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特開2023-37476駐車管理システム、駐車管理方法および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037476
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】駐車管理システム、駐車管理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20230308BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G06K19/077 228
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144255
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森屋 舞子
(72)【発明者】
【氏名】石原 将義
(72)【発明者】
【氏名】安部 晴信
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】益子 治
(72)【発明者】
【氏名】櫻庭 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】古賀 磨
(72)【発明者】
【氏名】幸田 佳那子
(72)【発明者】
【氏名】末松 一樹
(72)【発明者】
【氏名】坂牧 慶一
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB15
5H181FF03
5H181FF05
5H181FF32
5H181KK01
5H181KK06
5H181KK08
(57)【要約】
【課題】駐車管理に関する利便性を向上させる。
【解決手段】本開示に係る情報処理システムは、車両に搭載されるRF(Radio Frequency)タグと、車両の運転者が着用する衣服または着用具に収納される情報処理装置と、駐車管理装置とを含む。情報処理装置は、運転者による第1の行動を検出したことを契機として、RFタグに保持された車両情報および車両の位置情報を取得する取得部と、取得された位置情報を車両の駐車位置と判定し、車両情報と駐車位置とを紐づけて駐車管理装置に送信する送信部とを備える。駐車管理装置は、送信された車両情報と駐車位置とを、車両の駐車領域情報と紐づけて記憶する記憶部と、記憶された情報に基づいて、駐車領域における車両の駐車位置を地図上に表示する表示制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されるRF(Radio Frequency)タグと、前記車両の運転者が着用する衣服または着用具に収納される情報処理装置と、駐車管理装置とを含む駐車管理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記運転者による第1の行動を検出したことを契機として、前記RFタグに保持された車両情報および前記車両の位置情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された位置情報を前記車両の駐車位置と判定し、前記車両情報と当該駐車位置とを紐づけて前記駐車管理装置に送信する送信部と、を備え、
前記駐車管理装置は、
前記送信部によって送信された前記車両情報と前記駐車位置とを、前記車両の駐車領域情報と紐づけて記憶する記憶部と、
前記記憶部によって記憶された情報に基づいて、駐車領域における前記車両の駐車位置を地図上に表示する表示制御部と、
を備えることを特徴とする駐車管理システム。
【請求項2】
前記取得部は、
前記第1の行動として、前記運転者によるビーコン信号の発信、前記運転者が発した所定の音声、前記運転者と前記車両との接近の解消、前記運転者による前記車両の停止操作の少なくともいずれか一つを検出したことを契機として、前記RFタグに保持された車両情報および前記車両の位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車管理システム。
【請求項3】
前記送信部は、
前記取得部によって取得された位置情報を前記車両の駐車位置と判定したのち、当該駐車位置に対応する駐車領域の情報を表示部への表示もしくは音声通知により前記運転者に提示し、提示された情報を当該運転者が承認した場合に、前記車両情報と当該駐車位置とを紐づけて前記駐車管理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の駐車管理システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記RFタグの情報を読み取り可能なRFリーダと、
前記RFタグの読み取りを開始するための信号を発信可能なトリガーユニットと、
前記トリガーユニットから発せられる信号を受信したことを契機として、前記RFリーダに前記RFタグの読み取りを開始させる信号を発信可能な情報通信端末と、
を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の駐車管理システム。
【請求項5】
前記記憶部は、
前記駐車領域情報として、駐車領域に駐車可能な車両の台数、もしくは、駐車領域の面積に関する情報を記憶し、
前記表示制御部は、
前記駐車領域に駐車可能な車両の台数、もしくは、駐車領域の面積に関する情報に基づいて、前記駐車領域がどれくらいの車両を収容しているかを示す占有率を前記地図上に表示する、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の駐車管理システム。
【請求項6】
車両に搭載されるRF(Radio Frequency)タグと、前記車両の運転者が着用する衣服または着用具に収納される情報処理装置と、駐車管理装置とを含む駐車管理システムによって実行される駐車管理方法であって、
前記情報処理装置が、
前記運転者による第1の行動を検出したことを契機として、前記RFタグに保持された車両情報および前記車両の位置情報を取得し、
前記取得された位置情報を前記車両の駐車位置と判定し、前記車両情報と当該駐車位置とを紐づけて前記駐車管理装置に送信し、
前記駐車管理装置が、
前記送信された前記車両情報と前記駐車位置とを、前記車両の駐車領域情報と紐づけて記憶し、
前記記憶された情報に基づいて、駐車領域における前記車両の駐車位置を地図上に表示する、
ことを特徴とする駐車管理方法。
【請求項7】
車両の運転者が着用する衣服または着用具に収納される情報処理装置であって、
前記運転者による第1の行動を検出したことを契機として、車両に搭載されるRF(Radio Frequency)タグに保持された車両情報および前記車両の位置情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された位置情報を前記車両の駐車位置と判定し、前記車両情報と当該駐車位置とを紐づけて、当該車両情報を管理する駐車管理装置に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駐車管理システム、駐車管理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等、車両の在庫を効率的に管理するための技術が求められている。例えば、出荷前の車両は広大な駐車場に一時的に駐車されることになるが、どの車両がどこに駐車されたかが適切に管理されていなければ、車両の捜索に手間を要することになる。
【0003】
駐車管理に関する技術として、RFタグを利用して車両の位置を特定する技術が知られている(下記特許文献1を参照)。また、従業員の作業の邪魔をせずにRFリーダーを装着するための技術も知られている(下記特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6232657号公報
【特許文献2】特許第5992616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術によれば、新たに特別な通信インターフェイスを備えることなく、車両の位置を特定することができる。
【0006】
しかしながら、従来技術は、あくまでRFタグを利用して車両の駐車位置を特定するに過ぎない。車両の駐車管理は、車両の移動を行うドライバーや、駐車管理を担う管理者にとって負担の大きい業務であるため、それら関係者の負担を軽減する技術が望まれる。
【0007】
