(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037531
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】食品、食品セット、乾燥粉末及び経口組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/00 20160101AFI20230308BHJP
A23L 17/60 20160101ALI20230308BHJP
A23L 11/00 20210101ALI20230308BHJP
A23L 7/104 20160101ALI20230308BHJP
【FI】
A23L33/00
A23L17/60 B
A23L11/00 Z
A23L7/104
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021144346
(22)【出願日】2021-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】521022288
【氏名又は名称】株式会社万成酵素
(71)【出願人】
【識別番号】519458233
【氏名又は名称】有限会社丸繁商店
(74)【代理人】
【識別番号】100209624
【弁理士】
【氏名又は名称】制野 友樹
(72)【発明者】
【氏名】制野 友樹
(72)【発明者】
【氏名】植田 和典
(72)【発明者】
【氏名】奥脇 圭一
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 薫
(72)【発明者】
【氏名】織田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】植田 由紀子
【テーマコード(参考)】
4B018
4B019
4B020
4B023
【Fターム(参考)】
4B018MD49
4B018MD67
4B018MD91
4B018ME11
4B018MF14
4B019LC05
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4B020LP18
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4B023LK08
4B023LK12
4B023LK20
4B023LP16
(57)【要約】
【課題】摂取した場合に少なくとも一定の割合の人に整腸作用を示す新たな食品、食品セット、乾燥粉末及び経口組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の食品セットは、フコイダン及びアルギン酸を含む海藻と、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物と、を含むものである。このうち、海藻は、めかぶ、あかもく及びもずくから選択される1種以上であることが好ましい。1日あたり、海藻を20g以上150g以下、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物を3g以上20g以下摂取することが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フコイダン及びアルギン酸を含む海藻と、
穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物と、を含む
食品セット。
【請求項2】
前記海藻は、めかぶ、あかもく及びもずくから選択される1種以上である
請求項1に記載の食品セット。
【請求項3】
1日あたり、前記海藻を20g以上150g以下、前記穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物を3g以上20g以下摂取するための
請求項1~3のいずれか1項に記載の食品セット。
【請求項4】
整腸のために摂取する
請求項1~3のいずれか1項に記載の食品セット。
【請求項5】
フコイダン及びアルギン酸を含む海藻と、
穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物と、を含む
食品。
【請求項6】
フコイダン及びアルギン酸を含む海藻の粉末と、
穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物の粉末と、を含む
混合粉末。
【請求項7】
フコイダン及びアルギン酸を含む海藻の粉末と、
穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物の粉末と、を含む
