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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037341
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】水路用除塵構造
(51)【国際特許分類】
   E02B 5/08 20060101AFI20230308BHJP
【FI】
E02B5/08 104C
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144015
(22)【出願日】2021-09-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】506095696
【氏名又は名称】株式会社荒谷建設コンサルタント
(74)【代理人】
【識別番号】100105175
【弁理士】
【氏名又は名称】山広 宗則
(74)【代理人】
【識別番号】100105197
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 牧子
(72)【発明者】
【氏名】岩苔 宏
(72)【発明者】
【氏名】高木 周一
(72)【発明者】
【氏名】萬谷 昌毅
(72)【発明者】
【氏名】石田 康博
(72)【発明者】
【氏名】浅野 拓馬
(57)【要約】
【課題】水路の水流によって回転する回転力を利用して水路を流れる塵芥を良好に捕捉して排出する。
【解決手段】水路100の上流で斜め上方に向かって突出した円弧部11を有し塵芥を受け止める複数のスリットSが櫛状に形成され、上流側下端部12aが水路下部側に固定されたバースクリーン10と、バースクリーン10の下流側に設けられた円筒形状で、円周面から突出してスリットSに入り込み塵芥を上載する複数のツメ部22が形成され、水流によって回転するドラム20と、ドラム20下流側に設けられ樋状で幅方向に延びバースクリーン10から解放された塵芥を受けて幅方向に流す塵芥受30を備え、ドラム20のツメ部22の先端は、ドラム20の回転軸の真上から上流側真横まではスリットSよりも外方に突出するが、ドラム20の回転軸21の真上から下流側に回転した位置でスリットSよりも外方に突出しなくなるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水路の上流で斜め上方に向かって突出した円弧状の円弧部を有し、塵芥を受け止める複数のスリットが前記水路の幅方向に櫛状に形成され、上流側下端部が前記水路下部側に固定されたバースクリーンと、
前記バースクリーンに近接した下流側に設けられた円筒形状で、円周面から突出して前記バースクリーンのスリットに入り込み塵芥を上載する複数のツメ部が形成され、水流によってその上半部が前記水路の上流から下流に向かって回転軸の周りに回転するドラムと、
前記ドラムに近接した下流側に設けられ、樋状で前記幅方向に延び、前記バースクリーンの下流側端部から下流側に解放された塵芥を受けて前記幅方向に流す塵芥受を備え、
前記ドラムのツメ部の先端は、少なくとも、前記ドラムの回転軸の真上から上流側の真横までの間では、前記バースクリーンのスリットよりも外方に突出するが、前記ドラムの回転軸の真上から下流側に回転した位置で、前記バースクリーンのスリットよりも外方に突出しなくなるようにしたことを特徴とする水路用除塵構造。
【請求項2】
前記バースクリーンの円弧部の下流側にはさらに下流側に延びる延長部が連設され、前記ドラムのツメ部の先端の、前記バースクリーンのスリットからの突出量は、前記ドラムの回転軸の真上から下流側に回転するにしたがい徐々に減少してゼロになるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水路用除塵構造。
【請求項3】
前記塵芥受は前記幅方向に傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の水路用除塵構造。
【請求項4】
前記水路の水路底における前記ドラムの上流側に、水流を上向きに変える凸部を形成し、前記バースクリーンの上流側下端部を前記凸部に固定したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の水路用除塵構造。
【請求項5】
前記ドラムが設置された下流側の水路の水路底を、前記ドラムの上流側の水路の水路底よりも低くしたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の水路用除塵構造。
【請求項6】
前記塵芥受の上部に前記幅方向に延びるガイドレールと、前記ガイドレールに沿って前記幅方向に移動自在で前記塵芥受内の塵芥を前記幅方向の一方から他方に掻き出す塵芥排除部が設けられた台車を備えることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の水路用除塵構造。
【請求項7】
