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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037265
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】粒状物運搬用クレーン
(51)【国際特許分類】
   B66C 5/02 20060101AFI20230308BHJP
   B66C 13/22 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
B66C5/02
B66C13/22 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143909
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】504300088
【氏名又は名称】国立大学法人北海道国立大学機構
(71)【出願人】
【識別番号】503255936
【氏名又は名称】有限会社 岡本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100202913
【弁理士】
【氏名又は名称】武山 敦史
(72)【発明者】
【氏名】宮竹 史仁
(72)【発明者】
【氏名】岡本 壮一
【テーマコード(参考)】
3F202
3F204
【Fターム(参考)】
3F202AA05
3F202AC08
3F202BA10
3F204AA03
3F204BA09
3F204CA01
3F204DA04
3F204DB02
3F204DC01
(57)【要約】
【課題】建屋の強度を考慮せずに設置可能な粒状物運搬用クレーンを提供する。
【解決手段】クレーン1は、床面に設置され、互いに平行な方向に延びる一対のレール10と、各レール10上をそれぞれ走行する一対の走行台車20と、各走行台車20に接続され、床面の上方で走行台車20の一方から他方に向けて延びる構造体30と、構造体30に対して上下方向に移動可能に吊り下げられ、床面に堆積された粒状物を把持する把持ユニット40と、構造体30に設けられ、走行台車20及び把持ユニット40に通信可能に接続され、走行台車20及び把持ユニット40の動作を制御する制御ユニット100と、を備える。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設置され、互いに平行な方向に延びる一対のレールと、
各レール上をそれぞれ走行する一対の走行台車と、
各走行台車に接続され、前記床面の上方で前記走行台車の一方から他方に向けて延びる構造体と、
前記構造体に対して上下方向に移動可能に吊り下げられ、前記床面に堆積された粒状物を把持する把持ユニットと、
前記構造体に設けられ、前記走行台車及び前記把持ユニットに通信可能に接続され、前記走行台車及び前記把持ユニットの動作を制御する制御ユニットと、
を備える粒状物運搬用クレーン。
【請求項2】
前記走行台車の進行方向に対向する端部に設けられ、前記走行台車の走行時に前記レール上に堆積した粒状物を前記レール上から排除するスクレーパーをさらに備える、
請求項1に記載の粒状物運搬用クレーン。
【請求項3】
前記構造体は、各走行台車に接続され、上下方向に延びる一対の柱状部材と、各柱状部材に接続され、前記柱状部材に対して垂直な方向に延びるブリッジ部材と、を備え、
前記把持ユニットは、前記ブリッジ部材から下方に向かって前記ブリッジ部材の長手方向に並べて配置された複数のケーブルにより吊り下げられている、
請求項1又は2に記載の粒状物運搬用クレーン。
【請求項4】
前記走行台車は、前記レールに設置された場合に前記レールの長手方向に延びる枠体と、前記枠体に回転可能に支持され、前記枠体の異なる箇所に配置され、前記レール上を転動する複数の車輪と、前記枠体に固定され、各車輪を回転させるモータと、を備える、
請求項1から3のいずれか1項に記載の粒状物運搬用クレーン。
【請求項5】
前記レールは、その上面部の幅方向の中心に設けられ、前記レールの長手方向に延び、前記上面部から上方に突出するリブを備え、
前記車輪は、前記リブの上面部と接触する踏面が設けられた車輪本体と、前記車輪本体の一方の側面側に設けられたフランジと、前記フランジと共に前記リブを挟み込むように前記車輪本体の他方の側面側に設けられ、前記モータからの回転を伝達する歯車と、を備える、
請求項4に記載の粒状物運搬用クレーン。
【請求項6】
前記レールは、前記レールの側面部から離れる方向に延び、前記レールの長手方向に等間隔に並べて配置された複数のピン部材を備え、
前記走行台車は、前記ピン部材が近接したことを検知する近接センサを備え、
前記制御ユニットは、前記近接センサが前記ピン部材を検知した回数をカウントすることにより前記走行台車の位置を検出する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の粒状物運搬用クレーン。
【請求項7】
前記近接センサは、前記走行台車の長手方向に並べて2つ設けられ、
