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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037216
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】土砂積載システム
(51)【国際特許分類】
   B66C 3/02 20060101AFI20230308BHJP
   E02F 3/46 20060101ALI20230308BHJP
   B65G 65/28 20060101ALI20230308BHJP
   B66C 21/00 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
B66C3/02 Z
E02F3/46
B65G65/28
B66C21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143830
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(72)【発明者】
【氏名】倉光 健太朗
(72)【発明者】
【氏名】石黒 魁
(72)【発明者】
【氏名】荒川 晃士
【テーマコード(参考)】
3F004
【Fターム(参考)】
3F004EA36
3F004PA02
(57)【要約】
【課題】クレーンオペレーターの負担を軽減でき、安全性を確保することができる土砂積載システムを提供する。
【解決手段】バケット1は、上方と下方に開口を有する断面が矩形のバケット本体11と、牽体16の先端が着脱可能に取り付けられる吊り部が形成され、バケット本体11の下方の開口を開閉する底蓋12と、バケット本体11の側方に張り出した複数の張り出し片17と、を備え、バケット1の張り出し片17には、下方から上方にかけてバケット本体11から離れるように傾斜したガイド面と、ガイド面の上方側端部に隣接し、ホッパー2の上方の開口周縁部によって支持される支持面とが形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土砂を収容するバケットと、前記バケットから投入された土砂を運搬車両の荷台に積載するホッパーとを備えた土砂積載システムであって、
前記バケットは、
上方と下方に開口を有する断面が矩形のバケット本体と、
牽体の先端が着脱可能に取り付けられる吊り部が形成され、前記バケット本体の下方の開口を開閉する底蓋と、
前記バケット本体の側方に張り出した複数の張り出し片と、を備え、
前記ホッパーは、
上方と下方に開口を有する断面が円形の上部筒体、及び当該上部筒体の下方の開口に接続され、下方に向かって縮径している漏斗体を備えたホッパー本体と、
前記ホッパー本体を支持する架台と、を備え、
前記バケットの前記張り出し片には、下方から上方にかけて前記バケット本体から離れるように傾斜したガイド面と、当該ガイド面の上方側端部に隣接し、前記上部筒体の上方の開口周縁部によって支持される支持面とが形成されていることを特徴とする土砂積載システム。
【請求項2】
前記張り出し片の前記ガイド面には、丸棒が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の土砂積載システム。
【請求項3】
前記上部筒体の上方の前記開口周縁部には、円弧状の鋼板が交換可能に満遍なく取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の土砂積載システム。
【請求項4】
前記ホッパー本体の前記漏斗体の内周面には、扇形状の鋼板が交換可能に満遍なく取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の土砂積載システム。
【請求項5】
前記架台には、前記運搬車両の荷台に積載された土砂を均すズリ均しが上下移動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の土砂積載システム。
【請求項6】
前記ホッパー本体を上下に移動させるホッパー移動機構を備え、
