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特開2023-37601現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法
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  • 特開-現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法 図1
  • 特開-現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法 図2
  • 特開-現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法 図3
  • 特開-現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法 図4
  • 特開-現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法 図5
  • 特開-現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法 図6
  • 特開-現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法 図7
  • 特開-現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法 図8
  • 特開-現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037601
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 33/00 20060101AFI20230308BHJP
   E02D 27/10 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
E02D33/00
E02D27/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022136869
(22)【出願日】2022-08-30
(31)【優先権主張番号】202111032399.8
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518229179
【氏名又は名称】青▲島▼理工大学
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
(71)【出願人】
【識別番号】522345548
【氏名又は名称】山▲東▼港口青▲島▼港集▲団▼有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】515313826
【氏名又は名称】河海大学
【氏名又は名称原語表記】Hohai University
【住所又は居所原語表記】No.1 Xikang Road, Gulou, Nanjing, Jiangsu China
(71)【出願人】
【識別番号】519008773
【氏名又は名称】中国石油大学(華東)
【氏名又は名称原語表記】China University of Petroleum(East China)
【住所又は居所原語表記】No.66,West Changjiang Road,Huangdao District,Qingdao,Shandong,China
(71)【出願人】
【識別番号】522345559
【氏名又は名称】中▲電▼工程海洋能源工程技▲術▼研究院
(71)【出願人】
【識別番号】522345560
【氏名又は名称】山▲東▼高速集▲団▼有限公司▲創▼新研究院
(71)【出願人】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(71)【出願人】
【識別番号】522345571
【氏名又は名称】西北▲農▼林科技大学
(71)【出願人】
【識別番号】518336123
【氏名又は名称】哈▲尓▼▲濱▼工▲業▼大学
(71)【出願人】
【識別番号】520377794
【氏名又は名称】中国科学院地▲質▼▲与▼地球物理研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF GEOLOGY AND GEOPHYSICS, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】No. 19, Beitucheng Western Road, Chaoyang District, Beijing, China
(71)【出願人】
【識別番号】510262769
