(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037222
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】物品支持部材、及び什器
(51)【国際特許分類】
A47B 63/00 20060101AFI20230308BHJP
A47B 65/00 20060101ALI20230308BHJP
A47F 7/14 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
A47B63/00 503Z
A47B63/00 501Z
A47B65/00 601C
A47F7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143842
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】中野 香那
(72)【発明者】
【氏名】日▲高▼ 亜美
(57)【要約】
【課題】収納対象を2態様において支持可能な物品支持部材、及び什器を提供する。
【解決手段】什器における平面上に配置される物品支持部材であって、什器の幅方向に沿って配置された第1支持部と、什器の幅方向に沿って配置されると共に、第1支持部に対して、幅方向及び奥行方向に位置をずらして配置された第2支持部と、第1支持部の幅方向他端側と第2支持部の幅方向一端側との間に奥行方向に沿って配置された第3支持部と、を備える物品支持部が幅方向に少なくとも一つ形成され、物品支持部は、奥行き方向に沿う第1の向きにおいて第1支持部及び第3支持部により平面視L字状に形成された第1収容空間が開口し、奥行き方向に沿う第1の向きと反対の第2の向きにおいて第2支持部及び第3支持部により平面視L字状に形成された第2収容空間が開口する、ことを特徴とする、物品支持部材である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
什器における平面上に配置される物品支持部材であって、
前記什器の幅方向に沿って配置された第1支持部と、
前記什器の幅方向に沿って配置されると共に、前記第1支持部に対して、前記幅方向及び奥行方向に位置をずらして配置された第2支持部と、
前記第1支持部の幅方向他端側と前記第2支持部の幅方向一端側との間に前記奥行方向に沿って配置された第3支持部と、
を備える物品支持部が前記幅方向に少なくとも一つ形成され、
前記物品支持部は、前記奥行き方向に沿う第1の向きにおいて前記第1支持部及び前記第3支持部により平面視L字状に形成された第1収容空間が開口し、前記奥行き方向に沿う前記第1の向きと反対の第2の向きにおいて前記第2支持部及び前記第3支持部により平面視L字状に形成された第2収容空間が開口する、ことを特徴とする、
物品支持部材。
【請求項2】
前記第3支持部は、前記第1支持部の幅方向他端側と前記第2支持部の幅方向一端側との間を前記奥行方向に沿って連結する、ことを特徴とする、
請求項1に記載の物品支持部材。
【請求項3】
前記第1支持部の前記幅方向一端側から前記第2の向きに向かって延設され、或いは、
前記第2支持部の前記幅方向他端側から前記第1の向きに向かって延設される第4支持部を備え、
前記第4支持部は、
前記第1支持部及び前記第3支持部と協働して平面視コ字状に形成され前記第1の向きに見て前記奥行き方向に凹状に開口する第1収容空間と、
前記第2支持部及び前記第3支持部と協働して平面視コ字状に形成され前記第2の向きに見て前記奥行き方向に凹状に開口する第2収容空間と、のうち少なくとも1つを形成する、ことを特徴とする、
請求項1又は2に記載の物品支持部材。
【請求項4】
線状部材により前記第1支持部、前記第3支持部、及び前記第2支持部のうち少なくとも1つに形成され、前記什器に設けられた平面形成部材に載置され、前記物品支持部を下方から支持する起立手段を備えることを特徴とする、
請求項1から3のうちいずれか1項に記載の物品支持部材。
【請求項5】
前記第1支持部の前記幅方向一端側と、前記第2支持部の前記幅方向他端側とのうち少なくとも1つが前記什器における側面形成部材に連結される被連結部として機能することを特徴とする、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の物品支持部材。
【請求項6】
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の前記物品支持部材と、
平面を形成する平面形成部材と、
