(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037372
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】ブロック
(51)【国際特許分類】
E02B 5/02 20060101AFI20230308BHJP
F16L 5/02 20060101ALI20230308BHJP
F16L 5/00 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
E02B5/02 H
F16L5/02 D
F16L5/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144074
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】591047327
【氏名又は名称】大和クレス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107917
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 英俊
(72)【発明者】
【氏名】馬場 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松永 啓嗣
(57)【要約】
【課題】 下部分と、下部分に取り付けられる上部分と、を備えてなり、管を貫通孔に貫入し管につば状に取り付けられるブロックを好ましい配置向きに下部分を配置した後、その配設された下部分に、ある程度の範囲の傾きの管を自由に配設できるブロックを提供する。
【解決手段】下部分と、下部分に取り付けられる上部分と、を備えてなり、流体が流通する流路を内部に有する管と、該管を上面が支持する支持板と、が貫通する貫通孔を有し、該管及び該支持板を該貫通孔に貫入し該管及び該支持板につば状に取り付けられるブロックを構成する該下部分であって、上部分と面する互いに離れた一対の下部分当接面と、該管が該貫通孔を貫通する方向である貫通方向から見て一対の下部分当接面同士の間に、下部分に取り付けられる上部分から遠ざかるように凹んだ該貫通孔の少なくとも一部を構成する下部分凹部と、を有してなるものである、ブロックを構成する該下部分である。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部分と、下部分に取り付けられる上部分と、を備えてなり、流体が流通する流路を内部に有する管と、該管を上面が支持する支持板と、が貫通する貫通孔を有し、該管及び該支持板を該貫通孔に貫入し該管及び該支持板につば状に取り付けられるブロックを構成する該下部分であって、
上部分と面する互いに離れた一対の下部分当接面と、該管が該貫通孔を貫通する方向である貫通方向から見て一対の下部分当接面同士の間に、下部分に取り付けられる上部分から遠ざかるように凹んだ該貫通孔の少なくとも一部を構成する下部分凹部と、を有してなるものである、ブロックを構成する該下部分。
【請求項2】
下部分凹部が、貫通方向から見て長方形状に略形成されているものである、請求項1に記載の前記下部分。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の前記下部分と、一対の下部分当接面に当接する上部分当接面を有する前記上部分と、を備えてなる、ブロック。
【請求項4】
上部分当接面が、一対の下部分当接面それぞれに当接する互いに離れた2の部分を含んでなり、
上部分が、貫通方向から見て該2の部分の間に、上部分に取り付けられる下部分から遠ざかるように凹んだ前記貫通孔の少なくとも一部を構成する上部分凹部を有してなるものである、請求項3に記載のブロック。
【請求項5】
上部分が、一対の下部分当接面近傍の下部分凹部の端部から下部分凹部中心方向に張り出す張り出し面を有するものである、請求項4に記載のブロック。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか1に記載のブロックと、
下部分凹部に少なくとも下面が収容され、前記貫通孔を貫通する前記支持板と、
該支持板の上面に支持され、前記貫通孔を貫通する前記管と、
を含んでなる、ブロック取り付け構造。
【請求項7】
上部分当接面が、一対の下部分当接面それぞれに当接する互いに離れた2の部分を含んでなり、
上部分が、貫通方向から見て該2の部分の間に、上部分に取り付けられる下部分から遠ざかるように凹んだ前記貫通孔の少なくとも一部を構成する上部分凹部を有してなり、
前記管が、上部分凹部に少なくとも一部が収容されるものである、請求項6に記載のブロック取り付け構造。
【請求項8】
前記支持板の前記貫通孔を貫通する部分全てが下部分凹部に収容されているものである、請求項7に記載のブロック取り付け構造。
【請求項9】
上部分が、一対の下部分当接面近傍の下部分凹部の端部から下部分凹部中心方向に張り出す張り出し面を有し、
前記支持板の前記貫通孔を貫通する部分が該張り出し面に当接又は近接するものである、請求項8に記載のブロック取り付け構造。
【請求項10】
前記支持板が、貫通方向に平行な鉛直平面に交わる回動軸を中心に前記ブロックに対して回動可能に取り付けられるものである、請求項6乃至8のいずれか1に記載のブロック取り付け構造。
【請求項11】
前記回動を所定の回動位置において禁止する回動禁止手段を有するものである、請求項10に記載のブロック取り付け構造。
【請求項12】
回動禁止手段は、一方向への前記回動により下部分に近づく前記支持板に取り付けられた当接部分が下部分に当接することにより更なる該一方向への回動を禁止するものである、請求項11に記載のブロック取り付け構造。
【請求項13】
回動禁止手段は、一方向への前記回動により下部分に近づく当接部分と、他方向への前記回動により下部分に近づく当接部分と、を有し、これら両当接部分が下部分に当接することで前記回動を禁止するものである、請求項12に記載のブロック取り付け構造。
【請求項14】
前記両当接部分が下部分凹部の底面に当接することで前記回動を禁止するものである、請求項13に記載のブロック取り付け構造。
【請求項15】
前記当接部分は、前記支持板に対して進退可能に配設された部材の先端である、請求項12乃至14のいずれか1に記載のブロック取り付け構造。
【請求項16】
前記支持板は、前記支持板の両主表面を連通させ、下部分凹部と前記支持板とを接着する接着材を注入する注入口が形成されているものである、請求項10乃至15のいずれか1に記載のブロック取り付け構造。
【請求項17】
請求項10乃至15のいずれか1に記載のブロック取り付け構造の形成方法であって、下部分に取り付けられた前記支持板の前記回動位置を調節する回動位置調節ステップを含んでなる、形成方法。
【請求項18】
回動位置調節ステップの後、前記回動を所定の回動位置において固定する回動固定ステップを含んでなる、請求項17に記載の形成方法。
【請求項19】
回動固定ステップが、前記支持板が有する当接部分が下部分に当接することを含むものである、請求項18に記載の形成方法。
【請求項20】
回動固定ステップが、下部分凹部と前記支持板とを接着することを含むものである、請求項18又は19に記載の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックに関し、より詳細には、下部分と、下部分に取り付けられる上部分と、を備えてなり、流体が流通する流路を内部に有する管が貫通する貫通孔を有し、該管を該貫通孔に貫入し該管につば状に取り付けられるブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
以前から、下部分と、下部分に取り付けられる上部分と、を備えてなり、流体が流通する流路を内部に有する管が貫通する貫通孔を有し、該管を該貫通孔に貫入し該管につば状に取り付けられるブロック(以下説明する止水ブロック307)が用いられてきた。
図1(a)は、堤体底部301aに底樋管10が埋設された堤体301の概略断面図を示し、
図1(b)は
図1(a)の点線R部の拡大図を示している。そして、
図2は、
図1(a)及び(b)に示した止水ブロック307周辺(止水ブロック307、基礎コンクリート391及び底樋管10を示す。)を示す斜視図である。
図1及び
図2を参照し、従来の止水ブロック307について説明する。以下、説明及び理解を容易にするため、互いに直交する3軸であるX軸、Y軸及びZ軸を用い、それらの方向を図中にX、Y及びZとして示す。
図1(a)に示すように、堤体301は、ため池302の外縁に沿って、外部の地表部分303とため池302との間に配置されている。堤体301は、断面略台形状で構成されている。ため池302の水面302aより堤体301の堤体天端301bは高く、地表部分303は水面302aより低い。
底樋管10は、堤体301を貫通するように堤体底部301aに埋設されており、ため池302の水を堤体301の外部へ導水する管路を構成する。
断面略台形状で構成された堤体301は、
図1(a)及び(b)に示すように、河床堆積物で主として構成された堤体底部301aと、堤体底部301aの上部の盛土305とを含んでなる。ため池302側の堤体301の斜面には、ため池302の水の侵入を防止する遮水層306(粘性土で構成されている)が設けられている。
【0003】
止水ブロック307は、底樋管10が貫通した状態でつば状(底樋管10の外面から放射状に突出するフランジ形状)に配設されている。止水ブロック307は、底樋管10の外面に沿った(底樋管10の長手方向の)水の流れ(水みち)やそれに伴う土砂の流出を減少又は防止するためのコンクリート製壁体であり、止水ブロック307の周囲はそれを構築した際の埋め戻し土308で囲われている。
堤体301の堤体底部301aには、堤体301を横断する底樋管10が設けられている。ため池302側の底樋管10の端部には取水部360が設けられ、地表部分303側の底樋管10の端部には出水部である外部水路361が設けられており、底樋管10は、取水部360が取水したため池302の水を底樋管10の内部空間たる導通空間10cを通じて外部水路361まで導水する。
そして、取水部360から外部水路361まで導水する底樋管10は、底樋管10に沿って配設された板状の基礎コンクリート391により支持されている。詳細には、基礎コンクリート391は、その上面(平面に沿っている)が下方から底樋管10の下面に当接することで底樋管10を支持する。
【0004】
特に
図2に示すように、詳細には、止水ブロック307は、下部分311と、上部分331と、追加部分351と、を含んでなるが、追加部分351は必須の要素ではなく、必要な場合に付加されものである。