前記水路の水流によって回転して水を汲み上げる水車と、前記幅方向の他方側に昇降自在で水の注入口が設けられたウエイトと、前記水車で汲み上げられた水を前記ウエイトの注入口に送る搬送水路と、前記幅方向の一方側に設けられた昇降自在のバランサーと、前記ウエイトと前記バランサーを連結するとともに前記ウエイトと前記バランサーの間に前記台車についても連結するワイヤーを備え、
前記ウエイトに水が送られるにしたがって前記ウエイトは下降するとともに前記バランサーは上昇し、前記ワイヤーが前記幅方向の一方側から他方側に引かれ、それにともない前記台車が定位置の一方側から他方側に移動することで前記塵芥受内の塵芥が他方側に掻き出され、前記ウエイトが最下点まで下降すると前記ウエイト内の水が毀れて前記バランサーが下降するとともに前記ウエイトは上昇し、前記ワイヤーが前記幅方向の他方側から一方側に引かれ、それにともない前記台車が前記定位置に戻るようにしたことを特徴とする請求項6に記載の水路用除塵構造。
【請求項8】
前記ウエイトは、自立が不安定な形状で、前記最下点とする地面に到達した際には転んで水が毀れるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の水路用除塵構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水路用除塵構造に関する。より詳細には、水路の水流によって回転する回転力を利用して、水路を流れる塵芥を掻き揚げて排出する水路用除塵構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば水力発電に使用する水路には、その水路を流れてくる塵芥を除去するための除塵装置が設けられている。
従来の除塵装置には、水路の下流側に水車を設けると共に、その下流側にレーキを有する掻き揚げコンベアを設け、水車を水路の水流によって回転させ、その回転力で掻き揚げコンベアを周回させ、周回する掻き揚げコンベアのツメ部で水路を流れてくる塵芥を捕捉するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、水路に、水車とツメ部を持つ掻き揚げコンベアとスクリーンを設け、水車を水路の水流によって回転させ、その回転力で掻き揚げコンベアを周回させ、周回する掻き揚げコンベアのツメ部でスクリーンに付着した塵芥を捕捉するものも開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、ドラムに張り付いた塵芥をドラムの下流で水上に設置されたレーキで掻き取り、回転する掻寄装置で所定位置に掻き寄せるものも開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-84870号公報
【特許文献2】特開2014-31624号公報
【特許文献3】特開2006-307518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の除塵装置は、周回する掻き揚げコンベアのツメ部で水路を流れてくる塵芥を捕捉する構成であるため、掻き揚げコンベアの両側を流れる塵芥は捕捉することができない。
また、水車の上流側に掻き揚げコンベアを設けているので、掻き揚げコンベアによって水流の流量と流速が低下する。従って、水車を効果的に回転させることができず、その結果、掻き揚げコンベアも効率的に周回させることができず、塵芥を良好に捕捉することができない。
【0007】
また、特許文献2に記載の除塵装置は、周回する掻き揚げコンベアのツメ部でスクリーンに付着した塵芥を捕捉する構成であるため、スクリーンの前側(上流側)には掻き揚げコンベアの上昇する部分のみでなく、必然的に下降する部分も存在したいわゆる二重ベルト構造が形成される。そのため、下降するベルト部分のツメ部も塵芥を捕捉してしまい、掻き揚げコンベアとスクリーンの下端部との間に多量の塵芥が噛み込まれてしまう。その結果、掻き揚げコンベアの作動不良が発生し、塵芥を良好に捕捉することができない。
【0008】
さらに、特許文献3に記載の除塵装置は、ネット状のスクリーンとレーキとの間から塵芥がすり抜けるものであるので塵芥を良好に捕捉することができない。また、これはドラム内の塵芥を、水流を利用してドラムの側方から排出してドラム内に塵芥が蓄積することを防止するものであるので、ドラムの側方から排出された塵芥は下流に流されてしまう。
【0009】
そこで、本発明の目的とするところは、水路の水流によって回転する回転力を利用して水路を流れる塵芥を良好に捕捉して排出することのできる水路用除塵構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の水路用除塵構造は、水路(100)の上流で斜め上方に向かって突出した円弧状の円弧部(11)を有し、塵芥を受け止める複数のスリット(S)が前記水路(100)の幅方向に櫛状に形成され、上流側下端部(12a)が前記水路下部側に固定されたバースクリーン(10)と、
前記バースクリーン(10)に近接した下流側に設けられた円筒形状で、円周面から突出して前記バースクリーン(10)のスリット(S)に入り込み塵芥を上載する複数のツメ部(22)が形成され、水流によってその上半部が前記水路の上流から下流に向かって回転軸(21)の周りに回転するドラム(20)と、
