(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037607
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】LEDのマトリックスを駆動するためのデューティサイクルプロトコル
(51)【国際特許分類】
H05B 45/44 20200101AFI20230308BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20230308BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20230308BHJP
【FI】
H05B45/44
H05B45/20
H05B45/325
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022138952
(22)【出願日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】10 2021 122 916.2
(32)【優先日】2021-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518201739
【氏名又は名称】メソード・エレクトロニクス・マルタ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】METHODE ELECTRONICS MALTA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100087815
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 昭二
(72)【発明者】
【氏名】アシュラフ・エム・エドウィラ
(72)【発明者】
【氏名】ティム・グリーン
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273AA10
3K273BA15
3K273BA24
3K273CA02
3K273CA09
3K273FA04
3K273FA14
3K273FA26
3K273FA41
3K273GA06
3K273GA14
3K273GA28
3K273GA29
3K273PA09
3K273PA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マトリックス状に配置されたLEDを駆動するための方法を提供する。
【解決手段】LEDは、RGB LEDとして設計され、デューティサイクル制御プロトコルによって駆動される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDを駆動するための方法であって、
前記LEDがマトリックス状に配置され、
前記LEDがRGB LEDであり得、
前記LEDがデューティサイクル制御プロトコルによって駆動される、方法。
【請求項2】
流体アニメーションの効果を得るために前記LEDがマトリックス状に配置される、請求項1に記載のLEDを駆動するための方法。
【請求項3】
前記LEDのマトリックスが少なくとも2つのLEDを含む、請求項1に記載のLEDを駆動するための方法。
【請求項4】
前記LEDが、少なくとも、少なくとも2つのLEDからなる1本の帯として、配置される、請求項1に記載のLEDを駆動するための方法。
【請求項5】
前記LEDがプログラマブルICによって駆動される、請求項1に記載のLEDを駆動するための方法。
【請求項6】
前記LEDが複数のICによって駆動される、請求項1に記載のLEDを駆動するための方法。
【請求項7】
前記LEDのドライバがマイクロコントローラによって制御される、請求項1に記載のLEDを駆動するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の特徴による、LEDを駆動するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のLEDの応用例では、複数の集積回路(IC)が使用されている。電子回路が半導体材料の小片上に形成され、ディスクリート部品で作られたより大きな回路と同じ機能を果たす。
【0003】
各ICは、最大24個の個別のLEDを駆動することができる。
【0004】
当技術分野で知られているさらなる応用例は、LEDのマトリックスを制御するために少なくとも2つのドライバを使用する。
【0005】
LEDは、自動車産業から基本的な実用機器まで、複数の機器において一般的に使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の1つの目的は、LEDシステムの回路全体を最適化し、LEDドライバの能力を拡張することである。
【0007】
本発明の別の目的は、LED自体の効率を高めることである。
【0008】
LEDシステムの費用対効果と電力要件の両方も改善する必要がある。
【0009】
さらに、LEDシステムの管理しやすさをより高いレベルに設定する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は、LEDを駆動するための方法によって達成される。LEDはマトリックス状に配置される。
【0011】
LEDはRGB LEDとして設計される。
【0012】
また、LEDはデューティサイクル制御プロトコルによって駆動される。
【0013】
<LED(発光ダイオード)>
以下、発光ダイオードをLEDと呼ぶ。LEDは半導体光源であり、半導体に電流が流れると発光する。