前記制御ユニットは、前記走行台車の進行方向前方側の近接センサが目標とするピン部材を検知した時点で走行台車を減速させ、前記走行台車のうち2つの近接センサの間にある中間位置が目標とするピン部材の位置と一致するように前記走行台車を停止させる、
請求項6に記載の粒状物運搬用クレーン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状物運搬用クレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
家畜の排せつ物、食品廃棄物といった生物系廃棄物を好気性微生物の働きによって分解した堆肥が知られている。堆肥の製造工程では、切り返しと呼ばれる堆肥の元となる生物系廃棄物(堆肥材料)の定期的な撹拌が不可欠である。堆肥材料の発酵が進展した後、発酵が次第に勢いを失ったタイミングで切り返しを実施することで、再び発酵を活性化させることができる。この切り返しには、例えば特許文献1に開示されているような堆肥切り返し用のクレーンが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-335594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のクレーンは、建屋の側壁に設けられたレールに吊り下げられているため、建屋の側壁にクレーンを支持するための強度が要求される。このため、既存の建屋の強度が不足している場合には、クレーンの設置のために既存建屋の補強や建て替えが必要となる。近年、ビニールハウスに類似した簡易な建屋が普及しつつあり、このような簡易の建屋であっても設置可能なクレーンの実用化が要望されている。そして、このような問題は、堆肥材料の切り返しを実施する場合に限られず、クレーンで堆肥材料以外の粒状物を運搬する場合にも存在している。
【0005】
本発明は、このような背景に基づいてなされたものであり、建屋の強度を考慮せずに設置可能な粒状物運搬用クレーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る粒状物運搬用クレーンは、
床面に設置され、互いに平行な方向に延びる一対のレールと、
各レール上をそれぞれ走行する一対の走行台車と、
各走行台車に接続され、前記床面の上方で前記走行台車の一方から他方に向けて延びる構造体と、
前記構造体に対して上下方向に移動可能に吊り下げられ、前記床面に堆積された粒状物を把持する把持ユニットと、
前記構造体に設けられ、前記走行台車及び前記把持ユニットに通信可能に接続され、前記走行台車及び前記把持ユニットの動作を制御する制御ユニットと、
を備える。
【0007】
前記走行台車の進行方向に対向する端部に設けられ、前記走行台車の走行時に前記レール上に堆積した粒状物を前記レール上から排除するスクレーパーをさらに備えてもよい。
【0008】
前記構造体は、各走行台車に接続され、上下方向に延びる一対の柱状部材と、各柱状部材に接続され、前記柱状部材に対して垂直な方向に延びるブリッジ部材と、を備え、
前記把持ユニットは、前記ブリッジ部材から下方に向かって前記ブリッジ部材の長手方向に並べて配置された複数のケーブルにより吊り下げられてもよい。
【0009】
前記走行台車は、前記レールに設置された場合に前記レールの長手方向に延びる枠体と、前記枠体に回転可能に支持され、前記枠体の異なる箇所に配置され、前記レール上を転動する複数の車輪と、前記枠体に固定され、各車輪を回転させるモータと、を備えてもよい。
【0010】
前記レールは、その上面部の幅方向の中心に設けられ、前記レールの長手方向に延び、前記上面部から上方に突出するリブを備え、
前記車輪は、前記リブの上面部と接触する踏面が設けられた車輪本体と、前記車輪本体の一方の側面側に設けられたフランジと、前記フランジと共に前記リブを挟み込むように前記車輪本体の他方の側面側に設けられ、前記モータからの回転を伝達する歯車と、を備えてもよい。
【0011】
前記レールは、前記レールの側面部から離れる方向に延び、前記レールの長手方向に等間隔に並べて配置された複数のピン部材を備え、
前記走行台車は、前記ピン部材が近接したことを検知する近接センサを備え、
前記制御ユニットは、前記近接センサが前記ピン部材を検知した回数をカウントすることにより前記走行台車の位置を検出してもよい。
【0012】
前記近接センサは、前記走行台車の長手方向に並べて2つ設けられ、
前記制御ユニットは、前記走行台車の進行方向前方側の近接センサが目標とするピン部材を検知した時点で走行台車を減速させ、前記走行台車のうち2つの近接センサの間にある中間位置が目標とするピン部材の位置と一致するように前記走行台車を停止させてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、建屋の強度を考慮せずに設置可能な粒状物運搬用クレーンを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係るクレーンの構成を示す概略図である。
図2】本発明の実施の形態に係るクレーンの構成を示す正面図である。
図3】本発明の実施の形態に係るクレーンの構成を示す側面図である。
図4】(a)、(b)は、いずれも本発明の実施の形態に係るレール及び走行台車の構成を示す正面図である。
