(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023037630
(43)【公開日】2023-03-15
(54)【発明の名称】減圧弁
(51)【国際特許分類】
F16K 17/30 20060101AFI20230308BHJP
G05D 16/00 20060101ALI20230308BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
F16K17/30 B
G05D16/00 Z
F16L55/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022194376
(22)【出願日】2022-12-05
(62)【分割の表示】P 2021106598の分割
【原出願日】2021-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】391001169
【氏名又は名称】櫻護謨株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲村 公孝
(57)【要約】
【課題】 配管内の流量に応じた減圧効果を発揮する減圧弁を提供する。
【解決手段】 減圧弁は、第1管体と、第1管体に設けられた開口を介して第1管体と接続された第2管体とを有する本体と、第1管体を流れる流体の動圧が作用する受圧面を有し、第1管体の内部に設けられた弁体と、を備える。第1管体の第1軸は、第2管体の第2軸と交差し、弁体は、第1軸に沿う方向において、受圧面側の第1部分と、第1部分と反対側の第2部分とに第1管体を隔てる。第1管体は、弁体と対向する内周面に第1部分と第2部分とを接続する溝を有し、動圧が受圧面に作用していない状態において、開口は、弁体により塞がれていない部分と、弁体により塞がれている部分と、を有し、弁体は、受圧面に動圧が作用することで第1軸に沿って移動し、受圧面に動圧が作用し弁体が移動することで、開口のうち弁体により塞がれていない部分が拡大する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1管体と、前記第1管体に設けられた開口を介して前記第1管体と接続された第2管体とを有する本体と、
前記第1管体を流れる流体の動圧が作用する受圧面を有し、前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備え、
前記第1管体の第1軸は、前記第2管体の第2軸と交差し、
前記弁体は、前記第1軸に沿う方向において、前記受圧面側の第1部分と、前記第1部分と反対側の第2部分とに前記第1管体を隔て、
前記第1管体は、前記弁体と対向する内周面に前記第1部分と前記第2部分とを接続する溝を有し、
前記動圧が前記受圧面に作用していない状態において、前記開口は、前記弁体により塞がれていない部分と、前記弁体により塞がれている部分と、を有し、
前記弁体は、前記受圧面に前記動圧が作用することで前記第1軸に沿って移動し、
前記受圧面に前記動圧が作用し前記弁体が移動することで、前記開口のうち前記弁体により塞がれていない部分が拡大する、
減圧弁。
【請求項2】
前記溝は、前記第1部分に位置する第1側壁と、前記第2部分に位置する第2側壁とを有し、
前記第1管体に流体が流れていない状態で前記第1側壁は、前記第1軸に沿う方向において、前記受圧面から離れている、
請求項1に記載の減圧弁。
【請求項3】
前記溝は、前記開口と対向する、
請求項1または2に記載の減圧弁。
【請求項4】
前記第1管体の内径は、前記第2管体の内径と異なる、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の減圧弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減圧弁に関する。
【背景技術】
【0002】
流量が減少すると減圧効果が高くなり、流量が増加すると減圧効果が低くなる減圧弁が必要となる場合がある。例えば、高所に設置したタンクから低所にある建物内に向けて配管内を流体が流れる際には、配管内の摩擦や途中に設置されたバルブ等により圧力損失が発生する。例えば、流量が多い場合を基準に供給元(ポンプ車等)の圧力を設定し流量を変化させながら流体を送液すると、流量が多い場合には流体の圧力に問題はないが、流量が低下した場合には送液時の圧力損失が小さくなるため流体の圧力が配管の許容圧力を超えてしまうという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、配管内を流れる流体の流量に応じて配管内で流体の圧力を調整すること等が要望されている。本発明の目的の一つは、配管内の流量に応じた減圧効果を発揮する減圧弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る減圧弁は、第1管体と、前記第1管体に設けられた少なくとも1つの開口を介して前記第1管体と接続された少なくとも1つの第2管体とを有する本体と、前記第1管体を流れる流体の動圧が作用する受圧面を有し、前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備える。
【0006】
前記第1管体の第1軸は、前記第2管体の第2軸と交差し、前記弁体は、前記受圧面に前記動圧が作用することで前記第1軸に沿って移動し、前記受圧面に前記動圧が作用し前記弁体が移動することで、前記開口のうち前記弁体により塞がれていない部分が拡大し、前記開口の合計面積は、前記第1管体の流路面積より大きい。前記本体は、2つの前記開口と、2つの前記開口を介して前記第1管体にそれぞれ接続された2つの前記第2管体と、を有してもよい。
【0007】
本発明の一態様に係る減圧弁は、第1管体と、前記第1管体に設けられた第1開口を介して前記第1管体と接続された第2管体とを有する本体と、前記第1管体を流れる流体の動圧が作用する受圧面と、導圧管と、を有し、前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備える。
【0008】
前記第1管体の第1軸は、前記第2管体の第2軸と交差し、前記弁体は、前記受圧面に前記動圧が作用することで前記第1軸に沿って移動し、前記受圧面に前記動圧が作用し前記弁体が移動することで、前記第1開口のうち前記弁体により塞がれていない部分が拡大する。
【0009】
前記弁体は、前記第1軸に沿う方向において、前記受圧面側の第1部分と、前記第1部分と反対側の第2部分とに前記第1管体を隔て、前記導圧管は、前記第1部分と前記第2部分とを接続するとともに、前記受圧面から離れた位置に前記第1部分を流れる流体が流入する第2開口を有する。
【0010】
前記導圧管は、前記弁体に回動自在に設けられ、前記受圧面から突出する突出部を有してもよい。前記第2開口は、前記突出部に含まれてもよい。前記導圧管は、前記第2開口との間に隙間を置いて設けられたカバーをさらに有してもよい。前記受圧面に前記動圧が作用し前記第1開口のうち前記弁体により塞がれていない部分が最も拡大した状態において、前記第2開口は、前記第1軸に沿う方向において、前記第1管体の入口と前記第1開口との間に位置してもよい。
【0011】
本発明の一態様に係る減圧弁は、第1管体と、前記第1管体に設けられた開口を介して前記第1管体と接続された第2管体とを有する本体と、前記第1管体を流れる流体の動圧が作用する受圧面と、接続路と、を有し、前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備える。
【0012】
前記第1管体の第1軸は、前記第2管体の第2軸と交差し、前記弁体は、前記受圧面に前記動圧が作用することで前記第1軸に沿って移動し、前記受圧面に前記動圧が作用し前記弁体が移動することで、前記開口のうち前記弁体により塞がれていない部分が拡大する。
【0013】
前記弁体は、前記第1軸に沿う方向において、前記受圧面側の第1部分と、前記第1部分と反対側の第2部分とに前記第1管体を隔て、前記接続路は、前記第1部分と前記第2部分とを接続するとともに、前記受圧面側に設けられた接続口と、前記接続口に連通され前記接続口より内径が大きい拡径部とを、有する。
【0014】
本発明の一態様に係る減圧弁は、第1管体と、前記第1管体に設けられた開口を介して前記第1管体と接続された第2管体とを有する本体と、前記第1管体を流れる流体の動圧が作用する受圧面と、スカート部と、を有し、前記第1管体の内部に設けられた弁体と、
前記弁体と接し、前記動圧が作用する方向と反対方向から前記弁体を付勢する付勢部材と、を備える。
【0015】
前記第1管体の第1軸は、前記第2管体の第2軸と交差し、前記弁体は、前記受圧面に前記動圧が作用することで前記第1軸に沿って移動し、前記受圧面に前記動圧が作用し前記弁体が移動することで、前記開口のうち前記弁体により塞がれていない部分が拡大する。前記スカート部は、前記付勢部材が前記弁体と接する付勢面よりも突出するとともに、前記付勢部材を囲っている。
【0016】
本発明の一態様に係る減圧弁は、第1管体と、前記第1管体に設けられた開口を介して前記第1管体と接続された第2管体とを有する本体と、前記第1管体を流れる流体の動圧が作用する受圧面と、前記受圧面と接続された外周面に位置するストッパと、を有し、前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備える。
【0017】
前記第1管体の第1軸は、前記第2管体の第2軸と交差し、前記弁体は、前記受圧面に前記動圧が作用することで前記第1軸に沿って移動し、前記受圧面に前記動圧が作用し前記弁体が移動することで、前記開口のうち前記弁体により塞がれていない部分が拡大する。前記第1管体は、前記ストッパを係止する係止面を有し、前記ストッパが前記係止面に係止されることで、前記弁体の前記第1軸に沿う移動が規制される。前記第1軸に沿う方向において、前記係止面と前記ストッパとの間に設けられたスペーサをさらに備えてもよい。