そこで、本開示では、駐車管理に関する利便性を向上させることのできる駐車管理システム、駐車管理方法および情報処理装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本開示に係る一形態の駐車管理システムは、車両に搭載されるRF(Radio Frequency)タグと、前記車両の運転者が着用する衣服または着用具に収納される情報処理装置と、駐車管理装置とを含む。前記情報処理装置は、前記運転者による第1の行動を検出したことを契機として、前記RFタグに保持された車両情報および前記車両の位置情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された位置情報を前記車両の駐車位置と判定し、前記車両情報と当該駐車位置とを紐づけて前記駐車管理装置に送信する送信部と、を備える。前記駐車管理装置は、前記送信部によって送信された前記車両情報と前記駐車位置とを、前記車両の駐車領域情報と紐づけて記憶する記憶部と、前記記憶部によって記憶された情報に基づいて、駐車領域における前記車両の駐車位置を地図上に表示する表示制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る駐車管理システムが実行する処理の流れを模式的に示すブロック図である。
図2】実施形態に係る携帯ユニットの構造を示す図(1)である。
図3】実施形態に係る携帯ユニットの構造を示す図(2)である。
図4】実施形態に係る携帯ユニットの構造を示す図(3)である。
図5】実施形態に係る駐車管理システムの構成例を示す図である。
図6】実施形態に係る通信端末および管理装置の構成例を示す図である。
図7】実施形態に係る位置情報記憶部の一例を示す図である。
図8】実施形態に係る車両情報記憶部の一例を示す図である。
図9】実施形態に係る駐車領域記憶部の一例を示す図である。
図10】実施形態に係る駐車位置記憶部の一例を示す図である。
図11】実施形態に係るユーザインターフェイスを示す図(1)である。
図12】実施形態に係るユーザインターフェイスを示す図(2)である。
図13】実施形態に係る画面表示処理を示す図(1)である。
図14】実施形態に係る画面表示処理を示す図(2)である。
図15】実施形態に係る情報処理の手順を示すフローチャート(1)である。
図16】実施形態に係る情報処理の手順を示すフローチャート(2)である。
図17】変形例に係る駐車管理システムが実行する処理の流れを模式的に示すブロック図である。
図18】変形例に係る情報処理の手順を示すフローチャートである。
図19】情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
(1.実施形態)
[1-1.実施形態に係る駐車管理システムの一例]
図1は、実施形態に係る駐車管理システム1が実行する処理の流れを模式的に示したブロック図である。図1に示すように、駐車管理システム1は、車両60の運転者30の着用具(実施形態では片肩掛け型のポーチ)に収納される情報処理装置(以下、「携帯ユニット10」と称する)と、車両60に搭載されるRF(Radio Frequency)タグ50と、管理装置100とを含む。
【0012】
携帯ユニット10は、ビーコンボタン11、RFリーダ12、通信端末20を含む。ビーコンボタン11は、所定のビーコン信号を発する装置である。RFリーダ12は、RFタグ50の情報を読み取るための装置である。RFリーダ12とRFタグ50は、一般にRFID(Radio Frequency Identification)と呼ばれる、数センチから数メートルほどの近距離において、電波を用いて非接触でデータを読み書きする無線通信システムを構成する。通信端末20は、ビーコンボタン11から発せられたビーコン信号を受信したり、GPS(Global Positioning System)を利用して位置情報を取得したり、取得した位置情報を管理装置100に送信したりする装置である。通信端末20は、例えばスマートフォンやタブレット端末である。
【0013】
RFタグ50は、車両60に搭載される電子記録タグである。RFタグ50には、RFタグ50の識別情報(以下、「タグID」と称する)とともに、車両を一意に特定するための識別情報である車両ID、車両60の車種や出荷情報、製造時に付与される各種情報など(以下、「車両情報」と称する)が書き込まれている。また、RFタグ50は、例えば通信端末20を介して、新たな情報や更新された情報を書き込み、記憶することができる。
【0014】
管理装置100は、車両60の駐車位置を管理するためのサーバである。管理装置100は、管理対象となる車両60の各車両情報や、車両60が格納される駐車領域の広さや位置や名称、収容可能台数などの各種情報(以下、「駐車領域情報」と称する)を管理する。
【0015】
一般に、出荷前の自動車等の車両は、広大な複数の駐車領域に分かれて駐車されており、出荷のタイミングや出荷先に応じて複数の駐車領域をまたいで移動するなど、複雑な管理がなされる。このため、車両の管理者は、どの車両がどこに駐車されたかを適切に管理する必要がある。例えば、車両を移動させる運転者は、自身が移動させる車両を正確に把握し、移動前および移動後の駐車領域を記録し、記録した情報を正確に管理者に伝えなければならない。また、管理者は、運転者から伝えられた情報を正確に記録しなければならない。このことは、車両の管理者および運転者にとって大きな負担となる。
【0016】
そこで、実施形態に係る駐車管理システム1は、図1に示す処理を実行することにより、駐車管理に関する利便性を向上させ、車両の管理者および運転者の負担を軽減する。以下、図1を用いて、運転者30が出荷前の車両60を所定の駐車領域に移動させる際に、駐車管理システム1が実行する処理の流れについて説明する。
【0017】
まず、車両60を所定の駐車領域に移動させようとする運転者30は、携帯ユニット10を着用して、車両60の現時点の駐車位置に向かう。上述のように、車両60は、RFタグ50を搭載している。例えば、RFタグ50は、RFタグ50(言い換えれば車両60)を識別するためのタグIDと、駐車位置とを紐づけた情報である移動前情報44A等を記録している。なお、図1では、移動前情報44Aとして、現時点の駐車位置が「ロケーション」という具体的な駐車領域の名称で記憶される例を示しているが、駐車位置は、GPSにより取得される緯度経度等の位置情報で記憶されてもよい。運転者30は、車両60に乗車し、車両60を次の駐車位置に移動させる(ステップS1)。
【0018】
移動を終えた運転者30は、車両60の車内においてビーコンボタン11を押下する。通信端末20は、ビーコンボタン11が発したビーコン信号を受信すると、RFリーダ12に読み取り命令を出す。RFリーダ12は、通信端末20の指示を受け、RFタグ50の情報の読み取りを開始する。通信端末20は、RFタグ50の情報を読み取るとともに、運転者30による行動(この例ではビーコンボタン11の押下)を契機として、車両60の移動後の駐車位置に対応する位置情報を取得する(ステップS2)。なお、運転者30は、RFリーダ12がRFタグ50の情報を読み取ることが可能な距離であれば、車内に限らず、車両60の車外の近接した位置でビーコンボタン11を押下してもよい。
【0019】
通信端末20は、運転者30によるビーコンボタン11の押下を契機として、RFタグ50の情報を読み取るとともに、このとき取得した位置情報を車両60の駐車位置と推定する。
【0020】
そして、通信端末20は、駐車した位置の位置情報(緯度経度等)を管理装置100に送信し、位置情報に対応する駐車領域の名称(図1の例では「ヤード1」)を管理装置100から取得する。通信端末20は、取得した駐車領域の名称(ロケーション)を画面上に表示する。運転者30は、表示されたロケーションが、自身が移動させたロケーションに間違いないことを確認すると、通信端末20の画面上で駐車位置を確定させるよう操作する。通信端末20は、かかる操作を受けて、車両60の移動後の駐車位置を確定し、車両情報やタグID、移動が完了した日時等と紐づけた移動後情報44Bを記憶する。
【0021】
移動後の駐車位置が確定すると、通信端末20は、車両60の移動後情報44Bを管理装置100に送信し、情報の登録を要求する(ステップS3)。管理装置100は、受信した移動後情報44Bを登録し、記憶する(ステップS4)。
【0022】
その後、車両60を再び移動する機会が発生すると、オペレータ40は、検索条件を入力することで車両60の現在位置を検索することができる(ステップS5)。例えば、オペレータ40は、車両60の車両IDやタグID、移動させた日時等のいずれかを検索クエリとして、車両60の検索を行う。検索結果は、例えば、ディスプレイ150に表示される地図上に、車両60の位置情報がプロットされるような態様で示される。
【0023】
以上のように、駐車管理システム1は、携帯ユニット10とRFタグ50と管理装置100が協働することで、管理者および運転者30にとって負担のない駐車管理処理を実現する。具体的には、携帯ユニット10は、運転者30による車両60の移動後に、運転者30による第1の行動(図1の例ではビーコンボタン11の押下)を検出したことを契機として、RFタグ50に保持された車両情報および車両60の位置情報を取得する。さらに、携帯ユニット10は、車両情報が取得されたことを契機として取得した位置情報を車両60の駐車位置と判定し、車両情報と駐車位置とを紐づけて管理装置100に送信する。管理装置100は、送信された車両情報と駐車位置とを、車両60の駐車領域情報(図1の例ではヤード1)と紐づけて記憶し、記憶された情報に基づいて、駐車領域における車両の駐車位置を地図上に表示する。