経口組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、食品セット、乾燥粉末及び経口組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
腸機能は、不規則な生活や運動不足等の不摂生、ホルモンバランスの崩れ、精神的ストレスの負荷等様々な要因によって悪化し、便秘や下痢といった排便障害に繋がる。また、排便障害が原因となって、腹痛、吐き気等を発症することがある。さらに、重篤な疾患や症候、症状又は障害等に起因して腸機能が悪化し、排便障害となることもある。そのため、腸機能を維持、改善する効果、いわゆる整腸効果を有する整腸剤や整腸のための食品の探索が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ビフィズス菌、乳酸菌及び納豆菌を含有する排便促進剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、腸内環境(腸内の菌叢)は人それぞれ異なるため、全ての人に整腸効果が高い整腸剤は存在しないと思われる。このため、整腸を望む需要者に選択の余地を与えるために、整腸作用を有する剤や食品の選択肢は多いほどよい。
【0006】
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、摂取した場合に少なくとも一定の割合の人に整腸作用を示す新たな食品、食品セット、乾燥粉末及び経口組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、フコイダン及びアルギン酸を含む海藻と、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物とを摂取すると、一定の割合の人が整腸作用を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下を提供する。
【0008】
(1)フコイダン及びアルギン酸を含む海藻と、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物と、を含む食品セット。
【0009】
(2)前記海藻は、めかぶ、あかもく及びもずくから選択される1種以上である(1)に記載の食品セット。
【0010】
(3)1日あたり、前記海藻を20g以上150g以下、前記麹菌発酵物を3g以上20g以下摂取するための(1)又は(2)に記載の食品セット。
【0011】
(4)整腸のために摂取する(1)~(3)のいずれかに記載の食品セット。
【0012】
(5)フコイダン及びアルギン酸を含む海藻と、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物と、を含む食品。
【0013】
(6)フコイダン及びアルギン酸を含む海藻の粉末と、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物の粉末と、を含む混合粉末。
【0014】
(7)フコイダン及びアルギン酸を含む海藻の粉末と、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物の粉末と、を含む経口組成物。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、摂取した場合に少なくとも一定の割合の人に整腸作用を示す新たな食品、食品セット、乾燥粉末及び経口組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこの実施形態に何ら限定されるものではなく、適宜変更を加えて実施することができる。
【0017】
本明細において、「摂取」とは経口摂取のことをいう。
【0018】
≪食品セット≫
本実施形態に係る食品セットは、フコイダン及びアルギン酸を含む海藻と、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物と、を含むものである。
【0019】
本発明は特定の理論や機構に限定されるものではないし、本実施形態に係る食品セットが、一定の割合の人に整腸効果を示す理由は現時点において明らかではないが、本発明者らは次のように考えている。海藻には、フコイダン及びアルギン酸をはじめとして水溶性食物繊維を多く含む。この水溶性食物繊維は、大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌等のいわゆる善玉菌が増加させることができる。また、水溶性食物繊維は、胆汁酸、コレステロール、ナトリウム等を吸着し、体外に排出することもできる。一方で、穀物の糠やおからの麹菌発酵物は、穀物の糠やおからに由来する不溶性食物繊維を多く含む。この不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収して大きく膨らみ、腸を刺激してぜん動運動を活発にして便通を促進するものである。このようにして、善玉菌を増加させて腸内環境を整えるとともに、腸を刺激して便通を促進することで高い整腸効果が得られると考えられる。
