(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037472
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】温度管理システムおよび温度管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/087 20230101AFI20230308BHJP
G16H 40/20 20180101ALI20230308BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
G16H40/20
B65G61/00 524
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144249
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504044540
【氏名又は名称】東邦ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】竹野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】川上 健二
(72)【発明者】
【氏名】中田 繁樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L099AA01
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】管理に係る負担を軽減させつつ、出庫から利用もしくは返品の過程までを通じて一貫して高精度に物品の状態を管理することのできる温度管理システムおよび温度管理装置を提案する。
【解決手段】本開示に係る温度管理システムは、物品を収納する第1の収納箱と、第1の収納箱を収納する第2の収納箱と、ネットワーク上に設置される温度管理部とを備える。第1の収納箱は、物品が収納されたのちに開封されたか否かを示す開封確認機構と、第1の収納箱内の温度を測定する第1の測定器とを有する。第2の収納箱は、第2の収納箱内の温度を調整する温度調整機構と、第2の収納箱内の温度を測定する第2の測定器を有する。第1の測定器および第2の測定器は、所定の時間間隔で測定した温度のデータを蓄積し、蓄積したデータを温度管理部に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する第1の収納箱と、当該第1の収納箱を収納する第2の収納箱と、ネットワーク上に設置される温度管理部とを備える温度管理システムであって、
前記第1の収納箱は、前記物品が収納されたのちに開封されたか否かを示す開封確認機構と、当該第1の収納箱内の温度を測定する第1の測定器とを有し、
前記第2の収納箱は、当該第2の収納箱内の温度を調整する温度調整機構と、当該第2の収納箱内の温度を測定する第2の測定器を有し、
前記第1の測定器および第2の測定器は、所定の時間間隔で測定した温度のデータを蓄積し、蓄積したデータを前記温度管理部に送信する、
ことを特徴とする温度管理システム。
【請求項2】
前記温度管理部は、
前記第1の測定器もしくは第2の測定器から取得したデータが予め設定された条件を逸脱した場合に警告を発信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の温度管理システム。
【請求項3】
前記温度管理部は、
所定期間にわたり前記第1の測定器から取得したデータが予め設定された条件を逸脱しない場合に、前記物品を返品可能な物品と判定する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の温度管理システム。
【請求項4】
前記開封確認機構は、
物理錠、電子錠、もしくは、不可逆結束具である、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の温度管理システム。
【請求項5】
物品を収納する第1の収納箱と、当該第1の収納箱を収納する第2の収納箱とを有する温度管理装置であって、
前記第1の収納箱は、前記物品が収納されたのちに開封されたか否かを示す開封確認機構と、所定の時間間隔で当該第1の収納箱内の温度を測定し、測定したデータを蓄積する第1の測定器とを有し、
前記第2の収納箱は、当該第2の収納箱内の温度を調整する温度調整機構と、所定の時間間隔で当該第2の収納箱内の温度を測定し、測定したデータを蓄積する第2の測定器とを有する、
ことを特徴とする温度管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医薬品等の温度管理を行う温度管理システムおよび温度管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
厳密な温度管理を行う必要のある医薬品等に関して、温度ロガー等を利用して温度測定を行うとともに、測定したデータをRF(Radio Frequency)タグを利用した無線通信を介して外部装置に記憶することで、保存状態を監視する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5084199号公報
【特許文献2】特開2019-31308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術によれば、適切に温度管理がなされて医薬品を保管していることが担保できるため、希少疾病用医薬品等の返品が可能となり、その利用を促進することができる。
【0005】
しかしながら、医薬品にRFタグ等を個別に取り付けることは煩雑であり、管理者の負担が大きい。また、医薬品は、保管時のみならず運搬過程においても適切に温度管理がなされていることが必要であるが、温度維持のため、運搬時には内部からの通信が遮断されるような素材の収納箱に収められることがある。この場合、RFタグなど通信手段が機能せず、医薬品が製造業者や卸業者から出庫されてから返品されるまでの全ての過程において適切な管理がなされていたかといった追跡が困難となるおそれがある。
【0006】
そこで、本開示では、管理に係る負担を軽減させつつ、出庫から利用もしくは返品の過程までを通じて一貫して高精度に物品の状態を管理することのできる温度管理システムおよび温度管理装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の温度管理システムは、物品を収納する第1の収納箱と、当該第1の収納箱を収納する第2の収納箱と、ネットワーク上に設置される温度管理部とを備える。前記第1の収納箱は、前記物品が収納されたのちに開封されたか否かを示す開封確認機構と、当該第1の収納箱内の温度を測定する第1の測定器とを有する。前記第2の収納箱は、当該第2の収納箱内の温度を調整する温度調整機構と、当該第2の収納箱内の温度を測定する第2の測定器を有する。前記第1の測定器および第2の測定器は、所定の時間間隔で測定した温度のデータを蓄積し、蓄積したデータを当該温度管理部に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る温度管理処理の流れを模式的に示す図である。
【