前記ドラム(20)に近接した下流側に設けられ、樋状で前記幅方向に延び、前記バースクリーン(10)の下流側端部(13a)から下流側に解放された塵芥を受けて前記幅方向に流す塵芥受(30)を備え、
前記ドラム(20)のツメ部(22)の先端は、少なくとも、前記ドラム(20)の回転軸の真上から上流側の真横までの間では、前記バースクリーン(10)のスリット(S)よりも外方に突出するが、前記ドラム(20)の回転軸(21)の真上から下流側に回転した位置で、前記バースクリーン(10)のスリット(S)よりも外方に突出しなくなるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記バースクリーン(10)の円弧部(11)の下流側にはさらに下流側に延びる延長部(13)が連設され、前記ドラム(20)のツメ部(22)の先端の、前記バースクリーン(10)のスリット(S)からの突出量は、前記ドラム(20)の回転軸(21)の真上から下流側に回転するにしたがい徐々に減少してゼロになるようにしたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記塵芥受(30)は前記幅方向に傾斜していることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記水路(100)の水路底(101)における前記ドラム(20)の上流側に、水流を上向きに変える凸部(105)を形成し、前記バースクリーン(10)の上流側下端部(12a)を前記凸部(105)に固定したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記ドラム(20)が設置された下流側の水路(100)の水路底(102)を、前記ドラム(20)の上流側の水路(100)の水路底(101)よりも低くしたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記塵芥受(30)の上部に前記幅方向に延びるガイドレール(40)と、前記ガイドレール(40)に沿って前記幅方向に移動自在で前記塵芥受(30)内の塵芥を前記幅方向の一方から他方に掻き出す塵芥排除部(51)が設けられた台車(50)を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記水路(100)の水流によって回転して水を汲み上げる水車(60)と、前記幅方向の他方側に昇降自在で水の注入口(78)が設けられたウエイト(70)と、前記水車(60)で汲み上げられた水を前記ウエイト(70)の注入口(78)に送る搬送水路(80)と、前記幅方向の一方側に設けられた昇降自在のバランサー(90)と、前記ウエイト(70)と前記バランサー(90)を連結するとともに前記ウエイト(70)と前記バランサー(90)の間に前記台車(50)についても連結するワイヤー(W)を備え、
前記ウエイト(70)に水が送られると前記ウエイト(70)は下降するとともに前記バランサー(90)は上昇し、前記ワイヤー(W)が前記幅方向の一方側から他方側に引かれ、それにともない前記台車(50)が定位置の一方側から他方側に移動することで前記塵芥受(30)内の塵芥が他方側に掻き出され、前記ウエイト(70)が最下点まで下降すると前記ウエイト(70)内の水が毀れて前記バランサー(90)が下降するとともに前記ウエイト(70)は上昇し、前記ワイヤー(W)が前記幅方向の他方側から一方側に引かれ、それにともない前記台車(50)が前記定位置に戻るようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記ウエイト(70)は、自立が不安定な形状で、前記最下点とする地面に到達した際には転んで水が毀れるようにしたことを特徴とする。
【0018】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、水流によってドラムが回転するとドラムに設けられたツメ部がバースクリーンのスリットに入り込みバースクリーンで受け止められた塵芥を上載し、ツメ部の先端は、少なくとも、ドラムの回転軸の真上から上流側の真横までの間では、バースクリーンのスリットよりも外方に突出するが、ドラムの回転軸の真上から下流側に回転した位置で、バースクリーンのスリットよりも外方に突出しなくなるので、塵芥はバースクリーンから離され塵芥受に自動的に流される。
このように、本発明によれば、水路の水流によって自動的にドラムを回転させることで塵芥を良好に捕捉して排出することができる。
【0020】
また、本発明によれば、塵芥受は幅方向に傾斜しているので高い方から低い方に流れる水によって塵芥は円滑に排出される。
【0021】
また、本発明によれば、水路の水路底におけるドラムの上流側に、水流を上向きに変える凸部を形成し、バースクリーンの上流側下端部を凸部に固定したので、ドラムはその下半部に対して上半部が水路の上流側から下流側に向かって効率的に回転する。
【0022】
また、本発明によれば、ドラムが設置された下流側の水路の水路底を、ドラムの上流側の水路の水路底よりも低くしたので、これによってもドラムはその下半部に対して上半部が水路の上流側から下流側に向かってさらに効率的に回転する。
