(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037610
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】改良された剪断バンドを備えた非空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 7/00 20060101AFI20230308BHJP
B60C 9/00 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
B60C7/00 H
B60C9/00 G
B60C9/00 C
B60C9/00 B
B60C9/00 D
B60C9/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022139363
(22)【出願日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/260815
(32)【優先日】2021-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/821892
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513158760
【氏名又は名称】ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジェイムス ミラー
(72)【発明者】
【氏名】アン エリザベス マイヤーズ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】改善された剪断バンドを備える、乗物のハンドリングおよび転がり抵抗が改善された非空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】非空気入りタイヤが、環状の外側トレッド200の径方向内側に位置する第1の膜層320、330と、第1の膜層の径方向外側に位置する第2の膜層とを有する剪断バンドを含み、第1および第2の膜層はタイヤ赤道面に対して10度以下の角度に配置された複数の平行な補強コードから形成され、前記環状の外側トレッドは、第2の膜層の径方向外側に位置する第1の角度付きベルトと、第1の角度付きベルトの径方向外側に位置する第2の角度付きベルトとをさらに含み、第1および第2の角度付きベルトはそれぞれ、タイヤ赤道面に対して15~30度の範囲内のベルト角度を有する平行な補強コードを有し、第2の角度付きベルトの角度は第1の角度付きベルトのベルト角度と同じ角度で反対向きである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の外側トレッドバンドと、前記トレッドバンドをハブに接続する複数の接続構造と、を含む非空気入りタイヤであって、前記環状の外側トレッドバンドは、環状の外側トレッドの径方向内側に位置する第1の補強層と、前記第1の補強層の径方向外側に位置する第2の補強層とから形成された剪断バンドをさらに含み、前記第1および第2の補強層は複数の平行な補強コードから形成され、前記第1および第2の補強層は第1の剪断層によって離されており、前記第1の剪断層は補強材によって補強されている、非空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記第1および第2の補強層の補強コードが、タイヤ赤道面に対して5度以下の角度をなすように配置されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記剪断層は、厚さが1~10mmの範囲内のゴムの層を有していない、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記剪断層は、厚さが1~5mmの範囲内のゴムの層を有していない、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記第1の剪断層は、ナイロンの布で補強されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記第1の剪断層は、ポリエステルの布で補強されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項7】
前記第1の剪断層は、ナイロンのモノフィラメントで補強されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項8】
前記第1の剪断層は、ナイロンとアラミドとの混成コードの1つ以上の層で補強されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項9】
前記第1の剪断層はゴムの層を有している、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項10】
前記環状の外側トレッドバンドが、前記第2の補強層の径方向外側に位置する第1の角度付きベルトと、前記第1の角度付きベルトの径方向外側に位置する第2の角度付きベルトと、をさらに含み、前記第1および第2の角度付きベルトはそれぞれ、タイヤ赤道面に対して15~30度の範囲内のベルト角度を有する平行な補強コードを有し、前記第2の角度付きベルトの角度が、前記第1の角度付きベルトの前記ベルト角度と同じ角度で反対向きである、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項11】
前記第1及び第2の補強層は、タイヤ赤道面に対して0度の角度に配置された前記補強コードから形成されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項12】