【0018】
本発明の一態様に係る減圧弁は、第1管体と、前記第1管体に設けられた開口を介して前記第1管体と接続された第2管体とを有する本体と、前記第1管体を流れる流体の動圧が作用する受圧面と、接続路と、前記受圧面との間に隙間を置いて設けられた遮蔽部材と、を有し、前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備える。
【0019】
前記第1管体の第1軸は、前記第2管体の第2軸と交差し、前記弁体は、前記受圧面に前記動圧が作用することで前記第1軸に沿って移動し、前記受圧面に前記動圧が作用し前記弁体が移動することで、前記開口のうち前記弁体により塞がれていない部分が拡大する。
【0020】
前記弁体は、前記第1軸に沿う方向において、前記受圧面側の第1部分と、前記第1部分と反対側の第2部分とに前記第1管体を隔て、前記接続路は、前記第1部分と前記第2部分とを接続し、前記遮蔽部材は、前記第1軸に沿う方向において、前記接続路と重なる。
【0021】
本発明の一態様に係る減圧弁は、第1管体と、前記第1管体に設けられた開口を介して前記第1管体と接続された第2管体とを有する本体と、前記第1管体を流れる流体の動圧が作用する受圧面を有し、前記第1管体の内部に設けられた弁体と、を備える。
【0022】
前記第1管体の第1軸は、前記第2管体の第2軸と交差し、前記弁体は、前記第1軸に沿う方向において、前記受圧面側の第1部分と、前記第1部分と反対側の第2部分とに前記第1管体を隔てる。
【0023】
前記第1管体は、前記弁体と対向する内周面に前記第1部分と前記第2部分とを接続する溝を有し、前記動圧が前記受圧面に作用していない状態において、前記開口は、前記弁体により塞がれていない部分と、前記弁体により塞がれている部分と、を有し、前記弁体は、前記受圧面に前記動圧が作用することで前記第1軸に沿って移動し、前記受圧面に前記動圧が作用し前記弁体が移動することで、前記開口のうち前記弁体により塞がれていない部分が拡大する。
【0024】
前記溝は、前記第1部分に位置する第1側壁と、前記第2部分に位置する第2側壁とを有し、前記第1管体に流体が流れていない状態で前記第1側壁は、前記第1軸に沿う方向において、前記受圧面から離れてもよい。前記溝は、前記開口と対向してもよい。前記第1管体の内径は、前記第2管体の内径と異なってもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、配管内の流量に応じた減圧効果を発揮する減圧弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る減圧弁の設置状況の一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る減圧弁の概略的な部分断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す減圧弁のIII-III線に沿う概略的な断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る減圧弁における弁体の位置を示す模式図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態に係る減圧弁の概略的な部分断面図である。
【
図6】
図6は、第3実施形態に係る減圧弁の概略的な部分断面図である。
【
図8】
図8は、スペーサを備える減圧弁を示す概略的な部分断面図である。
【
図9】
図9は、第4実施形態に係る減圧弁の概略的な部分断面図である。
【
図11】
図11は、第5実施形態に係る減圧弁の概略的な部分断面図である。
【
図12】
図12は、第5実施形態に係る減圧弁の概略的な部分断面図である。
【
図13】
図13は、第6実施形態に係る減圧弁の概略的な部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明のいくつかの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
各実施形態においては、減圧弁の一例として真水や海水等の液体が流れる流路に設けられる減圧弁を開示する。各実施形態に係る減圧弁と同様の構造は、ガス等の気体や液体と気体が混ざりあった混相流が流れる流路にも適用できる。減圧弁は、例えばホース同士を接続するための媒介金具である。
【0028】
減圧弁は、他種のホース敷設ライン等に用いられる媒介金具としても適用できる。減圧弁は、例えば海水利用型消防水利システム、自動調圧装置付き消防ポンプ車、石油備蓄基地大容量泡消火システム、原子力施設における代替注水ライン、IOT/AI等による自動送水制御ライン、およびその他流体移送自動制御ライン等に利用できる。
【0029】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る減圧弁100の設置状況の一例を示す模式図である。
図1に示すように減圧弁100は、第1管体10と2つの第2管体21,22とを有する本体1と、第1管体10に設けられた接続具10Aと、第2管体21に設けられた接続具21Aと、第2管体22に設けられた接続具22Aと、を備えている。減圧弁100は、第1管体10の内部に設けられた後述の弁体30と、第1管体10に設けられた調整部材40と、第1管体10に設けられた排出口50と、をさらに備えている。
【0030】
図1に示す例において減圧弁100は地面等の設置面に設置され、可撓性を有するホースH10,H21,H22と接続されている。ホースH10の端部には、接続具10Bが設けられている。ホースH10は、接続具10Bにより第1管体10の接続具10Aと接続されている。
【0031】
ホースH21の端部には、接続具21Bが設けられている。ホースH21は、接続具21Bにより第2管体21の接続具21Aと接続されている。ホースH22の端部には、接続具22Bが設けられている。ホースH22は、接続具22Bにより第2管体22の接続具22Aと接続されている。接続具10B,21B,22Bは例えば接続具10A,21A,22Aと雌雄の区別のない同一の構造を有しており、接続具10A,21A,22Aに対して着脱自在に接続されている。
【0032】
図1に示す矢印は、流体の流れ方向を示している。一次側(入口側)配管であるホースH10から供給される流体は、減圧弁100内を第1管体10から第2管体21または第2管体22を通過し、二次側(出口側)配管であるホースH21,H22へ流れる。
【0033】
図2は、第1実施形態に係る減圧弁100の概略的な部分断面図である。
図3は、
図2に示す減圧弁100のIII-III線に沿う概略的な断面図である。
図2は、減圧弁100を設置面側(下方)から見ている。
図2および
図3は、一例として減圧弁100に流体が供給される前である。
【0034】
図1を用いて説明した通り減圧弁100は、第1管体10と第2管体21,22とを有する本体1、接続具10A,21A,22A、弁体30、調整部材40、および排出口50を備えている。
図2に示すように減圧弁100は、弁体30が有する導圧管60と、弁体30と調整部材40の間に位置する付勢部材70とをさらに備えている。
【0035】
図2に示す例において第1管体10は第1軸AX1を中心とした円筒形状であり、第2管体21,22の各々は第2軸AX21,AX22を中心とした円筒形状である。第2管体21,22は、第1管体10の外周面11に設けられた2つの開口13,14(第1開口)を介して第1管体10とそれぞれ接続されている。本体1は、第1管体10と第2管体21,22が一体で形成されてもよいし、別部材からなる集合体として形成されてもよい。
【0036】
第1管体10の第1軸AX1は、第2管体21,22の第2軸AX21,AX22と交差している。
図2に示す例において第1軸AX1は、第2軸AX21,AX22と直交している。第2管体21の第2軸AX21は、第2管体22の第2軸AX22と同一直線上に位置している。開口13と開口14は第1軸AX1に対して180度対称の位置にあり、開口13は開口14と対向している。
【0037】
ここで、第1軸AX1に沿う方向を軸方向Dx1と定義する。第1軸AX1を中心として第1軸AX1から遠ざかる方向を半径方向Dr1と定義する。半径方向Dr1は、例えば第2軸AX21,AX22と平行な方向である。
【0038】
第1管体10は、軸方向Dx1において端部10aと、端部10aと反対側の端部10bとを有している。第1管体10の端部10aには、接続具10Aが設けられている。端部10bの内周面には、後述の調整部材40を接続する第1ねじ部S1が設けられている。第2管体21,22は、開口13,14と接続された端部と反対側に端部21a,22aをそれぞれ有している。第2管体21,22の端部21a,22aには、接続具21A,22Aがそれぞれ設けられている。
【0039】
接続具10A,21A,22Aには、様々な形状を適用することができる。接続具10A,21A,22Aは例えば雌雄の区別のない同一の構造であり、
図1に示した接続具10B,21B,22Bを着脱自在に接続することできる。接続具10A,21A,22Aは、雌雄の区別のある構造であってもよい。また、接続具10A,21A,22Aの大きさは、第1管体10の内径ID1および第2管体21,22の内径ID21,ID22に対応している。
【0040】
第1管体10を流れる流体の流れ方向は、主に軸方向Dx1において端部10aから端部10bへ向かう方向である。第2管体21を流れる流体の流れ方向は、開口13から端部21aへ向かう方向である。第2管体22を流れる流体の流れ方向は、開口14から端部22aへ向かう方向である。減圧弁100における本体1において、端部10aが入口であり、端部21a,22aが出口である。
【0041】
第1管体10は内部に第1流路110を有し、第2管体21,22は内部に第2流路121,122を有している。第2流路121,122は、開口13,14を介して第1流路110とそれぞれ連通されている。第1管体10の内径ID1は、例えば第2管体21,22の内径ID21,ID22と異なっている。
