(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037205
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】プリペイドサービス提供システム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/28 20120101AFI20230308BHJP
【FI】
G06Q20/28
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143815
(22)【出願日】2021-09-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】今田 大祐
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA54
(57)【要約】
【課題】プリペイドカードの会員の口座に資金を残したまま、プリペイドカードによる決済を実現する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るプリペイドサービス提供システムは、プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付けるチャージ受付部と、チャージ用口座に入金された金額が、前記チャージを申し込まれた金額以上である場合、前記チャージを申し込まれた金額分の利用を可能にするプリペイドカード管理部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付けるチャージ受付部と、
チャージ用口座に入金された金額が、前記チャージを申し込まれた金額以上である場合、前記チャージを申し込まれた金額分の利用を可能にするプリペイドカード管理部と
を備えたプリペイドサービス提供システム。
【請求項2】
前記プリペイドカード管理部は、前記プリペイドカードが利用されると、前記チャージ用口座から利用金額分を減額する、請求項1に記載のプリペイドサービス提供システム。
【請求項3】
前記プリペイドカード管理部は、前記チャージ用口座から減額した利用金額分をプリペイドサービス提供者の預金口座に入金する、請求項2に記載のプリペイドサービス提供システム。
【請求項4】
前記チャージ用口座は、前記プリペイドサービス提供者の預金口座への出金以外の出金は不可能な預金口座である、請求項3に記載のプリペイドサービス提供システム。
【請求項5】
前記チャージ用口座に入金された金額を照会する照会部、をさらに備えた請求項1から4のいずれか一項に記載のプリペイドサービス提供システム。
【請求項6】
前記プリペイドカードは、法人向けプリペイドカードである、請求項1から5のいずれか一項に記載のプリペイドサービス提供システム。
【請求項7】
前記プリペイドカードへのチャージの申し込みは、複数のプリペイドカードの各々へのチャージの申し込みであり、
前記プリペイドカード管理部は、チャージ用口座に入金された金額が、前記複数のプリペイドカードの各々へのチャージを申し込まれた金額の総額以上である場合、前記チャージを申し込まれた金額分の利用を可能にする、請求項6に記載のプリペイドサービス提供システム。
【請求項8】
プリペイドサービス提供システムが実行する方法であって、
プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付けるステップと、
チャージ用口座に入金された金額が、前記チャージを申し込まれた金額以上である場合、前記チャージを申し込まれた金額分の利用を可能にするステップと
を含む方法。
【請求項9】
プリペイドサービス提供システムを
プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付けるチャージ受付部、
チャージ用口座に入金された金額が、前記チャージを申し込まれた金額以上である場合、前記チャージを申し込まれた金額分の利用を可能にするプリペイドカード管理部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリペイドサービス提供システム、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前払い式の決済手段の一種であるプリペイドカードが知られている。プリペイドカードによる決済では、プリペイドカードの会員は、事前にチャージされた金額の範囲内で商品やサービスの提供を受けることができる。例えば、プリペイドカードの会員は、決済サービスの提供者の口座に資金を振り込むことによってプリペイドカードにチャージすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、決済サービスの提供者の口座に資金を振り込むことによってプリペイドカードにチャージする場合、プリペイドカードの会員は、自分自身の口座から他者の口座へ資金を移動させることになる。プリペイドカードの会員が法人の場合(つまり、法人向けのプリペイドカードの場合)、残高管理の面で、他者の口座への資金の移動は難色を示されることがある。
【0005】