前記平面形成部材の上面において上下方向に沿って設けられた側面形成部材と、を備え、
前記物品支持部材は、前記平面形成部材又は前記側面形成部材のうち少なくとも1つにより支持されている、什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書籍等を2態様で支持可能な物品支持部材、及び什器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、棚板上に載置され書籍等を収容可能な箱体が記載されている。この箱体は、正面視して開口し、開口覆い開閉自在な蓋部と、蓋部の下端に設けられた支持部とを備えている。この箱体によれば、支持部に書籍の下端を支持させることにより、書籍の表紙側等の広幅面を手前側に向け、表紙見せ状態により書籍を設置できる。また、この箱体によれば、外側の側面に書籍の広幅面を沿って配置した場合は、書籍の背表紙等の狭幅面等を手前側に向け、背表紙見せ状態により設置できる。この箱体によれば、書籍等の物品を異なる2態様で支持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された箱体は、全体として箱状に形成されており、書籍が蓋部に設置されている状態において、棚板上に載置された箱体の内部空間が活用されずデッドスペースになる場合がある。また、特許文献1に記載された箱体は、奥行方向背面側からは使われないことが前提となり、書籍の表紙見せ状態における向きを一方向にしか設定できない。また、特許文献1に記載された箱体は、収容対象が書棚等に用途が限定されると共に、棚板上で過大な面積を占め棚板の収容空間を制限する虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、棚板上の収容空間を確保すると共に、書籍等の収納対象を2態様において支持可能な物品支持部材、及び什器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は、什器における平面上に配置される物品支持部材であって、前記什器の幅方向に沿って配置された第1支持部と、前記什器の幅方向に沿って配置されると共に、前記第1支持部に対して、前記幅方向及び奥行方向に位置をずらして配置された第2支持部と、前記第1支持部の幅方向他端側と前記第2支持部の幅方向一端側との間に前記奥行方向に沿って配置された第3支持部と、を備える物品支持部が前記幅方向に少なくとも一つ形成され、前記物品支持部は、前記奥行き方向に沿う第1の向きにおいて前記第1支持部及び前記第3支持部により平面視L字状に形成された第1収容空間が開口し、前記奥行き方向に沿う前記第1の向きと反対の第2の向きにおいて前記第2支持部及び前記第3支持部により平面視L字状に形成された第2収容空間が開口する、ことを特徴とする、物品支持部材である。
【0007】
本発明によれば、第2支持部の前側に設置対象物の広幅面を起立状態で支持している状態において、第2支持部の設置対象物と反対側の第2収容空間に他の物品を視認できるように置くことができる。物品支持部によれば、棚板が奥行方向に長尺である場合に、設置対象物を什器の後側に設置する場合には、第1支持部と第2支持部との機能を逆転させて対応可能である。物品支持部によれば、平面形成部材上において奥行方向の両方向に設置対象物を支持し、且つ収納することができる。
【0008】
また、本発明は、前記第3支持部は、前記第1支持部の幅方向他端側と前記第2支持部の幅方向一端側との間を前記奥行方向に沿って連結してもよい。
【0009】
本発明によれば、第1支持部、第2支持部、第3支持部を連結して形成することにより、1本の線状部材により簡便に形成することができる。
【0010】
また、本発明は、前記第1支持部の前記幅方向一端側から前記第2の向きに向かって延設され、或いは、前記第2支持部の前記幅方向他端側から前記第1の向きに向かって延設される第4支持部を備え、前記第4支持部は、前記第1支持部及び前記第3支持部と協働して平面視コ字状に形成され前記第1の向きに見て前記奥行き方向に凹状に開口する第1収容空間と、前記第2支持部及び前記第3支持部と協働して平面視コ字状に形成され前記第2の向きに見て前記奥行き方向に凹状に開口する第2収容空間と、のうち少なくとも1つを形成してもよい。
【0011】
本発明によれば、第1収容空間及び第2収容空間がコ字形状に形成されるため、第1収容空間及び第2収容空間において設置対象物の広幅面を延設部又は第3支持部に立て掛けた起立状態において支持することができ、設置対象物を安定して収容することができる。
【0012】