【0023】
また、本発明によれば、塵芥受の上部に幅方向に延びるガイドレールと、ガイドレールに沿って幅方向に移動自在で塵芥受内の塵芥を幅方向の一方から他方に掻き出す塵芥排除部が設けられた台車を備えるので、塵芥受内の塵芥を確実にしかも短時間で排出することができる。
【0024】
また、本発明によれば、ウエイトに水車で汲み上げられた水が搬送水路を介して送られるとウエイトは下降するとともにバランサーは上昇し、ワイヤーが幅方向の一方側から他方側に引かれ、それにともない台車が定位置の一方側から他方側に移動することで塵芥受内の塵芥が他方側に掻き出され、ウエイトが最下点まで下降するとウエイト内の水が毀れてバランサーが下降するとともにウエイトは上昇し、ワイヤーが幅方向の他方側から一方側に引かれ、それにともない台車が定位置に戻るようにしたので、水流の力だけで塵芥受内の塵芥を容易かつ確実に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る水路用除塵構造を示す概略側面図である。
図2】本発明の実施形態に係る水路用除塵構造を示す概略平面図である。
図3図1のA-A矢視図である。
図4図1のB-B矢視図である。
図5】本発明の実施形態に係る水路用除塵構造の要部を上流側から下流側に見た概略斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る水路用除塵構造の要部を下流側から上流側に見た概略斜視図である。
図7図6に示した台車とストッパーの関係を示す拡大側面図である。
図8】本発明の実施形態に係る水路用除塵構造の別態様のものを示す概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1乃至図7を参照して、本発明の実施形態に係る水路用除塵構造について説明する。図1及び図2は水路用除塵構造の概略側面図及び概略平面図であり、図3及び図5は上流側から見た図であり、図4及び図6は下流側から見た図である。
【0027】
本発明の実施形態に係る水路用除塵構造は、水力発電に使用する水路100などに設置して使用するものであり、水路100の上流側に設けられで塵芥を受け止める複数のスリットSが形成されたバースクリーン10と、バースクリーン10に近接した下流側に設けられた円筒形状でバースクリーン10のスリットSに入り込み塵芥を上載する複数のツメ部22が形成されたドラム20と、ドラム20に近接した下流側に設けられた樋状の塵芥受30を備えている。
また、塵芥受30の上部にガイドレール40と、ガイドレール40に沿って移動自在で塵芥受30内の塵芥を掻き出す塵芥排除部51が設けられた台車50を備えている。また、ドラム20の上流側には台車50を移動させるために利用される水を汲み上げる水車60が設けられている。
【0028】
なお、図3ではドラム20よりも下流側に設けられたガイドレール40及び台車50については図示を省略した。また、図4乃至図6ではドラム20よりも上流側に設けられた水車60については図示を省略した。
【0029】
バースクリーン10は、水路100に固定されるもので、水路100の上流で斜め上方に向かって突出した円弧状の円弧部11と、その円弧部11の上流側端部から上流側下方向に斜めに延びる(下方向に垂直に延びるものであってもよい)上流側延長部12と、円弧部11の下流側端部から下流側下方向に斜めに延びる(下流側に水平に延びるものであってもよい)下流側延長部13を有していて、これら全体にわたって塵芥を受け止める複数のスリットSが水路100の幅方向に櫛状に形成されている。スリットSは縦方向に、すなわち上下流方向に平行に形成されたもので、このスリットSおよびその周囲で塵芥を受け止めると共に、スリットSを通して水を下流側に流す。
【0030】
上流側延長部12の上流側下端部12aは、水路100の下部側に固定されている。ここでは、水路100の水路底101におけるドラム20の上流側に、水流を上向きに変える凸部105が形成され、上流側下端部12aは、凸部105の上面に金具110を介して固定されている。
【0031】
ドラム20は、水路100の幅方向に延びる回転軸21の周りに回転するもので、水流によってその上半部が水路100の上流側から下流側に向かって回転するようにされている。ドラム20の上流側に設けられた凸部105によって上向きに変えられた水流によってドラム20は、図1に示すように時計周りに回転する。
なお、ドラム20が設置された下流側の水路100の水路底102を、ドラム20の上流側の水路100の水路底101よりも低くすることで上流側から上向きの水流がドラム20の上半部にあたり効率的にドラム20が回転するようにしている。
【0032】
ドラム20には、ドラム20から径方向外方に向かって突出してバースクリーン10のスリットSに入り込み塵芥を上載する複数のツメ部22が形成されている。ツメ部22は、その先端が少なくとも、ドラム20の回転軸の真上から上流側の真横までの間では、バースクリーン10のスリットSよりも外方に突出するが、ドラム20の回転軸21の真上から下流側に回転した位置で、バースクリーン10のスリットSよりも外方に突出しなくなるようになっている。ここでは、ツメ部22のバースクリーン10のスリットSからの突出量は、ドラム20が回転軸21の真上から下流側に回転するにしたがい徐々に減少して最終的にゼロになるようにしている。