【氏名又は名称】大連理工大学
【氏名又は名称原語表記】Dalian University of Technology
(71)【出願人】
【識別番号】522344600
【氏名又は名称】上海市政工程▲設▼▲計▼研究▲総▼院(集▲団▼)有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】522345582
【氏名又は名称】中建八局第一建▲設▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼俊▲偉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼▲東▼生
(72)【発明者】
【氏名】凌▲賢▼▲長▼
(72)【発明者】
【氏名】霍守▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】王▲騰▼
(72)【発明者】
【氏名】李大勇
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼ ▲東▼▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】辛公▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】裴▲華▼富
(72)【発明者】
【氏名】国振
(72)【発明者】
【氏名】唐▲亮▼
(72)【発明者】
【氏名】于秀霞
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼博
(72)【発明者】
【氏名】王正中
(72)【発明者】
【氏名】▲馮▼凌云
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼雷
(72)【発明者】
【氏名】崔林
(72)【発明者】
【氏名】梁作▲棟▼
(72)【発明者】
【氏名】光洪峰
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼超
(72)【発明者】
【氏名】代▲シン▼可
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼水月
(72)【発明者】
【氏名】▲賈▼▲寧▼
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046BA00
(57)【要約】
【課題】現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、水平力を受ける単杭基礎特性の現場試験分野に関し、特に、現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法に関する。固結システムと、外側支持システムと、円盤載荷システムと、動力伝達システムと、動力システムと、載荷フィードバック検出システムとを備え、固結システムは、全装置の底部に位置し、載荷フィードバック検出システムは外側支持システムと固結システムとの間に設けられ、円盤載荷システムと動力伝達システムは外側支持システム内に設けられ、動力システムは外側支持システムの上方に固定され、動力伝達システムを介して動力を円盤載荷システムに伝達し、全装置の外側に保護システムが設けられる。該装置は、着脱と移動に便利で、振幅が可変で、周波数が可変で、現場での杭頂部動的水平載荷のシミュレーションを実現し、動的水平載荷が十分に大きく、かつ大きな調整範囲を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置であって、固結システム(1)と、外側支持システム(2)と、円盤載荷システム(3)と、動力伝達システム(4)と、動力システム(5)と、載荷フィードバック検出システム(7)とを備え、固結システム(1)は、全装置の底部に位置し、載荷フィードバック検出システム(7)は外側支持システム(2)と固結システム(1)との間に設けられ、円盤載荷システム(3)と動力伝達システム(4)は外側支持システム(2)内に設けられ、動力システム(5)は外側支持システム(2)の上方に固定され、動力伝達システム(4)を介して動力を円盤載荷システム(3)に伝達し、全装置の外側に保護システム(6)が設けられ、
前記外側支持システム(2)は、並置された上鋼板(201)及び下鋼板(202)を備え、上鋼板(201)と下鋼板(202)との間が複数の鋼棒(203)で固結され、上鋼板(201)の底面及び下鋼板(202)の頂面に旋回軸受台が取り付けられ、上鋼板(201)は動力システム(5)に固結され、下鋼板(202)は載荷フィードバック検出システム(7)に固結され、