また、本発明は、線状部材により前記第1支持部、前記第3支持部、及び前記第2支持部のうち少なくとも1つに形成され、前記什器に設けられた平面形成部材に載置され、前記物品支持部を下方から支持する起立手段を備えていてもよい。
【0013】
本発明によれば、物品支持部が起立手段によって什器の平面に対して自立することにより、物品支持部を線状の部材で構成した場合でも設置対象物の十分な安定性が確保される。また、本発明によれば、物品支持部材自体の軽量化を図ることができる。
【0014】
また、本発明は、前記第1支持部の前記幅方向一端側と、前記第2支持部の前記幅方向他端側とのうち少なくとも1つが前記什器における側面形成部材に連結される被連結部として機能させてもよい。
【0015】
本発明によれば、被連結部が側面形成部材に連結されることにより、物品支持部材を安定して固定することができる。また、被連結部が側面形成部材に連結されることにより、側面形成部材を用いて平面視してコ字状の第1収容空間及び第2収容空間を形成することができる。本発明によれば、第1収容空間において設置対象物を側面形成部材に立て掛けた起立状態に収容することができ、第2収容空間において設置対象物を側面形成部材に立て掛けた起立状態に収容することができる。
【0016】
また、本発明は、前記物品支持部材と、平面を形成する平面形成部材と、前記平面形成部材の上面において上下方向に沿って設けられた側面形成部材と、を備え、前記物品支持部材は、前記平面形成部材又は前記側面形成部材のうち少なくとも1つにより支持されていてもよい。
【0017】
本発明によれば、物品支持部材により什器の前側或いは後側から設置対象物を出し入れ可能な第1収容空間及び第2収容空間を形成すると共に、設置対象物を異なる2態様において設置することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、本発明は、棚板上の収容空間を確保すると共に、書籍等の収納対象を2態様において支持可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】什器に設けられた物品支持部材の構成を示す平面図である。
【
図4】延設部が設けられた物品支持部の構成を示す平面図である。
【
図5】L字状の延設部が設けられた物品支持部の構成を示す平面図である。
【
図6】起立手段が設けられた物品支持部の構成を示す図である。
【
図8】変形例に係る什器の構成を示す斜視図である。
【
図9】変形例に係る物品支持部材の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る物品支持部材、及び什器の構成について説明する。以下、什器の使用状態において、収納対象物を出し入れする側を前側として説明する。また、什器を前側から見て左右方向に沿った方向を幅方向、前後方向に沿った方向を奥行き方向ともいう。什器を前側から見て左右方向における左側を幅方向一方側、左側を幅方向他方側という。
【0021】
図1に示されるように、什器1は、平面を形成する複数の棚板2と、棚板の幅方向一方側と幅方向他方側の端部にそれぞれ設けられた一対の側板3と、一対の側板の下端を連結する底板4と、少なくとも1つ棚板2の上面に設けられた物品支持部材10とを備える。什器1は、幅方向に沿って2つ以上配列されていてもよい。この場合、隣接する什器1同士の間の側板3は、1枚で共有されていてもよい。
【0022】
底板4は、例えば、矩形の板状に形成されている。底板4は、平面方向に沿って配置されている。底板4の長手方向は、幅方向に沿って配置されている。底板4の短手方向は、前後方向に沿って配置されている。底板4の幅方向両端側には、一対の側板3が対向してそれぞれ配置されている。側板3は、矩形の板状に形成されている。側板3の長手方向は、上下方向に沿って配置されている。側板3の短手方向は、前後方向に沿って配置されている。一対の側板3の間には、複数の棚板2が上下方向に沿って所定の間隔において配置されている。
【0023】
棚板2は、矩形の板状に形成されている。棚板2の長手方向は、幅方向に沿って配置されている。棚板2の短手方向は、前後方向に沿って配置されている。最上段の棚板2の上方には、物品収容空間Sが形成されている。物品収容空間Sの底部は、例えば、棚板2の上面である平面形成部材2Aにより形成されている。物品収容空間Sの幅方向の両側は、一対の側板3の対向する面である側面形成部材3A,3Bにより形成されている。側面形成部材3Aは、平面形成部材2Aの上面において上下方向に沿って設けられている。物品支持部材10は、平面形成部材2A又は側面形成部材3Aのうち少なくとも1つにより支持されている。
