IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通クライアントコンピューティング株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-情報処理装置 図1
  • 特開-情報処理装置 図2
  • 特開-情報処理装置 図3
  • 特開-情報処理装置 図4
  • 特開-情報処理装置 図5
  • 特開-情報処理装置 図6
  • 特開-情報処理装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037435
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/3827 20150101AFI20230308BHJP
   H04M 1/72454 20210101ALI20230308BHJP
   H04M 1/72463 20210101ALI20230308BHJP
【FI】
H04B1/3827
H04M1/72454
H04M1/72463
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144196
(22)【出願日】2021-09-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-20
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金澤 賢
【テーマコード(参考)】
5K011
5K127
【Fターム(参考)】
5K011AA06
5K011DA02
5K127AA17
5K127AA24
5K127BA03
5K127GA29
5K127GA30
5K127GD21
5K127JA23
5K127JA33
5K127MA17
5K127MA38
(57)【要約】
【課題】近接センサの数の増加を抑制することが可能な情報処理装置を得る。
【解決手段】情報処理装置は、それぞれが電波を送信する複数のアンテナと、プローブとしての複数のアンテナの少なくともいずれかに近接する人体を検出する近接センサと、複数のアンテナと近接センサとを電気的に接続する信号線と、信号線に設けられ、各アンテナに、他のアンテナが送信する電波の信号が伝達するのを遮断する遮断部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが電波を送信する複数のアンテナと、
プローブとしての前記複数のアンテナの少なくともいずれかに近接する人体を検出する近接センサと、
前記複数のアンテナと前記近接センサとを電気的に接続する信号線と、
前記信号線に設けられ、各前記アンテナに、他の前記アンテナが送信する電波の信号が伝達するのを遮断する遮断部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記信号線は、前記近接センサから延びた共通線と、前記共通線から各前記アンテナに分岐した複数の分岐線と、を有し、
前記遮断部は、各前記分岐線に設けられたローパスフィルタを有した、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数のアンテナは、第1の前記アンテナと、第2の前記アンテナと、を含み、
前記信号線は、前記第1の前記アンテナに電気的に接続された第1の前記分岐線と、前記第2の前記アンテナに電気的に接続され、前記第1の前記分岐線よりも長さが長い第2の分岐線と、を有し、
前記第1の前記分岐線には、一つの前記ローパスフィルタが設けられ、
前記第2の前記分岐線には、二つの前記ローパスフィルタが設けられた、
請求項2に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信機能を有するPC(Personal Computer)、タブレット端末等の情報処理装置において、アンテナから送信される電波の人体への影響を考慮して、人体に吸収される電波の平均エネルギー量を表す比吸収率(SAR:Specific Absorption Rate)の許容値が定められている。例えば、情報処理装置に人体が近接しているか否かを近接センサで検出し、人体の近接が検出された場合には電波の出力レベルを低下させる技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5023226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の情報処理装置において、電波を送信するアンテナが複数ある場合には、それぞれのアンテナに対して人体が近接しているか否かを検出する必要がある。しなしがなら、各アンテナに対してそれぞれ近接センサを設けると、近接センサの数が増加してしまう。
【0005】
そこで、本開示の課題の一つは、近接センサの数の増加を抑制することが可能な情報処理装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、それぞれが電波を送信する複数のアンテナと、プローブとしての前記複数のアンテナの少なくともいずれかに近接する人体を検出する近接センサと、前記複数のアンテナと前記近接センサとを電気的に接続する信号線と、前記信号線に設けられ、各前記アンテナに、他の前記アンテナが送信する電波の信号が伝達するのを遮断する遮断部と、を備える。
【0007】