図5】本発明の実施の形態に係るレール及び走行台車の構成を示す平面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るレール及び走行台車の構成を示す側面図である。
図7】本発明の実施の形態に係るスクレーパーの構成を示す斜視図である。
図8】本発明の実施の形態に係るピン部材及び近接センサの関係を示す図である。
図9】本発明の実施の形態に係る把持ユニットの構成を示す正面図である。
図10】本発明の実施の形態に係る把持ユニットの構成を示す側面図である。
図11】(a)は、本発明の実施の形態に係る制御ユニットのハードウェア構成を示すブロック図であり、(b)は、本発明の実施の形態に係る制御ユニットの変換テーブルの一例を示す図である。
図12】本発明の実施の形態に係る切り返し処理の流れを示すフローチャートである。
図13】(a)、(b)は、いずれも本発明の変形例に係るレール及び走行台車の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施の形態の粒状物運搬用クレーンを、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面においては、同一又は同等の部分に同一の符号を付す。実施の形態では、粒状物運搬用クレーンの左右方向(幅方向)をX軸方向、粒状物運搬用クレーンの進行方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする直交座標系を使用する。実施の形態では、粒状物として堆肥材料を運搬する場合を例に説明するが、運搬対象の粒状物としては、いかなる形状や大きさ、材質の粒子や破片を含んでいてもよく、複数種類の粒子や破片が含まれていてもよい。
【0016】
図1は、実施の形態に係るクレーン1の構成を示す概略図であり、図2及び図3は、それぞれ実施の形態に係るクレーン1の構成を示す正面図、側面図である。クレーン1は、粒状物運搬用クレーンの一例であり、発酵槽の床面の堆積位置に堆積された堆肥材料を把持し、堆積位置とは別の目標位置に移動させて積み上げる作業を繰り返すことにより、堆肥材料に対する切り返しを実施する。
【0017】
クレーン1は、床面に設置された一対のレール10と、各レール10上をそれぞれ走行する一対の走行台車20と、各走行台車20に接続され、床面の上方を水平方向に延びる構造体30と、構造体30に対して上下方向に移動可能に吊り下げられ、床面に置かれた堆肥材料を把持する把持ユニット40と、構造体30に設けられ、走行台車20及び把持ユニット40と通信可能に接続され、走行台車20及び把持ユニット40の動作を制御する制御ユニット100と、を備える。
【0018】
図2に示すように、発酵槽の床面では、各レール10の内側のそれぞれに、レール10の長手方向に延びる仕切り10Aが設置されている。仕切り10Aは、床面に堆積した堆肥材料がレール10側に侵入することを防止する。仕切り10Aは、例えば、床面から垂直方向に延び、走行台車20に堆肥材料が付着すること防止するため、走行台車20よりも高い位置まで延びることが好ましい。
【0019】
構造体30は、上下方向に延び、それぞれ各走行台車20に接続された一対の柱状部材31と、各柱状部材31に接続され、各柱状部材31に対して垂直な方向に延びるブリッジ部材32と、を備える。
【0020】
柱状部材31は、走行台車20に接続され、走行台車20から上方に延びる部材である。図3に示すように、柱状部材31は、互いに平行に配置された一対の板状部材31aと、一対の板状部材31aに接続され、各板状部材31aに対して垂直に延びる接続部材31bと、を備える。柱状部材31の一方には、制御ユニット100が固定されている。
【0021】
ブリッジ部材32は、各端部が柱状部材31の上端部に接続され、水平方向に延びる部材である。ブリッジ部材32には、電源ケーブル(図示せず)を巻き取る回転ドラム33が設けられている。クレーン1が走行する際に回転ドラム33が電源ケーブルを巻き取るため、電源ケーブルが弛んでクレーン1の走行に支障を与えることがない。電源ケーブルは、電源(図示せず)からの電力を走行台車20、把持ユニット40及び制御ユニット100にそれぞれ供給する。
【0022】
図4図5及び図6は、それぞれ実施の形態に係るレール10及び走行台車20の構成を示す正面図、平面図、側面図である。一対のレール10は、互いに平行な方向に延び、走行台車20からの荷重を支え、走行台車20の走行をガイドする。各レール10は、建屋内部のコンクリート床面に直接設置され、床面に対してアンカー(図示せず)により固定されている。各レール10は、長尺なレール本体11と、レール本体11の上面部において幅方向の中心位置に設けられ、レール10の長手方向に延び、レール本体11の上面部から上方に突出するリブ12と、を備える。
【0023】
レール本体11は、横断面がH字型であるH型鋼材である。レール本体11の側面部には、側面部から離れる方向に延び、走行台車20に取り付けられた近接センサ25により検知される複数のピン部材13が設けられている。各ピン部材13は、レール10の長手方向に等間隔で並べて配置されている。
【0024】