【0024】
物品支持部材10は、什器1における平面である平面形成部材2A上に上方に離間して配置されている。物品支持部材10は、他の棚板2上の平面形成部材2A上に配置されていてもよい。物品支持部材10は、線状部材を用いて折り曲げられて形成されている。線状部材は、例えば、金属素材の棒状体である。線状部材は、金属素材の他、木材、プラスチック素材、複合素材により形成されていてもよい。
【0025】
図2及び
図3に示されるように、物品支持部材10は、幅方向に沿って配置された物品支持部11を少なくとも1つ有する。物品支持部11は、例えば、幅方向に沿って配置された第1支持部12及び第2支持部13を備える。第1支持部12及び第2支持部13は、例えば、円形断面を有する棒状に形成されている。第1支持部12及び第2支持部13は、断面形状が板状等他の形状に形成されていてもよい。また、第1支持部12及び第2支持部13は、板状体により形成されていてもよい。この場合、平面形成部材2Aに載置されてもよい。第1支持部12及び第2支持部13は、例えば、金属素材により形成されている。第1支持部12及び第2支持部13は、他の素材により形成されていてもよい。
【0026】
第1支持部12及び第2支持部13は、幅方向に沿って平行に配置されている。第2支持部13は、第1支持部12に対して、幅方向及び奥行方向に位置をずらして配置されている。第2支持部13は、例えば、幅方向に沿って第1支持部12の幅方向他端側に位置をずらして配置されている。第2支持部13は、奥行き方向において第1支持部12に対して後側から前側に向かう第2の向きに位置をずらして配置されている。
【0027】
第1支持部12と第2支持部13とは、奥行き方向に沿って配置された第3支持部14により連結されている。第3支持部14は、第1支持部12及び第2支持部13と同じ素材により形成されている。第3支持部14は、例えば、円形断面を有する棒状に形成されている。第3支持部14は、断面形状が板状等他の形状に形成されていてもよい。また、第3支持部14は、板状体により形成されていてもよい。この場合、平面形成部材2Aに載置されてもよい。第3支持部14は、第1支持部12の幅方向他端12B側と第2支持部13の幅方向一端13A側とを、奥行方向に沿って連結している。平面形成部材2A上には、幅方向に沿って形成された一対の第1当接部20及び第2当接部21が設けられている。
【0028】
第1当接部20は、例えば、平面視して第1支持部12に比して前側に位置をずらして形成されている。第1当接部20は、幅方向に沿った凹状の溝に形成されている。第1当接部20は、幅方向に沿った凸状の突起に形成されていてもよい。第1当接部20は、幅方向に沿って必ずしも連続して延在していなくてもよく、幅方向に沿って断続的に設けられていてもよい。第1当接部20は、1つ以上平行に形成されていてもよい。これにより、設置対象物Bを設置した際の起立状態の角度を変更可能にしてもよい。また、第1当接部20は、ゴムシート等の表面に摩擦抵抗を有するシート状の部材により形成されていてもよい。第1当接部20は、書籍等の設置対象物が第1支持部12に表紙側を前側に向け、裏表紙を第1支持部12に支持されて設置された場合、書籍の下端部を係止し、書籍が平面形成部材2A上を滑って転倒することを防止する。
【0029】
第2当接部21は、例えば、平面視して第2支持部13に比して後側に位置をずらして形成されている。第2当接部21は、幅方向に沿った凹状の溝に形成されている。第2当接部21は、幅方向に沿って必ずしも連続して延在していなくてもよく、幅方向に沿って断続的に設けられていてもよい。第2当接部21は、1つ以上平行に形成されていてもよい。これにより、設置対象物Bを設置した際の起立状態の角度を変更可能にしてもよい。また、第2当接部21は、ゴムシート等の表面に摩擦抵抗を有するシート状の部材により形成されていてもよい。第2当接部21は、書籍等の設置対象物が第2支持部13に表紙側を前側に向け、裏表紙を第2支持部13に支持されて設置された場合、書籍の下端部を係止し、書籍が平面形成部材2A上を滑って転倒することを防止する。第2当接部21は、幅方向に沿った凸状の突起に形成されていてもよい。
【0030】
以下、物品支持部11の機能について説明する。
【0031】
図3に示されるように、物品支持部11は、例えば、奥行き方向に沿う前側から後側に向かう第1の向きにおいて、第1支持部12及び第3支持部14により平面視L字状に形成された第1収容空間S1が開口している。また、物品支持部11は、奥行き方向に沿う第1の向きと反対の第2の向きにおいて第2支持部13及び第3支持部14により平面視L字状に形成された第2収容空間S2が開口している。