前記情報処理装置では、例えば、前記信号線は、前記近接センサから延びた共通線と、前記共通線から各前記アンテナに分岐した複数の分岐線と、を有し、前記遮断部は、各前記分岐線に設けられたローパスフィルタを有する。
【0008】
前記情報処理装置では、例えば、前記複数のアンテナは、第1の前記アンテナと、第2の前記アンテナと、を含み、前記信号線は、前記第1の前記アンテナに電気的に接続された第1の前記分岐線と、前記第2の前記アンテナに電気的に接続され、前記第1の前記分岐線よりも長さが長い第2の分岐線と、を有し、前記第1の前記分岐線には、一つの前記ローパスフィルタが設けられ、前記第2の前記分岐線には、二つの前記ローパスフィルタが設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本開示の情報処理装置によれば、近接センサの数の増加を抑制することが可能な情報処理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る電子機器の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係るアンテナユニットの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るアンテナユニットの構成の一例を示す平面図である。
図4図4は、実施形態に係る第1の送受信アンテナの特性の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る第1の送受信アンテナの特性の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る第2の送受信アンテナの特性の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る第2の送受信アンテナの特性の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用及び効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0012】
なお、本明細書では、序数は、部品や、部材、部位、位置、方向等を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0013】
図1は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、例えば、ノートブック型(クラムシェル型)のパーソナルコンピュータであり、無線WAN(Wide Area Network)等の無線通信機能を有する。なお、情報処理装置1は、上記例には限定されず、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータや、スレート型(タブレット型)のパーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話、映像表示装置、テレビジョン受像機、ゲーム機等であってもよい。
【0014】
情報処理装置1は、筐体11、制御部12、アンテナユニット14、第1の受信アンテナ15、第2の受信アンテナ16、無線通信部17、及び操作部(不図示)等を備える。
【0015】
筐体11は、情報処理装置1の外郭を構成する部材である。筐体11が、制御部12、アンテナユニット14、第1の受信アンテナ15、第2の受信アンテナ16、及び無線通信部17を収容している。
【0016】
制御部12は、情報処理装置1の制御を司るユニットであり、例えばマザーボード等の形態で実現される。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)21及びMPU(Micro Processing Unit)22を有する。CPU21は、OS(Operating System)、アプリケーションソフトウェア等のプログラムに従って、情報処理装置1を統合的に制御したり、特定の機能を実現したりするための各種演算処理及び制御処理を行う。MPU22は、CPU21と連携し、無線通信を確立するための電波の出力を制御するための演算処理等を行う。MPU22は、例えば、組み込みソフトウェア等のプログラムに従って動作するマイクロコントローラ等である。
【0017】
操作部は、ユーザの入力操作を受け付けるデバイスであり、例えば、キーボード、タッチパッド等である。
【0018】
アンテナユニット14は、アンテナ部31と、近接センサ32と、を有する。アンテナ部31は、無線通信を確立するための電波の送受信を行う。近接センサ32は、アンテナ部31に対する人体の近接を検出する。
【0019】
図2は、実施形態に係るアンテナユニット14の構成の一例を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、アンテナユニット14は、第1の送受信アンテナ41、第2の送受信アンテナ42、複数のローパスフィルタ44~48、複数のコンデンサ49~52、及び信号線60を有する。第1の送受信アンテナ41、第2の送受信アンテナ42、複数のローパスフィルタ44~48、及び複数のコンデンサ49~52は、信号線60によって電気的に接続されている。信号線60は、配線とも称される。第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42は、アンテナの一例である。
【0021】
