自動モードにしておく。そして、製造設備90Aの起動スイッチをオンする。すると、線材製造機91と巻回装置10Aとが同時に起動し、線材製造機91から線状部材99が回転しながら下方に送給され、巻回装置10Aは、その線状部材99と同じ回転速度で容器保持部11Aを回転させて線状部材99と容器80Aとの相対回転が無い状態にして容器80Aに線状部材99を受容していく。また、容器80A内では容器内ホルダ81が、線状部材99の先端部を回転可能に支持しているので、製造設備90Aの起動直後の初期状態で、線状部材99が捻れても容器内ホルダ81に支持されている先端部が回転することで、捻れが解放される。
【0048】
そして、直線状に延びた状態で送給されてくる線状部材99が、容器80Aの底面又はその上に重なる線状部材99に押し付けられて曲げ弾性変形されてから、後続の線状部材99に押されて容器80Aの内側面又は底に重なる線状部材99に押しつけられる。これにより、線状部材99が容器80Aの内側面に沿った環状になって巻回されていく。このように本開示の巻回装置10Aは、線状部材99の曲げ弾性変形からの弾性復帰を利用して容器80Aの内側面に沿うように湾曲させて巻回していくので、線状部材99への負荷を従来より抑えた線状部材99の巻回が可能になり、安定した品質の巻回体98を製造することができる。また、回転駆動装置15により、容器80Aは線状部材99と同じ回転速度で回転されるので、巻回される線状部材99の捻れが抑えられ、このことによっても巻回体98の品質が安定する。そして、必要な長さの線状部材99が容器80A内に巻回されたら製造設備90Aが停止され、容器保持部11Aから容器80Aが取り外される。そして、線状部材99の巻回体98が容器80Aに収容した状態で出荷される。
【0049】
なお、巻回装置10Aを自動モードにせずに手動モードにして目視にて線状部材99の捻れが発生しないように容器保持部11Aの回転速度を調整してもよい。また、線材製造機91が線状部材99を回転させずに送給するものである場合には、巻回装置10Aの容器保持部11Aの回転を止めて、線材製造機91から送給される線状部材99を容器80Aに受容して巻回してもよい。さらに、巻回体98を容器80Aから取り出した状態で出荷してもよい。そのために、例えば、容器内ホルダ81が容器80Aを内外に貫通するボルト等で容器80Aに固定されるようにしておき、巻回体98が完成したら容器内ホルダ81を容器80Aの外側からの操作で容器80Aから外し、巻回体98を容器80Aから取り出して出荷してもよい。また、前述の容器80Aの代わりに、その外側に嵌合される容器状の本実施形態の容器保持部11Aを「容器」として使用し、回転支持シャフト12を「容器回転保持部」として使用してもよい。
【0050】
[第2実施形態]
本実施形態の製造設備90Bは、
図4~
図6に示されている。
図4に示すように、本実施形態の製造設備90Bの巻回装置10Bは、前記第1実施形態の巻回装置10Aに捻れ検出装置40が追加された構成になっている。
【0051】
図5に示すように、捻れ検出装置40は、1対の対向部材42と、それらの間に挟まれて固定される1対の通過ガイド43と1対のサイド当接部41とを備える。1対の対向部材42は、例えば透明なアクリル板又は強化ガラス板であり、上下方向に延びる帯板状をなし、水平方向で対向している。また、1対の対向部材42の間には、サイド当接部41及び通過ガイド43が間に挟まれることで扁平空間が形成されている。その扁平空間は、例えば、1対の対向部材42の対向方向の大きさが線状部材99の直径の1~3倍程度であり、それと直交する方向の大きさが線状部材99の直径の8~30倍程度になっている。
【0052】
1対の通過ガイド43は、1対の対向部材42の長手方向の両端部における幅方向の中央に配置されている。また、各通過ガイド43には、線状部材99が丁度通過する大きさの通過孔43Aが上下に貫通していて、1対の通過ガイド43の1対の通過孔43Aが同軸上に配置されている。また、通過孔43Aは、1対の対向部材42のうち一方の対向部材42側に寄せて形成され、1対の通過孔43Aを通る線状部材99が一方の対向部材42の内面に当接した状態となる。
【0053】