下部分311は、直方体形状(該直方体の4辺はX軸に略平行である)を略なす。下部分311の第1外面315aには、下部分311と上部分331とを連結するための連結金具316が取り付けられており(後述の連結金具332aと連結金具316との間をボルト等で連結して下部分311と上部分331とを連結する)、これと同様に第2外面315bにも連結金具316が取り付けられている(特に
図4参照)。
【0005】
上部分331は、X軸に垂直な平面により一対の上部分第1部331a及び上部分第2部331bに分断されており(上部分第1部331a及び上部分第2部331bは、一対の連結金具332c同士の間を連結ボルト(不図示)で連結することで連結する。)、上部分331全体では後述の切り欠き部分337を除き、全体としては直方体形状(該直方体の4辺はX軸に略平行である)を略なしている。下部分311の上面313に上部分331の下面336が面する。上部分331は、下面336から上方に向けて入り江状に切り欠かれることで形成された切り欠き部分337(上部分331のX軸方向に関しほぼ中央に位置し、上部分第1部331aの切り欠き部分と上部分第2部331bの切り欠き部分とが合わさって形成されている。)を有し、底樋管10は切り欠き部分337を貫通している。
上部分331の第1外面338aには、下部分311と上部分331とを連結するための連結金具332aが取り付けられており(前述の連結金具316と連結金具332aとの間をボルト等で連結して下部分311と上部分331とを連結する)、これと同様に第2外面338bにも連結金具が取り付けられている。上部分331の第1外面338aには、追加部分351と上部分331とを連結するための連結金具332bが取り付けられており(後述の連結金具356と連結金具332bとの間をボルト等で連結して追加部分351と上部分331とを連結する)、これと同様に第2外面338bにも連結金具が取り付けられている。
【0006】
追加部分351は、直方体形状(該直方体の4辺はX軸に略平行である)を略なし、その下面352が上部分331の上面339に面するように取り付けられている。追加部分351は必須の要素ではなく、上部分331の上面339より上方においても止水を要する場合に付加的に取り付けられる。
追加部分351の第1外面358aには、追加部分351と上部分331とを連結するための連結金具356が取り付けられており(前述の連結金具332bと連結金具356との間をボルト等で連結して追加部分351と上部分331とを連結する)、これと同様に第2外面358bにも連結金具が取り付けられている。
【0007】
かかる止水ブロック307には、板状の基礎コンクリート391が固定されている。基礎コンクリート391は、後述の如く、一方基礎コンクリート391p1と他方基礎コンクリート391p2とに止水ブロック307により分断されている。一方基礎コンクリート391p1及び他方基礎コンクリート391p2のいずれもここでは高さ(厚み)が小さい直方体形状をなしており、該直方体が有する4辺はX軸に略平行になっている。一方基礎コンクリート391p1の上面と他方基礎コンクリート391p2の上面と下部分311の上面313とは、真っ直ぐに延びる底樋管10の底面10bが載置され底面10bを連続して支持することができるように、同一平面(以下「載置平面」という。)に属する。このように一方基礎コンクリート391p1の上面と他方基礎コンクリート391p2の上面とにより基礎コンクリート391の上面391aが形成される。載置平面はX軸に略平行であるが、載置平面とZ軸とがなす角はここでは90度ではない。該なす角は、切り欠き部分337を貫通する底樋管10の底面10bに載置平面がうまく沿うよう(一方基礎コンクリート391p1の上面と他方基礎コンクリート391p2の上面と下部分311の上面313とが底面10bに連続して当接するよう)、底樋管10が切り欠き部分337を貫通する方向である貫通方向(点線W)に合わせて決定される。基礎コンクリート391(一方基礎コンクリート391p1、他方基礎コンクリート391p2)は、止水ブロック307が配設される現場にてコンクリートを打設し形成される。基礎コンクリート391(一方基礎コンクリート391p1、他方基礎コンクリート391p2)の下面391bは、埋め戻された土の表面により支持される。
【0008】
水平なY軸方向に対して所定の勾配(
図1(a)及び(b)においては、左側よりも右側が低くなる)を持つ直線(以下「勾配直線」という)に沿って真っ直ぐに延びる底樋管10が、基礎コンクリート391(一方基礎コンクリート391p1、他方基礎コンクリート391p2)の上面391a及び下部分311上面313に載置され、切り欠き部分337を貫通している。底樋管10の底面10bは一平面に沿って形成されているので、基礎コンクリート391の上面391a及び下部分311上面313に沿うように載置されている。上部分331の切り欠き部分337は、勾配直線に平行な方向から見たときに、底樋管10の外面とほぼ同じ形状を有しており底樋管10は切り欠き部分337にほぼぴったりと嵌まっている。
【0009】
次いで、止水ブロック307の配設方法を説明する。
第1に、
図3に示すように、止水ブロック307の設置面181(ここでは堤体底部301aの上面)に設置面基礎コンクリート182を打設し硬化後、設置面基礎コンクリート182の上面に敷モルタル183を施工する(なお、
図1(a)及び(b)には、設置面基礎コンクリート182及び敷モルタル183は図示していない。)。
そして、
図4に示す下部分311を準備し、
図5に示すように、
図3に示す敷モルタル183の上面に、
図4に示す下部分311の下面311bが面するように下部分311を設置する。なお、
図5(a)は
図3と同様の方向から見たところを示し、
図5(b)は
図5(a)中の矢印C方向から見たところを示している。この下部分311の設置は、勾配直線に沿った底樋管10の底面10bが下部分311の上面313に沿うように下部分311の設置方向を調整して行われる(勾配直線が水平でない場合には、下部分311は鉛直方向から傾いた状態に設置される。)。
【0010】
図5のように下部分311設置後、
図6(
図6(a)は
図5(a)と同じ方向から、そして
図6(b)は
図5(b)と同じ方向から見ている。)に示すように、下部分311を土185により埋め戻す。このとき土185の上面185aの高さは、後で形成する基礎コンクリート391の下面391bを支持することができるものとする(基礎コンクリート391の上面391aは下部分311の上面313と同一平面に属するようになるため、下面391bは基礎コンクリート391の厚み分程度、上面313よりも下方になる。)。
【0011】
そして、
図7及び
図8に示すように、
図6の如く土185により埋め戻した下部分311から一方方向(ここでは第1外面315a側)に向けて一方基礎コンクリート391p1を形成する。なお、
図7は、
図2と同様、止水ブロック307周辺(下部分311と一方基礎コンクリート391p1とを示す。土185は図示していない。)を示す斜視図であり、
図8(a)は
図7のK2-K2断面図であり、そして
図8(b)は
図7のK1-K1断面図である。具体的には、コンクリートを打設し一方基礎コンクリート本体を形成した後、一方基礎コンクリート本体の上面に敷モルタルを施工し、
図7及び
図8に示すような一方基礎コンクリート391p1を構成する。このとき、前述の通り、一方基礎コンクリート391p1の上面391p1aと下部分311上面313とは同一平面に属するように一方基礎コンクリート391p1は形成される。
【0012】
そして、
図9及び
図10に示すように、
図7及び
図8の如く一方基礎コンクリート391p1の形成後、下部分311から他方方向(ここでは第2外面315b側)に向けて他方基礎コンクリート391p2を形成する。なお、
図9は、
図7と同様、止水ブロック307周辺(下部分311と一方基礎コンクリート391p1と他方基礎コンクリート391p2とを示す。土185は図示していない。)を示す斜視図であり、
図10は
図9のK1-K1断面図である(なお、
図9のK2-K2断面は、
図8(a)に同じである。)。具体的には、一方基礎コンクリート391p1と同様、コンクリートを打設し他方基礎コンクリート本体を形成した後、他方基礎コンクリート本体の上面に敷モルタルを施工し、
図9及び
図10に示すような他方基礎コンクリート391p2を構成する。このとき、前述の通り、他方基礎コンクリート391p2の上面391p2aと下部分311上面313とは同一平面に属するように他方基礎コンクリート391p2は形成される。
以上のようにして一方基礎コンクリート391p1と他方基礎コンクリート391p2とによって構成される基礎コンクリート391が形成される。一方基礎コンクリート391p1の上面391p1aと他方基礎コンクリート391p2の上面391p2aと下部分311上面313とは同一平面に属し、一方基礎コンクリート391p1の下面391p1bと他方基礎コンクリート391p2の下面391p2bとは土185の上面185aにより支持されている。
【0013】
図9及び
図10に示すような基礎コンクリート391(一方基礎コンクリート391p1と他方基礎コンクリート391p2とによって構成される)を形成した後、
図11、
図12及び
図13に示すように、基礎コンクリート391の上面391aと下部分311上面313とに底樋管10を設置する。なお、
図11は、
図9と同様、止水ブロック307周辺(下部分311と基礎コンクリート391と底樋管10とを示す。土185は図示していない。)を示す斜視図であり、
図12は
図11のK2-K2断面図であり、そして
図13は
図12のK3-K3断面図である。
なお、底樋管10は連続して配設されることが多く、底樋管10を支持するための基礎コンクリート391も同様に勾配直線に沿って連続して適宜形成される。
【0014】
図11、
図12及び
図13に示すように底樋管10を設置した後、下部分311に上部分331(上部分第1部331a及び上部分第2部331b)を配置する。その後、連結金具332aと連結金具316との間を連結ボルト(不図示)で連結して下部分311と上部分331とを連結する(上部分第1部331a及び上部分第2部331bとの間も一対の連結金具332c同士の間を連結ボルト(不図示)で連結することで連結する。)。
さらに、上部分331に追加部分351を配設する。連結金具356と連結金具332bとの間を連結ボルト(不図示)で連結して追加部分351と上部分331とを連結して
図2に示すような止水ブロック307が完成される。
【0015】
その後、
図1(a)及び(b)に示すように、止水ブロック307及び底樋管10を土185(
図1においては埋め戻し土308)にて完全に埋め戻す。以上のようにして、底樋管10が止水ブロック307を貫通した構造が完成される。なお、上述の如く、追加部分351は必須のものではなく、追加部分351が無くても止水ブロックの高さが十分であれば、これが無いものを埋め戻すこともできる。