【0024】
このように、駐車管理システム1によれば、運転者30が移動前後に車両60の細かい情報を記録するといった手間をかけることなく、ビーコンボタン11の押下という簡易な操作をトリガーとして、車両60の駐車位置の記憶、送信、登録を行うことができる。また、駐車管理システム1は、RFタグ50を車両60に搭載するのみで上記処理を実現でき、駐車場に通信設備を設置するなど大掛かりな設備投資を要さないため、管理者にとっての負担も軽減する。
【0025】
さらに、携帯ユニット10は、片肩掛けポーチの態様であり、運転者30の作業の邪魔とならず、実際に車両60を運転する運転者30の作業負担を軽減する。以下、図2から図4を用いて、携帯ユニット10の構造について詳細に説明する。
【0026】
図2は、実施形態に係る携帯ユニット10の構造を示す図(1)である。図2に示すように、携帯ユニット10は、運転者30の片側の肩にかける態様の着用具に収納される。また、一つの態様として、ビーコンボタン11は、運転者30が押下しやすいよう、運転者30の肩付近に搭載される。これにより、運転者30は、運転中の動作を邪魔されることなく、かつ、ビーコンボタン11の押下を簡単に行うことができる。なお、図2では、説明のためビーコンボタン11が外部に露出している例を示しているが、ビーコンボタン11は、ポーチ内部に収納される態様であってもよい。
【0027】
次に、携帯ユニット10の断面の構造について説明する。図3は、実施形態に係る携帯ユニット10の構造を示す図(2)である。図3に示すように、携帯ユニット10は、着用具を運転者30が肩にかけた状態で、運転者30が操作しやすい位置である上部(肩に近い側)にビーコンボタン11を収納する。また、携帯ユニット10は、着用具を運転者30が肩にかけた状態で、身体側に通信端末20、外側にRFリーダ12を収納する。
【0028】
通信端末20とRFリーダ12の間には、スポンジ形状のスペーサ13が設置される。スペーサ13は、通信端末20とRFリーダ12との電波干渉を軽減させ、RFリーダ12の読み取り精度や読み取り距離を向上させる。
【0029】
また、通信端末20の底部には、透明窓14が設置される。この状態で通信端末20を収納することで、運転者30の身体と近接していることを検知する通信端末20の近接センサを作動させ、運転者30が意識することなく通信端末20の画面をオフ状態にできる。これにより、通信端末20は、バッテリ消費を抑制できる。
【0030】
次に、携帯ユニット10の平面の構造について説明する。図4は、実施形態に係る携帯ユニット10の構造を示す図(3)である。図4に示すように、携帯ユニット10は、着用具を運転者30が肩にかけた状態で、運転者30から外側にビーコンボタン11およびRFリーダ12を収納する。ビーコンボタン11およびRFリーダ12が収納されるポケットは、例えばファスナーで開閉可能である。運転者30から外側にビーコンボタン11およびRFリーダ12が収納されることで、ビーコンボタン11の操作性およびRFリーダ12の読み取り精度が向上する。
【0031】
また、携帯ユニット10は、着用具を運転者30が肩にかけた状態で、運転者30の身体側に通信端末20を収納する。通信端末20が収納されるポケットの底部は透明窓14であり、通信端末20の画面の視認性を向上させるとともに、通信端末20のバッテリ消費の抑制に寄与する。
【0032】
このように、携帯ユニット10の構造によれば、運転者30は運転時に両手が空くためハンズフリー操作が可能であり、作業に支障が出ない。また、携帯ユニット10の構造は、RFリーダ12の読み取り精度を向上させるので、例えば移動させる対象の車両60の隣に駐車されている車両のRFタグを読み取るなどの誤動作を防止できる。さらに、携帯ユニット10は、処理に要するビーコンボタン11やRFリーダ12、通信端末20が一体となって構成されるため、機器一式を運転者30が素早く簡単に装着もしくは脱着できる。さらに、携帯ユニット10は、ベスト形状の衣服等よりも身体に触れる面積が狭いため、例えば屋外の酷暑時の作業などにおいて、運転者30の快適性を向上させる。
【0033】
以上、駐車管理システム1が実行する処理の概要および携帯ユニット10の構造について説明した。以下、駐車管理システム1を構成する要素および各機能について、図5以下を用いて詳細に説明する。
【0034】
[1-2.実施形態に係る駐車管理システムの構成]
実施形態に係る情報処理を実行する駐車管理システム1の構成について説明する。図5は、実施形態に係る駐車管理システム1の構成例を示す図である。図5は、図1で示した駐車管理システム1の処理概念を実現するための装置構成の一例を示す。
【0035】
図5に示すように、駐車管理システム1は、携帯ユニット10、RFタグ50、管理装置100を含む。これらの各種装置は、ネットワークN(例えば、インターネットや近距離無線通信)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図5に示した駐車管理システム1が含む装置の数は、図示したものに限られない。例えば、駐車管理システム1は、複数台の携帯ユニット10やRFタグ50を含んでもよい。また、図5に示した各装置は概念的なものであるため、例えば管理装置100は、複数台の装置が連携されて構成されてもよい。
【0036】
携帯ユニット10は、運転者30によって携帯される情報処理装置である。実施形態では、携帯ユニット10は、ビーコンボタン11、RFリーダ12、通信端末20を含む。ビーコンボタン11は、所定の規格(Bluetooth(登録商標)等)に基づき無線信号(ビーコン信号)を発する装置である。RFリーダ12は、無線通信によりRFタグ50の情報を読み取る装置である。通信端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット型端末、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)等である。
【0037】
RFタグ50は、所定の近距離無線通信の規格に基づき、電波を用いて、内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体である。RFタグ50は、カード型、ボタン型、リストバンド型など様々な態様をとりうる。
【0038】
管理装置100は、車両60の駐車位置を管理するサーバである。管理装置100は、携帯ユニット10から送信される情報に基づき、車両60の車両情報および駐車位置を記憶する。また、管理装置100は、どの車両60にどのRFタグ50が搭載されているか、といった車両に関する情報を記憶する。また、管理装置100は、駐車領域に関する情報を記憶する。例えば、管理装置100は、駐車領域の広さや位置情報、収容台数、現時点の駐車台数、占有率などの情報を記憶する。また、管理装置100は、オペレータ40の操作に従い、現時点の車両60の駐車位置や各駐車領域の占有率などをディスプレイ150に表示する。
【0039】
[1-3.実施形態に係る情報処理装置の構成]
次に、実施形態に係る情報処理を実行する通信端末20および管理装置100の構成について説明する。図6は、実施形態に係る通信端末20および管理装置100の構成例を示す図である。
【0040】
まず、通信端末20について説明する。図6に示すように、通信端末20は、通信部21と、記憶部22と、制御部24とを有する。なお、通信端末20は、運転者30等から各種操作を受け付ける入力部(例えばタッチパネル等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0041】
通信部21は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部21は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ビーコンボタン11やRFリーダ12、管理装置100等との間で情報の送受信を行う。
【0042】
記憶部22は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部22は、位置情報記憶部23を有する。
【0043】
図7に、位置情報記憶部23が記憶する情報の一例を示す。図7は、実施形態に係る位置情報記憶部23の一例を示す図である。図7に示した例では、位置情報記憶部23は、「タグID」、「車両情報」、「移動前位置」、「駐車位置」といった項目を有する。なお、図7から図10に示す例では、記憶部22および記憶部120に格納される情報を「A001」のように概念的に示しているが、実際には、後述する各情報が記憶部22および記憶部120に記憶される。
【0044】
「タグID」は、車両60に搭載されるRFタグ50を識別するための識別情報である。実施形態では、RFタグ50は車両60の各々に搭載されるため、タグIDは、車両60の識別情報にもなりうる。「車両情報」は、車両60に関する各種情報である。例えば、車両情報は、車両を一意に特定するための識別情報である車両ID、車両60の車種や出荷場所や出荷相手先、製造時に付与される各種情報などを含む。