1対のサイド当接部41は、帯板状をなし、各サイド当接部41には厚さ方向に貫通する複数の貫通孔41Aが縦1列に並べて設けられている。それに対応して、1対の対向部材42には、幅方向の中心に対して左右の両側に、複数の貫通孔42Aが縦複数列に並べて設けられている。そして、1対の対向部材42の左右の任意の1列の貫通孔42Aと、各サイド当接部41の1列の貫通孔41Aとが重ねられて、それらに通した複数のボルトとナットにて各サイド当接部41が1対の対向部材42の間に固定されている。
【0054】
図4に示すように、1対のサイド当接部41の互いの対向面には、1対のセンサ44が敷設されている。各センサ44は、所謂、加圧センサであって、外力を受けると電気抵抗が変化する。また、コントローラ17には、1対のセンサ44に接続された1対の検出回路が備えられ、各センサ44に線状部材99が接触すると、各検出回路の検出信号がマイコン17Aに取り込まれる。
【0055】
なお、センサ44は光センサであってもよく、その場合には、例えば、1対のサイド当接部41の互いの対向面に沿って光軸が延びるように各サイド当接部41の長手方向の両端部に光センサの投光部と受光部とを取り付け、線状部材99が各サイド当接部41に近接したことで投光部と受光部との間で光が遮られ、線状部材99の近接が検出されるようにすればよい。また、線状部材99が導電部材である場合には、1対のセンサ44と一方の通過ガイド43とを導電性の金属製とし、線状部材99によって通過ガイド43と各センサ44との間が導通接続されたか否かを検出する検出回路をコントローラ17に備えればよい。
【0056】
図4に示すように、捻れ検出装置40は、送給ノズル91Aと保持パイプ16Cとの間で、それらの同軸上に1対の通過孔43Aが並ぶように配置されて架台92に固定される。そして、送給ノズル91Aから送給される線状部材99が、1対の対向部材42のうちの一方の対向部材42側に寄せられて内面に当接した状態で1対の通過孔43Aを通ってから保持パイプ16Cに通されて容器80Aに受容される。
【0057】
本実施形態の巻回装置10Bは、捻れ検出装置40の検出結果に基づいて容器保持部11Aの回転速度が調整される。そのために、巻回装置10Bの電源がオンされると、コントローラ17のマイコン17Aが、図示しない設定プログラムを実行し、1対のセンサ44の何れの検出結果に対して容器保持部11Aの回転速度を増加するか、減少するかの設定を要求する。これに対し、予め実験的に容器保持部11Aの回転が、線状部材99の回転に対して相対的に遅れた場合と同じ負荷状態になるように線状部材99を一方向に捻り、そのときに線状部材99が当接するセンサ44を第1のセンサ44として定め、それとは別のセンサ44を第2のセンサ44と定めておく。なお、上記とは逆の負荷状態になるように線状部材99を他方向に捻ったときに、線状部材99が第2のセンサ44と当接することを確認しておくことが好ましい。
【0058】
そして、上記設定の要求に対し、上記第1のセンサ44が線状部材99の当接を検出したときに容器保持部11Aの回転速度を増加するように設定する。この設定により、第2のセンサ44が線状部材99の当接を検出したときに、容器保持部11Aの回転速度を減少させるようにも設定される。また、それら設定の際に容器保持部11Aの回転速度の増加量及び減少量を変更するか否かが求められるので、必要に応じてそれら増加量及び減少量を任意に設定することができる。
【0059】
製造設備90Bの起動操作により、線材製造機91及び巻回装置10Bが起動されると、第1実施形態で説明したように、巻回装置10Bは、線材製造機91から取得する線状部材99の送給量に基づいて容器保持部11Aの回転速度を演算し、その回転速度になるように容器保持部11Aを回転駆動する。しかしながら、線状部材99の回転速度、及び、容器保持部11Aの回転速度が、理論通りには一致せず、線状部材99の回転速度と容器保持部11Aの回転速度との差分により線状部材99が捻れることがある。これに対し、コントローラ17のマイコン17Aは、
図6に示した速度制御プログラムPG1を所定周期(例えば、10~100[msec])で繰り返して実行し、線状部材99の捻れが軽減されるように容器保持部11Aの回転速度を増減させる。
【0060】