【0033】
ツメ部22の数やドラム20に対する配置や形状は特に限定されるものではなくバースクリーン10に引っ掛かった塵芥を上載してバースクリーン10から外すものであればよい。例えば一つのスリットSには少なくともツメ部22が一つ入り込むようにしても、一つおきのスリットSにツメ部22が入り込むようにしてもよい。ここでは、隣接するツメ部22を、図1に示すようにドラム20の回転軸21を中心に180度異なる位置にしてスリットS毎にツメ部22を一つ設けるようにしたがどのような態様でもよい。
本実施形態ではスリットSの幅は1.5~2cmの範囲で幅方向にスリットSを30個設けるようにした。
【0034】
塵芥受30は、水路100の幅方向に延びバースクリーン10の下流側延長部13の下流側端部13aから下流側に解放された塵芥を受けて幅方向の一方側(図4では左側)から他方側(図4では右側)に流すようになっている。塵芥受30は、塵芥を流す他方側の方を一方側よりも低くなるように若干傾斜している。塵芥受30の底部31は、下流側延長部13の下流側端部13aよりも低く、底部31からバースクリーン10の下流側延長部13の下流側端部13aの上端に延びる傾斜部32が形成されている。また底部31から下流側上方に傾斜する傾斜部33も形成され、確実に塵芥を受けて幅方向の他方側に流すようにしている。
【0035】
ガイドレール40は、塵芥受30の真上において塵芥受30と同様に水路100の幅方向に延びる。その幅方向の長さは塵芥受30よりも長く幅方向の一方側及び他方側に突出するように延びている。
【0036】
台車50は、ガイドレール40の下部にはガイドレール40に沿って幅方向に移動自在に取付けられている。台車50に設けられた塵芥排除部51は、下端部が幅方向の他方側に曲がった断面L字形状で台車50の移動により塵芥受30から塵芥を幅方向の他方側に排出するようになっている。
【0037】
台車50は、図4に示すように、水路100の幅方向に延びるワイヤーWに連結されていて、ワイヤーWの幅方向の他方側の端部にはウエイト70が連結され、幅方向の一方側の端部にはバランサー90が連結されている。
ワイヤーWは、他方側では、ガイドレール40に沿って幅方向の他方側に設けられた第一滑車71、そして第一滑車71から高い位置に並列して設けられた第二滑車72及び第三滑車73に巻かれた後、ウエイト70に連結されている。逆にワイヤーWは、一方側では、ガイドレール40に沿って幅方向の一方側に設けられた第四滑車74、そして第四滑車74から高い位置に並列して設けられた第五滑車75及び第六滑車76に巻かれた後、バランサー90に連結されている。
【0038】
ウエイト70は、下向きに頂部を有する三角錐状で自立が不安定な形状となっている。またその上面は開口して水の注入口78となっている。またウエイト70は、第三滑車73下部の上位置(図4では実線で示した)から地面(最下点)の下位置(図4では二点鎖線で示した)まで昇降自在となっている。さらにウエイト70の頂部は丸みを帯び(角部でもよい)、ウエイト70が地面(床面)に到達すると転んで注入口78から注入された水が毀れるようになっている。ウエイト70の定位置は実線で示した上位置である。
【0039】
バランサー90は、下位置に到達したウエイト70を上位置まで戻すための重りであり、第六滑車76下部の上位置(図4では二点鎖線で示した)から最下点の下位置(図4では実線で示した)まで昇降自在となっている。バランサー90の定位置は実線で示した下位置である。バランサー90は下位置において地面(床面)に到達しても地面から浮いた状態であってもよい。
【0040】
ウエイト70の注入口78には、水車60で汲み上げられた水が搬送水路80を通じて自動的に送られるようになっている。
水車60は、ほぼ全体が水の中に浸かったドラム20とは異なり高い位置に設けられている。水車60は、バースクリーン10よりも水路100の上流側で下半部側だけが水路100内に浸かり、ドラム20とは逆向きに、すなわち上半部が下流側から上流側に回転するようになっている(図1では反時計周りに回転する)。水車60には周方向に所定間隔で水汲み用の桶61が設けられ、水車60が回転すると下側で桶61に水が入り、上側で桶61から水が出て搬送水路80に流されるようにしている。
【0041】
搬送水路80は上流側から下流側に向かって低くなるように傾斜していて水車60の水汲み用の桶61で汲み上げられた水は、下流側に流れてウエイト70の注入口78に注がれるようになっている。
【0042】
ウエイト70の注入口78から水が注がれるとウエイト70は重くなりウエイト70は下降するとともにバランサー90は下位置から上昇し、ワイヤーWが水路100の幅方向の一方側から他方側に引かれ、それにともない台車50が定位置の一方側から他方側に移動することで塵芥受30内の塵芥が台車50に設けられた塵芥排除部51で他方側に掻き出される。塵芥受30から水路100の幅方向の他方側に掻き出された塵芥は、図2に示すように、余水路200の上に落下して外部に流され回収されるようになっている。なお、塵芥受30から掻き出された塵芥をその場で受けて集め回収するようにしてもよい。
