(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023003779
(43)【公開日】2023-01-17
(54)【発明の名称】教育用プログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 15/00 20060101AFI20230110BHJP
G09B 7/04 20060101ALI20230110BHJP
G10H 1/00 20060101ALI20230110BHJP
【FI】
G09B15/00 B
G09B7/04
G10H1/00 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105063
(22)【出願日】2021-06-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和 2年 7月31日掲載 https://apps.apple.com/jp/app/primo-プリモ/id1493879438 令和 2年 7月31日掲載 https://play.google.com/store/apps/details?id=com.OnkyouLab.PrimoApp
(71)【出願人】
【識別番号】521278841
【氏名又は名称】株式会社国際音楽教育研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】笹森 壮大
【テーマコード(参考)】
2C028
5D478
【Fターム(参考)】
2C028AA09
2C028BA01
2C028BB04
2C028BB06
2C028BC01
2C028BC04
2C028BD01
5D478EB31
5D478FF03
5D478FF14
5D478FF27
(57)【要約】
【課題】簡易な方法で、音に関する教育を適切に行うことができる教育用プログラム等を提供する。
【解決手段】コンピュータに、五線譜と、問題とを表示する表示ステップと、問題の音を再生する再生ステップと、五線譜上に複数の音符を表示し、それぞれの音符を上下に移動することにより解答の音を入力させる入力ステップと、前記入力された解答の音と、前記問題の音とが一致した場合は正解表示を行い、前記入力された解答の音と、前記問題の音とが一致しない場合は、正しい音符の位置を表示しつつ、対応する位置に不正解表示を行う制御を行う制御ステップと、を実行させる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
五線譜と、問題とを表示する表示ステップと、
問題の音を再生する再生ステップと、
五線譜上に複数の音符を表示し、それぞれの音符を上下に移動することにより解答の音を入力させる入力ステップと、
前記入力された解答の音と、前記問題の音とが一致した場合は正解表示を行い、前記入力された解答の音と、前記問題の音とが一致しない場合は、正しい音符の位置を表示しつつ、対応する位置に不正解表示を行う制御を行う制御ステップと、
を実行させる教育用プログラム。
【請求項2】
前記表示ステップは、音の数に応じた問題の表示を行い、
前記表示ステップは、ユーザからの操作に応じて、問題の表示と、ヒントの表示とを切り替えて表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の教育用プログラム。
【請求項3】
前記入力ステップは、音符を複数表示し、前記音符を上下に移動することで和音を入力することを可能とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の教育用プログラム。
【請求項4】
前記表示ステップは、第1の学習日数の間は第1のレベルの問題に基づいた問題を表示し、第1の学習日数を経過後、第2の学習日数の間は、第1のレベルの問題より難しい第2のレベルの問題に基づいた問題を表示することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の教育用プログラム。
【請求項5】
コンピュータに、
五線譜と、問題とを表示する表示ステップと、
問題の音を再生する再生ステップと、
五線譜上に複数の音符を表示し、併せて鍵盤を表示し、鍵盤を選択することで解答の音を入力させる入力ステップと、
前記入力された解答の音と、前記問題の音とが一致した場合は正解表示を行い、前記入力された解答の音と、前記問題の音とが一致しない場合は、正しい音符の位置を表示しつつ、対応する位置に不正解表示を行う制御を行う制御ステップと、
を実行させる教育用プログラム。
【請求項6】