【0032】
第1支持部12と第2支持部13とのそれぞれが、第3支持部14と協働して奥行方向の異なる方向に開口するL字状の第1収容空間S1及び第2収容空間S2を形成している。物品支持部11によれば、第2支持部13の前側に設置対象物Bである書籍等の表紙を前側に向けた起立状態で支持している状態において、第2支持部13の後側の第2収容空間S2に他の物品を視認できるように置くことができる。上記例では、第1支持部12、第2支持部13、第3支持部が連結されているものを例示したが、第1支持部12、第2支持部13、第3支持部は、互いに分離して配置されていてもよい。
【0033】
物品支持部11によれば、棚板2が奥行方向に長尺である場合に、設置対象物Bの書籍を什器1の後側に設置する場合には、第1支持部12と第2支持部13との機能を逆転させて対応可能である。物品支持部11によれば、第1支持部12の後側に設置対象物Bである書籍等の表紙を前側に向けた起立状態で支持している状態において、第1支持部12の前側の第1収容空間S1に他の物品を視認できるように置くことができる。物品支持部11によれば、平面形成部材2A上において奥行方向の両方向に設置対象物Bを支持し、且つ収納することができる。
【0034】
図4に示されるように、第1支持部12には、幅方向一端12A側から第2の向きに向かって延設される第1延設部15により第4支持部30が設けられていてもよい。第4支持部30は、第1支持部12と同じ材料により形成されている。第4支持部30は、第4支持部30は、第1支持部12、第3支持部14と協働して平面視コ字状に形成されている。第4支持部30は、第1の向きに見て第1支持部12、第3支持部14と協働して奥行き方向に凹状に開口する第1収容空間S1を形成する。
【0035】
第2支持部13にも、幅方向他端13B側から第1の向きに向かって延設される第2延設部16により第4支持部30が設けられていてもよい。第4支持部30は、第2支持部13と同じ材料により形成されている。第4支持部30は、第2支持部13、第3支持部14と協働して平面視コ字状に形成されている。第4支持部30は、第2の向きに見て第2支持部13、第3支持部14と協働して奥行き方向に凹状に開口する第2収容空間S2を形成する。即ち、物品支持部11は、第4支持部30を備え、第1収容空間S1と第2収容空間S2とのうち少なくとも1つが形成されている。
【0036】
物品支持部11によれば、第1収容空間S1及び第2収容空間S2の形状が平面視コ字状となる。これにより、第1収容空間S1に設置対象物Bを収容する際に、設置対象物Bである書籍の表紙側或いは裏表紙側を第4支持部30に立て掛けた起立状態で収容することができ、設置対象物Bの支持状態を安定させることができる。第1収容空間S1において第4支持部30が設けられていることにより、設置対象物Bは、幅方向において第3支持部14と反対方向への倒伏が防止される。
【0037】
第2収容空間S2にも設置対象物Bを収容する際に、設置対象物Bである書籍の表紙側或いは裏表紙側を第2延設部16に立て掛けた起立状態で収容することができ、設置対象物Bの支持状態を安定させることができる。第2収容空間S2において第2延設部16が設けられていることにより、設置対象物Bは、幅方向において第3支持部14と反対方向への倒伏が防止される。
【0038】
図5に示されるように、第4支持部30は、平面視して幅方向に折れ曲がった折れ曲がり部15Dが設けられ、L字状に形成されていてもよい。折れ曲がり部15Dは、側板3の幅方向他方側の面により形成された側面形成部材3Bに連結される。折れ曲がり部15Dにより、物品支持部11を側面形成部材3Aに対して安定して固定することができる。
【0039】
第4支持部30は、平面視して幅方向に折れ曲がった折れ曲がり部16Dが設けられ、L字状に形成されていてもよい。折れ曲がり部16Dは、側板3の幅方向一方側の面により形成された側面形成部材3Aに連結される。折れ曲がり部15Dにより、物品支持部11を側面形成部材3Aに対して安定して固定することができる。
【0040】