【0042】
図2に示す例において第1管体10の内径ID1は、第2管体21,22の内径ID21,ID22より大きい。他の観点からは、第1管体10の内径ID1は開口13,14より大きい。開口13は開口14と等しく、第2管体21の内径ID21は第2管体22の内径ID22と等しい。
【0043】
開口13,14は、接続される第2管体21,22に対応している。例えば開口13,14の面積は、第2管体21,22の流路面積とおおよそ等しい。流路面積とは、流体の流路である第1流路110や第2流路121,122の流れ方向に直交する断面積である。
【0044】
2つの開口13,14の合計面積は、例えば第1管体10の流路面積より大きい。減圧弁100は、二次側の流路面積である第2管体21,22の合計の流路面積が一次側である第1管体10の流路面積より大きい。本体1は2つの第2管体21,22を有しているため、第2管体21の流路面積と第2管体22の流路面積の合計が、減圧弁100における二次側の流路面積となる。
【0045】
弁体30は、第1軸AX1に沿って延びる円柱形状である。弁体30は、端部10a側の受圧面31と、端部10b側の受圧面32と、受圧面31と受圧面32とを接続する外周面33とを有している。弁体30の外周面33は、第1管体10の内周面12と対向している。
【0046】
弁体30は、中央部に第1軸AX1に沿って受圧面31と受圧面32との間に位置する接続路34をさらに有している。
図2に示す例において、接続路34は、受圧面31と受圧面32との間を貫通する貫通孔である。
図2に示す例において弁体30の軸および接続路34の軸は、第1軸AX1と一致している。接続路34は、弁体30の軸とずらして弁体30に設けられてもよい。
【0047】
受圧面31,32は第1軸AX1と交差し、
図2に示す例においては第1軸AX1と直交している。受圧面31の面積は、受圧面32の面積とほぼ等しい。弁体30は、軸方向Dx1に移動可能な状態で第1流路110に設けられているおり、弁体30の外周面33と第1管体10の内周面12の間には隙間が形成されている。隙間は、例えば弁体30が軸方向Dx1に移動可能な大きさであればよく、小さいほうが好ましい。
【0048】
弁体30は、軸方向Dx1において、受圧面31側の第1部分P1と、第1部分P1と反対側(受圧面32側)の第2部分P2とに第1管体10の第1流路110を隔てている。
図2に示すように第1部分P1は端部10a側に位置し、第2部分P2は端部10b側に位置している。
【0049】
図2および
図3に示す例における弁体30が流体により移動する前(減圧弁100に流体が供給される前)では、弁体30の外周面33は開口13,14の一部を塞ぎ、開口13,14の全体を塞いでいない。
図3は、端部21a側から開口13を見ている。
図3において図中左方が端部10a側であり、図中右方が端部10b側である。
【0050】
開口13は、弁体30の外周面33により塞がれていない部分O1と、弁体30の外周面33により塞がれている部分NO1と、を有している。開口14は、弁体30の外周面33により塞がれていない部分O2と、弁体30の外周面33により塞がれている部分NO2と、を有している。
【0051】
塞がれていない部分O1,O2は、第1部分P1と第2流路121,122を連通している。
図2および
図3に示すように開口13,14は塞がれていない部分O1,O2を有するため、第1部分P1の流体は塞がれていない部分O1から第2管体21の第2流路121へ流入し、塞がれていない部分O2から第2管体22の第2流路122へ流入する。
【0052】
弁体30は軸方向Dx1に移動可能に設けられているため、塞がれていない部分O1,O2および塞がれている部分NO1,NO2の大きさは、軸方向Dx1における弁体30の位置により変化する。より具体的には、弁体30が端部10b側へ移動すると塞がれていない部分O1,O2は拡大し、塞がれている部分NO1,NO2は縮小する。一方、弁体30が端部10a側へ移動すると塞がれていない部分O1,O2は縮小し、塞がれている部分NO1,NO2は拡大する。
【0053】
例えば、受圧面31が開口13,14のうち最も端部10b側に近い部分13a,14aと一致するまで弁体30が移動した場合、開口13,14と塞がれていない部分O1,O2の大きさが一致する。この場合、塞がれていない部分O1,O2の大きさが最大となる。
【0054】
受圧面31が半径方向Dr1において第2軸AX21,AX22と一致するまで弁体30が移動した場合、受圧面31は開口13,14の中央部に位置するため、塞がれていない部分O1,O2と塞がれている部分NO1,NO2の大きさはおおよそ等しくなる。
【0055】
次に、弁体30が有する導圧管60について説明する。導圧管60は、接続路34に設けられた直管部61と、受圧面31から端部10aに向けて突出する部分を含む突出部62とを有している。導圧管60は、軸方向Dx1に沿って延びる、第1軸AX1を中心とした円筒形状である。
図2に示す例において導圧管60の内径ID60は、直管部61から突出部62において一様な径である。直管部61の流路は、突出部62の流路と連通されている。第2部分P2は、導圧管60により第1部分P1と接続されている。
【0056】
導圧管60は、弁体30の移動とともに軸方向Dx1に沿って移動する。上述の通り弁体30の軸および接続路34の軸は第1軸AX1と一致しているため、導圧管60の軸は第1軸AX1と一致している。導圧管60の軸方向Dx1の長さは、弁体30の軸方向Dx1の長さより長い。直管部61の受圧面32側の端面は、軸方向Dx1において受圧面32と一致している。
【0057】
突出部62は、端部10a側の端部の閉止部材63と、端部10b側の端部の接続部64と、閉止部材63と接続部64との間の開口6a(第2開口)と、を有している。閉止部材63の面631は、第1軸AX1と交差している。
図2に示す例において面631は、第1軸AX1と直交している。閉止部材63は、第1部分P1を流れる流体が軸方向Dx1に沿って突出部62へ流入することを抑制している。
【0058】
開口6aは、突出部62の外周面に形成されている。他の観点からは、開口6は、第1軸AX1に対して平行である。開口6aは、軸方向Dx1において、受圧面31から離れている。
図3に示す例において開口6aは、端部21a側から見て円形状である。開口6aの内径ID61は、例えば第1管体10の内径ID1の1/5~1/10である。開口6aは円形状以外にも、例えば楕円形状でもよいし、矩形状でもよい。第1部分P1を流れる流体は、開口6aから導圧管60を通り、第2部分P2へ流入する。
【0059】
接続路34の受圧面31側の接続口35には、接続部36が設けられている。突出部62の接続部64は、接続部36と接続されている。突出部62は、例えば接続部36,64により第1軸AX1を中心とする周方向θに対して回動自在に設けられている。さらに、突出部62は、例えば弁体30に着脱自在に設けられてもよい。
【0060】
接続部36,64には、様々な形状を適用することができる。接続部64は例えば突出部62の外周面に形成されたねじであり、接続部36は接続部64に対応するねじを有している。この場合、接続部36は雌ねじであり、接続部64は雄ねじである。
【0061】
導圧管60は、例えば突出部62を回動させることで、周方向θにおける開口6aの位置を調整できる。
図2および
図3に示す例において開口6aは、開口13側に向けて開口している。この場合、第1部分P1を流れる流体は半径方向Dr1の反対方向から開口6aへ流入する。
【0062】
開口6aを開口13側に向けることで、第1部分P1を流れる流体は、開口6aに向けて流れ込みにくく、導圧管60の流体は第1部分P1を流れる流体の動圧の影響を受けにくくなる。開口6aは開口14側に向けてもよいし、その他の方向に向けてもよい。
【0063】
導圧管60は、例えば突出部62を回動させることで、軸方向Dx1における開口6aの受圧面31からの距離L6を調整できる。より具体的には、突出部62を回動させ、開口6aを受圧面31に近づける方向へ移動させることで距離L6を小さくできる。一方、突出部62を回動させ、開口6aを受圧面31から遠ざける方向へ移動させることで距離L6を大きくできる。
【0064】
調整部材40は、第1管体10の端部10bに設けられている。調整部材40は、軸方向Dx1に沿って延びる円柱形状である。調整部材40の軸は、第1軸AX1と一致している。調整部材40は、端部10a側の端面41と、外周面に設けられた第2ねじ部S2とを有している。第2ねじ部S2は、第1ねじ部S1に対応する形状である。
図2に示す例において、第1ねじ部S1は雌ねじであり、第2ねじ部S2は雄ねじである。
【0065】
調整部材40は、第1ねじ部S1と第2ねじ部S2により周方向θに回動自在に設けられている。さらに、調整部材40は、例えば第1管体10に着脱自在に設けられている。調整部材40と第1管体10の間は、図示しないシール部材等により第2部分P2から外部に流体が流出しないようにシールされている。
【0066】
調整部材40を回動させることで、例えば軸方向Dx1における調整部材40の位置を調整できる。調整部材40は、減圧弁100を流体が流れている状態のみならず、流体が流れていない状態においても回動させることができる。
【0067】
付勢部材70は、軸方向Dx1に沿って延び、第1管体10の第2部分P2に設けられている。付勢部材70は、弁体30の受圧面32と接している接触部71と、接触部71と反対側の接触部72とを有している。接触部72は、調整部材40の端面41と接している。
【0068】
付勢部材70は、軸方向Dx1の端部10b側から端部10a側に向けて受圧面32を付勢している。付勢部材70は、例えばコイルばねである。付勢部材70は、コイルばね以外にもゴム等の弾性体でもよい。
【0069】
調整部材40を移動させると、付勢部材70の接触部72は調整部材40とともに移動する。他の観点からは、調整部材40は、軸方向Dx1における接触部72の位置を調整できる。