リブ12は、走行台車20からの荷重を受け止めると共に、レール10上を走行する走行台車20の軸方向の動きを規制する。リブ12は、断面矩形状の長尺な鋼材であり、例えば、レール本体11の上面部に溶接等で固定されている。レール本体11にリブ12が固定されることにより、レール10の曲げ強度が向上し、レール10の撓みを抑制できるため、走行中の走行台車20を一層安定させることができる。
【0025】
走行台車20は、レール10に設置された場合にレール10の長手方向に延びる枠体21と、枠体21に回転可能に支持され、レール10上を転動する複数の車輪22と、枠体21に固定され、各車輪22を回転させるモータ23と、枠体21の長手方向に対向する端部に設けられ、走行台車20の走行時にレール10上に堆積している堆肥材料を排除するスクレーパー24と、枠体21の長手方向に並べて配置され、レール10のピン部材13を検知する一対の近接センサ25と、を備える。
【0026】
枠体21は、その長手方向に延び、互いに離して配置された一対の板状部材21aと、一対の板状部材21aを異なる箇所で接続する複数の接続部材21bと、を備える。枠体21の内側には、複数の車輪22が長手方向に並べて配置され、枠体21の外側には、モータ23が固定されている。
【0027】
車輪22は、リブ12の上面部と接触する踏面が形成された車輪本体22aと、車輪本体22aの一方の側面側に設けられたフランジ22bと、車輪本体22aの他方の側面側に設けられた歯車22cと、を備える。フランジ22bと歯車22cとは、側面側からリブ12を挟み込むように配置され、車輪22がリブ12に沿って走行するようにガイドする。フランジ22bは、モータ23が固定されていない板状部材21a側に配置され、歯車22cは、モータ23が固定された板状部材21a側に配置されている。歯車22cは、モータ23の回転軸に固定された歯車23aと噛み合い、モータ23からの回転を車輪本体22aに伝達する。
【0028】
モータ23は、例えば、PM(Permanent Magnet)モータである。モータ23にはモータドライバ(図示せず)が接続され、モータドライバには制御ユニット100が接続されている。モータドライバは、例えば、直流を交流に変換するインバータを備える。モータドライバは、制御ユニット100からの制御信号に基づいて、モータ23に供給する電流を調整し、モータ23が規定された最大トルクで回転するように制御する。インバータは、床面の長さに応じて規定の周波数、例えば、25Hz~60Hzの範囲内で設定される周波数の電流をモータ23に向けて出力する。
【0029】
図7は、実施の形態に係るスクレーパー24の構成を示す斜視図である。スクレーパー24は、リブ12の上面部及び内側(堆肥材料側)の側面部、レール本体11の内側の上面部に近接し、これらの面から堆肥材料を排除するように形成されている。スクレーパー24は、枠体21に対する取り付け位置が調整可能に構成されている。堆肥材料には水分が含まれ、ある程度の粘着性があるため、レール10上に付着して乾燥すると、走行台車20の走行に支障を与える可能性がある。このため、スクレーパー24によりレール10上の堆肥材料をできるだけ排除することが好ましい。
【0030】
詳細に説明すると、スクレーパー24の上端部には、スクレーパー24の平面状の本体から垂直に延びる平面状の係止片24aが設けられ、係止片24aには複数の細長形状の貫通孔24bが設けられている。また、枠体21の端部側にある接続部材21bには、接続部材21bから垂直に延びる平面状の係止片21cが設けられ、係止片21cにも複数の細長形状の貫通孔21dが設けられている。各貫通孔24b、21dは、それぞれ図6に示すボルト24cが挿通可能に形成されている。このため、係止片24aを係止片21cに載せ、枠体21に対するスクレーパー24の取り付け位置を調整した後、各貫通孔24b、21dにボルト24cを挿通し、ボルト24cにナット(図示せず)を締め付けることにより、枠体21に対してスクレーパー24を固定できる。
【0031】
図8は、実施の形態に係るピン部材13及び近接センサ25の関係を示す図である。各近接センサ25は、ピン部材13が接近したことを非接触で検出できるセンサである。近接センサ25は、アーム25aにより枠体21から離れた位置に支持され、アーム25aは、枠体21の側面部に支持されている。近接センサ25は、例えば、高周波発振型近接センサである。近接センサ25が高周波発振型近接センサである場合、ピン部材13は、高周波発振型近接センサが検知可能となるように金属材料で形成される。
【0032】
近接センサ25は、制御ユニット100に通信可能に接続されている。制御ユニット100は、各近接センサ25からの信号に基づいて、レール10における走行台車20の位置を検出すると共に、走行中の走行台車20を目標とする位置で停止させるためにモータ23の動作を制御する。
【0033】
図9及び図10は、それぞれ実施の形態に係る把持ユニット40の構成を示す正面図、側面図である。把持ユニット40は、堆肥材料を把持するグラブ41と、構造体30のブリッジ部材32からグラブ41を吊り下げる複数のケーブル(図示せず)と、各ケーブルを巻き取る複数の電動ウインチ42と、を備える。図9及び図10では、ケーブルを電動ウインチ42に巻き取ることで、グラブ41を引き上げた状態を図示している。