かかる止水ブロック307は、下部分311と、下部分311に取り付けられる上部分331と、を備えてなり、流体(ここでは水)が流通する流路(ここでは導通空間10c)を内部に有する管(ここでは底樋管10)が貫通する貫通孔(ここでは切り欠き部分337)を有し、該管(底樋管10)を該貫通孔(切り欠き部分337)に貫入し該管(底樋管10)につば状に取り付けられるブロックである。
【0016】
なお、この底樋管が止水ブロックを貫通した構造について本出願人は以前特許出願をなしている(特許文献1参照)。
特許文献1は、「堤体底部に埋設され、堤体を横断する底樋管などの管路構造に関する」(特許文献1の「発明の詳細な説明」中の段落番号0001)ものであり、具体的には「底樋管10は、堤体1における堤体底部1aに埋設され、堤体1を横断する導水用の管路構造である。詳しくは、底樋管10は、ため池2の水を堤体1の外部に導水するための管路構造である。この底樋管10について説明する前に、堤体1について説明する。堤体1は、ため池2の外部に沿って、外部の地表部分3とため池2との間に配置されており、断面略台形状で構成されている。なお、ため池2の水面2aより、堤体1の堤体天端1bは高く、地表部分3は水面2aより低い位置となる。断面略台形状で構成された堤体1は、
図1及び
図2に示すように、河床堆積物4で構成された堤体底部1aと、堤体底部1aの上部の盛土5とで構成され、堤体1におけるため池2側の斜面には、ため池2の水の侵入を防止する、粘性土で構成された遮水層6が設けられている。また、盛土5の下方には、遮水壁7が設けられてる。なお、遮水壁7は後述する底樋管10が貫通し、底樋管10に沿って水みちが生じた場合、土砂の流出・漏水を防止するためのコンクリート製壁体であり、遮水壁7の周囲は、遮水壁7を構築した際の埋め戻し土8で囲われている。」(特許文献1の「発明の詳細な説明」中の段落番号0032~0035)構造を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上述した
図1乃至
図13を参照して説明した止水ブロック307を用いる場合、管(底樋管10)の下面(底面10b)が下部分311の上面313に当接し支持されるように管(底樋管10)の配置方向(傾き)に合わせて下部分311の配置向きを調節する必要があり、この下部分311の配置向き調整作業は面倒なものであった。特に、勾配直線が水平でない場合には、下部分311は鉛直方向から傾いた状態で配置向きを調節する必要があり、配置向き調整作業は難儀なものであった。
そこで、本発明では、好ましい配置向きに下部分を配置した後、その配設された下部分に、ある程度の範囲の傾きの管を自由に配設できるブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者らは、配設済みの下部分にある程度の範囲の傾きの管を配設できるようにするためには、管の下面を支持する面を下部分が有する既成の上面とするのではなく(下部分が有する既成の上面により管の下面を支持する場合、管の傾きに該既成の上面を合わせる必要(即ち、下部分の配置向き調整作業を要する必要)がある。)、管の下面に沿い該下面を支持する支持面を管の傾きに合わせて形成することを見いだした。
そして、従来の下部分311において、上面313よりも上方に支持面を形成しようとすると、該支持面を上面とする支持板の下面の位置が高くなり、該下面を支持する埋め戻し土(下部分を埋め戻す土)の上面の高さも高くする必要がある。下部分を土により埋め戻す際、埋め戻す土の上面の高さが下部分の上面の高さに近づくと、埋め戻す土が下部分の上面に乗ることが増え、その後、下部分に上部分を配置する際の作業性を著しく低下させる(例えば、上部分を配置する前に下部分上面の土を取り除く作業を要する。)ことが明らかになった。
このため下部分を埋め戻す土の上面の高さを下部分上面の高さよりも低く保ったまま、管の下面に沿う支持面を形成することができないか研究を進めたところ、支持面を有する支持板を収容する凹部を、下部分の下部分上面から形成することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0020】
即ち、本発明のブロックを構成する下部分(以下「本下部分」という。)は、下部分と、下部分に取り付けられる上部分と、を備えてなり、流体が流通する流路を内部に有する管と、該管を上面が支持する支持板と、が貫通する貫通孔を有し、該管及び該支持板を該貫通孔に貫入し該管及び該支持板につば状に取り付けられるブロックを構成する該下部分であって、上部分と面する互いに離れた一対の下部分当接面と、該管が該貫通孔を貫通する方向である貫通方向から見て一対の下部分当接面同士の間に、下部分に取り付けられる上部分から遠ざかるように凹んだ該貫通孔の少なくとも一部を構成する下部分凹部と、を有してなるものである、ブロックを構成する該下部分である。
本下部分は、下部分と、下部分に取り付けられる上部分と、を備えてなるブロックを構成する該下部分である。該ブロックは貫通孔を有し、該貫通孔は、管と支持板とが貫通する。該管は、流体(液体、気体、気液混合物、固液混合物、固気混合物等)が流通する流路を内部に有する。該支持板は上面を有し、該上面に該管の下面が当接し該管が支持される。このように該管とそれを上面が支持する支持板とが該貫通孔に貫入され、該ブロックは該管及び該支持板につば状に取り付けられる。
そして、本下部分は、上部分と面する互いに離れた一対の下部分当接面を有すると共に、貫通方向から見たときに該一対の下部分当接面同士の間に下部分凹部を有する。貫通方向とは、該管が該貫通孔を貫通する方向をいい、通常は、該管の長手方向である。下部分凹部は、該貫通孔の少なくとも一部(一部又は全部)を構成するものであり、下部分に取り付けられる上部分から遠ざかるように(通常、下方に)凹んだ部分である。
こうすることで、本下部分とそれに取り付けられる上部分とを備えてなるブロックによれば、該貫通孔の少なくとも一部(一部又は全部)を構成する下部分凹部に少なくとも下面が収容された支持板の上面により、貫通孔を貫通する管の下面に沿い該管を支持する支持面を形成できる。下部分を埋め戻す土の上面は、支持板の下面とほぼ同じ高さとされるので、下部分を埋め戻す土の上面の高さを下部分上面(一対の下部分当接面)の高さよりも低くできる。
【0021】
本下部分においては、下部分凹部が、貫通方向から見て長方形状に略形成されているものであってもよい。
下部分凹部は、貫通方向から見て長方形状に略形成されることが多い支持板の少なくとも下面が収容されるので、下部分凹部も、貫通方向から見て長方形状に略形成されれば、かかる支持板をうまく収容することができる。
【0022】
そして、本発明は、本下部分を含むブロック(以下「本ブロック」という。)を提供する。
即ち、本ブロックは、本下部分と、一対の下部分当接面に当接する上部分当接面を有する上部分と、を備えてなる、ブロックである。
かかる本ブロックは、本下部分において説明した通り、本下部分と上部分とが一対の下部分当接面と上部分当接面とが当接するように取り付けられ、貫通孔の少なくとも一部(一部又は全部)を構成する下部分凹部に少なくとも下面が収容された支持板の上面が管の下面に沿い該管を支持する支持面を構成し、本下部分を埋め戻す土の上面は、支持板の下面とほぼ同じ高さとされるので、下部分を埋め戻す土の上面の高さを一対の下部分当接面の高さよりも低くできる。
【0023】
本ブロックにおいては、上部分当接面が、一対の下部分当接面それぞれに当接する互いに離れた2の部分を含んでなり、上部分が、貫通方向から見て該2の部分の間に、上部分に取り付けられる下部分から遠ざかるように凹んだ前記貫通孔の少なくとも一部を構成する上部分凹部を有してなるもの(以下「上部分凹部本ブロック」という。)であってもよい。
こうすることで上部分当接面が含む該2の部分の一方が一対の下部分当接面の一方に当接すると共に、上部分当接面が含む該2の部分の他方が一対の下部分当接面の他方に当接する。そして、上部分が有する上部分凹部は、貫通方向から見て該2の部分の間に、上部分に取り付けられる下部分から遠ざかるように凹んでおり(通常、上方向に凹む)、貫通孔の少なくとも一部を構成する。このように上部分凹部と下部分凹部とにより貫通孔が形成され、上部分当接面と下部分当接面とがその貫通孔の両側で当接することにより、閉じた貫通孔を形成することから、管及び支持板を貫通孔に貫入した状態を確実に保持できる。
【0024】
上部分凹部本ブロックにおいては、上部分が、一対の下部分当接面近傍の下部分凹部の端部から下部分凹部中心方向に張り出す張り出し面を有するものであってもよい。
上部分当接面と下部分当接面とが、上部分凹部と下部分凹部とにより形成される貫通孔の両側で当接し、下部分凹部に支持板の少なくとも下面が収容されることから、上部分が、一対の下部分当接面近傍の下部分凹部の端部から下部分凹部中心方向に張り出す張り出し面を有するようにすれば、支持板の貫通孔を貫通する部分が張り出し面に当接又は近接するようにできる。こうすることで貫通孔に対する支持板の相対位置を規制することができ、貫通孔を支持板が貫通した状態の保持に資することができる。
【0025】
さらに、本発明は、本ブロックを含むブロック取り付け構造(以下「本構造」という。)を提供する。
即ち、本構造は、本ブロックと、下部分凹部に少なくとも下面が収容され、前記貫通孔を貫通する前記支持板と、該支持板の上面に支持され、前記貫通孔を貫通する前記管と、を含んでなる、ブロック取り付け構造である。
本構造によれば、貫通孔の少なくとも一部(一部又は全部)を構成する下部分凹部に少なくとも下面が収容された支持板の上面が、管の下面に沿い管を支持する支持面を形成し、本下部分を埋め戻す土の上面は、支持板の下面とほぼ同じ高さとされるので、下部分を埋め戻す土の上面の高さを一対の下部分当接面の高さよりも低くして、本ブロックの貫通孔を管とそれを支持する支持板とが貫通する構造を構成できる。
【0026】
本構造においては、上部分当接面が、一対の下部分当接面それぞれに当接する互いに離れた2の部分を含んでなり、上部分が、貫通方向から見て該2の部分の間に、上部分に取り付けられる下部分から遠ざかるように凹んだ前記貫通孔の少なくとも一部を構成する上部分凹部を有してなり、前記管が、上部分凹部に少なくとも一部が収容されるもの(以下「上部分凹部本構造」という。)であってもよい。
こうすることで上部分当接面が含む該2の部分の一方が一対の下部分当接面の一方に当接すると共に、上部分当接面が含む該2の部分の他方が一対の下部分当接面の他方に当接する。そして、上部分が有する上部分凹部は、貫通方向から見て該2の部分の間に、上部分に取り付けられる下部分から遠ざかるように凹んでおり(通常、上方向に凹む)、貫通孔の少なくとも一部を構成する。このように上部分凹部と下部分凹部とにより貫通孔が形成され、管が上部分凹部に少なくとも一部が収容される。このように上部分当接面と下部分当接面とが貫通孔の両側で当接することにより、閉じた貫通孔を形成することから、管及び支持板を貫通孔に貫入した状態を確実に保持できる。