【0070】
調整部材40を軸方向Dx1の端部10b側から端部10a側へ移動させると、付勢部材70の接触部72が接触部71に向けて移動する。接触部72が接触部71へ向けて移動すると、付勢部材70は受圧面32を軸方向Dx1の端部10b側から端部10a側へ向けて付勢する。そのため、弁体30は軸方向Dx1の端部10b側から端部10a側へ移動する。
【0071】
弁体30が端部10b側から端部10a側へ移動することで、外周面33により塞がれていない部分O1,O2は縮小する。調整部材40を軸方向Dx1の端部10a側から端部10b側へ移動させた場合には、塞がれていない部分O1,O2は拡大する。調整部材40により付勢部材70の接触部72の位置を調整することで、開口13,14の塞がれていない部分O1,O2の大きさを調整できる。他の観点からは、調整部材40は、開口13,14の開度を調整できる。
【0072】
調整部材40は、第1管体10に着脱自在に設けられているため、端部10bの開口を通じて付勢部材70を交換することができる。例えば付勢部材70を交換することで、弁体30に対する付勢力を変更できる。付勢部材70の長さを変更することで、塞がれていない部分O1,O2の大きさを変更できる。
【0073】
上述の通り減圧弁100は、流体を排出する排出口50を備えている。第2部分P2の液体や気体等の流体は、排出口50から排出される。排出口50は、軸方向Dx1において弁体30の受圧面32と調整部材40の端面41との間に位置している。例えば、導圧管60を通じて第1部分P1から第2部分P2に液体が流入する場合、第2部分P2の気体を排出口50から外部に排出することで第2部分P2を液体で満たすことができる。
【0074】
排出口50は、地面等の設置面に対して反対側の外周面11(設置面に対して上方)に設けられることが好ましい。設置面に対して上方に排出口50を設けることで、排出口50から気体を効率的に外部へ排出できる。排出口50には、例えば閉止するためのプラグ51が設けられている。プラグ51は、バルブや逆止弁等でもよい。
【0075】
減圧弁100の各部は、例えばステンレスやアルミニウム合金等の金属材料で形成されている。減圧弁100は、樹脂等の非金属材料で形成された部材を含んでもよい。第1管体10の内径ID1は、例えば40mm~150mmである。第2管体21,22の内径ID21,ID22は、例えば40mm~150mmである。
【0076】
減圧弁100における弁体30の動きについて説明する。減圧弁100に供給された流体は、第1部分P1から第2管体21の第2流路121や第2管体22の第2流路122へ流れる。第2部分P2には導圧管60を通じて第1部分P1から流体が流入する。減圧弁100に流体が供給されると、第1部分P1、第2部分P2、第2流路121,122および導圧管60は流体で満たされる。
【0077】
減圧弁100を流体が流れている状態において、軸方向Dx1において端部10a側からは、第1部分P1を流れる流体の動圧と静圧が弁体30の受圧面31に作用し、端部10b側からは、第2部分P2の流体の静圧と付勢部材70の付勢力が弁体30の受圧面32に作用している。静圧とは、配管内の流体が持つ圧力のことである。
【0078】
第2部分P2には導圧管60を通じて第1部分P1の流体が流入しているため、第2部分P2の流体の静圧は第1部分P1の流体の静圧とおおよそ等しい。受圧面31と受圧面32の面積は等しく、第1部分P1および第2部分P2の流体の静圧は軸方向Dx1において双方向から作用しているため、第1部分P1および第2部分P2の流体の静圧は、軸方向Dx1の弁体30の移動に影響をほとんど与えない。他の観点からは、第1部分P1および第2部分P2の流体の静圧は、導圧管60によりキャンセルされている。
【0079】
この場合、弁体30は主に第1部分P1を流れる流体の動圧により軸方向Dx1の端部10a側から端部10b側へ移動し、付勢部材70の付勢力により軸方向Dx1の端部10b側から端部10a側へ移動する。例えば、減圧弁100に流入する流体の流量が増加し第1部分P1の流体の動圧が増加すると、弁体30は付勢部材70の付勢力に抗して軸方向Dx1の端部10a側から端部10b側へ移動する。
【0080】
導圧管60は弁体30とともに軸方向Dx1を移動するため、弁体30が移動しても軸方向Dx1の受圧面31と開口6aの位置関係は変わらない。弁体30の位置にかかわらず、受圧面31から距離L6の位置にある開口6aから流体が第2部分P2へ流入する。
【0081】
そのため、第2部分P2の静圧は受圧面31に作用している静圧と等しくなりやすい。他の観点からは、第2部分P2の流体の静圧は、受圧面31に作用している静圧との間で差が生じにくい。導圧管60が弁体30とともに移動することで、弁体30への静圧の影響がより抑制されている。
【0082】
図2および
図3に示すように第1管体10の第1軸AX1と第2管体21,22の第2軸AX21,AX22が交差するため、第1管体10に設けられた弁体30は第2流路121,122を流れる流体の影響を受けにくい。
【0083】
弁体30が軸方向Dx1に移動する前において開口13,14は弁体30により塞がれていない部分O1,O2を有するため、減圧弁100には第1部分P1から第2管体21,22へ流体の流れが発生する。この状態において受圧面31には第1部分P1の流体の動圧が作用している。
【0084】
第1部分P1を流れる流体の流量が少ない場合、受圧面31に作用する動圧は小さい。受圧面31に作用する動圧が受圧面32に作用する付勢部材70の付勢力より小さい場合、
図2に示す状態から弁体30は移動しない。
【0085】
減圧弁100において、第1部分P1から第2流路121,122へ流体が流れる際に流路は、塞がれていない部分O1,O2において縮小している。第1部分P1から塞がれていない部分O1,O2を通過する際の抵抗等の圧力損失によって、流体は減圧される。第2流路121,122の流体の圧力は第1部分P1を流れる流体の圧力より小さくなり、第1部分P1の流体と第2流路121,122の流体には圧力の差(差圧)が発生する。
【0086】
図4は、第1実施形態に係る減圧弁100における弁体30の位置を示す模式図である。
図4においては、受圧面31に作用する動圧が増加することで
図2に示した位置より弁体30が端部10b側へ移動している。
【0087】
例えば、第1部分P1の流体の流量が増加すると、受圧面31に作用する動圧が増加し、弁体30が付勢部材70の付勢力に抗して軸方向Dx1の端部10a側から端部10b側へ移動する。弁体30が端部10b側へ移動することで、塞がれていない部分O1,O2は拡大し、塞がれている部分NO1,NO2は縮小する。
【0088】
塞がれていない部分O1,O2が拡大すると、流体が第1部分P1から塞がれていない部分O1,O2を通過する際の圧力損失は小さくなる。第1部分P1の流体の流量が増加し塞がれていない部分O1,O2が拡大すると、流体が減圧弁100を通過した際の減圧効果は低くなる。
【0089】
第1部分P1の流体の流量がさらに増加すると、受圧面31に作用する動圧が増加し、弁体30が付勢部材70の付勢力に抗して軸方向Dx1の端部10a側から端部10b側へ移動する。塞がれていない部分O1,O2がさらに拡大すると、流体が第1部分P1から塞がれていない部分O1,O2を通過する際の圧力損失は小さくなり、流体が減圧弁100を通過した際の減圧効果さらには低くなる。
【0090】
図4に示す例における弁体30の位置では、塞がれていない部分O1,O2の合計面積は、第1管体10の流路面積とおおよそ等しくなっている。当該位置まで弁体30が移動すると、流体が第1部分P1から塞がれていない部分O1,O2を通じて第2管体21,22に流入する際の圧力損失がほとんどなくなり、第2流路121,122の流体の圧力は第1部分P1を流れる流体の圧力とおおよそ等しくなる。
【0091】
そのため、第1部分P1の流体は、第2流路121,122の流体と圧力の差が生じにくくなる。この場合、減圧弁100による減圧効果はほとんどない。他の観点からは、第1部分P1の流体は、第2部分P2の流体と流速の差が生じにくくなる。
【0092】
第1部分P1の流体の流量が減少すると、受圧面31に作用する動圧が減少し、弁体30が受圧面32に作用する付勢部材70の付勢力により軸方向Dx1の端部10b側から端部10a側へ移動する。弁体30が端部10a側に移動することで、塞がれていない部分O1,O2は縮小し、塞がれている部分NO1,NO2は拡大する。
【0093】
減圧弁100は、開口13,14以外に流路が変化する部分を有していない。そのため、減圧弁100に流入する流体の流量が増加すれば、端部21a,22aから流出する流体の流量は増加し、減圧弁100に流入する流体の流量が減少すれば、端部21a,22aから流出する流体の流量は減少する。
【0094】
図4に示すように本体1は、弁体30の移動を規制する止め具Gをさらに有してもよい。止め具Gは、第1管体10の内周面12から第1軸AX1に向けて突出する部分を含んでいる。当該突出する部分は、弁体30の受圧面32と調整部材40の端面41の間に位置している。
【0095】
弁体30の受圧面32が止め具Gの突出する部分と接触することで、軸方向Dx1の端部10a側から端部10b側への弁体30の移動が規制される。止め具Gは、例えば第1管体10に着脱自在に設けられる。止め具Gは、周方向θに2つ以上設けられてもよい。
【0096】
弁体30の軸方向Dx1における移動距離は、減圧弁100に供給される流体の流量、第1管体10の内径ID1および第2管体21,22の内径ID21,ID22等に応じて適宜設定することができる。弁体30の移動距離は、
図4に示した例より長くてもよいし、短くてもよい。
【0097】