【0045】
「移動前位置」は、運転者30によって移動される前の駐車位置を示す。移動前位置は、例えば、過去に運転者30が移動させた際にRFタグ50に書き込まれた情報である。なお、運転者30は、移動前にビーコンボタン11を押下し、押下した際に取得された位置情報をRFタグ50に書き込ませてもよい。「駐車位置」は、運転者30によって移動された後の駐車位置を示す。なお、移動前位置や駐車位置は、具体的な経度緯度などの数値情報であってもよいし、数値情報に基づき判定される駐車領域を示す名称や、駐車領域内に管理者により人為的に設定された駐車位置情報(例えば、駐車場1番の駐車位置10番等、管理者が独自に定めた、駐車位置を示す任意の情報)であってもよい。
【0046】
すなわち、図7では、通信端末20が取得した情報であって、タグID、車両情報、移動前位置、駐車位置がそれぞれ紐づけられた情報が、位置情報記憶部23に記憶される例を示している。
【0047】
図6に戻り、説明を続ける。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって、通信端末20内部に記憶されたプログラムがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部24は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0048】
図6に示すように、制御部24は、取得部25と、検知部26と、送信部27とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部24の内部構成は、図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0049】
取得部25は、運転者30による第1の行動を検出したことを契機として、RFタグ50に保持された車両情報および車両60の位置情報を取得する。第1の行動とは、運転者30が目的地まで車両60を移動させたのちに、車両60を駐車することを明示するために行われる行動である。
【0050】
例えば、取得部25は、第1の行動として、運転者30によるビーコン信号の発信(すなわち、ビーコンボタン11の押下)を契機として、RFタグ50に保持された車両情報および車両60の位置情報を取得する。あるいは、取得部25は、第1の行動として、運転者30が発した所定の音声、運転者30と車両60との接近の解消、運転者30による車両の停止操作の少なくともいずれか一つを検出したことを契機として、RFタグ50に保持された車両情報および車両60の位置情報を取得してもよい。
【0051】
例えば、取得部25は、運転者30が「駐車完了」など、予め設定された起動音声となる発言をしたことを認識した場合に、認識した時点の位置情報を車両60の駐車位置として取得してもよい。これにより、運転者30は、ビーコンボタン11を押下するなどの行動を行うことなく、ハンズフリーで処理を終了させることができる。また、取得部25は、近距離無線通信における接近を感知する機能を用いて、運転者30(すなわち通信端末20やRFリーダ12)と車両60(すなわちRFタグ50)とが所定距離より離れたことを感知した場合に、車両60の位置情報を取得してもよい。あるいは、取得部25は、運転者30が車両60を停止させたこと(例えば、エンジンの停止や、一定時間以上の停止、ギアを停止状態に戻すなど)を検出した場合に、車両60の位置情報を取得してもよい。これにより、運転者30は、何ら意識することなく、処理を終了させることができる。
【0052】
検知部26は、取得部25によって車両情報が取得されたことを契機として、車両60の位置情報を検知する。取得部25は、検知部26が検知した位置情報を、車両60の位置情報として取得する。
【0053】
例えば、検知部26は、通信端末20が備えたGPSセンサを用いて、車両60の位置情報を検知する。なお、検知部26は、GPSセンサに限らず、いかなる手段を用いて車両60の位置情報を検知してもよい。例えば、検知部26は、駐車領域に設置されたアクセスポイントと通信端末20とのアクセス情報に基づいて、車両60の位置情報を検知してもよい。
【0054】
送信部27は、取得部25によって取得された位置情報を車両60の駐車位置と判定し、車両情報と駐車位置とを紐づけて管理装置100に送信する。
【0055】
送信部27は、取得部25によって取得された位置情報を車両60の駐車位置と判定したのち、駐車位置に対応する駐車領域の情報を表示部(画面)へ表示もしくは音声通知により運転者30に提示してもよい。そして、送信部27は、提示された情報を運転者30が承認した場合に、車両情報と駐車位置とを紐づけて管理装置100に送信する。
【0056】
例えば、送信部27は、駐車位置を判定した際に、当該駐車位置に対応する駐車領域の名称を管理装置100から取得する。そして、送信部27は、取得した駐車領域の名称(図1の例で示した「ロケーション」)を画面に表示する。運転者30は、自身が車両60を移動させた先の駐車領域の名称が画面に表示されたものと一致していれば、駐車位置を承認するための操作を行う。送信部27は、かかる操作が行われたのちに、車両情報と駐車位置とを紐づけて管理装置100に送信する。
【0057】
送信部27は、提示された情報を運転者30が承認しない場合、運転者30から訂正の情報の入力を受け付ける。そして、送信部27は、運転者30から入力された情報を車両情報と紐づけて管理装置100に送信する。このように、送信部27は、運転者30による承認が行われた情報のみを管理装置100に送信することで、誤った情報が管理装置100に送信されることを防止できる。
【0058】
また、送信部27は、取得部25によって位置情報が取得されたのちに、さらに所定時間、検知部26によって位置情報が変化しないことが検知された場合に、取得された位置情報を車両60の駐車位置と判定してもよい。例えば、送信部27は、位置情報が取得されたとしてもすぐに送信を行わず、数十秒間そのまま待機し、位置情報の検知を継続する。そして、送信部27は、駐車位置の位置情報が変化しないこと、すなわち間違いなく駐車が行われたことを検出した場合に、車両情報と駐車位置とを紐づけて管理装置100に送信する。これにより、送信部27は、ビーコンボタン11が誤って押下された場合等によって取得された誤った駐車位置を、管理装置100に送信することを防止できる。また、送信部27は、運転者30によるビーコンボタン11の押下等を検出しない場合であっても、一定時間経過ののち、取得部25によって取得された位置情報を車両60の駐車位置と判定してもよい。これにより、送信部27は、運転者30がビーコンボタン11の押下を忘れた場合や、何らかの障害により運転者30の行動が検知できない場合であっても、処理を継続することができる。また、送信部27は、車両60が停止された場合に、その時点で登録するロケーション名を音声で読み上げ、そのあと一定時間、運転者30から変更の操作がない場合に、当該位置を車両60の駐車位置と判定してもよい。この場合、送信部27は、読み上げたロケーション名が実際の位置と異なることを示す操作が運転者30から行われた場合(例えばビーコンボタン11を長押しするなど)、ロケーション名の登録をキャンセルしたり、正しいロケーション名の入力を受け付けたりしてもよい。
【0059】
続いて、管理装置100について説明する。図6に示すように、管理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、管理装置100は、管理装置100を管理する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0060】
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、通信端末20等との間で情報の送受信を行う。
【0061】
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、車両情報記憶部121と、駐車領域記憶部122と、駐車位置記憶部123とを有する。以下、各記憶部について順に説明する。
【0062】
図8に、車両情報記憶部121が記憶する情報の一例を示す。図8は、実施形態に係る車両情報記憶部121の一例を示す図である。図8に示した例では、車両情報記憶部121は、「車両ID」、「タグID」、「車種」、「出荷先」といった項目を有する。
【0063】
「車両ID」は、車両60を識別するための識別情報である。「タグID」は、図7に示した情報と同様である。実施形態では、RFタグ50は車両60ごとに搭載されるので、車両IDとタグIDは一対一に対応する。「車種」は、車両60の車種を示す情報である。なお、車種には、車両の種類だけでなく、形状や色など、種々の情報が含まれてもよい。「出荷先」は、車両60が出荷される場所や取引先の情報である。
【0064】
すなわち、図8では、車両ID、タグID、車種、出荷先といった車両60に関する複数の情報が紐づけられて車両情報記憶部121に記憶される例を示している。