そこで、本発明では、プリペイドカードの会員の口座に資金を残したまま、プリペイドカードによる決済を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るプリペイドサービス提供システムは、プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付けるチャージ受付部と、チャージ用口座に入金された金額が、前記チャージを申し込まれた金額以上である場合、前記チャージを申し込まれた金額分の利用を可能にするプリペイドカード管理部と、を備える。
【0007】
本発明によれば、プリペイドカードの会員の口座に資金を残したまま、プリペイドカードによる決済を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る概要を説明するための図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る口座間の金流を説明するための図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る全体の構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るプリペイドサービス提供システムの機能ブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るプリペイドサービス提供処理のフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係るチャージ用口座情報の一例である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るプリペイドサービス提供システムのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0010】
<用語の説明>
・本明細書において、「プリペイドカード」とは、プリペイドカードの会員が加盟店に提示することによって、事前にチャージされた金額の範囲内で商品やサービスの提供を受けることができる決済手段である。なお、プリペイドカードの機能は、カードによって実装されてもよいし、スマートフォン等の端末のアプリケーションプログラムによって実装されてもよい。本明細書では、プリペイドカードの会員が法人の場合(つまり、法人向けのプリペイドカードの場合)を説明するが、プリペイドカードの会員が個人(つまり、個人向けのプリペイドカード)であってもよい。
・本明細書において、「チャージ」とは、プリペイドカードの利用を可能にするように前払いすることをいう。
・本明細書において、「プリペイドカードの利用を可能にする」とは、チャージ用口座からプリペイドサービス提供者の預金口座へ、プリペイドカードでの決済の資金が移動可能な状態になる(つまり、プリペイドカードの会員が加盟店で商品やサービスの提供を受けることができるようになる)ことをいう。
・本明細書において、「チャージ用口座」とは、プリペイドカードでの決済の資金が入金される口座である。
【0011】
<概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る概要を説明するための図である。プリペイドサービス提供者1は、プリペイドカード会員2が加盟店3において、事前にプリペイドカードにチャージされた金額の範囲内で商品やサービスの提供を受けることを可能にする。
【0012】
プリペイドサービス提供者1は、プリペイドカードによる決済サービスを提供する企業(例えば、プリペイドカードを発行する企業)である。
【0013】
プリペイドカード会員2は、プリペイドサービス提供者1が提供するプリペイドカードによる決済サービスを受ける者である。例えば、プリペイドカード会員2は法人であり、プリペイドカード導入企業の各従業員が各プリペイドカードを利用するものとする。
【0014】
加盟店3は、プリペイドカードを提示したプリペイドカード会員2に対して、事前にチャージされた金額の範囲内で商品やサービスを提供する店舗である。なお、加盟店は、実店舗であってもよいし、インターネットネット上の店舗であってもよい。
【0015】
ステップ1(S1)において、プリペイドカード会員2は、プリペイドサービス提供者1に対して、プリペイドカードへのチャージを申し込む。
【0016】
ステップ2(S2)において、プリペイドカード会員2は、口座名義人がプリペイドカード会員2であるチャージ用口座への入金を行う。具体的には、プリペイドカード会員2は、口座名義人がプリペイドカード会員2である預金口座(つまり、チャージ用口座以外の口座)から口座名義人がプリペイドカード会員2であるチャージ用口座へ、S1でプリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額分の振替を行う。
【0017】
ステップ3(S3)において、プリペイドサービス提供者1は、S2でチャージ用口座への入金が行われたことを照会すると、プリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額分のプリペイドカードの利用を可能にする。
【0018】
ステップ4(S4)において、プリペイドカード会員2は、加盟店3において、プリペイドカードを提示して商品やサービスの提供を受ける。
【0019】
ステップ5(S5)において、プリペイドサービス提供者1は、S4でプリペイドカードが利用されると、プリペイドカード会員2のチャージ用口座から、S4での利用金額分を減額する。
【0020】
ステップ6(S6)において、プリペイドサービス提供者1は、加盟店3に対して、S4での利用金額分(つまり、S5で減額された金額分)を支払う。
【0021】