【0020】
〔海藻〕
海藻は、フコイダン及びアルギン酸を含むものである。
【0021】
海藻としては、フコイダン及びアルギン酸を含むものであれば特に限定されないが、例えばめかぶ、あかもく及びもずくから選択される1種以上であることが好ましい。めかぶ、あかもく、もずくは、水溶性食物繊維であるフコイダン及びアルギン酸を豊富に含む海藻であり、これらによって整腸効果をより高め得る。
【0022】
海藻の形態としては、特に限定されず、葉や茎そのものであっても、切断したものであってもよく、またいわゆる「たたき」等であってもよく、それらの大きさは限定されるものではない。
【0023】
また、海藻の状態としては、特に限定されず、生のものであってもよく、加熱や調味等の加工されたものであってもよい。
【0024】
海藻の一日あたりの摂取量としては、特に限定されないが、例えば20g以上、21g以上、22g以上、23g以上、24g以上、25g以上、26g以上、27g以上、28g以上、29g以上、30g以上、31g以上、32g以上、33g以上、34g以上、35g以上であることが好ましい。一日あたりの海藻の摂取量が所要量以上であることにより、水溶性食物繊維の摂取量をより高めることができ、整腸効果をより高め得る。一方、海藻の一日あたりの摂取量としては、150g以下、145g以下、140g以下、135g以下、130g以下、125g以下、120g以下、115g以下、110g以下、105g以下、100g以下、95g以下、90g以下、85g以下、80g以下、75g以下、70g以下、65g以下、60g以下、55g以下、54g以下、53g以下、52g以下、51g以下、50g以下、49g以下、48g以下、47g以下、46g以下、45g以下であることが好ましい。なお、この摂取量は、一日量あたりの摂取量であり、一度に摂取しても複数回に分けて摂取してもよい。また、摂取の時期も限定されるものではない。
【0025】
以上の海藻の一日あたりの摂取量には、フコイダン等の粘りのもととなる成分の他、海産物であるため不可避的に含まれる水や、工程や保存等の都合上除去するのが困難又は不適切である水の量も含むものとする。海藻中の食物繊維の含有量としては、特に限定されないが、例えば海藻の全質量(100質量%、メカブであれば緑色の部分以外の部分、すなわちフコイダンや水等の総量)に対し、4質量%以上、4.5質量%以上、5質量%以上、5.5質量%以上、6質量%以上、6.5質量%以上、7質量%以上、7.5質量%以上、8質量%以上であることが好ましい。海藻中の食物繊維の含有量が所要量以上であることにより、整腸効果をより高め得る。一方、海藻組成物の食物繊維の含有量としては、海藻の全質量に対し19質量%以下、18.5質量%以下、18質量%以下、17.5質量%以下、17質量%以下、16.5質量%以下、16質量%以下、15.5質量%以下、15質量%以下、14.5質量%以下、14質量%以下、13.5質量%以下、13質量%以下であることが好ましい。ここで食物繊維の含有量は、酵素-重量法(プロスキー法)により測定する。
【0026】
〔麹菌発酵物〕
麹菌発酵物は、穀物の糠やおからを麹菌で発酵させたものであり、より具体的には、特開2004-267178号公報、特開2021-19775号公報及び特開2013-22012号公報等に記載の麹菌発酵物が例示される。その製造方法についても、これらに記載の製造方法で製造することができる。
【0027】
ここで、「糠」とは、穀物を精白した際に出る果皮、種皮、胚芽等の部分をいう。「糠」の語は、狭義には米糠を指すものであるが、ここでは広義での糠すなわち、あらゆる穀物の糠を含む概念である。
【0028】
穀物としては、特に限定されないが、例えばイネ科の穀物を用いることが好ましく、米、大麦、小麦及びトウモロコシからなる群から選択される1種以上の穀物を用いることがより好ましく、コメを用いることがさらに好ましい。なお、小麦の麹は、「ふすま」としても知られている。
【0029】
「おから」とは、豆腐の製造工程で産出されるものであり、具体的には豆乳を圧搾した搾りかすをいう。
【0030】
麹菌としては、特に限定されないが、例えばAspergillus oryzae(黄麹菌)、Aspergillus sojae(黄麹菌)、Aspergillus Kawachii(白麹菌)、Aspergillus Iuchuensis(黒麹菌)、Monascus属(紅麹菌)、Aspergillus glaucus(カツオブシ菌)等を用いることが好ましく、Aspergillus oryzaeを用いることがより好ましい。麹菌が産生した酵素は、デンプンやタンパク質等を分解し、腸に良いオリゴ糖の他、アミノ酸類やビタミン類等を生成し、発酵物を栄養豊富なものとし得る。