【0065】
続いて、図9に、駐車領域記憶部122が記憶する情報の一例を示す。図9は、実施形態に係る駐車領域記憶部122の一例を示す図である。図9に示した例では、駐車領域記憶部122は、「駐車領域ID」、「所在地」、「名称」、「GPSロケーションコード」、「収容可能台数」、「空き台数」、「占有率」といった項目を有する。
【0066】
「駐車領域ID」は、駐車領域を識別するための識別情報である。「所在地」は、駐車領域の所在地を示す情報である。例えば、所在地は、駐車領域の位置に対応する緯度経度等の位置情報である。「名称」は、例えば管理者によって駐車領域に設定された名称である。通信端末20等に名称が表示される場合、例えば「ロケーション」といった項目名が用いられる。「GPSロケーションコード」は、GPSにより特定された位置情報と駐車領域を対応させる情報である。例えば、オペレータ40が駐車位置や駐車領域の情報を検索する場合、オペレータ40は、駐車領域の名称に基づいて検索してもよいし、GPSロケーションコードを用いて検索してもよい。「収容可能台数」は、駐車領域に収容可能な車両の最大数を示す。「空き台数」は、現時点での駐車領域の駐車位置の空き数を示す。「占有率」は、現時点での駐車領域の占有率を示す。なお、駐車領域記憶部122は、上記した情報のみならず、駐車領域の面積や、車両を駐車するために設定された区分け数(駐車スペースの数)等を記憶してもよい。
【0067】
すなわち、図9では、駐車領域ID、所在地、名称、GPSロケーションコード、収容可能台数、空き台数、占有率といった、駐車領域に関する複数の情報が紐づけられて駐車領域記憶部122に記憶される例を示している。
【0068】
続いて、図10に、駐車位置記憶部123が記憶する情報の一例を示す。図10は、実施形態に係る駐車位置記憶部123の一例を示す図である。図10に示した例では、駐車位置記憶部123は、「タグID」、「車両情報」、「駐車位置」、「駐車領域ID」「登録日時」といった項目を有する。
【0069】
「タグID」、「車両情報」、「駐車位置」は、図7に示した情報に対応する。「駐車領域ID」は、図9に示した情報に対応する。「登録日時」は、通信端末20から駐車完了後の駐車位置が送信され、管理装置100に登録された日時を示す。
【0070】
すなわち、図10では、タグID、車両情報、駐車位置、駐車領域ID、登録日時といった、車両60の移動および駐車に関する複数の情報が紐づけられて駐車位置記憶部123に記憶される例を示している。すなわち、駐車位置記憶部123は、送信部27によって送信された車両情報と駐車位置とを、車両の駐車領域情報と紐づけて記憶する。管理装置100は、駐車位置記憶部123を参照することにより、車両60がどの駐車領域のどの位置にあり、いつその位置に移動したかといった情報を取得することができる。
【0071】
図6に戻り、説明を続ける。制御部130は、例えば、CPUやMPU、GPU等によって、管理装置100内部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
【0072】
図6に示すように、制御部130は、登録部131と、表示制御部132とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0073】
登録部131は、各種情報を記憶部120に登録する。例えば、登録部131は、車両60が納品された際や製造された際に、車両に関する情報を車両情報記憶部121に登録する。また、登録部131は、駐車領域に関する情報を取得した際に、駐車領域に関する情報を駐車領域記憶部122に登録する。また、登録部131は、送信部27によって送信された車両情報と駐車位置とを、車両の駐車領域情報と紐づけて駐車位置記憶部123に登録する。
【0074】
表示制御部132は、記憶部120によって記憶された情報に基づいて、駐車領域における車両の駐車位置を地図上に表示する。例えば、表示制御部132は、車両IDやタグIDに基づいて検索された車両60の駐車位置を記憶部120から参照し、地図上に駐車位置をプロットして表示する。これにより、表示制御部132は、対象となる車両60の位置を運転者30等に正確に示すことができる。
【0075】
また、表示制御部132は、駐車領域情報として、駐車領域に駐車可能な車両の台数、もしくは、駐車領域の面積に関する情報が記憶部120に記憶されている場合、それらの情報を参照してもよい。そして、表示制御部132は、駐車領域に駐車可能な車両の台数、もしくは、駐車領域の面積に関する情報に基づいて、駐車領域がどれくらいの車両を収容しているかを示す占有率を地図上に表示する。これにより、表示制御部132は、どの位置に所在する駐車領域がどのくらいの占有率となっているかという現状を、管理者等に正確に示すことができる。
【0076】
このとき、表示制御部132は、現在の占有率に基づいて、占有率の異なる複数の駐車領域を異なる表示態様で表示してもよい。例えば、表示制御部132は、占有率が比較的高い駐車領域を赤色、占有率が比較的低い駐車領域を緑色、占有率が中間の駐車領域を黄色で表示する。これにより、表示制御部132は、視認性に優れた駐車領域表示を行うことができる。
【0077】
また、表示制御部132は、地図上に表示された車両60を示す情報が選択された場合に、車両60を示す情報の近傍に、車両60を示す情報に対応する車両情報、車両60の位置情報、もしくは車両60の移動履歴の少なくともいずれか一つを表示してもよい。例えば、オペレータ40は、ディスプレイ150上でポインタを操作し、車両60を示す点を選択する。表示制御部132は、かかる操作に基づき、選択された点に対応する車両の車種や位置情報、移動履歴等をポップアップウインドウ等の態様で表示する。これにより、表示制御部132は、車両60の現在位置のみならず、その車両情報を素早くオペレータ40等に確認させることができる。
【0078】
続いて、図11から図14を用いて、運転者30およびオペレータ40が、通信端末20および管理装置100を操作する際のユーザインターフェイスや画面表示例を示す。
【0079】
図11は、実施形態に係るユーザインターフェイスを示す図(1)である。図11には、運転者30が操作する通信端末20に表示されるユーザインターフェイスの例を示している。
【0080】
図11に示す例では、車両60の移動後に運転者30が「現車票読取」という表示20Aを押下すると、携帯ユニット10が実施形態に係る処理を開始する。例えば、このあと運転者30がビーコンボタン11を押下すると、通信端末20は、RFタグ50を読み取り、自動的に車両IDやタグIDの情報を画面上に表示する。あるいは、運転者30は、自身で車両ID等を入力してから表示20Aを押下し、処理を開始させてもよい。なお、運転者30は、車両に添付されたバーコード等の二次元コードを読み取ることで、車両情報等を取得してもよい。
【0081】
続いて、通信端末20は、位置情報を検知して緯度や経度を表示する。また、通信端末20は、位置情報に対応するロケーションを管理装置100から取得し、画面上の表示20Bに表示してもよい。運転者30は、画面に表示されたロケーションを確認し、確認した情報が正確であれば、「位置登録を確定」と表示された表示20Dを押下する。なお、運転者30が表示20Dを押下せずとも、表示20Cに表示された残り時間が0になった時点で、通信端末20は、位置情報を確定してもよい。
【0082】
続いて、図12を用いて、運転者30が通信端末20に車両60の位置を表示させる操作例を示す。図12は、実施形態に係るユーザインターフェイスを示す図(2)である。
【0083】
図12の例では、運転者30は、例えば車両60の移動前や移動後に車両60の地図上の位置を表示させることを所望するものとする。この場合、運転者30は、車両IDを入力して表示20Fを押下することや、車両60のバーコード読み取りや、ビーコンボタン11の押下等により、車両情報を通信端末20に読み込ませる。図12の例では、運転者30は、車両ID「F001」で識別される車両60の情報を検索したとする。通信端末20は、位置情報記憶部23もしくは駐車位置記憶部123に記憶された情報を参照し、車両ID「F001」で識別される車両60の情報を出力する。
【0084】
例えば、図12に示すように、通信端末20は、地図20Gを表示させ、地図20G上に車両60を示す点20Hをプロットする。このとき、通信端末20は、点20Hの近傍に、車両60の車種等を示す情報を表示させてもよい。これにより、運転者30は、自身がこれから移動させる車両60の位置や、移動後の車両60の情報が正確に記憶されているかといったことを確認することができる。
【0085】
続いて、オペレータ40が、管理装置100を操作する際の画面表示例を説明する。図13は、実施形態に係る画面表示処理を示す図(1)である。図13は、オペレータ40が車両60を検索する際にディスプレイ150に表示される画面の一例を示している。
【0086】