前記鍵盤には、問題の最初の音を識別表示することを特徴とする請求項5に記載の教育用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教育用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、音の高さやリズムを学習する方法が様々知られている。例えば、カード型の教材をつかって、音価とリズムとを学習する発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、演奏が適切か否かを確認することにより、学習を行うことが可能な技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6413133号
【特許文献1】特開2019-053170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、タブレット等の情報処理装置を利用した教育が行われつつある。情報処理装置を利用して音楽教育を行う場合、より簡易な方法で、効果的な学習が行われることが望まれていた。
【0005】
本開示の目的の1つは、簡易な方法で、音に関する教育を適切に行うことができる教育用プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の教育用プログラムは、コンピュータに、五線譜と、問題とを表示する表示ステップと、問題の音を再生する再生ステップと、五線譜上に複数の音符を表示し、それぞれの音符を上下に移動することにより解答の音を入力させる入力ステップと、前記入力された解答の音と、前記問題の音とが一致した場合は正解表示を行い、前記入力された解答の音と、前記問題の音とが一致しない場合は、正しい音符の位置を表示しつつ、対応する位置に不正解表示を行う制御を行う制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0007】
本開示の教育用プログラムは、コンピュータに、五線譜と、問題とを表示する表示ステップと、問題の音を再生する再生ステップと、五線譜上に複数の音符を表示し、併せて鍵盤を表示し、鍵盤を選択することで解答の音を入力させる入力ステップと、前記入力された解答の音と、前記問題の音とが一致した場合は正解表示を行い、前記入力された解答の音と、前記問題の音とが一致しない場合は、正しい音符の位置を表示しつつ、対応する位置に不正解表示を行う制御を行う制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本実施態様によれば、簡易な方法で、音に関する教育を適切に行うことができる教育用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態におけるシステム全体について説明するための図である。
【
図2】本実施形態における端末装置の機能構成を説明するための図である。
【
図3】本実施形態における入力方法の一例を説明した図である。
【
図4】本実施形態における画面遷移(動作遷移)を説明した図である。
【
図5】本実施形態における処理フローを説明するための図である。
【
図6】本実施形態における学習モード(画面例)を説明するための図である。
【
図7】本実施形態における学習モード(画面例)を説明するための図である。
【
図8】本実施形態における学習モード(画面例)を説明するための図である。
【
図9】本実施形態における学習モード(画面例)を説明するための図である。
【
図10】本実施形態における学習モード(画面例)を説明するための図である。
【
図11】本実施形態における学習モード(画面例)を説明するための図である。
【
図12】本実施形態における学習モード(画面例)を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本開示を実施するための一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した発明の技術的範囲が、以下の記載に限定されるものではない。
【0011】
[1. 全体構成]
図1は、本実施形態におけるシステム全体を模式的に説明するための図である。例えば、システム1には、端末装置10と、サーバ装置20とが含まれておりネットワークを介して接続可能となっている。端末装置10は、本実施形態のプログラムをインストールした装置であり、1又は複数がシステム1に含まれている。端末装置10は、ユーザが使用するスマートフォン、タブレット、コンピュータといった情報処理装置であってもよい。
【0012】
サーバ装置20は、問題データや、成績データを管理する装置である。すなわち、サーバ装置20を利用して本実施形態で実現される機能を提供することができる。なお、端末装置10に教育用プログラムをインストールすることで、端末装置10が単体で各処理を実行してもよいし、必要に応じてサーバ装置20が処理を実行してもよい。
【0013】
[1.1 機能構成]
つづいて、本実施形態における端末装置10の機能構成について説明する。端末装置10は、本発明における教育用プログラムがインストールされた装置である。
【0014】