【0034】
グラブ41は、堆肥材料を把持する一対の把持片41aと、一対の把持片41aの長手方向に並べて配置され、一対の把持片41aを支持する複数のアーム41bと、各アーム41bを回転可能に支持し、把持ユニット40の複数のケーブルに吊り下げられる支持部材41cと、アーム41bと支持部材41cとに接続され、一対の把持片41aを開閉させる油圧シリンダ41dと、油圧シリンダ41dに接続され、油圧シリンダ41dを伸縮させる油圧源41eと、を備える。
【0035】
把持片41aは、円弧状に湾曲し、堆肥材料に差し込むことが可能な複数の棒状部材と、複数の棒状部材を等間隔に並べて固定した長尺な固定部材と、を備える。一対の把持片41aでは、閉じた状態でそれぞれの棒状部材が交互に配置されている。一対の把持片41aを開いた状態で堆肥材料に棒状部材を差し込み、この状態で一対の把持片41aを閉じることで、一対の把持片41aで堆肥材料が把持される。
【0036】
油圧シリンダ41dは、例えば、複動式シリンダである。複動式シリンダは、油圧源41eからの作動油をピストンのいずれの側にも供給可能なシリンダである。
【0037】
図10に示すように、グラブ41の長手方向に対向する両端部には、それぞれグラブ41から把持した堆肥材料がこぼれ落ちることを防止するために押さえ板41fが設けられている。押さえ板41fは、例えば、把持片41aの棒状部材の形状に合わせて扇状に形成されている。
【0038】
図11(a)は、実施の形態に係る制御ユニット100のハードウェア構成を示すブロック図である。制御ユニット100は、例えば、制御盤である。制御ユニット100は、近接センサ25から測定データを取得すると共に、モータ23、電動ウインチ42、油圧源41eに制御信号を供給する。
【0039】
制御ユニット100は、操作部110と、表示部120と、通信部130と、記憶部140と、制御部150と、を備える。制御ユニット100の各部は、内部バス(図示せず)を介して互いに通信可能に接続されている。
【0040】
操作部110は、ユーザの指示を受け付け、受け付けた操作に対応する操作信号を制御部150に供給する。
【0041】
表示部120は、制御部150から供給される画像データに基づいて、制御ユニット100を操作するユーザに向けて各種の画像を表示する。
【0042】
通信部130は、例えば、インターネット回線のような通信ネットワークに接続することが可能なインターフェースである。
【0043】
記憶部140は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリを備える。記憶部140は、制御部150に実行されるプログラムや各種のデータを記憶すると共に、制御部150が処理を実行するためのワークメモリとして機能する。記憶部140には、図11(b)に示すように、レール10の初期位置からの距離と、レール10の初期位置からのピン部材13のカウント数との対応関係を示す変換テーブル141が記憶されている。レール10の初期位置は、レール10の一方の端部に設定され、レール10上の基準となる位置である。また、記憶部140には、モータ23の回転方向と、走行台車20の進行方向前方側の近接センサ25との対応関係も記憶されている。
【0044】
図11(a)に戻り、制御部150は、例えばCPU(Central Processing Unit)を備え、制御ユニット100の各部の制御を行う。制御部150は、記憶部140に記憶されているプログラムを実行することにより、図12の切り返し処理を実行する。制御部150は、機能的には、走行台車制御部151と、把持ユニット制御部152と、を備える。
【0045】
走行台車制御部151は、堆積位置、目標位置、繰り返し回数に関するユーザの指示に基づいてモータ23の動作を制御する。堆積位置は、堆肥材料が堆積された位置であり、目標位置は、堆積位置にある堆肥材料を移動させる目標となる位置である。堆積位置及び目標位置は、初期位置からの距離により表現される。繰り返し回数は、堆積位置から目標位置に堆肥材料を移動させる回数である。繰り返し回数は、堆積位置にある堆肥材料を目標位置に移動させることができるようにユーザにより設定される。
【0046】
走行台車制御部151は、操作部110がユーザからの指示を受け付けると、レール10の端部にある初期位置に走行台車20を移動させる。次に、走行台車制御部151は、変換テーブル141から堆積位置に対応するピン部材13のカウント数(第1の目標カウント数)を読み取り、近接センサ25がピン部材13を検知する回数をカウントしながら、ピン部材13のカウント数が第1の目標カウント数になるまで堆積位置に向けて走行台車20を移動させる。
【0047】
次に、走行台車制御部151は、把持ユニット40による堆肥材料の把持が完了したことを検知すると、変換テーブル141を参照して堆積位置から目標位置まで移動する際にカウントされるピン部材13のカウント数(第2の目標カウント数)を算出し、近接センサ25がピン部材13を検知する回数をカウントしながら、ピン部材13のカウント数が第2の目標カウント数になるまで堆積位置に向けて走行台車20を移動させる。