【0043】
ウエイト70の注入口78から水が注がれることでウエイト70が最下点の地面(床面)まで下降するとウエイト70は転んで内部の水が毀れてバランサー90が下降するとともにウエイト70は上昇し、ワイヤーWが水路100の幅方向の他方側から一方側に引かれ、それにともない台車50が定位置に戻るようになっている。
【0044】
なお、ここではガイドレール40の一方側にはストッパー41が設けられ、ウエイト70の注入口78から注がれる水の量が一定量を超えるとウエイト70は急激に(一気に)下降するようにされ、また、台車50が水路100の幅方向の他方側から一方側に戻る際にはストッパー41にあたって衝撃が緩和されるようにしている。台車50とストッパー41の関係を、図7を参照して説明する。
【0045】
台車50が定位置にあるときには、台車50の下流側側面から下流側に延びるバー52は、ストッパー41を構成する基台42の上部に設けられた断面L字状の受け板43の一方側(水路100の幅方向の一方側)に位置している(図7(a))。
受け板43は、垂直板部43aと一方側に延びる水平板部43bからなり、垂直板部43aの他方側が水平方向に伸縮するバネ材44で基台42の上部に設けられた第一支持部45に連結され、また水平板部43bの下側が上下方向に伸縮するバネ材46で基台42の一方側側面部に設けられた第二支持部47に連結されている。
【0046】
そして、ウエイト70の注入口78から水が注がれてウエイト70が下がるにしたがって台車50が定位置から水路100の幅方向の他方側に引かれて移動すると、台車50のバー52が受け板43に当接する。台車50のバー52が受け板43に当接するとその力により受け板43は他方側に向かって回転しようとする。すなわち、受け板43の垂直板部43aは他方側に下がり水平板部43bは上昇するように回転しようとする(図7(b))。
ここで受け板43はバネ材44,46によって支持されているので、ウエイト70の注入口78から注がれる水の量が一定量になるまでは受け板43は他方側に向かって完全には回転することはなく台車50のバー52は受け板43から他方側に離れることはないが、ウエイト70の注入口78から注がれる水の量が一定量を超えると、受け板43が他方側に向かって完全に回転して、台車50のバー52は受け板43から他方側に離れてストッパー41よりも他方側に位置する(図7(c))。このとき、受け板43はバネ材44,46のはたらきによって図7(a)に示したような元の位置に戻される。
台車50のバー52が受け板43から他方側に離れると、ウエイト70は急激に(一気に)下降して、台車50が水路100の幅方向の一方側から他方側に勢いよく移動することで台車50に設けられた塵芥排除部51で塵芥受30内の塵芥が他方側に掻き出される。
【0047】
次にウエイト70が最下点の地面(床面)まで下降して転んで内部の水が毀れるとバランサー90が下降するとともにウエイト70は上昇し、ワイヤーWが水路100の幅方向の他方側から一方側に引かれ、それにともない台車50が定位置に戻るように他方側から一方側に移動すると(図7(c))、台車50のバー52が受け板43の垂直板部43aの他方側に当接して受け板43が一方側に向かって回転する(図7(d))。このとき、受け板43の垂直板部43aは一方側に下がり水平板部43bは下降するように回転する。そして台車50のバー52が受け板43よりも一方側に移動すると受け板43はバネ材44,46のはたらきによって図7(a)に示したような元の位置に戻される。
【0048】
このように、台車50のバー52が受け板43に当接することでバネ材44,46が収縮して衝撃が緩和されるようになっている。
【0049】
なお、台車50に設けられた塵芥排除部51は、上部を支点として下部側が他方側に上昇するように回転可能であるが一方側には回転しないようにされている。そのため、台車50が水路100の幅方向の他方側から一方側に移動するときに塵芥排除部51の一方側に塵芥が残っていたとしても塵芥排除部51は、図7(c)に示す点線のように下部が他方側に浮き上がるように回転するので塵芥が塵芥受30内で一方側に運ばれることが防止されるようにしている。
【0050】
以上のように構成された水路用除塵構造によれば、水流によってドラム20が回転するとドラム20に設けられたツメ部22がバースクリーン10のスリットSに入り込みバースクリーン10で受け止められた塵芥を上載する。
そして、ドラム20のツメ部22の先端は、バースクリーン10のスリットSよりも外方に突出するが、ドラム20の回転軸21の真上から下流側に回転した位置で外方に突出しなくなるようになるので、塵芥はバースクリーン10から離され塵芥受30に流される。
塵芥受30に流された塵芥は、台車50が移動することによって塵芥排除部51で水路100の幅方向の一方から他方に掻き出されて余水路200に落下して外部に排出されるようになっている。