前記ホッパー移動機構は、前記ホッパー本体を上方向に付勢しており、前記バケットが前記ホッパー本体に支持されていない状態では、前記ホッパー本体を上限位置に移動させ、前記バケットが前記ホッパー本体に支持されると、前記ホッパー移動機構の付勢力に抗して前記ホッパー本体が下限位置に移動されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の土砂積載システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築・土木工事において発生する掘削土等の土砂をダンプトラック等の運搬車両の荷台に積載する土砂積載システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築・土木工事において発生する掘削土等の土砂を搬出する底開き式バケットが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のバケットは、本体を吊り下げ可能なメインワイヤーと、バケットの底蓋に接続された補助ワイヤーとを備え、補助ワイヤーの緊張状態を維持したまま、メインワイヤーの緊張状態を緩めることで、底蓋が開いてバケット内の土砂をバケット外に排出(落下)させる構成になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3072339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、運搬車両の荷台に積載するホッパーへの位置合わせ作業と、底蓋の開閉作業との両方をバケットを吊り下げるクレーン側で行う必要があり、クレーンオペレーターの負担が大きい。また、強風やクレーン旋回によってバケットの向きがぶれた場合、作業員が介錯ロープ等を用いてぶれを修正する必要があり、安全性に懸念があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消し、クレーンオペレーターの負担を軽減でき、安全性を確保することができる土砂積載システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の土砂積載システムは、土砂を収容するバケットと、前記バケットから投入された土砂を運搬車両の荷台に積載するホッパーとを備えた土砂積載システムであって、前記バケットは、上方と下方に開口を有する断面が矩形のバケット本体と、牽体の先端が着脱可能に取り付けられる吊り部が形成され、前記バケット本体の下方の開口を開閉する底蓋と、前記バケット本体の側方に張り出した複数の張り出し片と、を備え、前記ホッパーは、上方と下方に開口を有する断面が円形の上部筒体、及び当該上部筒体の下方の開口に接続され、下方に向かって縮径している漏斗体を備えたホッパー本体と、前記ホッパー本体を支持する架台と、を備え、前記バケットの前記張り出し片には、下方から上方にかけて前記バケット本体から離れるように傾斜したガイド面と、当該ガイド面の上方側端部に隣接し、前記上部筒体の上方の開口周縁部によって支持される支持面とが形成されていることを特徴とする。
さらに、本発明の土砂積載システムにおいて、前記張り出し片の前記ガイド面には、丸棒を取り付けても良い。
さらに、本発明の土砂積載システムにおいて、前記上部筒体の上方の前記開口周縁部には、円弧状の鋼板を交換可能に満遍なく取り付けても良い。
さらに、本発明の土砂積載システムにおいて、前記ホッパー本体の前記漏斗体の内周面には、扇形状の鋼板を交換可能に満遍なく取り付けても良い。
さらに、本発明の土砂積載システムにおいて、前記架台には、前記運搬車両の荷台に積載された土砂を均すズリ均しを上下移動可能に取り付けても良い。
さらに、本発明の土砂積載システムにおいて、前記ホッパー本体を上下に移動させるホッパー移動機構を備え、前記ホッパー移動機構は、前記ホッパー本体を上方向に付勢しており、前記バケットが前記ホッパー本体に支持されていない状態では、前記ホッパー本体を上限位置に移動させ、前記バケットが前記ホッパー本体に支持されると、前記ホッパー移動機構の付勢力に抗して前記ホッパー本体が下限位置に移動されても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、クレーンオペレータは、バケットをホッパーに位置合わせする位置合わせ作業の負担を軽減することができると共に、作業員が介錯ロープ等を用いてぶれを修正する必要がなくなるため、安全性を確保することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る土砂積載システムの実施形態の構成を示す斜視図である。
図2図1に示すバケットの構成を示す側面図である。
図3図1に示すホッパーの構成を示す側面図である。
図4図1に示すホッパー本体の構成を示す上面図である。
図5】本発明に係る土砂積載システムの土砂積載動作を説明する説明図である。
図6】本発明に係る土砂積載システムの土砂積載動作を説明する説明図である。
図7】本発明に係る土砂積載システムの土砂積載動作を説明する説明図である。
図8図1に示すホッパー本体を上下に移動させるホッパー移動機構の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。
本実施形態の土砂積載システムは、図1を参照すると、発生する掘削土等の土砂を収容するバケット1と、バケット1から投入された土砂をダンプトラック等の運搬車両の荷台に積載するホッパー2とを備えている。