<口座間の金流>
図2は、本発明の一実施形態に係る口座間の金流を説明するための図である。
【0022】
プリペイドサービス提供者1は、金融機関に、口座名義人がプリペイドサービス提供者1である預金口座(プリペイドカード用口座)1a1と、口座名義人がプリペイドサービス提供者1である預金口座(支払い用口座)1a2と、を開設しているものとする。なお、プリペイドサービス提供者1は、複数の企業から構成されてもよいし、1つの企業であってもよい。プリペイドサービス提供者1が複数の企業から構成される場合、預金口座(プリペイドカード用口座)1a1の口座名義人と預金口座(支払い用口座)1a2の口座名義人は別であってもよい。
【0023】
なお、預金口座(プリペイドカード用口座)1a1と預金口座(支払い用口座)1a2は、1つの口座(預金口座1a)で実装されてもよい。
【0024】
プリペイドカード会員2は、金融機関に、口座名義人がプリペイドカード会員2である預金口座2aを開設しているものとする。さらに、本発明では、プリペイドカード会員2は、金融機関に、口座名義人がプリペイドカード会員2であるチャージ用口座2bを開設しているものとする。つまり、預金口座2aのCIF(Customer Information File)と同一のCIFを有するチャージ用口座2bが開設される。
【0025】
加盟店3は、金融機関に、口座名義人が加盟店3である預金口座3aを開設しているものとする。
【0026】
<<チャージ用口座>>
ここで、チャージ用口座2bについて説明する。チャージ用口座2bは、プリペイドカードでの決済の資金が入金される口座である。チャージ用口座2bは、プリペイドサービス提供者1の預金口座(プリペイドカード用口座)1a1への出金以外の出金は不可能な預金口座である。つまり、プリペイドカード会員2は、一旦チャージ用口座2bに入金した資金を、預金口座2aへ戻すことはできない。
【0027】
ステップ11(S11)において、プリペイドカードへのチャージが申し込まれたとする。そうすると、プリペイドカード会員2の預金口座2aからプリペイドカード会員2のチャージ用口座2bへ、プリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額分の振替が行われる。
【0028】
ステップ12(S12)において、プリペイドカードが利用されたとする。そうすると、プリペイドカード会員2のチャージ用口座2bから利用金額分が減額され、プリペイドサービス提供者1の預金口座(プリペイドカード用口座)1a1に利用金額分が入金される(口座振替が行われる)。
【0029】
ステップ13(S13)において、プリペイドサービス提供者1の預金口座(プリペイドカード用口座)1a1からプリペイドサービス提供者1の預金口座(支払い用口座)1a2への口座振替が行われる(例えば、週次処理)。
【0030】
ステップ14(S14)において、プリペイドサービス提供者1の預金口座(支払い用口座)1a2から加盟店3の預金口座3aへの口座振替が行われて、支払いがなされる(例えば、月次処理)。
【0031】
<全体構成>
図3は、本発明の一実施形態に係る全体の構成を示す図である。プリペイドサービス提供システム10と会員端末20は、任意のネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0032】
<<プリペイドサービス提供システム>>
プリペイドサービス提供システム10は、プリペイドカードによる決済サービスを提供するためのシステムである。具体的には、プリペイドサービス提供システム10は、プリペイドカード会員2が加盟店3において、事前にプリペイドカードにチャージされた金額の範囲内で商品やサービスの提供を受けることを可能にする。なお、プリペイドサービス提供システム10は、1つまたは複数のコンピュータから構成される。
【0033】
<<会員端末>>
会員端末20は、プリペイドカード会員(例えば、プリペイドカード導入企業の管理者)2が利用する端末である。例えば、会員端末20は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等である。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態に係るプリペイドサービス提供システム10の機能ブロック図である。プリペイドサービス提供システム10は、チャージ受付部101と、プリペイドカード情報記憶部102と、振替部103と、照会部104と、口座情報記憶部105と、プリペイドカード管理部106と、支払い部107と、を備えることができる。また、プリペイドサービス提供システム10は、プログラムを実行することで、チャージ受付部101、振替部103、照会部104、プリペイドカード管理部106、支払い部107として機能することができる。以下、それぞれについて説明する。
【0035】
チャージ受付部101は、プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付ける。例えば、チャージ受付部101は、会員端末20から、プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付ける。
【0036】