第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42は、それぞれが電波の送受信を行う。第1の送受信アンテナ41が送受信する電波の周波数は、例えば700[MHz]以上である。第2の送受信アンテナ42が送受信する電波の周波数は、例えば1.7[GHz]以上である。すなわち、第2の送受信アンテナ42が送受信する電波の周波数は、第1の送受信アンテナ41が送受信する電波の周波数よりも高い。なお、第1の送受信アンテナ41が送受信する電波の周波数及び第2の送受信アンテナ42が送受信する電波の周波数は、上記に限定されない。
【0022】
第1の送受信アンテナ41は、コンデンサ49を介して無線通信部17に電気的に接続されている。無線通信部17とコンデンサ49との間の信号線60は、ローパスフィルタ45を介してグラウンドGに電気的に接続されている。第1の送受信アンテナ41とコンデンサ49との間の信号線60は、コンデンサ50を介してグラウンドGに電気的に接続されている。
【0023】
第2の送受信アンテナ42は、コンデンサ51を介して無線通信部17に電気的に接続されている。無線通信部17とコンデンサ51との間の信号線60は、ローパスフィルタ48を介してグラウンドGに電気的に接続されている。第2の送受信アンテナ42は、コンデンサ52を介してグラウンドGに電気的に接続されている。
【0024】
第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42は、信号線60に含まれる信号線60aによって互いに電気的に接続されるとともに、近接センサ32と電気的に接続されている。信号線60aは、共通線60b、第1の分岐線60c、及び第2の分岐線60dを有する。共通線60bは、近接センサ32から延びている。第1の分岐線60c及び第2の分岐線60dは、共通線60bから分岐している。具体的には、第1の分岐線60c及び第2の分岐線60dは、共通線60bの近接センサ32とは反対側の端部に設けられた分岐点60eから、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42に分岐している。すなわち、第1の分岐線60cは、分岐点60eと第1の送受信アンテナ41との間に設けられている。第2の分岐線60dは、分岐点60eと第2の送受信アンテナ42との間に設けられている。第1の分岐線60c及び第2の分岐線60dは、分岐線の一例である。
【0025】
第1の分岐線60cには、一つのローパスフィルタ44が設けられている。ローパスフィルタ44は、例えば、第1の送受信アンテナ41が送信する電波の周波数(以後、動作周波数とも称する)以上の周波数の信号を遮断し、第1の送受信アンテナ41の動作周波数未満の周波数の信号の通過を許容する。第2の分岐線60dには、二つのローパスフィルタ45,46が設けられている。ローパスフィルタ45,46は、例えば、第2の送受信アンテナ42が送信する電波の周波数(以後、動作周波数とも称する)以上の周波数の信号を遮断し、第2の送受信アンテナ42の動作周波数未満の周波数の信号の通過を許容する。すなわち、ローパスフィルタ44~46は、所定の閾値以上の周波数の信号を遮断し、所定の閾値未満の周波数の信号の通過を許容する。ローパスフィルタ44~46の所定の閾値は、例えば、それぞれ対応するアンテナ(第1の送受信アンテナ41又は第2の送受信アンテナ42)の動作周波数より小さい所定の値であってよい。なお、ローパスフィルタ44~46の所定の閾値は、同一であってもよい。例えば、所定の閾値は、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の動作周波数のうち最も低い周波数よりも小さい値であってもよい。また、ローパスフィルタ45,46は、所定の閾値が同じであってもよいし異なっていてもよい。また、各ローパスフィルタ44~46は、近接センサ32が動作する信号の周波数(以後、動作周波数とも称する)の信号の通過は許容するものとする。ここで、近接センサ32の動作周波数は、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の動作周波数のうち最も低い周波数よりも小さい。
【0026】
上記構成のローパスフィルタ44~46は、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42に、他のアンテナ(第1の送受信アンテナ41又は第2の送受信アンテナ42)が送信する電波の信号が伝達するのを遮断する。これらローパスフィルタ44~46は、遮断部43を構成している。すなわち、遮断部43は、第1の送受信アンテナ41の動作周波数の信号が、第1の送受信アンテナ41から第2の送受信アンテナ42に伝達するのを遮断する。また、遮断部43は、第2の送受信アンテナ42の動作周波数の信号が、第2の送受信アンテナ42から第1の送受信アンテナ41に伝達するのを遮断する。
【0027】
図3は、実施形態に係るアンテナユニット14の構成の一例を示す平面図である。
【0028】
図3に示すように、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42は、支持部材40の外面に固定されている。支持部材40は、絶縁性を有する合成樹脂材料によって構成されている。第1の送受信アンテナ41は、領域R1内に配置され、第2の送受信アンテナ42は、領域R2内に配置されている。また、支持部材40には、ローパスフィルタ44~46や近接センサ32等も固定されている。
【0029】
図1に示す第1の受信アンテナ15及び第2の受信アンテナ16は、無線通信を確立するため電波を受信する。