【0010】
バケット1は、図1及び図2を参照すると、上方と下方に開口部を有する断面が矩形のバケット本体11と、バケット本体11の下方開口部を開閉する観音開き構造の2枚の底蓋12とを備えている。バケット本体11と2枚の底蓋12とによって、所謂、底開き式バケットが構成される。2枚の底蓋12は、バケット本体11の下方開口部の対向する辺に設けられたヒンジ機構13によってそれぞれ軸支され、図2に点線で示すように中央から下方向に開放される。バケット本体11及び底蓋12は、例えば、鋼板で構成され、土砂を収容しても変形しないように鋼材で補強されている。
【0011】
底蓋12の両側面には、貫通孔14が形成された板状部材がそれぞれ設けられている。貫通孔14は、吊桁15に取り付けられたワイヤー等の牽体16の先端が着脱可能に取り付けられる吊り部として機能する。これにより、クレーンのクレーンブームに吊り下げられた吊桁15を介し、吊桁15に取り付けられた4本の牽体16によってバケット1が水平に吊り下げられる。
【0012】
バケット本体11には、側方に張り出した複数の張り出し片17が設けられている。本実施形態では、張り出し片17は、鋼材で構成され、バケット本体11の4隅と、4辺の中央の8か所にそれぞれ設けられている。なお、張り出し片17は、バケット本体11とホッパー2との接触を防止する目的で設けられたものである。従って、張り出し片17の個数には、特に制限はなく、目的を達成することができる適宜の個数を設けると良い。
【0013】
張り出し片17は、下方から上方にかけてバケット本体11から離れるように傾斜したガイド面17aと、ガイド面17aの上方側端部に隣接した水平面である支持面17bとが下向きに形成されている。ガイド面17aには、丸棒18が溶接等で取り付けられている。また、それぞれの張り出し片17において、支持面17bは、バケット本体11の中心軸からの水平方向の距離が等しい位置に形成されている。
【0014】
さらに、それぞれの張り出し片17の先端(開放端)を接続し、張り出し片17を補強する接続リング19が設けられている。本実施形態では、8角形の接続リング19が支持面17bの反対面(上面)に取り付けられている。なお、接続リング19の形状は、円形等の他の形状であっても良い。
【0015】
ホッパー2は、ホッパー本体20と、ホッパー本体20を支持する架台30とを備えている。
【0016】
ホッパー本体20は、図1及び図3を参照すると、上方と下方に開口部を有する断面が円形の上部筒体21と、上部筒体21の下方開放部に接続され、下方に向かって縮径している漏斗体22と、漏斗体22の下方開口部に接続され、上方と下方に開口部を有する断面が円形の下部筒体23と、下部筒体23の下方に接続され、土砂の飛散を防止する飛散防止ゴム24とを備えている。なお、図3では、ホッパー本体20の構成を明確にするため、架台30の一部構成を省略している。
【0017】
図3及び図4を参照すると、上部筒体21の上方開口の周縁部には、円弧状の耐バケット摩耗対策鋼板25が満遍なく取り付けられている。耐バケット摩耗対策鋼板25は、バケット1との接触による摩耗や破損を想定したものであり、皿ボルトによって交換可能に取り付けられている。
【0018】
また、下部筒体23の内周面は、扇形状の耐土砂摩耗対策鋼板26が満遍なく取り付けられている。耐土砂摩耗対策鋼板26は、バケット1から投入される土砂との接触による摩耗や破損を想定したものであり、皿ボルトによって交換可能に取り付けられている。
【0019】
さらに、下部筒体23の内周には、土砂の径を制限するグリズリバー27が網目状に取り付けられている。
【0020】
図4に示す一点鎖線は、バケット本体11と、張り出し片17の支持面17bとを示している。図4を参照すると、ホッパー本体20の直径は、バケット本体11の対角長よりも大きく設定されている。そして、バケット本体11がホッパー本体20のほぼ中央に位置し、バケット本体11の軸心とホッパー本体20の軸心とがほぼ一致する状態では、全ての張り出し片17の支持面17bが上部筒体21の上方開口の周縁部に取り付けられた耐バケット摩耗対策鋼板25に当接するように配置されている。
【0021】
架台30は、ダンプトラック4の荷台がホッパー本体20の下方に進入できるように、ホッパー本体20を支持する門型フレームである。架台30によって支持されたホッパー本体20の周りには、梯子31によって上ることができる点検用のプラットホーム32が取り付けられている。点検用のプラットホーム32に作業員が上がることで、耐バケット摩耗対策鋼板25及び耐土砂摩耗対策鋼板26の保守管理を行うことができる。
【0022】