【0014】
半導体内の電子が正孔と再結合し、エネルギーを光子の形で放出する。
【0015】
LED光の色は、光子のエネルギーに対応する。
【0016】
言い換えれば、LEDの光の色は、電子が半導体のバンドギャップを越えるために必要なエネルギーによって決定される。
【0017】
一例として、白色光は、複数の半導体、または、半導体デバイス上の発光蛍光体の層が使用される場合に得られる。
【0018】
最新のLEDは、可視光、紫外線、および/または赤外線の波長にわたって利用でき、高い光出力を実現する。
【0019】
高出力の白色光を生成するLEDは、屋内および/または屋外の照明に使用できる。
【0020】
最新のLEDは、航空照明、電飾、自動ヘッドランプなど、さまざまな用途で使用されている。
【0021】
最新のLEDは、広告目的および/または一般照明にも使用されている。
【0022】
LEDは、信号機またはカメラのフラッシュに活用できる。LEDがさらにさまざまな用途にも使用できることは言うまでもない。
【0023】
<LEDのデューティサイクル制御プロトコル>
LEDのデューティサイクルまたはパワーサイクルは、1周期におけるLEDがアクティブな期間の割合を表す。周期とは、LEDの信号がオンとオフのサイクルを完了するのにかかる時間である。
【0024】
例:60%のデューティサイクルの「オンタイム」は、1秒の何分の1か、および/または1日の何分の1か、および/または1週間の何分の1かであり得る。明らかに、割合は周期の長さ(秒、時間、日、週)に依存する。
【0025】
したがって、LEDのデューティサイクルを使用して、LEDにおけるアクティブな信号の時間の割合を表すことができる。
【0026】
制御プロトコルとは、通信規格のことである。これにより、(つまり、)アプリケーションプログラムおよび/またはコンピューティングデバイスがLEDの制御プロトコル上でメッセージを交換できるようになる。
【0027】
<RGB LED>
RGB LEDという用語は、1つのパッケージに3つのLEDを組み合わせたものを意味する。
【0028】
RGB LEDは、赤色LED1つと緑色LED1つと青色LED1つを組み合わせた光源である。
【0029】
一組のR、G、およびBのLEDを使用することで、ほぼすべての色の光を生成できる。
【0030】
R、G、およびBのLEDを使用して、個々の赤色光、個々の緑色光、または個々の青色光を作ることができる。
【0031】
各LED(赤、緑、青)の強度を設定すると、他のほぼすべての色も生成できる。
【0032】
例:純粋な青色の光色が必要な場合、青色LEDがその最高強度で選択される。さらに、緑色LEDと赤色LEDが、それらの最低強度で追加される。
【0033】
白色を生成するには、R、G、およびBの3つのLEDのすべてをほぼ同じ強度に設定する必要がある。
【0034】
つまり、赤、青、または緑以外の色を作るには、利用可能なR、G、およびBのLED(赤、緑、青)を組み合わせて、それぞれの色(赤、緑、青)を異なる強度で使用する。
【0035】
R、G、およびBの各LEDの強度は、いわゆるパルス幅変調(PWM)信号を使用して調整できることは言うまでもない。PWMは、デジタル信号の一種を表す。PWMは、高度な制御回路を含むさまざまな用途で使用される。PWM信号は、R、G、およびBのLEDの調光を制御するために一般的に使用される。
【0036】
R、G、およびBのLEDが互いに非常に接近しているため、人間の目には、個々のR、G、およびBのLED(赤、緑、青)自体ではなく、R、G、およびBのLEDの組み合わせの結果が見える。
【0037】
<流体アニメーション>
流体アニメーションという用語は、流体のリアルなアニメーションを生成するためのコンピュータグラフィック技術を指す。
【0038】
流体のリアルなアニメーションは、水および/または煙を指す場合がある。
【0039】
通常、流体アニメーションは、流体の質的な視覚的挙動を模倣することに重点を置いている。
【0040】
厳密に正しい物理的結果はあまり重視されない。流体アニメーションは、さまざまなレベルの複雑さで実行できる。
【0041】
複雑さのレベルは、映画(films and/or movies)または視覚効果のための高品質のアニメーションから、コンピュータゲームなどのリアルタイムアニメーションのための単純で高速なアニメーションまでさまざまである。
【0042】
流体アニメーションは数値流体力学にも使用できることは言うまでもない。ここでは、流体アニメーションは主に視覚効果に使用される。
【0043】
数値流体力学は、流体自体の研究を改善するための科学的な目的に使用することができる。
【0044】
<発明の実施形態>
本発明の一実施形態によれば、LEDは、流体アニメーションの効果を得るためにマトリックス状に配置される。
【0045】
本発明の別の実施形態によれば、LEDのマトリックスは、少なくとも2つのLEDを含む。
【0046】
本発明のさらなる実施形態によれば、LEDは、少なくとも2つのLEDからなる帯として配置される。
【0047】
本発明の別の実施形態では、LEDはプログラマブルICによって駆動される。LEDは、複数のICによって駆動することもできる。
【0048】
本発明の別の実施形態によれば、LEDのドライバは、マイクロコントローラによって制御される。
【発明の効果】
【0049】
本発明によれば、少なくとも2つの個々のRGB LEDからなるマトリックスを使用することができる。
【0050】
これにより、RGB LEDの数は、64個のRGB LEDを含むマトリックスまで増やすことができる。
【0051】