例えば、受圧面31が半径方向Dr1において第2軸AX21,AX22と一致するまで移動した場合に、開口13,14のうち弁体30により塞がれていない部分O1,O2の合計面積を第1管体10の流路面積とおおよそ等しくしてもよい。この場合、受圧面31が開口13,14の中央部に位置するため、塞がれていない部分O1,O2と塞がれている部分NO1,NO2の大きさはおおよそ等しくなる。他の例としては、弁体30は、受圧面31が開口13,14のうち最も端部10b側に近い部分13a,14aと一致するまで移動してもよい。
【0098】
以上説明した第1実施形態によれば、配管内の流量に応じた減圧効果を発揮する減圧弁100を提供することができる。すなわち、減圧弁100であれば、流量が少ないときに高く、流量が増加すると低くなる減圧効果を発揮することができる。
【0099】
弁体30が軸方向Dx1に移動する前に開口13,14は弁体30により塞がれていない部分O1,O2を有するため、減圧弁100には第1部分P1から第2管体21,22へ流体の流れが発生する。例えば、減圧弁100に供給される一次側の流体の圧力が一定で流量が変動する場合、弁体30が移動する前において、受圧面31には第1部分P1の流体の動圧を作用させることができる。そして、第1部分P1の流体の流量が増加すると第1部分P1の流体の動圧が増加し、弁体30は付勢部材70の付勢力に抗して軸方向Dx1の端部10a側から端部10b側へ移動する。
【0100】
弁体30が端部10b側へ移動し、塞がれていない部分O1,O2が拡大すると、流体が第1部分P1から塞がれていない部分O1,O2を通過する際の圧力損失は小さくなり、流体が減圧弁100を通過した際の減圧効果は低くなる。
【0101】
第1実施形態に示すように2つの第2管体21,22を設けることで、第1管体10に形成された開口13,14の合計面積を第1管体10の流路面積より大きくできる。減圧弁100を流れる流体の流量が増加した際に弁体30の移動距離が短い場合でも、弁体30により塞がれていない部分O1,O2の合計面積を第1管体10の流路面積とおおよそ等しくできる。そのため、弁体30の移動距離が短い場合における減圧弁100の減圧効果を小さくできる。
【0102】
導圧管60の突出部62を回動させることで、周方向θにおける開口6aの位置を調整したり、開口6aの受圧面31からの距離L6を調整したりできる。減圧弁100に供給される流体の流量等に応じて導圧管60を調整することで、第2部分P2の流体の静圧を調整することができる。
【0103】
付勢部材70の付勢力は、第1部分P1の流体の動圧に対して設定するため、導圧管60を設けない場合と比較して付勢力を小さくできる。端部10b側への弁体30の移動には、第1部分P1を流れる流体の動圧が主に作用しているため、付勢部材70の付勢力を調整することで第1部分P1と第2流路121,122を流れる流体間に大きな差圧を発生させることができる。
【0104】
第1部分P1を流れる流体の動圧に対して付勢部材70の付勢力を調整することで、軸方向Dx1の弁体30の移動を容易に制御できる。減圧弁100は、本体1の交換等により構造を大きく変更することなく使用現場に適した減圧効果を発揮できる。減圧弁100は、電気的制御を使用しない制御機構のため構造がシンプルであり、使用方法も簡便である。以上説明した他にも、本実施形態からは種々の好適な作用が得られる。
【0105】
第1実施形態に係る減圧弁100の構成は一例にすぎない。第1管体10および第2管体21,22の形状は円筒形状であるが、第1管体10および第2管体21,22の形状には種々の形状を適用できる。第1管体10の形状に応じて弁体30には種々の形状を適用できる。
【0106】
減圧弁100において、第1管体10の内径ID1が第2管体21,22の内径ID21,ID22より小さくてもよいし、第1管体10の内径ID1が第2管体21,22の内径ID21,ID22と等しくてもよい。第1管体10および第2管体21,22は、第1軸AX1および第2軸AX21,AX22に沿って一様な径で延びているが、径が異なる部分を有してもよい。第2管体21,22の内径ID21,ID22は、それぞれ異なってもよい。例えば、第2管体21の内径ID21は、第2管体22の内径ID22より大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0107】
第2管体21の第2軸AX21と第2管体22の第2軸AX22は、軸方向Dx1においてずれて位置してもよい。この場合、開口13は、開口14に対して軸方向Dx1にずれる。例えば、開口13は開口14より端部10a側に位置してもよいし、開口14は開口13より端部10a側に位置してもよい。
【0108】
第1管体10には2つの開口13,14が設けられていたが、開口は1つでもよいし、3つ以上でもよい。開口が1つの場合において、開口の面積を第1管体10の流路面積より大きくしてもよい。開口が3つ以上の場合において、3つ以上の開口の合計面積を第1管体10の流路面積より大きくしてもよい。第2管体の数は、開口の数に応じて適宜変更される。
【0109】
導圧管60は、突出部62を交換することで受圧面31からの距離L6、周方向θにおける開口6aの向き、開口6aの内径ID60、突出部62の内径の少なくとも1つを変更してもよい。導圧管60は直管部61を有さず、突出部62の流路が接続路34と連通するように弁体30に接続されてもよい。排出口50は第1管体10に設けられていたが、排出口50は第1軸AX1に沿って調整部材40に設けられてもよい。
【0110】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0111】
図5は、第2実施形態に係る減圧弁200の概略的な部分断面図である。
図5は、第1軸AX1と第2軸AX21,AX22で規定される平面と直交するとともに第1軸AX1に沿う減圧弁200の断面を、第2管体22側から見ている。
図5は、一例として弁体30が移動する前(減圧弁200に流体が供給される前)である。
【0112】
図5に示すように減圧弁200は、本体1と、弁体30と、調整部材40と、排出口50と、付勢部材70とを備えている。本体1は、第1管体10と、第1管体10に設けられた2つの開口13,14に接続された第2管体21,22とを有している。ただし、開口14および第2管体22は、
図5には図示されていない。第2管体21の第2軸AX21は、一例として第2管体22の第2軸AX22と同一直線上に位置している。第1管体10の端部10aには、接続具10Aが設けられている。
【0113】
第1管体10の内径ID1は、一例として第2管体21の内径ID21より大きい。第1管体10の内径ID1は、第2管体21の内径ID21と等しくてもよいし、小さくてもよい。図示されていない第2管体22の内径ID22についても、第2管体21の内径ID21と同様である。
【0114】
本体1は、第1部分P1と第2部分P2とを接続する導圧管80をさらに有している。減圧弁200は、導圧管80が第1管体10の外部に設けられている点、および弁体30が接続路34を有していない点が第1実施形態と相違する。
【0115】
第1管体10は、軸方向Dx1において、端部10aと開口13,14との間に位置する開口8aと、開口13,14と端部10bとの間に位置する開口8bとを有している。導圧管80は、開口8aに接続された管81と、開口8bに接続された管82と、管81と管82とを接続する管83とを有している。管81,82は、第1軸AX1から離れる方向に突出している。管83は、第1軸AX1に沿って延びている。導圧管80は、例えば本体1と同じ材料の鋼管等により形成される。
【0116】
開口8a,8bは、弁体30が移動した際に弁体30の外周面33により塞がれない位置に形成されている。開口8a,8bは、例えば、第1管体10の外周面11側から見て円形状である。開口8a,8bは、開口13,14より小さい。開口8aの内径ID8aは、例えば第1管体10の内径ID1の1/5~1/10である。
【0117】
第1部分P1を流れる流体は、軸方向Dx1において、開口8aから導圧管80を通り、開口8bから第2部分P2へ流入する。排出口50は、開口8bから離れた位置に設けられている。例えば、排出口50は、第1軸AX1に対して開口8bの反対側の位置にある。排出口50を開口8bから離れた位置に設けることで、第2部分P2に液体が流入する際に第2部分P2の気体を効率的に外部へ排出できる。
【0118】
弁体30は、第1実施形態と同様、軸方向Dx1に移動可能な状態で第1流路110に設けられている。減圧弁200における弁体30の動きは、第1実施形態と同様である。第2実施形態に係る減圧弁200の構造であっても、第1実施形態と同じく優れた減圧効果を有する減圧弁200を得ることができる。また、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0119】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。上述の各実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0120】
図6は、第3実施形態に係る減圧弁300の概略的な部分断面図である。
図7は、
図6に示す弁体30の概略的な正面図である。
図7は、弁体30を受圧面31側から見ている。
図6は、一例として弁体30が移動する前(減圧弁300に流体が供給される前)である。
【0121】
図6に示すように減圧弁300は、本体1と、弁体30と、調整部材40と、排出口50と、付勢部材70とを備えている。本体1は、第1管体10と、第1管体10に設けられた2つの開口13,14に接続された第2管体21,22とを有している。第2管体21の第2軸AX21は、一例として第2管体22の第2軸AX22と同一直線上に位置している。
【0122】
第1管体10の端部10aには接続具10Aが設けられている。第2管体21,22の端部21a,22aには、接続具21A,22Aがそれぞれ設けられている。第1管体10の内径ID1は、一例として第2管体21,22の内径ID21,ID22より大きい。
【0123】