具体的には、速度制御プログラムPG1が実行されると、第1と第2の両センサ44が共に線状部材99の接触を検出したか否がチェックされ(S10,S11)、両センサ44とも線状部材99の接触を検出していない場合は(S10,S11で共にNO)、現状の回転速度に対する変更を行わずに速度制御プログラムPG1から抜ける。これに対し、第1のセンサ44が線状部材99の接触を検出した場合には、容器保持部11Aの回転速度を、予め設定された前述の増加量だけ増速させる増速処理(S12)を行ってから速度制御プログラムPG1を抜ける。一方、第2のセンサ44が線状部材99の接触を検出した場合には、容器保持部11Aの回転速度を予め設定された前述の減少量だけ減速させる減速処理(S13)を行ってから速度制御プログラムPG1を抜ける。
【0061】
なお、速度制御プログラムPG1を実行しているときのマイコン17Aが、特許請求の範囲の「第2の回転制御部」に相当する。
【0062】
このように本実施形態の巻回装置10Bによれば、線状部材99が捻れると非直線状になることを利用して、捻れ検出装置40にて線状部材99の捻れを検出し、その捻れ検出装置40の検出結果に基づいて捻れが軽減するように容器保持部11Aの回転速度を制御するので、様々な要因による捻れを軽減させることができる。この構成によれば、巻回装置10Bが線材製造機91から線状部材99の送給量の情報を取得せずに、捻れ検出装置40の検出結果のみに基づいて容器保持部11Aの回転速度を制御することもできる。ただし、本実施形態のように線材製造機91から線状部材99の送給量の情報も利用すれば、線状部材99の捻れを早期に取り除くことができる。
【0063】
また、捻れ検出装置40は、1対の対向部材42で線状部材99を挟んでいるので、捻れによる線状部材99の蛇行の挙動が安定し、線状部材99の捻れの検出結果が安定する。しかも、1対の対向部材42は透明になっているので、線状部材99の捻れを目視確認することができる。
【0064】
なお、本実施形態では、1対のサイド当接部41の両方に対してセンサ44を備えているが、捻れ検出装置40のうち一方のサイド当接部41のみに対してセンサ44を備えて、線状部材99が一方側に僅かに捻れた状態に維持されて線状部材99が巻回されるようにして、その一方側の捻れ量が大きくなった場合にのみそれがセンサ44によって検出されるようにしてもよい。より具体的には、巻回装置10Bが線材製造機91からの線状部材99の送給量の情報から演算される回転速度より僅かに遅い回転速度で容器保持部11Aを回転させて、線状部材99が一方側に徐々に捻れるようにしておき、一方のセンサ44で線状部材99の当接を検出したときに、一定期間だけ、容器保持部11Aの回転速度を上げて捻れを解消するようにしてもよい。それとは逆に、容器保持部11Aの回転速度を線状部材99の回転速度より僅かに速くして、他方のセンサ44で線状部材99の当接を検出したときに、一定期間だけ、容器保持部11Aの回転速度を下げて捻れを解消するようにしてもよい。また、捻れ検出装置としては、例えば1対の通過ガイド43間に、線状部材99を包囲するリング又は筒体を設け、線状部材99がリング又は筒体に当接したか否かによって線状部材99の捻れを検出する構成としてもよい。さらには、1対の対向部材42は、一方のみが透明であってもよい。また、1対の対向部材42が、両方とも非透明であってもよい。
【0065】
[第3実施形態]
本実施形態の巻回装置10Cは、
図7に示されており、容器保持部11Aの回転軸が、鉛直方向に対して傾斜している点と、捻れ検出装置40を傾動可能に支持する傾動支持部49を備えている点とが、第1及び第2の実施形態の巻回装置10A,10Bとは異なる。
【0066】
具体的には、巻回装置10Cの回転駆動装置15Cの支持ベース13Vは、容器保持部11Aの回転軸が水平方向に対して30~45度の傾斜角になるように回転支持シャフト12を回転可能に支持し、容器80Aの開口が斜め上方を向いている。
【0067】
傾動支持部49は、台座部49Aから起立するスタンド49Bを有する。そして、スタンド49Bの上端部と捻れ検出装置40の長手方向の中間部とがヒンジ連結されて、1対のサイド当接部41の対向方向と平行な傾動軸を中心にして捻れ検出装置40が傾動し、任意の傾動姿勢で固定されるようになっている。また、スタンド49Bは,複数のパイプを嵌合して備え、伸縮可能な構造になっていて、捻れ検出装置40の上下方向の位置も調整することができるようになっている。