制御装置100は、端末装置10の全体を制御する。制御装置100は、記憶装置200に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現しており、例えば、1又は複数の演算装置であるCPU(Central Processing Unit)や、SOC(System-on-a-chip)等により構成されている。
【0015】
また、制御装置100は、記憶装置200に記憶されているプログラムを実行することにより、各機能を実現してもよい。本実施形態では、制御装置100は、学習実行プログラム230を読み出して実行することにより、学習実行部110として機能する。
【0016】
学習実行部110は、ユーザが音楽(音)に関する学習をするときに必要となる機能を提供する。例えば、学習実行部110は、音入力部112と、問題決定部114と、成績処理部116との機能を提供する。学習実行部110は、教育用プログラムである学習実行プログラム230が制御装置100により実行されることにより実現される処理である。
【0017】
音入力部112は、ユーザが音を入力する場合に実行される。音入力部112は、ユーザが音を入力しやすいインタフェースを提供することで、ユーザに簡単に音を入力させる。ここで、入力する音とは、例えば、音の高さをいい、音名で表されるものである。例えば、音の高さ(音名)は、「ドレミ・・・」や、「CDEF・・・」と表現されることがある。これらの音の高さを、例えばキーボード(鍵盤)を模したユーザインタフェースにより入力したり、「ドレミ・・・」と音名が表示されたユーザインタフェースにより入力したりすることが可能である。
【0018】
図3は、音入力部112がユーザから音の入力を受け付ける方法の例について説明する図である。
図3(a)の第1の方法の場合、音入力部112は、五線譜を表示し、その中に上下に移動可能な音符を表示する。ユーザが、この音符を選択して上下に移動させることで音の入力を可能とする。なお、単純にユーザが最初に入力したい位置をタッチやタップといった選択操作で音符を入力する位置を選択してもよい。
【0019】
また、
図3(a)では、音の高さ以外にも、入力したときの長さや、メニュー選択、他のジェスチャーにより音の長さを合わせて入力してもよい。
【0020】
第2の方法の場合、音入力部112は、音を入力可能なインタフェースを提供する。例えば、
図3(b)では、ピアノの鍵盤を表示する。ユーザは表示された鍵盤(白盤、黒盤)を選択(タッチ、タップ)することで、音の入力を可能となる。また、
図3(b)にしめすように、鍵盤に音名を合わせて表示してもよいし、表示しなくてもよい。また、現在選択している鍵盤に記号(例えば星印)を表示してもよいし、入力させたい場所に記号を表示してもよい。また、ヒントとなる位置に記号を表示してもよい。また、音を入力可能なインタフェースは、ピアノの鍵盤以外にも、ギター、木琴、フルートといった他の楽器を表示してもよい。
【0021】
第3の方法の場合、音名を表示し、音を入力する。例えば、
図3(c)に示すように、音名をボタンで表示し、ユーザはこの中から選択すればよい。
【0022】
なお、ユーザは、例えば、「ド」「レ」「ミ」「ファ」「ソ」「ラ」「シ」といった音(例えば、五線譜で通常の音符として表される音、五線譜等において「#」等の変化記号(臨時記号)を用いずに表現できる音)や、「ド#」等の「シャープ」「フラット」といった変化記号(臨時記号)を付けたような音も入力可能である。このとき、ユーザは「#」等の変化記号を別に入力してもよいし、異なる操作(例えば、ダブルタップ等)により入力してもよい。
【0023】
また、音入力部112は、音以外にも音に関する情報を入力できてもよい。例えば、ユーザが入力したタイミングによりリズムが入力できてもよい。
【0024】
また、音入力部112は、高さが異なる複数の音を入力することも可能である。例えば、音入力部112は、複数の音符を一列に表示し、それらを上下に移動することで、和音の入力をすることが可能である。この場合、ユーザは、表示された複数の音符を上下に移動して和音を入力してもよいし、和音として入力する位置を選択(タッチ、タップ)することで入力してもよい。
【0025】
問題決定部114は、ユーザにより選択された学習モードに応じて問題を決定する。また、問題決定部114は、ユーザの学習進度や、実力に応じて問題の出題難易度を決定する。問題決定部114は、決定した問題を表示部310に表示する。このとき、問題決定部114は、記憶装置200に記憶されている問題DB(データベース)210から問題を読み出してもよいし、外部のサーバ装置20から問題を取得してもよい。すなわち、問題決定部114は、何れかに記憶された問題から1又は複数の問題を出力することができる。
【0026】
成績処理部116は、ユーザの成績や、学習進度を管理する。例えば、ユーザの正答率、レベル、学習進度といったことを、成績情報220として記憶し、管理する。なお、サーバ装置20に成績情報20を記憶し、サーバ装置20を離用意してユーザの成績等を管理してもよい。
【0027】