車両60を検索しようとするオペレータ40は、検索窓150A内に検索条件を入力する。例えば、オペレータ40は、車両IDや、車両60が移動された日時や、駐車領域や車種等、車両60を特定するための検索クエリを検索窓150Aに入力する。管理装置100は、入力された検索クエリに基づいて、検索結果150Bを表示する。図13では、管理装置100は、検索クエリに基づいて、検索結果として車両ID「F001」や「F002」を出力した例を示している。また、管理装置100は、検索結果に対応する車両60の位置を、地図150Cにプロットして表示する。これにより、オペレータ40は、検索対象となった車両60がどこに駐車されているかを地図150C上において一目で確認することができる。
【0087】
続いて、オペレータ40が、駐車領域の状況を調査する際の画面表示例を説明する。図14は、実施形態に係る画面表示処理を示す図(2)である。図14は、オペレータ40が駐車領域を調査する際にディスプレイ150に表示される画面の一例を示している。
【0088】
駐車領域の状況を調査しようとするオペレータ40は、検索窓150E内に検索条件を入力する。例えば、オペレータ40は、駐車領域IDやGPSロケーションコードを検索窓150Eに入力する。管理装置100は、入力された検索クエリに基づいて、検索結果150Fを表示する。図14では、管理装置100は、検索クエリに基づいて、検索結果として名称「ヤード1」や「ヤード2」を出力した例を示している。また、管理装置100は、検索結果に対応する駐車領域の位置と占有率を地図150Gに表示する。図14に示すように、管理装置100は、駐車領域の位置と占有率を態様別に表示する。これにより、オペレータ40は、どの駐車領域に多く車両60が駐車されているといった情報を地図150G上において一目で確認することができる。
【0089】
[1-4.実施形態に係る情報処理の手順]
次に、図15および図16を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。まず、図15を用いて、実施形態に係る携帯ユニット10が実行する処理の流れについて説明する。図15は、実施形態に係る情報処理の手順を示すフローチャート(1)である。
【0090】
図15に示すように、通信端末20は、ビーコンボタン11によるビーコン信号を受信したか否かを判定する(ステップS101)。信号を受信していない場合(ステップS101;No)、通信端末20は、信号を受信するまで待機する。
【0091】
一方、信号を受信した場合(ステップS101;Yes)、通信端末20は、RFリーダ12を介して、RFタグ50を読み取り、RFタグ50に格納された車両情報および車両60の位置情報を取得する(ステップS102)。続けて、通信端末20は、その位置情報が正確な情報であるか、すなわち、運転者30によって駐車位置が確認されたか否かを判定する(ステップS103)。駐車位置が確認されない場合(ステップS103;No)、通信端末20は、駐車位置が確認されるまで待機する。
【0092】
一方、駐車位置が確認された場合(ステップS103;Yes)、通信端末20は、車両60の移動後の位置である駐車位置を確定させる(ステップS104)。そして、通信端末20は、車両60を特定するための車両情報やタグIDと、駐車位置とを紐づけて、管理装置100に送信する(ステップS105)。
【0093】
続いて、図16を用いて、実施形態に係る管理装置100が実行する表示制御処理の流れについて説明する。図16は、実施形態に係る情報処理の手順を示すフローチャート(2)である。
【0094】
図16に示すように、管理装置100は、オペレータ40等から、検索要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。要求を受け付けていない場合(ステップS201;No)、管理装置100は、要求を受け付けるまで待機する。
【0095】
一方、要求を受け付けた場合(ステップS201;Yes)、管理装置100は、受け付けた検索条件に従い、車両60を検索する(ステップS202)。管理装置100は、検索対象となった車両60を特定し(ステップS203)、特定した車両60を地図上にプロットして表示する(ステップS204)。
【0096】
その後、管理装置100は、オペレータ40等から、地図上の点が選択されたか否かを判定する(ステップS205)。地図上の点が選択された場合(ステップS205;Yes)、管理装置100は、選択された点に対応する車両60の個別の詳細情報を表示する(ステップS206)。なお、地図上の点が選択されない場合(ステップS205;No)、管理装置100は、ステップS206の処理をスキップする。
【0097】
その後、管理装置100は、オペレータ40等から、占有率の表示が要求されたか否かを判定する(ステップS207)。占有率の表示が要求された場合(ステップS207;Yes)、管理装置100は、要求に対応する駐車領域の占有率を表示する(ステップS208)。なお、占有率の表示が要求されない場合(ステップS207;No)、管理装置100は、ステップS208の処理をスキップする。
【0098】
その後、管理装置100は、オペレータ40等から、検索処理の終了を受け付けたか否かを判定する(ステップS209)。検索処理の終了を受け付けない場合(ステップS209;No)、管理装置100は、検索処理を継続し、新たな検索条件の要求を受け付ける(ステップS201)。一方、検索処理の終了を受け付けた場合(ステップS209;Yes)、管理装置100は、検索処理を終了する。
【0099】
なお、図15および図16で示した情報処理の流れは一例であり、通信端末20および管理装置100は、図15および図16で示した順序とは異なる順序で処理を行ってもよい。例えば、管理装置100は、ステップS205の前にステップS207の処理を実行してもよいし、ステップS205とステップS207のいずれか一つを実行してもよい。
【0100】
(2.実施形態の変形例)
[2-1.移動前のビーコンボタンの押下]
上記実施形態では、運転者30が、車両60の移動後にビーコンボタン11を押下する例を示した。ここで、運転者30は、移動前に1回、移動後に1回、計2回ビーコンボタン11を押下してもよい。この変形例について、図17を用いて説明する。図17は、変形例に係る駐車管理システム1が実行する処理の流れを模式的に示すブロック図である。
【0101】
図17に示す例では、運転者30は、携帯ユニット10を着用して、車両60の現時点の駐車位置に向かう。そして、運転者30は、車両60を発進させる前に、車両60の車内においてビーコンボタン11を押下する。通信端末20は、ビーコンボタン11が発したビーコン信号を受信すると、RFリーダ12に読み取り命令を出す。RFリーダ12は、通信端末20の指示を受け、RFタグ50の情報の読み取りを開始する(ステップS301)。
【0102】
図1の例と同様、RFタグ50には、車両60の車両IDやRFタグ50のタグID等が記憶されている。通信端末20は、RFタグ50の情報を読み取るとともに、運転者30による行動(この例ではビーコンボタン11の押下)を契機として、位置情報の検知を開始する。これにより、通信端末20は、RFタグ50(言い換えれば車両60)を識別するためのタグIDと、現時点の駐車位置とを紐づけた情報である移動前情報44Aを取得する。
【0103】
運転者30は、RFタグ50から情報が取得されたことを通信端末20の画面上で確認したのち、車両60の移動を開始する。移動の間、通信端末20は、位置情報の検知および取得を継続する。運転者30は、目的の駐車領域まで車両60を移動させ、車両60を駐車する。
【0104】
運転者30は、駐車が完了すると、再びビーコンボタン11を押下する。通信端末20は、運転者30によるビーコンボタン11の押下を契機として、再びRFタグ50の情報を読み取るとともに、このとき取得した位置情報を車両60の駐車位置と推定する(ステップS302)。
【0105】
その後、通信端末20は、移動後情報44Bを管理装置100に送信する。図17に示すステップS303からステップS305までの処理は、図1に示したステップS3からステップS5までの処理と共通するため、説明を省略する。
【0106】
以上のように、変形例に係る駐車管理システム1において、携帯ユニット10は、運転者30による車両60の移動前の行動(区別のため、「第2の行動」と称する。図17の例では、ビーコンボタン11の押下が該当する)を検出したことを契機として、RFタグ50に保持された車両情報を取得し、車両情報が取得されたことを契機として、車両60の位置情報の取得を開始する。さらに、携帯ユニット10は、運転者30による第1の行動(2度目のビーコンボタン11の押下)を検出したことを契機として、検知された位置情報を車両60の駐車位置と判定し、車両情報と駐車位置とを紐づけて管理装置100に送信する。管理装置100は、送信された車両情報と駐車位置とを、車両60の駐車領域情報と紐づけて記憶し、記憶された情報に基づいて、駐車領域における車両の駐車位置を地図上に表示する。
【0107】
このように、変形例に係る駐車管理システム1によれば、発進時と駐車時の2回、RFタグ50の情報を読み取ることで、誤って別の車両(車両60の近傍に駐車されていた車両など)のタグ情報を読み取るなどの誤操作を防止することができる。