タイヤ赤道面に対して0度の角度に配置された前記補強コードで形成された第3の補強層をさらに含む、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項13】
前記第2の補強層の径方向外側に位置する第2の補強された剪断層をさらに含む、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項14】
前記平行な補強コードがスチールからなる、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項15】
前記剪断層は、ポリエステルまたはナイロンの布の複数の層から形成されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項16】
前記剪断層は、少なくとも2層のナイロンのモノフィラメントから形成されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項17】
前記剪断層はナイロンで補強されている、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【請求項18】
前記剪断バンドは、15000N~35000Nの範囲内の全体的な剪断剛性を有する、請求項1に記載の非空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に乗物用タイヤおよび非空気入りタイヤに関し、特に剪断バンドおよび非空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤは1世紀以上にわたり、乗物の移動性のために選択される解決策であった。空気入りタイヤは、引張り構造である。空気入りタイヤは、今日、空気入りタイヤを有力なものにしている少なくとも4つの特徴を有する。空気入りタイヤは、タイヤ構造の全てが荷重の支持に関与するので、荷重を支持するのに有効である。空気入りタイヤはまた、接触圧力が低く、乗物の荷重の分布によって道路における摩耗がより小さいため望ましい。空気入りタイヤはまた、低い剛性を有し、これは、乗物における快適な乗り心地を保証する。空気入りタイヤの主な欠点は、圧縮されたガスを必要とすることである。従来の空気入りタイヤは、膨張圧力が完全に失われた後には使用不能状態になる。
【0003】
膨張圧力なしで動作するように構成されたタイヤは、空気入りタイヤに関連する問題および妥協点の多くを解消することができる。圧力の維持や圧力の監視は必要ない。固体タイヤまたはその他のエラストマー構造などの構造的に支持されたタイヤは、これまで、従来の空気入りタイヤに要求されるレベルの性能を提供していない。空気入りタイヤのような性能をもたらす構造的に支持されたタイヤという解決策が、望ましい改善点であるだろう。
【0004】
非空気入りタイヤは、一般的にはそれらの荷重支持効率によって規定される。「ボトムローダ」は基本的に、ハブの下の構造部分において荷重の大部分を支持する剛性構造である。「トップローダ」は、構造の全てが荷重の支持に関与するように構成されている。したがって、トップローダは、ボトムローダよりも高い荷重支持効率を有し、より小さい質量を有する構成にすることを可能にする。
【0005】
剪断バンドの目的は、地面との接触からの荷重を、スポークまたは接続ウェブの張力を用いてハブに伝達し、トップローダ構造を作ることである。剪断バンドが変形するとき、その変形の好ましい形態は、曲げを超える剪断である。剪断バンドの外側部分に位置する非伸張性膜により、変形の剪断モードが生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許7650919号明細書
【特許文献2】米国特許10105989号明細書
【特許文献3】国際公開2019/051502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の非空気式タイヤは、一般的には非伸張性のベルトまたは膜の少なくとも2つの層の間に挟まれたゴム材料から作られた剪断バンドを有する。このタイプの構造の欠点は、ゴムが、正しいフットプリント形状を実現するのに十分な剪断剛性を有し得ず、乗物の乗り心地およびハンドリングに悪影響を及ぼすことがあることである。さらに、ゴムの量が多いため、転がり抵抗も悪くなる場合がある。したがって、乗物のハンドリングおよび転がり抵抗が改善された、非空気入りタイヤ用の改善された剪断バンドが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の非空気入りタイヤは、環状の外側トレッドバンドと、前記トレッドバンドをハブに接続する複数の接続構造と、を含み、前記環状の外側トレッドバンドは、環状の外側トレッドの径方向内側に位置する第1の補強層と、前記第1の補強層の径方向外側に位置する第2の補強層とから形成された剪断バンドをさらに含み、前記第1および第2の補強層は複数の平行な補強コードから形成され、前記第1および第2の補強層は第1の剪断層によって離されており、前記第1の剪断層は補強材によって補強されている。
【0009】
以下の用語は、この説明のために以下のように定義される。
「赤道面」は、タイヤの中心線を通る、タイヤの回転軸に垂直な平面を意味する。
「非伸張性」は、該当する層が約25Ksiより大きい伸び剛性を有することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の非空気入りタイヤの第1の実施形態の斜視図である。
【