【0068】
図7に示された例では、図示しない送給源から線状部材99が水平方向に送給され、それに対応して捻れ検出装置40が水平姿勢に保持されている。そして、送給源から線状部材99が真っ直ぐ延びた状態で捻れ検出装置40を貫通した後、斜め下方に緩やかに曲げられて導入ガイド16に通され、容器80Aに受容されている。
【0069】
本実施形態の巻回装置10Cでは、容器保持部11Aの回転軸が、鉛直方向に対して傾斜しているので、送給源から線状部材99が水平方向又は斜め水平方向に送給される場合に、線状部材99を容器80Aに取り込むまでの取り廻しが容易になる。また、捻れ検出装置40が傾動可能に支持されているので、線状部材99の取り廻しの自由度も高く、このことによっても線状部材99の取り廻しが容易になる。なお、巻回装置10Cが、容器保持部11Aの回転軸を任意の角度に変更可能な構造を有していてもよい。
【0070】
[第4実施形態]
本実施形態は、
図8に示されており、捻れ検出装置40Vの1対の対向部材42Vが湾曲している点のみが第3実施形態の捻れ検出装置40とは異なる。
【0071】
[第5実施形態]
本実施形態の巻回装置10Dは、
図9に示されており、容器保持部11Bの構造が第1~第4の実施形態とは異なる。この容器保持部11Bは、箱型の容器80Bに対応するものである。その容器80Bは、例えば、平面形状が正方形の直方体状をなした段ボール紙製の容器本体82と、その容器本体82の内部四隅に接着材又はテープ等で固定された三角筒状の段ボール紙製の4つのコーナー部品83とを備えてなり、内側に平面形状が正八角形の収容空間を有する。また、1つのコーナー部品83の下端部の一部が突片状に切り離されて、収容空間の下部に線材押え83Aが設けられている。さらには、容器本体82の上面開口には、中央に貫通孔84Aを有する蓋84が取り付けられるようになっている。
【0072】
一方、容器保持部11Bは、回転支持シャフト12の上端部の同軸上に円板状のテーブル板18を固定して備える。また、テーブル板18の上面の正方形の領域の四隅からL形の支柱19が起立している。そして、それら支柱19の内側に容器80Bが丁度嵌合され、そうすると容器80Bの中心軸が回転支持シャフト12の中心軸上に位置決めされる。上記以外の構造は、第1実施形態の巻回装置10Aと同じである。
【0073】
本実施形態の巻回装置10Dで線状部材99を巻回にするには、その準備として、線状部材99を蓋84の貫通孔84Aに通し、線状部材99の先端寄り位置を容器80Bの線材押え83Aに通し、さらに線状部材99の先端部を線材押え83Aの近傍の容器80Bの内側面にテープ等で固定する。また、蓋84は、容器本体82にテープ等で固定する。そして、第1実施形態の巻回装置10Aと同様に巻回装置10Dを起動すればよい。
【0074】
[他の実施形態]
上記実施形態では、捻れ検出装置40,40Vを巻回装置10B,10C,10Dに適用した例を説明したが、捻れ検出装置40,40Vはどのような装置に適用してもよく、その一例としては、線材部材99を直線状に送給する装置が挙げられる。
【0075】
[付記]
本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0076】
10A~10D 巻回装置
11A,11B 容器保持部
15,15C 回転駆動装置
16 導入ガイド
16D ガイド孔
17 コントローラ
17A マイコン(第1及び第2の回転制御部)
40 捻れ検出装置
41 サイド当接部材
42 対向部材
43 通過ガイド
43A 通過孔
44 センサ
49 傾動支持部
80A,80B 容器
81 容器内ホルダ
91 線材製造機(送給源)
98 巻回体
99 線状部材
【手続補正書】
【提出日】2021-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状に延びた状態で送給されてくる線状部材を、曲げ弾性変形させて複数巻きに巻回する巻回装置であって、
上端に開口を有する容器を保持する容器保持部と、