弁体30は、受圧面31と、受圧面32と、外周面33と、接続路34と、スカート部38と、ストッパ39とを有している。弁体30は、例えばスカート部38およびストッパ39を含むように一体で形成される。外周面33は、受圧面31と接続され、第1軸AX1に沿って延びている。
【0124】
接続路34は、弁体30の中央部に第1軸AX1に沿って設けられている。接続路34は、第1部分P1と第2部分P2とを接続している。接続路34は、受圧面31側の接続口35と、接続口35に連通された拡径部37とを有している。拡径部37の内径ID37は、接続口35の内径ID35より大きい。拡径部37は、第1軸AX1に沿って一様な径で形成されている。
【0125】
受圧面32には、面321、面322、および面323が含まれる。面321、面322、および面323は、軸方向Dx1において、受圧面31より端部10b側に位置している。面321は、拡径部37において接続口35に接続された面である。面322は、付勢部材70に付勢される付勢面であり、付勢部材70の接触部71が接している。面323は、弁体30の端部10b側の端面である。面321、面322、および面323は、一例として半径方向Dr1に平行である。
【0126】
第2部分P2には、軸方向Dx1において、受圧面31より端部10b側に位置する部分が含まれる。第2部分P2は、例えば拡径部37、スカート部38に囲われる部分、および面323と調整部材40の端面41との間の部分を含んでいる。第2部分P2においては、流体の静圧が受圧面32に端部10b側から作用するとともに、付勢部材70の付勢力が面322に端部10b側から作用している。
【0127】
接続路34に拡径部37を形成することで、弁体30が移動する際に接続路34内の流体は移動しにくく、流体が移動する際に生じる圧力損失を抑制できる。そのため、第2部分P2の静圧は、受圧面31に作用している静圧と等しくなりやすい。他の観点からは、第2部分P2の流体の静圧は、受圧面31に作用している静圧との間で差が生じにくい。
【0128】
接続口35には、受圧面31側から導圧管60の突出部62が接続されている。突出部62の流路は、接続路34と連通されている。拡径部37の内径ID37は、突出部62の内径より大きい。第2部分P2は、突出部62により第1部分P1と接続されている。
図2を用いて説明したように突出部62は、例えば接続部36,64等により周方向θに対して回動自在に設けられている。
【0129】
導圧管60は、カバー65を有している。カバー65は、開口6aを含む突出部62の外周面を囲っている。他の観点からは、開口6aは、カバー65の内周面と対向している。カバー65は、例えば第1軸AX1を中心とした円筒形状である。カバー65は、半径方向Dr1において、開口6aとの間に隙間を置いて設けられている。突出部62の外周面とカバー65との間には、第1軸AX1に沿う流路650が形成されている。
【0130】
軸方向Dx1において、受圧面31とカバー65との間には、隙間が形成されている。
図6に示す例においてカバー65の端部10a側の端面は、軸方向Dx1において面631と揃っているが、軸方向Dx1にずれてもよい。カバー65は、例えば導圧管60と同じ材料で形成される。
【0131】
カバー65は、例えば固定部材66により、突出部62の外周面に対して着脱自在に固定されている。突出部62が回動自在に設けられている場合、カバー65は突出部62とともに回動する。固定部材66は、軸方向Dx1において、開口6aより受圧面31側に位置している。固定部材66は、例えばボルト66aと、ボルト66aと締結されるナット66bとを有している。
【0132】
図7に示す例において固定部材66は、周方向θに均等に3つ配置されている。固定部材66の数は、3つに限られず、2つでもよいし、4つ以上でもよい。カバー65は、固定部材66による固定方法以外の方法により、突出部62に固定されてもよい。
【0133】
第1部分P1を流れる流体の一部は、流路650を軸方向Dx1の端部10a側から端部10b側へ流れる。流体の流れ方向は、一方向である。流路650における流体の流れは、整流され、乱れにくい。流路650の流体は、受圧面31とカバー65との間の隙間を通過し、受圧面31に沿って第2流路121または第2流路122へ流入する。
【0134】
開口6aは突出部62の外周面に設けられているため、流路650を流れる流体は、開口6aに向けて流れ込みにくい。そのため、導圧管60の流体は流路650を流れる流体の動圧の影響を受けにくい。カバー65を交換することで、カバー65の軸方向Dx1の長さや、軸方向Dx1および半径方向Dr1における流路650の大きさを調整することができる。
【0135】
弁体30は、例えば第1軸AX1を中心とした円筒形状に形成されたスカート部38を有している。スカート部38は、軸方向Dx1において、端部10bに向けて面322よりも突出している。
図6に示す例においてスカート部38の外周面は、外周面33と一様な径で形成されている。スカート部38の内径ID38は、第1軸AX1に沿って一様な径で形成されている。
【0136】
スカート部38の内径ID38は、拡径部37の内径ID37より大きい。スカート部38の内径ID38は、付勢部材70の外径より大きい。
図6に示す例おいては、拡径部37の軸方向Dx1の長さは、スカート部38の軸方向Dx1の長さより長い。
【0137】
スカート部38は、
図6に示すように付勢部材70の少なくとも一部を囲っている。スカート部38の軸方向Dx1の長さを適宜変更することで、スカート部38により付勢部材70が囲われる部分の長さを変更することができる。
【0138】
スカート部38を設けることで、付勢部材70の接触部71が面322に対して半径方向Dr1にずれにくくなる。そのため、付勢部材70は軸方向Dx1の端部10b側から端部10a側へ面322を安定して付勢することができる。
【0139】
第1管体10や付勢部材70の軸方向Dx1の長さを変更できない場合であってもスカート部38を設けることで、弁体30の軸方向Dx1の長さを長くすることができる。第3実施形態における弁体30の軸方向Dx1の長さは、例えば第1実施形態および第2実施形態における弁体30の軸方向Dx1の長さより長い。
【0140】
弁体30の軸方向Dx1の長さを長くすることで、弁体30が移動する際に第1軸AX1に対して傾きにくくなる。第1軸AX1に対する弁体30の傾きを抑制することで、例えば弁体30が移動する際に外周面33が開口13,14に引っ掛かりにくくなる。そのため、弁体30は、軸方向Dx1に移動しやすくなる。さらに、弁体30の外径が第2管体21,22の内径ID21,ID22より大きいと弁体30の外周面33が開口13,14に引っ掛かりにくい。
【0141】
スカート部38の軸方向Dx1の長さを付勢部材70が最も圧縮された際の長さより長くすることで、付勢部材70が圧縮された際の長さを調整することができる。例えば、スカート部38の軸方向Dx1の長さは、付勢部材70が最も圧縮された際の長さとおおよそ等しくてもよい。
【0142】
図6に示す例において排出口50は、調整部材40の中央部に第1軸AX1に沿って設けられている。調整部材40に排出口50を設けることで、排出口50が弁体30の外周面33により塞がれない。排出口50には、例えば排出口50を閉止するプラグ51が設けられている。
【0143】
弁体30は、外周面33より半径方向Dr1に突出するストッパ39を有している。ストッパ39は、軸方向Dx1において、スカート部38の端部に設けられている。ストッパ39の少なくとも一部は外周面33より半径方向Dr1に突出している。
図7に示す例においてストッパ39は、環状に形成されている。
【0144】
第1管体10には、ストッパ39を係止する係止面15が形成されている。係止面15は、軸方向Dx1において、ストッパ39と対向している。係止面15は、一例として半径方向Dr1に平行である。第1管体10において、開口13,14と端部10bとの間には、内径ID1より内径が大きい拡径部16が形成されている。拡径部16の内径は、ストッパ39の外径より大きい。
【0145】
ストッパ39が係止面15に係止されることで、軸方向Dx1の端部10b側から端部10a側への弁体30の移動が規制される。ストッパ39は、軸方向Dx1において係止面15と端部10bとの間を移動可能である。
【0146】
ストッパ39により軸方向Dx1の弁体30の移動が規制されるため、例えば、調整部材40を軸方向Dx1の端部10b側から端部10a側へ移動させることで、付勢部材70を圧縮することができる。付勢部材70を圧縮することで面322に作用する付勢部材70の付勢力を大きくできる。他の観点からは、調整部材40により、付勢部材70の付勢力を調整することができる。
【0147】
ストッパ39が形成される位置は、軸方向Dx1において他の位置でもよい。
図6および
図7に示す形状以外にもストッパ39には種々の形状を適用することができる。ストッパ39は、例えば周方向θにおいて外周面33の一部に形成されてもよい。
【0148】
さらに、係止面15とストッパ39との間には、スペーサSPが設けられてもよい。
図8は、スペーサSPを備える減圧弁300を示す概略的な部分断面図である。減圧弁300は、軸方向Dx1において、係止面15とストッパ39との間にスペーサSPをさらに備えている。スペーサSPは、ストッパ39と対向する係止面SP1を有している。
【0149】
スペーサSPは、例えば金属材料や樹脂材料等により環状に形成される。スペーサSPの内径は、第1管体10の内径ID1とおおよそ等しい。
図8における調整部材40の位置等は、
図6に示した位置と同じである。
【0150】
ストッパ39がスペーサSPの係止面SP1に係止されることで、軸方向Dx1の弁体30の移動が規制される。
図6に示した場合と比べ、スペーサSPを設けることで、弁体30は端部10b側に位置する。すなわち、減圧弁300に流体が供給される前において、開口13,14の塞がれていない部分O1,O2は拡大し、開口13,14の塞がれている部分NO1,NO2は縮小する。スペーサSPを設けることで開口13,14の開度を調整することができる。
【0151】