図2】実施形態に係る温度管理システムの構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る第1温度ロガー、携帯端末および管理装置の構成例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る測定情報記憶部の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る管理条件記憶部の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係るデータ記憶部の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る第3温度ロガー、ゲートウェイ装置および管理装置の構成例を示す図である。
【
図8】実施形態に係る温度管理処理の手順を示すフローチャート(1)である。
【
図9】実施形態に係る温度管理処理の手順を示すフローチャート(2)である。
【
図10】実施形態に係る温度管理処理の手順を示すフローチャート(3)である。
【
図11】管理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0010】
(1.実施形態)
[1-1.実施形態に係る温度管理処理の一例]
図1は、実施形態に係る温度管理処理の流れを模式的に示す図である。
図1に示す医薬品製造者10は、製造した医薬品12を卸業者16や病院18に納品するため、実施形態に係る温度管理処理を利用する。
【0011】
医薬品は厳密な温度管理が行われる必要があるとともに、利用されなかった医薬品は廃棄されることなく返品処理を可能にすることが望ましい。医薬品の返品処理を行うためには、医薬品が製造から輸送、保管から返却まで、一貫して適切な保管状態が維持されていたことが証明されなければならない。また、その保管に関わる者にとって、作業が過度に負担のかかるものにならないことが望ましい。実施形態に係る温度管理処理は、以下に説明するように、管理に係る負担を軽減させつつ、出庫から利用もしくは返品の過程までを通じて一貫して高精度に物品の状態を管理することを可能とする。
【0012】
図1の説明に先立ち、実施形態に係る温度管理処理を実行する温度管理システム1の構成について、
図2を用いて説明する。
図2は、温度管理システム1の構成例を示す図である。
【0013】
図2に示すように、温度管理システム1は、内箱20、外箱40、保管装置60、管理装置100、携帯端末50、ゲートウェイ装置70を含む。
【0014】
内箱20は、医薬品を収納する第1の収納箱である。内箱20は、第1温度ロガー(logger)22と、ロック機構30とを有する。第1温度ロガー22は、内箱20内の温度を計測し、計測した温度データを蓄積する装置である。また、第1温度ロガーは、例えばNFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の無線通信機能を備える。例えば、第1温度ロガー22は、携帯端末50やゲートウェイ装置70と通信し、蓄積した温度データを携帯端末50やゲートウェイ装置70に送信する。なお、第1温度ロガーは、温度のみならず、内箱20内の湿度や照度、振動および気圧等、種々のデータを計測してもよい。ロック機構30は、例えば物理錠、電子錠もしくは不可逆結束具(結束バンド等)であり、医薬品が収納されたのちにロック機構30が開封された場合、その形跡が残る機構である。例えば、医薬品の返品を受け付ける者は、返品された内箱20のロック機構30を確認し、ロックが開封されていないことが確認された場合、すなわち開封の痕跡がない場合にのみ、その返品を受け付けてもよい。ロック機構30が電子錠である場合、医薬品の返品を受け付ける者は、ロック機構30の開封のログデータを参照し、ロック機構30が開封されたか否かを判定してもよい。
【0015】
外箱40は、内箱20を収納する第2の収納箱である。外箱40は、第2温度ロガー42と、温度調整機構48とを有する。第2温度ロガー42は、第1温度ロガー22と同様の機能を有する。温度調整機構48は、外箱40内の温度を制御するための機構である。すなわち、外箱40は、内箱20を収納したうえで、庫内の温度を一定に保ちながら運搬するための可動式温冷蔵庫である。なお、温度調整機構48は、どのような機構で実現されてもよく、例えばコンプレッサーを備える圧縮式や、冷媒を利用する吸収式や、ペルチェ素子を用いた冷却方式、ヒーターなどの温熱器具あるいはドライアイスなどの冷却物質を利用した機構でもよい。外箱40の一例は、内箱20を内部に収納し、一体として卸業者16や病院18に医薬品を納品するための車載式冷蔵庫である。
【0016】
保管装置60は、内箱20もしくは外箱40を収納することが可能な第3の収納箱である。保管装置60は、第3温度ロガー62と、温度調整機構68とを有する。第3温度ロガー62は、第1温度ロガー22や第2温度ロガー42と同様の機能を有する。温度調整機構68は、保管装置60内の温度を制御するための機構であり、温度調整機構48と同様の機能を有する。保管装置60の一例は、外箱40を利用して卸業者16や病院18に運搬された内箱20(医薬品12)を保管するための据置型冷蔵庫である。すなわち、卸業者16や病院18は、外箱40から内箱20を取り出し、内箱20のみを保管装置60に収納してもよい。これにより、卸業者16は、内箱20を病院18に納品したのち、外箱40を運搬用途に再利用することができる。
【0017】
管理装置100は、温度管理システム1において、医薬品の保管状態を管理する温度管理部としての役割を担う情報処理装置である。管理装置100の一例は、インターネット等のネットワークに接続可能なサーバ装置である。管理装置100は、例えば、医薬品が保管される際の温度の上限や下限、変動幅等の管理条件を記憶する。また、管理装置100は、携帯端末50やゲートウェイ装置70を介して、第1温度ロガー22、第2温度ロガー42および第3温度ロガー62から送信される温度データを取得する。例えば、管理装置100は、第1温度ロガー22、第2温度ロガー42もしくは第3温度ロガー62に対して温度データを要求し、要求に応じた第1温度ロガー22等から温度データを取得する。あるいは、管理装置100は、第1温度ロガー22、第2温度ロガー42もしくは第3温度ロガー62等が所定の条件に従い(例えば所定時間間隔ごとなど)、自発的に送信する温度データを取得する。そして、管理装置100は、取得した温度データが医薬品の管理条件に適合しているか否かを判定する。管理装置100は、取得した温度データが医薬品の管理条件に適合していない場合、携帯端末50に警告を発信したり、当該医薬品が返品された場合に返品を不可と判定したりするなどの処理を実行してもよい。なお、管理装置100は、情報処理を実行する情報処理サーバや、ネットワークを介して取得された温度データを蓄積するクラウドデータサーバなど、複数のサーバ装置で構成されてもよい。
【0018】
携帯端末50は、インターネット等のネットワークや、NFC、Bluetoothなど無線通信を利用可能な情報機器である。携帯端末50の一例は、スマートフォンやタブレット端末である。例えば、携帯端末50は、医薬品を運搬する者に携帯される。携帯端末50は、例えば一定の時間間隔で第1温度ロガー22、第2温度ロガー42および第3温度ロガー62から送信される温度データを取得し、自装置の記憶部に蓄積する。また、携帯端末50は、管理装置100からの要求に従い、もしくは自発的に、第1温度ロガー22等から取得した温度データを管理装置100に送信する。また、携帯端末50は、管理装置100から警告を受信した場合、医薬品が適切な保管状態から外れるおそれがあること等を示す警告を画面に表示するなどして、医薬品を運搬する者の注意を喚起してもよい。
【0019】
ゲートウェイ装置70は、インターネット等のネットワークや、NFC、Bluetoothなど無線通信を利用可能な情報機器である。ゲートウェイ装置70は、無線通信を介して、第1温度ロガー22、第2温度ロガー42および第3温度ロガー62から送信される温度データを取得する。また、ゲートウェイ装置70は、取得した温度データを、ネットワークを介して管理装置100に送信する。ゲートウェイ装置70は、例えば、卸業者16や病院18に常設される。