具体的には、チャージ受付部101は、各プリペイドカードへチャージする金額を指示するデータ(例えば、従業員1用のプリペイドカード1に10万円、従業員2用のプリペイドカード2に10万円、従業員3用のプリペイドカード3に10万円、従業員4用のプリペイドカード4に10万円、従業員5用のプリペイドカード5に10万円、従業員6用のプリペイドカード6に10万円、従業員7用のプリペイドカード7に10万円、従業員8用のプリペイドカード8に10万円、従業員9用のプリペイドカード9に10万円、従業員10用のプリペイドカード10に10万円)を取得する。
【0037】
チャージ受付部101は、受け付けたプリペイドカードへのチャージの申し込みにしたがって、プリペイドカード情報をプリペイドカード情報記憶部102に書き込む。具体的には、チャージ受付部101は、各プリペイドカードへチャージする金額をプリペイドカード情報記憶部102に書き込む。プリペイドカード情報のプリペイドカード情報記憶部102への書き込みが完了すると、チャージ受付部101は、プリペイドカード会員2(例えば、会員端末20)に完了を通知、および、照会部104に完了を通知する。
【0038】
プリペイドカード情報記憶部102には、各プリペイドカードの識別子(例えば、カード番号)と、プリペイドカードにチャージされた金額と、プリペイドカードが利用された金額(利用金額)と、プリペイドカードの残高と、が紐づけられて記憶されている。
【0039】
振替部103は、プリペイドカード会員(例えば、プリペイドカード導入企業の管理者)2の指示にしたがって、プリペイドカード会員2のチャージ用口座2bへの入金を行う。
【0040】
具体的には、振替部103は、口座名義人がプリペイドカード会員2である預金口座(つまり、チャージ用口座以外の口座)2aから口座名義人がプリペイドカード会員2であるチャージ用口座2bへ、プリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額分の振替を行う。
【0041】
照会部104は、チャージ用口座2bに入金された金額を照会する。照会部104は、リアルタイムで(つまり、プリペイドカード情報のプリペイドカード情報記憶部102への書き込みの完了の通知をチャージ受付部101から受けると即時に)、チャージ用口座2bに入金された金額を照会することができる。
【0042】
口座情報記憶部105には、預金口座情報105aとチャージ用口座情報105bが記憶されている。
【0043】
預金口座情報105aは、各預金口座の入出金明細の情報を含む。
【0044】
チャージ用口座情報105bは、各チャージ用口座の入出金明細の情報を含む。
【0045】
プリペイドカード管理部106は、チャージ用口座2bに入金された金額が、プリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額以上である場合、チャージ受付部101がプリペイドカード情報記憶部102に書き込んだプリペイドカード情報を更新する。その結果、プリペイドカード管理部106は、プリペイドカード情報記憶部102に書き込まれていた金額分(つまり、プリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額分)のプリペイドカードの利用を可能にすることができる。
【0046】
なお、プリペイドカードの会員が法人の場合(つまり、法人向けのプリペイドカードの場合)、プリペイドカードへのチャージの申し込みは、複数のプリペイドカードの各々へのチャージの申し込みである。プリペイドカード管理部106は、チャージ用口座2bに入金された金額が、複数のプリペイドカードの各々へのチャージを申し込まれた金額の総額以上である場合、各プリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額分の各プリペイドカードの利用を可能にする。
【0047】
プリペイドカード管理部106は、加盟店3からのデータをもとに、プリペイドカード会員2が加盟店3でプリペイドカードを利用した利用金額分を、プリペイドカード会員2のチャージ用口座2bから減額し、プリペイドサービス提供者1の預金口座(プリペイドカード用口座)1a1に入金する(口座振替が行われる)。
【0048】
支払い部107は、プリペイドサービス提供者1の預金口座(プリペイドカード用口座)1a1からプリペイドサービス提供者1の預金口座(支払い用口座)1a2へ口座振替された利用金額分を、加盟店3の預金口座3aに入金する(口座振替が行われる)。
【0049】
<処理方法>
図5は、本発明の一実施形態に係るプリペイドサービス提供処理のフローチャートである。
【0050】
ステップ101(S101)において、チャージ受付部101は、プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付ける。具体的には、チャージ受付部101は、各プリペイドカードへチャージする金額を指示するデータを取得する。
【0051】
ステップ102(S102)において、チャージ受付部101は、S101で受け付けられたプリペイドカードへのチャージの申し込みにしたがって、プリペイドカード情報をプリペイドカード情報記憶部102に書き込む。具体的には、チャージ受付部101は、各プリペイドカードへチャージする金額をプリペイドカード情報記憶部102に書き込む。
【0052】
プリペイドカード情報のプリペイドカード情報記憶部102への書き込みが完了すると、チャージ受付部101は、プリペイドカード会員2(例えば、会員端末20)に完了を通知、および、照会部104に完了を通知する。
【0053】