なお、水位が上がってバースクリーン10の最上端よりも高くなると塵芥はそのまま塵芥受30に流された後、余水路200に落下して外部に排出される。
このように、本実施形態の水路用除塵構造によれば、水路100の水流によって自動的にドラム20を回転させることで塵芥を良好に捕捉して排出することができる。
【0051】
なお、本実施形態では水車60で汲み上げた水をウエイト70に注いでウエイト70を降下されることで台車50を移動させるようにしたが、ポンプ(図示しない)で水を汲み上げてウエイト70に送水するようにしてもよい。これによれば、水車60や搬送水路80を省略することができる。
【0052】
また、塵芥受30に流された塵芥を台車50の塵芥排除部51で掻き出し余水路200に落下するようにしたが、塵芥受30の傾斜を利用して水路100の水流で塵芥を余水路200側に落下するようにすることもできる。この場合、台車50を移動させるための装置、すなわち、ガイドレール40,水車60,ウエイト70,搬送水路80,バランサー90,ワイヤーW,ストッパー41,複数の滑車71~76は不要となる。
また、ストッパー41を設けてウエイト70の注入口78から注がれる水の量が一定量を超えるとウエイト70は急激に(一気に)下降するようにして塵芥排除部51による掻き出しを勢いよくするようにしたが、ストッパー41を設けることなく、ウエイト70の注入口78から注がれる水の量にしたがってウエイト70を徐々に落下させ、これに対応して塵芥排除部51による掻き出しを徐々に行うようにすることもできる。
【0053】
また、水路100に凸部105を設け上向きに変えられた水流でドラム20を、図1に示すように時計周りに効率的に回転するようにしたが、ドラム20を図1に示すように時計周りに回転させられる構造であればどのようなものであってもよい。
また、塵芥受30を水路100の幅方向の一方向を高く,他方向を低くなるように傾斜させたが、塵芥受30を水平にして台車50の塵芥排除部51で掻き出すようにしてもよく、また、台車50を使用しない場合、水流だけで塵芥受30内の塵芥が水路100の幅方向の一方向あるいは他方向のいずれから外方に排出されるようにしてもよい。
【0054】
なお、本実施形態に係る水路用除塵構造の別態様のものを図8に示した。
図8に示したものでは、バースクリーン10は円弧状の円弧部11を有しているが、その上流側の延長部14は水平で上流側に向かって延びている。また、下流側の延長部15も水平に下流側に向かって延びている。
また水路100は、上流からバースクリーン10の手前まで水路底101が徐々に下がるように傾斜し、バースクリーン10の下部では水平の水路底102となっている。その水路底が切り替わるところには上流か下流にかけて上昇する傾斜台111が設けられ、これにより水流を上向きにしてドラム20を時計周り(図8)に回転させるようにしている。この傾斜台111の上部にバースクリーン10の上流側端部14aが金具112を介して取付けられている。また、バースクリーン10の下流側端部15aは塵芥受30の下面に固定されている。
【0055】
またドラム20には、バースクリーン10のスリットSに対応してツメ部22が設けられ、周方向にツメ部22取付用の台座23が22.5度(°)の間隔で16個設けられ、様々の位置に取付けられるようになっている。ここでは、90度(°)の間をあけて2本のツメ部22を設けた場合を示している。
また塵芥受30は、断面L字形状で水平部と垂直部を有していて、水平部は水面よりも下側に位置するようにして、塵芥を水の流れによって受け止められるようにしている。
また台車50に設けられた塵芥排除部51は、断面L字形状のものではなく板状のものを使用している。各種滑車71~76は、架台150の上部に設置されている。
また水車60には均等に12個の桶61が設けられたものを示している。
【符号の説明】
【0056】
10 バースクリーン
11 円弧部
12 延長部(上流側延長部)
12a 上流側下端部
13 延長部(下流側延長部)
13a 下流側端部
14 延長部(上流側延長部)
14a 上流側端部
15 延長部(下流側延長部)
15a 下流側端部
20 ドラム
21 回転軸
22 ツメ部
23 台座
30 塵芥受
31 底部
32 傾斜部
33 傾斜部
40 ガイドレール
41 ストッパー
42 基台
43 受け板
43a 垂直板部
43b 水平板部
44 バネ材
45 第一支持部
46 バネ材
47 第二支持部
50 台車
51 塵芥排除部
52 バー
60 水車
61 桶
70 ウエイト
71 第一滑車
72 第二滑車
73 第三滑車
74 第四滑車
75 第五滑車
76 第六滑車
78 注入口
80 搬送水路
90 バランサー
100 水路
101 水路底
102 水路底
105 凸部
110 金具
111 傾斜台
112 金具
150 架台
200 余水路
S スリット
W ワイヤー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水路の上流で斜め上方に向かって突出した円弧状の円弧部を有し、塵芥を受け止める複数のスリットが前記水路の幅方向に櫛状に形成され、上流側下端部が前記水路下部側に固定されたバースクリーンと、