ここで、問題決定部114は、成績処理部116の成績に応じて出題難易度を変更してもよい。問題決定部114の出題難易度の変更方法は、種々考えられるが、以下のようなものが考えられる。
【0028】
・メロディを短音から和音に変更する。また、出題難易度に応じて和音の数を増やす。
・全音、半音を組み合わせたり、組み合わせを増やしたりする。
・テンポを速めたり、音の数を増やしたりする。
【0029】
また、問題決定部114は、問題レベルを段階的に切り替えてもよい。例えば、1問に対して3段階のレベルを設定する。すなわち、易しいレベルであるAレベル(第1のレベル)から、Bレベル(第2のレベル)、難しいレベルであるCレベル(第3のレベル)と段階を分けて問題を記憶している。
【0030】
ここで、問題決定部114は、正解数に応じて学習日数を変動させてもよい。例えば、学習日数について説明すると、問題決定部114は、Aレベル(第1のレベル)の問題を第1の学習日数出題した後に、Bレベル(第2のレベル)の問題を出題してもよい。また、問題決定部114は、Bレベルの問題を第2の学習日数出題した後に、Cレベル(第3のレベル)の問題を出題しててもよい。そして、問題決定部114は、Cレベルの問題を第3の学習日数出題した後、次の種類の問題(異なるジャンルの問題や、異なる学習項目の問題)を出題してもよい。
【0031】
具体的に説明すると、例えば、問題決定部114は、Aレベルの問題を第1の学習日数として14日間出題する。そして、問題決定部114は、14日経過後に、Bレベルの問題を第2の学習日数として10日間出題するようにする。そして、問題決定部114は、Bレベルの問題を第2の学習日数として10日間出題した後に、Cレベルの問題を第3の学習日数として6日間出力する。問題決定部114は、Cレベルの問題は第3の学習日数として6日間出題した後に、次のジャンルに問題を切り替えてもよい。
【0032】
これらの日数(第1の学習日数、第2の学習日数、第3の学習日数)は、システム側や、指導者側(教師側)で変更してもよい。また、第1の学習日数、第2の学習日数、第3の学習日数は同じ日数であってもよいし、異なる日数としてもよい。例えば、上述したように習熟度が上がる都度短くしてもよい。また、上述したレベルはA~Cレベルで説明しているが、2レベルであってもよいし、それ以上(4レベル、5レベル以上)であってもよい。
【0033】
また、問題決定部114は、同じレベルの問題が所定の正答率が維持できた場合は、次のレベルの問題に切り替えてもよい。例えば、Aレベルの問題の正答率が第1の正答率(閾値)として80%以上となった場合には、Bレベルの問題を出題してもよい。また、問題決定部114は、Bレベルの問題へ切り替えるときに期間を設けてもよい。例えば、Aレベルの問題の正答率が第1の正答率として80%であることに加えて、ユーザが正答率を超えている設定期間を判定する。具体的には、ユーザの正答率が第1の正答率(例えば、80%以上)を、第1の設定期間(3日間)超えた場合には、ユーザが所定のレベルを満たしていると判定し、問題決定部114は、次のレベルや、次のジャンル・分類に切り替えて出力してもよい。
【0034】
また、ユーザの正答率が第2の正答率(例えば、60%未満)を、第2の設定期間(3日間)超えた場合には、問題決定部114は、易しいレベルに問題レベルを変更して出力してもよい。
【0035】
これらの正答率や、設定期間は、システム側や、指導者側が変更できてもよい。また、正答率、設定期間は更に段階的に設けられてもよい。また、正答率や、設定期間と、上述した学習日数とを組み合わせてもよい。
【0036】
例えば、正答率の条件と、学習日数の条件をOR結合で判定してもよい。例えば、Aレベルの問題を第1の学習日数出題した後に、Bレベルの問題を出題するが、正答率が第1の正答率の閾値以上となった場合には、学習日数経過前にBレベルの問題を出題してもよい。また、より厳しい条件として、正答率の条件と、学習日数の条件をAND結合で判定してもよい。すなわち、本実施形態において開示されている学習日数、正答率(閾値)、設定期間の条件を組み合わせて問題レベルを変える条件を作成することが可能である。この3つの条件は、AND/OR結合の何れも選択可能である。
【0037】
記憶装置200は、端末装置10の動作に必要な各種プログラムや、各種データが記憶されている機能部である。記憶装置200は、例えば、半導体メモリや、HDD(Hard Disk Drive)等により構成されている。
【0038】
また、記憶装置200は、問題DB210と、成績情報220と、学習実行プログラム230とを記憶する。
【0039】
問題DB210は、出題形式に応じた問題が記憶されている。記憶される問題は、例えば、問題の画面を記憶してもよいし、出題する問題の音を示す情報(出題情報)を記憶する。なお、音は、単音であってもよいし、重音(和音)であってよい。出題情報は例えば音名(ド、レ、・・・)及び/又はタイミング(リズム)を含めることが可能である。
【0040】