【0108】
変形例に係る取得部25の機能について説明する。例えば、取得部25は、運転者30による第2の行動を検出したことを契機として、RFタグ50に保持された車両情報を取得する。第2の行動とは、運転者30が車両60を移動させる際に、これから車両60を移動することを明示するために行われる行動である。
【0109】
例えば、取得部25は、第2の行動として、運転者30によるビーコン信号の発信(すなわち、ビーコンボタン11の押下)を契機として、RFタグ50に保持された車両情報を取得する。あるいは、取得部25は、第2の行動として、運転者30が発した所定の音声、運転者30と車両60との接近、運転者30による車両の発進操作の少なくともいずれか一つを検出したことを契機として、RFタグ50に保持された車両情報を取得してもよい。
【0110】
例えば、取得部25は、運転者30が「これから移動を開始します」など、予め設定された起動音声となる発言をしたことを音声認識した場合に、車両情報を取得してもよい。なお、取得部25は、予め設定された起動音声でなくとも、運転者30が発した音声を自動認識し、認識した音声に基づいて運転者30が要望する操作を受け付けてもよい。これにより、運転者30は、ビーコンボタン11を押下するなどの行動を必要とせず、ハンズフリーで位置情報の検知処理を開始させることができる。また、取得部25は、近距離無線通信における接近を感知する機能を用いて、運転者30(すなわち通信端末20やRFリーダ12)と車両60(すなわちRFタグ50)とが所定距離以下に接近したことを感知した場合に、車両情報を取得してもよい。あるいは、取得部25は、運転者30が車両60を発進させたこと(例えば、エンジンの始動や走行の開始、ギアチェンジなど)を検出した場合に、車両情報を取得してもよい。これにより、運転者30は、移動作業に際して何ら意識することなく、位置情報の検知処理を開始させることができる。
【0111】
また、変形例に係る検知部26は、取得部25によって車両情報が取得されたことを契機として、車両60の位置情報の取得を開始する。例えば、検知部26は、通信端末20が備えたGPSセンサを用いて、車両60の移動前の位置情報を取得するとともに、移動中の位置情報の検知および取得を継続する。
【0112】
次に、図18を用いて、変形例に係る情報処理の手順について説明する。図18は、変形例に係る情報処理の手順を示すフローチャートである。
【0113】
図18に示すように、通信端末20は、ビーコンボタン11によるビーコン信号を受信したか否かを判定する(ステップS401)。信号を受信していない場合(ステップS401;No)、通信端末20は、信号を受信するまで待機する。
【0114】
一方、信号を受信した場合(ステップS401;Yes)、通信端末20は、RFリーダ12を介して、RFタグ50に格納された情報を読み取る(ステップS402)。そして、通信端末20は、RFタグ50に格納された情報であるタグIDや車両情報を取得する(ステップS403)。また、通信端末20は、位置情報の検知を開始する(ステップS404)。
【0115】
その後、通信端末20は、ビーコン信号を再び受信したか否かを判定する(ステップS405)。信号を受信していない場合(ステップS405;No)、通信端末20は、信号を受信するまで位置情報の検知を継続しながら待機する。
【0116】
一方、信号を受信した場合(ステップS405;Yes)、通信端末20は、その際の位置情報を駐車時の位置情報として取得する(ステップS406)。ステップS407以下の処理は、図15に示したステップS103以下の処理と共通するため、説明を省略する。
【0117】
[2-2.携帯ユニットの構成]
上記実施形態では、本開示に係る携帯ユニット10は、ビーコンボタン11と、RFリーダ12と、通信端末20とを含む例を示した。しかし、携帯ユニット10の構成は、実施形態で示した処理を実行できる構成であれば、この例に限られない。
【0118】
すなわち、携帯ユニット10は、RFタグ50の情報を読み取り可能なリーダユニットと、RFタグの読み取りを開始するための信号を発信可能なトリガーユニットと、トリガーユニットから発せられる信号を受信したことを契機として、リーダユニットにRFタグ50の読み取りを開始させる信号を発信可能な情報通信端末と、が含まれていればよい。
【0119】
また、携帯ユニット10は、リーダユニットとトリガーユニットと情報通信端末との機能を実現する1台もしくは複数台のユニットで構成されてもよい。例えば、スマートフォンやスマートフォン上で機能するアプリによって、リーダユニットとトリガーユニットと情報通信端末の機能を実現する場合には、携帯ユニット10は、当該スマートフォン1台で構成されてもよい。また、図1等では、運転者30がRFタグ50から情報が取得されたことを通信端末20の画面上で確認する例を示したが、通信端末20は、異なる手段で情報を運転者30に通知してもよい。例えば、通信端末20は、画面表示のみならず、音声や通知音、点滅表示や振動などの手段を用いて、情報を運転者30に通知してもよい。
【0120】
また、携帯ユニット10は、図2乃至図4で示した構成に限られない。例えば、携帯ユニット10は、運転者30の体の正面に対して縦向きにRFリーダ12や通信端末20が収納される態様であってもよい。これは、RFタグ50が電波を縦向きに照射する場合、それに正対するようにRFリーダ12が縦向きに配置されたほうが、読み取り精度が向上することによる。この場合、携帯ユニット10は、肩掛けの態様でなく、腰に巻くポーチのような態様であってもよい。あるいは、携帯ユニット10は、リュックサックを身体の前面に背負うような態様であってもよい。また、携帯ユニット10は、図3で示したようなスペーサ13を有さず、一つのポケットにビーコンボタン11、RFリーダ12および通信端末20とがまとめて収納される態様であってもよい。
【0121】
このように、携帯ユニット10は、柔軟な構成をとることができる。すなわち、本開示に係る携帯ユニット10は、管理者や運転者30の詳細な要望に応えた態様で実現可能であるため、ユーザビリティの高い駐車管理サービスを提供することができる。
【0122】
[2-3.管理装置の態様]
上記実施形態では、本開示に係る管理装置100は、オペレータ40によって操作されるサーバ等である例を示したが、管理装置100の構成はこれに限られない。例えば、実施形態で示した管理装置100の機能が、携帯ユニット10に含まれる通信端末20で実現される場合、通信端末20は、管理装置100の機能を兼ねてもよい。この場合、通信端末20は、車両60の駐車位置を車両情報と紐づけて記憶し、運転者30の要求に応じて、車両60の位置を検索したり、画面上に車両60や駐車領域の占有率を表示したりする。
【0123】
[2-4.契機となる行動の態様]
上記実施形態では、本開示に係る携帯ユニット10は、運転者の第1の行動を契機としてRFタグ50を読み取り、第2の行動を契機として駐車位置を取得する例を示した。ここで、第1の行動および第2の行動は、実施形態に例示したものに限らず、処理の契機となる行動であればどのような行動であってもよい。
【0124】
また、第1の行動および第2の行動として例示した行動は、各々任意に組み合わせられてもよい。例えば、携帯ユニット10は、ビーコンボタン11の押下があった場合にRFタグ50を読み取り、運転者が車両を停止させたことを検出した場合に駐車位置を取得してもよい。また、運転者30は、図1に示すステップS1でビーコンボタン11を押下し、ステップS2においてビーコンボタン11の押下を省略してもよい。この場合、携帯ユニット10は、例えば一定時間の経過などを契機として、検知された位置を停車位置と判定してもよい。また、図1等で示した処理は、必ずしも順番通りに実行されることを要しない。例えば、携帯ユニット10は、RFタグ50に保持された車両情報を取得したことを契機として、車両60の位置情報を取得するのではなく、車両60が移動された直後に車両情報を取得してもよい。
【0125】
[2-5.駐車管理システムの態様]
上記実施形態において駐車管理システム1が実行する処理は、携帯ユニット10および管理装置100のいずれによって実行されてもよい。
【0126】
例えば、実施形態では、携帯ユニット10が駐車領域の名称であるロケーションを管理装置100から取得する例を示したが、携帯ユニット10は、記憶部22に駐車領域に関する情報を記憶しておき、記憶部22からロケーションの情報を取得してもよい。
【0127】
また、実施形態では、車両60が広域な複数の駐車領域に対して駐車される例を示したが、駐車管理システム1が実行する処理は、これに限られない。例えば、駐車管理システム1は、屋内倉庫や、輸送用の大型タンカーなどに駐車する車両60の位置情報を管理してもよい。このとき、駐車管理システム1は、GPSなど衛星を用いて位置情報の検知が困難な場合、上述したアクセスポイントを利用したり、スマートフォンの基地局からの電波を利用したり、車両60の車速センサやジャイロ等を利用するなど、種々の既知の技術を利用して位置情報を検知してもよい。