【0027】
上部分凹部本構造においては、前記支持板の前記貫通孔を貫通する部分全てが下部分凹部に収容されているもの(以下「支持板全収容本構造」という。)であってもよい。
こうすることで、上部分と面する互いに離れた一対の下部分当接面の間に形成された下部分凹部に、貫通孔を貫通する支持板の部分全てが収容されるので、一対の下部分当接面の高さ以下で支持板が貫通孔を貫通する。このため下部分を埋め戻す土の上面の高さを一対の下部分当接面の高さよりも十分低くすることができる。
【0028】
支持板全収容本構造においては、上部分が、一対の下部分当接面近傍の下部分凹部の端部から下部分凹部中心方向に張り出す張り出し面を有し、前記支持板の前記貫通孔を貫通する部分が該張り出し面に当接又は近接するものであってもよい。
上部分当接面と下部分当接面とが、上部分凹部と下部分凹部とにより形成される貫通孔の両側で当接し、貫通孔を貫通する支持板の部分が下部分凹部に収容されることから、上部分が、一対の下部分当接面近傍の下部分凹部の端部から下部分凹部中心方向に張り出す張り出し面を有し、貫通孔を貫通する支持板の部分が張り出し面に当接又は近接するようにできる。こうすることで貫通孔に対する支持板の相対位置を規制することができ、貫通孔を支持板が貫通した状態の保持に資することができる。なお、貫通孔を貫通する支持板の部分と張り出し面との間の距離は、貫通孔を貫通する支持板の部分が張り出し面に当接する場合の0を最小とし、あまり大きいと貫通孔に対する支持板の相対位置の規制効果が小さくなるので、好ましくは20mm以下、より好ましくは14mm以下、そして最も好ましくは7mm以下である。
【0029】
本構造においては、前記支持板が、貫通方向に平行な鉛直平面に交わる回動軸を中心に前記ブロックに対して回動可能に取り付けられるもの(以下「支持板回動本構造」という。)であってもよい。
こうすることで、管が貫通孔を貫通する貫通方向に平行な鉛直平面に交わる回動軸を中心に支持板が本ブロックに対して回動可能に取り付けられるので、該回動軸を中心とする支持板の回動によって、勾配(管が貫通孔を貫通する貫通方向に平行な鉛直平面へ管の像を垂直投影した際、投影された像における管の長手方向の向き)が変わる管の下面に沿い管を支持するように支持板の上面の傾きを調節することができる。なお、該回動軸が該鉛直平面に交わる角度(90度以下)は、好ましくは80度以上、より好ましくは85度以上、最も好ましくは90度である。
【0030】
支持板回動本構造においては、前記回動を所定の回動位置において禁止する回動禁止手段を有するもの(以下「回動禁止本構造」という。)であってもよい。
こうすることで、管の勾配に応じ管の下面に沿い管を支持するように支持板の傾きを調節(回動位置調節)した後、その傾き(所定の回動位置)において該回動を回動禁止手段により禁止するので、管の傾きに適した支持板の回動位置を保持できる。
【0031】
回動禁止本構造においては、回動禁止手段は、一方向への前記回動により下部分に近づく前記支持板に取り付けられた当接部分が下部分に当接することにより更なる該一方向への回動を禁止するもの(以下「当接回動禁止本構造」という。)であってもよい。
こうすることで、当接部分を設けるという簡単な構成により、回動禁止手段が前記回動を所定の回動位置において確実に禁止することができる。該当接部分は、支持板が前記回動軸を中心に本ブロックに対して一方向に回動することで下部分に近づくものであり、支持板に取り付けられている。かかる当接部分が該一方向への回動で下部分に近づき下部分に当接することにより更なる該一方向への回動が禁止される。
【0032】
当接回動禁止本構造においては、回動禁止手段は、一方向への前記回動により下部分に近づく当接部分と、他方向への前記回動により下部分に近づく当接部分と、を有し、これら両当接部分が下部分に当接することで前記回動を禁止するもの(以下「両方回動禁止本構造」という。)であってもよい。
こうすることで、一方向への前記回動により下部分に近づく当接部分と、他方向への前記回動により下部分に近づく当接部分と、が下部分に当接するので、該一方向及び該他方向のいずれの方向への前記回動も禁止されるので、管の傾きに応じ支持板の傾きを調節した後、その傾きにおいて両方向いずれの回動も回動禁止手段が禁止し管の傾きに適した支持板の回動位置を一層確実に保持できる。
【0033】
両方回動禁止本構造においては、前記両当接部分が下部分凹部の底面に当接することで前記回動を禁止するものであってもよい。
一方向への前記回動により下部分に近づく当接部分と、他方向への前記回動により下部分に近づく当接部分と、の両当接部分が下部分凹部の底面に当接することで前記回動を禁止する。このため、支持板の一方向及び他方向のいずれの方向への前記回動においても、支持板に取り付けられた当接部分が当接しやすい下部分凹部の底面への当接により前記回動が確実に禁止される。
【0034】
当接回動禁止本構造においては、前記当接部分は、前記支持板に対して進退可能に配設された部材の先端であってもよい。
こうすることで、該部材を支持板に対して進退させることで、当接部分を構成する該部材の先端が下部分に当接する前記回動の回動位置を容易に調節することができる。
【0035】
支持板回動本構造においては、前記支持板は、前記支持板の両主表面を連通させ、下部分凹部と前記支持板とを接着する接着材を注入する注入口が形成されているものであってもよい。
こうすることで、管の傾きに応じ管の下面に沿い管を支持するように支持板の傾きを調節した後、支持板の両主表面を連通させるように形成された注入口から接着材を注入し、下部分凹部と支持板とを接着することで支持板の回動位置をうまく保持できる。
【0036】
加えて、本発明は、支持板回動本構造の形成方法(以下「本形成方法」という。)を提供する。
即ち、本形成方法は、支持板回動本構造の形成方法であって、下部分に取り付けられた前記支持板の前記回動位置を調節する回動位置調節ステップを含んでなる、形成方法である。
本形成方法は、支持板を下部分に取り付け、回動位置調節ステップにより下部分に取り付けられた支持板の前記回動位置を調節することを含む。これにより前記回動軸を中心とする支持板の回動位置が、管の勾配に応じて確実に調節される。
【0037】
本形成方法においては、回動位置調節ステップの後、前記回動を所定の回動位置において固定する回動固定ステップを含んでなるもの(以下「回動固定本形成方法」という。)であってもよい。
こうすることで回動位置調節ステップにより下部分に取り付けられた支持板の前記回動位置を調節した後、回動固定ステップにより前記回動をその調節した回動位置(所定の回動位置)において固定するので、管の傾きに適した支持板の回動位置を保持できる。
【0038】
回動固定本形成方法においては、回動固定ステップが、前記支持板が有する当接部分が下部分に当接することを含むものであってもよい。
こうすることで、支持板が有する当接部分が下部分に当接することで、回動固定ステップにて前記回動を所定の回動位置において確実に禁止することができる。該当接部分は、支持板が前記回動軸を中心に本ブロックに対して一方向に回動することで下部分に近づくものである。かかる当接部分は該一方向への回動で下部分に近づき下部分に当接することにより更なる該一方向への回動が禁止される。
【0039】
回動固定本形成方法においては、回動固定ステップが、下部分凹部と前記支持板とを接着することを含むものであってもよい。
このように下部分凹部と支持板とを接着することで、回動固定ステップにて前記回動を所定の回動位置において確実に禁止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】
図1(a)は、従来の堤体底部に底樋管が埋設された堤体の概略断面図を示し、
図1(b)は
図1(a)の点線R部の拡大図を示す。
【
図2】
図1(a)及び(b)に示した止水ブロック周辺(止水ブロック、基礎コンクリート及び底樋管)を示す斜視図である。
【
図3】止水ブロックの設置面に設置面基礎コンクリートを打設し硬化後、設置面基礎コンクリートの上面に敷モルタルを施工したところを示す図である。
【
図5】
図3に示す敷モルタルの上面に下部分を設置したところを示す図である。
【
図6】下部分設置後、下部分を土により埋め戻したところを示す図である。
【
図7】土により埋め戻した下部分から一方方向に向けて一方基礎コンクリートを形成したところを示す斜視図である。
【
図8】土により埋め戻した下部分から一方方向に向けて一方基礎コンクリートを形成したところを示す図である。
【
図9】土により埋め戻した下部分から他方方向に向けて他方基礎コンクリートを形成したところを示す斜視図である。
【
図10】土により埋め戻した下部分から他方方向に向けて他方基礎コンクリートを形成したところを示す図である。
【
図11】基礎コンクリートの上面と下部分上面とに底樋管を設置したところを示す斜視図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る止水ブロック(本ブロック)が底樋管に取り付けられて形成された第1実施形態に係る本構造(第1構造)を示す斜視図である。
【
図15】
図14の状態から底樋管を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図19】本ブロックの設置面に設置面基礎コンクリートを打設し硬化後、設置面基礎コンクリートの上面に敷モルタルを施工したところを示す図である。
【
図21】敷モルタルの上面に下部分を設置したところを示す図である。
【
図22】下部分を土により埋め戻したところを示す図である。
【
図23】基礎コンクリートを形成したところを示す図である。
【
図24】基礎コンクリートを形成したところを示す斜視図である。
【
図25】基礎コンクリートの上面に底樋管を設置したところを示す図である。
【
図27】基礎コンクリートの上面に底樋管を設置したところを示す斜視図である。
【
図30】上部分を配設したところを示す斜視図である。
【
図31】追加部分を配設したところを示す図である。
【
図33】追加部分を配設したところを示す斜視図である。
【
図34】本ブロック及び底樋管を土で完全に埋め戻したところを示す図である。
【
図36】本発明の一実施形態に係る止水ブロック(本ブロック)が底樋管に取り付けられて形成された第2実施形態に係る本構造(第2構造)を示す斜視図である。
【
図37】
図36の状態から底樋管を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図41】第2構造に含まれる基礎板具を示す図である。