これらのRGB LEDを制御および/または操作するには、少なくとも1つのプログラマブルICで十分である。
【0052】
また、これらのRGB LEDのドライバの制御にマイクロコントローラを適用することもできる。
【0053】
RGB LEDのマトリックスは、流体アニメーションの効果を提供する。デューティサイクル制御プロトコルを使用してRGB LEDを制御すると、LEDシステムの従来の利点が維持される。
【0054】
デューティサイクル制御プロトコルは、少なくとも2つのRGB LEDを個別に管理および/または制御する。
【0055】
また、トランシーバーを使用してマスターモジュールと通信することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本発明を、概略回路図を用いてより詳細に説明する。
【
図3】2つ以上のLEDパッケージを含む概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1では、LED1が、8つのLED1のマトリックス2で示されている。
【0058】
LED1は互いに並列3に配置されている。
【0059】
コントローラ4はバッテリ5と通信する。コントローラ4は参照符号6で接地されている。
【0060】
ローカル相互接続ネットワーク(LIN)は、参照符号7で示される。
【0061】
各LED1は、いわゆるMOSFETスイッチ8にそれぞれ接続されている。MOSFETスイッチ8は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタである。他のスイッチも使用できることは言うまでもない。
【0062】
各MOSFETスイッチ8は、バッテリ5から電気エネルギーを引き出す。
【0063】
さらに、各MOSFETスイッチ8はコントローラ4に接続されている。
【0064】
図1では、ローカル相互接続ネットワーク(LIN)7がコントローラ4に接続されている。
【0065】
図2では、3つのLED1が、LED1の2つの組9および10のパッケージにおいて直列11に配置されている。組9は1つのLED1を含んでおり、組10は2つのLED1を示している。
【0066】
図2は、コントローラ4がバッテリ5と通信することを示している。また、コントローラ4は参照符号6で接地されている。
【0067】
ローカル相互接続ネットワーク(LIN)は、参照符号7で示されている。
【0068】
図2では、LED1はMOSFETスイッチ8に接続されている。しかしながら、上記LEDの組9(単一のLED1を含む)では、単一のLED1がMOSFETスイッチ8に個別に接続されている。
【0069】
上記LEDの組10(一対の2つのLED1を含む)において、2つのLED1は、一対として1つのMOSFETスイッチ8に接続されている。
【0070】
図3は、LED1の2~n個のパッケージ13、14が並列3に配置されている図を示す。
【0071】
例として、
図3は2つのパッケージ13および14を示し、各パッケージ13、14はそれぞれ個別のLED1を含む。
【0072】
例として、各パッケージ13、14は、192個のLED1を含むことができる。パッケージ13、14ごとに別の数のLED1を配置することもできることは言うまでもない。
【0073】
図3の例では、LED1のパッケージ13および14は、並列3に配置されている。各パッケージ13、14は、それぞれ、8つのLED1からなる縦の列16を8列備えている。
【0074】
LED1の各パッケージ13、14は、それぞれ、8つのLED1からなる横の列15を8列備えている。
【0075】
多目的コネクタ12は、バッテリ5からMOSFETスイッチ8に電気エネルギーを供給する。
【0076】
MOSFETスイッチ8は、バッテリ5から電気エネルギーを引き出し、いわゆる降圧レギュレータ17が、MOSFETスイッチ8と多目的コネクタ12との間に配置されている。
【0077】
降圧レギュレータ17は、DC(直流)からDCへの電力変換器であることが好ましい。降圧レギュレータ17は、その入力(給電)からその出力(負荷)まで電圧値を降下させる。降圧レギュレータ17は、LED1のパッケージ13とLED1のパッケージ14との両方に使用される。
【0078】
図3では、パッケージ14をパッケージnともいう。これにより、パッケージ13とパッケージ14(パッケージn)との間に、任意の数の追加のパッケージ13、14、…nを実装することができる。
【0079】
多目的コネクタ12は、参照符号6で接地される。
【0080】
図3では、コントローラ相互接続ネットワーク(LIN)18が多目的コネクタ12を2つのマイクロコントローラ19に接続し、1つのマイクロコントローラ19がLED1のパッケージ13、14、…nごとに配置される。
【0081】
各マイクロコントローラ19は、汎用入出力(GPIO)20を介して、それぞれのマイクロコントローラ19がリンク21によって割り当てられるパッケージ13、14のMOSFET8に接続される。
【0082】
図3の例では、いくつかのリンク21が、マイクロコントローラ19をLED1のそれぞれのパッケージ13、14、…、nにリンクする。
【符号の説明】
【0083】
1 LED
2 マトリックス
3 並列
4 コントローラ
5 バッテリ
6 接地
7 LIN
8 MOSFET
9 LEDの組
10 LEDの組
11 直列
12 多目的コネクタ
13 LEDのパッケージ
14 LEDのパッケージ
15 LEDの横の列
16 LEDの縦の列
17 降圧レギュレータ
18 LIN
19 マイクロコントローラ
20 汎用入出力
21 リンク
【外国語明細書】