【0048】
次に、走行台車制御部151は、把持ユニット40による堆肥材料の放出が完了したことを検知すると、走行台車20の反対方向への移動を開始させ、近接センサ25がピン部材13を検知する回数をカウントしながら、ピン部材13のカウント数が第2の目標カウント数になるまで堆積位置に向けて走行台車20を移動させる。走行台車制御部151は、繰り返し回数がユーザにより指示された繰り返し回数に到達するまで、上記の工程を繰り返す。
【0049】
以下、図4(a)、(b)を参照して、走行台車制御部151が目標とする停止位置に走行台車20を停止させる手順を説明する。走行台車20は、進行方向を反転させて2つの位置の間を交互に移動するため、走行中の走行台車20を停止させる際にモータ23の動作を以下のように制御する。
【0050】
まず、走行台車制御部151は、図4(a)に示すように、進行方向前方側(図4(a)では左側)の近接センサ25が目標とする停止位置に対応するピン部材13を検知した時点で、モータ23の回転を制御して走行台車20を減速させる。具体的には、近接センサ25がピン部材13を検知した時点で、予め設定された減速時間を経てブレーキ(図示せず)を作動させ、一対の近接センサ25の間にある中間位置(L1=L2)が目標とするピン部材13に一致するように停止させる。
【0051】
減速時間は、モータドライバのインバータからの出力が0Hzになるまでの時間であり、走行台車20の速度、各近接センサ25から中間位置までの距離を考慮して設定される。例えば、減速時間が3秒であれば、近接センサ25がピン部材13を検知した時点から3秒でインバータからの出力を0Hzにすればよい。図4では、右側から左側に向けて進行する場合を例に説明しているが、左側から右側に向けて進行する場合も同様である。これにより走行台車20がどちらの側に向けて進行していたとしても、一対の近接センサ25の中間位置が目標とするピン部材13に一致するように停止させることができる。なお、走行台車20の停止時には、一対の近接センサ25の間にある中間位置(L1=L2)がピン部材13と完全に一致する必要はなく、停止位置にある程度のずれが発生してもよい。
【0052】
図11(a)に戻り、把持ユニット制御部152は、走行台車20が堆積位置に停止すると、把持ユニット40に堆肥材料を把持させる。具体的には、まず、油圧源41eを作動させてグラブ41を開かせ、電動ウインチ42を回転させてグラブ41を下方に移動させた後、油圧源41eを作動させてグラブ41を閉じさせ、電動ウインチ42を逆回転させてグラブ41を上方に移動させる。また、把持ユニット制御部152は、走行台車20が目標位置に停止すると、把持ユニット40に堆肥材料を放出させる。具体的には、まず、電動ウインチ42を回転させてグラブ41を下方に移動させ、油圧源41eを作動させてグラブ41を開かせ、電動ウインチ42を逆回転させてグラブ41を上方に移動させる。
以上が、制御ユニット100の構成である。
【0053】
次に、図12のフローチャートを参照して、実施の形態に係る制御ユニット100が実行する切り返し処理を説明する。切り返し処理は、クレーン1に対して床面に堆積された堆肥材料に対する切り返しを実施させる処理である。切り返し処理は、制御ユニット100の操作部110が切り返しを実施する旨のユーザの指示を受け付けた時点で開始される。
【0054】
ユーザは、切り返しを実施させる際に、制御ユニット100の操作部110を操作して堆積位置、目標位置及び繰り返し回数を入力する。制御ユニット100の制御部150は、入力された堆積位置、目標位置及び繰り返し回数に基づいて、以下の処理を実行する。
【0055】
まず、走行台車制御部151は、初期位置に走行台車20を移動させ、近接センサ25により検知されたピン部材13のカウント数をリセットする(ステップS1)。具体的には、初期位置に向かう方向に走行台車20を移動させ、初期位置に到達したことを検知すると、モータ23の回転を停止させる。
【0056】
走行台車20を初期位置に移動させるのは、近接センサ25により検知されるピン部材13のカウント数をリセットするためである。このため、走行台車20を厳密に初期位置に停止させる必要はない。走行台車20が初期位置に到達したこと検知するには、公知の手法を用いればよい。例えば、枠体21に設けられたレーザセンサ(図示せず)にレール10の有無を検知させ、レール10が存在しないと検知した時点で走行台車20を停止させればよい。
【0057】
次に、走行台車制御部151は、現時点で床面に堆肥材料が堆積されている堆積位置に走行台車20を移動させる(ステップS2)。より詳細に説明すると、変換テーブル141から堆積位置に対応するピン部材13のカウント数を読み取ってから走行台車20の走行を開始させ、初期位置から近接センサ25により検知したピン部材13の数をカウントし、変換テーブル141から読み取られた堆積位置に対応するカウント数に到達した時点で走行台車を停止させる。
【0058】
次に、把持ユニット制御部152は、把持ユニット40のグラブ41に堆肥材料を把持させる(ステップS3)。具体的には、堆肥材料に向けて把持ユニット40のグラブ41を下方に移動させ、グラブ41に堆肥材料を把持させ、そのままの状態でグラブ41を上方に移動させる。