なお、S102の時点では、プリペイドカード情報記憶部102に書き込まれた金額分(つまり、プリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額分)のプリペイドカードの利用は不可能である。
【0054】
ステップ103(S103)において、振替部103は、プリペイドカード会員(例えば、プリペイドカード導入企業の管理者)2の指示にしたがって、プリペイドカード会員2のチャージ用口座2bへの入金を行う。
【0055】
ステップ104(S104)において、照会部104は、チャージ用口座2bに入金された金額を照会する。
【0056】
ステップ105(S105)において、照会部104は、S104で照会されたチャージ用口座2bに入金された金額が、S101でプリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額以上であるか否かを判定する。チャージ用口座2bに入金された金額が、プリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額以上である場合には、ステップ106へ進み、チャージ用口座2bに入金された金額が、プリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額未満である場合には、ステップ109へ進む。ステップ109(S109)において、プリペイドサービス提供システム10は、プリペイドカード会員2(例えば、会員端末20)にチャージが不可である旨を通知する。
【0057】
ステップ106(S106)において、プリペイドカード管理部106は、S102でプリペイドカード情報記憶部102に書き込まれたプリペイドカード情報を更新する。その結果、プリペイドカード管理部106は、プリペイドカード情報記憶部102に書き込まれていた金額分(つまり、プリペイドカードへのチャージを申し込まれた金額分)のプリペイドカードの利用を可能にすることができる。
【0058】
ステップ107(S107)において、プリペイドカード管理部106は、加盟店3からのデータをもとに、プリペイドカード会員2が加盟店3でプリペイドカードを利用した利用金額分を、プリペイドカード会員2のチャージ用口座2bから減額し、プリペイドサービス提供者1の預金口座(プリペイドカード用口座)1a1に入金する(口座振替を行う)。
【0059】
その後、プリペイドサービス提供者1の預金口座(プリペイドカード用口座)1a1からプリペイドサービス提供者1の預金口座(支払い用口座)1a2への口座振込が行われる。
【0060】
ステップ108(S108)において、支払い部107は、S107でプリペイドサービス提供者1の預金口座(プリペイドカード用口座)1a1からプリペイドサービス提供者1の預金口座(支払い用口座)1a2へ口座振替された利用金額分を、加盟店3の預金口座3aに入金する(口座振替を行う)。
【0061】
図6は、本発明の一実施形態に係るチャージ用口座情報105bの一例である。チャージ用口座情報105bは、各日時における、チャージ用口座2bの残高と、入金額と、出金額と、チャージ済みか否か(プリペイドカード情報記憶部102のプリペイドカード情報が更新されたか否か)と、が紐づけられて記憶されている。
【0062】
<効果>
このように、本発明では、プリペイドカードの会員の口座(チャージ用口座)に資金を残したまま、プリペイドカードによる決済を実現することができる。また、チャージ用口座は、プリペイドサービス提供者の預金口座への出金以外の出金は不可能な預金口座であるので、確実に資金を前払いさせることができる。また、プリペイドカードへのチャージの申し込みがあるとリアルタイムでチャージ用口座への入金を照会するので、直ちにプリペイドカードの利用を可能にすることができる。
【0063】
<ハードウェア構成>
図7は、本発明の一実施形態に係るプリペイドサービス提供システム10のハードウェア構成を示す図である。
【0064】
図7に示すように、プリペイドサービス提供システム10は、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003を有する。CPU1001、ROM1002、RAM1003は、いわゆるコンピュータを形成する。また、プリペイドサービス提供システム10は、補助記憶装置1004、表示装置1005、操作装置1006、I/F(Interface)装置1007、ドライブ装置1008を有する。なお、プリペイドサービス提供システム10の各ハードウェアは、バス1009を介して相互に接続されている。
【0065】
CPU1001は、補助記憶装置1004にインストールされている各種プログラムを実行する演算デバイスである。
【0066】
ROM1002は、不揮発性メモリである。ROM1002は、補助記憶装置1004にインストールされている各種プログラムをCPU1001が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する主記憶デバイスとして機能する。具体的には、ROM1002は、BIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。
【0067】
RAM1003は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。RAM1003は、補助記憶装置1004にインストールされている各種プログラムがCPU1001によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