ズリ均し33は、架台30の左右フレームに掛け渡された棒状体であり、ダンプトラック4の走行により、荷台に積載された土砂(ズリ)の高さを均す機能を有する。また、ズリ均し33は、ガイド34に沿って上下位置を調整可能に構成されている。これにより、ズリ均し33の上下位置をダンプトラック4(荷台の高さ)に応じて設定することができる。
【0023】
なお、ズリ均し33の上下位置の調整は、図示しない手動チェンブロックによって作業員が手動で行うようにしても良く、図示しないモータやシリンダ等の動力源によって行うようにしても良い。動力源を用いる場合には、ダンプトラック4(荷台の高さ)を入力や図示しないセンサによって判別し、ズリ均し33の上下位置の調整が自動で行われるように構成することもできる。
【0024】
次に、本実施形態の土砂積載システムによる土砂搬出動作について図5乃至図7を用いて詳細に説明する。
【0025】
建築・土木工事における土砂発生箇所近傍の地面(整地面であることが好ましい)にバケット1を載置させ、バックホー等を用いてバケット本体11内に土砂を収容させる。なお、地面にバケット1を載置した状態では、図2に実線で示すように、底蓋12は、閉じた状態となる。
【0026】
次に、クレーンによって吊桁15を介してバケット1を吊り下げて、ホッパー2の設置場所まで移動させる。なお、バケット1が吊り下げされた状態でも、図2に実線で示すように、底蓋12は、閉じた状態となる。
【0027】
次に、クレーンによって吊り下げたバケット1を、図5に示すように、ホッパー本体20の上面に向けて下降させる。この際、バケット1とホッパー本体20との水平方向の位置がずれていても、張り出し片17のガイド面17a(丸棒18)がホッパー本体20(上部筒体21)の上方開口に取り付けられている耐バケット摩耗対策鋼板25に当接し、バケット本体11の軸心とホッパー本体20の軸心とが一致する方向にバケット1が案内される。これにより、クレーンオペレータは、バケット1をホッパー2に位置合わせする位置合わせ作業の負担を軽減することができる。また、作業員が介錯ロープ等を用いてぶれを修正する必要がなくなるため、安全性を確保することができる。
【0028】
クレーンによって吊り下げたバケット1をさらに下降させることで、バケット本体11の軸心とホッパー本体20の軸心とがほぼ一致した状態となり、図6に示すように、上部筒体21の上方開口の周縁部に取り付けられた耐バケット摩耗対策鋼板25によって全ての張り出し片17の支持面17bが支持され、バケット1がホッパー本体20に載置される。
【0029】
支持面17bが支持された状態で、クレーンによって牽体16の緊張を緩めると、図7に示すように、収容された土砂と底蓋12の自重によって底蓋12が開き、バケット本体11からホッパー本体20に土砂が排出される。図7には、底蓋12が全開された状態が示されているが、牽体16の緊張を緩める度合いに応じて、底蓋12の開き具合を調整することができる。
【0030】
バケット本体11からホッパー本体20に排出された土砂は、耐土砂摩耗対策鋼板26とグリズリバー27の上に落下し、グリズリバー27の間を通ってホッパー本体20の下方に駐車されたダンプトラック4に積載される。
【0031】
その後、クレーンによって牽体16の緊張を強めていくことで底蓋12が閉じ、バケット1を土砂発生箇所近傍の地面に移動させる。これにより、クレーンオペレータは、底蓋12の開閉作業をバケット1の移動操作と一連で行うことができ、底蓋12の開閉作業の負担を軽減することができる。
【0032】
なお、土砂は、重量物であるため、ダンプトラック4への積載時の衝撃を緩和することが望ましい。積載時の衝撃を緩和するためには、ホッパー本体20を低い位置に設置する必要があるが、ダンプトラック4を駐車する空間を確保する必要があるため限度がある。そこで、バケット1のホッパー2への載置に伴ってホッパー2が下方向に移動する構成を採用すると好適である。
【0033】
図8に示す例では、ホッパー本体20を上下に移動させるホッパー移動機構5が架台30の左右フレームに設けられている。ホッパー移動機構5は、例えば、上限方向に伸縮するロッド51を備えた油圧シリンダやエアシリンダ等のシリンダ機構で構成される。
【0034】
ホッパー移動機構5は、ホッパー本体20を上方向に付勢しており、バケット1がホッパー本体20に載置されていない状態では、ロッド51が上方向に伸びた状態となり、ホッパー本体20を上限位置に移動させる。そして、バケット1がホッパー本体20に載置されると、ホッパー移動機構5の付勢力に抗してロッド51が下方向に縮んだ状態となり、ホッパー本体20が下限位置に移動される。すなわち、ホッパー移動機構5の付勢力は、ホッパー本体20の重量よりも大きく、ホッパー本体20にバケット1を加えた重量よりも小さい値に設定されている。
【0035】