【0059】
次に、走行台車制御部151は、堆肥材料を新たに堆積させる目標位置に走行台車20を移動させる(ステップS4)。より詳細に説明すると、変換テーブル141から目標位置に対応するピン部材13のカウント数を読み取ってから走行台車20の走行を開始させ、到達位置から近接センサ25により検知したピン部材13の数をカウントし、変換テーブル141から読み取られた目標位置に対応するカウント数に到達した時点で走行台車を停止させる。
【0060】
次に、把持ユニット制御部152は、グラブ41から堆肥材料を放出させる(ステップS5)。具体的には、堆肥材料に向けて把持ユニット40のグラブ41を下方に移動させ、グラブ41を開放し、そのままの状態でグラブ41を上方に移動させる。
【0061】
次に、走行台車制御部151は、ステップS2~ステップS5の一連の処理を設定された回数繰り返したかどうかを判定する(ステップS6)。一連の処理を設定された回数繰り返したと判定された場合(ステップS6;Yes)、処理を終了する。他方、一連の処理を設定された回数繰り返していないと判定された場合(ステップS6;No)、ステップS2の処理に戻る。
以上が、切り返し処理の流れである。
【0062】
以上説明したように、実施の形態に係るクレーン1は、床面に設置され、互いに平行な方向に延びる一対のレール10と、各レール10上をそれぞれ走行する一対の走行台車20と、各走行台車20に接続され、床面の上方で走行台車20の一方から他方に向けて延びる構造体30と、構造体30に対して上下方向に移動可能に吊り下げられ、床面に置かれた堆肥材料を把持する把持ユニット40と、構造体30に設けられ、走行台車20及び把持ユニット40に通信可能に接続され、走行台車20及び把持ユニット40の動作を制御する制御ユニット100と、を備える。このため、クレーン1を支持するための強度を建屋に持たせる必要が無く、既存の建屋にもクレーンを設置できる。
【0063】
本発明は上記実施の形態に限られず、以下に述べる変形も可能である。
【0064】
(変形例)
上記実施の形態では、レール本体11の上面部にリブ12が設けられていたが、本発明はこれに限られない。例えば、一般的に鉄道で用いられる平底レールであってもよい。
【0065】
上記実施の形態では、車輪22の歯車22cとモータ23の歯車23aとが噛み合い、モータ23の回転を車輪22に伝達していたが、本発明はこれに限られない。歯車22cの回転を、チェーンを介して歯車23aに伝達してもよい。また、歯車22c、23aを一対のプーリー及び各プーリーに掛けられるベルトで置き換えてもよい。
【0066】
上記実施の形態では、各車輪22に対して1つのモータ23が設けられていたが、本発明はこれに限られない。例えば、一対の車輪22を同一のモータ23で回転させてもよい。また、上記実施の形態では、枠体21に一対の車輪22が設けられていたが、本発明はこれに限られない。枠体21に設けられる車輪22は3つ以上であってもよい。
【0067】
上記実施の形態では、モータ23が車輪22を回転させることで走行台車20が走行していたが、本発明はこれに限られない。例えば、枠体21にケーブルを接続し、ケーブルを電動ウインチで巻き取ることで、走行台車20が走行するように構成してもよい。
【0068】
上記実施の形態では、スクレーパー24が金属材料で形成されていたが、本発明はこれに限られない。スクレーパー24にレール10と接触するゴム部材を設けてもよい。ゴム部材は、例えば、走行台車20の進行方向に湾曲可能なゴム板である。
【0069】
上記実施の形態では、スクレーパー24がリブ12の上面部及び内側の側面部、レール本体11の内側の上面部から堆肥材料を排除するように形成されていたが、本発明はこれに限られない。例えば、スクレーパー24がリブ12の上面部及び両側の側面部から堆肥材料を排除するように形成してもよく、レール本体11の両側の上面部から堆肥材料を排除するように形成してもよい。
【0070】
上記実施の形態では、スクレーパー24が枠体21に対して取り付け位置を調整可能に構成されていたが、本発明はこれに限られない。例えば、スクレーパー24が枠体21に対して旋回可能に構成されていてもよい。具体的には、枠体21の係止片21cから垂直な方向に延びるように固定されたボルトにスクレーパー24の係止片24aに設けられた貫通孔を挿通させて、ボルトの周りにスクレーパー24が回転するように構成してもよい。枠体21に対するスクレーパー24の傾きを調整し、枠体21のボルトにナットを締め付けることにより、枠体21に対してスクレーパー24を固定できる。
【0071】
上記実施の形態では、近接センサ25が走行台車20の長手方向に間隔を空けて2つ設けられていたが、本発明はこれに限られない。例えば、クレーン1が比較的軽量であるか、把持ユニット40が把持する堆肥材料の量が比較的少ない場合であれば、走行台車20に設けられる近接センサ25は1つであってもよい。また、走行台車20を段階的に減速させる必要があれば、近接センサ25を3つ以上設けるとよい。
【0072】
上記実施の形態では、構造体30が門型の構造体であったが、本発明はこれに限られない。構造体30は、例えば、アーチ型であってもよい。