弁体30が端部10b側に位置することで、スペーサSPの軸方向Dx1の長さに相当する分だけ付勢部材70が圧縮されるため、面322に作用する付勢部材70の付勢力は大きくなる。スペーサSPの軸方向Dx1の長さを調整したり、複数のスペーサSPを設けたりすることで、開口13,14の開度および付勢部材70の付勢力を調整してもよい。
【0152】
弁体30は、上述の各実施形態と同様、軸方向Dx1に移動可能な状態で第1流路110に設けられている。減圧弁300における弁体30の動きは、上述の各実施形態と同様である。第3実施形態に係る減圧弁300の構造であっても、上述の各実施形態と同じく優れた減圧効果を有する減圧弁300を得ることができる。また、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0153】
第3実施形態においては、弁体30の接続路34に拡径部37を形成することで、弁体30が移動する際に、接続路34内の流体が弁体30とともに移動することを抑制できる。さらに、カバー65により形成される流路650では、流体の流れが第1軸AX1に沿う方向に形成されるため、導圧管60の流体は第1部分P1を流れる流体の動圧の影響を受けにくくなる。
【0154】
さらに、弁体30はスカート部38を有するため、弁体30の第1軸AX1に対する傾きやがたつきを抑制し、弁体30は第1流路110を移動しやすくなる。さらに、弁体30はストッパ39を有するため、弁体30の軸方向Dx1の弁体30の移動が規制され、開口13,14の開度の調整や調整部材40により付勢部材70の付勢力を調整することができる。
【0155】
第3実施形態に係る減圧弁300の構成は一例にすぎない。スカート部38の軸方向Dx1の長さは、拡径部37の軸方向Dx1の長さより長くてもよい。スカート部38の軸方向Dx1の長さを長くすることで、付勢部材70の軸方向Dx1の長さを長くできる。
【0156】
例えば、拡径部37の内径ID37をスカート部38の内径ID38と等しくし、面322を面321と軸方向Dx1に一致する位置に設けてもよい。拡径部37の軸方向Dx1の長さを長くすることで、例えば付勢部材70がコイルばねである場合、より自由長の長いコイルばねを設けることができる。第3実施形態における弁体30のスカート部38やストッパ39の形状は、上述の各実施形態にも適用することができる。
【0157】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。上述の各実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0158】
図9は、第4実施形態に係る減圧弁400の概略的な部分断面図である。
図10は、
図9に示す弁体30の概略的な正面図である。
図10は、弁体30を受圧面31側から見ている。
図9は、一例として弁体30が移動する前(減圧弁400に流体が供給される前)である。
【0159】
図9に示すように減圧弁400は、本体1と、弁体30と、調整部材40と、排出口50と、付勢部材70とを備えている。本体1は、第1管体10と、第1管体10に設けられた2つの開口13,14に接続された第2管体21,22とを有している。第2管体21の第2軸AX21は、一例として第2管体22の第2軸AX22と同一直線上に位置している。
【0160】
第1管体10の端部10aには接続具10Aが設けられている。第2管体21,22の端部21a,22aには、接続具21A,22Aがそれぞれ設けられている。第1管体10の内径ID1は、一例として第2管体21,22の内径ID21,ID22より大きい。
【0161】
弁体30は、受圧面31と、受圧面32と、外周面33と、接続路34と、スカート部38と、ストッパ39とを有している。弁体30は、例えばスカート部38およびストッパ39を含むように一体で形成される。外周面33は、受圧面31と接続され、第1軸AX1に沿って延びている。受圧面32には、面321、面322、および面323が含まれる。
【0162】
接続路34は、弁体30の中央部に第1軸AX1に沿って設けられている。接続路34は、第1部分P1と第2部分P2とを接続している。接続路34は、受圧面31側の接続口35と、接続口35に連通された拡径部37とを有している。拡径部37の内径ID37は、接続口35の内径ID35より大きい。
【0163】
弁体30は、遮蔽部材BP1をさらに有している。第4実施形態においては、遮蔽部材BP1を有する点が第3実施形態と相違する。遮蔽部材BP1は、受圧面31との間に隙間を置いて設けられている。受圧面31と遮蔽部材BP1との間には、流路BPaが形成されている。
図10に示す例において遮蔽部材BP1は、例えば正面視で円形状の平板である。遮蔽部材BP1の直径BPDは、接続口35の内径ID35より大きい。遮蔽部材BP1は、例えばカバー65と同じ材料で形成される。
【0164】
遮蔽部材BP1は、ピンPNにより受圧面31に接続されている。ピンPNは、例えば、受圧面31から突出する棒状部材である。
図10に示す例においてピンPNは、第1軸AX1を中心に均等に3つ配置されている。ピンPNの数は3つに限られず、1つでもよいし、4つ以上でもよい。遮蔽部材BP1は、ピンPNによる固定方法以外の方法により、弁体30に固定されてもよい。
【0165】
遮蔽部材BP1の端部10a側の面BP10は、第1軸AX1と交差している。
図9に示す例において面BP10は第1軸AX1と直交しており、受圧面31とほぼ平行である。遮蔽部材BP1は、軸方向Dx1において、端部10aと受圧面31との間に位置し、接続口35と重なっている。他の観点からは、
図10に示すように遮蔽部材BP1は、端部10a側から接続口35を覆っている。
【0166】
遮蔽部材BP1は、第1部分P1を流れる流体が軸方向Dx1に沿って接続口35へ流入することを抑制している。減圧弁400においては、軸方向Dx1において端部10a側からは、第1部分P1を流れる流体の動圧と静圧が弁体30の受圧面31および遮蔽部材BP1に作用している。
【0167】
第1部分P1を流れる流体の一部は、受圧面31に沿って流路BPaを流れる。流路BPaの流体は、受圧面31に沿って第2流路121または第2流路122へ流入する。流路BPaの流体の流れ方向は、第1軸AX1と直交する方向である。
【0168】
流路BPaの流体の流れ方向は、第1軸AX1と交差する方向であるため、流路BPaを流れる流体は接続口35に向けて流れ込みにくい。そのため、第2部分P2の流体は第1部分P1を流れる流体の動圧の影響を受けにくい。遮蔽部材BP1を交換することで面BP10の大きさを調整したり、ピンPNの長さを変更したりすることで流路BPaの大きさを調整することができる。
【0169】
弁体30は、上述の各実施形態と同様、軸方向Dx1に移動可能な状態で第1流路110に設けられている。減圧弁400における弁体30の動きは、上述の各実施形態と同様である。第4実施形態に係る減圧弁400の構造であっても、上述の各実施形態と同じく優れた減圧効果を有する減圧弁400を得ることができる。また、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0170】
第4実施形態においては、遮蔽部材BP1を設けることで、第1部分P1を流れる流体の動圧の第2部分P2への影響を抑制することができる。なお、第4実施形態においても、第3実施形態において説明したスペーサSPを設けることができる。
【0171】
[第5実施形態]
第5実施形態について説明する。上述の各実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0172】
図11および
図12は、第5実施形態に係る減圧弁500の概略的な部分断面図である。
図11は弁体30が移動する前(減圧弁500に流体が供給される前)であり、
図12は弁体30が端部10b側へ最も移動した状態(塞がれていない部分O1,O2が最も拡大した状態)である。
図12においては、一例として塞がれていない部分O1,O2の大きさは開口13,14と等しく、塞がれている部分NO1,NO2は形成されていない。
【0173】
図11および
図12に示すように減圧弁500は、本体1と、弁体30と、調整部材40と、排出口50と、付勢部材70とを備えている。本体1は、第1管体10と、第1管体10に設けられた2つの開口13,14に接続された第2管体21,22とを有している。第2管体21の第2軸AX21は、一例として第2管体22の第2軸AX22と同一直線上に位置している。
【0174】
第1管体10の端部10aには接続具10Aが設けられている。第2管体21,22の端部21a,22aには、接続具21A,22Aがそれぞれ設けられている。第1管体10の内径ID1は、一例として第2管体21,22の内径ID21,ID22より大きい。
【0175】
弁体30は、受圧面31と、受圧面32と、外周面33と、接続路34と、スカート部38と、ストッパ39とを有している。弁体30は、例えばスカート部38およびストッパ39を含むように一体で形成される。外周面33は、受圧面31と接続され、第1軸AX1に沿って延びている。受圧面32には、面321、面322、および面323が含まれる。
【0176】
接続路34は、弁体30の中央部に第1軸AX1に沿って設けられている。接続路34は、第1部分P1と第2部分P2とを接続している。接続路34は、受圧面31側の接続口35と、接続口35に連通された拡径部37とを有している。拡径部37の内径ID37は、接続口35の内径ID35より大きい。
【0177】
接続口35には、受圧面31側から導圧管60の突出部62が接続されている。突出部62の流路は、接続路34と連通されている。第2部分P2は、突出部62により第1部分P1と接続されている。
図2を用いて説明したように突出部62は、例えば接続部36,64等により周方向θに対して回動自在に設けられている。
【0178】
突出部62は、端部10a側の端面に開口6a(第2開口)を有している。他の観点からは、開口6aは、軸方向Dx1において、受圧面31から離れて位置している。開口6aは、第1軸AX1と交差しており、