【0020】
続いて、温度管理システム1が実行する温度管理処理について、
図1を用いて流れに沿って説明する。
【0021】
医薬品製造者10は、製造した医薬品12を内箱20に収納する(ステップS10)。内箱20は、庫内の温度を測定するための第1温度ロガー22を備える。第1温度ロガー22は、測定した温度データをディスプレイ等の表示部に表示する。
【0022】
また、医薬品製造者10は、内箱20のロック機構30を用いて、内箱20をロックする(ステップS12)。ロック機構30は、医薬品12が収納されたのちに開封されたか否かを示す構造であり、以後の過程において内箱20が開封された場合には痕跡を残す。これにより、医薬品製造者10は、医薬品12の返品を受け付ける際、内箱20が開封されたか否かを確認することができる。
【0023】
その後、医薬品製造者10は、内箱20を外箱40に収納する(ステップS14)。外箱40は、第2温度ロガー42を備える。第2温度ロガー42は、庫内の温度を測定した温度データをディスプレイ等の表示部に表示する。また、外箱40は、温度調整機構48を備える。これにより、外箱40は、外箱40の庫内、および、収納した内箱20の温度を制御することができる。
【0024】
なお、第1温度ロガー22および第2温度ロガー42は、予め管理装置100によって管理条件が設定されており、条件に沿って挙動する。例えば、第1温度ロガー22および第2温度ロガー42は、所定時間間隔で携帯端末50と通信し、測定した温度データを携帯端末50に送信する(ステップS16)。かかる処理は、例えば、携帯端末50にインストールされたアプリによって制御されてもよい。携帯端末50は、例えば、医薬品12を運搬する車両14に搭乗する運転者に携帯される。また、管理条件には、医薬品12の管理状況に応じて警告を発信するような設定が付与されていてもよい。この場合、管理装置100は、測定された温度データが予め設定された上限や下限を逸脱するなど、管理状態が条件に適合しない状況が観測された場合、携帯端末50に警告を発信する。
【0025】
その後、医薬品12を収納した内箱20および外箱40は、車両14によって卸業者16に運搬される(ステップS18)。また、医薬品12を収納した内箱20および外箱40は、車両14によって卸業者16から病院18に運搬される(ステップS19)。
【0026】
病院18は、車両14から運搬された外箱40から内箱20を取り出し、病院18内に設置された冷蔵庫である保管装置60に内箱20を保管するか、あるいは、外箱40のまま保管するかを選択できる。
【0027】
例えば、車両14の運転者は、病院18に到着したのち、外箱40を病院18に納品する(ステップS20)。病院18の担当者は、外箱40から内箱20を取り出す(ステップS22)。その後、病院18の担当者は、内箱20を保管装置60に収納する(ステップS24)。保管装置60は、第3温度ロガー62を備える。第3温度ロガー62は、庫内の温度を測定した温度データをディスプレイ等の表示部に表示する。また、第1温度ロガー22および第3温度ロガー62は、所定時間間隔で、病院18に設置されたゲートウェイ装置70と通信し、測定した温度データをゲートウェイ装置70に送信する(ステップS26)。
【0028】
なお、上述のように、病院18の担当者は、受領した外箱40のまま、医薬品12を管理してもよい(ステップS30)。この場合、第1温度ロガー22および第2温度ロガー42は、所定時間間隔でゲートウェイ装置70と通信し、測定した温度データをゲートウェイ装置70に送信する(ステップS32)。また、保管装置60が第3温度ロガー62を備えているかに関わらず、内箱20の第1温度ロガーは、病院18に設置されたゲートウェイ端末70と通信し、測定した温度データをゲートウェイ装置70に送信する。
【0029】
そして、ゲートウェイ装置70は、取得した温度データを管理装置100に送信する(ステップS34)。管理装置100は、携帯端末50もしくはゲートウェイ装置70から取得した温度データを蓄積する。
【0030】
なお、管理装置100は、ステップS16、ステップS26およびステップS34において、第1温度ロガー22から温度データが取得できず、かつ、同時刻に対応するデータを第2温度ロガー42もしくは第3温度ロガー62から取得した場合には、第2温度ロガー42もしくは第3温度ロガー62から取得したデータを用いて、医薬品12の管理状態を判定してもよい。例えば、第1温度ロガー22は、その通信環境によっては、通信を阻害しやすい金属等の素材で形成された外箱40内や、医薬品12が保管される特殊な環境下(超低温など)では、携帯端末50との通信に支障が生じ、温度データを送信できないことがありうる。このような場合、管理装置100は、第1温度ロガー22が送信すべき時刻において、当該時刻に対応する温度データを取得できない。しかし、管理装置100は、当該時刻に対応する温度データを第2温度ロガー42もしくは第3温度ロガー62から取得していれば、当該データを第1温度ロガー22の温度データに代替してもよい。これにより、管理装置100は、医薬品12の温度データを途切れることなく取得し続けることができるので、一貫した温度管理が可能となる。
【0031】
その後、病院18において医薬品12が使用されたことが観測された場合、温度管理システム1による温度管理処理は終了する(ステップS40)。一方、病院18において医薬品12が使用されず、病院18の担当者が返品を望む場合、医薬品12は医薬品製造者10に返品される(ステップS42)。
【0032】
この場合、管理装置100は、管理装置100に蓄積された温度データに基づいて、医薬品12の返品を受け付けるか否かを判定する。具体的には、管理装置100は、医薬品12に規定された管理条件を参照し、出庫から返品に至るまで、条件に沿った温度状態で医薬品12が管理されていたか否かを判定する。また、管理装置100は、内箱20のロック機構30が開封されたか否かに基づいて、医薬品12の返品を受け付けるか否かを判定してもよい。ロック機構30の開封確認は、医薬品製造者10による人手で確認されてもよいし、ロック機構30の開封が電子的に確認できる場合、電子的手段を用いて開封を確認してもよい。
【0033】
以上のように、温度管理システム1は、医薬品12を収納する内箱20と、内箱20を収納する外箱40と、ネットワーク上に設置される管理装置100とを備える。内箱20は、医薬品12が収納されたのちに開封されたか否かを示すロック機構30と、内箱20内の温度を測定する第1温度ロガー22とを有する。外箱40は、外箱40内の温度を調整する温度調整機構48と、外箱40内の温度を測定する第2温度ロガー42を有する。そして、第1温度ロガー22および第2温度ロガー42は、所定の時間間隔で測定した温度のデータを蓄積し、携帯端末50等を介して蓄積したデータを管理装置100に送信する。
【0034】
すなわち、温度管理システム1は、内箱20および外箱40という2つの収納箱を用いて医薬品12の温度を管理する。温度管理システム1によれば、内箱20の運搬時であっても、外箱40に備えられた第2温度ロガー42を参照することで、医薬品12の管理状態を把握できる。また、温度管理システム1によれば、外箱40のみでなく内箱20にも温度ロガーを備えるので、外箱40に複数の内箱20を収納して運搬するなど、柔軟な運搬が可能となる。また、温度管理システム1は、内箱20の各々に第1温度ロガー22を備えることができるので、運搬中および病院18での管理期間中も個別に医薬品12の状態を管理できる。さらに、温度管理システム1は、外箱40から内箱20が取り出された後も、保管装置60に備えられた第3温度ロガー62と、第1温度ロガー22との温度データを測定することで、確実に医薬品12の温度管理を継続することできる。