前記円盤載荷システムは、複数の円盤(301)と、各円盤に固定された重り(302)とを備え、円盤(301)は伝動軸に固定され、円盤(301)上の重りを各々円の中心に対して回転運動させ、各伝動軸に軸方向に沿って複数の円盤(301)が固定され、2つの伝動軸上の位置が対応し、互いに逆方向に回転する2つの円盤で一組の基本ユニットを構成し、円盤載荷システムは複数組の基本ユニットを備え、
前記動力伝達システムは、複数の伝動軸と、伝動歯車と、伝動歯車の動力伝達可能な連結を実現する伝動用チェーンとを備え、伝動軸の頂端及び底端に各々軸受(4013)が固定され、軸受は各々上鋼板及び下鋼板の軸受台内に設けられ、伝動歯車は伝動軸に固定され、伝動歯車及び伝動用チェーンを介して、各組の基本ユニット内の2つの円盤を互いに逆方向に回転させる
ことを特徴とする、現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置。
【請求項2】
前記円盤載荷システムは、四組の基本ユニットで構成され、各段には二組の基本ユニットが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置。
【請求項3】
前記動力伝達システムは、6つの伝動軸を備え、伝動軸は第1伝動軸(401)と、第2伝動軸(402)と、第3伝動軸(403)と、第4伝動軸(404)と、第5伝動軸(405)と、第6伝動軸(406)とを備え、第3伝動軸(403)、第4伝動軸(404)、第5伝動軸(405)、第6伝動軸(406)に各々2つの円盤(301)が固定され、かつ上記4つの伝動軸の中央部に各々1つの伝動歯車が固定され、第3伝動軸(403)の端部及び第5伝動軸(405)の端部に各々伝動歯車が固定され、第1伝動軸(401)の端部に第3伝動歯車(409)が固定され、第1伝動軸(401)の中央部に第1変向歯車(4011)が固定され、第2伝動軸(402)の端部に伝動歯車が固定され、第2伝動軸(402)の中央部に第2変向歯車(4012)が固定され、第1変向歯車(4011)と第2変向歯車(4012)とが噛み合い、動力システムの出力軸に第1伝動歯車(407)及び第2伝動歯車(408)が固定され、
前記第1伝動歯車(407)は、伝動用チェーンを介して第1伝動軸の端部にある第3伝動歯車(409)に動力伝達可能に連結され、第2伝動歯車(408)は伝動用チェーンを介して第5伝動軸(405)の端部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結され、第5伝動軸(405)の中央部にある伝動歯車は伝動用チェーンを介して第6伝動軸(406)の中央部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結され、第2伝動軸(402)の端部にある伝動歯車は伝動用チェーンを介して第3伝動軸(403)の端部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結され、第3伝動軸(403)の中央部にある伝動歯車は伝動用チェーンを介して第4伝動軸(404)の中央部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結され、
前記第4伝動軸(404)と第6伝動軸(406)との間に二組の基本ユニットが形成され、第3伝動軸(403)と第5伝動軸(405)との間に2組の基本ユニットが形成される
ことを特徴とする、請求項2に記載の現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置。
【請求項4】
前記固結システム(1)は、スチールスリーブ(101)と、固定用円盤(103)とを備え、スチールスリーブ(101)は固定用円盤(103)の底面の中心に固結され、固定用円盤(103)とスチールスリーブ(101)との間に複数の補強リブ(102)がさらに設けられ、補強リブ(102)は固定用円盤(103)の円周方向に沿って等間隔に配置され、固定用円盤(103)は上方の載荷フィードバック検出システム(7)に固結されることを特徴とする、請求項1に記載の現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置。
【請求項5】
前記載荷フィードバック検出システムは、カンチレバー計量センサー(701)と、穴付き円盤(702)とを備え、計量センサー(701)の頂端及び底端に各々穴付き円盤(702)が固定され、穴付き円盤はボルトで固定用円盤(103)に固結されることを特徴とする、請求項4に記載の現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置。
【請求項6】
前記動力システムは、インバータモータ(501)と、周波数変換器(502)と、フランジ(503)とを備え、フランジ(503)はインバータモータ(501)の底部に固定され、フランジ(503)を介して上鋼板(201)に固結され、インバータモータ(501)の出力軸に伝動歯車が固定されることを特徴とする、請求項1に記載の現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置。