図2A】本発明の剪断バンドの第1の実施形態の断面図である。
【
図3】補強層を示す
図2A,2Bの剪断バンドの断面図である。
【
図4】本発明の剪断バンドの第2の実施形態の断面図である。
【
図5】本発明の剪断バンドの第3の実施形態の断面図である。
【
図6】本発明の剪断バンドの第4の実施形態の断面図である。
【
図7A】ナイロンとアラミドのフィラメントで形成されたハイブリッドまたは混成の補強コードの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、以下の説明および添付の図面を参照することで、よりよく理解されるであろう。
本発明の非空気入りタイヤ100の第1の実施形態が
図1に示されている。本発明のタイヤは、半径方向外側の地面係合トレッド200と、剪断バンド300と、接続ウェブ500と、を含む。タイヤトレッド200は、様々な条件におけるタイヤの性能を改善するために、要望に応じて、リブ、ブロック、ラグ、溝210、およびサイプなどの要素を含んでいてよい。接続ウェブ500はハブ512に取り付けられ、以下により詳細に説明するように、様々な構造を有していてよい。本発明の非空気入りタイヤは、剪断バンド300および接続ウェブ500が効率的に荷重を支持するように、トップローダ構造になるように構成されている。接続ウェブは、タイヤフットプリントにおいて座屈または変形し、圧縮または圧縮荷重の支持を行わない引張状態にあるときに、剛性を有する構造になるように構成されている。これは、フットプリント領域にない接続ウェブの残りの部分が荷重を支持することを可能にし、その結果、非常に荷重効率の良い構造になる。剪断バンドが曲がって道路の障害を乗り越えることを可能にすることが望ましい。おおよその荷重分布は、好ましくは、荷重の約90~100%が剪断バンドおよび接続ウェブの上方の部分によって支持され、その結果、接続ウェブの下方の部分が実質的に荷重ゼロ、好ましくは荷重の10%未満を支持するものである。
【0012】
剪断バンド
剪断バンド300は、好ましくは、タイヤトレッド200の半径方向内側に位置し、地面と接触しているタイヤの底部からスポークおよびハブに荷重を伝達するように機能し、トップローダ構造を作り出す環状構造である。環状構造300は、変形の好ましい形態が曲げを超える剪断であるので、剪断バンドと呼ばれる。
【0013】
剪断バンド300の第1の実施形態が、
図2A,2Bおよび
図3に示されている。剪断バンドは、第1の補強層群を含み、任意に第2および第3の補強層群を含んでいてよく、各々の補強層群は、1つ以上の個別の補強層を有していてよい。
図2Bには、第1の層群が、320および330として示されている。任意の第2の補強層群は、単一層群360として示されている。第3の層群は、380,390として示されている。各補強層は、密集した複数の平行な補強コードから形成されている。平行な補強コードは、補強コードがエラストマーコーティング内に埋め込まれるように、カレンダー加工された布の形態であってよい。好ましくは、各補強層320,330,360,380,390は、単一の端部コードを螺旋状に巻くことで形成されている。好ましくは、単一の端部コードが複数のフィラメントを有する。
【0014】
第1の補強層群320,330は、好ましくは、剪断バンド300の径方向最内部の補強層であり、任意の第2の補強層群360は、第1の補強層群320,330の径方向外側に位置している。第3の補強層群380,390は、第2の補強層群360の径方向外側に位置している。各層320,330,360,380,390の非伸張性の補強コードは、好ましくは、タイヤ赤道面に対して5度以下の範囲内の角度を付けて配置される。補強コードは、スチール、アラミド、および/またはその他の高弾性繊維製品のモノフィラメントまたはコードなどの適切なタイヤベルト補強材であってよい。例えば、補強コードは4本のワイヤのスチールコードであってよく、そのワイヤは0.1~0.3mmの範囲内の直径を有していてよい。他の実施形態では、補強コードが、5本のワイヤが中心ワイヤを取り囲む(5+1)構造の6本のワイヤのスチールコードであってよい。
【0015】
第3の補強層380,390は、第1の剪断層350によって、第1または第2の補強層群320,330から離されている。任意の第2の補強層が存在する場合、剪断バンド300は、第2の補強層群360の半径方向外側に位置する第2の剪断層370をさらに含む。第1および第2の剪断層350,370は、ナイロンまたはポリエステル、PETの布などの補強布の1つまたは複数の層から形成されている。ナイロンまたはポリエステルの布は、ナイロンまたはポリエステルからなる複数の平行な補強コードを有する。あるいは、第1および第2の剪断層が、1つ以上の補強層を形成するために螺旋状に巻かれたナイロンのモノフィラメントから形成されてもよい。補強層は、剪断剛性を大きくするように機能する。剪断層350,370はまた、ナイロン、アラミドまたはポリエステルの1つ以上の補強コードのゴム引きされたストリップから形成されてもよい。各剪断層は、所望の剪断剛性を達成するために、1つ以上の補強層を有する。
図3に示すように、各剪断層350,370は、最小限のゴムを有する。
図4は別の剪断バンド301を示しており、剪断層は、前述したように、ゴムの層340と補強コードの層340を有する。
【0016】