【0035】
また、温度管理システム1は、個々の医薬品12にRFタグを取り付けるなど煩雑な処理を要することなく、内箱20に収納することで医薬品12を管理する。これにより、温度管理システム1は、医薬品12の管理に係る手間を軽減する。すなわち、温度管理システム1は、管理に係る負担を軽減させつつ、出庫から利用もしくは返品の過程までを通じて一貫して高精度に物品の状態を管理することができる。
【0036】
[1-2.実施形態に係る携帯端末および管理装置の構成]
次に、実施形態に係る温度管理処理を実行する第1温度ロガー22、携帯端末50、および管理装置100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る第1温度ロガー22、携帯端末50および管理装置100の構成例を示す図である。なお、
図3では第1温度ロガー22のみを記載しているが、第1温度ロガー22の構成および機能は、第2温度ロガー42および第3温度ロガー62と共通する。
【0037】
まず、携帯端末50について説明する。
図3に示すように、携帯端末50は、通信部51と、測定情報記憶部52と、制御部53とを有する。なお、携帯端末50は、ユーザ等から各種操作を受け付ける入力部(例えばタッチパネル等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0038】
通信部51は、例えば、ネットワークインタフェースコントローラ(Network Interface Controller)等によって実現される。通信部51は、ネットワークN(例えばインターネット)と有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、第1温度ロガー22や管理装置100等との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部51は、Wi-Fi(登録商標)、SIM(Subscriber Identity Module)、LPWA(Low Power Wide Area)等の通信規格もしくは通信技術を用いて、情報の送受信を行う。なお、通信部51や後述する通信部23等は、必ずしも同一の通信規格を用いて通信することを要さず、Wi-Fi等の各種通信規格をそれぞれ組み合わせて相互に通信を行ってもよい。
【0039】
測定情報記憶部52は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0040】
図4に、測定情報記憶部52が記憶する情報の一例を示す。
図4は、実施形態に係る測定情報記憶部52の一例を示す図である。
図4に示した例では、測定情報記憶部52は、「ログデータ番号」、「測定日時」、「位置情報」、「測定データ」といった各項目を有する。さらに、「測定データ」は、「温度」、「湿度」、「照度」、「振動」、「気圧」といった各項目を有する。
【0041】
なお、
図4乃至
図6に示す例では、測定情報記憶部52および後述する記憶部120に格納される情報を「A001」のように概念的に示す場合があるが、実際には、後述で説明する各情報が測定情報記憶部52および記憶部120に記憶される。
【0042】
「ログデータ番号」は、第1温度ロガー22等が測定したログデータを識別する番号を示す。なお、ログデータ番号には、管理装置100および携帯端末50と連携する各温度ロガー(実施形態では第1温度ロガー22、第2温度ロガー42、第3温度ロガー62)のいずれの温度ロガーが取得したかを識別する情報が含まれてもよい。「測定日時」は、第1温度ロガー22等が温度等を測定した日時を示す。「位置情報」は、第1温度ロガー22等が温度等を測定した際の位置情報を示す。位置情報は、携帯端末50もしくは第1温度ロガー22が備えるGPS(Global Positioning System)センサ等の機能を用いて取得される。「測定データ」は、第1温度ロガー22等が測定した各種データを示す。
【0043】
図3に戻り、説明を続ける。制御部53は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって、携帯端末50内部に記憶されたプログラムがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部53は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。制御部53は、取得部54および送信部55を含む。
【0044】
取得部54は、第1温度ロガー22等が測定した各種データを取得する。例えば、取得部54は、第1温度ロガー22が測定した温度データを取得する。また、取得部54は、第1温度ロガー22が測定した湿度、照度、振動および気圧の少なくともいずれか一つのデータを取得してもよい。また、取得部54は、GPSセンサ等を用いて、ログデータを取得した際の位置情報を取得してもよい。取得部54は、取得した各種データを測定情報記憶部52に記憶する。
【0045】
また、取得部54は、管理装置100が警告を発信した場合、当該警告のデータを取得してもよい。取得部54は、警告のデータを取得した場合、表示部に警告を表示する。なお、警告は、画面表示によるものでもよいし、音声によるものでもよい。
【0046】
送信部55は、取得部54が取得したデータを管理装置100に送信する。送信部55は、管理装置100からリクエストを受信した際にデータを管理装置100に送信してもよいし、予め規定された条件に従い、所定時間ごとにデータを管理装置100に送信してもよい。
【0047】
続いて、第1温度ロガー22について説明する。
図3に示すように、第1温度ロガー22は、通信部23と、測定情報記憶部24と、制御部25とを有する。なお、携帯端末50は、ユーザ等から各種操作を受け付ける入力部(例えば入力ボタンやタッチパネル等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0048】
第1温度ロガー22の表示部は、第1温度ロガー22が測定した温度を内箱20の外部から視認可能に設置される。同様に、第2温度ロガー42の表示部は、第2温度ロガー42が測定した温度を外箱40の外部から視認可能に設置される。同様に、第3温度ロガー62の表示部は、第3温度ロガー62が測定した温度を保管装置60の外部から視認可能に設置される。これにより、管理者や運搬者は、医薬品12を開封することなく、あるいは、内箱20を外箱40や保管装置60から取り出すことなく、適切に温度管理がされているかを視認可能である。
【0049】
通信部23は、例えば、ネットワークインターフェースコントローラ等によって実現される。通信部23は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、携帯端末50や管理装置100等との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部23は、Wi-Fi、SIM、LPWA等の通信規格もしくは通信技術のいずれか、あるいはその組み合わせを用いて、情報の送受信を行う。
【0050】
測定情報記憶部24は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。測定情報記憶部24に記憶される情報は、