【請求項7】
前記上鋼板(201)の中央部に丸孔が穿設され、インバータモータ(501)の出力軸が外側支持システム(2)内に延在することを容易にすることを特徴とする、請求項6に記載の現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置を利用して杭頂部動的水平載荷をシミュレートする方法であって、
円盤式載荷システムは、複数組の基本ユニットを備え、各組の基本ユニットは互いに逆方向に回転する2つの円盤を備え、各円盤は円盤上の重りを各々円盤の円の中心に対して回転運動させ、円盤上の重りの重量をm、重りの運動半径をr、重りの等速円運動の角速度をω、重りが発生させる遠心力をFとすると、遠心力は次式のように表され、
=mrω (1)
半径が同じ2つの円盤上の重りの重量が等しい場合、対称な等速回転により遠心力Fが生じ、遠心力Fをx、y方向に沿って2つの力に分解し、ここで、式(2)はx方向の合力、式(3)がy方向の合力を表し、
=Fsin(θ)-Fsin(θ)=0 (2)
=2mrωcos(θ)=2mrωcos(ωt) (3)
2つの重りの回転により生じる遠心力を重ね合わせた後、x方向の分力が相殺され、値が余弦関数で動き、方向が1軸双方向運動の力を提供する
ことを特徴とする、杭頂部動的水平載荷をシミュレートする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平力を受ける単杭基礎特性の現場試験分野に関し、特に、現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
沿岸地域は、我が国の経済の中で最も発展した地域で、この地域のより旺盛なインフラ需要を作り出している。しかし、臨海地域には干潟、深く厚く雑多な盛土、スライム及び断層帯などの複雑な地質が広く分布し、多くの自然地盤の支持力では工事の要件を満たすことができず、杭基礎は一般的な需要になっている。港湾、埠頭、洋上風車などの海洋構造物の支持構造の動的応答は、風、波、潮流、船舶の衝撃などの要因に影響され、杭基礎の供用性は水平支持力の影響を大きく受ける。
【0003】
現在、杭基礎の水平支持力に対する試験は、実験室試験と数値シミュレーション解析の段階にとどまっており、現場試験法に欠け、現場での施工重量検証には有効な検査手法が不足している。この現状に着目し、現場試験法により本出願の現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置を開発、試験した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術に存在する上記の欠陥を克服し、現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法を提供することである。該装置は、着脱・移動に便利で、振幅が可変で、周波数が可変で、現場での杭頂部動的水平載荷のシミュレーションを実現し、動的水平載荷が十分に大きく、かつ大きな調整範囲を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の技術的手段として、現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置であって、固結システムと、外側支持システムと、円盤載荷システムと、動力伝達システムと、動力システムと、載荷フィードバック検出システムとを備え、固結システムは、全装置の底部に位置し、載荷フィードバック検出システムは外側支持システムと固結システムとの間に設けられ、円盤載荷システムと動力伝達システムは外側支持システム内に設けられ、動力システムは外側支持システムの上方に固定され、動力伝達システムを介して動力を円盤載荷システムに伝達し、全装置の外側に保護システムが設けられ、
前記外側支持システムは、並置された上鋼板及び下鋼板を備え、上鋼板と下鋼板との間が複数の鋼棒で固結され、上鋼板の底面及び下鋼板の頂面に旋回軸受台が取り付けられ、上鋼板は動力システムに固結され、下鋼板は載荷フィードバック検出システムに固結され、
前記円盤載荷システムは、複数の円盤と、各円盤に固定された重りとを備え、円盤は伝動軸に固定され、円盤上の重りを各々円の中心に対して回転運動させ、各伝動軸に軸方向に沿って複数の円盤が固定され、2つの伝動軸上の位置が対応し、互いに逆方向に回転する2つの円盤で一組の基本ユニットを構成し、円盤載荷システムは複数組の基本ユニットを備え、