図6に示されるように、第3支持部14には、平面形成部材2Aに載置され、物品支持部11を下方から支持する起立手段17が設けられている。起立手段17は、物品支持部11に用いられる線状部材により形成されている。起立手段17は、物品支持部11に用いられる材料と異なる材料により形成されていてもよい。また、物品支持部11が板状体により形成されており、物品支持部11が平面形成部材2Aに載置される場合、物品支持部11自体が起立手段17として機能するようにしてもよい。起立手段17は、例えば、金属素材により形成されている。起立手段17の上端は、例えば、第3支持部14の下部に溶接されている。起立手段17は、例えば、前後方向に沿って2個配置されている。起立手段17は、第1支持部、第3支持部、及び第2支持部のうち少なくとも1つに形成されていればよい。起立手段17は、物品支持部11を平面形成部材2Aから上方に離間して配置し、自立させることができる。
【0041】
起立手段17が設けられていることにより、什器1に設けられた平面に対して自立し、線状部材を用いて構成された物品支持部11の十分な安定性を確保することができる。したがって、起立手段17が設けられていることにより、物品支持部材10の全体を軽量化することができる。
【0042】
物品支持部材10において、第1支持部12の幅方向一端12A側と、第2支持部13の幅方向他端13B側とのうち少なくとも1つが什器1における側面形成部材3A,3Bに連結される被連結部Cとして機能する(
図2及び
図3参照)。被連結部Cは、例えば、第1支持部12の幅方向一端12Aを側面形成部材3B側に形成された孔(不図示)に挿入することにより側板3に連結される。また、被連結部Cは、例えば、第2支持部13の幅方向他端13Bを側面形成部材3A側に形成された孔(不図示)に挿入することにより側板3に連結される。
【0043】
被連結部Cが側面形成部材3A,3Bに連結されることにより、物品支持部材10を安定して固定することができる。また、被連結部Cが側面形成部材3A,3Bに連結されることにより、側面形成部材3A,3Bを用いて平面視してコ字状の第1収容空間S1及び第2収容空間S2を形成することができる。これにより、第1収容空間S1において設置対象物Bを側面形成部材3Bに立て掛けた起立状態に収容することができ、第2収容空間S2において設置対象物Bを側面形成部材3Aに立て掛けた起立状態に収容することができる。また、被連結部Cが側面形成部材3A,3Bに強固に連結されることにより、物品支持部材10を回り止めし、物品支持部材10を安定して支持することができる。物品支持部材10は、被連結部Cが側面形成部材3A,3Bにより側方が連結されると共に、起立手段17により下方を支持されることで、什器1に対して更に堅牢に支持される。
【0044】
図7に示されるように、什器1によれば、物品支持部材10において第1支持部12又は第2支持部13に書籍等の設置対象物Bの広幅面を前側或いは後側に向けて起立状態により設置することができる。平面形成部材2Aには、第1当接部20及び第2当接部21が設けられているため、設置対象物Bの下端部を第1当接部20及び第2当接部21に沿って係止して設置することができ、設置対象物Bの広幅面を前側或いは後側に向けて起立状態により設置した場合に、設置対象物Bが平面形成部材2A上を滑って倒れることが防止される。
【0045】
什器1によれば、物品支持部材10において第1収容空間S1及び第2収容空間S2が形成されることにより、設置対象物Bの狭幅面を前側又は後側に向けた起立状態により収容することができる。什器1によれば、第1支持部12又は第2支持部13に設置対象物Bを立て掛けた起立状態で載置しても、第1収容空間S1及び第2収容空間S2に収容された設置対象物Bを視認することができる。
【0046】
[変形例]
以下、什器1の変形例について説明する。以下の説明では、上記実施形態と同一の構成については、同一の名称及び符号を用い、重複する説明については適宜省略する。
【0047】
図8及び
図9に示されるように、変形例に係る什器1Aは、後側を壁面Wに沿って配置し、前側から設置対象物Bを出し入れするように形成されていてもよい。什器1によれば、設置対象物Bの広幅面は、第2支持部13に支持されると共に、下端部は、第1当接部20に係止される。什器1によれば、前側に開口する第1収容空間S1に設置対象物Bが収容される。
【0048】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせ、または置換して構成してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 什器、1A 什器、2A 平面形成部材、3A 側面形成部材、3B 側面形成部材、10 物品支持部材、11 物品支持部、12 第1支持部、12A 幅方向一端、12B 幅方向他端、13 第2支持部、13A 幅方向一端、13B 幅方向他端、14 第3支持部、17 起立手段、30 第4支持部、C 被連結部、S1 第1収容空間、S2 第2収容空間