図4に示した測定情報記憶部52が記憶した情報と共通する。
【0051】
制御部25は、例えば、CPUやMPU、GPU等によって、第1温度ロガー22内部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部25は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。制御部25は、測定部26および送信部27を含む。
【0052】
測定部26は、各種センサを利用して、内箱20内の各種データを測定する。例えば、測定部26は、所定時間ごとに、温度センサや湿度センサ等の種々のセンサを用いて内箱20内の各種データを測定し、測定情報記憶部24に記憶する。
【0053】
送信部27は、NFCやBluetooth等を用いて、測定部26によって測定されたデータを携帯端末50に送信する。送信部27は、携帯端末50もしくは管理装置100からリクエストを受信した際にデータを携帯端末50に送信してもよいし、予め規定された条件に従い、所定時間ごとにデータを携帯端末50に送信してもよい。なお、送信部27は、医薬品12の運搬中において周囲の環境等を要因として無線通信が不可能な場合、通信が可能になった時点で、測定情報記憶部24に蓄積されていたデータをまとめて送信してもよい。また、送信部27は、携帯端末50等を介さず、直接、管理装置100に蓄積したデータを送信してもよい。
【0054】
また、送信部27は、第1温度ロガー22が検知した各種状況に係る情報を送信してもよい。例えば、第1温度ロガー22が備えるロック機構30が電子錠であり、その開封が電子的に検知可能な場合には、送信部27は、ロックが解除された旨を携帯端末50もしくは管理装置100に送信する。
【0055】
続いて、管理装置100について説明する。
図3に示すように、管理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、管理装置100は、管理装置100を管理する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0056】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)やネットワークインタフェースコントローラ等によって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、携帯端末50や第1温度ロガー22等との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部110は、Wi-Fi、SIM、LPWA等の通信規格もしくは通信技術のいずれか、あるいはその組み合わせを用いて、情報の送受信を行う。
【0057】
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、管理条件記憶部121と、データ記憶部122とを有する。以下、各記憶部について順に説明する。
【0058】
図5に、管理条件記憶部121が記憶する情報の一例を示す。
図5は、実施形態に係る管理条件記憶部121の一例を示す図である。
図5に示した例では、管理条件記憶部121は、「管理ID」、「医薬品」、「出荷先」、「紐づけ端末情報」、「条件内容」といった項目を有する。
【0059】
「管理ID」は、医薬品12を管理する条件や端末等の規定を識別する識別情報を示す。「医薬品」は、管理IDに紐づけられる医薬品12を示す。医薬品は、一つの管理IDに一つの医薬品が紐づけられてもよいし、一つの管理IDに複数の医薬品が紐づけられてもよい。「出荷先」は、医薬品が出荷される卸業者16や病院18を示す。「紐づけ端末情報」は、医薬品12の管理に利用される複数の温度ロガーや携帯端末50、ゲートウェイ装置70等の情報を示す。「条件内容」は、医薬品12の管理状態が適切であるかを判定するための条件を示す。具体的には、「条件内容」は、管理されている医薬品の温度上限や下限、温度変化、湿度や振動等の各種データにおいて許容できる条件等である。「条件内容」は、例えば、医薬品製造者10や、医薬品の供給を専門とする運搬業者等によって任意に規定される。「条件内容」は、例えば、出荷先の病院18から所定範囲を超えた移動がないか、移動距離が所定範囲内であるかなどの位置情報を用いた条件であってもよい。
【0060】
続いて、
図6に、データ記憶部122が記憶する情報の一例を示す。
図6は、実施形態に係るデータ記憶部122の一例を示す図である。
図6に示した例では、データ記憶部122は、「管理ID」、「測定データ」、「警告発信先」、「返品可能判定」といった項目を有する。また、「測定データ」は、「温度ロガーID」と「測定データ」といった小項目を有する。
【0061】
「管理ID」は、
図5に示した同一の項目に対応する。「測定データ」は、各温度ロガーが測定し、管理装置100に送信されたデータを示す。「温度ロガーID」は、データを測定した温度ロガーを識別する情報を示す。例えば
図6では、「ID1」で示される温度ロガーが「第1温度ロガー22」であり、「ID2」で示される温度ロガーが「第2温度ロガー42」であり、「ID3」で示される温度ロガーが「第3温度ロガー62」である。「測定データ」は、各温度ロガーが測定したデータである。例えば、「測定データ」は、
図4に示した測定情報記憶部52や、測定情報記憶部24に記憶されるデータに対応する。「警告発信先」は、管理条件に適合しない管理がなされていると管理装置100が判定した場合に警告を発信する発信先を示す。「返品可能判定」は、現状の管理状態において、管理IDと紐づけられた医薬品12が返品可能な状態であるか否かを示す。
【0062】
図3に戻り、説明を続ける。制御部130は、例えば、CPUやMPU、GPU等によって、管理装置100内部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0063】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、判定部132と、送信部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0064】
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、管理装置100の管理者によって規定された医薬品12の管理条件を取得する。取得部131は、取得した管理条件を管理条件記憶部121に記憶する。
【0065】
また、取得部131は、携帯端末50やゲートウェイ装置70を介して、第1温度ロガー22、第2温度ロガー42および第3温度ロガー62が測定したデータを取得する。取得部131は、取得したデータをデータ記憶部122に記憶する。
【0066】
なお、取得部131は、各温度ロガーの測定したデータをどのような態様で取得してもよい。例えば、携帯端末50に紐づけられた各温度ロガーは、携帯端末50で動作するアプリの命令に従い、測定および蓄積したデータを所定の時間間隔で携帯端末50に送信する。そして、携帯端末50は、所定の時間間隔で、データを管理装置100に送信する。これにより、取得部131は、送信されたデータを取得することができる。なお、時間間隔は、予め管理条件に設定されていてもよいし、医薬品製造者10や卸業者16に任意に設定されてもよい。あるいは、取得部131は、各温度ロガーと通信可能な場合、データの送信リクエストを各温度ロガーに送信し、応答した各温度ロガーからデータを取得してもよい。また、取得部131は、携帯端末50にデータの送信リクエストを送信し、応答した携帯端末50からデータを取得してもよい。あるいは、携帯端末50や各温度ロガーは、リクエストを受信しない場合であっても、管理装置100と通信可能と判定したタイミングで、蓄積しておいたデータを自発的に管理装置100に送信してもよい。