前記動力伝達システムは、複数の伝動軸と、伝動歯車と、伝動歯車の動力伝達可能な連結を実現する伝動用チェーンとを備え、伝動軸の頂端及び底端に各々軸受が固定され、軸受は各々上鋼板及び下鋼板の軸受台内に設けられ、伝動歯車は伝動軸に固定され、伝動歯車及び伝動用チェーンを介して、各組の基本ユニット内の2つの円盤を互いに逆方向に回転させる。
【0006】
本発明において、好ましくは、前記円盤載荷システムは、四組の基本ユニットで構成され、各段には二組の基本ユニットが設けられ、四組の基本ユニットが一緒に回転して現場試験要件を満たす合力を提供する。
【0007】
前記動力伝達システムは、6つの伝動軸を備え、伝動軸は第1伝動軸と、第2伝動軸と、第3伝動軸と、第4伝動軸と、第5伝動軸と、第6伝動軸とを備え、第3伝動軸、第4伝動軸、第5伝動軸、第6伝動軸に各々2つの円盤が固定され、かつ上記4つの伝動軸の中央部に各々1つの伝動歯車が固定され、第3伝動軸の端部及び第5伝動軸の端部に各々伝動歯車が固定され、第1伝動軸の端部に第3伝動歯車が固定され、第1伝動軸の中央部に第1変向歯車が固定され、第2伝動軸の端部に伝動歯車が固定され、第2伝動軸の中央部に第2変向歯車が固定され、第1変向歯車と第2変向歯車とが噛み合い、動力システムの出力軸に第1伝動歯車及び第2伝動歯車が固定され、
前記第1伝動歯車は、伝動用チェーンを介して第1伝動軸の端部にある第3伝動歯車に動力伝達可能に連結され、第2伝動歯車は伝動用チェーンを介して第5伝動軸の端部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結され、第5伝動軸の中央部にある伝動歯車は伝動用チェーンを介して第6伝動軸の中央部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結され、第2伝動軸の端部にある伝動歯車は伝動用チェーンを介して第3伝動軸の端部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結され、第3伝動軸の中央部にある伝動歯車は伝動用チェーンを介して第4伝動軸の中央部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結され、
前記第4伝動軸と第6伝動軸との間に二組の基本ユニットが形成され、第3伝動軸と第5伝動軸との間に2組の基本ユニットが形成される。
【0008】
前記固結システムは、スチールスリーブと、固定用円盤とを備え、スチールスリーブは固定用円盤の底面の中心に固結され、固定用円盤とスチールスリーブとの間に複数の補強リブがさらに設けられ、補強リブは固定用円盤の円周方向に沿って等間隔に配置され、固定用円盤は上方の載荷フィードバック検出システムに固結される。
【0009】
前記載荷フィードバック検出システムは、カンチレバー計量センサーと、穴付き円盤とを備え、計量センサーの頂端及び底端に各々穴付き円盤が固定され、穴付き円盤はボルトで固定用円盤に固結される。
【0010】
前記動力システムは、インバータモータと、周波数変換器と、フランジとを備え、フランジはインバータモータの底部に固定され、フランジを介して上鋼板に固結され、インバータモータの出力軸に伝動歯車が固定される。
【0011】
前記上鋼板の中央部に丸孔が穿設され、インバータモータの出力軸が外側支持システム内に延在することを容易にする。
【0012】
本発明は、上記装置を利用して杭頂部動的水平載荷をシミュレートする方法も提供する。円盤式載荷システムは、複数組の基本ユニットを備え、各組の基本ユニットは互いに逆方向に回転する2つの円盤を備え、各円盤は円盤上の重りを各々円盤の円の中心に対して回転運動させ、円盤上の重りの重量をm、重りの運動半径をr、重りの等速円運動の角速度をω、重りが発生させる遠心力をFとすると、遠心力は次式(1)のように示される。
【0013】
=mrω (1)
【0014】
半径が同じ2つの円盤上の重りの重量が等しい場合、対称な等速回転により遠心力Fが生じ、遠心力Fをx、y方向に沿って2つの力に分解し、ここで、式(2)はx方向の合力、式(3)はy方向の合力を表す。
【0015】
=Fsin(θ)-Fsin(θ)=0 (2)
【0016】
=2mrωcos(θ)=2mrωcos(ωt) (3)
【0017】
2つの重りの回転により生じる遠心力を重ね合わせた後、x方向の分力が相殺され、値が余弦関数で動き、方向が1軸双方向運動の力を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の有利な効果
現在の建設現場で最も一般的に使用されているジャッキタイプの載荷方法と比較して、本発明は、着脱にも移動にも便利で、振幅が可変で、周波数が可変で、動的水平載荷が十分で、大きな調整範囲を有し、使い方も簡単で、全自動化により人件費を節約し、荷重出力値をリアルタイムで検出し、載荷経過を記録し、現場の高周波マルチサイクル杭頂部動的水平載荷を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の概略構成図である。