成績情報220は、ユーザの成績を記憶する。例えば、ユーザを識別するための識別情報と、ユーザ名、解いた問題に関する情報、点数、学習時間、カリキュラムの進捗情報といったことを記憶する。
【0041】
学習実行プログラム230は、ユーザが学習を行う場合に制御装置100が実行するプログラムであり、教育用プログラムである。学習実行プログラム230は、予め記憶装置200に記憶されてもよいし、外部のサーバ(例えば、アプリケーション配信サービス)から受信して記憶してもよい。また、SaaS(Software as a Service)やASP(Application Service Provider)により、サービスを提供してもよい。
【0042】
タッチパネル300は、端末装置に備えられた入出力装置である。例えば、表示部310と、入力部320とを備えている。
【0043】
表示部310は、画像や文字を表示するための機能部である。例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELパネル等により構成されている。入力部320は、ユーザからの接触を検出して入力を行う。例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、赤外線方式といった何れかの方式を利用する。なお、表示部310と、入力部320とを一体化して一般的なタッチパネル(操作入力装置)とする。
【0044】
なお、説明の都合上、タッチパネル300として説明するが、表示部310と、入力部320とは別体の装置であってもよい。例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置と、キーボード(マウス)等の入力装置とを組み合わせてもよい。
【0045】
音出力装置400は、音を出力する装置であり、例えばスピーカーである。ドレミ・・・等の音を出力する。なお、スピーカー以外にも、ヘッドフォンといった装置であってもよい。
【0046】
通信装置500は、外部の装置と通信を行う。例えば、無線LAN/有線LANと通信可能なインタフェースを提供したり、LTE/4G/5Gといった移動体通信網に接続可能なインタフェースを提供したりする。
【0047】
[2.処理の流れ]
ここで、本実施形態における処理の例について、
図4以降を参照して説明する。
図4は、制御装置100が、学習実行プログラム230を実行した場合の画面遷移を示した図である。なお、制御装置100が学習実行プログラム230を実行することで、学習実行部110として機能する。
【0048】
学習実行部110は、まず「スタート画面」を表示する。スタート画面からログイン画面に遷移することで、ログイン処理(ユーザ認証)を実行する。また、学習実行部110は、設定画面では、各種機能は、ユーザに関する設定を行う。このとき、ユーザの保護者が設定する画面を表示してもよい。
【0049】
そして、ログインが行われると、学習実行部110は、メニュー画面を表示する。そして、ユーザにメニュー画面から実行する機能を選択させる。
【0050】
ここで、学習を実行すると、学習実行部110は、学習画面を表示する。学習画面は、学習モード毎に備えられている。本実施形態では後述する3つの学習モードを実行可能である。
【0051】
また、学習実行部110は、メニュー画面から成績の管理を行う成績管理画面を表示可能である。成績管理画面では、ユーザの学習の進捗度、正答率等の成績を参照することが可能である。
【0052】
ここで、学習実行部110が実行する学習処理について、
図5を参照して説明する。学習処理は、主にメニュー画面から学習画面をユーザが選択した場合に、学習実行部110が実行する処理である。
【0053】
まず、学習実行部110は、問題画面を表示する(ステップS102)。ここでタッチパネル300(表示部310)に表示される問題は、問題決定部114が決定する問題である。問題決定部114は、学習モード、ユーザの情報に基づいて出題する問題及び問題の形式、ユーザインタフェースといった内容を決定し、問題を表示する。ここで、ユーザの情報は、例えば、ユーザの進捗度、レベル、成績、契約している内容、保護者や指導者の入力情報等を含めてもよい。
【0054】
つづいて、学習実行部110は、ユーザによりヒントを表示する指示があった場合は、ヒント画面を表示する(ステップS104;Yes→ステップS106)。ここで、ヒント画面が予めない場合は、ヒント画面は表示されない。また、保護者や指導者や、予め設定された設定、コースの学習内容により表示すべきヒントがない場合、学習実行部110ヒントは表示しない(ステップS104;No)。
【0055】
つづいて、学習実行部110は、ユーザからの回答入力を受け付ける(ステップS108)。回答は、音入力部112がユーザから音の入力を受け付ける。音入力部112は、入力された音は、入力された音の情報(入力情報)として、記憶する。そして、学習実行部110は、回答の入力が終了するまで、処理を待機する(例えば、ステップS110;No→ステップS104)。
【0056】