【0067】
判定部132は、取得部131によって取得されたデータに基づいて、各種の判定処理を行う。
【0068】
例えば、判定部132は、第1温度ロガー22、第2温度ロガー42、もしくは第3温度ロガー62から取得したデータが予め設定された条件を逸脱したか否かを判定する。そして、判定部132は、条件を逸脱したと判定した場合に、予め規定された発信先に警告を発信する。判定部132は、原則として、医薬品12の温度を測定する第1温度ロガー22が測定したデータを用いて、取得したデータが予め設定された条件を逸脱したか否かを判定する。
【0069】
なお、判定部132は、第1温度ロガー22からデータを取得せず、第2温度ロガー42もしくは第3温度ロガー62から同時刻に対応するデータを取得した場合には、第2温度ロガー42もしくは第3温度ロガー62から取得したデータが予め設定された条件を逸脱したか否かを判定してもよい。すなわち、判定部132は、通信障害など何らかの状況下で、医薬品12の温度を測定する第1温度ロガー22が測定したデータが取得できない場合、同時刻に取得するはずであった第1温度ロガー22が測定したデータに代えて、第2温度ロガー42もしくは第3温度ロガー62が測定したデータを利用して判定処理を行ってもよい。そして、判定部132は、条件を逸脱したと判定した場合に、予め規定された発信先に警告を発信する。これにより、判定部132は、第1温度ロガー22がデータを測定できない場合であっても、医薬品12が適切に保管されているかを管理できるので、一貫した管理を継続することができる。
【0070】
また、判定部132は、所定期間にわたり第1温度ロガー22から取得したデータが予め設定された条件を逸脱しない場合に、物品を返品可能な物品と判定してもよい。この場合の所定期間とは、管理条件に記載された期間であり、例えば、医薬品製造者10が医薬品12を出庫し、その医薬品12が医薬品製造者10に返品されるまでの期間である。
【0071】
送信部133は、各種情報を送信する。例えば、送信部133は、携帯端末50もしくはゲートウェイ装置70に、各温度ロガーが測定した測定データを管理装置100に送信するよう要求するリクエストを送信する。また、送信部133は、判定部132が警告を発信すると判定した場合、所定の発信先に対して警告を送信する。
【0072】
次に、
図7を用いて、携帯端末50に代えてゲートウェイ装置70が測定データを送信する際の構成例について説明する。
図7は、実施形態に係る第3温度ロガー62、ゲートウェイ装置70および管理装置100の構成例を示す図である。なお、
図3では第3温度ロガー62のみを記載しているが、第3温度ロガー62の構成および機能は、第1温度ロガー22および第2温度ロガー42と共通する。また、
図3で示した構成と同様の構成については、説明を省略する。
【0073】
図7に示すように、ゲートウェイ装置70は、通信部71と、制御部73を有する。通信部71は、例えば、NIC等によって実現される。通信部71は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、第1温度ロガー22、第3温度ロガー62や管理装置100等との間で情報の送受信を行う。
【0074】
制御部73は、例えば、CPUやMPU、GPU等によって、ゲートウェイ装置70内部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部73は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。制御部73は、取得部74および送信部75を含む。取得部74の機能は、
図3で示した取得部54の機能と共通する。また、送信部75の機能は、
図3で示した送信部55の機能と共通する。なお、
図7に示した構成例では、ゲートウェイ装置70が記憶部を有していないが、ゲートウェイ装置70は、第3温度ロガー62等から取得した測定データを記憶する記憶部(メモリ素子等)を備えていてもよい。
【0075】
[1-3.実施形態に係る温度管理処理の手順]
次に、
図8乃至
図10を用いて、実施形態に係る温度管理処理の手順について説明する。まず、
図8を用いて、実施形態に係る温度管理処理の全体の流れについて説明する。
図8は、実施形態に係る温度管理処理の手順を示すフローチャート(1)である。
【0076】
図8に示すように、管理装置100は、携帯端末50もしくはゲートウェイ装置70を介して、複数の温度ロガーから測定データを取得する(ステップS101)。管理装置100は、取得した測定データを蓄積する(ステップS102)。医薬品12の返品が行われるか、あるいは医薬品12が使用されるまで、管理装置100は、管理判定処理を実行する(ステップS103)。その後、管理装置100は、返品判定を要求されたか否かを判定する(ステップS104)。
【0077】
返品判定を要求されない場合(ステップS104;No)、すなわち医薬品12の保管が維持されている場合、管理装置100は、温度ロガーから測定データを取得する処理を継続する(ステップS101)。一方、返品判定を要求された場合(ステップS104;Yes)、例えば医薬品12が医薬品製造者10に返品された場合には、管理装置100は、当該医薬品12の返品を受け付けるか否かを判定する処理を実行する(ステップS105)。
【0078】
続いて、
図9を用いて、ステップS103における管理判定処理の詳細について説明する。
図9は、実施形態に係る温度管理処理の手順を示すフローチャート(2)である。
【0079】
図9に示すように、管理装置100は、測定データが条件に適合するか否かを判定する(ステップS201)。例えば、管理装置100は、取得した温度データが上限を超えた、あるいは超えそうな傾向にある場合や、通信障害のために第1温度ロガー22から温度データが取得できなくなった場合など、医薬品12が適切に管理されていない状況であるか否かを判定する。
【0080】
測定データが条件に適合しないと判定した場合(ステップS201;No)、管理装置100は、条件に紐づけられた端末を特定する(ステップS202)。例えば、管理装置100は、医薬品12の管理条件において「携帯端末50」が紐づけられている場合、携帯端末50を警告の発信先として特定する。
【0081】
そして、管理装置100は、特定した端末に警告を発信する(ステップS203)。その後、管理装置100は、測定データに基づいて、医薬品12が返品可能な状態が維持されているか否かを判定する(ステップS204)。
【0082】
例えば、管理装置100は、警告を発信したのちに取得した温度データが条件に適合しない状態が継続した場合などに返品可能な状態が維持されていないとして(ステップS204;No)、医薬品12を返品不可と判定する(ステップS205)。この場合、管理装置100は、医薬品12が返品不可である旨をデータ記憶部122等に記憶する。
【0083】
一方、管理装置100は、取得した温度データが予め規定された上限を超えそうな状況で警告を発信したのち、温度データが適正な状況に戻った場合、すなわち返品条件に適合する場合(ステップS204;Yes)、返品可能な状態が維持されており、条件に沿った管理が維持されていると判定する(ステップS206)。なお、管理装置100は、ステップS201において測定データが条件に適合していると判定した場合も(ステップS201;Yes)、条件に沿った管理が維持されていると判定する(ステップS206)。
【0084】
続いて、