前記バースクリーンに近接した下流側に設けられた円筒形状で、円周面から突出して前記バースクリーンのスリットに入り込み塵芥を上載する複数のツメ部が形成され、水流によって回転軸の周りに回転するドラムと、
前記水路の水路底における前記ドラムの上流側に形成され、水流を上向きに変える凸部と、
前記ドラムに近接した下流側に設けられ、樋状で前記幅方向に延び、前記バースクリーンの下流側端部から下流側に解放された塵芥を受けて前記幅方向に流す塵芥受を備え、
前記ドラムのツメ部の先端は、少なくとも、前記ドラムの回転軸の真上から上流側の真横までの間では、前記バースクリーンのスリットよりも外方に突出するが、前記ドラムの回転軸の真上から下流側に回転した位置で、前記バースクリーンのスリットよりも外方に突出しなくなるようにしたことを特徴とする水路用除塵構造。
【請求項2】
前記バースクリーンの円弧部の下流側にはさらに下流側に延びる延長部が連設され、前記ドラムのツメ部の先端の、前記バースクリーンのスリットからの突出量は、前記ドラムの回転軸の真上から下流側に回転するにしたがい徐々に減少してゼロになるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の水路用除塵構造。
【請求項3】
前記塵芥受は前記幅方向に傾斜していることを特徴とする請求項1又は2に記載の水路用除塵構造。
【請求項4】
前記バースクリーンの上流側下端部を前記凸部に固定したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の水路用除塵構造。
【請求項5】
前記ドラムが設置された下流側の水路の水路底を、前記ドラムの上流側の水路の水路底よりも低くしたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一つに記載の水路用除塵構造。
【請求項6】
前記塵芥受の上部に前記幅方向に延びるガイドレールと、前記ガイドレールに沿って前記幅方向に移動自在で前記塵芥受内の塵芥を前記幅方向の一方から他方に掻き出す塵芥排除部が設けられた台車を備えることを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載の水路用除塵構造。
【請求項7】
前記水路の水流によって回転して水を汲み上げる水車と、前記幅方向の他方側に昇降自在で水の注入口が設けられたウエイトと、前記水車で汲み上げられた水を前記ウエイトの注入口に送る搬送水路と、前記幅方向の一方側に設けられた昇降自在のバランサーと、前記ウエイトと前記バランサーを連結するとともに前記ウエイトと前記バランサーの間に前記台車についても連結するワイヤーを備え、
前記ウエイトに水が送られるにしたがって前記ウエイトは下降するとともに前記バランサーは上昇し、前記ワイヤーが前記幅方向の一方側から他方側に引かれ、それにともない前記台車が定位置の一方側から他方側に移動することで前記塵芥受内の塵芥が他方側に掻き出され、前記ウエイトが最下点まで下降すると前記ウエイト内の水が毀れて前記バランサーが下降するとともに前記ウエイトは上昇し、前記ワイヤーが前記幅方向の他方側から一方側に引かれ、それにともない前記台車が前記定位置に戻るようにしたことを特徴とする請求項6に記載の水路用除塵構造。
【請求項8】
前記ウエイトは、自立が不安定な形状で、前記最下点とする地面に到達した際には転んで水が毀れるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の水路用除塵構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の水路用除塵構造は、水路(100)の上流で斜め上方に向かって突出した円弧状の円弧部(11)を有し、塵芥を受け止める複数のスリット(S)が前記水路(100)の幅方向に櫛状に形成され、上流側下端部(12a)が前記水路下部側に固定されたバースクリーン(10)と、
前記バースクリーン(10)に近接した下流側に設けられた円筒形状で、円周面から突出して前記バースクリーン(10)のスリット(S)に入り込み塵芥を上載する複数のツメ部(22)が形成され、水流によって回転軸(21)の周りに回転するドラム(20)と、
前記水路(100)の水路底(101)における前記ドラム(20)の上流側に形成され、水流を上向きに変える凸部(105)と、
前記ドラム(20)に近接した下流側に設けられ、樋状で前記幅方向に延び、前記バースクリーン(10)の下流側端部(13a)から下流側に解放された塵芥を受けて前記幅方向に流す塵芥受(30)を備え、
前記ドラム(20)のツメ部(22)の先端は、少なくとも、前記ドラム(20)の回転軸の真上から上流側の真横までの間では、前記バースクリーン(10)のスリット(S)よりも外方に突出するが、前記ドラム(20)の回転軸(21)の真上から下流側に回転した位置で、前記バースクリーン(10)のスリット(S)よりも外方に突出しなくなるようにしたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、本発明は、前記バースクリーン(10)の上流側下端部(12a)を前記凸部(105)に固定したことを特徴とする。