【0031】
麹菌の性状としては、特に限定されず、塊状、粒状、粉末状等であってよく、またそれらのいずれの性状であっても、その大きさも限定されるものではない。
【0032】
酵素発酵物中の食物繊維の含有量としては、特に限定されないが、例えば酵素発酵物の全質量(100質量%)に対し、10質量%以上、11質量%以上、12質量%以上、13質量%以上、14質量%以上、15質量%以上、16質量%以上、17質量%以上、18質量%以上、19質量%以上であることが好ましい。海藻中の食物繊維の含有量が所要量以上であることにより、整腸効果をより高め得る。一方、海藻組成物の食物繊維の含有量としては、海藻の全質量に対し60質量%以下、55質量%以下、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、29質量%以下、28質量%以下、27質量%以下、26質量%以下、25質量%以下、24質量%以下、23質量%以下、22質量%以下であることが好ましい。ここで食物繊維の含有量は、酵素-重量法(プロスキー法)により測定する。
【0033】
麹菌発酵物の一日あたりの摂取量としては、特に限定されないが、例えば3g以上、3.2g以上、3.4g以上、3.6g以上、3.8g以上、4g以上、4.2g以上、4.4g以上、4.6g以上、4.8g以上、5g以上、5.2g以上、5.4g以上、5.6g以上、5.8g以上、6g以上、6.2g以上、6.4g以上、6.6g以上、6.8g以上、7g以上であることが好ましい。一日あたりの麹菌発酵物の摂取量が所要量以上であることにより、不溶性食物繊維の摂取量をより高めることができ、整腸効果をより高め得る。一方、麹菌発酵物の一日あたりの摂取量としては、20g以下、19g以下、18g以下、17g以下、16g以下、15g以下、14g以下、13g以下、12g以下、11g以下、10g以下、9g以下であることが好ましい。なお、この摂取量は、一日量あたりの摂取量であり、一度に摂取しても複数回に分けて摂取してもよい。また、摂取の時期も限定されるものではない。
【0034】
以上の食品セットは、例えば整腸のために摂取することができる。そして、これを摂取することにより、一定の割合の人について整腸効果により便通を促進することができる。
【0035】
≪食品≫
本実施形態に係る食品は、フコイダン及びアルギン酸を含む海藻と、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物と、を含むものである。
【0036】
ここで、海藻及び米糠の麹菌発酵の特徴物や、その摂取量は上述した食品において用いるものと同様のものであるため、ここでの説明は省略する。
【0037】
このような食品としては、海藻と麹菌発酵物とを混ぜてなる食品、海藻と麹菌発酵物と、さらに他の食材を混ぜてなる食品、それらの食品に調味料を加えたか又は調理した食品等が挙げられる。
【0038】
以上の食品は、例えば整腸のために摂取することができる。そして、これを摂取することにより、一定の割合の人について整腸効果により便通を促進することができる。
【0039】
≪混合粉末≫
本実施形態に係る混合粉末は、フコイダン及びアルギン酸を含む海藻の粉末と、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物の粉末と、を含むものである。
【0040】
ここで、海藻及び米糠の麹菌発酵物の特徴や、その摂取量は上述した食品において用いるものと同様のものであるため、ここでの説明は省略する。
【0041】
海藻の粉末及び麹菌発酵物の平均粒子径としては、特に限定されず、例えば両成分の効果や摂取しやすさ、粉末化のコスト等に応じて適宜選択することができる。
【0042】
海藻の粉末化の方法としては、特に限定されないが、例えば海藻を乾燥させて乾燥物を得た後、ミル等を用いて粉砕する方法等を用いることができる。このうち、乾燥の方法としては、特に限定されず、天日干しや、電子レンジ、オーブン、食品乾燥機及び加熱炉等の乾燥装置を用いた方法等を用いることができる。
【0043】
麹菌発酵物の粉末化の方法としては、特に限定されないが、例えば塊状として製造された場合には、ハンマー等で衝撃を加えることで、一定程度の粒状、粉末状としてえることができる。より微細な粉末を製造する場合には、ミル等を用いてもよい。また、塊状として製造された麹菌発酵物を粒状化、粉末化する場合、その前に、上述した乾燥装置等を用いて乾燥させてもよい。
【0044】