図10を用いて、ステップS105における返品判定処理の詳細について説明する。
図10は、実施形態に係る温度管理処理の手順を示すフローチャート(3)である。
【0085】
管理装置100は、医薬品12が返品された段階において、データ記憶部122を参照し、既に返品不可の判定がなされているか否かを判定する(ステップS301)。
【0086】
返品不可の判定がなされていない場合(ステップS301;No)、管理装置100は、出庫から返品までの第1の測定データ、すなわち第1温度ロガー22が測定した測定データを参照し、測定データが条件に適合するか否かを判定する(ステップS302)。
【0087】
第1の測定データが条件に適合しない場合(ステップS302;No)、例えば、何らかの要因で第1温度ロガー22から測定データが取得できていない期間がある場合、管理装置100は、他の測定データを用いて条件の判定が可能か否かを判定する(ステップS303)。具体的には、管理装置100は、第1温度ロガー22から測定データが取得できていない期間において、第2温度ロガー42から取得した測定データが存在するか否か等を判定する。
【0088】
他の測定データを用いて条件の判定が可能な場合(ステップS303;Yes)、管理装置100は、他の測定データが条件に適合するか否かを判定する(ステップS304)。
【0089】
ステップS302において第1の測定データが条件に適合する場合(ステップS302;Yes)、もしくは、ステップS304において他の測定データが条件に適合する場合(ステップS304;Yes)、管理装置100は、内箱20のロック機構30が維持されているか否かを判定する(ステップS305)。なお、ロック機構30が物理錠や不可逆結束具等である場合、ステップS305の処理は、医薬品製造者10により人手で確認されてもよい。
【0090】
内箱20のロック機構30が維持されている場合(ステップS305;Yes)、管理装置100は、医薬品12を返品可能と判定する(ステップS306)。一方、内箱20のロック機構30が維持されていない場合(ステップS305;No)、管理装置100は、医薬品12を返品不可と判定する(ステップS307)。なお、管理装置100は、医薬品12が返品された段階において既に返品不可の判定がなされている場合(ステップS301;Yes)、他の測定データを用いて条件の判定が可能でない場合(ステップS303;No)も、医薬品12を返品不可と判定する。
【0091】
(2.実施形態の変形例)
[2-1.装置の構成]
上記実施形態では、本開示に係る携帯端末50は、医薬品12の運搬者等が携帯する端末で、スマートフォンやタブレット端末である例を示した。しかし、携帯端末50の構成は、実施形態で示した処理を実行できる構成であれば、この例に限られない。
【0092】
例えば、携帯端末50は、複数のスマートフォンやタブレット端末で構成されてもよい。具体的には、携帯端末50は、医薬品製造者10が携帯する端末と、運搬者等が携帯する端末とを含む、複数台の端末で構成されてもよい。また、実施形態では温度管理部(温度管理システム1において各温度ロガーが測定したデータを蓄積する装置)が管理装置100である例を示したが、温度管理部は、携帯端末50であってもよい。この場合、携帯端末50は、
図3で示した管理条件記憶部121やデータ記憶部122に対応する記憶部や、判定部132等に対応する制御部を有する。
【0093】
また、保管装置60は、必ずしも第3温度ロガー62を含む構成でなくてもよい。この場合、保管装置60に保管された内箱20の第1温度ロガー22が、測定した温度データを携帯端末50やゲートウェイ装置70に送信する。
【0094】
また、ゲートウェイ装置70は、医薬品12を運搬する者が携帯してもよい。この場合、ゲートウェイ装置70は、温度管理に関する警告を受信したり、受信した警告情報をリアルタイムでゲートウェイ装置70から第1温度ロガー22等へ送信したりしてもよい。ゲートウェイ装置70が携帯端末50のような表示部(画面)を有さない構成である場合、ゲートウェイ装置70は、スマートフォン等が備える画面ロック機能を有さないことから、画面ロック機能によるアプリ起動の妨げを受けることなく、よりリアルタイムでの警告情報の受け渡しを行うことができる。なお、携帯端末50としてスマートフォンやタブレット端末を利用した際は、これらにインストールしたアプリが常時起動する設定にしたり、アプリ以外の通話機能等の機能を保持させなくしたりすることにより、携帯端末50は、管理装置100からの警告情報をリアルタイムで受信しやすくなる。
【0095】
また、医薬品12の運搬者や、管理装置100を管理する管理者等は、予め規定された発信先に警告が発信される際、発信先でリアルタイムに警告情報を受信できるように設定しておくことが好ましい。例えば、運搬者や管理者は、携帯端末50で起動されるアプリを、常時起動させた状態にしておくことで、警告の状況を一早く察知することが可能となる。その際、アプリにより音声や光による通知が発信されると尚良い。また、携帯端末50や管理装置100は、本来、通信する予定だった第1温度ロガー22等と通信ができない場合にも、警告を発信してもよい。警告が通知された場合は、運搬者や管理者は、通信状態を確認した後、第1温度ロガー22以外の温度ロガーで判定処理を行うよう設定してもよい。これにより、運搬者や管理者は、温度管理システム1における通信状態の改善を図ることが可能となる。
【0096】
また、第1温度ロガー22、第2温度ロガー42および第3温度ロガー62は、携帯端末50を介して温度データを管理装置100に送信可能な場合は、ゲートウェイ装置70を介さなくともよい。すなわち、温度管理システム1は、必ずしもゲートウェイ装置70を含む構成でなくともよい。
【0097】
[2-2.物品]
上記実施形態では、内箱20に収納される物品が医薬品12である例を示した。しかし、物品は医薬品に限られず、環境管理を要するあらゆる物品(飲食料品等)であってもよい。
【0098】
(3.その他の実施形態)
上述した実施形態に係る処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0099】
例えば、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0100】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0101】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0102】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0103】
(4.本開示に係る温度管理システムの効果)
上述してきたように、本開示に係る温度管理システム(実施形態では温度管理システム1)は、物品(実施形態では医薬品12)を収納する第1の収納箱(実施形態では内箱20)と、第1の収納箱を収納する第2の収納箱(実施形態では外箱40)と、ネットワーク上に設置される温度管理部(実施形態では管理装置100)とを備える。第1の収納箱は、物品が収納されたのちに開封されたか否かを示す開封確認機構(実施形態ではロック機構30)と、第1の収納箱内の温度を測定する第1の測定器(実施形態では第1温度ロガー22)とを有する。第2の収納箱は、第2の収納箱内の温度を調整する温度調整機構(実施形態では温度調整機構48)と、第2の収納箱内の温度を測定する第2の測定器(実施形態では第1温度ロガー22)を有する。第1の測定器および第2の測定器は、所定の時間間隔で測定した温度のデータを蓄積し、蓄積したデータを温度管理部に送信する。
【0104】