【
図45】土により埋め戻された下部分に基礎板具を取り付けたところを示す斜視図である。
【
図46】基礎板本体の上面の角度(勾配)を調節し固定するところを示す図である。
【
図47】下部分(凹部)と基礎板本体との間をモルタルにて接着するところを示す図である。
【
図48】基礎板本体の上面に底樋管を設置後、止水材を底樋管の外周面に貼着したところを示す斜視図である。
【
図49】上部分を配設したところを示す斜視図である。
【
図50】追加部分を配設したところを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
【0042】
(第1実施形態)
図14は、本発明の一実施形態に係る止水ブロック(本ブロック)110が底樋管10に取り付けられて形成された第1実施形態に係る止水構造(以下「第1構造」という。)101を示す斜視図であり、
図15は、
図14の状態から底樋管10を取り外した状態を示す斜視図であり、
図16は
図14のF-F断面図であり、
図17は
図15のD-D端面図であり、そして
図18は
図15のE-E断面図である。
図14~
図18を参照して、第1構造101について説明する。以降、説明及び理解を容易にするため、互いに直交する3軸であるX軸、Y軸及びZ軸を用い、それらの方向を図中にX、Y及びZとして示す。
【0043】
本ブロック110は、下部分111と、上部分131と、追加部分151と、を含んでなるが、追加部分151は必須の要素ではなく、必要な場合に付加されものである。
下部分111は、全体としては3辺それぞれがX軸、Y軸及びZ軸に略平行な直方体形状をなし、その上面113(Z軸に垂直な一平面に略属す)には、第1外面115aと第2外面115bとを連通させるように凹部113cが形成されている(後述の
図20参照)。凹部113cは、Z軸に垂直な上面113から下方に窪むように形成されており、3辺それぞれがX軸、Y軸及びZ軸に略平行な直方体形状を凹部113cはなしている。下部分111の第1外面115aには、下部分111と上部分131とを連結するための連結金具116が取り付けられており(後述の連結金具132aとの間をボルト等で連結して下部分111と上部分131とを連結する)、これと同様に第2外面115bにも連結金具116(
図20参照)が取り付けられている。
【0044】
上部分131は、後述の切り欠き部分137を除き、X軸に対して垂直ないずれの平面による断面においても同じ断面形状を有している。上部分131は、下部分111の上面113に下面136が面し、上下で幅(Y軸に平行な寸法)が一定の第1部分133(X軸に対して垂直な平面による断面形状は長方形であり、その下面が下面136を構成する。)と、第1部分133の上方に配置され上に行くにつれて幅が減少する第2部分134(X軸に対して垂直な平面による断面形状は等脚台形)と、第2部分134の上方に配置され幅が一定の第3部分135(X軸に対して垂直な平面による断面形状は長方形)と、を一体に有してなる。
上部分131は、下面136から上方に向けて入り江状に切り欠かれることで形成された切り欠き部分137(上部分131のX軸方向に関しほぼ中央に位置する。)を有し、底樋管10は切り欠き部分137を貫通する。
上部分131の第1外面138aには、下部分111と上部分131とを連結するための連結金具132aが取り付けられており(前述の連結金具116との間をボルト等で連結して下部分111と上部分131とを連結する)、これと同様に第2外面138bにも連結金具(
図14~
図18に表れない)が取り付けられている。
また、上部分131の第1外面138aには、追加部分151と上部分131とを連結するための連結金具132bが取り付けられており(後述の連結金具156との間をボルト等で連結して追加部分151と上部分131とを連結する)、これと同様に第2外面138bにも連結金具(
図14~
図18に表れない)が取り付けられている。
【0045】
追加部分151は、全体としては3辺それぞれがX軸、Y軸及びZ軸に略平行な直方体形状をなし、その下面152が上部分131の上面139に面するように取り付けられている。追加部分151は必須の要素ではなく、上部分131の上面139より上方においても止水を要する場合に付加的に取り付けられる。
追加部分151の第1外面158aには、追加部分151と上部分131とを連結するための連結金具156が取り付けられており(前述の連結金具132bとの間をボルト等で連結して追加部分151と上部分131とを連結する)、これと同様に第2外面158bにも連結金具(
図14~
図18に表れない)が取り付けられている。
【0046】
かかる本ブロック110には、板状の基礎コンクリート171が固定されている。基礎コンクリート171は、ここでは高さが小さい直方体形状をなしており、該直方体が有する12辺のうち4辺はX軸に略平行になっており、基礎コンクリート171の上面171aはX軸に略平行であるが、上面171aがZ軸(鉛直)となす角はここでは90度ではない。該なす角は、切り欠き部分137を貫通する底樋管10の底面10bと上面171aとがうまく当接するよう、底樋管10が切り欠き部分137を貫通する方向である貫通方向(図中、点線Wにて示す)に合わせて決定される。
基礎コンクリート171は、後述の如く、本ブロック110が配設される現場にてコンクリートを打設し形成される。基礎コンクリート171は、厚み(上面171aと下面171bとの間の距離)が下部分111の凹部113cの深さ(Z軸方向の寸法)よりもやや小さくされており、幅(X軸方向の寸法)は下部分111の凹部113cの幅(X軸方向の寸法)とほぼ同じにされており、Y軸に平行な方向から見ると基礎コンクリート171はX軸方向には凹部113cにぴったりと嵌まっている。基礎コンクリート171の下面171bは凹部113cの底面113cbにほぼ面すると共に、上面171aの一部は上部分131の下面136に相対している。
【0047】
さらに、ここでは真っ直ぐに延びる底樋管10(ここでは底樋管10の長手方向と一致する「底樋管10が切り欠き部分137を貫通する貫通方向」は、X軸に垂直な平面に平行であるが、Y軸とは平行ではない。)は、その長手方向に垂直ないずれの断面形状も同じであり、基礎コンクリート171の上面171aに載置され、切り欠き部分137を貫通している。底樋管10の底面10bは、底樋管10の長手方向に平行な一平面に沿って形成されているので、基礎コンクリート171の上面171aに沿うように当接する。上部分131の切り欠き部分137は、Y軸に平行な方向から見たときに、底樋管10の外面とほぼ同じ形状を有しており底樋管10は切り欠き部分137にほぼぴったりと嵌まる。
なお、上述のように、底樋管10の長手方向がY軸(ここではY軸は水平であり、Z軸は鉛直である)に対してなす角度(傾き)に応じ、切り欠き部分137を貫通する底樋管10の底面10bと上面171aとがうまく当接するよう基礎コンクリート171のY軸に対してなす角度(傾き)が調節される。
【0048】
図14~
図18に示した本ブロック110、基礎コンクリート171及び底樋管10を含む第1構造101の形成方法を説明する。
まず、
図19に示すように、本ブロック110の設置面181に設置面基礎コンクリート182を打設し硬化後、設置面基礎コンクリート182の上面に敷モルタル183を施工する。
そして、
図20に示す下部分111を準備し、
図21に示すように、
図19に示す敷モルタル183の上面に、
図20に示す下部分111の下面111bが面するように下部分111を設置する。なお、
図21(a)は
図19と同様の方向から見たところを示し、
図21(b)は
図21(a)中の矢印C方向から見たところを示している。
【0049】
図21のように下部分111設置後、
図22(
図22(a)は
図21(a)と同じ方向から、そして
図22(b)は
図21(b)と同じ方向から見ている。)に示すように、下部分111を土185により埋め戻す。このとき土185の上面185aが、凹部113cの底面113cbと同じ高さになるようにする。このように土185の上面185aの高さを上面113a、113bよりも十分に低くできる(なお、ここでは上面113aと上面113bとは同じ高さ(Z軸に垂直な一平面に上面113aと上面113bとが属する)であるが、上面113aと上面113bとの高さが異なる場合は、いずれか低い方よりも上面185aを低くする。)。
そして、
図23(
図23(a)は
図22(a)と同じ方向から、そして
図23(b)は
図23(a)のK-K断面図である。)に示すように、基礎コンクリート171を形成する。具体的には、コンクリートを打設し基礎コンクリート本体171cを形成した後、基礎コンクリート本体171cの上面に敷モルタル171dを施工し、
図24(理解を容易にするため下部分111及び基礎コンクリート171のみを示す)に示すような基礎コンクリート171を形成する。この基礎コンクリート171を形成する際、底樋管10の傾きに応じ、底樋管10の底面10bと上面171aとがうまく当接するよう基礎コンクリート171の傾きが調節される。
【0050】
図23及び
図24に示すような基礎コンクリート171を形成した後、
図25、
図26及び
図27に示すように、基礎コンクリート171の上面171aに底樋管10を設置する。なお、
図25は
図23(a)と同じ方向から見ており、
図26は
図25のK-K断面図であり、そして
図27は理解を容易にするため下部分111、基礎コンクリート171、底樋管10及び止水材19のみを示している。基礎コンクリート171の上面171aに底樋管10を設置後、止水材19(具体的には、例えば山陽化学株式会社製のノンサグタイプのポリブタジエン系弾性シール材(一例としては製品名「ブラットシール」(型番なし)))を底樋管10の外周面に貼着する(Y軸に垂直な平面と該外周面との交線に沿って貼着する)。この止水材19は、上部分131の切り欠き部分137の内面と、底樋管10の外周面と、の間に介在することで、これら両面の間の隙間を経由した水の移動を禁止又は減少する。
なお、底樋管10はY軸方向又はY軸に対して所定の勾配をもって連続して配設されることが多く、底樋管10を支持するための基礎コンクリートも同様に連続して適宜形成される。
【0051】
図25、
図26及び
図27に示すように底樋管10を設置し止水材19を貼着後、
図28、
図29及び
図30に示すように、上部分131を配設する。なお、
図28は
図25と同じ方向から見ており、
図29は
図28のK-K断面図であり、そして
図30は理解を容易にするため下部分111、基礎コンクリート171、底樋管10(止水材19は見えない)及び上部分131のみを示している。その後、連結金具132aと連結金具116との間を連結ボルト(不図示)で連結して下部分111と上部分131とを連結する。