【0128】
(3.その他の実施形態)
上述した実施形態に係る処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0129】
例えば、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0130】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0131】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0132】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0133】
(4.本開示に係る情報処理システムの効果)
上述してきたように、本開示に係る駐車管理システム(実施形態では駐車管理システム1)は、車両に搭載されるRFタグ(実施形態ではRFタグ50)と、車両の運転者が着用する衣服または着用具に収納される情報処理装置(実施形態では携帯ユニット10)と、駐車管理装置(実施形態では管理装置100)とを含む。情報処理装置は、運転者による第1の行動を検出したことを契機として、RFタグに保持された車両情報および車両の位置情報を取得する取得部(実施形態では取得部25)と、取得部によって取得された位置情報を車両の駐車位置と判定し、車両情報と駐車位置とを紐づけて駐車管理装置に送信する送信部(実施形態では送信部27)とを備える。駐車管理装置は、送信部によって送信された車両情報と駐車位置とを、車両の駐車領域情報と紐づけて記憶する記憶部(実施形態では記憶部120)と、記憶部によって記憶された情報に基づいて、駐車領域における車両の駐車位置を地図上に表示する表示制御部(実施形態では表示制御部132)とを備える。
【0134】
このように、本開示に係る情報処理システムは、例えば完成車の出荷前の待機駐車場や、拠点が分かれて複数存在するような広域の駐車場において車両を管理する場合に、RFタグとの通信を利用して、移動後の車両の位置情報の検知や登録を実行する。このため、情報処理システムによれば、運転者は作業に特段の手間をかけることなく駐車位置を登録できる。また、情報処理システムによれば、管理者は大掛かりな設備を駐車場に設置することなく、的確に車両の駐車位置や配置を管理できる。このように、情報処理システムは、駐車管理に関する利便性を向上させるという効果を奏する。
【0135】
また、取得部は、第1の行動として、運転者によるビーコン信号の発信、運転者が発した所定の音声、運転者と車両との接近の解消、運転者による車両の停止操作の少なくともいずれか一つを検出したことを契機として、RFタグに保持された車両情報および車両の位置情報を取得する。
【0136】
このように、本開示に係る情報処理システムは、運転者の簡易な行動を契機として位置情報の取得や登録を行うので、運転者の作業負担を軽減させた駐車管理を実現できる。
【0137】
また、送信部は、取得部によって取得された位置情報を車両の駐車位置と判定したのち、駐車位置に対応する駐車領域の情報を表示部への表示もしくは音声通知により運転者に提示し、提示された情報を運転者が承認した場合に、車両情報と駐車位置とを紐づけて駐車管理装置に送信する。
【0138】
このように、本開示に係る情報処理システムは、運転者の承認に基づいて駐車位置の登録を行うことで、より正確な駐車位置を登録することができる。
【0139】
また、情報処理装置は、RFタグの情報を読み取り可能なRFリーダ(実施形態ではRFリーダ12)と、RFタグの読み取りを開始するための信号を発信可能なトリガーユニット(実施形態ではビーコンボタン11)と、トリガーユニットから発せられる信号を受信したことを契機として、RFリーダにRFタグの読み取りを開始させる信号を発信可能な情報通信端末(実施形態では通信端末20)とを含む。
【0140】
このように、本開示に係る情報処理装置は、複数のデバイスを協働させることで、ビーコン信号を利用して位置情報の検知を開始させたり、RFリーダによって車両情報を読み取ったりするなど、運転者の作業負荷を軽減させる駐車管理処理を実現できる。
【0141】
また、記憶部は、駐車領域情報として、駐車領域に駐車可能な車両の台数、もしくは、駐車領域の面積に関する情報を記憶する。表示制御部は、駐車領域に駐車可能な車両の台数、もしくは、駐車領域の面積に関する情報に基づいて、駐車領域がどれくらいの車両を収容しているかを示す占有率を地図上に表示する。
【0142】
このように、本開示に係る情報処理システムは、車両位置と合わせて占有率を地図上に表示することで、どの領域にあとどのくらい車両を格納できるか、どの領域に車両を駐車すべきかといった、管理に要する情報を一元的に表示することができる。
【0143】
(5.ハードウェア構成)
上述してきた実施形態に係る通信端末20や管理装置100等の情報機器は、例えば図17に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、実施形態に係る管理装置100を例に挙げて説明する。図17は、管理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス1500、及び入出力インターフェイス1600を有する。コンピュータ1000の各部は、バス1050によって接続される。
【0144】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。例えば、CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムをRAM1200に展開し、各種プログラムに対応した処理を実行する。
【0145】
ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるBIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0146】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録する、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。具体的には、HDD1400は、プログラムデータ1450の一例である本開示に係る情報処理プログラムを記録する記録媒体である。
【0147】
通信インターフェイス1500は、コンピュータ1000が外部ネットワーク1550(例えばインターネット)と接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、通信インターフェイス1500を介して、他の機器からデータを受信したり、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信したりする。
【0148】
入出力インターフェイス1600は、入出力デバイス1650とコンピュータ1000とを接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、キーボードやマウス等の入力デバイスからデータを受信する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやスピーカーやプリンタ等の出力デバイスにデータを送信する。また、入出力インターフェイス1600は、所定の記録媒体(メディア)に記録されたプログラム等を読み取るメディアインターフェイスとして機能してもよい。メディアとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0149】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る管理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされた情報処理プログラムを実行することにより、制御部130等の機能を実現する。また、HDD1400には、本開示に係る情報処理プログラムや、記憶部120内のデータが格納される。なお、CPU1100は、プログラムデータ1450をHDD1400から読み取って実行するが、他の例として、外部ネットワーク1550を介して、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
【0150】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0151】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0152】
1 駐車管理システム
10 携帯ユニット
11 ビーコンボタン
12 RFリーダ
20 通信端末
25 取得部
26 検知部
27 送信部
50 RFタグ
100 管理装置
110 通信部
120 記憶部
121 車両情報記憶部
122 駐車領域記憶部
123 駐車位置記憶部
130 制御部
131 登録部
132 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19