【0030】
無線通信部17は、送信信号及び受信信号を所定の形式の無線通信が確立されるように処理するユニットである。無線通信部17は、例えば、送信信号及び受信信号をLTEや5G等の規格に適合するように処理する。無線通信部17は、増幅器、D/Aコンバータ、A/Dコンバータ等を有する。無線通信部17は、第1の送受信アンテナ41、第2の送受信アンテナ42、第1の受信アンテナ15、及び第2の受信アンテナ16と、電気的に接続されている。無線通信部17は、送信信号を、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42に出力する。これにより、送信信号に基づく電波が第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42から送信される。また、無線通信部17には、受信信号が、第1の送受信アンテナ41、第2の送受信アンテナ42、第1の受信アンテナ15、及び第2の受信アンテナ16から入力される。
【0031】
近接センサ32は、人体の近接を検出可能なセンサである。近接センサ32は、静電容量型近接センサである。近接センサ32は、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42をプローブとして第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42に近接する人体を検出する。静電容量型近接センサを利用することで、検出した物体が人体であるか、金属等の他の物体であるかを判別できる。近接センサ32は、例えば、操作部(キーボード等)を操作しているユーザの手等を検出可能なものである。本実施形態に係る近接センサ32は、アンテナユニット14に含まれる。これにより、電波の発信源であるアンテナユニット14への人体の近接を確実に検出できる。近接センサ32は、人体検出センサとも称される。
【0032】
図4は、実施形態に係る第1の送受信アンテナ41の特性の一例を示す図である。図5は、実施形態に係る第1の送受信アンテナ41の特性の一例を示す図である。図6は、実施形態に係る第2の送受信アンテナ42の特性の一例を示す図である。図7は、実施形態に係る第2の送受信アンテナ42の特性の一例を示す図である。
【0033】
図4図7の横軸は、それぞれ、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の電波の周波数を示し、図4図7の縦軸は、それぞれ、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の総合放射効率を示す。また、図5,7の周波数は、それぞれ、図4,6の周波数よりも高い。
【0034】
図4図7には、本実施形態の第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の特性が、線L1で示され、比較例の第1の送受信アンテナ及び第2の送受信アンテナの特性が、線L2で示されている。比較例の第1の送受信アンテナ及び第2の送受信アンテナは、互いに電気的に接続されていない。すなわち、比較例では、第1の送受信アンテナと第2の送受信アンテナとの間に、第2の分岐線60dが設けられていない。
【0035】
図4図7から分かるように、本実施形態の第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の特性と、比較例の第1の送受信アンテナ及び第2の送受信アンテナの特性とに大きな違いはない。すなわち、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42を第2の分岐線60dを介して電気的に接続しても、遮断部43を設けることにより、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42のそれぞれの特性に影響が及ぶことが抑制される。
【0036】
以上のように、本実施形態では、情報処理装置1は、複数のアンテナである第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42と、近接センサ32と、信号線60aと、遮断部43と、を備える。第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42は、それぞれが電波を送信する。近接センサ32は、プローブとしての第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の少なくともいずれかに近接する人体を検出する。信号線60aは、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42と近接センサ32とを電気的に接続している。遮断部43は、信号線60aに設けられ、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42に、他のアンテナ(第1の送受信アンテナ41又は第2の送受信アンテナ42)が送信する電波の信号が伝達するのを遮断する。
【0037】