図2】本発明の固結システムの概略構成図である。
図3】本発明の外側支持システムの概略構成図である。
図4】本発明の円盤式載荷システムの概略構成図である。
図5】本発明の動力伝達システムの概略構成図である。
図6】本発明の動力システムの概略構成図である。
図7】本発明の保護システムの概略構成図である。
図8】本発明の載荷フィードバック検出システムの概略構成図である。
図9】各組基本ユニットにおける2つの重りの遠心力フィッティングの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明白かつ理解しやすくするため、以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の具体的実施形態を詳細に説明する。
【0021】
本発明を完全に理解するため、以下の描写では、具体的詳細を説明している。しかしながら、本発明は、本明細書に記載されたものとは異なる他の多くの形態で実施することができ、当業者は、本発明の概念から逸脱することなく類推することができる。したがって、本発明は、以下に開示される具体的実施形態によって限定されない。
【0022】
図1に示すように、本発明の現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置は、固結システム1と、外側支持システム2と、円盤載荷システム3と、動力伝達システム4と、動力システム5と、載荷フィードバック検出システム7とを備え、固結システム1は全装置の底部に位置し、載荷フィードバック検出システム7は外側支持システム2と固結システム1との間に設けられ、円盤載荷システム3と動力伝達システム4は外側支持システム2内に設けられ、動力システム5は外側支持システム2の上方に固定され、動力伝達システム4を介して動力を円盤載荷システム3に伝達し、全装置の外側に保護システム6が設けられる。
【0023】
固結システムは、装置の底部に位置し、装置を試験対象基礎に固定し、荷重を伝達するために用いられる。図2に示すように、本実施例において、固結システム1は、スチールスリーブ101と、固定用円盤103とを備え、スチールスリーブ101は固定用円盤103の底面の中心に固結され、固定用円盤103とスチールスリーブ101との間に複数の補強リブ102がさらに設けられ、補強リブ102は固定用円盤103の円周方向に沿って等間隔に配置され、補強リブにより固定用円盤とスチールスリーブとの間の連結強度を向上する。スチールスリーブ101の環状側面にボルトを締め付けて杭頭を固定するための複数のボルト孔が間隔をあけて穿設される。固定用円盤103に上方の載荷フィードバック検出システム7と固結するための複数のボルト孔が間隔をあけて穿設される。スチールスリーブ101と杭頭との間が面接触し、杭頭に従来のジャッキ載荷の点荷重ではなく、均等な荷重を提供し、海上杭基礎の実際の力を受けることをより現実的にシミュレートする。
【0024】
固結システムの上方に載荷フィードバック検出システム7が固定され、図8を参照すると、載荷フィードバック検出システム7は、カンチレバー計量センサー701と、穴付き円盤702とを備え、カンチレバー計量センサー701の収集精度が1920HZに達し、載荷データのリアルタイム監視の目的を達成できる。計量センサー701の頂端及び底端に各々穴付き円盤702が固定され、頂端の穴付き円盤はボルトで外側支持システム2に固結され、底端の穴付き円盤はボルトで固結システム1に固結される。
【0025】
図3に示すように、外側支持システム2は、並置された上鋼板201及び下鋼板202を備え、上鋼板201と下鋼板202との間が4本の鋼棒203で固結されることで本体枠を構成する。上鋼板201の底面及び下鋼板202の頂面に旋回軸受台に取り付けられ、円盤載荷システム3は旋回軸受台を介して上鋼板、下鋼板と連結することから円盤載荷システム3が外側支持システム内部で安定して回転するのを実現する。
【0026】
図4及び図5に示すように、円盤載荷システム3は、複数の円盤301と、各円盤301に固定された重り302とを備え、円盤301は伝動軸に固定され、伝動軸が円盤301を回転させる過程において円盤301上の重り302を各々円の中心に対して回転運動させる。重り302は、取り外し可能であり、重り302の素材及びサイズを変更することによって重り302の重量を変更できることで、載荷振幅を調整できる。本実施形態において、8つの円盤301を備え、2つの円盤ごとは同じ伝動軸に固設され、伝動軸上の位置が対応し、互いに逆方向に回転する2つの円盤で一組の基本ユニットを構成するので、円盤載荷システム3全体は四組の基本ユニットで構成され、2段に分けて配置され、各段には二組の基本ユニットが設けられ、四組の基本ユニットが一緒に回転して現場試験要件を満たす合力を提供する。本出願において、円盤の数は本実施形態に記載の8つに限定されず、状況に応じて他の数の円盤を選択し得る。作業過程中に載荷フィードバック検出システム7のカンチレバー計量センサー701により円盤載荷システム3を介して杭頭に加えられるリアルタイムな荷重データを収集し、データをコンピュータに伝送して載荷の大きさ、載荷頻度、載荷サイクル回数を計算する。