図11および
図12に示す例においては第1軸AX1と直交している。開口6aの内径ID61は、例えば第1管体10の内径ID1の1/5~1/10である。
【0179】
第1管体10は、端部10aと開口13,14との間の直線部P11と、開口13,14が位置する分岐部P12とを含んでいる。
図11および
図12に示すように開口6aは、軸方向Dx1において、直線部P11に位置している。
図12に示すように塞がれていない部分O1,O2が最も拡大した状態で開口6aは、軸方向Dx1において、直線部P11に位置し、半径方向Dr1において、開口13,14と重ならない。
【0180】
他の観点からは、突出部62の軸方向Dx1の長さは、開口6aが軸方向Dx1において、分岐部P12に位置しない長さである。一例としては、突出部62の軸方向Dx1の長さは、開口13,14の内径よりも長い。
図12に示した例よりも弁体30が軸方向Dx1において端部10b側に移動した場合であっても、開口6aは、直線部P11に位置していることが好ましい。
【0181】
直線部P11においては、軸方向Dx1において端部10aから端部10bへ向かう方向に流体が流れる。一方、分岐部P12においては、軸方向Dx1において端部10aから端部10bへ向かう方向の流体の流れと、第1軸AX1から開口13,14へ向かう方向の流体の流れとを含んでいる。分岐部P12において流体の一部は、受圧面31に沿って、開口13,14を介して第2流路121または第2流路122へ流れる。受圧面31が受ける圧力は、直線部P11の流体の静圧と動圧とを合わせた全圧よりも大きい。
【0182】
第2部分P2には、直線部P11の流体が開口6aを介して突出部62から流入する。そのため、受圧面32に作用する第2部分P2の流体の静圧は、直線部P11の流体の全圧とほぼ等しくなる。受圧面31には、分岐部P12の流体の全圧が作用している。分岐部P12の流体の全圧は直線部P11の流体の全圧よりも大きいため、弁体30は、付勢部材70の付勢力に抗して軸方向Dx1の端部10a側から端部10b側へ移動することができる。一方、弁体30は、付勢部材70の付勢力により軸方向Dx1の端部10b側から端部10a側へ移動する。
【0183】
弁体30は、上述の各実施形態と同様、軸方向Dx1に移動可能な状態で第1流路110に設けられている。減圧弁500における弁体30の動きは、上述の各実施形態と同様である。第5実施形態に係る減圧弁500の構造であっても、上述の各実施形態と同じく優れた減圧効果を有する減圧弁500を得ることができる。また、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0184】
上述の通り、開口6aは、軸方向Dx1において、直線部P11に位置しているため、第2部分P2の流体は分岐部P12の流体の影響を受けにくい。他の観点からは、第2部分P2の流体は、分岐部P12の流体の動圧の影響が抑制されている。なお、第5実施形態においても、第3実施形態において説明したスペーサSPを設けることができる。
【0185】
[第6実施形態]
第6実施形態について説明する。上述の各実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
【0186】
図13は、第6実施形態に係る減圧弁600の概略的な部分断面図である。
図14は、
図13に示す減圧弁600のXIV-XIV線に沿う概略的な断面図である。
図13は、減圧弁600を設置面側(下方)から見ている。
図14は、減圧弁600を軸方向Dx1の端部10a側から端部10b側を見ている。
図13は、一例として弁体30が移動する前(減圧弁600に流体が供給される前)である。
【0187】
図13に示すように減圧弁600は、本体1と、弁体30と、調整部材40と、排出口50と、付勢部材70とを備えている。本体1は、第1管体10と、第1管体10に設けられた開口13に接続された第2管体21とを有している。第1管体10の端部10aには接続具10Aが設けられ、第2管体21の端部21aには接続具21Aが設けられている。第1管体10の内径ID1は、一例として第2管体21の内径ID21と等しい。第1管体10の内径ID1は、第2管体21の内径ID21より大きくてもよいし、小さくてもよい。
【0188】
本体1は、内周面12に第1部分P1と第2部分P2とを接続する溝90をさらに有している。溝90は、内周面12から外周面11に向けて凹み、例えば第1軸AX1に平行に形成されている。溝90は、第1部分P1に位置する第1側壁91と、第2部分P2に位置する第2側壁92と、第1側壁91と第2側壁92を接続する底壁93と、を有している。第1側壁91および第2側壁92は、
図13に示す例においては受圧面31,32に平行である。
図14に示す例において底壁93は、周方向θに沿っている。
【0189】
図13および
図14に示す例において溝90は、開口13と対向している。弁体30は、開口13と溝90の間に位置している。溝90は、開口13から離れた位置に形成されることが好ましい。他の観点からは、溝90は第1部分P1から第2流路121へ流れる流体の流線から離れて形成されることが好ましい。溝90は、例えば半径方向Dr1において第2軸AX21と重なる位置に形成される。第1部分P1を流れる流体は、軸方向Dx1において、第1側壁91と受圧面31の間から溝90を通り、第2側壁92と受圧面32の間から第2部分P2へ流入する。
【0190】
溝90の周方向θの幅W90は細いほうが好ましく、溝90の深さD90は深いほうが好ましい。溝90の深さD90は、例えば弁体30の外周面33と第1管体10の内周面12の間に形成される隙間より大きい。溝90の幅W90や溝90の深さD90は、例えば第1管体10の内径ID1の1/5~1/10である。
【0191】
軸方向Dx1において、第1管体10に流体が流れていない状態で第1側壁91は、受圧面31から離れている。第1側壁91は受圧面31より端部10a側に位置しているため、弁体30の外周面33が開口13を最も塞いでいる状態において、溝90は第1部分P1において弁体30の外周面33に塞がれていない部分を有する。減圧弁600は、弁体30が移動しなくとも第1側壁91と受圧面31との間を通じて第1部分P1から第2部分P2へ流体を流入させる。
【0192】
弁体30が端部10b側に最も移動した状態において、第2側壁92は、軸方向Dx1において、受圧面32と調整部材40の端面41との間に位置する。他の観点からは、弁体30の外周面33が開口13を最も塞いでいない状態において、溝90は第2部分P2において弁体30の外周面33に塞がれていない部分を有する。
【0193】
第1側壁91は、第1管体10に流体が流れていない状態において受圧面31の近傍に位置するのが好ましい。受圧面31の近傍に第1側壁91を設けることで、第2部分P2の流体は第1部分P1の流体の動圧の影響を受けにくくなる。例えば、第1管体10に流体が流れていない状態において、軸方向Dx1の第1側壁91から受圧面31までの距離は、溝90の幅W90または溝90の深さD90とおおよそ等しいことが好ましい。
【0194】
弁体30は、上述の各実施形態と同様、軸方向Dx1に移動可能な状態で第1流路110に設けられている。減圧弁600における弁体30の動きは、上述の各実施形態と同様である。
図13に示す例においては、受圧面31の近傍から溝90に流体が流入するため、第2部分P2の静圧は受圧面31に作用している流体の静圧と等しくなりやすい。他の観点からは、第2部分P2の流体の静圧は、受圧面31に作用している静圧との間で差が生じにくい。第1管体10に形成された溝90により、弁体30への静圧の影響が抑制されている。
【0195】
第6実施形態に係る減圧弁600の構造であっても、上述の各実施形態と同じく優れた減圧効果を有する減圧弁600を得ることができる。また、上述の各実施形態と同様の効果を得ることができる。第6実施形態においては、溝90により第1部分P1および第2部分P2の流体の静圧の弁体30への影響を抑制することができる。第1管体10の内周面12に溝90を設けているため、第2部分P2の流体は第1部分P1を流れる流体の動圧の影響を受けにくい。
【0196】
第6実施形態に係る減圧弁600の構成は一例にすぎない。第6実施形態における本体1は、2つ以上の第2管体を有してもよい。この場合、第1管体10には、第2管体と接続するための開口が2つ以上形成される。2つ以上の開口の合計面積は、例えば第1管体10の流路面積より大きい。二次側である第2管体の流路面積の合計は、一次側である第1管体10の流路面積より大きくなる。
【0197】
溝90は、第1管体10の内周面12に1つ形成されていたが、周方向θに2つ以上形成されてもよい。2つ以上形成された溝90の幅W90および深さD90の各々は、等しくてもよいし、異なってもよい。第6実施形態においても、第3実施形態において説明した弁体30のスカート部38等の形状を適用することができる。
【0198】
以上の通り、これらの実施形態は、例として提示したものであり、本発明の範囲を各実施形態で開示した構成に限定するものではない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能である。これらの実施形態や変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0199】
100,200,300,400,500,600…減圧弁、1…本体、10…第1管体、11…外周面、12…内周面、13,14…開口、15…係止面、21,22…第2管体、30…弁体、31…受圧面、34…接続路、35…接続口、37…拡径部、38…スカート部、39…ストッパ、60…導圧管、62…突出部、65…カバー、6a…開口、70…付勢部材、90…溝、91…第1側壁、92…第2側壁、AX1…第1軸、AX21,AX22…第2軸、BP1…遮蔽部材、P1…第1部分、P2…第2部分、SP…スペーサ。