このように、本開示に係る温度管理システムは、開封確認機構を有する第1の収納箱と温度調整機構を有する第2の収納箱との2つの収納箱を用いて物品を管理することで、物品を取り出すことなく適切な管理状態で物品を保管もしくは運搬できる。また、温度管理システムによれば、物品を第1の収納箱に収納するのみで温度の測定や管理を行うことができるため、煩雑な処理を要することなく、出庫から利用もしくは返品の過程までを通じて一貫して高精度に物品の状態を管理することができる。
【0105】
また、第1の測定器もしくは第2の測定器から取得したデータが予め設定された条件を逸脱した場合に警告を発信する。
【0106】
このように、温度管理システムは、測定したデータを常時監視することで、物品の出庫から返品までの確実な管理を担保する。
【0107】
また、温度管理部は、第1の測定器からデータを取得せず、第2の測定器から同時刻に対応するデータを取得した場合には、第2の測定器から取得したデータが予め設定された条件を逸脱した場合に警告を発信する。
【0108】
このように、温度管理システムは、仮に第1の測定器からデータを取得できない状況下でも、第2の測定器のデータを参照することで、物品の保管状態を監視することできる。
【0109】
また、温度管理部は、所定期間にわたり第1の測定器から取得したデータが予め設定された条件を逸脱しない場合に、物品を返品可能な物品と判定する。
【0110】
このように、温度管理システムは、データの履歴を参照して物品の返品判定を行うことで、適切な管理がなされていた物品のみ返品を受け付けるという運用を確実に行うことができる。
【0111】
また、温度管理システムは、第2の収納箱から取り出された第1の収納箱を収納する第3の収納箱(実施形態では保管装置60)をさらに備える。第3の収納箱は、第3の収納箱内の温度を調整する温度調整機構(実施形態では温度調整機構68)と、第3の収納箱内の温度を測定する第3の測定器(実施形態では第3温度ロガー62)を有する。例えば、第3の測定器は、所定の時間間隔で測定した温度のデータを蓄積し、温度管理部と通信可能と判定した場合に、蓄積したデータを当該温度管理部に送信する。温度管理部は、第1の測定器からデータを取得せず、第3の測定器から同時刻に対応するデータを取得した場合には、第3の測定器から取得したデータが予め設定された条件を逸脱した場合に警告を発信する。
【0112】
このように、温度管理システムは、第3の収納箱を利用して物品を保管することも可能である。これにより、温度管理システムは、第2の収納箱は運搬業者に再利用してもらうなど柔軟な運用を実現しつつ、測定データを確実に取得し続けることができる。
【0113】
また、開封確認機構は、物理錠、電子錠、もしくは、不可逆結束具である。このように、温度管理システムは、開封された形跡が残る機構を用いることで、物品がいったん開封されたものであるか否かを確実に見定めることができ、返品された物品の安全性を判定できる。
【0114】
また、第2の測定器は、第2の測定器が測定した温度を第2の収納箱の外部から視認可能に設置される。このように、温度管理システムは、運搬に用いる外側の箱からも物品の温度を確認できる構成とすることで、わざわざ第2の収納箱を開けて物品の温度を確認するなどの手間をとらせることなく、容易な管理を実現する。
【0115】
また、第1の測定器は、第1の収納箱内の湿度、照度、振動および気圧の少なくともいずれか一つのデータを測定する。このように、本開示に係る温度管理システムは、物品に関する種々のデータを測定することで、物品が安定した状態にあるか否かといった状態を適切に判定することができる。
【0116】
(5.ハードウェア構成)
上述してきた実施形態に係る携帯端末50や管理装置100等の情報機器は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、実施形態に係る管理装置100を例に挙げて説明する。
図11は、管理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス1500、及び入出力インターフェイス1600を有する。コンピュータ1000の各部は、バス1050によって接続される。
【0117】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。例えば、CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムをRAM1200に展開し、各種プログラムに対応した処理を実行する。
【0118】
ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるBIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0119】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録する、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。具体的には、HDD1400は、プログラムデータ1450の一例である本開示に係る温度管理処理を実行するプログラムを記録する記録媒体である。
【0120】
通信インターフェイス1500は、コンピュータ1000が外部ネットワーク1550(例えばインターネット)と接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、通信インターフェイス1500を介して、他の機器からデータを受信したり、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信したりする。
【0121】
入出力インターフェイス1600は、入出力デバイス1650とコンピュータ1000とを接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、キーボードやマウス等の入力デバイスからデータを受信する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやスピーカーやプリンタ等の出力デバイスにデータを送信する。また、入出力インターフェイス1600は、所定の記録媒体(メディア)に記録されたプログラム等を読み取るメディアインターフェイスとして機能してもよい。メディアとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0122】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る管理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされた温度管理処理プログラムを実行することにより、制御部130等の機能を実現する。また、HDD1400には、本開示に係る温度管理処理を実行するプログラムや、記憶部120内のデータが格納される。なお、CPU1100は、プログラムデータ1450をHDD1400から読み取って実行するが、他の例として、外部ネットワーク1550を介して、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
【0123】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 温度管理システム
20 内箱
22 第1温度ロガー
30 ロック機構
40 外箱
42 第2温度ロガー
48 温度調整機構
50 携帯端末
60 保管装置
62 第3温度ロガー
68 温度調整機構
70 ゲートウェイ装置
100 管理装置