ユーザによる回答の入力が終了すると(ステップS110;Yes)、学習実行部110は、答え合わせ処理を実行する(ステップS112)。
【0057】
答え合わせ処理は、ユーザが入力した音に基づく音の入力情報と、問題として表示した音の出題情報とが一致するかを判定し、表示する。例えば、ユーザが入力した音と、問題に記憶されている音とが一致しているかを判定する。答え合わせ処理では、例えば、答え合わせ画面を表示し、一音ずつ正解か不正解かを表示してもよい。また、学習実行部110は、入力した音の表示と、問題に記憶されている出題した音の表示とを重ねて表示してもよい。また、このとき、一音ずつ重ねるように表示してもよい。
【0058】
そして、学習実行部110は、正解の場合は、正解画面を表示する(ステップS114;Yes→ステップS116)。また、学習実行部110は、不正解の場合は、不正解画面を表示する(ステップS114;No→ステップS118)。
【0059】
そして、学習実行部110は、次の問題がある場合は、次の問題を出題する(ステップS120;No→ステップS122)。他方、全問終了している場合、本処理を終了する(ステップS120;Yes)。
【0060】
[3.学習モード]
以下、学習実行プログラム230が実行可能な学習モードについて説明する。なお、これらの学習モードは個別に学習できてもよいし、一括で学習できてもよい。また、学習実行プログラム230は、以下に説明する学習モード以外にも実行可能である。また、学習モードは後から追加してもよい。
【0061】
[3.1 おとならべモード]
ユーザが聞いた音を、五線譜に表示された音符を移動することで、音を入力する学習モードである。
【0062】
図6(a)は、出題中の表示画面の一例である。五線譜に表示された音符がマスク表示(M100)されて、出題情報に基づく音が出力される。
【0063】
図6(b)は、音入力画面である。
図6(b)は初期画面であり、音符が初期位置に一直線上に表示されている。ユーザは、領域M110に表示された音符(全音符)を上下に移動することで、音を入力する。本画面では、ヒントボタンM112が表示されているので、ユーザはヒントボタンM112を選択することでヒントを表示することが可能である。
【0064】
図6(c)は、ヒントを表示する表示画面の一例である。五線譜の位置に、出題情報(正解の音)を含む所定の範囲が異なる色(例えば透過色で赤色)で表示される。ユーザは、領域M120に含まれる位置に音符があることを確認することが可能となる。
【0065】
ヒントを表示する範囲は、レベルによって変更してもよい。例えば、初学者の場合はピンポイントで表示してもよいし、レベルが上がると複数の音が含まれる範囲で表示されるようにしてもよい。
【0066】
図7(a)は、正解したときの正解画面の一例である。ここで、全ての入力した音(入寮情報)と、問題として出題した音(出題情報)が一致したため、大きく正解をあらすマークM128が表示されている。
【0067】
なお、このとき左の音符から右の音符に向かって、実際に音を出力しつつ、音符の色を変えてもよい。この場合、ユーザは目と耳とから音を学習することが可能となり視認させることができる。
【0068】
また、各音の下に識別表示として正解である識別表示m128が表示される。例えば、
図7(a)では、一音ずつ花丸の表示がされており、全部の音が正しかったことをユーザに示している。
【0069】
また、
図7(b)は、不正解のときの不正解画面の一例である。このとき、左の音符から右に向かって、実際に音が出力されつつ、音符の色が変わることでユーザに視認させることができる。
【0070】
このとき、正解であった音符M130と、入力あれた音符M132は異なっている。このような場合は、単に正解の音を出力するときに、異なる識別表示(色表示)としてもよい。例えば、正解の音を出力するときに順に色を出力する場合、誤った箇所については、正しい音符の色だけ出力し、併せて色を変えても良い。
【0071】
また、五線譜の下には正解不正解を示す識別表示が付されている。例えば、正解した音に付されているマークM134と、不正解に付されているマークM136は異なる表示となっている。これにより、例えば見過ごした場合であっても容易に確認することができる。また、ユーザはどこを間違えたかを確実に認識することができる。また、正解不正解を示す識別マークは、正解の音が再生されているときに、音に合わせて随時表示されてもよい。これにより、ユーザは、音と合わせて間違えている位置を直感的認識することが可能なる。
【0072】
また、おとならべモードは、単音以外にも和音(重音)も出題可能である。
図8は、三和音を学習するモードを示す図である。
図8(a)は、出題の一例を示しており、
図8(b)は、正解した場合の正解画面の一例である。
【0073】
ユーザは、表示された音符を上下に移動(ドラッグ)したり、異なる位置を選択(タッチ・タップ)することで、聞こえた和音になるように音符を配置する。
【0074】