さらに、
図31、
図32及び
図33に示すように、追加部分151を配設する。なお、
図31は
図28と同じ方向から見ており、
図32は
図31のK-K断面図であり、そして
図33は理解を容易にするため下部分111、基礎コンクリート171、底樋管10(止水材19は見えない)上部分131及び追加部分151のみを示している。その後、連結金具156と連結金具132bとの間を連結ボルト(不図示)で連結して追加部分151と上部分131とを連結する。
【0052】
その後、
図34及び
図35に示すように、本ブロック110及び底樋管10を土185にて完全に埋め戻す。なお、
図34は
図31と同じ方向から見ており、
図35は
図34のK-K断面図である。以上のようにして、底樋管10が本ブロック110を貫通した第1構造101が完成される。なお、上述の如く、追加部分151は必須のものではなく、追加部分151が無くても止水ブロックの高さが十分であれば、
図28、
図29及び
図30に示したものを土185にて完全に埋め戻すようにしてもよい。
【0053】
以上説明のように、第1実施形態における下部分111は、下部分111と、下部分111に取り付けられる上部分131と、を備えてなり、流体(ここでは水)が流通する流路(ここでは導通空間10c)を内部に有する管(ここでは底樋管10)と、該管(底樋管10)を上面(ここでは上面171a)が支持する支持板(ここでは基礎コンクリート171)と、が貫通する貫通孔(ここでは切り欠き部分137と凹部113cとによって形成される。)を有し、該管(底樋管10)及び該支持板(基礎コンクリート171)を該貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)に貫入し該管(底樋管10)及び該支持板(基礎コンクリート171)につば状に取り付けられるブロック(ここでは本ブロック110)を構成する該下部分111であって、上部分131と面する互いに離れた一対の下部分当接面(ここでは凹部113cにより分断された上面113。
図20においては上面113aと上面113bとが一対の下部分当接面である。)と、該管(底樋管10)が該貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する方向である貫通方向(ここでは底樋管10の長手方向)から見て一対の下部分当接面(凹部113cにより分断された上面113aと上面113b)同士の間に、下部分111に取り付けられる上部分131から遠ざかるように凹んだ(ここでは下方に凹む)該貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)の少なくとも一部を構成する下部分凹部(凹部113c)と、を有してなるものである、ブロックを構成する該下部分である。該貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する該管(底樋管10)は、該管(底樋管10)の長手方向がX軸に垂直な平面に属するように該貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通している。
そして、下部分111においては、下部分凹部(凹部113c)が、貫通方向から見て長方形状に略形成されている。
【0054】
本ブロック110は、下部分111と、一対の下部分当接面(上面113aと上面113b)に当接する上部分当接面(ここでは切り欠き部分137により分断された下面136)を有する上部分131と、を備えてなる、ブロックである。
本ブロック110においては、上部分当接面(切り欠き部分137により分断された下面136)が、一対の下部分当接面(上面113aと上面113b)それぞれに当接する互いに離れた2の部分(切り欠き部分137により分断された下面136の2の部分の一方が上面113aに当接し、該2の部分の他方が上面113bに当接する。)を含んでなり、上部分131が、貫通方向から見て(視線が貫通方法(点線W)に沿うように見て)該2の部分の間に、上部分131に取り付けられる下部分111から遠ざかるように凹んだ(ここでは上方に凹む)前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)の少なくとも一部を構成する上部分凹部(ここでは切り欠き部分137)を有してなるものである。
本ブロック110においては、上部分131が、一対の下部分当接面(上面113aと上面113b)近傍の下部分凹部(凹部113c)の端部から下部分凹部(凹部113c)中心方向に張り出す張り出し面(
図15において張り出し面136f1、136f2として示す)を有するものである。
【0055】
図14~
図18に示した第1構造101は、本ブロック110と、下部分凹部(凹部113c)に少なくとも下面171bが収容され、前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する前記支持板(基礎コンクリート171)と、該支持板(基礎コンクリート171)の上面171aに支持され、前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する前記管(底樋管10)と、を含んでなる、ブロック取り付け構造である。
第1構造101においては、上部分当接面(切り欠き部分137により分断された下面136)が、一対の下部分当接面(上面113aと上面113b)それぞれに当接する互いに離れた2の部分(切り欠き部分137により分断された下面136の2の部分の一方が上面113aに当接し、該2の部分の他方が上面113bに当接する。)を含んでなり、上部分131が、貫通方向から見て(視線が貫通方法(点線W)に沿うように見て)該2の部分の間に、上部分131に取り付けられる下部分111から遠ざかるように凹んだ(ここでは上方に凹む)前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)の少なくとも一部を構成する上部分凹部(ここでは切り欠き部分137)を有してなり、前記管(底樋管10)が、上部分凹部(切り欠き部分137)に少なくとも一部が収容されるものである。
【0056】
第1構造101においては、前記支持板(基礎コンクリート171)の前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する部分全てが下部分凹部(凹部113c)に収容されているものである。
第1構造101においては、上部分131が、一対の下部分当接面(上面113aと上面113b)近傍の下部分凹部(凹部113c)の端部から下部分凹部(凹部113c)中心方向に張り出す張り出し面(
図15において張り出し面136f1、136f2として示す)を有し、前記支持板(基礎コンクリート171)の前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する部分が該張り出し面136f1、136f2に当接又は近接するものである。
なお、第1構造101においては、前記支持板(基礎コンクリート171)の前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する部分の上面171aの高さが下部分当接面(上面113、113a、113b)の高さ以下である。
【0057】
(第2実施形態)
図36は、本ブロック110が底樋管10に取り付けられて形成された第2実施形態に係る止水構造(以下「第2構造」という。)201を示す斜視図であり、
図37は、
図36の状態から底樋管10を取り外した状態を示す斜視図であり、
図38は
図36のJ1-J1断面図であり、
図39は
図37のJ2-J2端面図であり、そして
図40は
図37のJ3-J3断面図である。加えて、
図41は、第2構造201に含まれる基礎板具260を示す図(詳細には、
図41(a)は基礎板具260の斜視図であり、
図41(b)は
図41(a)中の矢印G方向から基礎板具260を見たところを示している。)であり、
図42(a)は
図41(a)のN1-N1断面図であり、
図42(b)は
図41(a)のN2-N2断面図であり、
図43(a)は
図41(b)のN3-N3断面図であり、
図43(b)は
図41(b)のN4-N4断面図であり、そして
図44は基礎板具260の平面図(
図41(a)(b)中の矢印P方向から見たところを示す。)である。
図36~
図44を参照して、第2構造201について説明する。以降、説明及び理解を容易にするため、互いに直交する3軸であるX軸、Y軸及びZ軸を用い、それらの方向を図中にX、Y及びZとして示す。
【0058】
第2構造201は、上述の第1構造101に比し、基礎コンクリート171が基礎板具260に置き換えられたのみでその余りは第1構造101と同様である。このため第1構造101における要素と同じ要素には第1構造101にて付した参照番号と同じ参照番号を付し、それらの説明は省略する。
第2構造201は、本ブロック110、基礎板具260及び底樋管10を含んでなる。上述の如く、本ブロック110及び底樋管10については第1構造101のものと同じである。
【0059】
基礎板具260は、基礎板本体261と、基礎板本体261に対しX軸に平行な回動軸S1の周りに回動可能に取り付けられた一対の取付具262、263と、基礎板本体261にZ軸方向に穿設された雌ねじ部261ha、261hb(基礎板本体261の上面261faと下面261fbとを貫通している。)それぞれに螺合した雄ねじたる4本の勾配ねじ264a、264b(雄ねじ)と、を備えてなる。
基礎板本体261は、Z軸に垂直な平面に沿った上面261faと、Z軸に垂直な平面に沿った下面261fbと、を有する板状の部材により構成されており、一対の切り欠き部261c1、261c2を除き、辺がX軸、Y軸、Z軸のいずれかに平行な直方体形状を略なす。
【0060】
取付具262、263は、下面262d、263dが凹部113cの底面113cbに面するように取り付けられる第1部262a、263a(Z軸に対して垂直な平面に沿って延びる板状形状をなす。)と、第1部262a、263aと一体に形成された第2部262b、263b(X軸に対して垂直な平面に沿って延びる板状形状をなす。)と、第2部262b、263bを回動軸S1の周りに回動可能に基礎板本体261に取り付ける取り付けネジ262c、263cと、を含んでなり、第1部262a、263aと第2部262b、263bとはアルファベットの「L」の字のようにアングル形状をなす。
回動軸S1がX軸に平行になるように下面262d、263d(Z軸に対して垂直な同一平面に両方が面する)が凹部113c底面113cbに面するように第1部262a、263aを凹部113c底面113cbに取り付ければ(具体的には第1部262a、263aが有するねじ穴262ah、263ahに取り付けネジ(不図示)を貫入し底面113cbに取り付ける。)、基礎板本体261が、X軸に平行な回動軸S1の周りに回動可能に支持される。