なお、ホッパー移動機構5によってホッパー本体20を下方向に移動中は、牽体16の緊張は解消されないため、底蓋12は、閉じた状態である。そして、ホッパー本体20が下限の位置まで到達した後に、底蓋12が開き、バケット本体11からホッパー本体20に土砂が排出される。これにより、クレーンオペレータは、ホッパー本体20の移動をバケット1の移動操作と一連で行うことができる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態は、土砂を収容するバケット1と、バケット1から投入された土砂を運搬車両であるダンプトラック4の荷台に積載するホッパー2とを備えた土砂積載システムであって、バケット1は、上方と下方に開口を有する断面が矩形のバケット本体11と、牽体16の先端が着脱可能に取り付けられる吊り部が形成され、バケット本体11の下方の開口を開閉する底蓋12と、バケット本体11の側方に張り出した複数の張り出し片17と、を備え、ホッパー2は、上方と下方に開口を有する断面が円形の上部筒体21、及び上部筒体21の下方の開口に接続され、下方に向かって縮径している漏斗体22を備えたホッパー本体20と、ホッパー本体20を支持する架台30と、を備え、バケット1の張り出し片17には、下方から上方にかけてバケット本体11から離れるように傾斜したガイド面17aと、ガイド面17aの上方側端部に隣接し、上部筒体21の上方の開口周縁部によって支持される支持面17bとが形成されている。
この構成により、クレーンオペレータは、バケット1をホッパー2に位置合わせする位置合わせ作業の負担を軽減することができると共に、作業員が介錯ロープ等を用いてぶれを修正する必要がなくなるため、安全性を確保することができる。さらに、クレーンオペレータは、底蓋12の開閉作業をバケット1の移動操作と一連で行うことができ、底蓋12の開閉作業の負担を軽減することができる。
【0037】
さらに、本実施形態において、張り出し片17のガイド面17aには、丸棒18が取り付けられている。
この構成により、上部筒体21の上方の開口周縁部との接触面接を小さくなるため、バケット1の案内をスムーズに行うことができる共に、ガイド面17aの摩耗を防止することができる。
【0038】
さらに、本実施形態において、上部筒体21の上方の開口周縁部には、円弧状の鋼板である耐バケット摩耗対策鋼板25が皿ボルトによって交換可能に満遍なく取り付けられている。
この構成により、張り出し片17の衝撃による上部筒体21の上方の開口の摩耗を防止することができ、耐バケット摩耗対策鋼板25の交換によって、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0039】
さらに、本実施形態において、ホッパー本体20の漏斗体22の内周面には、扇形状の鋼板である耐土砂摩耗対策鋼板26が皿ボルトによって交換可能に満遍なく取り付けられている。
この構成により、土砂の落下による漏斗体22の摩耗を防止することができ、耐土砂摩耗対策鋼板26の交換によって、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0040】
さらに、本実施形態において、架台30には、ダンプトラック4の荷台に積載された土砂を均すズリ均し33が上下移動可能に取り付けられている。
この構成により、ダンプトラック4の走行により、荷台に積載された土砂を簡単に均すことができる。
【0041】
さらに、本実施形態において、ホッパー本体20を上下に移動させるホッパー移動機構5を備え、ホッパー移動機構5は、ホッパー本体20を上方向に付勢しており、バケット1がホッパー本体20に支持されていない状態では、ホッパー本体20を上限位置に移動させ、バケット1がホッパー本体20に支持されると、ホッパー移動機構5の付勢力に抗してホッパー本体20が下限位置に移動される
この構成により、クレーンオペレータは、ホッパー本体20の移動をバケット1の移動操作と一連で行うことができ、土砂積載時の衝撃を抑制することができる。
【0042】
以上、実施形態をもとに本発明を説明した。この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0043】
1 バケット
2 ホッパー
4 ダンプトラック
5 ホッパー移動機構
11 バケット本体
12 底蓋
13 ヒンジ機構
14 貫通孔
15 吊桁
16 牽体
17 張り出し片
17a ガイド面
17b 支持面
18 丸棒
19 接続リング
20 ホッパー本体
21 上部筒体
22 漏斗体
23 下部筒体
24 飛散防止ゴム
25 耐バケット摩耗対策鋼板
26 耐土砂摩耗対策鋼板
27 グリズリバー
30 架台
31 梯子
32 プラットホーム
33 ズリ均し
34 ガイド
51 ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8