なお、このとき、シャープ、フラット、ナチュラルといった記号を併せてつけることもできる。この記号は、単音のときにも付けることは可能である。また、予め和音の場合は音符を初期状態として表示することで和音の数をユーザは認識することができる。例えば、音符が3つ表示されていれば、三和音の問題であることが解る。また、音符の数を1つとし、和音の数に応じてユーザが入力することにしてもよい。
【0075】
また、本モードにおいて、再生速度を切り替えることも可能である。例えば、
図8(a)では、「ゆっくり」「はやい」といった表示がされている。ユーザが「ゆっくり」「はやい」を選択することで、再生する速度を切り替えることが可能である。また、初期の再生速度は、ユーザの習熟度合いに応じて切り替えてもよい。例えば、ユーザ学習レベルとして、習熟の度合いが低い場合は、再生する速度をゆっくりとしてもよい。
【0076】
[3.2 ききわけメロディモード]
つづいて、ききわけメロディモードについて説明する。ききわけメロディモードは、端末装置から出力されたメロディ(音の高さ、リズム)を選択する学習モードである。
図9を利用して、ききわけメロディモードについて説明する。なお、ききわけメロディモードは、所定のタイミングで実行してもよい。例えば、制御装置100は、ユーザによりききわけメロディモードが選択された場合に当該モードを実行してもよいし、ユーザが最初に学習を実行するときに実行してもよい。
【0077】
すなわち、制御装置100は、他の学習モードを実行する前に、本モードを予め実行してもよい。また、制御装置100は、ききわけメロディモードをクリアしたユーザに対しては、当該モードをスキップし、他のモードを実行してもよい。また、制御装置100は、最初にユーザの実力度を測るテストを実行し、テストの点数に応じて(例えば、点数が所定の閾値以下の場合に)、ききわけメロディモードを実行してもよい。
【0078】
まず、学習画面として、マスク表示された五線譜と、選択する五線譜が表示されている。ユーザは、問題としてマスク表示された五線譜により、本問題が3つの音からなることが解る。そして、出題された音を示す五線譜が、下に表示されたM200、M205、M210の何れかであるかを選択する。
【0079】
ここで、それぞれの五線譜には、音を出力するボタンが表示されている。ユーザは、音を出力するボタンを選択すると、それぞれの五線譜に対応する音が出力する。この音を聞き比べることで、ユーザはより正確に音符が表している音を確認することができる。例えば、ユーザによりボタンM202が選択されると、問題として表示されているM200で表示されている五線譜上の音符に基づいて音が出力される。
【0080】
図9(b)は、本学習モードにおける正解画面を表示する一例である。
図9(c)は、本学習モードにおける不正解画面を表示する一例である。このように、本実施形態によれば、ユーザは出力された音が、いずれの音符で表された音であるかを学習することができる。
【0081】
[3.3 ピアノさんぽモード]
つづいて、ピアノさんぽモードについて説明する。ピアノさんぽモードは、出題された音(出題情報に基づいて出力される音)を、鍵盤から入力するモードである。
【0082】
図10(a)は、出題中の画面である。問題を表示する領域であるM300には、五線譜が表示されている。また、本問では音が5つ出力されることを出題枠M302により示している。この状態で、音が出力されると、音の出力似合わせて、出題枠M302が色を変えて表示される。例えば、出題枠M302は、M304の方向に音の出力とともに色が変わったり、輝度が変わったりして表示が変化する。なお、出題枠は、音毎に表示される枠である。なお、出題枠は、1つの枠で表示してもよい。この場合、ユーザは音の数が解らないことから、上級者用の学習モードとなる。また、出題枠を1つの枠で表示した場合に、音毎に区切り表示を行うことで、音の数をユーザに示すことは可能である。
【0083】
ユーザは、聞き取った音を入力する。本実施形態では、ユーザは鍵盤から入力する方法を用いる場合について説明する。なお、
図3で説明した他の方法で音を入力してもよい。
【0084】
図10(b)は、鍵盤から音を入力している回答中を示す画面である。ユーザが回答した音符は領域M310に表示される。ユーザは、鍵盤(例えば、M312)を選択すると、対応する位置の音符(例えば、M314)が表示される。
【0085】
なお、
図10(b)のM312に示すように、鍵盤に星印を表示することで、最初に入力すべき音を表示してもよい。ユーザは、1つめの音が何の音であるかを認識することができる。また、
図10(b)では、星印で示しているが、何れかの識別表示であればよく、例えば他の記号や文字を表示させたり、鍵盤の色を変えたりといった表示態様を変化させてもよい。
【0086】