【0027】
動力伝達システム4は、複数の伝動軸と、伝動歯車と、伝動歯車の動力伝達可能な連結を実現する伝動用チェーンとを備え、伝動軸に軸方向に沿って複数の円盤301が間隔をあけて設けられ、伝動軸の頂端及び底端に各々軸受4013が固定され、軸受は上鋼板及び下鋼板の軸受台内に各々設けられ、伝動軸と外側支持システムとの間の回転連結を実現する。伝動歯車は、伝動軸に固定され、伝動歯車及び伝動用チェーンを介して、各組の基本ユニット内の2つの円盤が互いに逆方向に回転されることを実現し、かつ各円盤の回転速度を同一にさせる。
【0028】
図5に示すように、本実施形態内の動力伝達システム4は、6つの伝動軸と、12つの伝動歯車と、5つの伝動用チェーンとを備え、伝動軸は第1伝動軸401、第2伝動軸402、第3伝動軸403、第4伝動軸404、第5伝動軸405、第6伝動軸406であり、第3伝動軸403、第4伝動軸404、第5伝動軸405、第6伝動軸406に2つの円盤301が各々固定され、かつ上記4つの伝動軸の中央部に1つの伝動歯車が各々固定され、第3伝動軸403の端部及び第5伝動軸405の端部に伝動歯車が各々固定される。第1伝動軸401の端部に第3伝動歯車409が固定され、第1伝動軸401の中央部に第1変向歯車4011が固定され、第2伝動軸402の端部に伝動歯車が固定され、第2伝動軸402の中央部に第2変向歯車4012が固定され、第1変向歯車4011と第2変向歯車4012とが噛み合っている。動力システムの出力軸に第1伝動歯車407及び第2伝動歯車408が固定され、第1伝動歯車407は、伝動用チェーン4010を介して第1伝動軸端部の第3伝動歯車409に動力伝達可能に連結され、第2伝動歯車408は伝動用チェーン4010を介して第5伝動軸405の端部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結される。第5伝動軸405中央部にある伝動歯車は、伝動用チェーン4010を介して第6伝動軸406の中央部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結される。第2伝動軸402の端部にある伝動歯車は、伝動用チェーン4010を介して第3伝動軸403の端部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結され、第3伝動軸403の中央部にある伝動歯車は伝動用チェーン4010を介して第4伝動軸404中央部にある伝動歯車に動力伝達可能に連結される。
【0029】
伝動歯車407は、動力システムから出力された運動エネルギーが伝動用チェーン4010を介して第1伝動軸401に伝達し、第1伝動軸401の回転方向を正回転に設定し、第1変向歯車4011と第2変向歯車4012との間の噛み合いにより、第2伝動軸402を逆回転させ、第2伝動軸402は伝動用チェーンを介して第3伝動軸403を逆回転させると、第3伝動軸403に固定された2つ円盤が逆回転し、第3伝動軸403は伝動用チェーンを介して第4伝動軸404を逆回転させると、第4伝動軸404に固定された2つの円盤が反転する。伝動歯車408は、動力システムから出力された運動エネルギーを、伝動用チェーン4010を介して第5伝動軸405に伝達すると、第5伝動軸405が正回転し、第5伝動軸405に固定された2つの円盤が正回転し、第5伝動軸405は伝動用チェーンを介して第6伝動軸406を正回転させると、第6伝動軸406に固定された2つの円盤が正回転する。互いに逆方向に回転する第4伝動軸404及び第6伝動軸406に固定された2つの対応する円盤の間に一組の基本ユニットを構成し、互いに逆方向に回転する第3伝動軸403及び第5伝動軸405に固定された2つの対応する円盤の間に一組の基本ユニットを構成するので、第4伝動軸404と第6伝動軸406との間に二組の基本ユニットが形成され、第3伝動軸403と第5伝動軸405との間に二組の基本ユニットが形成される。
【0030】
図6に示すように、動力システムは、インバータモータ501と、周波数変換器502と、フランジ503とを備え、フランジ503はインバータモータ501の底部に固定され、フランジ503を介してインバータモータ501を外側支持システムの上鋼板201に固定する。本実施形態におけるインバータモータ501は、2.2kWのレベル4可変周波数モータを用い、周波数変換器502がヘビーデューティタイプの単相220V周波数変換器を用い、周波数変換器502をコンピュータに接続すると、インバータモータ出力の正確な制御を実現できる。上鋼板201の中央部に丸孔が穿設され、インバータモータ501の出力軸が外側支持システム2内に延在することを容易にし、出力軸が動力伝達システム4に連結される。