このような構成によれば、近接センサ32が、プローブとしての第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の少なくともいずれかに近接する人体を検出するので、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42ごとに近接センサ32を設ける必要がない。すなわち、近接センサ32は、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42に対して一つが共用される。よって、近接センサ32の数が増加するのを抑制することができる。また、上記構成によれば、信号線60aに遮断部43が設けられているので、第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42を信号線60aで電気的に接続することによる第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の特性の変化を抑制することができる。
【0038】
また、信号線60aは、共通線60bと、複数の分岐線である第1の分岐線60c及び第2の分岐線60dと、を有する。共通線60bは、近接センサ32から延びている。第1の分岐線60c及び第2の分岐線60dは、共通線60bから第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42に分岐している。遮断部43は、第1の分岐線60c及び第2の分岐線60dに設けられたローパスフィルタ44~46を有する。
【0039】
このような構成によれば、比較的に簡素な構成で遮断部43を構成することができる。
【0040】
また、複数のアンテナは、第1の送受信アンテナ41と、第2の送受信アンテナ42と、を含む。信号線60aは、第1の分岐線60cと、第2の分岐線60dと、を有する。第1の分岐線60cは、第1の送受信アンテナ41に電気的に接続されている。第2の分岐線60dは、第2の送受信アンテナ42に電気的に接続され、第1の分岐線60cよりも長さが長い。第1の分岐線60cには、一つのローパスフィルタ44が設けられ、第2の分岐線60dには、二つのローパスフィルタ45,46が設けられている。
【0041】
このような構成によれば、第1の分岐線60cよりも長さが長い第2の分岐線60dに二つのローパスフィルタ45,46が設けられているので、第2の分岐線60dの長さの影響を低減することができる。
【0042】
なお、上記実施形態では、複数のアンテナとして第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の二つのアンテナの例が示されたが、これに限定されない。例えば、複数のアンテナは、3つ以上であってもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、複数のアンテナとしてそれぞれが電波の送受信を行う第1の送受信アンテナ41及び第2の送受信アンテナ42の例が示されたが、これに限定されない。例えば、複数のアンテナは、全て又は一部が送信だけを行うものであってもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、遮断部43が複数のローパスフィルタ44~46を有する例が示されたが、これに限定されない。例えば、遮断部43は、一つのローパスフィルタによって構成されていてもよい。
【0045】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1…情報処理装置、32…近接センサ、41…第1の送受信アンテナ(アンテナ)、42…第2の送受信アンテナ(アンテナ)、43…遮断部、44~46…ローパスフィルタ、60a…信号線、60b…共通線、60c…第1の分岐線(分岐線)、60d…第2の分岐線(分岐線)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが電波を送信する複数のアンテナと、
プローブとしての前記複数のアンテナの少なくともいずれかに近接する人体を検出する近接センサと、
前記複数のアンテナと前記近接センサとを電気的に接続するとともに、前記複数のアンテナを前記近接センサを介さずに電気的に接続する信号線と、
前記信号線に設けられ、各前記アンテナに、他の前記アンテナが送信する電波の信号が前記信号線を介して伝達するのを遮断する遮断部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記信号線は、前記近接センサから延びた共通線と、前記共通線から各前記アンテナに分岐した複数の分岐線と、を有し、
前記遮断部は、各前記分岐線に設けられたローパスフィルタを有した、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数のアンテナは、第1の前記アンテナと、第2の前記アンテナと、を含み、
前記信号線は、前記第1の前記アンテナに電気的に接続された第1の前記分岐線と、前記第2の前記アンテナに電気的に接続され、前記第1の前記分岐線よりも長さが長い第2の分岐線と、を有し、
前記第1の前記分岐線には、一つの前記ローパスフィルタが設けられ、
前記第2の前記分岐線には、二つの前記ローパスフィルタが設けられた、
請求項2に記載の情報処理装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、それぞれが電波を送信する複数のアンテナと、プローブとしての前記複数のアンテナの少なくともいずれかに近接する人体を検出する近接センサと、前記複数のアンテナと前記近接センサとを電気的に接続するとともに、前記複数のアンテナを前記近接センサを介さずに電気的に接続する信号線と、前記信号線に設けられ、各前記アンテナに、他の前記アンテナが送信する電波の信号が前記信号線を介して伝達するのを遮断する遮断部と、を備える。