また、最初の音を示す識別表示は表示、非表示をユーザによって切り替えることができることとしてもよい。また、問題レベルや、学習回数によって表示、非表示を切り替えてもよい。例えば、同じ問題の場合、3回目までは識別表示がされるが、4回目以降は識別表示がされないといった方法であってもよい。また、間違えた問題や、所定回数以上間違えた問題の場合には、識別表示を行うといった方法であってもよい。また、問題レベルが上がると、識別表示が表示されなくなるように変化してもよい。
【0087】
ユーザが全ての音符(本問では、
図10から5音)が入力し終わると、学習実行部110は、正解か否かを判定する。
図10(c)は、正解確認中の画面である。出題された音を最初から音出力するのと併せて、出題枠、音符の表示態様を順次変化させる。例えば、出題枠M320は、左から右の方向M322に従って表示態様が変化する。なお、このとき、実際に音が出力されている場所だけ表示態様を変えてもよいし、順次変化させてもよい。また、このとき、出力している音に合わせて鍵盤の位置を識別表示してもよい。
【0088】
図11(a)は、本学習モードにおける正解を示す画面を表示した一例である。正解表示では、正解を示す識別表示M330が行われ、正しい音符が表示されている。また、正解時に正しい音を再度出力したり、ユーザからの操作で再度音を出力したりしてもよい。
【0089】
図11(b)は、本学習モードにおける不正解を示す画面を表示した一例である。不正解を示す画面では、正しい音符(M342)と、間違えて入力した音符(M340)とが対比できるように(重ねて)表示されている。このとき、正しい音符(M342)は、間違えて入力した音符(M340)と異なる表示(例えば色を変える)としてもよい。
【0090】
また、本学習モードでは、ヒントを表示してもよい。例えば、
図11(c)のように、途中の音符を予め表示してもよい。これにより、学習者は入力する音の数が減るだけでなく、前後のつながりから入力する音の判定が容易になる。
【0091】
また、本学習モードでは、和音の入力を行ってもよい。例えば、学習実行部110は、和音を出題する。ユーザは、鍵盤から例えばマルチタッチにより複数の音を入力することで、和音を入力することができる。
図12は、和音を入力した場合における不正解を示す画面の一例である。このように、単音のみならず、和音でも表示可能である。
【0092】
[3.4 その他]
なお、上述した学習モードは、ユーザによって種々の機能を切り替えてもよい。例えば、出題(音声の出力)をゆっくりとしたり、はやくしたりと、速度を切り替え可能としてもよい。
【0093】
また、上述した学習モードにおいて、正解/不正解の判定は一括で行ってもよいし、随時行ってもよい。例えば、制御装置1000は、ユーザが5音入力する場合に、好ましくは5音全て入力してから正解/不正解の判定をするが、1音ずつ正解/不正解の判定をしてもよい。
【0094】
また、上述した学習モードにおいて、回答途中に入力をやりなおしてもよい。例えば、入力やり直しが選択された場合には、再度最初から音を入力できるようにしてもよい。
【0095】
また、ユーザが入力した音を途中で再生できるようにしてもよい。例えば、「いまのじょうたいをきく」というボタンを設け、当該ボタンが選択されることで、ユーザが入力した音に基づいて、実際に音が出力される。これにより、ユーザは、問題の音と、ユーザが入力した音とを聴き比べることが可能となる。また、ユーザは、問題の音と、ユーザが入力した音とを聴き比べることにより、入力した音が正しいか、間違えているかを判断することができる。また、ユーザが入力した音が途中までの場合、途中までの音を出力して確認することで、続く音が何の音であるかを考えることが可能となる。
【0096】
また、ユーザは必要におうじて入力をやりなおしてもよい。この場合、表示画面に「やり直しボタン」を表示し、「やり直しボタン」が選択された場合には入力された音が一度消去されてもよい。また、入力した音のうち、1又は複数の音をユーザが選択し、削除したり、変更したりする機能を提供してもよい。
【0097】
[4.変形例]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【0098】
また、上述した実施の形態、適用例、動作例、変形例において開示した技術は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【0099】
また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROMやHDDの記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0100】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれるのは勿論である。
【符号の説明】
【0101】
1 システム
10 端末装置
100 制御装置
110 学習実行部
112 音入力部
114 問題決定部
116 成績処理部
200 記憶装置
210 問題DB
220 成績情報
230 学習プログラム
300 タッチパネル
310 表示部
320 入寮部
400 音出力装置
500 通信装置