前記線状部材が通過するガイド孔を有し、送給されてくる前記線状部材を、前記容器の底面又はその上に重なる前記線状部材に当接させるように案内する導入ガイドと、
前記容器の中心軸を回転軸にして前記容器保持部を回転駆動する回転駆動装置と、
互いに対向し、前記線状部材が通過する1対の通過孔を同軸上に並べて備える1対の通過ガイドを有し、それら1対の通過ガイドの間で、前記線状部材が1対の前記通過孔の中心軸から離れた量に基づいて前記線状部材の捻れを検出する捻れ検出装置と、
前記捻れ検出装置の検出結果に基づいて捻れが軽減されるように前記回転駆動装置による前記容器保持部の回転速度を制御する第2の回転制御部と、を備える巻回装置。
【請求項2】
前記ガイド孔は、前記容器保持部の前記回転軸上に配置されている請求項1に記載の巻回装置。
【請求項3】
直線状に延びた状態で送給されてくる線状部材を、曲げ弾性変形させて複数巻きに巻回する巻回装置であって、
上端に開口を有する容器を保持する容器保持部と、
前記線状部材が通過するガイド孔を有し、送給されてくる前記線状部材を、前記容器の底面又はその上に重なる前記線状部材に当接させるように案内する導入ガイドと、
前記容器の中心軸を回転軸にして前記容器保持部を回転駆動する回転駆動装置と、備え、
前記ガイド孔は、前記容器保持部の前記回転軸上に配置されている巻回装置。
【請求項4】
前記線状部材は、その軸芯回りに回転しながら送給され、前記線状部材の軸芯回りの回転量は、単位送給量当りに対して一定であり、
前記線状部材の送給源から前記線状部材の送給量又は前記線状部材の回転量に係る情報を取得し、その情報に基づいて前記容器保持部が前記線状部材と同じ回転速度で回転するように前記回転駆動装置を制御する第1の回転制御部が備えられている請求項1から3の何れか1の請求項に記載の巻回装置。
【請求項5】
前記捻れ検出装置は、
前記1対の通過ガイドの対向方向と直交する方向で対向し、間に前記線状部材を収容する扁平空間を備える1対の対向部材と、
前記扁平空間の両側部に配置されて、前記線状部材が捻れて側方への移動したときに当接する1対のサイド当接部と、
前記1対のサイド当接部の少なくとも一方に対する前記線状部材の接触又は近接を検出するセンサと、を有し、
前記センサの検出結果に基づいて前記線状部材の捻れを検出する請求項1又は2に記載の巻回装置。
【請求項6】
前記1対のサイド当接部の両方に対して前記センサが備えられ、
前記第2の回転制御部は、一方の前記センサが前記線状部材の接触又は近接を検出した場合に、前記容器の回転速度を上げる一方、他方の前記センサが前記線状部材の接触又は近接を検出した場合に、前記容器の回転速度を下げる請求項5に記載の巻回装置。
【請求項7】
前記1対の対向部材の一方又は両方が透明になっている請求項5又は6に記載の巻回装置。
【請求項8】
前記捻れ検出装置を、前記1対のサイド当接部の対向方向に延びる水平な傾動軸を中心に傾動可能に支持する傾動支持部を備える請求項5から7の何れか1の請求項に記載の巻回装置。
【請求項9】
前記容器保持部の前記回転軸は、鉛直方向に対して傾斜している請求項1から8の何れか1の請求項に記載の巻回装置。
【請求項10】
前記容器保持部の前記回転軸の鉛直方向に対する傾斜角を任意の角度に変更可能な角度変更機構を備える請求項9に記載の巻回装置。
【請求項11】
前記容器の底面の外縁部か又は内側面の下端部に設けられ、前記線状部材の先端部を前記底面に沿った方向に向けて保持する容器内ホルダを備える請求項1から10の何れか1の請求項に記載の巻回装置。
【請求項12】
前記容器内ホルダは、前記線状部材をその軸芯回りに回転可能に保持する請求項11に記載の巻回装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、直線状に延びた状態で送給されてくる線状部材を、曲げ弾性変形させて複数巻きに巻回する巻回装置であって、上端に開口を有する容器を保持する容器保持部と、前記線状部材が通過するガイド孔を有し、送給されてくる前記線状部材を、前記容器の底面又はその上に重なる前記線状部材に当接させるように案内する導入ガイドと、前記容器の中心軸を回転軸にして前記容器保持部を回転駆動する回転駆動装置と、互いに対向し、前記線状部材が通過する1対の通過