【0031】
装置全体の外側には、図7に示すような保護システム6が設けられ、本実施形態における保護システムは鋼製ハウジングであり、鋼製ハウジングを設けることにより、装置の劣化を避け、過負荷などの不測の事象が発生する時による人身損害及び物的損害を未然に防ぐことができる。
【0032】
該装置を現場で組み立てて使用する場合、まず固結システムを取り付ける。先にスチールスリーブ101を杭頭の外側に嵌め、スチールスリーブ101の側辺の孔内にボルトをねじ込んで、スチールスリーブ101と杭頂部とを一体として固結させる。次に固結システムの固定用円盤103と載荷フィードバック検出システム7の穴付き円盤702とをボルト及びナットで固結させ、そして載荷フィードバック検出システム7の上方に外側支持システムの下鋼板202をボルトで固結し、下鋼板202に動力伝達システム4及び円盤載荷システム3を取り付けてから外側支持システムの上鋼板201を取り付け、インバータモータ501の出力軸を上鋼板201の既設孔内に挿入し、ボルトを締め付けて、インバータモータ501の出力軸を動力伝達システム4に連結し、最後に保護システム7を装置全体の外部に嵌める。
【0033】
本発明は、上記装置を利用して杭頂部動的水平載荷をシミュレートする方法も提供する。円盤式載荷システムは、複数組の基本ユニットを備え、各組の基本ユニットは互いに逆方向に回転する2つの円盤を備え、各円盤は円盤上の重りを各々円盤の円の中心に対して回転運動させ、図8に示すように、各組の基本ユニットの重り伝動によって発生する遠心力の計算プロセスは次の通りである。
【0034】
円盤上の重りの重量をm、重りの運動半径をr、重りの等速円運動の角速度をω、重りが発生させる遠心力をFとすると、遠心力は式(1)のように表される。
【0035】
=mrω (1)
【0036】
半径が同じ2つの円盤上の重りの重量が等しい場合、対称な等速回転により遠心力Fが生じ、図8の力を受ける解析の概略図からも分かるように、質点が受ける力Fはx、y方向に沿って2つの力に分解できる。ここで、式(2)はx方向の合力、式(3)はy方向の合力を表す。
【0037】
=Fsin(θ)-Fsin(θ)=0 (2)
【0038】
=2mrωcos(θ)=2mrωcos(ωt) (3)
【0039】
上記の式からも分かるように、2つの重りの回転により生じる遠心力を重ね合わせた後、x方向の分力が相殺され、値が余弦関数で動き、方向が1軸双方向運動の力のみを提供する。
【0040】
以上、本発明により提供される現場用の杭頂部動的水平載荷をシミュレートする装置及び方法を詳細に説明してきた。本明細書は、具体的実施例を使用して本発明の原理及び実施形態を描写し、以上の実施例の説明は本発明の方法及びこの中核の思想への理解を助けるためにのみ使用される。当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく、本発明に対して様々な改良及び潤色を行なうこともでき、かかる改良及び潤色も本発明の特許請求の保護範囲内に含まれることを指摘されたい。開示された実施例の上記の説明は、当業者に本発明を実施又は使用させることができる。これらの実施例に対する多種多様な修正は、当業者にとって自明であり、本明細書で定義される一般原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施例で実施することができる。したがって、本発明は、本明細書に示される実施例に限定されることはなく、本明細書に開示される原理及び新規特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 固結システム
101 スチールスリーブ
102 補強リブ
103 固定用円盤
2 外側支持システム
201 上鋼板
202 下鋼板
203 鋼棒
3 円盤載荷システム
301 円盤
302 重り
4 動力伝達システム
401 第1伝動軸
402 第2伝動軸
403 第3伝動軸
404 第4伝動軸
405 第5伝動軸
406 第6伝動軸
407 第1伝動歯車
408 第2伝動歯車
409 第3伝動歯車
4010 伝動用チェーン
4011 第1変向歯車
4012 第2変向歯車
4013 軸受
5 動力システム
501 インバータモータ
502 周波数変換器
503 フランジ
6 保護システム
7 載荷フィードバック検出システム
701 計量センサー
702 穴付き円盤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】