また、海藻の乾燥物及び麹菌発酵物のいずれについても粒状化、粉末化する場合には、海藻の乾燥物及び麹菌発酵物を同時にミル等によって粉砕してもよいし、海藻の乾燥物及び麹菌発酵物のそれぞれについてミル等で粒状化、粉末化した後、それぞれの粒や粉末を混合してもよい。
【0045】
以上の混合粉末は、例えば整腸のために摂取することができる。そして、これを摂取することにより、一定の割合の人について整腸効果により便通を促進することができる。
【0046】
≪経口組成物≫
本実施形態に係る傾向組成物は、フコイダン及びアルギン酸を含む海藻の粉末と、穀物の糠及び/又はおからの麹菌発酵物の粉末と、を含むものである。
【0047】
ここで、海藻及び米糠の麹菌発酵物の特徴や、その摂取量は上述した食品において用いるものと同様のものであるため、ここでの説明は省略する。また、海藻の乾燥物及び麹菌発酵物の粒状化、粉末化の方法については上述した混合粉末における方法と同様の情報であるため、ここでの説明は省略する。
【0048】
経口組成物の形態としては、特に限定されるものではなく、例えば海藻の粉末及び麹菌発酵物の粉末を打錠して錠剤としたものであってもよいし、カプセル化したものであってもよいし、その他あらゆる形態であってもよい。
【0049】
以上の経口組成物は、例えば整腸のために摂取することができる。そして、これを摂取することにより、一定の割合の人について整腸効果により便通を促進することができる。
【0050】
以上の食品セット、食品、混合粉末、経口組成物は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、他の効果を奏する剤(薬効を示す薬剤)、保存料、増粘剤、防腐剤、ゲル化剤、着色剤、香料、調味料等あらゆる添加物、添加剤を含有することができる。
【実施例0051】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0052】
〔試験方法〕
BUNKAI-San(米糠のAspergillus oryzaeによる発酵物、食物繊維量20.5質量%、株式会社万成酵素製)及びめかぶ(食物繊維量9.9質量%、有限会社丸繁商店製)の同時摂取による整腸効果を調べるため、以下の5週間にわたって10~70代の24名(うち男性13名、女性11名)の被験者に対して、以下に示すとおりBUNKAI-San及びめかぶを摂取させた。なお、便についての各評価については、それぞれの被験者が評価しているが、試験前に評価基準について十分に説明を行い、評価基準が統一されるように指導を行った。
【0053】
[摂取方法]
合計5週間にわたる試験において、1週間ごとに第1期間~第5期間に以下のとおり分けて、摂取の有無を変化させて、便についての評価を行った。
(第1期間) BUNKAI-San及びめかぶのいずれも摂取しなかった
(第2期間) BUNKAI-Sanのみを毎食の前又は食中に2.5g摂取した。
(第3期間) BUNKAI-Sanのみを毎食の前又は食中に2.5g摂取した。
(第4期間) BUNKAI-Sanを毎食の前又は食中に2.5g摂取するとともに、夕食中にめかぶを40g摂取した。
(第5期間) BUNKAI-Sanを毎食の前又は食中に2.5g摂取するとともに、夕食中にめかぶを40g摂取した。
【0054】
[評価方法]
排便時に、便の形及び便の量の2つの項目について評価を行った。また、排便の日時についても記録し、その頻度(1週間あたりの回数)についても評価した。
【0055】
(便の形)
便の形については、Bristolスケールに基づいて、次の7段階で評価を行った。
1 コロコロ便
2 硬い便
3 やや硬い便
4 普通便
5 やや柔らかい便
6 泥状便
7 水様便
【0056】
(便の量)
便の量については、以下の5段階で評価を行った。
1 バナナ半分未満
2 バナナ半分以上1本未満
3 バナナ1本以上1本半未満
4 バナナ1本半以上2本未満
5 バナナ2本以上
【0057】
〔評価結果〕
(便の形)
表1に、第1期間~第5期間の各被験者のBristolスケールの評価結果を示す。なお、評価結果は、各週の全ての数値の算術平均により求めた。また、表1~3において、同一の「被験者No」は同一人物を示す。
【0058】
【0059】
(便の量)
表2に、第1期間~第5期間の各被験者の便の量の評価結果を示す。なお、評価結果は、各週の全ての数値の算術平均により求めた。
【0060】
【0061】
(回数)
表3に、第1期間~第5期間の各被験者の便の回数の評価結果を示す。
【0062】
【0063】
表4に、便の形、量及び回数の平均値±標準偏差並びに第1期間-第5期間のp値を示す。t検定においては、一対の標本による平均の検定により行い、p値が0.05未満を統計的に有意とみなした。
【0064】