孔を同軸上に並べて備える1対の通過ガイドを有し、それら1対の通過ガイドの間で、前記線状部材が1対の前記通過孔の中心軸から離れた量に基づいて前記線状部材の捻れを検出する捻れ検出装置と、前記捻れ検出装置の検出結果に基づいて捻れが軽減されるように前記回転駆動装置による前記容器保持部の回転速度を制御する第2の回転制御部と、を備える巻回装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項2の発明は、前記ガイド孔は、前記容器保持部の前記回転軸上に配置されている請求項1に記載の巻回装置である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
請求項3の発明は、直線状に延びた状態で送給されてくる線状部材を、曲げ弾性変形させて複数巻きに巻回する巻回装置であって、上端に開口を有する容器を保持する容器保持部と、前記線状部材が通過するガイド孔を有し、送給されてくる前記線状部材を、前記容器の底面又はその上に重なる前記線状部材に当接させるように案内する導入ガイドと、前記容器の中心軸を回転軸にして前記容器保持部を回転駆動する回転駆動装置と、備え、前記ガイド孔は、前記容器保持部の前記回転軸上に配置されている巻回装置である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
請求項4の発明は、前記線状部材は、その軸芯回りに回転しながら送給され、前記線状部材の軸芯回りの回転量は、単位送給量当りに対して一定であり、前記線状部材の送給源から前記線状部材の送給量又は前記線状部材の回転量に係る情報を取得し、その情報に基づいて前記容器保持部が前記線状部材と同じ回転速度で回転するように前記回転駆動装置を制御する第1の回転制御部が備えられている請求項1から3の何れか1の請求項に記載の巻回装置である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項5の発明は、前記捻れ検出装置は、前記1対の通過ガイドの対向方向と直交する方向で対向し、間に前記線状部材を収容する扁平空間を備える1対の対向部材と、前記扁平空間の両側部に配置されて、前記線状部材が捻れて側方への移動したときに当接する1対のサイド当接部と、前記1対のサイド当接部の少なくとも一方に対する前記線状部材の接触又は近接を検出するセンサと、を有し、前記センサの検出結果に基づいて前記線状部材の捻れを検出する請求項1又は2に記載の巻回装置である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項6の発明は、前記1対のサイド当接部の両方に対して前記センサが備えられ、前記第2の回転制御部は、一方の前記センサが前記線状部材の接触又は近接を検出した場合に、前記容器の回転速度を上げる一方、他方の前記センサが前記線状部材の接触又は近接を検出した場合に、前記容器の回転速度を下げる請求項5に記載の巻回装置である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求項7の発明は、前記1対の対向部材の一方又は両方が透明になっている請求項5又は6に記載の巻回装置である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
請求項8の発明は、前記捻れ検出装置を、前記1対のサイド当接部の対向方向に延びる水平な傾動軸を中心に傾動可能に支持する傾動支持部を備える請求項5から7の何れか1の請求項に記載の巻回装置である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本開示の請求項1,3に係る巻回装置は、上端に開口を有する容器を保持する容器保持部と、送給されてくる線状部材を容器の底面又はその上に重なる線状部材に当接させるように案内する導入ガイドとを備える。これにより、直線状に延びた状態で送給されてくる線状部材が、容器の底面又はその上に重なる線状部材に押し付けられて曲げ弾性変形されてから、後続の線状部材に押されて容器の内側面又は底に重なる線状部材に押しつけられる。これにより、線状部材が容器の内側面に沿った環状になって巻回されていく。このように本開示の巻回装置は、線状部材の曲げ弾性変形からの弾性復帰を利用して容器の内側面に沿うように湾曲させて巻回していくので、線状部材への負荷を従来より抑えた線状部材の巻回が可能になる。また、本開示の巻回装置は、容器保持部を回転駆動する回転駆動装置を備えるので、線状部材が軸芯回りに回転しながら送給されてくる場合に、線状部材の回転に合わせて容器を回転させることができ、これにより線状部材の捻れが抑えられ、線状部材への負荷が抑えられる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