【0068】
補助記憶装置1004は、各種プログラムや、各種プログラムが実行される際に用いられる情報を格納する補助記憶デバイスである。
【0069】
表示装置1005は、プリペイドサービス提供システム10の内部状態等を表示する表示デバイスである。
【0070】
操作装置1006は、プリペイドサービス提供システム10の管理者がプリペイドサービス提供システム10に対して各種指示を入力する入力デバイスである。
【0071】
I/F装置1007は、ネットワークに接続し、会員端末20等と通信を行うための通信デバイスである。
【0072】
ドライブ装置1008は記録媒体1010をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体1010には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体1010には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0073】
なお、補助記憶装置1004にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体1010がドライブ装置1008にセットされ、該記録媒体1010に記録された各種プログラムがドライブ装置1008により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置1004にインストールされる各種プログラムは、I/F装置1007を介して、ネットワークよりダウンロードされることでインストールされてもよい。
【0074】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせ等、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0075】
1 プリペイドサービス提供者
2 プリペイドカード会員
3 加盟店
1a 預金口座
1a1 預金口座(プリペイドカード用口座)
1a2 預金口座(支払い用口座)
2a 預金口座
2b チャージ用口座
3a 預金口座
10 プリペイドサービス提供システム
20 会員端末
101 チャージ受付部
102 プリペイドカード情報記憶部
103 振替部
104 照会部
105 口座情報記憶部
105a 預金口座情報
105b チャージ用口座情報
106 プリペイドカード管理部
107 支払い部
1001 CPU
1002 ROM
1003 RAM
1004 補助記憶装置
1005 表示装置
1006 操作装置
1007 I/F装置
1008 ドライブ装置
1009 バス
1010 記録媒体
【手続補正書】
【提出日】2022-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付けるチャージ受付部と、
チャージ用口座のチャージ済みではない残高の金額が、前記チャージを申し込まれた金額以上である場合、前記チャージを申し込まれた金額分の利用を可能にし、
前記プリペイドカードが利用されると、前記チャージ用口座から利用金額分を減額し、
前記チャージ用口座から減額した利用金額分をプリペイドサービス提供者の預金口座に入金するプリペイドカード管理部と
を備えたプリペイドサービス提供システム。
【請求項2】
前記チャージ用口座は、前記プリペイドサービス提供者の預金口座への出金以外の出金は不可能な預金口座である、請求項1に記載のプリペイドサービス提供システム。
【請求項3】
前記チャージ用口座に入金された金額を照会する照会部、をさらに備えた請求項1または2に記載のプリペイドサービス提供システム。
【請求項4】
前記プリペイドカードは、法人向けプリペイドカードである、請求項1から3のいずれか一項に記載のプリペイドサービス提供システム。
【請求項5】
前記プリペイドカードへのチャージの申し込みは、複数のプリペイドカードの各々へのチャージの申し込みであり、
前記プリペイドカード管理部は、チャージ用口座に入金された金額が、前記複数のプリペイドカードの各々へのチャージを申し込まれた金額の総額以上である場合、前記チャージを申し込まれた金額分の利用を可能にする、請求項4に記載のプリペイドサービス提供システム。
【請求項6】
プリペイドサービス提供システムが実行する方法であって、
プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付けるステップと、
チャージ用口座のチャージ済みではない残高の金額が、前記チャージを申し込まれた金額以上である場合、前記チャージを申し込まれた金額分の利用を可能にし、
前記プリペイドカードが利用されると、前記チャージ用口座から利用金額分を減額し、
前記チャージ用口座から減額した利用金額分をプリペイドサービス提供者の預金口座に入金するステップと
を含む方法。
【請求項7】
プリペイドサービス提供システムを
プリペイドカードへのチャージの申し込みを受け付けるチャージ受付部、
チャージ用口座のチャージ済みではない残高の金額が、前記チャージを申し込まれた金額以上である場合、前記チャージを申し込まれた金額分の利用を可能にし、
前記プリペイドカードが利用されると、前記チャージ用口座から利用金額分を減額し、
前記チャージ用口座から減額した利用金額分をプリペイドサービス提供者の預金口座に入金するプリペイドカード管理部
として機能させるためのプログラム。