【0073】
上記実施の形態では、グラブ41が開閉可能な一対の把持片41aを備えていたが、本発明はこれに限られない。例えば、油圧シリンダにより動作し、床面の堆肥材料をすくい上げることが可能なバケッドであってもよい。
【0074】
上記実施の形態では、複数の電動ウインチ42が各ケーブルを巻き取ることでグラブ41を上下させていたが、本発明はこれに限られない。例えば、グラブ41とブリッジ部材32とを伸縮可能なパイプで接続し、パイプを伸縮させる油圧シリンダをパイプに接続するように構成してもよい。
【0075】
上記実施の形態では、一対の近接センサ25の中間位置が目標とするピン部材13に一致するように走行台車20を停止させていたが、本発明はこれに限られない。例えば、一対の近接センサ25を以下のように用いてもよい。
【0076】
まず、走行台車制御部151は、図13(a)に示すように、進行方向前方側の近接センサ25が目標とする停止位置に対応するピン部材13を検知した時点で、モータ23の回転を制御して走行台車20を減速させる。この時点で、走行台車20は、モータ23の回転が停止し、図示しないブレーキを掛けた時点で停止する程度にまで減速される。
【0077】
次に、走行台車制御部151は、図4(b)に示すように、進行方向後方側の近接センサ25が停止位置に対応するピン部材13を検知した時点で、モータ23の回転を完全に停止させ、図示しないブレーキを掛け、走行台車20を目標とする停止位置に停止させる。これによりモータ23の回転を停止させた後も走行台車20が慣性の作用により走行を続け、実際の停止位置が目標とする停止位置からずれることを抑制できる。
【0078】
上記実施の形態では、堆肥材料の切り返しにクレーン1を用いていたが、本発明はこれに限られない。例えば、バンカーサイロから家畜の飼料を運び出し、自動給餌器に投入するためにクレーン1を用いてもよい。また、運搬対象の粒状物としては、堆肥材料、家畜の飼料といった農業用の資材に限られず、例えば、砂利、鉄鉱石、石炭のような工業用の資材であってもよい。
【0079】
上記実施の形態では、制御ユニット100の記憶部140に各種データが記憶されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種データは、その全部又は一部が通信ネットワークを介して外部のサーバやコンピュータ等に記憶されていてもよい。
【0080】
上記実施の形態では、制御ユニット100は、それぞれ記憶部140に記憶されたプログラムに基づいて動作していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、プログラムにより実現された機能的な構成をハードウェアにより実現してもよい。
【0081】
上記実施の形態では、制御ユニット100は、例えば、汎用コンピュータであったが、本発明はこれに限られない。例えば、制御ユニット100は、クラウド上に設けられたコンピュータで実現してもよい。
【0082】
上記実施の形態では、制御ユニット100が実行する処理は、上述の物理的な構成を備える装置が記憶部140に記憶されたプログラムを実行することによって実現されていたが、本発明は、プログラムとして実現されてもよく、そのプログラムが記録された記憶媒体として実現されてもよい。
【0083】
また、上述の処理動作を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical Disk)等のコンピュータにより読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理動作を実行する装置を構成してもよい。
【0084】
上記実施の形態は例示であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の趣旨を逸脱しない範囲でさまざまな実施の形態が可能である。実施の形態や変形例で記載した構成要素は自由に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した発明と均等な発明も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 クレーン
10 レール
10A 仕切り
11 レール本体
12 リブ
13 ピン部材
20 走行台車
21 枠体
21a,31a 板状部材
21b,31b 接続部材
21c,24a 係止片
21d,24b 貫通孔
22 車輪
22a 車輪本体
22b フランジ
22c,23a 歯車
23 モータ
24 スクレーパー
24c ボルト
25 近接センサ
25a アーム
30 構造体
31 柱状部材
32 ブリッジ部材
33 回転ドラム
40 把持ユニット
41 グラブ
41a 把持片
41b アーム
41c 支持部材
41d 油圧シリンダ
41e 油圧源
41f 押さえ板
42 電動ウインチ
100 制御ユニット
110 操作部
120 表示部
130 通信部
140 記憶部
141 変換テーブル
150 制御部
151 走行台車制御部
152 把持ユニット制御部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13