ここで、回転駆動装置による容器の回転のオンオフや回転速度の調整は、線状部材の捻れに応じて手動操作で行ってもよいし、請求項1,4~6に開示の技術のように自動で行ってもよい。即ち、線状部材が、その軸芯回りに回転しながら送給され、その回転量が単位送給量当りに対して一定である場合に、請求項4の構成のように、線状部材の送給源から線状部材の送給量又は線状部材の回転量に係る情報を取得し、その情報に基づいて容器保持部が線状部材と同じ回転速度で回転するように回転駆動装置を制御することで、線状部材の捻れを抑えた巻回体を容易に製造することができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
また、請求項1の構成では、線状部材が捻れると非直線状になることを利用して、捻れ検出装置にて線状部材の捻れを検出することができる。そして、その捻れ検出装置の検出結果に基づいて捻れが軽減されるように容器保持部の回転速度を制御するので、様々な要因による捻れを軽減させることができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
捻れ検出装置として、例えば、互いに対向し、線状部材が通過する1対の通過孔を同軸上に並べて備える1対の通過ガイドと、それら1対の通過ガイドの間で線状部材を包囲するリング又は筒体とを有し、線状部材がリング又は筒体に当接したか否かによって線状部材の捻れを検出する構成であってもよいし、請求項5の巻回装置が有する捻れ検出装置のように、1対の通過ガイドの対向方向と直交する方向で対向し、間に線状部材を収容する扁平空間を備える1対の対向部材と、扁平空間の両側部に配置されて、線状部材が捻れて側方へ移動したときに当接する1対のサイド当接部と、1対のサイド当接部の少なくとも一方に対する線状部材の接触又は近接を検出するセンサと、を有し、センサの検出結果に基づいて線状部材の捻れを検出する構成としてもよい。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
請求項5の構成によれば、捻れによる線状部材の蛇行の挙動が安定し、線状部材の捻れの検出結果が安定する。ここで、一方のサイド当接部のみに対してセンサを備えて、線状部材が一方側に捻れた状態に維持して線状部材を巻回していき、その一方側への捻れ量が大きくなった場合にのみそれがセンサによって検出されるようにしもよいし、請求項6の構成のように、1対のサイド当接部の両方に対してセンサを備えて、一方のセンサが線状部材の接触又は近接を検出した場合に、容器の回転速度を上げる一方、他方のセンサが線状部材の接触又は近接を検出した場合に、容器の回転速度を下げるようにしてもよい。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
請求項7の巻回装置では、1対の対向部材の一方又は両方が透明になっているので、線状部材の捻れを目視確認することができる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
請求項8の巻回装置では、捻れ検出装置が傾動可能に支持されているので、線状部材を容器に取り込むまでの取り廻しの自由度が高くなる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
請求項2,3の巻回装置では、ガイド孔は、容器保持部の回転軸上に配置されているので、容器の回転に伴う線状部材の旋回が抑えられ、容器に対する線状部材の送給が安定する。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】削除
【補正の内容】