図5は、剪断バンド400の第3の実施形態を示している。剪断バンド400は、半径方向内側の第1の補強層群410,420を有しているが、任意の第2の補強層群を省略している。剪断バンド400は、半径方向外側の第3の補強層430,440をさらに含む。第3の補強層430は、剪断層450によって第1の補強層群410,420から離されている。補強層は、好ましくは、補強コードが周方向に整列するように(すなわち、5度以下の角度を有するように)螺旋状に巻かれた単一の端部コードであってもよいスチールの補強材である。補強層は、スチールまたはナイロンまたはポリエステルの平行な補強コードを有する布であってもよい。補強層は、高弾性の補強コードを用いて高い曲げ剛性を生じさせるものである。剪断層450は、複数の補強材、好ましくはナイロンから形成される。補強材は、ポリエステルの布またはナイロンの布などの、平行に整列した補強コードを有する布の形態であってよい。補強層はまた、螺旋状に巻かれたモノフィラメントのナイロンなどの単一の端部コードから形成されてもよい。第1、第2、第3および第4の補強層はまた、1つまたは複数の補強コードで形成されたテープから構成されてもよく、テープは、補強コードの層を形成するように螺旋状に巻かれている。
【0017】
図6は、剪断バンド600の第4の実施形態を示している。剪断バンド600は、以下の相違点を除いて、前述した剪断バンド400と同じである。剪断バンド600は、複数の補強コードから形成された剪断層610を有し、各補強コードは
図7a,7bに示されるように、混成コードまたはハイブリッドコード620である。混成コード620は3つのフィラメントから形成され、フィラメントはナイロン630とアラミド640とを一緒に撚り合わせたものであってもよい。剪断バンド600は、混成コードの1つ以上の層を有する。
【0018】
剪断弾性率は、純粋な剪断変形試験を用いて、応力および歪みを記録し、結果として得られる応力-歪み曲線の勾配を決定することで規定される。
【0019】
剪断バンド300,400,600は、任意に、第1の角度付きベルト380および第2の角度付きベルト390を含んでいてよい。第1の角度付きベルト380は、第2の剪断層370の半径方向外側に位置し、第2の角度付きベルト390は、第1の角度付きベルト380の半径方向外側に位置する。第1および第2の角度付きベルト380,390は、好ましくは、半径方向最外部の補強層である。第1および第2の角度付きベルト380,390はそれぞれ、エラストマーコーティング内に埋め込まれた平行な補強コードを有する。平行な補強コードは、好ましくは、タイヤ赤道面に対して15~30度の範囲内の角度を有する。好ましくは、平行な補強コードの角度は20~25度の範囲内である。好ましくは、第1の角度付きベルトの補強コードの角度が、第2の角度付きベルトの補強コードの角度とは反対向きである。さらに、補強コードは非伸張性であることが好ましい。
【0020】
剪断バンドの特性
剪断バンドは、全体的な剪断剛性GAまたは剛性を有する。剪断剛性GAは、剪断バンドから取られた代表の試験片の撓みを測定することによって求めることができる。試験片の上面は、横方向剪断力Fを受ける。試験片は、剪断バンドから取られて、剪断バンドと同じ径方向厚さを有する代表の試料である。それから、剪断剛性GAは以下の式から計算される。
GA=F*L/ΔX
Fは剪断荷重であり、Lは剪断層の厚さであり、デルタXは剪断たわみである。好ましくは、GAはおよそ15,000Nから35,000Nの範囲内、より好ましくは約25,000Nである。
【0021】
剪断バンドは、全体的な曲げ剛性EIを有する。曲げ剛性EIは、3点曲げ試験を用いて梁の力学から求めることができる。これは、2つのローラ支持体上に置かれ、梁の中央に加えられる集中荷重を受ける梁の場合を表す。曲げ剛性EIは、以下の式から求められる。
EI=PL3/48*ΔX
Pは荷重であり、Lは梁の長さであり、ΔXは撓みである。EIは、220 E6 N-mm2にほぼ等しいことが好ましい。
【0022】
剪断バンドの曲げ剛性EIを最大にし、剪断バンドの剛性GAを最小にすることが望ましい。許容可能なGA/EIの比は0.01~20であり、理想的な範囲は0.01~5.0である。EAは剪断バンドの伸び剛性であり、引張力を加えて長さの変化を測定することによって実験的に求められる。剪断バンドのEAのEIに対する比は、1000~3000の範囲が許容され、より好ましくは1500~3000の範囲である。
【0023】
接続ウェブ
本発明の非空気入りタイヤは、
図1に示すように、接続ウェブ500をさらに含む。接続ウェブは、好ましくは、内径から外径まで延びる周方向に整列した複数のスポーク510を含む。スポークは、好ましくは、径方向に向けられている。スポークは、湾曲していても直線状であってもよい。好ましくは、非空気入りタイヤは、周方向に整列した2組のスポークを含む。スポークは様々な断面構造を有していてよい。スポークは、剪断層から伝達された荷重を支持するように機能する。スポークは、主に張力および剪断の荷重を受け、圧縮の荷重を支持しない。本明細書に記載するように、各スポークは、好ましくは、非空気入りタイヤの軸方向厚さAWよりも実質的に小さい軸方向厚さAを有する。軸方向厚さAは、AWの5~20%の範囲内、より好ましくはAWの5~10%の範囲内である。
【0024】
スポークは、好ましくは、ゴムまたは熱可塑性エラストマーなどの弾性材料から形成される。スポークは、径方向の変形に対する抵抗が低く、タイヤの横方向の変形に対する抵抗が高くなるように構成される。
【0025】
本明細書に提示される説明を考慮して、本発明の変形例が実施可能である。本発明を例示するために特定の代表的な実施形態および詳細を示したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行い得ることが、当業者には明らかであるだろう。したがって、以下に添付される特許請求の範囲によって定義される本発明の完全に意図される範囲内で、記載された特定の実施形態に変更がなされ得ることが理解されるであろう。
【外国語明細書】