取付具262、263は、基礎板本体261が回動軸S1の周りに所望程度(後述のように基礎板本体261上面261faの傾きを調整できる程度)回動可能になるよう、切り欠き部261c1、261c2に遊びをもって取り付けられている。
【0061】
一対の勾配ねじ264aのいずれもそれが螺合している雌ねじ部261haに対して正逆に回転されることで、雌ねじ部261haに対して自由に進退することができる。一対の勾配ねじ264aのいずれも雌ねじ部261haに対して下方に突出させれば、勾配ねじ264aの下端を凹部113c底面113cbに当接させることができる。
同様に、一対の勾配ねじ264bのいずれもそれが螺合している雌ねじ部261hbに対して正逆に回転されることで、雌ねじ部261hbに対して自由に進退することができる。一対の勾配ねじ264bのいずれも雌ねじ部261hbに対して下方に突出させれば、勾配ねじ264bの下端を凹部113c底面113cbに当接させることができる。
【0062】
図44に示すように、一対の雌ねじ部261haはX軸に平行な直線S2上に存し、一対の雌ねじ部261hbはX軸に平行な直線S3上に存している。
そして、
図44のように上面261faに対し垂直方向から見たとき(即ちZ軸方向に沿って見たとき)に、一対の雌ねじ部261haのうち一方側(ここでは切り欠き部261c1側)と、一対の雌ねじ部261hbのうち一方側(ここでは切り欠き部261c1側)と、は直線S4(Y軸に平行)上に存し、一対の雌ねじ部261haのうち他方側(ここでは切り欠き部261c2側)と、一対の雌ねじ部261hbのうち他方側(ここでは切り欠き部261c2側)と、は直線S5(Y軸に平行)上に存する。
直線S2、S3、S4、S5は、Z軸に垂直な一平面(ここでは上面261faが属する面)に存している。
【0063】
上面261faの中心部(具体的には上面261faが形成する略長方形の対角線の交点Q1近傍)と下面261fbの中心部(具体的には下面261fbが形成する略長方形の対角線の交点近傍)とを連通させるように連通孔261hcが形成されている。ここでは連通孔261hcは、上面261faから下面261fbに向かうにつれてその断面積が単純減少する形状(ここではZ軸に平行な軸を有する直円錐台形状)とされている。
上面261faにおいて、交点Q1と直線S4との間の距離と、交点Q1と直線S5との間の距離と、は略等しい。上面261faにおいて、交点Q1と直線S2との間の距離と、交点Q1と直線S3との間の距離と、は略等しい。また、回動軸S1を含む直線に交点Q1から垂線を下ろすと、この垂線の足と交点Q1とを結ぶ線分はZ軸に平行である。
【0064】
上述のように、基礎板具260は、取付具262の下面262dと、取付具263の下面263dと、がZ軸に垂直な一平面に属する状態で、回動軸S1がX軸に平行になるように下部分111の凹部113cに取り付けられる。かかる状態では、基礎板本体261が、X軸に平行な回動軸S1の周りに回動可能であるので、Z軸に対する上面261faの角度(Z軸と上面261faとがなす角度)(傾き)を調整できる。そして、勾配ねじ264aの下端と勾配ねじ264bの下端とが底面113cbに当接する際の下面261fbから勾配ねじ264aの下方への突出長さと、下面261fbから勾配ねじ264bの下方への突出長さと、を調節することで基礎板本体261上面261faのZ軸に対する傾きを調節し固定することができる。
【0065】
図36~
図44に示した本ブロック110、基礎板具260及び底樋管10を含む第2構造201の形成方法を説明する。
まず、第1構造101の形成方法において説明したように、
図19に示したように本ブロック110の設置面181に設置面基礎コンクリート182及び敷モルタル183を施工する。
そして、
図21に示すように、
図19に示す敷モルタル183の上面に下部分111の下面111bが面するように下部分111を設置する。
さらに、
図22に示すように、下部分111を土185により埋め戻す。このとき土185の上面185aが、凹部113cの底面113cbと同じ高さになるようにする。
【0066】
そして、
図45に示す通り、
図22に示した土185により埋め戻された下部分111に基礎板具260を取り付ける(
図45は、理解及び説明を容易にするため下部分111及び基礎板具260のみを図示する。)。具体的には、回動軸S1がX軸に平行になるように下面262d、263dを凹部113c底面113cbに面するように基礎板具260を配置した後、第1部262a、263aが有するねじ穴262ah、263ahに取り付けネジ(不図示)を貫入し底面113cbに基礎板具260を取り付ける。これにより基礎板本体261が、X軸に平行な回動軸S1の周りに回動可能に支持される。
図46(a)は、
図45のM1-M1端面図である(なお
図45のM2-M2端面もこれと同様である。)。勾配ねじ264aの下端と勾配ねじ264bの下端とが底面113cbに当接しており、この状態では基礎板本体261の上面261faはZ軸に垂直な平面(ここでは水平面)に略沿った状態で回動軸S1の周りの基礎板本体261の回動は禁止されている。
そして、勾配ねじ264aが下面261fbから下方に向けて突出する突出長さと、勾配ねじ264bが下面261fbから下方に向けて突出する突出長さと、を調節することで基礎板本体261上面261faのZ軸に対する傾きを調節し固定することができる。
図46(b)は、
図46(a)の状態から勾配ねじ264aが下面261fbから下方に向けて突出する突出長さを大きくし、勾配ねじ264bが下面261fbから下方に向けて突出する突出長さを小さくしたところを示している。
図46(a)に比し、回動軸S1の周りに基礎板本体261が時計回りに回動することで基礎板本体261上面261faのZ軸に対する角度(勾配)が変わった状態で、勾配ねじ264aの下端と勾配ねじ264bの下端とが底面113cbに当接し回動が禁止されている。これと同様に、
図46(a)の状態から勾配ねじ264aが下面261fbから下方に向けて突出する突出長さを小さくし、勾配ねじ264bが下面261fbから下方に向けて突出する突出長さを大きくすることで、回動軸S1の周りに基礎板本体261を反時計回りに回動させ上面261faのZ軸に対する角度(勾配)を変えた状態で、勾配ねじ264aの下端と勾配ねじ264bの下端とを底面113cbに当接させ回動を禁止することもできる。
このように基礎板本体261上面261faのZ軸に対する角度(勾配)を所望のものに調節し(回動位置調節ステップ)、その角度(勾配)で固定する(回動固定ステップ)。
【0067】
上記のように基礎板本体261上面261faのZ軸に対する角度(勾配)を所望のものに調節し、勾配ねじ264aの下端と勾配ねじ264bの下端とを底面113cbに当接させ回動を禁止した後、下部分111(凹部113c)と基礎板本体261との間をモルタル298にて充填し接着することで基礎板本体261を一層確実に固定する(回動固定ステップ)。具体的には、
図47(a)(Z軸に平行で回動軸S1を含む平面による断面を示す。
図47(b)も同様である。)のように上面261faの角度(勾配)を調節し、勾配ねじ264aの下端と勾配ねじ264bの下端とを底面113cbに当接させた後、連通孔261hcを経て流動可能なモルタルを上面261fa側から下面261fb側に注入し、流動可能なモルタルにより下部分111(凹部113c)と基礎板本体261との間を充填した後にモルタルを硬化させる。このようにして
図47(b)に示すような下部分111(凹部113c)と基礎板本体261との間が、硬化したモルタル298にて充填され接着されることで、基礎板本体261が下部分111に一層確実に固定される。
【0068】
以上のように、基礎板本体261上面261faのZ軸に対する角度(勾配)を調節し固定した後、第1構造101において
図25、
図26及び
図27を参照して説明したのと同様に、基礎板本体261上面261faに底樋管10を設置する。
図48は理解を容易にするため下部分111、基礎板具260、底樋管10及び止水材19のみを示している。基礎板本体261上面261faに底樋管10を設置後、止水材19(具体的には、第1構造101において用いたものと同じ。)を底樋管10の外周面に貼着する(Y軸に垂直な平面と該外周面との交線に沿って貼着する)。この止水材19は、上部分131の切り欠き部分137の内面と、底樋管10の外周面と、の間に介在することで、これら両面の間の隙間を経由した水の移動を禁止又は減少する。
なお、底樋管10は連続して配設されることが多く、底樋管10を支持するための基礎コンクリートも同様に連続して適宜形成される。
【0069】
図48に示すように底樋管10を設置し止水材19を貼着後、第1構造101において
図28、
図29及び
図30を参照して説明したのと同様に、
図49に示すように上部分131を配設する。なお、
図49は
図48と同じ方向から見ており、下部分111、基礎板具260、底樋管10及び上部分131(止水材19は隠れて見えない)のみを示している。その後、連結金具132aと連結金具116との間を連結ボルト(不図示)で連結して下部分111と上部分131とを連結する。
さらに、第1構造101において
図31、
図32及び
図33を参照して説明したのと同様に、追加部分151を配設する。
図50は
図49と同じ方向から見ており、下部分111、基礎板具260、底樋管10、上部分131及び追加部分151(止水材19は隠れて見えない)のみを示している。その後、連結金具156と連結金具132bとの間を連結ボルト(不図示)で連結して追加部分151と上部分131とを連結する。
【0070】
その後、第1構造101において
図34及び
図35を参照して説明したのと同様に、本ブロック110及び底樋管10を土185にて完全に埋め戻す。以上のようにして、底樋管10が本ブロック110を貫通した第2構造201が完成される。なお、上述の如く、追加部分151は必須のものではなく、追加部分151が無くても止水ブロックの高さが十分であれば、
図49に示したものを土185にて完全に埋め戻すようにしてもよい。
【0071】
以上説明のように、第2実施形態における下部分111は、下部分111と、下部分111に取り付けられる上部分131と、を備えてなり、流体(ここでは水)が流通する流路(ここでは導通空間10c)を内部に有する管(ここでは底樋管10)と、該管(底樋管10)を上面(ここでは上面261fa)が支持する支持板(ここでは基礎板本体261)と、が貫通する貫通孔(ここでは切り欠き部分137と凹部113cとによって形成される。)を有し、該管(底樋管10)及び該支持板(基礎板本体261)を該貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)に貫入し該管(底樋管10)及び該支持板(基礎板本体261)につば状に取り付けられるブロック(ここでは本ブロック110)を構成する該下部分111であって、上部分131と面する互いに離れた一対の下部分当接面(ここでは凹部113cにより分断された上面113。
図20においては上面113aと上面113bとが一対の下部分当接面である。)と、該管(底樋管10)が該貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する方向である貫通方向(ここでは底樋管10の長手方向)から見て一対の下部分当接面(凹部113cにより分断された上面113aと上面113b)同士の間に、下部分111に取り付けられる上部分131から遠ざかるように凹んだ(ここでは下方に凹む)該貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)の少なくとも一部を構成する下部分凹部(凹部113c)と、を有してなるものである、ブロックを構成する該下部分である。
そして、下部分111においては、下部分凹部(凹部113c)が、貫通方向から見て(視線が貫通方法(点線W)に沿うように見て)長方形状に略形成されている。
【0072】
第2実施形態における本ブロック110は、下部分111と、一対の下部分当接面(上面113aと上面113b)に当接する上部分当接面(ここでは切り欠き部分137により分断された下面136)を有する上部分131と、を備えてなる、ブロックである。
本ブロック110においては、上部分当接面(切り欠き部分137により分断された下面136)が、一対の下部分当接面(上面113aと上面113b)それぞれに当接する互いに離れた2の部分(切り欠き部分137により分断された下面136の2の部分の一方が上面113aに当接し、該2の部分の他方が上面113bに当接する。)を含んでなり、上部分131が、貫通方向から見て(視線が貫通方法(点線W)に沿うように見て)該2の部分の間に、上部分131に取り付けられる下部分111から遠ざかるように凹んだ(ここでは上方に凹む)前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)の少なくとも一部を構成する上部分凹部(ここでは切り欠き部分137)を有してなるものである。
本ブロック110においては、上部分131が、一対の下部分当接面(上面113aと上面113b)近傍の下部分凹部(凹部113c)の端部から下部分凹部(凹部113c)中心方向に張り出す張り出し面(
図37において張り出し面136f1、136f2として示す)を有するものである。
【0073】
図36~
図44に示した第2構造201は、本ブロック110と、下部分凹部(凹部113c)に少なくとも下面261fbが収容され、前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する前記支持板(基礎板本体261)と、該支持板(基礎板本体261)の上面261faに支持され、前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する前記管(底樋管10)と、を含んでなる、ブロック取り付け構造である。
第2構造201においては、上部分当接面(切り欠き部分137により分断された下面136)が、一対の下部分当接面(上面113aと上面113b)それぞれに当接する互いに離れた2の部分(切り欠き部分137により分断された下面136の2の部分の一方が上面113aに当接し、該2の部分の他方が上面113bに当接する。)を含んでなり、上部分131が、貫通方向から見て(視線が貫通方法(点線W)に沿うように見て)該2の部分の間に、上部分131に取り付けられる下部分111から遠ざかるように凹んだ(ここでは上方に凹む)前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)の少なくとも一部を構成する上部分凹部(ここでは切り欠き部分137)を有してなり、前記管(底樋管10)が、上部分凹部(切り欠き部分137)に少なくとも一部が収容されるものである。
【0074】
第2構造201においては、前記支持板(基礎板本体261)の前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する部分全てが下部分凹部(凹部113c)に収容されているものである。
第2構造201においては、上部分131が、一対の下部分当接面(上面113aと上面113b)近傍の下部分凹部(凹部113c)の端部から下部分凹部(凹部113c)中心方向に張り出す張り出し面(
図37において張り出し面136f1、136f2として示す)を有し、前記支持板(基礎板本体261)の前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する部分が該張り出し面136f1、136f2に当接又は近接するものである。
なお、第2構造201においては、前記支持板(基礎板本体261)の前記貫通孔(切り欠き部分137と凹部113c)を貫通する部分の上面261faの高さが下部分当接面(上面113、113a、113b)の高さ以下である。
【0075】
第2構造201においては、前記支持板(基礎板本体261)が、貫通方向に平行な鉛直平面(ここではX軸に垂直な平面)に交わる回動軸(ここでは貫通方向に平行な鉛直平面たる「X軸に垂直な平面」に垂直に交わる回動軸S1)を中心に前記ブロック110に対して回動可能に取り付けられるものである。
第2構造201においては、前記回動(基礎板本体261の回動軸S1の周りの回動)を所定の回動位置において禁止する回動禁止手段(ここでは一対の勾配ねじ264aと一対の勾配ねじ264b)を有する。
第2構造201においては、回動禁止手段(一対の勾配ねじ264aと一対の勾配ねじ264b)は、一方向(例えば、
図46において時計回り方向)への前記回動により下部分111に近づく前記支持板(基礎板本体261)に取り付けられた当接部分(ここでは一対の勾配ねじ264bの先端(下端))が下部分111に当接することにより更なる該一方向への回動を禁止するものである。
第2構造201においては、回動禁止手段(一対の勾配ねじ264aと一対の勾配ねじ264b)は、一方向(例えば、
図46において時計回り方向)への前記回動により下部分111に近づく当接部分(一対の勾配ねじ264bの先端(下端))と、他方向(
図46において反時計回り方向)への前記回動により下部分111に近づく当接部分(一対の勾配ねじ264aの先端(下端))と、を有し、これら両当接部分が下部分111に当接する(
図46)ことで前記回動を禁止するものである。
第2構造201においては、前記両当接部分(一対の勾配ねじ264bの先端(下端)、一対の勾配ねじ264aの先端(下端))が下部分凹部(凹部113c)の底面113cbに当接することで前記回動を禁止するものである。
第2構造201においては、前記当接部分(一対の勾配ねじ264bの先端(下端)、一対の勾配ねじ264aの先端(下端))は、前記支持板(基礎板本体261)に対して進退可能に配設された部材(一対の勾配ねじ264b、一対の勾配ねじ264a)の先端である。
【0076】
第2構造201においては、前記支持板(基礎板本体261)は、前記支持板(基礎板本体261)の両主表面(上面261fa、下面261fb)を連通させ、下部分凹部(凹部113c)と前記支持板(基礎板本体261)とを接着する接着材(モルタル)を注入する注入口(連通孔261hc)が形成されているものである。
【0077】
上述した第2構造201の形成方法は、下部分111に取り付けられた前記支持板(基礎板本体261)の前記回動位置を調節する回動位置調節ステップ(基礎板本体261の回動軸S1の周りの回動位置を調節する)を含んでなる、形成方法である。
第2構造201の形成方法においては、回動位置調節ステップの後、前記回動を所定の回動位置において固定する回動固定ステップを含んでなる。
第2構造201の形成方法においては、回動固定ステップが、前記支持板(基礎板本体261)が有する当接部分(一対の勾配ねじ264bの先端(下端)、一対の勾配ねじ264aの先端(下端))が下部分111に当接することを含むものである。
第2構造201の形成方法においては、回動固定ステップが、下部分凹部(凹部113c)と前記支持板(基礎板本体261)とを接着(モルタル298にて接着される)することを含むものである。
【符号の説明】
【0078】
10 底樋管
10b 底面
10c 導通空間
19 止水材
101 第1構造
110 本ブロック
111 下部分
111b 下面
113 上面
113a、113b 上面
113c 凹部
113cb 底面
115a 第1外面
115b 第2外面
116 連結金具
131 上部分
132a 連結金具
132b 連結金具
133 第1部分
134 第2部分
135 第3部分
136 下面
136f1、136f2 張り出し面
137 切り欠き部分
138a 第1外面
138b 第2外面
139 上面
151 追加部分
152 下面
156 連結金具
158a 第1外面
158b 第2外面
171 基礎コンクリート
171a 上面
171b 下面
171c 基礎コンクリート本体
171d 敷モルタル
181 設置面
182 設置面基礎コンクリート
183 敷モルタル
185 土
185a 上面
201 第2構造
260 基礎板具
261 基礎板本体
261c1、261c2 切り欠き部
261fa 上面
261fb 下面
261ha、261hb 雌ねじ部
261hc 連通孔
262、263 取付具
262a、263a 第1部
262ah、263ah ねじ穴
262b、263b 第2部
262c、263c 取り付けネジ
262d、263d 下面
264a、264b 勾配ねじ
298 モルタル
301 堤体
301a 堤体底部
301b 堤体天端
302 ため池
302a 水面
303 地表部分
305 盛土
306 遮水層
307 止水ブロック
308 埋め戻し土
311 下部分
311b 下面
313 上面
315a 第1外面
315b 第2外面
316 連結金具
331 上部分
331a 上部分第1部
331b 上部分第2部
332a 連結金具
332b 連結金具
332c 連結金具
336 下面
337 切り欠き部分
338a 第1外面
338b 第2外面
339 上面
351 追加部分
352 下面
356 連結金具
358a 第1外面
358b 第2外面
360 取水部
361 外部水路
391 基礎コンクリート
391a 上面
391b 下面
391p1 一方基礎コンクリート
391p1a 上面
391p1b 下面
391p2 他方基礎コンクリート
391p2a 上面
391p2b 下面